(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】車載器
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021067537
(22)【出願日】2021-04-13
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 雄太郎
(72)【発明者】
【氏名】前川 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岩田 正
(72)【発明者】
【氏名】寺田 圭助
(72)【発明者】
【氏名】佐治 弘章
(72)【発明者】
【氏名】小松 洋一
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-116576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00 - 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置に関する信号を取得する信号取得部を有し、搭載された前記車両の走行情報を記録する車載器デバイスと、
前記車載器デバイスが記録した前記走行情報を外部に出力する車載器出力部と、
複数の処理部、および、前記車載器デバイスとの間で情報の送受信を行う1つだけの入出力部を有し、当該処理部のセキュリティを確保するセキュリティデバイスと、
を備え、
前記セキュリティデバイスは、
前記信号取得部が取得した前記信号が前記入出力部を介して入力され、かつ前記信号を位置情報に変換する変換処理を行う変換処理部と、
前記変換処理部が変換処理を行った前記位置情報が直接入力され、かつ前記位置情報を高セキュリティ位置情報に変換する改ざん抑制処理を行う改ざん抑制処理部と、を有し、
前記入出力部を介して前記車載器デバイスに前記高セキュリティ位置情報が出力され、
前記車載器出力部は、前記高セキュリティ位置情報を外部に出力する、
ことを特徴とする車載器。
【請求項2】
前記改ざん抑制処理部は、
前記位置情報に対して電子署名を付加することで高セキュリティ位置情報に変換する処理を行う、
請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
前記改ざん抑制処理部は、
前記位置情報を暗号化することで高セキュリティ位置情報に変換する処理を行う、
請求項1又は2に記載の車載器。
【請求項4】
前記改ざん抑制処理部は、前記位置情報に前記走行情報を関連付け、前記走行情報を関連付けた前記位置情報を前記高セキュリティ位置情報に変換する改ざん抑制処理を行う、
請求項1~3のいずれか1項に記載の車載器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、デジタル式の運行記録計であって、いわゆるデジタルタコグラフと呼ばれる車載器を搭載するものがある(例えば、特許文献1参照)。車載器は、搭載された車両の走行情報を記録し、例えば無線通信によって当該走行情報を外部に送信する。
【0003】
ところで、日本は、交通事故死亡者の数が年々、徐々に減少しているものの、依然としてかなりの死亡者が発生する。そこで、交通事故対策として、車両の位置情報を外部に出力する車載器を車両に搭載することが望まれる。
【0004】
また、ドライバーによる貨物の盗難等の不正防止を目的として、車載器を搭載し、車載器から出力される位置情報を利用することが望まれる。
【0005】
さらに、エコドライブの推進や環境問題への対策の面で、遠隔監視のために車載器から出力される位置情報を利用することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、車載器の位置情報は、例えば、受信装置で受信して利用されることとなるが、受信装置において記録されている状態、あるいは、受信装置の外部の機器において記録されている状態の位置情報は、故意に改ざんすることが可能な状態である。位置情報が改ざんされる可能性がある場合、情報としての信頼性に対する疑いが持たれ、例えば、交通事故の証拠としての利用が困難となる。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、位置情報が改ざんされることを抑制して、位置情報の信頼性を向上することができる車載器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る車載器は、車両の位置に関する信号を取得する信号取得部を有し、搭載された前記車両の走行情報を記録する車載器デバイスと、前記車載器デバイスが記録した前記走行情報を外部に出力する車載器出力部と、複数の処理部、および、前記車載器デバイスとの間で情報の送受信を行う1つだけの入出力部を有し、当該処理部のセキュリティを確保するセキュリティデバイスと、を備え、前記セキュリティデバイスは、前記信号取得部が取得した前記信号が前記入出力部を介して入力され、かつ前記信号を位置情報に変換する変換処理を行う変換処理部と、前記変換処理部が変換処理を行った前記位置情報が直接入力され、かつ前記位置情報を高セキュリティ位置情報に変換する改ざん抑制処理を行う改ざん抑制処理部と、を有し、前記入出力部を介して前記車載器デバイスに前記高セキュリティ位置情報が出力され、前記車載器出力部は、前記高セキュリティ位置情報を外部に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係る車載器は、上記構成を有するため、位置情報の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る車載器を有する送受信システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る車載器における位置情報および高セキュリティ位置情報の一例を示す表である。
【
図3】
図3は、第2実施形態に係る車載器を有する送受信システムのブロック図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る車載器における位置情報および高セキュリティ位置情報の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る車載器100を有する送受信システム1のブロック図である。
図2は、第1実施形態に係る車載器100における位置情報D1および高セキュリティ位置情報D2の一例を示す表である。
【0014】
本実施形態に係る送受信システム1は、
図1に示すように、車載器100と、受信装置200とを備える。
【0015】
車載器100は、搭載されている車両の走行情報を記録するものであり、例えば、各種電子部品を含むドライブレコーダ(デジタルタコグラフ)である。なお、車載器100は、ドライブレコーダなどに限定されない。車載器100は、車両の製造時において車両に組み込まれることで搭載されていてもよいし、車両が製造された後に車両に搭載してもよい。車載器100は、各車両にそれぞれ1台ずつ搭載される。つまり、車載器100は、複数の車両のそれぞれに搭載される。
【0016】
車載器100は、車載器デバイス2と、車載器出力部3と、セキュリティデバイス4とを備える。
【0017】
車載器デバイス2は、ドライブレコーダの基本機能を発揮する部分であり、車両の走行中における種々の走行情報を取得し、走行情報として記録する。
【0018】
車載器デバイス2は、車載器制御部21と、信号取得部22と、車両信号I/F部(インターフェース部)23と、CAN変換部24と、車載器メモリ25とを備える。車載器100は、車載器ID(車載器識別番号)および搭載される車両の車種が予め登録されており、車載器IDおよび走行情報が車両の走行中における種々の情報とともに走行情報として車載器メモリ25に記録される。
【0019】
車載器制御部21は、車載器メモリ25に記憶されたプログラム、データに従って、車載器100の各部を統括的に制御する。
【0020】
信号取得部22は、GPS用アンテナであって、車両の位置、および時刻に関する信号を取得する。
【0021】
車両信号I/F部23は、図示しない車両ECU、ブレーキECU、加速度センサやウィンカー、イグニッションスイッチなどの各種の部品又はセンサと車載器制御部21とを接続する。そして、車両信号I/F部23は、各種の部品およびセンサによって取得した車両の走行情報を処理し、当該処理した走行情報を車載器制御部21に送信する。
【0022】
CAN変換部24は、車両に搭載されている他機器24aと車載器制御部21とを接続し、他機器24aと車載器制御部21との間で送受信される信号をCAN用の通信プロトコルに変換する。そして、CAN変換部24は、他機器24aから送信される走行信号を走行情報に変換し当該変換した走行情報を車載器メモリ25に送信し、車載器メモリ25は走行情報を記録する。
【0023】
本実施形態に係る車載器100における走行情報は、例えばブレーキがONされたこと、アクセルがONされたこと、車両の走行速度が、予め定められた所定速度を超えたこと等を含む。
【0024】
車載器メモリ25は、車載器デバイス2を作動させるために必要な各種のデータ、プログラム、各センサの検出結果等の各種の情報を記録する。
【0025】
車載器出力部3は、車載器デバイス2が記録した走行情報を外部に出力する。より、具体的に説明すると、車載器出力部3は、例えば、送信アンテナ3aを介して、受信装置200に対して車載器デバイス2が記録した走行情報を外部に送信する。また、車載器出力部3は、車載器制御部21によって、後述する高セキュリティ位置情報D2を外部に出力する。より、具体的に説明すると、車載器出力部3は、例えば、送信アンテナ3aを介して、受信装置200に対して改ざん抑制処理部43で改ざん抑制処理が行われた高セキュリティ位置情報D2を外部に送信する。
【0026】
セキュリティデバイス4は、複数の処理部を有し、当該処理部のセキュリティを確保する。セキュリティデバイス4は、例えば、複数の処理部を一体成型し、ワンチップで形成される。このようなセキュリティデバイス4は、起動部41と、GPS処理部42と、改ざん抑制処理部43と、セキュリティメモリ44と、入出力部45とを有する。
【0027】
起動部41は、車載器100の電源をONした場合に、車載器100の各部の起動を行う機能を有する。
【0028】
GPS処理部(変換処理部)42は、信号取得部22が取得した信号が入出力部45を介して入力され、かつ、当該信号を位置情報D1に変換する変換処理を行う。位置情報D1は、
図2に示すように、例えば、緯度と経度と時刻とによって構成される。
【0029】
改ざん抑制処理部43は、GPS処理部42が変換処理を行った位置情報D1が直接入力され、かつ、位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。本実施形態に係る改ざん抑制処理部43は、位置情報D1に対して電子署名(
図2において、符号D3に示す☆型のマークで示す)を付加することで、高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。
【0030】
電子署名は、電子文章が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明するものである。電子署名は、例えば、予め定められた法則に基づいて決定された『コード』が形成され、当該『コード』が所定の暗号鍵で暗号化処理を施されて暗号化された『暗号化コード』に変換され、そして、当該『暗号化コード』が位置情報D1に付加される。そして、電子署名である『暗号化コード』が付加された位置情報D1は、受信装置200における検証の際、『暗号化コード』を上記暗号鍵に基づいて復号化することで、『コード』を取得する処理が行われる。そして、検証者は、セキュリティデバイス4の改ざん抑制処理部43で形成された『コード』と、受信装置200において、復号化して取得した『コード』とが非同一であれば、位置情報D1は改ざんされたものであることが分かり、同一であれば、位置情報D1は改ざんされたものでないことが分かる。
【0031】
セキュリティメモリ44は、セキュリティデバイス4を作動させるために必要な各種のデータ、プログラム、各種の情報を記録する。
【0032】
入出力部45は、車載器デバイス2との間で送受信を行い、セキュリティデバイス4に1つだけ設けられる。セキュリティデバイス4は、入出力部45を介して車載器デバイス2とだけ接続される。このため、セキュリティデバイス4は、外部機器と接続することがでない。この結果、セキュリティデバイス4の信頼性を向上することができる。
【0033】
受信装置200は、受信部210と、受信メモリ211とを有する。
【0034】
受信部210は、送信アンテナ3aを介して送信される走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を、受信アンテナ210aを介して受信する。
【0035】
受信メモリ211は、受信部210で受信した走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を記録する。
【0036】
次に、車載器100が行う位置情報D1出力処理について説明する。最初に、車載器制御部21は、GPS用アンテナである信号取得部22によって車両の位置に関する信号を取得する。
【0037】
次に、車載器制御部21は、入出力部45を介して信号取得部22が取得した信号をセキュリティデバイス4に入力し、かつ、GPS処理部42によって、上述した信号を位置情報D1に変換する変換処理を行う。
【0038】
次いで、車載器制御部21は、セキュリティデバイス4の内部において、GPS処理部42が変換処理を行った位置情報D1を改ざん抑制処理部43に直接入力し、かつ、改ざん抑制処理部43によって、位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。
【0039】
最後に、車載器制御部21は、改ざん抑制処理部43によって変換された高セキュリティ位置情報D2を車載器出力部3から外部に出力する。より具体的に説明すると、車載器出力部3は、送信アンテナ3aを介して、高セキュリティ位置情報D2を受信装置200に送信する。
【0040】
そして、受信装置200に送信された高セキュリティ位置情報D2は、受信部210によって受信され、受信メモリ211に記録される。
【0041】
本実施形態に係る車載器100は、以下の構成を有する。セキュリティデバイス4は、信号取得部22が取得した信号を位置情報D1に変換する変換処理を行うGPS処理部(変換処理部)42と、GPS処理部42が変換処理を行った位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換する改竄抑制処理を行う改ざん抑制処理部43とを有する。そのため、本実施形態に係る車載器100によれば、外部からアクセスすることができないセキュリティデバイス4の内部で位置情報D1が生成され、かつ、セキュリティデバイス4の内部で当該位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換することができる。そして、セキュリティデバイス4から外部に送信される際には、高セキュリティ位置情報D2に変換された状態であるため、位置情報D1の改ざんは困難である。その結果、本実施形態に係る車載器100は、位置情報D1の信頼性を向上することができる。
【0042】
本実施形態に係る車載器100は、以下の構成を有する。改ざん抑制処理部43は、位置情報D1に電子署名を付加して高セキュリティ位置情報D2に変換する処理を行う。そのため、本実施形態に係る車載器100は、高セキュリティ位置情報D2の電子署名を検証することによって、改ざんされた情報であるか否かが分かる。その結果、本実施形態に係る車載器100は、高セキュリティ位置情報D2が改ざんされることを抑制することができ、これにより、位置情報D1の信頼性を一層向上することができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る送受信システム1Aについて説明する。第2実施形態に係る送受信システム1Aは、第1実施形態に係る送受信システム1と比較し、セキュリティデバイス4Aの改ざん抑制処理部43で行われる改ざん抑制処理の内容が異なる。以下に、第2実施形態に係る送受信システム1Aにおいて、第1実施形態に係る送受信システム1と異なる点について説明する。
【0044】
本実施形態に係るセキュリティデバイス4は、第1実施形態に係るセキュリティデバイス4の構成に加えて、暗号鍵生成処理部46を有し、かつ、改ざん抑制処理部43Aで行う処理の内容が、以下のように異なる。
【0045】
図3は、第2実施形態に係る車載器100Aを有する送受信システム1Aのブロック図である。
図4は、第2実施形態に係る車載器100Aにおける位置情報D1および高セキュリティ位置情報D2の一例を示す表である。
【0046】
改ざん抑制処理部43Aは、GPS処理部42が変換処理を行った位置情報D1が直接入力され、かつ、位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。本実施形態に係る改ざん抑制処理部43Aは、位置情報D1を暗号化することで、高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。
【0047】
暗号鍵生成処理部46は、改ざん抑制処理部43Aで行った暗号化した情報を復号化することが可能な暗号鍵を生成する。
【0048】
暗号化は、改ざん抑制処理部43Aにおいて、例えば予め定められた法則に基づいて位置情報D1を暗号化することで、高セキュリティ位置情報D2(例えば、
図4に示すように所定の記号で形成された情報)に変換され、かつ暗号鍵生成処理部46において、当該暗号化に対応する暗号鍵を生成する。そして、暗号鍵は、例えば車載器メーカが、当該車載器メーカとの間で信頼性が担保された団体(例えば、公官庁や特定の企業等)に、例えば車載器出力部3から配信される。そして、当該団体は、団体が有する受信装置200に暗号鍵を組み込む。このような状態において、位置情報D1が暗号化された高セキュリティ位置情報D2は、受信装置200において、上述した暗号鍵を用いて復号化することによって、内容を理解することができる位置情報D1となる。
【0049】
本実施形態に係る車載器100は、以下の構成を有する。改ざん抑制処理部43は、位置情報D1を暗号化して高セキュリティ位置情報D2に変換する処理を行う。そのため、本実施形態に係る車載器100は、暗号化された高セキュリティ位置情報D2を復号化して位置情報D1に変換しなければ、位置情報D1の内容を理解することができない。その結果、本実施形態に係る車載器100は、高セキュリティ位置情報D2が改ざんされることを抑制することができ、これにより、位置情報D1の信頼性を一層向上することができる。
【0050】
なお、上述した本実施形態に係る車載器100、100Aは、車載器デバイス2に、車両の外部の動画を撮影することが可能な撮像部を設け、かつ、当該撮像部で撮影した動画を記録する動画メモリを設けてもよい。その上、車載器100は、車両と外部の物(以下、単に「外部物」と省略する)との距離を測定可能なセンサを備え、当該センサによって、車両に対して予め定められた距離を超えて、外部物が車両に接近した場合には、運転者に対して音や光による警告を行ってもよい。この場合には、車載器100は、当該センサによって、車両に対して予め定められた距離を超えて、外部物が車両に接近した場合には、車両に対して予め定められた距離を超えて外部物が車両に接近した場所の位置情報D1に対応する高セキュリティ位置情報D2を動画に関連付けてもよい。高セキュリティ位置情報D2は、位置情報D1を含むため、当該位置情報D1によって、車両に対して予め定められた距離を超えて、外部物が車両に接近した場所、および、時刻を特定することができる。
【0051】
また、上述した実施形態に係る車載器100、100Aの車載器出力部3は、走行情報を受信装置200に直接送信するものを説明した。しかし、本実施形態に係る車載器100、100Aは、それに限られず、改ざん抑制処理部43、43Aは、位置情報D1に走行情報を関連付け、当該走行情報が関連付けられた位置情報D1を高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行ってから、車載器出力部3によって外部に出力してもよい。このように、位置情報D1に走行情報を関連付け、それらを高セキュリティ位置情報D2に変換する改ざん抑制処理を行う。この結果、本実施形態に係る車載器100、100Aによれば、上述したようにセンサによって、車両に対して予め定められた距離を超えて、外部物が車両に接近した場合において、高セキュリティ位置情報D2の内容から、外部物が車両に接近した時間と、位置と、車両の走行情報とが明らかになるから、証拠を明確にするとともに信頼性を向上することができる。
【0052】
さらに、上述した本実施形態に係る車載器100、100Aの車載器出力部3は、送信アンテナ3aを介して、受信装置200に対して車載器デバイス2が記録した走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を送信するものを説明した。しかし、本実施形態に係る車載器100、100Aの車載器出力部3は、それに限られず、種々の記憶メディア(例えば、SDメモリカード)が物理的または機械的に接続可能なインターフェース部を有し、当該インターフェース部を介して、走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を記憶メディアに出力してもよい。また、本実施形態に係る車載器100、100Aの車載器出力部3は、それらに限られず、USBを介して外部機器に走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を外部機器に出力してもよい。さらに、本実施形態に係る車載器100の車載器出力部3は、それらに限られず、Bluetooh(登録商標)通信、または、Wi-Fi(登録商標)通信を介して外部機器に走行情報、および、高セキュリティ位置情報D2を外部機器に出力してもよい。
【0053】
また、第1実施形態に係る車載器100は、位置情報D1に対して電子署名を付加することで高セキュリティ位置情報D2に変換する処理を行うものを説明し、第2実施形態に係る車載器100Aは、位置情報D1を暗号化することで高セキュリティ位置情報D2に変換する処理を行うものを説明した。しかし、本実施形態に係る車載器は、これらに限られず、位置情報D1に対して電子署名を付加し、かつ、位置情報D1を暗号化することで高セキュリティ位置情報D2に変換する処理を行ってもよい。
【0054】
上述した各実施形態の内容、および、各変形例の内容は、ある一部の内容と他の一部の内容とを組み合わせて適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
2 車載器デバイス
22 信号取得部
3 車載器出力部
4、4A セキュリティデバイス
42 GPS処理部(変換処理部)
43、43A 改ざん抑制処理部
45 入出力部
100、100A 車載器
D1 位置情報
D2 高セキュリティ位置情報