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特許7582904検体採取ロボットシステムおよびロボットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】検体採取ロボットシステムおよびロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20241106BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20241106BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20241106BHJP
   A61B 34/37 20160101ALI20241106BHJP
【FI】
G01N1/10 V
B25J19/06
B25J3/00 Z
A61B34/37
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021074293
(22)【出願日】2021-04-26
(65)【公開番号】P2022168669
(43)【公開日】2022-11-08
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】国師 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】笠 秀行
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111887896(CN,A)
【文献】実開平5-65303(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0038367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
B25J 19/06
B25J 3/00
A61B 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体採取部材によって被検者から検体を採取するスレーブロボットと、
前記スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、
前記スレーブロボットの動作を制御する制御装置と、
前記被検者の顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顔部検知部と、を備え、
前記制御装置は、前記顔部検知部により前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、前記スレーブロボットの検体採取動作を停止させる、検体採取ロボットシステム。
【請求項2】
前記顔部検知部は、前記被検者の顎が配置される顎配置位置から前記被検者の顎が離間したか否かを検知することによって、前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したか否かを検知する顎検知部と、前記被検者の額が配置される額配置位置から前記被検者の額が離間したか否かを検知することによって、前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したか否かを検知する額検知部との少なくとも一方を含む、請求項1に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項3】
前記顔部検知部は、前記顎検知部と前記額検知部との両方を含み、前記顎検知部による前記被検者の顎が前記顎配置位置から離間したことの検知と、前記額検知部による前記被検者の額が前記額配置位置から離間したことの検知との少なくとも一方に基づいて、前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したことを検知する、請求項2に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項4】
前記顎検知部は、前記被検者の顎が前記顎配置位置から離間したか否かを非接触によって検知する反射型の第1光センサを含み、
前記額検知部は、前記被検者の額が前記額配置位置から離間したか否かを非接触によって検知する反射型の第2光センサを含む、請求項2または3に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項5】
前記被検者の顎を保持する顎台を含み、
前記顎検知部は、前記顎台に配置され、前記顎台において前記被検者の顎が配置される前記顎配置位置から前記被検者の顎が離間したか否かを検知する、請求項2~4のいずれか1項に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項6】
前記スレーブロボットと前記被検者とを遮蔽する遮蔽板をさらに備え、
前記遮蔽板には、前記スレーブロボットに把持された前記検体採取部材が挿入される開口部が設けられており、
前記顎台は、前記遮蔽板に対して前記被検者側において、前記開口部の下方側に配置されている、請求項5に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項7】
前記被検者の額を保持する額当て部を含み、
前記額検知部は、前記額当て部に配置され、前記額当て部において前記被検者の額が配置される前記額配置位置から前記被検者の額が離間したか否かを検知する、請求項2~6のいずれか1項に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項8】
前記スレーブロボットと前記被検者とを遮蔽する遮蔽板をさらに備え、
前記遮蔽板には、前記スレーブロボットに把持された前記検体採取部材が挿入される開口部が設けられており、
前記額当て部は、前記遮蔽板に対して前記被検者側において、前記開口部の上方側に配置されている、請求項7に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項9】
前記スレーブロボットは、遠隔操作されて前記被検者の鼻腔から検体を採取し、
前記制御装置は、少なくとも前記検体採取部材が前記被検者の鼻腔内に挿入されている間、前記顔部検知部により前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、前記スレーブロボットの検体採取動作を停止させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項10】
前記スレーブロボットは、前記検体採取部材を把持するハンド部と、複数の関節を有するアーム部とを備える垂直多関節ロボットを含み、
前記顔部検知部は、前記ハンド部に把持された前記検体採取部材を用いて検体が採取される前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したか否かを検知する、請求項1~9のいずれか1項に記載の検体採取ロボットシステム。
【請求項11】
医療用の検査器具を把持して、被検者に対して処置を行うスレーブロボットと、
前記スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、
前記スレーブロボットの動作を制御する制御装置と、
前記被検者の顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顔部検知部と、を備え、
前記制御装置は、前記顔部検知部により前記被検者の顔部が前記所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、前記スレーブロボットの処置動作を停止させる、ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検体採取ロボットシステムおよびロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検者から検体を採取するための検体採取用ボックスが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症対策として被検者から検体を採取するための検体採取用ボックスが開示されている。この検体採取用ボックスは、検体採取用本体ボックスと、検体採取用本体ボックスに設けられた保護グローブとを備えている。この検体採取用ボックスでは、検体採取用本体ボックス内に入った採取者が保護グローブを装着した状態で、被検者から検体を採取する検体採取作業を行うことが可能なように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3228999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、採取者(処置者)は、検体採取用本体ボックス内に入った状態で、保護グローブを介して被検者に対して処置を行う。したがって、処置者と被検者との距離が近くなる。また、処置者が検体採取用本体ボックス内に入るため、検体採取用本体ボックス内に空気を取り込む必要がある。したがって、被検者に対して検体の採取、または、診察などの処置をする際に、処置者が感染するリスクが高いという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本開示の1つの目的は、被検者からの感染リスクを低減しながら検体採取などの処置を行うことが可能な検体採取ロボットシステムおよびロボットシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の局面による検体採取ロボットシステムは、検体採取部材によって被検者から検体を採取するスレーブロボットと、スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、スレーブロボットの動作を制御する制御装置と、被検者の顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顔部検知部と、を備え、制御装置は、顔部検知部により被検者の顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボットの検体採取動作を停止させる。
【0007】
本開示の第1の局面による検体採取ロボットシステムは、上記のように、検体採取部材によって被検者から検体を採取するスレーブロボットと、スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、を備える。これにより、マスタロボットによりスレーブロボットを遠隔操作することにより、被検者から検体を採取することができるので、被検者から処置者への感染リスクを低減することができる。また、制御装置は、顔部検知部により被検者の顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボットの検体採取動作を停止させる。これにより、被検者が顔部を動かした場合に、スレーブロボットの検体採取動作が停止されるので、検体採取が行われる被検者の位置が移動することに起因して被検者に対する検体採取が適切に行われないことを抑制することができる。
【0008】
本開示の第2の局面によるロボットシステムは、医療用の検査器具を把持して、被検者に対して処置を行うスレーブロボットと、スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、スレーブロボットの動作を制御する制御装置と、被検者の顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顔部検知部と、を備え、制御装置は、顔部検知部により被検者の顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボットの処置動作を停止させる。ここで、本開示の「被検者に対して処置を行う」とは、被検者から検体を採取することのみならず、被検者に対して診察を行うことなども含む広い概念である。また、本開示の「検査器具」とは、検体採取部材(滅菌綿棒)などの使い捨ての部材に限らず、診察に用いられる装置、または、医療機器などを含む広い概念である。
【0009】
本開示の第2の局面によるロボットシステムでは、上記のように、医療用の検査器具を把持して、被検者に対して処置を行うスレーブロボットと、スレーブロボットを遠隔操作するマスタロボットと、を備える。これにより、マスタロボットによりスレーブロボットを遠隔操作することにより、被検者に対して検体採取などの処置を行うことができるので、被検者から処置者への感染リスクを低減することができる。また、制御装置は、顔部検知部により被検者の顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボットの処置動作を停止させる。これにより、被検者が顔部を動かした場合に、スレーブロボットの処置動作が停止されるので、処置が行われる被検者の位置が移動することに起因して被検者に対する処置が適切に行われないことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、上記のように、被検者からの感染リスクを低減することができる。また、検体採取(処置)が行われる被検者の位置が移動することに起因して被検者に対する検体採取(処置)が適切に行われないことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態によるロボットシステムを示す図である。
図2】一実施形態によるロボットシステムのブロック図である。
図3】一実施形態によるスレーブロボットの操作による検体の採取を示す図である。
図4】一実施形態によるスレーブロボットと遮蔽板と被検者とを示す図(スレーブロボット側から見た図)である。
図5】一実施形態による顎台および額当て部を示す図である。
図6】一実施形態による顎台および剥離紙を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図6を参照して、本実施形態によるロボットシステム100の構成について説明する。なお、ロボットシステム100は、特許請求の範囲における「検体採取ロボットシステム」および「ロボットシステム」の一例である。
【0013】
図1に示すように、ロボットシステム100は、スレーブロボット10と、マスタロボット20と、表示装置30と、顔部保持部50とを備えている。スレーブロボット10および顔部保持部50は、マスタロボット20および表示装置30が配置される空間1とは異なる空間2に配置されている。
【0014】
また、図2に示すように、マスタロボット20は、制御部20aと、駆動部20b(サーボモータ)と、エンコーダ20cとを備えている。また、スレーブロボット10は、制御部10aと、駆動部10b(サーボモータ)と、エンコーダ10cとを備えている。また、ロボットシステム100は、制御装置40を備えている。制御装置40は、スレーブロボット10の動作を制御する。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリとを含むコンピュータにより構成されている。また、制御装置40には、スレーブロボット10を制御するための制御ソフト41が記憶されている。そして、処置者(以下では、操作者Oという)がマスタロボット20の操作部21(図1参照)を操作することにより、制御装置40の制御ソフト41により操作指令が計算され、計算された操作指令がスレーブロボット10の制御部10aに入力される。これにより、スレーブロボット10の駆動部10bが駆動することにより、スレーブロボット10が駆動する。以下、ロボットシステム100の具体的な構成について説明する。
【0015】
図1および図3に示すように、本実施形態では、スレーブロボット10は、遠隔操作されて検体採取部材101によって被検者Sから検体を採取する。検体採取部材101は、たとえば、滅菌綿棒(スワブ)である。滅菌綿棒は、棒形状を有している。スレーブロボット10は、たとえば、被検者Sの鼻腔内に検体採取部材101を挿入し、挿入した検体採取部材101によって被検者Sの鼻咽頭から検体(鼻咽頭ぬぐい液)を採取する(図3の点線の検体採取部材101参照)。なお、スレーブロボット10は、被検者Sの口腔内に検体採取部材101を挿入して検体を採取してもよい。採取された検体に対しては、たとえば、PCR(Polymerase Chain Reaction)検査などのウイルス検査(新型コロナウイルスなどの検査)が行われる。なお、検体採取部材101は、特許請求の範囲における「検査器具」の一例である。
【0016】
図1および図3に示すように、スレーブロボット10は、垂直多関節ロボットである。スレーブロボット10は、垂直多関節アームのアーム部11と、アーム部11の先端に取り付けられたハンド部12とを含んでいる。アーム部11は、複数の関節を有している。アーム部11の複数の関節の各々には、駆動部10bと、エンコーダ10cとが設けられている。駆動部10bは、たとえば、サーボモータである。本実施形態では、ハンド部12は、検体採取部材101を把持する。ハンド部12は、たとえば、チャック12a(一対の把持部材)を有し、チャック12aによって検体採取部材101を把持して保持する。チャック12aは、たとえば、空気により動作されるエアチャックである。
【0017】
また、スレーブロボット10は、筐体102の内部に収容されている。また、スレーブロボット10と被検者Sとの間には、スレーブロボット10と被検者Sとを遮蔽する遮蔽板103が配置されている。遮蔽板103は、筐体102に設置されている。また、遮蔽板103は、ガラス板等の透明な部材であり、スレーブロボット10に把持された検体採取部材101が挿入される開口部103aが設けられている。すなわち、スレーブロボット10は、遮蔽板103越しに、開口部103aを介して検体採取部材101を被検者Sの鼻腔に挿入する。なお、開口部103aの位置および大きさは、開口部103aが被検者Sの鼻腔に位置するように、設定されている。
【0018】
図1に示すように、マスタロボット20は、スレーブロボット10を遠隔操作する。具体的には、マスタロボット20は、医師などの処置者(以下では、操作者Oという)によって操作されることによって、スレーブロボット10を遠隔操作する。マスタロボット20は、操作者Oの操作に基づいた操作指令を出力する。スレーブロボット10は、マスタロボット20の操作指令に基づいて、操作者Oの操作に対応する動作を行う。スレーブロボット10とマスタロボット20とは、有線または無線によって互いに通信可能に接続されている。
【0019】
また、マスタロボット20は、操作部21と、操作部21を移動可能に支持するアーム部22と、を含んでいる。操作部21は、検体採取部材101を保持(把持)するスレーブロボット10のハンド部12を遠隔操作するための入力操作を受け付ける。具体的には、操作部21は、棒形状を有するグリップハンドルである。操作部21は、操作者Oが片手で把持して動かすことによって、操作者Oによるスレーブロボット10の入力操作を受け付ける。操作部21は、たとえば、操作者Oの右手によって操作される。アーム部22は、複数の関節を有しており、上下方向(Z方向)、左右方向(Y方向)および前後方向(X方向)に、操作部21を移動可能に支持する。
【0020】
スレーブロボット10は、操作者Oが操作部21を動かした方向に対応する方向に動作される。たとえば、操作者Oが操作部21を上下方向(Z方向)に動かした場合、スレーブロボット10のハンド部12(およびハンド部12が保持する検体採取部材101)が上下方向に移動される。また、たとえば、操作者Oが操作部21を左右方向(Y方向)に動かした場合、スレーブロボット10のハンド部12(およびハンド部12が保持する検体採取部材101)が左右方向に移動される。また、たとえば、操作者Oが操作部21を前後方向(X方向)に動かした場合、スレーブロボット10のハンド部12(およびハンド部12が保持する検体採取部材101)が前後方向に移動される。なお、検体採取部材101によって被検者Sから検体を採取する際には、操作者Oが操作部21を前方向(X1方向)に動かしてスレーブロボット10のハンド部12(およびハンド部12が保持する検体採取部材101)を前方向(挿入方向)に移動させることによって、被検者Sの鼻腔内に検体採取部材101が挿入される。
【0021】
また、図1に示すように、表示装置30は、被検者Sの画像(映像)を表示する。表示装置30は、たとえば、スレーブロボット10のアーム部11の先端に設けられ被検者Sを正面から撮像するカメラ(図示せず)の映像、および、被検者Sを側方から撮像するカメラ(図示せず)の映像などを表示する。操作者Oは、表示装置30に表示されたリアルタイムの被検者Sの映像を確認しながら、マスタロボット20を用いたスレーブロボット10の操作によって、検体採取部材101による被検者Sからの検体採取作業を行う。表示装置30は、たとえば、液晶モニタを含んでいる。
【0022】
また、図3および4に示すように、被検者Sとスレーブロボット10とを遮る遮蔽板103に対して、被検者S側に顔部保持部50が設置されている。顔部保持部50は、顎台51と、額当て部52とを備えている。顎台51は、開口部103aの下方側に配置されている。また、顎台51は、被検者Sの顎を保持する。具体的には、顎台51は、被検者Sの顎が載せられる長方形の台である。なお、顎台51は、上下に移動可能である。そして、額当て部52は、開口部103aの上方側に配置されている。また、額当て部52は、被検者Sの額を保持する。具体的には、額当て部52は、被検者Sの額に沿うように湾曲した棒状の部材である。額当て部52は、水平方向に沿うように配置されており、両端部に支柱が接続されている。
【0023】
被検者Sは、額当て部52の額配置位置に額を当接させて、顎台51の顎配置位置に顎を乗せることによって、遮蔽板103と対向するように(スレーブロボット10側を向くように)顔部が固定(保持)される。そして、顔部保持部50が被検者Sの顔部を固定することによって、被検者Sの鼻腔は、開口部103aの正面(スレーブロボット10によって検体採取部材101を挿入される位置)に配置される。これにより、被検者Sの鼻腔が位置決めされる。
【0024】
また、図2に示すように、本実施形態では、ロボットシステム100は、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顔部検知部60を備える。また、顔部検知部60は、顎検知部61および額検知部62を含む。顎検知部61は、被検者Sの顎が配置される顎配置位置から被検者Sの顎が離間したか否かを検知することによって、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する。額検知部62は、被検者Sの額が配置される額配置位置から被検者Sの額が離間したか否かを検知することによって、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する。なお、顎検知部61は、特許請求の範囲における「第1光センサ」の一例である。また、額検知部62は、特許請求の範囲における「第2光センサ」の一例である。
【0025】
図3および図5に示すように、顎検知部61は、顎台51において被検者Sの顎が配置される顎配置位置から被検者Sの顎が離間したか否かを検知する。顎検知部61は、顎台51に設けられた凹部51a(窪み)に被検者Sと直接接触しないように配置される。また、額検知部62は、額当て部52において被検者Sの額が配置される額配置位置から、被検者Sの額が離間したか否かを検知する。額検知部62は、同様に、額当て部52に設けられた凹部52a(窪み)に被検者Sと直接接触しないように配置される。
【0026】
また、顎検知部61は、非接触によって被検者Sの顎の離間を検知する反射型の光センサである。同様に、額検知部62は、非接触によって被検者Sの額の離間を検知する反射型の光センサである。すなわち、顎検知部61および額検知部62は、それぞれ、被検者Sの顎および額を検知するための検知光を照射する。そして、顎検知部61および額検知部62は、たとえば、検知光を照射するLED(発光ダイオード)を有する。そして、顎検知部61および額検知部62は、それぞれ、被検者Sの顎および額において反射された検知光を検知することによって、所定の位置に被検者Sの顔部が配置されているか否かを検知する。また、顎検知部61および額検知部62は、それぞれ、検知された検知光に基づいて、制御装置40に対して検知信号を出力する。
【0027】
また、図5および図6に示すように、顎台51には、複数の剥離紙104が重畳されて設置されている。剥離紙104は、複数の被検者Sに対して順に検体採取を行う場合に、一の被検者Sに対する検体採取が行われるごとに、1枚ずつ剥離させて廃棄される。なお、剥離紙104には、顎検知部61からの検知光が被検者Sの顎に照射可能なように貫通孔104aが設けられている。
【0028】
そして、本実施形態におけるロボットシステム100では、制御装置40は、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作(処置動作)を停止させる。
【0029】
具体的には、顎検知部61による被検者Sの顎が顎配置位置から離間したことの検知と、額検知部62による被検者Sの額が額配置位置から離間したことの検知との少なくとも一方に基づいて、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したこと(被検者Sの顔部が移動したこと)が検知される。詳細には、顎検知部61および額検知部62からの検知信号に基づいて、被検者Sの顎および額の少なくとも一方が検出されなかった場合に、制御装置40は、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したとして、スレーブロボット10の動作を停止させるように、スレーブロボット10の制御部10aに対して指令を出力する。すなわち、制御装置40は、顎検知部61と額検知部62との両方から、被検者Sの額および顎が顎配置位置および額配置位置に配置されていることを示す検知信号が取得されている場合に、マスタロボット20による遠隔操作を受け付けて、スレーブロボット10を動作させる。
【0030】
また、本実施形態では、制御装置40は、少なくとも検体採取部材101が被検者Sの鼻腔内に挿入されている間(期間)、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作を停止させる。具体的には、マスタロボット20による遠隔操作が開始された時点から、遠隔操作が終了される時点までの期間において、制御装置40は、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作を停止する。たとえば、検体採取部材101が被検者Sの鼻腔に近づけられている時や、検体採取部材101が被検者Sの鼻腔内に挿入されている時に、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の動作(検体採取部材101の移動)が停止される。
【0031】
また、検体採取の終了後に、操作者Oによってマスタロボット20による遠隔操作を終了する指令が受け付けられた場合には、制御装置40は、被検者Sの顔部が所定の位置から離間した場合にもスレーブロボット10の動作を停止させない。また、スレーブロボット10による検体採取の準備動作が行われている最中にも、制御装置40は、被検者Sの顔部が所定の位置から離間した場合にスレーブロボット10の動作を停止させない。
【0032】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0033】
本実施形態によるロボットシステム100(検体採取ロボットシステム)では、上記のように、検体採取部材101によって被検者Sから検体を採取するスレーブロボット10と、スレーブロボット10を遠隔操作するマスタロボット20と、を備える。これにより、マスタロボット20によりスレーブロボット10を遠隔操作することにより、被検者Sから検体を採取することができるので、被検者Sから処置者への感染リスクを低減することができる。また、制御装置40は、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作(処置動作)を停止させる。これにより、被検者Sが顔部を動かした場合に、スレーブロボット10の検体採取動作が停止されるので、検体採取(処置)が行われる被検者Sの位置が移動することに起因して被検者Sに対する検体採取(処置)が適切に行われないことを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態では、上記のように、顔部検知部60は、被検者Sの顎が配置される顎配置位置から被検者Sの顎が離間したか否かを検知することによって、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する顎検知部61と、被検者Sの額が配置される額配置位置から被検者Sの額が離間したか否かを検知することによって、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する額検知部62との少なくとも一方を含む。これにより、被検者Sの顎の位置と額の位置との少なくとも一方に基づいて、被検者Sが顔部(頭部)を動かしたか否かを容易に検知することができる。そのため、被検者Sの顔部の移動が検知された場合にスレーブロボット10による検体採取動作を容易に停止させることができるので、鼻腔などの顔部からの検体採取が適切に行われないことを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上記のように、顔部検知部60は、顎検知部61と額検知部62との両方を含み、顎検知部61による被検者Sの顎が顎配置位置から離間したことの検知と、額検知部62による被検者Sの額が額配置位置から離間したことの検知との少なくとも一方に基づいて、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことを検知する。これにより、被検者Sの顎の位置と額の位置との両方を検知することによって、被検者Sの顔部の位置のみならず、顔部の角度(額から顎にかけての位置関係)が変更された場合にも、顔部検知部60によって顔部が移動(所定の位置から離間)したと検知することができる。そのため、被検者Sからの検体採取動作を行っている場合に、顔部の角度が変更された場合にスレーブロボット10の検体採取動作を停止させることができる。その結果、被検者Sの顔部の角度が変更された場合にも、被検者Sに対する検体採取が適切に行われないことを効果的に抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、上記のように、顎検知部61は、被検者Sの顎が顎配置位置から離間したか否かを非接触によって検知する反射型の光センサ(第1光センサ)を含み、額検知部62は、被検者Sの額が額配置位置から離間したか否かを非接触によって検知する反射型の光センサ(第2光センサ)を含む。ここで、被検者Sの顔部(顎および額)に直接的に接触することによって移動(離間)を検知する場合には、被検者Sの検体採取を行うごとに、被検者Sの顔部と接触した顎検知部61および額検知部62を清掃(消毒)する必要がある。これに対して、本実施形態では、顎検知部61および額検知部62の両方が、非接触によって被検者Sの顔部(頭部)の移動を検知するため、検体の採取を行うごとに顎検知部61および額検知部62を清掃する手間を抑制することができる。また、被検者Sが、顎検知部61および額検知部62に直接的に接触しないため、顎検知部61および額検知部62を介した接触感染を抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、被検者Sの顎を保持する顎台51を含み、顎検知部61は、顎台51に配置され、顎台51において被検者Sの顎が配置される顎配置位置から被検者Sの顎が離間したか否かを検知する。これにより、顎台51によって被検者Sの顎を保持することができるので、被検者Sの顎を顎配置位置に容易に固定させることができる。そのため、顎台51に顎を保持させることによって、被検者Sの顎が顎配置位置から離間することをより容易に抑制することができる。その結果、被検者Sの顔部が動かされることに起因して検体採取が適切に行われないことをより抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、スレーブロボット10と被検者Sとを遮蔽する遮蔽板103をさらに備え、遮蔽板103には、スレーブロボット10に把持された検体採取部材101が挿入される開口部103aが設けられており、顎台51は、遮蔽板103に対して被検者S側において、開口部103aの下方側に配置されている。これにより、被検者Sとスレーブロボット10との間に遮蔽板103が設けられているため、被検者Sとスレーブロボット10との接触を抑制することができる。また、顎台51が、検体採取部材101が挿入される開口部103aの下方側に配置されているため、開口部103aの正面に被検者Sの顔部の顎より上の部分を配置させることができる。そのため、遮蔽板103により接触を抑制しながら、被検者Sの鼻腔または口腔から検体を採取する動作を適切に実行することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、被検者Sの額を保持する額当て部52を含み、額検知部62は、額当て部52に配置され、額当て部52において被検者Sの額が配置される額配置位置から被検者Sの額が離間したか否かを検知する。これにより、額当て部52によって被検者Sの額を保持することができるので、被検者Sの額を額配置位置に容易に固定させることができる。そのため、額当て部52に額を保持させることによって、被検者Sの額が額配置位置から離間することをより容易に抑制することができる。その結果、被検者Sの顔部が動かされることに起因して検体採取が適切に行われないことをより抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、スレーブロボット10と被検者Sとを遮蔽する遮蔽板103をさらに備え、遮蔽板103には、スレーブロボット10に把持された検体採取部材101が挿入される開口部103aが設けられており、額当て部52は、遮蔽板103に対して被検者S側において、開口部103aの上方側に配置されている。これにより、額当て部52が、検体採取部材101が挿入される開口部103aの上方側に配置されているため、開口部103aの正面に被検者Sの顔部の額より下の部分を配置させることができる。そのため、遮蔽板103により接触を抑制しながら、被検者Sの鼻腔または口腔から検体を採取する動作をより適切に実行することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、スレーブロボット10は、遠隔操作されて被検者Sの鼻腔から検体を採取し、制御装置40は、少なくとも検体採取部材101が被検者Sの鼻腔内に挿入されている間、顔部検知部60により被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作を停止させる。これにより、少なくとも検体採取部材101が被検者Sの鼻腔内に挿入されている時に、被検者Sの顔部が動かされることによって所定の位置から離れた場合に、スレーブロボット10の動作を停止させることができるので、鼻腔からの検体採取が適切に行われないことを抑制することができる。また、検体の採取が終わった後には、被検者Sの顔部の移動を検知しないようにすることができるので、スレーブロボット10によって採取した検体を検体容器に収容する後処理の動作が行われる場合、および、次の新たな被検者Sに対する検体採取の準備の動作が行われる場合などに、被検者Sの顔部の移動を検知することに起因して後処理および準備などの動作が中断されることを抑制することができる。そのため、複数の被検者Sの検体採取を順に行う場合に、被検者Sの入れ替えと、スレーブロボット10による後処理の動作および準備の動作などとを並行して行うことができるので、複数の被検者Sの検体採取に要する作業時間が増大することを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、スレーブロボット10は、検体採取部材101を把持するハンド部12と、複数の関節を有するアーム部11とを備える垂直多関節ロボットを含み、顔部検知部60は、ハンド部12に把持された検体採取部材101を用いて検体が採取される被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知する。これにより、複数の関節を有するアーム部11を動作させることによって検体採取部材101を把持するハンド部12を三次元的に動作させる場合にも、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作を停止させることができる。そのため、ハンド部12を三次元的に動作させることによって、被検者Sの顔部の鼻腔または口腔などから検体を採取する場合にも、検体採取が行われる被検者Sの位置が移動されることに起因して被検者Sに対する検体採取が適切に行われないことを抑制することができる。
【0043】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0044】
たとえば、上記実施形態では、顔部検知部60は、被検者Sの顎が配置される顎配置位置から被検者Sの顎が離間したか否かを検知する顎検知部61と、被検者Sの額が配置される額配置位置から被検者Sの額が離間したか否かを検知する額検知部62とを含む例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、被検者Sの顎または額以外の部位の配置を検知するようにしてもよい。たとえば、被検者Sの頭部(頭頂部)の配置を検知するように検知部を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、顔部検知部60が顎検知部61と額検知部62との両方を含む例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、顎検知部61と額検知部62との両方を含まずに、額検知部62と顎検知部61とのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、顎検知部61および額検知部62が非接触によって検知する反射型の光センサである例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、機械式スイッチなどによって、接触することによって顎および額を検知するようにしてもよい。また、カメラなどの撮像部により被検者Sの顔部の画像を撮像するとともに、撮像された画像に対して画像処理を行うことによって、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したか否かを検知するようにしてもよい。また、顎検知部61および額検知部62を、光、電波、または、超音波などによって、被検者Sの顎および額との距離を測定する距離センサにしてもよい。その場合には、被検者Sの顎および額との距離が所定の閾値よりも大きくなった場合に、被検者Sの顎および額が離間したことを示す検知信号を出力するようにしてもよい。すなわち、顎配置位置および額配置位置は、所定の領域(所定の幅)を含む配置位置であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、顎検知部61を、顎台51に配置するとともに、額検知部62を、額当て部52に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、顎台51および額当て部52とは離間した位置に顎検知部61および額検知部62を配置するとともに、顎台51および額当て部52とは離間した位置から光を照射することによって被検者Sの顎および額を検知するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、スレーブロボット10と被検者Sとを遮蔽する遮蔽板103を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、被検者Sとスレーブロボット10との間に遮蔽板103を設けなくともよい。
【0049】
また、上記実施形態では、顎台51は、遮蔽板103に対して被検者S側において、開口部103aの下方側に配置されており、額当て部52は、遮蔽板103に対して被検者S側において、開口部103aの上方側に配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、顎台51および額当て部52を開口部103aと同じ高さに配置してもよい。すなわち、開口部103aの下端を顎台51よりも低くして、開口部103aの上端を額当て部52より高くすることによって、被検者Sの顔全体が開口部103aから覗くようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、スレーブロボット10が垂直多関節ロボットである例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、スレーブロボット10が、水平多関節ロボットなどの垂直多関節ロボット以外のロボットであってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、スレーブロボット10が、被検者Sから検体を採取する処置を行う例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、ロボットによって医療用の検査器具を用いて被検者Sに対して診察などの処置を行うようにしてもよい。たとえば、顎台51および額当て部52などを用いて被検者Sの顔部を固定した状態で、顎検知部61および額検知部62によって被検者Sの顔部の移動を検知しながら、遠隔操作によって眼科検診を行うようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、遠隔操作が開始された時点から、遠隔操作が終了される時点までの期間において、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作が停止される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、スレーブロボット10の動作情報に基づいて、検体採取部材101が遮蔽板103の開口部103aより被検者S側に挿入された時点から、検体採取を行った後に検体採取部材101が遮蔽板103よりスレーブロボット10側に移動された時点までの期間において、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作が停止されるようにしてもよい。また、遠隔操作が開始された時点よりも後に、検体採取部材101が被検者Sに近づくような移動が開始された時点から、被検者Sの顔部が所定の位置から離間したことが検知されたことに基づいて、スレーブロボット10の検体採取動作が停止されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 スレーブロボット
11 アーム部
12 ハンド部
20 マスタロボット
40 制御装置
51 顎台
52 額当て部
60 顔部検知部
61 顎検知部
62 額検知部
100 ロボットシステム(検体採取ロボットシステム)
101 検体採取部材(検査器具)
103 遮蔽板
103a 開口部
S 被検者
図1
図2
図3
図4
図5
図6