(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ドアロック及びドアロック用制御回路
(51)【国際特許分類】
D06F 39/14 20060101AFI20241106BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20241106BHJP
D06F 37/18 20060101ALI20241106BHJP
D06F 37/28 20060101ALI20241106BHJP
D06F 37/10 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
D06F39/14
E05B65/00 N
D06F37/18
D06F37/28
D06F37/10
(21)【出願番号】P 2021516668
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019052615
(87)【国際公開番号】W WO2020068761
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】201811115161.X
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821567901.9
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ワン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0008120(US,A1)
【文献】国際公開第2013/181289(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0211221(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/14
E05B 65/00
D06F 37/18
D06F 37/28
D06F 37/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアロックであって、
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができるとともに、ドアフック(102)によって駆動することができる駆動スライダー(311)と、を備え、
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは、前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができ
、
前記ドアロックは、
前記ドアフック(102)を収納することができるとともに、係止位置を有するカム(208)と、
前記カム(208)を前記係止位置で維持するように構成されている係止スライダー手段(310)と、
前記係止スライダー手段(310)を係止するように構成されているロックピン(525)と、を更に備え、
前記ロックピン(525)は、ロックピン係止位置とロックピン係止解除位置とを有し、
前記ロックピン(525)が前記ロックピン係止位置にあるとき、該ロックピン(525)は前記係止スライダー手段(310)を係止し、
前記ロックピン(525)が前記ロックピン係止解除位置にあるとき、該ロックピン(525)は前記係止スライダー手段(310)を解放するとともに、前記スイッチ手段(520)を開放し、
正常な作動状態では、前記ロックピン(525)は、前記スイッチ手段(520)を開放することができ、
強制的にドアが引っ張られる場合、前記スイッチ駆動手段(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放することができ、
前記係止スライダー手段(310)は、
第1の係止スライダー(417)及び第2の係止スライダー(318)であって、該第1の係止スライダー(417)は、前記カム(208)によって第1の方向(x)に沿って移動するように駆動することができ、該第1の係止スライダー(417)は、該第2の係止スライダー(318)を第2の方向(y)に沿って移動するように駆動することができる、第1の係止スライダー(417)及び第2の係止スライダー(318)、を備え、
前記ロックピン(525)は、前記第2の係止スライダー(318)を係止するように構成され、
前記第1の方向(x)は前記第2の方向(y)に対して垂直であり、
前記ドアロック(100)は、スイッチボックス(205)及びベース(101)を備え、前記スイッチ手段(520)は前記スイッチボックス(205)の内側に位置し、
前記駆動スライダー(311)及び前記第2の係止スライダー(318)は、前記スイッチボックス(205)と前記ベース(101)との間に並んで配置されるとともに、前記第2の方向(y)に沿って移動する、ドアロック。
【請求項2】
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができるとともに、ドアフック(102)によって駆動することができる駆動スライダー(311)と、を備え、
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは、前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができ、
前記スイッチ手段(520)は、
弾性片(524)と、
固定接点(523)と、を備え、
前記揺動レバー(526)の一端は前記弾性片(524)を駆動することができ、
前記揺動レバー(526)は、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、該揺動レバー(526)が前記揺動レバー作動位置にあるとき、該揺動レバー(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放するように前記固定接点(523)から前記弾性片(524)を引き離し、
前記揺動レバー(526)が前記揺動レバーアイドル位置にあるとき、該揺動レバー(526)は前記スイッチ手段(520)の閉鎖又は開放に影響を与え
ず、
前記駆動スライダー(311)は、前記ドアフック(102)の移動とともに第2の方向(y)に沿って、駆動スライダー係止位置と駆動スライダー係止解除位置との間で移動し、
前記駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー(526)を前記揺動レバー作動位置まで移動するように駆動し、
前記駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止解除位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー(526)を前記揺動レバーアイドル位置まで移動するように駆動する、ドアロック。
【請求項3】
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができるとともに、ドアフック(102)によって駆動することができる駆動スライダー(311)と、を備え、
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは、前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができ、
前記スイッチ手段(520)は、
弾性片(524)と、
固定接点(523)と、を備え、
前記揺動レバー(526)の一端は前記弾性片(524)を駆動することができ、
前記揺動レバー(526)は、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、該揺動レバー(526)が前記揺動レバー作動位置にあるとき、該揺動レバー(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放するように前記固定接点(523)から前記弾性片(524)を引き離し、
前記揺動レバー(526)が前記揺動レバーアイドル位置にあるとき、該揺動レバー(526)は前記スイッチ手段(520)の閉鎖又は開放に影響を与えず、
前記揺動レバー(526)はシャフト(732)を備え、該揺動レバー(526)は該シャフト(732)の周りを回転することができ、
前記揺動レバー(526)は、上部アーム(735)及び下部アーム(736)を更に備え、該上部アーム(735)の一端は前記シャフト(732)に接続され、該上部アーム(735)の他端は前記弾性片(524)に接続するように構成されており、
前記下部アーム(736)の一端は前記シャフト(732)に接続され、該下部アーム(736)の他端は前記駆動スライダー(311)によって駆動することができる
、ドアロック。
【請求項4】
前記揺動レバー(526)の前記シャフト(732)は、第2の方向(y)に沿って前記駆動スライダー(311)に対して平行に配置されている、請求項
3に記載のドアロック。
【請求項5】
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができるとともに、ドアフック(102)によって駆動することができる駆動スライダー(311)と、を備え、
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは、前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができ、
前記スイッチ手段(520)は、
弾性片(524)と、
固定接点(523)と、を備え、
前記揺動レバー(526)の一端は前記弾性片(524)を駆動することができ、
前記揺動レバー(526)は、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、該揺動レバー(526)が前記揺動レバー作動位置にあるとき、該揺動レバー(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放するように前記固定接点(523)から前記弾性片(524)を引き離し、
前記揺動レバー(526)が前記揺動レバーアイドル位置にあるとき、該揺動レバー(526)は前記スイッチ手段(520)の閉鎖又は開放に影響を与えず、
前記駆動スライダー(311)はドアロック駆動面取り部(842)を有し、前記ドアフック(102)は、前記ドアロック駆動面取り部(842)を通して前記駆動スライダー(311)を駆動し、
前記ドアフック(102)が第3の方向(z)に沿ってドアロック孔(103)内に挿入されると、該ドアフック(102)は、前記ドアロック駆動面取り部(842)を通して、前記駆動スライダー(311)を第2の方向(y)に沿って移動するように駆動する
、ドアロック。
【請求項6】
前記駆動スライダー(311)は揺動レバー駆動面取り部(843)を有し、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー駆動面取り部(843)を通して前記揺動レバー(526)の前記下部アーム(736)を駆動し、
前記駆動スライダー(311)が駆動スライダー係止位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー駆動面取り部(843)を通して、前記揺動レバー(526)の前記下部アーム(736)を前記揺動レバー作動位置まで移動するように駆動する、請求項
3に記載のドアロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本国際出願は、2018年9月25日に出願された中国特許出願第201811115161.X号及び2018年9月25日に出願された中国特許出願第201821567901.9号に対する優先権を主張し、これらの出願のそれぞれは、引用することによってその全内容が本明細書の一部をなす。
【0002】
本出願は、電化製品のドアロック及びその制御回路に関する。
【背景技術】
【0003】
目下、電化製品(洗濯機等)のドアは、ドアロックによって電化製品のパネルに係止される。こうしたドアロックは、或る特定の条件下で安全要件を満足させる必要がある。例えば、ドアロックフックが正常にドアロックから引き出されると、電化製品の電源を迅速且つ安全に切断することができる。更に、いくつかの極端な場合では、例えば、電化製品の動作中にドアが外力によって強制的に引っ張られた場合、ドアロックの関連構成要素(例えば、ドアロックフック、カム、スライダー又はロックピン)がその引張力によって破損し、電化製品のドアが強制的に開放された後もまた、ドアロックは、電化製品の電源を迅速に且つ安全に切断して、電化製品の動作を即座に停止する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の上記欠点を考慮して、本出願は、安全な、信頼性の高い、高感度のドアロックとその制御装置とを提供し、それにより、電化製品のドアが強制的に開放されたとき、制御装置は、電化製品の動作を停止するように適時に電化製品の作動回路を切断することができる。更に、電化製品のドアが強制的に開放されたときに、ドアロックのカム又は他の構成要素が損傷している場合であっても、電化製品の動作を適時に停止することができることを確実にすることができる。
【0005】
本出願の一態様は、スイッチ手段と、スイッチ手段を開放することができるスイッチ駆動手段と、スイッチ駆動手段を駆動することができるとともに、ドアフックによって駆動することができる駆動スライダーとを備える、ドアロックを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、スイッチ駆動手段は揺動レバーであり、揺動レバーは、スイッチ手段を開放するように回転することができる。
【0007】
第1の態様によれば、ドアロックは、ドアフックを収納することができるとともに、係止位置を有するカムと、カムを係止位置で維持するように構成されている係止スライダー手段と、係止スライダー手段を係止するように構成されているロックピンとを更に備える。
【0008】
第1の態様によれば、ロックピンは、ロックピン係止位置とロックピン係止解除位置とを有し、ロックピンがロックピン係止位置にあるとき、ロックピンは係止スライダー手段を係止し、ロックピンがロックピン係止解除位置にあるとき、ロックピンは係止スライダー手段を解放するとともに、スイッチ手段を開放する。
【0009】
第1の態様によれば、正常な作動状態では、ロックピンは、スイッチ手段を開放することができ、強制的にドアが引っ張られる場合、スイッチ駆動手段は、スイッチ手段を開放することができる。
【0010】
第1の態様によれば、係止スライダー手段は、第1の係止スライダー及び第2の係止スライダーであって、第1の係止スライダーは、カムによって第1の方向に沿って移動するように駆動することができ、第1の係止スライダーは、第2の係止スライダーを第2の方向に沿って移動するように駆動することができる、第1の係止スライダー及び第2の係止スライダーを備え、ロックピンは、第2の係止スライダーを係止するように構成され、第1の方向は第2の方向に対して垂直である。
【0011】
第1の態様によれば、ドアロックは、スイッチボックス及びベースを備え、スイッチ手段はスイッチボックスの内側に位置し、駆動スライダー及び第2の係止スライダーは、スイッチボックスとベースとの間に並んで配置されるとともに、第2の方向に沿って移動する。
【0012】
第1の態様によれば、スイッチ手段は、弾性片と、固定接点とを備え、揺動レバーの一端は弾性片を駆動することができ、揺動レバーは、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、揺動レバーが揺動レバー作動位置にあるとき、揺動レバーは、スイッチ手段を開放するように固定接点から弾性片を引き離し、揺動レバーが揺動レバーアイドル位置にあるとき、揺動レバーはスイッチ手段の閉鎖又は開放に影響を与えない。
【0013】
第1の態様によれば、駆動スライダーは、ドアフックの移動とともに第2の方向に沿って、駆動スライダー係止位置と駆動スライダー係止解除位置との間で移動し、駆動スライダーが駆動スライダー係止位置にあるとき、駆動スライダーは、揺動レバーを揺動レバー作動位置まで移動するように駆動し、駆動スライダーが駆動スライダー係止解除位置にあるとき、駆動スライダーは、揺動レバーを揺動レバーアイドル位置まで移動するように駆動する。
【0014】
第1の態様によれば、揺動レバーはシャフトを備え、揺動レバーはシャフトの周りに回転することができ、揺動レバーは、上部アーム及び下部アームを更に備え、上部アームの一端はシャフトに接続され、上部アームの他端は弾性片に接続するように構成されており、下部アームの一端はシャフトに接続され、下部アームの他端は駆動スライダーによって駆動することができる。
【0015】
第1の態様によれば、揺動レバーのシャフトは、第2の方向に沿って駆動スライダーに対して平行に配置されている。
【0016】
第1の態様によれば、駆動スライダーは復帰手段に接続されており、復帰手段は、駆動スライダーに仮締め力を加えて、駆動スライダーが駆動スライダー係止位置まで移動するのを可能にする。
【0017】
第1の態様によれば、駆動スライダーはドアロック駆動面取り部を有し、ドアフックは、ドアロック駆動面取り部を通して駆動スライダーを駆動し、ドアフックが第3の方向に沿ってドアロック孔内に挿入されると、ドアフックは、ドアロック駆動面取り部を通して、駆動スライダーを第2の方向に沿って移動するように駆動する。
【0018】
第1の態様によれば、駆動スライダーは揺動レバー駆動面取り部を有し、駆動スライダーは、揺動レバー駆動面取り部を通して揺動レバーの下部アームを駆動し、駆動スライダーが駆動スライダー係止位置にあるとき、駆動スライダーは、揺動レバー駆動面取り部を通して、揺動レバーの下部アームを揺動レバー作動位置まで移動するように駆動する。
【0019】
第1の態様によれば、ドアロックはスイッチボックスを備え、スイッチ手段及び揺動レバーはスイッチボックスの内部に配置され、駆動スライダーはスイッチボックスの外側に配置されており、スイッチボックスの底部が孔を有し、揺動レバーの一端は、孔を通って外向きに延在するとともに、駆動スライダーによりスイッチボックスの外側に駆動されるように構成されている。
【0020】
本出願の別の態様は、ドアロックの制御回路であって、スイッチ手段と、スイッチ手段を開放することができるスイッチ駆動手段と、スイッチ手段を開放することができるロックピンとを備える、制御回路を提供する。
【0021】
第2の態様によれば、スイッチ駆動手段は機械的構造体によって駆動され、ロックピンは電子信号によって駆動される。
【0022】
第2の態様によれば、制御回路は、駆動スライダーを更に備え、駆動スライダーはスイッチ駆動手段を駆動することができ、駆動スライダーはドアフックによって駆動することができる。
【0023】
第2の態様によれば、スイッチ駆動手段は揺動レバーであり、揺動レバーはスイッチ手段を開放するように回転することができる。
【0024】
第2の態様によれば、制御回路は、係止スライダー手段を係止及び解除してカムを係止位置で維持するか又は維持しないように構成されているロックピンと、電子駆動手段とを更に備え、電子駆動手段は、電子信号により、係止スライダー手段を係止及び解除するようにロックピンを作動させるように駆動される。
【0025】
第2の態様によれば、制御回路は、接続端子、制御端子及び共通端子を更に備え、第1の電流ループが、スイッチ手段を介して接続端子と共通端子との間に形成され、第2の電流ループが、電子駆動手段を介して制御端子と共通端子との間に形成されており、第1の電流ループ及び第2の電流ループは、共通接続点を介して共通端子に接続されており、接続端子は、1の電流ループにおいて電気モーターを介して電源と直列に接続することができ、制御端子は、第2の電流ループにおいて電子駆動手段を介して電源と直接に接続することができ、共通端子は、電源のアースに接続され、スイッチ手段は閉鎖又は開放することができ、スイッチ手段の閉鎖又は開放を用いて、第1の電流ループの接続又は切断が制御することができる。
【0026】
本出願の目的、特徴及び効果が完全に理解されるために、本出願の概念、具体的な構造及び技術的効果について、添付図面を参照して以下で更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本出願のドアロック100の概略構造正面斜視図である。
【
図2】
図1のドアロック100のカムキャップ107が取り除かれた後のドアロック100の概略構造背面斜視図である。
【
図3】
図2のスイッチボックス205及びドアフック102が取り除かれた後の概略構造斜視図である。
【
図4A】
図3のベース101及び駆動スライダー311が取り除かれた後の概略構造正面斜視図である。
【
図4B】
図3のベース101及び駆動スライダー311が取り除かれた後の概略構造背面斜視図である。
【
図4C】
図3のベース101及び駆動スライダー311が取り除かれた後、且つ、
図3のカム208が取り除かれた後の概略構造正面斜視図である。
【
図4D】
図3のベース101及び駆動スライダー311が取り除かれた後、且つ、
図3のカム208が取り除かれた後の概略構造背面斜視図である。
【
図5A】スイッチボックス205のボックスカバーが取り除かれた後のスイッチボックス205の内側の構成要素とスイッチボックス205の構造とを示す概略構造斜視図である。
【
図5B】スイッチボックス205のボックスカバーが取り除かれた後のスイッチボックス205の内側の構成要素とスイッチボックス205の構造とを示す概略構造斜視図である。
【
図5C】スイッチボックス205のボックスカバーが取り除かれた後のスイッチボックス205の内側の構成要素とスイッチボックス205の構造とを示す概略構造斜視図である。
【
図6】スイッチボックス205、駆動スライダー311及び第2の係止スライダー318の後側を示す概略構造斜視図である。
【
図7A】2つの角度のうちの1つからの揺動レバー526の概略構造斜視図である。
【
図7B】2つの角度のうちの1つからの揺動レバー526の概略構造斜視図である。
【
図8A】揺動レバー526と、駆動スライダー311と、ドアフック102との間の2つの協働関係のうちの1つを示す概略構造図である。
【
図8B】揺動レバー526と、駆動スライダー311と、ドアフック102との間の2つの協働関係のうちの1つを示す概略構造図である。
【
図9A】ドアフック102が3つの異なる位置のうちの1つにあるときの係止スライダー手段310と、駆動スライダー311と、ロックピン525と、揺動レバー526との間の協働を示す概略構造図である。
【
図9B】ドアフック102が3つの異なる位置のうちの1つにあるときの係止スライダー手段310と、駆動スライダー311と、ロックピン525と、揺動レバー526との間の協働を示す概略構造図である。
【
図9C】ドアフック102が3つの異なる位置のうちの1つにあるときの係止スライダー手段310と、駆動スライダー311と、ロックピン525と、揺動レバー526との間の協働を示す概略構造図である。
【
図10A】
図9Aのドアフック102の位置に対応する線A-Aに沿った断面図である。
【
図10B】
図9Bのドアフック102の位置に対応する線B-Bに沿った断面図である。
【
図10C】
図9Cのドアフック102の位置に対応する線C-Cに沿った断面図である。
【
図11A】種々の状態のうちの1つにある制御回路1100の概略図である。
【
図11B】種々の状態のうちの1つにある制御回路1100の概略図である。
【
図11C】種々の状態のうちの1つにある制御回路1100の概略図である。
【
図11D】種々の状態のうちの1つにある制御回路1100の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願は、2013年1月16日に出願され、「Lock device and means mounted with the same」と題する中国特許出願第201310016120.6号に関連し、その出願は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0029】
ここで、本出願の様々な具体的な実施形態について、本明細書の一部を形成する添付図面を参照して以下に説明する。本出願において、本出願の例示的な構造部及び要素を説明するために、方向を表す用語、例えば、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂部」及び「底部」等の方向又は向きを示す用語が用いられていることが理解されるべきである。しかしながら、こうした用語は、説明の便宜上でのみ用いられるものであり、添付図面に示す例示的な向きに基づいて決定されている。本出願に開示する実施形態は、種々の向きで構成することができるため、こうした方向を示す用語は、単に例示の目的で用いられ、限定するようには意図されていない。可能な場合はいつでも、以下添付図面を通して、説明の繰返しを回避するために、同じか又は同様の部分を参照するために同じか又は同様の参照番号を用いる。
【0030】
具体的な実施形態の説明の便宜上、本出願は、例として、方向x(第1の方向)としてドアロック100の幅方向を使用し、方向y(第2の方向)としてドアロック100の長さ方向を使用し、方向z(第3の方向)としてドアロックの高さ方向を使用することによって説明する。
【0031】
図1は、本出願のドアロック100の概略構造正面斜視図であり、そこでは、ドアロック100におけるドアロック孔103とドアフック102との相対位置が示されている。
図1に示すように、ドアロック100はベース101を含む。ベース101の左側部分の前側に、ドアロック孔103が設けられており、ベース101の左側部分の後側は、カムキャップ107に接続されている。ドアロック孔103は、ドアフック102を収容するように構成されている。ドアフック102は、電化製品(図示せず)のドアに取り付けられ、ドアの開閉中、ドアフック102は、電化製品のドアの移動とともに垂直に移動して、ドアロック孔103に進入するとともにそこから離脱する。ドアフック102は、ドアロック孔103の上方に位置する。ドアフック102がベース101の前側でドアロック孔103を通してドアロック100に挿入されるとき、ドアフック102は、ドアロック100の内側でカム208(
図2のカム208を参照)に締結される。カム208が係止されると、それに従って、電化製品のドアが係止される。
【0032】
図2は、ベース101と、スイッチボックス205と、カム208との位置関係をより具体的に示す、
図1のドアロック100のカムキャップ107が取り除かれた後のドアロック100の概略構造背面斜視図である。
【0033】
図2に示すように、カムキャップ107(
図2には示さず)及びスイッチボックス105は、ベース101の上方に並んで且つ方向y(第2の方向)に沿って互いに隣接して配置されている。ベース101の上にカム208が設けられており、カム208は、カムキャップ107の下方に且つドアロック孔103の上方に配置され(
図1を参照すると、カム208はドアロック孔103の下方に配置されている)、それにより、ドアロック孔103を通してカム208によりドアフック102を収納することができる。ドアの閉鎖中、ドアフック102は、下から上に向かってドアロック孔103内に挿入され(
図1を参照すると、ドアフック102は、上から下に向かってドアロック孔103内に挿入される)、それにより、カム208を、その係止位置まで回転するように押すことができ、ドアの開放中、ドアフック102は、上から下に向かってドアロック孔103から引き出され、それにより、カム208を、その係止位置から(又はその係止解除位置に)離脱するように引っ張ることができる。
【0034】
具体的には、カム208に開口スロット282が設けられている。開口スロット282は、ドアフック102の端部を収容するように構成されている。開口スロット282の上端及び下端は、ドアフック102の前端と接触するように構成されている。ドアフック102がドアロック孔103に挿入されると、ドアフック102の前端の外側が開口スロット282の上端を押圧して、カム208を右回りに回転するように押し、それにより、開口スロット282の下端がドアフック102の孔181内に挿入されてドアフック102を引っ掛け、カム208はその係止位置に達する。ドアフック102がドアロック孔103から引き出されると、ドアフック102の前端の外側は開口スロット282の下端を押圧してカム208を左回りに回転するように引っ張り、それにより、開口スロット282の下端はドアフック102の孔181から離脱し、カム208はその係止位置から(又はその係止解除位置に)離脱する。
【0035】
カム208は、スピンドル283を介してベース101に両側で固定されており、それにより、カム208はスピンドル283の周りに回転することができる。カム208に、弾性構成要素209が取り付けられている。弾性構成要素209は、カム208に或る特定の仮締め力を加えて、カム208の回転を駆動又は停止する。弾性構成要素209は、
図2に示すねじりばねとすることができるが、他の弾性構成要素とすることもできる。弾性構成要素209がカム208に作用する際、カム208は、変曲点に達した後、外力(ドアを閉鎖するために加えられる力)により迅速に戻るように回転して、補助的なドア引張力を発生させることができ、それにより、カム208の開口スロット282の下端がドアフック102の孔181に引っ掛けられ、それに対応して、ドアを開放しようとするとき、弾性構成要素は洗濯機のドアが意図せずに開放されるのを阻止する抵抗を生成する。同様に、係止されていないとき(例えば、係止スライダー手段によって係止されていないとき)、こうした機構は弾性があり、必要な場合、電化製品のドアは、電化製品の内側から開放するように押すことができる。
【0036】
図2において、ドアロック100は、スイッチボックス205を更に備える。スイッチボックス205は、ベース101の左側に取り付けられている(
図1を参照すると、スイッチボックス205はベース101の右側に取り付けられている)。スイッチボックス205は、主に、カム208を係止又は係止解除する間(
図9A~
図9Cを参照)スイッチ手段を閉鎖又は開放するように(
図10A~
図10Cを参照)、係止スライダー手段を係止又は係止解除するようにロックピンの移動を制御するように機能するとともに、電化製品の電源又は主回路電源を入れるか又は切断するように(
図11A~
図11Dを参照)、スイッチ手段を閉鎖又は開放する揺動レバー(
図7A及び
図7Bを参照)の移動を制御するように機能する。
【0037】
図3は、ベース101の内側の構成要素を示すとともに、カム208と、係止スライダー手段310と、駆動スライダー311との位置関係を示す、
図2のスイッチボックス205及びドアフック102が取り除かれた後の概略構造斜視図である。
【0038】
図3に示すように、カム208をその係止位置で維持及び係止するように構成された係止スライダー手段310は、ベース101の内側に取り付けられている。例えば、係止スライダー手段310は、方向xに沿って移動可能な第1の係止スライダー417(
図4A及び
図4Bを参照)と、方向yに沿って移動可能な第2の係止スライダー318とを備える。第2の係止スライダー318を係止することにより、第1の係止スライダー417を係止することができ、それにより、カム208をその係止位置で維持及び係止することができる。
【0039】
ベース101の内側に、駆動手段311が更に配置されている。駆動手段311と第2の係止スライダー318とは、スイッチボックス205とベース101との間に並んで配置されており、駆動手段311は、第2の係止スライダー318の右側に配置されている。例えば、駆動手段311はスライダーである。このスライダーは、一実施形態では細長いスライダーとすることができるが、他の形態及び形状の駆動手段とすることもできる。
【0040】
図3において、ベース101の内側に、ばね315及びばね312が並んで更に配置されている。ばね315の一端は、第2の係止スライダー318の尾端を押圧し、ばね315の他端は、ベース101の内壁306を押圧する。ばね315は、第2の係止スライダー318に或る特定の仮締め力を加えるように構成されている。ばね315は、第1の係止スライダー417とともに作用し、それにより、第2の係止スライダー318は、方向y(第2の方向)に沿って往復運動することができる。同様に、ばね312の一端は、駆動スライダー311の尾端を押圧し、他端は、ベース101の内壁306を押圧する。ばね312はカム208とともに作用し、それにより、駆動スライダー311もまた、方向y(第2の方向)に沿って往復運動することができる。当業者であれば、ばね315及び312が、或る特定の仮締め力を提供することができる他の弾性構成要素とすることもできることが理解されるはずである。
【0041】
図4A~
図4Dは、カム208と係止スライダー手段310(第1の係止スライダー417及び第2の係止スライダー318を含む)との間の協働関係を示すとともに、係止スライダー手段310を移動するように駆動するカム208のプロセスを示す、
図3のベース101、駆動スライダー311、ばね312及び弾性構成要素209が取り除かれた後、及びカム208が取り除かれた後の、概略構造正面斜視図及び背面斜視図である。
図4Aは、第1の係止スライダー417を駆動するカム208のプロセスを示す正面図であり、
図4Bは、第2の係止スライダー318を駆動する第1の係止スライダー417のプロセスを示す背面図である。
図4C及び
図4Dは、第1の係止スライダー417と第2の係止スライダー318との間の協働関係をより明確に示すように
図4A及び
図4Bからカム208が取り除かれた後の構造を示す。
【0042】
図4A~
図4Dに示すように、第1の係止スライダー417及び第2の係止スライダー318は、垂直方向に配置されており、第2の係止スライダー318は、スライダーの本体又はスライダーの長さ方向(すなわち、方向y)に沿ってカム208の回転平面490(すなわち、xz平面)に対して垂直である。
図4A~
図4Dにおいて、第1の係止スライダー417はカム208の下方に配置されており、第2の係止スライダー318はカム208の一方の側にある。ベース101にばね485が更に配置されている。ばね485の一端は、第1の係止スライダー417の尾端を押圧し、ばね485の他端は、ベース101の内壁306(
図4A~
図4Dには示さず)を押圧する。ばね485は、第1の係止スライダー417に或る特定の仮締め力を加えるように構成されている。第1の係止スライダー417の頭部492が、カム208の底部494を押圧し、第1の係止スライダー417の側部の面取り部421が、第2の係止スライダー318の頭端の相補的な面取り部422を押圧する。このように、第2の係止スライダー318がロックピン525(
図5A~
図5Cを参照)によって係止されていない場合、カム208が左回りに回転すると(ドアフック102がドアロック孔103から離脱すると)、カム208の底部494は、第1の係止スライダー417の頭部492に力を加え、それにより、第1の係止スライダー417は、方向xに沿ってその係止位置からその係止解除位置に戻るように移動し、第1の係止スライダー417の移動によりばね485が圧縮され、一方、カム208が右回りに回転すると(ドアフック102がドアロック孔103に挿入されると)、カム208の底部494は第1の係止スライダー417の頭部492から離れて、ばね485によって発生する弾性力が、カム208に対するねじりばね209の弾性力を克服し、第1の係止スライダー417を、方向xに沿って係止解除位置から係止位置に向かって移動するように駆動する。
【0043】
同様に、第2の係止スライダー318がロックピン525(
図5A~
図5Cを参照)によって係止されていない場合、第1の係止スライダー417が方向xに沿ってその係止位置からその係止解除位置まで移動すると、第1の係止スライダー417の面取り部421が、第2の係止スライダー318の相補的な面取り部422に力を加え、2つの相補的な面取り部において発生した分力により、第2の係止スライダー318が方向yに沿ってその係止位置からその係止解除位置まで移動し、第2の係止スライダー318の移動によりばね315が圧縮され、一方、第1の係止スライダー417が方向xに沿ってその係止解除位置からその係止位置に向かって移動すると、第1の係止スライダー417の面取り部421が、第2の係止スライダー318の相補的な面取り部422に加えられる力を解除し、ばね315は、第2の係止スライダー318を押して、方向yに沿ってその係止解除位置からその係止位置に向かって移動させる。
【0044】
第2の係止スライダー318の上に、ロックピン525(
図5A~
図5Cを参照)を収納するように構成された係止孔419が設けられている。第2の係止スライダー318及び第1の係止スライダー417がそれらのそれぞれの係止位置にあるとき、第1の係止スライダー417はカム208を係止位置で維持する。この場合、ロックピン525(
図5A~
図5Cを参照)が係止孔419に挿入された場合、第2の係止スライダー318は係止され、第1の係止スライダー417及びカム208はそれに対応して係止され、それにより、カム208においてドアフック102を係止することができる。
【0045】
しかしながら、この場合、ロックピン525が係止孔419から離脱した場合、第2の係止スライダー318はロックピン525によって係止されず、ドアフック102をカム208から引き出すことができるため、第2の係止スライダー318及び第1の係止スライダー417が係止位置にある場合であっても、第1の係止スライダー417はカム208を係止位置で維持する。ドアフック102を引き出すことにより、第1の係止スライダー417及び第2の係止スライダー318をその係止位置からその係止解除位置まで移動させることができる。
【0046】
したがって、第1の係止スライダー417及び第2の係止スライダー318の伝達機能を通して、カム208の回転運動を、方向yに沿った第2の係止スライダー318の直線運動に変換することができる。このように、カム208の係止をより容易に制御することができる(例えば、カム208は、
図5A~
図5Cのロックピン525によって第2の係止スライダー318を係止するか又はその係止を解除することによって制御される)だけではなく、小型の長方形構造が達成され、ドアロック100の長さが更に縮小される。更に、係止スライダー手段310の精度及び強度に対する要件が低下する。
【0047】
図5A~
図5Cは、スイッチボックス205のボックスカバーが取り除かれた後のスイッチボックス205の内側の構成要素とスイッチボックス205の構造とを示す概略構造斜視図である。
図5Aは、弾性片524と、揺動レバー526と、ロックピン525との相対位置を示す概略図であり、
図5Bは、弾性片524が取り除かれた後のスイッチボックス205における揺動レバー526及びロックピン525の位置を示す概略図であり、
図5Cは、弾性片524及び揺動レバー526が更に取り除かれた後のスイッチボックス205の詳細な構造を示す。
【0048】
図5A~
図5Cに示すように、スイッチボックス205は、スイッチ手段520、スイッチ駆動手段526及びロックピン525を備える。
【0049】
スイッチ手段520は、弾性片524を備える。弾性片524は方向xに沿って延在している。弾性片524の中間部分は、スイッチボックス205の内側に接続されている。弾性片524の尾端は、可動接点586に接続されている。スイッチ手段520は、可動接点586の下方に位置する固定接点523を更に備える。可動接点586及び固定接点523を、互いに接触するか又は互いから引き離すように制御することにより、スイッチ手段520の閉鎖及び開放を制御することができ、それにより、作動回路の接続及び切断を制御することができる。具体的には、固定接点523の位置は固定されており、可動接点586は、固定接点523に対して移動することができる。弾性片524の中間部分と尾端(すなわち、可動接点586が設けられている尾端)との間の部分が上向きの力を受けると、尾端の可動接点586は上向きに移動して固定接点523から離れ、そのためスイッチ手段520を開放することができる。弾性片524がいかなる外力も受けていないとき、弾性片524は、弾性力の作用によりその初期位置に復帰する。初期位置では、可動接点586は固定接点523と接触して、スイッチ手段520を閉鎖する。
【0050】
スイッチ駆動手段526及びロックピン525は、弾性片524の下方に位置し、ともに、スイッチ手段520を開放するように、弾性片524に上向きの力を加えるように構成することができる。スイッチボックス205の空間を節約するために、スイッチ駆動手段526及びロックピン525の具体的な位置は合理的に配置することができ、例えば、スイッチ駆動手段526及びロックピン525は、方向xにおいて並んで配置することができる。一例として、ロックピン525は、スイッチ駆動手段526よりも弾性片524の端部の可動接点586に近く、それにより、ロックピン525は、方向zにおいて大きい移動範囲を有することができる。
【0051】
図に示す例では、スイッチ駆動手段526は、揺動レバーであり、機械的構造体によって駆動されて、弾性片524を押し上げるように回転することができる。当然ながら、スイッチ駆動手段526はまた、他の形態での駆動部分とすることもでき、例えば、弾性片524は、直線運動によって押し上げられる。
【0052】
図5Bは、弾性片524の下方に位置する揺動レバー526及びロックピン525と、可動接点586の下方に位置する固定接点523とをより明確に示す。一例として、揺動レバー526及びロックピン525は、前後方向(方向x)に沿って弾性片524の下方に配置され、固定接点523及びロックピン525は、弾性片524の幅方向(方向y)において並んで配置されている。揺動レバー526は回転運動し、ロックピン525は垂直運動するが、2つの運動の両方によりスイッチ手段520を開放することができる。
【0053】
具体的には、
図5Bにおいて、揺動レバー526は、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、ロックピン525は、ロックピン係止位置(すなわち、ロックピン525が、第2の係止スライダー318の係止孔419内に挿入されている)とロックピン係止解除位置(すなわち、ロックピン525が、第2の係止スライダー318の係止孔419から離脱している)とを有する。揺動レバー526がアイドル位置にあるとともに、ロックピン525が係止位置にあるとき、弾性片524の可動接点586は揺動レバー526及びロックピン525から制約を受けず、したがって、固定接点523と接触して、スイッチ手段520を閉鎖することができる。揺動レバー526が作動位置にあり、又はロックピン525がその係止解除位置にあるとき、揺動レバー526又はロックピン525は弾性片524を押して、固定接点523から弾性片524の可動接点586を引き離してスイッチ手段520を開放する。
【0054】
図5Cにおいて、揺動レバー526が更に取り除かれており、それにより、スイッチボックス205の内側の揺動レバー526の取付空間及び構造をより明確に示すことができる。
図5Cに示すように、スイッチボックス205は、揺動レバー526が内部に取り付けられるように構成されたチャンバー531を有する。チャンバー531の2つの対向する側壁の頂部に、2つの締付溝533がそれぞれ設けられている。締付溝533は、揺動レバー526のシャフト732(
図7A及び
図7Bを参照)を収容することができる。図に示す例では、締付溝533の構成により、揺動レバー526のシャフト732は方向yに沿って配置される。当然ながら、他の例では、揺動レバー526がシャフト732の周りを回転して弾性片524を押し上げ、それにより弾性片524の可動接点586を固定接点523から引き離すことができる限り、シャフト732を方向xに沿って配置することができる。
【0055】
更に、スイッチボックス205の底部629は、チャンバー531と連通する孔630(
図6を参照)を有し、チャンバー531内の揺動レバー526は、孔630を通ってスイッチボックス205の外側に向かって延在することができるとともに、駆動スライダー311(
図6を参照)によって駆動されるように構成されている。
【0056】
当然ながら、スイッチ駆動手段が、他の構成要素であるか、又は他の形態の移動を通して弾性片524を駆動する場合、当業者であれば、異なるタイプのスイッチ駆動手段を収容するようにスイッチボックス205内の異なる構造のチャンバーを設計することができ、それらは全て本出願の保護範囲内にある。
【0057】
更に、
図5A~
図5Cに示すように、スイッチボックス205は、ドライバーハウジング528、鉄心ハウジング595、自己係止ブロック588及び押込み機構587を更に備える。ドライバーハウジング528は、電子駆動手段(
図5A~
図5Cには示さず、
図11A及び
図11Bに示す電子駆動手段1150)を収容するように構成され、電子駆動手段1150は、自己係止ブロック588を通してロックピン525を上向き又は下向きに移動するように駆動して、係止スライダー手段310を係止又は係止解除し、スイッチ手段520を閉鎖又は開放することができる。一例として、電子駆動手段1150は電磁石であり、ドライバーハウジング528はコイル1172を収容し、鉄心ハウジング595は鉄心1173を収容し、鉄心1173はコイル1172内に挿入されている(
図5A~
図5Cには示さず、
図11A及び
図11Bを参照)。鉄心1173は自己係止ブロック588に接続されており、それにより、鉄心1173は、ロックピン525を移動するように駆動するように、自己係止ブロック588を移動するように駆動することができる。図に示す例では、ロックピン525は、垂直に移動し、また、ベース101の第2の係止スライダー318と係合するようにスイッチボックス205の底部を貫通して外向きに延在し、第2の係止スライダー138の係止孔419内に挿入されるか又はそこから離脱する。
【0058】
具体的には、自己係止ブロック588は、係止状態及び係止解除状態を有し、電子駆動手段1150の鉄心1173によって押されて2つの状態間で切り替わることができる。鉄心1173が移動するたびに、自己係止ブロック588はそれに応じて移動し、係止状態と係止解除状態との間で1回切り替わる。電化製品の回路基板(図示せず)によって送信される駆動信号(又は制御信号)は励磁信号とすることができ、各励磁パルスが、自己係止ブロック588を押して1回移動させるように、鉄心1173を1回移動させることができる。自己係止ブロック588及びロックピン525の相対位置は妥当に配置され、それにより、自己係止ブロック588が係止状態又は係止解除状態にあるとき、ロックピン525は、それに対応してその係止解除位置又は係止位置にある。
【0059】
自己係止ブロック588内に機械的反転手段が配置されている。一実施形態として、機械的反転手段は押込み機構587とすることができる。係止解除状態にある自己係止ブロック588が前方に押されると、押込み機構587は、自己係止ブロック588が押される位置において自己係止ブロック588を係止することができ、それにより、自己係止ブロック588はその元の位置に復帰することができず、すなわち、係止状態に変化し、ロックピン525は、第2の係止スライダー318の係止孔419から離脱する(すなわち、係止解除位置)ように上向きに持ち上げられ、一方、係止状態にある自己係止ブロック588が前方に押されると、押込み機構587は自己係止ブロック588を係止解除することができ、それにより、自己係止ブロック588はその元の位置に復帰し、すなわち、係止解除状態に変化し、ロックピン525は、下げられ、第2の係止スライダー318の係止孔419内に挿入される(すなわち、係止位置)。一実施形態として、押込み機構587は、様々な方法で、例えば、「ボールペンリフィル押込み機構」で実施することができる。スイッチボックス205は2つの状態、すなわち、係止解除状態(ロックピン525の係止解除位置に対応する)と係止状態(ロックピン525の係止位置に対応する)とを有する。機械的反転手段は、スイッチボックス205の現状態を変化させるか又は維持するように構成されている。
【0060】
正常な状態では、電化製品がドア開放状態に入ると、電化製品の回路基板(図示せず)は、スイッチボックス205にパルス駆動信号を送信し、電子駆動手段1150を通して自己係止ブロック588を駆動して、電化製品の作動回路を切断するように、ロックピン525を、持ち上がって(すなわち、第2の係止スライダー318の係止孔419から離脱して)弾性片524を押し上げるように駆動し、外力を通して電化製品のドアが開放されるのを可能にするように、第2の係止スライダー318を係止解除してカム208を解放する。
【0061】
電化製品のドアが強制的に開放されるとき、すなわち、ロックピン525が依然として第2の係止スライダー318の係止孔419に挿入されているとき、外力が、電化製品からドアフック102を強制的に引き出す。この場合、揺動レバー526をその作動位置まで回転させることにより、電化製品の作動回路もまた即座に切断することができる。
【0062】
図6は、駆動スライダー311と、第2の係止スライダー318と、スイッチボックス205との位置関係を示すとともに、駆動スライダー311及び第2の係止スライダー318の組立方向を示す、スイッチボックス205、駆動スライダー311及び第2の係止スライダー318の後側を示す概略構造斜視図である。
図6に示すように、スイッチボックス205の底部に孔630が設けられており、揺動レバー526(揺動レバー526の具体的な構造は
図7A及び
図7Bを参照)の端部が、孔630を通ってスイッチボックス205の外側に向かって延在している。孔630のサイズは揺動レバー526の端部よりも大きく、それにより、孔630を通って外向きに延在した後、揺動レバー526の端部は依然として或る特定の範囲で移動することができる。揺動レバー526の端部が外向きに延在する部分は、駆動スライダー311によって、揺動レバー526を回転させるように、スイッチボックス205の外側から駆動することができる。
【0063】
図6に見ることができるように、ロックピン525の端部もまた、スイッチボックス205の底部から外向きに延在している。ロックピン525が垂直に移動すると、延在部分を係止孔419内に挿入するとともに係止孔419から引き出すことができる。
【0064】
駆動スライダー311は、スイッチボックス205の幅方向(すなわち、方向y)に沿ってスイッチボックス205の後側に配置され、揺動レバー526と協働するように構成されている。同様に、第2の係止スライダー318及び駆動スライダー311は、スイッチボックス205の後側に並んで配置され、ロックピン525と協働するように構成されている。
【0065】
図7A及び
図7Bは、揺動レバー526の具体的な構造を示す、2つの異なる角度からの揺動レバー526の概略構造斜視図である。
【0066】
図7A及び
図7Bに示すように、揺動レバー526は、シャフト732、上部アーム735及び下部アーム736を含む。上部アーム735及び下部アーム736は、シャフト732に接続されている。力を受けると、下部アーム736は、上部アーム735を作動させて、ともにシャフト732の周りを回転する。揺動レバー526は、チャンバー531内に収容されており、上部アーム735の一端は弾性片524と接触することができ、下部アーム736の一端は孔630を通ってスイッチボックス205から延出し、それにより、スイッチボックス205の外側の駆動スライダー311が下部アーム736を駆動することができる。
【0067】
図7A及び
図7Bに示す例では、上部アーム735及び下部アーム736は、シャフト732において曲がっており、互いに実質的に垂直である。一例として、シャフト732は、方向yに沿って駆動スライダー311に対して平行に配置され、上部アーム735は方向xに沿って配置され、下部アーム736は方向zに沿って配置されている。揺動レバー526が作動位置にあるとき、上部アーム735は、弾性片524を押し上げてスイッチ手段520を開放し、一方、揺動レバー526がアイドル位置にあるとき、下部アーム736は後退し、スイッチ手段520の閉鎖又は開放に影響を与えない。
【0068】
具体的には、上部アーム735の端部に突起738が更に設けられている。突起738は、上向きに突出し、弾性片524と接触するように構成されている。
図7A及び
図7Bに示す例では、突起738は、方向yに沿って、上部アーム735の幅を越えるように或る一定の長さだけ延在している。突起738は、弾性片524の幅に近いか又は等しい長さを有し、それにより、揺動レバー526が弾性片524に力を加えると、弾性片524は均一に力を受ける。当然ながら、上部アーム735の一端が弾性片524と接触して弾性片524を押し上げることができる限り、突起738の長さは他のように設定することもでき、又は、突起738を省略することができる。
【0069】
一実施形態として、下部アーム736の端部に、駆動スライダー311と接触する下部アーム736の接触点を増大させるように、湾曲ハンドル739が更に設けられている。湾曲ハンドル739の縁は面取り部737を有する。面取り部737は、駆動スライダー311の揺動レバー駆動面取り部843(
図8A及び
図8Bを参照)と相補的であり、それにより、駆動スライダー311は、揺動レバー526を回転させるように下部アーム736を駆動することができる。揺動レバー526が駆動される具体的な方法については、駆動スライダー311の具体的な構造を参照して詳細に後述する。
【0070】
図8A及び
図8Bは、揺動レバー526と、駆動スライダー311と、ドアフック102との間の2つの協働関係を示す、概略構造図である。
図8Aは、駆動スライダー311と揺動レバー526との間の協働関係を示す背面図であり、
図8Bは、揺動レバー526と、駆動スライダー311と、ドアフック102との間の協働関係を示す正面図である。
【0071】
図8A及び
図8Bに示すように、駆動スライダー311は、実質的に細長く、方向yに沿って延在する長さを有し、方向yに沿って移動可能である。駆動スライダー311の側面は、揺動レバー駆動面取り部843を有し、揺動レバー526の下部アーム736の面取り部737は、駆動スライダー311の側面の揺動レバー駆動面取り部843を押圧し、面取り部737及び揺動レバー駆動面取り部843は、相補的な形状を有する。更に、駆動スライダー311は、その前端の下部にドアロック駆動面取り部842を有する。ドアロック駆動面取り部842は、前後方向に沿って垂直に傾斜しており、それにより、ドアロック駆動面取り部842は、駆動スライダー311の底面と鈍角をなしている。ドアフック102の端部は、ドアロック駆動面取り部842と一致する面取り部844を有する。面取り部は、互いに押圧しているとき相補的な接触面を形成することができる。
【0072】
したがって、ドアフック102がドアロック孔103に挿入されると、ドアフック102の面取り部844は、駆動スライダー311のドアロック駆動面取り部842を押圧し、それにより、ドアフック102の面取り部844は、駆動スライダー311のドアロック駆動面取り部842に力を加え、2つの相補的な面取り部において発生する分力が、駆動スライダー311を押して、方向yに沿ってその係止位置からその係止解除位置に向かって移動させ、駆動スライダー311はばね312を圧縮し、一方、ドアフック102がドアロック孔103から引き出されると、ドアフック102の面取り部844は、駆動スライダー311のドアロック駆動面取り部842に加えられる力を解除し、ばね312は、駆動スライダー311を押して、方向yに沿ってその係止解除位置からその係止位置に向かって移動させる。
【0073】
駆動スライダー311の側面は、方向xに沿って凹状になっている凹状部845を有し、揺動レバー駆動面取り部843は、凹状部845の側面に配置されている。駆動スライダー311が駆動スライダー係止解除位置にある(すなわち、ドアフック102がドアロック孔103内に挿入されている)とき、凹状部845は、揺動レバー526の下部アーム736を収容するように構成されており、一方、駆動スライダー311が駆動スライダー係止位置にある(すなわち、ドアフック102がドアロック孔103から引き出されている)とき、揺動レバー526の下部アーム736は駆動スライダー311の非凹状部を押圧する。
【0074】
したがって、駆動スライダー311が方向yに沿ってその係止位置からその係止解除位置まで移動すると、駆動スライダー311の揺動レバー駆動面取り部843は、揺動レバー526の下部アーム736の面取り部737に力を加え、2つの相補的な面取り部において発生する分力が、揺動レバー526の下部アーム736を押して左回りに回転させ、それにより、揺動レバー526は、そのアイドル位置からその作動位置まで回転し、揺動レバー526の上部アーム735は、弾性片524の弾性力を克服して、弾性片524を押し上げ(すなわち、スイッチ手段520を開放し)、一方、駆動スライダー311が方向yに沿ってその係止解除位置からその係止位置まで移動すると、駆動スライダー311の揺動レバー駆動面取り部843は、揺動レバー526の下部アーム736の面取り部737に加えられる力を解除し、弾性片524は、揺動レバー526の上部アーム735に弾性力を加えて、揺動レバー526を右回りに回転させるとともに、揺動レバー526の上部アーム735を下向きに後退させ、それにより、揺動レバー526は、その作動位置からそのアイドル位置まで回転し、スイッチ手段520の閉鎖又は開放に影響を与えない。
【0075】
したがって、駆動スライダー311が駆動スライダー係止位置にある(すなわち、ドアフック102がドアロック孔103から引き出されている)とき、揺動レバー526は作動位置にあって、スイッチ手段520を開放することができることを確実にする。駆動スライダー311が駆動スライダー係止解除位置にある(すなわち、ドアフック102がドアロック孔103内に挿入されている)とき、揺動レバー526は、アイドル位置にあり、ロックピン525によるスイッチ手段520の制御に影響を与えない。
【0076】
図9A~
図9Cは、ドアフック102が3つの異なる位置にある(ドアフック102がドアロック孔103内に完全に挿入されている、ドアフック102がドアロック孔103から部分的に引き出されている、及び、ドアフック102がドアロック孔103から完全に引き出されている)ときの、係止スライダー手段310(第1の係止スライダー417及び第2の係止スライダー318)と、駆動スライダー311と、ロックピン525と、揺動レバー526との協働を示す概略構造図である。
図10A~
図10Cは、弾性片524と、ロックピン525と、揺動レバー526との間の協働関係を示す、
図9A~
図9Cのドアフック102の3つの異なる位置に対応する、線A-A、B-B及びC-Cに沿った3つの断面図である。
図9A及び
図10Aは、ドアフック102がドアロック孔103内に完全に挿入されているときの構成部品の間の協働関係を示し、
図9B及び
図10Bは、ドアの正常な開放中にドアフック102がドアロック孔103から部分的に引き出されているときの構成要素の間の協働関係を示し、
図9C及び
図10Cは、外力によるドアの強制的な開放中にドアフック102がドアロック孔103から完全に引き出されているときの構成要素の間の協働関係を示す。
【0077】
図9Aに示す状態は以下の通りである。すなわち、電化製品が運転を停止し、ドアフック102がドアロック孔103内に挿入されて電化製品のドアを閉鎖している。
図9Aに示すように、ドアフック102はカム208を押してその係止位置まで回転させ、カム208の下端は、ドアフック102の孔181内に挿入されてドアフック102を引っ掛ける。カム208の回転により、第1の係止スライダー417がその係止位置まで移動し、第1の係止スライダー417は、第2の係止スライダー318を押してその係止位置まで移動させ、それにより、第2の係止スライダー318の係止孔419は、ロックピン525と正確に位置合せされるが、ロックピン525は係止孔419内に下向きに挿入されておらず、ロックピン525は、依然としてロックピン係止解除位置にあり、スイッチ手段520を開放するように弾性片524を押し上げる。電化製品のスイッチボタンが押され、且つスイッチボックス205の制御回路が駆動信号を送信した後にのみ、自己係止ブロック588は、ロックピン525を駆動して、方向zに沿ってその係止位置まで下向きに移動させ(すなわち、係止孔419内に挿入され)、それにより、第2の係止スライダー318は係止され、且つ、第1の係止スライダー417及びカム208もまた係止され、ドアフック102は、カム208によって引っ掛けられ、引き出すことができず、それにより、電化製品のドアを係止する。
【0078】
図9Aに示す状態では、ドアフック102は、駆動スライダー311の前端を押圧して、駆動スライダー311をその係止解除位置まで押し、それにより、揺動レバー526はそのアイドル位置まで移動する。
【0079】
図9Aに対応して、
図10Aは、スイッチボックス205の内側の状態を示す断面図である。この場合、揺動レバー526はそのアイドル位置にあり、弾性片524を押し上げない。ロックピン525は、ロックピン係止解除位置にあり、弾性片524を押し上げて、スイッチ手段520を開放する。スイッチボックス205内の制御回路が駆動信号を送信した後にのみ、ロックピン525は、その係止位置まで下向きに移動し(すなわち、係止孔419内に挿入され)、弾性片524を押し上げなくなる。ロックピン525がロックピン係止位置になった後、揺動レバー526もロックピン525も弾性片524を押し上げず、弾性片524は、弾性力の作用により下向きに移動し、可動接点586が固定接点523と接触して、スイッチ手段520を閉鎖し、電化製品の作動回路を接続し、それにより、電化製品は運転を開始することができる。
【0080】
図9Bに示す状態は以下の通りである。すなわち、電化製品が運転を停止し、ドアの正常な開放中、ドアフック102は、ドアロック孔103から部分的に引き出されて、電化製品のドアを開放する。
図9Bに示すように、電化製品が運転を停止すると、電化製品の回路基板(図示せず)は電源切断信号を送信し、スイッチボックス205内の電子駆動手段は、自己係止ブロック588を通して、ロックピン525を、方向zに沿って持ち上がって係止孔419から離脱するように駆動し、ロックピン525は、その係止解除位置まで移動し、弾性片524を押し上げる。ロックピン525の移動により、第2の係止スライダー318が係止解除されるとともに、第1の係止スライダー417及びカム208も係止解除される。ドアロック孔103から引き出されると、ドアフック102はカム208を回転するように駆動することができ、それにより、カム208はその係止位置から離脱する(又は、その係止解除位置まで移動する)。
【0081】
図9Bに示す状態では、ドアフック102は、駆動スライダー311の前端を押圧しなくなり、駆動スライダー311は、ばね312の弾性力の作用によりその係止位置まで移動し、それにより、揺動レバー526はその作動位置まで移動する。
【0082】
図9Bに対応して、
図10Bは、スイッチボックス205内の状態を示す断面図である。この場合、揺動レバー526は揺動レバー作動位置にあり、ロックピン525はロックピン係止解除位置にあり、2つはともに弾性片524を持ち上げて、スイッチ手段520を開放するとともに電化製品の作動回路を切断し、それにより、電化製品は運転を停止する。
【0083】
したがって、
図9A及び
図9B並びに
図10A及び
図10Bから見ることができるように、ロックピン525が係止解除位置にあるとき、スイッチ手段520が開放されることが確実である。ロックピン525が係止解除位置にあるとき、揺動レバー526は、作動位置にあってもアイドル位置にあっても、スイッチ手段520の開放に影響を与えない。
【0084】
しかしながら、電化製品の運転中、ドアが外力によって強制的に引っ張られるか、又は更には、ドアロック100のカム208が損傷しており電化製品のドアを開放する場合、安全性を確保するために、電化製品の運転は即座に停止する必要がある。したがって、揺動レバー526は、電化製品の作動回路を即座に切断する必要がある。
図9C及び
図10Cに示す場合を参照して、作動回路を切断する揺動レバー526の作動原理について説明する。
【0085】
図9Cに示す状態は以下の通りである。すなわち、電化製品は運転しており、ドアの異常な開放中、すなわち、電化製品のドアが外力(又は、内部推力)によって強制的に開放するように引っ張られると、電化製品のドアは開放される。この場合、制御回路は、ロックピン525をその係止解除位置まで上向きに移動するように駆動しておらず(すなわち、ロックピン525を係止孔419から離脱するように駆動しておらず)、したがって、ロックピン525は依然としてロックピン係止位置にあり、第2の係止スライダー318は依然としてロックピン525によって係止され、第1の係止スライダー417及びカム208もまた係止されている。外力が十分に大きい場合、カム208は引き離され、ドアロック100を損傷し、電化製品のドアは強制的に開放される。
【0086】
この場合、
図9Bに示すように、ドアフック102は、駆動スライダー311の前端を押圧しなくなり、駆動スライダー311は、ばね312の弾性力の作用によりその係止位置まで移動し、それにより、揺動レバー526はその作動位置まで移動する。
【0087】
図9Cに対応して、
図10Cは、スイッチボックス205の内側の状態を示す断面図である。この場合、ロックピン525は、ロックピン係止位置にあり、弾性片524を押し上げない。しかしながら、揺動レバー526は、揺動レバー作動位置にあり、弾性片524を押し上げて、スイッチ手段520を開放するとともに、電化製品の作動回路を切断し、それにより、電化製品は運転を停止する。
【0088】
図11A~
図11Dは、種々の状態にある制御回路1100の概略図である。
図11Aは、ロックピン525が係止解除位置にあり、揺動レバー526がアイドル位置にあり、且つスイッチ手段520が開放されているときの制御回路1100を示し、
図11Bは、ロックピン525が係止位置にあり、揺動レバー526がアイドル位置にあり、且つスイッチ手段520が閉鎖されているときの制御回路1100を示し、
図11Cは、ロックピン525が係止解除位置にあり、揺動レバー526が作動位置にあり、且つスイッチ手段520が開放されているときの制御回路1100を示し、
図11Dは、ロックピン525が係止位置にあり、揺動レバー526が作動位置にあり、且つスイッチ手段520が開放されているときの制御回路1100を示す。
【0089】
図11A~
図11Dに示すように、制御回路1100は、第1の電流ループ(作動ループ)と第2の電流ループ(制御ループ)とを含む。第1の電流ループは、スイッチ手段520を介して接続端子1151と共通端子1152との間に形成されている。第2の電流ループは、電子駆動手段1150及び起動手段1156を介して制御端子1153と共通端子1152との間に形成されている。第1の電流ループ及び第2の電流ループは、共通接続点1155を介して共通端子1152に接続されている。
【0090】
接続端子1151は、第1の電流ループにおいて電気モーター1160(又は、モーター若しくは他の駆動部分)を介して電源1162と直列に接続することができる。スイッチ手段520の2つの接点586及び523は、それぞれ、接続点1174及び1155を介して第1の電流ループに接続されている。スイッチ手段520の閉鎖又は開放を用いて、電気モーター1160の電源1162への接続又は電源1162からの切断を制御するように、第1の電流ループの接続又は切断が制御される。電子駆動手段1150及び起動手段1156は、それぞれ、制御端子1153及び接続点1176を介して第2の電流ループに接続され、電源1162に更に接続されている。共通端子1152は、電源1162のアースに接続されている。起動手段1156は、電化製品の回路基板から送信される制御信号(又は駆動信号)を受信し、受信した制御信号(又は駆動信号)に従って電子駆動手段1150を閉鎖(励磁)することができ、それにより、ロックピン525は、上向き又は下向きに移動して、第1の係止スライダー417及びカム208の係止又は係止解除を制御するように、第2の係止スライダー318の係止又は係止解除を制御する。更に、ロックピン525の上向き又は下向きの移動は、スイッチ手段520の開放又は閉鎖の制御にも関係することができる。
【0091】
電子駆動手段1150は、コイル1172及び鉄心1173を含む。電子駆動手段1150が第2の電流ループに接続されると、コイル1172が帯電し、それにより、鉄心1173が電磁力の作用によって移動する。ロックピン525に、肩部978(
図9A~
図9Cを参照)が設けられている。鉄心1173が自己係止ブロック588を駆動して係止状態と係止解除状態との間で往復運動させると、自己係止ブロック588は、ロックピン525の肩部978を駆動して、カム208を係止又は係止解除するように、且つスイッチ手段520の閉鎖又は開放に関係するように、ロックピン525を上向きに垂直に移動するように作動させる。
【0092】
図11Aに示す状態では、電化製品のドアは、開放位置から閉鎖位置に変化し、ドアフック102は、ドアロック孔103内に部分的に挿入され、それにより、揺動レバー526はアイドル位置にある。電化製品が始動していないため、ロックピン525は、依然としてその係止解除位置に(すなわち、係止孔419の外側に)あり、弾性片524を押し上げてスイッチ手段520を開放し、それにより、電化製品は運転を停止する。
【0093】
図11Bに示す状態では、電化製品のドアが閉鎖された後、電化製品は始動され(例えば、ユーザーがスタートボタンを押した後)、ロックピン525は、その係止解除位置からその係止位置まで移動し(すなわち、係止孔419内に挿入され)、ロックピン525はスイッチ手段520から離脱して、それにより、スイッチ手段520は閉鎖され、電化製品は正常に作動する。更に、駆動スライダー311は、揺動レバー526をそのアイドル位置まで移動させ、スイッチ手段520の閉鎖状態に影響を与えない。
【0094】
具体的には、起動手段1156は、駆動手段(電化製品の回路基板)から駆動(制御)パルス信号(第1の駆動パルス信号)を受信し、起動手段1156は閉鎖されて、電源1162をコイル1172に接続し、それにより、コイル1172は励磁状態になり、コイル1172内の鉄心1173は、自己係止ブロック588を1度移動するように駆動してロックピン525を移動するように作動させ、ロックピン525は、係止解除位置から係止位置まで移動し、ロックピン525は、スイッチ手段520を閉鎖するように、弾性片524から離脱するように下向きに移動する。電化製品の回路基板(駆動手段)が第1のパルスを送信した後、スイッチボックス205の内側の状態が、係止解除状態(ロックピン525が係止解除位置にある)から係止状態(ロックピン525が係止解除位置から係止位置に駆動されている)まで変化することが留意されるべきである。しかしながら、スイッチボックス205内の(自己係止ブロック588内に位置する)ボールペンリフィル押込み機構587が、スイッチボックス205の現状態(係止状態)を維持することができるため、電化製品の回路基板(駆動手段)は、スイッチボックス205の現状態を維持するようにパルス信号を維持する必要はない。しかしながら、電化製品の回路基板(駆動手段)が次の(第2の)パルスを送信した後(
図11Cを参照)、スイッチボックス205内のボールペンリフィル押込み機構587は、スイッチボックス205を係止状態(すなわち、ロックピン525が係止位置にある)から係止解除状態(すなわち、ロックピン525が係止位置から係止解除位置まで駆動されている)まで変化する。
【0095】
図11Cに示す状態では、電化製品のドアは正常に開放しており、スイッチ手段520は開放され、電化製品は、正常に電源が切断される。この場合、一方では、駆動スライダー311は、揺動レバー526をその作動位置まで回転するように駆動し、それにより、揺動レバー526は弾性片524を押し上げて、スイッチ手段520を開放する。他方では、電子駆動手段1150によって、ロックピン525を、その係止解除位置まで移動する(すなわち、係止孔419から引き出される)とともに、弾性片524を押し上げてスイッチ手段520を開放するように、駆動することができる。
【0096】
具体的には、電化製品が正常に運転を停止した後、且つ電化製品のドアが開放される前、起動手段1156は、駆動手段(電化製品の回路基板)から次の(第2の)駆動パルス信号を受信し、起動手段1156は閉鎖されて、電源1162をコイル1172に接続し、それにより、コイル1172は励磁状態になり、コイル1172内の鉄心1173は、自己係止ブロック588を再び1回移動するように駆動して、ロックピン525を移動するように作動させ、ロックピン525は、係止位置から係止解除位置まで上向きに移動し、ロックピン525は、スイッチ手段520を開放するように弾性片524を押し上げる。この場合、電化製品のドアを開放することができる。電化製品の回路基板(すなわち、駆動手段)が第2のパルスを送信した後、スイッチボックス205内のボールペンリフィル押込み機構587は、スイッチボックス205を係止状態(すなわち、ロックピン525が係止位置にある)から係止解除状態(すなわち、ロックピン525が係止位置から係止解除位置に駆動されている)まで変化させる。
図11Cに示すように、揺動レバー526及びロックピン525はともに、弾性片524に接触することができる。当然ながら、
図11Cの状態では、ロックピン525が弾性片524を押し上げると、揺動レバー526は作動位置にある場合であっても弾性片524と接触せず、ロックピン525のみを用いて弾性片524が押し上げられるように、ロックピン525の移動ストローク及び揺動レバー526の回転ストロークを設定することができる。
【0097】
図11Dに示すように、電化製品のドアは、異常な状態において開放される。例えば、電化製品が運転しているとき、ドアフック102がドアロック孔103から強制的に引き出され、その結果、カム208が破損したとき、スイッチ手段520が開放され、電化製品は強制的に電源が切断される。この場合、ロックピン525は駆動されず、依然としてロックピン係止位置にあり(すなわち、係止孔419内に挿入されており)、スイッチ手段520の閉鎖状態に影響を与えない。ドアフック102の位置に従って、駆動スライダー311は、揺動レバー526を揺動レバー作動位置まで回転するように駆動し、それにより、揺動レバー526は、弾性片524を押し上げてスイッチ手段520を開放する。
【0098】
具体的には、電化製品の運転中、電化製品のドアが強制的に開放されると、起動手段1156は、電化製品の回路基板(駆動手段)からいかなる駆動パルス信号も受信せず、コイル1172は励磁されず、自己係止ブロック588は移動せず、ロックピン525は係止位置で維持され、スイッチボックス205内の押込み機構587は、スイッチボックス205を係止状態で維持する(すなわち、ロックピン525は係止位置で維持される)。
図11Dに示す状態では、ロックピン525は、弾性片524を切断するという影響を与えないが、揺動レバー526は単独で弾性片524を押し上げるように機能する。
【0099】
電化製品が作動しているとき、すなわち、第1の電流ループが閉鎖されているとき、自己係止ブロック588は係止解除状態にあり、ロックピン525は、その係止位置まで落下し、揺動レバー526はそのアイドル位置にあり、スイッチ手段520は閉鎖される。正常な状態では、第1の電流ループを開放して作動を停止するために、電化製品の回路基板(図示せず)は、起動手段1156にパルス信号を送信することができ、それにより、電子駆動手段1150の鉄心1173は、電磁力の作用により自己係止ブロック588を前方に押す。自己係止ブロック588は、前方に移動し、スイッチ手段520を押し上げて第1の電流ループを開放するように、ロックピン525を上向きに移動するように作動させる。パルス信号が消滅した場合であっても、自己係止ブロック588は、押込み機構587によって係止され、その元の位置に復帰することはできず、ロックピン525を押圧してロックピン525を、スイッチ手段520を押し上げる位置で維持し、ロックピン525が落下するのを防止し、第1の電流ループは常に開放位置で維持される。次のパルス信号が到達すると、電子駆動手段1150は、自己係止ブロック588を再度前方に押す。この場合、押込み機構587は、自己係止ブロック588を解放し、それにより、自己係止ブロック588はその元の位置に復帰し、ロックピン525はそれに従って落下し、揺動レバー526は依然としてアイドル位置にあり、それによりスイッチ手段520を閉鎖する。
【0100】
したがって、スイッチ駆動手段(すなわち、揺動レバー526)及びロックピン525は、スイッチ手段520の開放を連携して制御することができる。スイッチ駆動手段(すなわち、スイッチレバー526)は、機械的構造体(すなわち、駆動スライダー311)によって駆動され、ロックピン525は、回路構造体(例えば、第2の電流ループ)によって駆動することができ、異常な作動状態において電源を接続する感度及び信頼性が向上する。
【0101】
図11A~
図11Dの実施形態では、起動手段1156は、リレー装置とすることができ、又はサイリスタ若しくはトランジスタとすることができる。トランジスタがオンであるとき、そのエミッタ及びコレクタは電源1162をコイル1172に接続し、一方、トランジスタがオフであるとき、そのエミッタ及びコレクタは電源1162をコイル1172から切断する。トランジスタのベースは、駆動信号(又は制御信号)を受信する。駆動信号(又は制御信号)が出現すると、トランジスタはオンであり、駆動信号(又は制御信号)が消滅すると、トランジスタはオフである。
【0102】
図11A~
図11Dでは、電化製品の正常な作動状態、例えば、最初にドアを閉鎖し、その後電化製品を始動させるか、又は最初に電化製品を停止し、その後ドアを開放する状態では、電子駆動手段1150を用いて、電化製品の作動回路を接続又は切断するように、スイッチ手段520を閉鎖又は開放するようにロックピン525が垂直に移動するように駆動される。しかしながら、電化製品の異常な状態では、ロックピン525はスイッチ手段520を開放せず、強制的な電源切断を実施するために、スイッチ手段520を開放するように揺動レバー526のみが使用される。ドアフック102がドアロック孔103に挿入されている限り、揺動レバー526は、スイッチ手段520を開放するようにその作動位置まで回転せず、一方、ドアロック孔103がドアフック102から引き出されている限り、揺動レバー526はスイッチ手段520を開放するように回転する。したがって、揺動レバー526は、異常な状態にあるときにのみスイッチ手段520を開放するように構成されている。正常な状態では、揺動レバー526は、ロックピン525によるスイッチ手段520の制御に影響を与えない。
【0103】
本出願によれば、ドアフック102に結合された駆動スライダー311及び揺動レバー526により、電化製品のドアが異常に開放されたときに、電化製品の動作を停止するように、適時に電化製品の作動回路を切断することができる。本出願の上記構成により、より高感度でスイッチ手段を開放することができるのみでなく、より高い信頼性も提供され、ドアロックの他の構成要素が損傷している場合であっても、電化製品の動作を適時に停止することができる。
【0104】
本出願の趣旨及び原理は、本出願に開示した揺動レバー及び駆動スライダーの実施形態によって限定されるようには意図されていないことに留意されるべきである。当業者であれば、本出願の実施形態におけるスイッチ駆動手段及び駆動スライダーを、ドアフック102の移動によりスイッチ手段の閉鎖又は開放を直接駆動するように、同じか又は同様の機能を有する他の機械的構造体とすることができることを理解するはずである。
【0105】
本出願について、添付図面に示す具体的な実施形態を参照して説明しているが、本出願によって教示する趣旨及び範囲から逸脱することなく、本出願のドアロックの構成、特に、スイッチ駆動手段及び駆動スライダーの構成は多くの変形形態を有することができることが理解されるべきである。当業者であれば、本明細書によって開示した実施形態における構造を異なる方法で変更することができ、こうした変更の全てが本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にあることを理解するはずである。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限定されない。
[付記1]
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができるとともに、ドアフック(102)によって駆動することができる駆動スライダー(311)と、を備える、ドアロック。
[付記2]
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは、前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができる、付記1に記載のドアロック。
[付記3]
前記ドアロックは、
前記ドアフック(102)を収納することができるとともに、係止位置を有するカム(208)と、
前記カム(208)を前記係止位置で維持するように構成されている係止スライダー手段(310)と、
前記係止スライダー手段(310)を係止するように構成されているロックピン(525)と、を更に備える、付記2に記載のドアロック。
[付記4]
前記ロックピン(525)は、ロックピン係止位置とロックピン係止解除位置とを有し、
前記ロックピン(525)が前記ロックピン係止位置にあるとき、該ロックピン(525)は前記係止スライダー手段(310)を係止し、
前記ロックピン(525)が前記ロックピン係止解除位置にあるとき、該ロックピン(525)は前記係止スライダー手段(310)を解放するとともに、前記スイッチ手段(520)を開放する、付記3に記載のドアロック。
[付記5]
正常な作動状態では、前記ロックピン(525)は、前記スイッチ手段(520)を開放することができ、
強制的にドアが引っ張られる場合、前記スイッチ駆動手段(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放することができる、付記4に記載のドアロック。
[付記6]
前記係止スライダー手段(310)は、
第1の係止スライダー(417)及び第2の係止スライダー(318)であって、該第1の係止スライダー(417)は、前記カム(208)によって第1の方向(x)に沿って移動するように駆動することができ、該第1の係止スライダー(417)は、該第2の係止スライダー(318)を第2の方向(y)に沿って移動するように駆動することができる、第1の係止スライダー(417)及び第2の係止スライダー(318)、を備え、
前記ロックピン(525)は、前記第2の係止スライダー(318)を係止するように構成され、
前記第1の方向(x)は前記第2の方向(y)に対して垂直である、付記5に記載のドアロック。
[付記7]
前記ドアロック(100)は、スイッチボックス(205)及びベース(101)を備え、前記スイッチ手段(520)は前記スイッチボックス(205)の内側に位置し、
前記駆動スライダー(311)及び前記第2の係止スライダー(318)は、前記スイッチボックス(205)と前記ベース(101)との間に並んで配置されるとともに、前記第2の方向(y)に沿って移動する、付記6に記載のドアロック。
[付記8]
前記スイッチ手段(520)は、
弾性片(524)と、
固定接点(523)と、を備え、
前記揺動レバー(526)の一端は前記弾性片(524)を駆動することができ、
前記揺動レバー(526)は、揺動レバー作動位置と揺動レバーアイドル位置とを有し、該揺動レバー(526)が前記揺動レバー作動位置にあるとき、該揺動レバー(526)は、前記スイッチ手段(520)を開放するように前記固定接点(523)から前記弾性片(524)を引き離し、
前記揺動レバー(526)が前記揺動レバーアイドル位置にあるとき、該揺動レバー(526)は前記スイッチ手段(520)の閉鎖又は開放に影響を与えない、付記2に記載のドアロック。
[付記9]
前記駆動スライダー(311)は、前記ドアフック(102)の移動とともに第2の方向(y)に沿って、駆動スライダー係止位置と駆動スライダー係止解除位置との間で移動し、
前記駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー(526)を前記揺動レバー作動位置まで移動するように駆動し、
前記駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止解除位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー(526)を前記揺動レバーアイドル位置まで移動するように駆動する、付記8に記載のドアロック。
[付記10]
前記揺動レバー(526)はシャフト(732)を備え、該揺動レバー(526)は該シャフト(732)の周りを回転することができ、
前記揺動レバー(526)は、上部アーム(735)及び下部アーム(736)を更に備え、該上部アーム(735)の一端は前記シャフト(732)に接続され、該上部アーム(735)の他端は前記弾性片(524)に接続するように構成されており、
前記下部アーム(736)の一端は前記シャフト(732)に接続され、該下部アーム(736)の他端は前記駆動スライダー(311)によって駆動することができる、付記8に記載のドアロック。
[付記11]
前記揺動レバー(526)の前記シャフト(732)は、第2の方向(y)に沿って前記駆動スライダー(311)に対して平行に配置されている、付記10に記載のドアロック。
[付記12]
前記駆動スライダー(311)は復帰手段(312)に接続されており、該復帰手段(312)は、前記駆動スライダー(311)に仮締め力を加えて、該駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止位置まで移動するのを可能にする、付記8に記載のドアロック。
[付記13]
前記駆動スライダー(311)はドアロック駆動面取り部(842)を有し、前記ドアフック(102)は、前記ドアロック駆動面取り部(842)を通して前記駆動スライダー(311)を駆動し、
前記ドアフック(102)が第3の方向(z)に沿ってドアロック孔(103)内に挿入されると、該ドアフック(102)は、前記ドアロック駆動面取り部(842)を通して、前記駆動スライダー(311)を第2の方向(y)に沿って移動するように駆動する、付記8に記載のドアロック。
[付記14]
前記駆動スライダー(311)は揺動レバー駆動面取り部(843)を有し、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー駆動面取り部(843)を通して前記揺動レバー(526)の前記下部アーム(736)を駆動し、
前記駆動スライダー(311)が前記駆動スライダー係止位置にあるとき、該駆動スライダー(311)は、前記揺動レバー駆動面取り部(843)を通して、前記揺動レバー(526)の前記下部アーム(736)を前記揺動レバー作動位置まで移動するように駆動する、付記10に記載のドアロック。
[付記15]
前記ドアロック(100)はスイッチボックス(205)を備え、前記スイッチ手段(520)及び前記揺動レバー(526)は前記スイッチボックス(205)の内部に配置され、前記駆動スライダー(311)は前記スイッチボックス(205)の外側に配置されており、
前記スイッチボックス(205)の底部(629)が孔(630)を有し、前記揺動レバー(526)の一端は、前記孔(630)を通って外向きに延在するとともに、前記駆動スライダー(311)により前記スイッチボックス(205)の外側に駆動されるように構成されている、付記8に記載のドアロック。
[付記16]
ドアロックの制御回路(1100)であって、
スイッチ手段(520)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるスイッチ駆動手段(526)と、
前記スイッチ手段(520)を開放することができるロックピン(525)と、を備える、制御回路。
[付記17]
付記16に記載の制御回路(1100)であって、
前記スイッチ駆動手段(526)は機械的構造体によって駆動され、
前記ロックピン(525)は電子信号によって駆動される、制御回路。
[付記18]
付記17に記載の制御回路(1100)であって、
駆動スライダー(311)、を更に備え、
前記駆動スライダー(311)は前記スイッチ駆動手段(526)を駆動することができ、該駆動スライダー(311)はドアフック(102)によって駆動することができる、制御回路。
[付記19]
付記18に記載の制御回路(1100)であって、
前記スイッチ駆動手段(526)は揺動レバーであり、該揺動レバーは前記スイッチ手段(520)を開放するように回転することができる、制御回路。
[付記20]
付記19に記載の制御回路(1100)であって、
係止スライダー手段(310)を係止及び解除してカム(208)を係止位置で維持するか又は維持しないように構成されているロックピン(525)と、
電子駆動手段(1150)と、を更に備え、
前記電子駆動手段(1150)は、電子信号により、前記係止スライダー手段(310)を係止及び解除するように前記ロックピン(525)を作動させるように駆動される、制御回路。
[付記21]
付記17に記載の制御回路(1100)であって、
接続端子(1151)、制御端子(1153)及び共通端子(1152)、を更に備え、
第1の電流ループが、前記スイッチ手段(520)を介して前記接続端子(1151)と前記共通端子(1152)との間に形成され、第2の電流ループが、前記電子駆動手段(1150)を介して前記制御端子(1153)と前記共通端子(1152)との間に形成されており、
前記第1の電流ループ及び前記第2の電流ループは、共通接続点(1155)を介して前記共通端子(1152)に接続されており、
前記接続端子(1151)は、前記第1の電流ループにおいて電気モーター(1160)を介して電源(1162)と直列に接続することができ、
前記制御端子(1153)は、前記第2の電流ループにおいて前記電子駆動手段(1150)を介して前記電源(1162)と直接に接続することができ、
前記共通端子(1152)は、前記電源(1162)のアースに接続され、
前記スイッチ手段(520)は閉鎖又は開放することができ、該スイッチ手段(520)の前記閉鎖又は開放により、前記第1の電流ループの接続又は切断が制御される、制御回路。