(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】生体材料を送達するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20241106BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A61M5/14 580
A61M5/145 500
(21)【出願番号】P 2021523237
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 US2019060985
(87)【国際公開番号】W WO2020102234
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521172033
【氏名又は名称】コントラライン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グローバー,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンフラッツ,ケビン エス.
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0276384(US,A1)
【文献】特表2006-520220(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0318035(US,A1)
【文献】国際公開第2017/152036(WO,A1)
【文献】特開2016-155994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61M 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される、覆いであって、前記容器アセンブリが、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器とを含み、前記第1の容器及び前記第2の容器が、コネクタに連結するように構成され、前記容器アセンブリが、第1のプランジャ及び第2のプランジャを含む、覆いと、
送達部材であって、前記送達部材によって画定される混合体積と流体連通して、前記コネクタの第1の出口及び前記コネクタの第2の出口を設けるように、前記コネクタに連結されるよう構成される、送達部材と、
前記容器アセンブリに動作可能に連結するように構成される、駆動アセンブリであって、
第1の量の前記第1の成分を、前記容器アセンブリから前記コネクタの第1の出口に運び、第1の量の前記第2の成分を、前記容器アセンブリから前記コネクタの第2の出口に運ぶことによって、前記コネクタをプライミングし、
第2の量の前記第1の成分が、第2の量の前記第2の成分と架橋して、前記送達部材内にハイドロゲルを形成するように、前記第2の量の前記第1の成分及び前記第2の量の前記第2の成分を、前記混合体積の中へ運び、
前記送達部材から、前記送達部材の出口部分を介して、前記ハイドロゲルを運ぶ、ように構成された駆動アセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記容器アセンブリが、前記第1の成分を含む第1の容器と、前記第2の成分を含み、前記第1の容器から分離している第2の容器とを含み、
前記コネクタが、前記第1の容器に接続される第1の入口と、前記第2の容器に接続される第2の入口とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記送達部材が第1の送達部材であり、前記ハイドロゲルが第1のハイドロゲルであり、
前記駆動アセンブリは、
前記第1の送達部材が前記コネクタから取り外された後に、第3の量の前記第1の成分を、前記コネクタの前記第1の出口に運び、第3の量の前記第2の成分を、前記コネクタの前記第2の出口に運ぶことによって、前記コネクタをプライミングし、
第2の送達部材が前記コネクタに連結された後に、第4の量の前記第1の成分及び第4の量の前記第2の成分を、第2の混合体積に運び、前記第4の量の前記第1の成分が、前記第4の量の前記第2の成分と架橋して、前記第2の混合体積の中に第2のハイドロゲルを形成させる、ように構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動アセンブリは、
前記第2の量の前記第1の成分及び前記第2の量の前記第2の成分を、前記ハイドロゲルのゲル化時間以上の滞留時間にわたって前記送達部材の内部に保持される、ように構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
運ばれた前記ハイドロゲルが、対象領域の少なくとも一部を閉塞するよう調合される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動アセンブリは、前記ハイドロゲルを前記送達部材から30秒未満で運ぶよう構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記駆動アセンブリは、約50マイクロリットルから約200マイクロリットルの前記ハイドロゲルを、前記送達部材から約5秒から約20秒の間で運ぶよう構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動アセンブリは電気機械駆動部、をさらに含み、
電子制御システムであって、前記送達部材から運ばれてきた前記ハイドロゲルの流出力を、流出力の閾値未満に維持するように、前記電気機械駆動部を制御する駆動信号を生成する、電気制御システム、をさらに含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項9】
前記駆動アセンブリは電気機械駆動部、をさらに含み、
電子制御システムであって、
前記ハイドロゲルが送達体積を生成するように運ばれる時間内は、前記送達部材内の前記ハイドロゲルの速度を、所定の速度範囲内に維持するように、前記電気機械駆動部を制御する駆動信号を生成する、電子制御システム、をさらに含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項10】
前記送達部材の前記コネクタへの連結は、空気のボーラスを前記混合体積内に存在させるように行われ、
前記第2の量の前記第1の成分及び前記第2の量の前記第2の成分を、前記混合体積の中へ運ぶことによって、前記ハイドロゲルが対象領域に運ばれる前に、前記空気のボーラスを、前記対象領域の中へ送達させる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の成分は、双直交リンキング化学(biorthogonal linking chemistry)が可能な第1の水溶性ポリマーであり、
前記第2の成分は、前記第1の成分が前記第2の成分と架橋されて、前記ハイドロゲルを形成できるような、双直交リンキング化学が可能な第2の水溶性ポリマーである、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項12】
前記ハイドロゲルは、前記送達部材における前記第1の成分と前記第2の成分との化学反応が完了した高次構造であり、
前記ハイドロゲルは、前記高次構造として前記送達部材の流出開口部から運び出されるように構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月13日出願の「Methods and Apparatus for Automated, Microvolume Delivery of Biomaterials」と題する、米国仮特許出願第62/760,650号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載する実施形態は、概して、生体材料を送達する送達デバイスおよび方法に関し、より具体的には、ハイドロゲルの形成および体内腔への送達の制御に関する。
【0003】
生体材料は、治療用(体の組織機能を治療、増強、修復、改造、または置換する)もしくは診断用の物質として、生きている組織の中へ導入するのに好適な、天然物質または合成物質(ポリマーなど)である。ハイドロゲル移植片などの生体材料が、塞栓術、薬物送達、シール形成、充填、および遮閉法目的に対して有用であることが分かっている。ハイドロゲルは、大量の水を吸収できる高含水ポリマー鎖またはネットワークであり、調整可能な機械的性質を有することができる。生体材料はしばしば、例えば、針および/またはカテーテルによって体の中へ注入可能である。注入すると、材料がゲル化または架橋して、移植片を形成してもよい。しかしながら、多くの既知のシステムは、複数の成分を体の中へ送達し、次いで送達後に、それらが体内で架橋する。そのため、送達されたハイドロゲルの形成は、生体内での条件に依存し得る。それゆえ、こうした既知の方法では、患者が、根底にある成分(すなわち、送達されるハイドロゲルを形成するモノマーまたはマクロマー)、および送達されるハイドロゲル自体の両方に触れる可能性がある。こうした既知の方法ではまた、ハイドロゲルの形成を促進するように、体の中へ送達した後に、追加の刺激を必要とする場合がある。こうした追加のステップによって、より長い手順、および手順の可変性(すなわち、患者ごとの)の増大がもたらされ得る。
【0004】
一部の既知のシステムおよび方法には、血管または管の内腔など、小さな領域の中への生体材料生成物(例えば、ハイドロゲル)の注入および/または移植が含まれる。例えば、一部の用途では、生体材料が、内腔の遮閉法または塞栓術として作用する、移植片を形成する。遮閉法は、精管、卵管(複数可)、または子宮を閉塞することによって、対象に避妊を提供するために使用することができる。こうした遮閉法は、例えば、薬物送達、スペーシング、シール形成、塞栓形成、またはかさばりのために、管、組織、間質腔、もしくは臓器など、いかなる他の体の一部を閉塞するように使用できる。しかしながら、既知の送達システムでは、特に微小体積が関与するとき、所望の安全性、正確度、精度、および/または同時再現性が提供されない。例えば、一部の既知の送達システムおよび方法は、スプレーを提供(例えば、創傷治癒などのため)するように、特異的に設計されている。なぜなら、送達される全数量が的確な制御、送達のタイミング、送達の速度、および/または送達の力が、こうした用途に対する重大な関心であることが少ないからである。こうした既知のシステムは、正確な少量を特定の場所へ送達することが所望される用途には、好適ではない。
【0005】
一部の既知のシステムは、成分を送達するために手で操作する注射器など、手動の送達デバイスを含む。しかしながら、こうした手動のシステムは、しばしば高い可変性をもたらし得る。例えば、医師が手動送達デバイスに印加する手の力は、手順ごとに変動する可能性があり、それらの変動は、異なる医師が、異なる操作条件下において、異なる患者に送達手順を行うことを考慮すると、さらに拡大する。既知の手動送達デバイスに印加される手の力の変動によって、特に合成物の所望の量が、非常に小さい(例えば、0.001mLから1mL)とき、患者および/または特定の標的領域に投与される総送達量に、多大な影響を与える場合がある。合成物の送達が不十分であると、標的領域が適切に閉塞、塞栓形成、または密封されない場合があり、結果として操作失敗となり得る。一方、合成物の過剰な送達は、非標的領域の望ましくない遮閉、塞栓、またはシール形成に至る場合があり、非標的領域が合成物に敏感な場合、または遮閉、塞栓、もしくはシール形成が存在しないまま保つ必要がある場合に問題となり得る。合成物の過剰な送達はまた、標的領域の容量より最終的に大きい送達量となり、結果、損傷をもたらす場合がある。例えば、もし送達された合成物の体積が、標的血管の容量を超えたなら、標的血管が破裂する場合があるか、または組織に組織学的反応が起こる場合がある。
【0006】
一部の既知の送達システムは、電気機械送達機構を含み、そのため、送達力を生成し、タイミングおよび送達プロセスを制御するのに、施術者には依存しない。例えば、高圧ジェット式注射器が、薬物送達のために体の中へ、液体および粉末などの高粘性材料を送達するのに使用されている(Nora C Hogan、Andrew J Taberner、Lynette A Jones & Ian W Hunter(2015)のNeedle-free delivery of macromolecules through the skin using controllable jet injectors、Expert Opinion on Drug Delivery、12:10、1637~1648を参照)。しかしながら、これらのデバイスは大抵、表皮の中への注入にのみ適用可能であり、体の他の閉鎖領域の中へ液体もしくは流体を注入する、針またはカテーテルの取り付け具を有していない。さらに、既に形成されたゲル化物を注入することはできない。
【0007】
その上、こうした既知の電子システムには、合成物が送達される速度、流量、および/または力に対する所望の制御が含まれていない。エネルギー貯蔵デバイス(例えば、ばね、電気機械デバイスなど)を使用する既知のシステムは、大量送達(例えば、1mLより大きい)用に設計され、また、標的組織への損傷を引き起こす力で、生成物を送達する場合がある。例えば、高速の送達もしくは大きな送達力によって、標的組織が損なわれるか、または裂ける場合があり、したがって、生成物の全体的な安全性および有効性に影響を与える。こうした既知のシステムはまた、結果として生じる、送達される生体材料生成物が、送達システムの中ではなく、むしろ体組織内またはその上で形成されるように、根底にある成分を過度に速く送達する場合がある。
【0008】
既知の送達システムおよび方法はまた、生体構造の対称的な部分と関連付けられた手順(すなわち、手順が二つの標的の場所への送達を含む)の場合であり得るように、二つの個別の送達操作に対して、単一のカートリッジを使用することを熟慮していない。例えば、生殖保健学または再建手術/形成手術の手順には、二つの類似する場所、対側の場所、もしくは関係する場所への生体材料の送達または移植が必要な場合がある。生体材料を送達する多くの既知のシステムは、1回使用のデバイスまたはカートリッジであり、同じカートリッジから送達される生体材料移植片の第2の微小体積の送達を、正確にかつ制御して実行するには好適ではない。
【0009】
多くの既知の送達システムおよび方法は、デッドボリュームの除去、望ましくない空気の放出、および同類のものによって、送達用に成分を調製する「プライミング」操作を含む。多くの既知のシステムおよび方法は、こうしたプライミング操作を、送達デバイスに取り付けられる送達部材(例えば、針)で行って、送達前に、システムから過剰な空気または流体を除去することを含む。しかしながら、こうした既知の方法は、成分が、送達中に短時間で送達部材内において反応するように(すなわち、送達される生体材料生成物が、送達されると形成されることを保証するように)調合されるときには適用できない。例えば、従来のプライミング方法によって、実際の送達ステップの前に、送達部材を塞ぐか、またはそうでなければ損なう、望ましくない反応をもたらし得る。また、こうした既知の方法およびデバイスでは、上に記載したように、単一のカートリッジを使用して、二つの個別の送達操作が所望される、第2のプライミング機能を行う手順を、サポートも熟慮もしていない。
【0010】
その上に、こうした既知のプライミングシステムおよび方法は、生体材料生成物の送達直前に、プライミング流体を特定の標的の場所の中へ送達するための方法に適応しない。具体的には、既知のプライミング方法は、多くの場合、空気または他の流体の排除を目的とするため、プライミング流体の送達が可能ではない。生体材料とは異なるエコー輝度で、プライミング流体を送達することによって、操作中における、生体材料の監視および追跡を改善することができる。プライミング流体はまた、生体材料の送達用に、標的部位を調製する(例えば、加圧する、潤滑する、洗浄する、無菌化する、架橋を支援する)ために、他の性質をも含むことができる。
【0011】
それゆえ、生体材料の速度および体積の制御が所望される医療手技向けに、生体材料を送達するためのデバイスならびに方法へのニーズが存在する。より具体的には、制御された微小体積が所望される(例えば、体積の0.001mLから1mL、または1μL~1,000μL)、形成されたハイドロゲルの体の標的部位への制御された送達用の、デバイスおよび方法へのニーズが存在する。また、標的部位への損傷を防止または最小化し、送達される量が、標的部位の閉塞または塞栓形成に対して、安全で効果的であることを保証するために、標的部位へのハイドロゲルの送達速度および総送達量を制御するニーズも存在する。手動送達デバイスに現在印加されている、一貫性のない手の力を置き換えるように、制御された自動化または半自動化した送達力を印加するための、デバイスおよび方法が存在する。ハイドロゲルを形成する成分の単一カートリッジから、単一の手順で二つの個別の送達操作をサポートする、デバイスおよび方法へのニーズがさらに存在する。形成されたハイドロゲルの送達前に、プライミング流体を送達するニーズもまた存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【文献】Nora C Hogan、Andrew J Taberner、Lynette A Jones & Ian W Hunter(2015)、Needle-free delivery of macromolecules through the skin using controllable jet injectors、Expert Opinion on Drug Delivery、12:10、1637~1648
【発明の概要】
【0014】
二つの成分から生体材料を形成し送達するための送達デバイスを、本明細書に記載する。特に、体内腔など、体の一部の中へまたは体の一部の上への、生体材料の送達制御を行う装置および方法について記載する。より具体的には、一部の実施形態では、装置および方法は、体積の0.001mL~1mL(または1μL~1,000μL)(mLおよびccは、互換的に使用される)と定義する、微小体積の送達制御に向けられている。しかしながら、当業者は、装置および方法を使用して、1,000μLより大きい体積の制御された送達を行ってもよいことを理解するであろう。
【0015】
一部の実施形態では、装置は覆いおよび駆動アセンブリを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器と、第1のプランジャと、第2のプランジャとを含む。第1および第2の容器は、コネクタに連結するように構成される。駆動アセンブリは、容器アセンブリに連結するように構成される。駆動アセンブリが、第1の成分の一部分を第1の容器から運ぶように、第1の容器内の第1のプランジャを移動させ、第2の成分の一部分を第2の容器から運ぶように、第2の容器内の第2のプランジャを移動させるように構成される。駆動アセンブリが、第1のプランジャおよび第2のプランジャを同時に、ある時間をかけて移動させて、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、コネクタから所定の速度範囲内の流出速度で、時間中に分注するように構成される。
【0016】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、コネクタに連結するように構成される。容器アセンブリが、第1の成分および第2の成分を包含し、第1の成分は、容器アセンブリ内で、第2の成分から分離している。第1の成分が、ハイドロゲルを形成するために、第2の成分と架橋されるように調合される。駆動アセンブリは、電気機械駆動部および駆動部材を含む。電気機械駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、容器アセンブリからコネクタに運ばせるよう、容器アセンブリを係合するように構成される。電子制御システムは、センサおよび駆動モジュールを含む。センサは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールが、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。
【0017】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、コネクタに連結するように構成される。容器アセンブリが、第1の成分および第2の成分を包含し、第1の成分は、容器アセンブリ内で、第2の成分から分離している。第1の成分が、ハイドロゲルを形成するために、第2の成分と架橋するように調合される。駆動アセンブリは、電気機械駆動部および駆動部材を含む。電気機械駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、容器アセンブリからコネクタに運ばせるよう、容器アセンブリに動作可能に連結するように構成される。電子制御システムは、センサおよび駆動モジュールを含む。センサは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールが、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動部材の速度を所定の速度範囲内に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。
【0018】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器とを含む。第1の容器および第2の容器は、コネクタに連結するように構成される。駆動アセンブリは、駆動部および駆動部材を含む。駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分を第1の容器から運ぶように、第1のプランジャを第1の容器内に移動させ、第2の成分の一部分を第2の容器から運ぶように、第2のプランジャを第2の容器内に移動させるよう、第1のプランジャおよび第2のプランジャに動作可能に連結するように構成される。電子制御システムは覆い内にある。電子制御システムが、第1のユーザ入力、第2のユーザ入力、および駆動モジュールを含む。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールは、第1のユーザ入力が行われるときに、駆動部材をプライミング距離だけ移動させるよう、プライミング信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、第2のユーザ入力が行われるときに、駆動部材を注入距離だけ移動させるよう、注入信号を生成するように構成される。注入距離は、第1の成分および第2の成分の所定の送達量と関連付けられる。
【0019】
一部の実施形態では、装置は、第1のシリンジアセンブリ、第2のシリンジアセンブリ、およびカートリッジを含む。第1のシリンジアセンブリは、第1のシリンジ本体と、第1のシリンジ本体内に移動可能なように配置される第1のプランジャとを含む。第1のシリンジ本体は第1のフランジを含む。第2のシリンジアセンブリは、第2のシリンジ本体と、第2のシリンジ本体内に移動可能なように配置される第2のプランジャとを含む。第2のシリンジ本体は第2のフランジを含む。カートリッジは、送達デバイスに取り外し可能に連結するよう構成される。送達デバイスは、第1の成分を第1のシリンジ本体から運ぶように、第1のシリンジ本体内の第1のプランジャを移動させ、第2の成分の一部分を第2のシリンジ本体から運ぶように、第2のシリンジ本体内の第2のプランジャを移動させるように構成される、駆動アセンブリを含む。カートリッジが、フランジの溝を画定し、第1の固定器具、第2の固定器具、および係合部分を含む。第1の固定器具は、第1のシリンジ本体をカートリッジに保持するように構成される。第2の固定器具は、第2のシリンジをカートリッジに保持するように構成される。フランジの溝は、第1のフランジおよび第2のフランジを受け取るように構成される。係合部分は、送達デバイスの固定器具を係合して、駆動アセンブリと関連付けられた定位置に対して、固定位置にある送達デバイスに、カートリッジを連結するように構成される。
【0020】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、コネクタの入口を容器アセンブリに連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分と、第1の成分から分離している第2の成分とを含む。方法が、第1の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第1の出口に運び、第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第2の出口に運ぶことによって、コネクタをプライミングすることを含む。方法が、プライミングの後に、送達部材によって画定される混合体積と流体連通して、コネクタの第1の出口およびコネクタの第2の出口を置くように、送達部材をコネクタに連結することを含む。方法が、送達部材の連結後に、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶことを含む。第1の成分の第2の部分は、第2の成分の第2の部分と架橋して、送達部材内にハイドロゲルを形成する。方法が、送達部材から送達部材の出口部分を介して、ハイドロゲルを運ぶことを含む。
【0021】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、容器アセンブリを送達デバイスに連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分と、第1の成分から分離している第2の成分とを含む。送達デバイスは駆動アセンブリを含む。方法が、第1の送達部材を第1の体内腔の中へ挿入することを含む。方法が、第1の送達部材を挿入した後、第1の送達部材を容器アセンブリに連結することを含む。方法が、送達デバイスを作動させて、第1の成分の第1の部分および第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリから第1の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第1の駆動力を生成させることを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の送達部材内で第1のハイドロゲルを形成し、第1のハイドロゲルが、第1の体内腔の中へ運ばれていく。方法が、作動の後、第1の送達部材を容器アセンブリから切り離すことを含む。方法が、第2の送達部材を第2の体内腔の中へ挿入することを含む。方法が、第2の送達部材を挿入した後、第2の送達部材を容器アセンブリに連結することを含む。方法が、送達デバイスを作動させて、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、容器アセンブリから第2の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第2の駆動力を生成させることを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第2の送達部材内で第2のハイドロゲルを形成し、第2のハイドロゲルが、第2の体内腔の中へ運ばれていく。
【0022】
一部の実施形態では、合成物を体内の体内腔へ送達する方法は、送達部材の出口部分を、体内腔の中へ挿入することを含む。送達部材の連結部分は体の外側にある。方法が、挿入の後、容器アセンブリを送達部材の連結部分に連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分および第2の成分を含む。連結は、空気のボーラスを、送達部材の少なくとも一部分内に保持するように行われる。方法が、第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、送達部材内にハイドロゲルを形成する。第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことによって、空気のボーラスを、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へ送達させる。方法が、第1の成分および第2の成分を送達部材の中へ運んだ後に、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へハイドロゲルを運ぶことを含む。
【0023】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、容器アセンブリの第1のチャンバに貯蔵される第1の成分を、容器アセンブリに連結するコネクタの第1の入口に運ぶことを含む。方法が、容器アセンブリの第2のチャンバに貯蔵される第2の成分を、コネクタの第2の入口部分に運ぶことを含む。方法が、第1の成分および第2の成分を、コネクタの出口部分を通って、送達部材の混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことを含む。送達部材は、コネクタに取り外し可能に連結する。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って運ぶことによって、ハイドロゲルを、送達部材の流出開口部から運ばせるように、送達部材内にハイドロゲルを形成する。
【0024】
以下の記載および添付の図面で、生体材料を送達するための様々なシステム、方法、およびデバイスについて、さらなる詳細を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態による、送達システムの一部分の概略図である。
【
図2】実施形態による、送達システムの一部分の概略図である。
【
図3】
図2の送達システム使用中の、生体材料成分の見本の速度プロファイルを示すプロットである。
【
図4】
図2の送達システム使用中の、生体材料成分の見本の速度プロファイルを示すプロットである。
【
図5】実施形態による、体内腔の中へ挿入された、
図1および2に示す送達システムの一部分の概略図である。
【
図6】生体材料成分を体内腔へ送達する、
図5の送達システムの概略図である。
【
図7】
図5の送達システムが体内腔から引き抜かれた後の、体内腔内に置かれた生体材料成分の概略図である。
【
図8】実施形態による、体、コネクタ、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む、送達システムの概略図である。
【
図9】コネクタが体に連結した、
図8の中の送達システムの概略図である。
【
図10】
図9の送達システム使用中の、生体材料成分の見本の力プロファイルを示すプロットである。
【
図11】実施形態による、第1および第2の成分を容器アセンブリから運んで、ハイドロゲルを形成する方法の流れ図である。
【
図12】実施形態による、送達装置の側面図を示す概略図である。
【
図15】実施形態による、送達装置のプランジャの様々な動作位置および運動距離を示す、容器の概略図である。
【
図16】実施形態による、送達システムの一部分の上面図である。
【
図18】実施形態による、容器アセンブリおよびコネクタの分解図である。
【
図19】送達部材に取り外し可能に連結するためのカプラを示す、
図18のコネクタの斜視図である。
【
図20】カプラを取り外した、
図19のコネクタの斜視図である。
【
図21】
図18に示す送達システムの容器アセンブリを担持するための、カートリッジの一部分の上面図である。
【
図22】
図21のカートリッジ上に据え付けられた、
図18の容器アセンブリおよびコネクタの上面図である。
【
図23】
図17の送達システム上へ据え付けられている、
図22のカートリッジ、容器アセンブリ、およびコネクタの側断面図である。
【
図24】
図17の送達システム上へ据え付けられている、
図22のカートリッジ、容器アセンブリ、およびコネクタの側断面図である。
【
図25】
図17の送達システム上へ据え付けられた、カートリッジ、容器アセンブリ、およびコネクタの側断面図である。
【
図26】
図17の送達システム上へ据え付けられた、カートリッジ、容器アセンブリ、およびコネクタの上面図である。
【
図27】実施形態による、コネクタおよび送達部材の斜視図である。
【
図28】実施形態による、
図17の送達システムのコネクタ上へ装着された、送達部材の斜視図である。
【
図29】容器アセンブリから成分を送達した後の、
図28の送達システムの側断面図である。
【
図30】容器アセンブリから成分を送達した後の、
図28の送達システムの上面図である。
【
図31】送達デバイスから取り外された後の、
図28の送達システムの中のカートリッジ、容器アセンブリ、およびコネクタの部分側断面図である。
【
図32】実施形態による、ハイドロゲルを送達する方法の流れ図である。
【
図33】実施形態による、ハイドロゲルを送達する方法の流れ図である。
【
図34】実施形態による、送達部材の体内腔の中への挿入を示す概略図である。
【
図35】実施形態による、容器アセンブリに取り付けられたコネクタへの、
図34の送達部材の連結を示す概略図である。
【
図36】
図35のコネクタおよび送達部材を介する、体内腔への生体材料成分の送達を示す概略図である。
【
図37】実施形態による、ハイドロゲルを体内腔の中へ送達する方法の流れ図である。
【
図38】
図37に示す方法の最中の、様々な段階にある精管およびその内部の体内腔の部分断面図である。
【
図39】
図37に示す方法の最中の、様々な段階にある精管およびその内部の体内腔の部分断面図である。
【
図40】実施形態による自動送達装置から押し出されたプラグ体積対、自由裁量の送達装置によって生成されたプラグ体積の、正確度および精度を示すグラフである。
【
図41】自動送達装置など、実施形態による送達装置を使用する、標的体積および結果として生じるプラグ体積を示すグラフである。
【
図42】自動送達装置など、実施形態による送達装置を使用して形成される、押し出しプラグおよび固定プラグの長さを示すグラフである。
【
図43】実施形態による、送達システムの側面図である。
【
図44】ユーザ操作ボタンを示す、
図43の送達システムの後方斜視図である。
【
図45】開放位置にあるカバーを示す、
図43の送達システムの正面斜視図である。
【
図47】実施形態による、送達システムの側面図である。
【
図48】ユーザ操作ボタンを示す、
図47の送達システムの後方斜視図である。
【
図49】覆いから引き離した容器アセンブリを示す、
図47の送達システムの正面斜視図である。
【
図50A】覆いに固定された容器アセンブリを示す、
図47の送達システムの正面斜視図である。
【
図50B】覆いに固定された容器アセンブリを示す、
図47の送達システムの後方斜視図である。
【
図51A】覆いに固定された容器アセンブリを示す、
図47の送達システムの正面斜視図である。
【
図53】実施形態による、送達システムの側面図である。
【
図54】電源ボタンおよび状態インジケータを示す、
図53の送達システムの後方斜視図である。
【
図55】覆いから引き離した容器アセンブリを示す、
図53の送達システムの正面斜視図である。
【
図59】注入事象後のイヌの精管の外側の画像である。
【
図60】注入事象後のウサギの精管の外側の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
一部の実施形態では、装置は覆いおよび駆動アセンブリを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器と、第1のプランジャと、第2のプランジャとを含む。第1および第2の容器は、コネクタに連結するように構成される。駆動アセンブリは、容器アセンブリに連結するように構成される。駆動アセンブリが、第1の成分の一部分を第1の容器から運ぶように、第1の容器内の第1のプランジャを移動させ、第2の成分の一部分を第2の容器から運ぶように、第2の容器内の第2のプランジャを移動させるように構成される。駆動アセンブリが、第1のプランジャおよび第2のプランジャを同時に、ある時間をかけて移動させて、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、コネクタから所定の速度範囲内の流出速度で、時間中に分注するように構成される。
【0027】
一部の実施形態では、所定の速度範囲は、上限速度閾値および下限速度閾値を境界とする。一部の実施形態では、上限速度閾値および下限速度閾値は、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分の送達体積が、送達体積範囲内となるような値である。一部の実施形態では、送達範囲は約5マイクロリットルと約1000マイクロリットルとの間である。一部の実施形態では、下限速度閾値がゼロを上回る。
【0028】
一部の実施形態では、駆動アセンブリは、電気機械駆動部、駆動部材、および電子制御システムを含む。駆動部材は、プランジャアセンブリと係合するように構成され、駆動部材の動きは、第1のプランジャおよび第2のプランジャを移動させるように設定される。電気機械駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。電子制御システムは、駆動部材速度を制御して、時間中、流出速度を所定の速度範囲内に維持するように構成される。
【0029】
一部の実施形態では、電子制御システムは、センサおよび駆動モジュールを含む。センサは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動部材を介して印加される駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールが、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、電気機械駆動部に印加される電力を調節する、駆動信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、電子制御システムが、駆動部材によりプランジャアセンブリ上に印加される駆動力を、力の閾値未満に維持するように構成される。一部の実施形態では、駆動モジュールは、電気機械駆動部に印加される電力が電力閾値を超えるとき、エラー信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、力の閾値は、約0.1ニュートンと約45ニュートンとの間である。
【0030】
一部の実施形態では、駆動アセンブリは、リニアモータ駆動システム、ねじ駆動システム、磁気リニア駆動システム、ラックアンドピニオン駆動システム、または空気圧駆動システムのうちの少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、駆動アセンブリがバックラッシュ防止機構を含む。バックラッシュ防止機構は、バックラッシュ防止ギア、選択的に係合可能なばね機構、ダンパ機構、またはラチェット機構のうちの一つ以上を含む。
【0031】
一部の実施形態では、容器アセンブリは、係合部分を含むカートリッジを含む。カートリッジは、第1の容器および第2の容器に連結するように構成される。覆いは、カートリッジを受け取るように構成される、容器部分を含む。容器部分は、駆動アセンブリと関連付けられた定位置に対して、固定位置にある覆いの容器部分内に、カートリッジおよび容器アセンブリを取り外し可能に保持するよう、カートリッジの係合部分を係合するように構成される、固定器具を含む。一部の実施形態では、カートリッジの係合部分が第1の係合部分である。容器部分の第2の係合部分および固定器具を含むカートリッジが、第1の固定器具である。容器部分が、少なくとも二つの方向で、覆いに対する容器アセンブリの動きを阻止するよう、カートリッジの第2の係合部分を係合するように構成される、第2の固定器具を含む。一部の実施形態では、第1の固定器具、第1の係合部分、第2の固定器具、または第2の係合部分のうちの少なくとも一つが、カートリッジを、覆いの容器部分から取り外すことが可能になるよう変形するように構成される。一部の実施形態では、覆いの容器部分によって、カートリッジを受け取る容器の体積を画定する。装置がさらにカバーを含む。カバーは、第1の位置と第2の位置との間で、覆いに対して移動するように構成される。カバーが第1の位置にあるときに、容器の体積が覆われ、カバーが第2の位置にあるときに、容器の体積が露出する。
【0032】
一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分は各々、水溶性成分である。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分が、ハイドロゲルを形成するように架橋できる。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分の架橋によって形成されるハイドロゲルは、少なくとも90パーセントが水である。一部の実施形態では、第1の成分が、第1の粘度を有することによって特徴付けられる。第2の成分が、第2の粘度によって特徴付けられ、第2の粘度は、第1の粘度の25パーセント以内である。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分の架橋によって形成されるハイドロゲルが、5分未満のゲル化時間を有する。
【0033】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、コネクタに連結するように構成される。容器アセンブリが、第1の成分および第2の成分を包含し、第1の成分は、容器アセンブリ内で、第2の成分から分離している。第1の成分が、ハイドロゲルを形成するために、第2の成分と架橋されるように調合される。駆動アセンブリは、電気機械駆動部および駆動部材を含む。電気機械駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、容器アセンブリからコネクタに運ばせるよう、容器アセンブリを係合するように構成される。電子制御システムは、センサおよび駆動モジュールを含む。センサは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールが、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。
【0034】
一部の実施形態では、容器アセンブリは、第1の成分または第2の成分のうちの少なくとも一つを包含する、少なくとも一つの容器を含む。容器は、第1の成分または第2の成分を容器内に密封するように、エラストマー部材を含む。駆動部材は、容器内のエラストマー部材を移動させて、第1の成分の一部分、または第2の成分の一部分のうちの少なくとも一つを、コネクタに運ぶように構成される。電気機械駆動部は、容器内でエラストマー部材の動きを開始するように、第1の時間をかけて離脱力を生成するように構成される。駆動力は、第1の時間の後、第2の時間をかけて生成される。一部の実施形態では、駆動モジュールは、フィードバック信号に基づいて、離脱力を離脱力の閾値未満に、かつ駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、駆動モジュールが、第2の時間中に、駆動部材の速度を、所定の速度範囲内に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、駆動モジュールが、電気機械駆動部に印加される電力を除去するよう、完了信号を生成するように構成される。
【0035】
一部の実施形態では、駆動モジュールは、駆動力が駆動力の閾値を超えるとき、エラー信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、電子制御システムは出力デバイスを含む。エラー信号によって、出力デバイスに、視覚、可聴、または触覚出力のうちの少なくとも一つを生成させる。加えて、エラー信号によって、電気機械駆動部に印加される電力の減少を引き起こす。
【0036】
一部の実施形態では、駆動力の閾値は、約7ニュートンと約12ニュートンとの間である。一部の実施形態では、センサは、電気機械駆動部に供給される電流または電圧のうちの少なくとも一つを測定するように構成される。駆動モジュールは、電気機械駆動部に供給される電流または電圧に基づいて、駆動力を決定するように構成される。駆動モジュールが、電流または電圧を調節するために、駆動信号を生成するように構成される。
【0037】
一部の実施形態では、センサは第1のセンサであり、フィードバック信号は第1のフィードバック信号であり、駆動力の閾値は第1の駆動力の閾値である。電子制御システムは、コネクタが容器アセンブリに連結するかを示す、第2のフィードバック信号を生成するように構成される、第2のセンサを含む。駆動モジュールは、コネクタが容器アセンブリに連結していないと、第2のフィードバック信号が示すとき、第1の駆動力の閾値未満に、コネクタが容器アセンブリに連結していると、第2のフィードバック信号が示すとき、第2の駆動力の閾値未満に、駆動力を維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、装置はコネクタを含む。コネクタは、送達部材のアダプタ、yコネクタ、またはコネクタのうちのいずれか一つである。
【0038】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、コネクタに連結するように構成される。容器アセンブリが、第1の成分および第2の成分を包含し、第1の成分は、容器アセンブリ内で、第2の成分から分離している。第1の成分が、ハイドロゲルを形成するために、第2の成分と架橋するように調合される。駆動アセンブリは、電気機械駆動部および駆動部材を含む。電気機械駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分および第2の成分の一部分を、容器アセンブリからコネクタに運ばせるよう、容器アセンブリに動作可能に連結するように構成される。電子制御システムは、センサおよび駆動モジュールを含む。センサは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールが、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動部材の速度を所定の速度範囲内に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、駆動モジュールが、電気機械駆動部に印加される電流または電圧のうちの一つを調節するよう、駆動信号を生成するように構成される。
【0039】
一部の実施形態では、装置は、覆い、駆動アセンブリ、および電子制御システムを含む。覆いは、容器アセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成される。容器アセンブリは、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器とを含む。第1の容器および第2の容器は、コネクタに連結するように構成される。駆動アセンブリは、駆動部および駆動部材を含む。駆動部は、駆動力を生成して、駆動部材を移動させるように構成される。駆動部材は、駆動部材の動きによって、第1の成分の一部分を第1の容器から運ぶように、第1のプランジャを第1の容器内に移動させ、第2の成分の一部分を第2の容器から運ぶように、第2のプランジャを第2の容器内に移動させるよう、第1のプランジャおよび第2のプランジャに動作可能に連結するように構成される。電子制御システムは覆い内にある。電子制御システムが、第1のユーザ入力、第2のユーザ入力、および駆動モジュールを含む。駆動モジュールは、電子制御システムのメモリまたは処理デバイスのうちの少なくとも一つの中に実装される。駆動モジュールは、第1のユーザ入力が行われるときに、駆動部材をプライミング距離だけ移動させるよう、プライミング信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、第2のユーザ入力が行われるときに、駆動部材を注入距離だけ移動させるよう、注入信号を生成するように構成される。注入距離は、第1の成分および第2の成分の所定の送達量と関連付けられる。
【0040】
一部の実施形態では、電子制御システムは出力デバイスを含む。駆動モジュールは、第1のユーザ入力が行われることなく、第2のユーザ入力が行われるという条件で、エラー信号を生成するように構成される。エラー信号によって、出力デバイスに、視覚、可聴、または触覚出力のうちのいずれか一つを生成させる。一部の実施形態では、エラー信号によって注入信号が無効になる。
【0041】
一部の実施形態では、電子制御システムは、センサおよび出力デバイスを含む。センサは、コネクタが容器アセンブリに連結するかを示す、フィードバック信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、コネクタが容器アセンブリに連結していないと、フィードバック信号が示すときに、エラー信号を生成するように構成される。エラー信号によって、出力デバイスに、視覚、可聴、または触覚出力のうちのいずれか一つを生成させる。一部の実施形態では、エラー信号によって、プライミング信号または注入信号のうちの少なくとも一つが無効になる。
【0042】
一部の実施形態では、プライミング信号は第1のプライミング信号であり、プライミング距離は第1のプライミング距離である。駆動モジュールは、第1のユーザ入力が1回目に行われるときに、駆動部材を第1のプライミング距離だけ移動させるよう、第1のプライミング信号を生成するように構成される。駆動モジュールは、第1のユーザ入力が2回目に行われるときに、駆動部材を第2のプライミング距離だけ移動させるよう、第2のプライミング信号を生成するように構成され、第2のプライミング距離は、第1のプライミング距離とは異なる。
【0043】
一部の実施形態では、電子制御システムは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される、センサを含む。駆動モジュールは、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動部材の速度を、所定の速度範囲内に維持するよう、注入信号を調節するように構成される。
【0044】
一部の実施形態では、電子制御システムは、駆動部材の位置、駆動部材の速度、駆動部材の加速度、または駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成するように構成される、センサを含む。駆動モジュールは、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、注入信号を調節するように構成される。
【0045】
一部の実施形態では、装置は、第1のシリンジアセンブリ、第2のシリンジアセンブリ、およびカートリッジを含む。第1のシリンジアセンブリは、第1のシリンジ本体と、第1のシリンジ本体内に移動可能なように配置される第1のプランジャとを含む。第1のシリンジ本体は第1のフランジを含む。第2のシリンジアセンブリは、第2のシリンジ本体と、第2のシリンジ本体内に移動可能なように配置される第2のプランジャとを含む。第2のシリンジ本体は第2のフランジを含む。カートリッジは、送達デバイスに取り外し可能に連結するよう構成される。送達デバイスは、第1の成分を第1のシリンジ本体から運ぶように、第1のシリンジ本体内の第1のプランジャを移動させ、第2の成分の一部分を第2のシリンジ本体から運ぶように、第2のシリンジ本体内の第2のプランジャを移動させるように構成される、駆動アセンブリを含む。カートリッジが、フランジの溝を画定し、第1の固定器具、第2の固定器具、および係合部分を含む。第1の固定器具は、第1のシリンジ本体をカートリッジに保持するように構成される。第2の固定器具は、第2のシリンジをカートリッジに保持するように構成される。フランジの溝は、第1のフランジおよび第2のフランジを受け取るように構成される。係合部分は、送達デバイスの固定器具を係合して、駆動アセンブリと関連付けられた定位置に対して、固定位置にある送達デバイスに、カートリッジを連結するように構成される。
【0046】
一部の実施形態では、送達デバイスの固定器具は、第1の固定器具であり、カートリッジの係合部分は第1の係合部分である。カートリッジは、送達デバイスに対するカートリッジの動きを阻止するよう、送達デバイスの第2の固定器具を係合するように構成される、第2の係合部分を含む。一部の実施形態では、装置は、第1のプランジャの端および第2のプランジャの端に連結するように構成される、プランジャリンクをさらに含む。プランジャリンクは、送達デバイスの駆動アセンブリが、第1のシリンジ本体内の第1のプランジャ、および第2のシリンジ本体内の第2のプランジャを移動させるように、駆動力をかける接触表面を含む。一部の実施形態では、装置が、第1の入口、第2の入口、および出口を有する、コネクタをさらに含む。第1の入口は、第1のシリンジ本体の先端に連結するように構成される。第2の入口は、第2のシリンジ本体の先端に連結するように構成される。コネクタの出口は、送達部材に取り外し可能に連結するよう構成される。
【0047】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、コネクタの入口を容器アセンブリに連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分と、第1の成分から分離している第2の成分とを含む。方法が、第1の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第1の出口に運び、第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第2の出口に運ぶことによって、コネクタをプライミングすることを含む。方法が、プライミングの後に、送達部材によって画定される混合体積と流体連通して、コネクタの第1の出口およびコネクタの第2の出口を置くように、送達部材をコネクタに連結することを含む。方法が、送達部材の連結後に、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶことを含む。第1の成分の第2の部分は、第2の成分の第2の部分と架橋して、送達部材内にハイドロゲルを形成する。方法が、送達部材から送達部材の出口部分を介して、ハイドロゲルを運ぶことを含む。
【0048】
一部の実施形態では、容器アセンブリは、第1の成分を包含する第1の容器と、第2の成分を包含する第2の容器とを含み、第2の容器は第1の容器から分離している。コネクタの入口を容器アセンブリに連結することは、第1の容器へのコネクタの第1の入口と、第2の容器へのコネクタの第2の入口とを接続することを含む。
【0049】
一部の実施形態では、送達部材は第1の送達部材であり、ハイドロゲルは第1のハイドロゲルである。方法は、第1の送達部材をコネクタから取り外すことを含む。方法が、第1の送達部材を取り外した後に、第1の成分の第3の部分を、コネクタの第1の出口に運び、第2の成分の第3の部分を、コネクタの第2の出口に運ぶことによって、コネクタをプライミングすることを含む。方法が、第2の送達部材によって画定される第2の混合体積と流体連通して、第1の出口および第2の出口を置くように、第2の送達部材をコネクタに連結することを含む。方法が、第1の成分の第4の部分および第2の成分の第4の部分を、第2の混合体積に運ぶことを含み、第1の成分の第4の部分は、第2の成分の第4の部分と架橋して、第2の混合体積の中にハイドロゲルを形成する。一部の実施形態では、送達部材は、カテーテル、針、または留置針(over-the-needle catheter)のうちのいずれか一つである。
【0050】
一部の実施形態では、方法は、第2のハイドロゲルを、第2の送達部材から、第2の送達部材の出口部分を介して運ぶことを含む。一部の実施形態では、第1のハイドロゲルを第1の送達部材から運ぶことは、ハイドロゲルを第1の体内腔に運ぶことを含む。第2のハイドロゲルを第2の送達部材から運ぶことは、ハイドロゲルを第2の体内腔に運ぶことを含み、第2の体内腔は第1の体内腔とは異なる。
【0051】
一部の実施形態では、ハイドロゲルを送達部材から運ぶことは、ハイドロゲルを体内腔に運ぶことを含む。一部の実施形態では、体内腔は、動脈、静脈、毛細血管、血管、組織、臓器内空間、リンパ管、精管、精巣上体、卵管、管、胆管、肝管、胆嚢管、膵管、耳下腺管、臓器、子宮、前立腺、消化管、もしくは循環器系、もしくは呼吸器系、もしくは神経系の臓器、皮下腔、筋肉内空間、または間質腔のうちの一つである。一部の実施形態では、体内腔に運ばれたハイドロゲルは、体内腔を少なくとも一部閉塞する。一部の実施形態では、ハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、30秒未満で行われる。一部の実施形態では、ハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、約50マイクロリットルから約200マイクロリットルを、約5秒と約20秒との間で運ぶことを含む。
【0052】
一部の実施形態では、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、送達部材の混合体積に運ぶことは、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分の等量を運ぶことを含む。
【0053】
何らかの実施形態では、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、送達部材の混合体積に運ぶことは、送達デバイスの駆動アセンブリの電気機械駆動部によって行われる。一部の実施形態では、送達デバイスは電子制御システムを含む。ハイドロゲルを送達部材から運ぶことは、送達部材から運ばれてきたハイドロゲルの流出力を、流出力の閾値未満に維持するように、電気機械駆動部を制御する駆動信号を、電子制御システムによって生成することを含む。一部の実施形態では、送達デバイスが電子制御システムを含む。ハイドロゲルを送達部材から運ぶことを、ハイドロゲルの送達体積を生成するように、ある時間にわたって行う。第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶこと、ならびにハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、送達部材内のハイドロゲルの速度を、時間中、所定の速度範囲内に維持するように、電気機械駆動部を制御する駆動信号を、電子制御システムによって生成することを含む。一部の実施形態では、コネクタのプライミングは、電気機械駆動部にエネルギーを供給して、容器アセンブリに連結するプランジャアセンブリを作動させることを含む。
【0054】
一部の実施形態では、送達部材の連結は、空気のボーラスが混合体積内であるように行われる。ハイドロゲルを送達部材から運ぶことは、ハイドロゲルを体内腔に運ぶことを含む。第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶことによって、ハイドロゲルが体内腔に運ばれる前に、空気のボーラスを体内腔の中へ送達させる。。一部の実施形態では、送達部材の連結は、空気のボーラスが混合体積内であるように行われる。ハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、ハイドロゲルを体内腔に運ぶことを含む。第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶことによって、ハイドロゲルが体内腔に運ばれる前に、空気のボーラスを体内腔の中へ送達させる。一部の実施形態では、送達部材の連結は、空気のボーラスが混合体積内であるように行われる。ハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、ハイドロゲルを体内腔に運ぶことを含む。第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、混合体積の中へ運ぶことによって、ハイドロゲルが体内腔に運ばれる前に、空気のボーラスを体内腔の中へ送達させる。一部の実施形態では、第1の成分の第2の部分は、60秒未満で、第2の成分の前記第2の部分と架橋して、ハイドロゲルを形成する。
【0055】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、容器アセンブリを送達デバイスに連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分と、第1の成分から分離している第2の成分とを含む。送達デバイスは駆動アセンブリを含む。方法が、第1の送達部材を第1の体内腔の中へ挿入することを含む。方法が、第1の送達部材を挿入した後、第1の送達部材を容器アセンブリに連結することを含む。方法が、送達デバイスを作動させて、第1の成分の第1の部分および第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリから第1の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第1の駆動力を生成させることを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の送達部材内で第1のハイドロゲルを形成し、第1のハイドロゲルが、第1の体内腔の中へ運ばれていく。方法が、作動の後、第1の送達部材を容器アセンブリから切り離すことを含む。方法が、第2の送達部材を第2の体内腔の中へ挿入することを含む。方法が、第2の送達部材を挿入した後、第2の送達部材を容器アセンブリに連結することを含む。方法が、送達デバイスを作動させて、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、容器アセンブリから第2の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第2の駆動力を生成させることを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第2の送達部材内で第2のハイドロゲルを形成し、第2のハイドロゲルが、第2の体内腔の中へ運ばれていく。
【0056】
一部の実施形態では、合成物を体内の体内腔へ送達する方法は、送達部材の出口部分を、体内腔の中へ挿入することを含む。送達部材の連結部分は体の外側にある。方法が、挿入の後、容器アセンブリを送達部材の連結部分に連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分および第2の成分を含む。連結は、空気のボーラスを、送達部材の少なくとも一部分内に保持するように行われる。方法が、第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、送達部材内にハイドロゲルを形成する。第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことによって、空気のボーラスを、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へ送達させる。方法が、第1の成分および第2の成分を送達部材の中へ運んだ後に、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へハイドロゲルを運ぶことを含む。
【0057】
一部の実施形態では、空気のボーラスには、ハイドロゲルを体内腔の中へ運ぶ前に、体内腔を拡張するのに充分な体積が選択される。一部の実施形態では、選択される体積は、0.1mLと10mLとの間である。
【0058】
一部の実施形態では、ハイドロゲルはエコーを発生し、方法は、超音波によってなど、体内腔の画像によって、空気のボーラスを識別することを含む。一部の実施形態では、体内腔は、動脈、静脈、毛細血管、血管、組織、臓器内空間、リンパ管、精管、精巣上体、卵管、管、胆管、肝管、胆嚢管、膵管、耳下腺管、臓器、子宮、前立腺、消化管、もしくは循環器系、もしくは呼吸器系、もしくは神経系の臓器、皮下腔、筋肉内空間、または間質腔のうちの一つである。
【0059】
一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分を送達部材に運ぶことは、送達デバイスの駆動アセンブリの電気機械駆動部によって行われる。一部の実施形態では、送達デバイスは電子制御システムを含む。ハイドロゲルを体内腔の中へ運ぶことは、送達部材から運ばれてきたハイドロゲルの流出力を、流出力の閾値未満に維持するように、電気機械駆動部を制御する駆動信号を、電子制御システムによって生成することを含む。一部の実施形態では、送達デバイスが電子制御システムを含む。ハイドロゲルを体内腔の中へ運ぶことを、ハイドロゲルの送達体積を生成するように、ある時間にわたって行う。第1の成分および第2の成分を送達部材の中へ運ぶこと、ならびにハイドロゲルを体内腔の中へ運ぶことが、送達部材内のハイドロゲルの速度を、時間中、所定の速度範囲内に維持するように、電気機械駆動部を制御する駆動信号を、電子制御システムによって生成することを含む。
【0060】
一部の実施形態では、方法は、送達部材の連結部分への容器アセンブリの連結の前に、容器アセンブリから容器アセンブリの第1の出口に、第1の成分の一部分を運ぶことによって、および容器アセンブリの容器から容器アセンブリの第2の出口に、第2の成分の一部分を運ぶことによって、容器アセンブリの出口部分をプライミングすることを含む。
【0061】
一部の実施形態では、合成物を送達する方法は、容器アセンブリの第1のチャンバに貯蔵される第1の成分を、容器アセンブリに連結するコネクタの第1の入口に運ぶことを含む。方法が、容器アセンブリの第2のチャンバに貯蔵される第2の成分を、コネクタの第2の入口部分に運ぶことを含む。方法が、第1の成分および第2の成分を、コネクタの出口部分を通って、送達部材の混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことを含む。送達部材は、コネクタに取り外し可能に連結する。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って運ぶことによって、ハイドロゲルを、送達部材の流出開口部から運ばせるように、送達部材内にハイドロゲルを形成する。
【0062】
一部の実施形態では、ハイドロゲルは、送達部材の流出開口部から、体内腔の中へ運ばれて、体内腔を少なくとも一部閉塞する。一部の実施形態では、体内腔は、動脈、静脈、毛細血管、血管、組織、臓器内空間、リンパ管、精管、精巣上体、卵管、管、胆管、肝管、胆嚢管、膵管、耳下腺管、臓器、子宮、前立腺、消化管、もしくは循環器系、もしくは呼吸器系、もしくは神経系の臓器、皮下腔、筋肉内空間、または間質腔のうちの一つである。
【0063】
一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分を混合体積に運ぶことは、第1の成分および第2の成分の等量を運ぶことを含む。
【0064】
一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、ハイドロゲルがゲル化時間を有するように調合される。第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことを、ハイドロゲルを、流出開口部から運ばれる前に、送達部材内で完全に形成するような、ゲル化時間に基づく流量範囲内で行う。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことを、送達デバイスの駆動アセンブリの電気機械駆動部によって行う。送達デバイスは電子制御システムを含む。第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことが、送達部材内のハイドロゲルの速度を、所定の速度範囲内に維持するように、電気機械駆動部を制御する駆動信号を、電子制御システムによって生成することを含む。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って混合体積の中へ、送達部材を通って運ぶことを、ハイドロゲルの送達体積を生成するように、ある時間にわたって行う。
【0065】
一部の実施形態では、第1の成分は、ポリビニルアルコール、アルギン酸もしくは修飾アルギン酸、キトサンもしくは修飾キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールである。第2の成分は、水または緩衝液、カルシウムなど二価カチオンを伴う水または緩衝液、還元型ヒアルロン酸の溶液、ポリスチレンスルホン酸の溶液、ゼラチンの溶液、生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールである。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、アルギン酸、キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、官能基で終端されたポリエチレングリコール、二価カチオン、還元型ヒアルロン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはゼラチンが、溶媒中に約1から30%に及ぶ重量パーセントを有する。一部の実施形態では、多糖類が異なる官能基で修飾されていてもよい。一部の実施形態では、多糖類およびタンパク質が、分子量で10,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレングリコールは、線状、Y形、3本鎖、4本鎖、6本鎖、または8本鎖で、分子量が1,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。
【0066】
一部の実施形態では、注入デバイスは、デバイス本体、一つ以上のシリンジ、コントローラ、および一つ以上の入力デバイスを含む。デバイス本体は、シャフト、ハンドル、および注入トリガを含む。一つ以上のシリンジの各々は、デバイス本体内に配置された一つ以上のアクチュエータと、動作可能に接続するプランジャを含む。コントローラは、アクチュエータと動作可能に接続している。一つ以上の入力デバイスは、コントローラと動作可能に接続し、入力デバイスは、一つ以上のシリンジ内部で流体をプライミングまたは注入できる。
【0067】
一部の実施形態では、一つ以上の入力デバイスは、デバイス本体の外部分上に配置される。一部の実施形態では、一つ以上のシリンジ、アクチュエータ、およびコントローラは、デバイス本体内に配置される。一つ以上のシリンジが、一つ以上のアクチュエータと動作可能に接続する、二つのシリンジを含む。一部の実施形態では、一つ以上のまたは各プランジャは、ピストンによってアクチュエータと動作可能に接続している。
【0068】
一部の実施形態では、注入デバイスは、一つ以上のシリンジに接続するコネクタを含む。コネクタは、二つのシリンジに接続するYコネクタである。一つ以上のシリンジ、アクチュエータ、およびコントローラは、シャフト内に配置される。一部の実施形態では、注入デバイスが電源を含む。一部の実施形態では、注入デバイスが、コネクタの端に配置された針ハブを含む。注入デバイスが、コネクタと針ハブとの間に随意に配置された、混合チャンバを含む。
【0069】
一部の実施形態では、アクチュエータは、ステッピングモータまたはトルクモータである。注入デバイスは、1μL~1000μLの範囲で微小体積を注入することができる。注入デバイスが、コントローラと動作可能に接続し、トリガによって起動することができる、感圧センサを含む。感圧センサは、コントローラを起動して、信号をアクチュエータへ送信して、ピストンを駆動することができる。一部の実施形態では、コントローラは、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、アクチュエータがピストンを駆動する速度、加速度、力、および/または時間を制御することができる、1セットのコンピュータ可読命令を備える。一部の実施形態では、アクチュエータがピストンを駆動する速度、加速度、力、および/または時間は、プログラム可能である。一部の実施形態では、注入デバイスは、アクチュエータがピストンを駆動する速度、力、および/または時間など、注入デバイスをプログラムすることができる、ユーザインターフェースを含む。
【0070】
一部の実施形態では、注入デバイスは、容器の中で溶媒を固形物に追加して、注入ステップの前に固形物を溶解することができる。注入デバイスで、液体を脱気することができる。注入デバイスによって、気体、液体、ゲル、および粉末または微粒子のような固形物などの状態で、異なる体積を送達することができる。注入デバイスで、針/カテーテルを固定し、先端から交換することができる。一部の実施形態では、注入デバイスによって、単一の容器内で複数の物質を混合し、容器から標的の場所へ複数の体積を送達することができる。
【0071】
「約」という用語は、参照数値表示に関連して使用するとき、その参照数値表示の最大10%を足したまたは引いた、参照数値表示を意味する。例えば、「約100」は90から110までを意味する。
【0072】
「実質的に」という用語は、例えば、幾何学的関係、数値、および/または範囲に関連して使用するとき、そのように定義される幾何学的関係(または幾何学的関係によって説明される構造)、数、および/または範囲が、名目上、列挙する幾何学的関係、数、および/または範囲であると伝えることを意図する。例えば、「実質的に平行な」と本明細書に記載する二つの構造は、平行な幾何学的関係が望ましいものの、「実質的に平行な」配置には、何らかの非平行性が発生し得ること伝えることを意図する。別の例として、「実質的に0.50ミリリットル(mL)」である体積を画定する構造は、列挙する体積が望ましい一方で、体積が「実質的に」列挙する体積(例えば、0.50mL)であるときに、一部の公差が発生し得ること伝えることを意図する。こうした交差は、製造交差、測定公差、および/または他の実践における考慮点(例えば、微小な欠陥、そのように定義された構造の使用年数、システム内にかかる圧力もしくは力、および/または同類のものなど)から生じ得る。上に記載したように、好適な公差は、例えば、言及した幾何形状、数値、および/または範囲の±10%であり得る。
【0073】
本明細書で使用するように、「生体材料成分」(「成分」とも呼ぶ)という用語は、送達される生体材料生成物を形成するように、本明細書に記載するシステムまたは送達デバイスのいずれかと関連して使用される、いかなる物質をも含む。例えば、成分は、送達される生成物(例えば、ハイドロゲル)を形成するように別の成分と架橋できる、小分子、触媒、ペプチド、タンパク質、酵素、ヌクレオチド(またはその派生物)、ヌクレオチドの短鎖(またはその派生物)、ヌクレオチドの長鎖(またはその派生物)、単糖類(またはその派生物)、二糖類(またはその派生物)、三糖類(またはその派生物)、オリゴ糖(またはその派生物)、多糖類(またはその派生物)、モノマー、オリゴマー、マクロマー、またはポリマーを含むことができる。成分は、一つ以上の構成物(例えば、ポリマーおよび溶媒)の混合物または溶液を含むことができる。成分に、それら物質の状態(例えば、固形物、液体、または気体)に関わらず、こうした構成物を含むことができる。成分に、活性の構成物および不活性の構成物、両方を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、成分に、送達される生成物だけでなく、薬剤または他の活性原料も形成できる、あるポリマーを含むことができる。別の例として、一部の実施形態では、成分に、小分子薬物および生物製剤を含むが、これらに限定されない薬物を含むことができる。他の実施形態では、成分に、送達される生成物が、エコーを発生するか、放射線不透過性であるか、放射線透過性であるか、または同類であることを促進する構成物を含む、送達される生成物に、所望の性質を付与するように、ある構成物を含むことができる。
【0074】
「生体材料生成物」、「送達される生体材料生成物」、または「送達される生成物」という用語は、本明細書に記載するシステムまたは送達デバイスのいずれかによって送達される、いかなる物質をも含む。例えば、送達される生成物は、複数の生体材料成分から形成され、本明細書に記載する送達システムのいずれかで送達され、その後、標的の場所へ送達される、生体材料であり得る。それゆえ、送達される生成物は、共に反応するか、もしくは共有結合および/もしくは非共有結合により、集合して高次構造を構築する、複数の生体材料成分によって、システムで形成され、システムによって送達される移植片または構造であり得る。ある状況では、生体材料を、システムによって完全に形成された状態で、標的の場所へ送達することができる。送達される生成物は、完全に形成された(すなわち、生体材料成分間の化学反応が完了している)とみなすことができるものの、送達後、依然としてある変化(例えば、生体内での変化)を起こすことができる。例えば、送達される生体材料生成物は、水を吸収し、および/もしくは膨潤し続けることができ、ならびに/または不純物を排出することができる。一部の実施形態では、送達される生体材料生成物が、二つ以上の生体材料成分の架橋によって形成される、ハイドロゲルであり得る。「ハイドロゲル」という用語は、一つ以上の成分(例えば、ポリマー、モノマー)の反応によって生成される、いかなる水膨潤性(物質量の大部分、つまり、50%より多い部分が水)の架橋ポリマーネットワーク、および/または膨潤し、構造内にある水のかなりの割合を保持する能力を呈するが、水に溶解しないポリマー材料を指し得る。
【0075】
本明細書で使用するように、「セット」という用語は、複数部を伴う複数の特徴または単一の特徴を指し得る。例えば、壁のセットを指すとき、その壁のセットは、複数部分を伴う一つの壁とみなすことができるか、またはその壁のセットは、複数の別個の壁とみなすことができる。それゆえ、一体化して構築された物品は、壁の1セットを含むことができる。こうした壁の1セットは、例えば、互いに連続しているか、または不連続のいずれかである、複数部分を含むことができる。壁の1セットはまた、別途生成され、後に結合される(例えば、溶接、接着、またはいかなる好適な方法によって)、複数の物品より製作することもできる。
【0076】
図1および2は、実施形態による、システム1000(送達システムとも呼ぶ)の一部分の概略図である。本明細書に記載するように、システム1000は、標的の場所へ送達される生体材料生成物を形成する、複数の生体材料成分を運んで組み合わせるように構成される。
図3および4は、システム1000を使用中の、生体材料成分の見本の速度プロファイルを示すプロットであり、
図5~7は、生体材料生成物3(生成物とも呼ぶ)を標的の場所(具体的には、体内腔L内)へ送達するように使用されている、システム1000を示す。システム1000が、送達デバイス1100、容器アセンブリ1300、コネクタ1400、および送達部材1500(
図5および6参照)を含む。
【0077】
送達デバイス1100は、覆い1110および駆動アセンブリ1150を含む。覆い1110は、容器アセンブリ1300の少なくとも一部分を受け取るように構成される。覆い1110はまた、駆動アセンブリ1150を包含することもできる。覆い1110は、いかなる一つまたは複数の好適な材料から作ることができ、容器アセンブリ1300の一部分を受け取り、および/または保持し、本明細書に記載する機能のいずれかを行うのに好適な、いかなる構造部品も提供できる。例えば、一部の実施形態では、覆い1110が、容器アセンブリ1300を囲みおよび/または固定するように、結合される(例えば、ヒンジジョイント、機械式締結具、または同類のものによって)複数の部品より構築することができる。一部の実施形態では、例えば、覆い1100(または本明細書に記載する覆いのうちのいずれか)が、容器アセンブリ1300を取り外し可能に連結できる、容器部分を見せることができる、可動式蓋またはカバーを含むことができる。使用時には、蓋またはカバーは閉じて、覆い1110内で容器アセンブリ1300を固定することができる。一部の実施形態では、覆い1100(または本明細書に記載する覆いのうちのいずれか)が、容器アセンブリ1300を覆い内に保持し、容器アセンブリ1300の早すぎるおよび/または望ましくない取り外しを防止できる、ロック部材(またはロック部材のセット)を含むことができる。
【0078】
駆動アセンブリ1150は、本明細書に記載するように、第1の生体材料成分1(第1の成分とも呼ぶ)、もしくは第2の生体材料成分2(第2の成分とも呼ぶ)、もしくは第1の成分1および第2の成分2の両方を、容器アセンブリ1300から運ぶように、駆動力を生成する、いかなる好適なアセンブリまたは機構であり得る。より具体的には、駆動アセンブリ1150によって、駆動力を生成し、ならびに/または所望の速度範囲、力の範囲、および/もしくは流量の範囲内で成分を運ぶことができる。第1の成分1、第2の成分2、および/または送達生成物3の送達特性を制御することによって、駆動アセンブリ1150は、正確な量の送達生成物3を標的の場所へ、繰り返し送達することができる。これによって、次々に、より一貫した成果および改善された成果をもたらすことができる。送達特性を制御することでも、第1の成分1と第2の成分2とのいかなる所望の反応(例えば、架橋反応)も、システム1000内で完了できることを保証することができる。別言すれば、送達特性の制御によって、送達生成物3を完全にシステム(例えば、送達部材1500)内で形成することを保証し、それによって、生成物3がまだ形成されない(または一部のみ形成されている)間は、第1の成分1および第2の成分2を送達しないことを保証することができる。また、送達特性を制御することによって、標的組織への潜在的な損傷を制限することもできる。こうした損傷は、不適切な量の生成物の送達、または生成物の早すぎる、もしくは組織の損傷を引き起こす力での送達によって引き起こされ得る。最後に、送達特性の制御によって、システム1000(例えば、送達部材1500)内の目詰まりまたは封鎖を制限することもできる。
【0079】
示すように、駆動アセンブリ1150は、作動すると、駆動アセンブリ1150が第1の成分1および第2の成分2を、容器アセンブリ1300から運ぶことができるように、容器アセンブリ1300に動作可能に連結する、駆動部材1160を含む。駆動アセンブリ1150が、駆動力を生成するためのいかなる好適な機構も含むことができる。例えば、一部の実施形態では、駆動アセンブリが、駆動力を生成するように、電気機械駆動部(
図1および2には図示せず)を含むことができる。こうした電気機械駆動部が、例えば、モータ駆動リニアアクチュエータ、油圧アクチュエータ(例えば、電子部品によって駆動されるポンプを含む)、磁気ベースのアクチュエータ、駆動部材1160に印加される圧力を制御する電気機械式バルブを含む、空気圧アクチュエータ、または本明細書に記載するタイプのいかなる他の好適な電気機械駆動部を含むことができる。一部の実施形態では、駆動アセンブリ1150および/または送達デバイス1100が、本明細書に記載する通り、第1の成分1、第2の成分2、および/または送達生成物3の送達特性を制御するように、電気機械駆動部を制御する電子制御システム(図示せず)、ならびに駆動アセンブリのいかなる他の態様を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、電子制御システムが、本明細書に記載する電子制御システム2200に類似し得る。
【0080】
容器アセンブリ1300は、第1の容器1301および第2の容器1302を含み、覆い1110に連結し、および/または覆い1110内で受け取ることができる。第1の容器1301は、第1の端部分1311、第2の端部分1312を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)1315を含む。第1の容器1301によって、エラストマー部材1315を一側面上で境界とし、第1の成分1を包含する、体積を画定する。第1の容器1301が、第1の容器1301内に移動可能なように配置される端部分を有する、第1のプランジャ1320を含み、第1のプランジャ1320が動くと、エラストマー部材1315の動きによって、第1の容器1301から第1の成分1を運ばせる。第1のプランジャ1320の対向端は、駆動部材1160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)。第2の容器1302は、第1の端部分1331、第2の端部分1332を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)1335を含む。第2の容器1302によって、エラストマー部材1335を一側面上で境界とし、第2の成分2を包含する、体積を画定する。第2の容器1302が、第2の容器1302内に移動可能なように配置される端部分を有する、第2のプランジャ1340を含み、第2のプランジャ1340が動くと、エラストマー部材1335の動きによって、第2の容器1302から第2の成分2を運ばせる。第2のプランジャ1340の対向端は、駆動部材1160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)。一部の実施形態では、エラストマー部材が、クロロブチルまたはブロモブチルなど、ブチルゴムから作られる。一部の実施形態では、エラストマー部材を、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)もしくはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)など、フィルムまたは他のコーティングで覆うことができる。
【0081】
第1の容器1301および第2の容器1302(および本明細書に記載する容器のいずれも)は、いかなる好適な容器でもあり得る。例えば、第1の容器1301および/または第2の容器1302が、カートリッジ、アンプル、またはシリンジであり得る。その上に、第1の容器1301および第2の容器1302(および本明細書に記載する容器のいずれも)が、いかなる好適なサイズでもあることができ、タイプIホウケイ酸ガラスなど、いかなる好適な材料からも構築できる。例えば、一部の実施形態では、第1の容器1301および第2の容器1302は、異なるサイズ(例えば、異なる直径)を有することができる。このように、容器アセンブリは、一定のストローク長を維持しながら、第1の成分1および第2の成分2の異なる体積の送達を受け入れることができる。他の実施形態では、第1の容器1301および第2の容器1302が、同じサイズであり得る。
【0082】
第1の成分1および第2の成分2は、本明細書に記載する生体材料成分のいずれでもあることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2が各々、ハイドロゲルを(送達される生体材料生成物として)形成するように、架橋する(例えば、他方の成分と)ことができる、水溶性成分(例えば、モノマー、マクロマー、ポリマー、または同類のもの)であり得る。一部の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、5分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、2分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、1分未満であるように調合される。さらに他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、30秒未満であるように調合される。一部の実施形態では、第1の成分1が、ポリビニルアルコール、アルギン酸もしくは修飾アルギン酸、キトサンもしくは修飾キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。第2の成分2が、水もしくは緩衝液、カルシウムなど二価カチオンを伴う水もしくは緩衝液、還元型ヒアルロン酸の溶液、ポリスチレンスルホン酸の溶液、ゼラチンの溶液、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、アルギン酸、キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、官能基で終端されたポリエチレングリコール、二価カチオン、還元型ヒアルロン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはゼラチンが、溶媒中に約1から30%に及ぶ重量パーセントを有する。一部の実施形態では、多糖類が異なる官能基で修飾されていてもよい。一部の実施形態では、多糖類およびタンパク質が、分子量で10,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレングリコールは、線状、Y形、3本鎖、4本鎖、6本鎖、または8本鎖で、分子量が1,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよいハイドロゲルは、本明細書に記載するハイドロゲルのいずれであることもでき、本明細書に示す特性のうちのいずれでもあり得る。例えば、一部の実施形態では、形成されたハイドロゲルは、少なくとも90パーセントが水であり得る。
【0083】
第1の容器1301および第2の容器1302は、コネクタ1400に連結するように構成される。コネクタから分離している物品として容器を有することによって、第1の容器1301および第2の容器1302が、市販の容器(例えば、シリンジ)であることができ、それらの内部で第1の成分1および第2の成分2それぞれを、使用のために調製できる。その上に、この配置によって、第2の成分2を第2の容器1302内で調製するときとは別に、第1の成分1を第1の容器1301内で調製する(例えば、混合、希釈などによって)ことが可能である。しかしながら、他の実施形態では、容器アセンブリ1300が、コネクタと一体的におよび/または一体化して構築される、第1の容器ならびに第2の容器を含むことができる。さらに他の実施形態では、容器アセンブリ1300が、第1の成分1および第2の成分2の両方を包含する、単一の容器を含むことができる。
【0084】
示すように、コネクタ1400は、第1の(または投入)端部分1401および第2の(または排出)端部分1402を含む。第1の端部分1401は、第1の容器1301の先端(またはコネクタ)1313、および第2の容器1302の先端(またはコネクタ)1333を受け取るように構成される。第2の端部分1402は、送達部材1500に連結するように構成される(例えば、
図5および6参照)。このように、第1の成分1を、第1の容器1301からコネクタ1400の第1の端部分1401の中へ、そしてコネクタの第2の端部分1402から送達部材1500に運ぶことができる。同様に、第2の成分2を、第2の容器1302からコネクタ1400の第1の端部分1401へ、そしてコネクタ1400の第2の端部分1402から送達部材1500に運ぶことができる。一部の実施形態では、コネクタ1400が、二つの成分を送達部材1500の中へ運ぶ前に、内部で第1の成分1を第2の成分2と混合する、混合コネクタであり得る。しかしながら、他の実施形態では、コネクタ1400が、第1の成分1を第2の成分2から分離して維持することができ、二つの成分を送達部材1500の中へ運び、その内部で混合する。分離した流路をコネクタ1400内に維持することによって、第1の成分1と第2の成分2とを、コネクタ1400の外部(すなわち、送達部材1500内)で反応(例えば、架橋)させることができ、それによって、コネクタ1400との目詰まりの可能性を制限する。このように、コネクタ1400を複数回の注入に使用することができる。
【0085】
送達部材1500は、針、カテーテル、または第1の成分1、第2の成分2、および/もしくは生体材料生成物3を標的の場所へ送達できる、いかなる他のデバイスなど、いずれの好適な送達部材でもあることができる。一部の実施形態では、コネクタ1400および送達部材1500は、一体化して構築されるか、またはそうでなければ、使用前に予め組み立てることができる。他の実施形態では、コネクタ1400が、送達部材1500から分離して、送達手順の一部として、送達部材1500に連結できる。
【0086】
使用時には、容器アセンブリ1300が準備され、送達デバイス1100に連結した後、駆動力を生成するように駆動アセンブリ1150を作動することができる。このように、駆動アセンブリ1150(および駆動部材1160)によって、第1の成分1の一部分を第1の容器1301から、第2の成分2の一部分を第2の容器1302から分注するように、時間中に、第1のプランジャ1320および第2のプランジャ1340を同時に移動させることができる。第1の成分1および第2の成分2は、
図2の矢印AAが示すように、コネクタ1400を通って運ばれる。上に記載したように、第1の成分1および第2の成分2が反応して(例えば、
図2には示さないが、送達部材1500内で)、生体材料生成物3を形成することができる。駆動アセンブリ1150は、第1の成分1および第2の成分2が、時間中に所定の速度範囲内の流出速度で、コネクタ1400から流出するよう、第1のプランジャ1320および第2のプランジャ1340を移動させるように構成される。
【0087】
一部の実施形態では、所定の速度範囲は、上限速度閾値および下限速度閾値を境界とする。例えば、
図3は、時間の関数として、流出速度のプロットを示す。示すように、注入時間Δt中、コネクタ1400から流出する(および/または送達部材1500から流出する)成分の速度は、上限速度閾値Vupperおよび下限速度閾値Vlowerを境界とする。速度を上限速度閾値未満に維持することによって、生体材料を、組織の損傷の可能性(例えば、潜在的な組織の損傷を引き起こす過剰速度による)を制限するように、送達することができる。その上に、速度を上限速度閾値未満に維持することで、送達される生体材料生成物3を、送達部材1500から流出する前に、システム1000(例えば、送達部材1500)内で適切に形成することを保証することができる。例えば、生体材料生成物3のゲル化時間が、およそ15秒である場合、送達部材内における第1の成分1および第2の成分2の所望の滞留時間は、少なくとも15秒である。したがって、上限速度閾値は、送達部材1500の長さ、および生体材料生成物3のゲル化時間に基づいて、あらかじめ定めることができる。所定の速度範囲は、所望の送達特性を受け入れる、いかなる好適な範囲でもあることができる。例えば、一部の実施形態では、速度範囲は、0.1mm/secと10mm/secとの間であることができる。他の実施形態では、速度範囲は、0.1mm/secと5mm/secとの間であることができる。他の実施形態では、速度範囲は、0.01mm/secと1mm/secとの間であることができる。
【0088】
その上に、速度を所定の送達時間中、所定の範囲内に維持することによって、システム1000が、所望の体積範囲内である生体材料生成物3の体積を、送達することができる。このように、生体材料の量を正確に制御することができる。一部の実施形態では、体積範囲が約5マイクロリットルと約1000マイクロリットルとの間である。他の実施形態では、体積範囲が約50マイクロリットルと500マイクロリットルとの間である。さらに他の実施形態では、体積範囲が約50マイクロリットルと250マイクロリットルとの間である。なおも他の実施形態では、体積範囲が約75マイクロリットルと150マイクロリットルとの間である。
【0089】
加えて、一部の実施形態では、下限速度閾値がゼロを上回る。流出速度(および/または送達部材1500内の速度)を、ゼロを上回るように維持することによって、送達部材内の目詰まりの可能性が減少する。
【0090】
図3では、送達時間中の準一定の速度を描写するものの、他の実施形態では、駆動アセンブリ1150は、送達時間中、いかなる所望の速度プロファイルをも生成するように構成される。同様に、一部の実施形態では、駆動アセンブリ1150が、送達時間中、いかなる所望の加速度(速度の変化率)、または加加速度(加速度の変化率)プロファイルをも生成するように構成される。例えば、
図4は、時間の関数として、流出速度の別のプロットを示す。上に記載したように、注入時間Δt中、コネクタ1400から流出する(および/または送達部材1500から流出する)成分の速度は、上限速度閾値Vupperおよび下限速度閾値Vlowerを境界とする。加えて、駆動アセンブリ1150が、初期の「高速度」部分に続き、低速度部分への減速度を有する、速度プロファイルを生成する。送達速度(および/または加速度)の制御を提供するのに加えて、一部の実施形態では、駆動アセンブリ1150が、駆動部材1160により印加されるプランジャ上への駆動力を、力の閾値未満に維持するように構成することができる。
【0091】
システム1000(および本明細書に記載するシステムのうちのいずれも)を使用して、生体材料生成物(本明細書に記載するハイドロゲルのうちのいずれかなど)を、標的の場所へ送達することができる。例えば、
図5~7は、生体材料生成物3を体内腔Lへ送達するのに使用されている、システム1000を示す概略図である。使用時には、容器アセンブリ1300は、第1の成分1および第2の成分2を調製(例えば、混合、元に戻すなど)し、第1の成分1を第1の容器1301の中に、第2の成分2を第2の容器1302の中に充填することで、使用する準備を整えることができる。その後、本明細書に記載する方法のいずれかにしたがって、容器アセンブリ1300を、送達デバイス1100に連結(または送達デバイス1100の中に充填)し、使用するためにプライミングすることができる。次いで送達部材1500が、
図5に示すように、体内腔Lの中へ挿入される。一部の実施形態では、送達部材1500を、コネクタ1400に接続する前に挿入することができる。しかしながら、他の実施形態では、送達部材1500をコネクタ1400に連結して、その後、体内腔Lの中へ挿入することができる。
図6に示すように、送達デバイス1100を、上に記載した通り、コネクタ1400および送達部材1500を通る、第1の成分1ならびに第2の成分2の送達を開始するように、作動することができる。具体的には、送達デバイス1100によって、第1の成分1および第2の成分2を、送達時間をかけて所望の速度範囲内で運ぶことができる。このように、生体材料生成物3の所望の体積または長さを、体内腔Lの中に送達することができる。その後、送達部材1500を、
図7に示すように、体内腔Lから取り外すことができる。体内腔Lは、例えば、動脈、静脈、毛細血管、血管、組織、臓器内空間、リンパ管、精管、精巣上体、卵管、管、胆管、肝管、胆嚢管、膵管、耳下腺管、臓器、子宮、前立腺など、いかなる好適な体内腔であり得る。標的の場所はまた、消化管、もしくは循環器系、もしくは呼吸器系、もしくは神経系の臓器、皮下腔、筋肉内空間、または間質腔でもあり得る。
【0092】
一部の実施形態では、送達デバイスは、生体材料生成物の送達特性の閉ループ制御を促進するように、一つ以上のフィードバックセンサを含むことができる。こうした送達特性には、容器アセンブリから送達される成分の速度、送達される生体材料生成物の速度、送達中に印加される最大応力、送達される生体材料生成物の量、プランジャで観察される力の急激な下落もしくは急騰、または同類のものを含むことができる。例えば、
図8および9は、実施形態による、システム2000(送達システムとも呼ぶ)の概略図である。本明細書に記載するように、システム2000は、標的の場所へ送達される生体材料生成物を形成する、複数の生体材料成分を運んで組み合わせるように構成される。
図10は、システム2000使用中の、生体材料成分の見本の力プロファイルを示すプロットである。システム2000は、送達デバイス2100、容器アセンブリ2300、コネクタ2400、および送達部材2500を含む。
【0093】
送達デバイス2100は、覆い2110、駆動アセンブリ2150、および電子制御システム2200を含む。覆い2110は、容器アセンブリ2300の少なくとも一部分を受け取るように構成される、容器受け取り部分2112を含む。容器受け取り部分2112は、使用中に容器アセンブリ2300の端部分2312を内部に保持できる、開口部または陥凹であり得る。容器受け取り部分2112は、いかなる好適な保持構造、ロック部材、ピンシステム、磁石、または同類のものを含むことができる。覆い2110はまた、駆動アセンブリ2150および電子制御システム2200を包含することができる。示すように、覆い2110が、デバイス2100の動作中に、ユーザが握りおよび/または操ることができる、ハンドル2120を含む。覆い2110は、いかなる一つまたは複数の好適な材料から作ることができ、容器アセンブリ2300の一部分を受け取り、および/または保持し、本明細書に記載する機能のいずれかを行うのに好適な、いかなる構造部品も提供できる。例えば、一部の実施形態では、覆い2110が、容器アセンブリ2300を囲みおよび/または固定するように、結合される(例えば、ヒンジジョイント、機械式締結具、または同類のものによって)複数の部品より構築することができる。
【0094】
容器アセンブリ2300は、第1の端部分2311、第2の端部分2312を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)2315を含む。容器アセンブリ2300によって、第1のチャンバ(または体積)と、分離部材2303によって第1のチャンバから分離される第2のチャンバ(または体積)とを画定する。第1のチャンバが第1の成分1を包含し、第2のチャンバが、第1の成分から分離している(すなわち、分離部材2303によって)、第2の成分2を包含する。分離部材2303は、可撓性部材、シール、または第1のチャンバを、第2のチャンバから分離、および/もしくは流体的に隔離して維持する、いかなる他の構造であり得る。このように、第1の成分1および第2の成分2を、共に反応することなく、容器アセンブリ2300内に貯蔵できる。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、エラストマー部材2315を一側面上で境界とする。容器アセンブリ2300が、容器アセンブリ2300内に移動可能なように配置される端部分を有する、プランジャ2320を含み、プランジャ2320が動くと、エラストマー部材2315の動きによって、第1の成分1および第2の成分2を、容器アセンブリ2300から運ばせる。第1のプランジャ2320の対向端は、駆動アセンブリ2150の駆動部材2160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)。
【0095】
第1の成分1および第2の成分2は、本明細書に記載する生体材料成分のいずれでもあることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2が各々、ハイドロゲルを(送達される生体材料生成物として)形成するように、架橋する(例えば、他方の成分と)ことができる、水溶性成分(例えば、モノマー、マクロマー、ポリマー、または同類のもの)であり得る。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、5分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、2分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、2分未満であるように調合される。さらに他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、30秒未満であるように調合される。一部の実施形態では、第1の成分1が、ポリビニルアルコール、アルギン酸もしくは修飾アルギン酸、キトサンもしくは修飾キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。第2の成分2が、水もしくは緩衝液、カルシウムなど二価カチオンを伴う水もしくは緩衝液、還元型ヒアルロン酸の溶液、ポリスチレンスルホン酸の溶液、ゼラチンの溶液、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、アルギン酸、キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、官能基で終端されたポリエチレングリコール、二価カチオン、還元型ヒアルロン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはゼラチンが、溶媒中に約1から30%に及ぶ重量パーセントを有する。一部の実施形態では、多糖類が異なる官能基で修飾されていてもよい。一部の実施形態では、多糖類およびタンパク質が、分子量で10,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレングリコールは、線状、Y形、3本鎖、4本鎖、6本鎖、または8本鎖で、分子量が1,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。ハイドロゲルは、本明細書に記載するハイドロゲルのうちのいずれかであることができ、本明細書に示す特性のうちのいずれをも有することができる。例えば、一部の実施形態では、形成されたハイドロゲルは、少なくとも90パーセントが水であり得る。他の実施形態では、形成されたハイドロゲルは、水の割合が>50%であり得る。
【0096】
容器アセンブリ2300は、コネクタ2400および送達部材2500に連結するように構成される。コネクタおよび送達部材から分離している物品として、容器を有することによって、第1の成分1および第2の成分は各々、コネクタ2400が取り付けられているときとは別に、容器アセンブリ2300内で調製できる(例えば、混合、希釈などによって)。しかしながら、他の実施形態では、容器アセンブリ2300を予め充填されたアセンブリとして提供することができる。他の実施形態では、容器アセンブリ2300が、コネクタ2400に不可欠で、および/またはコネクタ2400と一体化して構築され得る。さらに他の実施形態では、容器アセンブリ2300が、本明細書に記載する第1の容器1301および第2の容器1302のような、二つの別個の容器を含むことができる。
【0097】
コネクタ2400は、本明細書に記載するコネクタのいずれかに類似することができ、第1の(または投入)端部分2401および第2の(または排出)端部分2402を含む。第1の端部分2401は、容器アセンブリ2300の先端(またはコネクタ)2313を受け取るように構成される。第2の端部分2402は、送達部材2500に連結するよう構成される。このように、第1の成分1および第2の成分2を、容器アセンブリ2300からコネクタ2400の第1の端部分2401の中へ、そしてコネクタの第2の端部分2402から送達部材2500に運ぶことができる。一部の実施形態では、コネクタ2400が、二つの成分を送達部材2500の中へ運ぶ前に、内部で第1の成分1を第2の成分2と混合する、混合コネクタであり得る。しかしながら、他の実施形態では、コネクタ2400が、第1の成分1を第2の成分2から分離して維持することができ、二つの成分を送達部材2500の中へ運び、その内部で混合する。分離した流路をコネクタ2400内に維持することによって、第1の成分1と第2の成分2とを、コネクタ2400の外部(すなわち、送達部材2500内)で反応(例えば、架橋)させることができ、それによって、コネクタ2400との目詰まりの可能性を制限する。このように、コネクタ2400を複数回の注入に使用することができる。
【0098】
送達部材2500は、針、カテーテル、または第1の成分1、第2の成分2、および/もしくは送達される生体材料生成物を、標的の場所へ送達できる、いかなる他のデバイスなど、いずれの好適な送達部材でもあることができる。一部の実施形態では、コネクタ2400および送達部材2500は、一体化して構築されるか、またはそうでなければ、使用前に予め組み立てることができる。他の実施形態では、コネクタ2400が、送達部材2500から分離して、送達手順の一部として、送達部材2500に連結できる。
【0099】
駆動アセンブリ2150は、本明細書に記載するように、第1の生体材料成分1、もしくは第2の生体材料成分2、もしくは第1の成分1および第2の成分2の両方を、容器アセンブリ2300から運ぶように駆動力を生成する、いかなる好適なアセンブリまたは機構でもあり得る。より具体的には、駆動アセンブリ2150によって、駆動力を生成し、ならびに/または所望の速度範囲、力の範囲、および/もしくは流量の範囲内で成分を運ぶことができる。示すように、駆動アセンブリ2150は、作動すると、駆動アセンブリ2150が第1の成分1および第2の成分2を、容器アセンブリ2300から運ぶことができるように、容器アセンブリ2300に動作可能に連結する、駆動部材2160を含む。駆動アセンブリ2150が、駆動力を生成するためのいかなる好適な機構も含むことができる。例えば、一部の実施形態では、駆動アセンブリが、駆動力を生成するように、電気機械駆動部(
図8および9には図示せず)を含むことができる。こうした電気機械駆動部が、例えば、モータ駆動リニアアクチュエータ、油圧アクチュエータ(例えば、電子部品によって駆動されるポンプを含む)、磁気ベースのアクチュエータ、駆動部材2160に印加される圧力を制御する電気機械式バルブを含む、空気圧アクチュエータ、または本明細書に記載するタイプのいかなる他の好適な電気機械駆動部を含むことができる。一部の実施形態では、駆動アセンブリ2150(または本明細書に記載する駆動アセンブリのうちのいずれか)が、駆動部材上に力を印加するように構成される、一つ以上のばねを含むことができる。さらに、これらの充填済み駆動アセンブリによって、同じデバイスによる複数回の注入を容易にすることができる。
【0100】
電子制御システム2200は、本明細書に記載するように、電気機械駆動部と、第1の成分1、第2の成分2、および/または送達生成物の送達特性を制御する、駆動アセンブリのいかなる他の好適な態様とを制御する。示すように、電子制御システム2200が、一つ以上のセンサ2210、一つ以上のプロセッサ2201、一つ以上のメモリ素子2202、ならびに駆動モジュール2204およびユーザインターフェースモジュール2206など、様々なモジュールを含む。
図8および9は、覆い2110内にある電子制御システム2200を示すものの、電子制御システム2200またはそれらの複数部分は、覆い2110の外側に提供することができる(例えば、電子制御システム2200のある動作を、クラウドコンピューティング環境内で行うことができる)。本明細書に記載するように、電子制御システム2200によって、送達の期間、成分の速度、送達中に印加される最大応力、および生体材料生成物を送達するいかなる他の態様を自動で制御できる。
【0101】
具体的には、電子制御システム2200によって、センサ(複数可)2210からのフィードバックに基づいて、駆動アセンブリ2150を制御することができる。センサ2210は分離することができ、および/または電子制御システム2200内に含まれるセンサ2210は、駆動部材2160の位置、駆動部材2160の速度、駆動部材2160の加速度、もしくは駆動部材2160により印加される駆動力のうちの少なくとも一つと関連付けられた、フィードバック信号を生成する、いかなる好適なセンサを含むことができる。こうしたセンサには、例えば、撮像デバイス、光学センサ、加速度計、温度センサ、接触センサ、近接センサ、位置センサ、および/またはいかなる他の好適な入力デバイスを含むことができる。例えば、一部の実施形態では、センサ2210が、駆動部材2160の位置と関連付けられた、フィードバック信号を生成する、線形位置センサ(例えば、LVDTまたは同類のもの)であり得る。また、フィードバック信号を使用して、送達事象中の位置の変化(すなわち、駆動部材2160の速度)を判定することもできる。他の実施形態では、センサ2210が、駆動部材2160によって印加される、または駆動部材2160上にかかる力と関連付けられた、フィードバック信号を生成する、力センサ(例えば、ひずみゲージ力センサ)であり得る。さらに他の実施形態では、センサ2210が、電気機械駆動部に供給される電流および/または電圧を測定する、電流センサであり得る。測定された電流および/または電圧から、電子制御システム2200(例えば、駆動モジュール2202)が、電力を計算し、そこから駆動部材2160によって印加される、近似の力を計算することができる。またセンサ2210が、加速度計(駆動部材2160の振動、運動、および/または加速度を測定する)、駆動部材2160および/もしくは容器アセンブリ2300の特定の位置を検出する光学センサ(複数可)、または一つ以上のスイッチなど、他のタイプのセンサでもあり得る。一つのフィードバックセンサを含むように記載しているものの、電子制御システム2200(および本明細書に記載する電子制御システムのうちのいずれも)が、センサをいくつでも含むことができる。例えば、一部の実施形態では、電子制御システム2200が、駆動部材2160の位置を測定する線形位置センサと、コネクタ2400が容器アセンブリ2300に連結しているかを判定する光学センサとを含むことができる。一部の実施形態では、電子制御システム2200によって、容器アセンブリ2300および/またはコネクタアセンブリ2400が、適切に覆い2110に装着され連結していることを検出し、検証するように構成される。一部の実施形態では、電子制御システム2200が、駆動部材2160および/または覆い2110に対する、プランジャ2320の位置を監視して、プライミング操作または注入操作中に、プランジャ2320の正確度および制御を改善するように構成される。
【0102】
プロセッサ2201、および本明細書に記載するプロセッサのいずれもが、本明細書に記載する方法を行うための、いかなる好適なプロセッサであり得る。一部の実施形態では、プロセッサ2201は、送達デバイス2100と関連付けられたアプリケーションモジュール、プロセス、および/もしくは機能を動かし、ならびに/または実行するように構成することができる。例えば、プロセッサ2201は、駆動モジュール2204、ユーザインターフェースモジュール2206(入力/出力モジュールを機能させる)、および/もしくは本明細書に記載する他のモジュールのいずれもを動かし、ならびに/または実行し、それらと関連付けられた方法を行うように構成することができる。プロセッサ2201は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または同類のものであることができる。プロセッサ2201は、例えば、メモリ2202といったメモリからデータを読み出し、および/またはメモリにデータを書き込むように構成できる。
【0103】
メモリ2202(または本明細書に記載するメモリデバイスのうちのいずれか)は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、フロッピーディスク、クラウドストレージ、および/またはその他であり得る。一部の実施形態では、メモリ2202が、プロセッサ2201に、送達デバイス2100と関連付けられたモジュール、プロセス、および/または機能を実行させる、命令を記憶する。例えば、メモリ2202が、プロセッサ2201に、本明細書に記載するアプリケーションモジュールのいずれかを実行させ、それらに関連付けられた方法を行わせる、命令を記憶することができる。
【0104】
ユーザインターフェースモジュール2206は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール(メモリ2202に記憶され、および/またはプロセッサ2201で実行される)であり得る。ユーザインターフェースモジュール2206は、ユーザからの入力を受信し、および/またはユーザへの出力を生成するように構成することができる。例えば、ユーザは、電子制御システム2200へ動作可能なように連結する、アクチュエータボタン2230を押下することができる。ユーザインターフェースモジュール2206が、入力を受信し、ユーザ入力に基づいて一つ以上の信号を生成することができる。例えば、一部の実施形態では、ユーザインターフェースモジュール2206によって、駆動アセンブリ2150への信号を生成して、駆動部材2160を所定の距離だけ動かすことによって、システムを「プライミング」することができる。他の実施形態では、ユーザインターフェースモジュール2206によって、駆動アセンブリ2150への信号を生成して、駆動部材2160の動きを停止することができる(例えば、エラー状態または「停止」状態)。ユーザインターフェースモジュール2206によっても、信号を生成して、電子制御システム2200に一つ以上の出力を生成させることができる。例えば、一部の実施形態では、電子制御システム2200(および本明細書に記載する電子制御システムのいずれも)には、光出力デバイス(例えば、LED)、可聴出力デバイス(例えば、スピーカ)、または触覚出力デバイス(例えば、振動デバイス)などの出力デバイスを含む。こうした実施形態では、ユーザインターフェースモジュール2206が、信号を生成して、出力デバイスに、出力(例えば、視覚、可聴、または触覚出力)を生成させ、送達デバイス2100と関連付けられる状態の変化(例えば、プライミングの完了、混合の完了、注入の完了)、またはエラー状態を示すことができる。一部の実施形態では、ユーザインターフェースモジュール2206が、システム2000に関する情報を表示し、ユーザからの入力を受信する、グラフィカルユーザインターフェースを含む。
【0105】
駆動モジュール2204は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール(メモリ2202に記憶され、および/またはプロセッサ2201で実行される)であり得る。駆動モジュール2204は、フィードバックセンサを受信し(例えば、センサ(複数可)2210から)、フィードバック信号に基づいて、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、駆動信号を生成するように構成することができる。例えば、容器アセンブリ2300が準備され、送達デバイス2100に連結した後、駆動アセンブリ2150が駆動力を生成するように作動(例えば、アクチュエータボタン2230によって)され得る。このように、駆動アセンブリ2150(および駆動部材2160)によって、第1の成分1の一部分および第2の成分2の一部分を、容器アセンブリ2300から分注するように、時間中に、プランジャ2320を移動させることができる。第1の成分1および第2の成分2は、コネクタ2400を通って、送達部材2500の中へ運ばれる。第1の成分1および第2の成分2が、矢印BBが示すように、生体材料生成物を形成するように反応することができる(例えば、送達部材2500内で)。駆動モジュール2204が、送達時間中、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するよう、駆動信号を生成するように構成される。駆動信号は、例えば、駆動力を駆動力の閾値未満に維持するように、駆動アセンブリ2150に印加される電力のレベル(例えば、電流または電力)を調節する、制御信号であり得る。一部の実施形態では、駆動アセンブリ2150が、ステッピングモータなどの電気機械駆動部を含むことができる。駆動信号が、モータのスピードを維持および/または制御し、それによって、力を駆動力の閾値未満に維持する、一連のパルスであり得る。
【0106】
一部の実施形態では、駆動モジュール2204は、駆動力を二つ以上の閾値を下回るよう維持するように構成できる。例えば、
図10は、時間の関数として、駆動力のプロットを示す。一部の実施形態では、注入は、第1の時間Δt
1および第2の時間Δt
2の二つの時間に分割できる。「離脱」周期とも呼ぶことができる、第1の時間中、駆動モジュール2204は、駆動力を離脱力の閾値(
図10にF
2として識別される)未満に維持するよう構成できる。「送達」周期とも呼ぶことができる、第2の時間中、駆動モジュール2204は、駆動力を駆動力の閾値(
図10にF
1として識別される)未満に維持するよう構成できる。示すように、駆動力の閾値は離脱力の閾値よりも低い。「開始」周期(すなわち、プランジャ2320の動きを開始する周期)に、より強い力を生成するように、駆動アセンブリ2150を制御することによって、システムは、潜在的な組織の損傷を制限するように、強い力の衝撃をなおも最小化しながら、静止摩擦を克服することができる。
図10は、離脱力の閾値よりも低い駆動力の閾値を示すものの、他の実施形態では、駆動力の閾値は、離脱力の閾値以上であり得る。さらに他の実施形態では、駆動力を、三つ以上の異なる閾値未満に維持することができる。例えば、一部の実施形態では、駆動モジュール2204は、時間の関数として変化する、駆動閾値の力曲線未満に、駆動力を維持するように構成できる。一部の実施形態では、駆動閾値曲線は、時間の関数として、一定のまま、増加、および/または減少し得る。
【0107】
一部の実施形態では、駆動モジュール2204および/またはユーザインターフェースモジュール2206は、駆動力が駆動力の閾値を超えるときに、エラー信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、エラー信号によって、出力デバイス(図示せず)に、視覚、可聴、または触覚出力のうちのいずれか一つを生成させることができる。他の実施形態では、エラー信号によって、駆動アセンブリ2150への電力または駆動信号の減少を引き起こすことができる。同様に、エラー信号によって、駆動アセンブリ2150に、動きを低減および/または停止させて、過剰な力によって引き起こされる組織の損傷の可能性を制限できると言える。さらに他の実施形態では、駆動モジュール2204が、送達事象の最後に完了信号を生成して、駆動アセンブリ2150に動きを停止させることができる。
【0108】
駆動力を駆動力の閾値未満に維持することによって、生体材料を、組織の損傷の可能性(例えば、潜在的な組織の損傷を引き起こす過剰な速度および/または力)を制限するように、送達することができる。具体的には、駆動力(すなわち、送達部材によって印加される力)が、生体材料を標的の場所へ送達する力(すなわち、送達力)に関係する。例えば、駆動力が、エラストマー部材を移動させる圧力を容器アセンブリ内に生成し、それによって、第1の成分1および第2の成分2がシステム(コネクタ2400および送達部材2500を含む)を通る流れを引き起こす。システム内の摩擦力だけでなく、送達部位からの圧力が、駆動力の反対に作用する。そのため、標的組織におよび/または標的組織内に印加される送達力は、システムによる駆動力、ならびにまた損失(例えば、摩擦力)と関連付けられる。駆動力の閾値は、いかなる好適な値でもあり得る。例えば、一部の実施形態では、駆動力を0.1Nと約45Nとの間に維持することができる。他の実施形態では、駆動力を約20N未満に維持することができる。さらに他の実施形態では、駆動力を、約12N未満に、および/または約7Nと12Nとの間の範囲内に維持することができる。
【0109】
一部の実施形態では、駆動モジュール2204は、コネクタ2400から流出する(および/または送達部材2500から流出する)成分の速度を、送達デバイス1100に関して上に記載した範囲に類似する、所望の速度範囲内に維持するように構成できる。上に記載したように、容器アセンブリ2300からの成分と、送達部材2500から流出する生体材料生成物とを送達するのに必要な駆動力は、標的の流量(それゆえ速度)、材料の性質(例えば、粘度)、および送達システム2000の特性(例えば、送達部材の長さ、およびエラストマー部材2315と容器アセンブリ2300との間の摩擦)に関係する。ある状況(すなわち、成分の層流)では、容器アセンブリ2300内における第1の成分1および第2の成分2の圧力(駆動アセンブリ2150によってかかる駆動力に関係する)は、以下に示すように、ハーゲンポアズイユの法則によってモデル化することができる。
(1)P=(8*μ*L*Q)/(Π*R4)
【0110】
式中、Pは、容器アセンブリ2300内の第1の成分1および/または第2の成分2の圧力であり、μは、第1の成分1および/または第2の成分2の粘度であり、Lは、送達部材2500の長さであり、Qは、送達部材2500を通る第1の成分1、第2の成分2、および/または生体材料生成物の流量であり、Rは、送達部材2500によって画定される内腔の半径である。小径送達部材を通って高粘度流体を注入するのに必要な圧力(それゆえ駆動力)が、送達部材の内腔の半径の4乗の逆数に比例するため、容器アセンブリ2300内における成分の圧力は、標的組織を損傷し得る、過剰な流量(または速度)および/または高い送達(または流出)力を回避するように制御されながら、所望の流量を達成するほど充分高くなくてはならない。さらに、ある用途には、その組織空間の中へ生体材料を移植することによって、材料を他の組織空間に進入させるか、または材料によって他の組織空間を損傷させるような、送達される生体材料の注入場所、送達の量、および体積を制御することが必要である。例えば、注入が、移植部位の機械的性質および圧力に基づいて、非常に遅い場合、これによって、移植または障害物に対して、移植片の不十分な移形成または進入部位からの漏出を引き起こし得る。例えば、注入が、移植部位の機械的性質および圧力に基づいて、非常に速い場合、これによって、移植の損傷から、過剰な組織の損傷、もしくは血管破裂、または異物の応答を引き起こし得る。
【0111】
一部の実施形態では、容器アセンブリ2300(および本明細書に記載する容器アセンブリのいずれも)、第1の成分1、および第2の成分2は、所望の力および/もしくは速度プロファイルを維持するのを容易にするように、構成ならびに/または調合することができる。例えば、一部の実施形態では、容器アセンブリ2300(および本明細書に記載する容器アセンブリのいずれも)が、等しいサイズで、実質的に同じ体積の成分を包含する、二つの容器を含むことができる。その上に、一部の実施形態では、本明細書に記載するデバイスおよび方法のいずれも、等量の第1の成分1および第2の成分2を運んで、生体材料生成物を生成することを含むことができる。さらに、一部の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2の粘度は、「一致する」ことができる。具体的には、一部の実施形態では、第1の成分が第1の粘度によって特徴付けられ、第2の成分が第2の粘度によって特徴付けられ、第2の粘度が第1の粘度の25パーセント以内である。
【0112】
図11は、実施形態による、生体材料生成物を送達する方法10を示す流れ図である。方法10は、例えば、本明細書に記載する送達システム1000、2000、3000、および4000、ならびに/または送達デバイス1100、2100、3100、および4100など、本明細書に記載するシステム、送達デバイス、および部品のうちのいずれを用いても行うことができる。方法が、11で、容器アセンブリの第1のチャンバに貯蔵される第1の成分を、容器アセンブリに連結するコネクタの第1の入口に運ぶことを含む。方法がさらに、12で、容器アセンブリの第2のチャンバに貯蔵される第2の成分を、コネクタの第2の入口部分に運ぶことを含む。一部の実施形態では、容器アセンブリが二つの別個の容器を含み、第1の成分が第1の容器内に、第2の成分が第2の容器内にある。しかしながら、他の実施形態では、容器アセンブリが単一の容器(上に記載した容器アセンブリ2300に類似する)を含み、第1の成分および第2の成分が、容器の別個のチャンバ内にある。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分を、同時にコネクタに運ぶことができる。
【0113】
第1の成分および第2の成分は、その後12で、コネクタの出口部分を通って、送達部材の混合体積の中へ、送達部材を通って運ばれる。送達部材は、コネクタに取り外し可能に連結する。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の成分および第2の成分を、出口部分を通って運ぶことによって、ハイドロゲルを、送達部材の流出開口部から運ばせるように、送達部材内にハイドロゲルを形成する。同様に、第1の成分および第2の成分が、ハイドロゲル(送達生成物とも呼ぶ)を完全にシステム(例えば、送達部材1500)内で形成することを保証するように送達され、それによって、送達生成物がまだ形成されない(または一部のみ形成されている)間は、第1の成分および第2の成分を送達しないことを保証すると言える。
【0114】
第1の成分および第2の成分は、本明細書に記載する成分または合成物のいずれでもあることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、ハイドロゲルがゲル化時間を有するように調合される。第1の成分および第2の成分が、ハイドロゲルを、流出開口部から運ばれる前に、送達部材内で完全に形成するような、ゲル化時間に基づく流量範囲内で、出口部分を通って、混合体積の中へ、送達部材を通って運ばれる。
【0115】
一部の実施形態では、ハイドロゲルは、送達部材の流出開口部から、体内腔の中へ運ばれて、体内腔を少なくとも一部閉塞する。体内腔は、例えば、動脈、静脈、毛細血管、血管、組織、臓器内空間、リンパ管、精管、精巣上体、卵管、管、胆管、肝管、胆嚢管、膵管、耳下腺管、臓器、子宮、前立腺、消化管、もしくは循環器系、もしくは呼吸器系、もしくは神経系の臓器、皮下腔、筋肉内空間、または間質腔など、いかなる好適な体内腔でもあり得る。
【0116】
一部の実施形態では、方法10は随意に、コネクタを送達部材から取り外すことを含む。方法がさらに、第2の送達部材をコネクタに連結することと、第1の成分および第2の成分の第2の量を、コネクタの出口部分を通って、第2の送達部材の混合体積の中へ、第2の送達部材を通って、体内にある第2の標的の場所に運ぶこととを随意に含むことができる。
【0117】
一部の実施形態では、本明細書に記載する送達デバイスのいずれも、生体材料生成物をプライミングし、および/または注入を行うように構成できる。「プライミング」は、例えば、デバイス内での溶液の混合もしくは融合、デッドボリュームの除去(例えば、コネクタからの)、および/または注入体積の設定/調節といった、注入前に材料を調製するいかなるステップと定義される。「注入」は、生体材料生成物を体の中へ送達することと定義される。一態様では、プライミングおよび注入ステップが予め定義され、ユーザ(例えば、医師)が調節することはできない。一態様では、プライミングおよび注入ステップの両方を、ユーザが調節可能である。一態様では、プライミングおよび注入ステップが、調節可能および調節不可能の組み合わせであり得る。
【0118】
一部の実施形態では、本明細書に記載するデバイスのいずれも、二つの生体材料生成物を、同じ装置から同じ患者の中へ送達するなど、一回以上の注入を行うことができ得る。一部の実施形態では、本明細書に記載するデバイスのいずれも、単一のプライミングステップおよび単一回の注入、単一のプライミングステップおよび複数回の注入、複数のプライミングステップおよび単一回の注入、ならびに複数のプライミングステップおよび複数回の注入を行うことができる。プライミングおよび注入ステップを、予め定義した順序で行うか、またはいかなる順番でも行うことができる。プライミングステップが、同じ体積または異なる体積であってもよい。複数回注入する場合、各回、同じ体積または異なる体積であってもよい。
【0119】
一部の実施形態では、プライミングおよび/または注入(複数可)は、ユーザ入力によって発生してもよく、例えば、ユーザの手または指によって、レバー、スイッチ、プランジャ、ピストン、および/またはロッド上に力を印加してもよい。一部の実施形態では、プライミングおよび/または注入(複数可)が、レバー、スイッチ、プランジャ、および/またはロッド上に力を印加する、装置、もしくはモータ、またはアクチュエータによって発生してもよく、しばしばユーザが、スイッチ、トリガ、ボタン、レバー、ロッド、グラフィカルユーザインターフェース、および/または音声コマンドによって、これらのステップを開始してもよい。プライミングおよび/または注入(複数可)は、ユーザが力の一部を提供し、力の一部が、レバー、スイッチ、プランジャ、ピストン、および/もしくはロッドを含むか、もしくはそれらに作用することができる、装置、もしくはモータ、またはアクチュエータに由来するなど、ユーザ入力ならびに装置の組み合わせによって発生してもよい。他の実施形態では、他のアクチュエータ(例えば、リニアアクチュエータ)またはポンプ(例えば、蠕動ポンプ)を、プライミングおよび/または注入に使用することができる。一つ以上のリザーバもまた、注入用に準備した生体材料を提供するのに好適なように、個々にまたは共に生体材料成分を貯蔵するために含むことができる。
【0120】
例えば、
図12~14は、実施形態により、生体材料のプライミングおよび注入の両方を行う送達デバイス3100を含む、システム3000の様々な図を示す。システム3000は、送達デバイス3100、容器アセンブリ3300、コネクタ3400、および送達部材3500を含む。送達デバイス3100は、覆い3110、駆動アセンブリ3150、および電子制御システム3200を含む。覆い3110は、容器アセンブリ3300を受け取るように構成される。具体的には、覆い3110が、使用中に容器アセンブリ3300を内部に保持できる、開口部または陥凹を含むことができる。覆い3110は、いかなる好適な保持構造、ロック部材、または同類のものを含むことができる。覆い3110はまた、駆動アセンブリ3150および電子制御システム3200を包含する。示すように、覆い3110が、デバイス.3100の動作中に、ユーザが握り、および/または操ることができる、ハンドル3120を含む。覆い3110は、いかなる一つまたは複数の好適な材料から作ることができ、容器アセンブリ3300の一部分を受け取り、および/または保持し、本明細書に記載する機能のいずれかを行うのに好適な、いかなる構造部品も提供できる。
【0121】
容器アセンブリ3300は、第1の容器3301および第2の容器3302を含む。第1の容器3301は、第1の端部分、第2の端部分を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)3315を含む。第1の容器3301によって、エラストマー部材3315を一側面上で境界とし、第1の成分1を包含する、体積を画定する。第1の容器3301が、第1の容器3301内に移動可能なように配置される端部分を有する、第1のプランジャ3320を含み、第1のプランジャ3320が動くと、エラストマー部材3315の動きによって、第1の容器3301から第1の成分1を運ばせる。第1のプランジャ3320の対向端は、駆動部材3160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)。第2の容器3302は、第1の端部分、第2の端部分を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)3335を含む。第2の容器3302によって、エラストマー部材3335を一側面上で境界とし、第2の成分2を包含する、体積を画定する。第2の容器3302が、第2の容器3302内に移動可能なように配置される端部分を有する、第2のプランジャ3340を含み、第2のプランジャ3340が動くと、エラストマー部材3335の動きによって、第2の容器3302から第2の成分2を運ばせる。第2のプランジャ3340の対向端は、駆動部材3160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)。このように、単一の駆動アセンブリ3150によって、第1のプランジャ3320および第2のプランジャ3340の両方を移動することができる。第1の容器3301および第2の容器3302(および本明細書に記載する容器のいずれも)が、本明細書に記載するように、いかなる好適な容器でもあり得る。
【0122】
第1の成分1および第2の成分2は、本明細書に記載する生体材料成分のいずれでもあることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2が各々、ハイドロゲルを(送達される生体材料生成物として)形成するように、架橋する(例えば、他方の成分と)ことができる、水溶性成分(例えば、モノマー、マクロマー、ポリマー、または同類のもの)であり得る。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、5分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、2分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、1分未満であるように調合される。さらに他の実施形態では、第1の成分1および第2の成分2は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、30秒未満であるように調合される。一部の実施形態では、第1の成分1が、ポリビニルアルコール、アルギン酸もしくは修飾アルギン酸、キトサンもしくは修飾キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。第2の成分2が、水もしくは緩衝液、カルシウムなど二価カチオンを伴う水もしくは緩衝液、還元型ヒアルロン酸の溶液、ポリスチレンスルホン酸の溶液、ゼラチンの溶液、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、アルギン酸、キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、官能基で終端されたポリエチレングリコール、二価カチオン、還元型ヒアルロン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはゼラチンが、溶媒中に約1から30%に及ぶ重量パーセントを有する。一部の実施形態では、多糖類が異なる官能基で修飾されていてもよい。一部の実施形態では、多糖類およびタンパク質が、分子量で10,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレングリコールは、線状、Y形、3本鎖、4本鎖、6本鎖、または8本鎖で、分子量が1,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。ハイドロゲルは、本明細書に記載するハイドロゲルのうちのいずれかであることができ、本明細書に示す特性のうちのいずれをも有することができる。例えば、一部の実施形態では、形成されたハイドロゲルは、少なくとも90パーセントが水であり得る。
【0123】
容器アセンブリ3300は、コネクタ3400に連結するように構成され、コネクタ3400は次に、送達部材3500に連結する。コネクタ3400および送達部材3500から分離している物品として、容器を有することによって、第1の成分1および第2の成分は各々、コネクタ3400が取り付けられているときとは別に、容器アセンブリ3300内で調製できる(例えば、混合、希釈などによって)。しかしながら、他の実施形態では、容器アセンブリ3300を予め充填されたアセンブリとして提供することができる。
【0124】
コネクタ3400は、本明細書に記載するコネクタのいずれかに類似することができ、第1の(または投入)端部分および第2の(または排出)端部分3402を含む。第1の端部分は、第1の容器3301の先端(またはコネクタ)に連結する第1の入口3404と、第2の容器3302の先端(またはコネクタ)に連結する第2の入口3406とを含む。第2の端部分3402は、送達部材3500に連結するように構成される(
図12~14は、送達部材3500のハブ3520に連結するコネクタ3400を示す)。
図14に示すように、コネクタ3400によって、第2の端部分3402と流体連通する第1の入口3404を置く、第1の通路(または内腔)3411と、第2の端部分3402と流体連通する第2の入口3406を置く、第2の通路(または内腔)3412とを画定する。このように、第1の成分1を、第1の容器3301からコネクタ3400の第1の端部分の中へ、そしてコネクタの第2の端部分3402から送達部材3500に運ぶことができる。同様に、第2の成分2を、第2の容器3302からコネクタ3400の第1の端部分の中へ、そしてコネクタ3400の第2の端部分3402から送達部材3500に運ぶことができる。示すように、コネクタ3400が、第1の成分1を第2の成分2から分離して維持し、二つの成分を送達部材3500のハブ3520の中へ運び、その内部で混合する。分離した流路をコネクタ3400内に維持することによって、第1の成分1と第2の成分2とを、コネクタ3400の外部(すなわち、送達部材3500内)で反応(例えば、架橋)させることができ、それによって、コネクタ3400との目詰まりの可能性を制限する。このように、コネクタ3400を複数回の注入に使用することができる。
【0125】
駆動アセンブリ3150は、第1の生体材料成分1および第2の生体材料成分2を、容器アセンブリ3300から運ぶように、駆動力を生成する、いかなる好適なアセンブリまたは機構でもあり得る。示すように、駆動アセンブリ3150は、作動すると、駆動アセンブリ3150が第1の成分1および第2の成分2を、容器アセンブリ3300から運び得るように、容器アセンブリ3300(具体的には、第1のプランジャ3320および第2のプランジャ3340)に動作可能に連結する、端部分3162を有する、駆動部材3160を含む。駆動アセンブリ3150が、駆動力を生成するためのいかなる好適な機構も含むことができる。例えば、一部の実施形態では、駆動アセンブリが、駆動力を生成するように、電気機械駆動部(
図12~14には図示せず)を含むことができる。こうした電気機械駆動部が、例えば、モータ駆動リニアアクチュエータ、油圧アクチュエータ(例えば、電子部品によって駆動されるポンプを含む)、磁気ベースのアクチュエータ、駆動部材3160に印加される圧力を制御する電気機械式バルブを含む、空気圧アクチュエータ、または本明細書に記載するタイプのいかなる他の好適な電気機械駆動部を含むことができる。
【0126】
電子制御システム3200は、本明細書に記載するように、電気機械駆動部と、第1の成分1、第2の成分2、および/または送達生成物の送達特性を制御する、駆動アセンブリのいかなる他の好適な態様とを制御する。その上に、電子制御システム3200によって、駆動アセンブリ3150に、プライミング操作および注入操作と関連付けられた別個の動きを生成させることができる。電子制御システム3200が、電子制御システム2200に類似することができる(電子制御システム2200の特徴のいずれもを含むことができる)。例えば、
図12~14に示さないものの、電子制御システム3200が、一つ以上のセンサ、一つ以上のプロセッサ、一つ以上のメモリ素子、ならびに駆動モジュールおよびユーザインターフェースモジュールなどの様々なモジュールを含むことができる。示すように、電子制御システム3200が、アクチュエータ(またはトリガ)3230、第1のユーザ入力スイッチ3232(「プライミングスイッチ」とも呼ぶ)、および第2のユーザ入力スイッチ3233(「注入スイッチ」とも呼ぶ)を含む。電子制御システム3200には、電源3240から電力を供給する。電源3240は、バッテリ(充電式バッテリを含む)、AC/DC変換器(例えば、AC電源方式デバイスを手助けする)など、いかなる好適な電源でもあり得る。アクチュエータ3230、プライミングスイッチ3232、および注入スイッチ3233は各々、ユーザインターフェースモジュール(図示しないが、上に記載したユーザインターフェースモジュール2206に類似し得る)によって、電子制御システム3200へ入力を提供できる。
【0127】
使用時には、電子制御システム3200が、プライミングスイッチ3232および注入スイッチ3233を介して受信したユーザ入力に基づいて、駆動アセンブリ3150を制御することができる。具体的には、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)は、プライミングスイッチ3232を作動すると、駆動部材3160をプライミング距離だけ移動させるよう、プライミング信号を生成するように構成される。プライミング信号は、注入操作に備えて(および注入操作の始まる前に)、および注入操作において、システム3000をプライミングするのに充分な所定の距離(すなわち、プライミング距離)だけ、駆動システム3150の電気機械駆動部に、駆動部材3160を移動させる、電子信号(例えば、電流、いくつかのパルス、または同類のもの)であり得る。一部の実施形態では、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)が、プライミングスイッチ3232およびアクチュエータ3230の作動に応じて、プライミング信号を生成するように構成される。例えば、一部の実施形態では、ユーザは最初に、プライミングスイッチ3232を作動して、電子制御システム3200をプライミングモードにすることができる。その後、ユーザがアクチュエータ3230を作動した後、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)が、プライミング信号を生成して、プライミング動作(駆動部材3160の動き)を開始する。
【0128】
加えて、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)は、注入スイッチ3233を作動すると、駆動部材3160を注入距離だけ移動させるよう、注入信号を生成するに構成される。注入信号は、所望の体積の生体材料生成物(例えば、ハイドロゲル)を送達するのに充分な所定の距離(すなわち、注入距離)だけ、駆動システム3150の電気機械駆動部に、駆動部材3160を移動させる、電子信号(例えば、電流、いくつかのパルス、または同類のもの)であり得る。一部の実施形態では、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)が、注入スイッチ3233およびアクチュエータ3230の作動に応じて、注入信号を生成するように構成される。例えば、一部の実施形態では、ユーザは最初に、注入スイッチ3233を作動して、電子制御システム3200を注入モードにすることができる。その後、ユーザがアクチュエータ3230を作動した後、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)が、注入信号を生成して、注入操作(駆動部材3160の動き)を開始する。
【0129】
一部の実施形態では、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)は、本明細書に記載するように、駆動信号を生成、制御、および/または調節して、電気機械駆動部を制御して、送達部材3500から運ばれるハイドロゲルの流出力を、流出力の閾値未満に維持することができる。一部の実施形態では、電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)が、本明細書に記載するように、駆動信号を生成、制御、および/または調節して、電気機械駆動部を制御して、第1の成分1、第2の成分2、および/または送達される生体材料生成物の速度を、所望の速度範囲内に維持することができる。
【0130】
一部の実施形態では、電子制御システム3200(および本明細書に記載する電子制御システムのいずれも)が、送達システム3000および/または送達デバイス3100と関連付けられたエラー状態を検出し、ユーザへの通知を生成するように構成される。例えば、一部の実施形態では、電子制御システム3200が、出力デバイス(例えば、ライト、スピーカ、または振動デバイス)を含む。注入スイッチ3233を作動させるが、プライミング動作は完了していないという条件で、電子制御システム3200がエラー信号を生成し得る。このように、電子制御システム3200によって、不適切な注入が完了する可能性(デバイスの適切なプライミングの失敗による)を排除または減少することができる。一部の実施形態では、電子制御システム3200(および本明細書に記載する電子制御システムのいずれも)は、コネクタ3400が容器アセンブリ3300に連結するかを示す、フィードバック信号を生成するように構成されるセンサを含む。電子制御システム3200(および/または駆動モジュール)は、コネクタ3400が容器アセンブリ3300に連結していないと、フィードバック信号が示すときに、エラー信号を生成することができる。このように、電子制御システム3200によって、コネクタ3400が、容器アセンブリ3300に適切に連結していない場合に、不適切な注入が完了する可能性を排除または減少することができる。具体的には、エラー信号によって、出力デバイスに、視覚、可聴、または触覚出力のうちのいずれか一つを生成させることができる。一部の実施形態では、エラー信号によって、注入信号もしくは駆動信号を無効にすることができるか、またはそうでなければ、駆動部材3160の動きを防止することができる。
【0131】
一部の実施形態では、システム3000は、同じ容器アセンブリ3300を使用して、複数回注入を行うように使用することができる。例えば、一部の実施形態では、システム3000(および本明細書に記載するシステムのいずれも)を使用して、生体材料生成物(例えば、ハイドロゲル)を送達して、患者の2本の精管の各々を閉塞することができる。こうした実施形態では、容器アセンブリ3300が、二つの別個の生体材料生成物を、患者へ送達する(各精管に一つずつ)のに充分な量の第1の成分1および第2の成分2を含むことができる。こうした方法について、方法20および30を参照して以下に記載する。こうした実施形態では、システム3000を2回プライミングすることができる(注入事象の各々の前に一度ずつ)。二つのプライミング事象および二つの注入事象については、第1の容器3301の概略図を示す
図15に、概略的に記載する。示すように、第1の容器3301は、第1の端部分3311および第2の端部分3312を有する。第2の端部分3312は、プライミングおよび注入操作の各々の最中に、エラストマー部材3315(
図15には示さず)を移動させる距離を識別するための基準点として機能する、フランジ3314を含む。
【0132】
示すように、第1の容器3301(および本明細書に記載する容器のいずれも)を、送達デバイス3100内に連結する前に、第1の成分で満たすことができる。第1の容器3301は、第1の成分、もしくはユーザが混合することができる代替物で予め満たされ、および/またはその場で第1の成分を調製し、その後、使用前に手動で第1の容器3301を満たすことができる。示すように、第1の容器3301内の第1の成分の量は、最大充填体積(FILLmaxとして識別)と、最小充填体積(FILLminとして識別)との間で変わる。使用時には、第1のプライミング事象を開始すると、可動部材3160は、開始位置(すなわち、駆動部材3160および/または駆動アセンブリ3150の定位置)から、第1のプライミング距離を通って、第1のプライミング位置(P1として識別)へ移動する。第1のプライミング事象中、第1の成分1および第2の成分2が、第1の容器3301および第2の容器3302それぞれから、コネクタ3400の第1の内腔3411および第2の内腔3412それぞれを通って運ばれる。第1の成分1は、コネクタ3400内で第2の成分2から分離しているため、成分の架橋は、第1のプライミング動作中には起こらない。ユーザは、コネクタ3400の先端から、残留物を拭き取ることができる。その後、システム3000は、いつでも送達部材3500に連結して、第1の注入を完了することができる。
【0133】
使用時には、第1の注入事象を開始すると、可動部材3160が、第1のプライミング位置P1から第1の注入距離を通って、第1の注入位置(INJ1として識別)へ移動する。第1の注入事象中、第1の成分1および第2の成分2の追加量が、第1の容器3301および第2の容器3302それぞれから、コネクタ3400を通って送達部材3500の混合体積の中へ、そして送達部材3500を通って標的の場所へ運ばれる。
【0134】
第1の成分1は、コネクタ3400内で第2の成分2から分離しているため、成分の架橋は、第1のプライミング動作中には起こらない。ユーザは、コネクタ3400の先端から、残留物を拭き取ることができる。その後、システム3000は、いつでも送達部材3500に連結して、二つの成分の架橋、および続いて、第1の注入を完了することができる。本明細書に記載するように、第1の注入事象中、第1の成分1および第2の成分2の送達特性(すなわち、速度、流量、最大送達力)を制御して、送達される生体材料生成物(例えば、ハイドロゲル)が、標的の場所に運ばれる前に、送達部材3500内に完全に形成され、標的組織を損傷しない繰り返し可能で正確な方式で、運ばれることを保証することができる。第1の注入事象完了後、コネクタ3400は送達部材3500との接続を解除できる。
【0135】
第2のプライミング事象を開始して、可動部材3160を、第1の注入位置INJ1から第2のプライミング距離を通って、第2のプライミング位置(P2として識別)へ移動させることができる。第2のプライミング事象は、上に記載したように、第1のプライミング事象に類似し得る。しかしながら、第2のプライミング事象が、可動部材3160により第1の注入位置INJ1で始まるため、システム3000は、第1の容器3301の初期充填量の可変性に対処する必要はない。したがって、第2のプライミング距離は、第1のプライミング距離より短くなり得る。第2のプライミング事象後、ユーザは再び、コネクタ3400の先端から、残留物を拭き取ることができる。その後、システム3000は、いつでも第2の送達部材3500(第1の送達部材から分離している)に連結して、第2の注入を完了することができる。第2の注入事象中、可動部材3160が、第2のプライミング位置P2から第2の注入距離を通って、第2の注入位置(INJ2として識別)へ移動する。第2の注入事象中、第1の成分1および第2の成分2の追加量が、第1の容器3301および第2の容器3302それぞれから、コネクタ3400を通って第2の送達部材3500の混合体積の中へ、そして第2の送達部材3500を通って標的の場所に運ばれる。第2の注入事象は、上に記載した第1の注入事象に類似する。第2の注入事象が完了すると、容器アセンブリ3300および送達部材3500が、デバイス3100から取り外され廃棄され得る。
【0136】
上に記載したように、駆動部材3160および/または駆動アセンブリ3150は、駆動部材3160が最初に連続する動作を始め、および/または駆動部材3160が連続する動作の完了後に戻る位置である、開始位置(または定位置)と関連付けられる。定位置は、第1の容器3301(および本明細書に記載する容器のいずれも)のフランジ3314から、一定の(または実質的に一定の)距離に維持することができる。容器アセンブリ3300に対して一定の定位置を維持することによって、デバイス3100は、複数の異なる容器アセンブリ3300を使用して、同じまたは異なる患者に、複数の異なる動作に対して、所望の量の成分を繰り返し送達することができる。
【0137】
一部の実施形態では、容器アセンブリが、カートリッジまたは他の構造を含んで、その中にある容器が、所望の位置(すなわち、駆動アセンブリの定位置に対する)で、送達デバイスに連結するのを保証することができる。印付けおよび/または整列用の特徴を含むカートリッジを使用することによって、ユーザによる誤整列および/または不適切な位置付けの可能性を最小化することができる。例えば、
図16~31は、とりわけ容器アセンブリを位置付けるためのカートリッジを含む、実施形態によるシステム4000の様々な図である。システム4000は、送達デバイス4100(例えば、
図16および17)、容器アセンブリ4300(例えば、
図18および22)、コネクタ4400(例えば、
図18~20)、および送達部材4500(例えば、
図27および28)を含む。送達デバイス4100は、覆い4110、駆動アセンブリ4150、および電子制御システム4200を含む。
【0138】
覆い4110は、容器アセンブリ4300の少なくとも一部分を受け取るように構成される、容器受け取り部分4112を含む。容器受け取り部分4112は、容器アセンブリ4300および/またはカートリッジ4350を置くことができる底表面を境界とする、覆い4110の開放部分である。容器受け取り部分4112が、第1の固定器具4114および第2の固定器具4115を含む。以下により詳細に記載するように、第1の固定器具4114によって、カートリッジ4350の第1の係合部分4361(
図21を参照)を係合して、カートリッジ4350を覆い4110内の固定位置に保持する。第2の固定器具4115によって、カートリッジ4350の第2の係合部分4363(
図21を参照)を係合して、カートリッジ4350を覆い4110内の固定位置に保持する。固定位置は、駆動アセンブリ4150および/または駆動部材4160の定位置に対して固定することができる。加えて、示すように、第2の固定器具4115が、カートリッジ4350を覆い4110内に解放可能に保持できる、ロック突起を含む。第2の固定器具4115は変形可能で、変形してロック突起を第2の係合部分4363から移動させて、カートリッジ4350を取り除くことが可能になる。
【0139】
覆い4110はまた、駆動アセンブリ4150および電子制御システム4200を包含する。示すように、覆い4110が、デバイス.4100の動作中に、ユーザが握り、および/または操ることができる、ハンドル4120を含む。覆い4110は、いかなる一つまたは複数の好適な材料から作ることができ、容器アセンブリ4300の一部分を受け取り、および/または保持し、本明細書に記載する機能のいずれかを行うのに好適な、いかなる構造部品も提供できる。
【0140】
容器アセンブリ4300は、第1の容器4301および第2の容器4302を含む。第1の容器4301は、第1の端部分4311、第2の端部分4312を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)4315を含む。第2の端部分4312は、以下に記載するように、カートリッジ4350内に連結できる、フランジ4314を含む。第1の容器4301によって、エラストマー部材4315を一側面上で境界とし、第1の成分を包含する、体積を画定する。第1の容器4301が、第1の端部分4321および第2の端部分4322を有する、第1のプランジャ4320を含む。第1の端部分4321が、第1のプランジャ4320が動くと、エラストマー部材4315の動きによって、第1の容器4301から第1の成分を運ばせるように、第1の容器4301内に移動可能なように配置される。第1のプランジャ4320の第2の端部分4322が、駆動部材4160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)、フランジ4323にて終わる。第2の容器4302は、第1の端部分4331、第2の端部分4332を有し、それらの中にエラストマー部材(またはストッパ)4335を含む。第2の端部分4332は、以下に記載するように、カートリッジ4350内に連結できる、フランジ4334を含む。第2の容器4302によって、エラストマー部材4335を一側面上で境界とし、第2の成分を包含する、体積を画定する。第2の容器4302が、第1の端部分4341および第2の端部分4342を有する、第2のプランジャ4340を含む。第1の端部分4341が、第2のプランジャ4340が動くと、エラストマー部材4335の動きによって、第2の容器4302から第2の成分を運ばせるように、第2の容器4302内に移動可能なように配置される。第2の端部分4342が、駆動部材4160に動作可能に連結する(例えば、係合するように構成される)、フランジ4343にて終わる
【0141】
図21および22を参照すると、カートリッジ4350によって、第1の容器4301(すなわち、容器本体)の一部分を受け取る、第1の陥凹または開口部4351と、第2の容器4302(すなわち、容器本体)の一部分を受け取る、第2の陥凹または開口部4352とを画定する。カートリッジ4350が、第1の固定器具(またはクリップ)4353、第2の固定器具(またはクリップ)4354、第1の係合部分4361、および第2の係合部分4363を含む。第1の固定器具4353が、第1の陥凹4351の境界を形成し、第1の容器4301の容器本体を係合して、第1の容器4301をカートリッジ内に保持する。第2の固定器具4354が、第2の陥凹4352の境界を形成し、第2の容器4302の容器本体を係合して、第2の容器4302をカートリッジ内に保持する。第1の固定器具4353および第2の固定器具4354の一方または両方が、それぞれの容器本体とのしまりばめを形成するように、変形可能であり得る。このように、容器をしっかりと、カートリッジ4350内に留めることができる。第1の固定器具4353および第2の固定器具4354によって、第1の方向、すなわち、容器アセンブリ3300および/または送達デバイス3100の長手方向の中心線CLに垂直である固定位置に、容器を位置付けることができる。カートリッジ4350によって、フランジ4314(第1の容器3301の)およびフランジ4334(第2の容器3302の)を受け取る、フランジの溝4355を画定する。このように、中心線CLに沿って容器の位置を固定できる。
【0142】
カートリッジの第1の係合部分4361によって、覆い4110の第1の固定器具4114を受け取り、および/または嵌り合って係合する、切り欠き4362を画定する。第2の係合部分4363は、第2の固定器具4115のロック突起が、カートリッジ4350(それゆえ容器アセンブリ3300)を、覆い4110内に取り外し可能に保持するように係合できる(例えば、
図24および25参照)、表面を含む。この配置によって、カートリッジ4350が、駆動アセンブリ4150と関連付けられた定位置に対する固定位置で、送達デバイス4100に連結することが可能になる。他の実施形態では、覆いによって、一つ以上の陥凹または切り欠きを画定することができ、カートリッジが、カートリッジ4350を覆い4110にしっかりと(かつ取り外し可能に)連結するように、一つ以上の突起を含むことができる。
【0143】
プランジャリンク4370は、第1のプランジャ4320のフランジ4323と、第2のプランジャ4340のフランジ4343とに連結するように構成される。具体的には、プランジャリンク4370が、保持溝4371を画定し、駆動部材4160によって駆動力をかけることができる、表面を含む。保持溝4371が、フランジ4323およびフランジ4343を受け取る。プランジャリンク4370によって、単一の駆動アセンブリ4350の使用を促進して、駆動力を生成して、第1のプランジャ4320および第2のプランジャ4340両方を繰り返し移動させる。しかしながら、他の実施形態では、プランジャリンクは含まれない。一部の実施形態では、第1のプランジャ4320および第2のプランジャ4340が、各容器内でピストン(またはストッパ)に連結または付着するように、係合部分を含むことができる。
【0144】
第1の成分および第2の成分は、本明細書に記載する生体材料成分のいずれでもあることができる。例えば、一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分が各々、ハイドロゲルを(送達される生体材料生成物として)形成するように、架橋する(例えば、他方の成分と)ことができる、水溶性成分(例えば、モノマー、マクロマー、ポリマー、または同類のもの)であり得る。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、5分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、2分未満であるように調合される。他の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、1分未満であるように調合される。さらに他の実施形態では、第1の成分および第2の成分は、結果として生じるハイドロゲルのゲル化時間が、30秒未満であるように調合される。一部の実施形態では、第1の成分は、ポリビニルアルコール、アルギン酸もしくは修飾アルギン酸、キトサンもしくは修飾キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。第2の成分は、水もしくは緩衝液、カルシウムなど二価カチオンを伴う水もしくは緩衝液、還元型ヒアルロン酸の溶液、ポリスチレンスルホン酸の溶液、ゼラチンの溶液、および/または生体直交型官能基(例えば、アミン、チオール、マレイミド、アジド、活性化エステル)で終端されたポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つである。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、アルギン酸、キトサン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、官能基で終端されたポリエチレングリコール、二価カチオン、還元型ヒアルロン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはゼラチンが、溶媒中に約1から30%に及ぶ重量パーセントを有する。一部の実施形態では、多糖類が異なる官能基で修飾されていてもよい。一部の実施形態では、多糖類およびタンパク質が、分子量で10,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。一部の実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレングリコールは、線状、Y形、3本鎖、4本鎖、6本鎖、または8本鎖で、分子量が1,000~1,000,000グラム/モルに及んでもよい。ハイドロゲルは、本明細書に記載するハイドロゲルのうちのいずれかであることができ、本明細書に示す特性のうちのいずれをも有することができる。例えば、一部の実施形態では、形成されたハイドロゲルは、少なくとも90パーセントが水であり得る。
【0145】
容器アセンブリ4300は、コネクタ4400に連結するように構成され、コネクタ4400は次に、送達部材4500に連結する。コネクタ4400および送達部材4500から分離している物品として、容器を有することによって、第1の成分および第2の成分は各々、コネクタ4400が取り付けられているときとは別に、容器アセンブリ4300内で調製できる(例えば、混合、希釈などによって)。しかしながら、他の実施形態では、容器アセンブリ4300は、予め充填されたアセンブリとして提供され、予め充填されたシリンジまたは予め充填されたカートリッジを含むことができる。一部の実施形態では、予め充填されたアセンブリに、予め混合された成分を提供することができるか、または予め充填されたアセンブリに、送達デバイス4100と共に使用する前に組み合わせることができる、別個の粉末(複数可)および溶媒(複数可)を提供することができる。
【0146】
コネクタ4400は、本明細書に記載するコネクタのいずれかに類似することができ、第1の(または投入)端部分4401および第2の(または排出)端部分4402を含む。第1の端部分は、第1の容器4301の先端(またはコネクタ)に連結する、第1の入口4404を含む(例えば、フランジ4405を介して、第1の容器4401の図示しないルアーコネクタに連結できる)。第1の端部分が、第2の容器4302の先端(またはコネクタ)に連結する、第2の入口4406を含む(例えば、フランジ4407を介して、第2の容器4402の図示しないルアーコネクタに連結できる)。第2の端部分4402は、送達部材4500に連結するように構成される(
図27参照)。第2の端部分4402が、コネクタ4400に対して回転して、送達部材4500のハブ4520の合わせフランジに連結できる、フィッティング4420を含む。一部の実施形態では、フィッティング4420およびコネクタ4400が、確実な接続がなされたと確認するように、ユーザへの視覚的合図を提供する、一つ以上のインジケータを含むことができる。一部の実施形態では、コネクタ4400および送達部材4500が、確実な接続がなされたと確認するように、ユーザへの視覚的合図を提供する、一つ以上のインジケータを含むことができる。一部の実施形態では、センサを、コネクタ4400および/または送達部材4500の中に提供して(またはコネクタ4400および/もしくは送達部材4500と関連付けられて)、確実な接続を検出することができる。例えば、センサが、電子制御システム4200と通信して、確実な接続がなされたという、ユーザへの可聴もしくは視覚的合図、または確実な接続がなされていない場合の警告を提供することができる。一部の実施形態では、センサが、電子制御システム4200と通信して、不完全または不適当な接続が起きた場合には、駆動アセンブリ4150が動作するのを禁じることができる。
【0147】
上に記載したコネクタ3400に類似して、コネクタ4400によって、第1の出口4415(
図20参照)と流体連通する第1の入口4404を置く、第1の通路と、第2の出口4416と流体連通する第2の入口4406を置く、第2の通路とを画定する。このように、第1の成分を、第1の容器4301からコネクタ4400の第1の端部分の中へ、そして第1の出口4415から送達部材4500の混合体積4521の中へ運ぶことができる。同様に、第2の成分を、第2の容器4302からコネクタ4400の第1の端部分の中へ、そして第2の出口4416から送達部材4500の混合体積4521の中へ運ぶことができる。そのため、コネクタ4400が、第1の成分を第2の成分から分離して維持し、二つの成分を送達部材4500のハブ4520の中へ運び、その内部で混合する。分離した流路をコネクタ4400内に維持することによって、第1の成分と第2の成分とを、コネクタ4400の外部(すなわち、送達部材4500内)で反応(例えば、架橋)させることができ、それによって、コネクタ4400との目詰まりの可能性を制限する。このように、コネクタ4400を複数回の注入に使用することができる。
【0148】
送達部材4500は、ハブ4520に連結するカテーテル4510を含む。ハブ4520は、ハブ4520がコネクタ4400のフィッティング4420に連結できる、フランジまたは他の好適な締結機構を含む。
図27に示すように、ハブ4520によって、第1の成分および第2の成分を運び、内部で共に混合できる、混合体積4521を画定する。カテーテル4510は、ハブ4520に連結する第1の端4511と、体内腔または他の標的の場所の中へ挿入できる第2の端4512とを含む。
【0149】
駆動アセンブリ4150は、第1の生体材料成分および第2の生体材料成分を、容器アセンブリ4300から運ぶように、駆動力を生成する、いかなる好適なアセンブリまたは機構でもあり得る。示すように、駆動アセンブリ4150は、電気機械駆動部4152および駆動部材4160を含む。電気機械駆動部4152は、本明細書に記載する電気機械駆動部のいずれであることもでき、本実施形態では、駆動力を生成するステッピングモータが電力を供給する、リニアアクチュエータである。駆動部材4160は、接触表面4163によって容器アセンブリ4300に動作可能に連結する、端部分4162を有する。具体的には、作動すると、駆動アセンブリ4150が、第1のプランジャ4320および第2のプランジャ4340を、長手方向の中心線CLに沿って移動させることができるように、接触表面4163によって、プランジャリンク4370の対応する表面を係合できる。一部の実施形態では、駆動アセンブリ4150が、長手方向の中心線CLに沿った、第1のプランジャ4320および第2のプランジャ4340の作動制御を提供するように、電気機械駆動部4152に加えて、または電気機械駆動部4152の代わりに、一つ以上のばねおよびダンパを含むことができる。
【0150】
電子制御システム4200は、本明細書に記載するように、電気機械駆動部4152と、第1の成分、第2の成分、および/または送達生成物の送達特性を制御する、駆動アセンブリ4150の他の態様とを制御する。その上に、電子制御システム4200によって、システム3000に関して上に記載したように、駆動アセンブリ4150に、プライミング操作および注入操作と関連付けられた別個の動きを生成させることができる。電子制御システム4200は、電子制御システム2200および電子制御システム3200に類似することができる(それらの特徴のいずれもを含むことができる)。例えば、図示しないものの、電子制御システム4200が、一つ以上のセンサ、一つ以上のプロセッサ、一つ以上のメモリ素子、ならびに駆動モジュールおよびユーザインターフェースモジュールなど、様々なモジュールを含むことができる。示すように、電子制御システム4200が、アクチュエータ(またはトリガ)4230および出力デバイス4221のセットを含む。図示しないものの、電子制御システム4200が、システム3000に関して上に記載したように、プライミングスイッチおよび/または注入スイッチなど、様々なユーザ入力スイッチを含むことができる。電子制御システム4200には、電源4240から電力を供給する。電源4240は、バッテリ(充電式バッテリを含む)、AC/DC変換器(例えば、AC電源方式デバイスを手助けする)など、いかなる好適な電源でもあり得る。アクチュエータ4230は、ユーザインターフェースモジュール(図示しないが、上に記載したユーザインターフェースモジュール2206に類似し得る)によって、電子制御システム4200へ入力を提供できる。
【0151】
使用時には、電子制御システム4200は、上に記載したように、プライミング信号、注入信号、および駆動信号のいずれかを生成するように受信された、ユーザ入力に基づいて、駆動アセンブリ4150を制御することができる。例えば、電子制御システム4200(および/または駆動モジュール)が、本明細書に記載するように、駆動信号を生成、制御、および/または調節して、電気機械駆動部を制御して、送達部材4500から運ばれる生体材料生成物(例えば、ハイドロゲル)の流出力を、流出力の閾値未満に維持することができる。一部の実施形態では、電子制御システム4200(および/または駆動モジュール)が、本明細書に記載するように、駆動信号を生成、制御、および/または調節して、電気機械駆動部を制御して、第1の成分、第2の成分、および/または送達される生体材料生成物の速度を、所望の速度範囲内に維持することができる。
【0152】
図32は、実施形態による、生体材料生成物を送達する方法20を示す流れ図である。方法20について、送達システム4000に関連して記載するものの、他の実施形態では、方法20は、例えば、本明細書に記載する送達システム1000、2000、および3000、ならびに/または送達デバイス1100、2100、および3100など、本明細書に記載するシステム、送達デバイス、および部品のうちのいずれを用いても行うことができる。一部の実施形態では、カートリッジアセンブリは、送達操作より前に調製することができる。例えば、第1の成分が調製され、第1の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができ、第2の成分が調製され、第2の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができる。
図22を参照すると、その後、容器をカートリッジ(例えば、カートリッジ4350)の中へ置くことができる。
図23および24に示すように、容器アセンブリ4300(カートリッジ4350を含む)は、覆い4100の容器受け取り部分4112の中へ充填することができる。具体的には、カートリッジ4350は、第1の固定器具4114を切り欠き4362内で受け取るように整列できる。カートリッジ4350が、
図24の矢印CCによって示すように、回転することができ、第2の固定器具4115を、第2の係合部分4363の周りで固定できる。
【0153】
容器アセンブリを充填した後、方法は、21でコネクタの入口を容器アセンブリに連結することを含む。上に示し記載したように、コネクタ(例えば、コネクタ4400)を、ルアーフィッティングまたは同類のものによって、容器の各々に連結できる。その後システムは、システム3000に関して上に記載したように、プライミングすることができる。具体的には、方法は、22で、第1の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第1の出口(例えば、第1の出口4415)に運び、第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリからコネクタの第2の出口(例えば、第2の出口4416)に運ぶことによって、コネクタをプライミングすることを含む。いかなる残留する成分量も、随意に、コネクタの端部表面4413から拭き取ることができる。
【0154】
プライミングの後に、23で、送達部材によって画定される混合体積と流体連通して、コネクタの第1の出口およびコネクタの第2の出口を置くように、送達部材がコネクタに連結する。
図27を参照すると、コネクタ4400は、コネクタの端部表面4413を、送達部材4500のハブ4520の中へ移動させることによって、送達部材4500に連結することができる。その後、フィッティング4420がハブ4520のフランジに連結する。一部の実施形態では、フィッティング4420は、送達部材に連結するように、コネクタ4400に対して回転する、スイベルフィッティングであり得る。このように、第1の出口4415および第2の出口4416を含む遠位表面4413は、ハブの混合体積4521内にある。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分の一部分を、システム3000に関して上に記載したように、ユーザが「プライミング」スイッチおよび/またはトリガを作動させるのに応じて、自動で運ぶことができる。
【0155】
送達部材がコネクタに連結した後、24で、その後、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分は、混合体積の中に運ばれる。第1の成分の第2の部分が、第2の成分の第2の部分と架橋して、送達部材内にハイドロゲル(すなわち、送達される生体材料生成物)を形成する。一部の実施形態では、ハイドロゲルは、短いゲル化時間を有し、ハイドロゲルを混合体積内で完全に形成するような低速度で運ばれる。他の実施形態では、ハイドロゲルの形成(すなわち、架橋反応)は、ハイドロゲルが送達部材から流出すると、完全に形成されるように、混合体積およびカテーテル部分の中で発生し得る。方法はさらに、25で、送達部材から送達部材の出口部分を介して、ハイドロゲルを運ぶことを含む。一部の実施形態では、第1の成分および第2の成分の一部分を、システム3000に関して上に記載したように、ユーザが「注入」スイッチおよび/またはトリガを作動させるのに応じて、自動で運ぶことができる。
【0156】
一部の実施形態では、ハイドロゲルは、本明細書に記載するハイドロゲルのいずれでもあることができ、体内腔の中へ運ぶことができる。例えば、一部の実施形態では、避妊の形態として精子を遮断するために、ハイドロゲルが精管の中へ運ばれて、その中で遮閉を形成することができる。
【0157】
一部の実施形態では、成分を運ぶのは、本明細書に記載する電子制御システムのいずれでも、制御することができる。例えば、一部の実施形態では、成分は、所定の速度範囲内の速度で、および/または駆動力の閾値を下回る駆動力で運ぶことができる。一部の実施形態では、ハイドロゲルを、30秒未満で体内腔の中に運ぶことができる。一部の実施形態では、ハイドロゲルを送達部材から運ぶことが、約50マイクロリットルから約200マイクロリットルを、約5秒と約20秒との間で運ぶことを含む。
【0158】
一部の実施形態では、方法は、システムおよび同じ容器アセンブリを使用して、第2の注入(例えば、患者の第2の体内腔の中へ)を行うことを含むことができる。こうした実施形態では、方法20が、26で随意に、第1の送達部材をコネクタから取り外すことを含むことができる。その後、第1の送達部材を取り外した後、27で随意に、コネクタに2度目のプライミングを行うことができる。第2のプライミングは、第1の成分の第3の部分を、コネクタの第1の出口に運び、第2の成分の第3の部分を、コネクタの第2の出口に運ぶことによって行うことができる。
【0159】
第2のプライミングの後に、28で随意に、第2の送達部材によって画定される混合体積と流体連通して、コネクタの第1の出口およびコネクタの第2の出口を置くように、第2の送達部材がコネクタに連結する。第2の送達部材がコネクタに連結した後、29で、その後、第1の成分の第4の部分および第2の成分の第4の部分が、混合体積の中へ運ばれる。第1の成分の第4の部分が、第2の成分の第4の部分と架橋して、第2の送達部材内に第2のハイドロゲル(すなわち、第2の送達される生体材料生成物)を形成する。
【0160】
一部の実施形態では、本明細書に記載するシステムのいずれかを使用して、生体材料生成物を患者の2本の精管の各々の中に送達することができる。送達後、次いで生体材料生成物が、精管の内腔を閉塞して、そこを通る精子の流れを遮断することができる。とりわけ、手順は、単一の容器アセンブリを使用して完了することができる。これは、送達される生体材料生成物の各々を形成するのに使用される成分が、両方の注入に対して一度で調製されるため、好都合である。加えて、単一の容器アセンブリを、送達デバイスの中へ一度で充填するのみである。ステップの回数を減らすことによって、手順を合理化し、より効率的に行うことができる。
【0161】
図33は、実施形態による、生体材料生成物を送達する方法30を示す流れ図であり、
図34~36を参照して以下に記載する。方法30について、送達システム4000に関連して記載するものの、他の実施形態では、方法30は、例えば、本明細書に記載する送達システム1000、2000、および3000、ならびに/または送達デバイス1100、2100、および3100など、本明細書に記載するシステム、送達デバイス、および部品のうちのいずれを用いても行うことができる。一部の実施形態では、カートリッジアセンブリは、送達操作より前に調製することができる。例えば、第1の成分が調製され、第1の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができ、第2の成分が調製され、第2の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができる。その後、随意に容器を、カートリッジ(例えば、カートリッジ4350)の中に置くことができる。方法は、31で、容器アセンブリを送達デバイスに連結することを含む。容器アセンブリは、第1の成分と、第1の成分から分離している第2の成分とを含む。一部の実施形態では、容器アセンブリが、上に記載した容器アセンブリ2300に類似する、単一の容器を含むことができる。送達デバイスは、本明細書に記載する送達デバイスのいずれでもあることができ、駆動アセンブリを含む。
【0162】
32で、第1の送達部材を第1の体内腔の中へ挿入する。
図34を参照すると、第1の送達部材は送達部材4500であることができ、挿入は、患者の第1の精管VDの中への、端部分4512の挿入を含むことができる。第1の送達部材を挿入した後、33で、第1の送達部材が容器アセンブリに連結する。一部の実施形態では、上に記載したように、第1の送達部材を容器アセンブリに連結する前に、システムをプライミングすることができる。
図35を参照すると、第1の送達部材4500を、コネクタ4400によって容器アセンブリに連結することができる。連結は、フィッティング4420または送達部材4500のうちの少なくとも一つを、互いに対して回転させることによって完了することができる。
【0163】
34で、送達デバイスを作動させて、第1の成分の第1の部分および第2の成分の第1の部分を、容器アセンブリから第1の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第1の駆動力を生成させる。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第1の送達部材内に第1のハイドロゲルを形成する。運ぶのを継続することで、第1のハイドロゲルを第1の体内腔の中へ運ばせる。
図36を参照すると、第1のハイドロゲル(生体材料生成物3として識別)が、矢印GGによって示すように、精管VDの中へ運ばれる。送達を、本明細書に記載するように制御して、精管内に第1のハイドロゲルの所望の体積および/または長さを生成することができる。
【0164】
第1の作動の後、35で、第1の送達部材が容器アセンブリから切り離される。第1の送達部材を、随意に取り外し廃棄することができる。36で、第2の送達部材を第2の体内腔の中へ挿入する。第2の送達部材は、送達部材4500であることができ、挿入は、患者の第1の精管VDの中への、端部分4512の挿入を含むことができる。第2の送達部材を挿入した後、37で、第2の送達部材を容器アセンブリに連結する。
【0165】
38で、送達デバイスを2度目に作動させて、第1の成分の第2の部分および第2の成分の第2の部分を、容器アセンブリから第2の送達部材を通って運ぶように、駆動アセンブリによって、第2の駆動力を生成させる。第1の成分は、第2の成分と架橋して、第2の送達部材内に第2のハイドロゲルを形成する。運ぶのを継続することで、第2のハイドロゲルを第2の体内腔の中へ運ばせる。
【0166】
多くの例で、治療材料以外のいずれかの物質を、体の中へ送達するのは望ましくない可能性があるが、本明細書に記載するシステムを使用して、生体材料生成物を送達すべき血管を、有利にプライミング(または調製)することができる。同様に、一部の実施形態では、方法は、生体材料生成物を送達する前に、プライミング流体(例えば、空気、生理食塩水、またはいかなる他の好適な不活性流体)を、標的血管の中へ送達することを含むことができると言える。プライミング流体の送達で、体内腔を拡張(または拡大)し、不純物を洗い流すことによって、および/または送達される生体材料生成物の有効性を向上させ、生体材料生成物の適切な設置を支援できる、壁上へのコーティング生成によって、体内腔を準備することができる。
【0167】
図37は、実施形態による、生体材料生成物を送達する方法40を示す流れ図であり、
図38および39を参照して以下に記載する。方法40は、例えば、本明細書に記載する送達システム1000、2000、3000、および4000、ならびに/または送達デバイス1100、2100、3100、および4100など、本明細書に記載するシステム、送達デバイス、および部品のうちのいずれを用いても行うことができる。一部の実施形態では、カートリッジアセンブリは、送達操作より前に調製することができる。例えば、第1の成分が調製され、第1の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができ、第2の成分が調製され、第2の容器(またはシリンジ)の中へ充填することができる。その後、随意に容器を、カートリッジ(例えば、カートリッジ4350)の中に置くことができる。方法は、41で、送達部材の出口部分を、体内腔の中へ挿入することを含む。送達部材は、本明細書に記載する送達部材のいずれでもあることができ(例えば、送達部材4500)、出口部分を患者の精管VDなど、いかなる体内腔の中にも挿入することができる。送達部材は、連結部分(例えば、ハブ4520に類似する)が体の外側にくるように挿入される。
【0168】
一部の実施形態では、42で随意に、第1の送達部材を容器アセンブリに連結する前に、システムをプライミングすることができる。システムのプライミング(血管のプライミングと混同しないように)は、上に記載した方法のいずれによっても行うことができる。例えば、一部の実施形態では、システムのプライミングには、容器アセンブリから容器アセンブリの第1の出口に、第1の成分の一部分を運び、容器アセンブリから容器アセンブリの第2の出口に、第2の成分の一部分を運ぶことによって、容器アセンブリの出口部分をプライミングすることを含むことができる。
【0169】
送達部材を挿入した後、43で、送達部材の連結部分を容器アセンブリに連結する。連結は、空気のボーラスを、送達部材の少なくとも一部分内に保持するように行われる。しかしながら、他の実施形態では、いかなる流体のボーラスも、血管をプライミングするのに使用することができる。例えば、一部の実施形態では、送達部材を容器アセンブリに連結する前に、所定量の生理食塩水溶液を、送達部材の中へ置くことができる(例えば、混合体積4521)。
【0170】
方法は、その後44で、第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことを含む。第1の成分は、第2の成分と架橋して、送達部材内にハイドロゲルを形成する。また、第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ運ぶことによっても、空気のボーラスを、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へ送達させる。例えば、
図38および39は、生体材料生成物を移植する、精管VDの一部分の断面図を示す。
図38は、空気(またはプライミング流体)のボーラスを送達する前の、内腔Lの断面形状を示す。示すように、断面形状は不規則で、多くの鋭い屈曲(すなわち、小さい半径の湾曲領域)を含む。
図39は、空気(またはプライミング流体)のボーラスを送達した後の、内腔Lの断面形状を示す。示すように、プライミング流体の送達によって、内腔Lを拡大し、内腔Lの中の凹凸および鋭い屈曲を減らす。このように、血管のプライミングによって、送達される生体材料のより良い接着および/または保持を生み出すであろう、血管の断面を生成する。第1の成分および第2の成分を、送達部材の中へ最初に運んだ後、45で、送達部材の出口部分を介して、体内腔の中へハイドロゲルを運ぶ。
【0171】
図40は、ユーザが親指クリップを押して注入することが必要な、自由裁量の注入デバイスと、本発明の実施形態に記載するような自動注入デバイスとを対比した、それらを使用した場合の正確度および精度を実証する棒グラフである。自動デバイスおよび自由裁量のデバイスは両方、シリンジ、プランジャ、Yコネクタ、送達部材(例えば、血管カテーテル)、およびポリマー材料を含む、類似の部品を有する。6人のユーザによる合成モデル管類の中への自由裁量による注入試験(n=207)は、プラグ体積で高い正確度を実証したが、しかしながら、精度が低く、ユーザは5%の確率でデバイスの目詰まりを経験した。一方、自動デバイスは、すべての移植(n=28)に対して高い正確度および精度を有し、報告された目詰まりはゼロであった。これは、本明細書に記載する自動デバイスが改善をもたらし、自動デバイスによって、ユーザ(すなわち、医師)が、患者ごとの可変性がある中でも、確実に生体材料を移植することが可能になり得ることを明らかにしている。特に、ユーザの手が生成する力によってではなく、デバイスによって、移植される材料の送達を制御することで、送達の性能が向上する。表示する体積は、針またはカテーテルのデッドボリュームではなく、むしろカテーテルまたは針の先端から流出した体積のみを含む。
【0172】
図41は、本明細書に記載する実施形態の、使用および精度を実証する棒グラフである。自動デバイスは、標的送達体積に正確に対応した移植体積で、2成分ポリマーハイドロゲルを送達することができた(n=10)。いずれの群でも、目詰まりは観察されなかった。表示する体積は、針またはカテーテルのデッドボリュームではなく、むしろカテーテルまたは針の先端から流出した体積のみを含む。
【0173】
図42は、合成管類(内径0.8mm)の中への異なる移植片の長さ(プラグ長としても知られる)を形成する、自動デバイスの実施形態の使用を実証する棒グラフである。プラグ長は、注入体積によって、1.5cmから8cmに及んだ。移植に続いて、プラグは、10lbF(生体内圧の120x)で生理食塩水の破裂圧力試験にさらされた。グラフは、長さ1.5cmのプラグが破裂圧力試験に耐えられなかった一方で、2cmよりも大きいプラグは破裂圧力に耐えられたことを描写している。このデータは、送達される生体材料の所望の体積および/もしくは長さを達成することを保証するように、速度、流量、ならびに/または駆動力を制御する重要性を強調している。
【0174】
図43~47は、実施形態による、送達システム5000を示す。本明細書に記載するように、送達システム5000は、標的の場所へ送達される生体材料生成物を形成する、複数の生体材料成分を運んで組み合わせるように構成される。
【0175】
システム5000は、送達デバイス5100、駆動アセンブリ5150、電子制御システム5200、容器アセンブリ5300、およびコネクタ5400を含む。送達デバイス5100は、覆い5110、駆動アセンブリ5150、およびハンドル部分5120を含む。ハンドル部分5120は、グリップを向上させるように、テクスチャ表面または穿孔表面5121を含むことができる。上に記載した他の容器アセンブリに類似して、容器アセンブリ5300は、第1の容器5301および第2の容器5302を含む。容器アセンブリ5300はさらに、コネクタ5400に連結するように構成される第1の端5331と、駆動アセンブリ5150からの投入力を受け取るように構成される、フランジ部分5343を含む第2の端5332とを含む。駆動システム5150は、フランジ部分5343を駆動するように構成され、次に、フランジ部分5343によって、第1の成分を第1の容器5301から、第2の成分を第2の容器5302から放出するように、プランジャ5340を作動させる。第1および第2の成分を、第1の容器5301および第2の容器5302それぞれから放出すると、第1および第2の成分がコネクタ5400に運ばれる。成分は、上に記載した他のコネクタと同じように、混合し、架橋し、コネクタ5400から分注することができる。
【0176】
電子制御システム5200は、上に記載した他の送達デバイスおよび方法と同じように、駆動アセンブリ5150の作動および出力を制御するように構成され、送達デバイス5100の送達特性を制御するように動作可能である。電子制御システム5200が、一つ以上のボタン5230を含む。一部の実施形態では、一つ以上のボタン5230が、第1のボタン5231、第2のボタン5232、第3のボタン5233、および第4のボタン5234を含む。第1、第2、および第3のボタン5231、5232、5233は、ハンドル部分5120の上方に位置付けられ、ユーザが、ハンドル部分5120を握りながら、親指で第1、第2、および第3のボタン5231、5232、5233を利用することが可能である。第4のボタン5234は、ハンドル部分5120の裏に位置付けられ、ユーザが、例えば、ハンドル部分5120を握りながら、人差し指で第4のボタン5234を利用することが可能である。電子制御システム5200はさらに、ユーザへの視覚フィードバックを提供する、インジケータ5220を含む。例えば、インジケータ5220は、一つ以上のライト5221、5222を含んでもよい。ライト5221、5222は、ライトの異なる色、および/もしくは異なる固定もしくは点滅パターンを表示して、ユーザへの視覚フィードバックまたは送達デバイス5100の動作状態を提供するよう明るくなってもよい。一部の実施形態では、インジケータ5220がさらに、文字、数字、または記号を示して、ユーザへの追加の視覚フィードバックを提供する、ディスプレイ(図示せず)を含んでもよい。
【0177】
第1のボタン5231は、送達デバイス5100の電源を入れたり切ったりする、電源ボタンとして構成される。第2のボタン5232は、プライミング操作を行う(例えば、駆動アセンブリ5150を作動させて、第1の成分および第2の成分を、コネクタ5400の中へ運ぶ)、プライミングボタンとして構成される。例えば、送達デバイス5100は、本明細書に記載するプライミング操作のいずれもを行うように動作可能である。第3のボタン5233は、注入操作を行う(例えば、二つの成分を混合して、生体材料を形成し、コネクタから体内腔の中へ生体材料を分注する)、注入ボタンとして構成される。例えば、送達デバイス5100は、本明細書に記載する注入または送達操作の制御のいずれもを行うように動作可能である。第4のボタン5234は、トリガボタンとして構成される。例えば、第2のボタン5232または第3のボタン5233のいずれかを押下することで、プライミング操作または注入操作それぞれを行うために、送達デバイス5100を開始してもよい。送達デバイス5100が、例えば、ライト5221、5222のうちの一つ以上を点滅させ、および/または緑色に光ることによって、選択した操作を確認してもよい。選択した操作を確認し進めるために、ユーザは第4のボタン5234を押下する。第4のボタン5234を押下した後に、送達デバイス5100が選択した操作を実行する。
【0178】
一部の実施形態では、電子制御システム5200を、投入口またはコネクタ5241を介して電源5240に連結して、送達デバイス5100へ電力を供給する。送達デバイス5100に、電源5240から完全に電力を供給し、一部電源5240から電力を供給し、および/または電源5240を介して充電してもよい。デジタルおよびアナログ信号もまた、コネクタ5241を介して、送達デバイス5100から、および送達デバイス5100へ送信されてもよい。
【0179】
概して
図45に示すように、覆い5110は、容器アセンブリ5300を囲み、および/または容器アセンブリ5300を覆い5110に固定する、可動式蓋5140を含む。可動式蓋5140は、容器アセンブリ5300に接近し、それを据え付け、および/もしくは覆い5110の内部領域から取り外すために、ヒンジ機構によって開き、カバーを摺動させることによって開き、ならびに/または送達デバイス5100から取り外すことができる。可動式蓋5140を、開放位置で、送達デバイス5100から持ち上げると、容器アセンブリ5300が利用可能となる。開放位置では、容器アセンブリ5300を、送達デバイス5100の覆い5110の中へ挿入するか、覆い5110上に装着するか、または覆い5110から取り外すように、覆い5110の内部領域が露出する。例えば、新しい手順の前に、新しい容器アセンブリを覆い5110の中へ据え付けて、手順が完了したら、覆い5110から取り外してもよい。一部の実施形態では、容器アセンブリ5300が消耗部品であり、送達デバイス5100が再利用可能な部品である。
【0180】
可動式蓋5140および送達デバイス5100は、取り外し可能に可動式蓋5140を送達デバイス5100に閉鎖位置で固定する、ヒンジまたは装着補完タブ(図示せず)を含んでもよい。加えて、または代替として、可動式蓋5140および送達デバイス5100が、取り外し可能に可動式蓋5140を閉鎖位置で固定するよう、補完軌道、戻り止め、および/または磁気特徴部(図示せず)を含んでもよい。
【0181】
図45に示すように、容器アセンブリ5300はカートリッジ5350を含む。カートリッジ5350は、容器アセンブリ5300の第1の容器5301および第2の容器5302を受け取るための、第1の陥凹部分5351を含む。カートリッジ5350はさらに、コネクタ5400を受け取り、カートリッジ5350へ固定するための、第2の陥凹部分5352を含む。カートリッジ5350は、カートリッジ5350上に据え付けるとき、第1および第2の容器5301、5302、およびコネクタ5400が、軸方向に移動するのを防止するように、一つ以上のリブ5353または緩衝器5354を含む。第1の陥凹部分5351および第2の陥凹部分5352は、容器アセンブリ5300およびコネクタ5400が、横方向に移動するのを防止する摩擦嵌めを提供するように、寸法および形状を決定することができる。
【0182】
.第1の陥凹部分5351および/または第2の陥凹部分5352の反対にある側部(例えば、
図45ではカートリッジ5350の下側部)上で、カートリッジ5350は、カートリッジ5350を送達デバイス5100の覆い5110に固定し整列させる、装着部分を含む。一部の実施形態では、容器アセンブリ5300およびコネクタ5400を伴う、カートリッジ5350を含むキットは、ユーザが、使いやすさおよび効率のため、覆い5110上に直接カートリッジ5350を据え付けられるように、カートリッジ5350上に予め据え付けられ組み立てられる。加えて、カートリッジ5350に対する容器アセンブリ5300の場所が既知であり、カートリッジ5350が、覆い5110上の予め定義された場所で、プランジャ5340の進行軸に沿って、覆い5110に連結するため、別個の整列および較正ステップは必要としない。さらに、カートリッジ5350が装着部分を経由して覆い5110上に整列すると、駆動アセンブリ5150が、所定の定位置でプランジャ5340を係合して、プランジャ5340を不注意に作動させることが可能になる。そのため、駆動アセンブリ5150が、プランジャ5340を不注意に作動させることなく、所定の定位置で一貫してプランジャ5340を係合するように、装着部分で、容器アセンブリ5300を覆い5110上に自動で整列させ、予想どおりに方向付ける。例えば、駆動アセンブリ5150は、カートリッジ5350および容器アセンブリ5300が、据え付け中の駆動アセンブリ5150を、覆い5110上に係合しないような、後退位置(例えば、本明細書に記載する定位置)に置かれてもよい。これによって、プランジャ5340が不注意に作動するのを防止する。カートリッジ5350および容器アセンブリ5300が、覆い5110上に据え付けられると、駆動アセンブリ5150によって、本明細書に記載する、定位置に基づく既知の場所を使用して、プライミング操作および/または注入操作を行うことができ、それによって、別個の整列または較正手順の必要性が排除される。
【0183】
一部の実施形態では、カートリッジ5350および容器アセンブリ5300は、素早く送達デバイス5100の覆い5110の中へ据え付けられ、覆い5110と整列できる消耗部品として提供される。
【0184】
図47~52は、実施形態による、送達システム6000を示す。本明細書に記載するように、送達システム6000は、標的の場所へ送達される生体材料生成物を形成する、複数の生体材料成分を運んで組み合わせるように構成される。
【0185】
システム6000は、送達デバイス6100、駆動アセンブリ6150、電子制御システム6200、容器アセンブリ6300、およびコネクタ6400を含む。送達デバイス6100は、覆い6110、駆動アセンブリ6150、およびハンドル部分6120を含む。上に記載したその他の容器アセンブリに類似して、容器アセンブリ6300は、第1の容器6301および第2の容器6302を含む。容器アセンブリ6300はさらに、コネクタ6400に連結するように構成される第1の端6331と、駆動アセンブリ5150からの投入力を受け取るように構成される、フランジ部分6343を含む第2の端6332とを含む。駆動システム6150は、フランジ部分6343を駆動するように構成され、次に、フランジ部分6343によって、第1の成分を第1の容器6301から、第2の成分を第2の容器6302から放出するように、プランジャ6340を作動させる。第1および第2の成分を、第1の容器6301および第2の容器6302それぞれから放出すると、第1および第2の成分がコネクタ6400に運ばれる。成分は、上に記載した他のコネクタと同じように、混合し、架橋し、コネクタ6400から分注することができる。
【0186】
電子制御システム6200は、上に記載したその他の送達デバイスおよび方法と同じように、駆動アセンブリ6150の作動および出力を制御するように構成され、送達デバイス6100の送達特性を制御するように動作可能である。電子制御システム6200が、一つ以上のボタン6230を含む。第1のボタン6231は、ハンドル部分6120の基部に位置付けられる。第2および第3のボタン6232、6233は、ハンドル部分6120の上方に位置付けられ、ユーザが、ハンドル部分6120を握りながら、親指で第2および第3のボタン6232、6233を利用することが可能である。第4のボタン6234は、ハンドル部分6120の裏に位置付けられ、ユーザが、例えば、ハンドル部分6120を握りながら、人差し指で第4のボタン6234を利用することが可能である。電子制御システム6200はさらに、ユーザへの視覚フィードバックを提供する、第1のインジケータ6221および第2のインジケータ6222を含む。例えば、第1のインジケータ6221および第2のインジケータ6222は、第2のボタン6232および第3のボタン6233それぞれと関連付けられた記号またはロゴを明るくする、バックライトを含んでもよい。
【0187】
第1のボタン6231は、送達デバイス6100の電源を入れたり切ったりする、電源ボタンとして構成される。第2のボタン6232は、プライミング操作を行う(例えば、駆動アセンブリ6150を作動させて、第1の成分および第2の成分を、コネクタ6400の中へ運ぶ)、プライミングボタンとして構成される。送達デバイス6100は、本明細書に記載するプライミング操作のいずれもを行うように動作可能である。第3のボタン6233は、注入操作(例えば、二つの成分を混合して、生体材料を形成し、体内腔の中へ生体材料を分注する)を開始する、注入ボタンとして構成される。送達デバイス6100は、本明細書に記載する注入または送達操作の制御のいずれもを行うように動作可能である。第4のボタン6234は、トリガボタンとしてプログラムされるか、または割り当てられ得る。例えば、第2のボタン6232または第3のボタン6233のいずれかを押下すると、プライミング操作または注入操作それぞれを行うために、送達デバイス6100が準備されてもよい。送達デバイス6100は、第2のボタン6232もしくは第3のボタン6233と関連付けられたバックライト付きインジケータ6221、6222を照らすか、または点滅させることによって、選択した操作を確認してもよい。選択した操作を確認し進めるために、ユーザは第4のボタン6234を押下する。第4のボタン6234を押下した後に、送達デバイス6100が選択した操作を実行する。代替の実施形態では、第2のボタン6232を押下することで、プライミング操作が開始され、第3のボタン6233を押下することで、二つの成分の混合が再現され、第3のボタン6233を押下し、二つの成分を混合し始めた後、第4のボタン6234を押下することで、注入操作が開始される。一部の実施形態では、第1のボタン6231(または本明細書に記載する電源ボタンのうちのいずれか)で、駆動アセンブリ6150をその運動の範囲全体、すなわち、所望の操作に必要な運動の範囲にわたって循環させて、駆動アセンブリ6150の駆動部品が適切に機能していることを検証する、開始手順を始めることができる。開始手順中に障害が検出された場合、電子制御システム6200(または本明細書に記載するいかなる他の電子制御システム)によって、プライミング操作または注入操作を実行するのを防止できる。
【0188】
図49および51に示すように、覆い6110は、第1の固定器具部分6116、第2の固定器具部分6117、および第3の固定器具部分6118を含む。第1の固定器具部分6116、第2の固定器具部分6117、または第3の固定器具部分6118のうちの少なくとも一つは、容器アセンブリ6300を覆い6110に固定するように構成される。一実施形態では、第1の固定器具部分6116および第2の固定器具部分6117が、第1の容器6301および第2の容器6302の外表面を握るように構成される、C形またはU形断面を含む。第3の固定器具部分6118が、覆い6110の基部表面から延在し、容器アセンブリ6300の第2の端6332に隣接する。第3の固定器具部分6118によって、容器アセンブリ6300が軸方向に移動するのを防止する。固定器具部分6118の場所によって、容器アセンブリ6300を、プランジャ6340の進行軸に沿った覆い6110上の予め画定された場所に、据え付けることが可能になる。第1および第2の固定器具部分6116、6117によってさらに、プランジャ6340の進行軸に対する、容器アセンブリ6300の横の動きを防止する。そのため、容器アセンブリ6300は、駆動アセンブリ6150が、プランジャ6340を不注意に作動させることなく、所定の定位置で一貫してプランジャ6340を係合するように、覆い6110上に予想されるように据え付けることができる。例えば、駆動アセンブリ6150は、容器アセンブリ6300が、据え付け中の駆動アセンブリ6150を、覆い6110上に係合しないような、後退位置(例えば、本明細書に記載する定位置)に置かれてもよい。これによって、プランジャ6340が不注意に作動するのを防止する。容器アセンブリ6300が、覆い6110上に据え付けられると、駆動アセンブリ6150によって、本明細書に記載する、定位置に基づく既知の場所を使用して、プライミング操作および/または注入操作を行うことができ、それによって、別個の整列または較正手順の必要性が排除される。
【0189】
図53~56は、実施形態による、送達システム7000を示す。本明細書に記載するように、送達システム7000は、標的の場所へ送達される生体材料生成物を形成する、複数の生体材料成分を運んで組み合わせるように構成される。
【0190】
システム7000は、送達デバイス7100、電子制御システム7200、容器アセンブリ7300、およびコネクタ7400を含む。送達デバイス7100は、覆い7110、駆動アセンブリ7150、およびハンドル部分7120を含む。
図53および54に示すように、覆い7110は、近位端部分7111から遠位端部分7112へ延在する。ハンドル部分7120は、遠位端部分7112から延在する。ハンドル部分7120は、グリップを向上させるように、テクスチャ表面または穿孔表面7121を含むことができる。ハンドル部分7120がさらに、操作中ユーザの手の中にある送達デバイス7100の安定性をさらに向上させるように、手首支持部分7122を含むことができる。
【0191】
上に記載したその他の容器アセンブリに類似して、容器アセンブリ7300は、第1の容器7301および第2の容器7302を含む。容器アセンブリ7300はさらに、コネクタ7400に連結するように構成される第1の端7331と、駆動アセンブリ7150からの投入力を受け取るように構成される、フランジ部分7343を含む第2の端7332とを含む。駆動システム7150は、フランジ部分7343を駆動し、次に、第1の成分を第1の容器7301から、第2の成分を第2の容器7302から放出するよう、プランジャ7340を作動させるように構成される。第1および第2の成分を、第1の容器7301および第2の容器7302それぞれから放出すると、第1および第2の成分がコネクタ7400に運ばれる。成分は、上に記載した他のコネクタと同じように、混合し、架橋し、コネクタ7400から分注することができる。
【0192】
電子制御システム7200は、上に記載したその他の送達デバイスおよび方法と同じように、駆動アセンブリ7150の作動および出力を制御するように構成され、送達デバイス7100の送達特性を制御するように動作可能である。電子制御システム7200が、一つ以上のボタン7230を含む。第1のボタン7321は、覆い7110の近位端部分7111上に位置付けられる。
【0193】
図53および56に示すように、第2および第3のボタン7232、7233は、ハンドル部分7120の上方で、覆い7110のいずれかの側部上に位置付けられる。第4のボタン7234は、ハンドル部分7120上に位置付けられ、ユーザが、例えば、ハンドル部分7120を握りながら、親指で第4のボタン7234を利用することが可能である。電子制御システム7200はさらに、一つ以上の視覚インジケータ7221、7222、7223を含む。例えば、一つ以上の視覚インジケータ7221、7222、7223は、ユーザへの視覚フィードバック、または送達デバイス7100の動作状態を提供する、LEDインジケータであり得る。一部の実施形態では、操作または作業ライト7224を、覆い7110の遠位端部分7112に提供して、患者の手術領域をさらに明るく照らす。一部の実施形態では、作業ライト7224は、第1のボタン7231を押すと点灯できるか、または別個のライトボタン(図示せず)によって点灯できる。
【0194】
第1のボタン7231は、送達デバイス7100の電源を入れたり切ったりする、電源ボタンとして構成される。第2のボタン7232は、プライミング操作(例えば、駆動アセンブリ7150を作動させて、第1の成分および第2の成分を、コネクタ7400の中へ運ぶ)を開始する、プライミングボタンとして構成される。送達デバイス7100は、本明細書に記載するプライミング操作のいずれもを行うように動作可能である。第3のボタン7233は、注入操作(例えば、二つの成分を混合して、生体材料を形成し、体内腔の中へ生体材料を分注する)を開始する、注入ボタンとして構成される。送達デバイス7100は、本明細書に記載する注入または送達操作の制御のいずれもを行うように動作可能である。第4のボタン7234は、トリガボタンとしてプログラムされるか、または割り当てられ得る。例えば、第2のボタン7232または第3のボタン7233のいずれかを押下すると、プライミング操作または注入操作それぞれを行うために、送達デバイス7100が準備されてもよい。送達デバイス7100が、LEDインジケータ7221、7222、7223のうちの一つ以上を点灯または点滅させることによって、選択した操作を確認してもよい。選択した操作を確認し進めるために、ユーザは第4のボタン7234を押下する。第4のボタン7234を押下した後に、送達デバイス7100が選択した操作を実行する。
【0195】
図55に示すように、覆い7110は、第1の固定器具部分7116、第2の固定器具部分7117、および第3の固定器具部分7118を含む。第1の固定器具部分7116、第2の固定器具部分7117、または第3の固定器具部分7118のうちの少なくとも一つは、容器アセンブリ7300を覆い7110に固定するように構成される。一実施形態では、第1の固定器具部分7116および第2の固定器具部分7117が、第1の容器7301および第2の容器7302の外表面を握るように構成される、C形またはU形断面を含む。第3の固定器具部分7118が、覆い7110の基部表面から延在し、容器アセンブリ7300の第2の端7332に隣接する。第3の固定器具部分7118によって、容器アセンブリ7300が軸方向に移動するのを防止する。固定器具部分7118の場所によって、容器アセンブリ7300を、プランジャ7340の進行軸に沿った覆い7110の予め画定された場所に、据え付けることが可能になる。第1および第2の固定器具部分7116、7117によってさらに、プランジャ7340の進行軸に対する、容器アセンブリ7300の横の動きを防止する。そのため、容器アセンブリ7300を、駆動アセンブリ7150が、プランジャ7340に対して知られている位置になるように、覆い7110上に予想されるように据え付けることができる。例えば、駆動アセンブリ7150は、容器アセンブリ7300が、据え付け中の駆動アセンブリ7150を、覆い7110上に係合しないような、後退位置(例えば、本明細書に記載する定位置)に置かれてもよい。これによって、プランジャ7340が不注意に作動するのを防止する。容器アセンブリ7300が、覆い7110上に据え付けられると、駆動アセンブリ7150によって、本明細書に記載する、定位置に基づく既知の場所を使用して、プライミング操作および/または注入操作を行うことができ、それによって、別個の整列または較正手順の必要性が排除される。本明細書に記載するように、システム7000は、容器アセンブリ7300および/またはコネクタ7400が、プライミング操作もしくは注入操作を開始するのに先立って、適切に装着され連結されているかを検出する、センサを含んでもよい。
【0196】
図57~60を参照して、イヌおよびウサギの精管での実験試験結果について、ここで論じる。当業者が理解するであろうように、ヒトおよびイヌの精管は、壁の厚さおよび血管の全長だけでなく、解剖学的類似性も含めて、多くの点で類似している。対照的に、ウサギの精管は、より薄い血管壁、異なる解剖学的構造を有し、ヒトの精管よりも短い。本明細書に記載するように、制御された生体材料の形成および標的部位への送達は、標的部位または周辺領域への損傷を防止するのに重大な意味を持つ。制御された生体材料の形成および標的部位への送達はまた、送達される生体材料が、意図される用途に対して有効であると保証するのにも重要である。例えば、ハイドロゲルなどの生体材料は、精管の中に運ばれて、避妊の形態として精子を遮断することができる。
【0197】
図57に示すように、正常なイヌの精管8000の断面が示されている。イヌの精管8000は、内腔8100と、内腔8010を囲む平滑筋8200とを含む。一つのテストケースでは、システム4000が、カートリッジ4350内で成分を混合し、形成されたハイドロゲルを、カテーテル4510を経由してイヌの精管(図示せず)へ、400μL/minの速さで総送達体積200μLを送達するように構成された。このテストケースでは、血管の損傷もハイドロゲルの漏出も観察されず、形成されたハイドロゲルのイヌの精管への送達および移植は、有効であった(移植後の続く精液採取で無精子)。
【0198】
比較すると、別のテストケースでは、システム4000が、カートリッジ4350内で成分を混合し、形成されたハイドロゲル9300を、カテーテル4510を経由してイヌの精管9000へ、3200μL/minの速さで総送達体積75μLを送達するように構成された。
図58および59に示すように、イヌの精管9000には、ハイドロゲル9300の送達後に、内腔9100および周辺の筋肉9200への観察可能な組織損傷があった。別の比較によると、一つのテストケースでは、システム4000が、カートリッジ4350内で成分を混合し、形成されたハイドロゲルを、カテーテル4510を経由してウサギの精管10000へ、400μL/minの速さで総送達体積200μLを送達するように構成された。
図60に示すように、ウサギの精管10000は、血管外壁10100が破裂して損傷し、形成されたハイドロゲル10200が漏出していた。上記を考慮すると、同じ注入パラメータを適用すると、イヌの精管では有効な移植となる一方、ウサギの精管には損傷を引き起こし得る。同じタイプの標的部位(例えば、二つの異なるイヌの精管)に対して、送達の速さおよび/または投入射出力を変化させることによって、一つのシナリオでは有効な移植、他方のシナリオでは精管への損傷という、極端に異なる成果がもたらされ得る。
【0199】
上の実験試験結果で実証されたように、少なくとも形成された生体材料が、標的部位へ射出されるときに印加される力および送達されるスピードの正確な制御は、本明細書に記載するシステムおよび方法により達成することができ、部位または周辺領域を損傷することなく、生体材料を標的部位へ送達するのに成功することには重大な意味がある。
【0200】
機械可読記憶媒体(例えば、電子制御システム2200内の)を、実装例で、単一の媒体として示す一方で、「機械可読記憶媒体」という用語は、命令の一つ以上のセットを記憶する、単一または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含むとみなされるべきである。「機械可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための1セットの命令を、記憶または符号化することができ、機械に、本開示の方法論のうちのいずれか一つ以上を行わせる、いかなる媒体をも含むとみなされるものとする。したがって、「機械可読記憶媒体」という用語は、限定するものではないが、ソリッドステートメモリ、光学メディア、および磁気媒体を含むとみなされるものとする。
【0201】
本開示はまた、本明細書の操作を行うための装置に関する。この装置は、意図する目的のために特別に構築されてもよく、またはコンピュータに記憶されるコンピュータプログラムによって、選択的に起動もしくは再構成される、汎用コンピュータを備えてもよい。こうしたコンピュータプログラムは、限定するものではないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、および光磁気ディスクを含む、いかなるタイプのディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気もしくは光カード、またはコンピュータシステムバスに各々連結する、電子命令を記憶するのに好適ないかなるタイプの媒体など、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0202】
様々な汎用システムが、本明細書の教示にしたがって、プログラムと共に使用されてもよく、または方法を行うために、より特殊な装置を構築するのが、便利であると判明する場合もある。様々なこれらのシステムの構造は、以下の記載で説明するように現れる。加えて、本開示について、特定のプログラミング言語を参考にして記載することはしない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書に記載するような本開示の教示を実施してもよいことは理解されるであろう。
【0203】
本開示は、コンピュータプログラム製品、すなわち、ソフトウェアとして提供されてもよく、本開示にしたがってプロセスを行うよう、コンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするように使用され得る命令を記憶した、機械可読媒体を含んでもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形態で情報を記憶する、いかなる機構をも含む。例えば、機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体が、例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど、機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体を含む。
【0204】
本明細書に記載する一部の実施形態は、様々なコンピュータ実装された動作を行うための命令またはコンピュータコードを有する、非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも呼ぶことができる)を伴う、コンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、一時的な伝搬信号それ自体(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上の情報を搬送する、伝搬電磁波)を含まないという意味で、非一時的である。媒体およびコンピュータコード(コードとも呼ぶことができる)は、一つまたは複数の特定の目的のために設計され構築されたものであってもよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、およびホログラムデバイスなどの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなど、プログラムコードを記憶し実行するように特に構成される、ハードウェアデバイスを含むが、これらに限定されない。
【0205】
コンピュータコードの例には、マイクロコードまたはマイクロ命令、例えば、コンパイラによって生成される機械語命令、ウェブサービスを生成するのに使用されるコード、およびインタプリタを使用して、コンピュータによって実行される、より高水準命令を包含するファイルを含むが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、Fortranなど)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlangなど)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java、C++など)、もしくは他の好適なプログラミング言語、および/または開発ツールを使用して実装されてもよい。コンピュータコードのさらなる例には、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードを含むが、これらに限定されない。
【0206】
いくつかの実施形態について記載してきた。それでもやはり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変形が成され得ることは理解されるであろう。加えて、図面に描写した論理の流れには、望ましい結果を達成するように、示す特定の順番または順序は必要とされない。加えて、他のステップを記載する流れから提供してもよく、またはステップが記載する流れから排除されてもよく、他の部品を、記載するシステムに追加しても、または記載するシステムから除去してもよい。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内である。
【0207】
本発明の様々な実施形態を上に記載してきたが、それらは限定ではなく、例として提示してきたことを理解されたい。上記の方法が、特定の順番で発生する、特定の事象を示す場合、特定の事象の順番は修正されてもよい。加えて、事象のうちのいくつかを、可能な時には並行するプロセスで同時に行っても、上に記載したように順次行ってもよい。相互排他的ではない場合、本明細書に記載する成分および小成分のいずれも、実施形態のいずれにも含むことができる。例えば、一部の実施形態では、装置は、二つの生体材料を、同じ装置から同じ患者の中へ送達するなど、一回以上の注入を行うことができ得る。一部の実施形態では、装置が、単一のプライミングステップおよび単一回の注入を行い、単一のプライミングステップおよび複数回の注入を行い、複数のプライミングステップおよび単一回の注入を行い、複数のプライミングステップおよび複数回の注入を行う。プライミングおよび注入ステップは、予め定義した順序で行うか、またはいかなる順番でも行う。プライミングステップが、同じ体積または異なる体積を含んでもよい。複数回の注入がなされる場合、注入は各回、同じ体積または異なる体積を有してもよい。
【0208】
一部の実施形態では、装置を使用して、一つ以上の前駆体から形成される生体材料を注入する。例えば、互いと架橋してハイドロゲル材料を形成する、二つのマクロマー溶液を注入する。装置は、溶液がハイドロゲルを生体内原位置で形成するように、溶液を体の中に注入する。一部の実施形態では、装置を使用して、形成される生体材料、例えば、架橋したハイドロゲルを体の中に注入する。ハイドロゲルは注入されると、生体内原位置でゲル化および/もしくは架橋し続けてもよく、または装置から流出する時までに、完全にゲル化もしくは架橋できる。この点で、装置によって、二つ以上の異なる溶液を単一の流れにする、融合または混合が容易になる。
【0209】
一部の実施形態では、装置は、膀胱鏡に類似する画面を持つ携帯用デバイスである。装置の覆いは、ユーザが、装置、トリガ、ならびに電源オンおよびオフボタン、プライミングボタン、および注入ボタンを含むボタンを担持するための、グリップを含むように設計される。例えば、装置は、ユーザがボタンを押して、注入を行うように構成される。一部の実施形態では、トリガによって、シリンジプランジャの作動(ピストン)を制御し、それによって、分注する体積を制御する。一部の実施形態では、体積は、トリガ上にかけられる力に依存する。一部の実施形態では、ユーザがトリガ上に印加する力にかかわらず、一貫した量の体積が、装置から押し出されるように、シリンジプランジャの作動を予め設定する。
【0210】
一部の実施形態では、装置が、正しい量の圧力を印加するように、一つ以上のばねを含む。一つ以上のばねは、張力をかけることによって再使用可能である。一つ以上のばねによって、シリンジ上に圧力を付与するために、ピストン、アクチュエータロッド、または類似デバイスの動きを制御する。一つ以上のばねに特定の張力レベルを設定することによって、正確な力または圧力に調節できる。
【0211】
一部の実施形態では、装置用に選択されるシリンジのタイプおよびサイズは、注入パラメータおよび押し出される生体材料に影響を与える。一部の実施形態では、シリンジの材料は、ガラス、プラスチック、または両方の組み合わせである。シリンジは潤滑するか、または無潤滑であり得る。一部の実施形態では、シリンジが体積で約0.1mLから100mLまでを包含する。例えば、シリンジは、0.5cc、1cc、2cc、5cc、10cc、20cc、50cc、および/または100ccのシリンジであり得る。シリンジの内径は、約0.2mmから50mmに及び得る。例えば、1ccのプラスチックBDシリンジは直径4.64mmであってもよい。円筒形断面積が、0.000026から1.5in2に及んでもよい。一部の実施形態では、プランジャは、例えば、選ばれた製造業者、体積、長さ、内径、および潤滑状態を含む異なる属性に基づいて、ある特定の用途に対して選択することができる。プランジャは、潤滑するか、または無潤滑で、合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性物質、および/またはエラストマーから作られていてもよい。一部の実施形態では、シリンジは、シャーシとも呼ぶ、ホルダーの中にロックされてもよい。一態様では、シリンジは、使用後に処分されてもよい、カセット式シリンジホルダー内に充填するか、または含むことができる。
【0212】
一実施形態では、装置は、溶液が中を流れるチャネルを包含する、Yコネクタ(配合コネクタとしても知られる)を包含する。例えば、Yコネクタの製造業者には、Nordson Medical(Micromedics)、Medmix、およびSulzerを含むが、これらに限定されない。一実施形態では、Yコネクタのチャネルでは、前駆体溶液の混合が促進されない。そのため、溶液を、針および/もしくはカテーテルハブの中で融合または混合してもよい。一部の実施形態では、デュアルルーメンカテーテルまたは針が、Yコネクタに取り付けられて、装置内でのいかなる溶液の混合または融合も防止する。一部の実施形態では、Yコネクタが一端にあるシリンジ(複数可)に取り付けられる。
【0213】
一部の実施形態では、装置は、装置内のシリンジから、Yコネクタおよび/または血管カテーテル/針までの距離を拡張する、管類を含む。例えば、こうした管類の製造業者には、Zeus、Medline、およびCook Medicalを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、二つの溶液の混合は拡張管類の中で発生する。一部の実施形態では、混合は管類の中で発生しない。一部の実施形態では、混合チャンバは、溶液が、Yコネクタから出た後に混合チャンバ内で融合または混合するように、Yコネクタに取り付けられる。一部の実施形態では、混合チャンバが、1から20個の混合要素など、混合度を決定する、いくつかの混合要素を含む。一部の実施形態では、針および/またはカテーテルが、混合チャンバに取り付けられる。
【0214】
一部の実施形態では、装置はカテーテルもしくは針、または両方の組み合わせを含み、それによって、生体材料を押し出すことができる。カテーテルもしくは針、または組み合わせは、所望の用途、移植の場所、生体材料の化学的性質(例えば、粘度)、ならびに所望の注入体積、スピード、および力に基づいて選ばれる。針および/またはカテーテルは、皮下、経皮、または膣内に生体材料を送達するように構成される。一部の実施形態では、装置は、針で覆うカテーテルまたはカテーテルで覆う針を含む。最大針サイズ/ゲージは、外的刺激を受ける血管、管、または臓器の内腔によって決定され、結果として、正確なカテーテル、針、または器具のサイズは、ある特定の用途に対して適切な形状およびサイズである限り、重大ではない。計測された針および/またはカテーテルは、例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmを含む、約100umと5mmとの間に及ぶ直径を有することができる。一部の実施形態では、針直径は0.3mmと1mmとの間が好ましい。一部の実施形態では、針および/またはカテーテルのサイズは、例えば、約10ゲージから34ゲージまで、もしくは約15ゲージから32ゲージまで、もしくは約20ゲージから26ゲージまで、または約22ゲージから26ゲージまでなど、約6ゲージから34ゲージまでである。一部の実施形態では、針のサイズが約21ゲージと31ゲージとの間である。一部の実施形態では、針は、極薄肉(XXTW)、極薄肉(XTW)、薄肉(TW)、または通常肉厚(RW)であり得る。例えば、標準の針サイズは、http://www.sigmaaldrich.com/chemistry/stockroom-reagents/learning-center/technical-library/needle-gauge-chart.htmlなどで容易に手に入れることができる。一部の実施形態では、針を使用して、血管の内腔内に二次カテーテルを導入する。一態様では、針またはカテーテルが、約0.1インチと15インチとの間、好ましくは、約0.8から5インチまで、または約0.4から1もしくは2もしくは3インチまでなど、約0.5インチから10インチまでの長さであり得る。一部の実施形態では、針はエコーを発生するか、または超音波で見ることができる。
【0215】
一部の実施形態では、装置は、装置で使用する成分によって、デッドボリュームで動作するように構成される。例えば、針、カテーテル、および/またはYコネクタは、約10~1,000μLのデッドボリュームを与えるように構成される。一部の実施形態では、装置は、一つ以上の開始停止周期、一つ以上のプライミングステップ、および一つ以上の移植で動作するように構成される。例えば、装置には、1回、2回、3回、4回、5回などの開始停止周期があってもよい。一部の実施形態では、一つのステップを使用して、Yコネクタ、針/カテーテル、および/または拡張管類を、前駆体溶液(複数可)でプライミングして、生体材料の注入前にデッドボリュームを排除する。
【0216】
一部の実施形態では、装置は、三つ以上の溶液または材料の組み合わせを注入するように構成される。装置は、例えば、二つの成分を装置内で混合し得るが、第3の成分は混合されないなど、成分のいずれかを混合するように構成される。一部の実施形態では、三つすべての成分が、Yコネクタ、もしくは針/カテーテルハブ、または拡張管類の中でなど、同じ場所で融合できる。一部の実施形態では、装置が、カテーテルシステムを通る流体の導入を可能にする、サブシステムを含む。一部の実施形態では、装置が流体リザーバを含むか、または別個の流体リザーバが装置に流体連結する。
【0217】
一部の実施形態では、デバイスは、固形物、液体、および気体など異なる状態の物質の一つ以上の組み合わせを、基礎となる必要ないかなる組み合わせまたは順番でも送達するように構成される。一部の実施形態では、デバイスは、針/カテーテル/管類を通って空気を送達するのに続き、複数の溶液を注入する。別の態様では、デバイスは、生理食塩水または注射用水などの液体を送達するのに続き、生体材料を注入することができる。一実施形態では、デバイスから押し出される生体材料は、ハイドロゲルである。
【0218】
一部の実施形態では、装置の動作パラメータを最適化して、一貫したおよび/または制御された注入を行う。これらのパラメータには、注入の速さ、注入する体積、押出力のピーク、シリンジの中のピーク圧力、プランジャが移動する距離、プランジャのスピード、およびプランジャの加速度を含むが、これらに限定されない。動作パラメータが、ある特定の用途に対して変更されると、結果として生じる生体材料の注入および送達が変更される。例えば、移植片の長さ、幅、および体積、移植片のゲル化速度、移植片の形状、ならびに移植片が周辺組織とどのように反応するかを含むが、これらに限定されない、生体材料(例えば、ハイドロゲルまたは移植片)の化学的、機械的、および/または生物学的性質は、動作パラメータに基づいて変更することができる。移植片の長さは、男性避妊用の精管の遮閉法に対してなど、デバイスの有効性に直接影響を与え得る。
【0219】
一部の実施形態では、注入の速さは、約pL/minから150mL/minまで、より好ましくは、1~10,000μL/minに及ぶ。
【0220】
一部の実施形態では、注入の速さは一定である(ユーザによって調整できない)か、または一定でない(調整できる)。一部の実施形態では、その時間は一定である(調整不可能)か、または一定でない(調整可能)。それゆえ、速さおよび/もしくは時間の長さ、または両方は、注入体積を正確に制御するように、ユーザによって操作または設定することができる。一実施形態では、注入される体積は、1μLから100mLに及んでもよい。生体材料を、サイズおよび/もしくは直径に制限がある、管、血管、または組織の中に移植している用途では、約1μLから1,000μLに及ぶ、より小さい体積がより好ましい場合がある。注入体積は、組織または血管の破裂を防止するように、最適化されてもよい。精管(IDが約0.5から0.8mmに及ぶ)を閉塞するには、好ましい注入体積は約1μLから200μLまでである。
【0221】
一部の実施形態では、装置がシリンジプランジャにかける必要のある、押出力のピークは、約0.1から20lbFに及ぶ。必要とする力は、溶液の粘度、シリンジのタイプ(例えば、製造業者、長さ、内径)、プランジャ、シリンジおよび/もしくはプランジャの潤滑、ならびに針の内径を含むが、これらに限定されない因子に依存する。一部の実施形態では、押出力のピークが10lbFを下回る。一部の実施形態では、シリンジ(複数可)のピーク圧力が、約0.1から20mmHgに及ぶ。一部の実施形態では、プランジャが移動する距離が、約0.1から20cmに及ぶ。何らかの実施形態では、プランジャが、0.1から10mm/secに及ぶスピードで移動する。
【0222】
一部の実施形態では、装置は、プライミングまたは注入ステップの前に、デバイス内で溶媒(例えば、溶解液)を粉末(例えば、ポリマー)に追加するように構成される。例えば、ポリマー粉末を包含するシリンジ、バイアル、またはアンプルなどの容器は、装置内の溝の中に充填され、ボタンおよび/またはトリガを押すと、装置が容器を溶液で満たして、粉末を溶解する。一部の実施形態では、キャリア液を、送達の前に固形物または脱水体に追加する。一部の実施形態では、キャリア液との脱水体の溶解または水和は、ユーザがボタン、スイッチ、またはトリガを押すことによって開始され、その後、ユーザはプライミングおよび注入ステップを行うことができる。一部の実施形態では、固形物およびキャリア溶媒を混合した後、装置は、プライミングおよび/または注入ステップを行う前に、液体および固形物の混合から生成された空気を脱気または除去するように構成される。
【0223】
一部の実施形態では、生体材料には、ポリスチレン、ネオプレン、ポリエーテルエーテル10ケトン(PEEK)、炭素強化PEEK、ポリフェニレン、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON(登録商標))、TEFLON(登録商標)TFE(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレンテレフタレート(PETまたはPETE)、TEFLON(登録商標)FEP(フッ素化エチレンプロピレン)、TEFLON(登録商標)PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、および/もしくはポリメチルペンテン(PMP)スチレンマレイン酸無水物などのフッ素ポリマー、スチレンマレイン酸(SMA)、ポリウレタン、シリコーン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ(カーボネート-ウレタン)、ポリ(ビニルアセテート)、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ウレタン、ウレタン/カーボネート、ポリ乳酸、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミン)(PNIPAM)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(メチレンオキシド)、ポリ(エチル(ヒドロキシエチル)セルロース)、ポリ(2-エチルオキサゾリン)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコリド)PLGA、ポリ(e-カプロラクトン)、ポリジアキサノン(polydiaoxanone)、ポリ酸無水物、トリメチレンカーボネート、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(g-エチルグルタミン酸)、ポリ(DTH-イミノカーボネート)、ポリ(ビスフェノールAイミノカーボネート)、ポリ(オルトエステル)(POE)、ポリシアノアクリレート(PCA)、ポリホスファゼン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはその派生物のいずれか、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアクリレート(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリグリコール酸-乳酸(PGLA)、ポリ(2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)(pHPMAm)、ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)、PEGジアクリレート(PEGDA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)、ポリオキサゾリン(POx)、ポリ(ビニルアルコール)ポリ(アクリル酸)(PVOH-PAA)、コラーゲン、絹、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン、セルロース、キチン、デキストラン、カゼイン、アルブミン、オボアルブミン、ヘパリン硫酸、デンプン、寒天、ヘパリン、アルギン酸、フィブロネクチン、フィブリン、ケラチン、ペクチン、エラスチン、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリエチレンオキシド、PLLAもしくはPlLA(ポリ(L-ラクチド)もしくはポリ(L-乳酸))、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリジメチルシロキサンもしくはジメチコン(PDMS)、ポリ(イソプロピルアクリレート)(PIPA)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、PEGスチレン、TEFLON(登録商標)RFEもしくはKRYTOX(登録商標)RFEなどのポリテトラフルオロエチレンRFE、フッ素化ポリエチレン(FLPEまたはNALGENE(登録商標))、パルミチン酸メチル、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(NIPA)などの温度応答性ポリマー、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリカプロラクトン、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチレン、ニトロセルロース、医療用シリコーン、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン(PLCL)、および/またはキトサンなど、天然または合成モノマー、ポリマー、もしくはコポリマー、生体適合性モノマー、ポリマー、もしくはコポリマーのうちの一つ以上を含む。
【0224】
一部の実施形態では、ポリマー成分(複数可)用の溶解液は、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、ヒスチジン、乳酸塩、トロメタミン、グルコン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸、フマル酸、αケトグルタル酸、および/または炭酸塩の水性緩衝液(pH範囲1~14)であってもよい。非水溶媒には、ジメチルイソソルビド、グリコフロー75、PEG200、ジグリム、テトラヒドロフルフリルアルコール、エタノール、アセトン、ソルケタール、グリセロールホルマール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、乳酸エチル、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、メタノール、イソプロパノール、1,4-ブタンジオール、酢酸エチル、トルエン、アセトニトリルを含む。一部の実施形態では、ポリマー成分を溶解すると、生体材料を構成する溶液(複数可)の粘度が、0.1から250,000cPに及んでもよい。溶液の密度は、0.1から20,000kg/m3に及んでもよい。押し出し中の温度は、2から45℃に及んでもよい。溶液(複数可)のpHは1~14に及んでもよい。溶液(複数可)のイオン強度は、1nMから70Mに及んでもよい。
【0225】
一部の実施形態では、二つの成分を注入して、生体材料を形成する場合、成分の比率は、1:1、:1、1:2、3:1、1:3、4:1、1:4、および最大10:1または1:10など、変わってもよい。生体材料のゲル化の速さは、約0.001秒から60分に及んでもよい。形成される生体材料の長さは、約0.1から60cmに及んでもよい。形成される生体材料の体積は、約0.001から100mLに及んでもよい。
【0226】
一部の実施形態では、生体材料が移植空間内で膨潤して、その設置をロックまたは固定する。例えば、ハイドロゲルの形態である生体材料が、その初期体積の約1.5倍~10倍に膨潤してもよい。一部の実施形態では、押し出された生体材料は、注入される空間に適合する。一部の実施形態では、生体材料の膨潤は、移植空間内の体積を変化させず、さもなければ移植空間の体積に適合するように収縮する。一部の実施形態では、装置は、予め形成された生体材料(生体内原位置で架橋も、形成も、ゲル化もしない)を注入する。注入すると、生体材料は移植空間と反応してもよく、またはしなくてもよい。反応が起こる場合、それは共有または非共有であり得る。一部の実施形態では、生体材料が、移植空間内に接着して反応する。
【0227】
電子制御システム2200が、特定のモジュールを含むと示しているものの、他の実施形態では、電子制御システム2200(または本明細書に記載する電子制御システムのうちのいずれか)は、
図8および9に示すものとは異なる、モジュールまたは部品を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載する電子制御システムのいずれもが、例えば、ネットワークモジュールなど、いかなる他の好適なモジュールを含むことができる。ネットワークモジュールによって、ネットワーク(例えば、インターネット)を介する、電子制御システムと他のリモートコンピューティングデバイスとの通信を促進することができる。
【0228】
様々な実施形態について、ある特定の特徴および/または構成要素の組み合わせを有すると記載してきたが、必要に応じて、他の実施形態は、実施形態のいずれからのいかなる特徴および/または構成要素の組み合わせをも有することが可能である。例えば、本明細書に示し記載するデバイスのいずれも、本明細書に記載するような電子制御システム2200に類似する、電子制御システムを含むことができる。