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特許7582949ハイブリッド車内スピーカ及びヘッドフォンベースの音響拡張現実システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ハイブリッド車内スピーカ及びヘッドフォンベースの音響拡張現実システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20241106BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241106BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H04R3/00 310
B60R11/02 B
B60R11/02 C
B60R11/02 M
B60R11/02 S
H04R3/00 320
H04R3/12 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021536786
(86)(22)【出願日】2020-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 US2020012039
(87)【国際公開番号】W WO2020142597
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】62/787,981
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512168283
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィントン, ライリー
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィグ, クリストファー
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-080886(JP,A)
【文献】特開2006-115368(JP,A)
【文献】特開2018-142841(JP,A)
【文献】特開2015-101332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内オーディオシステムであって、
車室内から内部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの内部マイクロフォンと、
車室内に配置され、オーディオ信号をドライバに送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、
第1の車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を関連付けられた乗員に送信するように構成された少なくとも1つの第1のヘッドセットと、
前記車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの内部マイクロフォンから前記内部オーディオ信号を受信し、前記少なくとも1つの外部マイクロフォンから前記外部オーディオ信号を受信することと、
前記内部オーディオ信号を前記少なくとも1つの車両スピーカに、及び前記少なくとも1つの第1のヘッドセットに送信して、前記ドライバと少なくとも1人の乗員との間の会話を容易にすることと、
前記外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定することであって、判定することは、前記外部オーディオ信号と既知のオーディオ信号のデータベース内の各既知のオーディオ信号との比較に基づく、ことと、
トリガコマンドを受信することであって、前記トリガコマンドは、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を介して受信されるコマンドを含み、前記第1のヘッドセットは、複数のヘッドセットを含み、前記トリガコマンドは、前記複数のヘッドセットのうちのどのヘッドセットが前記内部オーディオ信号を受信するかを示す、ことと、
前記アラート信号を含む前記外部オーディオ信号に応答して、前記内部オーディオ信号の前記車両スピーカ及び前記複数のヘッドセットのうちの前記示されたヘッドセットへの送信を停止し、前記アラート信号を前記車両スピーカ及び前記複数のヘッドセットのうちの前記示されたヘッドセットに送信することと
を実行するようにプログラムされている、プロセッサと
を含む、車内オーディオシステム。
【請求項2】
前記アラート信号が、緊急事態に関係する可聴音を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アラート信号が可聴サイレンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第2の車両乗員に関連付けられた第2のヘッドセットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記内部オーディオ信号を前記第1のヘッドセット及び前記第2のヘッドセットに送信するようにプログラムされている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
車内オーディオシステムであって、
第1の車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を前記第1の車両乗員に送信するように構成された第1のヘッドセットと、
前記車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、
オーディオ信号を送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、
前記車両内から取得した内部オーディオ信号を少なくとも1つの車両スピーカに送信することと、
前記少なくとも1つの外部マイクロフォンから前記外部オーディオ信号を受信することと、
前記外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定することであって、判定することは、前記外部オーディオ信号と既知のオーディオ信号のデータベース内の各既知のオーディオ信号との比較に基づく、ことと、
トリガコマンドを受信することであって、前記トリガコマンドは、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を介して受信されるコマンドを含み、前記第1のヘッドセットは、複数のヘッドセットを含み、前記トリガコマンドは、前記複数のヘッドセットのうちのどのヘッドセットが前記内部オーディオ信号を受信するかを示す、ことと、
前記アラート信号を含む前記外部オーディオ信号に応答して、前記車両スピーカ及び前記複数のヘッドセットのうちの前記示されたヘッドセットで前記内部オーディオ信号を中断して、前記外部オーディオ信号を送信することと
を実行するようにプログラムされている、プロセッサと
を含む、車内オーディオシステム。
【請求項7】
前記アラート信号が、緊急事態に関係する可聴音を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アラート信号が可聴サイレンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の車両乗員とは異なる第2の車両乗員に関連付けられた少なくとも1つの第2のヘッドセットをさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のヘッドセットが車両のドライバに関連付けられ、前記プロセッサが、前記外部オーディオ信号を、前記少なくとも1つの第2のヘッドセットにではなく、前記ドライバに関連付けられた前記第1のヘッドセットにのみ送信するようにさらにプログラムされている、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年1月3日に出願された米国仮出願第62/787,981号の利益を主張し、その開示は、本明細書で参照することによりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本明細書に開示されるのは、ハイブリッド車内スピーカ及びヘッドフォンベースの音響拡張現実システムである。
【背景技術】
【0003】
多くの場合、車両には、車載ラジオ、映画を見るためのスクリーン、ヘッドフォン、空間オーディオシステムなどを含む様々なインフォテインメントシステムが装備されている。多くの場合、車両には複数の乗員が乗っており、それぞれが異なるインフォテインメントシステムを使用したいと考えている。しかしながら、車両内の既存のラウドスピーカ技術は、様々な乗員の間でコンテンツを分離することを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
車内オーディオシステムは、車室内からの内部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの内部マイクロフォンと、車室内に配置され、オーディオ信号をドライバに送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を関連付けられた乗員に送信するように構成された、少なくとも1つの第1のヘッドセットと、車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、プロセッサであって、少なくとも1つの内部マイクロフォンから内部オーディオ信号を受信し、少なくとも1つの外部マイクロフォンから外部オーディオ信号を受信し、内部オーディオ信号を少なくとも1つの車両スピーカに、及び少なくとも1つの内部マイクロフォンに送信して、ドライバと少なくとも1人の乗員との間の会話を容易にし、外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定し、アラート信号を含む外部オーディオ信号に応答して、内部オーディオ信号の車両スピーカへの送信を停止し、アラート信号を車両スピーカに送信する、ようにプログラムされたプロセッサと、を含むことができる。
【0005】
車内オーディオシステムは、第1の車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を第1の車両乗員に送信するように構成された第1のヘッドセットと、車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、オーディオ信号を送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、プロセッサであって、車両内から取得した内部オーディオ信号を少なくとも1つの車両スピーカに送信し、少なくとも1つの外部マイクロフォンから外部オーディオ信号を受信し、外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定し、アラート信号を含む外部オーディオ信号に応答して、車両スピーカで内部オーディオ信号を中断して、外部オーディオ信号を送信する、ようにプログラムされたプロセッサと、を含むことができる。
【0006】
車内オーディオ方法は、少なくとも1つの内部マイクロフォンから内部オーディオ信号を受信することと、それぞれが車両乗員に関連付けられている複数のヘッドセット及びスピーカのサブセットのどれに内部オーディオ信号を送信するかの識別を含む、少なくとも1つのトリガコマンドを受信することと、トリガコマンドに応答して、内部オーディオ信号をヘッドセット及びスピーカのサブセットに送信することとを含むことができ、ヘッドセット及びスピーカのサブセットのうちの少なくとも1つは、車載スピーカである。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
車内オーディオシステムであって、
車室内から内部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの内部マイクロフォンと、
車室内に配置され、オーディオ信号をドライバに送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、
第1の車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を関連付けられた乗員に送信するように構成された少なくとも1つの第1のヘッドセットと、
前記車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、
プロセッサであって、
前記少なくとも1つの内部マイクロフォンから前記内部オーディオ信号を受信し、前記少なくとも1つの外部マイクロフォンから前記外部オーディオ信号を受信し、
前記内部オーディオ信号を前記少なくとも1つの車両スピーカに、及び前記少なくとも1つの内部マイクロフォンに送信して、前記ドライバと少なくとも1人の乗員との間の会話を容易にし、
前記外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定し、
前記アラート信号を含む前記外部オーディオ信号に応答して、前記内部オーディオ信号の前記車両スピーカへの送信を停止し、前記アラート信号を前記車両スピーカに送信する、
ようにプログラムされた前記プロセッサと、
を含む、前記車内オーディオシステム。
(項目2)
前記アラート信号が、緊急事態に関係する可聴音を含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記アラート信号が可聴サイレンを含む、項目1に記載のシステム。
(項目4)
第2の車両乗員に関連付けられた第2のヘッドセットをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記プロセッサが、前記内部オーディオ信号を前記第1のヘッドセット及び前記第2のヘッドセットに送信するようにプログラムされている、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記プロセッサはトリガコマンドを受信するようにさらにプログラムされており、前記第1のヘッドセットは複数のヘッドセットを含み、前記トリガコマンドは、前記複数のヘッドセットのどれが前記内部オーディオ信号を受信するかを示す、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記トリガコマンドが可聴コマンドである、項目6に記載のシステム。
(項目8)
車内オーディオシステムであって、
第1の車両乗員に関連付けられ、オーディオ信号を前記第1の車両乗員に送信するように構成された第1のヘッドセットと、
前記車両の外部から取得された外部オーディオ信号を受信するように構成された少なくとも1つの外部マイクロフォンと、
オーディオ信号を送信するように構成された少なくとも1つの車両スピーカと、
プロセッサであって、
前記車両内から取得した内部オーディオ信号を少なくとも1つの車両スピーカに送信し、
前記少なくとも1つの外部マイクロフォンから前記外部オーディオ信号を受信し、
前記外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定し、
前記アラート信号を含む前記外部オーディオ信号に応答して、前記車両スピーカで前記内部オーディオ信号を中断して、前記外部オーディオ信号を送信する、
ようにプログラムされた前記プロセッサと、
を含む、前記車内オーディオシステム。
(項目9)
前記アラート信号が、緊急事態に関係する可聴音を含む、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記アラート信号が可聴サイレンを含む、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記プロセッサは、複数の既知のアラート音を受信し、前記外部オーディオ信号を前記既知のアラート音と比較して、前記外部オーディオ信号がアラート信号を含むかどうかを判定する、ようにさらにプログラムされている、項目8に記載のシステム。
(項目12)
前記第1の車両乗員とは異なる第2の車両乗員に関連付けられた少なくとも1つの第2のヘッドセットをさらに含む、項目8に記載のシステム。
(項目13)
前記第1のヘッドセットが車両のドライバに関連付けられ、前記プロセッサが、前記外部オーディオ信号を、前記少なくとも1つの第2のヘッドセットにではなく、前記ドライバに関連付けられた前記第1のヘッドセットにのみ送信するようにさらにプログラムされている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
車内オーディオ方法であって、
少なくとも1つの内部マイクロフォンから内部オーディオ信号を受信することと、
複数のヘッドセット及びスピーカのサブセットのどれに前記内部オーディオ信号を送信するかの識別を含む少なくとも1つのトリガコマンドを受信することであって、前記ヘッドセット及びスピーカのそれぞれは車両乗員に関連付けられている、前記受信することと、
前記トリガコマンドに応答して、前記内部オーディオ信号をヘッドセット及びスピーカの前記サブセットに送信することであって、ヘッドセット及びスピーカの前記サブセットのうちの少なくとも1つは車載スピーカである、前記送信することと、
を含む、前記車内オーディオ方法。
(項目15)
前記トリガコマンドが、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)を介して受信されるコマンドを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記トリガコマンドが可聴コマンドである、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記内部オーディオ信号が、前記少なくとも1つの内部マイクロフォンから取得される人声信号を含む、項目14に記載の方法。
(項目18)
ヘッドセットの前記サブセットに含まれていない他のヘッドセットにメディア信号を継続的に送信することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記トリガコマンドが、前記内部オーディオ信号を受信する乗員のサブセットを識別する、項目15に記載の方法。
【0007】
本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲で詳細に指し示されている。しかしながら、様々な実施形態の他の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より明らかになり、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車両用の例示的なビデオオーディオシステムを示す。
図2図1のオーディオシステムの例示的なブロック図を示す。
図3】外部の音がドライバの現在のコンテンツを中断することができるオーディオシステムの例示的なプロセスを示す。
図4】内部の音が乗員の現在のコンテンツの1つを中断することができるオーディオシステムの例示的なプロセスを示す。
図5図1のシステムの代替的な図を示す。
図6図1のシステムの代替的な図を示す。
図7図1のシステムの代替的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書中に開示されるが、開示された実施形態は、様々なかつ代替の形式で具現化され得る発明の単なる例であることが理解されよう。図は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化される場合がある。したがって、本明細書に開示される具体的な構造的及び機能的詳細は、限定的と解釈されるべきではなく、単に、本発明を様々に用いるように当業者を教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0010】
本明細書において開示されるのは、内向きの車室内マイクロフォン及び外向きの車内環境マイクロフォンのネットワークを含み、コミュニケーションを強化し、環境要因に対する認識を高めるための音響拡張現実システムを提供する車両用オーディオシステムである。システムは、音声をキャプチャするために、車両内に多数またはアレイのマイクロフォンを含むことができる。乗員座席ごとにほぼ1つのマイクロフォンまたはマイクロフォンアレイを含めることができる。外部マイクロフォンは、外部環境から重要な音響シグネチャをキャプチャすることができる。各乗客は、1組の個人用ヘッドフォンを使用できる。ドライバは、車両スピーカを介してオーディオを楽しむことができる。車両のヒューマンマシンインタフェース(HMI)またはオーディオ処理ユニットは、ユーザの入力と好みを制御し、マイクロフォン信号を様々なヘッドフォン及びマイクロフォン出力にマッピングすることができる。
【0011】
このシステムは、緊急音のシグネチャ(例えば、救急車のサイレン)を検出して、ドライバの意識と認知運転タスクを支援するための適応システムも含む。システムは、事故を回避し、意識を高めるためにリアルタイムの環境音を再生するなど、外部イベントに対するドライバの意識を高めることができる。システムはまた、2人の乗員間のプライベートな会話、各乗員の個人化されたメディア、及び各乗員の会話の親の監視を可能にすることができる。システムは、これらの機能を階層化し、多くのタイプのユーザ相互作用を処理する柔軟で堅牢なシステムを提供することができる。このシステムはさらに、現在の業界最高に匹敵する高性能オーディオシステムを可能にすることができ、システムは運転席の最適化のために完全に最適化され得る。これにより、すべての座席で適切なチューニングを行うのではなく、システムがドライバに最高のリスニング体験を提供できるようすることができる。
【0012】
ドライバが車両スピーカに耳を傾けている間、残りの乗客はヘッドフォンを着用して、各乗客が選択したメディアとコンテンツでプライベートサウンドゾーンを作り出す場合がある。典型的な車両オーディオシステムは、車室全体に音響エネルギーを分配するために標準的なスピーカ技術に依存し得る。これは、異なる乗員間でコンテンツを分離するのを妨げる可能性がある。ヘッドフォンはこの問題を解決するのに役立ち得るが、外部の音が認識されるのを妨げる可能性もある。さらに、ヘッドフォンは乗員間の自然な会話を妨げる可能性がある。
【0013】
開示されたシステムでは、各乗客がヘッドフォンを介してパッシブ音響セパレーションに依存しているため、パフォーマンスの期待は、個別サウンドゾーン(ISZ)などの最新技術の「アクティブコントローラー」ソリューションと比較してはるかに優れているものであり得る。車内通信(ICC)を使用すると、乗客は音響的に離れていても、非常に自然な会話に参加できる。ドライバは既存のスピーカシステムを使用するため、カーチューニングやシステムアーキテクチャ設計の共通の専門知識を最大限に活用でき、ドライバは広大で広がりのあるサウンド体験を実現できる。ドライバのオーディオコンテンツからの一定量の「にじみ」が、他の乗客のヘッドフォンを通して漏れる可能性がある。これの一部を無効にするために、統合されたノイズキャンセルアルゴリズムが組み込まれ、すべての乗客の座席で低周波の伝播を減らすことができる。したがって、ヘッドフォンはすべての中域及び高周波数に対して高度なパッシブコントラスト(キャンセル)を提供し、システムはより対象を絞ったレートで低周波数をキャンセルできる。このシステムはより多くの自由度を提供するため、乗客のサウンドゾーン間のより良好で堅牢な分離を提供し、最終的にすべての乗客に、よりクリーンで気を散らすことのないリスニング体験を提供する。
【0014】
図1は、車両102用の例示的な車両オーディオシステム100を示す。システム100は、車両102及び遠隔ネットワーク106を含むことができる。車両102は、車両内に配置されたプロセッサ110を含むことができる。プロセッサ110は、車両のヘッドユニットまたは車両のECUに含まれてもよい。プロセッサ110は、ナビゲーション、インフォテインメント、自律車両システムなどの様々な車両システムを含むことができる。プロセッサ110は、車両102内で特定のオーディオ信号をいつどこで再生するかを判定するように構成されたオーディオシステムプロセッサ122(図2に示す)を含むことができる。車両プロセッサ110及び/またはオーディオシステムプロセッサ122はそれぞれ、様々な車両システム及びデバイスを制御するように構成されたコントローラ(図示せず)を含むことができる。プロセッサ110、122は、それぞれが本明細書に記載のプロセスのいずれかを処理できるという点で交換可能であり得る。
【0015】
車両102は、複数の内部インフォテインメントデバイス112を含むことができる。インフォテインメントデバイス112は、車室内で、聴覚的、視覚的、触覚的等のいずれかで、コンテンツをユーザに提示するように構成されたデバイスであり得る。例えば、インフォテインメントデバイス112は、車両102内に可聴音を提示するように構成された車両スピーカを含むことができる。インフォテインメントデバイス112は、情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイまたはプロジェクタを含むことができる。これらのデバイスの1つ以上がインフォテインメントデバイス112を構成することができる。例えば、インフォテインメントデバイス112は、オーディオ及びビデオ情報の両方を提供するデバイス(例えば、スピーカとディスプレイの両方)を含むことができる。車両スピーカ114は別々に示されているが、インフォテインメントデバイス112に含めることもできる。スピーカ114は、ドライバに聞こえることを意図した可聴音を発することができる。
【0016】
インフォテインメントデバイス112は、音楽、ビデオなどを含むメディアコンテンツなどのコンテンツを車両乗員に提示することができる。コンテンツは、様々な形式のインフォテインメント、アラートなどを含むことができる。一実施例では、インフォテインメントデバイス112は、特定のラジオ局、アーティスト、歌、コンテンツなどで、車両乗員によって要求されたオーディオコンテンツを表示及び再生することができる。別の実施例では、情報は、所望の目的地への運転ルートによって定義される要求されたナビゲーションコマンドを提示することができる。
【0017】
インフォテインメントデバイス112は、車両102全体の様々な場所に配置され得る。図1に示す実施例では、第1のインフォテインメントデバイス112aが車両のヘッドユニットに配置されている。第2のインフォテインメントデバイス112b及び第3のインフォテインメントデバイス112cは、後部ヘッドレストに配置され、後部の乗員から見えるように構成されている。これらの場所は単なる例である。さらに、インフォテインメントデバイス112は、乗員の電話またはタブレットなど、各乗員の携帯型パーソナルデバイスであってもよい。車両スピーカ114は、インフォテインメントデバイス112に含まれてもよいし、追加のインフォテインメントデバイス112として機能してもよい。インフォテインメントデバイス112及び車両スピーカ114は、本明細書では交換可能に使用することができ、主に車両ドライバに高品質のオーディオを提供するように構成することができる。より多くのまたはより少ないインフォテインメントデバイス112が車両に含まれてもよい。
【0018】
各乗客は、ヘッドセット116に関連付けられていてもよい。ヘッドセット116は、各乗客が他の乗員の邪魔をすることなくメディアコンテンツを楽しむことができるように、各乗客が着用するように構成された、少なくとも1つのヘッドフォンセットを含むことができる。ヘッドセット116は、他の乗員の声などの音を選択的に発するように構成することもできる。ヘッドセット116は、ワイヤレス通信を介してユーザデバイスと接続されたワイヤレスヘッドセットであり得る。ヘッドセット116は、有線接続を介してインフォテインメントデバイス112または他のユーザデバイスと接続することもできる。ヘッドセット116は、音声などのノイズを取得するように構成されたマイクロフォンを含むことができる。プロセッサ110は、オーディオ出力の品質を向上させるために、様々な信号処理、入力、好みなどを含む、各ヘッドセット116への出力を制御することができる。図1は、ヘッドセット116a、116b、116c(集合的にヘッドセット116と呼ばれる)を含む各座席位置に関連付けられたヘッドセットを示している。特に、ヘッドセットはドライバに関連付けられていない。
【0019】
車両102はまた、複数の内部マイクロフォン118a、118b、118c、118d(集合的に内部マイクロフォン118と呼ばれる)を含むことができる。内部マイクロフォン118は、車両102の内部に面していてもよく、周囲のノイズ、音声、及び他の音響イベントを取得するように構成されていてもよい。内部マイクロフォン118によって取得された内部オーディオ信号は、乗員のヘッドセット116に送信され得る。各乗員からオーディオ信号を取得するために、各乗員座席にほぼ1つの内部マイクロフォン118を含めることができる。内部マイクロフォン118は、マイクロフォンアレイを含むことができ、より多くのまたはより少ないマイクロフォンを含むことができる。図1の実施例では、内部マイクロフォン118及びヘッドセット116の1対1の比率が示されているが、より高いまたはより低い比率が認められ得る。さらに、マイクロフォン114は、マイクロフォンアレイを含んでもよい。多くの場合、このようなマイクロフォンはヘッドライナーまたはシートバックに配置される。
【0020】
車両102はまた、車両102の外部に面し、緊急車両のサイレン、交通案内及びその他の音響イベントなどの車両外部の音を取得するように構成された複数の外部マイクロフォン120a、120b、120c、120d(集合的に外部マイクロフォン120と呼ばれる)を含むことができる。外部マイクロフォン120は、車両102の周りの様々な場所に配置することができる。図1に示す実施例では、左外部マイクロフォン120a、前部外部マイクロフォン120b、右外部マイクロフォン120c、及び後部外部マイクロフォン120dが含まれていてもよい。含まれるマイクロフォンの数は増減する可能性があり、図1の各マイクロフォンの位置は例示的構成である。
【0021】
プロセッサ122は、少なくとも1つの外部マイクロフォンから外部オーディオ信号を受信し、これらの音を車両乗員の1人以上に通過させるべきかどうかを判定することができる。例えば、乗員、特にドライバが、ヘッドセットを介して音楽を聞いている場合、プロセッサ122は、緊急車両からのサイレンをドライバに通過させるべきだと判定して、ドライバのヘッドセット116aを介して音を発することができる。
【0022】
図示されていないが、車両102は、コネクテッドカーまたはコネクテッド車両テレマティックスを介して促進される1つ以上のシステムを含むコネクテッド車両システムを含むことができる。これらのシステムには、別のモバイルデバイス(通常はドライバのモバイルデバイス)で利用できる機能が含まれている場合がある。車両102のプロセッサ110は、モバイルデバイス(図示せず)とワイヤレスで通信して、ドライバのカレンダー、ナビゲーションシステム、GPSアンテナなどのモバイルデバイス内のデータにアクセスすることができる。データには、音楽、写真など、ドライバのモバイルデバイスに固有でローカルなデータが含まれる場合がある。データには、気象情報、交通情報などの外部ソースから提供される動的データも含まれる場合がある。このデータは、車両のドライバにとって一般的に関心のある事例に関係する場合があり、情報がドライバに渡されるべきであることをプロセッサ122に示すことができる。コネクテッド車両システムに加えて、またはそれに代えて、プロセッサ110は、ネットワーク106、他のモバイルデバイスなどからデータを受信することができる。
【0023】
図2は、図1の車両オーディオシステム100の例示的なブロック図を示す。プロセッサ122は、外部マイクロフォン120及び内部マイクロフォン118からオーディオ信号を受信することができる。プロセッサ122は、これらの信号を車両乗員の1人以上に通過させるべきかどうかを判定することができる。一実施例では、プロセッサ122は、外部オーディオ信号がサイレンなどのアラートを含むかどうかを判定することができる。そうである場合、プロセッサ122は、この音を車両スピーカ114に通過させるが、乗客のヘッドセット116には通過させないようにできる。別の実施例では、プロセッサ122は、ドライバと前部座席の乗客との間でプライベートな会話が行われていると判定することができる。この実施例では、内部マイクロフォン118によって取得された音声信号は、第1及び第2のヘッドセット116a、116bに通過するが、残りのヘッドセット116c、116dには通過しない。この実施例では、後部座席の乗員は、中断されることなく、それぞれのメディアコンテンツを楽しむことができる。
【0024】
さらに別の実施例では、親の乗員は、子供の乗員間の会話を聞いて監視することを選択することができる。親は、インフォテインメントデバイス112またはHMIを介して、それぞれの乗員の声を聞くことを選択することができる。この実施例では、その乗員と関連付けられた内部マイクロフォン118から取得した音声信号は、親のヘッドセット116及び/又はドライバスピーカ114aへ通過させることができる。
【0025】
乗員が内部マイクロフォン118によって拾われた内部オーディオを聞くことを選択する例では、乗員はインフォテインメントデバイス112、または自分のスマートフォン、タブレットなどの他のデバイスでそのような選択を行うことができる。これは、インフォテインメントデバイス112、車両ディスプレイ、または乗員のパーソナルデバイスのいずれかのタッチスクリーンを介して行うことができる。別の実施例では、音声コマンドを与えることにより、聞こえるように選択を行うことができる。例えば、乗員は「後部の乗員の会話を聞く」または「ドライバとのプライベートな会話を開始する」と言うことができる。
【0026】
図3は、オーディオシステム100の例示的プロセス300を示しており、外部の音がドライバの現在のコンテンツを中断することができる。プロセス300は、プロセッサ122が外部マイクロフォン120から外部オーディオ信号を受信するブロック305で開始することができる。
【0027】
ブロック310において、プロセッサ122は、外部オーディオ信号がアラートを含むかどうかを判定することができる。プロセッサは、サイレンやアナウンスなどの特定のアラートに似た音のオーディオ信号を分析することによってこれを判定することができる。音は、プロセッサ122が緊急時の状況で通常聞こえる音として認識することに応答して、アラート信号として分類される。プロセッサ122は、既知の音のデータベースと通信することができ、それにより、オーディオ信号の特定の特性が既知のアラート音の特性と比較される。それに加えて、または代替として、プロセッサ122は、特定の音を学習する自己学習及び適応能力を含むことができる。
【0028】
外部オーディオ信号がアラート音を含むとプロセッサ122が判定した場合、プロセスはブロック315に進む。そうでない場合、プロセス300はブロック305に進む。
【0029】
ブロック315において、プロセッサ122は、外部オーディオ信号を車両スピーカの1つに送信することができる。この実施例では、外部オーディオ信号は、ドライバの車両スピーカ114にのみ送信することができ、乗客のヘッドセット116には送信されない。プロセッサ122は、アラート音が外部オーディオ信号内でもはや認識されなくなると、車両スピーカ114をその通常のコンテンツに戻すことができる。プロセス300は次いで終了することができる。
【0030】
図4は、内部の音が乗員の現在のコンテンツの1つを中断することができるオーディオシステム100の例示的プロセス400を示す。プロセス400は、プロセッサ122が内部マイクロフォン118から内部オーディオ信号を受信するブロック405で開始することができる。
【0031】
ブロック410で、プロセッサ122は、乗員の1人からトリガコマンドが受信されたかどうかを判定することができる。トリガコマンドは、インフォテインメントデバイス112でタッチスクリーンで開始されるコマンド、または内部マイクロフォン118によって認識される可聴コマンドを含むことができる。内部マイクロフォン118によって受信されると、プロセッサ122によってトリガコマンドとして認識され得る、トリガワードなどの可聴トリガコマンドなどの、他の形態のトリガコマンドも含まれ得る。例えば、ドライバは「前部の乗客と会話モードに入る」と言うことができる。トリガコマンドが受信された場合、プロセス400はブロック415に進む。そうでない場合、プロセス400はブロック405に進む。
【0032】
ブロック415において、プロセッサ122は、トリガコマンドによって示される選択されたオーディオ信号を関連するヘッドセットに送信することができる。すなわち、乗客がドライバとの会話を希望する場合、乗員及びドライバに関連する内部マイクロフォン118によって検出されたオーディオ信号は、他のそれぞれのヘッドセットに送信され、会話を各ヘッドセットで聞くことができる。プロセス400は次いで終了することができる。
【0033】
プロセス300とプロセス400の両方が同時に発生してもよい。プロセッサ122は、コマンドの階層を維持することができ、いくつかの実施例では、アラートを含む外部オーディオ信号が、内部オーディオ信号に関して乗員が行ったコマンドに優先することができる(例えば、ドライバが乗員との会話を選択した場合でも、サイレンはドライバに送信され得る)。
【0034】
図5は、図1のシステム100の代替的な図を示す。図1と同様に、複数のマイクロフォン及びスピーカが車両の内部及び外部に配置されている。この実施例では、内部スピーカ114は、第1のスピーカ114a、第2のスピーカ114b、第3のスピーカ114c、及び第4のスピーカ114d(まとめてスピーカ114と呼ばれる)として具体的にラベル付けされている。車両オーディオシステムは、4つのチャネルと4つのスピーカだけを使用することができるが、これは単なる例示であり、他の数のチャンネルとスピーカが含まれてもよい。
【0035】
プロセッサ122は、オーディオ信号をミキシング、チューニング、及び増幅し、オーディオ信号をスピーカ114及びヘッドセット116に提供するように構成されたデジタル信号プロセッサであり得る。左前部乗員ミキサ144は、車両102内に配置することができる。運転席の近くに示されているが、ミキサ144は、車両内のどこにでも配置することができ、ドライバのリスニング体験のためのオーディオ信号を生成するように構成することができる。例えば、ミキサ144は、外部オーディオ信号に基づいて高品質オーディオ信号を生成して、ドライバにアラートノイズを発することができる。ミキサ144はまた、車両内のドライバの特定の位置において、ドライバのためのアクティブノイズキャンセルに基づいて高品質の音楽オーディオを生成することができる。他の乗員は、それぞれのヘッドセット116を介してオーディオ信号を受信している可能性が高いため、車両スピーカ114によって生成されるオーディオ信号は、ドライバの位置及び好みに焦点を合わせて、ドライバ固有のリスニング体験を生み出すことができる。
【0036】
図6は、図1のシステム100の代替的な図を示す。この図では、図5のそれと同様に、ミキサが左前部の乗員つまりドライバの位置に配置されている。残りの乗員の位置は、ヘッドフォンに関連付けられている。この実施例では、ドライバは、上記のように、特定のアラート信号を含む外部オーディオ信号を受信することができる。残りの乗員は、アラート信号に煩わされることなく、それぞれのヘッドセット116を介してオーディオ信号を楽しむことができる。
【0037】
図7は、図1のシステム100の代替的な図を示す。この図では、ドライバと助手席の乗客はプライベートな会話をしていてもよい。後部座席の乗員は、音響的に隔離されていてもよい。図7の例では、第1のマイクロフォン118aは、ドライバが発するオーディオ信号(例えば、音声信号)を拾うことができる。第2のマイクロフォン118bは、前部の乗員からの音声信号を拾うことができる。プロセッサ122は、各信号に対してデジタル処理を実行し、前部の乗員からの音声信号をドライバスピーカ114aに送信し、ドライバからの音声信号を前部の乗員に関連付けられた第1のヘッドセット116aに送信することができる。したがって、前部の乗員は、ドライバとの会話に関係するオーディオを自分のヘッドセットを通じて受信することができ、一方、ドライバは、車両スピーカ114でオーディオを受信することができる。したがって、前部の乗員は会話を続けることができる一方で、後部の乗員は音響的に隔離されている。
【0038】
特に、図6図7は相互に排他的な例ではない。外部マイクロフォン120によってアラート信号が検出された場合、アラート信号は、スピーカ114を介してドライバに渡され得る。つまり、緊急車両が発するサイレンなどの着信アラートによって、ドライバのオーディオや会話が中断される可能性がある。
【0039】
本明細書に記載されるコンピューティングデバイスは、一般に、コンピュータ実行可能命令を含み、命令は、上に挙げられたものなどの、1つ以上のコンピューティングデバイスまたはハードウェアデバイスによって実行可能であり得る。コンピュータ実行可能命令は、限定するものではないが、Java(登録商標)、C、C++、Visual Basic、Java(登録商標) Script、Perlなど、単独または組み合わせのいずれかの様々なプログラミング言語及び/またはテクノロジを使用して作成されたコンピュータプログラムからコンパイルまたは解釈することができる。一般に、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)は、例えば、メモリ、コンピュータ可読媒体などから命令を受け取り、これらの命令を実行し、それにより、本明細書に記載されているプロセスの1つ以上を含む1つ以上のプロセスを実行する。そのような命令及び他のデータは、様々なコンピュータ可読媒体を使用して格納及び送信することができる。
【0040】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態が本発明のあらゆる可能な形式を記載することは意図されない。むしろ、本明細書で用いられた単語は限定ではなく説明のための単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更が成され得ることが理解される。さらに、様々な実装する実施形態の特徴は組み合わされて本発明のさらなる実施形態を形成し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7