(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】過剰増殖性疾患を治療するための1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 253/06 20060101AFI20241106BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20241106BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20241106BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20241106BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241106BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20241106BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C07D253/06
C07D403/10
C07D403/12 CSP
C07D401/10
A61P43/00 121
A61P43/00 105
A61P35/00
A61K45/00
A61K31/53
A61K31/5377
(21)【出願番号】P 2021544608
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2020052287
(87)【国際公開番号】W WO2020157194
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-21
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(73)【特許権者】
【識別番号】515236259
【氏名又は名称】ザ・ブロード・インスティテュート・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ニコラウス・グラドル
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・エラーマン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・リーナウ
(72)【発明者】
【氏名】シャルロッテ・クリスティーネ・コーピッツ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ランゲ
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・テルシュテーゲン
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ・ズュルツレ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・エー・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ハイディ・グルーリック
(72)【発明者】
【氏名】シャオユン・ウ
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150654(WO,A1)
【文献】特開昭60-001171(JP,A)
【文献】特表2016-512520(JP,A)
【文献】C.G.WERMUTH編,『最新 創薬化学 上巻』,株式会社テクノミック,1998年08月15日,235-271頁,13章 等価置換に基づく分子の変換
【文献】野崎正勝 等,創薬化学,第1版,株式会社化学同人,1995年,pp.98-99
【文献】Synleft,2017年,28,p.456-460
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2は、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3は、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化2】
基、
【化3】
基、
【化4】
基、
アミノ基、ハロゲン原子およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
NR
5R
6基、ならびに
【化5】
基
であり、
R
4は、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5は水素原子であり、
R
6は、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される)
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項2】
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化6】
基、
【化7】
基、
【化8】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
NR
5R
6基、ならびに
【化9】
基
であり、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
請求項1に記載の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項3】
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が
、3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化10】
基、
【化11】
基、
【化12】
基、3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基
、2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-(CH
2)
2-O-CH
3基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化13】
基、NH-シクロペンチル基から選択され、
R
4が、水素原子またはメチル基である、
請求項1に記載の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項4】
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
トリフルオロメチル基で置換されている5~6員ヘテロアリール基、
ヒドロキシ基またはC
1~C
3-アルキル基で置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
C
1~C
3-アルキル基およびヒドロキシ基から選択される1つまたは2つの基で場合により置換されているC
4~C
6-ヘテロシクロアルキル基、
ならびに
NR
5R
6基
から選択され、
R
4がメチル基であり;
R
5が水素原子であり;
R
6が、
それ自体がヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびヒドロキシ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
である、
請求項1に記載の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項5】
R
1がトリフルオロメチル基であり、
R
2が水素原子であり、
R
3が、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、-NH-シクロペンチル基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-イル基および3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基から選択され、
R
4がメチル基である、
請求項1または2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項6】
以下から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物:
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(IV)の中間体化合物:
【化14】
(式中、R
1、R
2およびR
3は請求項1に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、R
3に含まれる官能基は場合により適切に保護されており、Pgはアミン基のための保護基を意味する)
を、
ステップ1)において:H
2NNHCOOCH
3と、酸性条件下、アルコール性溶液中で、および
ステップ2)において:ジクロロメタン(DCM)中トリフルオロ酢酸(TFA)と、0℃~20℃で;および
ステップ3)において:塩基性条件下、室温で
反応させ、
場合により任意のまだ保護されている官能基を脱保護し、
それによって、一般式(I)の化合物
【化15】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は、請求項1から6のいずれか一項に定義される通りである)
を得るステップを含む方法。
【請求項8】
ステップ3)における塩基性条件が、NaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOHの存在下で、20℃である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
場合によりエナンチオマーまたはジアステレオ異性体を分離するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
・請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物である、1種または複数の第1の有効成分、および
・抗がん剤である1種または複数のさらなる有効成分、
を含む医薬組み合わせ
物。
【請求項12】
請求項9または10に記載の医薬組成物を調製するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を含む、疾患を治療または予防するための医薬組成物。
【請求項14】
前記疾患が過剰増殖性疾患である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記過剰増殖性疾患が、がん疾患である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記がん疾患が、脳がん、子宮頸がん、皮膚がんおよび卵巣がんから選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
一般式(IV)の化合物:
【化16】
(式中、R
1、R
2およびR
3は請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Pgはアミン基のための保護基を意味する)。
【請求項18】
請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製するための、
一般式(IV)の中間体化合物
【化17】
(式中、R
1、R
2およびR
3は請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Pgはアミン基のための保護基を意味する)
の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書に記載および定義される一般式(I)のトリアジン-3(2H)-オン化合物、それらの調製方法および中間体、医薬組成物、前記化合物を含む組み合わせ、およびそれらの使用を含む。
【背景技術】
【0002】
がんにより、毎年米国では55万人以上および世界では800万人以上が死亡している。小分子、組織特異的増殖要件に影響を及ぼす分子、および免疫調節剤を含む新しい薬剤は、がんがユニークなゲノム変異または他の特徴を有する患者のサブセットに利益をもたらすことが示されている。残念なことに、多くのがん患者が有効な治療選択肢がないまま残されている。
【0003】
新しい抗がん剤を識別するための1つのアプローチは、がん細胞株間で強力な選択性を示す新規な小分子を発見するための表現型スクリーニング、引き続いて薬物反応に関連する細胞の特徴を識別するための予測的ケモゲノミクスである。1990年代、Weinsteinおよび同僚らは、化合物の細胞傷害性プロファイルを使用して、薬物感受性と相関する遺伝子発現プロファイルおよびDNAコピー数などの細胞特性を識別することができることを実証した。近年、細胞株の包括的なゲノムおよび表現型の特徴付けと組み合わせた細胞株の大きな一団の自動化ハイスループット化学感受性試験により、小分子に対する反応を媒介するがん細胞株の特徴を識別する能力が大いに増加している。トラスツズマブ感受性HER2増幅乳がんまたはエルロチニブ感受性EGFR変異肺がんの場合のように、小分子感受性の表現型の観察を、発現パターンまたは体細胞変化と関連付けることができる。
【0004】
表現型スクリーニングにより、PDE3阻害剤であることが文献で知られている化合物の一部が一定のがんの治療に有用であることが識別された。細胞が感受性になるためには、典型的にはPDE3Aおよび/またはPDE3BとSchlafen 12(SLFN12)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの同時発現が必要である。薬物感受性を引き起こすPDE3Aおよび/またはB阻害剤が、PDE3Aおよび/またはPDE3BとSLFN12の間の複合体の形成を安定化することが分かっている。腫瘍細胞増殖の阻害を引き起こさないPDE3Aおよび/またはB阻害剤は、典型的にはPDE3A-および/またはPDE3B-SLFN 12複合体を安定化しない。
【0005】
いくつかのトリアジノン誘導体が、特に心血管疾患の治療の文脈で知られている:特開平7-1107号公報(1995)、米国特許第4616015号明細書(欧州特許第0122627号明細書)、欧州特許第0052442号明細書、欧州特許第0080296号明細書、欧州特許第0123254号明細書、欧州特許第0122627号明細書、欧州特許第0122494号明細書。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-1107号公報(1995)
【文献】米国特許第4616015号明細書
【文献】欧州特許第0122627号明細書
【文献】欧州特許第0052442号明細書
【文献】欧州特許第0080296号明細書
【文献】欧州特許第0123254号明細書
【文献】欧州特許第0122627号明細書
【文献】欧州特許第0122494号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の化合物が驚くべきかつ有利な特性を有することがここで分かり、このことが少なくとも一部は本発明の1つの基礎を構成している。
【0008】
特に、本発明の化合物は、驚くべきことに、例えばHeLa細胞で、IC50値100nM未満で、腫瘍細胞増殖を阻害することが分かっている。さらに、化合物は、腫瘍細胞増殖を阻害する濃度では酵素PDE3Aおよび/またはPDE3Bを阻害しないが、酵素PDE3Aおよび/またはPDE3B阻害のIC50値が腫瘍細胞増殖のIC50値よりも10倍超高くなり得る濃度では阻害する。理論によって拘束されることを望むものではないが、阻害特性のこの特徴が、PDE3Aおよび/またはPDE3B-SLFN12複合体の誘導および/またはインビボもしくはインビトロでの薬物動態パラメータの改善および/または物理化学的特性の改善および/または安全性薬理特性の改善に関連し得る。したがって、これらの有利な特性により、本明細書に記載される化合物を、がん疾患などの過剰増殖性疾患の治療または予防に使用することができる。
【0009】
本発明は、PDE3A-SLFN12複合体および/またはPDE3B-SLFN12複合体の形成を調節する一般式(I)の化合物、その調製方法、医薬組成物、ならびにその使用、ならびに疾患、特に過剰増殖性疾患、さらに特にがん疾患を治療または予防する方法を提供する。本教示のこれらのおよび他の特徴を本明細書で示す。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によると、本発明は、一般式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子であり、
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3は、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化2】
基、
【化3】
基、
【化4】
基、
アミノ基、ハロゲン原子およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化5】
基
であり、
R
4は、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5は水素原子であり、
R
6は、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される)
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0011】
本発明の別の態様は、過剰増殖性疾患、特にがん、さらに特に脳がん、子宮頸がん、皮膚がんおよび卵巣がんを治療するための、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子、ハロゲン原子であり;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化6】
基、
【化7】
基、
【化8】
基、
アミノ基、ハロゲン原子およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基;
NR
5R
6基、ならびに
【化9】
基
であり、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。以下の参考文献は、当業者に本発明で使用される用語の多くの一般的な定義を提供する:Singletonら,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(第2版1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker編,1988);The Glossary of Genetics,第5版,R.Riegerら(編),Springer Verlag(1991);およびHale&Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本明細書で使用される場合、以下の用語は、他に特定されない限り、以下のそれらに帰属する意味を有する。
【0013】
描かれる構造には、結合に関する全ての許容される回転が含まれる。
【0014】
「置換されている」という用語は、存在している状況下で指定された原子の通常の結合価を超えないという条件で、指定された原子または基上の1個または複数の水素原子が指示される基から選択されるものによって置き換えられていることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせは許容される。
【0015】
「場合により置換された」という用語は、置換基の数が0に等しいまたは0と異なり得ることを意味する。特段の指示がない限り、場合により置換された基が、任意の利用可能な炭素または窒素原子上で水素原子を非水素置換基で置き換えることによって収容され得るだけの任意の置換基で置換されることが可能である。一般に、存在する場合、任意の置換基の数が、1、2または3、特に1または2であることが可能である。
【0016】
本明細書で使用する場合、例えば本発明の一般式(I)の化合物の置換基の定義における「1つまたは複数」という用語は、「1、2、3、4または5、特に1、2、3または4、さらに特に1、2または3、なおさらに特に1または2」を意味する。
【0017】
本発明による化合物中の基が置換されている場合、他に特定しない限り、前記基が1個または複数の置換基で一置換または多置換されることが可能である。本発明の範囲内において、繰り返し生じる全ての基の意味は、互いに独立している。本発明による化合物中の基が、1、2または3個の同一のまたは異なる置換基、特に1個の置換基で置換されることが可能である。
【0018】
本明細書で使用する場合、オキソ置換基は、二重結合を介して炭素原子または硫黄原子に結合している酸素原子を表す。
【0019】
「オキソ」、「オキソ基」または「オキソ置換基」という用語は、二重結合酸素原子=Oを意味する。オキソは、適切な原子価の原子、例えば飽和炭素原子または硫黄原子に結合することができる。例えば、限定されないが、1個のオキソ基が炭素原子に結合して、カルボニル基C(=O)を形成することができる、または2個のオキソ基が1個の硫黄原子に結合して、スルホニル基-S(=O)2を形成することができる。
【0020】
「環置換基」という用語は、環上の利用可能な水素原子に取って代わる、芳香環または非芳香環に結合した置換基を意味する。
【0021】
複合置換基が2つ以上の部分で構成される、例えば(C1~C4-アルコキシ)-(C1~C4-アルキル)-の場合、所与の部分の位置が前記複合置換基の任意の適切な位置にあることが可能である、すなわち、C1~C4-アルコキシ部分が、前記(C1~C4-アルコキシ)-(C1~C4-アルキル)-基のC1~C4-アルキル部分の任意の炭素原子に結合することができる。このような複合置換基の最初または最後のハイフンは、前記複合置換基と分子の残りの結合点を示す。炭素原子および場合により1個または複数のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄原子を含む環が置換基で置換される場合、前記置換基が前記環の任意の適切な位置で結合することが可能であり、適切な炭素原子および/または適切なヘテロ原子に結合している。
【0022】
本明細書において使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「からなる(consisting of)」を含むが、「からなる(consisting of)」によって示される範囲である必要はない。
【0023】
本文中で、いずれかの項目が「本明細書で言及される」と言及されている場合、それは本文のどこにでも言及され得ることを意味する。
【0024】
本文中で項目が明細書中「上記」と言及されている場合、それは前ページのいずれかまたは同ページの上において明細書内でなされたそれぞれの開示のいずれかを示す。
【0025】
本文中で項目が明細書中「下記」と言及されている場合、それは後のページのいずれかまたは同ページの下において明細書内でなされたそれぞれの開示のいずれかを示す。
【0026】
「ハロゲン原子」という用語は、ハロゲンが脱離基であることを意図する場合を除いて、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、特にフッ素または塩素原子を意味する。
【0027】
「C1~C6-アルキル-」という用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基、例えば、メチル-、エチル-、プロピル-、イソ-プロピル-、n-ブチル-、イソ-ブチル-、sec-ブチル-、tert-ブチル-、n-ペンチル-、イソ-ペンチル-、2-メチルブチル-、1-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、ネオペンチル-、1,1-ジメチルプロピル-、n-ヘキシル-、4-メチルペンチル-、3-メチルペンチル-、2-メチルペンチル-、1-メチルペンチル-、2-エチルブチル-、1-エチルブチル-、3,3-ジメチルブチル-、2,2-ジメチルブチル-、1,1-ジメチルブチル-、2,3-ジメチルブチル-、1,3-ジメチルブチル-、1,2-ジメチルブチル-基、またはこれらの異性体を意味する。特に、前記基は1、2、3または4個の炭素原子を有する(「C1~C4-アルキル-」)、例えばメチル-、エチル-、n-プロピル-、イソ-プロピル-、n-ブチル-、イソ-ブチル-、sec-ブチル-またはtert-ブチル-基、1、2または3個の炭素原子を有する(「C1~C3-アルキル-」)、例えば、メチル-、エチル-、n-プロピル-またはイソ-プロピル-基、あるいは1個または2個の炭素原子を有する(「C1~C2-アルキル-」)、例えば、メチル基またはエチル基である。
【0028】
アルキル基が二価の「C1~C6-アルキレン」部分として鎖内に配置される場合、同じ定義が適用され得る。その場合、上述の全ての名称は最後に付加された「エン」を有し、よって、例えば「ペンチル」は二価の「ペンチレン」基になる。さらに、「C1~C6-ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子の1個または複数がN、O、SまたはPから選択される原子で置き換えられたC1~C6-アルキル基を指し、原子価の要件を満たすように本明細書で言及されるよう置換されている。
【0029】
「C1~C3-ヒドロキシアルキル」という用語は、「C1~C6-アルキル」という用語が上で定義されるものであり、1、2または3個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられている直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、ヒドロキシメチル-、1-ヒドロキシエチル-、2-ヒドロキシエチル-、1,2-ジヒドロキシエチル-、3-ヒドロキシプロピル-、2-ヒドロキシプロピル-、1-ヒドロキシプロピル-、1-ヒドロキシプロパン-2-イル-、2-ヒドロキシプロパン-2-イル-、2,3-ジヒドロキシプロピル-、1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル-、基を意味する。
【0030】
「C1~C6-ハロアルキル」という用語は、「C1~C6-アルキル」という用語が上に定義される通りであり、かつ水素原子の1個または複数が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基を意味する。特に、ハロゲン原子はフッ素原子である。前記C1~C6-ハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル-、ジフルオロメチル-、トリフルオロメチル-、2-フルオロエチル-、2,2-ジフルオロエチル-、2,2,2-トリフルオロエチル-、ペンタフルオロエチル-、3,3,3-トリフルオロプロピル-または1,3-ジフルオロプロパン-2-イル基である。特に、ハロアルキルは、トリフルオロメチルまたはジフルオロメチルである。
【0031】
「C1~C6-アルコキシ」という用語は、「C1~C6-アルキル」という用語が上で定義されるものである式(C1~C6-アルキル)-O-の直鎖または分岐の飽和一価基、例えば、メトキシ-、エトキシ-、n-プロポキシ-、イソプロポキシ-、n-ブトキシ-、sec-ブトキシ-、イソ-ブトキシ-、tert-ブトキシ-、ペンチルオキシ-、イソペンチルオキシまたはn-ヘキシルオキシ基、またはこれらの異性体を意味する。
【0032】
「C1~C6-ハロアルコキシ」という用語は、水素原子の1個または複数が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、上に定義される直鎖または分岐の飽和一価C1~C6-アルコキシ基を意味する。特に、ハロゲン原子はフッ素原子である。前記C1~C6-ハロアルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ-、ジフルオロメトキシ-、トリフルオロメトキシ-、2,2,2-トリフルオロエトキシ-またはペンタフルオロエトキシ基である。
【0033】
「C2~C6-アルケニル」という用語は、1個または2個の二重結合を含み、かつ2、3、4、5または6個の炭素原子、特に2個または3個の炭素原子を有する(「C2~C3-アルケニル」)直鎖または分岐の一価炭化水素基を意味し、前記アルケニル基が2個以上の二重結合を含む場合、前記二重結合が互いに孤立しているまたは互いに共役していることが可能である。前記アルケニル基は、例えば、エテニル-、プロパ-2-エニル-、(E)-プロパ-1-エニル-、(Z)-プロパ-1-エニル-、イソ-プロペニル-、ブタ-3-エニル-、(E)-ブタ-2-エニル-、(Z)-ブタ-2-エニル-、(E)-ブタ-1-エニル-、(Z)-ブタ-1-エニル-、2-メチルプロパ-2-エニル-、1-メチルプロパ-2-エニル-、2-メチルプロパ-1-エニル-、(E)-1-メチルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-メチルプロパ-1-エニル-、ブタ-1,3-ジエニル-、ペンタ-4-エニル-、(E)-ペンタ-3-エニル-、(Z)-ペンタ-3-エニル-、(E)-ペンタ-2-エニル-、(Z)-ペンタ-2-エニル-、(E)-ペンタ-1-エニル-、(Z)-ペンタ-1-エニル-、3-メチルブタ-3-エニル-、2-メチルブタ-3-エニル-、1-メチルブタ-3-エニル-、3-メチルブタ-2-エニル-、(E)-2-メチルブタ-2-エニル-、(Z)-2-メチルブタ-2-エニル-、(E)-1-メチルブタ-2-エニル-、(Z)-1-メチルブタ-2-エニル-、(E)-3-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-3-メチルブタ-1-エニル-、(E)-2-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-2-メチルブタ-1-エニル-、(E)-1-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-1-メチルブタ-1-エニル-、1,1-ジメチルプロパ-2-エニル-、1-エチルプロパ-1-エニル-、1-プロピルビニル-、1-イソプロピルビニル-、(E)-3,3-ジメチルプロパ-1-エニル-、(Z)-3,3-ジメチルプロパ-1-エニル-、ペンタ-1,4-ジエニル-、ヘキサ-5-エニル-、(E)-ヘキサ-4-エニル-、(Z)-ヘキサ-4-エニル-、(E)-ヘキサ-3-エニル-、(Z)-ヘキサ-3-エニル-、(E)-ヘキサ-2-エニル-、(Z)-ヘキサ-2-エニル-、(E)-ヘキサ-1-エニル-、(Z)-ヘキサ-1-エニル-、4-メチルペンタ-4-エニル-、3-メチルペンタ-4-エニル-、2-メチルペンタ-4-エニル-、1-メチルペンタ-4-エニル-、4-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-3-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-4-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-4-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-3-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-4-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-4-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-3-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-1-エニル-、3-エチルブタ-3-エニル-、2-エチルブタ-3-エニル-、1-エチルブタ-3-エニル-、(E)-3-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-3-エチルブタ-2-エニル-、(E)-2-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-2-エチルブタ-2-エニル-、(E)-1-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-1-エチルブタ-2-エニル-、(E)-3-エチルブタ-1-エニル-、(Z)-3-エチルブタ-1-エニル-、2-エチルブタ-1-エニル-、(E)-1-エチルブタ-1-エニル-、(Z)-1-エチルブタ-1-エニル-、2-プロピルプロパ-2-エニル-、1-プロピルプロパ-2-エニル-、2-イソプロピルプロパ-2-エニル-、1-イソプロピルプロパ-2-エニル-、(E)-2-プロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-2-プロピルプロパ-1-エニル-、(E)-1-プロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-プロピルプロパ-1-エニル-、(E)-2-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-2-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(E)-1-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-イソプロピルプロパ-1-エニル-、ヘキサ-1,5-ジエニル-または1-(1,1-ジメチルエチル-)エテニル基である。
【0034】
アルケニル基が二価の「C1~C6-アルケニレン」部分として鎖内に配置される場合、同じ定義が適用され得る。その場合、上述の全ての名称は最後に付加された「エン」を有し、よって、例えば「ペンテニル」は二価の「ペンテニレン」基になる。
【0035】
「C3~C6-シクロアルキル-」という用語は、3、4、5または6個の炭素原子を含む飽和単環式または二環式炭化水素環(「C3~C6-シクロアルキル-」)を意味する。前記C3~C6-シクロアルキル-基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル-、シクロブチル-、シクロペンチル-またはシクロヘキシル-環であり得る。特に、前記炭化水素環は単環式であり、3、4、5または6個の炭素原子を含む(「C3~C6-シクロアルキル-」)、例えばシクロプロピル-、シクロブチル-、シクロペンチル-またはシクロヘキシル環である。シクロアルキル基は、場合により前記用語が使用されるそれぞれの部分で定義されるように置換されていてもよい。
【0036】
「C5~C6-シクロアルケニル」という用語は、5個または6個の炭素原子および1個の二重結合を含む一価の単環式またはニ環式炭化水素環を意味する。前記C5~C6-シクロアルケニル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロペンテニル-またはシクロヘキセニル-基である。さらに特に、シクロアルケニル基はC5~C6-シクロアルケニル基である。
【0037】
「4~6員ヘテロシクロアルキル」という用語は、1個または2個の同一のまたは異なる系列:N、OおよびSの環ヘテロ原子を含む、合計4、5または6個の環原子を有する単環式の飽和または部分不飽和複素環を意味する;前記ヘテロシクロアルキル基が炭素原子または存在する場合、窒素原子のいずれか1つを介して分子の残りに結合することが可能である。
【0038】
前記ヘテロシクロアルキル基は、これに限定されないが、例えば、アゼチジニル-、オキセタニル-もしくはチエタニル基などの4員環;または例えば、テトラヒドロフラニル-、1,3-ジオキソラニル-、チオラニル-、ピロリジニル-、イミダゾリジニル-、ピラゾリジニル-、1,1-ジオキシドチオラニル-、1,2-オキサゾリジニル-、1,3-オキサゾリジニル-もしくは1,3-チアゾリジニル基などの5員環;または例えば、テトラヒドロピラニル-、テトラヒドロチオピラニル-、ピペリジニル-、モルホリニル-、ジチアニル-、チオモルホリニル-、ピペラジニル-、1,3-ジオキサニル-、1,4-ジオキサニル-もしくは1,2-オキサジナニル基などの6員環であり得る。
【0039】
「アリール」という用語は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の置換基で置換されており、各置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基、C1~C3-アルコキシ基、C1~C3-チオアルキル基、C1~C3-ハロアルコキシ基、C1~C3-ハロチオアルキル基、C3~C5-シクロアルキル基、特にハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基、C1~C3-アルコキシ基およびC1~C3-ハロアルコキシ基から独立に選択される、フェニル-、ナフチル-、5,6-ジヒドロナフチル-、7,8-ジヒドロナフチル-、5,6,7,8-テトラヒドロナフチル-、インダニル-またはインデニル基を意味する。特に、「アリール」はフェニルである。さらに、R3の条件で使用される「オルト置換フェニル基R3」は、フェニル置換基R3が分子の残りに結合する結合に続く炭素原子に直接置換基を有するフェニル基であることを意味する。
【0040】
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の環ヘテロ原子および場合により1、2または3個のさらなる系列:N、Oおよび/またはSの環ヘテロ原子を含み、環炭素原子または場合により環窒素原子(結合価によって許される場合)を介して結合している、5、6、8、9または10個の環原子(「5~10員ヘテロアリール」基)を有する一価の単環式、二環式または三環式芳香環を意味する。
【0041】
前記ヘテロアリール-基は、5員ヘテロアリール-基(例えば、チエニル-、フラニル-、ピロリル-、オキサゾリル-、チアゾリル-、イミダゾリル-、ピラゾリル-、イソキサゾリル-、イソチアゾリル-、オキサジアゾリル-、トリアゾリル-、チアジアゾリル-またはテトラゾリル基など);または6員ヘテロアリール-基(例えば、ピリジル-、ピリダジニル-、ピリミジル-、ピラジニル-またはトリアジニル基など);またはベンゾ縮合5員ヘテロアリール-基(例えば、ベンゾフラニル-、ベンゾチエニル-、ベンゾオキサゾリル-、ベンゾイソオキサゾリル-、ベンズイミダゾリル-、ベンゾチアゾリル-、ベンゾトリアゾリル-、インダゾリル-、インドリル-またはイソインドリル基など);またはベンゾ縮合6員ヘテロアリール-基(例えば、キノリニル-、キナゾリニル-、イソキノリニル-、シンノリニル-、フタラジニル-またはキノキサリニル-など);または別の二環式基(例えば、インドリジニル-、プリニル-またはプテリジニル基など);または三環式ヘテロアリール-基(例えば、カルバゾリル-、アクリジニル-またはフェナジニル基など);または9員ヘテロアリール基(例えば、ベンゾフラニル-、ベンゾチエニル-、ベンゾキサゾリル-、ベンズイソキサゾリル-、ベンズイミダゾリル-、ベンゾチアゾリル-、ベンゾトリアゾリル-、インダゾリル-、インドリル-、イソインドリル-、インドリジニル-またはプリニル基など)であり得る。
【0042】
一般に、特に言及しない限り、ヘテロアリールまたはヘテロアリーレン基は、分子の残りとの結合点に関して、その可能な全ての異性体形態、例えば互変異性体および位置異性体を含む。したがって、いくつかの例示的非制限的例について、ピリジニルという用語は、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルおよびピリジン-4-イルを含む;またはチエニルという用語は、チエン-2-イルおよびチエン-3-イルを含む。
【0043】
本文の全体にわたって、例えば、「C1~C6-アルキル-」、「C1~C6-ハロアルキル-」、「C1~C6-アルコキシ-」または「C1~C6-ハロアルコキシ-」の定義の文脈で使用される「C1~C6」という用語は、1~6個、すなわち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子という炭素原子の総数を有するアルキル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C1~C6」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C1~C6、C2~C5、C3~C4、C1~C2、C1~C3、C1~C4、C1~C5、C1~C6;特にC1~C2、C1~C3、C1~C4、C1~C5、C1~C6;さらに特にC1~C4;「C1~C6-ハロアルキル-」または「C1~C6-ハロアルコキシ-」の場合には一層さらに特にC1~C2を開示していると解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0044】
同様に、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C2~C6-アルケニル-」および「C2~C6-アルキニル-」の定義の文脈で使用される「C2~C6」という用語は、2~6個、すなわち、2、3、4、5または6個の炭素原子という炭素原子の総数を有するアルケニル-基またはアルキニル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C2~C6」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C2~C6、C3~C5、C3~C4、C2~C3、C2~C4、C2~C5;特にC2~C3を開示していると解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0045】
さらに、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C3~C7-シクロアルキル-」の定義の文脈で使用される「C3~C7」という用語は、3~7個、すなわち、3、4、5、6または7個の炭素原子という炭素原子の総数を有するシクロアルキル-基を意味するものと理解されるべきである。前記「C3~C7」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C3~C6、C4~C5、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C5~C7;特にC3~C6を開示していると解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「脱離基」という用語は、結合電子を持って安定な種として化学反応で置換される原子または原子の群を意味する。特に、このような脱離基は、ハロゲン化物、特にクロロ-、ブロモ-またはヨード基、(メチルスルホニル)オキシ-、[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ-、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ-、[(ノナ-フルオロブチル)スルホニル]オキシ-、[[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ-、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ-、[(2-ニトロ-フェニル)スルホニル]オキシ-、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ-、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ-、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ-、[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]オキシ-、(フェニルスルホニル)オキシ-および[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシ基を含む群から選択される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「保護基」という用語は、一般式(I)の化合物を調製するために使用される中間体中の酸素または窒素原子に結合する保護基である。このような基は、その後の化学反応において化学選択性を得るために、例えば、それぞれのヒドロキシまたはアミノ基の化学修飾によって導入される。ヒドロキシおよびアミノ基のための保護基は、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis,第4版,Wiley 2006に記載されており;より具体的には、アミノ基のための保護基は、置換スルホニル基、例えば、メシル-、トシル-もしくはフェニルスルホニル基、アシル基、例えば、ベンゾイル-、アセチル-もしくはテトラヒドロピラノイル基またはカルバメート系基、例えば、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)から選択することができる。ヒドロキシ基のための保護基は、アシル基、例えば、ベンゾイル-、アセチル、ピバロイル-もしくはテトラヒドロピラノイル基から選択することができる、または例えばtert-ブチルジメチルシリル-、tert-ブチルジフェニルシリル-、トリエチルシリル-もしくはトリイソプロピルシリル基のようにケイ素を含むことができる。
【0048】
「置換基」という用語は、例えば、その中の1個または複数の水素原子に取って代わる、その基の任意の原子においてアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリール基上で「置換された」基を指す。一態様では、基上の1個または複数の置換基が、独立に、その置換基について描写される許容可能な原子または原子群のうちの任意のただ1つまたは2つ以上の任意の組み合わせである。別の態様では、置換基それ自体が上記置換基のいずれか1つで置換されていてもよい。さらに、本明細書で使用する場合、「場合により置換された」という句は、非置換(例えば、Hで置換されている)または置換されていることを意味する。
【0049】
本明細書中の化合物の記載は、当業者に公知の化学結合の原理によって限定されることが理解されるであろう。したがって、基がいくつかの置換基のうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい場合、このような置換は、結合価等に関して化学結合の原理に適合し、本質的に不安定ではない化合物を与えるように選択される。例えば、任意の炭素原子は、炭素の4つの価電子と一致して、2個、3個または4個の他の原子に結合するであろう。
【0050】
「対象」とは、それだけに限らないが、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物、例えばウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ、げっ歯動物またはネコを含む哺乳動物を意味する。
【0051】
本発明の文脈における「オキソ」置換基は、二重結合を介して炭素原子と結合している酸素原子を意味する。
【0052】
一般式(I)の化合物が同位体変異体として存在することが可能である。そのため、本発明には、一般式(I)の化合物、特に一般式(I)の重水素含有化合物の1またはそれ以上の同位体変異体が含まれる。
【0053】
化合物または試薬の「同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1または複数の同位体を示す化合物と定義される。
【0054】
「一般式(I)の化合物の同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1またはそれ以上の同位体を示す一般式(I)の化合物と定義される。
【0055】
「不自然な比率」という表現は、そのような同位体のその自然存在比よりも高い比率を意味する。この文脈に適用される同位体の自然存在比は、「Isotopic Compositions of the Elements 1997」,Pure Appl.Chem.,70(1),217-235,1998に記載されている。
【0056】
そのような同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の安定した放射性の同位元素、例えば、それぞれ、2H(重水素)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129Iおよび131Iが挙げられる。
【0057】
本明細書において指定される疾患の治療および/または予防に関して、一般式(I)の化合物の1個または複数の同位体変異体は、特に重水素を含む(「一般式(I)の重水素含有化合物」)。1または複数の放射性同位元素、例えば、3Hまたは14Cなどが組み込まれている一般式(I)の化合物の同位体変異体は、例えば薬剤および/または基質組織分布研究に有用である。これらの同位体は、その組み込みの容易さおよび検出性のために特に好ましい。18Fまたは11Cなどのポジトロン放出同位体は、一般式(I)の化合物に組み込まれることができる。一般式(I)の化合物のこれらの同位体変異体は、インビボイメージング用途に有用である。一般式(I)の重水素含有および13C含有化合物は、前臨床または臨床研究の状況において質量分析で使用されることができる(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131)。
【0058】
一般式(I)の化合物の同位体変異体は、試薬同位体変異体の代わりに試薬、特に重水素含有試薬を用いることによって、当業者に知られている方法、例えば本明細書中のスキームおよび/または例に記載される方法などによって一般的に調製することができる。重水素化の望ましい場所に応じて、一部の例では、D2Oの重水素は、化合物に直接組み込まれるか、またはそのような化合物を合成するのに有用な試薬に組み込まれることができる(Esakiら,Tetrahedron,2006,62,10954;Esakiら,Chem.Eur.J.,2007,13,4052)。重水素ガスも重水素を分子に組み込むために有用な試薬である。オレフィン結合の接触重水素化(Catalytic deuteration)(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131;J.R.Morandiら,J.Org.Chem.,1969,34(6),1889)およびアセチレン結合(N.H.Khan,J.Am.Chem.Soc.,1952,74(12),3018;S.Chandrasekharら,Tetrahedron Letters,2011,52,3865)は、重水素の組み込みのための速い経路である。金属触媒(すなわち、Pd、Pt、およびRh)は、重水素ガスの存在下で、炭化水素を含有する官能基において重水素を水素に直接交換するために使用され得る(J.G.Atkinsonら、米国特許第3966781号)。種々の重水素化試薬および合成構築ブロックが、例えばC/D/N Isotopes、Quebec、カナダ;Cambridge Isotope Laboratories Inc.、Andover、MA、米国;およびCombiPhos Catalysts,Inc.、Princeton、NJ、米国などの企業から商業的に入手可能である。重水素-水素交換に関する先行技術についてのさらなる情報は、例えばHanzlikら,J.Org.Chem.55,3992-3997,1990;R.P.Hanzlikら,Biochem.Biophys.Res.Commun.160,844,1989;P.J.Reiderら,J.Org.Chem.52,3326-3334,1987;M.Jarmanら,Carcinogenesis 16(4),683-688,1995;J.Atzrodtら,Angew.Chem.,Int.Ed.2007,46,7744;K.Matoishiら,Chem.Commun.2000,1519-1520;K.Kassahunら,国際公開第2012/112363号パンフレットに示される。
【0059】
「一般式(I)の重水素含有化合物」という用語は、1または複数の水素原子が1または複数の重水素原子によって置き換えられていて、一般式(I)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比が、約0.015%である重水素の自然存在比よりも高い、一般式(I)の化合物として定義される。特に、一般式(I)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比は、1または複数の前記位置で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%よりも高い、特に90%、95%、96%または97%よりも高い、なおさらに特に98%または99%よりも高い。各々の重水素化された位置の重水素の存在比が、他の1または複数の重水素化された位置の重水素の存在比とは無関係であることが理解される。
【0060】
1または複数の重水素原子を一般式(I)の化合物に選択的に組み込むことは、分子の物理化学的性質(例えば、酸度[C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,4490;A.Streitwieserら,J.Am.Chem.Soc.,1963,85,2759]、塩基性度[C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2005,127,9641;C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,15008;C.L.Perrin in Advances in Physical Organic Chemistry,44,144;]、親油性[B.Testaら,Int.J.Pharm.,1984,19(3),271])および/または代謝プロファイルを変えることがあり、親化合物と代謝産物の比、または生じる代謝産物の量に変化をもたらすことがある。そのような変化は、結果としてある特定の治療上の利点となることがあり、それゆえに一部の状況で好ましいことがある。代謝産物の比率が変化している、代謝および代謝切り替えの割合の低下は報告されている(A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102;D.J.Kushnerら,Can.J.Physiol.Pharmacol.,1999,77,79)。親薬物および代謝産物への曝露におけるこれらの変化は、一般式(I)の重水素含有化合物の薬動力学、忍容性および効力に関して重要な結果を有し得る。一部の例では、重水素置換は、望ましくないかまたは有毒な代謝産物の形成を減らすかまたは無くし、望ましい代謝産物の形成を強化する(例えばNevirapine:A.M.Sharmaら,Chem.Res.Toxicol.,2013,26,410;Efavirenz:A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102)。その他の例では、重水素化の主な効果は、全身クリアランスの比率を低下させることである。結果として、化合物の生物学的半減期は増加する。有望な臨床上の利益には、ピーク値の低下およびトラフ値の増加を伴う、同様の全身曝露を維持する能力が含まれるであろう。これは、特定の化合物の薬物動態/薬力学の関係に応じて、副作用の低下および効力の増強という結果をもたらし得る。ML-337(C.J.Wenthurら,J.Med.Chem.,2013,56,5208)およびオダナカチブ(K.Kassahunら,国際公開第2012/112363号パンフレット)がこの重水素効果の例である。代謝速度の低下が全身クリアランス速度を変えることなく薬物の曝露を増加させるさらに他のケースが報告されている(例えばロフェコキシブ:F.Schneiderら,Arzneim.Forsch./Drug.Res.,2006,56,295;テラプレビル:F.Maltaisら,J.Med.Chem.,2009,52,7993)。この効果を示す重水素化薬物は、投薬の要件の減少(例えば望ましい効果を実現するための用量数を低下または投薬量の低下)を減らすことがあり、かつ/あるいは、代謝産物量の低下を生じることがある。
【0061】
一般式(I)の化合物は、代謝を攻撃する、複数の可能性のある場所を有することがある。物理化学的性質および代謝プロファイルに対する上記の効果を最適化するため、ある特定のパターンの1個または複数の重水素-水素交換を有する、一般式(I)の重水素含有化合物を選択することができる。特に、一般式(I)の1個または複数の重水素含有化合物の1個または複数の重水素原子は、炭素原子と結合していて、かつ/または、例えばシトクロムP450などの酵素を代謝するための攻撃の場所である、一般式(I)の化合物の位置に位置している。
【0062】
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの語の複数形が本明細書で使用される場合、これは、単一の化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物なども意味するとみなされる。
【0063】
「安定な化合物」または「安定な構造」により、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および有効な治療薬への製剤化を生き延びるのに十分に堅牢である化合物が意味される。
【0064】
本発明の化合物は、場合により種々の所望の置換基の位置および性質に応じて、1個または複数の不斉中心を含む。1個または複数の不斉炭素原子が、(R)または(S)配置で存在し、単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物をもたらし得ることが可能である。特定の例では、所与の結合、例えば、指定される化合物の2個の置換芳香環を接合する中心結合の周りの回転が制限されるために非対称が存在することも可能である。
【0065】
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性をもたらすものである。本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体あるいはラセミまたはジアステレオマー混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
【0066】
好ましい異性体は、生物学的活性が異性体について異なる場合に、より望ましい生物学的活性をもたらすものである。本発明の化合物のこれらの分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体またはラセミ混合物も本発明の範囲に含まれる。そのような物質の精製および分離は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、キラル塩の形成および結晶化を含む当技術分野で知られている標準的な技術によって達成する、または不斉合成によって調製することができる。
【0067】
光学異性体は、従来法によるラセミ混合物の分割、例えば、光学活性酸もしくは塩基を用いたジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成によって得ることができる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当技術分野で知られている方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって、その物理的および/または化学的違いに基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。その後、光学活性塩基または酸を分離したジアステレオマー塩から遊離させる。光学異性体の別の分離法は、エナンチオマーの分離を最大化するために選択してもよい、従来の誘導体化を用いるまたは用いない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラル相を使用するHPLCカラム)の使用を含む。キラル相を使用する適切なHPLCカラムは商業的に入手可能であり、例えば、数ある中でもDaicelによって製造されたもの、例えばChiracel ODおよびChiracel OJがあり、これらは全て日常的に選択可能である。誘導体化を用いるまたは用いない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物はさらに、光学活性出発物質を利用したキラル合成によっても得ることができる。
【0068】
異性体の異なる型を互いに識別するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45,11~30,1976)が参照される。
【0069】
本発明は、単一の立体異性体として、または任意の比の前記立体異性体、例えば、(R)-または(S)-異性体の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な立体異性体を含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適当な先行技術の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーによって達成することができる。
【0070】
さらに、本発明の化合物が、互変異性体として存在することが可能である。例えば、ヘテロアリール基としてのピラゾール部分を含む本発明のいずれの化合物も、例えば、1H互変異性体もしくは2H互変異性体、または2つの互変異性体、すなわち:
【化10】
の任意の量の混合物で存在することができる。
【0071】
本発明は、単一の互変異性体として、または任意の比の互変異性体の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な互変異性体を含む。
【0072】
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されているという点で定義されるN-オキシドとして存在することができる。本発明は、全てのこのような可能なN-オキシドを含む。
【0073】
本発明はまた、本発明の化合物の有用な形態、例えば、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、および/または共沈物も含む。
【0074】
本発明の化合物は水和物または溶媒和物として存在することができ、本発明の化合物は例えば、化合物の結晶格子の構造要素として極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを含む。極性溶媒、特に水の量が、化学量論比または非化学量論比で存在することが可能である。化学量論的溶媒和物の場合、例えば、水和物、半-、(セミ-)、一-、セスキ-、二-、三-、四-、五-等溶媒和物、または水和物がそれぞれ可能である。本発明は、全てのこのような水和物または溶媒和物を含む。
【0075】
さらに、本発明の化合物が、遊離型で、例えば、遊離塩基もしくは遊離酸もしくは双性イオンとして存在する、または塩型で存在することが可能である。塩は任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、特に薬学で習慣的に使用される、または例えば本発明の化合物を単離もしくは精製するために使用される任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であり得る。
【0076】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の無機または有機酸付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeら「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977,66,1~19を参照されたい。
【0077】
本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば、鎖中または環中に、例えば十分に塩基性である、窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば無機酸もしくは「鉱酸」、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、重硫酸、リン酸もしくは硝酸による、または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸および硝酸による、または有機酸、例えばギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、樟脳酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸およびチオシアン酸による酸付加塩であり得る。
【0078】
「薬学的に許容されるアニオン」は、例えば、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩、または硝酸塩などの慣用的な酸の脱プロトン化形態を指す。
【0079】
本発明による化合物の生理学的に許容される塩はまた、慣用的な塩基の塩、例えば、例としておよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム、ストロンチウムおよびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩または亜鉛塩、またはアンモニアもしくは1~20個の炭素原子を有する有機第一級、第二級もしくは第三級アミンに由来するアンモニウム塩、例えば、例としておよび好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、1,2-エチレンジアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルグルカミン、N,N-ジメチルグルカミン、N-エチルグルカミン、1,6-ヘキサンジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、4-アミノ-1,2,3-ブタントリオールを含む。
【0080】
さらに、本発明による化合物は、例えば、低級ハロゲン化アルキル、例えば塩化アルキル、例えば塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピルおよび塩化ブチル;例えば臭化アルキル、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピルおよび臭化ブチル;ならびに例えばヨウ化アルキル;例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピルおよびヨウ化ブチル;硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチルおよび塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチルおよび臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチルおよびヨウ化ステアリル、ハロゲン化アラルキル、例えば、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルおよび臭化フェネチなどの薬剤による塩基性窒素含有基の四級化によって得ることができる四級アンモニウムイオンとの塩を形成し得る。適当な四級アンモニウムイオンの例には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n-プロピル)アンモニウム、テトラ(n-ブチル)アンモニウムまたはN-ベンジル-N,N,N-トリメチルアンモニウムがある。
【0081】
当業者であれば、請求される化合物の酸付加塩を、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸の反応によって調製することが可能であることをさらに認識するだろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
【0082】
本発明は、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。
【0083】
本文中、特に実験節において、本発明の中間体および実施例の合成について、化合物を対応する塩基または酸による塩型として言及する場合、それぞれの調製および/または精製工程によって得られる前記塩型の正確な化学量論的組成は、ほとんどの場合、未知である。
【0084】
特に指定しない限り、例えば、「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF3COOH」、「xNa+」などの塩に関する化学名または構造式の接尾辞は、塩型を意味し、塩型の化学量論は指定されていない。
【0085】
合成中間体もしくは実施例化合物またはこれらの塩を、(定義する場合)未知の化学量論的組成の水和物などの溶媒和物として、調製および/または精製工程によって得た場合にもこれが同様に当てはまる。
【0086】
本明細書に記載される調製および/または精製方法によって得られた開示される中間体または実施例化合物またはその塩の溶媒和物および水和物は、任意の比で形成され得る。
【0087】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶型または多形を、単一多形としてまたは任意の比の2種以上の多形の混合物として含む。
【0088】
さらに、本発明は、本発明による化合物のプロドラッグも含む。「プロドラッグ」という用語は、それ自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内での滞留時間中に本発明による化合物に(例えば、代謝的にまたは加水分解的に)変換される化合物を示す。例えば、プロドラッグは、特定の化合物のインビボ加水分解性エステルの形態であり得る。生物系において式(I)の化合物およびその塩に変換される式(I)の化合物およびその塩の誘導体(生物学的前駆体またはプロドラッグ)が本発明によって網羅される。前記生物系は、例えば、哺乳類生物、特にヒト対象であり得る。生物学的前駆体は、例えば、代謝プロセスによって式(I)の化合物またはその塩に変換される。
【0089】
説明
第1の態様によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物:
【化11】
(式中、
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2は、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3は、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化12】
基、
【化13】
基、
【化14】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化15】
基
から選択され、
R
4は、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5は水素原子であり、
R
6は、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される)
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0090】
第1の態様の実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化16】
基、
【化17】
基、
【化18】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化19】
基
から選択され、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0091】
第1の態様の実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化20】
基、
【化21】
基、
【化22】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化23】
基
から選択され、
R
4が水素原子であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0092】
第1の態様の実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり、
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化24】
基、
【化25】
基、
【化26】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化27】
基
から選択され、
R
4が水素原子であり、
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物
【化28】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0093】
第1の態様の実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり、
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化29】
基、
【化30】
基、
【化31】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化32】
基
から選択され、
R
4がC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0094】
第1の態様の実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化33】
基、
【化34】
基、
【化35】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化36】
基
から選択され、
R
4がC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物
【化37】
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0095】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子、ハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化38】
基、
【化39】
基、
【化40】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化41】
基
から選択され、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0096】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子、ハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化42】
基、
【化43】
基、
【化44】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化45】
基
から選択され、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0097】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子、ハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化46】
基、
【化47】
基、
【化48】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化49】
基
から選択され、
R
4が水素原子であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0098】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
場合によりC
1~C
3-アルコキシ基で置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化50】
基、
【化51】
基、
【化52】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化53】
基
から選択され、
R
4が水素原子であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0099】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子、ハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
場合によりC
1~C
3-アルコキシ基で置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化54】
基、
【化55】
基、
【化56】
基、
アミノ基、ハロゲン原子、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化57】
基
から選択され、
R
4がC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0100】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR
5R
6基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
場合によりC
1~C
3-アルコキシ基で置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化58】
基、
【化59】
基、
【化60】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、但し、非置換メトキシ基は除く;
NR
5R
6基、ならびに
【化61】
基
であり、
R
4がC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0101】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化62】
基、
【化63】
基、
【化64】
基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
NR
5R
6基、ならびに
【化65】
基
であり、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0102】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)-CH(CH
3)
2基、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
ピペリジン1-イル基、3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化66】
基、
【化67】
基、
【化68】
基、3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、モルホリン-4-イル基、
ピリジン-4-イル基、2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-(CH
2)
2-O-CH
3基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化69】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4が、水素原子またはメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0103】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)-CH(CH
3)
2基、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
ピペリジン1-イル基、3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化70】
基、
【化71】
基、
【化72】
基、3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、モルホリン-4-イル基、
ピリジン-4-イル基、2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-(CH
2)
2-O-CH
3基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化73】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4が水素原子である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0104】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)-CH(CH
3)
2基、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
ピペリジン1-イル基、3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化74】
基、
【化75】
基、
【化76】
基、3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、モルホリン-4-イル基、
ピリジン-4-イル基、2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-(CH
2)
2-O-CH
3基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化77】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4がメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0105】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化78】
基、
【化79】
基、
【化80】
基、
3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、
2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化81】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4が、水素原子またはメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0106】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
R
3が、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化82】
基、
【化83】
基、
【化84】
基、
3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、
2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化85】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4が、水素原子またはメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0107】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化86】
基、
【化87】
基、
【化88】
基、
3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、
2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化89】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4が水素原子である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0108】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
R
1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
R
2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R
3がオルト置換フェニル基である場合に、R
1とR
2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R
1とR
2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R
3が、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、
-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、
シクロペンタ-1-エン-1-イル基、
4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、
3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化90】
基、
【化91】
基、
【化92】
基、
3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、
2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、
-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化93】
基、NH-シクロペンチル基、
-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基
から選択され、
R
4がメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0109】
第1の態様の別の実施形態によると、本発明は、
R1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、
R2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R3が、トリフルオロメチル基で置換されている5~6員ヘテロアリール基、
ヒドロキシ基またはC1~C3-アルキル基から独立に選択される基で置換されている
4~6員ヘテロシクロアルキル基、
C1~C3-アルキル基およびヒドロキシ基から独立に選択される1つまたは2つの基で場合により置換されているC4~C6-ヘテロシクロアルキル基、
ならびに
NR5R6基
から選択され、
R4がメチル基であり;
R5が水素原子であり;
R6が、
それ自体がヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基およびヒドロキシ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0110】
第1の態様の別の実施形態によると、本発明は、
R1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、
R2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R3が、トリフルオロメチル基で置換されている5~6員ヘテロアリール基、
ヒドロキシ基またはC1~C3-アルキル基から独立に選択される基で置換されている
4~6員ヘテロシクロアルキル基、
C1~C3-アルキル基およびヒドロキシ基から独立に選択される1つまたは2つの基で場合により置換されているC4~C6-ヘテロシクロアルキル基、
ならびに
NR5R6基
から選択され、
R4がメチル基であり;
R5が水素原子であり;
R6が、
それ自体がヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基およびヒドロキシ基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としてのピリジルまたはフラニル基およびヒドロキシル基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0111】
第1の態様のさらに別の実施形態によると、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり;
R2が水素原子であり、
R3が、-NH-CH2-CH(OH)CF3基、-NH-シクロペンチル基、-NH-CH2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH2-ピラジン-2-イル基、3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-イル基および3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基から選択され、
R4がメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0112】
第1の態様のさらに別の実施形態によると、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり;
R2が水素原子であり、
R3が、-NH-CH2-CH(OH)CF3基、-NH-シクロペンチル基、-NH-CH2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH2-ピラジン-2-イル基、3-ヒドロキシ-3-メチル-アゼチジン-1-イル基、および3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、3-ジフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基から選択され、
R4がメチル基である、
上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0113】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-{4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[4-(トリフルオロメチル)-2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
rel-(5R)-6-{4-[(1R,5R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-({[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}アミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
から選択される上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0114】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-{4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[4-(トリフルオロメチル)-2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
rel-(5R)-6-{4-[(1R,5R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-({[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}アミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オンおよび
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
から選択される上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0115】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オンおよび
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
から選択される上記の一般式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0116】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-{4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[4-(トリフルオロメチル)-2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
rel-(5R)-6-{4-[(1R,5R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-({[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}アミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン、
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オンおよび
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0117】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-{4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[4-(トリフルオロメチル)-2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
rel-(5R)-6-{4-[(1R,5R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-({[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}アミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(4-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0118】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0119】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0120】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物:
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0121】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0122】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、一般式(I)の化合物、
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0123】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、一般式(I)の化合物、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0124】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0125】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0126】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0127】
第1の態様のさらなる実施形態によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0128】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
R3が、
ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0129】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
R3が、
ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-フルオロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0130】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R3が、
ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0131】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R3が、
ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-フルオロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0132】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできず;
R3が、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0133】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0134】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0135】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基および4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基から選択され、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0136】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0137】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、C1~C6-アルキル基、またはC1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR5R6基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC1~C3-アルキル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0138】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、C1~C6-アルキル基、またはC1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基およびNR5R6基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC1~C3-アルキル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0139】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、C1~C3-アルコキシ基で場合により置換されているC2~C6-アルケニル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0140】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3がC5~C6-シクロアルケニル基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0141】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
1がトリフルオロメチル基であり、
R
2が水素原子であり、
R
3が、フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基;
【化94】
基、
【化95】
基または
【化96】
基であり、
R
4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0142】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基であり、
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0143】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基であり、
R2が水素原子であり;
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0144】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基であり、
R2がハロゲン原子であり;
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0145】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基であり、
R2が水素原子であり;
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0146】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり;
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0147】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0148】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~6員ヘテロアリール基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0149】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5員ヘテロアリール基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0150】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている6員ヘテロアリール基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0151】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3が、C1~C3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1~C3-アルコキシ基、C4~C6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC1~C6-アルコキシ基であり、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0152】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
1がトリフルオロメチル基であり、
R
2が水素原子であり、
R
3が、NR
5R
6基または
【化97】
基であり、
R
4がメチル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0153】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり、
R2が水素原子であり、
R3がNR5R6基であり、
R4がメチル基であり;
R5が水素原子であり、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC1~C3-アルキル基、
ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0154】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
1がトリフルオロメチル基であり、
R
2が水素原子であり、
R
3が
【化98】
基であり、
R
4がメチル基であり;
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0155】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0156】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0157】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0158】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0159】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0160】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子またはC1~C3-ハロアルキル基であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0161】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が水素原子であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0162】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が水素原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0163】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0164】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-アルキル基またはC1~C3-ハロアルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0165】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子またはC1~C3-ハロアルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0166】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0167】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がC1~C3-ハロアルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0168】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0169】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が、水素原子、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基、C1~C3-ハロアルキル基であり;
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0170】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0171】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0172】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0173】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R2が、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり;
但し、R3がオルト置換フェニル基である場合に、R1とR2の両方が水素原子であってもよいことを除いて、R1とR2の両方が同時に水素原子であることはできない、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0174】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメチル基であり;
R2が水素原子である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0175】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R1が水素原子であり、
R2がトリフルオロメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0176】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルキル基、C1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC1~C3-アルキル基で1回または2回置換されているアミノ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0177】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルキル基、C1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC1~C3-アルキル基で1回または2回場合により置換されているアミノ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0178】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルキル基、C1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC1~C3-アルキル基で1回または2回場合により置換されているアミノ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基であり、
但し、メチル基は除く、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0179】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC1~C3-アルキル基で1回または2回場合により置換されているアミノ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0180】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、-(CH2)3-O-CH3基、-CH2-(モルホリン-4-イル)基および-CH2-N(CH3)2基から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0181】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルコキシ基で場合により置換されているC2~C6-アルケニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0182】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、ハロゲン原子、C1~C3-アルキル基およびC1~C3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0183】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、ハロゲン原子で独立に1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0184】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルキル基およびC1~C3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0185】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-アルキル基で独立に1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0186】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-ハロアルキル基で独立に1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0187】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0188】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0189】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子、塩素原子およびトリフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0190】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、塩素原子またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0191】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子またはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0192】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子および塩素原子から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0193】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子で1回または複数回置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0194】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、フッ素原子で置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0195】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、塩素原子で置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0196】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、トリフルオロメチル基で置換されているフェニル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0197】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
3が、フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化99】
基、
【化100】
基、
【化101】
基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0198】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0199】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物(但し、非置換R3=ピペリジン、モルホリン、ピリジンを除く)
を含む。
【0200】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~6員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0201】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~6員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物(但し、非置換R3=ピペリジン、モルホリン、ピリジンを除く)
を含む。
【0202】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~6員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0203】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~6員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0204】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0205】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている6員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0206】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている7員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0207】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている8員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0208】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている9員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0209】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている10員ヘテロアリール基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0210】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3が、C1~C3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1~C3-アルコキシ基、C4~C6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC1~C6-アルコキシ基であり、但し、非置換メトキシ基は除く、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0211】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R3がNR5R6基であり、
R5が水素原子であり;
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換ピリジル基または非置換フラニル基およびヒドロキシ基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0212】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
3が
【化102】
基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0213】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R
3が、-(CH
2)
3-O-CH
3基、-CH
2-(モルホリン-4-イル)基、-CH
2-N(CH
3)
2基、-CH=C(CH
3)
2基、-CH=CH-CH
2-O-CH
3基、-CH=CH-CH
2-O-CH
2-CH
3基、シクロペンタ-1-エン-1-イル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロ-フェニル基、4-フルオロ-2-メチル-フェニル基、3-フルオロ-4-メチル-フェニル基、4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル基、3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、4,4-ジフルオロ-ピペリジン-1-イル基、4-エチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル基、
【化103】
基、3-ヒドロキシ-3-メチル-ピロリジン-1-イル基、4-メチル-ピペラジン-1-イル基、2-アミノ-ピリジン-4-イル基、3-クロロ-ピリジン-6-イル基、3-フルオロ-ピラゾール-1-イル基、3-トリフルオロメチル-ピラゾール-1-イル基、1-ジフルオロメチルピラゾール-4-イル基、4-トリフルオロメチル-1,2,3-トリアゾール-2-イル基、-NH-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-NH-CH
2-(ピラゾール-5-イル)基、-NH-CH
2-ピラジン-2-イル基、-NH-CH
2-CH(OH)CF
3基、
【化104】
基、NH-シクロペンチル基、-O-(CH
2)
2-CH
3基、-O-(CH
2)
2-C(CH
3)
3基、-O-(CH
2)-CH(CH
3)-OH基、-O-(CH
2)-C(CH
3)
2-OH基、-O-CH
2-(ピラゾール-3-イル)基、-O-(CH
2)
2-O-CH
3基、-O-CH
2-シクロブチル基、-O-CH
2-テトラヒドロフラン-2-イル基、-O-(CH
2)
2-CF
3基および-O-(CH
2)
3CH
3基から選択される、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0214】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R4が水素原子またはC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0215】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R4が水素原子である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0216】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R4がC1~C3-アルキル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0217】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R4がメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0218】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R4がS配置を有するメチル基である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0219】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0220】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換ピリジル基または非置換フラニル基またはヒドロキシ基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0221】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0222】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換ピリジル基または非置換フラニル基およびヒドロキシ基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0223】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換ピリジル基または非置換フラニル基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0224】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換ピリジル基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0225】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としての非置換フラニル基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0226】
第1の態様のさらなる実施形態では、本発明は、
R6が、
C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基
(但し、単一置換基としてのヒドロキシ基で置換されているC1~C3-アルキル基は除く)
である、
上記の式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0227】
さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む
【0228】
さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシドもしくは塩、または互変異性体の塩またはN-オキシドの塩、またはこれらの混合物を含む。
【0229】
さらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物またはその互変異性体もしくは塩、または互変異性体の塩、またはこれらの混合物を含む。
【0230】
なおさらなる実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその塩、またはこれらの混合物を含む。
【0231】
さらなる実施形態では、本発明は、塩である式(I)の化合物を含む。
【0232】
さらなる実施形態では、本発明は、アミン塩または有機酸による塩である式(I)の化合物を含む。
【0233】
さらなる実施形態では、本発明は、特に薬学的に許容される有機酸で形成される有機酸による塩である式(I)の化合物を含む。
【0234】
さらなる実施形態では、本発明は、特に薬学的に許容されるアミンで形成されるアミン塩である式(I)の化合物を含む。
【0235】
さらなる実施形態では、本発明は、その互変異性体もしくは塩、または互変異性体の塩、またはこれらの混合物である式(I)の化合物を含む。
【0236】
さらなる実施形態では、本発明は、そのN-オキシドもしくは塩、またはN-オキシドの塩、またはこれらの混合物である式(I)の化合物を含む。
【0237】
第1の態様の特定のさらなる実施形態では、本発明は、「本発明の第1の態様のさらなる実施形態」という見出しの下の上記実施形態の2つ以上の組み合わせを含む。
【0238】
さらに、本発明が、特許請求の範囲で概説される式(I)の一定の残基について、または残基の部分的組み合わせと組み合わせて、本明細書で開示される単一の実施形態の任意の部分的組み合わせを含むことが理解される。
【0239】
本発明は、上記の一般式(I)の化合物の本発明の任意の実施形態または態様内の任意の部分的組み合わせを含む。
【0240】
本発明は、一般式(IV)および(V)の中間体化合物の本発明の任意の実施形態または態様内の任意の部分的組み合わせを含む。
【0241】
本発明は、下記の本文の実施例節で開示される一般式(I)の化合物を含む。
【0242】
一般式(I)の化合物の一般的合成
A.一般的合成経路
一般式(I)の本発明による化合物を以下のスキーム1、2および3により調製することができる。以下に記載されるスキームおよび手順は、本発明の一般式(I)の化合物への合成経路を示すが、限定的であることを意図していない。スキーム1、2および3に例示されている変換の順序を様々に修正することができることが当業者に明らかである。したがって、これらのスキームに例示した変換の順序は、限定するためのものではない。さらに、例示の変形の前および/または後で、置換基R1、R2、R3またはR4のいずれかの相互変換を行うことができる。これらの修飾は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者に知られている他の反応などであり得る。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものが含まれる。適当な保護機ならびにその導入および切断は当業者に周知である(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley 1999参照)。具体例を以下の段落で説明する。
【0243】
一般式(I)の化合物を調製するための5つの経路をスキーム1、2および3に記載する。
経路1(グリニャール経路)
【化105】
特にR
4=CH
3について:
【化106】
【0244】
スキーム1
スキーム1:式(II)の化合物および式(III)の化合物から一般式(I)の化合物を調製するための経路(式中、R1、R2、R3(適切に保護された官能基を含有する可能性がある)およびR4は上に定義される意味を有し、Mは、Li、またはMgBr、またはMgClなどの金属含有基であり;DGは、式(II)の反応体により式(III)の化合物から置換可能な基、特にそれだけに限らないが、N(OCH3)CH3(Weinrebアミド)であり;PGは、アミン基に適した保護基、例えばtert-ブチル-カルバメート(Boc)などのカルバメート基である)。式(II)の化合物および式(III)の化合物は当業者に知られており、既知の方法によって市販の前駆体から容易に調製することができる。
【0245】
(a)THF、-20℃~20℃、1時間~24時間、(b)1.H2NNHCOOCH3、HCl、MeOH;2.TFA、DCM、0℃~20℃;3.NaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOH、20℃;
キラル中心を含む式(I)の化合物を、場合により、当業者に知られている方法、例えば、キラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0246】
化合物(II)は、市販されている、または当業者に理解されるように、パブリックドメインから入手可能な手順に従って調製することができる。具体例を実験節で説明する。
【0247】
経路2:一般式(I)の化合物のサブセット、一般式(Ia)の化合物の代替合成
パートI:式(V)の中間体化合物の合成
【化107】
スキーム2
スキーム2:式(V)の中間体化合物を調製するための経路(式中、R
1、R
2およびR
4は上に定義される意味を有し;Xの意味は、式(V)の化合物についてスキーム3および段落(i)、(j)、(k)の文脈で以下に定義される通りである)。
【0248】
(a)THF、-20℃~20℃、1時間~24時間、(b)1.H2NNHCOOCH3、HCl、MeOH;2.TFA、DCM、0℃~20℃;3.NaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOH、20℃;
キラル中心を含む式(V)の化合物を、場合により、当業者に知られている方法、例えば、キラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0249】
パートII:式(V)の中間体化合物の一般式(Ia)の化合物への変換:
【化108】
(i)R
3=置換アルキル基、場合により置換されたアルケニル基、シクロアルケニル基、置換フェニル基、または置換ヘテロアリール基
(j)、(k):R
3=NR
5R
6、場合により置換されたN-結合ヘテロシクロアルキル、または置換N-結合ヘテロアリール、
スキーム3
スキーム3:式(V)を介した一般式(I)の化合物を調製するための経路(式中、R
1、R
2およびR
4は上に定義される意味を有し、一般式(Ia)のR
3は、R
xについて段落(i)で以下にさらに詳細に定義されるように、置換メチル基、場合により置換されたアルケニル基、シクロアルケニル基、置換フェニル基および置換ヘテロアリール基から選択される;あるいはR
3は、段落(j)および(k)でそれぞれ以下にさらに詳細に定義されるように、NR
5R
6、または場合により置換されたN-結合ヘテロシクロアルキル基、または置換N-結合ヘテロアリール基であり;「N結合ヘテロシクロアルキル」および「N結合ヘテロアリール」という用語は、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基の環原子を構成する窒素原子を介して分子の残りに結合している、上記R
3について定義される4~6員ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基を指す)。
【0250】
(i)有機ホウ素化合物との鈴木カップリングを介した経路2
一般式(I)(式中、R3は式(VIa)、(VIb)および(VIc)について以下に定義されるRxである)の化合物は、式(V)の中間体化合物
(式中、
XはCl、Br(スキーム3に反映される)、または(C1~C4-アルキルスルホニル)オキシ、(C1~C4-フルオロアルキルスルホニル)オキシおよび(フェニルスルホニル)オキシから選択される基であり、(フェニルスルホニル)オキシに存在するフェニルは場合により1、2、3、4または5個の置換基で置換されており、これらの置換基の各々はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1~C4-アルキルおよびC1~C4-アルコキシから独立に選択され;
R1またはR2は上に定義される通りであるが、Cl、Br、Iとは異なり、
R4は上に定義される通りである)
をボロン酸RxB(OH)2(式(VIa))、またはボロン酸エステルRxB(ORy)2(式(VIb))、またはテトラフルオロボレート塩RxBF4(式(VIc))と
炭酸カリウムまたは酢酸カリウムなどの塩基、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)/トリスシクロヘキシルホスフィン、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィンフェロセニル)パラジウム(II)クロリド、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)パラジウムダイマー、アリル(クロロ)(1,3-ジメシチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-イリデン)パラジウム、酢酸パラジウム(II)/ジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-ビフェニル-2-イル)ホスフィン、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドモノジクロロメタン付加物、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)および(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、特にクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)などのパラジウム触媒
および、場合により、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルなどの追加の配位子
の存在下、
ジオキサン、トルエンもしくは水、またはこれらの混合物などの溶媒中、窒素またはアルゴン雰囲気下、80℃~120℃で、2時間~7日間
反応させることによって得ることができる
(式中、
Rxは
C1~C3-アルキル基、C1~C3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC1~C3-アルキル基によって1回または2回置換されているアミノ基から選択される基で1回または複数回置換されているメチル基、
C1~C3-アルコキシ基で場合により置換されているC2~C6-アルケニル基、
C5~C6-シクロアルケニル基、
フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
アミノ基、塩素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基およびジフルオロメチル基から独立に選択される基で1回または複数回場合により置換されている5~10員ヘテロアリール基
であり、
RyはC1~C6-アルキルである、または2個のRy残基が一緒になって、C2~C6-アルキレン基、特に-C(CH3)2-C(CH3)2-となり、ピナコールエステルを形成する)。
【0251】
当業者によって容易に理解されるように、例えば、R3がオレフィン二重結合を含む基を特徴とする(例えば、R3がアルケニル、シクロアルケニルである場合)、鈴木カップリングによって調製された一般式(I)の化合物は、パラジウム炭素などの適切な触媒を使用した接触水素化分解などの当業者に知られている方法によって、R3が対応する飽和基(例えば、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル)を特徴とする化合物に容易に変換することができる。
【0252】
(j)求核芳香族置換を介して、-NR5R6、N結合ヘテロシクロアルキル基およびN結合ヘテロアリール基(式中、「N結合」という用語は、スキーム3の文脈で記載されるように理解されるべきである)から選択されるR3置換基を導入する経路2。
一般式(I)の化合物(式中、
R3は、-NR5R6、N結合4~6員ヘテロシクロアルキル基およびN結合ヘテロアリール基(式中、「N結合」という用語は、スキーム3の文脈で記載されるように理解されるべきであり、「4~6員ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロアリール」という用語は、上記のR3について定義されるように構成され、場合により置換されている)から選択される)
は、式(V)の中間体化合物(式中、
R4は上に定義される意味を有し、
XはF、ClまたはBr(スキーム3に反映される)であり、XがClまたはBrである場合、R1またはR2はFであることができず;特にXはFであり;
R1およびR2は上に定義される意味を有し、但し、XがClまたはBrである場合、R1またはR2はFであることができず、但し、R1およびR2の少なくとも1つは電子吸引効果を発揮し;特に、R1はフッ素および-CF3から選択され、R2は水素またはフッ素であり;さらに特に、R1は-CF3であり、R2は水素である)
を、HNR5R6および環原子としての1個のN-Hを特徴とする環状アミン(前記環状アミンは、それぞれ環原子として1個のN-Hを含む4~6員ヘテロシクロアルカンおよびヘテロアレーンから選択される)から選択される、場合により遊離塩基または塩、例えば塩酸塩としての対応するアミンと、
場合により、トリエチルアミン、DIPEAまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下、THF、CH3CN、DMFまたはDMSOなどの不活性溶媒中、RT~160℃、特に60℃~150℃の範囲の場合により高温で、2時間~7日間反応させることによって得ることができる
(式中、
R5はHであり、R6は、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基、ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
から選択される);
【0253】
(k)遷移金属触媒、特にパラジウム触媒アミノ化を介して、-NR5R6、N結合ヘテロシクロアルキル基およびN結合ヘテロアリール基(式中、「N結合」という用語は、スキーム3の文脈で記載されるように理解されるべきである)から選択されるR3置換基を導入する代替経路。
一般式(I)の化合物(式中、R3は、-NR5R6、N結合4~6員ヘテロシクロアルキル基およびN結合ヘテロアリール基(式中、「N結合」という用語は、スキーム3の文脈で記載されるように理解されるべきであり、「4~6員ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロアリール」という用語は、上記のR3について定義されるように構成され、場合により置換されている)から選択される)
は、式(V)の中間体化合物(式中、
XはCl、Br(スキーム3に反映される)、または
(C1~C4-アルキルスルホニル)オキシ、(C1~C4-フルオロアルキルスルホニル)オキシおよび(フェニルスルホニル)オキシから選択される基であり、(フェニルスルホニル)オキシに存在するフェニルは、1、2、3、4または5個の置換基で場合により置換されており、これらの置換基の各々はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1~C4-アルキルおよびC1~C4-アルコキシから独立に選択され;
R1またはR2は上に定義される通りであるが、Cl、Brとは異なり;特に、R1は-CF3であり、R2は水素であり;
R4は上に定義される意味を有する)
を、HNR5R6および環原子としての1個のN-Hを特徴とする環状アミン(前記環状アミンは、それぞれ環原子として1個のN-Hを含む4~6員ヘテロシクロアルカンおよびヘテロアレーンから選択される)から選択される、場合により遊離塩基または塩、例えば塩酸塩としての対応するアミンと、
リン酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などのパラジウム触媒、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニルまたは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレンなどの配位子の存在下、ジオキサンまたはトルエンなどの不活性溶媒中、60~160℃の範囲の高温で、2時間~7日間反応させることによって得ることができる
(式中、
R5はHであり、R6は、
5~6員ヘテロアリール基、C1~C3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1~C3-ハロアルキル基、およびそれ自体がC1~C3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC4~C6-シクロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC1~C3-アルキル基、ならびに
C5~C6-シクロアルキル基
から選択される);
こうして得られたキラル中心を含む式(I)の化合物を、場合によりキラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0254】
経路3:一般式(I)の化合物のサブセット、一般式(Ib)の化合物(式中、R
3は場合により置換されたアルコキシ基である)の代替合成
パートI:式(V)の中間体化合物の合成
【化109】
特にR
4=CH
3の場合:
【化110】
スキーム4
スキーム4:式(V)の中間体化合物を調製するための経路(式中、R
1、R
2およびR
4は上に定義される意味を有し;Xの意味は、式(V)の化合物についてスキーム5および段落(m)、(n)、(o)の文脈で以下に定義される通りである)。
(a)THF、-20℃~20℃、1時間~24時間、
(b)1.H
2NNHCOOCH
3、HCl、MeOH;2.TFA、DCM、0℃~20℃;3.NaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOH、20℃;
キラル中心を含む式(V)の化合物を、場合により、当業者に知られている方法、例えば、キラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0255】
パートII:式(V)の中間体化合物の一般式(Ib)の化合物への変換:
【化111】
(m)、(n)、(o):
R
7=C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルキル基、但し、非置換メチル基は除く;Pg2はヒドロキシ基に適した保護基、例えばベンジル基である。
スキーム5
スキーム5:式(V)を介して一般式(Ib)の化合物を調製する経路(式中、R
1、R
2およびR
4は上に定義される意味を有し、一般式(I)のR
3は、C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基であり、但し、非置換メトキシ基は除く)。
【0256】
(m)求核芳香族置換を介してR3置換基を導入する経路3(式中、R3は場合により置換されたアルコキシ基である)
一般式(Ib)の化合物は、式(V)の中間体化合物(式中、
R4は上に定義される意味を有し、
XはFまたはCl(スキーム5に反映さる)であり、XがClである場合、R1またはR2はFであることができず;特に特にXはFであり;
R1およびR2は上に定義される意味を有し、但し、XがClである場合、R1またはR2はFであることができず、但し、R1およびR2の少なくとも1つは電子吸引効果を発揮し;特に、R1はフッ素および-CF3から選択され、R2は水素またはフッ素であり;さらに特に、R1は-CF3であり、R2は水素である)
を、場合によりアルコールまたはアルコキシド塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩としての、対応するアルコールR7-OH(R7は上に定義される)と、
場合によりカリウムtert-ブトキシド、または水素化ナトリウム、または金属ナトリウムなどの強塩基の存在下、
場合によりTHFまたはDMFなどの不活性溶媒中、
場合により炭酸セシウムなどの塩基の存在下、DMSOなどの溶媒中、場合によりRT~160℃、特に60℃~150℃の範囲の高温で、2時間~7日間
反応させることによって得ることができる
(式中、
R7は、C1~C3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1~C3-アルコキシ基、C4~C6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC1~C6-アルキル基であり、但し、非置換メチル基は除く)。
【0257】
(n)遷移金属触媒、特にパラジウム触媒アミノ化を介してR3置換基を導入する代替経路(式中、R3は場合により置換されたアルコキシ基である)
一般式(Ib)の化合物は、式(V)の中間体化合物(式中、
XはCl、Br、I(スキーム5に反映される)、または
(C1~C4-アルキルスルホニル)オキシ、(C1~C4-フルオロアルキルスルホニル)オキシおよび(フェニルスルホニル)オキシから選択される基であり、(フェニルスルホニル)オキシに存在するフェニルは、1、2、3、4または5個の置換基で場合により置換されており、これらの置換基の各々はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1~C4-アルキルおよびC1~C4-アルコキシから独立に選択され;
R1またはR2は上に定義される通りであるが、Cl、Br、Iとは異なり;特に、R1は-CF3であり、R2は水素であり;
R4は上に定義される意味を有する)
を、対応するアルコールR7-OHと、
リン酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネートまたは[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3-メトキシ-6-メチル-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネートなどのパラジウム触媒、場合により2-ジ(tert-ブチル)ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3-メトキシ-6-メチルビフェニルまたは2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1’-ビフェニルなどの配位子の存在下、ジオキサンまたはトルエンなどの不活性溶媒中、60~160℃の範囲の高温で、2時間~7日間反応させることによって得ることができる
(式中、
R7=C1~C3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1~C3-アルコキシ基、C4~C6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から選択される基で場合により置換されているC1~C6-アルキル基であり、但し、非置換メチル基は除く)。
こうして得られたキラル中心を含む式(I)の化合物を、場合によりキラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0258】
(o)光延反応を介してR3置換基を導入する代替経路(式中、R3は場合により置換されたアルコキシ基である)
一般式(Ib)の化合物は、2段階手順(ステップo-1(保護基Pg2の除去)、引き続いてステップo-2(光延反応))で得ることができる。
【0259】
(o-1)一般式(V)の化合物(式中、Xは-OHである)は、式(V)の中間体化合物(式中、
XはOPg2であり、Pg2はヒドロキシ基に適した保護基、例えばベンジル基であり;
R1、R2およびR4は上に定義される意味を有する)
を、水素ガスと、パラジウム炭素などのパラジウム触媒の存在下、エタノールなどの溶媒中、室温~60℃の範囲の温度で、2時間~3日間、1bar~10barの範囲の、特に1barの水素圧力で反応させることによって得ることができる。
【0260】
(o-2)一般式(Ib)の化合物は、式(V)の中間体化合物(式中、Xは-OHであり、
R1、R2およびR4は上に定義される意味を有する)
を、対応するアルコールR7-OHと、
ジアルキルアゾジカルボキシレート、特にジイソプロピルアゾジカルボキシレート、
トリフェニルホスフィンなどのホスフィンの存在下、THFなどの不活性溶媒中、0℃~室温の範囲の温度で、2時間~3日間反応させることによって得ることができる
(式中、
R7=C1~C3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1~C3-アルコキシ基、C4~C6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から選択される基で場合により置換されているC1~C6-アルキル基であり、但し、非置換メチル基は除く)。
【0261】
こうして得られたキラル中心を含む式(I)の化合物を、場合によりキラルクロマトグラフィーによって分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
【0262】
第2の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(IV)の中間体化合物:
【化112】
(式中、R
1、R
2およびR
3は上に定義される一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Pgはアミン基に容易に適した保護基、例えばカルバメート基、さらに特にtert-ブトキシカルバメート基を意味する)
を、
ステップ1)において:H
2NNHCOOCH
3と、酸性条件(例えば、塩酸)下、アルコール性溶液、例えばメタノール中で、および
ステップ2)において:ジクロロメタン(DCM)中トリフルオロ酢酸(TFA)と、0℃~20℃で;および
ステップ3)において:塩基性条件下、室温で、特にNaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOHと20℃で
反応させ、
それによって、一般式(I)の化合物
【化113】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は、請求項1から8のいずれか一項または上記の任意の実施形態で定義される通りである)
を得るステップを含む方法を含む。
【0263】
第3の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II)の中間体化合物:
【化114】
(式中、R
1、R
2およびR
3は、請求項1に記載の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、R
3に含まれる官能基は場合により適切に保護されており、例えば、ヒドロキシ基は、上に定義されるPG2によって保護されており、Pgはアミン基のための保護基を意味する)
を、
ステップ1)において:H
2NNHCOOCH
3と、酸性条件下、アルコール性溶液中で、および
ステップ2)において:ジクロロメタン(DCM)中トリフルオロ酢酸(TFA)と、0℃~20℃で;および
ステップ3)において:塩基性条件下、室温で、特にNaOEt/EtOHまたはNaOMe/MeOHと20℃で
反応させ、
場合により任意のまだ保護されている官能基を脱保護し、
それによって、一般式(I)の化合物
【化115】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は、請求項1から8のいずれか一項または上記の任意の実施形態で定義される通りである)
を得て、
次いで、場合により、前記化合物を、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を使用して、溶媒和物、塩および/またはこのような塩の溶媒和物に変換するステップを含む方法を含む。
【0264】
さらなる実施形態では、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体を分離するステップをさらに含む、上記の式(I)の化合物を調製する方法を提供する。
【0265】
なおさらなる実施形態では、本発明は式(Ia)の化合物
【化116】
を提供する。
【0266】
なおさらなる実施形態では、本発明は式(Ib)の化合物
【化117】
を提供する。
【0267】
式(I)の化合物から式(Ia)の化合物および式(Ib)の化合物を得る方法は、例えばクロマトグラフィー、場合によりキラルクロマトグラフィーなど、当業者に公知である。
【0268】
本発明は、本明細書の実験節で記載されるステップを含む、一般式(I)の本発明の化合物を調製する方法を含む。
【0269】
第4の態様によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物の調製に有用な中間体化合物を含む。
【0270】
特に、本発明は、一般式(IV)の中間体化合物:
【化118】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
を含む。
【0271】
第5の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、前記中間体化合物の使用を含む。
【0272】
特に、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、一般式(I)の中間体化合物:
【化119】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4およびPgは上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の使用を含む。
【0273】
特に、本発明は、一般式(V)の中間体化合物:
【化120】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Xはハロゲン原子またはOPg2であり、Pg2はベンジル基などの適切な保護基である)
を含む。
【0274】
第5の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、前記中間体化合物の使用を含む。
【0275】
特に、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、一般式(V)の中間体化合物:
【化121】
(式中、R
1、R
2およびR
4は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Xはハロゲン原子またはOPg2であり、Pg2はベンジル基である)
の使用を含む。
【0276】
本発明は、下記の本文の実施例節に開示される中間体化合物を含む。
【0277】
本発明は、上記の一般式(IV)および(V)の中間体化合物の本発明の任意の実施形態または態様内の任意の部分的組み合わせを含む。
【0278】
本発明の一般式(I)の化合物は、当業者に知られている任意の方法によって、任意の塩、特に本明細書に記載される薬学的に許容される塩に変換することができる。同様に、本発明の一般式(I)の化合物の任意の塩は、当業者に知られている任意の方法によって、遊離化合物に変換することができる。
【0279】
方法および投与
本発明の一般式(I)の化合物は、予測することができなかった有益な薬理学的作用範囲を示す。驚くべきことに、本発明の化合物は、細胞増殖を有効に阻害することが分かっており、そのため、前記化合物を、ヒトおよび動物における疾患、特に過剰増殖性障害の治療または予防に使用することができそうである。
【0280】
さらに特に、式(I)の化合物は、ホスホジエステラーゼ3A/B(PDE3Aおよび/またはB)-SLF12複合体モジュレーターによる治療に感受性であることが分かっているがんを有する患者に由来するがん細胞における、PDE3Aおよび/またはPDE3BとSchlafen 12(SLFN12)および/またはSLFN12L mRNA、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの同時発現、ならびに/あるいはCREB3L1 mRNA、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現の減少の欠如を検出することによって、このような患者の治療に適している。式(I)の化合物は、PDE3AおよびPDE3Bの酵素阻害を最小限に抑えながら、がん細胞死滅に選択的である。
【0281】
本発明の化合物を利用して、SLFN 12複合体形成を誘導することによって腫瘍成長を阻害することができる。この方法は、疾患を治療するのに有効な量の本発明の一般式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルを、ヒトを含む、それを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む。
【0282】
さらなる定義
「改変」とは、本明細書に記載されるものなどの標準的な技術公知の方法によって検出される遺伝子またはポリペプチドの発現レベル、構造または活性の変化(増加または減少)を意味する。本明細書で使用される場合、一実施形態では、改変が、発現レベルの約10%の変化、特に約25%の変化、さらに特に約40%の変化、最も特に発現レベルの約50%以上の変化を含む。一定の実施形態では、改変が、発現レベルの10%以下(10%を含む)の変化、特に25%以下(25%を含む)の変化、さらに特に40%以下(40%を含む)の変化、最も特に発現レベルの50%以下(50%を含む)またはそれより大きい変化を含む。他の実施形態では、改変が、発現レベルの9%~11%(9%および11%を含む)の変化、特に10%~25%(10%および25%を含む)の変化、さらに特に25%~40%(25%および40%を含む)の変化、最も特に発現レベルの40%~50%(40%~50%を含む)または50%を超える(50%を含む)変化を含む。他の一定の実施形態では、改変が、発現レベルの9%~11%(9%および11%を含む)の変化、特に22%~28%(22%および28%を含む)の変化、さらに特に35%~45%(35%および45%を含む)の変化、最も特に発現レベルの45%~55%(45%~55%を含む)または55%以上の変化を含む。
【0283】
「断片」とは、ポリペプチドまたは核酸分子の一部を意味する。この部分は、特に基準核酸分子またはポリペプチドの全長の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%を含有する。一定の実施形態では、この部分が、特に、基準核酸分子またはポリペプチドの全長の少なくとも9%~11%(9%および11%を含む)、18%~22%(18%および22%を含む)、27%~33%(27%および33%を含む)、36%~44%(36%および44%を含む)、45%~55%(45%および55%を含む)、54%~66%(54%および66%を含む)、63%~77%(63%および77%を含む)、72%~88%(72%および88%を含む)または81%~99%(81%および99%を含む)を含有する。断片は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900または約1000個のヌクレオチドまたはアミノ酸を含有し得る。一定の実施形態では、断片が、9~11、約18~22、27~33、36~44、45~55、54~66、63~77、72~88、81~99、90~110、180~220、270~330、360~440、450~550、540~660、630~770、720~880、810~990または900~1100個のヌクレオチドまたはアミノ酸を含有し得る(それぞれについて、言及される限界を含む、例えば、「9~11」は9および11を含むことを意味する)。
【0284】
「モジュレーター」とは、ポリペプチドに結合し、そのポリペプチドの生物学的機能または活性を変化させる任意の作用物質を意味する。モジュレーターは、限定されないが、ポリペプチドの生物学的機能または活性を低下または排除する薬剤(例えば、「阻害剤」)を含む。例えば、モジュレーターはポリペプチドの触媒活性を阻害し得る。モジュレーターは、限定されないが、ポリペプチドと別の薬剤の結合を増加または減少させる薬剤を含む。例えば、モジュレーターは、ポリペプチドと別のポリペプチドの結合を促進することができる。いくつかの実施形態では、PDE3Aおよび/またはPDE3Bポリペプチドのモジュレーターが式(I)の化合物である。
【0285】
「過剰増殖性疾患」とは、不適切に高いレベルの細胞分裂、不適切に低いレベルのアポトーシス、またはその両方に関連するがんなどの疾患を意味する。
【0286】
過剰増殖性疾患には、それだけに限らないが、造血および良性過剰増殖性疾患が含まれる。
【0287】
筋増殖性疾患としても知られる「造血過剰増殖性疾患」には、例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、血小板増加症、原発性骨髄線維症などが含まれる。
【0288】
「良性過剰増殖性疾患」には、例えば、子宮内膜症、平滑筋腫および前立腺肥大症が含まれる。
【0289】
過剰増殖疾患には、それだけに限らないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍(脳、乳房、消化管、目、頭頸部、肝臓、気道、生殖器、皮膚、甲状腺、副甲状腺、尿路のがんおよびこれらの遠隔転移など)が含まれる。これらの疾患には白血病、リンパ腫および肉腫も含まれる。
【0290】
「固形腫瘍」は、例えば、乳がん、脳がん、消化管がん、目のがん、頭頸部がん、肝がん、副甲状腺がん、生殖器がん、気道がん、皮膚がん、甲状腺がん、尿路がんおよびこれらの遠隔転移である。これらの疾患にはリンパ腫、肉腫および白血病も含まれる。
【0291】
乳がんの例には、それだけに限らないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および非浸潤性小葉癌が含まれる。
【0292】
脳がんの例には、それだけに限らないが、脳幹および視床下部膠腫、神経膠芽腫、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が含まれる。一実施形態では、脳がんが、特に神経膠芽腫、星状細胞腫、退形成性星状細胞腫および原始神経外胚葉性腫瘍を含む。
【0293】
消化管の腫瘍には、それだけに限らないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺がんが含まれる。
【0294】
目のがんには、それだけに限らないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
【0295】
頭頸部がんには、それだけに限らないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭がん、および口腔がんおよび扁平細胞が含まれる。
【0296】
肝がんの例には、それだけに限らないが、肝細胞癌(線維層板型の変形を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合肝細胞性胆管癌が含まれる。
【0297】
気道のがんの例には、それだけに限らないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
【0298】
男性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、前立腺および精巣がんが含まれる。
【0299】
女性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰がん、ならびに子宮の肉腫が含まれる。
【0300】
尿路の腫瘍には、それだけに限らないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎臓がんが含まれる。
【0301】
皮膚がんには、それだけに限らないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がんおよび非黒色腫皮膚がんが含まれる。
【0302】
白血病には、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病が含まれる。さらに特に、白血病には、それだけに限らないが、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、(急性)T細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性単球性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、二重表現型(bisphenotypic)B骨髄単球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、大顆粒リンパ球性白血病、形質細胞白血病、および急性骨髄性白血病に発展し得る骨髄異形成症候群(MDS)が含まれる。
【0303】
リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。特に、リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、T非ホジキンリンパ腫(T-NHL)、NHLのサブタイプ、例えばびまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)、活性化B細胞DLBCL、胚中心B細胞リンパ腫DLBCL、ダブルヒットリンパ腫および二重発現リンパ腫;未分化大細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、ホジキン病、マントル細胞リンパ腫(MCL)、中枢神経系のリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫および慢性リンパ球性リンパ腫およびセザリー症候群が含まれる。
【0304】
肉腫には、それだけに限らないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉種が含まれる。
【0305】
本明細書で提供される任意の組成物または方法は、本明細書で提供される他の組成物および方法のいずれかの1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0306】
本文書の全体にわたって述べられている「治療すること」または「治療」という用語は、慣習的に使用され、例えば、癌などの疾患の状態または疾患と戦う、これを緩和する、低減する、軽減するおよび/または改善する目的での対象の管理または介護を含む。これらの疾患はヒトにおいてよく特徴付けられているが、他の哺乳動物でも類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。除外されないが、疾患または状態を治療することは、それに関連する疾患、状態または症状が完全に排除されることを必要としないことが認識されるだろう。
【0307】
本発明の化合物は、腫瘍成長の前処理を用いてまたは用いないで、特に、全ての適応症および病期の固形腫瘍の腫瘍成長および転移の特に治療および予防、すなわち予防法に使用することができる。
【0308】
一般に、本発明の化合物または医薬組成物と組み合わせた化学療法剤および/または抗がん剤の使用は、
1.いずれかの薬剤単独の投与と比べて、腫瘍の成長を減少させるのに優れた効果をもたらすまたは腫瘍を排除さえする、
2.より少量の投与される化学療法剤および/または抗がん剤の投与をもたらす、
3.単独薬剤の化学療法および特定の他の併用療法で観察されるよりも有害な薬理学的合併症が少なく、患者の耐容性が良好である化学療法治療を提供する、
4.哺乳動物、特にヒトにおいて広範囲の異なるがん型の治療を提供する、
5.治療されている患者間の高い奏功率を提供する、
6.標準的化学療法治療と比べて、治療されている患者間で長い生存期間を提供する、
7.より長い腫瘍進行の時間をもたらす、および/または
8.他の抗がん剤組み合わせが拮抗効果をもたらす既知の例と比べて、単独で使用される薬剤の結果と少なくとも同じくらい良い効能および耐容性結果をもたらす
のに役立つ。
【0309】
さらに、本発明の一般式(I)の化合物を放射線療法および/または外科的介入と組み合わせて使用することもできる。
【0310】
本発明のさらなる実施形態では、本発明の一般式(I)の化合物を使用して細胞を放射線に対して感作させることができる、すなわち、細胞の放射線治療の前の、本発明の化合物による細胞の処理が、細胞が本発明の化合物による処理を受けていない場合よりも、細胞をDNA損傷および細胞死を受けやすくする。一態様では、細胞を、少なくとも1種の本発明の一般式(I)の化合物で処理する。
【0311】
したがって、本発明はまた、細胞を死滅させる方法であって、細胞が従来の放射線治療と組み合わせて1種または複数の本発明の化合物を投与される方法も提供する。
【0312】
本発明はまた、細胞を、より細胞死を受けやすくする方法であって、細胞死を引き起こすまたは誘導するために細胞が細胞の処理前に1種または複数の本発明の一般式(I)の化合物で処理される方法も提供する。
【0313】
一態様では、正常な細胞の機能を阻害するまたは細胞を死滅させる目的でDNA損傷を引き起こすために、細胞を1種または複数の本発明の一般式(I)の化合物で処理した後に、細胞を少なくとも1種の化合物もしくは少なくとも1つの方法、またはこれらの組み合わせで処理する。
【0314】
本発明の他の実施形態では、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理することによって細胞を死滅させる、すなわち細胞を1種または複数の本発明の一般式(I)の化合物で処理して、細胞を細胞死に感作させた後に、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理して細胞を死滅させる。本発明で有用なDNA損傷剤には、それだけに限らないが、化学療法剤(例えば、シスプラチン)、電離放射線(X線、紫外線放射)、発癌物質および突然変異誘発物質が含まれる。
【0315】
他の実施形態では、細胞を少なくとも1つの方法で処理してDNA損傷を引き起こすまたは誘導することによって細胞を死滅させる。このような方法には、それだけに限らないが、経路が活性化されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の活性化、経路が阻害されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の阻害、および細胞における生化学的変化の誘導(ここでは変化がDNA損傷をもたらす)が含まれる。非限定的例として、細胞のDNA修復経路を阻害し、それによってDNA損傷の修復を防ぐ、および細胞のDNA損傷の異常な蓄積をもたらすことができる。
【0316】
本発明の一態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導の前に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。本発明の別の態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導と同時に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。本発明のさらに別の態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導が始まった直後に、本発明の一般式(I)の化合物を細胞に投与する。
【0317】
別の態様では、細胞はインビトロである。別の実施形態では、細胞はインビボである。
【0318】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、細胞の増殖を阻害するおよび/または細胞におけるアポトーシスを誘導する方法であって、細胞を請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と接触させるステップを含む方法を含む。
【0319】
本発明の化合物を利用して、SLFN 12複合体形成を誘導することによって腫瘍成長を阻害することができる。この方法は、疾患を治療するのに有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルを、ヒトを含む、それを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む。
【0320】
本発明はまた、過剰増殖性疾患、がん疾患を治療する方法を含む。
【0321】
これらの疾患はヒトにおいてよく特徴付けられているが、他の哺乳動物でも類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。
【0322】
本発明の化合物は、特に過剰増殖性疾患、がん疾患の治療および予防(prevention)、すなわち予防(prophylaxis)に使用することができる。
【0323】
本発明の別の態様は、有効量の少なくとも1種の一般式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルを対象(例えば、ヒト、ラットなどの他の哺乳動物等)に投与することによって、対象のがんを制御する(例えば、治療および/または予防を介して)方法である。
【0324】
特に、いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患、さらに特にがんを治療する方法であって、有効量の少なくとも1種の請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を投与するステップを含む方法を含む。
【0325】
がん細胞を一般式(I)の化合物と接触させるステップを含む、がん細胞の過剰増殖を阻害する方法も提供される。がん細胞はインビトロまたはインビボであり得る。
【0326】
さらなる態様によると、本発明は、有効量の上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物を使用して、疾患、特に過剰増殖性疾患、特にがん疾患を治療または予防する方法を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、対象の過剰増殖性疾患を治療および/または予防する方法が、有効量の一般式(I)の化合物を対象に投与するステップを含み得る。過剰増殖性疾患は、例えば、がん、例えば、肛門腫瘍、脳腫瘍、乳房腫瘍、骨腫瘍、中枢および末梢神経系腫瘍、結腸腫瘍、目腫瘍、腎臓腫瘍、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)腫瘍、子宮内膜腫瘍、食道腫瘍、消化管(消化管間質腫瘍を含む)腫瘍、生殖細胞腫瘍、頭頸部腫瘍、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍、喉頭および下咽頭腫瘍、肺腫瘍、中皮腫、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、直腸腫瘍、生殖器(例えば、子宮頸部、卵巣、前立腺)腫瘍、気道腫瘍、小腸腫瘍、皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍、胃腫瘍、精巣腫瘍、甲状腺腫瘍、副甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、泌尿生殖器腫瘍、膣および外陰部腫瘍、ならびに結合組織腫瘍、ならびにこれらの腫瘍の転移であり得る。悪性新生物には、網膜芽細胞腫およびウィルムス腫瘍等によって例示される遺伝性がんが含まれる。
【0328】
いくつかの実施形態では、対象の過剰増殖性疾患を治療および/または予防する方法が、有効量の一般式(I)の化合物を対象に投与するステップを含み得る。過剰増殖性疾患は、例えば、がん(例えば、子宮頸がんおよび黒色腫等)であり得る。
【0329】
さらに、いくつかの実施形態では、本発明は、がん、特に肛門腫瘍、脳腫瘍、乳房腫瘍、骨腫瘍、中枢および末梢神経系腫瘍、結腸腫瘍、目腫瘍、腎臓腫瘍、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)腫瘍、子宮内膜腫瘍、食道腫瘍、消化管(消化管間質腫瘍を含む)腫瘍、生殖細胞腫瘍、頭頸部腫瘍、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍、喉頭および下咽頭腫瘍、肺腫瘍、中皮腫、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、直腸腫瘍、生殖器(例えば、子宮頸部、卵巣、前立腺)腫瘍、気道腫瘍、小腸腫瘍、皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍、胃腫瘍、精巣腫瘍、甲状腺腫瘍、副甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、泌尿生殖器腫瘍、膣および外陰部腫瘍、ならびに結合組織腫瘍、ならびにこれらの腫瘍の転移を治療する方法を含む。悪性新生物には、網膜芽細胞腫およびウィルムス腫瘍によって例示される遺伝性がんが含まれる。有効量の少なくとも1種の請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を投与するステップを含む。
【0330】
さらにいくつかの実施形態では、本発明は、がん、特に子宮頸がんおよび黒色腫を治療する方法であって、有効量の少なくとも1種の請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を投与するステップを含む方法を含む。
【0331】
さらに、いくつかの実施形態では、本発明は、がん、特に肛門腫瘍、脳腫瘍、乳房腫瘍、骨腫瘍、中枢および末梢神経系腫瘍、結腸腫瘍、目腫瘍、腎臓腫瘍、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)腫瘍、子宮内膜腫瘍、食道腫瘍、消化管(消化管間質腫瘍を含む)腫瘍、生殖細胞腫瘍、頭頸部腫瘍、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍、喉頭および下咽頭腫瘍、肺腫瘍、中皮腫、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、直腸腫瘍、生殖器(例えば、子宮頸部、卵巣、前立腺)腫瘍、気道腫瘍、小腸腫瘍、皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍、胃腫瘍、精巣腫瘍、甲状腺腫瘍、副甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、泌尿生殖器腫瘍、膣および外陰部腫瘍、ならびに結合組織腫瘍、ならびにこれらの腫瘍の転移を治療する方法を含む。悪性新生物には、網膜芽細胞腫およびウィルムス腫瘍によって例示される遺伝性がんが含まれる。有効量の少なくとも1種の請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を投与するステップを含む。
【0332】
さらにいくつかの実施形態では、本発明は、がん、特に子宮頸がんおよび黒色腫を治療する方法であって、有効量の少なくとも1種の請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を投与するステップを含む方法を含む。
【0333】
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患の治療または予防に使用するための、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物を含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患を治療するために一般式(I)の化合物を使用する方法を含む。
【0335】
本発明による化合物の医薬活性は、SLFN12複合体誘導因子としてのそれらの活性によって説明することができる。
【0336】
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患、特にがん疾患を予防または治療するための、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を含む。
【0337】
さらなる態様によると、本発明は、がんの治療に使用するための、特に脳がん、子宮頸がん、皮膚がんおよび卵巣がんの治療に使用するための、さらに特に脳がん、子宮頸がんおよび皮膚がんの治療に使用するための、ディスクレーマ-を含まない請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含む。
【0338】
別の態様によると、本発明は、
R
1が、水素原子、ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基またはC
1~C
3-ハロアルキル基であり;
R
2が、水素原子またはハロゲン原子であり;
R
3が、
C
1~C
3-アルキル基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヘテロシクロアルキル基、およびC
1~C
3-アルキル基で1回または2回置換されているアミノ基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
C
1~C
3-アルコキシ基で場合により置換されているC
2~C
6-アルケニル基、
C
5~C
6-シクロアルケニル基、
ハロゲン原子、C
1~C
3-アルキル基およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されているフェニル基、
フッ素原子、ヒドロキシ基およびC
1~C
3-アルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている4~6員ヘテロシクロアルキル基、
【化122】
基、
【化123】
基、
【化124】
基、
アミノ基、ハロゲン原子およびC
1~C
3-ハロアルキル基から独立に選択される基で1回または複数回置換されている5~10員ヘテロアリール基、
C
1~C
3-ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-アルコキシ基、C
4~C
6-シクロアルキル基、4~6員ヘテロシクロアルキル基、5~6員ヘテロアリール基から独立に選択される基で場合により置換されているC
1~C
6-アルコキシ基、
NR
5R
6基、ならびに
【化125】
基
であり、
R
4が、水素原子またはC
1~C
3-アルキル基であり、
R
5が水素原子であり、
R
6が、
5~6員ヘテロアリール基、C
1~C
3-アルコキシ基、ヒドロキシ基、C
1~C
3-ハロアルキル基およびそれ自体がC
1~C
3-ヒドロキシアルキル基で場合により置換されているC
4~C
6-シクロアルキル基から選択される基で1回または複数回置換されているC
1~C
3-アルキル基、
ならびに
C
5~C
6-シクロアルキル基
から選択される、
式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、または立体異性体の塩、互変異性体の塩、N-オキシドの塩またはこれらの混合物を含む。
【0339】
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患、特にがん疾患を治療または予防する方法における、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を含む。
【0340】
いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患、特にがん、さらに特に肛門腫瘍、脳腫瘍、乳房腫瘍、骨腫瘍、中枢および末梢神経系腫瘍、結腸腫瘍、目腫瘍、腎臓腫瘍、内分泌腺(例えば、甲状腺および副腎皮質)腫瘍、子宮内膜腫瘍、食道腫瘍、消化管(消化管間質腫瘍を含む)腫瘍、生殖細胞腫瘍、頭頸部腫瘍、腎臓腫瘍、肝臓腫瘍、喉頭および下咽頭腫瘍、肺腫瘍、中皮腫、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、直腸腫瘍、生殖器(例えば、子宮頸部、卵巣、前立腺)腫瘍、気道腫瘍、小腸腫瘍、皮膚腫瘍、軟部組織腫瘍、胃腫瘍、精巣腫瘍、甲状腺腫瘍、副甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、泌尿生殖器腫瘍、膣および外陰部腫瘍、ならびに結合組織腫瘍、ならびにこれらの腫瘍の転移を治療するための医薬品を製造するための、一般式(I)の化合物の使用を含む。悪性新生物には、網膜芽細胞腫およびウィルムス腫瘍によって例示される遺伝性がんが含まれる。
【0341】
いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患、特にがん、さらに特に子宮頸がんおよび黒色腫を治療するための医薬品を製造するための、一般式(I)の化合物の使用を含む。
【0342】
いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患、特にがん、さらに特に脳がん、子宮頸がんおよび黒色腫を治療するための医薬品を製造するための、一般式(I)の化合物の使用を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患、特にがん、さらに特に脳がん、子宮頸がん、黒色腫および卵巣がんを治療するための医薬品を製造するための、一般式(I)の化合物の使用を含む。
【0344】
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞の増殖を阻害するおよび/または細胞におけるアポトーシスを誘導する方法であって、細胞を請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と接触させるステップを含む方法に使用するための一般式(I)の化合物を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患を治療または予防する方法に使用するための請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を含む。
【0346】
特に、いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患を治療する方法に使用するための一般式(I)の化合物であって、さらに特に過剰増殖性疾患ががんである、なおさらに特にがん疾患が子宮頸がんおよび黒色腫である、化合物を含む。
【0347】
特に、いくつかの実施形態では、本発明は、過剰増殖性疾患を治療する方法に使用するための一般式(I)の化合物であって、さらに特に過剰増殖性疾患ががんである、なおさらに特にがん疾患が脳がん、子宮頸がん、黒色腫および卵巣がんである、化合物を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、本発明は、特にがん疾患が子宮頸がんおよび黒色腫であるがんを治療する方法に使用するための一般式(I)の化合物を提供する。
【0349】
いくつかの実施形態では、本発明は、特にがん疾患が脳がん、子宮頸がん、黒色腫および卵巣がんであるがんを治療する方法に使用するための一般式(I)の化合物を提供する。
【0350】
さらなる態様によると、本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患、特にがん疾患を予防または治療するための医薬組成物、特に医薬品を調製するための、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物および塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用を含む。
【0351】
さらなる態様によると、本発明は、上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、塩、特に薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物と、1種または複数の賦形剤、特に1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、特に医薬品を含む。適当な剤形のこのような医薬組成物を調製するための従来手順を利用することができる。
【0352】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1種の化合物を、慣用的に1種または複数の薬学的に適した賦形剤と一緒に含む医薬組成物、特に医薬品、および上述の目的のためのその使用を含む。
【0353】
本発明による化合物が全身および/または局所活性を有することが可能である。この目的のために、これらを適当な様式で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、膣、真皮、経皮、結膜、耳経路を介して、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
【0354】
これらの投与経路のために、本発明による化合物を適切な投与形態で投与することが可能である。
【0355】
経口投与のために、本発明による化合物を、本発明の化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達する当分野で公知の剤形、例えば錠剤(非コーティングまたは例えば、遅延溶解するもしくは可溶性である腸溶性もしくは制御放出コーティングによるコーティング錠)、経口崩壊錠、フィルム/ウエハー、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット、粉末、乳剤、懸濁液、エアロゾール剤または溶液に製剤化することが可能である。本発明による化合物を結晶形態および/または非晶形態および/または溶解形態で前記剤形に組み込むことが可能である。
【0356】
非経口投与は、吸収ステップを回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内もしくは腰椎内)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内)達成することができる。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態の注射および点滴用製剤である。
【0357】
他の投与経路に適した例には、吸入のための医薬形態[とりわけ、粉末吸入器、ネブライザー]、点鼻薬、点鼻液または鼻腔スプレー;舌、舌下または頬側投与のための錠剤/フィルム/ウエハー/カプセル剤;坐剤;点眼薬、眼軟膏、眼浴、眼球インサート、点耳剤、耳スプレー、耳散剤、耳リンス、耳タンポン;膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、乳剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチなど)、ミルク、ペースト、フォーム、粉剤、インプラントまたはステントがある。
【0358】
本発明による化合物を、言及される投与形態に組み込むことができる。これは、薬学的に適切な賦形剤と混合することによって、それ自体は既知の様式で行うことができる。薬学的に適した賦形剤には、特に、以下が含まれる
・充填剤および担体(例えば、セルロース、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標)など)、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム(例えばDi-Cafos(登録商標)など))、
・軟膏基剤(例えば、ワセリン、パラフィン、トリグリセリド、ワックス、ウールワックス、ウールワックスアルコール、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール)、
・坐剤用基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、硬質脂肪)、
・溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖長トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・界面活性剤、乳化剤、分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール(例えばLanette(登録商標)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばSpan(登録商標)など)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばTween(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(例えばCremophor(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー(例えばPluronic(登録商標)など)、
・緩衝剤、酸および塩基(例えば、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・等張剤(例えば、グルコース、塩化ナトリウム)、
・吸着剤(例えば、高分散性シリカ)、
・粘度増強剤、ゲル形成剤、増粘剤および/またはバインダー(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸(例えばCarbopol(登録商標)など)、アルギン酸塩、ゼラチン)、
・崩壊剤(例えば、修飾デンプン、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えばExplotab(登録商標)など)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム(例えばAcDiSol(登録商標)など))、
・流動調節剤、潤滑剤、滑剤および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散性シリカ(例えばAerosil(登録商標)など))、
・コーティング材料(例えば、糖、シェラック)およびフィルム形成剤、または急速にもしくは修飾された様式で溶解する分散膜(例えば、ポリビニルピロリドン(例えばKollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標)など))、
・カプセル材料(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・合成ポリマー(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標)など)、ポリビニルピロリドン(例えばKollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールならびにこれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・浸透促進剤、
・安定剤(例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル)、
・保存剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、二酸化チタン)、
・香味料、甘味料、香味および/または臭気マスキング剤。
【0359】
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、慣用的に1種または複数の薬学的に適した賦形剤と一緒に含む医薬組成物、および本発明によるそれらの使用に関する。
【0360】
別の態様によると、本発明は、特に過剰増殖性疾患、がんを治療および/または予防するための、少なくとも1種の本発明の一般式(I)の化合物と、少なくとも1種または複数のさらなる有効成分とを含む医薬組み合わせ、特に医薬品を含む。
【0361】
特に、本発明は、
・1種または複数の第1の有効成分、特に上に定義される一般式(I)の化合物、および
・1種または複数のさらなる有効成分、特に1種または複数の抗がん剤
を含む医薬組み合わせを含む。
【0362】
本発明における「組み合わせ」という用語は、当業者に知られているように使用され、組み合わせが固定した組み合わせ、固定していない組み合わせまたはパーツキット(kit-of-parts)であることが可能である。
【0363】
本発明における「固定した組み合わせ」は、当業者に知られているように使用され、例えば、第1の有効成分、例えば1種または複数の本発明の一般式(I)の化合物およびさらなる有効成分が1つの単位投与量または単一実体中に一緒に存在する組み合わせとして定義される。「固定した組み合わせ」の1つの例は、第1の有効成分およびさらなる有効成分が同時投与用の混和物、例えば、製剤中に存在する医薬組成物である。「固定した組み合わせ」の別の例は、第1の有効成分およびさらなる有効成分が混和していないが一単位中に存在する医薬組み合わせである。
【0364】
本発明における固定していない組み合わせまたは「パーツキット」は、当業者に知られているように使用され、第1の有効成分およびさらなる有効成分が2つ以上の単位中に存在する組み合わせとして定義される。固定していない組み合わせまたはパーツキットの1つの例は、第1の有効成分およびさらなる有効成分が別々に存在する組み合わせである。固定していない組み合わせまたはパーツキットの成分を、別々に、順次、同時に、同時発生的にまたは時差的交互的に(chronologically staggered)投与することが可能である。
【0365】
本発明の化合物は、唯一の医薬剤として、または組み合わせが許容できない有害効果をもたらさない1種または複数の他の医薬有効成分との組み合わせで投与することができる。本発明はまた、このような医薬組み合わせを含む。例えば、本発明の化合物は、既知の抗がん剤と組み合わせることができる。
【0366】
抗がん剤の例としては、以下が挙げられる:
131I-chTNT、アバレリックス、アベマシクリブ、アビラテロン、アカラブルチニブ、アクラルビシン、アダリムマブ、ado-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アリトレチノイン、アルファラジン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、ヘキシルアミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンセスチム、アネトールジチオールチオン、アネツマブ・ラブタンシン、アンジオテンシンII、抗トロンビンIII、アパルタミド、アプレピタント、アルシツモマブ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシカブタゲン・シロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベシレソマブ、ベリノスタット、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブセレリン、ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カルシトニン、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カプロマブ、カルバマゼピン、カルボプラチン、カルボコン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セミプリマブ、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コビメチニブ、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デプレオチド、デスロレリン、ジアンヒドロガラクチトール、デクスラゾキサン、塩化ジブロスピジウム、ジアンヒドロガラクチトール、ジクロフェナク、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、ドロナビノール、デュルバルマブ、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エロツズマブ、エルトロンボパグ、エナシデニブ、エンドスタチン、エノシタビン、エンザルタミド、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フェンタニル、フィルグラスチム、フルオキシメステロン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、フォルメスタン、ホスアプレピタント、ホテムスチン、フルベストラント、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドベルセタミド、ガドキセト酸、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルカルピダーゼ、グルトキシム(glutoxim)、GM-CSF、ゴセレリン、グラニセトロン、顆粒球コロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I-125シード、ランソプラゾール、イバンドロン酸、イブリツモマブ・ティウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インジセトロン、インカドロン酸、インゲノールメブテート、イノツズマブオゾガマイシン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、イオベングアン(123I)、イオメプロール、イピリムマブ、イリノテカン、イトラコナゾール、イクサベピロン、イキサゾミブ、ランレオチド、ランソプラゾール、ラパチニブ、IASOコリン(Iasocholine)、レナリドミド、レンバチニブ、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、レボノルゲストレル、レボチロキシンナトリウム、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、ルテチウムLu 177ドータテート、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メタドン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチロシン、ミドスタウリン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モガムリズマブ、モルグラモスチム、モピダモール、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、mvasi、ナビロン、ナビキシモルス、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトレキソン、ナルトグラスチム、ネシツムマブ、ネダプラチン、ネララビン、ネラチニブ、ネリドロン酸、ネツピタント・パロノセトロン、ニボルマブペンテトレオチド(nivolumabpentetreotide)、ニロチニブ、ニルタミド、ニモラゾール、ニモツズマブ、ニムスチン、ニンテダニブ、ニラパリブ、ニトラクリン、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オファツムマブ、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オメプラゾール、オンダンセトロン、オプレルベキン、オルゴテイン、オリロチモド(orilotimod)、オシメルチニブ、オキサリプラチン、オキシコドン、オキシメトロン、オゾガマイシン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、パラジウム-103シード、パロノセトロン、パミドロン酸、パニツムマブ、パノビノスタット、パントプラゾール、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、PEG-エポエチンベータ(メトキシPEG-エポエチンベータ)、ペンブロリズマブ、ベグフィルグラスチム、pegインターフェロンアルファ-2b、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフルブタン、ペルホスファミド、ペルツズマブ、ピシバニール、ピロカルピン、ピラルビシン、ピクサントロン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリビニルピロリドン+ヒアルロン酸ナトリウム、ポリサッカリド-K、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロコダゾール、プロプラノロール、キナゴリド、ラベプラゾール、ラコツモマブ、塩化ラジウム223、ラドチニブ、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラムシルマブ、ラニムスチン、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リボシクリブ、リセドロン酸、エチドロン酸レニウム-186、リツキシマブ、ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロムルチド、ル
カパリブ、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、サリルマブ、サツモマブ、セクレチン、シルツキシマブ、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソニデギブ、ソラフェニブ、スタノゾロール、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タリモジーン・ラハーパレプベック、タミバロテン、タモキシフェン、タペンタドール、タソネルミン、テセロイキン、テクネチウム(99mTc)ノフェツモマブメルペンタン、99mTc-HYNIC-[Tyr3]-オクトレオチド、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、サイロトロピンアルファ、チオグアニン、チサゲンレクロイセル、チスレリズマブ、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラマドール、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トレオスルファン、トレチノイン、トリフルリジン+チピラシル、トリロスタン、トリプトレリン、トラメチニブ、トロフォスファミド、トロンボポエチン、トリプトファン、ウベニメクス、バラチニブ、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
【0367】
哺乳動物において上で識別された状態の治療を決定するための標準的毒性試験および標準的薬理学的アッセイ、ならびにこれらの結果とこれらの状態を治療するために使用される既知の有効成分または医薬品の結果との比較による、過剰増殖性疾患、例えばがん疾患の治療に有用な化合物を評価するために知られている標準的実験室技術に基づいて、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症を治療するために容易に決定することができる。これらのうちのある状態の治療で投与されるべき有効成分の量は、使用される特定の化合物および投与量単位、投与様式、治療期間、治療される患者の年齢および性別、ならびに治療される状態の性質および程度などの考慮事項により広く変化し得る。
【0368】
投与されるべき有効成分の総量は、一般的に約0.001mg/kg~約200mg/kg体重/日、特に約0.01mg/kg~約20mg/kg体重/日に及ぶ。臨床的に有用な投与スケジュールは、1~3回/日投与~4週間に1度投与に及ぶ。さらに、患者が一定期間薬剤を投与されない「休薬日」が、薬理学的効果と耐容性との間の全体的なバランスに有益となることが可能である。単位投与量が約0.5mg~約1500mgの有効成分を含むことが可能であり、1日1回もしくは複数回または1日1回未満投与することができる。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注射を含む注射による投与、ならびに注入技術の使用のための平均1日投与量は、特に0.01~200mg/kg総体重となる。平均1日直腸投与レジメンは、特に0.01~200mg/kg総体重となる。平均1日膣投与レジメンは、特に0.01~200mg/kg総体重となる。平均1日局所投与レジメンは、特に1日1~4回、0.1~200mg投与される。経皮濃度は、特に0.01~200mg/kgの1日量を維持するのに必要とされるものとなる。平均1日吸入投与レジメンは、特に0.01~100mg/kg総体重となる。
【0369】
当然、各患者のための具体的な初期および継続投与レジメンは、主治診断医により決定される状態の性質および重症度、使用される具体的な化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与期間、投与経路、薬剤の排泄率、薬剤の組み合わせなどによって変化する。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルもしくは組成物の所望の治療様式および投与回数は、従来の治療試験を用いて当業者によって確認され得る。
【0370】
実験節
実験節-NMRスペクトル
NMRピーク形態はスペクトルに現れる通りに言及し、考えられる高次効果は考慮しなかった。
【0371】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker(300または400MHz 1H、75または101MHz 13C)分光計で記録した。プロトン、フッ素および炭素化学シフトは、NMR溶媒を基準とするppm(δ)で報告する。データを以下の通り報告する:化学シフト、多重度(br=ブロード、s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項;1つまたは複数のカップリング定数(Hz))。
【0372】
選択された化合物の1H-NMRデータを1H-NMRピークリストの形態で列挙する。その中では、各シグナルピークについて、δ値(ppm)を与え、引き続いて、シグナル強度を丸括弧中に報告する。異なるピークのδ値-シグナル強度のペアはカンマで分離する。そのため、ピークリストを、一般的な形態:δ1(強度1)、δ2(強度2)、...、δi(強度i)、...、δn(強度n)で記載する。
【0373】
鋭いシグナルの強度は、印刷されたNMRスペクトルのシグナルの高さ(cm)に相関する。他のシグナルと比べると、このデータはシグナル強度の実際の比に相関し得る。ブロードなシグナルの場合、2つ以上のピーク、またはスペクトルに示される最も強いシグナルと比べたその相対強度と合わせたシグナルの中心を示す。1H-NMRピークリストは古典的な1H-NMR読み取りと同様であるので、通常は、古典的なNMR解釈で列挙される全てのピークを含む。さらに、古典的な1H-NMRプリントアウトと同様に、ピークリストは溶媒シグナル、特定の標的化合物の立体異性体に由来するシグナル、不純物のピーク、13Cサテライトピークおよび/またはスピニングサイドバンドを示すことができる。立体異性体のピークおよび/または不純物のピークは、典型的には標的化合物(例えば、90%超の純度を有する)と比べて低い強度で示される。このような立体異性体および/または不純物は特定の製造方法に典型的であり得るので、これらのピークが「副産物指紋」に基づいて製造方法の再現を確認するのに役立ち得る。既知の方法(MestReC、ACDシミュレーションまたは経験的に評価した期待値の使用)によって標的化合物のピークを計算する専門家は、場合によりさらなる強度フィルタを用いて、必要とされる標的化合物のピークを単離することができる。このような操作は古典的な1H-NMR解釈でのピークピッキングと同様であるだろう。ピークリストの形態のNMRデータの報告の詳細な説明は、「特許出願中のNMRピークリストデータの引用」(http://www.researchdisclosure.com/searching-disclosures、研究の開示データベース番号605005、2014、2014年8月1日参照)中に見出すことができる。研究の開示データベース番号605005に記載されるピークピッキング手順で、パラメータ「MinimumHeight」は1%~4%の間で調整することができる。しかしながら、測定化合物の化学構造に応じておよび/または濃度に応じて、パラメータ「MinimumHeight」を1%未満に設定することが合理的となる場合もある。
【0374】
化学名は、ACD/LabsのACD/Nameソフトウェアを使用して作成した。いくつかの場合、商業的に入手可能な試薬の一般的に受け入れられている名称をACD/Name作成名の代わりに使用した。
【0375】
実験節-略語
以下の表1は、本文中で説明しない限り、この段落および実施例節で使用される略語を列挙する。他の略語は、それ自体当業者にとって慣例の意味を有する。
【0376】
【0377】
本出願に記載される本発明の種々の態様を以下の実施例によって示すが、これらは本発明を限定することを何ら意図していない。
【0378】
本明細書に記載される実施例の試験実験は本発明を説明するのに役立つが、本発明は示される例に限定されない。
【0379】
実験節-一般的部分
その合成が実験部に記載されていない全ての試薬は、商業的に入手可能である、または既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。反応は、例えばプロトコルで指定される温度で、試薬の添加によって設定および開始した;温度が指定されていない場合、それぞれの実施ステップを周囲温度、例えば18~25℃の間で実施した。
【0380】
本発明の方法により製造された化合物および中間体は精製を必要とし得る。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同化合物を精製するいくつかの方法が存在し得る。いくつかの場合、精製は必要でない場合もある。いくつかの場合、結晶化によって化合物を精製することができる。いくつかの場合、適当な溶媒を用いて不純物を撹拌することができる。いくつかの場合、例えば、予備充填シリカゲルカートリッジ、例えば、Biotage SNAPカートリッジKP-Sil(登録商標)またはKP-NH(登録商標)をBiotage自動精製装置システム(SP4(登録商標)またはIsolera Four(登録商標))および溶離液(ヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配など)と組み合わせて使用して、クロマトグラフィー、特にフラッシュカラムクロマトグラフィーによって化合物を精製することができる。
【0381】
いくつかの場合、例えば、ダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えるWaters自動精製装置を適当な予備充填逆相カラムおよび溶離液、例えば、トリフルオロ酢酸、ギ酸またはアンモニア水などの添加剤を含み得る水およびアセトニトリルの勾配と組み合わせて使用して、分取HPLCによって化合物を精製することができる。
【0382】
いくつかの場合、上記の精製方法は、塩の形態で十分に塩基性または酸性官能基を有する本発明の化合物、例えば、十分に塩基性の本発明の化合物の場合、例えば、トリフルオロ酢酸塩もしくはギ酸塩、または十分に酸性の本発明の化合物の場合、例えば、アンモニウム塩を提供することができる。この種の塩を、当業者に知られている種々の方法によって、それぞれその遊離塩基もしくは遊離酸型に変換することができるし、後の生物学的アッセイに塩として使用することもできる。単離され、本明細書に記載される本発明の化合物の具体的な形態(例えば、塩、遊離塩基など)は必ずしも具体的な生物学的活性を定量化するために化合物を生物学的アッセイに適用することができる唯一の形態ではないことを理解すべきである。
【0383】
UPLC-MS標準的手順
分析UPLC-MSを下記のように行った。質量(m/z)は、ネガティブモードを示さない限り(ESI-)、ポジティブモードエレクトロスプレーイオン化から報告する。大部分で、方法1を使用する。そうでない場合は指示する。
【0384】
分析UPLC法:
方法1:
機器:Waters Acquity UPLC MS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50x2.1mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル、勾配:0~1.6分1~99%B、1.6~2.0分99%B;流量0.8ml/分;温度:60℃;DADスキャン:210~400nm。
方法2:
機器:Waters Acquity UPLC MS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50x2.1mm;溶離液A:水+0.2体積%アンモニア水(32%)、溶離液B:アセトニトリル、勾配:0~1.6分1~99%B、1.6~2.0分99%B;流量0.8ml/分;温度:60℃;DADスキャン:210~400nm。
【0385】
分析UPLC法:
方法3:
機器:Waters Acquity UPLC MS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.2体積%アンモニア水(32%)、溶離液B:アセトニトリル、勾配:0~1.6分1~99%B、1.6~2.0分99%B;流量0.8ml/分;温度:60℃;DADスキャン:210~400nm
方法4:
機器:Waters Acquity UPLC MS SingleQuad;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.1体積%ギ酸(99%)、溶離液B:アセトニトリル、勾配:0~1.6分1~99%B、1.6~2.0分99%B;流量0.8ml/分;温度:60℃;DADスキャン:210~400nm
【0386】
実験節-中間体
中間体1
tert-ブチルN-[(1S)-2-[メトキシ(メチル)アミノ]-1-メチル-2-オキソ-エチル]カルバメート
【化126】
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニン(250g、1.32mol)のDCM(1.25L)中溶液に、CDI(257g、1.59mol、1.20当量)を添加した。反応混合物を25~30℃で1時間攪拌した。N-メトキシメタンアミン塩酸塩(155g、1.59mol)を混合物に添加した。次いで、DIPEA(512g、3.96mol、690mL)を添加し、混合物を25~30℃で17時間撹拌した。TLC(石油エーテル:EtOAc=1:1)は、出発物質(Rf=0.15)が消費され、1つの新たなスポット(Rf=0.55)が形成されたことを示した。反応混合物を水(1.00L)の添加によってクエンチし、CH2Cl2(500mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標的化合物(261g、粗)を白色固体として得て、これは次の反応にとって十分に純粋であった。
1H NMR(400 MHz,CDCl
3)δ5.35-5.17(m,1H),4.85-4.54(m,1H),3.77(s,3H),3.21(s,3H),1.44(s,9H),1.32(d,J=6.8 Hz,3H)
【0387】
中間体2
tert-ブチルN-[(1S)-2-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-メチル-2-オキソ-エチル]カルバメート
【化127】
4-ブロモ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン31.2g(129mmol)のTHF 200mL中溶液を、THF 10mL中で激しく撹拌したマグネシウム削り屑3.10g(129mmol)にゆっくり添加した。臭化物溶液数mLを添加した後に発熱が現れ、これを加温を維持するような速度で添加した。添加が完了したら、混合物を室温に冷却するまで撹拌した。次いで、形成されたグリニャール試薬を、シリンジを介して、氷浴中で冷却したtert-ブチルN-[(1S)-1-[メトキシ(メチル)カルバモイル]エチル]カルバメート15.0g(64.5mmol、中間体1)のTHF250mL中溶液に添加し、混合物を一晩撹拌し、室温に加温した。暗色溶液を氷浴で冷却し、次いで、飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、EtOAcを含む分液漏斗に移した。EtOAc層を除去し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して褐色油を得た。ヘキサンを添加すると褐色固体が生じ、これを濾過し、ヘキサンですすいで生成物16.2g(75%)を回収した。
1H NMR(400 MHz,CDCl
3)δ8.30(d,J=6.6 Hz,1H),8.27-8.18(m,1H),7.35(t,J=9.2 Hz,1H),5.41(d,J=7.2 Hz,1H),5.27(p,J=7.1 Hz,1H),1.47(s,9H),1.42(d,J=7.1 Hz,3H).
19F NMR(376 MHz,CDCl
3)δ-61.72(d,J=12.7 Hz),-105.66(q,J=12.5 Hz).
13C NMR(101 MHz,CDCl
3)δ197.01,164.21-161.17(m),155.13,134.59(d,J=9.9 Hz),130.82(d,J=3.4 Hz),128.33,121.96(q,J=272.6 Hz),119.29(qd,J=33.8,13.2 Hz),117.62(d,J=21.3 Hz),80.10,50.93,28.27,19.06.Mass 336(M+1).
【0388】
中間体3
(5S)-6-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化128】
MeOH 10mL中tert-ブチル(S)-(1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート3.15g(9.39mmol)に、メトキシカルボヒドラジド927mg(10.3mmol)および0.1N HCl 10滴を添加し、これを還流温度で4時間加熱した。冷却および濃縮後、10~70%EtOAcを用いたクロマトグラフィーによって、約6:1の比(54%)として中間体2.08gを単離した。
1H NMR of major isomer:
1H NMR(400 MHz,CDCl
3)δ7.60-7.45(m,3H),7.39(t,J=9.1 Hz,1H),5.20(s,1H),4.57(p,J=7.0 Hz,1H),3.81(s,3H),1.45(s,10H),1.35(d,J=6.9 Hz,3H).
19F NMR(376 MHz,CDCl
3)δ-61.54(d,J=12.6 Hz),-110.76(q,J=12.5 Hz).CH
2Cl
2 10mLに溶解し、氷浴中で冷却したこの中間体335mg(0.823mmol)に、TFA 5mLを添加した。氷浴を除去し、2時間後、反応物を濃縮し、MeOHに溶解した。固体NaOEtを添加して溶液を塩基性にし、反応物を一晩撹拌した。反応物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、EtOAcで2回すすぎ、合わせたEtOAc層を乾燥させ(MgSO
4)、油に濃縮し、これを0~100%EtOAcでクロマトグラフィーにかけて、生成物93mgを白色固体として得た(41%)。
1H NMR(400 MHz,CDCl
3)δ8.13(s,1H),7.96(dd,J=6.7,2.1 Hz,1H),7.87(ddd,J=8.4,4.5,2.3 Hz,1H),7.28(t,J=9.2 Hz,1H),5.84(s,1H),4.72(qd,J=6.6,2.8 Hz,1H),1.45(d,J=6.8 Hz,3H).
19F NMR(376 MHz,CDCl
3)δ-61.61(d,J=12.6 Hz),-112.36(q,J=12.7 Hz).
LC-MS(方法1):R
t=1.02分;MS(ESIpos):m/z=276[M+H]+
【0389】
実験節-実施例
実施例1
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化129】
DMF 1mLに溶解した(S)-6-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン(0.31mmol、中間体3)86mgに、3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール168mg(1.24mmol)および炭酸セシウム204mg(0.62mmoL)を添加し、混合物を60℃で7時間加熱した。冷却後、水を添加し、混合物をEtOAcで数回すすぎ、合わせたEtOAcを乾燥させ(MgSO4)、固体に濃縮し、これをCH2Cl2/ヘキサンで再結晶し、次いで、CH2Cl2から再結晶して、白色固体23mg(23%)を得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ8.33(s,1H),8.22-8.13(m,1H),7.97(dd,J=8.3,1.6 Hz,1H),7.78(s,1H),7.66(d,J=8.4 Hz,1H),6.77(d,J=2.4 Hz,1H),5.96(s,1H),4.80(qd,J=6.6,3.2 Hz,1H),1.48(d,J=6.8 Hz,3H).
19F NMR(376 MHz,CDCl3)δ-59.31,-62.25.Mass 392(M+1).
上記の実施例1の合成に記載される手順に従って以下の化合物を調製することができる:
(5S)-6-{4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[4-(トリフルオロメチル)-2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
rel-(5R)-6-{4-[(1R,5R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-({[1-(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}アミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(4-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【0390】
実施例2
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化130】
(5S)-6-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン(中間体実施例3、150mg、545μmol)のDMSO(1mL)中攪拌溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(280μl、1.6mmol)、引き続いて1-(1H-ピラゾール-5-イル)メタンアミン(159mg、1.64mmol)を添加し、得られた混合物を120℃で一晩攪拌した。混合物を質量トリガー分取HPLC(方法4)によって精製し、凍結乾燥させて灰白色固体を得た。
LC-MS(方法1):R
t=0.80分;MS(ESIpos):m/z=353[M+H]
+
1H-NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ[ppm]:1.131(16.00),1.148(15.83),2.518(2.59),2.523(1.63),2.539(6.68),4.417(4.21),4.430(4.19),4.541(0.68),4.558(2.37),4.566(2.38),4.574(2.36),4.582(2.35),4.599(0.67),6.112(5.42),6.117(5.29),6.304(1.44),6.318(2.70),6.332(1.43),6.838(2.57),6.860(2.69),7.367(3.08),7.373(4.22),7.380(3.03),7.613(0.82),7.654(3.19),7.659(3.34),7.676(2.85),7.681(3.03),7.778(6.69),7.784(6.21),9.843(6.23),9.849(6.14),12.642(0.79).
【0391】
実施例3
(5S)-6-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化131】
中間体3および3-メチルアゼチジン-3-オールトリフルオロ酢酸塩(1/1)から実施例2と同様に合成した。
LC-MS(方法1):R
t=0.92分;MS(ESIpos):m/z=343[M+H]
+
1H-NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ[ppm]:1.145(9.26),1.163(9.18),1.439(16.00),2.074(2.78),2.518(3.30),2.523(2.08),2.673(0.60),3.864(1.93),3.884(3.92),3.918(4.56),3.938(2.18),4.586(0.41),4.594(1.34),4.602(1.29),4.611(1.29),4.619(1.34),4.627(0.41),5.606(7.30),6.587(2.85),6.609(2.95),7.392(1.60),7.399(2.21),7.405(1.60),7.720(1.82),7.725(1.98),7.742(1.70),7.747(1.87),7.816(3.95),7.822(3.62),9.891(3.60),9.896(3.56).
【0392】
実施例4
(5S)-6-[4-(シクロペンチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化132】
中間体3およびシクロペンタンアミンから実施例2と同様に合成した。
LC-MS(方法1):R
t=1.26分;MS(ESIpos):m/z=341[M+H]
+
1H-NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ[ppm]:1.151(15.41),1.168(16.00),1.171(9.66),1.181(1.45),1.187(2.35),1.189(2.98),1.477(0.61),1.491(1.54),1.508(2.30),1.523(2.47),1.539(3.02),1.550(3.36),1.563(2.30),1.573(2.74),1.581(1.91),1.588(2.22),1.591(2.26),1.613(1.22),1.626(0.95),1.631(0.89),1.657(2.60),1.666(2.34),1.672(3.08),1.680(1.97),1.687(1.82),1.711(0.43),1.951(1.06),1.969(2.30),1.986(9.55),1.998(2.67),2.012(1.58),2.518(2.74),2.522(1.67),2.539(5.54),2.590(0.50),3.890(0.93),3.906(1.76),3.925(2.76),3.937(0.98),3.999(0.50),4.016(1.58),4.034(1.58),4.052(0.50),4.566(0.59),4.574(0.65),4.583(2.15),4.592(2.10),4.599(2.08),4.608(2.11),4.616(0.65),4.624(0.56),4.959(2.69),4.976(2.63),6.891(4.02),6.913(4.19),7.381(2.52),7.388(3.49),7.394(2.50),7.590(0.46),7.724(2.35),7.729(2.86),7.751(2.97),7.767(6.49),7.772(4.80),7.957(0.50),8.049(0.57),8.063(0.56),9.865(5.58),9.870(5.51),10.197(0.46),10.202(0.48).
【0393】
実施例5
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(2R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化133】
中間体3および(2R)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール-塩化水素(1/1)から実施例2と同様に合成した。
LC-MS(方法1):R
t=1.00分;MS(ESIpos):m/z=385[M+H]
+
1H-NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ[ppm]:1.150(16.00),1.167(15.98),1.181(0.91),2.074(5.53),2.331(0.69),2.518(4.22),2.522(2.62),2.539(0.45),2.673(0.73),3.352(1.52),3.372(2.16),3.392(1.58),3.406(1.22),3.531(1.25),3.542(1.76),3.556(1.47),3.565(1.07),3.577(1.25),3.591(0.89),3.926(1.39),4.216(0.66),4.233(1.24),4.244(1.40),4.260(1.29),4.579(0.66),4.596(2.34),4.604(2.31),4.612(2.29),4.621(2.29),4.638(0.63),5.699(1.58),5.713(3.12),5.727(1.57),6.614(4.85),6.630(4.83),6.920(4.49),6.943(4.67),7.393(2.99),7.400(4.12),7.740(2.77),7.745(3.15),7.767(3.10),7.793(7.08),7.798(5.71),7.957(0.41),9.879(6.45),9.885(6.33).
【0394】
実施例6
(5S)-5-メチル-6-[4-{[(ピラジン-2-イル)メチル]アミノ}-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【化134】
中間体3および1-(ピラジン-2-イル)メタンアミンから実施例2と同様に合成した。
LC-MS(方法1):R
t=0.92分;MS(ESIpos):m/z=365[M+H]
+
1H-NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ[ppm]:1.125(16.00),1.142(15.96),2.322(1.04),2.326(1.35),2.331(0.99),2.522(4.66),2.664(0.97),2.668(1.33),2.673(0.97),4.537(0.69),4.554(2.41),4.562(2.45),4.570(2.45),4.579(2.41),4.595(0.71),4.645(7.56),4.659(7.65),6.679(1.81),6.694(3.71),6.708(1.86),6.737(4.93),6.759(5.10),7.381(4.44),7.654(3.09),7.659(3.27),7.676(2.96),7.680(3.12),7.820(6.78),7.825(6.65),8.543(7.12),8.550(8.35),8.599(7.96),8.602(10.01),8.620(7.03),8.623(6.30),8.626(6.92),8.630(4.91),9.864(6.59),9.869(6.67).
本明細書に記載される一般的合成に記載される手順に従って以下の化合物を調製することができる:
一般的合成経路1または経路2iによる:
(5S)-6-[4’-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-アミノピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(5-クロロピリジン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(1E)-3-メトキシプロパ-1-エン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(E)-2-エトキシビニル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(ピリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-クロロ-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[3’-フルオロ-4’-メチル-2-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-(4’-フルオロ-2’-メチル[ビフェニル]-4-イル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4’-フルオロ-2’-(トリフルオロメチル)[ビフェニル]-4-イル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(モルホリン-4-イルメチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
一般的合成経路1または経路2iとそれに続く水素化による:
(5S)-6-[4-イソブチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3-メトキシプロピル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
一般的合成経路1または経路3m/n/oによる:
(5S)-6-{4-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-{4-[(2S)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(2-メトキシエトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(シクロブチルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2S)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-{4-[(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメトキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[3-(トリフルオロメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-ブトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-6-[4-(3,3-ジメチルブトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
(5S)-5-メチル-6-[4-(1H-ピラゾール-3-イルメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン
【0395】
実験節-生物学的アッセイ
実施例を選択された生物学的アッセイで1回または複数回試験した。2回以上試験した場合、データは平均値または中央値のいずれかとして報告し、ここで
・平均値は算術平均値とも呼ばれ、得られた値の和÷試験した回数を表し、
・中央値は昇順または降順で並べた場合の値の群の中央の数を表す。設定されたデータの値の数が奇数の場合、中央値は中央の値になる。設定されたデータの値の数が偶数の場合、中央値は2つの中央の値の算術的平均となる。
【0396】
実施例を1回または複数回合成した。2回以上合成した場合、生物学的アッセイのデータは、1つまたは複数の合成バッチの試験から得られたデータセットを利用して計算される平均値または中央値を表す。
本発明の化合物のインビトロ活性を以下のアッセイで実証することができる:
【0397】
アッセイ1
細胞増殖測定
一般式(I)の化合物の抗増殖活性を、ヒトがん細胞においてインビトロで調べた。この目的のために、適切な数の細胞(Hela:800;SK-MEL-3:1000;IGR37:2000;GB-1:600;H4:600;PFSK:1000、DBTRG05MG:600、DKMG:1000、SW1783:1000、M059J:800、42-MG-BA:600、GAMG:800、LN229:800、T98G:800、U118-MG:1000、U-251MG:600、YKG1:800、92.1:800、Mel202:800)を、適切な増殖培地(FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);Hela:DMEM/Ham’s F12(Biochrom;番号FG 4815安定グルタミンを含む)、FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);SK-MEL-3:McCoy’s 5A(Biochrom;番号F 1015)、FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415)、L-アラニル-L-グルタミン最終:2mM(Biochrom;番号K 0302));IGR37 DMEM(Biochrom;番号FG 0445、高グルコース;+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);H4 DMEM Gibco番号31966-047+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);PFSK RPMI-1640培地+FCS 10%最終(Biochrom;番号0415);DBTRG05MG RPMI 1640(Biochrom;番号FG 1215+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);DKMG RPMI-1640培地+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);GB1 DMEM Gibco番号31966-047+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);SW1783 DMEM/Ham’s F12(Biochrom;番号FG 4815+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);M059J DMEM/Ham’s F12(Biochrom;番号FG 4815+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);42-MG-BA RPMI 1640(50%)(Biochrom;番号FG 1215)
+MEM Earle’s(50%)(Biochrom;番号FG 0325);GAMG DMEM高グルコース+GlutaMAX(Gibco番号31966-021)+高品質仔ウシ血清(最終:10%)(Biochrom;番号S 0615);LN229 DMEM(Biochrom;番号FG 0445)、高品質FCS(最終5%)(Biochrom;番号S 0615)L-アラニル-L-グルタミン(最終4mMに2mM余剰、Biochrom、番号K 0302);T98G DMEM(Biochrom;番号FG 0445、高グルコース+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);U118-MG DMEM(Biochrom;番号FG 0435+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);U-251MG RPMI-1640培地+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);YKG1 DMEM(Biochrom;番号FG 0435+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);92.1 RPMI-1640培地+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415);Mel202 RPMI-1640培地+FCS 10%最終(Biochrom;番号S 0415)を含む384ウェルプレートに蒔き、37℃で一晩インキュベートした。処理開始時の細胞生存率を決定するために、24時間後、1つのプレート(0時間プレート)上の細胞を30μl/キャビティのCTG溶液(Promega Cell Titer Glo(カタログ番号G755BおよびG756B))で処理し、室温で10分間インキュベートし、発光をVICTOR V(Perkin Elmer)によって測定した。試験プレート上の細胞を一般式(I)の化合物で処理し、37℃で72時間インキュベートした。一般に最大最終薬物濃度100nM、またはCOV318の場合30μMで始まる10段階の2.5倍希釈系列で、HP D300デジタルディスペンサーを用いて、化合物を細胞に添加した。対照として、細胞をビヒクル(最終濃度0.3%のDMSO)で処理した。処理終了時の細胞生存率を決定するために、72時間後、細胞を30μl/キャビティのCTG溶液(Promega Cell Titer Glo(カタログ番号G755BおよびG756B))で処理し、室温で10分間インキュベートし、発光をVICTOR V(Perkin Elmer)によって測定した。0時間プレート(=最大阻害)およびDMSO対照(=最小阻害)からの値を用いて、各試験物質について、細胞増殖に対する効果%およびそこから得られるIC50を決定した。4パラメータ当てはめを用いて、IC50値を計算した。
【0398】
【0399】
【0400】
したがって、本発明の一態様は、子宮頸がんを治療するための式(I)の化合物の使用である。
【0401】
本発明の別の態様は、皮膚がん、特に黒色腫を治療するための式(I)の化合物の使用である。
【0402】
したがって、本発明の一態様は、脳がん、特に神経膠芽腫、星状細胞腫、退形成性星状細胞腫、原始神経外胚葉性腫瘍を治療するための式(I)の化合物の使用である。
【0403】
本発明のさらに別の態様は、皮膚がん、特に黒色腫、子宮頸がんおよび卵巣がんを治療するための式(I)の化合物の使用である。
【0404】
本発明のさらに別の態様は、皮膚がん、特に黒色腫、脳がん、子宮頸がんおよび卵巣がんを治療するための式(I)の化合物の使用である。
【0405】
別の態様は、IC50値が100nM未満で、(例えば、HeLa細胞における)腫瘍細胞増殖を有効に阻害する式(I)の化合物である。
【0406】
別の態様は、IC50値が10nM未満で、(例えば、HeLa細胞における)腫瘍細胞増殖を有効に阻害する式(I)の化合物である。
【0407】
アッセイ2
PDE3A酵素阻害の方法
市販の3H-cAMPシンチレーション近接アッセイ(SPA、Perkin Elmer)システムを酵素阻害試験に使用した。PDE3A反応に対する実施例化合物のインビトロ効果を決定するために、DMSO中のそれぞれの実施例化合物溶液2μl(連続希釈)をマイクロタイタープレート(Isoplate-96/200W;Perkin Elmer)のウェルに入れた。緩衝液A(50 mMトリス/HCl pH7.5、8.3mM MgCl2、1.7mM EDTA、0.2%BSA)中のヒト完全長PDE3Aを過剰発現するSf9細胞(SB Drug Discovery、英国)からのPDE3A細胞抽出物の希釈液50μlを添加した。PDE3A細胞抽出物の希釈は、反応速度論が線形であり、基質の70%未満が消費されるように選択した(典型的な希釈1:5000)。BSA希釈基質[8-3H]アデノシン3’,5’-環状リン酸(1μCi/μl;Perkin Elmer)を含まない緩衝液A中1:2000 50μl(0.025μCi)添加することによって、反応を開始した。室温で60分間インキュベートした後、水中に18mg/mlイットリウムシンチレーション近接ビーズ(Perkin Elmer)を含有する懸濁液25μlを添加することによって、反応を停止した。マイクロタイタープレートを密封し、Microbetaシンチレーションカウンター(PerkinElmer Wallac)で測定した。対数化合物濃度に対してPDE3A活性%をプロットすることによって、S字状曲線からIC50値を決定した。
【0408】
アッセイ3
PDE3B酵素阻害
市販の3H-cAMPシンチレーション近接アッセイ(SPA、Perkin Elmer)システムを酵素阻害試験に使用した。PDE3B反応に対する実施例化合物のインビトロ効果を決定するために、DMSO中のそれぞれの実施例化合物溶液2μl(連続希釈)をマイクロタイタープレート(Isoplate-96/200W;Perkin Elmer)のウェルに入れた。緩衝液A(50 mMトリス/HCl pH7.5、8.3mM MgCl2、1.7mM EDTA、0.2%BSA)中のヒト完全長PDE3Bを過剰発現するSf9細胞(SB Drug Discovery、英国)からのPDE3B細胞抽出物の希釈液50μlを添加した。PDE3B細胞抽出物の希釈は、反応速度論が線形であり、基質の70%未満が消費されるように選択した(典型的な希釈1:6000)。BSA希釈基質[8-3H]アデノシン3’,5’-環状リン酸(1μCi/μl;Perkin Elmer)を含まない緩衝液A中1:2000 50μl(0.025μCi)添加することによって、反応を開始した。室温で60分間インキュベートした後、水中に18mg/mlイットリウムシンチレーション近接ビーズ(Perkin Elmer)を含有する懸濁液25μlを添加することによって、反応を停止した。マイクロタイタープレートを密封し、Microbetaシンチレーションカウンター(PerkinElmer Wallac)で測定した。対数化合物濃度に対してPDE3B活性%をプロットすることによって、S字状曲線からIC50値を決定した。実施例1~6の阻害活性を表4に示す。
【0409】
本発明の一態様は、例えばHeLa細胞において100nM未満のIC50値で腫瘍細胞増殖を有効に阻害するが、酵素PDE3AまたはPDE3B阻害についてのIC50値が通常、腫瘍細胞増殖についてのIC50値よりも10倍超高い式(I)の化合物である。
【0410】
本発明の別の態様は、例えばHeLa細胞において100nM未満のIC50値で腫瘍細胞増殖を有効に阻害するが、酵素PDE3AまたはPDE3B阻害についてのIC50値が通常、腫瘍細胞増殖についてのIC50値よりも30倍超高い式(I)の化合物である。
【0411】
本発明の別の態様は、例えばHeLa細胞において10nM未満のIC50値で腫瘍細胞増殖を有効に阻害するが、酵素PDE3AまたはPDE3B阻害についてのIC50値が通常、腫瘍細胞増殖についてのIC50値よりも30倍超高い式(I)の化合物である。
【0412】
【0413】
アッセイ4
マウス、ラット、イヌおよびサルにおけるインビボ薬物動態
インビボ薬物動態実験のために、試験化合物を十分許容される量のPEG400などの可溶化剤を用いて溶液として製剤化した0.3~1mg/kgの用量で雌CD-1マウス、雄Wistarラット、ビーグル犬またはカニクイザルに静脈内投与した。
【0414】
試験は、低用量で同時に与えられる最大3つの化合物のカセット投与として実施したかもしれない。
【0415】
静脈内投与後の薬物動態のために、試験化合物を雌マウスおよび雄ラットでは静脈内ボーラスとして、イヌおよびサルでは短時間点滴(15分)として投与した。血液試料を、例えば、頚静脈(マウス、ラット)または伏在静脈(イヌ、サル)から投与2分、8分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間後に採取した。血液をリチウム-ヘパリンチューブ(Monovetten(登録商標)、Sarstedt)に回収し、3000rpmで15分間遠心分離した。上清(血漿)からの100μL分割量を取り出し、冷アセトニトリル400μLの添加により沈殿させ、-20℃で一晩凍結した。その後、試料を解凍し、3000rpm、4℃で20分間遠心分離した。LCMS/MS検出を伴うAgilent HPLCシステムを用いた分析試験のために、一定分量の上清を採取した。PK計算ソフトウェア(例えば、Phoenix WinNonlin(登録商標)、Certara USA,Inc.)を用いてノンコンパートメント分析によってPKパラメータを計算した。
【0416】
PKパラメータは静脈内投与後の濃度-時間プロファイルから得られる:CL血漿(L/kg/h):試験化合物の総血漿クリアランスはt=0hから無限大(外挿)までの濃度-時間曲線下の面積で割った用量(μg/kg)によって計算される(AUCinf(μg*h/L));CL血液:試験化合物の総血液クリアランス:CL血漿*Cp/Cb(L/kg/h)、Cp/Cbは血漿中と血液中の試験化合物濃度の比である。AUCnorm:t=0時間から無限(外挿)までの濃度-時間曲線下の面積÷投与量(kg*時間/L);AUC(0-tlast)norm:t=0時間から血漿濃度を測定することができた最後の時点までの濃度-時間曲線下の面積÷投与量(kg*時間/L);t1/2:終末相半減期(時間)。
【0417】
薬物動態は体内の薬物濃度の時間経過を記載し、CL血液(CLb)は薬物の重要な薬物動態特性である。本発明の好ましい実施例は、マウス、ラット、イヌおよびサルにおいてそれぞれ1.6 L/h/kg以下、1.3 L/h/kg以下、0.6 L/h/kg以下および0.8 L/h/kg以下のCLbを示す。実施例1((5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン)投与の結果を表5に示す。
【0418】
【0419】
アッセイ5
免疫沈降および免疫ブロットを用いたPDE3Aモジュレーター誘導PDE3Aタンパク質相互作用の検証
HeLa細胞を、V5タグ化SLFN12またはV5タグ化GFPを発現するORF過剰発現構築物でトランスフェクトすることができる。ORF発現構築物を、TRC(クローンID:TRCN0000468231、TRCN0000476272、ccsbBroad304_99997)から得ることができる。トランスフェクションの72時間後、細胞を10μM DNMDPまたはトレキンシンで4時間処理し、引き続いてModRipa溶解緩衝液を用いて溶解し、PDE3Aを免疫沈降させることができる。各条件について、全タンパク質溶解物2mgを抗PDE3A抗体1μgと4℃で一晩インキュベートし、その後、プロテインA-およびプロテインG-Dynabeadsそれぞれ7.5μl(Life Technologies 10001Dおよび10003D)を添加し、さらに1時間インキュベートすることができる。ビーズを洗浄し、結合したタンパク質をLDS PAGEゲルローディング緩衝液30μlで溶出させることができる。4~12%トリス-グリシンPAGEゲル上でインプット(全タンパク質溶解物約60μg)およびIP生成物を分離し、抗V5抗体(Life Technologies R96205、1:5000)、Bethyl抗PDE3A抗体(1:1000)およびLiCOR Biosciences製の二次抗体(カタログ番号926-32210および926068021、それぞれ1:10000)で免疫ブロットすることができる。ブロットを洗浄し、LiCOR Odyssey赤外線撮像装置を用いて画像化することができる。
【0420】
アッセイ6
インビボ異種移植モデル
ヒトがんのマウス異種移植モデルにおいて、実施例1、((5S)-5-メチル-6-{3-(トリフルオロメチル)-4-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン)の抗腫瘍活性を調べた。この目的のために、マウスに腫瘍細胞を皮下移植した。平均腫瘍サイズ20~40mm2で、動物を処置群と対照群(少なくともn=10動物/群)に無作為化し、処置をビヒクルのみまたは実施例1(製剤:90%PEG400/10%エタノール;施用経路:経口的(「p.o.」)、経口的)で開始した。経口施用量は10ml/kgとした。1日2回の処置の場合、1日2回の施用間の時間間隔は6~7時間とした。腫瘍サイズおよび体重は少なくとも週1回決定した。腫瘍面積は、電子ノギス[長さ(mm)x幅(mm)]によって検出した。この実験は、ビヒクル対照の腫瘍がドイツおよび欧州動物福祉規制に基づく所定の倫理的エンドポイントに達した時点で終了した。インビボ抗腫瘍有効性を、表7に試験終了時のT/C比(処置/対照;処置群の平均腫瘍面積または重量/対照群の平均腫瘍面積または重量)として提示する。0.5未満のT/Cを有する化合物を活性(すなわち、有効)と定義する。統計分析は、SigmaStatソフトウェアを使用して評価した。一元配置分散分析を実行し、ペアワイズ比較手順(Dunnの方法)によって対照との差を比較した。
【0421】
結果:
実施例1は、単剤療法処置時に、ヒト腫瘍の異種移植モデルで強力な抗腫瘍有効性を示した。具体的には、実施例1は、黒色腫における腫瘍面積の減少に有効であった。
【0422】
マウスのヒトがん異種移植モデルにおける実施例1の抗腫瘍活性を表6に示す。
【0423】
【0424】
アッセイ7
覚醒遠隔測定ラットにおける心血管機能に対する効果
遠隔測定によるラットなどの小型実験動物における心血管パラメータの測定は、心臓の安全性評価の不可欠な部分である。遠隔測定技術は、物理的または化学的拘束の使用に固有のストレスアーチファクトを回避しながら正確な測定を提供するので、心血管パラメータの潜在的な薬物誘発変化を検出するのに適している。
【0425】
覚醒遠隔測定正常血圧Wistarラット(n=4~6/群)を単回用量の化合物(3つの用量群およびビヒクル対照群)で処置する。動脈収縮期および拡張期血圧、心拍数、左心室収縮期および拡張末期圧、左心室収縮性、ならびに体温および自発運動活性などの心血管パラメータを、投与前および投与後24時間にわたって継続的に監視する。心血管パラメータの統計分析には、混合モデルアプローチおよびDunnettのt検定手順を使用する。
【0426】
心血管パラメータに対する実質的な効果を引き起こさない式(I)の化合物が好ましい。
【0427】
他の実施形態
上記の説明から、種々の使用および条件に採用するために、本明細書に記載される本発明に対して変更および修正を行うことができることは明らかであろう。このような実施形態もまた、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
【0428】
本明細書における変数の任意の定義における要素のリストの列挙は、任意の単一の要素または列挙される要素の組み合わせ(もしくは部分的組み合わせ)としてのその変数の定義を含む。本明細書における実施形態の列挙は、その実施形態を任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその一部との組み合わせで含む。