(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置
(51)【国際特許分類】
H01R 33/76 20060101AFI20241106BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
H01R33/76 505B
G01R31/26 J
(21)【出願番号】P 2021558596
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(86)【国際出願番号】 KR2019004494
(87)【国際公開番号】W WO2020204245
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039833
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519408973
【氏名又は名称】ファン ドン ウォン
(73)【特許権者】
【識別番号】519409279
【氏名又は名称】ファン ローガン ジェ
(73)【特許権者】
【識別番号】515215025
【氏名又は名称】ファン ジェ ベク
【住所又は居所原語表記】83, Dumil-ro 123beon-gil, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do 13544 Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】519408984
【氏名又は名称】ハイコン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ドン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ローガン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジェ ベク
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-217775(JP,A)
【文献】特開平11-312566(JP,A)
【文献】特開2002-025731(JP,A)
【文献】特開2002-350493(JP,A)
【文献】特開2002-203653(JP,A)
【文献】特表2008-527325(JP,A)
【文献】特開2004-103377(JP,A)
【文献】特開平10-172702(JP,A)
【文献】米国特許第07121860(US,B2)
【文献】特開2003-007942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R33/00-33/975
G01R31/26-31/27
H05K7/1069
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に弾性を有し、上側先端部が設けられてICの端子と電気的に接触するコンタクトと、
水平な上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部、及び前記スライダー収納部の周辺の上面から引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部を含み、前記スライダー収納部の下面に前記コンタクトが固定されるメインボディ部と、
前記スライダー収納部内で水平方向に前後スライド可能に設けられ、前記カム支持部と対向して一端にカム接触部が備えられ、前記カム接触部に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じて前記コンタクトに横方向の操作力を伝達してICの端子と前記コンタクトとを接触させるスライダーと、
前記メインボディ部と前記スライダーとの間に備えられ、前記スライダーを可動方向に弾性支持して前記コンタクトとICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばねと、を含み、
前記メインボディ部の最上部の高さ及び前記スライダーの最上部の高さは、それぞれ、少なくともロードされたICの高さよりは低く、
前記スライダーの前記最上部の前記高さは前記メインボディ部の前記最上部の前記高さよりも低く、
前記コンタクトは、
各先端に前記上側先端部がICの端子に対して一定間隔オフセットされ、互いに対向して並んで備えられる一対の固定側端子及び可動側端子と、
前記固定側端子及び前記可動側端子の下端が一体に固定されるコンタクトボディと、
前記コンタクトボディから下方に延びるリードと、を含み、
前記スライダーは、
前記固定側端子が貫通位置する固定側端子収容孔、及び前記可動側端子が貫通位置する可動側端子収容孔が設けられ、前記固定側端子収容孔と前記可動側端子収容孔は、前記固定側端子と前記可動側端子の二つの上側先端部間のオフセット長さだけオフセットされ、前記固定側端子収容孔は、前記可動側端子収容孔よりも長さがさらに長いことを特徴とする、半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項2】
前記メインボディ部の上端に着脱可能にはめ込んで組み立てられ、前記カム支持部と前記カム接触部との間に挿入されて前記スライダーの横方向の操作力を提供するICロード/アンロード装置をさらに含む、請求項1に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項3】
前記ICロード/アンロード装置は、
開口形成されたボディ部と、
前記ボディ部の下端に突設され、前記カム支持部と前記カム接触部との間に挿入されるスライダー作動カムと、を含む、請求項2に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項4】
前記スライダー作動カムは、下側先端部が、曲面又は傾斜面が形成された楔形であることを特徴とする、請求項3に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項5】
前記スライダーは、複数のコンタクトと対応して前記可動側端子収容孔が複数設けられ、互いに隣接する可動側端子収容孔の間で前記可動側端子を開方向に加圧する開用加圧端と、前記可動側端子を閉方向に加圧する閉用加圧端が設けられた開閉用可動子をさらに含む、請求項1に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項6】
前記スライダーは、互いに隣接する固定側端子収容孔の間に備えられ、前記固定側端子の内側面を支持して固定側上側先端部と可動側上側先端部との最小距離を維持する距離維持可動子をさらに含む、請求項5に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項7】
前記スライダーの上面に備えられ、ICの端子位置を案内するボール端子ガイドをさらに含む、請求項6に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項8】
横方向に弾性を有し、上側先端部が設けられてICの端子と電気的に接触するコンタクトと、
水平な上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部、及び前記スライダー収納部の周辺の上面から引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部を含み、前記スライダー収納部の下面に前記コンタクトが固定されるメインボディ部と、
前記スライダー収納部内で水平方向に前後スライド可能に設けられ、前記カム支持部と対向して一端にカム接触部が備えられ、前記カム接触部に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じて前記コンタクトに横方向の操作力を伝達してICの端子と前記コンタクトとを接触させるスライダーと、
前記メインボディ部と前記スライダーとの間に備えられ、前記スライダーを可動方向に弾性支持して前記コンタクトとICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばねと、を含み、
前記メインボディ部の最上部の高さ及び前記スライダーの最上部の高さは、それぞれ、少なくともロードされたICの高さよりは低く、
前記スライダーの前記最上部の前記高さは前記メインボディ部の前記最上部の前記高さよりも低く、
前記コンタクトは、
先端に前記上側先端部に設けられた単一ピン型の端子と、
前記端子の下端と一体に固定されるコンタクトボディと、
前記コンタクトボディから下方に延びるリードと、を含み、
前記スライダーの上面に備えられ、ICの端子位置を案内するボール端子ガイドをさらに含む、半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項9】
前記スライダーは、
複数のコンタクトと対応して各コンタクトの端子が貫通位置する端子収容孔が設けられ、互いに隣接した端子収容孔の間に、下方に突出した距離維持可動子が設けられ、各距離維持可動子の一側端は、端子を支持して前記ボール端子ガイドと上側先端部との最小間隔をICの端子の直径よりも小さく維持することを特徴とする、請求項8に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項10】
前記リードは、一部の曲線区間を有することを特徴とする、請求項1又は8に記載の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項11】
横方向に弾性を有し、上側先端部が設けられてICの端子と電気的に接触するコンタクトと、
水平な上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部、及び前記スライダー収納部の周辺の上面から引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部を含み、前記スライダー収納部の下面に前記コンタクトが固定されるメインボディ部と、
前記スライダー収納部内で水平方向に前後スライド可能に設けられ、前記カム支持部と対向して一端にカム接触部が備えられ、前記カム接触部に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じて前記コンタクトに横方向の操作力を伝達してICの端子と前記コンタクトとを接触させるスライダーと、
前記メインボディ部と前記スライダーとの間に備えられ、前記スライダーを可動方向に弾性支持して前記コンタクトとICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばねと、を含み、
前記メインボディ部の最上部の高さ及び前記スライダーの最上部の高さは、それぞれ、少なくともロードされたICの高さよりは低く、
前記スライダーの前記最上部の前記高さは前記メインボディ部の前記最上部の前記高さよりも低く、
前記メインボディ部の両側端から垂直に設けられ、ヒートシンクユニットとのはめ込み組立が行われる一対の固定アームと、
前記固定アームによって固定され、ロードされたICと接触して放熱が行われるヒートシンクユニットと、をさらに含
み、
前記ヒートシンクユニットは、
貫通した開口部が形成され、開口部の周辺から下方に突出した第1フック突起、及び前記固定アームに嵌合固定される第2フック突起が設けられたハウジングと、
前記開口部に挿入位置して上下移動可能に組み立てられ、前記第1フック突起によって上下移動高さが制限されるヒートシンクと、
前記ハウジングと前記ヒートシンクとの間に介在し、前記ヒートシンクを下方に弾性支持するばねと、を含む、
半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置。
【請求項12】
ICテスト用ソケット装置に組み立てられるICの放熱のためのヒートシンクユニットであって、
貫通した開口部が形成され、開口部の周辺から下方に突出した第1フック突起、及びソケット装置にはめ込み固定される第2フック突起が設けられたハウジングと、
前記開口部に挿入位置して上下移動可能に組み立てられ、前記第1フック突起によって上下移動高さが制限されるヒートシンクと、
前記ハウジングと前記ヒートシンクとの間に介在し、前記ヒートシンクを下方に弾性支持するばねと、を含む、ソケット装置用ヒートシンクユニット。
【請求項13】
前記第1フック突起は、前記第2フック突起よりもさらに下方に位置することを特徴とする、請求項
12に記載のソケット装置用ヒートシンクユニット。
【請求項14】
PCBに組み立てられるICテスト用ソケット装置にICの放熱のための請求項
12に記載のヒートシンクユニットを装着するためのヒートシンクソケットであって、
内側にICテスト用ソケット装置が位置するように開口部が形成された四角構造をもってPCBに組み立てられるフレームと、
前記フレームの対向する二つの辺にそれぞれ上方に延設され、ヒートシンクユニットとのはめ込み組立が可能な一対の固定アームと、を含み、
前記固定アームは、
フレームから垂直に延びたアーム部材と、
前記アーム部材の上端から折り曲げられて形成された係止段と、
前記アーム部材の上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝と、を含む、ヒートシンクソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子テスト用BGAソケット装置に係り、特に、一般的にICのロード/アンロード操作のためにソケットボディの上部に備えられるカバーを取り除いた蓋なし型(lidless type)であって、テストの間に空気の流れを妨げるおそれのある要素を排除することができるBGAソケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子(IC、Integrated Circuit)(以下、「IC」という。)用ソケットは、テストボード(Test Board)又はバーンインボード(Burn-in Board)に備えられ、ボードに形成されているI/O端子(入出力端子)を介して、ICの駆動に必要な所定の電圧の電源と、電気的信号を入出力することができるようにするバーンインチャンバー(Burn-in Chamber)又はその周辺装置と、ICの特性を測定するための別途のテスト装置とが相互接続されることにより、ICをテストするためのシステムに用いられる。
【0003】
一般的に広く用いられているICの中で、BGA(Ball Grid Array)型ICは、ICの底面全体にICの端子、すなわちボール(Ball)を配列してICの大きさ及び厚さを革新的に減らしたものである。
図1の(a)(b)は、BGA型ICの平面図及び側面図であって、IC1の底面に複数のボール端子2が備えられる。
【0004】
図2は従来技術のピンチ(pinch)型のコンタクト(contact)を備えたBGAソケット装置の平面図、
図3は
図2のA-A線に沿った断面構成図、
図4は
図3の一部拡大図である。
【0005】
図2乃至
図4を参照すると、従来技術のBGAソケット装置は、BGA型ICのボール端子2と接触する固定側端子20及び可動側端子21を含むコンタクト16と、コンタクト16のボディを収容するボディ17と、ボディ17の下端に備えられ、コンタクト16を固定するストッパー18と、コンタクト16のリードの位置をガイドするリードガイド19と、ボディ17の上部に弾性支持され、ボディ17に対して一定のストローク範囲内で上下移動可能に備えられるカバー11と、ボディ17の上部に備えられ、カバー11の上下運動と連動して左右移動が行われることで可動側端子21の開閉操作を行うスライダー15と、スライダー15に回動自在に組み立てられ、カバー11の上下運動に応じてICの上部を加圧固定する複数のICホルダー14と、スライダー15に備えられ、ICホルダー14を弾性支持するホルダースプリング13と、を含む。
【0006】
コンタクト16は、IC1の左右対称に設けられた固定側端子20及び可動側端子21が備えられてボール端子2との接触が行われ、固定側端子20及び可動側端子21の下端は、胴体24に固定され、胴体24から延びたリード25が備えられる。リード25は、PCB(図示せず)と半田付けで固定される。
【0007】
カバー11は、ボディ17の上部にスプリング9によって弾性支持されて一定の距離の範囲内で上下移動が可能であり、上下位置に応じてスライダー15を左右操作するためのスライドカムが備えられる。
【0008】
スライダー15は、ボディ17に垂直に固定されるコンタクト16の二つの端子20、21が貫通位置する端子ホール23が設けられる。このとき、端子ホール23は、固定側端子20と可動側端子21との間を区画する可動子22が設けられる。
【0009】
特に
図4を参照すると、カバーを下方に押すと、カバーのスライドカムによってスライダー15は右側に移動する。この時、可動子22が一緒に移動しながら可動側端子21を外側に広げ、固定側端子20と可動側端子21との間にICのボール端子が位置することができる。一方、スライダー15の初期位置に可動子22同士間の固定側端子20と可動側端子21との距離は、ボール端子のサイズよりも小さく設計される。
【0010】
図面符号12はIC1のロード時に位置をガイドするICガイドである。
図5の(a)(b)(c)は従来技術のソケット装置の概略的な作動例を示す図である。
図5の(a)は初期状態を示しており、カバー11はボディ17に弾性支持されて一定の高さに位置し、コンタクトの固定側端子20と可動側端子21は可動子22に密着されることで、二つの端子20、21の間は一定の間隔L1を維持する。
次に、
図5の(b)に示されているように、カバー11を押して下方に移動すると、スライダーと共に、可動子22は図面の右側に移動して可動側端子21が外側に広げられ、ソケット装置にIC1がロードされる。このとき、二つの端子20、21間の距離L2は、ボール端子2の直径よりは広い間隔を持つ。
最後に、
図5の(c)に示されているように、カバー11がさらに原位置に復帰すると、スライダーと共に、可動子22は初期位置に復帰し、可動側端子21もさらに原位置に復帰することで、固定側端子20と可動側端子21はボール端子2を固定する。
【0011】
このように構成された従来技術のBGAソケット装置は、次の問題点を持つ。
1.全体的に構成部品が多くて複雑であって、組立時間が多くかかり、コストが高い。
2.ICのロードされた状態でリードガイド又はカバーがICの周辺を包み込む構造であるので、空気の流れが円滑でなくて、ICから発生する熱が周辺に効果的に放出されない。
3.上端で上下操作されるカバーを含めてソケットの高さが高く、よって、全体的なバーンインボードの高さが高いため、バーンインチャンバー内で上下方向に複数のバーンインボードを配置して、ボードとボードとの間に適正な空気流れが要求される場合に配置可能なバーンインボードの数が減少する。
4.バーンインチャンバー内で発生した空気の強制流れが、ソケットの自体部品であるカバー又はリードガイドなどによって邪魔になり、ICの表面に空気の強制流れが効果的に伝達されず、よって、ICの温度を均一に維持するのに困難がある。
5.ピンチ型のコンタクトにおけるボール端子との接触又は解除は、可動側端子の水平操作によって行われ、この時、可動側端子は、反復的な弾性変形が行われて繰り返し使用に伴う耐久性の低下によりボール端子との接触力が低下する。特に、従来技術のBGAソケット装置は、可動側端子の復帰過程(
図5の(c)参照)におけるスライダーの初期位置への復帰は可動側端子の弾性復元力によって操作力が発生する構造であり、よって、可動側端子の使用回数が増加するほど可動側端子の疲労(stress)による復帰弾性力の漸進的な低下によりボール端子との接触力が弱くなり、これはICのテストに対する信頼性の低下につながる。
【0012】
通常、ピンチ型のBGAソケット装置は、寿命回数として約2万カバーサイクル(Cover Cycle)程度が要求される。よって、ピンチ型のコンタクトにおける繰り返し使用時に端子の耐久性を改善して、弾性復帰力が低下することを改善することは、BGAソケット装置のテスト信頼度を決定するのに非常に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録実用新案公報第20-0229127号(公告日:2001年7月19日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来の半導体素子テスト用BGAソケット装置を改善しようとするもので、従来技術においてICのロード/アンロード操作のためにソケットボディの上部に備えられるカバーを取り除いた蓋なし(lidless)型であって、ソケットボディにロードされたICが外に露出した状態でテストが行われることが可能な半導体素子テスト用BGAソケット装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、このようなBGAソケット装置を用いたICのテスト過程でICの放熱効果を高めることが可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の実施形態による半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置は、横方向に弾性を有し、上側先端部が設けられてICの端子と電気的に接触するコンタクトと、水平な上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部、及び前記スライダー収納部の周辺の上面から引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部を含み、前記スライダー収納部の下面に前記コンタクトが固定されるメインボディ部と、前記スライダー収納部内で水平方向に前後スライド可能に設けられ、前記カム支持部と対向して一端にカム接触部が備えられ、前記カム接触部に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じて前記コンタクトに横方向の操作力を伝達してICの端子と前記コンタクトとを接触させるスライダーと、前記メインボディ部と前記スライダーとの間に備えられ、前記スライダーを可動方向に弾性支持して前記コンタクトとICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばねと、を含む。
【0017】
次に、本発明の他の実施形態による半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置は、横方向に弾性を有し、上側先端部が設けられてICの端子と電気的に接触するコンタクトと、水平に形成された上面にICが定着されて位置するIC定着部が設けられ、前記上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部が設けられ、前記スライダー収納部の下面に前記コンタクトが固定されるメインボディ部と、前記スライダー収納部内に上下スライド可能に収納され、垂直方向に印加された操作力によって上下スライドが行われ、その上下スライド位置に応じて前記コンタクトに横方向の操作力を提供してICの端子と前記コンタクトとを接触させるスライダーと、前記メインボディ部と前記スライダーとの間に備えられ、前記スライダーを可動方向に弾性支持して前記コンタクトとICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばねと、を含む。
【0018】
好ましくは、前記メインボディ部の上端に着脱可能にはめ込んで組み立てられ、前記スライダーを横方向又は上下方向に操作してICをロード/アンロードするICロード/アンロード装置をさらに含む。
【0019】
また、本発明の目的を達成するためのヒートシンクユニットは、貫通した開口部が形成され、開口部の周辺から下方に突出した第1フック突起、及び前記固定アームにはめ込んで固定される第2フック突起が設けられたハウジングと、前記開口部に挿入位置して上下移動可能に組み立てられ、前記第1フック突起によって上下移動高さが制限されるヒートシンクと、前記ハウジングと前記ヒートシンクとの間に介在し、前記ヒートシンクを下方に弾性支持するばねと、を含む。
【0020】
また、本発明の目的を達成するためのヒートシンクソケットは、PCBに組み立てられるICテスト用ソケット装置にICの放熱のためのヒートシンクユニットを装着するためのヒートシンクソケットに関するものであって、内側にICテスト用ソケット装置が位置するように開口部が形成された四角構造をもってPCBに組み立てられるフレームと、前記フレームの対向する二つの辺にそれぞれ上方に延びて設けられ、ヒートシンクユニットとのはめ込み組立が可能な一対の固定アームと、を含み、前記固定アームは、フレームから垂直に延びたアーム部材と、前記アーム部材の上端から折り曲げられて形成された係止段と、前記アーム部材の上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝と、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体素子テスト用蓋なしBGAソケット装置は、コンタクトと、水平な上面に対して陥没して形成されたスライダー収納部が設けられ、スライダー収納部の下面にコンタクトが固定されるメインボディ部と、スライダー収納部内に水平方向又は垂直方向にスライド可能に設けられ、印加された水平操作力又は垂直操作力によって前後又は上下スライドが行われ、その前後又は上下スライド位置に応じてコンタクトに横方向の操作力を提供してICの端子とコンタクトとを接触させるスライダーと、メインボディ部とスライダーとの間に備えられ、スライダーを可動方向に弾性支持してコンタクトとICの端子との接触力を発生させるコンタクト接触力発生ばねと、を含み、ICのロード/アンロード時にのみ別途のICロード/アンロード装置がメインボディ部に仮組立されるので、テスト過程でソケット装置に定着されるICの周辺の空気流れを妨げるおそれのある構造を排除してICの温度を均一に保つことができ、また、従来技術と比較してソケット装置の高さを半分に減らすことができるため、バーンインチャンバー内で配置可能なバーンインボードの数を増加させてテストコストを削減することができるという効果がある。
【0022】
また、本発明は、コンタクトとICの端子との接触を長時間均一に保つことができ、コンタクトの弾性復元力の低下によるコンタクトの劣化(degrading)を改善することができる。
【0023】
また、このような本発明のソケット装置は、選択的に着脱可能なヒートシンクの装着が可能であって、ICのテスト過程でICから発生する熱を効果的に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1の(a)(b)はBGA型ICの平面図及び側面図である。
【
図5】
図5の(a)(b)(c)は従来技術のソケット装置の概略的な作動例を示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図である。
【
図9】
図9の(a)(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態におけるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【
図10】本発明の第1実施形態におけるメインボディ部の平面構成図である。
【
図12】
図12の(a)(b)はそれぞれ
図10のE-E線とF-F線に沿った断面構成図である。
【
図13】本発明の第1実施形態におけるストッパーボディ部の平面構成図である。
【
図14】
図14の(a)(b)はそれぞれ
図13のG-G線とH-H線に沿った断面構成図である。
【
図15】本発明の実施形態によるスライダーの平面構成図である。
【
図16】
図16の(a)(b)(c)はそれぞれ
図15のI-I線とJ-J線に沿った断面構成図である。
【
図17】
図17の(a)(b)はそれぞれ
図15のK-K線とL-L線に沿った断面構成図である。
【
図18】本発明の実施形態によるICロード/アンロード装置の平面構成図である。
【
図19】
図19の(a)(b)はそれぞれ
図18のM-M線とN-N線に沿った断面構成図である。
【
図20】本発明の第1実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【
図21】本発明の第1実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【
図22】本発明の第1実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【
図23】
図23の(a)(b)はそれぞれ本発明の他の実施形態によるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【
図24】本発明の第2実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図である。
【
図27】
図27の(a)(b)はそれぞれ本発明の第2実施形態におけるシングルピン型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【
図28】
図28の(a)(b)(c)は本発明の第2実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【
図29】本発明の第3実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図である。
【
図32】
図32の(a)(b)はそれぞれ本発明の第3実施形態におけるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【
図33】
図33の(a)(b)(c)は本発明の第3実施形態における開閉用可動子の高さによるコンタクトの開閉動作を示す図である。
【
図34】本発明の第3実施形態におけるICロード/アンロード装置の平面構成図である。
【
図35】
図35の(a)(b)はそれぞれ
図34のS-S線とT-T線に沿った断面構成図である。
【
図36】
図36の(a)(b)(c)は本発明の第3実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【
図37】本発明の第4実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図である。
【
図38】
図38の(a)(b)はそれぞれ
図37のU-U線とV-V線に沿った断面構成図である。
【
図39】本発明の実施形態によるヒートシンクの平面構成図である。
【
図40】
図40の(a)(b)は
図39のW-W線に沿った断面構成図と分解断面構成図である。
【
図41】
図41の(a)(b)はそれぞれヒートシンクユニットのロード前後を示す断面構成図である。
【
図42】
図42の(a)(b)(c)はヒートシンクユニットのアンロード過程を簡略に示す断面構成図である。
【
図43】
図43の(a)(b)(c)はそれぞれヒートシンクユニットをソケット装置に装着するための他の変形例としてヒートシンクソケットを示す平面構成図、X-X線とY-Y線に沿った断面構成図である。
【
図44】
図44の(a)(b)はそれぞれ
図43のヒートシンクソケットを用いたヒートシンクユニットのロード前後を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、本明細書及び請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的又は辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈されるべきである。
【0026】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例がありうることを理解すべきである。
【0027】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面によって詳細に説明する。
【0028】
[第1実施形態]
図6は本発明の第1実施形態による蓋なしBGAソケット装置(以下、「ソケット装置」ともいう)の平面構成図、
図7は
図6のB-B線に沿った断面構成図、
図8は
図6のC-C線に沿った断面構成図である。
【0029】
図6乃至
図8を参照すると、本実施形態のソケット装置200は、上側先端部が設けられて横方向に弾性を有し、IC1の端子の電気的接触が行われるコンタクト100と、水平に形成された上面210aに対して陥没して形成されたスライダー収納部、及びスライダー収納部の周辺の上面210aから引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部212aを含み、スライダー収納部の下面にコンタクト100が固定されるメインボディ部210と、メインボディ部210の上部に設けられたスライダー収納部内で水平方向(x軸方向)に前後スライド可能に設けられ、カム支持部212aと向かい合って一端にカム接触部231が設けられ、カム接触部231に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じてコンタクト100に横方向の操作力を伝達してICの端子とコンタクト100とを接触させるスライダー230と、メインボディ部210とスライダー230との間に備えられ、スライダー230を可動方向(x軸方向)に弾性支持してコンタクト100とIC1の端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばね241と、を含む。
【0030】
本発明において、コンタクト100は、デュアルピンチ(dual pinch)型又はシングルピン(single pin)型であることができ、本実施形態では、デュアルピンチ型のコンタクトを示しており、その具体的な構成を関連図面を参照して再度説明する。
【0031】
メインボディ部210は、水平な上面210aを有し、上面210aの中央は陥没形成されてスライダー230が収納されるスライダー収納部を含む。スライダー収納部の周辺の上面210aは、ガイド孔211、及び引き込まれて形成されたホール212が設けられる。
【0032】
ガイド孔211は、ICのロード/アンロード操作のためのICロード/アンロード装置と組み立てるためのもので、ICロード/アンロード装置の組立位置を案内する役割をする。
図6では、4つのガイド孔がメインボディ部210の各コーナーに設けられることを例示しているが、その位置や数は変わり得る。
【0033】
特に
図7を参照すると、ホール212は、ICロード/アンロード装置のスライダー作動カム313が挿入され、ホール212の一端側壁は、スライダー作動カム313と接してスライダー作動カム313を支持するカム支持部212aの機能をする。スライダー230は、カム支持部212aと対面する上端エッジに曲面形状を有するカム接触部231が設けられる。よって、カム接触部231とカム支持部212aとの間に挿入されたスライダー作動カム313は、カム支持部212aに支持されてカム接触部231を垂直方向に加圧し、曲面のカム接触部231は、スライダー作動カム313の垂直操作力によって横方向の操作力が発生してスライダー230の水平方向(x軸方向)の運動が行われる。
【0034】
図6を参照すると、本実施形態において、メインボディ部210は、上面に上下対称な位置に4つのカム接触部231とカム支持部212aが設けられることを示しているが、その位置や数は変更できる。
【0035】
メインボディ部210の下端には、コンタクト100を固定するためのストッパーボディ部220が追加でき、コンタクト100をストッパーボディ部220にまず仮組立した後、これをメインボディ部210と組み立てることにより、コンタクト100は、メインボディ部210に垂直に固定位置することができる。一方、他の変形例としては、メインボディ部に直接コンタクトを圧入組立して、別途のストッパーボディ部なしにメインボディ部のみでコンタクトの固定が行われることもある。
【0036】
また、ストッパーボディ部220の下部には、コンタクトのリードが貫通挿入されてリードガイド250が追加でき、リードガイド250は、ソケット装置をPCBに組み立てる過程でコンタクトのリードがPCBのスルーホール(through hole)の中に正確に挿入されるように案内する役割をする。図面符号260は、はんだ付けピンであり、メインボディ部の下方に延びてPCBにはんだ付けが行われることにより、ソケット装置をPCBに強固に固定する。
【0037】
スライダー230は、メインボディ部210の上部において左右方向(x軸方向)にスライド可能に組み立てられる。また、スライダー230は、メインボディ部210のカム支持部212aと対応して上端エッジに曲面からなるカム接触部231が設けられ、前後スライド位置に応じてコンタクト100を水平方向に開閉操作する。
【0038】
コンタクト接触力発生ばね241は、メインボディ部210とスライダー230との間に備えられ、スライダー230を可動方向(x軸方向)に弾性支持してコンタクト100とICの端子との接触力を提供する。このようなコンタクト接触力発生ばね241は、十分な操作力を確保するために複数で構成でき、参考として、
図6において、コンタクト接触力発生ばね241は、上下対称となるように合計8個で構成され、スライダー230を右方向に加圧する。
【0039】
このように構成されたソケット装置200は、ICのロード/アンロード過程でのみメインボディ部210の上部にICロード/アンロード装置が仮組立されてICのロード/アンロード操作が行われ、その後、IC1が定着されたメインボディ部210の上部は、別途の構造物なしに開放された状態になってテストが行われる。以下では、各構成要素についての具体的な実施形態を説明する。
【0040】
図9の(a)(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態におけるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
図9を参照すると、本実施形態のコンタクト100は、ICのボール端子2を挟んで互いに対向して配置される一対の固定側端子110と可動側端子120を含むデュアルピンチ型(dual pinch type)のコンタクトであって、固定側端子110及び可動側端子120の下端が一体に固定されるコンタクトボディ130と、コンタクトボディ130から下方に延びるリード140と、を含む。リード140は、PCB(図示せず)の貫通孔に組み立てられてはんだ付けで固定される。
【0041】
固定側端子110は、ピン111と、このピン111の上部に設けられ、ボール端子との直接接触が行われる上側先端部112と、を含む。同様に、可動側端子120は、ピン121と、このピン121の上端に設けられる上側先端部122と、を含む。
【0042】
固定側ピン111は、中間に外側に突出した支持突起111aが設けられることができ、この支持突起111aは、メインボディ部の収納ホール内に位置するときに側壁に支持され、固定側端子110を水平方向に支持する役割をする。
【0043】
好ましくは、固定側上側先端部112と可動側上側先端部122は、ボール端子2の中心に対して一定の間隔dだけオフセット(offset)される。したがって、本発明において、デュアルピンチ型のコンタクトは、ボール端子との接触時に二つの上側先端部112、122がボール端子2に対して互いに一定の間隔dだけオフセットされて接触が行われる。
【0044】
図10は本発明の第1実施形態におけるメインボディ部の平面構成図、
図11は
図10のD-D線に沿った断面構成図、
図12の(a)(b)はそれぞれ
図10のE-E線とF-F線に沿った断面構成図である。
【0045】
図10乃至
図12を参照すると、メインボディ部210は、上面210aの中央に陥没形成されてスライダーが収納されるスライダー収納部210bが設けられ、スライダー収納部210bの下面は、一定のパターンに従って複数の第1収容孔213が垂直に貫通形成され、各第1収容孔213にコンタクトが垂直に収納される。各第1収容孔213の上側開口端には、コンタクトの固定側ピン111と可動側ピン121との間に固定子214が備えられ、固定側ピン111と可動側ピン121は、メインボディ部210において水平方向に固定される。
【0046】
メインボディ部210は、スライダー収納部210bの周りの上面210aが水平な平面構造を有し、上面210aに複数のガイド孔211が設けられる。スライダー収納部210bは引き込まれて形成されたホール212が設けられる、このホール212の一端側壁はカム支持部212aとして機能し、このカム支持部212aはICロード/アンロード装置のスライダー作動カムを支持する役割をする。
図11に示すように、カム支持部212aの上端面は曲面を有し、よって、ICロード/アンロード装置のスライダー作動カムは曲面に沿ってホール212内に挿入位置することが可能である。
【0047】
メインボディ部210の下部には、突出したガイドピン215が設けられ、このガイドピン215は、PCBとの組立過程でPCBとの組立位置を案内する。このようなガイドピン215は、一つ又は複数であり得る。
【0048】
メインボディ部210は、内側側壁の一部に突出した第1固定突起216が設けられ、この第1固定突起215は、ストッパーボディ部220とのはめ込み組立のための組立部材として使用される。
【0049】
図面符号217はフック係止突部であり、スライダーの組立フックと組み立てられてメインボディ部210の上部に組み立てられるスライダーの前後可動方向を案内する。
【0050】
図13は本発明の第1実施形態におけるストッパーボディ部の平面構成図、
図14の(a)(b)はそれぞれ
図13のG-G線とH-H線に沿った断面構成図である。
【0051】
図13及び
図14を参照すると、ストッパーボディ部220は、一定のパターンに従って複数の第2収容孔221が垂直に貫通形成され、各第2収容孔221にコンタクトが垂直に固定される。第2収容孔221は、メインボディ部の第1収容孔とほぼ同じ位置に設けられ、コンタクト100が垂直に位置する。
【0052】
好ましくは、第2収容孔221は、下方に行くほど内径が狭くなる構造であり、内側側壁に一定の傾斜を持つ支持傾斜面221aが形成され、この傾斜面221aによってコンタクトボディ130が支持されることにより、リード140は第2収容孔221の下方に突出位置する。
【0053】
ストッパーボディ部220は、鉛直に延びる多数の固定アーム222が設けられ、この固定アーム222の上側先端には第2固定突起222aが設けられ、この第2固定突起222aはメインボディ部210の第1固定突起215(
図12参照)にはめ込んで組み立てられ、ストッパーボディ部220はメインボディ部210の下端にはめ込んで組み立てられる。
【0054】
図15は本発明の実施形態によるスライダーの平面構成図、
図16の(a)(b)(c)はそれぞれ
図15のI-I線とJ-J線に沿った断面構成図、
図17の(a)(b)はそれぞれ
図15のK-K線とL-L線に沿った断面構成図である。
【0055】
図15乃至
図17を参照すると、スライダー230は、複数のカム接触部231a、231bが設けられ、メインボディ部210とスライダー230がコンタクト接触力発生ばね241によって弾性支持されて組み立てられた状態で、各カム接触部231a、231bは、メインボディ部210のホールを介して上面の外側に露出する。
【0056】
各カム接触部231a、231bは、スライダー230の各辺から一体に突出して上端エッジに一定の曲面をもって設けられ、ICロード/アンロード装置に設けられたスライダー作動カム312(
図7参照)によって加圧されてスライダー230の水平操作が行われる。
【0057】
図面符号232は、組立フックであり、メインボディ部のフック係止突部と組み立てられてスライダー230のスライド方向への水平移動を案内する役割をする。図面符号233は、コンタクト接触力発生ばね241(
図6参照)が固定されるばね組立ガイドである。
【0058】
スライダー230は、各コンタクトの固定側ピンと可動側ピンがそれぞれ貫通位置する固定側端子収容孔234と可動側端子収容孔235が形成され、好ましくは、固定側端子収容孔234と可動側端子収容孔235は、一定の間隔dだけオフセット(offset)され、好ましくは、固定側端子収容孔234の長さL1は、可動側端子収容孔235の長さL2よりは長い(L1>L2)。
【0059】
スライダー230の上面には、ICのロード過程でボール端子2の定着位置を案内するボール端子ガイド236が設けられ、本実施形態において、ボール端子ガイド236は、ボール端子2の定着中心から等距離上に配置される複数のブロックによって提供されることを例示しているが、これに限定されるものではない。
【0060】
好ましくは、互いに隣接する可動側端子収容孔235の間に、逆三角形に突出した開閉用可動子237が設けられ、開閉用可動子237は、逆三角形状を有し、左側端と右側端はそれぞれ互いに隣接する二つの可動側ピン121によって開用加圧端237aと閉用加圧端237bとして機能する。
【0061】
また、互いに隣接する固定側端子収容孔234の間に、逆三角形に突出した距離維持可動子238が設けられ、距離維持可動子238は、一端238aが固定側ピン111の内側面を支持して固定側上側先端部112と可動側上側先端部122との最小間隔を維持する役割をする。
【0062】
図18は本発明の実施形態によるICロード/アンロード装置の平面構成図であり、
図19の(a)(b)はそれぞれ
図18のM-M線とN-N線に沿った断面構成図である。
【0063】
図18及び
図19を参照すると、ICロード/アンロード装置300は、ICのロード/アンロード過程でメインボディ部210の上部に着脱可能にはめ込んで組み立てられ、スライダーのカム接触部を加圧してスライダー230の水平操作のための操作力を提供する。一方、本発明において、ICロード/アンロード装置300とメインボディ部210が着脱可能に組み立てられるというのは、ICロード/アンロード装置300がメインボディ部210の上部に雄雌嵌合されて位置し、容易に分離が可能な範囲内で組み立てられるということである。よって、ICロード/アンロード装置がメインボディ部と一体に構成されて分離が不可能であるか、或いはICロード/アンロード装置がメインボディ部とボルトなどの締結手段によって堅固に固定されて分離が容易でない組立形態は排除されることを理解すべきである。
【0064】
具体的に、ICロード/アンロード装置300は、メインボディ部のIC定着部と対応して略四角の収納孔311が設けられたボディ部310と、ボディ部310の下端に突設されたスライダー作動カム313と、を含み、ボディ部310の下端に突出したガイドアーム312をさらに含むことができる。
【0065】
ボディ部310は、収納孔311の下端開口端を形成するガイド側壁314と、このガイド側壁314から傾斜をもって延設されたICガイド傾斜面315と、を含み、IC1は、ICガイド傾斜面315に沿って投入されてガイド側壁314内に位置し、メインボディ部210のIC定着部に定位置して定着される。
【0066】
ガイドアーム312は、メインボディ部210のガイド孔211と対応する位置にそれぞれ設けられ、メインボディ部210との組立過程で組立位置を案内する。
【0067】
スライダー作動カム313は、メインボディ部210のホール212と対応する位置にそれぞれ設けられ、メインボディ部210と組み立てられてスライダー230のスライダー作動カム操作部231を加圧する。
図18では、メインボディ部のホールと対応した位置に4つのスライダー作動カム313がボディ部310の上下対称位置に設けられることを例示しているが、その位置や数は変更できる。
【0068】
好ましくは、スライダー作動カム313は、下側先端部313aが、曲面又は傾斜面が形成された楔(wedge)形である。よって、スライダー230のカム接触部231との接触過程で、スライダー作動カム313の垂直操作力は、曲面を有するカム接触部231と接触しながらスライダー230の水平操作力に変換される。
【0069】
このようなICロード/アンロード装置300は、ICのロード/アンロード時にのみメインボディ部210と雄雌嵌合される。ICのテスト過程で、ICロード/アンロード装置300は、メインボディ部210から分離されて除去された状態である。
【0070】
図20乃至
図22は本発明の第1実施形態によるソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【0071】
図20はソケット装置の初期状態を示しており、ICロード/アンロード装置300は、メインボディ部210から分離された状態であって、IC1のロード前段階である。スライダー230は、コンタクト接触力発生ばね241によって弾性支持されて右方向に加圧された状態である。
【0072】
一方、コンタクトは、コンタクトボディがメインボディ部210に固定された状態で、固定側ピン111は距離維持可動子248と接して支持され、可動側ピン121は開閉用可動子237の閉用加圧端249bと接して支持される。この時、固定側上側先端部112と可動側上側先端部122との初期間隔w1は、ボール端子の直径よりは小さい。
【0073】
次に、
図21に示されているように、ICロード/アンロード装置300をメインボディ部210の上部にはめ込んで組み立てられ、この時、スライダー作動カム313は、メインボディ部210のホール212(
図7参照)に挿入されてカム接触部を押すことによりスライダー230を左側に押す。この時、コンタクト接触力発生ばね241が圧縮されながら、スライダー230は、一定の変位Dだけ左方向に水平移動する。
【0074】
スライダー230の水平方向の移動によって、開閉可動子237も水平移動しながら可動側ピン121を押す。この時、開閉可動子237の開用加圧端237aが可動側ピン121を押して、二つの上側先端部112、122間の間隔w2はボール端子2の直径以上になる。その後、IC1がソケット装置にロード(loading)されて二つの上側先端部112、122の間にボール端子2が位置する。
【0075】
図22を参照すると、ソケット装置にIC1が定着位置した後、ICロード/アンロード装置300をメインボディ部210から分離し、コンタクト接触力発生ばね241の弾性復元力によって、スライダー230は再び原位置に復帰する。
【0076】
一方、スライダー230の復帰過程で、可動側ピン121は、開閉用可動子237の閉用加圧端237bによって加圧された状態でボール端子2と接触し、二つの上側先端部112、122間の初期間隔w1は、ボール端子2の直径よりは小さく設計された状態(
図20参照)であるので、固定側上側先端部112は、初期状態に対する距離差bだけの変位によって接触力をもってボール端子2と接触する。
【0077】
その後、ソケット装置にIC1がロードされた状態でテストが行われ、テスト過程で、ICロード/アンロード装置300は分離されて除去された状態である。IC1のテストが完了した後、IC1のアンローディングは、前述したのと同様に、ICロード/アンロード装置300を用いてIC1のアンロードが行われる。
【0078】
図23の(a)(b)はそれぞれ本発明の他の実施形態によるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【0079】
図23を参照すると、本実施形態のコンタクト400は、一対の固定側端子410と可動側端子420を含むデュアルピンチ型のコンタクトであって、固定側端子410及び可動側端子420の下端が一体に固定されるコンタクトボディ430と、コンタクトボディ430から下方に延びるリード440と、を含む。
【0080】
固定側端子410は、固定側ピン411と、この固定側ピン411の上端に設けられ、ボール端子2との直接接触が行われる固定側上側先端部412と、を含み、これと対応して、可動側端子420も、可動側ピン421と、可動側ピン421の上端に設けられる可動側上側先端部422と、を含む。
【0081】
固定側上側先端部412と可動側上側先端部422は、ボール端子2の中心に対して一定の間隔dだけオフセット(offset)される。
【0082】
特に、本実施形態において、リード240は、一部の曲線区間を有し、曲線区間を有するリード440は、上下方向に所定の弾性力を有し、PCBの接触パッドとの接触時に圧縮されながら接触が行われて接触力を大きくすることができる。
【0083】
[第2実施形態]
図24は本発明の第2実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図、
図25は
図24のO-O線に沿った断面構成図、
図26は
図24のP-P線に沿った断面構成図である。本実施形態におけるコンタクトは、シングルピン型のコンタクトが適用されたもので、ソケット装置のICロード/アンロード装置が着脱可能に組み立てられることが可能であって、ICのロード/アンロードでのみICロード/アンロード装置がメインボディ部と組み立てられるのは第1実施形態と同様なので、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0084】
図24乃至
図26を参照すると、第2実施形態のソケット装置500は、上側先端部611が設けられて横方向に弾性を有し、IC1の端子2の電気的接触が行われるコンタクト600と、水平に形成された上面510aに対して陥没して形成されたスライダー収納部、及びスライダー収納部の周辺の上面510aから引き込まれて形成され、一端側壁を構成するカム支持部512aを含み、スライダー収納部の下面にコンタクト600が固定されるメインボディ部510と、メインボディ部510の上部に設けられたスライダー収納部内で水平方向に前後スライド可能に設けられ、カム支持部512aと対向して一端にカム接触部531が設けられることで、カム接触部531に印加された横方向の操作力によって前後スライドが行われ、その前後スライド位置に応じてコンタクト600に横方向の操作力を伝達してICの端子2とコンタクト600とを接触させるスライダー530と、メインボディ部510とスライダー530との間に備えられ、スライダー530を可動方向(x軸方向)に弾性支持してコンタクト100とICの端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばね541と、を含む。
【0085】
メインボディ部510の下端には、コンタクト600を固定するための別途のストッパーボディ部520、及びコンタクト600のリードを案内するためのリードガイド550が追加できる。
【0086】
図27を参照すると、本実施形態において、コンタクト600は、シングルピン型であって、ICのボール端子と接触する上側先端部610が設けられて所定の弾性を有する端子620と、端子620の下端と一体に固定されるコンタクトボディ630と、コンタクトボディ630から下方に延びるリード640と、を含む。リード640は、PCB(図示せず)の貫通孔に組み立てられてはんだ付けで固定される。
【0087】
コンタクトボディ640は、突出した支持突起631が設けられることができ、この支持突起631は、メインボディ部の収納ホール内に位置するときに側壁に支持されることにより、コンタクト600を水平方向に支持する役割をする。
【0088】
図25を参照すると、スライダー430は、上面にICのローディング過程でボール端子2の定着位置を案内する複数のボール端子ガイド532が一定の間隔で設けられ、ボール端子ガイド532の間には、貫通形成された複数の端子収容孔533が設けられ、各端子収容孔533にコンタクトの端子620が位置する。
【0089】
好ましくは、互いに隣接する端子収容孔533の間に、逆三角形に突出した距離維持可動子534が設けられ、各距離維持可動子534の右側端は端子620を支持してボール端子ガイド532と上側先端部610との最小間隔d2を維持する役割を果たし、好ましくは、最小間隔d2はボール端子2の直径よりは小さい。
【0090】
このように構成された第2実施形態のソケット装置は、ICのロード/アンロード過程でのみICロード/アンロード装置と組み立てられ、ICのロード又はアンロード後に、ICロード/アンロード装置は、メインボディ部から分離されてICのテストが行われることができ、ICロード/アンロード装置の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。以下の説明では、ICロード/アンロード装置の図面符号は第1実施形態の図面符号と同一に使用する。
【0091】
図28の(a)(b)(c)は本発明の第2実施形態による蓋なしBGAソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【0092】
図28の(a)はソケット装置の初期状態を示しており、ICロード/アンロード装置は、メインボディ部510から分離された状態であって、ICのロード前段階である。スライダー530は、コンタクト接触力発生ばね541によって弾性支持されて右方向に加圧された状態である。一方、距離維持可動子534の右端は端子620を支持して、ボール端子ガイド532と上側先端部610は最小間隔d2を維持し、最小間隔d2はボール端子の直径よりは小さい。
【0093】
次に、
図28の(b)を参照すると、ICロード/アンロード装置300をメインボディ部510の上部にはめ込んで組み立て、この時、スライダー作動カム313は、メインボディ部510のホール512に挿入されてカム接触部を押すことによりスライダー530を左側に押す。この時、コンタクト接触力発生ばね541が圧縮されながら、スライダー530は一定の変位Dだけ左方向に水平移動する。
【0094】
スライダー530の左方向の移動によってボール端子ガイド532が一緒に移動して、相対的に端子620の上側先端部610が開いた状態になってIC1のボール端子2がスライダー530の上面に定着位置することができる。この時、ボール端子ガイド532と上側先端部510との距離d3は、ボール端子2の直径よりも大きい。
【0095】
図28の(c)を参照すると、ソケット装置にIC1が定着位置した後に、ICロード/アンロード装置300をメインボディ部510から分離し、コンタクト接触力発生ばね541の圧縮力によって、スライダー530は一定の距離Dだけさらに原位置に復帰しながら、ボール端子ガイド532がボール端子2を右側に押すことにより、ボール端子2は上側先端部510と適正接触力で接触する。
【0096】
[第3実施形態]
図29は本発明の第3実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図、
図30は
図29のQ-Q線に沿った断面構成図、
図31は
図29のR-R線に沿った断面構成図である。本実施形態におけるコンタクトは、対称構造のデュアルピッチ型のコンタクトが適用されたもので、ソケット装置のICロード/アンロード装置が着脱可能に組み立てられることが可能であって、ICのロード/アンロードでのみICロード/アンロード装置がメインボディ部と組み立てられるのは、先立っての実施形態と同様なので、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0097】
図29乃至
図31を参照すると、本実施形態のソケット装置700は、上側先端部が設けられて横方向に弾性を有し、IC1のボール端子との電気的接触が行われるコンタクト800と、水平に形成された上面710aにICが定着位置するIC定着部710cが設けられ、上面710aに対して陥没して形成されたスライダー収納部710bが設けられてスライダー収納部710bの下面にコンタクト800が固定されるメインボディ部710と、スライダー収納部710b内に上下スライド可能に収納され、垂直方向(z軸方向)に印加された垂直方向の操作力によって上下スライドが行われ、その上下スライド位置に応じてコンタクト800に横方向の操作力を提供してIC1の端子2とコンタクト800とを接触させるスライダー730と、メインボディ部710とスライダー730との間に備えられ、スライダー730を可動方向(z軸方向)に弾性支持してコンタクト800とIC1の端子との接触力を提供するコンタクト接触力発生ばね741と、を含む。
【0098】
メインボディ部710の下端には、コンタクト800を固定するための別途のストッパーボディ部720、及びコンタクト800のリードを案内するためのリードガイド750が追加できる。
【0099】
メインボディ部710は、IC定着部710cと隣接して複数のガイド孔711が設けられる。ガイド孔711は、ICロード/アンロード装置の組立位置を案内する。
【0100】
メインボディ部710は、上面710aが水平な平面構造をもってIC1の下面縁が定着位置するIC定着部710cが設けられる。具体的には、IC定着部710cは、メインボディ部710から垂直に延び、スライダー730を貫通してスライダー730の上端に突出する。したがって、IC1は、底面の縁部の一部がIC定着部710cに定着され、IC1の端子2領域は、メインボディ部710に収納されるスライダー730と対面する。本実施形態において、IC定着部710cは、ICの各コーナーに対応する位置に4つが配置されることを示している。好ましくは、IC定着部710cは、傾斜形成されたガイド面710dが設けられ、IC1のロード過程で、IC1はガイド面710dに沿ってIC定着部710cに正確に定着できる。
【0101】
スライダー730の上面には、ICのロード過程でボール端子2の定着位置を案内するボール端子ガイド736が設けられ、本実施形態において、ボール端子ガイド736は、ボール端子2の定着中心から等距離上に配置される複数のブロックによって提供されることを例示しているが、これに限定されるものではない。
【0102】
スライダー730は、一定の間隔で第1端子収容孔734と第2端子収容孔735が設けられ、各収容孔734、735にはコンタクトの第1端子810と第2端子820が挿入位置し、互いに隣接した端子収容孔734、735の間に、逆三角形に突出した開用可動子737が設けられ、この開用可動子737は、第1端子810と第2端子820との間に挿入位置して各端子810、820の内側と接触する。一方、互いに隣接するコンタクトの間には、逆三角形に突出した閉用可動子739が設けられ、この閉用可動子739は、各端子810、820の外側と接触する。
【0103】
スライダー730は、メインボディ部710の上部から所定の高さd5の遊びを持つように収納され、組み立てられて上下移動が可能であり、コンタクト接触力発生ばね741は、スライダー730を上方に弾性支持する。
【0104】
図29において、図面符号712は、ICロード/アンロード装置がメインボディ部の上面に定着されるときにスライダー230を下方に押すスライダー操作ピンの位置を示す。スライダー230は、複数のスライダー操作ピンによって下方に操作力が発生する。よって、スライダー230の上下運動過程で、スライダー230は、水平状態を維持しながら上下運動が行われる。また、スライダー230は、複数のコンタクト接触力発生ばね741によって弾性支持され、コンタクト800とICの端子との十分な接触力を提供する。このようなICロード/アンロード装置のスライダー組織ピンとコンタクト接触力発生ばねの位置と数は変更できる。
【0105】
図32の(a)(b)はそれぞれ本発明の第3実施形態におけるデュアルピンチ型のコンタクトの正面及び側面構成図である。
【0106】
図32を参照すると、本実施形態のコンタクト800は、ICのボール端子2を挟んで互いに対向してオフセット(offset)された左右対称構造を有する第1端子810と第2端子820を含む対称型デュアルピンチタイプのコンタクトであって、第1端子810及び第2端子820の下端が一体に固定されるコンタクトボディ830と、コンタクトボディ830から下方に延びるリード840と、を含む。第1端子810と第2端子820は、横方向に弾性を有し、リード840は、PCB(図示せず)の貫通孔に組み立てられてはんだ付けで固定される。
【0107】
第1端子810は、第1ピン811と、この第1ピン811の上端に設けられてボール端子2との直接接触が行われる上側先端部812と、を含む。同様に、第2端子820は、第2ピン821と、第2ピン821の上端に設けられる上側先端部822と、を含む。
【0108】
コンタクトボディ830は、メインボディ部の収納ホール内に位置するときに側壁に支持されることにより、二つの端子810、820は、水平方向に弾性支持される。
【0109】
好ましくは、第1ピン811の上側先端部812と第2ピン821の上側先端部822は、ボール端子2の中心に対して一定の間隔d4だけオフセット(offset)される。従って、本実施形態のコンタクト800は、ボール端子2との接触時に二つの上側先端部812、822がボール端子2に対して互いに一定の間隔d4だけオフセットされて接触する。
【0110】
第1ピン811と第2ピン821は、それぞれ一定の高さで変曲ノード811a、821aが形成され、二つの変曲ノード811a、821a間の距離d5は、二つの上側先端部812、822間の距離d6よりも小さい。したがって、第1ピン811と第2ピン821は、各変曲ノード811a、821aを基準に、上端では外に広がった形状を有する。
【0111】
図33の(a)(b)(c)は本発明の第3実施形態における開閉用可動子の高さによるコンタクトの開閉動作を示す図である。
【0112】
図33の(a)はICのロード前であるソケット装置の初期状態を示しており、第1端子810と第2端子820は、隣接する閉用可動子739と接触した状態であり、この時、二つの上側先端部間の間隔G1は、ボール端子2の直径よりは小さい。
【0113】
図33の(b)を参照すると、スライダーの下降動作によって、開用可動子737は、二つの端子810、820の間で下方に移動しながら、二つの端子810、820間の間隔を広げ、最下端の位置における二つの上側先端部間の間隔G2は、ボール端子2の直径以上に広がった状態になる。
【0114】
図33の(c)に示すように、二つの上側先端部の間のボール端子2が位置した状態で、スライダーの上昇動作によって、二つの端子810、820は、閉用可動子739によって内側に集まるようになり、ボール端子2は、二つの上側先端部と一定の接触力をもって接触する。
【0115】
図34は本発明の第3実施形態におけるICロード/アンロード装置の平面構成図であり、
図35の(a)(b)はそれぞれ
図34のS-S線とT-T線に沿った断面構成図である。
【0116】
図34及び
図35を参照すると、本実施形態のICロード/アンロード装置900は、先立っての実施形態と同様に、ICのロード/アンロード過程でメインボディ部の上部に着脱可能にはめ込んで組み立てられ、スライダーを加圧してスライダーの垂直操作のための操作力を提供する。
【0117】
具体的には、ICロード/アンロード装置900は、メインボディ部のIC定着部と対応して略四角の収納孔911が設けられたボディ部910と、ボディ部910の下端に突設されたガイドアーム912と、ボディ部910の下端に突設されたスライダー操作ピン913と、を含む。
【0118】
ボディ部910は、収納孔911の下端開口端を形成するガイド側壁914と、ガイド側壁914から傾斜をもって延設されたICガイド傾斜面915と、を含み、ICは、ICガイド傾斜面915に沿って投入されてガイド側壁914内に位置し、メインボディ部710のIC定着部に定位置して定着される。
【0119】
ガイドアーム912は、メインボディ部710のガイド孔711と対応する位置にそれぞれ設けられ、メインボディ部710との組立時に組立位置を案内する。
【0120】
スライダー操作ピン913は、スライダー730の上面と接触してスライダー730を下方に加圧し、ガイドアーム912とスライダー操作ピン913の位置と数は変更できる。
【0121】
このようなICロード/アンロード装置900は、ソケット装置に対するICのロード/アンロード時にのみメインボディ部710と組み立てられ、ICのテスト過程で、ICロード/アンロード装置900は、メインボディ部910から分離される。
【0122】
図36の(a)(b)(c)は本発明の第3実施形態によるソケット装置におけるICのボール端子とコンタクトとの接触過程を簡略に示す図である。
【0123】
図36の(a)はソケット装置の初期状態を示しており、ICロード/アンロード装置は、メインボディ部710から分離された状態であって、ICのロード前段階である。スライダー730は、コンタクト接触力発生ばね741によって弾性支持されて上端に位置した状態である。第1端子810と第2端子820は、隣接する閉用可動子739と接触した状態であり、この時、二つの上側先端部間の間隔G1は、ボール端子の直径よりは小さい。
【0124】
図36の(b)を参照すると、ICロード/アンロード装置900をメインボディ部710の上部にはめ込んで組み立て、この過程で、スライダー操作ピン913は、スライダー730の上面と接触してスライダー730を下方に押し、開用可動子737が二つの端子810、820の間に挿入されながら、二つの上側先端部間の間隔G2は、ボール端子2の直径以上に広がった状態になってIC1へのロードが行われる。
【0125】
図36の(c)を参照すると、ソケット装置にIC1が定着位置した後に、ICロード/アンロード装置900をメインボディ部710から分離し、コンタクト接触力発生ばね741の圧縮力によって、スライダー730は上方に移動して原位置に復帰し、二つの端子810、820は閉用可動子739によって内側に集まるようになり、ボール端子2は二つの上側先端部と一定の接触力をもって接触する。
【0126】
[第4実施形態]
図37は本発明の第4実施形態による蓋なしBGAソケット装置の平面構成図、
図38の(a)(b)はそれぞれ
図37のU-U線とV-V線に沿った断面構成図である。
【0127】
図37及び
図38を参照すると、本実施形態のソケット装置は、IC1がロードされ、テスト過程で、IC1から発生した熱を効果的に放出することができるヒートシンクユニットが着脱可能に付加できる。ちなみに、このようなヒートシンクユニットは、先立って説明した第1、第2、第3実施形態のソケット装置にすべて同様に適用できる。以下の説明では、第1実施形態のソケット装置を例示して説明する。
【0128】
具体的には、メインボディ部210は、両側端から垂直に設けられ、ヒートシンクユニットとのはめ込み組立が可能な一対の固定アーム1110、1120を含む。
【0129】
固定アーム1110、1120は、メインボディ部210の両側端に左右対称的に設けられる第1固定アーム1110と第2固定アーム1120で構成され、以下の説明では、第1固定アーム1110を中心に説明する。
【0130】
第1固定アーム1110は、メインボディ部210の側端から垂直に備えられる板状のアームプレート1111と、アームプレート1111の上端から折り曲げられて形成された係止段1112と、アームプレート1111の上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝1113と、を含む。
【0131】
第1固定アーム1110を構成するアームプレート1111は、メインボディ部210と一体に製作された構造物であることができ、又は、メインボディ部210とボルトなどの締結手段によって組み立てられる構造物であることができる。また、第1固定アームは、メインボディ部に直接固定されず、メインボディ部が固定されるPCBに別途固定されて提供されることもできる。
【0132】
アームプレート1111は、上端に折り曲げられて形成された係止段1112が形成され、この係止段1112は、ヒートシンクユニットに設けられたフック突起とロック(locking)される。また、アームプレート111は、上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝1113が設けられ、このリリース凹溝1113は、ヒートシンクユニットのアンロック(unlocking)に使用できる。
【0133】
好ましくは、アームプレート1111は、水平に設けられたフランジ定着面1114が設けられ、ヒートシンクユニットに設けられたフランジが定着できる。
【0134】
このように左右対称的に設けられた一対の固定アーム1110、1120は、ヒートシンクユニットが着脱可能に組み立てられ、ヒートシンクユニットは、テスト過程で、ICから発生する熱を放出してICの過熱を防止する。
【0135】
図39は本発明の実施形態によるヒートシンクの平面構成図、
図40の(a)(b)は
図39のW-W線に沿った断面構成図及び分解断面構成図である。
【0136】
図39及び
図40を参照すると、本実施形態のヒートシンクユニット1200は、貫通した開口部が形成され、開口部の周辺から下方に突出した第1フック突起1211、及び固定アームに嵌合固定される第2フック突起1212が設けられたハウジング1210と、開口部に挿入位置して上下移動可能に組み立てられ、第1フック突起1211によって上下移動高さが制限されるヒートシンク1220と、ハウジング1210とヒートシンク1220との間に介在してヒートシンク1220を下方に弾性支持するばね1230と、を含む。
【0137】
ハウジング1210は、中央に開口部が形成されてヒートシンク1220が挿入され、第1フック突起1211は、ほぼ開口部から下方に突出してヒートシンク1220の下側縁に固定される。ハウジング1210は、下方に延びた第2フック突起1212が設けられ、この第2フック突起1212は、固定アームの係止段1112(
図38参照)に固定される。好ましくは、第1フック突起1211は、第2フック突起1212よりもさらに下方に位置する。
【0138】
好ましくは、ハウジング1210は、延びて突出したフランジ1213が設けられ、このフランジ1213の下面1213aは、固定アームに設けられたフランジ定着面1114(
図38参照)に定着される。
【0139】
ヒートシンク1220は、ブロックタイプのボディに多数の冷却フィン1222が設けられることができ、好ましくは、ヒートシンク1220の上面の中央は、一定の領域の平坦部1221が設けられ、この平坦部1221は、ヒートシンクユニット1200のロード/アンロード過程で真空ピックアップ(vacuum pick-up)に使用できる。
【0140】
ばね1230は、ハウジング1210とヒートシンク1220との間に介在してヒートシンク1220を下方に弾性支持し、周知のコイルばねによって提供できる。
【0141】
一方、ヒートシンク1220は、ばね1230が挿入される収納ホール1223aを有するばね収容部1223が設けられ、本実施形態において、ばね収容部1223の下端は、第1フック突起1211が固定されることを示している。ばね1230の上端は、ハウジング1210の底面に設けられたばね座溝1214によって固定できる。
【0142】
図41の(a)(b)はそれぞれヒートシンクユニットのロード前後を示す断面構成図である。
【0143】
図41の(a)を参照すると、ソケット装置200にIC1がロードされ、このとき、IC1のロードは、前述したICロード/アンロード装置によって行われることができる。
【0144】
図41の(b)に示されているように、ソケット装置200の上部からヒートシンクユニット1200が装着されると、第1固定アーム1110と第2固定アーム1120によってヒートシンクユニット1200が固定される。
【0145】
具体的には、第2固定アーム1120を基準に説明すると、第2固定アーム1120の上端の係止段1122に第2フック突起1212が係止され、このとき、ヒートシンク1220はIC1の上面と接触した状態であり、第1フック突起1211とヒートシンク1220は一定の距離d7だけ離れて当該長さだけばね1230が圧縮されることにより、ヒートシンク1220とIC1は、ばね1230の圧縮力によって密着した状態になる。したがって、ICのテスト過程で、IC1は、ヒートシンク1220と加圧されて接触した状態を維持して、熱放出がより効果的に行われる。
【0146】
図42の(a)(b)(c)はヒートシンクユニットのアンロード過程を簡略に示す断面構成図である。
【0147】
図42を参照すると、ヒートシンクユニット1200のアンロードには、別途設けられたヒートシンクアンロード装置1300が使用できる。ヒートシンクアンロード装置1300は、アンロードカム1310と真空ピックアップ機構1320で構成できる。アンロードカム1310は、下方に移動して固定アーム1110とヒートシンクユニット1200のハウジング1210との間に挿入されて固定アーム1110を外側に広げることで、固定アーム1110の係止段とヒートシンクユニット1200の第1フック突起との固定状態を解除する。
【0148】
一方、第1固定アーム1110の上端には、内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝1113が設けられ、固定アームとヒートシンクユニット1200との間に十分な隙間d8が確保されてアンロードカム1310の挿入が容易である。
【0149】
真空ピックアップ機構1320は、ヒートシンク1210の上面に設けられた平坦部1221(
図39参照)に位置して、真空によってヒートシンクユニット1200のピックアップが行われることができる。
【0150】
図43の(a)(b)(c)はそれぞれヒートシンクユニットをソケット装置に装着するための他の変形例としてヒートシンクソケットを示す平面構成図、X-X線とY-Y線に沿った断面構成図である。ちなみに、本実施形態のヒートシンクソケットは、先立って例示した同一のヒートシンクユニットが使用される。
【0151】
図43を参照すると、本実施形態のヒートシンクソケット1400は、開口部が形成された四角構造をもってPCBに固定されるフレーム1410と、フレーム1410の対向する二つの辺にそれぞれ垂直に延びてヒートシンクユニットとの組立が可能な一対の固定アーム1420、1430と、を含む。
【0152】
フレーム1410は、中央にソケット装置が位置する開口部1411が設けられた四角の構造を有し、PCBにねじ止めのための複数のねじ穴1412が設けられる。また、フレーム1410は、互いに対向する二つの辺にそれぞれ上方に延びた一対の固定アーム1420、1430と、下方に突出した第2ガイドピン1441と、を含む。第2ガイドピン1441は、PCBとの組立過程でPCBとの正確な組立位置を案内する。このようなガイドピン1441は、一つ又は複数でありうる。図示してはいないが、フレーム1410は、PCBにはんだ付けが行われる別途のはんだ付けピンが追加できる。
【0153】
固定アーム1420、1430は、フレーム1410の互いに対向する二つの辺に左右対称的に設けられる第1固定アーム1420と第2固定アーム1430で構成され、以下の説明では、第1固定アーム1420を中心に説明する。
【0154】
第1固定アーム1420は、フレーム1410から垂直に備えられるアーム部材1421と、アーム部材1421の上端から折り曲げられて形成された係止段1422と、アーム部材1421の上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝1423と、を含む。
【0155】
アーム部材1421は、上端に折り曲げられて形成された係止段1422が設けられ、この係止段1422は、ヒートシンクユニットに設けられたフック突起とロック(locking)される。また、アーム部材1421の上端から内側に引き込まれて形成されたリリース凹溝1423は、ヒートシンクユニットのアンロック(unlocking)に使用できる。
【0156】
好ましくは、アーム部材1421の上端部には、一部の区間が水平に設けられたフランジ定着面1424が設けられ、ヒートシンクユニットに設けられたフランジが定着できる。
【0157】
このように左右対称的に設けられた一対の固定アーム1420、1430は、ヒートシンクユニットが着脱可能に組み立てられる。
【0158】
図44の(a)(b)はそれぞれ
図43のヒートシンクソケットを用いたヒートシンクユニットのロード前後を示す断面構成図であって、ソケット装置200が組み立てられたPCB50にヒートシンクソケット1400がねじ60によって組み立てられ、その後、ヒートシンク1200が、ヒートシンクソケット1400に設けられた一対の固定アーム1420、1430によって固定される。
【0159】
一方、ヒートシンクソケット1400の固定アーム1420、1430によるヒートシンク1200のロードとアンロード過程は、先立って説明した実施形態と同様に行われる。
【0160】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明は、これによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と下記に記載される請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形を加え得るのはもちろんである。
【符号の説明】
【0161】
100、400、600、800 コンタクト
200、500、700 ソケット装置
210、510、710 メインボディ部
210a 上面
210b スライダー収納部
211 ガイド孔
212a カム支持部
213 第1収容孔
214 固定子
215 ガイドピン
216 第1固定突起
220、520、720 ストッパーボディ部
230、530、730 スライダー
231 カム接触部
232 組立フック
233 ばね組立ガイド
234 固定側端子収容孔
235 可動側端子収容孔
236 ボール端子ガイド
237 開閉用可動子
237a 開用加圧端
237b 閉用加圧端
238 距離維持可動子
241、541、741 コンタクト接触力発生ばね
250 リードガイド
300、900 ICロード/アンロード装置
310 ボディ部
311 収納孔
312 ガイドアーム
313 スライダー作動カム
314 固定側壁
315 ガイド傾斜面
1110、1120 ヒートシンク固定アーム
1200 ヒートシンクユニット
1300 ヒートシンクアンロード装置
1400 ヒートシンクソケット