(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】自動車レーダー追跡のためのゴーストオブジェクト識別
(51)【国際特許分類】
G01S 13/42 20060101AFI20241106BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
G01S13/42
G01S13/931
(21)【出願番号】P 2021559662
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(86)【国際出願番号】 US2020027202
(87)【国際公開番号】W WO2020210307
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1 Continental Drive, Auburn Hills, Michigan 48326-1581, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペンボー リー
(72)【発明者】
【氏名】オケチュク シドニー イグボクウェ
(72)【発明者】
【氏名】カイル コラシンスキ
(72)【発明者】
【氏名】カーク ノース
(72)【発明者】
【氏名】アダム ガゴリク
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04970518(US,A)
【文献】特開2017-096840(JP,A)
【文献】特開2006-242695(JP,A)
【文献】特開2005-257515(JP,A)
【文献】特開2015-105836(JP,A)
【文献】特開2016-148547(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03299841(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0292506(US,A1)
【文献】国際公開第2018/142629(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/094064(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004058844(DE,A1)
【文献】特開2018-200173(JP,A)
【文献】特開平11-328600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42,
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーデバイス(R)によって検出されたオブジェクトを分類する方法であって、
前記レーダーデバイス(R)のセンサデータから、ゴーストオブジェクトと、実際のオブジェクトと、反射オブジェクトとを検出するステップと、
前記ゴーストオブジェクト、前記実際のオブジェクトおよび前記反射オブジェクトのなかから、前記レーダーデバイス(R)の方位角に基づいて、前記レーダーデバイス(R)と同一直線上にある第1のコリニアオブジェクト(O
2)と第2のコリニアオブジェクト(O
3)とを決定するステップであって、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)は、前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)よりも前記レーダーデバイス(R)に近い距離にある、ステップと、
前記ゴーストオブジェクト、前記実際のオブジェクトおよび前記反射オブジェクトのなかから、前記レーダーデバイス(R)の前記方位角に基づいて、前記レーダーデバイス(R)、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)および前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)と同一直線上にないノンコリニアオブジェクト(O
1)を決定するステップと、
前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)との間の第1の分離距離と、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記レーダーデバイス(R)との間の第1の距離と、前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)と前記レーダーデバイス(R)との間の第2の距離とを求めるステップと、
前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記ノンコリニアオブジェクト(O
1)との間の第2の分離距離と、前記ノンコリニアオブジェクト(O
1)と前記レーダーデバイス(R)との間の第3の距離とを求めるステップと、
前記第2の分離距離が前記第1の分離距離と等しいか、前記第2の分離距離が前記第1の分離距離の半分と等しいか、
および前記第2の分離距離が前記第2の距離の2倍から前記第1の距離および前記第3の距離を引いたものと等しいかを判定するステップと、
前記レーダーデバイス(R)から前記第2
の距離と等しい位置(O
3、O
3’、O
3’’)にある前記ゴーストオブジェクトを識別するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ハードウェアプロセッサと、前記ハードウェアプロセッサと通信するハードウェアメモリとを含むレーダーデバイス(R)であって、
前記ハードウェアメモリは、前記ハードウェアプロセッサ上で実行されると、前記ハードウェアプロセッサに動作を実行させる指示を格納しており、
前記動作は、
前記レーダーデバイス(R)のセンサデータから、ゴーストオブジェクトと、実際のオブジェクトと、反射オブジェクトとを検出することと、
前記ゴーストオブジェクト、前記実際のオブジェクトおよび前記反射オブジェクトのなかから、前記レーダーデバイス(R)の方位角に基づいて、前記レーダーデバイス(R)と同一直線上にある第1のコリニアオブジェクト(O
2)と第2のコリニアオブジェクト(O
3)とを決定することであって、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)は、前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)よりも前記レーダーデバイス(R)に近い距離にある、ことと、
前記ゴーストオブジェクト、前記実際のオブジェクトおよび前記反射オブジェクトのなかから、前記レーダーデバイス(R)の前記方位角に基づいて、前記レーダーデバイス(R)、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)および前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)と同一直線上にないノンコリニアオブジェクト(O
1)を決定することと、
前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)との間の第1の分離距離と、前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記レーダーデバイス(R)との間の第1の距離と、前記第2のコリニアオブジェクト(O
3)と前記レーダーデバイス(R)との間の第2の距離とを求めることと、
前記第1のコリニアオブジェクト(O
2)と前記ノンコリニアオブジェクト(O
1)との間の第2の分離距離と、前記ノンコリニアオブジェクト(O
1)と前記レーダーデバイス(R)との間の第3の距離とを求めることと、
前記第2の分離距離が前記第1の分離距離と等しいか、前記第2の分離距離が前記第1の分離距離の半分と等しいか、
および前記第2の分離距離が前記第2の距離の2倍から前記第1の距離および前記第3の距離を引いたものと等しいかを判定することと、
前記レーダーデバイス(R)から前記第2
の距離と等しい位置(O
3、O
3’、O
3’’)にある前記ゴーストオブジェクトを識別することと、
を含む、
レーダーデバイス(R)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、たとえば、車両に接近するオブジェクトを検出するレーダーデバイスを用いて、自動車に近接するオブジェクトを検出するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
背景
道路上のトラフィックは、トラフィック参加者を含んでおり、これは車両、路面電車、バス、歩行者および公共道路を使用するあらゆる移動オブジェクトおよび歩道またはベンチやゴミ箱等の静止オブジェクト等を含んでいるが、これらに限定されない。組織化されたトラフィックは、全般的に、良好に確立された優先順位、レーン、通行権およびトラフィック制御交差点を有している。トラフィックはタイプによって分類されてよい。これらのタイプは、重い自動車両(たとえば、自動車およびトラック)、その他の車両(たとえば、モペッドおよび自転車)および歩行者である。道路に沿った走行の検出用に、トラフィックを監視するためのシステムおよび方法を有することが望ましい。
【0003】
レーダーは、自動車産業において、車両、歩行者、道路境界および他のオブジェクト等を検出するために広く使用されている。これらのターゲットは、近距離、たとえば典型的に500メートル未満にある。車両の近くに強い反射面とターゲットとがあり、その結果、ゴーストオブジェクトが検出されてしまう場合がある。レーダーデバイスは実際のオブジェクトとゴーストオブジェクトとを区別する必要があるため、レーダーによって検出されたゴーストオブジェクトは、レーダーデバイスによる検出を複雑にする。
【0004】
ゴーストオブジェクトは、特に都市部では、マルチパス反射からレーダーで検出されたオブジェクトにおいてほぼ常に存在している。一部のデバイスでは、ゴーストオブジェクトの識別を支援するために道路オブジェクトとゴースト領域とが使用される。他のデバイスでは、オブジェクトの速度、距離および隣接するオブジェクトが、ゴーストオブジェクトを識別するために使用される。他のデバイスでは、実際のターゲット、ゴーストターゲットおよび候補となる反射物の距離が、航空機追跡においてゴーストオブジェクトを識別するために使用される。さらに、他のデバイスでは、距離および方位角が、航空機追跡においてゴーストオブジェクトを識別するために使用される。
【0005】
しかし、これらのアプローチは、用途が特定されており、全般的なソリューションを欠いている。一部のアプローチは、いくつかのマルチパス反射ケースのうちの1つのタイプのみに対処し、他のシナリオでは使用可能ではなかった。たとえば、一部のデバイスは道路オブジェクトに関連しており、ゴーストオブジェクトの検出が実際のターゲットよりも遅いと想定するが、これは常に正しいとは限らない。他のデバイスは、最も単純なマルチパス反射シナリオにのみ対処する。さらに、いくつかの先行技術において開示された他のデバイスでは、他のいくつかの反射構成が扱われるが、この方法は、自動車レーダー用途には適しておらず、自動車レーダー追跡では、航空機制御アプリケーションの場合よりも多くのターゲットが存在するので、実際のオブジェクトをゴーストオブジェクトとして識別してしまうことがある。さらに、これらの例において採用されたアプローチは一様ではなく、自動車レーダーシステムに統合するのは困難である。
【0006】
したがって、自動車レーダーオブジェクトの追跡および検出のためのマルチパス反射ソリューションを提供する、ゴーストオブジェクトを検出するためのシステムおよび方法を有することが望ましい。
【0007】
本明細書において提示される背景説明は、本開示の文脈を全般的に提示することを目的としている。この背景のセクションに記載されている範囲での現在挙げられている発明者の研究および出願時に先行技術として認められない可能性のある説明の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも暗黙的にも認められない。
【0008】
概要
1つの一般的な態様は、レーダーデバイスによって検出されたオブジェクトを分類する方法を含んでいる。この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信することを含んでおり、この少なくとも1つのセンサはハードウェアプロセッサと通信し、レーダーデバイスの周囲の領域が、少なくとも1つのセンサの視野内にあるように配置されている。
【0009】
この方法はまた、センサデータから領域内で1つまたは複数のオブジェクトを検出することを含み得る。
【0010】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、1つまたは複数のオブジェクトから2つの動的オブジェクトおよび1つの静止オブジェクトを識別することを含み得る。
【0011】
この方法はまた、各オブジェクト間の分離距離およびセンサまでの各オブジェクトの距離の比較に基づいて複数の信頼度を決定することを含み得る。
【0012】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、複数の信頼度を比較して、それらの間で最も高い信頼値を決定することを含み得る。
【0013】
この方法はまた、最も高い信頼度を事前に定義された閾値と比較することを含み得る。
【0014】
この方法はまた、2つの動的オブジェクトの中から、RCSまたは存続期間がより少ない動的オブジェクトを見つけることを含み得る。
【0015】
この方法はまた、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高い場合に、対応するゴースト確率を増加させ、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高くない場合に、対応するゴースト確率を減少させることを含み得る。
【0016】
この方法はまた、信頼度の低いオブジェクトの確率が上限閾値よりも高い場合に、このオブジェクトをゴーストオブジェクトとしてマークし、信頼度の低いオブジェクトが下限閾値よりも低い場合に、ゴースト確率をゼロにセットすることを含み得る。
【0017】
実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。この方法は、ハードウェアプロセッサで、方位角をチェックすることによって、2つのオブジェクトとセンサとが同一直線上にあることを確認することを含み得る。
【0018】
この方法はまた、他のオブジェクトと同一直線上にないオブジェクトを第1のオブジェクトとしてマークし、より近いオブジェクトを第2のオブジェクトとしてマークし、より遠いオブジェクトを第3のオブジェクトとしてマークすることを含み得る。
【0019】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、各オブジェクトと別のオブジェクトとの間の分離距離、およびセンサまでのオブジェクトからの距離を求めることを含み得る。さらに、
【0020】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、各オブジェクト間の分離距離、およびセンサまでの各オブジェクトの距離を比較することを含み得る。
【0021】
他の実施形態では、レーダーデバイスによって検出されたオブジェクトを分類する方法である。この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、少なくとも第1のセンサからセンサデータを受信することを含んでおり、この少なくとも第1のセンサはハードウェアプロセッサと通信し、レーダーデバイスの周囲の領域が、少なくとも第1のセンサの視野内にあるように配置されている。
【0022】
この方法はまた、少なくとも第1のセンサデータから領域内で1つまたは複数のオブジェクトを検出することを含み得る。
【0023】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、1つまたは複数のオブジェクトから2つの動的オブジェクトおよび1つの静止オブジェクトを識別することを含み得る。
【0024】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、方位角をチェックすることによって、2つのオブジェクトと第1のセンサとが同一直線上にあることを確認することを含み得る。
【0025】
この方法はまた、他のオブジェクトと同一直線上にないオブジェクトを第1のオブジェクトとしてマークし、より近いオブジェクトを第2のオブジェクトとしてマークし、より遠いオブジェクトを第3のオブジェクトとしてマークすることを含み得る。
【0026】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトまでの第1の分離距離、第1のセンサから第1のオブジェクトまでの第1の距離および第1のセンサから第2のオブジェクトまでの第2の距離を求めることを含み得る。
【0027】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、第2のオブジェクトから第3のオブジェクトまでの第2の分離距離、第3のオブジェクトまでの第3の距離を求めることを含み得る。
【0028】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、第1の分離距離が第2の分離距離に等しいか否かを比較することを含み得る。
【0029】
この方法はまた、第1の分離距離が第2の分離距離と等しいときに第1の信頼度を得ること、および第1の分離距離が第2の分離距離と等しくないときに第1の信頼度をゼロにセットすることを含み得る。
【0030】
この方法はまた、第1の分離距離が第2の分離距離の半分に等しいときに第2の信頼度を得ること、および第1の分離距離が第2の分離距離の半分に等しくないときに第2の信頼度をゼロにセットすることを含み得る。
【0031】
この方法はまた、第1の分離距離が第3の距離の2倍から第1の距離および第2の距離を引いたものに等しいときに第3の信頼度を得ること、および第1の分離距離が第3の距離の2倍から第1の距離および第2の距離を引いたものに等しくないときに第3の信頼度をゼロにセットすることを含み得る。
【0032】
この方法はまた、ハードウェアプロセッサで、第1の信頼度、第2の信頼度および第3の信頼度を比較して、それらの間で最も高い信頼値を決定することを含み得る。
【0033】
この方法はまた、最も高い信頼度を事前に定義された閾値と比較することを含み得る。
【0034】
この方法はまた、2つの動的オブジェクトの中から、RCSまたは存続期間がより少ない動的オブジェクトを見つけることを含み得る。
【0035】
この方法はまた、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高い場合に、対応するゴースト確率を増加させ、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高くない場合に、対応するゴースト確率を減少させることを含み得る。
【0036】
この方法はまた、信頼度の低いオブジェクトの確率が上限閾値よりも高い場合に、このオブジェクトをゴーストオブジェクトとしてマークし、信頼度の低いオブジェクトが下限閾値よりも低い場合に、ゴースト確率をゼロにセットすることを含み得る。
【0037】
車両の周囲の領域内のオブジェクトに基づいて車両の安全手順を実行するための車両システムが開示されている。車両システムは、ハードウェアプロセッサを含み得る。
【0038】
このシステムはまた、ハードウェアプロセッサと通信するハードウェアメモリを含んでいてよく、このハードウェアメモリは、ハードウェアプロセッサ上で実行されると、ハードウェアプロセッサに動作を実行させる指示を格納している。
【0039】
これは、ハードウェアプロセッサで、少なくとも第1のセンサからセンサデータを受信することを含んでおり、この少なくとも第1のセンサはハードウェアプロセッサと通信し、領域が、少なくとも第1のセンサの視野内にあるように配置されている。
【0040】
これはまた、少なくとも第1のセンサデータから領域内で1つまたは複数のオブジェクトを検出すること、ハードウェアプロセッサで、1つまたは複数のオブジェクトから2つの動的オブジェクトおよび1つの静止オブジェクトを識別することを含み得る。
【0041】
これはまた、各オブジェクト間の分離距離およびセンサまでの各オブジェクトの距離の比較に基づいて複数の信頼度を決定することを含み得る。
【0042】
これはまた、ハードウェアプロセッサで、複数の信頼度を比較して、それらの間で最も高い信頼値を決定することを含み得る。
【0043】
これはまた、最も高い信頼度を事前に定義された閾値と比較すること、および2つの動的オブジェクトの中から、RCSまたは存続期間がより少ない動的オブジェクトを見つけることを含み得る。
【0044】
これはまた、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高い場合に、対応するゴースト確率を増加させることを含み得る。
【0045】
これはまた、最も高い信頼値が所定の閾値よりも高くない場合に、対応するゴースト確率を減少させることを含み得る。
【0046】
これはまた、信頼度の低いオブジェクトの確率が上限閾値よりも高い場合に、このオブジェクトをゴーストオブジェクトとしてマークすることを含み得る。
【0047】
これはまた、信頼度の低いオブジェクトが下限閾値よりも低い場合に、ゴースト確率をゼロにセットすることを含み得る。
【0048】
これはまた、ハードウェアプロセッサで、方位角をチェックすることによって、2つのオブジェクトと第1のセンサとが同一直線上にあることを確認することを含み得る。
【0049】
これはまた、他のオブジェクトと同一直線上にないオブジェクトを第1のオブジェクトとしてマークし、より近いオブジェクトを第2のオブジェクトとしてマークすることを含み得る。
【0050】
これはまた、より遠いオブジェクトを第3のオブジェクトとしてマークすることを含み得る。
【0051】
これはまた、ハードウェアプロセッサで、各オブジェクトと別のオブジェクトとの間の分離距離、および第1のセンサまでのオブジェクトからの距離を求めることを含み得る。
【0052】
また、ハードウェアプロセッサで、各オブジェクト間の分離距離、およびセンサまでの各オブジェクトの距離を比較することを含んでいる。
【0053】
本発明の他の目的、特徴および特性ならびに操作方法および構造の関連要素の機能、部品の組み合わせおよび製造の経済性は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照した添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになるであろう。これらはすべて、本明細書の一部を形成している。詳細な説明および特定の例は、本開示の有利な実施形態を示しているが、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【0054】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1A】第1の例示的なトラフィックシナリオにおける本発明のブラインドスポットモニタリングシステムを有する車両の例示的な概観の概略図である。
【
図1B】第2の例示的なトラフィックシナリオにおける本発明のブラインドスポットモニタリングシステムを有する車両の例示的な概観の概略図である。
【
図1C】第3の例示的なトラフィックシナリオにおける本発明のブラインドスポットモニタリングシステムを有する車両の例示的な概観の概略図である。
【
図2A】本発明のブラインドスポットモニタリングシステムを有する車両の例示的な概観の概略図である。
【
図2B】
図2Aに示された車両のための例示的なブラインドスポットモニタリングシステムの概略図である。
【
図3A】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための第1のゴーストオブジェクト検出シナリオの概略図である。
【
図3B】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための第2のゴーストオブジェクト検出シナリオの概略図である。
【
図3C】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための第3のゴーストオブジェクト検出シナリオの概略図である。
【
図3D】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための第4のゴーストオブジェクト検出シナリオの概略図である。
【
図3E】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための第5のゴーストオブジェクト検出シナリオの概略図である。
【
図4】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための一般化されたモデルの概略図である。
【
図5】
図1A~
図2Bに示されたブラインドスポットモニタリングシステムを用いてゴーストオブジェクトを検出するための例示的な方法である。
【
図6】本明細書に記載の任意のシステムまたは方法を実行する例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
【0056】
種々の図面における同様の参照符号は、同様の要素を示している。
詳細な説明
【0057】
高度な運転者安全機能は、過去数年で関心を集めてきた。車両の搬送安全性を高めるには、車両に近接するオブジェクトおよび/または車両に接近しているオブジェクトを識別する正確なアイデアを有していることが重要である。これは、車両運転者にとって「ブラインドスポット」である車両の領域にとって特に重要である。これには、車両自体によって遮られる運転者の視野(従来は「ブラインドスポット」と呼ばれている)および自己の車両に近接する他の車両、建物等の外部オブジェクトによって遮られる領域が含まれる場合がある。
【0058】
図1A~
図5を参照する。車両100は、ブラインドスポットモニタリングシステム110を含んでおり、これは、コンピューティングプロセッサ112上で実行可能な指示を格納することができる非一時的メモリまたはハードウェアメモリ114(たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ)と通信するコンピューティングデバイス(またはハードウェアプロセッサ)112(たとえば、1つまたは複数のコンピューティングプロセッサを有している中央処理ユニット)を含んでいる。ブラインドスポットモニタリングシステム110は、センサシステム120を含んでいる。センサシステム120は、1つまたは複数のセンサ122a~nを含んでおり、これらは1つまたは複数の領域に配置されており、車両に近接する領域において1つまたは複数のオブジェクト102、102a~nをセンシングするように構成されている。オブジェクト102、102a~nは車両102a、歩行者および自転車運転者等のトラフィック参加者102b、建物/インフラストラクチャ103b、自然のオブジェクト、低木、木等を含んでいてよいが、これらに限定されない。実際のオブジェクト102、102a~nのセンシングに加えて、センサ122、122a~nはゴーストオブジェクトを検出してしまうことがある。ゴーストオブジェクトは、センサ122、122a~nによってセンシングされる反射であり得る。ブラインドスポットモニタリングシステムは、本明細書に記載の方法で、オブジェクト102、102a~nとゴーストオブジェクト104、104a~nとを互いに区別する。
【0059】
いくつかの実装では、センサ122は、広い視野を提供する短距離レーダーセンサであってよい。1つまたは複数のセンサ122a~nは、特定の領域10に関連付けられたデータ124を捕捉するように配置されていてよく、ここで各センサ122a~nは、この領域10の部分に関連付けられたデータ124を捕捉する。結果として、各センサ122a~nに関連付けられたセンサデータ124は、領域10の全体に関連付けられたセンサデータ124を含む。択一的に、センサ122は、ソナー、LIDAR(散乱光の特性を測定して、遠方にあるターゲットの距離および/またはその他の情報を見つける光学的リモートセンシングを行うことができる、光による検知と測距)、HFL(ハイフラッシュLIDAR)、LADAR(レーザー検出と測距)、カメラ(たとえば、単眼カメラ、双眼カメラ)を含むこともできるが、これらに限定されない。
【0060】
各センサ122は、これらのセンサ122が、それらの視野内のオブジェクト102、102a~n、104、104a~nに関連付けられたセンサデータ124を捕捉することができる場所に配置されている。したがって、センサシステム120は、1つまたは複数のセンサ122a~nによって捕捉されたセンサデータ124を分析する。センサデータ124の分析は、センサシステム120を含む。センサシステム120は、1つまたは複数のオブジェクト102、102a~n、104、104a~nを識別し、それがオブジェクト102、102a~nであるか、ゴーストオブジェクト104、104a~nであるかを決定する。
【0061】
全般的な分析に基づいて、5種類のマルチパス反射があり、これらは大量の試験データにおいて観察される。
図3A~
図3Eおよび
図4では、Rはレーダーであり、Tは実際のターゲットであり、Gはゴーストオブジェクトであり、Sは停車中の車、トラックまたは金属ガードレールまたは反射壁等の、高い反射率を有する静止オブジェクトである。ダブルラインの矢印はレーダー信号が二度通過することを意味し、シングルラインの矢印はレーダー信号が一度通過することを意味する。
【0062】
図3Aでは、レーダー信号はRから送信され、静止オブジェクトSに当たり、次に反射されて実際のターゲットTに当たり、その後、信号はSに渡され、次にRに渡される。この図の名前はRSTSRであり、レーダー信号の経路を表す。
【0063】
図3Bでは、レーダー信号はRから送信され、実際のターゲットTに当たり、次に静止オブジェクトSに当たり、その後、同じ経路でレーダーに戻る。これはRTSTRと称される。
【0064】
図3Cでは、レーダー信号Rは、実際のターゲットTと静止オブジェクトSとの間で2回跳ね返っている。これは、RTSTSTRと称される。
【0065】
図3Dでは、信号はレーダーから送信され、ターゲットTによって反射され、次に静止オブジェクトSによって反射され、最後にレーダーRに戻る。これはRTSRと称される。
【0066】
図3Eでは、信号はレーダーRから送信され、静止オブジェクトSによって反射され、次にターゲットTによって反射され、レーダーに戻る。これはRSTRと称される。
【0067】
図3Aおよび
図3Bでは、
【数1】
であり、
x、yおよびzは、レーダー、実際のオブジェクト、ゴーストオブジェクトおよび反射性の静止オブジェクトからの距離を表す。
【0068】
【0069】
図3Dでは、
【数3】
であり、
r
tは、実際のターゲットの距離である。r
gは、ゴーストオブジェクトの距離である。これは、次のように変換可能である。
【数4】
【0070】
図3Eでは、
【数5】
であり、
【数6】
と結論を下すことができる。
r
sは、静止オブジェクトの距離である。
【0071】
これらの5つのケースは異なっており、これらのオブジェクトは決して2つ以上の条件を満たさないであろう。zがゼロでない場合、0.5zをzと等しくすることはできない。式(3)の場合、次のようになる。
【数7】
式(4)についても同様の結論を得ることができる。したがって、満たされる条件は1つだけである。したがって、式(1)~(4)を次のようにまとめることができる。
【数8】
【0072】
図3A~
図3Eでは、常に3つのオブジェクトがあり、1つの実際のオブジェクト、1つのゴーストオブジェクトおよび静止オブジェクトが存在する。それらのうちの2つとレーダーセンサとは同一直線上にある。それらの1つは、レーダーと他の2つのオブジェクトとによって形成された線上に位置しない。
【0073】
5つの反射のケースを、
図4に示されているような1つの状況に一般化することができる。Rはレーダーセンサであり、O
1およびO
2は2つのオブジェクトであり、O
3またはO
3’またはO
3’’は第3のオブジェクトである。同じ長さの2つの辺を有する三角形をいつでも形成することができる。2つのオブジェクト(O
1およびO
2)は、三角形の2つの角にある。辺O
1O
2の長さは、辺O
2O
3の長さと同じである。残りのオブジェクトは辺O
2O
3上にあるが、場所はO
3、O
3’またはO
3’’の可能性があるだろう。
【0074】
具体的には、
図3Aに示された反射ケースでは、O
1は実際のターゲットであり、O
2は静止オブジェクトであり、O
3はゴーストオブジェクトである。
図3Bに示されたケースでは、O
1は静止ターゲットであり、O
2は実際のオブジェクトであり、O
3はゴーストオブジェクトである。
図3Cに示された反射ケースでは、O
1は静止オブジェクトであり、O
2は実際のターゲットであり、O
3’はゴーストオブジェクトである。O
2はO
2O
3の中間点であり、|O
2O
3|は0.5|O
2O
3’’|である。
図3Dに示された反射ケースでは、O
3’はゴーストオブジェクトになり、O
1は実際のオブジェクトであり、O
2は静止オブジェクトである。三角形O
1O
2O
3の辺O
2O
3の長さは2r
g-r
t-xになるだろう。これを2RO
3’-RO
1-RO
2と書くことができる。
図3Eに示された反射ケースでは、O
1は静止オブジェクトであり、O
3’はゴーストオブジェクトであり、O
2は実際のターゲットである。三角形O
1O
2O
3のO
2O
3の長さは2r
g-r
s-xになるだろう。これを2RO
3’-RO
1-RO
2と書くこともできる。この場合、式は次のようになるだろう。
【数9】
【0075】
式(6)に基づいて、ゴーストオブジェクトを識別するために、
図4に示されたような一般化されたソリューションが提供される。このソリューションは、
図3A~
図3Eに示された、すべてのケースから生成されたゴーストオブジェクトを識別するために容易に実装可能である。
【0076】
図5は、
図1~
図4のシステム110を使用して、ゴーストオブジェクト104、104a~nを検出するための方法500の動作の例示的な構成を提供している。ブロック502で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、1つまたは複数のセンサ122からセンサデータ124を受信することを含んでおり、1つまたは複数のセンサ122はハードウェアプロセッサ112と通信し、周囲の領域10が、1つまたは複数のセンサ122の視野内にあるように配置されている。ブロック504で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、センサデータ124から1つまたは複数のオブジェクト102、102a~n、104、104a~nを検出することを含んでいる。ブロック506で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、1つまたは複数のオブジェクト102、102a~n、104、104a~nから、2つの動的オブジェクトおよび1つの静止オブジェクトを識別することを含んでいる。
【0077】
さらに、ブロック508で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、方位角をチェックすることによって、2つのオブジェクトとレーダーとが同一直線上にあることを確認することを含んでいる。より近いオブジェクトをO2としてマークし、より遠いオブジェクトをOxとしてマークし、他のオブジェクトと同一直線上にないオブジェクトをO1としてマークする。
【0078】
ブロック510で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、O1からO2までの距離;RO1およびRO2、O1およびO2の距離を求めることを含んでいる。さらに、ブロック512で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、オブジェクトOxの距離であるRO3’を求めることを含んでいる。ブロック514で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、O2からOxまでの距離を求め、O2O3およびO2O3’としてマークすることを含んでいる。
【0079】
ブロック516で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、O1O2=O2O3であるか否かを比較することを含んでいる。O1O2がO2O3と等しいか否かの比較に基づいて、ブロック518で信頼度1(C1)が得られ、またはO1O2がO2O3と等しくない場合には、ブロック520で、C1がゼロにセットされる。
【0080】
ブロック522で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、O1O2=0.5O2O3’であるか否かを比較することを含んでいる。O1O2が0.5O2O3’と等しいか否かの比較に基づいて、ブロック524で信頼度2(C2)が得られ、またはO1O2が0.5O2O3’と等しくない場合には、ブロック526で、C2がゼロにセットされる。
【0081】
ブロック528で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、O1O2=2RO3’-RO1-RO2であるか否かを比較することを含んでいる。O1O2が2RO3’-RO1-RO2と等しいか否かの比較に基づいて、ブロック530で信頼度3(C3)が得られ、またはO1O2が2RO3’-RO1-RO2と等しくない場合には、ブロック532で、C3がゼロにセットされる。
【0082】
C1、C2、およびC3を得た後、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、C1、C2およびC3を、それらの間で最も高い信頼値を決定するために比較し、その後、ブロック534で、最も高い信頼度を、所定の閾値と比較することを含んでいる。最も高い信頼値が所定の閾値よりも高い場合、方法500は、ブロック536で、2つの動的オブジェクトの中から、RCSまたは存続期間がより少ない動的オブジェクトを見つけ、対応するゴースト確率を増加させることを含んでいる。最も高い信頼値が所定の閾値よりも高くない場合に、方法500は、ブロック538で、2つの動的オブジェクトの中から、RCSまたは存続期間がより少ない動的オブジェクトを見つけ、対応するゴースト確率を減少させることを含んでいる。
【0083】
さらに、ブロック540で、方法500は、ハードウェアプロセッサ112で、信頼度の低いオブジェクトのゴースト確率が上限閾値よりも高いか否かを比較し、このオブジェクトをゴーストオブジェクトとしてマークし、または信頼度の低いオブジェクトのゴースト確率が下限閾値よりも低いか否かを比較し、そのゴースト確率をゼロにセットすることを含んでいる。
【0084】
図6は、本明細書に記載のシステムおよび方法を実施するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイス600の概略図である。コンピューティングデバイス600は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームおよび他の適切なコンピュータ等、さまざまな形態のデジタルコンピュータを表すことを意図している。ここに示されているコンポーネント、それらの接続、関係およびそれらの機能は、単なる例示であり、本明細書において記載および/または請求されている発明の実装を制限することを意図するものではない。
【0085】
コンピューティングデバイス600は、プロセッサ610、メモリ620、ストレージデバイス630、メモリ620と高速拡張ポート650とに接続している高速インターフェース/コントローラ640、および低速バス670とストレージデバイス630とに接続している低速インターフェース/コントローラ660を含んでいる。コンポーネント610、620、630、640、650および660のそれぞれは、さまざまなバスを使用して相互接続されており、共通のマザーボード上に、または適切な他の方法で取り付けられてよい。プロセッサ610は、メモリ620またはストレージデバイス630に格納されている指示を含む、コンピューティングデバイス600内で実行するための指示を処理して、高速インターフェース640と結合されたディスプレイ680等の外部入力デバイス/出力デバイス上に、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)のためのグラフィック情報を表示することができる。他の実装では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが、複数のメモリおよび複数種類のメモリと一緒に、必要に応じて使用されてよい。また、複数のコンピューティングデバイス600が、必要な動作の一部を提供する各デバイスと接続されていてよい(たとえば、サーババンク、ブレードサーバのグループまたはマルチプロセッサシステムとして)。
【0086】
メモリ620は、コンピューティングデバイス600内に非一時的に情報を格納する。メモリ620は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニットまたは不揮発性メモリユニットであってよい。非一時的メモリ620は、コンピューティングデバイス600による使用のために、プログラム(たとえば、一連の指示)またはデータ(たとえば、プログラム状態情報)を一時的または永続的に格納するために使用される物理デバイスであってよい。不揮発性メモリの例は、フラッシュメモリおよび読み取り専用メモリ(ROM)/プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)/消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)/電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)(たとえば、通常はブートプログラム等のファームウェアに使用される)を含んでいるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)、ディスクまたはテープを含むが、これらに限定されない。
【0087】
ストレージデバイス630は、コンピューティングデバイス600に大容量ストレージを提供することができる。いくつかの実装では、ストレージデバイス630は、コンピュータ可読媒体である。さまざまな異なる実装では、ストレージデバイス630は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイスまたはテープデバイス、フラッシュメモリまたは他の同様のソリッドステートメモリデバイスまたはデバイスのアレイであってよく、これは、ストレージエリアネットワーク内のデバイスまたは他の構成のデバイスを含んでいる。さらなる実装では、コンピュータプログラム製品は、情報担体において具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行時に、上述したような1つまたは複数の方法を実施する指示を含んでいる。情報担体は、メモリ620、ストレージデバイス630またはプロセッサ610上のメモリ等のコンピュータ可読媒体または機械可読媒体である。
【0088】
高速コントローラ640は、コンピューティングデバイス600の帯域幅消費型動作を管理し、低速コントローラ660は、比較的低い帯域幅消費型動作を管理する。このような、役割の割り当ては、単なる例にすぎない。いくつかの実装では、高速コントローラ640は、メモリ620、ディスプレイ680(たとえば、グラフィックプロセッサまたはグラフィックアクセラレータを介して)および高速拡張ポート650に結合される。高速拡張ポート650はさまざまな拡張カード(図示せず)を受け入れてよい。いくつかの実装では、低速コントローラ660は、ストレージデバイス630と低速拡張ポート670とに結合されている。さまざまな通信ポート(たとえば、USB、Bluetooth、イーサネット、ワイヤレスイーサネット)を含んでいてよい低速拡張ポート670は、1つまたは複数の入力デバイス/出力デバイスに、たとえばネットワークアダプタを介して結合されていてよい。これらの入力デバイス/出力デバイスは、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、またはスイッチもしくはルータ等のネットワークデバイス等である。
【0089】
コンピューティングデバイス600は、図示されているように、多くの異なる形態で実装されていてよい。たとえば、これは、標準のサーバ600aとして実装されていても、またはそのようなサーバ600aのグループにおいて複数回実装されていても、ラップトップコンピュータ600bとして実装されていても、ラックサーバシステム600cの一部として実装されていてもよい。
【0090】
本明細書に記載されたシステムおよび技術のさまざまな実装を、デジタル電子回路および/または光学回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらのさまざまな実装は、プログラミング可能なシステム上で実行可能かつ/または解釈可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。プログラミング可能なシステムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含んでおり、これは専用または汎用であってよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび指示を受信し、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスにデータおよび指示を送信するように結合されている。
【0091】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られる)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含んでおり、高レベルの手続き型プログラミング言語および/またはオブジェクト指向プログラミング言語および/またはアセンブリ言語/機械語で実装可能である。本明細書で使用される「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、任意のコンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒体、装置および/またはデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。これらは、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用され、これは、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含んでいる。用語「機械可読信号」は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0092】
本明細書に記載の主題および機能的動作の実装を、本明細書に開示された構造およびそれらの構造的等価物を含んでいる、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェアまたはそれらの1つもしくは複数の組み合わせで実装することができる。さらに、本明細書に記載の主題を、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として実装することができ、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ可読媒体に符号化されたコンピュータプログラム指示の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号に影響を及ぼす物質の組成またはそれらの1つもしくは複数の組み合わせであってよい。用語「データ処理装置」、「コンピューティングデバイス」および「コンピューティングプロセッサ」はデータを処理するすべての装置、デバイスおよび機械を包含し、一例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータまたは複数のプロセッサまたはコンピュータを含んでいる。この装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムまたはそれらの1つもしくは複数の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬信号は、適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成された、人工的に生成された信号、たとえば、機械生成された電気信号、光学信号または電磁信号である。
【0093】
コンピュータプログラム(アプリケーション、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られる)は、コンパイルされた言語または解釈された言語を含んでいる任意の形式のプログラミング言語で書かれていてよく、これは、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチンまたはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして、任意の形式で展開されてよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに必ずしも対応していない。プログラムを、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(たとえば、マークアップ言語ドキュメントに格納されている1つまたは複数のスクリプト)、問題のプログラム専用の単一のファイルまたは複数の連携されたファイル(たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラムまたはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムを、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。複数のコンピュータは、1つのサイトに配置されており、または複数のサイトに分散されており、通信ネットワークによって相互接続されている。
【0094】
本明細書に記載のプロセスおよびロジックフローを、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。プロセスおよびロジックフローを、専用論理回路、たとえばFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、装置を専用論理回路、たとえばFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)として実装することもできる。
【0095】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含んでいる。全般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、またはその両方から指示およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、指示を実行するためのプロセッサと、指示およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスとである。全般的に、コンピュータはまた、磁気ディスク、光磁気ディスクまたは光ディスク等の、データを格納するための1つもしくは複数の大容量ストレージデバイスを含む、または1つもしくは複数の大容量ストレージデバイスからデータを受信するか、または1つもしくは複数の大容量ストレージデバイスにデータを転送するように、またはこれら両方のために動作可能に結合される。しかし、コンピュータにそのようなデバイスが必要なわけではない。さらに、コンピュータを、他のデバイス、たとえば、いくつか挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機に組み込むことができる。コンピュータプログラム指示およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体は、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含んでいる。これは、例として、半導体メモリデバイス、たとえばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、たとえば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスクならびにCDROMおよびDVD-ROMディスクを含んでいる。プロセッサおよびメモリを、専用ロジック回路によって補完するか、専用ロジック回路に組み込むことができる。
【0096】
ユーザとの相互作用を提供するために、本開示の1つまたは複数の態様を、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、たとえばCRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)モニタまたはタッチスクリーンを有しており、オプションとして、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、たとえばマウスまたはトラックボールを有しているコンピュータに実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバックまたは触覚的フィードバック等、任意の形態の感覚的フィードバックであってよく、ユーザからの入力を、音響入力、音声入力または触覚入力を含む、任意の形式で受信することができる。さらに、コンピュータは、ユーザが使用するデバイスとの間でドキュメントを送受信することによって、ユーザと相互作用することができ、たとえば、ユーザのクライアントデバイス上のWebブラウザから受信した要求に応じて、ユーザのクライアントデバイス上のWebブラウザにWebページを送信することによって、ユーザと相互作用することができる。
【0097】
本開示の1つまたは複数の態様を、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムに、たとえばデータサーバとして実装することができる、またはミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステムに、たとえばアプリケーションサーバとして実装することができる、またはフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムに、たとえばクライアントコンピュータとして実装することができる。このクライアントコンピュータはグラフィカルユーザインターフェースまたはWebブラウザを有しており、グラフィカルユーザインターフェースまたはWebブラウザを通じて、ユーザは、本明細書に記載されている主題の実装と相互作用することができる。または本開示の1つまたは複数の態様を、そのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネントまたはフロントエンドコンポーネントの1つまたは複数の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムに実装することができる。システムのコンポーネントを、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体、たとえば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(たとえば、インターネット)およびピアツーピアネットワーク(たとえば、アドホックピアツーピアネットワーク)を含んでいる。
【0098】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントとサーバとは通常、互いに遠く離れており、典型的に、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係はコンピュータプログラムによって発生し、このコンピュータプログラムは、各コンピュータ上で実行され、相互にクライアントサーバ関係を有している。いくつかの実装では、サーバは、データ(たとえば、HTMLページ)をクライアントデバイスに送信する(たとえば、クライアントデバイスと相互作用するユーザにデータを表示し、ユーザからユーザ入力を受信する目的で)。クライアントデバイスで生成されたデータ(たとえば、ユーザとの相互作用の結果)を、サーバでクライアントデバイスから受信することができる。
【0099】
本明細書には多くの詳細が含まれているが、これらは、開示の範囲または請求できる内容の限定として解釈されるべきではなく、むしろ開示の特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装のコンテキストにおいて、本明細書に記載されている特定の特徴を組み合わせて、単一の実装に実装することもできる。逆に、単一の実装のコンテキストにおいて記載されているさまざまな特徴を、複数の実装において別個に、または任意の適切なサブコンビネーションにおいて実装することもできる。さらに、特徴が特定の組み合わせで作用するものとして上述され、最初はそのように請求されている場合もあるが、請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴を、場合によってはこの組み合わせから削除することができ、請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられていてよい。
【0100】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、所望の結果を得るために、そのような動作が、示されている特定の順序またはシーケンシャル順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理とが有利な場合がある。さらに、上述した実施形態におけるさまざまなシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記述されたプログラムコンポーネントおよびシステムを全般的に単一のソフトウェア製品に一緒に統合することができる、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができることが理解されるべきである。
【0101】
多くの実装形態が説明されてきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実装は、以降の特許請求の範囲内にある。たとえば、特許請求の範囲に記載されている動作を、異なる順序で実行することができ、それでも、所望の結果が得られる。
【0102】
上述の有利な実施形態は、本発明の構造的および機能的原理を説明する目的で、ならびに有利な実施形態を使用する方法を説明する目的で示され、説明されており、そのような原理から逸脱することなく変更される可能性がある。したがって、本発明は、以降の特許請求の範囲内に包含されているすべての修正を含んでいる。