(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電子デバイスで使用するためのポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 73/10 20060101AFI20241106BHJP
C08L 79/08 20060101ALI20241106BHJP
C08J 5/10 20060101ALI20241106BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C08G73/10
C08L79/08
C08J5/10 CFG
G02F1/1333 500
(21)【出願番号】P 2021563268
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020029056
(87)【国際公開番号】W WO2020219411
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519372065
【氏名又は名称】デュポン エレクトロニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ ブイ.ディエフ
(72)【発明者】
【氏名】ノラ サビナ ラドゥ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヘンリー ハワード ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ラケシュ ナンビアール
【審査官】藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506375(JP,A)
【文献】特開平06-255036(JP,A)
【文献】特開平04-077586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0222249(US,A1)
【文献】特表2018-510431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/00-73/26
C08L 79/08
C08J 5/10
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
【化1】
(式中、
R
aが、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s-BPDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸二無水物(6FDA)、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)ナフト[1,2-c]テトラカルボン酸二無水物(TDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、及びノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物(CpODA)からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物からの1つ以上の残基を表し、
R
bが、1つ以上の異なるジアミン残基を表し、5~100モル%のR
bが、下記の化合物II-1~II-10からなる群から選択される、
【化2】
)の繰り返し単位構造を有するポリアミド酸と、
(b)少なくとも1種の130℃超の沸点を有する非プロトン性溶媒と、を含む液体組成物であって、
前記液体組成物から製造されるポリイミドフィルムが、400℃超のTgを有する、液体組成物。
【請求項2】
R
bが、化合物 II-1のジアミン残基である請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
【化3】
(式中、
R
aが、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s-BPDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸二無水物(6FDA)、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)ナフト[1,2-c]テトラカルボン酸二無水物(TDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、及びノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物(CpODA)からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物からの1つ以上の残基を表し、
R
bが、1つ以上の異なるジアミン残基を表し、5~100モル%のR
bが、下記の化合物II-1~II-10からなる群から選択される、
【化4】
)の繰り返し単位構造を有し、400℃超のTgを有する、ポリイミドフィルム。
【請求項4】
R
bが、化合物 II-1のジアミン残基である請求項3に記載のポリイミドフィルム。
【請求項5】
430℃超のTgを有する、請求項3に記載のポリイミドフィルム。
【請求項6】
請求項3に記載のポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する有機電子デバイス。
【請求項7】
前記層が、デバイス基板、カラーフィルターシート用基板、カバーフィルム、及びタッチスクリーンパネルからなる群から選択されるデバイス構成要素において使用される、請求項6に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年4月23日に出願された米国仮特許出願第62/837,456号、及び2019年9月11日に出願された米国仮特許出願第62/898,851号の利益を主張するものであり、それらはいずれも参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、新規なポリマー化合物に関する。本開示は、このようなポリマー化合物及びこれらの材料を含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスを作製する方法に更に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス用途において使用するための材料は、これらの構造的、光学的、熱的、電子的及び他の特性に関して厳密な要件を有することが多い。商業的エレクトロニクス用途の数が増え続けるにつれて、要件特性の幅及び特異性は、新規の且つ/又は改善された特性を備える材料の革新を強く求めている。ポリイミドは、多様なエレクトロニクス用途において広範に使用されてきたポリマー化合物の一部類を指す。それらは、適切な特性を有していれば、電子ディスプレイデバイスのガラスに代わる柔軟な代替品として機能し得る。これらの材料は、これらの電力消費量が穏当であること、軽量であること及び層が平坦であることが効果的な実用性にとって極めて重要な特性である液晶ディスプレイ(「LCD」)の構成要素として機能することができる。このようなパラメータを重視する電子ディスプレイデバイスの他の使用には、デバイス基板、カラーフィルターシート用基板、カバーフィルム、タッチスクリーンパネル及び他のものが含まれる。
【0004】
いくつかのこれらの構成要素は、有機発光ダイオード(「OLED」)を有する有機電子デバイスの構築及び作動でも重要である。OLEDは、これらの高い電力変換効率及び広範囲のエンドユーザーへの適用可能性のために、多数のディスプレイ用途にとって前途有望である。それらは、携帯電話、タブレット型端末、ハンドヘルド型/ラップトップ型コンピューター及び他の市販製品において一層多く使用されている。これらの用途は、低い電力消費量に加えて、大量の情報量、フルカラー及び高速のビデオ速度反応時間を備えるディスプレイを求めている。
【0005】
ポリイミドフィルムは、一般的に、十分な熱安定性、高いガラス転移温度及びこのような使用に値する機械的靭性を備えている。また、一般的に、ポリイミドは、繰り返し曲げても曇りが発生しないため、柔軟なディスプレイの用途では、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)のような他の透明基板よりも多くの場合に好まれる。
【0006】
しかしながら、ポリイミドの従来の褐色は、光透過性に重点が置かれているため、カラーフィルター及びタッチスクリーンパネルなどの一部のディスプレイ用途で使用できない。更に、一般的には、ポリイミドは、剛性であり、芳香族性の高い材料であり、そのポリマー鎖は、フィルム/コーティングが形成される際にフィルム/コーティングの面内で配向する傾向がある。これにより、フィルムの平行方向及び垂直方向の屈折率の差(複屈折)が生じ、ディスプレイの性能に悪影響を与える可能性のある光遅延(optical retardation)が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、電子デバイスでの使用に適したポリマー材料が引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
式I
【0009】
【0010】
[式中、
Raは、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上のテトラカルボン酸成分残基を表し、
Rbは、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上の芳香族ジアミン残基又は芳香族ジイソシアネート残基を表し、
5~100モル%のRbは、式II
【0011】
【0012】
(式中、
R1~R6は、同一であるか又は異なり、ハロアルキル及びハロアルコキシからなる群から選択され、
R7は、出現毎に同一であるか又は異なり、重水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、重水素化アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ヘテロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シリル、シロキシ、炭化水素アリール、置換炭化水素アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ビニル、及びアリルからなる群から選択され、
R1~R7のいずれかが、隣接した環上のR1~R7の別のものと一緒に結合して縮合5又は6員脂環式環を形成することができ、
nは0~10の整数であり、
x1及びx4が同一であるか又は異なり、0~3の整数であり、
x2及びx3が同一であるか又は異なり、0~2の整数であり、
*は結合点を示す)を有する]の繰り返し単位を有するポリアミド酸が提供される。
【0013】
(a)式Iの繰り返し単位を有するポリアミド酸と、(b)高沸点非プロトン性溶媒とを含む組成物が更に提供される。
【0014】
その繰り返し単位が式III
【0015】
【0016】
(式中、Ra及びRbは、式Iで定義された通りである)の構造を有するポリイミドが更に提供される。
【0017】
10μmポリイミドフィルムが400℃超のTg及び5.0未満のb*値を有する、式IIIの繰り返し単位を含むポリイミドフィルムが更に提供される。
【0018】
ポリイミドフィルムが式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを調製するための1つ以上の方法が更に提供される。
【0019】
ガラスに代わる柔軟な代替品が式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムである電子デバイスにおけるガラスに代わる柔軟な代替品が更に提供される。
【0020】
式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスが更に提供される。
【0021】
本明細書に開示されるガラスに代わる柔軟な代替品を含む、例えばOLEDなどの有機電子デバイスが更に提供される。
【0022】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的且つ説明的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲において規定されるように、本発明を限定するものではない。
【0023】
本明細書に示される概念の理解を促進するために添付の図において実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】ガラスに代わる柔軟な代替品として機能し得るポリイミドフィルムの1つの実施例の例示を含む。
【
図2】ガラスに代わる柔軟な代替品を含む電子デバイスの1つの実施例の例示を含む。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図中の対象物は、簡潔且つ明確にするために例示されたものであり、必ずしも縮尺通りに描かれたものではないことを当業者は理解する。例えば、図中の対象物の一部の寸法は、実施形態の理解の向上を助けるために、他の対象物に対して誇張されている場合がある。
【0026】
以下に詳細に記載されるように、式Iの繰り返し単位を有するポリアミド酸が更に提供される。
【0027】
(a)式Iの繰り返し単位を有するポリアミド酸と(b)高沸点の、非プロトン性溶媒とを含む組成物が更に提供される。
【0028】
以下に詳細に記載されるように、その繰り返し単位が式IIIの構造を有するポリイミドが更に提供される。
【0029】
ポリイミドフィルムが式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを調製するための1つ以上の方法が更に提供される。
【0030】
ガラスに代わる柔軟な代替品が式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムである電子デバイスにおけるガラスに代わる柔軟な代替品が更に提供される。
【0031】
式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスが更に提供される。
【0032】
本明細書に開示されるガラスに代わる柔軟な代替品を含む、例えばOLEDなどの有機電子デバイスが更に提供される。
【0033】
多くの態様及び実施形態が上に記載されてきたが、例示的であるに過ぎず、限定的ではない。本明細書を読んだ後、当業者であれば、他の態様及び実施形態が本発明の範囲から逸脱することなく可能であることを認識する。
【0034】
任意の1つ以上の実施形態の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかである。詳細な説明は、先ず、用語の定義及び明確化に取り組み、これに、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルムの調製方法、電子デバイス、及び最後に実施例が続く。
【0035】
1.用語の定義及び明確化
下記の実施形態の詳細に取り組む前に、いくつかの用語が定義又は明確化される。
【0036】
「用語の定義及び明確化」において用いるところでは、R、Ra、Rb、R’、R’’及び任意の他の変量は、総称であり、式中で定義される変量と同じものであっても、又は異なるものであってもよい。
【0037】
本明細書で用いられるとき、用語「脂環式」は、芳香族ではない環状基を指す。この基は、飽和又は不飽和であり得る。
【0038】
用語「アルキル」は、分岐及び直鎖脂肪族飽和炭化水素基を包含する。特に明記しない限り、この用語は、環状基を含むことも意図されている。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、secブチル、tertブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、イソヘキシル等が挙げられる。用語「アルキル」は、置換及び非置換の両方の炭化水素基を更に含む。いくつかの実施形態においては、アルキル基は、一置換、二置換及び三置換され得る。置換アルキル基の一例は、トリフルオロメチルである。他の置換アルキル基は、本明細書に記載された置換基の1つ以上から形成される。特定の実施形態では、アルキル基は、1~20の炭素原子を有する。他の実施形態では、この基は、1~6の炭素原子を有する。この用語は、ヘテロアルキル基を含むことを意図する。ヘテロアルキル基は、1~20の炭素原子を有することができる。
【0039】
用語「非プロトン性」は、酸性水素原子が欠如する溶媒の一部類を指し、このため、水素供与体として作用することができない。一般的な非プロトン性溶媒には、アルカン、四塩化炭素(CCl4)、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)及び多数の他のものが含まれる。
【0040】
用語「芳香族化合物」は、4n+2の非局在化π電子を有する少なくとも1つの不飽和環状基を含む有機化合物を意味することを意図する。この用語は、炭素及び水素原子のみを有する芳香族化合物並びに環状基内の炭素原子の1つ以上が窒素、酸素、硫黄等などの別の原子によって置換されているヘテロ芳香族化合物の両方を包含することを意図する。
【0041】
用語「アリール」又は「アリール基」は、芳香族化合物から1つ以上の水素(「H」)又は重水素(「D」)を除去することによって形成される部分を指すことを意図する。アリール基は、単数の環(単環式)であってもよく、又は一緒に縮合若しくは共有結合した複数の環(二環式又はそれ以上)を有してもよい。「炭化水素アリール」は、芳香環中に炭素原子のみを有する。「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香環中に1つ以上のヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態においては、炭化水素アリール基は、6~60の環炭素原子を有し、いくつかの実施形態においては6~30の環炭素原子を有する。いくつかの実施形態においては、ヘテロアリール基は、4~50の環炭素原子を有し、いくつかの実施形態においては4~30の環炭素原子を有する。
【0042】
用語「アルコキシ」は、基-OR(式中、Rは、アルキルである)を意味することを意図する。
【0043】
用語「アリールオキシ」は、基-OR(式中、Rは、アリールである)を意味することを意図する。
【0044】
特に明記しない限り、全ての基は、置換又は非置換であり得る。アルキル又はアリール等の、しかしそれらに限定されない、任意選択的に置換された基は、同じ又は異なるものであり得る1つ以上の置換基で置換され得る。適切な置換基には、重水素、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、-N(R’)(R’’)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、シリル、シロキシ、シロキサン、チオアルコキシ、-S(O)2-、-C(=O)-N(R’)(R’’)、(R’)(R’’)N-アルキル、(R’)(R’’)N-アルコキシアルキル、(R’)(R’’)N-アルキルアリールオキシアルキル、-S(O)s-アリール(式中、s=0~2である)又は-S(O)s-ヘテロアリール(式中、s=0~2である)が含まれる。各R’及びR’’は、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル又はアリール基である。R’及びR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒に、特定の実施形態では環系を形成することができる。置換基はまた、架橋基であってもよい。
【0045】
用語「アミン」は、孤立電子対を持った塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図し、ここで孤立電子対は、別の原子と共有されていない1組の2つの価電子を指す。用語「アミノ」は、官能基-NH2、-NHR、又は-NR2(式中、Rは、出現毎に同じ又は異なるものであり、アルキル基又はアリール基であり得る)を指す。用語「ジアミン」は、関連孤立電子対を持った2個の塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図する。用語「ポリアミン」は、関連孤立電子対を持った2個以上の塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図する。用語「芳香族ジアミン」は、2個のアミノ基を有する芳香族化合物を意味することを意図する。用語「芳香族ポリアミン」は、2個以上のアミノ基を有する芳香族化合物を意味することを意図する。用語「屈曲ジアミン」は、2個の塩基性窒素原子及び関連孤立電子対が、対応する化合物又は官能基の対称の中心の周りに非対称に配置されているジアミン、例えばm-フェニレンジアミン:
【0046】
【0047】
を意味することを意図する。
【0048】
用語「芳香族ジアミン残基」は、芳香族ジアミン内の2つのアミノ基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ポリアミン残基」は、芳香族ポリアミンにおける2個以上のアミノ基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ジイソシアネート残基」は、芳香族ジイソシアネート化合物における2個のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ポリイソシアネート残基」は、芳香族ポリイソシアネート化合物における2個以上のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図する。これは、以下に更に例示される。
【0049】
【0050】
用語「ジアミン残基」及び「ジイソシアネート残基」は、2つのアミノ基又は2つのイソシアネート基にそれぞれ結合する部分を意味するものとし、ここで、この部分は、脂肪族又は芳香族である。用語「ポリアミン残基」及び「ポリイソシアネート残基」は、それぞれ、2個以上のアミノ基又は2個以上のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図し、ここで、この部分は、脂肪族又は芳香族である。
【0051】
用語「b*」は、黄色/青色反対色を表すCIELab色空間におけるb*軸を意味することを意図する。黄色は、プラスのb*値によって表され、青色は、マイナスのb*値によって表される。測定されるb*値は、特に溶媒の選択が高温処理条件に曝露された材料に関して測定される色に影響を及ぼし得るので、溶媒によって影響を受ける可能性がある。これは、溶媒の固有の特性及び/又は様々な溶媒に含まれる低レベルの不純物に関連する特性の結果として発生し得る。特定の溶媒は、特定の用途のために所望のb*値を達成するために事前選択されることが多い。
【0052】
用語「複屈折」は、ポリマーフィルム又はコーティング内の異なる方向における屈折指数の差を意味することを意図する。この用語は、通常、x軸又はy軸(面内)及びz軸(面外)屈折指数間の差を指す。
【0053】
用語「電荷輸送」は、層、材料、部材又は構造に言及している場合、このような層、材料、部材又は構造が、比較的効率良く且つ小さい電荷損失で、このような層、材料、部材又は構造の厚みを通したこのような電荷の移動を容易にすることを意味することを意図する。正孔輸送材料は、正電荷を促進し、電子輸送材料は、負電荷を促進する。発光材料は、いくつかの電荷輸送特性も有し得るが、用語「電荷輸送層、材料、部材又は構造」は、その一次機能が発光である層、材料、部材又は構造を含むことを意図していない。
【0054】
用語「化合物」は、化学結合を切断せずに物理的手段によって原子をこれらの相当する分子から分離することができない、原子を更に含む分子から構成される非帯電物質を意味することを意図する。この用語は、オリゴマー及びポリマーを含むことを意図する。
【0055】
用語「線形熱膨張係数(CTE又はα)」は、温度の関数として材料が膨張又は収縮する量を規定するパラメータを意味することを意図する。線形熱膨張係数は、1℃当たりの長さの変化として表示され、一般的にはμm/m/℃又はppm/℃の単位で表示される。
α=(ΔL/L0)/ΔT
本明細書に開示される測定されたCTE値は、第1又は第2加熱走査中に公知の方法により作成される。材料の相対膨張/収縮特性の理解は、電子デバイスの製作及び/又は信頼性における重要な検討事項であり得る。
【0056】
用語「重水素化(されている)」は、少なくとも1つの水素(「H」)が重水素(「D」)で置換されていることを意味することを意図する。用語「重水素化類似体」は、同じ構造を有するが1つ以上の利用可能な水素が重水素で置換されている化合物又は基の類似体を指す。重水素化化合物又は重水素化類似体において、重水素は、天然存在度レベルの少なくとも100倍存在する。用語「%重水素化されている」又は「%重水素化」は、パーセント値で表される重陽子の、プロトン+重陽子の合計に対する比を意味することを意図する。以下に示される表記
【0057】
【0058】
は、化合物が任意の利用可能な位置で重水素化されること及び重水素置換基の総数がx~yであることを示す。例えば、以下に示される化合物は、任意の利用可能な位置で8~10個の重水素置換基を有する。
【0059】
【0060】
用語「ドーパント」は、ホスト材料を含む層内において、このような材料が存在しない層の電子的特性又は放射線の放出、受容又はフィルタリングの波長と比較して、その層の電子的特性又は放射線の放出、受容又はフィルタリングの目標の波長を変化させる材料を意味することを意図する。
【0061】
用語「引張り伸び」又は「引張り歪み」は、印加された引張り応力下で破断する前に材料で発生する長さの増加率を意味することを意図する。それは、例えば、ASTM法D882によって測定できる。
【0062】
接頭辞「フルオロ」は、基中の1つ以上の水素原子がフッ素で置換されていることを示すことを意図する。
【0063】
用語「ガラス転移温度(又はTg)」は、材料が硬質状態、ガラス状態又は脆性状態から柔軟性又は弾性である状態に突然変化する場合の非晶質ポリマー又は半結晶ポリマーの非晶質領域内で不可逆性変化が発生する温度を意味することを意図する。微視的には、ガラス転移は、正常なコイル状の動きのないポリマー鎖が自由に回転するようになり、相互に通過できる場合に発生する。Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)、熱機械分析法(TMA)又は動的機械分析法(DMA)又は他の方法を使用して測定され得る。
【0064】
用語「ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されたアルキル基を指すことを意図する。
【0065】
用語「ハロアルコキシ」は、1つ以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されたアルコキシ基を指すことを意図する。
【0066】
接頭辞「ヘテロ」は、1つ以上の炭素原子が異なる原子で置換されていることを示す。いくつかの実施形態においては、ヘテロ原子は、O、N、S又はこれらの組み合わせである。
【0067】
用語「高沸点」は、130℃超の沸点を示すことを意図する。
【0068】
用語「ホスト材料」は、ドーパントが添加される材料を意味することを意図する。ホスト材料は、電子的特性、或いは放射線を発する、受容する又はフィルタリングする能力を有しても又は有していなくてもよい。いくつかの実施形態においては、ホスト材料は、より高い濃度で存在する。
【0069】
用語「等温重量損失」は、その等温安定性に直接的に関連する材料の特性を意味することを意図する。等温重量損失は、一般的に熱重量分析(TGA)によって関心対象の定温で測定される。高い熱安定性を有する材料は、一般的に所望の期間に渡って必要とされる使用温度又は加工温度で極めて低いパーセントの等温重量損失を示すため、従って強度の大きい消失、脱ガス及び/又は構造の変化を伴わずにこれらの温度での用途に使用され得る。
【0070】
用語「レーザー粒子カウンターテスト」は、ポリアミド酸及び他のポリマー溶液の粒子含量を評価するために用いられる方法を指し、それによって試験溶液の代表的試料が5インチのシリコンウェハー上にスピンコートされ、ソフトベークされる/乾燥される。このように調製されたフィルムは、任意の数の標準的測定技術によって粒子含量について評価される。このような技術には、当技術分野において公知であるレーザー粒子検出などが含まれる。
【0071】
用語「液体組成物」は、材料が溶解して溶液を形成する液体媒体、材料が分散して分散液を形成する液体媒体、或いは材料が懸濁されて懸濁液又は乳化液を形成する液体媒体を意味することを意図する。
【0072】
用語「母材」は、例えば、電子デバイスを形成する際に、その上に1つ以上の層が配置される基礎を意味することを意図する。非限定的な例としては、ガラス、シリコンなどが挙げられる。
【0073】
用語「1%のTGA重量損失」は、分解(吸収水を排除すること)に起因して元のポリマー重量の1%が失われる温度を意味することを意図する。
【0074】
用語「光遅延(又はRTH)」は、平均面内屈折指数と面外屈折指数との間の差(即ち複屈折)を意味することを意図しており、次いでこの差にフィルム又はコーティングの厚さが掛けられる。典型的には、光遅延は、特定の周波数の光に対して測定され、単位は、ナノメートルで報告される。
【0075】
用語「有機電子デバイス」又は場合により「電子デバイス」は、本明細書では1つ以上の有機半導体層又は材料を含むデバイスを意味することを意図する。
【0076】
用語「粒子含量」は、溶液中に存在する不溶性粒子の数又は計数を意味することを意図する。粒子含量の測定は、溶液自体において又はこれらのフィルムから調製された製品原材料(部品、フィルム等)において実施できる。この特性は、様々な光学方法を使用して評価することができる。
【0077】
用語「光活性」は、(発光ダイオード又は化学セルでのような)印加電圧によって活性化されたときに発光する、(ダウンコンバート燐光体デバイスでのような)光子の吸収後に発光する、又は(光検出器又は光起電力セルでのような)輻射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧を使用して又は使用せずに信号を生成する材料又は層を指す。
【0078】
用語「ポリアミド酸溶液」は、イミド基を形成するための分子内環化の能力を有するアミド酸単位を含むポリマーの溶液を指す。
【0079】
用語「ポリ酸無水物」は、2つ以上の酸無水物基を有する化合物を指す。用語「ポリ無水物残基」は、2つ以上の酸無水物基に結合した部分を意味することを意図する。これは、下記に更に例示される。
【0080】
【0081】
用語「ポリイミド」は、1つ以上の二官能性カルボン酸成分と1つ以上の一級ジアミン又はジイソシアネートとの反応から得られる縮合ポリマーを指す。これらは、ポリマー骨格の主鎖に沿った直鎖状又は複素環式単位としてイミド構造-CO-NR-CO-を含む。
【0082】
用語「満足できる」は、材料の特性又は特徴に関する場合、特性又は特徴が、使用中の材料に対する全ての要件/要求を満たすことを意味することを意図する。例えば、窒素中350℃で3時間の1%未満の等温重量損失は、本明細書に開示されるポリイミドフィルムに関連して、「満足できる」特性の非限定的な例と見なすことができる。
【0083】
用語「ソフトベーキング」は、エレクトロニクス製造において一般に用いられるプロセスであって、コーティングされた材料が、溶媒を駆逐し、フィルムを固化させるために加熱されるプロセスを意味することを意図する。ソフトベーキングは、コーティングされた層又はフィルムのその後の熱処理のための準備工程として、90℃~110℃の温度でホットプレート上又は排気付きオーブン中で一般的に行われる。
【0084】
用語「基板」は、硬質か柔軟性かのどちらかであり得、ガラス、ポリマー、金属若しくはセラミック材料又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない、1つ以上の材料の1つ以上の層を含み得る基礎材料を指す。基板は、電子構成部品、回路又は導電性部材を含んでいても又は含んでいなくてもよい。
【0085】
用語「シロキサン」は、基R3SiOR2Si-(式中、Rは、出現毎に同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。いくつかの実施形態においては、Rアルキル基中の1個以上の炭素は、Siで置換されている。
【0086】
用語「シロキシ」は、基R3SiO-(式中、Rは、出現毎に同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。
【0087】
用語「シリル」は、基R3Si-(式中、Rは、出現毎に同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。いくつかの実施形態においては、Rアルキル基中の1個以上の炭素は、Siで置換されている。
【0088】
用語「スピンコーティング」は、平坦な基板に一様な薄いフィルムを堆積させるために用いられるプロセスを意味することを意図する。一般に、少量のコーティング材料が、低速で回転しているか又はまったく回転していないかのどちらかである、基板の中央に塗布される。基板は、次いで、遠心力によって一様にコーティング材料を広げるために特定の速度で回転させられる。
【0089】
用語「引張り弾性率」は、フィルムのような材料中の応力(単位面積当たりの力)と歪み(比例変形)との間の初期の関係を規定する固体材料の剛性の尺度を意味することを意図する。一般的に用いられる単位は、ギガパスカル(GPa)である。
【0090】
用語「テトラカルボン酸成分」は、以下:テトラカルボン酸、テトラカルボン酸一無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸モノエステル、及びテトラカルボン酸ジエステルのいずれか1つ以上を意味することを意図する。
【0091】
用語「テトラカルボン酸成分残基」は、テトラカルボン酸成分中の4つのカルボキシ基に結合した部分を意味することを意図する。これは、以下に更に例示される。
【0092】
【0093】
用語「透過率」は、反対側で検出可能であるようにフィルムを通過するフィルムに衝突する所与の波長の光のパーセントを指す。可視領域(380nm~800nm)における光透過率測定値は、本明細書に開示されるポリイミドフィルムの使用中の特性を理解するために最も重要であるフィルム色特性を特徴付けるために特に有用である。
【0094】
用語「黄色度指数(又はYI)」は、標準と比べて黄色度の大きさを指す。YIのプラスの値は、黄色の存在及び大きさを示す。マイナスのYIを持った材料は、青色がかって見える。特に高温で行われた重合プロセス及び/又は硬化プロセスについて、YIが溶媒依存性であり得ることにまた留意されるべきである。溶媒としてDMACを使用して導入される色の大きさは、例えば、溶媒としてNMPを使用して導入される色の大きさと異なる場合がある。これは、溶媒の固有の特性及び/又は様々な溶媒中に含有される低レベルの不純物に関連する特性の結果として発生し得る。特定の溶媒が、多くの場合、特定の用途向けに所望のYI値を達成するために事前選択される。
【0095】
置換基結合が以下に示されるように1つ以上の環を通過する構造において、
【0096】
【0097】
置換基Rは、1つ以上の環上の任意の利用可能な位置で結合し得ることが意味される。
【0098】
語句「~に隣接した」は、デバイス中の層に言及するために用いられるとき、1つの層が別の層の直接隣りにあることを必ずしも意味しない。他方で、語句「隣接するR基」は、化学式中で互いに隣りにあるR基(即ち、結合によって連結された原子上にあるR基)を指すために用いられる。典型的な隣接するR基を以下に示す:
【0099】
【0100】
本明細書では、特に明示的に述べられる、又は使用に関連して反対のことが示されない限り、本明細書の主題の実施形態が、特定の特徴又は要素を含む、包含する、含有する、有する、それらからなる、又はそれらによって若しくはそれらから構成されると述べられる又は記載される場合、明示的に述べられた又は記載されたものに加えて1つ以上の特徴又は要素が実施形態で存在し得る。本明細書の開示された主題の代わりの実施形態は、特定の特徴又は要素から本質的になると記載されるが、その実施形態では、操作の原理又は実施形態の際立った特性を実質的に変更する特徴又は要素は、その中に存在しない。本明細書の記載された主題の更なる代わりの実施形態は、特定の特徴又は要素からなると記載されるが、その実施形態又はその実態のない可変形態では、具体的に述べられた又は記載された特徴又は要素のみが存在する。
【0101】
更に、明確にそれとは反対のことが述べられない限り、「又は」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A「又は」Bは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA、及びBが両方とも真である(又は存在する)。
【0102】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載される要素及び成分を記載するために用いられる。これは、便宜上及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われるにすぎない。この記載は、1つ又は少なくとも1つを包含すると解釈されるべきであり、単数はまた、それが別の意味を有することが明らかでない限り複数も含む。
【0103】
元素の周期表内の縦列に対応する族番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81stEdition(2000-2001)に見られるような、「新表記法」規約を用いる。
【0104】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと同様の又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料が、以下に記載される。本明細書に記述された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、特定の節が引用されない限り、それらの全体が参照により援用される。矛盾の場合には、定義を含む、本明細書が優先されるであろう。更に、材料、方法、及び実施例は、例示的であるにすぎず、限定的であることを意図されない。
【0105】
本明細に記載されていない範囲まで、特定の材料、処理活動、及び回路に関する多くの詳細は、従来通りであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力、及び半導体部材技術内の教科書及び他の情報源に見出され得る。
【0106】
2.ポリアミド酸
本明細書に記載のポリアミド酸は、式I
【0107】
【0108】
[式中、
Raは、1つ以上の異なるテトラカルボン酸成分残基を表し、
Rbは、1つ以上の異なる芳香族ジアミン残基又は芳香族ジイソシアネート残基を表し、
5~100モル%のRbは、式II
【0109】
【0110】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、上記で定義された通りである)を有する]の繰り返し単位構造を有する。
【0111】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、単一のテトラカルボン酸成分残基を表す。
【0112】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、2つのテトラカルボン酸成分残基を表す。
【0113】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、3つのテトラカルボン酸残基を表す。
【0114】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、4つのテトラカルボン酸残基を表す。
【0115】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、1つ以上のテトラカルボン酸二無水物残基を表す。
【0116】
適した芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、限定されないが、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s-BPDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸二無水物(6FDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレンエステル(TAHQ)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-ビスフェノール-A二無水物(BPADA)、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)ナフト[1,2-c]テトラカルボン酸二無水物(TDA)、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物(CpODA)、1,2:3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、ヒドロキノンジフタル酸無水物(HQDEA)、エチレングリコールビス(トリメリト酸無水物)(TMEG-100)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物(DTDA)、4,4’-ビスフェノールA二無水物(BPADA)、キサンテンテトラカルボン酸二無水物など、並びにこれらの組み合わせなどが含まれる。これらの芳香族二無水物は、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、-N(R’)(R’’)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、シリル、シロキシ、シロキサン、チオアルコキシ、-S(O)2-、-C(=O)-N(R’)(R’’)、(R’)(R’’)N-アルキル、(R’)(R’’)N-アルコキシアルキル、(R’)(R’’)N-アルキルアリールオキシアルキル、-S(O)s-アリール(式中、s=0~2である)又はS(O)s-ヘテロアリール(式中、s=0~2である)を含む当技術分野で知られている基で任意選択的に置換されることができる。各R’及びR’’は、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル又はアリール基である。R’及びR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒に、特定の実施形態では環系を形成することができる。置換基はまた、架橋基であってもよい。
【0117】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA、BPDA、s-BPDA、DSDA、6FDA、TDA、BTDA、ODPA、及びCpODAからなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物からの1つ以上の残基を表す。
【0118】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基を表す。
【0119】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、BPDA残基を表す。
【0120】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、s-BPDA残基を表す。
【0121】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、DSDA残基を表す。
【0122】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、6FDA残基を表す。
【0123】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、TDA残基を表す。
【0124】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、BTDA残基を表す。
【0125】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、ODPA残基を表す。
【0126】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、CpODA残基を表す。
【0127】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基及びBPDA残基を表す。
【0128】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基及び6FDA残基を表す。
【0129】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基及びBTDA残基を表す。
【0130】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、BPDA残基及び6FDA残基を表す。
【0131】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、BPDA残基及びBTDA残基を表す。
【0132】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、6FDA残基及びBTDA残基を表す。
【0133】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基、6FDA残基、及びBPDA残基を表す。
【0134】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基、6FDA残基、及びBTDA残基を表す。
【0135】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、PMDA残基、BTDA残基、及びBPDA残基を表す。
【0136】
式Iのいくつかの実施形態において、Raは、BTDA残基、6FDA残基及びBPDA残基を表す。
【0137】
式Iにおいて、5~100モル%のRbは、上記に示されるように、式IIを有するジアミン残基を表す。式Iのいくつかの実施形態において、10~100モル%のRbは、式IIを有し、いくつかの実施形態においては、20~100モル%、いくつかの実施形態においては、50~100モル%、いくつかの実施形態においては、20~90モル%、いくつかの実施形態においては、30~80モル%、いくつかの実施形態においては、50~70モル%、いくつかの実施形態においては、100モル%が式IIを有する。
【0138】
式IIのいくつかの実施形態において、n=0である。
【0139】
式IIのいくつかの実施形態において、n=1である。
【0140】
式IIのいくつかの実施形態において、n=2である。
【0141】
式IIのいくつかの実施形態において、n=3である。
【0142】
式IIのいくつかの実施形態において、n=4である。
【0143】
式IIのいくつかの実施形態において、n=5である。
【0144】
式IIのいくつかの実施形態において、n=6である。
【0145】
式IIのいくつかの実施形態において、n=7である。
【0146】
式IIのいくつかの実施形態において、n=8である。
【0147】
式IIのいくつかの実施形態において、n=9である。
【0148】
式IIのいくつかの実施形態において、n=10である。
【0149】
式IIのいくつかの実施形態において、n=3~10である。
【0150】
式IIのいくつかの実施形態において、n=n=4~7である。
【0151】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式Iを有するジアミンオリゴマーと異なる数のモノマー単位との混合物を表す。
【0152】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは重水素化されている。いくつかの実施形態においては、Rbは少なくとも10%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも30%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも70%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも90%重水素化されている。
【0153】
式IIのいくつかの実施形態において、R1はC1~5フルオロアルキルである。
【0154】
式IIのいくつかの実施形態において、R1はC1~3パーフルオロアルキル、いくつかの実施形態においては、トリフルオロメチルである。
【0155】
式IIのいくつかの実施形態において、R1はC1~5フルオロアルコキシである。
【0156】
式IIのいくつかの実施形態において、R1はC1~3パーフルオロアルコキシ;いくつかの実施形態においてトリフルオロメトキシである。
【0157】
R1について上述の実施形態の全てがR2~R6に同様に当てはまる。
【0158】
式IIのいくつかの実施形態において、R1=R6である。
【0159】
式IIのいくつかの実施形態において、R2=R3である。
【0160】
式IIのいくつかの実施形態において、R4=R5である。
【0161】
式IIのいくつかの実施形態において、R1≠R6である。
【0162】
式IIのいくつかの実施形態において、R2≠R3である。
【0163】
式IIのいくつかの実施形態において、R4≠R5である。
【0164】
式IIのいくつかの実施形態において、x1=0である。
【0165】
式IIのいくつかの実施形態において、x1=1である。
【0166】
式IIのいくつかの実施形態において、x1=2である。
【0167】
式IIのいくつかの実施形態において、x1=3である。
【0168】
式IIのいくつかの実施形態において、x1>0である。
【0169】
式IIのいくつかの実施形態において、x2=0である。
【0170】
式IIのいくつかの実施形態において、x2=1である。
【0171】
式IIのいくつかの実施形態において、x2=2である。
【0172】
式IIのいくつかの実施形態において、x2>0である。
【0173】
式IIのいくつかの実施形態において、x3=0である。
【0174】
式IIのいくつかの実施形態において、x3=1である。
【0175】
式IIのいくつかの実施形態において、x3=2である。
【0176】
式IIのいくつかの実施形態において、x3>0である。
【0177】
式IIのいくつかの実施形態において、x4=0である。
【0178】
式IIのいくつかの実施形態において、x4=1である。
【0179】
式IIのいくつかの実施形態において、x4=2である。
【0180】
式IIのいくつかの実施形態において、x4=3である。
【0181】
式IIのいくつかの実施形態において、x4>0である。
【0182】
式Iのいくつかの実施形態において、x1~x4の少なくとも1つは0超である。
【0183】
式IIのいくつかの実施形態において、R7は、重水素、フルオロ、アルキル、重水素化アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、及びフルオロアルコキシからなる群から選択される。
【0184】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7は重水素である。
【0185】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7はFである。
【0186】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7は、C1~5アルキルである。
【0187】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7は重水素化C1~5アルキルである。
【0188】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7はC1~5フルオロアルキルである。
【0189】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7はC1~3パーフルオロアルキル;いくつかの実施形態においてトリフルオロメチルである。
【0190】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7はC1~5アルコキシである。
【0191】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7は、C1~5フルオロアルコキシである。
【0192】
式IIのいくつかの実施形態において、少なくとも1つのR7は、C1~3パーフルオロアルコキシ、いくつかの実施形態においては、トリフルオロメトキシである。
【0193】
式IIのいくつかの実施形態において、隣接した環上のR基が一緒に結合して縮合5又は6員脂環式環を形成する。脂環式環は少なくとも1つのハロ置換基を有する。
【0194】
式IIのいくつかの実施形態において、R1はR2と一緒に結合している。
【0195】
式IIのいくつかの実施形態において、R1は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0196】
式IIのいくつかの実施形態において、R2は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0197】
式IIのいくつかの実施形態において、R3はR4と一緒に結合している。
【0198】
式IIのいくつかの実施形態において、R3は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0199】
式IIのいくつかの実施形態において、R4は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0200】
式IIのいくつかの実施形態において、R5はR6と一緒に結合している。
【0201】
式IIのいくつかの実施形態において、R5は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0202】
式IIのいくつかの実施形態において、R6は隣接した環上のR7と一緒に結合している。
【0203】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbが式IIA
【0204】
【0205】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIAのR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0206】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式IIA-1
【0207】
【0208】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIにおいて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIA-1のR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0209】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式IIA-2
【0210】
【0211】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIA-2のR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0212】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式IIB
【0213】
【0214】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIBのR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0215】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式IIB-1
【0216】
【0217】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIB-1のR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0218】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式IIB-2
【0219】
【0220】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する。式IIのR1~R7、n、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式IIB-2のR1~R7、n、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0221】
式IIの上記の実施形態のいずれも、それらが相互に排他的でない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、x1=1である実施形態をR7がFである実施形態及びn=4である実施形態と組み合わせることができる。同じことが、上記で考察した他の相互に排他的ではない実施形態について言える。当業者は、どの実施形態が相互排他的であるかを理解するであろうし、その結果、本出願によって考えられる実施形態の組み合わせを容易に決定できるであろう。
【0222】
式Iの上述の実施形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができ、式IIの実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0223】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、以下に示される、化合物II-1~II-26からなる群から選択されるジアミンからの残基を表す。
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、化合物II-1~II-26の重水素化類似体からなる群から選択されるジアミンからの残基を表す。いくつかの実施形態においては、ジアミンは少なくとも20%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも75%重水素化されている。重水素化類似体の一例は、以下に示される、化合物II-27である。
【0230】
【0231】
C-C、C-N、C-O、C-S、又はC-Si結合をもたらす任意の技術を使用して上記のジアミンを製造することができる。鈴木、山本、スティル(Stille)、根岸及び金属触媒C-Nカップリング、並びに金属触媒及び酸化直接アリール化などの様々なこのような技術が公知である。重水素化化合物は、重水素化前駆体材料を使用して同様な方法で又は、より一般的には、トリフルオロメタンスルホン酸、三塩化アルミニウム又は二塩化エチルアルミニウムなどの、ブレンステッド酸又はルイス酸H/D交換触媒の存在下で、ベンゼン-d6などの、重水素化溶媒で非重水素化化合物を処理することによって調製することができる。また、重水素反応は、PCT出願公開国際公開第2011/053334号パンフレットに記載されている。例示的な調製は、実施例において示される。
【0232】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、上記に示されるように、式IIを有するジアミン残基を表す。
【0233】
式Iのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、上記に示されるように、式IIをそれぞれが有する2つ以上の異なるジアミンからのジアミン残基を表す。
【0234】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、式IIを有するジアミン残基及び少なくとも1つの更なるジアミン残基を表す。
【0235】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、式IIを有するジアミン残基及び1つの更なるジアミン残基を表す。
【0236】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、式IIを有するジアミン残基及び2つの更なるジアミン残基を表す。
【0237】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、式IIを有するジアミン残基及び3つの更なるジアミン残基を表す。
【0238】
いくつかの実施形態においては、更なる芳香族ジアミンは、p-フェニレンジアミン(PPD)、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-トリジン)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(o-トリジン)、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(HAB)、9,9’-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン(FDA)、o-トリジンスルホン(TSN)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン(TMPD)、2,4-ジアミノ-1,3,5-トリメチルベンゼン(DAM)、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(3355TMB)、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(22TFMB又はTFMB)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、4,4’-メチレンジアニリン(MDA)、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(Bis-M)、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(Bis-P)、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODA)、m-フェニレンジアミン(MPD)、3,4’-オキシジアニリン(3,4’-ODA)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド(ASD)、2,2-ビス[4-(4-アミノ-フェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-フェニル]スルホン(m-BAPS)、1,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3’-ビス(4-アミノ-フェノキシ)ベンゼン(APB-133)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)、メチレンビス(アントラニル酸)(MBAA)、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン(DANPG)、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン(DA5MG)、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシフェニル(pehnyl))]ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-A-AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-AP-AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-AT-AF)、4,4’-(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジアニリン、4,4’-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル(6BFBAPB)、3,3’5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(TMMDA)など及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0239】
式Iのいくつかの実施形態において、Rbは、式IIを有するジアミン残基及び少なくとも1つの更なるジアミン残基を表し、この場合、更なる芳香族ジアミンは、PPD、TFMB、ODA、4,4’-(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジアニリン、及びFDAからなる群から選択される。
【0240】
式Iの式IIに関する前述の実施形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0241】
式Iのいくつかの実施形態において、一無水物モノマーから生じる部位は、末端保護基として存在する。
【0242】
いくつかの実施形態においては、一無水物モノマーは、無水フタル酸など及びその誘導体からなる群から選択される。
【0243】
いくつかの実施形態においては、一無水物は、総テトラカルボン酸組成物の5モル%までの量で存在する。
【0244】
式Iのいくつかの実施形態において、モノアミンモノマーから生じる部位は、末端保護基として存在する。
【0245】
いくつかの実施形態においては、モノアミンモノマーは、アニリンなど及びその誘導体からなる群から選択される。
【0246】
いくつかの実施形態においては、モノアミンは、総アミン組成物の5モル%までの量で存在する。
【0247】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて100,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0248】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて150,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0249】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて200,000超の分子量(MW)を有する。
【0250】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて250,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0251】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて300,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0252】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて100,000~400,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0253】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて200,000~400,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0254】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて250,000~350,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0255】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準物質を用いたゲル透過クロマトグラフィーに基づいて200,000~300,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0256】
ポリアミド酸の上記の実施形態のいずれも、それらが相互に排他的でない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0257】
全体的なポリアミド酸組成物は、当技術分野において一般的に使用される表記法によって指定することができる。例えば、100%のODPAであるテトラカルボン酸成分と、90モル%のBis-P及び10モル%のTFMBであるジアミン成分とを有するポリアミド酸は、
ODPA//Bis-P/22TFMB 100//90/10として表される。
【0258】
また、(a)式IIの繰り返し単位を有するポリアミド酸と、(b)高沸点非プロトン性溶媒とを含む液体組成物が提供される。また、液体組成物は、本明細書で「ポリアミド酸溶液」と呼ばれる。
【0259】
いくつかの実施形態においては、高沸点非プロトン性溶媒は、150℃以上の沸点を有する。
【0260】
いくつかの実施形態においては、高沸点非プロトン性溶媒は、175℃以上の沸点を有する。
【0261】
いくつかの実施形態においては、高沸点非プロトン性溶媒は、200℃以上の沸点を有する。
【0262】
いくつかの実施形態においては、高沸点非プロトン性溶媒は、極性溶媒である。いくつかの実施形態においては、溶媒は、20超の誘電率を有する。
【0263】
高沸点非プロトン性溶媒のいくつかの例には、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0264】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、NMP、DMAc、及びDMFからなる群から選択される。
【0265】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、NMPである。
【0266】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、DMAcである。
【0267】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、DMFである。
【0268】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、γ-ブチロラクトンである。
【0269】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、ジブチルカルビトールである。
【0270】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、ブチルカルビトールアセテートである。
【0271】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。
【0272】
液体組成物のいくつかの実施形態において、溶媒は、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。
【0273】
いくつかの実施形態においては、上記で指定された高沸点非プロトン性溶媒の2つ以上が液体組成物で使用される。
【0274】
いくつかの実施形態においては、更なる共溶媒が液体組成物で使用される。
【0275】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、99重量%を超える高沸点非プロトン性溶媒における1重量%未満のポリアミド酸である。
【0276】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、95~99重量%の高沸点非プロトン性溶媒における1~5重量%のポリアミド酸である。
【0277】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、90~95重量%の高沸点非プロトン性溶媒における5~10重量%のポリアミド酸である。
【0278】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、85~90重量%の高沸点非プロトン性溶媒における10~15重量%のポリアミド酸である。
【0279】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、80~85重量%の高沸点非プロトン性溶媒における15~20重量%のポリアミド酸である。
【0280】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、75~80重量%の高沸点非プロトン性溶媒における20~25重量%のポリアミド酸である。
【0281】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、70~75重量%の高沸点非プロトン性溶媒における25~30重量%のポリアミド酸である。
【0282】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、65~70重量%の高沸点非プロトン性溶媒における30~35重量%のポリアミド酸である。
【0283】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、60~65重量%の高沸点非プロトン性溶媒における35~40重量%のポリアミド酸である。
【0284】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、55~60重量%の高沸点非プロトン性溶媒における40~45重量%のポリアミド酸である。
【0285】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、50~55重量%の高沸点非プロトン性溶媒における45~50重量%のポリアミド酸である。
【0286】
いくつかの実施形態においては、液体組成物は、50重量%の高沸点非プロトン性溶媒における50重量%のポリアミド酸である。
【0287】
ポリアミド酸溶液は、任意選択的にいくつかの添加剤のいずれか1つを更に含み得る。このような添加物は、酸化防止剤、熱安定剤、接着促進剤、カップリング剤(例えば、シラン類)、無機充填材又はそれらが所望のポリイミド特性に悪影響を及ぼさない限り様々な強化剤であり得る。
【0288】
ポリアミド酸溶液は、成分(即ち、モノマー及び溶媒)の導入に関して様々な利用可能な方法を使用して調製することができる。ポリアミド酸溶液を生成するいくつかの方法は以下を含む:
(a)ポリアミン成分及びポリ酸無水物成分が事前に一緒に混合され、次いで混合物が撹拌しながら溶媒に少しずつ添加される方法。
(b)溶媒がポリアミン成分とポリ酸無水物成分との撹拌混合物に添加される方法。(上記の(a)とは反対に)
(c)ポリアミンが溶媒に独占的に溶解させられ、次いで反応速度を制御することを可能にするような比でポリ酸無水物がそれに添加される方法。
(d)ポリ酸無水物成分が溶媒に独占的に溶解させられ、次いで反応速度を制御することを可能にするような比でアミン成分がそれに添加される方法。
(e)成分及びポリ酸無水物成分が溶媒に別々に溶解させられ、次いでこれらの溶液が反応器中で混合される方法。
(f)過剰なポリアミン成分を持ったポリアミド酸及び過剰なポリ酸無水物成分を持った別のポリアミド酸が事前に形成され、次いで特にノンランダムコポリマー又はブロックコポリマーを生み出すような方法で、反応器中で相互に反応させられる方法。
(g)ポリアミン成分及びポリ酸無水物成分の特定部分が最初に反応させられ、次いで残りのポリアミン成分が反応させられるか、又は逆もまた同様である方法。
(h)成分が部分的に又は全体を任意の順序で溶媒の一部か全部かのいずれかに添加され、また任意の成分の一部又は全部が溶媒の一部又は全部中の溶液として添加され得る方法。
(i)ポリ酸無水物成分の1つをポリアミン成分の1つと最初に反応させて第1ポリアミド酸を与える方法。次いで他のポリ酸無水物成分を他のポリアミン成分と反応させて第2ポリアミド酸を与える方法。
【0289】
次いでフィルム形成の前に、多数の方法のいずれか1つでポリアミド酸を組み合わせる方法。一般的に言えば、ポリアミド酸溶液は、上に開示されたポリアミド酸溶液調製方法のいずれか1つから得ることができる。
【0290】
ポリアミド酸溶液は、次いで、粒子含量を減らすために、1回以上濾過することができる。そのような濾過溶液から生み出されたポリイミドフィルムは、減少した数の欠陥を示し、それによって、本明細書に開示されるエレクトロニクス用途において優れた性能をもたらすことができる。濾過効率の評価は、ポリアミド酸溶液の代表的試料が5インチのシリコンウェハー上にキャストされるレーザー粒子カウンターテストによって行うことができる。ソフトベーキング/乾燥後に、フィルムは、商業的に利用可能である及び当技術分野において公知である機器での任意の数のレーザー粒子計数技術によって粒子含量について評価される。
【0291】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように40粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0292】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように30粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0293】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように20粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0294】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように10粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0295】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように2粒子~8粒子の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0296】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように4粒子~6粒子の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0297】
ポリアミド酸溶液の例示的な調製は実施例に示されている。
【0298】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸は、式IV
【0299】
【0300】
[式中、
Raは、1つ以上の異なるテトラカルボン酸成分残基を表し、
Rb1は、1つ以上の異なる芳香族ジアミン残基又は芳香族ジイソシアネート残基を表し、
5~100モル%のRb1は、式V
【0301】
【0302】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式IIについて上記で定義された通りである)を有する]の繰り返し単位構造を有する。
【0303】
式IにおけるRaについての上記の実施形態の全てが、式IVにおけるRaに等しく当てはまる。
【0304】
式IVにおいて、5~100モル%のRb1は、上記に示されるように、式Vを有するジアミン残基を表す。式IVのいくつかの実施形態において、10~100モル%のRb1は、式Vを有し、いくつかの実施形態においては、20~100モル%、いくつかの実施形態においては、50~100モル%、いくつかの実施形態においては、20~90モル%、いくつかの実施形態においては、30~80モル%、いくつかの実施形態においては、50~70モル%、いくつかの実施形態においては、100モル%のRb1が有する。
【0305】
式Vのいくつかの実施形態において、n=0である。
【0306】
式Vのいくつかの実施形態において、n=1である。
【0307】
式Vのいくつかの実施形態において、n=2である。
【0308】
式Vのいくつかの実施形態において、n=3である。
【0309】
式Vのいくつかの実施形態において、n=4である。
【0310】
式Vのいくつかの実施形態において、n=5である。
【0311】
式Vのいくつかの実施形態において、n=6である。
【0312】
式Vのいくつかの実施形態において、n=7である。
【0313】
式Vのいくつかの実施形態において、n=8である。
【0314】
式Vのいくつかの実施形態において、n=9である。
【0315】
式Vのいくつかの実施形態において、n=10である。
【0316】
式Vのいくつかの実施形態において、n=3~10である。
【0317】
式Vのいくつかの実施形態において、n=4~7である。
【0318】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、異なる数のモノマー単位を有する式IVを有するジアミンオリゴマーの混合物を表す。
【0319】
式Iのいくつかの実施形態において、Rb1は重水素化される。いくつかの実施形態においては、Rb1は少なくとも10%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも30%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも70%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも90%重水素化されている。
【0320】
式IIのR1~R7、及びx1~x4の上述の実施形態の全てが、式VのR1~R7、及びx1~x4に同様に当てはまる。
【0321】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、式VA
【0322】
【0323】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VAにおけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0324】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、式VA-1
【0325】
【0326】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VA-1におけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0327】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、式VA-2
【0328】
【0329】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VA-2におけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0330】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、式VB
【0331】
【0332】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VBにおけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0333】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式VB-1
【0334】
【0335】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VB-1におけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0336】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRbは、式VB-2
【0337】
【0338】
(式中、R1~R7、n、x1~x4、及び*は、式Vにおいて上記に定義された通りである)を有する。式Vにおける、R1~R7、n、及びx1~x4についての上記の実施形態の全てが、式VB-2におけるR1~R7、n、及びx1~x4に等しく当てはまる。
【0339】
式IVについての上記の実施形態のいずれか及び本明細書における可変形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0340】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、以下に示される、化合物V-1~V-10からなる群から選択されるジアミンからの残基を表す。
【0341】
【0342】
【0343】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、化合物V-1~V-10の重水素化類似体からなる群から選択されるジアミンからの残基を表す。いくつかの実施形態においては、ジアミンは少なくとも20%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化、いくつかの実施形態において、少なくとも75%重水素化されている。
【0344】
上記のジアミンは、上記のように、任意の公知の技術を用いて製造することができる。
【0345】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、上記に示されるように、式Vを有するジアミン残基を表す。
【0346】
式IVのいくつかの実施形態において、5~100モル%のRb1は、上記に示されるように、それぞれ式Vを有する2つ以上の異なるジアミンからのジアミン残基を表す。
【0347】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、式Vを有するジアミン残基及び少なくとも1つの更なるジアミン残基を表す。
【0348】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、式Vを有するジアミン残基及び1つの更なるジアミン残基を表す。
【0349】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、式Vを有するジアミン残基及び2つの更なるジアミン残基を表す。
【0350】
式IVのいくつかの実施形態において、Rb1は、式Vを有するジアミン残基及び3つの更なるジアミン残基を表す。
【0351】
3.ポリイミド
上記のポリアミド酸のイミド化から生じるポリイミドが提供される。「イミド化」とは、イミド基を形成するためのアミド酸基の分子内環化を意味する。いくつかの実施形態においては、熱イミド化が用いられる。いくつかの実施形態においては、化学イミド化が用いられる。いくつかの実施形態においては、熱イミド化と化学イミド化との組み合わせが用いられる。
【0352】
いくつかの実施形態においては、ポリイミドは、式III
【0353】
【0354】
(式中、
Raは、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上のテトラカルボン酸成分残基を表し、
Rbは、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上の芳香族ジアミン残基を表し、
5~100モル%のRbは、上記のように、式IIを有する)の繰り返し単位構造を有する。
【0355】
式IのRa及びRbの上述の実施形態の全てが、式IIIのRa及びRbに等しく適用される。
【0356】
式Iにおける式IIの上記の実施形態の全てが、式IIIにおける式IIに等しく適用される。
【0357】
いくつかの実施形態においては、ポリイミドは、式VI
【0358】
【0359】
(式中、
Raは、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上のテトラカルボン酸成分残基を表し、
Rb1は、出現毎に同一であるか又は異なり、1つ以上の芳香族ジアミン残基を表し、
5~100モル%のRb1は、上記のように、式Vを有する)の繰り返し単位構造を有する。
【0360】
式IVのRa及びRb1の上記の実施形態の全てが、式VIのRa及びRb1に等しく適用される。
【0361】
式IVにおける式Vの上記の実施形態の全てが、式VIにおける式Vに等しく適用される。
【0362】
ポリイミドは、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイミド、及びポリアミド酸塩など、任意の適切なポリイミド前駆体から作成できる。
【0363】
上記のように、ポリイミドが式III又は式VIの繰り返し単位構造を有する、ポリイミドフィルムがまた提供される。
【0364】
ポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体を基板にコーティングし、続いてイミド化することによって作成することができる。これは、熱変換プロセス又は化学変換プロセスによって達成することができる。
【0365】
更に、ポリイミドが適切なコーティング溶媒に可溶である場合、それは、適切なコーティング溶媒に溶解され、ポリイミドとしてコーティングされた、すでにイミド化されたポリマーとして提供することができる。
【0366】
いくつかの実施形態においては、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムは、高いガラス転移温度(「Tg」)と、低いb*色値の両方を有する。
【0367】
いくつかの実施形態においては、式VIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムは、高いガラス転移温度(「Tg」)と、低いb*色値の両方を有する。
【0368】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、Tgは、350℃よりも上の温度で硬化させられた10μmポリイミドフィルムについては400℃超、いくつかの実施形態においては、Tgは430℃超、いくつかの実施形態においては、Tgは450℃超である。
【0369】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、b*は、10.0未満、いくつかの実施形態においては、5.0未満、いくつかの実施形態においては、3.0未満である。
【0370】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、YIは、12未満であり;いくつかの実施形態においては、10未満である。
【0371】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、光遅延(Rth)は、550nmで1000未満であり、いくつかの実施形態においては、500未満である。
【0372】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、面内熱膨張率(CTE)は、第1測定について、50℃~200℃の間で45ppm/℃未満;いくつかの実施形態においては、30ppm/℃未満;いくつかの実施形態においては、20ppm/℃未満;いくつかの実施形態においては、15ppm/℃未満である。
【0373】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、面内熱膨張率(CTE)は、第2測定について、50℃~200℃の間で75ppm/℃未満、いくつかの実施形態においては、65ppm/℃未満である。
【0374】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、1%TGA重量損失温度は、350℃超、いくつかの実施形態においては、400℃超、いくつかの実施形態においては、450℃超である。
【0375】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、引張弾性率は、1.5GPa~15.0GPa、いくつかの実施形態においては、1.5GPa~10.0GPa、いくつかの実施形態においては、1.5~7.5GPa、いくつかの実施形態においては、1.5~5.0GPaである。
【0376】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、破断伸びは10%超である。
【0377】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、曇価は、1.0%未満であり;いくつかの実施形態においては0.5%未満である。
【0378】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、400nmでの透過率は40%超であり、いくつかの実施形態においては、50%超である。
【0379】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、430nmでの透過率は60%超であり、いくつかの実施形態においては、70%超である。
【0380】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、450nmでの透過率は70%超であり、いくつかの実施形態においては、80%超である。
【0381】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、550nmでの透過率は70%超であり、いくつかの実施形態においては、80%超である。
【0382】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態において、750nmでの透過率は70%超であり、いくつかの実施形態においては、80%超である。
【0383】
ポリイミドフィルムに関する前述の実施形態のいずれも、互いに矛盾しない限り、1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0384】
4.ポリイミドフィルムの調製方法
一般に、ポリイミドフィルムは、化学又は熱変換によってポリイミド前駆体から調製することができる。いくつかの実施形態においては、フィルムは、化学又は熱変換プロセスによって、対応するポリアミド酸溶液から調製される。本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、特に電子デバイスにおけるガラスに代わる柔軟な代替品として使用される場合、熱変換プロセスによって調製される。
【0385】
一般的に、ポリイミドフィルムは、化学又は熱変換プロセスによって対応するポリアミド酸溶液から調製することができる。本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、特に電子デバイスにおけるガラスに代わる柔軟な代替品として使用される場合、化学変換プロセスに対して、熱変換又は修飾熱変換プロセスによって調製される。
【0386】
化学変換プロセスは、米国特許第5,166,308号明細書及び同第5,298,331号明細書に記載されており、それらは、それらの全体を参照により援用される。そのようなプロセスでは、変換用化学薬品がポリアミド酸溶液に添加される。本発明において有用であることが分かった変換用化学薬品には、(i)脂肪族酸無水物(無水酢酸等)及び酸無水物などの、1つ以上の脱水剤、並びに(ii)脂肪族第三級アミン(トリエチルアミン等)、第三級アミン(ジメチルアニリン等)及び複素環式第三級アミン(ピリジン、ピコリン、イソキノリン等)などの、1つ以上の触媒が含まれるが、それらに限定されない。材料を脱水する酸無水物は、典型的には、ポリアミド酸溶液中に存在するアミド酸基の量のわずかにモル過剰で使用される。使用される無水酢酸の量は、典型的には、ポリアミド酸の1当量当たり約2.0~3.0モルである。一般的には、同等量の三級アミン触媒が使用される。
【0387】
熱変換プロセスは、ポリアミド酸キャスト溶液をポリイミドに変換させるために変換用化学薬品(即ち、触媒)を使用しても又は使用しなくてもよい。変換用化学薬品が使用される場合、プロセスは、修飾熱変換プロセスであると考えられ得る。両方のタイプの熱変換プロセスにおいて、溶媒のフィルムを乾燥させること及びイミド化反応を実施することの両方のため、フィルムを加熱するために熱エネルギーのみが使用される。一般的に本明細書に開示されたポリイミドフィルムを調製するために、変換用触媒を用いる又は用いない熱変換プロセスが使用される。
【0388】
特定の方法パラメータは、関心対象の特性を産生するのがフィルム組成だけではないことを考えて事前に選択される。むしろ、硬化温度及び温度傾斜プロファイルもまた、本明細書に開示された意図される使用のために最も所望の特性の達成において重要な役割を果たす。ポリアミド酸は、任意のその後の加工工程(例えば、機能的ディスプレイを製造するために必要とされる無機層又は他の層の堆積)の温度又はそれより高い、最も高い温度であるが、ポリイミドの著しい熱分解/変色が発生する温度より低い温度でイミド化されなければならない。イミド化のために特に高い加工温度が使用される場合は、不活性雰囲気が一般的に好ましいことも言及しておかなければならない。
【0389】
本明細書に開示されたポリアミド酸/ポリイミドのためには、300℃を超えるその後の加工温度が必要とされる場合は、典型的には、300℃~320℃の温度が使用される。適正な硬化温度を選択することは、熱特性と機械特性の最善のバランスを達成する十分に硬化したポリイミドを可能にする。この極めて高い温度のために、不活性雰囲気が必要とされる。典型的には、オーブン内の100ppm未満の酸素レベルが使用されなければならない。極めて低い酸素レベルは、ポリマーの著しい分解/変色を伴わずに最も高い硬化温度が使用されることを可能にする。イミド化プロセスを加速する触媒は、約200℃~300℃の硬化温度でより高レベルのイミド化を達成するのに効果的である。この手法は、ポリイミドのTgよりも下である上方硬化温度で柔軟なデバイスが作製される場合に、任意選択的に用いられ得る。
【0390】
各潜在的硬化工程における時間の量もまた、重要なプロセス検討事項である。一般に、最高温度硬化のために用いられる時間は、最小限に保たれるべきである。320℃硬化のためには、例えば、硬化時間は、不活性雰囲気下では1時間位までであり得るが、より高い硬化温度では、この時間は、熱分解を回避するために短縮されるべきである。一般的に言えば、より高い温度は、より短い時間を指令する。当業者は、特定の最終使用向けのポリイミドの特性を最適化するために温度と時間とのバランスを認識するであろう。
【0391】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、熱変換プロセスによってポリイミドフィルムに変換させられる。
【0392】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが50μm未満であるように母材上にコーティングされる。
【0393】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが40μm未満であるように母材上にコーティングされる。
【0394】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが30μm未満であるように母材上にコーティングされる。
【0395】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが20μm未満であるように母材上にコーティングされる。
【0396】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm~20μmであるように母材上にコーティングされる。
【0397】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが15μm~20μmであるように母材上にコーティングされる。
【0398】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが18μmであるように母材上にコーティングされる。
【0399】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm未満であるように母材上にコーティングされる。
【0400】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、近接モードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、窒素ガスが、コーティングされた母材をホットプレートの直上に保持するために使用される。
【0401】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、フルコンタクトモードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、コーティングされた母材はホットプレート表面と直接接触している。
【0402】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、近接モードとフルコンタクトモードとの組み合わせを用いてホットプレート上においてソフトベークされる。
【0403】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、80℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0404】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、90℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0405】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、100℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0406】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、110℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0407】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、120℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0408】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、130℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0409】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、140℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0410】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、10分超の合計時間の間ソフトベークされる。
【0411】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、10分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0412】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、8分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0413】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、6分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0414】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、4分の合計時間の間ソフトベークされる。
【0415】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、4分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0416】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、2分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0417】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、2つの事前選択された温度で2つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者は、同じ又は異なるものであり得る。
【0418】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、3つの事前選択された温度で3つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0419】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、4つの事前選択された温度で4つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0420】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、5つの事前選択された温度で5つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0421】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、6つの事前選択された温度で6つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0422】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、7つの事前選択された温度で7つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0423】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、8つの事前選択された温度で8つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0424】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、9つの事前選択された温度で9つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0425】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、10の事前選択された温度で10の事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0426】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、80℃超である。
【0427】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、100℃に等しい。
【0428】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、100℃超である。
【0429】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、150℃に等しい。
【0430】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、150℃超である。
【0431】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、200℃に等しい。
【0432】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、200℃超である。
【0433】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、250℃に等しい。
【0434】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、250℃超である。
【0435】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、300℃に等しい。
【0436】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、300℃超である。
【0437】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、350℃に等しい。
【0438】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、350℃超である。
【0439】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、400℃に等しい。
【0440】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、400℃超である。
【0441】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、450℃に等しい。
【0442】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、450℃超である。
【0443】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、500℃に等しい。
【0444】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、500℃超である。
【0445】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分である。
【0446】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、5分である。
【0447】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、10分である。
【0448】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、15分である。
【0449】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、20分である。
【0450】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、25分である。
【0451】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、30分である。
【0452】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、35分である。
【0453】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、40分である。
【0454】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、45分である。
【0455】
熱変換プロセスのいくつかでは、事前選択された時間間隔の1つ以上は、50分である。
【0456】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、55分である。
【0457】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分である。
【0458】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分超である。
【0459】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~60分である。
【0460】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~90分である。
【0461】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~120分である。
【0462】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程を順に含む:上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0463】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程から順になる:上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0464】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程から順に本質的になる:上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0465】
典型的には、本明細書に開示されたポリアミド酸溶液/ポリイミドは、ディスプレイ製造プロセスの残りを通して加工を容易にするために支持ガラス基板上にコーティング/硬化される。ディスプレイ製造業者によって決定されるプロセス内のある時点において、ポリイミドコーティングは、機械的又はレーザーリフトオフ(laser lift off)プロセスによって支持ガラス基板から取り除かれる。これらのプロセスは、ガラスから堆積されたディスプレイ層を伴うフィルムとしてポリイミドを分離し、柔軟フォーマットを可能にする。多くの場合、堆積層を伴うこのポリイミドフィルムは、ディスプレイのその後の製作のための支持体を提供するために、次いでより厚さのある、しかし依然として柔軟なプラスチックフィルムに接着される。
【0466】
変換触媒が、一般的に、このような変換触媒が存在しない場合に可能であるよりも低い温度でイミド化反応を引き起こす修飾熱変換プロセスも提供される。
【0467】
いくつかの実施形態においては、ポリアミド酸溶液は、修飾熱変換プロセスによってポリイミドフィルムに変換される。
【0468】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒を更に含む。
【0469】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、三級アミンからなる群から選択される変換触媒を更に含む。
【0470】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、イソキノリン、1,2-ジメチルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-イミダゾール、3,5-ジメチルピリジン、3,4-ジメチルピリジン、2,5-ジメチルピリジン、5-メチルベンズイミダゾール等からなる群から選択される変換触媒を更に含む。
【0471】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、変換触媒は、ポリアミド酸溶液の5重量%以下で存在する。
【0472】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、変換触媒は、ポリアミド酸溶液の3重量%以下で存在する。
【0473】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、変換触媒は、ポリアミド酸溶液の1重量%以下で存在する。
【0474】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、変換触媒は、ポリアミド酸溶液の1重量%で存在する。
【0475】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒としてトリブチルアミンを更に含む。
【0476】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒としてジメチルエタノールアミンを更に含む。
【0477】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒としてイソキノリンを更に含む。
【0478】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として1,2-ジメチルイミダゾールを更に含む。
【0479】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として3,5-ジメチルピリジンを更に含む。
【0480】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として5-メチルベンズイミダゾールを更に含む。
【0481】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒としてN-メチルイミダゾールを更に含む。
【0482】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として2-メチルイミダゾールを更に含む。
【0483】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として2-エチル-4-イミダゾールを更に含む。
【0484】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として3,4-ジメチルピリジンを更に含む。
【0485】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、変換触媒として2,5-ジメチルピリジンを更に含む。
【0486】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが50μm未満であるように母材にコーティングされる。
【0487】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが40μm未満であるように母材にコーティングされる。
【0488】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが30μm未満であるように母材にコーティングされる。
【0489】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが20μm未満であるように母材にコーティングされる。
【0490】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが10μm~20μmであるように母材にコーティングされる。
【0491】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが15μm~20μmであるように母材にコーティングされる。
【0492】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが18μmであるように母材にコーティングされる。
【0493】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリアミド酸溶液は、得られるフィルムのソフトベーク厚さが10μm未満であるように母材にコーティングされる。
【0494】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、近接モードにてホットプレート上でソフトベークされるが、この場合、窒素ガスがホットプレートのすぐ上にコーティングされた母材を保持するために使用される。
【0495】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、フルコンタクトモードにてホットプレート上にソフトベークされるが、この場合、コーティングされた母材は、ホットプレート表面と直接接触させられる。
【0496】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、近接モード及びフルコンタクトモードの組み合わせを用いてホットプレート上でソフトベークされる。
【0497】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、80℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0498】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、90℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0499】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、100℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0500】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、110℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0501】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、120℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0502】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、130℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0503】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、140℃に設定されたホットプレートを使用してソフトベークされる。
【0504】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、10分超の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0505】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、10分未満の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0506】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、8分未満の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0507】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、6分未満の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0508】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、4分の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0509】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、4分未満の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0510】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、コーティングされた母材は、2分未満の合計時間に渡りソフトベークされる。
【0511】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、2つの事前選択された時間間隔に渡り、2つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者は、同一であり得る又は異なり得る。
【0512】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、3つの事前選択された時間間隔に渡り、3つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0513】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、4つの事前選択された時間間隔に渡り、4つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0514】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、5つの事前選択された時間間隔に渡り、5つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0515】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、6つの事前選択された時間間隔に渡り、6つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0516】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、7つの事前選択された時間間隔に渡り、7つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0517】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、8つの事前選択された時間間隔に渡り、8つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0518】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、9つの事前選択された時間間隔に渡り、9つの事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0519】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ソフトベークされたコーティングされた母材は、その後、10の事前選択された時間間隔に渡り、10の事前選択された温度で硬化され、それらの後者のそれぞれは、同一であり得る又は異なり得る。
【0520】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、80℃超である。
【0521】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、100℃に等しい。
【0522】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、100℃超である。
【0523】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、150℃に等しい。
【0524】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、150℃超である。
【0525】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、200℃に等しい。
【0526】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、200℃超である。
【0527】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、220℃Cに等しい。
【0528】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、220℃超である。
【0529】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、230℃に等しい。
【0530】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、230℃超である。
【0531】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、240℃に等しい。
【0532】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、240℃超である。
【0533】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、250℃に等しい。
【0534】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、250℃超である。
【0535】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、260℃に等しい。
【0536】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、260℃超である。
【0537】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、270℃に等しい。
【0538】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、270℃超である。
【0539】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、280℃に等しい。
【0540】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、280℃超である。
【0541】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、290℃に等しい。
【0542】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、290℃超である。
【0543】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、300℃に等しい。
【0544】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、300℃未満である。
【0545】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、290℃未満である。
【0546】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、280℃未満である。
【0547】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、270℃未満である。
【0548】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、260℃未満である。
【0549】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された温度は、250℃未満である。
【0550】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分である。
【0551】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、5分である。
【0552】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、10分である。
【0553】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、15分である。
【0554】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、20分である。
【0555】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、25分である。
【0556】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、30分である。
【0557】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、35分である。
【0558】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、40分である。
【0559】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、45分である。
【0560】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、50分である。
【0561】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、55分である。
【0562】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分である。
【0563】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分超である。
【0564】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~60分である。
【0565】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~90分である。
【0566】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~120分である。
【0567】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程を順に含む:変換用化学薬品を含む上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0568】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程から順になる:変換用化学薬品を含む上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0569】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態において、ポリイミドフィルムを調製する方法は、以下の工程から順に本質的になる:変換用化学薬品を含む上述のポリアミド酸溶液を母材にコーティングする工程;コーティングされた母材をソフトベークする工程;複数の事前選択された時間間隔に渡り、複数の事前選択された温度において、ソフトベークしたコーティング母材を処理する工程であって、それにより、ポリイミドフィルムは、本明細書で開示されるようなエレクトロニクス用途での使用に満足できる特性を示す、工程。
【0570】
5.電子デバイス
本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、OLED及びLCDディスプレイなどの電子ディスプレイデバイスにおける多数の層で使用するのに好適であり得る。そのような層の非限定的な例としては、デバイス基板、タッチパネル、カラーフィルターシート用基板、カバーフィルム等が挙げられる。各用途向けの特定の材料の特性要件は、ユニークであり、本明細書に開示されるポリイミドフィルムに対して適切な組成及び加工条件によって対処され得る。
【0571】
いくつかの実施形態においては、上記で詳述されるように、電子デバイスにおけるガラスに代わる柔軟な代替品は、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムである。
【0572】
いくつかの実施形態においては、上記で詳述されるように、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する有機電子デバイスが提供される。
【0573】
いくつかの実施形態においては、上記で詳述されるように、式VIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する有機電子デバイスが提供される。
【0574】
本明細書に記載された少なくとも1つの化合物を含む1つ以上の層を有することから恩恵を受け得る有機電子デバイスは、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、照明デバイス、照明器具又はダイオードレーザー)、(2)エレクトロニクスプロセスによって信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光導電セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、光電管、赤外検出器、バイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイス又は太陽電池)、(4)1つの波長の光をより長い波長の光に変換するデバイス(例えば、ダウンコンバート燐光体デバイス)、及び(5)1つ以上の有機半導体層を含む1つ以上の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスター又はダイオード)を含むが、これらに限定されない。本発明による組成物の他の使用には、メモリ記憶デバイスのためのコーティング材料、帯電防止フィルム、バイオセンサー、電気化学デバイス、固体電解質コンデンサー、再充電可能電池等のエネルギー貯蔵デバイス及び電磁遮蔽用途が含まれる。
【0575】
本明細書に記載されるガラスに代わる柔軟な代替品として作用できるポリイミドフィルムの1つの例を
図1に示す。柔軟なフィルム100は、本開示の実施形態において記載されたような特性を有することができる。いくつかの実施形態においては、ガラスに代わる柔軟な代替品としての役割を果たすことができるポリイミドフィルムが、電子デバイスに含まれる。
図2は、電子デバイス200が有機電子デバイスである場合を示している。デバイス200は、基板100、アノード層110及び第2電気コンタクト層、カソード層130、並びにそれらの間の光活性層120を有する。任意選択的に、更なる層が存在してよい。アノード層に隣接する層は、緩衝層と呼ばれることもある正孔注入層(図示していない)であり得る。正孔注入層に隣接する層は、正孔輸送材料を含む正孔輸送層(図示していない)であり得る。カソード層に隣接する層は、電子輸送材料を含む電子輸送層(図示していない)であり得る。選択肢として、デバイスは、アノード110の隣に1つ以上の更なる正孔注入層又は正孔輸送層(図示していない)及び/又はカソード130の隣に1つ以上の更なる電子注入層又は電子輸送層(図示していない)を使用し得る。110~130の層は、個別に及びまとめて有機活性層と言われる。存在していても、又は存在していなくてもよい更なる層には、カラーフィルター、タッチパネル及び/又はカバーシートが含まれる。基板100に追加して、これらの層の1つ以上を本明細書に開示されるポリイミドフィルムから作製することもできる。
【0576】
いくつかの実施形態においては、異なる層は、以下の範囲の厚さを有する:基板100、5~100ミクロン、アノード110、500~5,000Å、いくつかの実施形態においては1,000~2,000Å、正孔注入層(図示していない)、50~2,000Å、いくつかの実施形態においては200~1,000Å、正孔輸送層(図示していない)、50~3,000Å、いくつかの実施形態においては200~2,000Å、光活性層120、10~2,000Å、いくつかの実施形態においては100~1,000Å、電子輸送層(図示していない)、50~2,000Å、いくつかの実施形態においては100~1,000Å、カソード130、200~10,000Å、いくつかの実施形態においては300~5,000Å。層厚さの所望の比は、使用される材料の正確な性質に依存する。
【0577】
いくつかの実施形態においては、有機電子デバイス(OLED)は、本明細書に開示したガラスに代わる柔軟な代替品を含む。
【0578】
いくつかの実施形態においては、デバイス基板が本明細書に開示されるポリイミドフィルムを含む、有機電子デバイスが提供される。いくつかの実施形態においては、デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)である。
【0579】
いくつかの実施形態においては、有機電子デバイスは、基板、アノード、カソード、及びそれらの間の光活性層を含み、1つ以上の追加の有機活性層を更に含む。いくつかの実施形態においては、追加の有機活性層は、正孔輸送層である。いくつかの実施形態においては、追加の有機活性層は、電子輸送層である。いくつかの実施形態においては、追加の有機層は、正孔輸送層及び電子輸送層の両方である。
【0580】
いくつかの実施形態においては、デバイスは、順に、以下の構造:基板、アノード、正孔注入層、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、電子注入層、カソードを有する。
【0581】
ディスプレイは、ラップトップコンピューター、タブレット、電子書籍リーダー、スマートフォン、及び電子玩具など、携帯用消費電子製品に見い出される。これらの消費製品には、カバー層、タッチスクリーンパネル、ディスプレイパネル、カメラ、及び1つ以上のセンサーを典型的に含む組立体が含まれる。ディスプレイパネルは、アクティブディスプレイ層、薄膜トランジスター(TFT)層、及び基板を含む。カバー層、タッチスクリーンパネル、カメラ、及びセンサーは本技術分野に公知である。
【0582】
特にスマートフォンのための消費製品において、スクリーン表示領域を最大にすることが望ましい。これは、カメラ及びセンサーがディスプレイパネルの後ろに置かれることを必要とする。これは、
図3に図解的に示される。組立体500は、カバー層410、タッチスクリーンパネル420、及びディスプレイパネル430を有する。図において、410、420、及び430は、単一層又は2つ以上の層を表し得る。更に、410、420、及び430は、直接接触していることができるか又は図示されていない、1つ以上の付加的な層がそれらの間にあり得る。タッチスクリーンパネルの反対側の面上の、ディスプレイパネルの後ろにカメラ441、並びに任意選択のセンサー442及び443がある。
【0583】
これを更に
図4に図解的に示す。組立体600はカバー層510、タッチスクリーンパネル520、ディスプレイパネル530、及び基板540を有する。図において、510、520、及び530は単一層又は2つ以上の層を表し得る。更に、510、520、及び530は直接接触していることができるか又は図示されていない1つ以上の付加的な層がそれらの間にあり得る。タッチスクリーンパネルの反対側の、基板の面上のディスプレイパネルの後ろにカメラ551、並びに任意選択のセンサー552及び553がある。ディスプレイパネル530は、アクティブディスプレイ531及びTFT層532を含む。アクティブディスプレイ531は、2つの電気的接触層及びそれらの間の1つ以上の活性層を含む。いくつかの実施形態においては、活性層は、上記のように、OLEDの有機活性層である。いくつかの実施形態においては、活性層は液晶層である。存在し得る付加的な層には、限定されないが、ハードコート外層、色フィルター、光学的に透明な接着剤層、バックライト、及び保護層が含まれる。
【0584】
いくつかの実施形態においては、アクティブディスプレイはアノード、光活性層、及びカソードを含む。
【0585】
この構成におけるディスプレイパネル基板540は光学的に透明でなければならず、また、TFT層532の加工温度に耐えることができなければならない。低温多結晶シリコン(LTPS)TFTのために、加工温度は450~500℃の範囲であり得る。基板540がb*≦10及びTg≧450℃を有することが望ましい。
【0586】
いくつかの実施形態において、カバー層、タッチスクリーンパネル、アクティブディスプレイ、TFT層、及び基板を順に含む組立体が提供され、ここで、カメラ及び任意選択的に1つ以上のセンサーが基板の外面上にあり、更に、基板が、上記のように、式III又は式VIを有するポリイミドフィルムを含む。
【0587】
いくつかの実施形態において、カバー層、タッチスクリーンパネル、アクティブディスプレイ、TFT層、及び基板を順に含む組立体が提供され、カメラ及び任意選択的に1つ以上のセンサーがTFT層とは反対側の基板の面上にあり、更に、基板が、上記のように、式III又は式VIを有するポリイミドフィルムを含む。
【0588】
本明細書に記載されたものと同様の又は同等の方法及び材料は、本発明の実施又は試験において使用できるが、適切な方法及び材料を以下に記載する。更に、材料、方法及び実施例は、例示のためのものに過ぎず、限定することを意図されていない。本明細書に記載される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参照文献は、参照によりそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0589】
本明細書に記載される概念は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない、以下の実施例において更に例示される。
【0590】
略語
6FDA=4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸二無水物
BPDA=3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA=ピロメリット酸二無水物
TAHQ=ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレンエステル
TFMB=2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
【0591】
合成実施例1
この実施例は、ジアミン化合物II-1の調製を例示する。
【0592】
【0593】
1,4-ジブロモ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン。
【0594】
トリフルオロ酢酸(300mL)と硫酸(60mLとの撹拌混合物に1,4-ビス-トリフルオロメチルベンゼン(25g、116.8ミリモル)をすぐに添加し、混合物を加熱して還流し、60℃に冷却し、その後に、2時間に渡って少量ずつN-ブロモスクシンイミド(64.5g、362ミリモル)を添加した。反応混合物を60℃で23時間加熱し、冷却し、沈殿生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させて17.97gの生成物を得た。濾液を340gの氷中に流し込み、追加量の沈殿物を濾過によって集め、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させてより低い純度の18.45gの生成物を得た。1H-NMR(CDCl3):8.01(s,2H).
【0595】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン。
【0596】
上記の1,4-ジブロモ-2,5-ビス-トリフルオロメチルベンゼン(17.97g、48.32ミリモル)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(25.9g、102ミリモル、2.1当量)、酢酸カリウム(24g、24.45ミリモル、5当量)、(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(3.65g、4.99ミリモル)及び1,4-ジオキサン(250mL)の混合物を100℃で窒素雰囲気下で19時間加熱した。反応混合物を冷却し、ヒュームフードに移し、塩基性アルミナ、シリカゲル及びセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させ、トルエンで洗浄した。ロータリーエバポレーターを用いて約30mLの体積まで溶媒を蒸発させ、沈殿物を濾過によって集めた。約10mLの体積まで濾液を更に蒸発させ、追加量の沈殿物を濾過によって集め、メタノールで洗浄した。全収量-14.36g。1H-NMR(CDCl3):1.38(s,24H),7.99(s,2H).
【0597】
2,2’,5’,2’’-テトラ(トリフルオロメチル)-[1,1’:4’,1’’-テルフェニル]-4,4’’-ジアミン。
【0598】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(10.04g、21.5ミリモル)、4-ブロモ-3-トリフルオロメチル-アニリン(15.48g、64.5ミリモル、3当量)、炭酸セシウム(35.03g、107.5ミリモル、5当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.48g、2.15ミリモル、10モル%)、o-キシレン(200mL)の混合物を一晩の間窒素雰囲気下で140℃で加熱した。その後に反応混合物を冷却し、シリカゲル及びセライト(登録商標)が充填されたフィルターを通過させ、ジクロロメタンで溶出した。ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶出を用いて、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって混合物を精製した。生成物含有画分を組み合わせ、分別結晶化によって精製した。1H-NMR(アトロプ異性体の混合物,DMSO-d6):5.79及び5.80(s,4H),6.81(dd,2H,J1=9Hz,J2=2Hz),6.98-7.707(m,4H),7.64及び7.65(s,2H).19F-NMR(アトロプ異性体の混合物,DMSO-d6):57.91,57.86,57.3,57.1.
【0599】
合成実施例2
この実施例は、ジアミン化合物V-2の調製を例示する。
【0600】
【0601】
2’,5’-ビス-トリフルオロメチル-3,3’’-ビス(トリフルオロメトキシ)-[1,1’:4’,1’’-テルフェニル]-4,4’’-ジアミン。
【0602】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(8.5g、18.24ミリモル)、2-トリフルオロメトキシ-4-ブロモ-アニリン(11.67g、45.6ミリモル、2.5当量)、炭酸カリウム(12.6g、91.2ミリモル、5当量)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.354g、3.03ミリモル、0.5モル%)、トルエン(100mL)、水(20mL)及びエタノール(40mL)の混合物を脱気し、95℃で窒素雰囲気下で6時間加熱した。その後に反応混合物を冷却し、水で処理し、空気中で30分間撹拌し、その後に、エチルアセテートを添加した。有機相を分離し、水性相をエチルアセテートで抽出し、合わせたエチルアセテート溶液を、ロータリーエバポレーターを用いてセライト(登録商標)上に吸収し、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶出を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分を合わせて、溶出液を蒸発させ、残留物をジクロロメタン-メタノール混合物中に溶解した。ロータリーエバポレーターを使用して溶媒蒸発させた後の沈殿物を少量ずつ集めて、UPLCによって99.63%超の純度の所望の生成物を合計8.496g得た。MS:565(MH+).1H-NMR(DMSO-d6):5.88(s,4H),6.88(d,2H,J=9Hz),7.11(dd,2H,J1=8Hz,J2=2Hz),7.14(s,2H),7.72(s,2H).13C-NMR(DMSO-d6):142.0,139.5,134.2,130.7,129.0,124.7,122.7,122.1,116.4.19F-NMR(DMSO-d6):56.9,56.4.
【0603】
合成実施例3
この実施例は、ジアミン化合物II-2の調製を例示する。
【0604】
【0605】
N-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド
400mLのジクロロメタン中の3-(トリフルオロメトキシ)アニリン(51.4g、0.29モル)の撹拌溶液に窒素雰囲気下で無水酢酸(32.4g、0.317モル)を滴下し、氷/水浴で混合物を冷却した。溶媒を蒸留除去し、残留物を100mLのメタノール中に溶解し、200mLの水で沈殿させた。固形分を濾過し、真空中で乾燥させて61.3g(0.28モル、96%)のN-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミドを得た。1H-NMR(CDCl3):2.18(s,3H),6.96(d,1H,J=7Hz),7.31(t,1H,J=8Hz),7.37(d,1H,J=8Hz),7.45(br.s,1H),7.54(br.s,1H).
【0606】
N-[4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド
0.5時間に渡って26℃未満の内部温度を維持しながら700mLのクロロホルム中のN-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド(61.3g、0.28モル)の撹拌溶液に臭素を滴下し、混合物を周囲温度で撹拌した。1時間後に形成された沈殿物を濾過によって集め、少量のクロロホルムで洗浄し、真空中で乾燥させて31.4gのN-[4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミドを得て、それを更に精製することなく次の工程のために使用した。クロロホルム溶液を更に蒸発させ、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、位置異性体臭化物を分離し、追加量の生成物を得ることができる。1H-NMR(CDCl3):2.18(s,3H),7.31(dd,1H,J1=9Hz,J2=2Hz),7.53(d,1H,J=9Hz),7.66(br.s,1H),7.68(br.s,1H).
【0607】
4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)アニリン
N-[4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド(31.4g)、エタノール(90mL)、水(30mL)、濃塩酸(20mL)の混合物を100℃で窒素雰囲気下で2時間撹拌しながら加熱した。反応混合物を冷却し、水(300mL)で稀釈し、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタンを最小体積まで蒸留し、ヘキサンで稀釈し、ヘキサン-ジクロロメタン7:3の混合物乃至ジクロロメタンで溶出するフラッシュシリカゲルショートカラム上で精製した。高純度生成物を含有する画分の蒸発後に残留物を乾燥させて4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)アニリン(18g)を得て、少量の不純物を有する画分もまた、回収することができる(約2.5g)。1H-NMR(CDCl3):3.82(br.s,2H),6.49(dd,1H,J1=9Hz,J2=3Hz),6.62-6.64(m,1H),7.33(d,1H,J=9Hz).
【0608】
2’,5’-ビス-トリフルオロメチル-2,2’’-ビス-トリフルオロメトキシ-[1,1’:4’,1’’-テルフェニル]-ジアミン、化合物II-2。
【0609】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(16.3g、34.98ミリモル)、4-ブロモ-3-(トリフルオロメトキシ)アニリン(18g、70.31ミリモル、2.01当量)、炭酸カリウム(24.17g、174.9ミリモル、5当量)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.743g、1.049ミリモル、3モル%)、トルエン(200mL)、水(40mL)及びエタノール(80mL)の混合物を脱気し、100℃で窒素雰囲気下で1.5時間加熱した。その後、反応混合物を冷却し、水(200mL)で希釈した。有機相を分離し、塩基性アルミナ、フロリジル及びシリカゲルが充填されるフィルターを通過させ、ジクロロメタンで溶出した。ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を最小体積まで蒸留除去し、ヘキサンを添加して粗生成物を沈殿させた。生成物を濾過によって集め、80mLの熱ジクロロメタン中に溶解し、その後に、40mLのヘキサンを添加した。沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させて、HPLCによって純度99.86%の7.37gの生成物を得た。濾液をヘキサンで沈殿させて3.255gの生成物を得た。総合収量-10.63g。MS:565(MH+).1H-NMR(DMSO-d6):5.78(br.s,4H),6.60-6.68(m,4H),7.07-7.12(m,2H),7.66及び7.68(s,アトロポ異性体,2H).19F-NMR(DMSO-d6,アトロポ異性体):55.9,55.5,58.36,58.43.
【0610】
合成実施例4
この実施例は、短鎖オリゴフェニレンジアミンの合成を例示する。
【0611】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(20.038g、43.0ミリモル、2当量)、1,4-ジブロモ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(7.998g、21.51ミリモル、1当量)、4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(10.32g、43.0ミリモル、2当量)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)-ジクロロパラジウム(II)(163mg、0.23ミリモル、ボロネ-トに基づいて0.53モル%)、フッ化セシウム(18.4g、121.13ミリモル、5.6当量)、トルエン(200mL)中のアリコート-336(0.803g)、水(40mL)、エタノール(80mL)の混合物を脱気し、加熱して95℃で1時間わずかに還流させ、その後に、4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(3.3g、13.7ミリモル、0.64当量;合計2.64当量)を更に添加して、混合物を1~1.5時間加熱した。その後に反応混合物を冷却し、一晩周囲温度で放置し、より高分子量のオリゴマーの画分を沈殿させた。反応混合物を水(100mL)で稀釈し、より高いオリゴマー画分の沈殿物を濾過によって集め、真空中で一晩乾燥させて、3.24gのより高いオリゴマーを得た。濾液からのトルエン層を分離し、シリカゲルカラムを通過させてヘキサン-ジクロロメタン1:1から3:7の混合物を使用して溶出して過剰なアニリン及びモノアミンオリゴマーを溶出し、その後に、ジクロロメタンを使用してより短いジアミンオリゴマーの画分を溶出した。ロータリーエバポレーターを用いてジクロロメタンを約10mLの体積まで蒸発させ、混合物を20mLのヘキサンで処理し、沈殿物を濾過によって集め、真空中で乾燥させた。2回の反応運転後のより短いオリゴマー部分の平均収量-約5.6g/反応。HPLCデータによる、短いフェニレンジアミンの組成(MS、MH+):テルフェニルジアミン-48.84%(MH+-533)、クォーターフェニルジアミン-4.32%(MH+-745)、キンケフェニルジアミン-45.27%(MH+-957)、セクシフェニルジアミン-1.57%((MH+CH3CN)(2+)-605)、(セプティフェニルジアミン((MH+CH3CN)(2+)-711)、及び1%超~未満)。
【0612】
合成実施例5
この実施例は、より長鎖のオリゴフェニレンジアミンの合成を例示する。
【0613】
2,2’-[2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレン]ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(19.38g、41.59ミリモル、2当量)、1,4-ジブロモ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(7.736g、20.81ミリモル、1当量)、4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(4.994g、20.81ミリモル、1当量)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(320mg、0.4646ミリモル)、フッ化セシウム(17.7g、116.5ミリモル、5.6当量)、トルエン(200mL)中のアリコート-336(0.78g)、水(40mL)、エタノール(80mL)の混合物を脱気し、加熱して95Cで1時間わずかに還流させ、その後に、4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(1.5g、6.24ミリモル)を更に添加して、混合物を5時間加熱した。その後に反応混合物を冷却し、一晩周囲温度で放置してより高分子量のオリゴマーの画分を沈殿させた。反応混合物を水(100mL)で稀釈し、より高いオリゴマー画分の沈殿物を濾過によって集め、真空中で一晩乾燥させて、6.26gのより高分子量のオリゴマーを得た。数日後に追加量の沈殿物(1.269g)が濾液から形成され、それはHPLCデータによれば主にキンケフェニルジアミン(MH+-957)とセクシフェニルジアミン((MH+CH3CN)(2+)-605)との混合物であった。より高いオリゴマーの画分(6.26g)は、固形分を200mLの熱テトラヒドロフランで処理し、濾過し、テトラヒドロフランを約10mLまで蒸発させ、ヘキサン(100mL)によるより長いオリゴマーの分別沈殿により、更に精製することができた。HPLCデータによる、濃縮されたより長鎖のフェニレンジアミンの第1の画分の組成:より短いオリゴマー約24%、キンケフェニレン-16%(キンケフェニルジアミン、MH+-957)、セクシフェニレン-39%(セクシフェニルジアミン-((MH+CH3CN)(2+)-605)、セプティフェニレン-10%(セプティフェニルジアミン-((MH+CH3CN)(2+)-711)、オクタフェニレン-8%(オクタフェニルジアミン-((MH+CH3CN)(2+)-817)、ノビフェニレン-2%(ノビフェニルジアミン-((MH+CH3CN)(2+)-923)、より高いオリゴマー(<1%)。
【0614】
合成実施例6
この実施例は、ジアミン化合物II-27の調製を例示する。
【0615】
【0616】
2,2’,2’’,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-[1,1’:4’,1’’-テルフェニル]-4,4’’-ジアミン-d8(化合物II-27)。
【0617】
400mLのハステロイ(Hastelloy)シェーカーチューブ反応器に2,2’,2’’,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)-[1,1’:4’,1’’-テルフェニル]-4,4’’-ジアミン(20g)、酸化重水素(200g)、5%パラジウム担持炭素(1.6g)、水酸化カリウム(0.8g)を入れ、低温脱気し、封止し、280Cで4時間攪拌しながら加熱した。その後に反応器の内容物をトルエンで稀釈し、セライト(登録商標)が充填されるフィルターを通過させ、クロロホルム及びジクロロメタンで、次いでテトラヒドロフランで洗浄した。水性相を分離し、クロロホルムで抽出し(2回)、クロロホルム相及びジクロロメタン相を合わせた。ロータリーエバポレーターを用いて約20mlの体積まで溶媒を除去し、沈殿物を濾過によって集め、乾燥させて13.28gの生成物を得た。濾液をヘキサンで稀釈し、沈殿物を濾過によって集め、乾燥させて3.27gの生成物を得た。ロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフランを蒸留除去し、残留物をヘキサンで処理し、沈殿物を濾過し、乾燥させて0.75gの生成物を得た。セライト(登録商標)を通過した後の粗生成物の全収量-17.3g。テトラヒドロフラン中に溶解し、中性アルミナが充填されたフィルターを通過させ、テトラヒドロフランを蒸発させ、ヘキサンを添加してジクロロメタンから残留物を結晶化させて粗生成物を更に精製し、UPLCによって99.5%超の純度の生成物を得た。ヘキサンとジクロロメタンとの混合物による勾配溶出を用いるシリカゲルカラム上のカラムクロマトグラフィー精製を用いてUPLCによって99.98%超の純度の生成物が得られた。MS:M+=540.紫外・可視(アセトニトリル-水):λmax=305(sh),249 nm.
【0618】
ポリアミド酸の実施例1
この実施例は、式IIを有するジアミン、化合物II-1を使用する、ポリアミド酸、PAA-1の調製を例示する。
【0619】
窒素入口及び出口並びにメカニカルスターラーを備えた250mL反応フラスコ内に10.65gのM1133(0.02モル)及び84.01gの1-メチル-2-ピロリジノン(NMP)を入れた。混合物を窒素雰囲気下、室温で約30分間攪拌した。その後、5.65gのBPDA(0.0192モル)をジアミンの撹拌溶液にゆっくりと少しずつ添加し、その後に、0.18gの6FDA(0.0004モル)を少しずつ添加した。最大反応温度を30℃未満に保つために、二無水物の添加速度を制御した。二無水物の添加が終了した後、更なる9.33gのNMPを使用して、容器及び反応フラスコの壁から残留している二無水物粉末を洗い流した。得られた混合物を9日間撹拌した。BPDAを経時的に少量(約0.029g)ずつ添加してポリマーの分子量及びポリマー溶液の粘度を増加させた。ブルックフィールドコーンプレート型粘度計(Brookfield cone and plate viscometry)を使用して、試験のため反応フラスコから少量の試料を除去することによって溶液粘度を監視した。合計0.087g(0.0003モル)のBPDAを添加した。反応は、ポリマー平衡化を可能にするために室温にて穏やかな攪拌下で一晩進行させた。ポリマー溶液の最終粘度は、25Cで23,060cpsであった。
【0620】
ポリアミド酸の実施例2~7
ポリアミド酸の実施例1に類似した方法でポリアミド酸PAA-2~PAA-7を調製した。NMPの代わりにジメチルアセトアミド(DMAc)中でPAA-6を調製した。
【0621】
組成物を以下の表1に要約する。
【0622】
【0623】
ポリアミド酸の実施例8
この実施例は、式IIを有するジアミン、重水素化化合物II-27を使用する、ポリアミド酸、PAA-8の調製を例示する。
【0624】
窒素入口及び出口並びにメカニカルスターラーを備えた250mL反応フラスコ内に6.578gの重水素化化合物II-27(0.01217モル)、49mlの1-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、3.419gのBPDA(0.01162モル)を入れた。混合物を室温の窒素下で約3時間撹拌し、その後に、3mlのNMPに溶解された0.108gの6FDA(0.00024モル)を添加した。6mlのNMP中のBPDA(55mg)を経時的に少量ずつ添加して、ポリマー溶液の最終粘度が25℃で7255cPになるまでポリマーの分子量を増加させた。
【0625】
フィルム実施例1~7
これらの実施例は、上に調製されたポリアミド酸からのポリイミドフィルムの調製を例示する。PAA-1を使用してポリイミドフィルムPI-1を形成し、PAA-2を使用してPI-2を形成し、PAA-3を使用してPI-3を形成し、PAA-4を使用してPI-4を形成し、PAA-5を使用してPI-5を形成し、PAA-6を使用してPI-6を形成し、PAA-7を使用してPI-7を形成した。
【0626】
ポリアミド酸の実施例1~7からの各々のポリアミド酸溶液をマイクロフィルターを介して濾過し、清浄なシリコンウェハー上にスピンコートし、ホットプレート上で、90℃でソフトベークし、炉内に置いた。炉を窒素でパージし、段階的に最高硬化温度に加熱した。ウエハーを炉から取り出し、水に浸漬させ、手動で離層し、ポリイミドフィルムの試料を得た。硬化温度及びフィルム特性を以下の表2に示す。
【0627】
Hunter Lab分光測光計を使用して、360nm~780nmの波長範囲に渡って%透過率(%T)と共にb*及び黄色度指数を測定した。フィルムの熱測定は、本明細書で報告される特定のパラメータに適切な熱重量分析及び熱機械分析の組み合わせを使用して行った。機械特性は、インストロンの機器を使用して測定した。
【0628】
【0629】
全ての場合において、フィルムのTgは450℃超であり、それはTgを測定するために使用される計測器の上限であった。
【0630】
フィルム実施例8
この実施例は、重水素化ポリアミド酸からのポリイミドフィルムの調製を例示する。
【0631】
ポリイミドフィルムPI-8は、フィルムPI-1~PI-7について前述したようにポリアミド酸PAA-8から調製した。最高硬化温度は430℃であり、得られたフィルムの厚さは10μmであった。
【0632】
概要又は実施例において上に記載された行為の全てが必要であるわけではないこと、特定の行為の一部が必要とされない場合があること及び1つ以上の更なる行為が、記載されているものに加えて行われ得ることに留意されたい。更にまた、行為が列挙される順番は、必ずしも行為が行われる順番ではない。
【0633】
上述の本明細書では、概念を特定の実施形態に関連して記載してきた。しかしながら、当業者であれば、様々な修正形態及び変更形態が、以下の特許請求の範囲に示した本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するであろう。従って、本明細書及び図は、限定的な意味ではなく、例示に関連し、全てのこのような修飾形態は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0634】
利益、他の利点及び問題の解決策が特定の実施形態に関して前述された。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点又は解決策を生じさせ得るか又はより顕著にし得る任意の特徴は、任意の又は全ての請求項の、決定的に重要であるか、必要とされるか又は不可欠な特徴であると解釈するべきではない。
【0635】
明確にするために、特定の特徴は、別個の実施形態との関連で本明細書に記載され、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることも十分に理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で記載した様々な特徴は、個別に又は任意の部分的な組み合わせでも提供され得る。本明細書で明記した様々な範囲の数値の使用は、記述される範囲内の最小値及び最大値が両方とも「約」という言葉によって先行されるかのように近似値として記述されている。この形式では、記述範囲の上下のわずかな変動は、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するために用いることができる。また、これらの範囲の開示は、1つの値の構成要素のいくつかが、異なる値の構成要素と混合されるときに生じ得る小数値を含む、最小平均値と最大平均値との間のあらゆる値を含む連続した範囲であることを意図する。更に、より広い及びより狭い範囲が開示されるとき、1つの範囲からの最小値を別の範囲からの最大値と合わせることは、本発明の想定内にあり、その逆も同様である。