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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】安定な噴霧乾燥フレーバー組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20241106BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20241106BHJP
   A23D 7/005 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A23L27/00 C
C11B9/00 Z
A23D7/005
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021575919
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2020066952
(87)【国際公開番号】W WO2020254495
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】62/864,584
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェアマン,グレゴリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ドーン,アロイシウス,ラムベルツッス
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-509666(JP,A)
【文献】特開平11-266846(JP,A)
【文献】谷口久次,米糠含有成分の機能性とその向上,日本食品科学工学会誌,2012年,第59巻、第7号,pp.301-318
【文献】UV Lay Ma, GR Ziegler, JD Floros,Effect of sucrose on physical properties of spray-dried whole milk powder,Journal of Food Science,The Institute of Food Technologies,2008年11月03日,Vol73No9,E431-E438
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L、C11B、A23D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む噴霧乾燥フレーバー組成物:
水溶性マトリックスを含む酸化安定な噴霧乾燥粒子、該マトリックス
i)充填剤;
(ii)マトリックスの総重量に基づき、マトリックス中にカプセル化された5~25%の脂肪成分;および
(iii)可溶性米ぬかとオーツ麦油の乳化剤の組み合わせ、ここで、可溶性米ぬかとオーツ麦油は乳化剤と抗酸化剤の両方であり、該組み合わせは、噴霧乾燥フレーバー組成物に対して乳化および改善された抗酸化活性を提供する、
を含む
ここで、前記乳化剤の組み合わせが、マトリックスの総重量に基づき、10%~20%の量で存在する、前記噴霧乾燥フレーバー組成物
【請求項2】
脂肪成分が肉脂肪から選択される、請求項1に記載の噴霧乾燥組成物。
【請求項3】
さらに、緻密化剤を含む、請求項1に記載の噴霧乾燥フレーバー組成物。
【請求項4】
緻密化剤がスクロースである、請求項に記載の噴霧乾燥フレーバー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、湿気および酸素に安定な噴霧乾燥フレーバー組成物およびかかるフレーバー組成物を製造する方法に関する。より具体的に、本開示は、相乗的な抗酸化効果を有する可溶性米ぬかとオート麦油との組み合わせを含む噴霧乾燥粒子を含む安定な噴霧乾燥フレーバー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
マトリックスをカプセル化する固体中に揮発性の構成要素をカプセル化することは、周知の方法である。利点は多数あり、例えば、(i)保管中の望ましくない蒸発に対する揮発性の構成要素の保護、(ii)酸化および加水分解などの化学的な分解に対して化学的に高感度の構成要素の保護、および(iii)カプセル化された構成要素の放出を制御する可能性を包含する。
【0003】
無数の方法が、カプセル化された揮発性成分を含む固体を製造するために使用され得る。しかしながら、揮発性の構成要素をカプセル化するための最も一般的かつ経済的な方法は、揮発性の構成要素を、封入材料を含む水性相中で乳化して水中油型エマルションを形成する、およびこのエマルションを噴霧乾燥、噴霧造粒または噴霧コーティングすることによって乾燥エマルションを得るステップを含む。乾燥製品の形態学は、ガラス状の、極性の、カプセル化マトリックスにおける多数の油滴のものである。極性のカプセル化マトリックスは、通常、炭水化物材料、例えば、加工デンプン、マルトデキストリン、単糖、二糖、およびガム(gum)に基づく。揮発性成分を食材、すなわちクリーンラベル製品から作られたマトリックスにカプセル化することも望ましい。
よって、改善された酸化保護を備えた噴霧乾燥フレーバー組成物(人工およびクリーンラベルの両方)を提供する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0004】
概要
一の例示の態様において、噴霧乾燥フレーバー組成物は、(i)充填剤;(ii)マトリックスの総重量に基づき、マトリックス中にカプセル化された少なくとも約1%の脂肪成分;および(iii)可溶性米ぬかとオーツ麦油との組み合わせ、該組み合わせは、噴霧乾燥フレーバー組成物に対して乳化および改善された抗酸化活性を提供する、を含む水溶性マトリックスを含む、安定な噴霧乾燥粒子を含む。
特定の態様の、これらのおよび他の特色、側面および利点は、本開示を読むことから当業者に明らかになるだろう。
【0005】
詳細な説明
以下のテキストは、本開示の無数の異なる態様の広い説明を述べるものである。すべての実行可能な態様を記載することは不可能ではないが非実際的であるため、説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、およびすべての実行可能な態様を記載するものではない。本明細書に記載のあらゆる特色、特徴、構成要素、組成物、成分、製品、ステップまたは方法論は、全体または部分において、削除することができ、または本明細書に記載のあらゆる特色、特徴、構成要素、組成物、成分、製品、ステップまたは方法論と組み合わせることができ、またはこれで置換することができることが理解されるだろう。無数の代替の態様は、現在の技術またはこの特許の出願日後に開発される技術のいずれかを使用して実施することができ、それは依然として特許請求の範囲の範囲内である。本明細書に引用されているすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本開示は、水溶性マトリックスを含む安定な噴霧乾燥粒子を有する噴霧乾燥フレーバー組成物に関する。本開示に従うマトリックスは、(i)充填剤;(ii)マトリックスの総重量に基づき、マトリックス中にカプセル化された少なくとも約1%の脂肪成分;および(iii)可溶性米ぬかとオーツ麦油との組み合わせ、該組み合わせは、噴霧乾燥フレーバー組成物に対して乳化および改善された抗酸化活性を提供する、を含む。
【0007】
用語「乳化剤」は、本明細書に使用されるとき、普通の条件下ではその構成要素部分に分離するだろう2以上の液体物質の混合を促進する表面活性剤を意味することが意図される。一態様において、乳化剤は、可溶性米ぬかであり得る。可溶性米ぬかは、玄米を白米に変換して生成されたぬかの削りくずに由来する栄養製品である。例えば、RiceBran Technologies, Scottsdale, AZからのRISOLUBLE、α-アミラーゼ処理された安定化米ぬかの可溶性抽出物を包含する、様々な可溶性米ぬかが商業的に容易に入手可能である。
【0008】
別の態様において、乳化剤は、オーツ麦油であり得る。Swedish Oat Fiber ABからのSWEOAT Oilを包含する、様々なオーツ麦油が商業的に容易に入手可能である。本明細書でさらに論じられるとおり、可溶性米ぬかおよびオーツ麦油は、乳化剤と抗酸化剤の両方である。
【0009】
別の態様において、乳化剤はジャガイモタンパク質であり得る。ジャガイモタンパク質は、優れた溶解性および良好な乳化および発泡能力の点で高度に機能的である。ジャガイモは安価で広く入手可能な農産物であり、そのタンパク質はほとんどの主要な植物タンパク質と比較して高い栄養価を有し、卵タンパク質のそれに近い。重要なことに、ジャガイモタンパク質はGRASおよび非アレルギー性であると見なされており、ゆえに食品ラベルに宣言しなければならない既知の食品アレルゲンのリストには包含されていない。さらに、ジャガイモタンパク質は、KosherおよびHalal認証を受け得、遺伝子組み換え不使用(non-GMO)であり得る。例示のジャガイモタンパク質は、例えば、オランダ、VeedamのAVEBEの子会社であるSolanicから入手可能である。ジャガイモタンパク質は、80%~95%のタンパク質を含有する濃縮物および分離物の形態で商業的に入手可能である。
【0010】
別の態様において、乳化剤はデキストリンであり得る。デキストリンは、デンプンまたはグリコーゲンの加水分解によって製造される低分子量の炭水化物の群である。食品産業において使用されるデキストリンは白色デキストリンとして分類され、それらが由来するデンプン(実例として、ジャガイモ、トウモロコシまたは米)よりも低粘性である。一態様において、デキストリンは、トウモロコシ由来である。別の態様において、乳化剤は、ビーフストックタンパク質、ビーフ骨髄抽出物、チキンストックタンパク質、チキンゼラチン、柑橘類ペクチン、卵黄、アルブミン、ゼラチン加水分解物、ポークストックタンパク質、シュガービートペクチン、ターキーストックタンパク質、ホエータンパク質濃縮物、大豆タンパク質、ヨーグルト、無脂乳固形分、キラジャ抽出物、エンドウ豆タンパク質、ひよこ豆タンパク質および米ぬかタンパク質から選択されてもよい。
【0011】
別の態様において、乳化剤は、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸とソルビトールまたはサッカリドまたはそれらのアルコキシル化誘導体との組み合わせ由来のエステル、または酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸および乳酸のエステル、例えば、商品名TWEEN、POLYSORBATEおよびADMULから選択される。別の態様において、好適な乳化剤は、フィルム形成ガム、加工デンプン、ペクチン、アルギナート、粘液およびそれらの混合物であり得る。例えば、乳化剤は、アラビアガム、アカシアガム、トラガカント、カラヤ、ガッティ、寒天、カラギーナン、フセラン、オオバコおよびそれらの混合物であり得るか、またはゼラチン、デキスタン、キサンタン、カードラン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、低メトキシペクチン、アルギン酸プロピレングリコールおよびそれらの混合物からのものであり得る。好適な化学的に修飾されたデンプンの例は、Capsul(R)およびN-LOK(National Starch)である。別の態様において、好適な乳化剤は、ヒマワリレシチンであり得る。
【0012】
マトリックスに存在する乳化剤の量は、幅広く変化することができ、および噴霧乾燥粒子の対象とする消費者、または対象とする製品形態の具体的な必要性に基づいてもよい。また、存在する乳化剤の量は、良好なカプセル化を製造するために良好なエマルションを形成するために必要とされるように調整される、パーセントのフレーバー投入量に依存するであろう。ある例示の態様において、乳化剤は、マトリックスの総重量に基づき、約5重量%~約30重量%の量において存在してもよい。別の態様において、乳化剤は、マトリックスの総重量に基づき、約7重量%~約25重量%の量において存在してもよい。別の態様において、乳化剤は、マトリックスの総重量に基づき、約10重量%~約20重量%の量において存在してもよい。
【0013】
本開示に従うマトリックスの別の成分は充填剤である。一態様において、充填剤は、グルコースシロップ、可溶性繊維およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「グルコースシロップ」は、グルコース固体を含有する水性組成物を指す。グルコースシロップは、グルコースシロップ固体、乾燥グルコースシロップ、乾燥ポテトシロップまたはポテトシロップ固体とも称され得る。グルコースシロップは、20を超えるデキストロース当量を有する食用デンプンから得られる栄養性糖類の精製水溶液である。それは主に食品産業の成分であり、デンプン加水分解物またはデンプンシロップのグループに属する。グルコースシロップを製造するために、デンプン粒は野菜原料(大抵はトウモロコシ、小麦、大麦、米、キャッサバおよびジャガイモ)から抽出され、酸および/または微生物酵素で処理されて甘いシロップが製造され、次いで精製され、所望の濃度に蒸発される。一態様において、充填剤はジャガイモグルコースシロップである。ある例示の態様において、グルコースシロップは、マトリックスの総重量に基づき、約40重量%~約99.9重量%の量で存在してもよい。別の態様において、グルコースシロップは、マトリックスの総重量に基づき、約95重量%の量で存在してもよい。ジャガイモグルコースシロップは、例えば、オランダ、VeedamのAVEBEから市販されている。
【0014】
可溶性繊維は、様々なデンプン源由来であり得る。一態様において、デンプン源は、穀物(トウモロコシ、小麦、米、およびそれらの組み合わせを包含する)、ジャガイモ、またはタピオカを包含し得る。トウモロコシを出発原料として使用する場合、可溶性繊維組成物は、ときには、SCF(可溶性トウモロコシ繊維)と称される。マトリックスのある態様が、可溶性トウモロコシ繊維を参照して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明のある態様において、可溶性トウモロコシ繊維の代わりに他の可溶性繊維を使用できることを理解するであろう。ある例示の態様において、可溶性繊維は、マトリックスの総重量に基づき、約40重量%~約99.9重量%の量で存在してもよい。別の態様において、可溶性繊維は、マトリックスの総重量に基づき、約95重量%の量で存在してもよい。好適な市販の可溶性繊維製品(トウモロコシおよび/または小麦に基づく)は、Tate & Lyle Health & Nutrition Sciences, Hoffman Estates, ILから入手可能なPROMITOR Soluble Corn Fiber 70Lまたは70R;Roquette America, Inc., Keokuk, IA から入手可能なNUTRIOSE FM06またはFM10;およびAgrana Beteiligungs-AG, Vienna, Austriaから入手可能なQUEMINAを包含する。
【0015】
別の態様において、充填剤はマルトデキストリンであり得る。ある例示の態様において、マルトデキストリンは、マトリックスの総重量に基づき、約20重量%~約75重量%の量において存在してもよい。別の態様において、マルトデキストリンは、マトリックスの総重量に基づき、約40重量%~約60重量%の量において存在してもよい。例えば、タピオカ、トウモロコシおよびジャガイモからのマルトデキストリンを包含する、様々なマルトデキストリンが容易に商業的に入手可能である。一態様において、ジャガイモマルトデキストリンは、例えば、オランダ、VeedamのAVEBEから商業的に入手可能である。
【0016】
別の態様において、充填剤は、チコリ根繊維(例として、FIBRULOSE F97)、イヌリン、または糖、単糖類および二糖類、糖アルコールおよびポリオールなどの可塑剤から選択されてもよい。
【0017】
一態様において、マトリックスはまた、その中にカプセル化された脂肪成分を含む。一態様において、カプセル化された成分は、特定のクラスの分子に限定されない。それは、物質、化合物、および/または成分、単独またはそれらの混合物を指し得る。
【0018】
一態様において、脂肪成分は肉脂肪から選択される。好適な脂肪成分の例は、これらに限定されないが、鶏肉、七面鳥、子羊肉、牛肉、ハム、豚肉、ベーコン、鹿肉、子牛肉、鴨肉、およびそれらの組み合わせを包含する。別の態様において、脂肪成分は、カプセル化または抗酸化添加物によって保護されていない場合に酸化することが知られている水不溶性油相、例えば、動物または植物源の任意の脂肪、ならびに天然または合成フレーバー油を包含する。
【0019】
ある例示の態様において、脂肪成分は、少なくとも約1%;別の態様において最大約70%;別の態様において、約1%~約70%;さらに別の態様において、約5%~約25%の量で存在してもよい。
【0020】
一態様において、マトリックスはまた、オート麦油であってもよい抗酸化剤を含む。例えば、Swedish Oat Fiber ABからのSWEOAT Oilを包含する、様々なオート麦油が容易に商業的に入手可能である。別の態様において、マトリックスは、可溶性米ぬかであってもよい抗酸化剤を含む。例えば、RiceBran Technologies, Scottsdale, AZからのRISOLUBLE、α-アミラーゼ処理安定化米ぬかの可溶性抽出物を包含する、様々な可溶性米ぬかが商業的に容易に入手可能である。
【0021】
抗酸化剤は、食品の酸化を遅らせるか阻害する化合物である。食品に添加されると、それらは、酸敗を最小限に抑え、通常の色を維持し、栄養品質を維持し、貯蔵寿命を延ばす。
【0022】
本開示に従って、オーツ麦油と可溶性米ぬかが組み合わされる。オーツ麦油と可溶性米ぬかのこの組み合わせは、抗酸化活性に関する相乗活性を提供する。可溶性米ぬかも、オーツ麦油も、噴霧乾燥粒子で単独で使用された場合、組み合わせた場合にそれらが発揮するような効果的な抗酸化活性を発揮しない(オーツ麦油と米ぬかの両方とも単独で使用した場合は優れた抗酸化剤であるにもかかわらず)。理論に制限されることなく、相乗活性は酸化保護のメカニズムの違いに起因すると考えられ、つまり、可溶性米ぬかはそのフィチン酸に依存して酸化を遅らせる金属キレート剤として作用し、一方オーツ麦油はトコフェロールなどの天然のフリーラジカルスカベンジャーを含有する。さらに、オーツ麦油と可溶性米ぬかのこの組み合わせは、例えば、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、メチルパラベン(MP)、エチルパラベン(EP)、プロピルパラベン(PP)、ブチルパラベン(BP)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、α-トコフェロール(alpha-t)およびα-トコフェロールアセタート(alpha-ta)などの合成抗酸化剤の天然代替物として機能する。
ある例示の態様において、抗酸化剤は、マトリックスの総重量に基づき、約0.05重量%~約2重量%の量で存在してもよい。
【0023】
脂肪成分に加えて、マトリックスは、その中にカプセル化された少なくとも1の活性な構成要素を含んでいてもよい。一態様において、少なくとも1の活性な構成要素は、揮発性のフレーバーおよびフレグランスから選択される。用語「フレーバーまたはフレグランス」は、フレーバーまたはフレグランス成分あるいは天然および合成起源の両方のフレーバーおよび/またはフレグランス産業における現在の使用の組成物を網羅する。それは、単一の化合物および混合物を包含する。かかるフレーバーまたはフレグランス成分の特定の例は、現在の文献、例としてFenaroli's Handbook of flavour ingredients, 1975, CRC Press; Van Nostrandによって編集されたSynthetic Food adjuncts, 1947 by M. B. Jacobs;またはPerfume and Flavor Chemicals by S. Arctander, 1969, Montclair, N.J. (USA)に見出され得る。フレーバー成分またはフレグランス成分は、溶媒、アジュバント、添加剤および/または他の構成要素、一般にフレーバーおよびフレグランス産業における現在の使用のもの、との混合物の形態において存在してもよい。
【0024】
フレーバーおよびフレグランス組成物は、芳香族およびフレグランス成分、例えば、テルペン、テルペン誘導体、エステル、アルコール、エーテル、ケトン、ラクトン、アルデヒド、アントラニラート、ニトリル、メルカプタン、N-およびS-ヘテロ環等の広く多様な混合物を包含してもよい。
【0025】
好適なフレーバー成分の例は、これらに限定されないが、天然のフレーバー、人工のフレーバー、スパイス、調味料、合成フレーバーオイル、および香味芳香族および/またはオイル、含油樹脂、エッセンス、および蒸留物、および上記の少なくとも1を含む組み合わせを包含する。
【0026】
フレーバーオイルは、スペアミントオイル、シナモンオイル、ウィンターグリーンのオイル(サリチル酸メチル)、ペパーミントオイル、ハッカオイル、クローブオイル、ベイオイル、アニスオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ニオイヒバオイル、ナツメグのオイル、オールスパイス、セージのオイル、メース、ビターアーモンドのオイル、およびカッシアオイルを包含する;有用な香味剤は、人工の、天然の、および合成のフルーツフレーバー、例えば、バニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを包含するシトラスオイル、およびリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ラズベリー、ブラックベリー、セイヨウスグリ、ブルーベリー、イチゴ、サクランボ、プラム、プルーン、レーズン、コーラ、ガラナ、ネロリ、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、サクランボ、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを包含するフルーツエッセンスなどを包含する。
【0027】
フレーバー成分によって与えられる追加の例示のフレーバーは、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、ティーフレーバー、例えば緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバー;ミントフレーバー、例えばペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびハッカフレーバー;スパイシーフレーバー、例えばアサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、ササフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、
【0028】
エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、トウシミキフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、パセリフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(wasabi)(ワサビ(Japanese horseradish))フレーバー;ナッツフレーバー、例えばアーモンドフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、マカダミアナッツフレーバー、ピーナッツフレーバー、ピーカンフレーバー、ピスタチオフレーバー、およびクルミフレーバー;フローラルフレーバー;および野菜フレーバー、例えばオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーを包含する。
【0029】
いくつかの態様に従って、フレーバー成分はまた、アルデヒドおよびエステルを包含し得、例えばシンナミルアセタート((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イルアセタート);シンナムアルデヒド((2E)-3-フェニルプロパ-2-エナール);シトラールジエチルアセタール((E)-1,1-ジメトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン)、ジヒドロカルビルアセタート(2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロ酢酸ヘキシル)、オイゲニルホルマート((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート)、p-メチルアニソール(1-メトキシ-4-メチルベンゼン)などが使用され得る。
【0030】
アルデヒド香味料のさらなる例は、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド)(リコリス、アニス)、シンナミックアルデヒド((2E)-3-フェニルプロパ-2-エナール)(シナモン)、シトラール(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール)、すなわち、アルファ-シトラール((EE)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、ベータ-シトラール((EZ)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボアルデヒド)(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド((EまたはZ)-2-ベンジリデンへプタナール)(スパイシーフルーティーフレーバー)、
【0031】
ブチルアルデヒド(ブタナール)(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(ペンタナール)(バター、チーズ)、シトロネラル(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール)(修飾体(modifies)、多くのタイプ)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC-8(オクタナール)(シトラスフルーツ)、アルデヒドC-9(ノナナール)(シトラスフルーツ)、アルデヒドC-12(ドデカナール)(シトラスフルーツ)、2-エチルブチルアルデヒド(2-エチルブタナール)(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、トランス-2ヘキセナール(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(4-メチルベンズアルデヒド)(チェリー、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(3,4-ジメトキシベンズアルデヒド)(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、すなわち、メロナール(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(ミドリ色フルーツ)、および2-ドデセナール(シトラス、マンダリン)等を包含する。
【0032】
別の態様において、フレーバー成分は、メイラード反応に由来する天然化合物を包含する。
【0033】
噴霧乾燥粒子は、少なくとも1の活性な構成要素の粒子の、約0.5重量%~約50重量%、別の態様において約1重量%~約30重量%、もう1つの態様において約25重量%、または範囲内の任意の個々の数を包含してもよい。一態様において、フリーの活性な構成要素のレベル(すなわち、表面オイルのレベル)は、噴霧乾燥粒子の約1.5重量%より低く、別の態様において約1重量%より低く、別の態様において約0.3重量%より低く、およびもう1つの態様において約0.15重量%よりも低い。表面オイルのレベルは、最小化されるべきである。プロセシングおよび/またはカプセル化性能に負の影響なく許容され得る表面オイルの量は、その揮発性および酸化安定性を決定するだろうフレーバーの組成に依存するだろう。より低いオイルローディングおよび乳化剤レベルを増大させることは表面オイルを低減させるのを助けるだろう。より高いオイルローディングのために、天然の糖および食品の酸を含有する果実または野菜濃縮物などの可塑剤の付加は表面オイルを低減させるのを助けるだろう。
【0034】
本開示のフレーバー組成物は、多種多様の消耗品または用途において使用されてもよく、あらゆる具体的な物理的モードまたは製品形態に限定されるものではない。本開示に従って、用語「消耗品」は、楽しみ、栄養、または健康およびウェルネス利益の少なくとも1の目的のために、典型的には口腔を介した、対象による消費(消費は吸入などの非経口手段を介して生じてもよい)のための製品を指す。消耗品はあらゆる形態で存在してもよく、これらに限定されないが、液体、固体、半固体、錠剤、カプセル、トローチ、ストリップ、粉末、ゲル、ガム、ペースト、スラリー、溶液、懸濁液、シロップ、エアロゾルおよびスプレーを包含する。用語はまた、例えば、食事および栄養補助食品も指す。消耗品は、廃棄される前にある期間口腔内に置かれるが、飲み込まれない組成物を包含する。それは消費される前に口に置かれてもよく、またはそれは廃棄される前にある期間口に保持されてもよい。
【0035】
広く、消耗品は、これらに限定されないが、すべての種類の食料品、セイボリー製品、菓子製品、焼成製品、甘味製品、発酵製品、乳製品、飲料、オーラルケア製品、機能性食品および医薬品を包含する。
【0036】
例示の食料品は、これらに限定されないが、冷蔵スナック、甘いおよびセイボリースナック、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押出成形スナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他の甘いおよびセイボリースナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食用バー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、ミールリプレイスメント製品、スリミング(slimming)製品、回復期用ドリンク、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、冷蔵レディミール、ディナーミックス、肉代替品、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、脱水スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、UHTスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボウル入りインスタント麺、袋詰めインスタント麺、冷蔵麺、スナック麺、乾燥食品、デザートミックス、ソース、ドレッシングおよび調味料、ハーブおよび香辛料、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、およびイーストベースのスプレッドを包含する。
【0037】
例示の菓子製品は、これらに限定されないが、チューインガム(糖化ガム、無糖ガム、機能的ガムおよびバブルガムを包含する)、センターフィル(centerfill)菓子、チョコレートおよび他のチョコレート菓子、薬用菓子、トローチ(lozenge)、錠剤、トローチ(pastille)、ミント、標準的なミント、パワーミント、噛み応えのあるキャンディー、ハードキャンディー、ボイルドキャンディー、ブレスおよび他のオーラルケアフィルムまたはストリップ、キャンディーケイン、ロリポップ、グミ、ゼリー、ファッジ、キャラメル、硬いおよび柔らかい糖衣製品、トフィー、タフィー、リコリス、ゼラチンキャンディー、ガムドロップ、ゼリービーンズ、ヌガー、フォンダン、上の1以上の組み合わせ、および上の1以上を組み込む可食のフレーバー組成物を包含する。
【0038】
例示の焼成製品は、これらに限定されないが、アルファホレス(alphajores)、パン、包装された/工業的なパン、包装されていないパン/職人のパン、ペストリー、ケーキ、包装された/工業的なケーキ、包装されていない/職人のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングビスケット、サンドイッチビスケット、フィルドビスケット、セイボリービスケットおよびクラッカー、およびパン代用品を包含する。
【0039】
例示の甘味製品は、これらに限定されないが、朝食用シリアル、食べられる状態になっている(「rte」)シリアル、ファミリー用の朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他の食べられる状態になっているシリアル、子ども用の朝食用シリアル、およびホットシリアルを包含する。
【0040】
例示のセイボリー製品は、これらに限定されないが、塩気のあるスナック(ジャガイモチップ、クリスプ、ナッツ、トルティーヤトスタダ、プレッツェル、チーズスナック、コーンスナック、ポテトスナック)、食べられる状態になっているポップコーン、電子レンジ可能なポップコーン、豚肉の皮、ナッツ、クラッカー、クラッカースナック、朝食用シリアル、肉、アスピック、保存加工肉(ハム、ベーコン)、昼食用/朝食用肉(ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ)、トマト製品、マーガリン、ピーナッツバター、スープ(透明、缶詰、クリーム、インスタント、超高温「UHT」)、缶詰野菜、およびパスタソースを包含する。
【0041】
例示の乳製品は、これらに限定されないが、チーズ、チーズソース、チーズベースの製品、アイスクリーム、インパルス(impulse)アイスクリーム、シングルポーション乳製アイスクリーム、シングルポーション氷菓、マルチパック乳製アイスクリーム、マルチパック氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製アイスクリーム、アイスクリームデザート、大容量アイスクリーム、持ち帰り用氷菓、冷凍ヨーグルト、職人のアイスクリーム、
【0042】
ミルク、フレッシュ/低温殺菌ミルク、全脂肪フレッシュ/低温殺菌ミルク、半脱脂フレッシュ/低温殺菌ミルク、長期保存可能/uhtミルク、全脂肪長期保存可能/uhtミルク、半脱脂長期保存可能/uhtミルク、無脂肪長期保存可能/uhtミルク、ヤギミルク、コンデンス/エバミルク、プレーンコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー付き、機能的および他のコンデンスミルク、フレーバー付きドリンク、乳のみのフレーバー付きミルクドリンク、果汁入りのフレーバー付きミルクドリンク、豆乳、サワーミルクドリンク、発酵乳製ドリンク、コーヒーホワイトナー、粉末ミルク、フレーバー付きミルクドリンク、クリーム、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー付きヨーグルト、果実ヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、規則的に飲むヨーグルト、プロバイオティック飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能デザート、乳ベースのデザート、および大豆ベースのデザートを包含する。
【0043】
例示の飲料は、これらに限定されないが、フレーバー付き水、ソフトドリンク、果実ドリンク、コーヒーベースのドリンク、茶ベースのドリンク、果汁ベースのドリンク(果実および野菜を包含する)、ミルクベースのドリンク、ゲルドリンク、炭酸ドリンクまたは非炭酸ドリンク、粉末ドリンク、アルコールドリンクまたは非アルコールドリンク、およびこれらの飲料の飲める状態になっている液体製剤を包含する。
【0044】
例示の発酵食品は、これらに限定されないが、チーズおよびチーズ製品、肉および肉製品、大豆および大豆製品、魚類および魚類製品、穀物および穀物製品、果実および果実製品を包含する。
【0045】
本開示に従う粒子は、当該技術分野において知られている、標準的な噴霧ドライ機器および典型的な条件を使用して製造されてもよい。別の態様において、本開示に従う粒子は、当該技術分野において知られている多段式のドライヤー(MSD)機器および典型的な条件を使用して製造されてもよい。条件は機器の性質におよび噴霧される材料に依存して自然に変化してもよいが、当業者は決められた実験方法のみを用いたあらゆるケースにおける適切な条件を容易に決定することができる。5%未満の水分含量および25℃で0.05~0.30の所望の範囲における水分活性を有する乾燥粉末を製造する条件の典型的な例。水分活性(Aw)は、標準状態の水蒸気分圧によって割られた物質における水蒸気分圧である。それは、閉じられたチャンバーにおける試料の相対湿度の測定であり-基本的にAwは、試料材料によって放出された平衡湿度である。
従来のタワースプレードライヤーの使用のための典型的なパラメーターは:
入口温度- 100~250℃
出口温度- 60~120℃
である。
【0046】
完成した材料の大きさは、レーザー回折粒子サイズ機器によって測定されるとおり、体積分布により平均直径約10~約300であるべきである。好適な乾燥技法の他の非限定的な例は、流動床乾燥、凍結乾燥、FILTERMATまたは噴霧ベルト乾燥、ドラム乾燥、トレイ乾燥および真空乾燥を包含する。
本開示はさらに以下の非限定的な例を参照して記載される。
【0047】

以下の例は、もっぱら説明の目的のために与えられ、本発明の限定として解釈されるべきではなく、本開示の精神および範囲を逸脱することなく多くの変更が可能である。
【0048】
例-鶏脂カプセル化
エマルションを、下記に列挙した成分から調製した:
【表1】
【0049】
本開示に従うエマルションは、以下のとおり調製した:例A、B、CおよびEについて、可溶性米ぬかおよび充填剤(ジャガイモシロップ固体)を水に溶解した。例Dについて、ジャガイモタンパク質および充填剤(ジャガイモシロップ固体)を水に溶解した。オーツ麦油を使用する例DおよびEについて、オーツ麦油は、均質化する前に水相に添加される。脂肪成分を、溶解した乳化剤および充填剤を含有する水相に、高剪断混合、例えば、IKAミキサー、の下で添加して、エマルションを作成した。高剪断混合は、マトリックス成分と活性な構成要素の混合物からエマルションを製造するのに十分な速度および時間で混合することを意味する。例示として、これに限定されないが、成分は、少なくとも8000RPMの速度で少なくとも5分間混合してもよい。高剪断混合のさらなる非限定的な態様は、成分をそれぞれ約5,000RPM~約12,000RPMの速度で約10分~約2分間混合することを包含する。
【0050】
サンプルの組成を表1に報告する。エマルションは、次いで、ロータリーアトマイザーおよび蠕動送達ポンプを備えたAnhydro PSD55噴霧乾燥ユニットを使用してエマルションを噴霧乾燥する。入口および出口の温度はそれぞれ170℃(±5℃)および95℃(±3℃)であった。粉末をサイクロン分離器によって回収した。
【0051】
安定性結果
酸化安定性を決定するための多くの方法は当業者に周知である。本開示において、Velp Scientifica, Italyによって提供されたOXITEST酸化試験反応器を使用して、酸化安定性を測定した。終点または誘導点は、ASTM D942、IP法に従って決定される。誘導点(時間単位で測定)が長いほど、配信システムはより安定する。
例A~Eは、OXITEST(55℃および6バール)によって酸化安定性について評価された。これらの例の結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0052】
誘導点の結果は、本開示による送達システム(例E)が、例A~Dの他のシステムと比較して、より酸化的に安定な送達システムを提供することを実証している。事実、表2の結果は、可溶性米ぬかまたはオート麦油のみを使用するシステムと比較して、本開示による可溶性米ぬかとオーツ麦油との組み合わせを含む送達システムの酸化安定性が少なくとも100%改善することを実証している。
【0053】
本明細書に開示される寸法および値は、列挙される厳密な数値に厳格に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、そのように特定されない限り、各々のかかる寸法は、列挙された値およびその値を囲む機能的に等価な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0054】
本発明の具体的な態様が例示および記載されたが、様々な他の変更および改変を本発明の精神および範囲を逸脱せずに行えることが当業者に自明であるだろう。したがって、本発明の範囲内であるすべてのかかる変更および改変を添付の特許請求の範囲において対象に含めることが意図される。