(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ディーゼルエンジン
(51)【国際特許分類】
F01N 3/20 20060101AFI20241106BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20241106BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20241106BHJP
F01N 3/021 20060101ALI20241106BHJP
F02D 9/04 20060101ALI20241106BHJP
F02D 41/06 20060101ALI20241106BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
F01N3/20 D
F01N3/08 G
F01N3/28 301E
F01N3/28 301G
F01N3/28 301J
F01N3/021
F02D9/04 A
F02D9/04 C
F02D9/04 E
F02D41/06
B01D53/94 400
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 222
(21)【出願番号】P 2022203389
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2024-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】岡野 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大地
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-089727(JP,A)
【文献】特開2008-002355(JP,A)
【文献】特開2007-255304(JP,A)
【文献】国際公開第2007/010701(WO,A1)
【文献】特開2020-002871(JP,A)
【文献】特開2003-184542(JP,A)
【文献】特開2021-148040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/20
F01N 3/08
F01N 3/28
F01N 3/021
F02D 9/04
F02D 41/06
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気導出経路(1)を備え、排気導出経路(1)は、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)を備え、排気(1a)に添加された尿素水(2a)で排気(1a)中の窒素酸化物がSCR触媒(3)で浄化されるように構成されたディーゼルエンジンにおいて、
排気導出経路(1)の排気絞り弁(4)と、燃焼室(5)に燃料を噴射する燃料インジェクタ(6)と、排気絞り弁(4)の開閉と燃料インジェクタ(6)からの燃料噴射を制御する電子制御装置(7)を備え、
電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が開始され、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定のSCR昇温終了判定温度(TC)以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が再開されるように構成され、
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)がなされ、排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が所定のアフター噴射許可温度(TB)以上になった場合には、燃料インジェクタ(6)からのアフター噴射が開始(S5)されるように
構成され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)が活性化され、
排気導出経路(1)は、DOC(8)とDPF(9)を備え、DOC(8)は、排気絞り弁(4)の排気上流側に配置される排気上流側DOC(8a)と排気絞り弁の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)を備え、電子制御装置(7)の制御により、DPF再生処理の開始条件が肯定され、弁上流側排気温度(T0)がポスト噴射許可温度(TP)以上となった場合にはポスト噴射が開始され、ポスト噴射燃料が排気上流側DOC(8a)と下流側DOC(8b)とで触媒燃焼し、排気(1a)が昇温し、DPF(9)に溜まったPMが焼却除去され、
排気絞り弁(4)はDPF(9)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に配置され、弁上流側DOC(8a)は、弁下流側DOC(8b)よりも体積が小さく、排気マニホルド(12)の排気下流側の過給機(15)の排気タービン(15b)と、排気タービン(15b)の排気下流側の排気絞り弁(4)の間に配置されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項2】
請求項1に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項3】
請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
エンジン始動後、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越えた後は、電子制御装置(7)の制御により、エンジン停止まで、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越える温度に維持されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項4】
請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも30℃~70℃高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項5】
請求項4に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
SCR昇温終了判定温度(TC)は、低温判定温度(TA)よりも30℃~70℃高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載されたディーゼルエンジンにおいて、
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少制御がなされ、弁上流側排気圧(P0)が所定の圧力上限値(Pmax)を超えた場合には、排気絞り弁(4)の開度増加制御がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンに関し、詳しくは、大きな電力を用いることなく、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒による排気浄化が可能なディーゼルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気温度が低い場合に、電気ヒータの加熱によりSCR触媒を活性化させ、SCR触媒による排気浄化を行うエンジンがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-148068号公報(
図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題点》 大きな電力を必要とする。
特許文献1のエンジンでは、排気温度が低い無負荷または低負荷運転時に、電気ヒータの加熱によりSCR触媒を活性化させる必要があり、大きな電力を必要とする。
この場合、バッテリの急速な消耗、バッテリの電圧降下によるエンジンECUの制御不良等の問題が生じる。
【0005】
本発明の課題は、大きな電力を用いることなく、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒による排気浄化が可能なディーゼルエンジンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の主要な構成は、次の通りである。
図3に
例示するように、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が開始され、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定のSCR昇温終了判定温度(TC)以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が再開されるように構成され、
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)がなされ、排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が所定のアフター噴射許可温度(TB)以上になった場合には、燃料インジェクタ(6)からのアフター噴射が開始(S5)されるように
構成され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)が活性化され、
図1,図2に例示するように、排気導出経路(1)は、DOC(8)とDPF(9)を備え、DOC(8)は、排気絞り弁(4)の排気上流側に配置される排気上流側DOC(8a)と排気絞り弁の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)を備え、図4に例示するように、電子制御装置(7)の制御により、DPF再生処理の開始条件が肯定され、弁上流側排気温度(T0)がポスト噴射許可温度(TP)以上となった場合にはポスト噴射が開始され、ポスト噴射燃料が図1,図2に例示する排気上流側DOC(8a)と下流側DOC(8b)とで触媒燃焼し、排気(1a)が昇温し、DPF(9)に溜まったPMが焼却除去され、
図1に例示するように、排気絞り弁(4)はDPF(9)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に配置され、弁上流側DOC(8a)は、弁下流側DOC(8b)よりも体積が小さく、排気マニホルド(12)の排気下流側の過給機(15)の排気タービン(15b)と、排気タービン(15b)の排気下流側の排気絞り弁(4)の間に配置されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、次の効果を奏する。
《効果1》無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)による排気浄化が可能になる。
図3に例示するように、このエンジンでは、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下の場合には、SCR昇温処理が開始され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)を活性化させることができるため、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)による排気浄化が可能になる。
《効果2》SCR触媒(3)の活性化に大きな電力を用いる必要がない。
図3に例示するように、SCR昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)と、アフター噴射がなされ、排気圧力の上昇やアフター噴射燃料の燃焼により排気温度が上昇するため、SCR触媒(3)の活性化に大きな電力を用いる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の
実施形態に係るエンジンの模式図である。
【
図2】
図1のエンジンの排気導出経路の模式図である。
【
図3】
図1のエンジンのSCR触媒昇温処理のフローチャートである。
【
図4】
図1のエンジンのDPF再生処理のフローチャートである。
【
図5】本発明の
参考形態に係るエンジンの排気導出経路の模式図で、
図5(A)は
第1参考形態のもの、
図5(B)は
第2参考形態のものである。
【
図6】本発明の更に
他の参考形態に係るエンジンの排気導出経路の模式図で、
図6(A)は
第3参考形態のもの、
図6(B)は
第4参考形態のものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図4は本発明の
実施形態に係るエンジンを説明する図
、図5及び図6は本発明の各参考形態に係るエンジンを説明する図で、
実施形態と各参考形態では、立形の直列多気筒(4気筒)ディーゼルエンジンについて説明する。
【0010】
図1,
図2に示す
実施形態について説明する。
図1に示すように、このエンジンは、吸気装置と、燃料供給装置と、排気装置を備えている。
吸気装置は、吸気導入路(11)と、吸気導入路(11)の終端に接続された吸気マニホルド(12)を備え、吸気導入路(11)は、吸気上流側から吸気下流側に近づく順に、エアクリーナ(13)と、吸気流量計(14)と、過給機(15)のエアコンプレッサ(15a)と、インタークーラ(16)と、吸気絞り弁(17)を備えている。
燃料供給装置は、コモンレール式のもので、コモンレール(6a)と、コモンレール(6a)に蓄圧された燃料を各燃焼室(5)に噴射する燃料インジェクタ(6)を備えている。
【0011】
図1に示すように、排気装置は、排気マニホルド(18)と、排気マニホルド(18)の排気合流出口(18a)に接続された過給機(15)の排気タービン(15b)と、排気マニホルド(18)と排気タービン(15b)の間から導出されたEGR経路(19)と、排気タービン(15b)の排気出口から導出された排気導出経路(1)を備えている。
EGR経路(19)は、EGR上流側からEGR下流側に近づく順に、EGRクーラ(20)と、EGR弁(21)を備え、その導出端は、吸気絞り弁(17)の吸気下流側で、吸気導入路(11)に接続されている。
EGRは、排気ガス還流の略称である。
【0012】
図1,
図2に示すように、このエンジンは、排気導出経路(1)を備え、排気導出経路(1)は、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)を備え、排気(1a)に添加された尿素水(2a)で排気(1a)中の窒素酸化物がSCR触媒(3)で浄化されるように構成されている。
図1に示すように、このエンジンは、排気導出経路(1)に配置された排気絞り弁(4)と、燃焼室(5)に燃料を噴射する燃料インジェクタ(6)と、排気絞り弁(4)の開閉と燃料インジェクタ(6)からの燃料噴射を制御する電子制御装置(7)を備えている。
【0013】
SCR触媒は、選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction)型の触媒の略称で、SCR触媒(3)には内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型の触媒担体に、触媒成分を担持させたものが用いられている。
図1,
図2に示す尿素水インジェクタ(2)から排気(1a)中に噴射された尿素水(2a)は、高温下で加水分解され、アンモニアガスとなり、SCR触媒(3)の触媒作用により、アンモニアが排気(1a)中の窒素酸化物(NO
X)と反応し、窒素酸化物(NO
X)が窒素(N
2)に還元され、排気浄化がなされる。
電子制御装置(7)にはエンジンECU(7a)が用いられている。
ECUは、電子制御ユニットの略称であり、マイコンが用いられている。
【0014】
図3に示すように、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が開始され、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定のSCR昇温終了判定温度(TC)以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が再開されるように構成されている。
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)がなされ、排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が所定のアフター噴射許可温度(TB)以上になった場合には、燃料インジェクタ(6)からのアフター噴射が開始(S5)されるように
構成され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)が活性化される。
図1,図2に示すように、排気導出経路(1)は、DOC(8)とDPF(9)を備え、DOC(8)は、排気絞り弁(4)の排気上流側に配置される排気上流側DOC(8a)と排気絞り弁の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)を備え、図4に示すように、電子制御装置(7)の制御により、DPF再生処理の開始条件が肯定され、弁上流側排気温度(T0)がポスト噴射許可温度(TP)以上となった場合にはポスト噴射が開始され、ポスト噴射燃料が図1,図2に示す排気上流側DOC(8a)と下流側DOC(8b)とで触媒燃焼し、排気(1a)が昇温し、DPF(9)に溜まったPMが焼却除去される。
図1に示すように、排気絞り弁(4)はDPF(9)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に配置され、弁上流側DOC(8a)は、弁下流側DOC(8b)よりも体積が小さく、排気マニホルド(12)の排気下流側の過給機(15)の排気タービン(15b)と、排気タービン(15b)の排気下流側の排気絞り弁(4)の間に配置されている。
【0015】
図3に示すように、このエンジンでは、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下の場合には、SCR昇温処理が開始され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)を活性化させることができるため、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)による排気浄化が可能になる。
図3に示すように、SCR昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)と、アフター噴射がなされ、排気圧力の上昇やアフター噴射燃料の燃焼により排気温度が上昇するため、SCR触媒(3)の活性化に大きな電力を用いる必要がない。
【0016】
このエンジンでは、
図3に示す低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも高い温度に設定されている。
このため、このエンジンでは、SCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度よりも高い温度に維持されることが可能となり、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)の不活性化による排気浄化の中断が起こり難い。
このSCR触媒(3)の活性化温度は、180℃とされている。
【0017】
このエンジンでは、エンジン始動後、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越えた後は、電子制御装置(7)の制御により、エンジン停止まで、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越える温度に維持されるように構成されている。
このため、このエンジンでは、エンジン始動直後を除くエンジン運転の略全期間に亘り、SCR触媒(3)の排気浄化を行うことができる。
【0018】
このエンジンでは、
図3に示す低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも30℃~70℃高い温度に設定することが望ましい。
低温判定温度(TA)の嵩上げ温度が、SCR触媒(3)の活性化温度の30℃未満である場合には、無負荷または低負荷運転時に、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を下回り、排気浄化の中断が起こるおそれがあり、70℃を越える場合には、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を十分に上回っているにも拘わらず、不要なSCR昇温処理が開始されるおそれがある。
これに対し、低温判定温度(TA)の嵩上げ温度が、SCR触媒(3)の活性化温度の30℃~70℃の場合には、排気浄化の中断や不要なSCR昇温処理の開始を避けることができる。
SCR触媒(3)の活性化温度が180℃とされている場合、低温判定温度(TA)の望ましい範囲は210℃~250℃となる。
【0019】
このエンジンでは、
図3に示すSCR昇温終了判定温度(TC)は、低温判定温度(TA)よりも30℃~70℃高い温度に設定するのが望ましい。
SCR昇温終了判定温度(TC)の嵩上げ温度が、低温判定温度(TA)の30℃未満である場合には、無負荷または低負荷運転時に、排気導出経路(1)からの過剰な放熱により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を下回ることがあり、排気浄化の中断が起こるおそれがあり、70℃を越える場合には、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を十分に上回っているにも拘わらず、不要なSCR昇温処理が継続されるおそれがある。
これに対し、SCR昇温終了判定温度(TC)の嵩上げ温度が、低温判定温度(TA)の30℃~70℃の場合には、排気浄化の中断や不要なSCR昇温処理の継続を避けることができる。
低温判定温度(TA)の望ましい範囲が210℃~250℃である場合、SCR昇温終了判定温度(TC)の望ましい範囲は、240℃~320℃となる。
【0020】
図1,
図2に示すように、このエンジンでは、排気絞り弁(4)は、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に配置されている。
このため、このエンジンでは、排気絞り弁(4)の開度減少により、排気絞り弁(4)の排気上流側に位置する経路小容積部分の排気温度が急速に高まり、弁上流側排気温度(T0)がアフター噴射許可温度(TB)に到達する時間が短縮される。
【0021】
図1,
図2に示すように、このエンジンでは、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に、DOC(8)を備えている。
このため、このエンジンでは、DOC(8)で排気(1a)中のNOとNO
2の比率が適正化され、SCR触媒(3)での排気浄化効率が高まる。
【0022】
図1,
図2に示すように、このエンジンでは、DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気上流側に配置される弁上流側DOC(8a)を備えている。
このため、このエンジンでは、排気絞り弁(4)の開度の減少により、排気絞り弁(4)の排気上流側の小容積空間の排気温度が急速に高まり、弁上流側DOC(8a)が速やかに活性化温度に達する。
【0023】
図1,
図2に示すように、このエンジンでは、DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)をも備えている。
このため、このエンジンでは、DOC(8)が、弁上流側DOC(8a)と、弁下流側DOC(8b)とに分割され、弁上流側DOC(8a)を小型化することができ、弁上流側DOC(8a)が速やかに活性化温度に達する。
【0024】
DOCは、ディーゼル酸化触媒の略称であり、弁上流側DOC(8a)と弁下流側DOC(8b)には、いずれも内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型の触媒担体に触媒成分を担持させたものが用いられている。
弁上流側DOC(8a)と弁下流側DOC(8b)は、同一素材、同一構造であるが、弁上流側DOC(8a)は弁下流側DOC(8b)よりも体積が小さく、温度上昇速度が速い。
弁上流側DOC(8a)と弁下流側DOC(8b)の活性化温度は、190℃とされている。
【0025】
実施形態のエンジンで用いる排気導出経路(1)は
基本型(基本例)であり、その全体構造は、次の通りである。
図1,
図2に示すように、この排気導出経路(1)は、各種触媒や各種排気処理部品を備え、排気上流側から排気下流側に近づく順に、弁上流側DOC(8a)と、排気絞り弁(4)と、弁下流側DOC(8b)と、DPF(9)と、尿素水インジェクタ(2)と、ミキサ(22)と、上流側SCR触媒(3a)と、下流側SCR触媒(3b)と、ASC(23)を備えている。
【0026】
DPFは、ディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称であり、エンジン排気中のPMを捕捉する。PMは、粒子状物質の略称である。DPF(9)には、内部に軸長方向に沿う多数のセルが並設され、隣り合うセルの入口と出口が交互に目封じされたウォールフロー型のセラミックハニカムが用いられている。
ミキサは、尿素水を排気中に分散させるもので、ミキサ(22)には排気方向に沿う平行な複数のプレートで構成されている。ミキサ(22)の入口には、尿素水インジェクタ(2)から尿素水(2a)が吹き付けられる。
SCR触媒(3)は、上流側SCR触媒(3a)と、下流側SCR触媒(3b)からなる。
ASCは、アンモニアスリップ触媒の略称であり、SCR触媒をスリップしたアンモニアを浄化する触媒である。ASC(23)には、内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型の触媒担体に触媒成分を担持させたものが用いられている。
【0027】
図1に示すように、排気絞り弁(4)の弁アクチュエータ(4a)と、尿素水インジェクタ(2)の電磁弁の弁アクチュエータ(2b)は、吸気絞り弁(17)の弁アクチュエータ(17a)、燃料インジェクタ(6)の電磁弁のアクチュエータ(6b)、EGR弁(21)の弁アクチュエータ(21a)と共に、アクチュエータ用ハーネス(24)を介してエンジンECU(7a)に電気的に接続され、バッテリ(35)から給電される。
【0028】
また、
図1,
図2に示す排気導出経路(1)は、各種センサを備え、排気上流側から排気下流側に近づく順に、弁上流側DOC(8a)と排気絞り弁(4)の間に配置された弁上流側排気温度センサ(25)及び弁上流側排気圧センサ(26)と、排気絞り弁(4)と弁下流側DOC(8b)の間に配置された弁下流側DOC入口側排気温度センサ(27)と、弁下流側DOC(8b)とDPF(9)の間に配置されたDPF入口側排気温度センサ(28)と、DPF(9)の入口側と出口側に跨る差圧センサ(29)と、DPF(9)と尿素水インジェクタ(2)の間に配置されたDPF出口側排気温度センサ(30)と、ミキサ(22)と上流側SCR触媒(3a)の間に配置されたSCR入口側排気温度センサ(31)及びSCR上流側NO
Xセンサ(32)と、ASC(23)の出口側に配置されたSCR下流側NO
Xセンサ(33)を備えている。
上記各種センサは、吸気流量計(14)と共に、センサ用ハーネス(34)を介してエンジンECU(7a)に電気的に接続されている。
【0029】
図2に示すように、弁上流側排気温度センサ(25)では排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が検出され、弁上流側排気圧センサ(26)では弁上流側排気圧力(P0)が検出され、弁下流側DOC入口側排気温度センサ(27)では弁下流側DOC入口側排気温度(T1)が検出され、DPF入口側排気温度センサ(28)ではDPF入口側排気温度(T2)が検出され、差圧センサ(29)ではDPF入口側とDPF出口側の差圧(ΔP)が検出され、DPF出口側排気温度センサ(30)ではDPF出口側排気温度(T3)が検出される。
また、SCR入口側排気温度センサ(31)ではSCR入口側排気温度(T4)が検出され、SCR上流側NO
Xセンサ(32)ではSCR上流側NO
X濃度(NO
X1)が検出され、SCR下流側NO
Xセンサ(33)ではSCR下流側NO
X濃度(NO
X2)が検出される。
【0030】
図3のフローチャートで、エンジンECU(7a)によるSCR昇温処理の制御手順を説明する。
ステップ(S1)では、SCR昇温処理の開始条件、すなわちSCR入口側排気温度(T4)が低温判定温度(TA)以下になったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S1)の判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S2)で吸気絞り弁(17)の開度減少と、排気絞り弁(4)の開度減少が行われ、ステップ(S3)に進む。
【0031】
ステップ(S3)では、弁上流側排気圧力(P0)が排気圧力上限値(Pmax)以下になっているか否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S4)に進み、判定が否定された場合には、ステップ(S3の2)で排気絞り弁(4)の開度増加の後、ステップ(S4)に進む。
すなわち、図3に示すSCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少制御がなされ、弁上流側排気圧(P0)が所定の圧力上限値(Pmax)を超えた場合には、排気絞り弁(4)の開度増加制御がなされるように構成されている。
ステップ(S4)では、弁上流側排気温度(T0)がアフター噴射許可温度(TB)以上になったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S4)の判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S5)でアフター噴射が開始され、ステップ(S6)に進む。アフター噴射許可温度(TB)は、低温判定温度(TA)未満の温度、例えば150℃とする。
【0032】
ステップ(S6)では、SCR昇温処理の終了条件、すなわちSCR入口側排気温度(T4)がSCR昇温終了判定温度(TC)以上になったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S6)の判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S7)でアフター噴射が終了され、ステップ(S8)に進む。
ステップ(S8)では、吸気絞り弁(17)の全開復帰と、排気絞り弁(4)の全開復帰が行われ、ステップ(S1)に戻る。
【0033】
なお、SCR触媒(3)よる排気浄化処理では、NOxの浄化率に応じて、エンジンECU(7a)が尿素水インジェクタ(2)からの尿素水(2a)の噴射量を配量する。
NOxの浄化率は、SCR上流側NOX濃度(NOX1)とSCR下流側NOX濃度(NOX2)に基づいてエンジンECU(7a)が推定する。
【0034】
次に、
図4のフローチャートでエンジンECU(7a)によるDPF再生処理の制御手順を説明する。
ステップ(S9)では、DPF再生処理の開始条件、すなわちDPF(9)のPM堆積推定値(APM)が再生処理の開始判定値(RSJ)以上になったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S9)の判定が繰り返され、ステップ(S9)の判定が肯定された場合には、ステップ(S10)に進む。
ステップ(S9)のPM堆積推定値(APM)は、差圧センサ(29)で検出したDPF入口側とDPF出口側の差圧(ΔP)に基づいて、エンジンEUC(7a)が推定する。
【0035】
ステップ(S10)では、弁上流側排気温度(T0)がポスト噴射許可温度(TP)以上となったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S10)の判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S11)に進む。
ポスト噴射許可温度(TP)は、アフター噴射許可温度(TB)を越え、酸化触媒(8)以上となる温度、例えば200℃とする。
【0036】
ステップ(S11)では、ポスト噴射が開始される。
ポスト噴射は、弁下流側DOC入口側排気温度(T1)が400°C以上、700°C以下に維持されると共に、DPF入口側排気温度(T2)が550°C以上、700°C以下に維持されるように設定されている。特に、DPF入口側排気温度(T2)は、堆積したPMの異常燃焼を防止するため、700°C以下に設定することが望ましい。
ポスト噴射では、膨張行程又は排気行程で燃焼室内に噴射が開始されたポスト噴射燃料が弁上流側DOC(8a)と弁下流側DOC(8b)で触媒燃焼し、排気(1a)が昇温し、DPF(9)に溜まったPMが焼却除去される。
【0037】
ステップ(S11)に続くステップ(S12)では、DPF再生処理の終了条件、すなわちDPF(9)のPM堆積推定値(APM)が再生処理の終了判定値(REJ)以下になったか否かが判定され、判定が否定された場合には、ステップ(S12)の判定が繰り返され、ステップ(S12)の判定が肯定された場合には、ステップ(S13)に進む。
ステップ(S13)では、ポスト噴射が終了され、ステップ(S9)に戻る。
ステップ(S12)の終了判定値(REJ)は、差圧センサ(29)で検出したDPF入口側とDPF出口側の差圧(ΔP)に基づいて、エンジンEUC(7a)が推定する。
【0038】
なお、
図4に示すポスト噴射許可温度(TP)は、弁上流側排気温度センサ(25)で検出される弁上流側排気温度(T0)についての判定温度であり、
図2に示すように、弁上流側排気温度(T0)は、弁上流側排気温度センサ(25)で検出され、エンジンECU(7a)で制御される。
弁下流側DOC入口側排気温度(T1)は、弁上流側排気温度センサ(25)で検出される弁上流側排気温度(T0)により、エンジンECU(7a)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
DPF入口側排気温度(T2)は、DPF入口側排気温度センサ(28)で検出され、エンジンECU(7a)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
また、DPF出口側排気温度センサ(30)で検出されるDPF出口側排気温度(T3)が所定の上限温度以上の温度になった場合には、エンジンECU(7a)の制御によりアフター噴射やポスト噴射は緊急停止される。
【0039】
燃料インジェクタ(6)から一燃焼サイクル中に行われるの噴射の種類には、ブレ噴射(パイロット噴射)と、メイン噴射と、アフター噴射と、ポスト噴射がある。
一燃焼サイクルは、4サイクルエンジンでは、吸気行程と圧縮行程と膨張行程と排気行程からなる。
ブレ噴射(パイロット噴射)は、メイン噴射燃料の着火遅れを抑制するための噴射で、吸気行程中または圧縮行程中に開始される。
メイン噴射は、出力を得るための主たる噴射で、圧縮上死点前に開始される。
アフター噴射は、排気を昇温させるための噴射で、メイン噴射の後、膨張行程中に開始される。
ポスト噴射は、排気を昇温させるための噴射で、アフター噴射の後、膨張行程中に開始される。ポスト噴射は、排気行程中に開始されるものであってもよい。
【0040】
次に、
図5(A)に示す
第1参考形態と、
図5(B)に示す
第2参考形態の排気導出経路(1)について説明する。
この
第1参考形態と
第2参考形態の排気導出経路(1)は、いずれも
図2の基本型のものから弁下流側DOC(8b)を除去した弁下流側DOCレス型で、DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)を備えておらず、弁下流側DOC入口側排気温度センサ(27)も備えていない。
第1参考形態と
第2参考形態では、弁下流側DOC(8b)が無い分、排気導出経路(1)が短く、
実施形態のものよりも短くなる。
【0041】
更に、
図5(B)に示す
第2参考形態の排気導出経路(1)は、DPF(9)に上流側SCR触媒(3a)を兼用させたDPF兼用SCR触媒型であり、尿素水インジェクタ(2)よりも排気下流側に配置されたDPF(9)にSCR触媒成分が担持され、DPF(9)がSCR触媒(3)を兼ねている。
この
第2参考形態では、DPF(9)に上流側SCR触媒(3a)を兼用させているため、排気導出経路(1)は短くなり、
第1参考形態のものよりも短い。
また、この
第2参考形態では、DPF入口側排気温度センサ(28)でSCR入口側排気温度センサ(31)を兼用させ、SCR触媒昇温処理中は、SCR入口側排気温度センサ(31)としてSCR入口側排気温度(T4)を検出させ、DPF生成処理中は、DPF入口側排気温度センサ(28)としてDPF入口側排気温度(T2)を検出させる。
【0042】
次に、
図6(A)に示す
第3参考形態と、
図6(B)に示す
第4参考形態の排気導出経路(1)について説明する。
この
第3参考形態と
第4参考形態の排気導出経路(1)は、いずれも
図2の基本型のものから排気絞り弁(4)を最下流側に移動させた絞り弁最下流型で、排気絞り弁(4)はASC(23)の排気出口側に配置されている。
この
第3参考形態と
第4参考形態では、排気絞り弁(4)の絞りによる排気圧の上昇でSCR触媒(3)の昇温が促進される。
【0043】
更に、
図6(A)に示す
第3参考形態では、基本例の排気導出経路(1)の排気絞り弁(4)が、弁上流側DOC(8a)と弁下流側DOC(8b)の間から最下流位置に移動するため、基本例の弁上流側DOC(8a)及び弁下流側DOC(8b)は、上流側DOC(8a)´及び下流側DOC(8b)´となり、弁下流側DOC入口側排気温度(T1)は下流側DOC入口側排気温度(T1)´となる。
この
第3参考形態では、弁上流側排気温度センサ(25)で下流側DOC入口側排気温度センサ(27)´を兼用させ、アフター噴射前またはポスト噴射前は、弁上流側排気温度センサ(25)として弁上流側排気温度(T0)を検出させ、ポスト噴射後は、下流側DOC入口側排気温度センサ(27)´として下流側DOC入口側排気温度(T1)´を検出する。
【0044】
図6(B)に示す
第4参考形態の排気導出経路(1)は、尿素水インジェクタ(2)とSCR触媒(3)の間に、尿素水(2a)を排気(1a)中に分散させるミキサ(22)を兼ねた尿素分解触媒(10)を備えたミキサ兼用尿素分解触媒型のものである。
この
第4参考形態では、尿素の加水分解が促進され、SCR触媒(3)による排気浄化が促進される。
ミキサ(22)には内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型のものが用いられている。
【0045】
第4参考形態の排気導出経路(1)では、DCO(8)は上流側と下流側に分割されていない単体のもの用いられ、基本例の弁下流側DOC入口側排気温度(T1)はDOC入口側排気温度(T1)´´となる。
この第4参考形態では、弁上流側排気温度センサ(25)でDOC入口側排気温度センサ(27)´´を兼用させ、アフター噴射前またはポスト噴射前は、弁上流側排気温度センサ(25)として弁上流側排気温度(T0)を検出させ、ポスト噴射後は、DOC入口側排気温度センサ(27)´´としてDOC入口側排気温度(T1)´´を検出する。
【0046】
図5(A)(B),
図6(A)(B)に示す
第1参考形態~
第4参考形態の排気導出経路(1)は、上記した
実施形態の基本例との相違点を除き、基本例と同じ構成を備え、基本例のフローチャートとその説明に準じた手順で制御され、基本例との構造上の相違点から生じる機能上の相違を除き、基本例と同じ機能を備えている。
図5(A)(B),
図6(A)(B)中、
図2と同一の要素には、
図2と同じ符号を付しておく。
【符号の説明】
【0047】
(1)…排気導出経路、(1a)…排気、(2)…尿素水インジェクタ、(2a)…尿素水、(3)…SCR触媒、(3a)…上流側SCR触媒、(3b)…下流側SCR触媒、(4)…排気絞り弁(4)…燃焼室、(6)…燃料インジェクタ、(7)…電子制御装置、(8)…DOC、(8a)…弁上流側DOC、(8b)…弁下流側DOC、(9)…DPF、(10)…尿素分解触媒。