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▶ マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電子部品を収納する調理器具用ハンドル
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241106BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20241106BHJP
   A47J 45/06 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A47J27/00 103Q
G01K1/14 L
A47J45/06 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022206179
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2021547045の分割
【原出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2023040068
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】62/748,979
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512054182
【氏名又は名称】マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス,ジョナサン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ダンコンベ-スミス,ブレンデン
(72)【発明者】
【氏名】ブッセラー,ジョシュア ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マッキャン,ジェダイディア ホアキン
(72)【発明者】
【氏名】プーン,エヴァ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-508944(JP,A)
【文献】特表2018-512937(JP,A)
【文献】特表2014-522690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0338644(US,A1)
【文献】米国特許第05441039(US,A)
【文献】国際公開第2017/073004(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/119207(WO,A1)
【文献】独国実用新案第20203566(DE,U1)
【文献】中国特許出願公開第1745687(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1745688(CN,A)
【文献】中国実用新案第207384152(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/13
A47J 27/20-29/06
A47J 33/00-36/42
A47J 45/00-45/10
H01M 50/20-50/298
H01R 13/62-13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具用ハンドルであって、
a.その開放された遠位端の外周を規定するリムを備えた細長い空洞と、
b.前記細長い空洞内に配置されて、前記細長い空洞の前記開放された遠位端から奥まっているフランジインサートと、
c.電池を受け入れるための内側空洞、開放された遠位端、および、前記フランジインサートに結合するために前記開放された遠位端を取り囲むリムフランジを有し、第1回路基板および少なくとも1つの外部リード線をさらに備えるバッテリーモジュールであって、前記バッテリーモジュールは、少なくとも前記細長い空洞内に延び、前記第1回路基板に接続される少なくとも1つの内部バッテリー端子を有し、前記第1回路基板は複数の外部端子を有し、当該複数の外部端子はそれぞれ前記少なくとも1つの内部バッテリー端子および外部リード線と電源接続または信号接続しているバッテリーモジュールと、
d.前記バッテリーモジュール内に挿入されて、前記バッテリーモジュールの嵌合ねじに接続し、前記細長い空洞の前記開放された遠位端を密閉するための1つ以上のねじ部を備えるエンドキャップであって、前記エンドキャップが前記細長い空洞の前記開放された遠位端を密閉するときに前記第1回路基板の少なくとも1つの外部端子に接続するための第2回路基板を収納するように構成されるエンドキャップと、
e.近位側の前記細長い空洞のリムおよび遠位側の前記エンドキャップを密閉するために配置される第1略環状外側ガスケットと、
を備える、調理器具用ハンドル。
【請求項2】
前記第2回路基板を前記第1回路基板の少なくとも1つの前記外部端子に接続させるために前記バッテリーモジュールに入る前記エンドキャップの部分が、前記エンドキャップの円筒形の部分の側面に配置された前記第1回路基板に接続する複数の外部端子を有する請求項1に記載の調理器具用ハンドル。
【請求項3】
前記エンドキャップが、前記エンドキャップの円筒形の部分の端部に第2内部バッテリー端子を備え、前記第2内部バッテリー端子は、前記電池の端子電気的接続するためのものである、請求項1に記載の調理器具用ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年10月22日に出願された、同タイトルの米国仮特許出願第62/748,979号の出願日の利益を主張するものであり、当該米国仮特許出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、調理器具に関し、より具体的には、電子部品を収容する調理器具用ハンドルに関する。
【0003】
調理器具用ハンドル内に、調理器具の温度、動きおよび位置を測定して伝える電子部品を含むことが望ましい。
【0004】
調理器具用ハンドルは、これらの部品のための筐体を備えることができる一方で、消費者が必要に応じて洗浄する調理器具を食器洗浄機にセットすることを含む従来の洗浄方法を使用できるように、筐体は、水または洗浄液の侵入を防ぐために十分に密封されることが望ましい。
【0005】
密封方法は、信頼性が高く、安価に製造および組立ができ、電池などの電源の故障時または交換が必要な場合に消費者が交換しやすいこともまた望ましい。
【0006】
調理器具用ハンドル内に電子部品を含むメリットの観点から、本発明の目的は以下の1つまたは複数である。したがって、本発明の第1の目的は、安価に製造および組立ができ、信頼性が高く、電池などの電源の故障時または交換が必要な場合に消費者が交換しやすい密封方法を展開するように構成された調理器具用ハンドルを提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本発明において、第1の目的は、以下の調理器具用ハンドルを提供することで達成される。すなわち調理器具用ハンドルが、その開放された遠位端の外周を規定するリムを備えた細長い空洞と、前記細長い空洞内に配置され、開放された遠位の前記細長い空洞から奥まっているフランジインサートと、電池を受け入れる内部空洞および開放された遠位端を有するバッテリーモジュールと、前記フランジインサートに結合するために当該開放された遠位端を囲むリムフランジと、を備え、第1回路基板および少なくとも1つの外部リード線と、エンドキャップと、第1の略環状外側ガスケットと、をさらに備え、ここで前記バッテリーモジュールは、少なくとも前記細長い空洞内に延び、前記第1回路基板に接続された少なくとも1つの内部バッテリー端子を有し、前記第1回路基板は複数の外部端子を有し、当該外部端子のそれぞれが、少なくとも1つの内部バッテリー端子および前記外部リード線との間で電力または信号のいずれかの通信を行い、前記エンドキャップは、前記細長い空洞の開放された遠位端をシールする目的で前記バッテリーモジュールの嵌合ねじに接続するための前記バッテリーモジュールへの挿入用の1つ以上のねじ部を備え、前記エンドキャップは、前記エンドキャップが前記細長い空洞の開放された遠位端をシールするときに前記第1回路基板の1つ以上の前記外部端子に接続するために第2回路基板を収納するように構成され、前記第1の略環状外側ガスケットは、近位側の前記細長い空洞の前記リムと遠位側の前記エンドキャップとをシールするように配置される。
【0008】
本発明の第2態様は、前記エンドキャップが、前記第1の略環状外側ガスケットを圧縮して前記細長い空洞のリムをシールするときに、前記バッテリーモジュールをシールするように適合された環状溝内に配置されるOリングを備えるような調理器具用ハンドルによって特徴付けられる。
【0009】
本発明の別の態様は、前記エンドキャップが、前記少なくとも1つの前記内部バッテリー端子より対向する電池の端子に電気接続を行うための第2内部バッテリー端子を備えるようなあらゆる調理器具用ハンドルによって特徴付けられる。
【0010】
本発明の別の態様は、前記エンドキャップの前記バッテリーモジュールに入って前記第2回路基板を前記第1回路基板の1つ以上の前記外部端子に接続する部分が、前記エンドキャップの円筒部の側面に配置された前記第1回路基板に接続される複数の外部端子を有するような任意の調理器具ハンドルによって特徴付けられる。
【0011】
本発明の上記およびその他の目的、効果、特徴および利点は、添付の図面と合わせて、その実施形態についての以下の説明から、より明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の略平面図である。
図2図1の切断線A-Aに沿った図1の部分の略断面図である。
図3】調理器具用容器に取付けられた状態を示すハンドルの一実施形態の部分断面図である。
図4A】バッテリーモジュールを挿入する前の取付けられたフランジインサートと共に細長い空洞を示す図1の実施形態の拡大断面図である。
図4B図4Aのスケールで図3の同じ部分に対応する。
図5A】バッテリーモジュール、環状外側ガスケットおよびエンドキャップの部品の分解斜視図である。
図5B】バッテリーモジュール、環状外側ガスケットおよびエンドキャップの部品が組立てられた状態を示す。
図6A】バッテリーモジュール、環状外側ガスケットおよびエンドキャップの部品の分解された外観立面図である。
図6B】バッテリーモジュール、環状外側ガスケットおよびエンドキャップの部品の分解された断面立面図である。
図6C】バッテリーモジュール内の回路基板の平面図である。
図7】本発明の別の実施形態の略分解断面図である。
図8】本発明の別の実施形態の略断面図である。
図9】本発明の別の実施形態の略断面図である。
図10】本発明の別の実施形態の略断面図である。
図11A】本発明の別の実施形態の略断面図であり、分解された状態を示す。
図11B】本発明の別の実施形態の略断面図であり、組立てた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から図11Bを参照すると、同様の参照数字は様々な図において同様の構成要素を示しており、これらの図には、本明細書において100と称される、新規かつ改良された電子部品を収納する調理器具用ハンドルが図示されている。
【0014】
本発明によれば、ハンドル100は、図1および図11にそれぞれ図示されるように、調理器具用容器1または調理器具用容器蓋14に取付けるためのものである。図1の調理器具用容器1の場合、少なくとも1つの外部リード線127が、ハンドル100の遠位端にある電子モジュール21から、少なくとも調理器具用容器1の側壁12まで延び、調理器具用容器1の外部または内部にある回路部品22に接続する。回路部品22は、調理器具用容器1の底部13に形成されるか、または、調理器具用容器1若しくは容器蓋14の表面の一部として形成される空洞または穴11内に存することができる。
【0015】
回路部品22は、任意選択的に、例えば温度を測定するサーミスタまたは熱電対である熱センサ7等の、調理器具用容器1の内容物の特性、または、調理器具用容器1の状態を測定するために設けられるセンサである。あるいは、回路部品22は、熱または誘導電流のいずれかから、例えばIH調理器のコイルにより発生する電磁界等から、電力を得るためのループ回路または複数のサーモパイルとすることができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,955,529号(Baarman,D他に2018年4月24日発行)は、調理器具用ハンドル内の電子モジュール内の回路を開示し、当該回路は、調理器具用ハンドルまたは調理器具用ベース内のループ回路から電力を得るように構成され、当該回路としては、整流回路、電源制御回路、蓄電回路、コントローラ、通信回路、温度センサおよびユーザインターフェース702が挙げられる。
【0016】
容器の温度または状態を測定するのとは別に、またはそれに加えて、回路部品22は、加速度計または磁力計とすることができ、またはそれを含むことができ、これにより、移動、振動、位置および/または方向を相対的および絶対的に測定または検出し、また回路部品22は、有線または無線の通信部品とすることもでき、またはそれを含むこともでき、これにより、熱源またはガスレンジ等の別の調理機器からの情報、および、ポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、通信ネットワークおよび/またはネットワークサーバ等の別の制御装置または表示装置からの情報を送受信する。
【0017】
ハンドル100内の電子部品21もまた、1つ以上の加速度計または磁力計を含むことができ、これにより、移動、振動、位置および/または方向を相対的および絶対的に測定または検出し、また、有線または無線の通信部品を含むこともでき、これにより、熱源またはガスレンジ等の別の調理機器からの情報、および、ポータブルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、通信ネットワークおよび/またはネットワークサーバ等の別の制御装置または表示装置からの情報を送受信する。
【0018】
ハンドル100内の電子モジュール21はユーザインターフェース702を含むこともでき、これはタッチスクリーン電子ディスプレイ701が当該ハンドル内に組み込まれている場合であって、ただし個別の制御スイッチ等であってもよいが、少なくとも1つの外部リード線127の信号からの数値である、あらゆる回路部品22の状態を示す表示を変更することができ、また調理のための動作パラメータを設定または表示することができ、当該動作パラメータは、調理段階でのプログラムされた時間または温度、調理段階の間またはその前の実際の時間または温度、調理段階での経過時間または残り時間等であって、さらに料理レシピの電子ディスプレイ内で前進またはスクロールすることができ、当該電子ディスプレイは、電子モジュール21と無線通信可能な外部のスマートフォンまたはタブレットコンピュータ等である。
【0019】
このような場合、ハンドル100内の電子モジュール21は、調理器具用容器1が自動食器洗浄機のサイクルで洗浄したりきれいにしたりするための水への浸漬に耐えられるようにすべきであれば、密封される必要がある。電子モジュール21はまた、万一の場合や故障時に置き換えらえる電源を供給する電池または置き換えられる電子モジュールの部品を有する必要があり、あるいは性能向上を提供する必要がある。
【0020】
図2は、電子モジュール21が、ハンドル100内にどのように密封されることができるか、および、どのように相互接続モジュール200に信号通信されるかを、さらに詳細に示す。相互接続モジュール200は、端子247で、および、好ましくは少なくとも1つの追加の端子248で、少なくとも1つの外部リード線127に接続される。
【0021】
電子モジュール21は、当該電子モジュール21に信号接続または電源接続される外部端子2447,2448を備える雄付属品244を有することができる。
【0022】
雄付属品244の相互接続モジュール200への挿入および密封された嵌合により、端子247と端子2447とが接触し、且つ、端子248が端子2448に接触する。
【0023】
選択された実施形態において、相互接続モジュール200は、交換式または充電式の電池30を受け入れることができ、バッテリーモジュール120と表す。別な方法では、電池30は、電子モジュール21内の、または電子モジュール21に隣接する区画に配置されることができ、当該区画は、図10の実施形態のように、使用者が掴むのに使用されるハンドル100の遠位端を形成することができる。雄付属品244は、相互接続モジュール200にしっかりと嵌合されることを目的としている。相互接続モジュール200での雄付属品244の確実な嵌合は、任意選択的に、相互接続モジュール200の開口部の外周でのバヨネット式マウント、または、補間的なねじあるいはマウント部品を介している。ハンドル100の電子モジュール21の電子部品の所要電力に応じて、交換式および/または充電式電池30は、相互接続モジュール200、および、電子モジュール並びにその部品のためのハウジング210の各々の中に配置されることができる。
【0024】
相互接続モジュール200と電子モジュール21とのバヨネット接続またはねじ接続が完全に嵌合されたとき、ハウジング210の近位端210pの間のガスケットまたはOリング130は、相互接続モジュール200を収容するハンドル100の第1接続部品105の開放された遠位端103を密封する。
【0025】
このような調理器具用容器1のハンドル100はこうして、その開放された遠位端103の外周を規定するリム102とともに細長いハンドルの空洞101を有する第1接続部品105を備える。
【0026】
接続部品105は開放された遠位端103の反対側にフランジ部112を有することができ、このようなハンドル100のフランジ部112は、調理器具用容器1の側壁12に接触して固定されることを目的としている。
【0027】
相互接続モジュール200およびバッテリーモジュール120は、フランジインサート110を用いて空洞101内に保持される。フランジインサート110は、細長いハンドルの空洞101内に配置され、当該細長い空洞101の開放された遠位端103から奥まった構成とすることができる。第1接続部品105が金属製である場合には、フランジインサート110は、リム102に隣接する接続部品105の壁104にスポット溶接されることができる。接続部品105は、空洞101を形成する壁104を提供するプラスチックまたはモールド樹脂または合成部分に結合された金属製フランジ部を有することができるので、フランジインサート110は、任意選択的に、型に入れて作るか、さもなければ接続部品105と一体に形成することができる。フランジインサート110はまた、接続部品105の壁104に結合される相互接続モジュール200の任意の部分とすることもできる。その結果、フランジインサート110は、型に入れて作られるか、相互接続モジュール200と一体に形成される。
【0028】
相互接続モジュール200を接続部品の空洞101に結合する手段としてのフランジインサート110のさらなる限定されない実施例として、図3図8を参照して、金属製接続部品105の限定されない実施形態について、さらに詳細に説明される。
【0029】
相互接続モジュール200がバッテリーモジュール120も含む場合、当該相互接続モジュール200は、電池30を受け入れる内部空洞121、および、フランジインサート110に結合するために開放された遠位端123の周囲を囲むリム1211とリムフランジ124とを備えた領域で規定される開放された遠位端123を有する。リムフランジ124は、ねじ114でフランジインサート110に固定されることができ、当該ねじ124は、リムフランジ124の連続した孔124hを通り、任意選択的にフランジインサート110のらせん状のねじ込み式開口部115に結合する。開口部115のらせん状のねじ山は、溶接、またはそうでなければナットを取り付けることで提供されることができる。ねじ114はまた、任意選択的に、単独の開口部の周囲に係合することができる。
【0030】
エンドキャップ140は、第1接続部品105の開放された遠位端103を閉じるために提供されることができる。エンドキャップ140は、電子モジュール21の部品を収容するハウジング210の一部分を形成することができる。エンドキャップ140は、雄付属品244を含みながら、バッテリーモジュール120への取付用に構成され、本実施形態では円筒部分144になっている。空洞101が非円形状の断面を有する場合、フランジインサート110は、好ましくは、ガスケットまたはOリング130が空洞101を密封するための表面をより多く提供するために、対応する形状を有する。
【0031】
好ましくはガスケットまたはOリング130の両側に平坦な接触面を形成するので、円筒部分144をバッテリーモジュール120に完全に挿入するためにエンドキャップ140が回転されるとき、フランジインサート110は、平坦な接触面を達成して、空洞101の長軸を正確に一直線にする目的で、ねじ114を受けるためのホール、ボアおよびシリンダの様々な配置を展開することができる。
【0032】
ねじ114を受けるナットのような役割を果たすらせん状のねじ穴114hは、バッテリーモジュール120のリムの周囲に一体に形成されることができる。これらのらせん状のねじ穴114hを含む略円筒形のポスト1149は、バッテリーモジュール120の開口部から延びるリムフランジ124のリムの周囲に分配されることができ、フランジインサート110の受け直線孔にも入るように構成されることができる。そしてねじ114は、フランジインサート110の受け孔に円筒形のポスト1149を固定するために内径を広げることができる。別な方法として、円筒形のポスト1149は、フランジインサート110の孔の端部に結合するねじ114を受ける単一の貫通孔を有することができる。これらの略円筒形のポスト1149の長さまたは高さは、その結果として、フランジインサート110からのバッテリーモジュール120の間隔をもたらす。
【0033】
バッテリーモジュール120はまた、第1回路基板125および少なくとも1つの外部リード線127を有することができる。外部リード線127は、少なくとも細長い空洞101に延び、最終的にハンドル100のフランジ112のホールまたはボア1121を通るように構成される。外部リード線127は、好ましくは、保護鞘に収納される例えば熱電対やサーミスタ等の熱センサ7で接合する2つの線状導体を含む。保護鞘は、例えば空洞やボア11等の調理器具に延び入ることができ、容器内の食品の周囲を代表する位置で容器の温度を測定するために、熱電対またはサーミスタを所望の位置に配置する。外部リード線127は2つの線状導体とすることができ、当該線状導体は、他の熱センサ7またはその他のセンサ、あるいは、例えば圧力トランスデューサ等のトランスデューサ、あるいは容器を作製する際にその上に形成されるか一体的に形成される回路部品に接続する。外部リード線127は、容器の本体、または、容器の上に形成されるか容器と一体的に形成される回路が、ハンドル100の電子部品に戻る別の導電性パスを提供する場合には、単一の導電線材とすることができる。
【0034】
バッテリーモジュール120は、第1回路基板125に接続される少なくとも1つの内部バッテリー端子を有することができる。外部リード線127、または外部リード線127の導電線材は、第1回路基板125に接続されることができる。また、第1回路基板125は、符号126,126’,126’’等の複数の外部端子を有することができる。このような外部端子は、内部バッテリー端子接続部122および外部リード線127と、1つ以上の電源接続または信号接続をすることができる。外部リード線127は、任意選択的にフランジ112のホール1121を通って延び、調理器具用容器1の側壁12に到達する。ホール1121は鋳物とすることができるハンドル100の中空でない部分に形成されるように図示されるが、このようなホール1121は、ハンドルが平坦なまたは平面的な金属を丸めたり折り曲げたりしたチューブまたはチューブ状の構造で形成されるときに、本質的に存在することができる。フランジ112は中空でないと同時に、好ましくは、リベットにより調理器具用容器1の側壁12に取付けられたり留められたりし、しかしながら他のハンドルの構造が、溶接により、または、調理器具用容器1の側壁12に溶接されるねじ式スタッドに接続するナットを用いて取付けられることができる。
【0035】
本発明の一態様では、ハンドル100は、主に金属製の外装を有することができるが、さらに、完全鋳造の金属製のハンドルとして低コストで製造することができる。フランジ112は、鋳造時に一体に形成されるホールまたはボアを備えた鋳物とすることができる。空洞101は、第1接続部品105の壁を形成し、そしてフランジ112に溶接され、その後堅牢な金属の外観および耐久性を提供するように研磨されて、その上コストおよび重量を削減できる、金属製チューブにより提供されることができる。
【0036】
ハンドル100は、完全に組立てられるとき、エンドキャップ140も備えることができる。エンドキャップ140は、本質的に空洞101を密封し、ハンドル100をラックまたはフックから吊るすための末端孔147を提供することができる。好適な実施形態において、エンドキャップ140は、略円筒部分144を有し、当該略円筒部分144は、末端孔147を有する遠位側の反対側であるエンドキャップ140の近位側から延びる。円筒部分144は、円筒部分144の近位端で1つ以上のねじ部145’を有することができる。円筒部分144は、円筒部分144の遠位端で1つ以上のねじ部145を有することができる。これらの1つ以上のねじ部145および/または145’は、円筒部分144がバッテリーモジュール121の途中まで挿入された際に、これらのらせん状のねじ149をバッテリーモジュール120の嵌合内部ねじ山129および/または129’に接続するためのものである。したがって、エンドキャップ140を回転することで、これらの嵌合ねじの対を嵌合させて、円筒部分144をバッテリーモジュール121内にさらに引き寄せ、一方、反対方向に回すと、エンドキャップ140をバッテリーモジュール121から、そしてバッテリーモジュール120から、解除して引き出す。図6Bに示すように、バッテリーモジュール120は、電池30を受け入れるスペースのすぐ前方に、一式の内側ねじ山129を有して、円筒部分144の嵌合ねじ145を受ける。バッテリーモジュール120はまた、開口部123の内側に一式の外側ねじ山129’を有して、円筒部分144の嵌合ねじ145とは反対側の嵌合ねじ145’を受ける。別の実施形態では、一対の相手側のねじを、バヨネット式の回転式接続金具に置き換えられることが理解されるべきである。
【0037】
エンドキャップ140は、ハンドル100内に保護するように密封された1つ以上の電子部品を含む、第2回路基板150、または同等の構造を含むことができる。このような同等構成は、エンドキャップ140またはこれに結合する部品等の、任意の他の部品上の導電性トレースを形成する任意の方法を含む。射出成型品に導電性トレース、ビアおよびその他の接続部を形成する方法は周知であり、したがって、第1回路基板および第2回路基板の記載は、従来の平面回路基板に加えて任意のこのような部品を含む。エンドキャップ140は相互接続モジュール200よりもかなり小さくまたは短い場合があるが、エンドキャップ140が電子モジュール21の一部としてより大きいまたは追加の部品を収納するよう望まれる他の実施形態では、かなり長くまたは大きいことが理解されるべきである。
【0038】
円筒部分144は、複数の端子1146,1146’,1146’’を有することができ、当該複数の端子1146,1146’,1146’’は、円筒部分144の近位端に隣接するエンドキャップ140のねじ山と内側フランジとの間の部分の周囲に配置される。円筒部分144は、遠位端にバッテリー端子1447を有することができる。複数の端子1146,1146’,1146’’は、ワイヤ151を用いて第2回路基板150に接続することができる。嵌合ねじを用いてエンドキャップ140をバッテリーモジュール121にねじ込むことで、いくつかの目的が達成されることができる。第一に、バッテリー端子1447が、バッテリーモジュール120内で電池30の端子37に接触する。さらに、エンドキャップ140をバッテリーモジュール121にねじ込むことでまた、第2回路基板150の複数の端子1146,1146’,1146’’と、第1回路基板125の端子126,126’,126’’との間でそれぞれを一直線にして相互に抵抗接触をもたらす。第三に、エンドキャップ140は、円筒部分144の溝1441上のOリング1442等のガスケットシール手段を有するので、エンドキャップ140をバッテリーモジュール121にねじ込むことでまた、Oリング1442が、バッテリーモジュール120と一緒にすべての部品および端子を密封し、またハンドル100の空洞101も密封することを促す。したがって、第2回路基板150上の電子部品は、この結果、バッテリーモジュール121の電池30からの電力のために、外部リード線127、および端子37,38を含む任意のサブ部品と信号接続および電源接続する。第1回路基板125は、バッテリー端子38に接続するための端子126を提供することができる。回路基板125はまた、調理器具用容器1または蓋またはハンドル100の部分内の、電池30等のバッテリーを誘導充電するループ回路等のその他のセンサに接続することができる。
【0039】
Oリング1442のための溝1441をさらに越えて、円筒部分144および/またはバッテリーモジュール121は、意図的な接点またはエンドストップ(端止め)手段を有するように構成されることができ、当該接点またはエンドストップ(端止め)手段は、エンドキャップ140のさらなる回転を制限し、第2回路基板150の端子1146,1146’,1146’’の、第1回路基板125の端子126,126’,126’’とアラインメント位置を過ぎてエンドキャップ140が回転しないようにする。このエンドストップ(端止め)手段は、円筒部分144の少なくとも部分的にらせん状のねじ1148を受け入れる、バッテリーモジュール121の内壁上の別のらせん状または部分的にらせん状の溝とすることができる。このようなねじは、その結果、溝に隣接する壁に接触することでらせん状の溝内へのねじのさらなる移動を阻止する延伸したフランジで終端することができる。このように、エンドストップ(端止め)手段は、ねじ149をバッテリーモジュール120の嵌合内部ねじ山129に接続するためのものでもあるねじ部145と一緒に使用できる。
【0040】
より好ましくは、第1略環状外側ガスケット130が配置され、エンドキャップ140の近位端に配置される近位側で細長いハンドル空洞101のリム102を密封する。この環状外側ガスケット130は、好ましくは、バッテリーモジュール121の嵌合リムフランジ124を受け入れる内部溝領域を有するバッテリーモジュールのリム1211に結合される。ガスケット130は、圧縮され、および/または、1つ以上のベローのような折り目がつく、弾力性のある材料で構成されることができ、バッテリーモジュールのリム1211およびエンドキャップ140をシールする。ガスケット130はまた、圧縮され、および/または、1つ以上のベローのような折り目がつく、弾力性のある材料で構成されることができ、空洞101のリム102をシールする。ガスケット130はまた、圧縮され、および/または、1つ以上のベローのような折り目がつく、弾力性のある材料で構成されることができ、エンドキャップ140のフランジ1145をシールする。ガスケット130は、ハンドル100の組立と製造、および、リム102でハンドルの空洞101を密閉するように構成される細長いハンドルの空洞101内のフランジインサート110のサイズと配置における公差の変化に対応するため、様々なレベルの圧縮とシールに対応するように構成されることができる。
【0041】
第2回路基板150は、エンドキャップ140の凹部141に囲まれることができ、凹部141はインサート146によって密閉される。インサート146は、エンドキャップ140の吊り下げ孔147の周囲を提供する端子部を持つ側から挿入され、任意選択的に、接着剤または超音波溶接で封止される。
【0042】
調理器具用容器1を貫通孔147に挿入されるフックで吊り下げる場合、エンドキャップ140の円筒部分144の、バッテリーモジュール121のねじ部分への強固なねじ結合を介して、バッテリーモジュール120およびフランジインサート110に負荷が掛かる。電子部品または回路基板125,150、および関連する配線は、このような方法で調理器具用容器1が吊り下げられる場合、ストレスが掛からない。
【0043】
バッテリーモジュールの外側に延びるワイヤ151および外部リード線127の外周のすべてのギャップ、および内部端子は、水または液体の侵入を防ぐために、接着剤で塞がれることができる。
【0044】
ここで、エンドキャップ140を回して外すだけでバッテリーモジュール120の電池交換が可能な簡単な組立方法で、本明細書に開示されるハンドル100がどのように食器洗浄機にも対応しているか理解されるべきである。
【0045】
バッテリーモジュール120およびエンドキャップ140は、構造が比較的複雑である一方で、射出成型で容易に製造できることも理解されるべきである。可能な限り耐熱性の高いプラスチックを使用することが好ましいが、空洞101の内部を規定する接続部品105の接続部および壁が限定された領域であるので、これらのプラスチックを軟化させ得る調理中の熱の伝導が最小限に抑えられる。実際、金属を介した直接導通は、例えば、フランジインサート110を接続部品105の壁に接続するスポット溶接された箇所に限られる。プラスチック成型の調理器具用ハンドル100、またはハンドル100の少なくともグリップ部分にプラスチックの成型品が使われている調理器具用ハンドルの場合、バッテリーモジュール121はハンドル100内に成形されることができ、ここでフランジインサート110またはフランジインサート手段を本質的に一体的に形成することも理解されるべきである。ガスケット130は、好ましくは、シリコーンゴム、またはフルオロシリコーンゴムで形成して、圧縮弾性、柔軟性および耐熱性を付与することが理解されるべきである。
【0046】
電池30を電子モジュール21の電子部品から分離することで、より簡単に、このような部品を修理または交換したり、ファームウェアのアップデートを実施したり、エンドキャップ140を交換して調理器具用ハンドルに新機能を追加したり、エンドキャップ140を交換して、ソースパンとスキレット等のように異なるタイプの調理器具用容器に対応したりできることも理解されるべきである。エンドキャップ140はまた、表示灯等の外部ビジュアルディスプレイ、電池の充電状態または残量、および、センサ電子機器で測定される温度またはその他の状態のディジタルディスプレイ、ならびに、外部のメンブレンスイッチまたはボタン等の信号やプログラムを入力するための様々なユーザインターフェースを含むまたは提供できることが理解されるべきである。
【0047】
本発明は、好適な実施形態に関連して記載されているが、決められた特定の形式に発明の範囲を限定する意図ではなく、逆に、添付の請求項で規定される発明の精神と範囲内であれば、そのような代替品、修正品および同等品をカバーすることを意図する。
【0048】
例えば、本発明は、細長い調理器具用ハンドルについて図示および説明しているが、調理器具用ハンドルは、短いU字形状(図10を参照)等、その他の形状を有することができ、バッテリーモジュールは、長方形に加えて、複数の電池に対応してより長く幅広であったり、1つ以上のボタン型電池に対応してより短かったりする等して、電池の数や種類を受け入れるのに必要な任意の形状を有することができる。異なる電池の種類および形状に対して、電気的接続のための中間カバーが、バッテリー端子とエンドキャップ電子部品との間に配置されることができる。
【0049】
本発明の他の実施形態では、エンドキャップ140は、タッチスクリーンまたはメンブレンスイッチ等の電子ディスプレイ701およびユーザ制御インターフェース702を含むことができる。ユーザ制御インターフェース702は、電子ディスプレイ701に表示される情報の変換を提供することができる。
【0050】
エンドキャップ140は、区画729内に、ディスプレイ701または電子モジュール21の他の部品に電力を供給するための追加の電池30を収容することができる。
【0051】
バッテリーモジュール120は、電池およびその他の部品を収容するエンドキャップ140’を取付けるための相互接続モジュール120’とすることができ、ハンドルグリップの一部分を形成することができる。
【0052】
図7は、本発明の別の実施形態の模式的な分解断面図であり、電子モジュール21が、任意選択的に、セパレート型バッテリーモジュール729、電子ディスプレイ701、ユーザインターフェース702、次の部品のうちの1つ以上:加速度計703;ならびに送信機、受信機および/または送受信機704、を有することができる。これらの部品は、共通データバス705によりお互いとバッテリーモジュール729の電池30とを接続するように示されている。
【0053】
図8は、本発明の別の実施形態の模式的な断面図であり、ハンドル100が調理器具用容器1の蓋14に取付けられている。ハンドル100は、ハンドルが調理器具用容器1の側壁12に接続される他の実施形態のように、蓋14の中心から横方向に延びる。
【0054】
図9は、本発明の別の実施形態の模式的な断面図であり、ハンドル100が、調理器具用容器1の蓋14に取付けられているが、ノブ型であり、図7の実施形態のように横方向ではなく、蓋14の中止付近から上方に延びている。熱センサ7が配置され、蓋14の下の鍋型調理器具用容器1内の空間の温度を測定する。
【0055】
図10は、本発明の別の実施形態の模式的な断面図であり、ハンドル100がU字形状であり、調理器具用容器1の側壁12に対して2点の接続部を有する。
【0056】
図11Aおよび図11Bは、本発明の別の実施形態の模式的な断面図であり、相互接続モジュール200が接続部品105内にあるが、電子モジュール21の対応する凹部244で受け入れられる、少なくとも部分的に円筒形の突起として延びている。図11Aは分解した状態を図示し、図11Bは組立てられた状態を図示する。
【0057】
雄付属品244のような円筒形の突起7244は、ここでは符号247および248である外部端子を有する。ハウジング210は、符号1146および1146’のような2つ以上の外部端子を備える雌型キャビティ244を有し、当該外部端子は電子モジュール21と信号接続または電源接続している。メス型キャビティ244のベースは、円筒形の突起7244の端部で嵌合ねじ山2545を嵌合するらせん状のねじ山545と一緒に示される。
【0058】
相互接続モジュール200の円筒形の突起7244の、嵌合ねじ山545および2545を使用した雌型キャビティ244への挿入および密閉型エンゲージメントにより、端子126が端子1146に接触し、端子126’が端子1146’に抵抗接触または電気的接触をし、端子126’’が端子1146’’に抵抗接触または電気的接触をする。さらに、他の実施形態のように、Oリングがハンドル100およびハウジング210の嵌合表面に押し付けられて、空洞101および凹部244を、調理器具をきれいにしたり洗浄したりするときに液体の侵入からシールする。熱で電池30または電子部品が損傷する可能性があるような任意の実施形態の調理器具用容器1の洗浄を行いたい場合は、電池を容易に取り外し、ハンドル100を密閉して、そのような洗浄や関連する処理を行うことができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B