(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】圧縮機モジュール
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20241106BHJP
F25B 1/04 20060101ALI20241106BHJP
F25B 31/02 20060101ALI20241106BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
F25B1/00 D
F25B1/00 331Z
F25B1/04 Y
F25B31/02 Z
B60H1/32 613G
(21)【出願番号】P 2022517706
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2020011396
(87)【国際公開番号】W WO2021054634
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102019124924.4
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020120772.7
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュピース,トニ
(72)【発明者】
【氏名】コツアラ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】フェクト,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】クロッテン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フレーリング,イエルン
(72)【発明者】
【氏名】ゲーム,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】ケスタ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ギルムシェイド、フェリックス
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-040278(JP,A)
【文献】特表2019-521283(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018201581(DE,A1)
【文献】特表2004-516191(JP,A)
【文献】特開2014-059120(JP,A)
【文献】特開2008-014629(JP,A)
【文献】特開2005-146987(JP,A)
【文献】特開2003-129960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00 ~ 49/04
B60H 1/00 ~ 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車空気調和システムの冷媒回路のための圧縮機モジュール(33)で、低圧冷媒入口、高圧冷媒出口及び圧縮機(34)を有するハウジングを含み、前記冷媒回路の内部熱交換器(1)は前記圧縮機モジュール(33)に統合されるように製造され,前記圧縮機モジュール(33)のハウジングは前記内部熱交換器(1)を完全に囲み、
前記ハウジングは、モーターハウジング(20)、高圧ハウジング(27)、及び前記モーターハウジング(20)と前記高圧ハウジング(27)の間に配置された中心ハウジング(22)を含み、
冷媒は前記モーターハウジング(20)及び前記中心ハウジング(22)を過ぎて前記高圧ハウジング(27)に案内され、
前記内部熱交換器(1)は冷媒の流れ上
、前記中心ハウジング(22)内に配置されるか、又は前記モーターハウジング(20)と前記中心ハウジング(22)の間に配置されることを特徴とする圧縮機モジュール(33)。
【請求項2】
少なくとも一つの冷媒センサー(40)が前記圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合されるように製造されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項3】
前記冷媒回路の冷媒収集機(15)が前記圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合されるように製造されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項4】
前記冷媒回路の他の熱交換器が前記圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合されるように製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項5】
前記熱交換器は,冷却器(38)として製造され,前記冷却器(38)の上流に位置する膨張要素(39)は,前記圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合されるように製造されることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項6】
前記圧縮機モジュール(33)のハウジングはディスク型ハウジング部分で製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項7】
前記圧縮機モジュール(33)のハウジングは、インバータハウジング(23)、前記モーターハウジング(20)、前記中心ハウジング(22)及び前記高圧ハウジング(27)で製造され、冷媒は前記低圧冷媒入口から前記インバータハウジング(23)、前記モーターハウジング(20)及び前記中心ハウジング(22)を過ぎて前記高圧ハウジング(27)に案内され、前記内部熱交換器(1)は前記中心ハウジング(22)内に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項8】
前記圧縮機モジュール(33)のハウジングは、インバータハウジング(23)、前記モーターハウジング(20)、前記内部熱交換器(1)のためのハウジング、前記中心ハウジング(22)及び前記高圧ハウジング(27)で製造され、冷媒は前記低圧冷媒入口から前記モーターハウジング(20)及び前記中心ハウジング(22)を経て前記高圧ハウジング(27)に案内され、
前記内部熱交換器(1)は前記中心ハウジング(22)内で前記モーターハウジング(20)と前記高圧ハウジング(27)の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項9】
前記圧縮機モジュール(33)のハウジングは、冷媒収集機(15)のためのハウジング、前記モーターハウジング(20)、前記内部熱交換器(1)のためのハウジング、前記中心ハウジング(22)及び前記高圧ハウジング(27)で製造され、
冷媒は前記低圧冷媒入口から前記冷媒収集機(15)のためのハウジング、前記モーターハウジング(20)、前記内部熱交換器(1)及び前記中心ハウジング(22)を通過し、前記高圧ハウジング(27)に案内され、
前記内部熱交換器(1)は前記モーターハウジング(20)と前記中心ハウジング(22)の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項10】
前記圧縮機モジュール(33)のハウジングは、冷却器(38)と膨張要素(39)のためのハウジング、冷媒収集機(15)のためのハウジング、前記モーターハウジング(20)、前記内部熱交換器(1)のためのハウジング、前記中心ハウジング(22)及び前記高圧ハウジング(27)で製造され、
冷媒は、前記低圧冷媒入口から前記膨張要素(39)、前記冷却器(38)、前記冷媒収集機(15)、前記モーターハウジング(20)、前記内部熱交換器(1)及び前記中心ハウジング(22)を通過し、前記高圧ハウジング(27)に案内され、
前記内部熱交換器(1)は前記モーターハウジング(20)と前記中心ハウジング(22)の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項11】
前記内部熱交換器(1)は圧縮機の軸(4a)と同軸に配置される円筒形コイルチューブ(13)として製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項
10のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項12】
自動車空気調和システムの冷媒回路のための圧縮機モジュール(33)で、低圧冷媒入口、高圧冷媒出口及び圧縮機(34)を有するハウジングを含み、前記冷媒回路の内部熱交換器(1)は前記圧縮機モジュール(33)に統合されるように製造され、前記圧縮機モジュール(33)の前記ハウジングは前記内部熱交換器(1)を完全に囲み、
前記ハウジングは、モーターハウジング(20)、高圧ハウジング(27)、
及び前記モーターハウジング(20)と前記高圧ハウジング(27)の間に配置された中心ハウジング(22)を含み、
前記内部熱交換器(1)は軸方向に部分的に前記モーターハウジング(20)及び部分的に前記中心ハウジング(22)によって収容され、半径方向には前記モーターハウジング(20)と前記中心ハウジング(22)によって囲まれることを特徴とする圧縮機モジュール(33)。
【請求項13】
前記内部熱交換器(1)は半径方向に外側案内ハウジング(2)と内側案内ハウジング(3)の間に同軸に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項
12のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項14】
前記ハウジングは、軸方向に前記ハウジングの一端部を限定するハウジングカバー(18)と、前記ハウジングカバー(18)と前記モーターハウジング(20)の間に配置された中心ハウジング(19)をさらに含み、前記冷媒収集機(15)は前記中心ハウジング(19)と、前記ハウジングカバー(18)内に配置され、前記冷媒収集機(15)は冷媒ガスの流れから冷媒液体を獲得するために液体分離器(14)、カップ型分離要素(16)及び前記内部熱交換器(1)のためのガス吸入パイプ(17)を有することを特徴とする請求項3に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項15】
前記ハウジングは、軸方向に前記モーターハウジング(20)の一端部を限定するハウジングカバー(18)をさらに含み、前記内部熱交換器(1)は半径方向に内側案内ハウジング(3)と前記ハウジングカバー(18)の円筒形部分の間に同軸に配置され、ディスク型分割要素(45)が軸方向に冷媒収集機(15)に対する境界として配置されることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項16】
前記内側案内ハウジング(3)は、フィルター材料(21)を保持でき、フィルター(5)を持つように製造されることを特徴とする請求項
13または請求項
15に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項17】
前記圧縮機(34)は電気圧縮機として製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項
16のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【請求項18】
前記圧縮機(34)はスクロール圧縮機として製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項
17のいずれか一項に記載の圧縮機モジュール(33)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車空気調和システムの冷媒回路のための圧縮機モジュールに関する。圧縮機モジュールは、モジュール型構成品内に冷媒回路の多様な構成品及び機能の統合設計を具現する。圧縮機モジュールは、冷媒として二酸化炭素を使用するR744が冷媒回路に使用されることが特に望ましい。
【背景技術】
【0002】
冷媒回路は様々な技術的構成品で構成される。これらの構成品をできるだけ効率的に開発するように、例えばそれらの構成品をできるだけ節約できるように設計することが要望されている。そのため、熱交換機または冷媒圧縮機に統合される収集機がすでに従来の技術に知られている。例えば、統合型収集機を持つ冷媒圧縮機が既にUS 2004/0141859A1に知られている。しかし、ここで達成できる省スペースは制限される。冷媒回路に対する利点及び収集機を圧縮機のハウジングに統合することで達成できる構成品の安定性もまた大きくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に冷媒としてR744を使用する冷媒回路のための統合モジュール型構成品の複雑性を減らすことにある。これに加えて、本発明の目的は、冷媒回路の必要な個別構成品及び部品の数を最小化し、またそのような構成品の必須的な耐圧性を確保するために、一般的に求められる費用の側面から削減を実現するために、個別構成品間のシナジーを達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特に、自動車空気調和システムの冷媒回路のための圧縮機モジュールで解決され、この圧縮機モジュールは組み立てることができ、一つの低圧冷媒入口、一つの高圧冷媒出口及び一つの冷媒圧縮機を表すモジュール型多部分ハウジングを有する。圧縮機モジュールは、特に、冷媒回路の内部熱交換器が圧縮機モジュールに統合されるように製造され、圧縮機モジュールのハウジングは内部熱交換器を完全に取り囲み、それによって内部熱交換器と実際の圧縮機の両方を収容することを特徴とする。
【0005】
したがって、本発明の概念的な設計は、圧縮機モジュールで又は圧縮機モジュールで、圧縮機の構成品及び内部熱交換器の構成品を相互に組み合わせて製造することにある。
【0006】
これは特に有利な方式で冷媒回路にあるモジュールの単純化された設置の利点を利用するだけでなく、圧縮機のハウジングをモジュール方式で内部熱交換器を収容するハウジングまたはハウジング部分に拡張し、これによってこの内部熱交換器はこれ以上それ自体の別途の専用耐圧ハウジングを必要としない。
【0007】
圧縮機モジュールは、望ましいことに少なくとも一つの冷媒センサーを含み、この冷媒センサーは圧縮機モジュールのハウジングに統合されるように製造される。したがって、望ましいことに、ハウジングに統合される多様な冷媒ラインとともに、回路の対応する地点で求められる冷媒センサーは、またR744冷媒の要件を満たす圧密(pressure-tight)ハウジング内に配置されるか、あるいはそのハウジングによって囲まれる。
【0008】
また、内部熱交換器とともに、冷媒回路の冷媒収集機が望ましいようには圧縮機モジュールのハウジングに統合されるように製造される。
冷媒収集機を圧縮機モジュールに収容することは、冷媒回路のために要求される個別構成品及び連結要素の数を減らし、これは組立を単純化するだけでなく、圧縮機モジュールのための全体ハウジングの有利な圧密設計を保障する効果を持ち、これによりコスト効率的な製造を促進する。
【0009】
望ましい実施形態から、冷媒回路の追加熱交換器が圧縮機モジュールのハウジングに統合される。この追加熱交換器は、望ましいことに、冷却器のみならず冷却器の上流に設置される膨張要素であり、これらは圧縮機モジュールのハウジングにともに統合され、かつ、このハウジングによって囲まれ、その中に収容され、上記ハウジングは外部の圧密性を保障する。
【0010】
圧縮機モジュールのハウジングのための設計原理は、例えば圧縮機モジュールのハウジング部分がディスク型要素として組み立てられ、それによってまたモジュール方式に拡張されるように製造される圧縮機モジュールのハウジング部分によって説明される。
【0011】
有利な実施形態において、圧縮機モジュールのハウジングは、インバータハウジング、モーターハウジング、中心ハウジングおよび高圧ハウジングで製造され、冷媒は低圧の冷媒入口からインバータハウジング、モーターハウジングおよび中心ハウジングを通り高圧ハウジングで案内される。ここで、内熱交換器は中心ハウジング内に配置される。
【0012】
特に望ましい実施形態において、圧縮機モジュールのハウジングは冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。これらの構成から、冷媒は直列的に低圧の冷媒入口から冷媒収集機、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングを通り高圧ハウジングで流れる。 内部の熱交換器は冷媒コレクターとモーターハウジングに配置される。
【0013】
圧縮機モジュールの代替的な実施形態において、圧縮機モジュールのハウジングは、冷却機と膨張要素のためのハウジング、冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。
これらの構成から、冷媒は低圧の冷媒入口から膨張要素及びその次の冷却器、冷媒収集機、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングを通り高圧ハウジングで流れる。ここで、内部熱交換器は冷媒収集機とモーターハウジングの間に配置される。
【0014】
有利に修正された圧縮機モジュールは、インバータハウジング、モーターハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される圧縮機モジュールのハウジングによって得られる。 ここで、冷媒は低圧の冷媒入口からモーターハウジング及び中心ハウジングを通って高圧ハウジングで流れる。 内部熱交換器は中心ハウジング内でモーターハウジングと高圧ハウジングの間に配置される。
【0015】
圧縮機モジュールのハウジングは、有利には、インバータハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。冷媒は、低圧の冷媒入口からインバータハウジング、内熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング及び中心ハウジングを通り高圧ハウジングと案内される。ここで、内熱交換器はインバータハウジングとモーターハウジングの間に配置される。
【0016】
他の代案例は、インバータハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングに有利に製造される圧縮機モジュールのハウジングのためのものであり、冷媒は低圧の冷媒入口からインバータハウジング、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングを通って高圧ハウジングに案内されるか、またはインバータハウジング、内部熱交換器及び高圧ハウジングを通って高圧ハウジングを案内されるものである。 ここで、内熱交換器はモーターハウジング内でインバータハウジングと中心ハウジングの間に配置される。
【0017】
追加実施形態によると、圧縮機モジュールのハウジングは、有利には、冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。 ここで、冷媒は低圧の冷媒入口から冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング及び中心ハウジングを通り高圧ハウジングで案内される。ここで、内部熱交換器は冷媒収集機とモーターハウジングの間に配置される。
【0018】
追加の代替的な実施形態によれば、圧縮機モジュールのハウジングは、有利には、冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、インバータハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造され、冷媒は低圧の冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、 そのため、内部の熱交換器は冷媒コレクターとインバータハウジングの間に配置される。
【0019】
有利かつ代替的な実施形態において、圧縮機モジュールのハウジングは、冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジングおよび高圧ハウジングで製造される。冷媒は、低圧の冷媒入口から冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングを通り、高圧ハウジングで案内される。内部熱交換器はモーターハウジングと中心ハウジングの間に配置される。
【0020】
他の有利かつ代替的な実施形態において、圧縮機モジュールのハウジングは、冷媒収集機のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造され、冷媒は低圧の冷媒入口から冷媒収集機、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングを通って高圧ハウジングで案内されるか、または冷媒収集機、モーターハウジング及び中心ハウジングで案内されるか、または冷媒収集機、モーターハウジング及び内部熱交換器 内部熱交換器はモーターハウジング内で冷媒収集機と中心ハウジングの間に配置される。
【0021】
追加の有利な実施形態は、圧縮機モジュールのハウジングが、冷却器と膨張要素のためのハウジング、冷媒収集機のためのハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、インバータハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造されることにある。そのため、冷媒は低圧の冷媒入口から膨張要素、冷却器、冷媒収集機、内部熱交換器、インバータハウジング、モーターハウジング及び中心ハウジングを通って高圧ハウジングと案内される。内部の熱交換器は冷媒コレクターとインバータハウジングに配置される。
【0022】
代案として、圧縮機モジュールのハウジングは、冷却器と膨張要素のためのハウジング、冷媒収集機のためのハウジング、モーターハウジング、内部熱交換器のためのハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。そのため、冷媒は低圧の冷媒入口から膨張要素、冷却器、冷媒収集機、モーターハウジング、内部熱交換器及び中心ハウジングを通って高圧ハウジングに案内される。内部熱交換器はモーターハウジングと中心ハウジングの間に配置される。
【0023】
代案として、圧縮機モジュールのハウジングは、冷却器と膨張要素のためのハウジング、冷媒収集機のためのハウジング、モーターハウジング、中心ハウジング及び高圧ハウジングで製造される。冷媒は、低圧の冷媒入口から膨張要素、冷却器、冷媒収集機、内部熱交換器、モーターハウジング及び中心ハウジングに案内されるか、又は膨張要素、冷却器、冷媒収集機、モーターハウジング、内部熱交換器及び高圧ハウジングを通過し、又は膨張要素、冷却器、冷媒収集器及び並列により内部熱交換器とモーターハウジングを通過し、又は中心ハウジングを通過する。モーターハウジング内の内部熱交換器は、モーターハウジング内で冷媒収集器と中心ハウジングの間に配置される。
【0024】
望ましい実施形態は,内部熱交換器が圧縮機モジュールの軸と同軸に配置される円筒形コイルチューブとして製造されるものである。この円筒形コイルチューブは、高圧の冷媒質量流動を案内し、低圧冷媒質量流動、圧縮機の吸入圧力で囲まれる。
【0025】
他の有利な実施形態によると、内部熱交換器は軸方向に部分的にモーターハウジング及び部分的に中心ハウジングによって収容され、半径方向にはモーターハウジングと中心ハウジングによって囲まれる。
【0026】
内部熱交換器は半径方向に外側案内ハウジングと内側案内ハウジングの間に同軸に配置される。
【0027】
冷媒収集機は望ましいことに、中心ハウジングと、端部から軸方向にハウジングを限定するハウジングカバー内に配置され、冷媒収集機は冷媒ガスの流れから冷媒液体を獲得するために使用される液体分離器、カップ型分離要素及び内部熱交換器の低圧側のためのガス吸入パイプを有する。
【0028】
内部熱交換器は、有利には、半径方向に内側案内ハウジングとハウジングカバーの円筒形部分の間に同軸に配置され、ディスク形分割要素が軸方向に冷媒収集機に対する境界として配置される。
【0029】
内部熱交換器は、有利には、半径方向に外側案内ハウジングと内側案内ハウジングの間に同軸に配置され、外側案内ハウジングは軸方向に冷媒収集機に対する境界としてディスク型分割要素を持つ。
【0030】
内側案内ハウジングは、望ましいことにフィルター材料を維持するように製造され、冷媒のためのフィルターを持つ。
【0031】
圧縮機は,望ましいことには電気圧縮機,特に望ましいことにはスクロール圧縮機として製造される。
【発明の効果】
【0032】
要約すると、本発明のメリットは以下のように説明できる。冷媒回路の部分又は構成品を圧縮機に統合することで、全体システムの複雑性が直接的に低減される。PTセンサーを圧縮機に統合することは、車両組立に求められるコネクタ、ハウジング、ケーブルハーネス、及び取付作業を不要にすることができ、これは時間、コスト及び取付空間の削減につながる。内熱交換器の統合はまた、圧力ハウジングからシナジーにつながる。そのため、少なくとも一つの冷媒ラインは省略でき、車両の構成品のねじ連結点の数の減少が達成される。
【0033】
車両製造中に求められる設置作業の量の削減は、構成品の統合による有利な効果とも考えられる。冷媒収集機の統合は、オイル貯蔵部を有するオイル復帰部が、オイルが全システムを通して循環される必要がなく、低圧側で冷媒収集機に実装できることを意味する。冷媒コレクターにおいて、温度は高温のガス温度から吸入ガス温度に低減され、これに伴いオイルの粘度が増加する。この増加した粘度は、ベアリング及び他の構成品に対する潤滑能力を増加させることにより、圧縮機の作動に有利である。冷却器の統合はまた、特に冷媒ラインがこれ以上必要なくなるため、そして車両組立中のより低い設置費用により圧力ハウジングからシナジーにつながる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の実施例の図面は以下である。
【
図1】圧縮機モジュール及び統合された内部熱交換器を有する冷媒回路の回路図である。
【
図2】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図3】圧縮機モジュールと統合された熱交換器及び冷媒収集器を有する冷媒回路の回路図である。
【
図4】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図5】圧縮機モジュール、内部熱交換器、冷媒収集器及び冷却器を有する冷媒回路の回路図である。
【
図6】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図7】圧縮機モジュールの概略度がある冷媒回路の回路図である。
【
図8】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図9】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図10】圧縮機モジュールの概略度がある冷媒回路の回路図である。
【
図11】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図12】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図13】圧縮機モジュールの概略度がある冷媒回路の回路図である。
【
図14】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図15】多部分ハウジングを持つ圧縮機モジュールの概略図である。
【
図16】統合された内部熱交換器を持つ圧縮機モジュールの終断面図である。
【
図17】統合された冷媒収集機と内部熱交換器を有する圧縮機モジュールを部分的に示した縦断面図である。
【
図18】内部熱交換器が端部に位置している圧縮機モジュールの終端断面図である。
【
図19】内熱交換器がモーターハウジング内にある圧縮機モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は圧縮機モジュール(33)を有するR744用冷媒回路の回路図を示す。圧縮機モジュール(33)は多数の構成品で組み立てられる。メイン構成品、すなわち冷媒のための電気圧縮機(34)及び内部熱交換器(1)と一緒に、圧縮機モジュールはまた多様な冷媒センサー、特に圧力/温度センサー(40)を含む。
【0036】
ここで、圧力及び温度のための冷媒センサーは圧縮機出口に配置される一方、他の冷媒センサー(40)は圧縮機モジュール(33)の内部でガス冷却機(35)の下流にそして内部熱交換器(1)の上流にある、圧縮機モジュール(33)内への冷媒入口に配置される。内部熱交換器(1)の高圧側の下流において、冷媒は、図示されていないバルブの作動モード及び位置に応じて、回路において並列的に配置されていて膨張要素(37)が割り当てられている蒸発器(36)、及び膨張要素(39)が割り当てられている冷却器(38)により並列的に又は相互について、いずれか一つの方法で案内される。その後で、冷媒蒸気が圧縮機モジュール(33)に入った後に、冷媒蒸気が圧縮機モジュールの外部に配置されている冷媒収集機(15)に案内され、続いて圧縮機モジュール(33)の内部熱交換器(1)の中に案内される前に、低圧側の冷媒センサー(40)により測定される。内部熱交換器(1)から出る冷媒蒸気は、究極的に圧縮機(34)の吸入側に案内される。
【0037】
回路は温度センサー(41)によって完成され、これらの温度センサーは、例えば蒸発器(36)における空気温度を測定し、また冷却器(38)における冷媒温度を測定するために使用される。圧縮機(34)、内部熱交換器(1)及び冷媒センサー(40)の構成品を圧縮機モジュール(33)に統合することは、高度な統合が実現することでシステムの総コストを削減できる。これは、構成品を高水準に統合することにより、R744冷媒用冷却システムを有する個別の構成品を削減することで達成できる。内部熱交換器(1)は、これを圧縮機のハウジングの中に収容することで統合され、そのため、そのハウジングを圧縮機モジュール(33)のハウジングという。
【0038】
ここで、圧縮機(34)の既存圧力ハウジング構造の利点が使用され、内熱交換器(1)が低い費用で低圧側からハウジングに統合され得る。全ての必要な冷媒センサー(40)がまたハウジングに統合され、これにより追加の冷媒センサーが別の位置で回路内に位置される必要はない。圧縮機モジュール(33)内部で冷媒センサーの中央配置はインバータボードの一部分で行うことができる。これにより製品の電気的連結を減らすことができ,より複雑になる。さらに、センサーのための特殊なセンサーハウジングは必要ない。センサー信号は圧縮機のために既にあるデータネットワークを通じて、例えばCAN/CAN_FDまたは_LINを通じて伝送される。これに加え、統合のおかげで圧縮機モーターのより良好な冷却が達成されたことにより、低い温度レベルにより統合の結果、インバータ及び/又は電気圧縮機(34)のモーター効率が改善される。
【0039】
図2はディスク型ハウジングモジュールで製造される圧縮機モジュール(33)の概略度を示す。ディスク型ハウジングモジュールはシール(seal)を使用して互いに繋がり、コンパクトな全体圧縮機モジュールハウジングを形成する。以下にハウジングモジュールの様々なバージョンと組み合わせが実施形態で説明される。
【0040】
図2による実施形態によると、インバータハウジングは、圧縮機モジュール内部で一段部に配置される。モーターハウジング(20)は低圧の冷媒入口(42)につながる。 そして中心ハウジングは内部熱交換器(1)を収容する一方、高圧ハウジング(27)は一旦部で圧縮機の機械的作動要素とともに配置される。スクロール圧縮機で示されている実施形態において,上記圧縮機の作動要素は固定及び旋回スクロールとして製造される。
【0041】
これに加え、冷媒センサー(40)はハウジングに統合される。高圧の冷媒出口(43)が高圧ハウジング(27)から半径方向に配置される。内部熱交換器(1)は中心ハウジング(22)内に位置し、低圧側の冷媒は低圧の冷媒入口(42)からインバータハウジング(23)及びモーターハウジング(20)内の電気モーターを通り、また中心ハウジング(22)の内部熱交換器(1)を通り高圧ハウジング(27)に流れ、この高圧ハウジングで冷媒蒸気が圧縮され、最終的には高圧の冷媒出口(43)を通して圧縮機(33)になる。言及された構成品を通過する冷媒の流動は入口から出口まで起き、これら構成品は直列的に連結され、矢印で表されている。
【0042】
図3は、
図1に図示されたものと同一の構造を有する冷媒回路の回路図を示す。しかし、
図1による回路と対照的に、
図3は冷媒収集機(15)を圧縮機モジュール(33)に統合することにより拡張された圧縮機モジュール(33)を示す。他のすべての構成品および冷媒回路自体は、変更されずに維持される。冷媒コレクター(15)を含むことにより得られる圧縮機モジュール(33)のさらに増加したレベルの統合により、システムの総コストが削減される。
【0043】
図4は概略図として
図3に概略的に示されているディスク型ハウジングモジュールを含む設計を持つ圧縮機モジュール(33)を示す。上記圧縮機モジュール(33)は、一部分で冷媒収集機(15)により限定される。内部熱交換器(1)、モーターハウジング(20)、中心ハウジング(22)、最後に高圧ハウジング(27)は軸方向に配置される。冷媒センサー(40)は、概略的に示されており、表示されている対応する地点で圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合される。冷媒収集機(15)(なお、アキュムレータともいう)は冷媒入口に配置される一方、内部熱交換器(1)は冷媒収集機(15)と圧縮機の電気モーター及び彼のモーターハウジング(20)の間に位置する。低圧側で、冷媒は冷媒入口から冷媒収集機(15)、低圧側の内部熱交換器(1)及びモーターハウジング(20)内の電気モーターを通ってスクロール圧縮機を有する高圧ハウジング(27)で流れ、そこから高圧の冷媒出口(43)で流れることになる。
【0044】
他方で、
図5は、
図1及び3の回路に類似した冷媒回路の回路図を示す。
図5による冷媒回路は、追加的な構成品が追加されている圧縮機モジュール(33)を示す。当該構成品は圧縮機モジュール(33)にまた統合される熱交換器である。図示された実施形態で、熱交換器は割り当てられた膨張要素(39)を持つ冷却器(38)として製造される。
【0045】
図6は
図5に図示された回路に沿った圧縮機モジュール(33)の例を示す。冷媒収集機(15)、冷却機(38)および関連した膨張要素(39)はまた、全て圧縮機モジュール(33)に統合される。さらに、内部熱交換器(1)は冷媒収集機(15)とモーターハウジング(20)の間に配置される。中心ハウジング(22)と高圧ハウジング(27)はつながっている。冷媒収集機(15)はここで一つより多くの冷媒入口を持つ一方、冷媒収集機(15)、内部熱交換器(1)と冷却器(38)及び膨張要素(39)はすべて圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合される。したがって、冷媒収集機、冷却器及び内部熱交換器は、低圧側から圧縮機ハウジングの圧力容器の構造を利用し、これによりコストが削減される。これに加えて、すべての必要な冷媒センサーが圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合され、この結果直接的な利点だけでなく中央制御及びインバータボードの一部分への配置と関連した利点が得られる。
【0046】
これにより特に漏えいが減少し、電気回路が複雑化することが少なくなるが、特殊なセンサーハウジングを必要とせず、それによりかなりのコストが削減されることを意味する。さらに圧縮機信号に加え、すでに説明されているように、信号の伝送は圧縮機制御のために既にある対応するネットワークを通じても可能である。 この結果、吸入ガス冷却の結果として、圧縮機モジュール(33)内部のさらに低い温度のおかげで改善されたインバータおよび電気モーター効率が現れることになる。
【0047】
冷媒の流動は膨張要素(39)で高圧の冷媒で始まる。次に、膨張した低圧の冷媒は冷却機(38)と冷媒収集機(15)、内部熱交換器(1)及びモーターハウジング(20)内の電気モーターを通り高圧ハウジング(27)内のスクロール圧縮機ユニットと高圧の冷媒出口(43)に案内される。
【0048】
図7は、回路に統合される圧縮機モジュール(33)を有する冷媒回路で、冷媒収集機(15)は蒸発器(36)の下流にある低圧部分又は蒸発器(36)の膨張要素(37)の上流にある高圧部分に配置される。ここで、圧縮機モジュール(33)はインバータハウジング(23)、モーターハウジング(20)、内部熱交換器(1)を有する中心ハウジング(22)及び高圧ハウジング(27)を含む。冷媒回路はガス冷却器(35)で完成する。
【0049】
この実施形態では,冷媒回路は多重蒸発器システムのために使用できる。冷媒は、低圧側から矢印の方向にインバータハウジング(23)内のインバータ、モーターハウジング(20)内の電気モーター及び中心ハウジング(22)内の内部熱交換器(1)を通って高圧ハウジング(27)に、かつ冷媒出口に流れる。
【0050】
図8は
図7によって図示された配置と比較して、耐熱交換器(1)の配置に対する異なる例を示す。ここで、耐熱交換器(1)及びモーターハウジング(20)の位置は変わっている。別の代案例によると、内部熱交換器(1)はインバータハウジング(23)に変わり、低圧側の冷媒は内部熱交換器(1)とインバータハウジング(23)を通して流れ、続いてモーターハウジング(20)と中心ハウジング(22)を通じて高圧ハウジング(27)に案内される。
図9は、内部熱交換器(1)を別の設計に統合する圧縮機モジュール(33)を示す。 内部熱交換器(1)は圧縮機の電気モーターと並列的に配置される。
【0051】
そのため冷媒は低圧側から様々な方式に流れることがある。その方式の一つは、低圧の冷媒入口(42)からインバータハウジング(23)内のインバータを通ってモーターハウジング(20)内の電気モーターに移動し、最後に内部熱交換器(1)と中心ハウジング(22)を通って螺旋型圧縮機ユニットを持つ高圧ハウジング(27)に向かうことである。冷媒は高圧から冷媒出口(43)および圧縮機モジュール(33)を抜ける。
【0052】
対案的に、低圧側の冷媒は低圧冷媒入口(42)からインバータハウジング(23)内のインターバーを通って内部熱交換器(1)に、そしてモーターハウジング(20)内の電気モーターで、中心ハウジングを通って高圧ハウジング(27)に流れ得る。他の対案例において、冷媒は、低圧で冷媒入口(42)から低圧でインバータハウジング(23)内のインターバーを通り、そして並列的に内部熱交換器(1)及びモーターハウジング(20)内の電気モーターを通り、高圧ハウジング(27)に流れることができる。
【0053】
図10は
図7の回路図に類似した、圧縮機モジュール(33)を持つ冷媒回路を示す。ここで圧縮機モジュール(33)は、冷媒収集機(15)が圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合されるという事実を特徴とする。これに加え、内部熱交換器(1)は圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合され、低圧側で冷媒収集機(15)と内部熱交換器(1)のために圧縮機ハウジングの既存の圧力ハウジングを使用する利点がまたこの設計に使用され、これによりコストが削減される。ここで、すべての要求される冷媒センサーはまた圧縮機モジュール(33)のハウジングに統合される。減少した漏出、複雑さの少ない配線や特殊なセンサーハウジングがなくてもよい可能性、およびセンサー信号を圧縮機の信号システムにより伝送するオプション、およびより低い温度により達成できる改善されたインバータおよびモーター効率に関するメリットは既に上記を参照している。低圧側で、冷媒は冷媒収集機(15)から内部熱交換器(1)、インバータハウジング(23)及びモーターハウジング(20)内の電気モーター及び中心ハウジング(22)を通り高圧ハウジング(27)に流れる。
【0054】
図11は圧縮機モジュール(33)内に入る冷媒入口を持つ冷媒収集機(15)を示すが、内部熱交換器(1)は電気モーターと螺旋形圧縮機ユニットの間に配置され、それによってモーターハウジング(20)と中心ハウジング(22)及び高圧ハウジング(27)の間に配置される。低圧側で、冷媒は低圧冷媒入口から冷媒収集機(15)、モーターハウジング(20)内の電気モーター及び内部熱交換器(1)を通って高圧ハウジング(27)に流れ、その後高圧から圧縮機出口、冷媒出口(43)に流れることになる。これに加え、冷媒センサー(40)がハウジングに統合されている。
【0055】
図12は、
図12に図示されたものと類似した連結を持つ圧縮機モジュール(33)の概略図であり、
図9のインバータハウジング(23)を持つインバータは
図12から冷媒収集機(15)に置き換えられている。低圧側の冷媒は再び3つの異なる方式(異なるバージョン)に流れる。まず、冷媒収集機(15)を通ってモーターハウジング(20)内の電気モーターに行き、内部熱交換器(1)を通ってスクロール圧縮機ユニットを持つ高圧ハウジング(27)で流れる。低圧側にある冷媒流動の次のバージョンで、内部熱交換器(1)と電気モーターの位置は変わっていて、また別のバージョンでは、低圧側の冷媒が並列的に電気モーターと内部熱交換器(1)を通って流れる。
【0056】
図13は、
図10及び
図7に示すものと類似の圧縮機モジュール(33)を有する冷媒回路を示す。前述した実施形態とは対照的に、低圧側の冷媒は圧縮機モジュール(33)の入口ポートを通って冷媒収集機(15)に流れ、続いてインバータハウジング(23)内のインバータを通ってモーターハウジング(20)内の電気モーター及び中心ハウジング(22)を通って高圧ハウジング(27)に流れる。
【0057】
図1~3の圧縮機モジュール(33)は
図1~4にさらに詳しく表示されている。冷却
器(38)及びそれに伴う膨張要素(39)は圧縮機モジュール(33)に統合されている。続いて、冷媒収集機(15)、モーターハウジング(20)、内部熱交換器(1)、中心ハウジング(22)及び高圧ハウジング(27)は順に直列に配置されている。低圧側で冷媒の流動は冷却器(38)の膨張要素(39)で高圧の冷媒で始まり、冷媒収集機(15)を通ってモーターハウジング(20)内の電気モーターで、内部熱交換器(1)を通って中心ハウジング(22)と高圧ハウジング(27)で、高圧の冷媒出口(43)と最後まで案内される。
【0058】
図15は、最後に
図12及び9のモジュールに類似した設計を使用する圧縮機モジュール(33)を示し、膨張要素(39)を有する冷却
器(38)、次に冷媒収集機(15)、モーターハウジング(20)内、内部熱交換器(1)及び中心ハウジング(22)及び高圧ハウジング(27)が配置されている。その一方で、低圧側の冷媒の流動は冷却器(38)の膨張要素(39)で高圧の冷媒で始まる。内部熱交換器はモーターハウジング(20)内の電気モーターと並列的に配置される。三つの異なる作動モードにおいて、膨張バルブ(39)、冷却器(38)及び冷媒収集機(15)が以前に貫流され、代替的なバージョンでは、モーターハウジング(20)内の電気モーター、次に内部熱交換器(1)及び高圧ハウジング(27)内のスクロール圧縮機ユニットが貫流される。
【0059】
一つのバージョンで、冷媒収集機(15)の次に内部熱交換器(1)及びモーターハウジング(20)内の電気モーターが貫流され、次いでスクロール圧縮機ユニットが貫流される。他の対案例において、冷媒がスクロール圧縮機ユニットを有する高圧ハウジング(27)で案内される前に、電気モーター及び内部熱交換器(1)が並列的に貫流される。
【0060】
図16は圧縮機モジュール(33)の終断面図を示す。ここで、圧縮機モジュール(33)の個別の構成品は圧縮機の軸(4a)の中心線に沿って表されている。圧縮機モジュール(33)は彼のメイン構成品である冷媒用圧縮機および内部熱交換器(1)を含む。内部熱交換器は高圧ラインとしてコイルチューブ(13)を持ち,高圧の冷媒のための内部熱交換器(1)の入口(8)と内部熱交換器の出口(7)を有している。圧縮機モジュール(33)内部の低圧流動経路は冷媒の圧縮に沿って低圧の冷媒入口(42)から高圧の冷媒出口(43)まで形成されている。冷媒入口(42)から冷媒出口(43)までの経路で、冷媒ガスは高圧で内部熱交換器(1)の冷媒をもつコイルチューブ(13)を通り、これから熱を吸収する。
【0061】
スクロール圧縮機として製造される、電気冷媒圧縮機の電子部品はインバータハウジング(23)内に配置される。インバータハウジング(23)が続く、モーターハウジング(20)は軸方向にインバータハウジング(23)のすぐ下流に位置する。圧縮機の軸(4a)はモーターハウジング(20)内のモーターベアリング(4)に装着される。
【0062】
電気圧縮機の電気モーターの回転子(25)は軸(4a)周囲に配置される一方、固定部(24)は同軸にその軸から半径方向に離隔されている。モーターハウジング(20)で、軸(4a)は一段部でモーターベアリング(4)に維持される一方、もう一方でメインベアリング(31)は中心ハウジング(22)内に配置される。軸(4a)は旋回スクロール(29)を動かし、これは旋回スクロールのベアリング(30)に装着される。固定スクロール(28)は高圧ハウジング(27)内に取り付けられる。中心ハウジング(22)はモーターハウジング(20)と高圧ハウジング(27)の間に配置される。
【0063】
中心ハウジングは、メインベアリング(31)、旋回スクロールのベアリング(30)およびカウンターウェイト(26)を収容する。気体冷媒の流動経路は、低圧の冷媒入口(42)からモーターの構成品を通過してこれを冷却し、内熱交換器(1)のコイルチューブ(13)の上を流れ、結局はスクロール(28、29)の間で案内され、ここで冷媒の圧縮が起こる。その後で、圧縮された冷媒は高圧から冷媒出口(43)を通って高圧ハウジング(27)を出て、それによって圧縮機モジュール(33)も出て行くことになる。
【0064】
図17は圧縮機モジュール(33)の抜粋を示したもので、この描写は実際の圧縮過程の上流の部分に限られている。この実施形態において、圧縮機モジュール(33)の設計は、ハウジングカバー(18)、中心ハウジング(19)及びモーターハウジング(20)を含む。ハウジングシール(12)が個別ハウジングモジュールの間に配置され、このハウジングモジュールはセグメント及びディスクの形態で全体圧縮機モジュール(33)のためのハウジングを一緒に形成して、そのハウジングを外側に圧密(pressuretight)にする。
【0065】
ハウジングカバー(18)及び中心ハウジング(19)は液体冷媒が低圧の冷媒蒸気の流れから分離して集まる冷媒収集機(15)の一部分を囲む。カップ型分離要素(16)が冷媒収集機(15)内に作られ、この中に内部熱交換器(1)のガス吸入パイプ(17)が突出している。液体分離器(14)は漏斗のように外側から分離要素(16)にわたっていて、潜在的に液体(droplet)形態の冷媒液体を示す、冷媒蒸気が低圧の冷媒入口(42)及び液体分離器(14)を通って冷媒収集機(15)内に案内される。くっついた冷媒液体はその後、液体分離器(14)の壁から下に落ち、冷媒収集器(15)の基部上に集まることになる。その後、冷媒蒸気はガス吸入パイプ(17)を通って内熱交換器(1)内に案内され、コイルチューブ(13)の上を流れるようになる。高圧においてコイルチューブ(13)内部を流れる暖かい冷媒は、内熱交換器(1)内でコイルチューブ(13)の上を流れる冷たい冷媒ガスによって冷却される。
【0066】
高圧の冷媒は入口(8)から内部熱交換器(1)の中に流れ、コイルチューブ(13)の上を通った後、出口(7)から圧縮機モジュール(33)を出ることになる。圧縮機モジュール(33)からの出口(7)でコイルチューブ(13)はシール(10)と共に固定されており、対応するシール(9)がまた入口(8)に提供される。内熱交換器(1)は外側案内ハウジング(2)及び内側案内ハウジング(3)によって形成され外側で限定され、図示された実施形態から内側案内ハウジング(3)は軸方向に中空円筒に製造され、ベース(32)を有する。軸方向の境界であるベース(32)や半径方向の境界である中空円筒形の壁は、一緒に内側案内ハウジング(3)のための植木鉢形(pot-shaped)設計を形成する。
【0067】
外側案内ハウジング(2)は類似の方式で中空円筒形の壁を持つように設計され、またベース(44)を持ち、この結果植木鉢形設計となる。これら2つの植木鉢型ハウジングはモーターハウジング(20)内で軸(4a)と同軸に配置され、軸方向に延長されている円筒型壁の間でコイルチューブ(13)を収容する。 冷媒蒸気が内側案内ハウジング(3)内部に案内される前に、ガス吸入パイプ(17)からくる冷媒ガスは、植木鉢型外側案内ハウジング(2)と植木鉢型内側案内ハウジング(3)の間の中間空間内に流れ、続いて軸方向にコイルチューブ(13)の上を流れ、それにより熱を伝達することになる。
【0068】
ここにフィルター材料(21)が配置され、潜在的に冷媒蒸気内の水分を捕らえる。内側案内ハウジング(3)は外側案内ハウジング(2)の中に挿入され、ベース(32)はベース(44)と接触する。外側案内ハウジング(2)と内側案内ハウジング(3)の2つのベース(32、44)はねじ(11)でお互いに機械的に連結される。内部熱交換器の内側案内ハウジングを通して流れた後に、冷媒ガスは吸入圧力チャンネルを通じて圧縮機に案内される。
【0069】
図17にある描写から,軸(4a)および一端部にある彼のモータベアリング(4)が示されている。システムはフィルター(5)によって補充され、このフィルターは一般的に100%微粒子フィルターとして冷媒回路内に設置される。フィルター(5)は複数の位置、例えば内部熱交換器(1)とモーターハウジング(20)の間に、圧縮機の入り口部分又は冷媒が制限された設置空間内の構成品によって異なる位置に配置できる。
【0070】
図18は圧縮機モジュール(33)の異なる実施形態を示す。ここで一つの重要な違いは、冷媒収集機(15)が今やハウジングカバー(18)外部とモーターハウジング(20)内に再位置され、一方、内部熱交換器(1)がモーターハウジング(20)の外部とハウジングカバー(18)内に再位置されたという事実にある。液体分離器(14)、分離要素(16)及びガス吸入パイプ(17)を有する冷媒収集器(15)の設計は、本質的に
図17に既に図示された冷媒収集器(15)に対応する。
【0071】
他方で内部熱交換器(1)は、ハウジングカバー(18)の円筒形部分と内部熱交換器(1)の内側案内ハウジング(3)の間に配置されるコイルチューブ(13)で設計される。フィルター材料(21)のための空間を制限するため、ディスク型分割要素(45)が制限版として製造される。これは内側案内ハウジング(3)のための対応する取付固定具を示す。内側案内ハウジング(3)のベース(32)はねじ(11)でハウジングカバー(18)に位置固定される。
【0072】
これらの設計の一つの特別な特徴は,コイルチューブ(13)が内熱交換器(18)から半径方向に入口(8)と出口(7)のためのハウジングカバーに案内されるという事実にある。コイルチューブ(13)の端部はシール(9,10)を使用して密封される。低圧冷媒入口(42)がまたハウジングカバー(18)に位置する。吸入圧力チャンネルは冷媒ガスを圧縮機に案内し、この圧縮機は軸及びモーターベアリングでのみ示されている。そのため、ベース(44)は単にガス吸入パイプ(17)のためのブラケットに縮小される。ハウジングシール(12)はハウジングカバー(18)とモーターハウジング(20)の間に配置される。フィルター(5)がシステムに補充され構成品を微粒子から保護する。
【0073】
図19は圧縮機モジュール(33)のもう一つの代案的な実施形態を示す。ここで、内部熱交換器(1)はモーターハウジング(20)内に配置される一方、冷媒収集機(15)はハウジングカバー(18)内に配置される。構成品すなわちカップ型分離要素(16)、ガス吸入パイプ(17)及び低圧冷媒入口(42)のための連結部を有する液体分離器(14)を有する冷媒収集器(15)の設計は、
図17及び18に図示された設計に対応する。
【0074】
内部熱交換器(1)は、ベース(44)を有する円筒形外側案内ハウジング(2)、ベース(32)を有する円筒形の内側案内ハウジング(3)、及び高圧冷媒のための、円筒形の部分の間に配置される、コイルチューブ(13)を有するように設計されている。この実施形態で、鉢植え型の内側案内ハウジング(3)のベース(32)は外側案内ハウジング(2)のベース(44)の向かいに配置される。フィルター材料は中間空間に配置され、概略的に図示される。ハウジングシール(12)はハウジングカバー(18)とモーターハウジング(20)の間に作られる。圧縮機への吸入圧力チャンネルは、
図17及び18に図示されたものと類似の設計を行う。コイルチューブ(13)は軸方向にベース(32)を介して突出するようにシール(9,10)を使用して内部熱交換器(1)の入口(8)及び出口(7)として段部に統合され、対応する連結部は外部から圧縮機モジュール(33)内に導入されている。
図18及び17に類似しており、圧縮機自体は、明らかに示されていないが、軸(4a)及びモーターベアリング(4)により示されている。しかし、フィルター(5)は冷媒回路の構成品を微粒子から保護するためにある。
【符号の説明】
【0075】
1 内部熱交換器
2 外側案内ハウジング
3 内側案内ハウジング
4 モーターベアリング
4a 軸
5 フィルター
7 出口
8 入口
9 シール
10 シール
11 ねじ
12 ハウジングシール
13 コイルチューブ
14 液体分離器
15 冷媒収集機
16 カップ型分離要素
17 ガス吸入パイプ
18 ハウジングカバー
19 中心ハウジング
20 モーターハウジング
21 フィルター材料
22 中心ハウジング
23 インバータハウジング
24 固定部
25 回転子
26 カウンターウェイト
27 高圧ハウジング
28 固定スクロール
29 旋回スクロール
30 ベアリング
31 メインベアリング
32 ベース
33 圧縮機モジュール
34 圧縮機
35 ガス冷却機
36 蒸発器
37 膨張要素
38 冷却器
39 膨張要素
40 冷媒センサー
41 温度センサー
42 冷媒入口
43 高圧冷媒出口
44 ベース
45 ディスク型分割要素