(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】軌道のまくらぎ下を突き固めるための突固めアセンブリ
(51)【国際特許分類】
E01B 27/16 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
E01B27/16
(21)【出願番号】P 2022521370
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020075290
(87)【国際公開番号】W WO2021069172
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘアベアト ヴェアゲッター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ペシュル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラウス マッツィンガー
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-203101(JP,A)
【文献】特開昭52-035011(JP,A)
【文献】特開2001-059203(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0271119(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101481896(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のまくらぎ(5)下
のバラストを突き固めるための突固めアセンブリ(1)であって、高さ調節可能
にアセンブリフレーム(2)内でガイドされている工具支持体(8
)に支承された、
前記まくらぎ(5)に関して互いに反対の側に位置する突固め工具(10)を備えた突固めユニット(7)を含んでおり、前記突固め工具(10)は、駆動装置(13)を介して振動可能であり、かつ互いに対して
変位可能であり、各突固め工具(10)が、
回転軸線(12)を中心として
工具支持体(8)に対して回転可能な旋回レバー(11)
と、レール(6)に直接に対峙している内側の突固めピッケルホルダ(14)
と、レール(6)に対してより大きな間隔を有する外側の突固めピッケルホルダ(15)
と、を
備えている、突固めアセンブリ(1)において、
前記外側の突固めピッケルホルダ(15)が、
第1の回転ジョイント(17)によって、第1の旋回軸線(18)を中心として旋回可能であ
るように前記旋回レバー(11)に結合されており、前記内側の突固めピッケルホルダ(14)が、
前記第1の回転ジョイント(17)に対して下方かつ前記レール(6)側にずらして配置された第2の回転ジョイント(20)によって、第2の旋回軸線(19)を中心として旋回可能である
ように前記旋回レバー(11)に結合されており、両旋回軸線(18、19)は、互いに対して平行に配置されていることを特徴とする、突固めアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記内側の突固めピッケルホルダ(14)の
、前記レール(6)とは反対側の外面に、第1の接触エレメント(26)が配置されており、前記外側の突固めピッケルホルダ(15)の
、前記レール(6)側の内面に、第2の接触エレメント(27)が配置されており、両方の前記接触エレメント(26,27)は、前記突固めピッケルホルダ(14,15)が下方に
旋回した状態で互いに係合する
位置に設けられている、請求項1記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記外側の突固めピッケルホルダ(15)が、第1の旋回駆動装置(21)に直接に結合されており、
前記第1の旋回駆動装置(21)は、一方では前記外側の突き固めピッケルホルダ(15)に枢着され、他方では前記旋回レバー(11)に枢着されており、前記内側の突固めピッケルホルダ(14)が
、前記旋回レバー(11)に支承された連結装置(22)を介して、第2の旋回駆動装置(23)に結合されて
おり、
前記連結装置(22)は、前記旋回レバー(11)に前記第1の旋回軸線(18)を中心として回転可能に支承された旋回エレメント(24)と、該旋回エレメント(24)を前記内側の突固めピッケルホルダ(14)とを結合する結合エレメント(25)とを含んでいる、請求項1または2記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記結合エレメント(25)に連行体(29)が配置されており、該連行体(29)は、前記内側の突固めピッケルホルダ(14)を高く旋回させた場合に、前記外側の突固めピッケルホルダ(15)のスライドガイドエレメント(28)に
沿って滑り、これにより前記外側の突固めピッケルホルダ(15)を一緒に旋回させる、請求項
3記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記外側の突固めピッケルホルダ(15)
は、上方に向かって延びるフォーク部を有しており、二つのフォークの間に切欠き(31)
が形成されており、該切欠き(31)を通って前記連結装置(22)が貫通案内されている、請求項3
または4記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項6】
各突固め工具(10)に、スクイーズおよび振動を引き起こすための駆動装置(13)として、液圧シリンダが対応配置されている、請求項1から
5までのいずれか1項記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項7】
互いに反対側に位置す
る両方の突固め工具(10)の前記液圧シリンダが
、上下
方向にずらして配置されている、請求項
6記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項8】
各突固め工具(10)に、スクイーズシリンダが対応配置されており、各スクイーズシリンダが、振動を引き起こすために偏心駆動装置に連結されている、請求項1から
5までのいずれか1項記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項9】
複数のまくらぎ(5)下
のバラストを同時に突き固めるために、複数の突固めユニット(7)が、軌道長手方向で相前後して配置されている、請求項1から
8までのいずれか1項記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記突固めユニット(7)が構造同一に構成されている、請求項
9記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項11】
相前後して配置された前記突固めユニット(7)の前記工具支持体(8)が、高さ調節可能に1つの共通のアセンブリフレーム(2)に支承されている、請求項
8または
9記載の突固めアセンブリ(1)。
【請求項12】
相前後して配置された前記突固めユニット(7)の各工具支持体(8)が、固有の調節駆動装置(9)によって別個に高さ調節可能である、請求項
8から
11までのいずれか1項記載の突固めアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のまくらぎ下を突き固めるための突固めアセンブリであって、高さ調節可能な工具支持体上に支承された、互いに反対の側に位置する突固め工具を備えた突固めユニットを含んでおり、突固め工具は、駆動装置を介して振動可能であり、かつ互いに対してスクイーズ可能であり、各突固め工具が、スクイーズ軸線を中心として回転可能な旋回レバーならびに内側の突固めピッケルホルダおよび外側の突固めピッケルホルダを含んでおり、各突固めピッケルホルダが、旋回レバーに対して横方向に旋回可能である、突固めアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
予め規定された軌道位置を復元または維持するために、バラスト道床を有する軌道は、定期的に突固め機により処理される。この場合に、突固め機は軌道を走行し、まくらぎおよびレールから形成された軌きょうを、昇降アセンブリ/調整アセンブリを用いて目標レベルへと持ち上げる。新しい軌道位置の位置固定は、突固めアセンブリによるまくらぎ下の突固めにより行われる。突固めアセンブリは、突固めピッケルを備えた突固め工具を含んでおり、突固めピッケルは、突固め工程時に、振動を加えられながらバラスト道床中に沈み込み、互いに対してスクイーズされる。バラストは、それぞれのまくらぎ下で締め固められる。
【0003】
軌道の各レールには2つの突固めユニットが対応配置されており、これらの突固めユニットは、レールの両側でそれぞれ1つのまくらぎ下を突き固める。各突固めユニットは、互いに反対側に位置する2つの突固め工具を含んでいる。通常、各突固め工具には、2つの突固めピッケルが相並んで配置されている。具体的には、レールの隣で沈み込む内側の突固めピッケルと、レールに対してより大きな間隔をおいて沈み込む外側の突固めピッケルとがそれぞれ設けられている。相並んでバラスト内に沈み込む両方の突固めピッケルにより、広い作用領域が与えられている。しかしながら、軌道、特に分岐部の領域に障害物がある場合、隣り合って配置された2つの突固めピッケルを同時に沈み込ませるためには、過度に少ないスペースしか残っていないことが多い。したがって、たとえばオーストリア国特許発明第379178号明細書からは、いわゆる旋回ピッケルを備えた突固めアセンブリが知られている。この場合、それぞれの突固め工具に、横方向に旋回可能な突固めピッケルホルダが配置されている。これにより、レール、まくらぎおよび軌道内部構造物間に、1つの突固めピッケルを沈み込ませるためのスペースしか残っていない場合に、まず外側の突固めピッケルが別個に高く旋回可能である。1つのまくらぎ側に沈込みの可能性が全く存在していない場合、内側の突固めピッケルも高く旋回される。この場合、突固めユニットは、反対の側に位置する突固め工具の突固めピッケルのみと一緒に下降可能である。旋回ピッケルの公知の配置における欠点は、旋回駆動装置を含むそれぞれの旋回機構のためのスペース需要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある課題は、コンパクトな構造形式を有する、冒頭で述べた種類の突固めアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。従属請求項には本発明の有利な構成が記載されている。
【0006】
この場合、外側の突固めピッケルホルダが、第1の旋回軸線を中心として旋回可能であり、内側の突固めピッケルホルダが、第1の旋回軸線に対してずらされて配置された第2の旋回軸線を中心として旋回可能であることが規定されている。これによって、突固めピッケルホルダを旋回させるためのエレメントを隣り合って配置する必要性がなくなる。ずらされた配置は、既存の構造空間の最適化された利用を可能にする。その結果、特に軌道長手方向において小さな外側寸法を有するコンパクトな突固めユニットが生じる。
【0007】
有利には、内側の突固めピッケルホルダの外面に、第1の接触エレメントが配置されており、外側の突固めピッケルホルダの内面に、第2の接触エレメントが配置されており、両方の接触エレメントは、突固めピッケルホルダが下方に向かって旋回した場合に、互いに係合する。したがって、両突固めピッケルによる作業使用時に、両方の突固めピッケルホルダの形状結合式の結合が生じる。これによって、対応配置された突固めピッケルにバラストの比較的高い反力が作用した場合に、旋回支承部への過剰な負荷が回避される。さらに、ねじれ剛性の達成された上昇は、突固め品質に有利に作用する。
【0008】
本発明の好適な1つの改良形では、外側の突固めピッケルホルダが、第1の旋回駆動装置に直接に結合されており、内側の突固めピッケルホルダが、対応配置された旋回レバーに支承された連結装置を介して、第2の旋回駆動装置に結合されている。連結装置の配置は、必要となるスペース需要のさらなる低減を可能にする。これにより、突固めユニットの構造形式はさらにコンパクトになる。
【0009】
この場合に、連結装置が、旋回レバーに回転可能に支承された旋回エレメントと、この旋回エレメントを内側の突固めピッケルホルダに結合する結合エレメントとを含んでいると有利である。この装置は、同時に頑丈かつ省スペースである。単に、簡単に製造可能であり、僅かな保守コストで高い耐用時間を有している回転ジョイントが使用されるだけである。連結装置の別の形態では、並進的に支承された連結エレメントを使用することも有意であり得る。
【0010】
別の簡略化では、旋回エレメントが第1の旋回軸線を中心として旋回可能に配置されていることが規定されている。したがって、それぞれの旋回レバーにおいて、外側の突固めピッケルホルダと旋回エレメントとは、同一の旋回軸線を中心として回転可能である。これは、一貫した支承軸を備えた対応する支承部のコンパクトな構造を可能にする。
【0011】
突固めユニットの機能は、有利には、結合エレメントに、連行体が配置されており、連行体が、内側の突固めピッケルホルダを高く旋回させたときに、外側の突固めピッケルホルダのスライドガイドエレメントに接触する場合に、拡張される。これにより、内側の突固めピッケルホルダを高く旋回させた場合に、外側の突固めピッケルホルダが一緒に高く旋回される。両方の突固めピッケルホルダを高く旋回させるためには、第2の旋回駆動装置の作動で十分である一方で、第1の旋回駆動装置は、解除されたままである。
【0012】
旋回装置の狭幅かつ頑丈な構成は、外側の突固めピッケルホルダが、切欠きを有しており、この切欠きを通って連結装置が貫通案内されていることにより、さらに改善される。たとえば、外側の突固めピッケルホルダは、旋回支承部の方向で、凹設された切欠きを備えたフォーク部を有しているので、この切欠きは、連結装置を貫通案内するために適している。有利には、内側の突固めピッケルホルダも、対応配置された旋回支承部の領域において分岐している。この場合、連結装置が中央に枢着されている。
【0013】
本発明に係る突固めアセンブリの簡単な態様では、各突固め工具に、スクイーズおよび振動を引き起こすための駆動装置として、液圧シリンダが対応配置されている。液圧制御装置は、スクイーズ工程中に、スクイーズ運動に振動運動が重畳されるように構成されている。この場合、液圧シリンダのチャンバに脈動する圧力が加えられる。バラスト道床内への突固めピッケルの沈込み工程中には、振動を加えることだけが行われる。
【0014】
この態様では、互いに反対側に位置する両方の突固め工具の液圧シリンダが、互いに上下して配置されていると有利である。これにより、軌道長手方向で小さな外側寸法を有するアセンブリのコンパクトな構造形式が達成される。
【0015】
本発明の別の1つの態様では、各突固め工具にスクイーズシリンダが対応配置されており、各スクイーズシリンダは、振動を引き起こすために偏心駆動装置に連結されている。互いに隣り合ってまたは上下して配置されたスクイーズシリンダにより、ここでも狭幅の構造形式が達成される。刊行物であるオーストリア国特許出願公開第520267号明細書が対応する解決手段を開示しており、その内容は、本出願に組み込まれる。
【0016】
有利な1つの改良形は、複数のまくらぎ下を同時に突き固めるために、複数の突固めユニットが、軌道長手方向で相前後して配置されていることを規定している。それぞれの突固めユニットの狭幅の構造形式は、旋回ピッケルの制限されない機能を備えたこの配置を可能にする。
【0017】
この場合、突固めユニットが、構造同一に構成されていると有利である。これは、製造を簡略化し、保守の手間を減らす。なぜなら、互いに異なる必要とされる交換部品が少ないからである。さらに、一緒に配置された突固めユニットの上位の制御が容易にされる。個別の突固めユニットの同じ運動学的な特性により、同期した運動シーケンスを簡単に実行可能である。
【0018】
有利には、相前後して配置された突固めユニットの工具支持体が、高さ調節可能に1つの共通のアセンブリフレーム内に支承されている。これは、アセンブリフレームの調節による、高さ軸線を中心とした共通の側方移動または回転を可能にする。これにより、相前後して配置された突固めユニットが、分岐部の分岐しているレールストランド上に簡単に位置決め可能である。
【0019】
複数のまくらぎ下を同時に突き固めるための突固めアセンブリの使用可能性は、相前後して配置された突固めユニットの各工具支持体が、固有の調節駆動装置によって別個に高さ調節可能であることによって改善される。たとえば、相前後して配置された突固めユニットは、互いに異なる深さで下降させることができる。これは、互いに異なる深さゾーンにおけるまくらぎ下の漸次的な突固めを可能にする。さらに、突固めピッケルの進入のためのスペースが少なすぎる場合、個別の突固めユニットの下降を中断することができる。
【0020】
本発明を以下に例示的な形式で添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】突固めユニットを備えた突固めアセンブリを示す正面図である。
【
図2】
図1に示した突固めユニットの旋回支承部を示す詳細図である。
【
図4】内側の突固めピッケルホルダのための旋回機構を備えた突固め工具を示す図である。
【
図5】外側の突固めピッケルホルダのための旋回機構を備えた突固め工具を示す図である。
【
図6】内側の突固めピッケルホルダの旋回運動を示す図である。
【
図7】外側の突固めピッケルホルダの旋回運動を示す図である。
【
図8】複数のまくらぎ下を同時に突き固めるための突固めアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に図示した突固めアセンブリ1は、アセンブリフレーム2を含んでいる。このアセンブリフレーム2は、詳細に説明されていない軌道工事機械の機械フレーム3において横方向に移動可能に支承されている。作業使用時に、軌道工事機械は、バラスト道床4上に支承されたまくらぎ5と、このまくらぎ5上に取り付けられたレール6とを備えた軌道を走行する。まくらぎ5の下は、突固めアセンブリ1によって突き固められる。
【0023】
アセンブリフレーム2には、少なくとも1つの突固めユニット7が配置されている。複数のまくらぎ5下を同時に突き固めるための1つの突固めアセンブリ1では、相前後して複数の突固めユニット7が配置されている(
図8)。それぞれの突固めユニット7は工具支持体8を含んでおり、この工具支持体8は、高さ調節可能に、アセンブリフレーム2の鉛直方向ガイド内でガイドされている。このとき下降運動または上昇運動は、対応配置された高さ調節駆動装置9によって行われる。まくらぎ5下を突き固めるために、突固めアセンブリ1は、軌道横方向で、内部に支承された突固めユニット7を備える、相並んで配置された複数のアセンブリフレーム2を含んでいる。これらの突固めユニット7は、有利には高さ軸線を中心として回転可能であり、別個に横方向に移動可能であり、これにより、分岐部の分岐するレールストランド上での位置決めが可能となる。
【0024】
それぞれの突固めユニット7の工具支持体8には、その下を突き固められるべきまくらぎ5に関して互いに反対側に位置する2つの突固め工具10が支承されている。具体的には、それぞれの突固め工具10は旋回レバー11を有している。この旋回レバー11は、スクイーズ軸線12を中心として回転可能に工具支持体8に支承されている。スクイーズ軸線12は、通常、軌道横方向に位置調整されている。
【0025】
旋回レバー11の上側のアームは駆動装置13に連結されており、これによって、突固め工程中に、スクイーズ運動を、振動運動に重畳させて引き起こすことができる。旋回レバー11の下側のアームには、突固めピッケル16を取り付けるための内側の突固めピッケルホルダ14および外側の突固めピッケルホルダ15が配置されている。内側の突固めピッケルホルダ14および外側の突固めピッケルホルダ15という呼称は、レール6の両側で下降可能な2つの突固めユニット7の位置に関している。この場合、両突固めユニット7の内側のホルダ14は、レール6に関して直接に対峙している。外側の突固めピッケルホルダ15内に取り付けられた突固めピッケル16は、レール6に対してより大きな間隔でバラスト道床4内に沈み込む。
【0026】
まくらぎ5とレール6との間に、突固めピッケル16の沈込みのためのスペースが存在していない場合、突固めピッケル16を、突固めユニット7の下降前に高く旋回させることができる。これは、特に分岐または交差するレールストランドおよび調整装置が障害物となる分岐部またはクロッシング下を突き固める場合に生じる。
【0027】
外側の突固めピッケルホルダ15を高く旋回させるために、この外側の突固めピッケルホルダ15は、第1の回転ジョイント17によって第1の旋回軸線18を中心として回転可能に旋回レバー11に結合されている。本発明によれば、第1の旋回軸線18に対してずらして第2の旋回軸線19が配置されている。この第2の旋回軸線19を中心として、必要な場合には内側の突固めピッケルホルダ14を高く旋回させることが行われる。たとえば、内側の突固めピッケルホルダ14と旋回レバー11との結合部は、第1の回転ジョイント17に対して下方かつ内側にずらして配置されている第2の回転ジョイント20として形成されている。両旋回軸線18,19は、互いに対して平行に、かつスクイーズ軸線12に対して垂直に位置調整されている。
【0028】
有利には、外側の突固めピッケルホルダ15は、第1の旋回駆動装置21に直接に結合されている。この旋回駆動装置21は、たとえば一方では外側の突固めピッケルホルダ15に枢着されており、他方では旋回レバー11に枢着されている。内側の突固めピッケルホルダ14は、連結装置22を介して第2の旋回駆動装置23に結合されている。この旋回駆動装置23は、同様に旋回レバー11に枢着されている。旋回駆動装置21,23は、好適には液圧シリンダとして形成されている。
【0029】
図示の例では、連結装置22が、旋回レバー11に回転可能に支承された旋回エレメント24と、この旋回エレメント24を内側の突固めピッケルホルダ14に結合する結合エレメント25とを含んでいる。旋回エレメント24は、好ましくは第1の旋回軸線18を中心として回転可能である。したがって、第1の回転ジョイント17は、旋回レバー11における旋回エレメント24の枢着部も含んでいる。
【0030】
スクイーズ工程時に回転ジョイント17,20への不均一な負荷を回避するために、突固めピッケルホルダ14,15は、下方に旋回した状態で、付加的な接触エレメント26,27を介して形状結合式に結合されている。
図1に図示されているように、内側の突固めピッケルホルダ14の外面に、第1の接触エレメント26が配置されている。外側の突固めピッケルホルダ15の、この外面に面した1つの内面には、第2の接触エレメント27が配置されている。両接触エレメント26,27は、これらの接触エレメント26,27が相互に係合することができるように構成されている。たとえば、第1の接触エレメント26は楔を含んでおり、この楔は、第2の接触エレメント27の楔形の凹設部内に嵌合する。
【0031】
旋回駆動装置21,23により、まず、外側の突固めピッケルホルダ15が、突固めピッケル16と一緒に高く旋回可能であり、次いで内側の突固めピッケルホルダ14が、突固めピッケル16と一緒に高く旋回可能である。
図2に示された改良形では、両突固めピッケルホルダ14,15は、第2の旋回駆動装置23によって同時に高く旋回可能である。第1の旋回駆動装置21は、無圧に切り換えられている。
【0032】
同期的に高く旋回させるために、外側の突固めピッケルホルダ15の、結合エレメント25の隣に位置する箇所に、スライドガイドエレメント28が取り付けられている。対応エレメントとして、結合エレメント25に連行体29が取り付けられている。この連行体29は、スライドガイドエレメント28に接触する。高く旋回する工程時に、連行体29はスライドガイドエレメント28に沿って滑り、これにより外側の突固めピッケルホルダ15を一緒に旋回させる。スライドガイドエレメント28および連行体29の形状および位置は、外側の突固めピッケルホルダ15の旋回運動を規定する。
【0033】
図3において、外側の突固めピッケルホルダ15が、上方に向かってフォーク部を有していることが判る。これにより、外側の突固めピッケルホルダ15は、旋回軸線方向30で離間した2つの支承箇所において、旋回レバー11に結合されている。2つの支承箇所の間には切欠き31が形成されており、この切欠き31を通って連結装置22が貫通案内されている。内側の突固めピッケルホルダ14も、旋回軸線方向30で離間した2つの支承箇所を有している。これらの支承箇所間で結合エレメント25は、内側の突固めピッケルホルダ14に作用する。これにより、狭幅の構造形式にもかかわらず、突固めピッケルホルダ14,15の頑強な支承部が確保されている。
【0034】
本実施例では、旋回レバー11は、駆動装置13としての液圧シリンダに結合されている。各液圧シリンダは、重畳する振動運動を伴うスクイーズ運動を引き起こすように構成されている。旋回軸線方向30で狭幅の構造形式は、互いに上下して配置された液圧シリンダによって実現される。液圧シリンダの行程および圧力は、旋回レバー11のそれぞれのレバー比に適合されており、これにより、突固めピッケル16の端部において、同じスクイーズ力および振幅が生じる。この場合、スクイーズ軸線12を鉛直方向でずらして配置することが有意であり得る。
【0035】
図示されていない配置では、駆動装置13が、スクイーズシリンダおよび偏心駆動装置として構成されている。それぞれの旋回レバー11は、対応配置されたスクイーズシリンダを介して偏心駆動装置に連結されている。具体的には、各スクイーズシリンダは、偏心軸に接続されており、これにより、偏心軸の回転時に振動運動が引き起こされる。さらに突固めピッケル16は、スクイーズシリンダの作動時に相互にスクイーズされる。狭幅の構造形式のためには、スクイーズシリンダが相並んで配置されていると有利である。上方または下方には、偏心駆動装置が配置されている。偏心軸には、上方または下方に向かって位置調整されたブラケットが支承されており、これらのブラケットにスクイーズシリンダが結合されている。
【0036】
内側の突固めピッケル16を高く旋回させる工程を、
図4および
図6に基づき説明する。対応配置された第2の旋回駆動装置23は、液圧シリンダとして構成されている。シリンダの一方の端部は、旋回レバー11の上側のアームに回転可能に枢着されている。ピストンロッドは、旋回エレメント24に枢着結合されている。第1の旋回軸線18を中心として回転可能な旋回エレメント24と、第2の旋回軸線19を中心として回転可能な内側の突固めピッケルホルダ14とは、連結部としての結合エレメント25と共に二重リンクを形成する。第2の旋回駆動装置23を作動させることによる二重リンクの操作を、
図6に示す。左図には、
図4に示す出発位置が図示されている。右図は、装置を内側の突固めピッケルホルダ14を高く旋回させた状態で、突固めピッケル16と一緒に示している。
【0037】
外側の突固めピッケルホルダ15の旋回装置は、
図5および
図7に図示されている。対応配置された第1の旋回駆動装置21は、一方では旋回レバー11に、他方では直接に外側の突固めピッケルホルダ15に枢着されている。偏心した枢着部は、第1の旋回駆動装置21の操作時に、突固めピッケルホルダ15の旋回を引き起こす。両突固めピッケルホルダ14,15を同時に高く旋回させることは、スライドガイドエレメント28および連行体29によっても実施可能である。この場合、液圧シリンダとして構成された第1の旋回駆動装置21は、無圧に切り換えられている。
【0038】
互いに異なる旋回装置は、旋回軸線方向30で特に狭幅な構造形式を可能にする。これにより、複数の突固めユニット7を相前後して1つの共通のアセンブリフレーム2内に配置する可能性が生じる。
図8は、3つのまくらぎ5下を同時に突き固めるための対応する装置を示している。このとき好ましくは、各突固めユニット7に、固有の高さ調節駆動装置9が対応配置されており、これにより、軌道内に障害物がある場合に個別の突固めユニット7を別個に下降させることができる。別個の下降可能性の他に、全ての突固めユニット7が構造同一な構成の利点が生じる。これは、突固めアセンブリ1の製造および保守を容易にする。
【0039】
さらに、互いに異なる深さゾーンにおけるまくらぎ5下の漸次的な突固めが可能である。たとえば、最も前側の突固めユニット7は、真ん中の突固めユニット7よりも低く下降される。最も後ろの突固めユニット7は、真ん中の突固めユニット7よりも浅く下降される。これにより、突固めアセンブリ1のまくらぎに合わせた送りにより、各まくらぎ下を減少する押込み深さで3回突き固めることができる。特に、バラスト道床4の層厚が大きな場合、このような多重突固めは、バラスト締固めを改善する。