(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】アレイ基板、表示装置およびアレイ基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241106BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 309
G09F9/00 346D
(21)【出願番号】P 2022525421
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2020080810
(87)【国際公開番号】W WO2021189230
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ケ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ムシン・ディ
(72)【発明者】
【氏名】ジウェイ・リアン
(72)【発明者】
【氏名】グオチャン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】レンチュアン・グ
(72)【発明者】
【氏名】シャオシン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】シャオヤン・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】インウェイ・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンフェン・カオ
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110752223(CN,A)
【文献】特開2015-072361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0067332(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0386087(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110034150(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/135
G09F 9/00-9/46
H01L 21/02
H01L 21/76
H01L 23/52
H01L 27/12
H01L 27/15
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ画素を有する表示領域を含むアレイ基板であって、
前記表示領域は、通常表示サブ領域と、表示接合サブ領域とを含み、
前記複数のサブ画素は、前記表示接合サブ領域内の複数の第1のサブ画素と、前記通常表示サブ領域内の複数の第2のサブ画素とを含み、
前記アレイ基板は、
前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって延在するベース基板と、
前記ベース基板の第1の側に位置し、かつそれぞれ前記複数のサブ画素内に位置する複数の薄膜トランジスタとを含み、
前記複数の第1のサブ画素の各々の1つは、
前記ベース基板の前記第1の側に対向する第2の側に位置し、前記表示接合サブ領域
のみに規定されるボンディングパッドと、
前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つを前記ボンディングパッドに電気的に接続し、前記アレイ基板内で露出していないリード線と、
前記ベース基板を貫通するビアとを含み、
前記リード線は、前記ベース基板の前記第1の側から前記第2の側まで前記ビアを介して延在して、前記ボンディングパッドに接続される
アレイ基板。
【請求項2】
前記ベース基板の前記第2の側に位置し、前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁層をさらに含み、
前記ボンディングパッドは、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、
前記ビアは、前記ベース基板および前記絶縁層を貫通する
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ベース基板は、前記ボンディングパッドに対応する領域において第1の厚さt1を有し、前記ボンディングパッドに対応する領域以外の領域において第2の厚さt2を有し、
前記絶縁層は、第3の厚さt3を有し、
t2>(t1+t3)である
請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記ボンディングパッドと集積回路を接合するために、前記ボンディングパッドに対応する領域に位置する凹部をさらに含み、
前記凹部は、前記ベース基板の前記第2の側に位置し、前記ボンディングパッドの表面を露出させている
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記ベース基板の前記第2の側に位置し、前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁層をさらに含み、
前記ボンディングパッドは、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、
前記ビアは、前記ベース基板および前記絶縁層を貫通し、
前記凹部は、前記ボンディングパッドの表面および前記絶縁層の表面を露出させている
請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記ベース基板は、前記ボンディングパッドに対応する領域において第1の厚さt1を有し、前記ボンディングパッドに対応する領域以外の領域において第2の厚さt2を有し、
前記絶縁層は、第3の厚さt3を有し、
前記凹部は、第4の厚さt4を有し、
t2は、t1、t3およびt4の和と実質的に等しい
請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
それぞれ前記ビア内に部分的に延在する複数の追加絶縁層をさらに含む
請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するパッシベーション層を含み、
前記パッシベーション層は、前記ベース基板の前記第1の側にあって、前記ビアの側面を少なくとも部分的に覆い、
前記リード線は、前記パッシベーション層の前記絶縁層から離れた側に位置する
請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するバリア層をさらに含み、
前記バリア層は、前記パッシベーション層および前記リード線の前記ベース基板から離れた側にあり、
前記絶縁層、前記ボンディングパッド、前記パッシベーション層および前記バリア層によって、前記リード線を前記アレイ基板内に封止している
請求項8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するバッファ層をさらに含み、
前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つは、前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側にある活性層を含む
請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記ベース基板は、可撓性ベース基板である
請求項1から10のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のアレイ基板と、前記アレイ基板に接続された1つまたは複数の集積回路とを含む
表示装置。
【請求項13】
複数のサブ画素を有する表示領域を形成することを含むアレイ基板の製造方法であって、
前記表示領域を形成することは、通常表示サブ領域を形成することと、表示接合サブ領域を形成することとを含み、
前記複数のサブ画素を形成することは、前記表示接合サブ領域内に複数の第1のサブ画素を形成することと、前記通常表示サブ領域内に複数の第2のサブ画素を形成することとを含み、
前記方法は、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって延在するベース基板を形成することと、
前記ベース基板の第1の側に位置し、かつそれぞれ前記複数のサブ画素内に位置する複数の薄膜トランジスタを形成することとを含み、
前記複数の第1のサブ画素の各々の1つを形成することは、
前記ベース基板の前記第1の側に対向する第2の側にボンディングパッドを形成することであって、前記ボンディングパッドが前記表示接合サブ領域
のみに規定されるようになることと、
前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つを前記ボンディングパッドに電気的に接続するリード線を形成することであって、前記リード線は、前記アレイ基板内で露出していないことと、
前記ベース基板を貫通するビアを形成することとを含み、
前記リード線は、前記ベース基板の前記第1の側から前記第2の側まで前記ビアを介して延在して、前記ボンディングパッドに接続するように形成される
アレイ基板の製造方法。
【請求項14】
支持基板を設けることと、
前記表示接合サブ領域内に規定され、前記ボンディングパッドに対応する領域内に位置する剥離層を形成することと、
前記剥離層の前記支持基板から離れた側に前記ボンディングパッドを形成することと、
前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁材料層を形成することと、
前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記絶縁材料層の前記支持基板から離れた側に、ベース基板材料層を形成することと、
前記絶縁材料層および前記ベース基板材料層をエッチングし前記絶縁材料層および前記ベース基板材料層を貫通するビアを形成して、前記ボンディングパッドの接触面を露出させることにより、前記表示接合サブ領域内に規定された絶縁層および前記絶縁層上の前記ベース基板を形成することと
をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記ベース基板の前記支持基板から離れた側に、パッシベーション材料層を形成することと、
前記パッシベーション材料層をエッチングし前記ボンディングパッドの接触面を露出させることにより、パッシベーション層を形成することとをさらに含み、
前記パッシベーション層は、前記ベース基板の前記第1の側に、前記ビアの側面を少なくとも部分的に覆うように形成される
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パッシベーション層の前記ベース基板から離れた側に前記リード線を形成することをさらに含み、
前記リード線は、前記ビア内に延在して前記ボンディングパッドに接続されるように形成される
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記リード線の前記ベース基板から離れた側に、バリア層を形成することと、
前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記バリア層の前記ベース基板から離れた側に、バッファ層を形成することと、
前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側に活性層を形成することと
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ボンディングパッドおよび前記絶縁層から前記剥離層を分離して、前記ボンディングパッドに対応する領域に凹部を形成することをさらに含み、
前記凹部を前記ベース基板の前記第2の側に形成して、前記ボンディングパッドの表面を露出させる
請求項14から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記凹部内に集積回路を設けることをさらに含み、
前記集積回路は、前記凹部内で露出する前記ボンディングパッドの表面に接続される
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の第1のサブ画素および前記複数の第2のサブ画素を含む前記複数のサブ画素内においてそれぞれ複数の発光素子を形成することをさらに含む
請求項14から17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月12日に提出した国際特許出願番号PCT/CN2019/110779の一部継続出願であり、その内容が全て本出願に援用される。
【0002】
本発明は、表示技術に関し、より具体的には、アレイ基板、表示装置およびアレイ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
狭額縁の表示装置を製造する技術は急速に発展している。狭額縁の表示装置の製造方法には様々なものがあり、チップオンフィルム(COF)、チップオンプラスチック(COP)およびゲートオンアレイ(GOA)が含まれるがこれらに限定されない。例えば、チップオンフィルム(COF)およびチップオンプラスチック(COP)は、下部フレームが狭い表示パネルを製造するのに用いられる。ゲートオンアレイ(GOA)は、左右フレームが狭いディスプレイを製造するのに用いられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの方面において、本開示は、複数のサブ画素を有する表示領域を含むアレイ基板であって、前記表示領域は、通常表示サブ領域と、表示接合サブ領域とを含み、前記複数のサブ画素は、前記表示接合サブ領域内の複数の第1のサブ画素と、前記通常表示サブ領域内の複数の第2のサブ画素とを含み、前記アレイ基板は、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって延在するベース基板と、前記ベース基板の第1の側に位置し、かつそれぞれ前記複数のサブ画素内に位置する複数の薄膜トランジスタとを含み、前記複数の第1のサブ画素の各々の1つは、前記ベース基板の前記第1の側に対向する第2の側に位置するボンディングパッドと、前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つを前記ボンディングパッドに電気的に接続し、前記アレイ基板内で露出していないリード線と、前記ベース基板を貫通するビアとを含み、前記リード線は、前記ベース基板の前記第1の側から前記第2の側まで前記ビアを介して延在して、前記ボンディングパッドに接続されるアレイ基板を提供する。
【0005】
任意選択で、前記アレイ基板は、前記ベース基板の前記第2の側に位置し、前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁層をさらに含み、前記ボンディングパッドは、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記ビアは、前記ベース基板および前記絶縁層を貫通してもよい。
【0006】
任意選択で、前記ベース基板は、前記ボンディングパッドに対応する領域において第1の厚さt1を有し、前記ボンディングパッドに対応する領域以外の領域において第2の厚さt2を有し、前記絶縁層は、第3の厚さt3を有し、t2>(t1+t3)であってもよい。
【0007】
任意選択で、前記アレイ基板は、前記ボンディングパッドと集積回路を接合するために、前記ボンディングパッドに対応する領域に位置する凹部をさらに含み、前記凹部は、前記ベース基板の前記第2の側に位置し、前記ボンディングパッドの表面を露出させてもよい。
【0008】
任意選択で、前記アレイ基板は、前記ベース基板の第2の側に位置し、前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁層をさらに含み、前記ボンディングパッドは、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記ビアは、前記ベース基板および前記絶縁層を貫通し、前記凹部は、前記ボンディングパッドの表面および前記絶縁層の表面を露出させてもよい。
【0009】
任意選択で、前記ベース基板は、前記ボンディングパッドに対応する領域において第1の厚さt1を有し、前記ボンディングパッドに対応する領域以外の領域において第2の厚さt2を有し、前記絶縁層は、第3の厚さt3を有し、前記凹部は、第4の厚さt4を有し、t2は、t1、t3およびt4の和と実質的に等しくてもよい。
【0010】
任意選択で、前記アレイ基板は、それぞれ前記ビア内に部分的に延在する複数の追加絶縁層をさらに含んでもよい。
【0011】
任意選択で、前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するパッシベーション層を含み、前記パッシベーション層は、前記ベース基板の前記第1の側にあって、前記ビアの側面を少なくとも部分的に覆い、前記リード線は、前記パッシベーション層の前記絶縁層から離れた側に位置してもよい。
【0012】
任意選択で、前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するバリア層をさらに含み、前記バリア層は、前記パッシベーション層および前記リード線の前記ベース基板から離れた側にあり、前記絶縁層、前記ボンディングパッド、前記パッシベーション層および前記バリア層によって、前記リード線を前記アレイ基板内に封止していてもよい。
【0013】
任意選択で、前記複数の追加絶縁層は、前記表示領域全体にわたって延在するバッファ層をさらに含み、前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つは、前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側にある活性層を含んでもよい。
【0014】
任意選択で、前記ベース基板は、可撓性ベース基板であってもよい。
【0015】
別の方面において、本開示は、本明細書に記載のアレイ基板または本明細書に記載の方法により製造されたアレイ基板と、前記アレイ基板に接続された1つまたは複数の集積回路とを含む表示装置を提供する。
【0016】
別の方面において、本開示は、複数のサブ画素を有する表示領域を形成することを含むアレイ基板の製造方法であって、前記表示領域を形成することは、通常表示サブ領域を形成することと、表示接合サブ領域を形成することとを含み、前記複数のサブ画素を形成することは、前記表示接合サブ領域内に複数の第1のサブ画素を形成することと、前記通常表示サブ領域内に複数の第2のサブ画素を形成することとを含み、前記方法は、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって延在するベース基板を形成することと、前記ベース基板の第1の側に位置し、かつそれぞれ前記複数のサブ画素内に位置する複数の薄膜トランジスタを形成することとを含み、前記複数の第1のサブ画素の各々の1つを形成することは、前記ベース基板の前記第1の側に対向する第2の側にボンディングパッドを形成することと、前記複数の薄膜トランジスタの各々の1つを前記ボンディングパッドに電気的に接続するリード線を形成することであって、前記リード線は、前記アレイ基板内で露出していないことと、前記ベース基板を貫通するビアを形成することとを含み、前記リード線は、前記ベース基板の前記第1の側から前記第2の側まで前記ビアを介して延在して、前記ボンディングパッドに接続するように形成されるアレイ基板の製造方法を提供する。
【0017】
任意選択で、この方法は、支持基板を設けることと、前記表示接合サブ領域内に規定され、前記ボンディングパッドに対応する領域内に位置する剥離層を形成することと、前記剥離層の前記支持基板から離れた側に前記ボンディングパッドを形成することと、前記表示接合サブ領域内に規定される絶縁材料層を形成することと、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記絶縁材料層の前記支持基板から離れた側に、ベース基板材料層を形成することと、前記絶縁材料層および前記ベース基板材料層をエッチングし前記絶縁材料層および前記ベース基板材料層を貫通するビアを形成して、前記ボンディングパッドの接触面を露出させることにより、前記表示接合サブ領域内に規定された絶縁層および前記絶縁層上の前記ベース基板を形成することとをさらに含んでもよい。
【0018】
任意選択で、この方法は、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記ベース基板の前記支持基板から離れた側に、パッシベーション材料層を形成することと、前記パッシベーション材料層をエッチングし前記ボンディングパッドの接触面を露出させることにより、パッシベーション層を形成することとをさらに含み、前記パッシベーション層は、前記ベース基板の前記第1の側に、前記ビアの側面を少なくとも部分的に覆うように形成されてもよい。
【0019】
任意選択で、この方法は、前記パッシベーション層の前記ベース基板から離れた側に前記リード線を形成することをさらに含み、前記リード線は、前記ビア内に延在して前記ボンディングパッドに接続されるように形成されてもよい。
【0020】
任意選択で、この方法は、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記リード線の前記ベース基板から離れた側に、バリア層を形成することと、前記通常表示サブ領域および前記表示接合サブ領域全体にわたって、かつ前記バリア層の前記ベース基板から離れた側に、バッファ層を形成することと、前記バッファ層の前記ベース基板から離れた側に活性層を形成することとをさらに含んでもよい。
【0021】
任意選択で、この方法は、前記ボンディングパッドおよび前記絶縁層から前記剥離層を分離して、前記ボンディングパッドに対応する領域に凹部を形成することをさらに含み、前記凹部を前記ベース基板の前記第2の側に形成して、前記ボンディングパッドの表面を露出させてもよい。
【0022】
任意選択で、この方法は、前記凹部内に集積回路を設けることをさらに含み、前記集積回路は、前記凹部内で露出する前記ボンディングパッドの表面に接続されてもよい。
【0023】
任意選択で、この方法は、前記複数の第1のサブ画素および前記複数の第2のサブ画素を含む前記複数のサブ画素内においてそれぞれ複数の発光素子を形成することをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面は開示する様々な実施形態による例示を目的とした例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。
【
図2】
図1におけるベース基板のA-A’線に沿った断面図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。
【
図5】
図1におけるアレイ基板のA-A’線に沿った断面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の断面図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9E】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9F】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9G】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9H】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9I】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9J】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9K】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9L】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図9M】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10C】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10D】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10E】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10F】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10G】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10H】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10I】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10J】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10K】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10L】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10M】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10N】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10O】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10P】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図10Q】本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による表示装置の断面図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、実施形態を参照しつつ、本開示についてより具体的に説明する。なお、本明細書に示すいくつかの実施形態に関する以下の説明は例示および説明としてのものにすぎず、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定されることを意図するものではない。
【0027】
本開示は、アレイ基板または表示パネルの裏面に集積された駆動回路を有するアレイ基板または表示パネルを提供する。こうすることで、これらの駆動回路はフレーム部分に配置されないため、表示パネルのフレーム幅を大幅に縮小することができる。信号線と駆動回路との間の電気的な接続は、スルーPIビア(TPV)技術により実現することができる。本開示では、駆動回路の信号線を接続するリード線は、外部環境に曝されるため侵食されやすいことを見出した。
【0028】
そこで、本開示は、特に、従来技術における制限および欠点に起因する1つ以上の課題を実質的に解消する、アレイ基板、表示装置およびアレイ基板の製造方法を提供する。1つの方面において、本開示はアレイ基板を提供する。いくつかの実施形態において、アレイ基板は、複数のサブ画素を有する表示領域を含む。任意選択で、表示領域は、通常表示サブ領域と、表示接合サブ領域とを含んでもよい。任意選択で、複数のサブ画素は、表示接合サブ領域内の複数の第1のサブ画素と、通常表示サブ内の複数の第2のサブ画素とを含んでもよい。任意選択で、アレイ基板は、通常表示サブ領域および表示接合サブ領域全体にわたって延在するベース基板と、ベース基板の第1の側に位置し、かつそれぞれ複数のサブ画素内に位置する複数の薄膜トランジスタとを含んでもよい。任意選択で、複数の第1のサブ画素の各々の1つは、ベース基板の第1の側に対向する第2の側に位置するボンディングパッドと、複数の薄膜トランジスタの各々の1つをボンディングパッドに電気的に接続し、アレイ基板内で露出していないリード線と、ベース基板を貫通するビアとを含んでもよい。任意選択で、リード線は、ベース基板の第1の側から第2の側までビアを介して延在して、ボンディングパッドに接続されてもよい。本明細書に記載のアレイ基板は、額縁レス表示装置の作製に用いることができる。
【0029】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。
図2は、
図1におけるベース基板のA-A’線に沿った断面図である。いくつかの実施形態において、
図1および
図2を参照すると、アレイ基板は、複数のサブ画素SPを有する表示領域DAを含む。任意選択で、アレイ基板は、第1の側S1および第1の側S1に対向する第2の側S2を有するベース基板BSを含んでもよい。任意選択で、ベース基板BSは、可撓性ベース基板であってもよい。
【0030】
本明細書において「表示領域」とは、画像が実際に表示されるアレイ基板の領域をいう。任意選択で、表示領域は、サブ画素領域およびサブ画素間領域の両方を含んでもよい。サブ画素領域とは、サブ画素の発光領域をいい、例えば、液晶ディスプレイ内の画素電極に対応する領域、または有機発光ディスプレイ内の発光層に対応する領域である。サブ画素間領域とは、隣接するサブ画素領域の間の領域をいい、例えば、液晶ディスプレイ内のブラックマトリクスに対応する領域、または有機発光ディスプレイ内の画素定義層に対応する領域である。任意選択で、サブ画素間領域は、同一画素内の隣接するサブ画素領域の間の領域であってもよい。任意選択で、サブ画素間領域は、2つの隣接する画素からの2つの隣接するサブ画素領域の間の領域であってもよい。
【0031】
複数のサブ画素SPの各々の1つは、サブ画素領域と、当該サブ画素領域を囲むサブ画素間領域の一部とを含む。
【0032】
任意選択で、表示領域DAは、通常表示サブ領域RDAと、表示接合サブ領域DBAとを含んでもよい。任意選択で、複数のサブ画素SPは、表示接合サブ領域DBA内の複数の第1のサブ画素SP1と、通常表示サブ領域RDA内の複数の第2のサブ画素SP2とを含んでもよい。任意選択で、ベース基板BSは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって延在してもよい。
【0033】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。任意選択で、表示接合サブ領域DBAは、表示領域DAの境界の一部と隣接してもよい。任意選択で、通常表示サブ領域RDAは、表示接合サブ領域DBAの一側と隣接してもよい。
【0034】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側におけるアレイ基板の構成を示す平面図である。任意選択で、表示接合サブ領域DBAと表示領域DAの境界とは間隔が開いていてもよい。任意選択で、通常表示サブ領域RDAは、表示接合サブ領域DBAの少なくとも2つの側と隣接してもよい。例えば、表示接合サブ領域DBAは、表示領域DAの中央部にある。
【0035】
図5は、
図1におけるアレイ基板のA-A’線に沿った断面図である。
図2および
図5を参照すると、複数の薄膜トランジスタTFTは、ベース基板BSの第1の側S1に位置し、かつそれぞれ複数のサブ画素SP内に位置している。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、トップゲート型薄膜トランジスタおよびボトムゲート型薄膜トランジスタからなる群から選んでもよい。例えば、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、第1のゲート電極G1、第2のゲート電極G2、活性層ACT、活性層ACTに電気的に接続されたソース電極Sおよび活性層ACTに電気的に接続されたドレイン電極Dを含む。
【0036】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第2の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
図2、
図5および
図6を参照すると、複数の第1のサブ画素SP1の各々の1つは、ベース基板BSの第2の側S2上のボンディングパッドBPを含む。
【0037】
任意選択で、ベース基板BSの第2の側S2にボンディングパッドBPの表面を露出させ、ベース基板BSの第2の側S2からボンディングパッドBPを集積回路に接合してもよい。これにより、ボンディングパッドBPをベース基板BSの第2の側S2に配置することができる上、表示領域DAがボンディングパッドBPを収容するのに十分な大きさを持つため、ボンディングパッドBPを収容する表示装置のフレームは必須ではない。任意選択で、アレイ基板には接合領域がなくてもよい。
【0038】
図5、
図6および
図7Aを参照すると、複数の第1のサブ画素SP1の各々の1つは、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つをボンディングパッドBPに電気的に接続するリード線LLを含む。任意選択で、リード線LLは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。別の例において、リード線LLは、表示接合サブ領域DBAおよび通常表示サブ領域RDAを貫通する。
【0039】
任意選択で、リード線LLは、信号線SLに電気的に接続されてもよい。任意選択で、信号線SLは、ゲート線、データ線、タッチ信号線、クロック信号線、高電力電圧線、低電力電圧線、共通信号線およびフローティング信号線からなる群から選択してもよい。例えば、リード線LLがデータ線に電気的に接続され、これにより、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つがボンディングパッドBPに接続される。任意選択で、信号線SLおよびリード線LLは、異なる層に形成されてもよい。
【0040】
図5を参照すると、複数の第1のサブ画素SP1の各々の1つは、リード線LLを信号線SLに接続する中継線RLを含む。例えば、リード線LLがボンディングパッドBPを中継線RLに接続し、中継線RLがリード線LLを信号線SL(例えば、データ線)に接続し、これにより、リード線LLによって複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つがボンディングパッドBPに電気的に接続される。任意選択で、信号線SLおよび中継線RLは、異なる層に形成されてもよい。任意選択で、中継線RLおよびリード線LLは、異なる層に形成されてもよい。
【0041】
図7Bは、本開示のいくつかの実施形態によるベース基板の第1の側における複数の第1のサブ画素の各々の1つの構成を示す拡大図である。
図5、
図6および
図7Bに示すように、任意選択で、リード線LLは、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのソース電極に電気的に接続されてもよい。任意選択で、中継線RLによってリード線LLを複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのソース電極に接続してもよい。
【0042】
図5を参照すると、リード線LLは、アレイ基板内で露出していない。例えば、リード線LLは、そのボンディングパッドBP、信号線SLまたは中継線RLに電気的に接続される各部分に対応する領域を除き、アレイ基板内の複数の追加絶縁層によって封止されている。任意選択で、リード線LLは、ベース基板BSと直接接触していなくてもよい。アレイ基板からベース基板BSを外したとき、リード線LLは空気および水分に曝されることがなく、したがって、リード線LLが空気および水分に触れ侵食されることが防止される。
【0043】
図5および
図6を参照すると、複数の第1のサブ画素SP1の各々の1つは、ベース基板BSを貫通するビアVを含む。任意選択で、ボンディングパッドBPのリード線LLに近い表面の一部がビアVによって露出されてもよい。任意選択で、リード線LLは、ベース基板BSの第1の側S1から第2の側S2までビアVを介して延在して、ボンディングパッドBPに接続されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、
図2および
図5を参照すると、アレイ基板は、ボンディングパッドBPと集積回路を接合するために、ボンディングパッドBPに対応する領域に位置する凹部RESをさらに含む。
【0045】
任意選択で、凹部RESは、ベース基板BSの第2の側S2に位置して、ボンディングパッドBPのリード線LLから離れた表面を露出させてもよい。例えば、凹部RESは、リード線LLのいずれの表面も露出させない。
【0046】
いくつかの実施形態において、
図2および
図5を参照すると、アレイ基板は、ベース基板BSの第2の側S2に位置する絶縁層INをさらに含む。任意選択で、絶縁層INは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。
【0047】
任意選択で、ボンディングパッドBPは、絶縁層INのベース基板BSから離れた側に位置してもよい。任意選択で、ビアVは、ベース基板BSおよび絶縁層INを貫通して、ボンディングパッドBPのリード線LLに近い表面を露出させてもよい。
【0048】
任意選択で、凹部RESは、絶縁層INに対応する領域に位置してもよい。任意選択で、凹部RESは、ボンディングパッドBPのリード線LLから離れた表面および絶縁層INのリード線LLから離れた表面を露出させてもよい。
【0049】
任意選択で、ベース基板BSは、ボンディングパッドBPに対応する領域において第1の厚さt1を有し、ボンディングパッドBPに対応する領域以外の領域において第2の厚さt2を有してもよい。任意選択で、絶縁層INは、第3の厚さt3を有してもよい。任意選択で、t2>(t1+t3)であってもよい。
【0050】
任意選択で、凹部RESは、第4の厚さt4を有してもよい。任意選択で、t2は、t1、t3およびt4の和と実質的に等しくてもよい。本明細において「実質的に等しい」とは、2つの値の差が、基準値(例えば、2つの値のうちの1つ)の10パーセントを超えず、例えば、基準値の8%を超えず、6%を超えず、4%を超えず、2%を超えず、1%を超えず、0.5%を超えず、0.1%を超えず、0.05%を超えず、および0.01%を超えないことをいう。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図5を参照すると、アレイ基板は、それぞれビアV内に部分的に延在する複数の追加絶縁層AINをさらに含む。任意選択で、複数の追加絶縁層AINは、それぞれ通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって延在してもよい。
【0052】
任意選択で、複数の追加絶縁層AINは、表示領域DA全体にわたって延在するパッシベーション層PVXを含んでもよい。例えば、パッシベーション層PVXは、ボンディングパッドBPに対応する領域を貫通する。
【0053】
任意選択で、パッシベーション層PVXは、ベース基板BSの第1の側S1に位置してもよい。任意選択で、パッシベーション層PVXは、ビアVの側面LSを少なくとも部分的に覆ってもよい。任意選択で、パッシベーション層PVXは、そのリード線LLのボンディングパッドBPに電気的に接続される部分に対応する領域、およびパッシベーション層PVXの絶縁層INと直接接触する部分に対応する領域を除き、ベース基板BSとリード線LLとの間に位置してもよい。パッシベーション層PVXによって、リード線LLが空気および水分に触れ侵食されることが防止される。
【0054】
いくつかの実施形態において、複数の追加絶縁層AINは、表示領域DA全体にわたって延在するバリア層BLを含む。任意選択で、バリア層BLは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、バリア層BLは、ボンディングパッドBPに対応する領域を貫通してもよい。
【0055】
任意選択で、バリア層BLは、パッシベーション層PVXおよびリード線LLのベース基板BSから離れた側に位置してもよい。任意選択で、リード線LLは、そのボンディングパッドBPに電気的に接続される部分に対応する領域を除き、パッシベーション層PVXとバリア層BLとの間に位置してもよい。
【0056】
任意選択で、リード線がアレイ基板内で露出しないように、絶縁層IN、ボンディングパッドBP、パッシベーション層PVXおよびバリア層BLによって、リード線LLをアレイ基板内に封止してもよい。このような構成とすることで、リード線LLが空気および水分に触れ侵食されることが防止される。
【0057】
いくつかの実施形態において、複数の追加絶縁層AINは、表示領域DA全体にわたって延在するバッファ層BUFをさらに含む。任意選択で、バッファ層BUFは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。
【0058】
任意選択で、バッファ層BUFは、バリア層BLのベース基板BSから離れた側に位置してもよい。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、バッファ層BLのベース基板BSから離れた側に位置する活性層ACTを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、表示領域DA全体にわたって延在する第1のゲート絶縁層GI1をさらに含む。任意選択で、第1のゲート絶縁層GI1は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、第1のゲート絶縁層GI1は、バッファ層BUFのバリア層BLから離れた側に位置してもよい。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、第1のゲート絶縁層GI1の活性層ACTから離れた側に位置する第1のゲート電極G1を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、表示領域DA全体にわたって延在する第2のゲート絶縁層GI2をさらに含む。任意選択で、第2のゲート絶縁層GI2は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、第2のゲート絶縁層GI2は、第1の絶縁層GI1のバッファ層BUFから離れた側に位置してもよい。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、第2のゲート絶縁層GI2の第1のゲート電極G1から離れた側に位置する第2のゲート電極G2を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、表示領域DAを貫通する層間誘電体層ILDをさらに含む。任意選択で、層間誘電体層ILDは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、層間誘電体層ILDは、第2のゲート絶縁層GI2の第1の絶縁層GI1から離れた側に位置してもよい。任意選択で、信号線SLは、層間誘電体層ILDのベース基板BSから離れた側に位置してもよい。
【0062】
任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのソース電極Sは、第1のゲート絶縁層GI1、第2のゲート絶縁層GI2および層間誘電体層ILDを貫通し、信号線SLに活性層ACTを接続してもよい。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのドレイン電極Dは、第1のゲート絶縁層GI1、第2のゲート絶縁層GI2および層間誘電体層ILDを貫通し、複数の発光素子LEの各々の1つに活性層ACTを接続してもよい。
【0063】
任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのソース電極Sは、第1のゲート絶縁層GI1、第2のゲート絶縁層GI2および層間誘電体層ILDを貫通して、中継線RLに接続されてもよい。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのソース電極Sは、第1のゲート絶縁層GI1、第2のゲート絶縁層GI2および層間誘電体層ILDを貫通してリード線LLに達してもよい。
【0064】
任意選択で、中継線RLまたはリード線LLに接続されたソース電極Sを有する薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、表示接合サブ領域DBAに位置してもよい。任意選択で、中継線RLまたはリード線LLに接続されたソース電極Sを有する薄膜トランジスタTFTの各々の1つは、通常表示サブ領域RDAに位置してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、層間誘電体層ILDの第2のゲート絶縁層GI2から離れた側に位置する第1の平坦化層PLN1をさらに含む。任意選択で、第1の平坦化層PLN1は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第1の平坦化層PLN1は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、第1の平坦化層PLN1の層間誘電体層ILDから離れた側に位置する第2の平坦化層PLN2をさらに含む。任意選択で、第2の平坦化層PLN2は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第2の平坦化層PLN2は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、第2の平坦化層PLN2の第1の平坦化層PLN1から離れた側に位置する第2のパッシベーション層PVX2と、第2のパッシベーション層PVX2の第2の平坦化層PLN2から離れた側に位置する第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2とをさらに含む。任意選択で、第1のコンタクトパッドCP1は、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのドレイン電極Dに電気的に接続されてもよい。任意選択で、第2のコンタクトパッドCP2は、共通信号線に電気的に接続されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、複数の発光素子LEの各々の1つは、液晶ディスプレイ(LCD)の発光素子、発光ダイオード(LED)、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)、量子発光ダイオード(QLED)および有機発光ダイオード(OLED)からなる群から選択される。
【0069】
例えば、複数の発光素子LEの各々の1つは、カソードおよびアノードを有するマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)である。アレイ基板は、複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つのドレイン電極に電気的に接続される第1のコンタクトパッドCP1と、第2のコンタクトパッドCP2とをさらに含む。第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッド2は、マイクロ発光ダイオードのカソードおよびアノードにそれぞれ電気的に接続される。
【0070】
様々な適切な材料を用いてベース基板BSを作製してよい。ベース基板の作製に適した材料の例としては、ガラス、石英、ポリイミドおよびポリエステル等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0071】
様々な適切な材料を用いてボンディングパッドBPを作製してよい。ボンディングパッドの作製に適した材料の例としては、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)およびTi/Al/Tiが挙げられるがこれらに限定されない。
【0072】
様々な適切な絶縁材および様々な適切な製造方法により絶縁層INを作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって絶縁材を基板上に堆積させてもよい。適切な絶縁材の例としては、ポリイミド、酸化ケイ素(SiOy)、窒化ケイ素(SiNy、例えば、Si3N4)および酸窒化ケイ素(SiOxNy)が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、絶縁層INは、酸化ケイ素(SiO2)からなり、ボンディングパッドPBが空気および水分に曝されないように保護するように構成される。酸化ケイ素(SiO2)を用いて絶縁層INを形成することで、絶縁層INとベース基板BSとの間の密着力を高めることができる。
【0073】
様々な適切な絶縁材および様々な適切な製造方法によりパッシベーション層PVXを作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によって材料を基板上に堆積させてもよい。適切な材料の例としては、ポリイミド、酸化ケイ素(SiOy)、窒化ケイ素(SiNy、例えばSi3N4)および酸窒化ケイ素(SiOxNy)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、パッシベーション層PVXは窒化ケイ素(SiNy)からなり、リード線LLが空気および水分に曝されないように保護するように構成される。
【0074】
様々な適切な材料を用いてリード線LLを作製してよい。リード線の作製に適した材料の例としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)および銅とアルミニウムの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0075】
様々な適切な導電性電極材料および様々な適切な製造方法によりソース電極Sおよびドレイン電極Dを作製してよい。いくつかの実施形態において、導電性電極材料としては、金属材料が挙げられる。適切な金属材料の例としては、モリブデン、金およびアルミニウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0076】
様々な適切な絶縁材および様々な適切な製造方法によりバッファ層BUFを作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)処理によってベース基板BS上に絶縁材を堆積させてもよい。バッファ層BUFの作製に適した材料の例としては、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)またはそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。任意選択で、バッファ層BUFは、単層構造、または2層以上のサブ層を含む積層構造(例えば、酸化ケイ素サブ層および窒化ケイ素サブ層を含む積層構造)であってもよい。任意選択で、バッファ層BUFの厚さは、約100nm~約400nmの範囲にあってもよい。例えば、バッファ層BUFは、厚さが約50nm~約100nmの範囲にある酸化ケイ素サブ層と、厚さが約100nm~約300nmの範囲にある窒化ケイ素サブ層とを含んでもよい。
【0077】
様々な適切な誘電体材料および様々な適切な製造方法により層間誘電体層ILDを作製してよい。例えば、プラズマ強化化学気相成長処理によって基板上に誘電体材料を堆積させてもよい。層間誘電体材料層306aの作製に適した材料の例としては、酸化ケイ素(SiOy)、窒化ケイ素(SiNy、例えば、Si3N4)、酸窒化ケイ素(SiOxNy)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0078】
様々な適切な材料を用いて第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2を作製してよい。任意選択で、第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2の各々の1つは2つのサブ層を含み、2つのサブ層のうち第1のサブ層は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)およびモリブデン(Mo)とチタン(Ti)の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない金属からなり、2つのサブ層のうち第2のサブ層は、銅(Cu)からなってもよい。任意選択で、第2のサブ層は、第1のサブ層のベース基板から離れた側に位置してもよい。任意選択で、第2のサブ層の厚さは、6000Åであってもよい。
【0079】
様々な適切な方法を用いて第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2を発光素子に接合してよい。適切な方法としては、共晶溶着を用いた接合、および導電性プラスチックを用いた接合が挙げられるがこれらに限定されない。
【0080】
図8は、本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の断面図である。いくつかの実施形態において、
図8を参照すると、アレイ基板は、ボンディングパッドBPを集積回路ICに接合するために、ボンディングパッドBPに対応する領域に凹部RESを含む。
図2および
図8を参照すると、凹部RESは、ベース基板BSの第2の側S2に位置して、ボンディングパッドBPのリード線LLから離れた表面を露出させている。例えば、凹部RESは、リード線LLのいずれの表面も露出させない。アレイ基板は、ベース基板BSの第2の側S2にある絶縁層INをさらに含む。任意選択で、絶縁層INは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。ボンディングパッドBPは、絶縁層INのベース基板BSから離れた側に位置している。ビアVは、ベース基板BSおよび絶縁層INを貫通して、ボンディングパッドBPのリード線LLに近い表面を露出させている。凹部RESは、絶縁層INに対応する領域に位置している。凹部RESは、ボンディングパッドBPのリード線LLから離れた表面および絶縁層INのリード線LLから離れた表面を露出させている。
【0081】
いくつかの実施形態において、
図8を参照すると、アレイ基板は、それぞれビアV内に部分的に延在する複数の追加絶縁層AINをさらに含む。任意選択で、複数の追加絶縁層AINは、それぞれ通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、複数の追加絶縁層AINは、表示領域DA全体にわたって延在するパッシベーション層PVXを含んでもよい。例えば、パッシベーション層PVXは、ボンディングパッドBPに対応する領域を貫通する。
【0082】
いくつかの実施形態において、複数の追加絶縁層AINは、表示領域DA全体にわたって延在する第1の樹脂層RN1を含む。任意選択で、第1の樹脂層RN1は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、第1の樹脂層RN1は、ボンディングパッドBPに対応する領域を貫通してもよい。
【0083】
任意選択で、第1の樹脂層RN1は、パッシベーション層PVXおよびリード線LLのベース基板BSから離れた側に位置してもよい。任意選択で、リード線LLは、そのボンディングパッドBPに電気的に接続される部分に対応する領域を除き、パッシベーション層PVXと第1の樹脂層RN1との間に位置してもよい。任意選択で、第1の樹脂層RN1は、樹脂材料から作製されてもよい。
【0084】
任意選択で、リード線がアレイ基板内で露出しないように、絶縁層IN、ボンディングパッドBP、パッシベーション層PVXおよび第1の樹脂層RN1によって、リード線LLをアレイ基板内に封止してもよい。このような構成とすることで、リード線LLが空気および水分に触れ侵食されることが防止される。
【0085】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、表示領域DA全体にわたって延在するゲート絶縁層GIをさらに含む。任意選択で、ゲート絶縁層GIは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、ゲート絶縁層GIは、第1の樹脂層RN1のパッシベーション層PVXから離れた側に位置してもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、表示領域DAを貫通する層間誘電体層ILDをさらに含む。任意選択で、層間誘電体層ILDは、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、層間誘電体層ILDは、ゲート絶縁層GIの第1の樹脂層RN1から離れた側に位置してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、層間誘電体層ILDのゲート絶縁層GIから離れた側に位置する第2の樹脂層RN2をさらに含む。任意選択で、第2の樹脂層RN2は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第2の樹脂層RN2は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、第2の樹脂層RN2は、樹脂材料から作製されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、第2の樹脂層RN2の層間誘電体層ILDから離れた側に位置する第1の平坦化層PLN1をさらに含む。任意選択で、第1の平坦化層PLN1は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第1の平坦化層PLN1は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、第1の平坦化層PLN1の第2の樹脂層RN2から離れた側に位置する第2の平坦化層PLN2をさらに含む。任意選択で、第2の平坦化層PLN2は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第2の平坦化層PLN2は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、第2の平坦化層PLN2の第1の平坦化層PLN1から離れた側に位置する第3の平坦化層PLN3をさらに含む。任意選択で、第3の平坦化層PLN3は、表示領域DAを貫通してもよい。任意選択で、第3の平坦化層PLN3は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBAを貫通してもよい。任意選択で、第3の平坦化層PLN3は、ポリシリコン材料から作製されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、それぞれ第2の平坦化層PLN2を貫通する第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2をさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、アレイ基板は、複数の発光素子LEをさらに含む。第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2は、複数の発光素子LEの各々の1つのカソードおよびアノードにそれぞれ電気的に接続される。
【0093】
別の方面において、本開示はアレイ基板の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、
図5を参照すると、この方法は、複数のサブ画素を有する表示領域を形成することをさらに含む。任意選択で、表示領域を形成することは、通常表示サブ領域を形成することと、表示接合サブ領域を形成することとを含んでもよい。任意選択で、複数のサブ画素を形成することは、表示接合サブ領域内に複数の第1のサブ画素を形成することと、通常表示サブ領域内に複数の第2のサブ画素を形成することとを含んでもよい。任意選択で、この方法は、通常表示サブ領域および表示接合サブ領域を貫通するベース基板を形成することと、ベース基板の第1の側に、かつそれぞれ複数のサブ画素内に、複数の薄膜トランジスタを形成することとを含んでもよい。任意選択で、この方法は、ベース基板の第2の側にボンディングパッドを形成することを含む、複数の第1のサブ画素の各々の1つを形成することをさらに含んでもよい。例えば、第2の側は第1の側に対向する。任意選択で、この方法は、複数の薄膜トランジスタの各々の1つをボンディングパッドに電気的に接続するリード線を形成することをさらに含んでもよい。例えば、リード線は、アレイ基板内で露出していない。任意選択で、この方法は、ベース基板を貫通するビアを形成することをさらに含んでもよい。任意選択で、リード線は、ベース基板の第1の側から第2の側までビアを介して延在して、ボンディングパッドに接続するように形成されてもよい。
【0094】
図9Aから
図9Mは、本開示のいくつかの実施形態によるアレイ基板の製造方法を示す概略図である。
図9Aを参照すると、この方法は、支持基板SSを設けることと、剥離層DBLを形成することとを含む。任意選択で、剥離層DBLは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。任意選択で、剥離層DBLは、ボンディングパッドBPに対応する領域に位置してもよい。
【0095】
様々な材料を用いて支持基板SSを作製してよい。支持基板SSの作製に適した材料の例としては、ガラス、石英、ポリイミドおよびポリエステル等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0096】
様々な材料を用いて剥離層DBLを作製してよい。剥離層の作製に適した材料の例としては、ポリアミドが挙げられるがこれに限定されない。レーザリフトオフ(LLO)処理では、支持基板SSおよびボンディングパッドBPから剥離層が簡単に除去され、これにより支持基板SSとアレイ基板とが分離する可能性がある。
【0097】
図9Bを参照すると、この方法は、剥離層DBLの支持基板SSから離れた側にボンディングパッドBPを形成することをさらに含む。任意選択で、ボンディングパッドBPは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。
【0098】
図9Cを参照すると、この方法は、表示接合サブ領域DBA内に規定される絶縁材料層INMを形成することをさらに含む。任意選択で、絶縁材料層INMは、ボンディングパッドBPに対応する領域を貫通するように形成されてもよい。任意選択で、絶縁材料層INMは、剥離層DBLおよびボンディングパッドBPの支持基板SSから離れた側に形成されてもよい。任意選択で、絶縁材料層INMは、ボンディングパッドBPを覆うように形成されてもよい。
【0099】
図9Dを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつ絶縁材料層INMの支持基板SSから離れた側に、ベース基板材料層BSMを形成することをさらに含む。例えば、ベース基板材料層BSMは、絶縁材料層INMを覆うように形成される。任意選択で、ベース基板材料層BSMは、支持基板SSから離れた第1の側S1および第1の側S1に対向する第2の側S2を有するように形成されてもよい。
【0100】
図9Dおよび
図9Eを参照すると、この方法は、絶縁材料層INMおよびベース基板材料層BSMをエッチングし絶縁材料層INMおよびベース基板材料層BSMを貫通するビアVを形成して、ボンディングパッドBPの接触面CSを露出させることにより、表示接合サブ領域DBA内に規定された絶縁層INと、絶縁層INの支持基板SSから離れた側に位置するベース基板BSとを形成することをさらに含む。
【0101】
図9Fを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつベース基板BSの支持基板SSから離れた側に、パッシベーション材料層PVXMを形成することをさらに含む。任意選択で、パッシベーション材料層PVXMの一部がボンディングパッドBPの接触面CSと直接接触してもよい。
【0102】
図9Fおよび
図9Gを参照すると、この方法は、パッシベーション材料層PVXMをエッチングしボンディングパッドBPの接触面CSを露出させることにより、パッシベーション層PVXを形成することをさらに含む。任意選択で、パッシベーション材料層PVXMのボンディングパッドBPの接触面CSと直接接触する部分を少なくとも部分的に除去して、ボンディングパッドBPの接触面CSの少なくとも一部を露出させてもよい。任意選択で、パッシベーション層PVXは、ベース基板BSの第1の側S1に、ビアの側面LSを少なくとも部分的に覆うように形成されてもよい。
【0103】
図9Hを参照すると、この方法は、パッシベーション層PVXのベース基板BSから離れた側にリード線LLを形成することをさらに含む。任意選択で、リード線LLは、ビアV内に延在してボンディングパッドBPに接続されるように形成されてもよい。例えば、リード線LLは、ボンディングパッドBPの接触面CSの少なくとも一部に電気的に接続される。任意選択で、リード線LLは、ベース基板BSの第1の側S1から第2の側S2までビアVを介して延在するように形成されてもよい。
【0104】
任意選択で、リード線LLは、表示接合サブ領域DBA内に規定されてもよい。別の例において、リード線LLは、表示接合サブ領域DBAおよび通常表示サブ領域RDAを貫通する。
【0105】
図9Iを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつパッシベーション層PVXおよびリード線LLのベース基板BSから離れた側に、バリア層BLを形成することをさらに含む。
【0106】
図9Jを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RSAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつバリア層BLのベース基板BSから離れた側に、バッファ層BUFを形成することをさらに含む。
【0107】
図9Kを参照すると、この方法は、バッファ層BUFのベース基板BSから離れた側に活性層ACTを形成することをさらに含む。
【0108】
任意選択で、この方法は、バッファ層BUFおよび活性層ACTのバリア層BLから離れた側に第1のゲート絶縁層GI1を形成することをさらに含んでもよい。
【0109】
任意選択で、この方法は、第1のゲート絶縁層G1の活性層ACTから離れた側に第1のゲート電極G1を形成することをさらに含んでもよい。
【0110】
任意選択で、この方法は、第1のゲート絶縁層GI1のバッファ層BUFから離れた側に中継線RLを形成することをさらに含んでもよい。1つの例において、中継線RLは、表示接合サブ領域DBA内に規定されている。別の例において、中継線RLは、表示接合サブ領域DBAおよび通常表示サブ領域RDAを貫通している。任意選択で、中継線RLは、第1のゲート絶縁層GI1、バッファ層BUFおよびバリア層BLを貫通してリード線LLに接続されてもよい。
【0111】
任意選択で、この方法は、第1のゲート絶縁層GI1および第1のゲート電極G1の第1のゲート絶縁層GI1から離れた側に第2のゲート絶縁層GI2を形成することをさらに含んでもよい。
【0112】
任意選択で、この方法は、第2のゲート絶縁層GI2の一側に、第2のゲート電極G2を形成することをさらに含んでもよい。
【0113】
任意選択で、この方法は、第2のゲート電極G2および第2のゲート絶縁層GI2の第1のゲート絶縁層GI1から離れた側に層間誘電体層ILDを形成することをさらに含んでもよい。
【0114】
任意選択で、この方法は、層間誘電体層ILDの第2のゲート絶縁層GI2から離れた側に、信号線SL、ソース電極Sおよびドレイン電極Dを形成することをさらに含んでもよい。任意選択で、ドレイン電極Dは、層間誘電体層ILD、第2のゲート絶縁層GI2および第1のゲート絶縁層GI1を貫通して活性層ACTに電気的に接続されてもよい。任意選択で、ソース電極Sは、層間誘電体層ILD、第2のゲート絶縁層GI2および第1のゲート絶縁層GI1を貫通して活性層ACTに電気的に接続されてもよい。
【0115】
1つの例において、ソース電極Sは、信号線SLに電気的に接続される。信号線SLは、層間誘電体層ILDおよび第2のゲート絶縁層GI2を貫通して中継線RLに電気的に接続され、これにより、リード線LLが複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つに電気的に接続される。
【0116】
別の例において、アレイ基板には中継線RLがない。信号線SLは、層間誘電体層ILD、第2のゲート絶縁層GI2、第1のゲート絶縁層GI1、バッファ層BUFおよびバリア層BLを貫通してリード線LLに接続され、これにより、リード線LLが複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つに電気的に接続される。
【0117】
別の例において、ソース電極Sの活性層ACTに接続されない一端は、層間誘電体層ILD、第2のゲート絶縁層GI2、第1のゲート絶縁層GI1、バッファ層BUFおよびバリア層BLを貫通してリード線LLに接続され、これにより、リード線LLが複数の薄膜トランジスタTFTの各々の1つに電気的に接続される。
【0118】
任意選択で、この方法は、層間誘電体層ILDの第2のゲート絶縁層GI2から離れた側に第1の平坦化層PLN1を形成することと、第1の平坦化層PLN1の層間誘電体層ILDから離れた側に第2の平坦化層PLN2を形成することと、第2の平坦化層PLN2の第1の平坦化層PLN1から離れた側に第2のパッシベーション層PVX2を形成することとをさらに含んでもよい。
【0119】
任意選択で、この方法は、第2のパッシベーション層PVX2の第2の平坦化層PLN2から離れた側に、第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2を形成することをさらに含んでもよい。例えば、第1のコンタクトパッドCP1および第2のコンタクトパッドCP2は、発光素子に接続するように構成される。
【0120】
図9Lを参照すると、この方法は、剥離層DBLおよびベース基板BSから支持基板SSを分離することをさらに含む。例えば、レーザリフトオフ処理によって剥離層DBLおよびベース基板BSから支持基板SSを分離してもよい。
【0121】
図9Lおよび
図9Mを参照すると、この方法は、ボンディングパッドBPおよび絶縁層INから剥離層DBLを分離して、ボンディングパッドBPに対応する領域に凹部RESを形成することをさらに含む。任意選択で、凹部をベース基板BSの第2の側S2に形成して、ボンディングパッドBPの表面を露出させてもよい。任意選択で、レーザリフトオフ処理によって絶縁層INから剥離層DBLを分離してもよい。
【0122】
図9Mを参照すると、この方法は、複数の第1のサブ画素SP1および複数の第2のサブ画素SP2を含む複数のサブ画素内においてそれぞれ複数の発光素子LEを形成することをさらに含む。任意選択で、複数の薄膜トランジスタTFTは、複数のサブ画素内にそれぞれ形成されてもよい。
【0123】
【0124】
図10Hを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RDAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつパッシベーション層PVXおよびリード線LLのベース基板BSから離れた側に、第1の樹脂層RN1を形成することをさらに含む。第1の樹脂層RN1は、リード線LLの表面を露出させる第1のビアv1を有するようにパターニングされる。
【0125】
図10Iを参照すると、この方法は、通常表示サブ領域RSAおよび表示接合サブ領域DBA全体にわたって、かつ第1の樹脂層RN1のベース基板BSから離れた側に、ゲート絶縁層GIを形成することをさらに含む。ゲート絶縁層GIをパターニングして、ゲート絶縁層GIおよび第1の樹脂層RN1を貫通するように第2のビアv2を形成し、リード線LLの表面を露出させる。ゲート絶縁層GIは、後のパターニング工程で発生するガスを逃がすための第3のビアv3をさらに有するようにパターニングされる。
【0126】
図10Jを参照すると、ゲート絶縁層GIのベース基板BSから離れた側にゲート金属層が形成されている。ゲート金属層は、例えば、複数の薄膜トランジスタのゲート電極、第1の電極CE1および第2の電極CE2を含む様々な電極および信号線を形成するようにパターニングされる。
図10Jに示すように、第1の電極CE1は、例えば、第2のビアv2を介してリード線LLに電気的に接続される。
【0127】
図10Kを参照すると、この方法は、ゲート絶縁層GI、第1の電極CE1および第2の電極CE2の第1の樹脂層RN1から離れた側に、層間誘電体層ILDを形成することをさらに含む。層間誘電体層ILDは、第1の電極CE1の表面を露出させる第4のビアv4を有するようにパターニングされる。さらに、層間誘電体層ILDは、後のパターニング工程で発生するガスを逃がすための、層間誘電体層ILDおよびゲート絶縁層を貫通する第5のビアv5を形成するようにパターニングされる。
【0128】
図10Lを参照すると、この方法は、アレイ基板の表面を平坦化するために、層間誘電体層ILDのゲート絶縁層GIから離れた側に第2の樹脂層RN2を形成することをさらに含む。第2の樹脂層RN2は、第2の樹脂層RN2および層間誘電体層ILDを貫通するように第6のビアv6を形成し、第1の電極CE1の表面を露出させるようにパターニングされる。
【0129】
図10Mを参照すると、この方法は、第2の樹脂層RN2の層間誘電体層ILDから離れた側に第1の平坦化層PLN1を形成することをさらに含む。第1の平坦化層PLN1は、第1の平坦化層PLN1、第2の樹脂層RN2および層間誘電体層ILDを貫通するように第7のビアv7を形成し、第1の電極CE1の表面を露出させるようにパターニングされる。さらに、第1の平坦化層PLN1は、後のパターニング工程で発生するガスを逃がすための第8のビアv8を有するようにパターニングされる。
【0130】
図10Nを参照すると、第1の平坦化層PLN1のベース基板BSから離れた側にソースドレイン金属層が形成されている。ソースドレイン金属層は、例えば、複数の薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極、ならびに第1のパッドP1および第2のパッドP2を含む様々な電極および信号線を形成するようにパターニングされる。
図10Nに示すように、第1のパッドP1は、例えば、第7のビアv7を介して第1の電極CE1に電気的に接続される。
【0131】
図10Oを参照すると、この方法は、第1の平坦化層PLN1、第1のパッドP1および第2のパッドP2の第2の樹脂層RN2から離れた側に、第2の平坦化層PLN2を形成することをさらに含む。第2の平坦化層PLN2は、第1のパッドP1の表面を露出させる第9のビアv9、および第2のパッドP2の表面を露出させる第10のビアv10を有するようにパターニングされる。さらに、第2の平坦化層PLN2は、後のパターニング工程で発生するガスを逃がすための、第2の平坦化層PLN2および第1の平坦化層PLN1を貫通する第11のビアv11を形成するようにパターニングされる。
【0132】
図10Pを参照すると、この方法は、複数の発光素子LEをアレイ基板に転送することをさらに含む。複数の発光素子LEの各々の1つは、第1のコンタクトパッドCP1を介して第1のパッドP1に接続され、第2のコンタクトパッドCP2を介して第2のパッドP2に接続される。この方法は、複数の発光素子LEを保護するカバーガラスCGを形成することをさらに含む。
【0133】
図10Qを参照すると、この方法は、剥離層DBLおよびベース基板BSから支持基板SSを分離することをさらに含む。例えば、レーザリフトオフ処理によって剥離層DBLおよびベース基板BSから支持基板SSを分離してもよい。ボンディングパッドBPおよび絶縁層INから剥離層DBLを分離することで、ボンディングパッドBPに対応する領域に凹部RESが形成される。任意選択で、凹部をベース基板BSの第2の側S2に形成して、ボンディングパッドBPの表面を露出させてもよい。任意選択で、レーザリフトオフ処理によって絶縁層INから剥離層DBLを分離してもよい。
【0134】
別の方面において、本開示は表示装置を提供する。いくつかの実施形態において、表示装置は、本明細書に記載のアレイ基板と、前記アレイ基板に接続される1つまたは複数の集積回路とを含む。
図11は、本開示のいくつかの実施形態による表示装置の断面図である。
図12は、本開示のいくつかの実施形態による表示装置の断面図である。
図11および
図12に示すように、表示装置は、凹部RES内に集積回路ICを含む。任意選択で、集積回路ICは、凹部RES内で露出されたボンディングパッドBPの表面に接続されてもよい。適切な表示装置の例としては、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートブックコンピュータ、デジタルアルバム、GPS等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0135】
本発明の実施形態に関する以上の記述は、例示および説明を目的とする。以上の説明は、網羅的であること、または開示された正確な形態或いは例示的な実施形態に本発明を限定することを意図しない。それ故、上記記載は限定ではなく例示を目的としていると見なすべきであり、多くの変更や変形は当業者にとって明らかであろう。明らかに、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。これらの実施形態は、本発明の原理およびその最良の態様の実際の適用を説明するために選択および記載されたものであり、それによって、本発明が特定の用途または想定される実施形態の様々な実施形態および様々な変形例に適用可能であることを当業者に理解させることを目的としている。本発明の範囲は、本開示に付した請求項およびその均等物により定義することが意図され、別途示唆しない限り、すべての用語は合理的な範囲内で最も広く解釈される。したがって、「本発明」、「本開示」またはこれに類する用語は請求項を必ずしも特定の実施形態に限定せず、本発明の例示的実施形態に対する参照は本発明への限定を示唆するものではなく、かかる限定を推論すべきではない。本発明は添付する請求項の精神と範囲によってのみ限定される。さらに、これらの請求項では後に名詞または要素を伴って「第1の」、「第2の」等の表現を用いる場合がある。特定の数量が示されない限り、このような用語は専用語であると理解すべきであり、修飾された要素の数量が上記専用語により限定されると解釈してはならない。記載した効果や利点はいずれも本発明のすべての実施形態にあてはまるとは限らない。当業者であれば、以下の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱せずに、記載した実施形態を変形できることが理解されよう。さらに、本開示の要素および構成要素は、以下の特許請求の範囲に明記されているか否かを問わず、いずれも公衆に捧げる意図はない。