IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェラインの特許一覧

<>
  • 特許-微小膜圧送装置 図1
  • 特許-微小膜圧送装置 図2
  • 特許-微小膜圧送装置 図3
  • 特許-微小膜圧送装置 図4
  • 特許-微小膜圧送装置 図5
  • 特許-微小膜圧送装置 図6
  • 特許-微小膜圧送装置 図7
  • 特許-微小膜圧送装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】微小膜圧送装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/02 20060101AFI20241106BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20241106BHJP
   F04B 43/04 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
F04B43/02 F
B81B3/00
F04B43/04 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022577487
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2020066821
(87)【国際公開番号】W WO2021254611
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ブスマン・アグネス
(72)【発明者】
【氏名】グリューナーベル・ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルト・クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】キブラー・セバスチャン
【審査官】森 秀太
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-132646(JP,A)
【文献】特開2018-066276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0010589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/02
F04B 43/04
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(FL)を圧送するための微小膜圧送装置であって、
ポンプチャンバ(2)に前記流体(FL)を導入するための入口弁(3)と、前記ポンプチャンバ(2)から前記流体(FL)を排出するための出口弁(4)と、前記ポンプチャンバ(1)の容積を変化させるための膜装置(5)とが関連付けられたポンプチャンバ(2)であって、前記膜装置(5)が、前記膜装置(5)を変形させるための板状のアクチュエータ(6)を備える、ポンプチャンバ(2)と、
前記ポンプチャンバ(2)の容積に影響を及ぼすように前記板状アクチュエータ(6)に影響を与えるための影響手段(7)と、を備え、
前記膜装置(5)が、前記ポンプチャンバ(2)を制限する板状膜体(8)を備え、
前記板状アクチュエータ(6)が、前記板状膜体(8)の前記ポンプチャンバ(2)とは反対側に配置されており、
前記板状アクチュエータ(6)が、前記板状アクチュエータ(6)が前記板状膜体(8)から電気的に絶縁されるように、電気絶縁性接着剤層(9)によって前記板状膜体(8)に取り付けらており、
前記膜装置(5)の変形を検出するための変形センサ(12)がそこに配置されるか内部に配置される支持体(11)の少なくとも1つの埋設部(10)が、前記ポンプチャンバ(2)の容積を検出するために前記電気絶縁性接着剤層(9)内に配置されており、
前記影響手段(7)、前記板状アクチュエータ(6)および前記変形センサ(12)が、前記微小膜圧送装置(1)の動作サイクル中の前記ポンプチャンバ(2)の容積の変化と前記微小膜圧送装置(1)の動作サイクルの持続時間との間の比を調整するための閉ループ制御回路を形成する、微小膜圧送装置。
【請求項2】
前記電気絶縁性接着剤層(9)が、前記板状アクチュエータ(6)の前記板状膜体(8)に面する側の領域、特に全領域にわたって塗布され、および/または前記電気絶縁性接着剤層(9)が、前記板状膜体(8)の前記板状アクチュエータ(6)に面する側の領域、特に全領域にわたって塗布される、請求項1に記載の微小膜圧送装置。
【請求項3】
前記電気絶縁性接着剤層(9)が、硬化した液体接着剤、硬化した接着剤ペーストおよび/または接着フィルムを含む、請求項1から2のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項4】
前記電気絶縁性接着剤層(9)が、温度硬化材料、嫌気性硬化材料、UV放射線硬化材料、活性剤硬化材料、湿度硬化材料、乾燥硬化材料および/またはホットメルト接着剤材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項5】
前記板状アクチュエータ(6)が、電磁アクチュエータ、単層または多層圧電アクチュエータ、形状記憶アクチュエータまたはバイメタルアクチュエータである、請求項1から4のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項6】
前記支持体(11)が、1つ以上の電気絶縁材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項7】
前記支持体(11)が、ガラス、1つ以上の半導体材料、1つ以上の複合材料、1つ以上のポリマー材料、または1つ以上のセラミック材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項8】
前記変形センサ(12)が、歪みゲージ、特に抵抗式、容量式またはピエゾ抵抗式歪みゲージである、請求項1から7のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項9】
前記変形センサ(12)が力センサである、請求項1から8のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項10】
前記板状膜体(8)が、金属、半導体材料および/またはプラスチックを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項11】
前記変形センサ(12)の信号を評価するための少なくとも一部が、前記支持体(11)にまたは前記支持体内に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項12】
前記影響手段(7)が、前記変形センサ(12)の測定信号(MS)を使用して前記微小膜圧送装置(1)の動作外乱を認識するために構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項13】
前記支持体(11)が、前記電気絶縁性接着剤層(9)から引き出された非埋設部(13)を備え、前記変形センサ(12)に電気的に接続された前記変形センサ(12)の測定信号(MS)をタップするための接点(14)が、前記非埋設部(13)に取り付けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項14】
前記埋設部(10)に電熱線(17)が配置されている、請求項1から12のいずれかに記載の微小膜圧送装置。
【請求項15】
前記支持体(11)が、前記電気絶縁性接着剤層(9)から引き出された非埋設部(13)を備え、前記電熱線(17)に電気的に接続された電気エネルギー(EE)を前記電熱線(17)に提供するための接点(18)が、前記非埋設部(13)に取り付けられる、請求項14に記載の微小膜圧送装置。
【請求項16】
温度センサ(20)が前記埋設部(10)にまたは前記埋設部内に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項17】
前記支持体(11)が、前記電気絶縁性接着剤層(9)から引き出された非埋設部(13)を備え、前記温度センサ(20)に電気的に接続された前記温度センサ(20)の測定信号(TMS)をタップするための接点(21)が、前記非埋設部(13)に取り付けられる、請求項16に記載の微小膜圧送装置。
【請求項18】
前記電気絶縁性接着剤層(9)の状態をチェックするための状態センサ(23)、特に湿度センサまたは化学センサが、前記埋設部(10)にまたは前記埋設部内に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項19】
前記支持体(11)が、前記電気絶縁性接着剤層(9)から引き出された非埋設部(13)を備え、前記状態センサ(23)に電気的に接続された前記状態センサ(23)の測定信号(ZMS)をタップするための接点(24)が、前記非埋設部(13)に取り付けられる、請求項18に記載の微小膜圧送装置。
【請求項20】
前記支持体(11)の前記埋設部(10)が、前記板状アクチュエータ(6)から前記板状膜体(8)に向かう方向(RI)に見たときに、前記支持体(11)の前記埋設部(10)に面する前記板状膜体(8)の領域(27)よりも小さく、前記支持体(11)の前記埋設部(10)に面する前記板状アクチュエータ(6)の領域(28)よりも小さい領域(26)を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項21】
前記支持体(11)の前記埋設部(10)が、前記支持体(11)の前記埋設部(10)の前記板状アクチュエータ(6)に面する側から前記支持体(11)の前記埋設部(10)の前記板状膜体(8)に面する側まで延在する少なくとも1つの貫通孔(29)を備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【請求項22】
前記支持体(11)の前記埋設部(10)が、前記板状アクチュエータ(6)から前記板状膜体(8)に向かう方向(RI)に見たときに、凹部(31)を含むエッジ(30)を含む、請求項20または21のいずれか一項に記載の微小膜圧送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を圧送するための微小膜圧送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微小膜圧送装置は、例えば、豪州特許出願公開第2015308144号明細書および米国特許出願公開第20160153444号明細書から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】豪州特許出願公開第2015308144号明細書
【文献】米国特許出願公開第20160153444号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある目的は、そのような周知の微小膜圧送装置を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、流体を圧送するための微小膜圧送装置であって、
ポンプチャンバに流体を導入するための入口弁と、ポンプチャンバから流体を排出するための出口弁と、ポンプチャンバの容積を変化させるための膜装置とが関連付けられたポンプチャンバであって、膜装置を変形させるための板状アクチュエータを備える、ポンプチャンバと、
ポンプチャンバの容積に影響を及ぼすように板状アクチュエータに影響を与えるための影響手段と、を備え、
膜装置が、ポンプチャンバを制限する板状膜体を備え、
板状アクチュエータが、板状膜体のポンプチャンバとは反対側に配置されており、
板状アクチュエータが、板状アクチュエータが膜体から電気的に絶縁されるように、電気絶縁性接着剤層によって板状膜体に取り付けらており、
膜装置の変形を検出するための変形センサがそこに配置されるか内部に配置される支持体の少なくとも1つの埋設部が、ポンプチャンバの容積を検出するために電気絶縁性接着剤層内に配置されており、
影響手段、板状アクチュエータおよび変形センサが、微小膜圧送装置の動作サイクル中のポンプチャンバの容積の変化と微小膜圧送装置の動作サイクルの持続時間との間の比を調整するための閉ループ制御ループを形成する、微小膜圧送装置によって達成される。
【0006】
圧送される流体は、液体または気体とすることができる。ポンプチャンバは、それぞれの流体が入口弁を介して導入され、それぞれの流体が出口弁を介して排出される閉じた空洞である。入口弁および出口弁は、それぞれ受動弁とすることができる。
【0007】
膜装置は、ポンプチャンバを取り囲むハウジングの一部であり、ポンプチャンバの容積が増加すると流体がポンプチャンバに吸引され、容積が減少すると流体がポンプチャンバから排出されるようにポンプチャンバの容積が変化するように弾性的に変形可能である。ポンプチャンバの容積を周期的に増減させることにより、流体の規定の容積の流れが生じることができる。
【0008】
ポンプチャンバの容積のこのような変化を引き起こすために、膜装置は、ポンプチャンバの容積が変化するように膜装置を変形させるように構成された板状アクチュエータを備える。板状アクチュエータは、好ましくは電動アクチュエータである。
【0009】
この場合の本体の板状実装は、本体が他の2つの空間方向よりも1つの空間方向にかなり小さい寸法を含むことを意味する。アクチュエータは、平面視で円形または多角形に実装されることができる。
【0010】
さらに、ポンプチャンバの容積の所望の変化に影響を及ぼすように板状アクチュエータに影響を及ぼす影響手段が設けられる。影響手段は、アクチュエータに影響を及ぼすためにアクチュエータに供給される電気信号を生成する電気的影響手段とすることができる。
【0011】
膜装置は、ポンプチャンバを制限し、板状に実装される弾性的に変形可能な膜体を備える。膜体は、例えば、ハウジングのフレームまたはホルダに取り付けられることができる。しかしながら、ハウジングの他の部分と一体化されるように実装されてもよい。
【0012】
板状アクチュエータは、板状膜体のポンプチャンバとは反対側に配置される。これは、圧送される流体に直接接触していないことを意味し、これは、特に影響手段からアクチュエータへの電気信号の伝送をより容易にする。
【0013】
したがって、板状アクチュエータは、電気絶縁性接着剤層によって板状膜体に取り付けられる。ここで接着剤層は、膜体の変形、したがってポンプチャンバの容積の変化を可能にするように、アクチュエータから膜体に力を伝達するように構成される。接着剤層の電気絶縁実装は、板状アクチュエータを膜体から電気的に絶縁させる。これは、膜体が導電性であっても、膜体に面する側において、接地に関係なく電気的に供給される板状アクチュエータを使用することができることを意味する。
【0014】
アクチュエータは、必要な力を確保するために、30μmから2000μm、特に45μmから1500μmの高さを含むことができる。それは、高い剛性、良好な接着特性、耐環境性(湿度、溶媒、温度、放射線(滅菌目的で医療装置において頻繁に使用される))を示すことになる。さらに、それは、破損に耐性があり、疲労に耐性があり、破壊に電気的に耐性があることになる。
【0015】
接着剤層の電気絶縁実装は、膜体が電気絶縁性であるように実装される場合にも有利であり、これは、この場合、アクチュエータと圧送される流体との間の電界強度が低下し、アクチュエータと流体との間の電気アーク放電が防止されることができるためである。これは、板状アクチュエータがより高い電圧、例えば20Vから400Vの範囲で動作する場合に特に有利である。
【0016】
接着剤層は、支持体の埋設部の両側にできるだけ薄く形成されることになる。それは、高い剛性、良好な接着特性、耐環境性(湿度、溶媒、温度、放射線(滅菌目的で医療装置において頻繁に使用される))を示すことになる。さらに、それは、破損に耐性があり、疲労に耐性があり、非導電性であり、破壊に電気的に耐性があることになる。
【0017】
電気絶縁性接着剤層内には、膜装置の変形を検出することによって経時的にポンプチャンバの容積を検出することができる変形センサが表面または内部に配置された支持体の埋設部がある。
【0018】
支持体の埋設部は、必要な可撓性を確保するために500μmよりも薄くすることができる。それは、高い剛性、良好な接着特性、耐環境性(湿度、溶媒、温度、放射線(滅菌目的で医療装置において頻繁に使用される))を示すことになる。さらに、それは、破損に耐性があり、疲労に耐性があり、非導電性であり、破壊に電気的に耐性があることになる。
【0019】
影響手段、板状アクチュエータおよび変形センサは、ここでは、微小膜圧送装置(1)の動作サイクル中のポンプチャンバ(2)の容積の変化と流体の動作サイクルの持続時間との間の、微小膜圧送装置によって引き起こされる比を調整するための閉ループ制御回路を形成する。
【0020】
閉ループ制御回路は、一般に、技術的プロセスまたは他のシステムにおいて物理量に影響を及ぼすための自己完結型ループを意味する。設定値からの偏差を打ち消す制御量の電流値のレギュレータへの直接的または間接的なフィードバック(負のフィードバック)は、ここでは本質的な点である。レギュレータの目的は、外乱量を調整し、所定の要件にしたがって静的および動的挙動に対する制御変数の時間挙動を決定することである。
【0021】
本発明において、影響手段は、レギュレータの役割を果たす。ここでの制御された変数は、微小膜圧送装置の動作サイクル中のポンプチャンバの容積の変化と動作サイクルの持続時間との間の比である。動作サイクルは、流体が入口弁を介してポンプチャンバに導入される段階と、流体が出口弁を介して排出される別の段階とを含む。無妨害動作では、この比は、それぞれの流体の体積流量に対応する。体積流量は、影響手段によって予め決定された動作サイクルの持続時間を知ることから、および変形センサによって検出された膜装置の変形を知ることから間接的に測定される。
【0022】
間接的な測定値は、設定値からの体積流量の偏差の場合に、所望の体積流量をもたらすように板状アクチュエータの駆動を変更することができるように影響手段に送信される。特に、体積流量は、ポンプチャンバの体積変化の振幅を増減することによって影響を受けることができる。また、ポンプチャンバの容積変化の頻度が増減されることができる。
【0023】
体積流量のそのような間接的な測定は、外乱量をかなり良好に調整することができるように例示的にインペラを備える周知の流量センサを使用する体積流量の直接測定よりもかなり速く、より正確であり、またより容易で安価であることが示されている。さらに、提案された微小膜圧送装置は、温度および圧力などの個々の外乱量がセンサによって検出され、圧送装置の開ループ制御回路において使用されるそのような圧送装置よりも優れている。
【0024】
体積流量は、非調整制御手段を使用する場合よりも提案された制御回路を使用してかなり正確に制御されることができる。変形センサ、および膜体とアクチュエータとの間の接着剤層内のその配置を使用することは、影響手段への体積流量の実際の値の非常に正確なフィードバックを可能にする。
【0025】
したがって、体積流量に対する外乱量とも呼ばれる外的影響が正確に調整されることができる。本発明の微小膜圧送装置によって調整されることができる外乱量は以下のとおりである:
-例えば、入口弁の上流の流体の圧力、出口弁の下流の流体の圧力、または膜装置の外側の圧力などの圧力。
-膜装置に張力をかけたり、アクチュエータの特性曲線を変化させたりすることがある、例えば流体または微小膜圧送装置の環境の温度。圧電セラミックアクチュエータでは、例えば、技術的に関連するd31係数は温度依存性である。
-アクチュエータを常に駆動するとき、特に液体を供給するときに、ポンプチャンバの容積の有効な変化をもたらすことがある流体特性の変化。ここで、例えば温度の変化や流体組成の変化によって生じる粘度の変化は、異なる流入時間および流出時間、その結果、異なる体積流量をもたらす。
-微小膜圧送装置の機械的構成要素、例えばポンプチャンバのハウジング、入口弁、出口弁、アクチュエータまたは膜体の公差。これにより、機械的構成要素の幾何学的偏差(曲げ、厚さの変動、平行欠陥)に起因する同じシリーズの異なる微小膜圧送装置における異なる体積流量が回避されることができる。
-微小膜圧送装置の機械的構成要素を接続するとき、例えば接着剤層を実装するときの公差。
【0026】
本発明の微小膜圧送装置は、例えば異なる流体を混合する場合など、流体の非常に正確な投与が必要なときはいつでも有利に使用されることができる。特に、医薬品を投与するため、または医薬品の成分を混合するために医療分野において使用されることができる。
【0027】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、接着剤層は、板状アクチュエータの膜体に面する側の領域、特に全領域にわたって塗布され、および/または接着剤層は、膜体の板状アクチュエータに面する側の領域、特に全領域にわたって塗布される。このようにして、アクチュエータによって生成された力は、接着剤層に、および接着剤層から膜体に安全に伝達されることができる。その結果、特に、装置の高い剛性および高い剪断力に対する非感受性がもたらされ、最終的に投与精度に役立つ。
【0028】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、接着剤層は、硬化した液体接着剤、硬化した接着ペーストおよび/または接着フィルムを含む。液体接着剤、接着ペーストおよび接着フィルムは、膜圧送装置を製造するときに取り扱いが容易であり、アクチュエータから膜体に必要な力を確実に伝達するために十分に良好な接着特性を示し、それによって投与精度を高める。
【0029】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、接着剤層は、温度硬化材料、嫌気硬化材料、UV放射硬化材料、活性剤硬化材料、湿度硬化材料、乾燥硬化材料および/またはホットメルト接着剤材料を含む。そのような接着剤材料は、膜圧送装置を製造するときに取り扱いが容易であり、アクチュエータから膜体に必要な力を確実に伝達するために十分に良好な接着特性を示し、それによって投与精度を高める。
【0030】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、板状アクチュエータは、電磁アクチュエータ、単層または多層圧電アクチュエータ、形状記憶アクチュエータまたはバイメタルアクチュエータである。単層圧電アクチュエータは、その底部に電気端子を備え、頂部に電気端子を備える。本発明では、接着剤層は非導電性であるため、単層圧電アクチュエータは、接地に対称的に供給されることができる。多層の場合、2つの電気接点は、膜体に面する側に配置され、それによって接着剤層の非導電特性の短絡を防止する。接着剤層の絶縁特性に起因して、形状記憶アクチュエータまたはバイメタルアクチュエータが容易に使用されることができる。
【0031】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体は、1つ以上の電気絶縁材料を含む。例えば、ポリイミドが特に適している。
【0032】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体は、ガラス、1つ以上の半導体材料、1つ以上の複合材料、1つ以上のポリマー材料、または1つ以上のセラミック材料を含む。
【0033】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、変形センサは、歪みゲージ、特に抵抗、容量またはピエゾ抵抗歪みゲージである。
【0034】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、変形センサは、力センサである。
【0035】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、膜体は、金属、半導体材料および/またはプラスチックを含む。
【0036】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、変形センサの信号を評価するための評価電子機器の少なくとも一部は、支持体にまたは支持体内に配置される。これにより、外乱耐性が向上されることができ、最終的に投与精度が向上される。
【0037】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、影響手段は、変形センサの測定信号を使用して微小膜圧送装置の動作外乱を認識するために実装される。微小膜圧送装置の動作中、動作外乱が発生することがある。例えば、入口弁または出口弁は、粒子によって遮断されることがあり、アクチュエータは故障することがあり、液体流体の場合には気泡がポンプチャンバに到達することがある、などである。そのような外乱は、膜手段の変形に影響を及ぼすか、またはアクチュエータに直接影響を及ぼすため、変形センサの測定信号において認識可能である。
【0038】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体は、接着剤層から引き出された非埋設部を備え、変形センサに電気的に接続された変形センサの測定信号をタップするための接点は、非埋設部に取り付けられる。したがって、変形センサ用の接点と変形センサとの間の電気的接続は、これらが機械的に保護され、アクチュエータおよび膜体の双方から電気的に絶縁されるように、支持体においてまたは支持体内に実装されることができる。
【0039】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、電熱線が埋設部においてまたは埋設部内に配置される。電熱線は、圧送される流体を加熱することを可能にする。さらに、電熱線は、接着剤層が温度硬化材料を含む場合に接着剤層を硬化させるために、接着剤層を加熱するための微小膜圧送装置の製造中に使用されてもよい。ここで、電熱線は、影響手段または外部手段によって電気エネルギーを供給されてもよい。
【0040】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体は、接着剤層から引き出される非埋設部を備え、電熱線に電気的に接続される電気エネルギーを電熱線に提供するための接点が、非埋設部に取り付けられる。電熱線用の接点と電熱線との間の電気的接続は、これらが機械的に保護され、アクチュエータおよび膜体の双方から電気的に絶縁されるように、支持体にまたは支持体内に形成されることができる。
【0041】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、温度センサが埋設部にまたは埋設部内に配置される。温度センサの測定信号は、例えば、電熱線に電気エネルギーを供給する影響手段または外部手段に供給されることができる。このようにして、電熱線の加熱効果は、微小膜圧送装置の製造中または微小膜圧送装置の動作中に調整されることができる。
【0042】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体は、接着剤層から引き出された非埋設部を備え、温度センサに電気的に接続された温度センサの測定信号をタップするための接点は、非埋設部に取り付けられる。温度センサ用の接点と温度センサとの間の電気的接続は、これらが機械的に保護され、アクチュエータおよび膜体の双方から電気的に絶縁されるように、支持体にまたは支持体内に形成されることができる。
【0043】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、接着剤層の状態をチェックするための状態センサ、特に湿度センサまたは化学センサが、埋設部にまたは埋設部内に配置される。状態センサの測定信号は、影響手段に供給されることができる。このようにして、影響手段は、接着剤層が故障する前に、接着剤層の状態の経時による劣化、または内部影響によって引き起こされる劣化を認識することができ、これは特に医療用途において有利である。
【0044】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体は、接着剤層から引き出された非埋設部を備え、状態センサに電気的に接続された状態センサの測定信号をタップするための接点は、非埋設部に取り付けられる。状態センサ用の接点と状態センサとの間の電気的接続は、これらが機械的に保護され、アクチュエータおよび膜体の双方から電気的に絶縁されるように、支持体にまたは支持体内に形成されてもよい。
【0045】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体の埋設部は、板状アクチュエータから板状膜体に向かう方向に見たときに、支持体の埋設部に面する板状膜体の領域よりも小さく、支持体の埋設部に面する板状アクチュエータの領域よりも小さい領域を含む。このようにして、接着剤層が指示された方向にアクチュエータから膜体まで少なくとも部分的に連続していることを確実にすることができる。その結果、アクチュエータと膜体との間の特に良好な力伝達がもたらされる。
【0046】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体の埋設部は、支持体の埋設部の、板状アクチュエータに面する側から、支持体の埋設部の、板状膜体に面する側まで延在する少なくとも1つの貫通孔を備える。これは、接着剤層を、アクチュエータから膜体に向かう方向に貫通孔の領域内でアクチュエータから膜体まで途切れることなく延在させる。その結果、アクチュエータと膜体との間の特に良好な力伝達がもたらされる。
【0047】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体の埋設部は、板状アクチュエータから板状膜体に向かう方向に見たときに、凹部を含むエッジを含む。接着剤層は、凹部の領域内でアクチュエータから膜体まで途切れることなく延在する。アクチュエータによって生成された力の大部分は、アクチュエータのエッジ領域の接着剤層に伝達されるため、その結果、アクチュエータから膜体への特に良好な力伝達がもたらされる。
【0048】
本発明およびその利点は、図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明にかかる微小膜圧送装置の第1の実施形態を概略側面図で示している。
図2】本発明にかかる微小膜圧送装置の第2の実施形態を概略側面図で示している。
図3】本発明にかかる微小膜圧送装置の第3の実施形態を概略側面図で示している。
図4】本発明にかかる微小膜圧送装置のための例示的なアクチュエータ、例示的な支持体および例示的な膜体を概略的な三次元分解図で示している。
図5】本発明にかかる微小膜圧送装置用の例示的な変形センサを有する例示的な支持体を概略平面図で示している。
図6】本発明にかかる微小膜圧送装置の簡略化された部分図を静止状態の概略側面図で示している。
図7】流体が導入されたときの本発明にかかる微小膜圧送装置の簡略化された部分図を概略側面図で示している。
図8】流体が排出されるときの本発明にかかる微小膜圧送装置の簡略化された部分図を概略側面図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
同じまたは均一な要素または同等または同等の機能の要素には、続いて同じまたは均一な参照符号が与えられる。
【0051】
以下の説明では、本発明をよりよく理解するために、本発明の複数の特徴を有する実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、記載された特徴のいくつかを省略して実現されてもよいことが述べられるべきである。異なる実施形態に示される特徴はまた、これが明示的に除外されないか、または矛盾をもたらすことを条件として、異なる実施形態に示される特徴を異なるように組み合わせることもできることも指摘されるべきである。
【0052】
図1は、本発明にかかる微小膜圧送装置1の第1の実施形態を概略側面図で示している。
【0053】
流体FLを圧送するための微小膜圧送装置1は、
ポンプチャンバ2に流体FLを導入するための入口弁3と、ポンプチャンバ2から流体FLを排出するための出口弁4と、ポンプチャンバ1の容積を変化させるための膜装置5とが関連付けられたポンプチャンバ2であって、膜装置5が、膜装置5を変形させるための板状のアクチュエータ6を備える、ポンプチャンバ2と、
ポンプチャンバ2の容積に影響を及ぼすように板状アクチュエータ6に影響を与えるための影響手段7と、を備え、
膜装置5が、ポンプチャンバ2を制限する板状膜体8を備え、
板状アクチュエータ6が、板状膜体8のポンプチャンバ2とは反対側に配置されており、
板状アクチュエータ6が、板状アクチュエータ6が膜体8から電気的に絶縁されるように、電気絶縁性接着剤層9によって板状膜体8に取り付けらており、
膜装置5の変形を検出するための変形センサ12がそこに配置されるか内部に配置される支持体11の少なくとも1つの埋設部10が、ポンプチャンバ2の容積を検出するために電気絶縁性接着剤層9内に配置されており、
影響手段7、板状アクチュエータ6および変形センサ12が、微小膜圧送装置(1)の動作サイクル中のポンプチャンバ(2)の容積の変化と微小膜圧送装置1の動作サイクルの持続時間との間の比を調整するための閉ループ制御回路を形成する。
【0054】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、接着剤層9は、板状アクチュエータ6の膜体8に面する側の領域、特に全領域にわたって塗布され、および/または接着剤層9は、膜体8の板状アクチュエータ6に面する側の領域、特に全領域にわたって塗布される。
【0055】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、接着剤層9は、硬化した液体接着剤、硬化した接着ペーストおよび/または接着フィルムを含む。
【0056】
本発明の有利な展開によれば、接着剤層9は、温度硬化材料、嫌気硬化材料、UV放射硬化材料、活性剤硬化材料、湿度硬化材料、乾燥硬化材料および/またはホットメルト接着剤材料を含む。
【0057】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、板状アクチュエータ6は、電磁アクチュエータ、単層または多層圧電アクチュエータ、形状記憶アクチュエータまたはバイメタルアクチュエータである。
【0058】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体11は、1つ以上の電気絶縁材料を含む。
【0059】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体11は、ガラス、1つ以上の半導体材料、1つ以上の複合材料、1つ以上のポリマー材料、または1つ以上のセラミック材料を含む。
【0060】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、変形センサ12は、歪みゲージ、特に抵抗、容量またはピエゾ抵抗歪みゲージである。
【0061】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、変形センサ12は、力センサである。
【0062】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、膜体8は、金属、半導体材料および/またはプラスチックを含む。
【0063】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、変形センサ12の信号を評価するための評価電子機器の少なくとも一部は、支持体11にまたは支持体内に配置される。
【0064】
本発明の実際的なさらなる展開によれば、影響手段7は、変形センサ12の測定信号MSを使用して微小膜圧送装置1の動作外乱を認識するために構成される。
【0065】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体11は、接着剤層9から引き出された非埋設部13を備え、変形センサに電気的に接続された変形センサの測定信号MSをタップするための接点14が、非埋設部13に取り付けられる。
【0066】
図1の実施形態では、変形センサ12は、支持体11の非埋設部13に配置された接点14に電気的に接続されている。次いで、接点14は、変形センサ12の測定信号MSが影響手段7に送信されることができるように、測定ライン15を介して影響手段7に電気的に接続される。影響手段7は、測定信号MSに基づいて、制御ライン16を介してアクチュエータ6に送信され、それを制御する制御信号STを生成する。制御信号STは、アクチュエータ6にエネルギーを供給する役割も果たすことができる。
【0067】
図2は、本発明にかかる微小膜圧送装置1の第2の実施形態を概略側面図で示している。図2の実施形態は、図1の実施形態に基づいているため、以下では相違点のみを記載および説明する。
【0068】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、電熱線17が埋設部10にまたは埋設部内に配置される。
【0069】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体11は、接着剤層9から引き出された非埋設部13を備え、電熱線17に電気的に接続された電気エネルギーEEを電熱線17に提供するための接点18が、非埋設部13に取り付けられる。
【0070】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、温度センサ20が埋設部10にまたは埋設部内に配置される。
【0071】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体11は、接着剤層9から引き出された非埋設部13を備え、温度センサ20に電気的に接続された温度センサ20の測定信号TMSをタップするための接点21が、非埋設部13に取り付けられる。
【0072】
図2の実施形態では、電熱線17は、支持体11の非埋設部13に形成された接点18に電気的に接続されている。接点18は、影響手段7が電気エネルギーEEを電熱線17に供給することができるように、供給ライン19を介して影響手段7に接続されている。したがって、流体FLは、影響手段7によって制御された方法で加熱されることができる。さらに、微小膜圧送装置1を製造する際に、接着剤層9が加熱されて硬化させることができる。しかしながら、電気エネルギーEEは、影響手段7から独立した手段によって提供されてもよい。
【0073】
さらに、温度センサ20は、支持体11の非埋設部13に形成された接点21に接続されている。接点21は、温度センサ20の測定信号TMSが影響手段7に送信されることができるように、測定ライン22を介して影響手段7に接続される。測定信号TMSは、電熱線17の熱出力を調整するために影響手段7によって使用されることができる。
【0074】
図3は、本発明にかかる微小膜圧送装置1の第3の実施形態を概略側面図で示している。図3の実施形態は、図1の実施形態に基づいているため、以下では相違点のみを記載および説明する。
【0075】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、接着剤層9の状態をチェックするための状態センサ23、特に湿度センサまたは化学センサが、埋設部10にまたは埋設部内に配置される。
【0076】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体11は、接着剤層9から引き出された非埋設部13を備え、状態センサ23に電気的に接続された状態センサ23の測定信号ZMSをタップするための接点24が、非埋設部13に取り付けられる。
【0077】
図3の実施形態では、状態センサ23は、支持体11の非埋設部13に形成された接点24に電気的に接続され、測定ライン25を介して影響手段7に電気的に接続され、状態センサ23の測定信号ZMSが影響手段7に送信されることができる。測定信号ZMSは、接着剤層9の損傷によって引き起こされる微小膜圧送装置1の誤動作の早期認識のために影響手段7によって使用されることができる。
【0078】
図4は、本発明にかかる微小膜圧送装置1のための例示的なアクチュエータ6、例示的な支持体11、および例示的な膜体8を概略的な三次元分解図で示している。
【0079】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体11の埋設部10は、板状アクチュエータ6から板状膜体8に向かう方向RIで見たときに、支持体11の埋設部10に面する板状膜体8の領域27よりも小さく、支持体11の埋設部10に面する板状アクチュエータ6の領域28よりも小さい領域26を含む。
【0080】
本発明の実用的なさらなる発展形態によれば、支持体11の埋設部10は、支持体11の埋設部10の板状アクチュエータ6に面する側から支持体11の埋設部10の板状膜体8に面する側まで延在する少なくとも1つの貫通孔29を備える。
【0081】
図5は、本発明にかかる微小膜圧送装置1の例示的な変形センサ12における例示的な支持体を概略平面図で示している。
【0082】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、支持体11の埋設部10は、板状アクチュエータ6から板状膜体8に向かう方向RIに見たときに、凹部31を含むエッジ30を含む。
【0083】
図6は、本発明にかかる微小膜圧送装置1の簡略化された部分図を静止状態の概略側面図で示している。したがって、アクチュエータ6は、膜体8もその静止位置にあるように、その静止位置に示されている。
【0084】
図7は、流体FLが導入されたときの本発明にかかる微小膜圧送装置1の簡略化された部分図を概略側面図で示している。したがって、アクチュエータ6は、膜体8とともに、アクチュエータ6がその静止位置にあるときにポンプチャンバ2がとる容積と比較してポンプチャンバ2の容積を増加させるように移動するように駆動される。
【0085】
図8は、流体が排出されるときの本発明にかかる微小膜圧送装置の簡略化された部分図を概略側面図で示している。ここで、アクチュエータ6は、膜体8とともに、アクチュエータ6がその静止位置にあるときにポンプチャンバ2によってとられる容積と比較してポンプチャンバ2の容積を減少させるように移動するように駆動される。
【0086】
図7に示す位置と図8に示す位置との間でアクチュエータ6を周期的に往復移動させることによって流体FLの体積流量が発生されることができる。しかしながら、図6に示す位置と図7に示す位置との間でアクチュエータ6を往復移動させることによって流体FLの体積流量を発生させることも考えられる。また、図6に示す位置と図8に示す位置との間でアクチュエータ6を往復移動させることによって流体FLの体積流量を発生させることも考えられる。
【0087】
本発明の特定の実施形態が本明細書に例示および説明されているが、例示および説明されている特定の実施形態は、本発明の主題から逸脱することなく、複数の代替および/または同等の実施形態によって置き換えられることができることは、本発明の当業者にとって明らかである。したがって、本出願は、記載された特定の実施形態の全ての適応または変形を網羅することを意図している。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の主題およびそれらの均等物によってのみ限定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0088】
1 微小膜圧送装置
2 ポンプチャンバ
3 入口弁
4 出口弁
5 膜装置
6 アクチュエータ
7 影響手段
8 膜体
9 接着剤層
10 埋設部
11 支持体
12 変形センサ
13 非埋設部
14 接点
15 測定ライン
16 制御ライン
17 電熱線
18 接点
19 供給ライン
20 温度センサ
21 接点
22 測定ライン
23 状態センサ
24 接点
25 測定ライン
26 領域
27 領域
28 領域
29 貫通孔
30 エッジ
31 凹部
FL 流体
MS 測定信号
ST 制御信号
EE 電気エネルギー
TMS 測定信号
ZMS 測定信号
RI 方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8