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<図1>
  • 特許-携帯端末 図1
  • 特許-携帯端末 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20241106BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023020719
(22)【出願日】2023-02-14
(62)【分割の表示】P 2021039646の分割
【原出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2023053300
(43)【公開日】2023-04-12
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】506234365
【氏名又は名称】医療法人社団龍岡会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】大森 順方
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-271741(JP,A)
【文献】特開2013-120433(JP,A)
【文献】特開2018-049526(JP,A)
【文献】特開2015-018407(JP,A)
【文献】特開2016-179161(JP,A)
【文献】特開2006-181303(JP,A)
【文献】特開2017-221267(JP,A)
【文献】特開2015-228082(JP,A)
【文献】国際公開第2015/060296(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02360610(EP,A2)
【文献】特開2015-187840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末であって、
医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設の業務に関する複数の物品のそれぞれには、個々を識別する物品識別情報を表す識別画像が貼付されており、
前記携帯端末は、
表示部と、
撮像部と、
前記施設を利用する1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者の顔を示す顔情報と、利用者を示す利用者識別情報とが対応付けられた第1対応情報と、前記1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者を示す前記利用者識別情報と、利用者に対応付けられた前記物品を示す前記物品識別情報とが対応付けられた第2対応情報とが記憶された第1記憶部と、
を備え、
前記複数の物品のうちの少なくとも1つが提供される対象となる人の顔が前記撮像部により撮像された第1撮像画像に基づく顔認証によって特定された、前記人と一致する前記利用者に対応付けられた前記利用者識別情報と、内容又は種類が互いに異なる前記複数の物品のうちの1つが対象物品として前記撮像部により撮像された第2撮像画像であって前記複数の物品のうち前記1以上の利用者と異なるユーザーにより選択された前記対象物品に貼付された前記識別画像が撮像された前記第2撮像画像に撮像されている前記識別画像が表す前記物品識別情報に対応付けられた前記利用者識別情報とが一致しているか否かを判定し、判定した結果に応じて、前記対象物品が前記人に対応付けられているか否かを示す第1情報を前記表示部に表示させる、
携帯端末。
【請求項2】
前記施設は、病院であり、
前記物品は、医薬品又は医薬品の入った容れ物であり、
前記利用者は、患者であり、
前記識別画像は、一次元コード又は二次元コードである、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記第1情報を前記表示部に表示させる場合、前記撮像部により撮像された前記物品が前記人に提供されたことを示す第2情報が入力されるUI(User Interface)を前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記第1情報を他の装置に出力する、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設のように医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設の業務を補助する技術についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、医師が電子カルテに入力したカルテ情報から、医師が医療関係者に対して指示をするための指示情報に必要な医療情報を特定する情報処理装置において、特定する医療情報の種類毎にカルテ情報から医療情報を特定するための種類特定情報と、種類特定情報によって特定された特定医療情報を抽出するための抽出手段と、を備える情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-163406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記の施設では、当該施設の業務に関する物品の中から、当該施設の利用者に対応付けられた物品を特定しなければならない場合がある。しかしながら、当該施設では、当該利用者に対応付けられていない物品を当該利用者に対応付けられた物品として誤って特定してしまうことがある。例えば、当該利用者の認知症等によって当該利用者の本人確認を行うことが困難な場合、当該利用者に対応付けられていない物品が当該利用者に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことがある。その結果、当該施設では、当該利用者に対応付けられていない物品が当該利用者に対して用いられてしまうことがあった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、施設の業務に関する物品が提供される対象となる人に対応付けられていない物品が当該人に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる携帯端末を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、携帯端末であって、医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設の業務に関する複数の物品のそれぞれには、個々を識別する物品識別情報を表す識別画像が貼付されており、前記携帯端末は、表示部と、撮像部と、前記施設を利用する1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者の顔を示す顔情報と、利用者を示す利用者識別情報とが対応付けられた第1対応情報と、前記1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者を示す前記利用者識別情報と、利用者に対応付けられた前記物品を示す前記物品識別情報とが対応付けられた第2対応情報とが記憶された第1記憶部と、を備え、前記複数の物品のうちの少なくとも1つが提供される対象となる人の顔が前記撮像部により撮像された第1撮像画像に基づく顔認証によって特定された、前記人と一致する前記利用者に対応付けられた前記利用者識別情報と、内容又は種類が互いに異なる前記複数の物品のうちの1つが対象物品として前記撮像部により撮像された第2撮像画像であって前記複数の物品のうち前記1以上の利用者と異なるユーザーにより選択された前記対象物品に貼付された前記識別画像が撮像された前記第2撮像画像に撮像されている前記識別画像が表す前記物品識別情報に対応付けられた前記利用者識別情報とが一致しているか否かを判定し、判定した結果に応じて、前記対象物品が前記人に対応付けられているか否かを示す第1情報を前記表示部に表示させる、携帯端末である。
【0008】
また、本発明の一態様は、携帯端末において、前記施設は、病院であり、前記物品は、医薬品又は医薬品の入った容れ物であり、前記利用者は、患者であり、前記識別画像は、一次元コード又は二次元コードである、構成が用いられてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、携帯端末において、前記携帯端末は、前記情報を前記表示部に表示させる場合、前記第2撮像画像に撮像されている前記物品が前記人に提供されたことを示す情報が入力されるUI(User Interface)を前記表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、携帯端末において、前記携帯端末は、前記情報を他の装置に出力する、構成が用いられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、施設の業務に関する物品が提供される対象となる人に対応付けられていない物品が当該人に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置20が行う処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
<情報処理システムの概要>
まず、実施形態に係る情報処理システムの概要について説明する。
【0015】
情報処理システムは、医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設の業務に関する物品が提供される対象となる人の顔が撮像された第1撮像画像と、内容又は種類が互いに異なる複数の前記物品のうちの1つが対象物品として撮像された第2撮像画像とに基づいて、対象物品が当該人に対応付けられているか否かを示す情報を出力する。これにより、情報処理システムは、施設の業務に関する物品が提供される対象となる人に対応付けられていない物品が当該人に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。
【0016】
以下では、このような情報処理システムの構成と、情報処理システムが行う処理とについて詳しく説明する。
【0017】
<情報処理システムの構成>
以下、図1を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
【0018】
ここで、情報処理システム1は、図1に示したように、携帯端末10と、情報処理装置20を備える。図1に示した例では、携帯端末10と情報処理装置20は、別体である。なお、情報処理システム1では、携帯端末10と情報処理装置20は、一体に構成されてもよい。
【0019】
情報処理システム1では、医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設の業務に関する物品が提供される対象となる人の顔が、携帯端末10により撮像される。そして、情報処理システム1では、情報処理装置20は、携帯端末10により当該人の顔が撮像された撮像画像を第1撮像画像として取得する。以下では、説明の便宜上、当該施設の業務に関する物品のことを、単に物品と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、当該人のことを対象者と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、当該施設のことを、単に施設と称して説明する。ここで、施設は、例えば、病院、介護施設、更正施設等であるが、これらに限られるわけではない。
【0020】
例えば、施設が病院である場合、施設の業務に関する物品は、医薬品、カルテ、看護記録、伝票等であるが、これらに限られるわけではない。また、当該場合、対象者は、病院に入院している患者、病院に通院している患者等(すなわち、病院を利用している利用者等)であるが、これらに限られるわけではない。また、当該場合、携帯端末10を操作するユーザーは、看護師、医師、各種の療法士、医療事務員等であるが、これらに限られるわけではない。
【0021】
また、例えば、施設が介護施設である場合、当該施設の業務に関する物品は、介護に用いる各種の道具、介護記録、伝票等であるが、これらに限られるわけではない。また、当該場合、対象者は、介護施設を利用している利用者等であるが、これに限られるわけではない。また、当該場合、携帯端末10を操作するユーザーは、介護士、介護施設の事務員等であるが、これらに限られるわけではない。
【0022】
また、例えば、施設が更正施設である場合、当該施設の業務に関する物品は、更正に用いる各種の道具、更正記録、伝票等であるが、これらに限られるわけではない。また、当該場合、対象者は、更正施設を利用している利用者等であるが、これに限られるわけではない。また、当該場合、携帯端末10を操作するユーザーは、更正施設の職員等であるが、これらに限られるわけではない。
【0023】
また、情報処理システム1では、内容又は種類が互いに異なる複数の物品のうちの1つが携帯端末10により対象物品として撮像される。そして、情報処理システム1では、情報処理装置20は、携帯端末10により対象物品が撮像された撮像画像を第2撮像画像として取得する。
【0024】
ここで、内容が互いに異なる複数の物品は、例えば、病院内において作成されるカルテ、伝票等のことである。また、種類が互いに異なる複数の物品は、例えば、医薬品等のことである。
【0025】
また、内容又は種類が互いに異なる複数の物品のそれぞれには、個々を識別する物品識別情報を表す識別画像が貼付されている。ある物品の物品識別情報は、当該物品を示す情報であり、例えば、当該物品を示す識別IDである。なお、当該物品の物品識別情報は、当該物品を示すことが可能な他の情報であってもよい。識別画像は、例えば、一次元コード又は二次元コードのことである。一次元コードは、例えば、バーコード、カラーコード等のことである。二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)等のことである。また、識別画像は、物品そのものに貼付されていてもよく、物品の入った容れ物に貼付されていてもよい。すなわち、実施形態では、物品に貼付された識別画像は、物品そのものに貼付された識別画像、又は、物品の入った容れ物に貼付された識別画像のことを意味する。
【0026】
すなわち、対象物品が撮像されている第2撮像画像は、より具体的には、対象物品に貼付されている識別画像が撮像されている画像のことである。
【0027】
そして、情報処理システム1では、情報処理装置20が、携帯端末10から取得した第1撮像画像と、携帯端末10から取得した第2撮像画像とに基づいて、対象物品が対象者に対応付けられているか否かを示す情報を出力する。
【0028】
より具体的には、情報処理システム1では、情報処理装置20が、携帯端末10から取得した第1撮像画像と、携帯端末10から取得した第2撮像画像と、第1対応情報と、第2対応情報とに基づいて、対象物品が対象者に対応付けられているか否かを示す情報を出力する。
【0029】
ここで、第1対応情報は、施設を利用する1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者の顔を示す顔情報と、利用者を示す利用者識別情報とが対応付けられた情報のことである。利用者の顔を示す顔情報は、例えば、利用者の顔が撮像された撮像画像である。なお、利用者の顔を示す顔情報は、利用者の顔を示すCG等のように、利用者の顔を示すことが可能な他の情報であってもよい。利用者を示す第1識別情報は、例えば、利用者を示す識別IDであるが、利用者を示すことが可能な他の情報であってもよい。
【0030】
また、第2対応情報は、施設を利用する1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者を示す利用者識別情報と、利用者に対応付けられた物品を示す物品識別情報とが対応付けられた情報のことである。物品を示す物品識別情報は、例えば、物品を示す識別IDであるが、物品を示すことが可能な他の情報であってもよい。
【0031】
情報処理装置20は、取得した第1撮像画像に基づく顔認証によって対象者と一致する利用者に対応付けられた利用者識別情報を第1対応情報の中から特定する。また、情報処理装置20は、取得した第2撮像画像に基づいて、第2撮像画像に撮像されている識別画像が表す物品識別情報に対応付けられた利用者識別情報を第2対応情報の中から特定する。情報処理装置20は、第1対応情報の中から特定した利用者識別情報と、第2対応情報の中から特定した利用者識別情報とに基づいて、第2撮像画像に撮像されている対象物品が第1撮像画像に撮像されている対象者に対応付けられているか否かを示す情報を出力する。これにより、情報処理システム1は、対象者に対応付けられていない物品が対象者に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。すなわち、例えば、情報処理システム1は、対象者に投与される予定ではない医薬品が対象者に投与される医薬品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。
【0032】
ここで、携帯端末10は、例えば、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等の情報処理装置であるが、これらに限られるわけではない。携帯端末10は、移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)等による無線通信によって情報処理装置20と通信可能に接続されている。なお、携帯端末10は、ケーブルを介した有線通信によって情報処理装置20と通信可能に接続される構成であってもよい。
【0033】
携帯端末10は、撮像部11と、表示部12を備える。
【0034】
撮像部11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を、集光された光を電気信号に変換する撮像素子として備えたカメラである。撮像部11は、静止画像又は動画像を撮像する。以下では、一例として、撮像部11が静止画像を撮像する場合について説明する。なお、撮像部11が動画像を撮像する場合、情報処理システム1では、以下において説明する撮像画像に代えて、動画像の各フレームのいずれかに基づく処理が行われる。
【0035】
表示部12は、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネル等を備えた表示装置である。なお、表示部12は、入力装置としてのタッチパッドと一体に構成されたタッチパネルであってもよい。
【0036】
情報処理装置20は、例えば、ワークステーション、デスクトップPC、サーバー等の情報処理装置であるが、これらに限られるわけではない。
【0037】
また、情報処理装置20は、例えば、記憶部22と、通信部23と、制御部24を備える。情報処理装置20は、通信部23を介して携帯端末10と通信を行う。なお、当該通信は、サーバー等の他の装置によって中継される構成であってもよい。
【0038】
記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部22は、情報処理装置20に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部22は、情報処理装置20が備える図示しないプロセッサーが処理する各種の情報、コンピューターにより実行可能な各種の指令、各種の画像等を格納する。なお、当該プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)であるが、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサーであってもよい。情報処理装置20が備えるプロセッサーは、情報処理装置20が備える記憶部22に格納された各種の指令を実行する。
【0039】
また、記憶部22は、第1記憶部221と、第2記憶部222を有する。
【0040】
第1記憶部221は、記憶部22が有する記憶領域の一部である。第1記憶部221には、前述の第1対応情報及び第2対応情報が記憶されている。
【0041】
第2記憶部222は、後述する履歴情報が記憶される。
【0042】
通信部23は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
【0043】
なお、情報処理装置20は、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力装置を備える構成であってもよい。また、情報処理装置20は、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネル等を備えた表示装置を備える構成であってもよい。
【0044】
制御部24は、情報処理装置20の全体を制御する。制御部24は、画像取得部241と、第1特定部242と、第2特定部243と、判定部244と、出力部245と、記憶制御部246を備える。制御部24が備えるこれらの機能部は、例えば、情報処理装置20が備える図示しないプロセッサーが、記憶部22に記憶された各種の指令を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0045】
画像取得部241は、携帯端末10の撮像部11が撮像した撮像画像を携帯端末10から取得する。より具体的には、画像取得部241は、例えば、撮像部11により対象者の顔が撮像された撮像画像を第1撮像画像として携帯端末10から取得する。また、画像取得部241は、例えば、撮像部11により対象物品が撮像された撮像画像を第2撮像画像として携帯端末10から取得する。
【0046】
第1特定部242は、画像取得部241により取得された第1撮像画像に基づく顔認証によって、第1撮像画像に撮像されている対象者と一致する利用者に対応付けられた利用者識別情報を第1対応情報の中から特定する。
【0047】
第2特定部243は、画像取得部241により取得された第2撮像画像に基づいて、第2撮像画像に撮像されている識別画像が表す物品識別情報に対応付けられた利用者識別情報を第2対応情報の中から特定する。
【0048】
判定部244は、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致しているか否かを判定する。
【0049】
出力部245は、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致していると判定部244が判定した場合、対象物品が、対象者に対応付けられていることを示す情報を出力し、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致していないと判定部244が判定した場合、対象物品が対象者に対応付けられていないことを示す情報を出力する。
【0050】
記憶制御部246は、判定部244による判定結果を示す情報を、判定部244による判定が行われた時間を示す時間情報と対応付けた履歴情報として第2記憶部222に記憶させる。
【0051】
<情報処理装置が行う処理>
以下、図2を参照し、情報処理装置20が行う処理について説明する。図2は、情報処理装置20が行う処理の流れの一例を示す図である。
【0052】
第1特定部242は、画像取得部241が第1撮像画像を携帯端末10から取得するまで待機する(ステップS110)。ここで、例えば、携帯端末10は、専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、携帯端末10のユーザーが対象者を撮像部11によって撮像した場合、撮像部11が撮像した撮像画像を、当該撮像画像が第1撮像画像であることを示す情報とともに情報処理装置20へ出力する。この場合、画像取得部241は、当該情報とともに撮像画像を携帯端末10から取得した場合、当該撮像画像を第1撮像画像として取得する。これにより、第1特定部242は、画像取得部241が第1撮像画像を取得したか否かを判定する。
【0053】
第1特定部242は、画像取得部241が第1撮像画像を携帯端末10から取得したと判定した場合(ステップS110-YES)、第1特定処理を行う(ステップS120)。ここで、第1特定部242は、ステップS120において、第1撮像画像に基づく顔認証によって対象者と一致する利用者に対応付けられた利用者識別情報を第1対応情報の中から特定する処理を、第1特定処理として行う。
【0054】
次に、第2特定部243は、画像取得部241が第2撮像画像を携帯端末10から取得するまで待機する(ステップS130)。ここで、例えば、携帯端末10は、専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、携帯端末10のユーザーが対象物品を撮像部11によって撮像した場合、撮像部11が撮像した撮像画像を、当該撮像画像が第2撮像画像であることを示す情報とともに情報処理装置20へ出力する。この場合、画像取得部241は、当該情報とともに撮像画像を携帯端末10から取得した場合、当該撮像画像を第2撮像画像として取得する。これにより、第2特定部243は、画像取得部241が第2撮像画像を取得したか否かを判定する。
【0055】
第2特定部243は、画像取得部241が第2撮像画像を携帯端末10から取得したと判定した場合(ステップS130-YES)、第2特定処理を行う(ステップS140)。ここで、第2特定部243は、ステップS140において、第2撮像画像に撮像されている識別画像に基づいて、当該識別画像から当該識別画像が表す物品識別情報を読み出す。そして、第2特定部243は、読み出した物品識別情報に対応付けられた利用者識別情報を第2対応情報の中から特定する。第2特定部243は、このような処理を第2特定処理として行う。
【0056】
次に、判定部244は、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致しているか否かを判定する(ステップS150)。
【0057】
次に、出力部245は、ステップS150において判定部244により行われた判定の判定結果を示す情報を出力する(ステップS160)。ここで、出力部245は、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致していると判定部244がステップS150において判定した場合、対象物品が対象者に対応付けられていることを示す情報を出力する。
【0058】
より具体的には、出力部245は、当該場合、当該情報を携帯端末10に出力し、当該情報を携帯端末10の表示部12に表示させる。この際、出力部245は、当該場合、対象物品が対象者に提供されたことを示す情報が入力されるUI(User Interface)を表示部12に表示させる構成であってもよい。これにより、情報処理システム1では、対象物品が対象者に提供されたことを記録することができ、対象物品の対象者への提供忘れ、対象物品の対象者への過剰な提供等が生じてしまうことを抑制することができる。また、当該場合、記憶制御部246は、当該情報を、判定部244による判定が行われた時間を示す時間情報と対応付けた履歴情報として第2記憶部222に記憶させる。これにより、情報処理システム1では、情報処理システム1による判定の履歴を記録することができる。また、出力部245は、当該場合、当該情報を他の装置に出力する構成であってもよい。また、出力部245は、当該場合、且つ、情報処理装置20が表示装置を備える場合、当該表示装置に当該情報を表示させる構成であってもよい。
【0059】
一方、出力部245は、第1特定部242により特定された利用者識別情報と、第2特定部243により特定された利用者識別情報とが一致していないと判定部244がステップS150において判定した場合、対象物品が対象者に対応付けられていないことを示す情報を出力する。この際、出力部245は、当該場合、対象物品が対象者に対応付けられていないことを警告する警告情報を表示部12に表示させる構成であってもよい。また、出力部245は、当該場合、対象物品が対象者に対応付けられていないことを警告する音を携帯端末10に出力させる構成であってもよい。これにより、情報処理システム1は、対象者に対応付けられていない物品が対象者に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。また、当該場合、記憶制御部246は、当該情報を、判定部244による判定が行われた時間を示す時間情報と対応付けた履歴情報として第2記憶部222に記憶させる。これにより、情報処理システム1では、情報処理システム1による判定の履歴を記録することができる。また、出力部245は、当該場合、当該情報を他の装置に出力する構成であってもよい。また、出力部245は、当該場合、且つ、情報処理装置20が表示装置を備える場合、当該表示装置に当該情報を表示させる構成であってもよい。
【0060】
ステップS160の処理が行われた後、情報処理装置20は、処理を終了する。
【0061】
以上のように、実施形態に係る情報処理システム(上記において説明した例では、情報処理システム1)の情報処理装置(上記において説明した例では、情報処理装置20)は、医療、介護、更正のうちの少なくとも1つを行う施設(例えば、病院等)の業務に関する物品(例えば、医薬品等)が提供される対象となる人(上記において説明した例では、対象者)の顔が撮像された第1撮像画像と、内容又は種類が互いに異なる複数の当該物品のうちの1つが対象物品として撮像された第2撮像画像とに基づいて、対象物品が当該人に対応付けられているか否かを示す情報を出力する。これにより、情報処理システム又は情報処理装置は、施設の業務に関する物品が提供される対象となる人に対応付けられていない物品が当該人に対応付けられた物品として誤って特定されてしまうことを抑制することができる。
【0062】
また、情報処理システムの情報処理装置は、複数の物品のそれぞれには、個々を識別する物品識別情報を表す識別画像(例えば、QRコード等)が貼付されており、第2撮像画像には、複数の物品のうちユーザーにより選択された物品に貼付された識別画像が撮像されており、施設を利用する1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者の顔を示す顔情報と、利用者を示す利用者識別情報とが対応付けられた第1対応情報と、1以上の利用者のそれぞれ毎に、利用者を示す利用者識別情報と、利用者に対応付けられた物品を示す物品識別情報とが対応付けられた第2対応情報とが記憶された第1記憶部(上記において説明した例では、第1記憶部221)と、第1撮像画像に基づく顔認証によって人と一致する利用者に対応付けられた利用者識別情報を第1対応情報の中から特定する第1特定部(上記において説明した例では、第1特定部242)と、第2撮像画像に基づいて、第2撮像画像に撮像されている識別画像が表す物品識別情報に対応付けられた利用者識別情報を第2対応情報の中から特定する第2特定部(上記において説明した例では、第2特定部243)と、第1特定部により特定された利用者識別情報と、第2特定部により特定された利用者識別情報とに基づいて、第2撮像画像に撮像されている物品が第1撮像画像に撮像されている人に対応付けられているか否かを示す情報を出力する出力部(上記において説明した例では、出力部245)と、を備える、構成が用いられてもよい。
【0063】
また、情報処理システムの情報処理装置では、施設は、病院であり、物品は、医薬品又は医薬品の入った容れ物であり、利用者は、患者であり、識別画像は、一次元コード又は二次元コードである、構成が用いられてもよい。
【0064】
また、情報処理システムの情報処理装置では、第1特定部により特定された利用者識別情報と、第2特定部により特定された利用者識別情報とが一致しているか否かを判定する判定部(上記において説明した例では、判定部244)と、出力部は、第1特定部により特定された利用者識別情報と、第2特定部により特定された利用者識別情報とが一致していると判定部が判定した場合、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に対応付けられていることを示す情報を出力し、第1特定部により特定された利用者識別情報と、第2特定部により特定された利用者識別情報とが一致していないと判定部が判定した場合、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に対応付けられていないことを示す情報を出力する、構成が用いられてもよい。
【0065】
また、情報処理システムの情報処理装置は、第2記憶部(上記において説明した例では、第2記憶部222)と、判定部による判定結果を示す情報を、判定部による判定が行われた時間を示す時間情報と対応付けた履歴情報として第2記憶部に記憶させる記憶制御部(上記において説明した例では、記憶制御部246)と、を備える、構成が用いられてもよい。
【0066】
また、情報処理システムの情報処理装置は、画像を表示する表示部(上記において説明した例では、情報処理装置20が携帯端末10と一体である場合における表示部12又は情報処理装置20が備える表示装置)を備え、出力部は、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に対応付けられているか否かを示す情報を表示部に出力し、当該情報を表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
【0067】
また、情報処理システムの情報処理装置では、出力部は、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に対応付けられていることを示す情報を表示部に表示させる場合、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に提供されたことを示す情報が入力されるUIを表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
【0068】
また、情報処理システムの情報処理装置では、出力部は、第2撮像画像に撮像されている物品が当該人に対応付けられているか否かを示す情報を他の装置(上記において説明した例では、情報処理装置20が携帯端末10と別体である場合における携帯端末10又は他の装置)に出力する、構成が用いられてもよい。
【0069】
また、情報処理システムの情報処理装置では、撮像部(上記において説明した例では、情報処理装置20が携帯端末10と一体である場合における撮像部11)を備え、第1撮像画像及び第2撮像画像は、撮像部により撮像された撮像画像である、構成が用いられてもよい。
【0070】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0071】
また、以上に説明した装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここで、当該装置は、例えば、携帯端末10、情報処理装置20等である。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0072】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…情報処理システム、10…携帯端末、11…撮像部、12…表示部、20…情報処理装置、22…記憶部、23…通信部、24…制御部、221…第1記憶部、222…第2記憶部、241…画像取得部、242…第1特定部、243…第2特定部、244…判定部、245…出力部、246…記憶制御部
図1
図2