(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】アキュムレータで使用するための保持要素及び付属の保持装置
(51)【国際特許分類】
B62J 43/28 20200101AFI20241106BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241106BHJP
B62H 5/08 20060101ALI20241106BHJP
B62K 19/30 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B62J43/28
H01M50/244 Z
B62H5/08
B62K19/30
(21)【出願番号】P 2023089696
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2020212418の分割
【原出願日】2017-05-12
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】102016213903.7
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】トリフ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】フンメル,フランク
(72)【発明者】
【氏名】テンツァー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヤープス,フォルカー
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-009277(JP,A)
【文献】特開2002-219672(JP,A)
【文献】実開昭53-156018(JP,U)
【文献】登録実用新案第3204600(JP,U)
【文献】実公昭49-006494(JP,Y1)
【文献】国際公開第2016/027562(WO,A1)
【文献】特開平08-268361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 43/28
H01M 50/244
B62H 5/08
B62K 19/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータ(100)を自転車のフレーム上の第1保持装置(110)に固定するための保持要素(105)を有する自転車のためのアキュムレータ(100)であって、
前記保持要素(105)は、
前記第1保持装置(110)のロック(130,140)が係合するための第1ストッパ(170)と、
前記第1保持装置(110)の第2ストッパ(180,185)に係合するためのフックを有する遮断要素(150,155)と、
を備え、
前記遮断要素(150,155)が第2ストッパ(180,185)に係合しているときに、前記第1保持装置(110)の第2ストッパ(180,185)に係合するためのフックの係合が外れる方向に、
ユーザによって前記遮断要素(150,155)は押し戻されることができるように構成されている、
ことを特徴とするアキュムレータ(100)。
【請求項2】
前記遮断要素(150,155)が前記保持要素(105)の縁部に取り付けられており、板ばねを含む、請求項1に記載のアキュムレータ(100)。
【請求項3】
前記保持要素(105)は、前記アキュムレータ(100)への固定を可能にする少なくとも1つの固定手段(190,195)を含む、請求項1または2に記載のアキュムレータ(100)。
【請求項4】
前記固定手段(190,195)が、(a)少なくとも部分的に周回するねじ山と、(b)中央に配置された凸部もしくは凹部とのうちのいずれか又は両方を含む、請求項3に記載のアキュムレータ(100)。
【請求項5】
自転車のフレームのための第1保持装置(110)とアキュムレータ(100)のための保持要素(105)を有する保持装置であって
前記第1保持装置(110)は、
前記保持要素(105)に向け水平方向に変位可能な要素を含み、錠(120)に機械的に結合され異なる位置をとることができるロック(130,140)であって、前記保持要素(105)が前記第1保持装置(110)に挿入されることに適しており、ロックされた位置(130)では、アキュムレータ(100)の動きを制限するよう前記保持要素(105)の第1ストップ(170)に係合し、ロックが解除された位置(140)では前記アキュムレータ(100)の移動を許可するロック(130,140)と、
前記保持要素(105)の遮断要素(150,155)に係合するための第2ストッパ(180,185)であって、前記第2ストッパ(180,185)
の垂直方向におけるロックが解除された位置(140)において、保持要素(105)及び/又は保持要素(105)に接続されたアキュムレータ(100)の移動が終了する第2ストッパ(180,185)と、
を含み、
前記保持要素(105)は、
第1保持装置(110)のロック(130,140)が係合するための第1ストッパ(170)と、
第1保持装置(110)のストッパ(180,185)に係合するためのフックを有する遮断要素(150,155)と、
を備え、
前記遮断要素(150,155)が第2ストッパ(180,185)に係合しているときに、前記第1保持装置(110)の
第2ストッパ(180,185)に係合するためのフックの係合が外れる方向に、
ユーザによって前記遮断要素(150,155)は押し戻されることができるように構成されている、
保持装置。
【請求項6】
前記遮断要素(150,155)が前記保持要素(105)の縁部に取り付けられており、板ばねを含む、請求項5に記載の保持装置。
【請求項7】
前記保持要素(105)は、前記アキュムレータ(100)への固定を可能にする少なくとも1つの固定手段(190,195)を含む、請求項5または6に記載の保持装置。
【請求項8】
前記固定手段(190,195)が、(a)少なくとも部分的に周回するねじ山と、(b)中央に配置された凸部もしくは凹部とのうちのいずれか又は両方を含む、請求項7に記載の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータに固定され、保持装置からの安全な取外しを確保する保持要素、この保持要素に適合された保持装置、保持要素と保持装置とからなる保持機構、及び少なくとも保持装置が内部に配置された自転車フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車の使用時には、できるだけ運転者の可動性を制限することなしに、付属のエネルギー蓄積器、例えばアキュムレータを自転車に格納することが不可欠である。一般に、エネルギー蓄積器は、ダウンチューブ及びシートチューブ、場合によってはさらにトップチューブからなる自転車フレームに固定される。この場合、まさにシートチューブでは、エネルギー蓄積器を三角フレーム内に、又はシートチューブと後輪との間、例えば後部の三角フレーム内に取り付けることが可能である。後者では、多くの場合に容量の大きいエネルギー蓄積器のために十分なスペースを確保するために、必要に応じてペダルクランクと後輪車軸との間隔が拡大される。エネルギー蓄積器を格納する別の可能性は、エネルギー蓄積器をラゲッジキャリアに固定することである。
【0003】
欧州特許第2134592号明細書により、ダウンチューブに電池を固定することが公知である。この場合、ダウンチューブは安全性の理由から荷重を支持する複数空間を備えるチューブとして構成されており、チューブは電池を収容するための切欠きを有する。この場合、複数空間を備えるチューブの少なくとも1つの空間に側方が開放された切欠きが延在しており、少なくとも1つの別の空間は実質的に完全である。
【0004】
さらに欧州特許第1982909号明細書により、自転車フレームのいずれか1つのチューブ内に、係止フレームを挿入することができる部分的に側方で開放された切欠きを生成するために側壁に関して深い切り込みを入れた上縁部が設けられている電池と自転車フレームとの組合せが公知である。この係止フレームは切欠き内に完全に挿入され、後から挿入される電池を完全に包囲することができる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第202013008187号明細書により、自転車フレームに組み込まれたアキュムレータが公知である。この場合、保持もしくは接触は、フレーム内に独立して配置されたインターフェイスを介して行われる。係止は、縦長のアキュムレータのアンダカットを介していずれか1つの接点に向かい合った短い側で行われ、アキュムレータを部分的にフレーム内に押し込むことができる。
【0006】
ドイツ連邦共和国実用新案第202014009832号により、アキュムレータを収容、保持もしくは係止するために設けられた保持要素が公知である。さらに、保持要素を含むチューブ要素が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許第2134592号明細書
【文献】欧州特許第1982909号明細書
【文献】ドイツ連邦共和国特許出願公開第202013008187号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明によって、アキュムレータに固定されるように構成されているか、又はアキュムレータの一部であり、保持装置からの安全な取外しを確保する保持要素が請求される。さ
らに、保持要素に整列された保持装置、及び保持要素と保持装置とからなる保持機構が請求される。このような保持装置は、特に電動自転車で使用するために構成されているので、さらに自転車フレームも請求され、自転車フレームのために使用されるいずれか1つのチューブの内部にこの保持装置が固定されている。
【0009】
本発明による保持要素は、(自転車)アキュムレータに固定するために、固定手段を備える第1の側を有する。この固定手段は、この場合、差込み手段及び/又はねじ込み手段として構成されていてもよい。第1の側に向かい合った第2の側には、保持要素は遮断要素及び第1ストッパを備え、第1ストッパ内には外部のロックが係合することができる。この外部のロックは、保持要素を収容するように構成された保持装置の一部である。この場合、保持要素のロック要素は、第2の側から延びており、保持装置内に設けられた第2ストッパに係合するために用いられるフック及び/又は遮断ロックを備える。さらにロック要素は第2の側に対して垂直方向に、すなわち水平方向に向けられたばね作用を有する。
【0010】
このような保持要素もしくはこのような保持要素を備えるアキュムレータの構成によって、保持装置内に保持要素もしくはアキュムレータを固定することができ、互いに無関係に配置された2つのストッパもしくは係合手段が保持装置からの取外しを防止する。
【0011】
遮断要素は、好ましくは第2の側の縁部で保持要素に取り付けられており、第2の側の中央に向かって板ばねとして構成されている。代替的には、遮断要素は、締め付けられた状態で第2の側から離間して遮断要素を保持する第1ばね要素を備えていてもよい。この場合、このような締付け力を生成するために設けられた第1ばね要素が、保持要素の第2の側の縁部に配置されているように遮断要素を配置してもよい。この場合、遮断要素は、随意に第2の側の少なくとも半分を超えて延在し、回転可能に支持されていてもよい。
【0012】
アキュムレータの少なくとも一方の側部を面状に覆うように、保持要素は、保持要素が固定されているアキュムレータの側部の形状に適合されていてもよい。この場合、固定のためには、特に中央に配置され、アキュムレータの固定側に対応する開口に差し込むことができる凸部もしくは凹部が設けられていてもよい。当然ながら、2つ以上の凸部及び/又は凹部が保持要素の表面に分配して設けられていてもよい。代替的又は付加的に、保持要素はアキュムレータにねじ込むことができるように構成されていてもよい。このためには、少なくとも部分的に周回する1つ以上のねじ山が設けられている。この場合、当然ながらねじ山が凸部及び/又は凹部に設けられているように構成されていてもよい。
【0013】
本発明により保持要素及び/又は保持装置が設けられたアキュムレータに構造的に整列された保持要素は、ロックされた位置及びロック解除された位置に移動させることができる変位可能なロックを備えている。このために、ロックは、保持要素の第2の側に対して水平方向の運動成分を備える少なくとも1つのロック部分要素を備えている。この場合、ロックがロックされた位置では、ロック部分要素は、保持装置内に挿入された保持要素の第1ストッパに係合するように変位される。この場合、ロック要素は第1ストッパに機械的に接触することができ、ストッパは鉛直方向に下方へ力を生成し、これにより保持装置及び/又は保持装置に結合されたアキュムレータを下方へ押圧する。しかしながら、ロック部分要素が第1ストッパに係合することにより、保持要素及び/又は保持要素に結合されたアキュムレータが上方へ移動できることが防止され、これにより、少なくとも鉛直方向にロック状態が生じる。これに対してロックがロック解除された位置では、保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータの鉛直方向、すなわち上方への移動が少なくとも部分的に許可される。さらに保持要素は第2ストッパを備え、第2ストッパには、少なくとも遮断要素がばね作用に抗して押し戻されなかった場合には保持要素の遮断要素が鉛直方向に当接することができる。好ましくは、保持装置の第2ストッパは、保持装置に
挿入された保持要素のロック要素から鉛直方向に離間して設けられている。
【0014】
したがって、この保持装置の構成によって、第2ストッパがロック解除後の取外しを防止することにより、保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータの2段階式の保持が達成される。
【0015】
本発明の別の実施形態では、保持装置のロックは、保持要素及び/又は保持要素に結合されたアキュムレータを少なくとも保持要素の範囲で鉛直方向に持ち上げるように構成されている。これは、例えばロックがロック解除時に保持要素を押し上げるように保持要素に結合されていることによって行うことができる。代替的には、保持装置が第2ばね要素を備え、第2ばね要素が、保持要素及び/又は保持要素に結合されたアキュムレータの挿入によってロックされた位置で圧縮されるように構成されていてもよい。ロックが解除された場合には、締め付けられた第2ばね要素は、保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータの上方への、すなわち鉛直方向の移動をもたらす。アキュムレータの少なくとも一端を持ち上げるために、第2ばね要素が保持要素の下部に配置されているように構成されていてもよい。当然ながら、ばね要素が電気制御可能であり、締付け及び弛緩を制御することができるように構成されていてもよい。保持要素が、下方へ車道に向かってアキュムレータのための収容部を備えるトップチューブ又はダウンチューブ内で使用される場合には、ばね要素はなくてもよい。なぜなら、この場合には旋回力が第2係止位置までの移動をもたらすからである。
【0016】
少なくとも保持装置に向いたアキュムレータの側で保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータを持ち上げることにより、鉛直方向の関連する行程を適切に選択することにより、遮断要素が少なくとも部分的に保持装置の上縁部から突出することが可能となることが望ましい。トップチューブ又はダウンチューブでアキュムレータの挿入及び取外しを行う場合には、保持装置もしくはトップチューブの上縁部も下方へ車道に向いていてもよい。この行程によって、遮断要素を圧縮することができるように遮断要素が外部からアクセス可能であることが望ましい。ばね作用に抗して遮断要素を圧縮することにより、遮断要素に設けられたフックを保持装置の第2ストッパから離間することができ、これにより、保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータが保持装置から解放される。これにより、アキュムレータの取外しが可能である。
【0017】
本発明の構成は、保持装置の収容部における保持要素もしくは保持要素に結合されたアキュムレータの検出に関する。このために、特に保持装置の下部に、保持要素もしくはアキュムレータの機械的な載置を検出する電気接点が設けられている。したがって、この電気接点によって、アキュムレータが保持装置の収容部に、特にロックされた位置に正確に位置しているかどうかを判定することができる。代替的には、ロックがロックされた位置に位置しているかどうかを電気接点によって検出することもできる。
【0018】
保持装置のロックは、ロック部分要素を上方から保持要素の第1ストッパに押し付けることができるように、回動可能に使用されていてもよい。さらにロックは錠の一部であってもよい。
【0019】
上述のように、保持装置は、自転車フレームのチューブの内部に取り付けられるように構成されていてもよい。このために、保持装置が対応する固定部を備え、この固定部によって、例えば他のアキュムレータを他の保持システムによって保持するために交換が可能である場合には有利である。付属のアキュムレータが側方又は下方から自転車フレームのチューブ内に挿入されることが望ましい場合には、上述の2段階式の保持及び取外しシステムは特に有利である。これにより、アキュムレータは第2ストッパまでしか移動せず、さらなる遮断解除プロセスが不可欠であることにより、錠によるロック解除時にアキュム
レータが脱落することが防止される。
【0020】
保持要素及び保持装置は、上部からの挿入する場合のガイドが得られるように、それぞれ面取りされて構成されていてもよい。
【0021】
本発明による装置の一般的な用途は、例えば自転車のトップチューブ及びダウンチューブである。このために、それぞれのチューブ内には、チューブの表面の切込みにより収容部が設けられており、この収容部にアキュムレータを少なくとも部分的に格納することができる。この場合、保持装置は、収容部の内部で一端に取り付けられている。
【0022】
上記実施形態の「上方」及び「下方」という表現は、チューブの底部に対するアキュムレータの収容もしくは取外しに関係していることを指摘しておく。したがって、本発明はトップチューブ又はダウンチューブにおいて、チューブの収容部からアキュムレータを、車道に対して自転車フレームの一般的な使用に関連して下方へ取り外すために使用することができる。
【0023】
さらなる利点が以下の実施例の説明もしくは従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1a及び
図1bは、本発明の第1保持要素の可能な実施例を示す図である。
【
図2】
図2a及び
図2bは、保持装置の動作を説明する図である。
【
図3】保持装置の接触装置の可能な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
特に電動自転車などの電動二輪車の運転時には、エネルギー蓄積器を格納することが不可欠な重要事項である。したがって、アキュムレータ又は電池などのエネルギー蓄積器をラゲッジキャリアに格納することが知られている。しかしながら、大多数の電動自転車では、エネルギー蓄積器は三角フレーム内又はシートチューブの後方に取り付けられる。しかしながら、そのような取付けは、三角フレーム内で他の用途、例えば錠、ドリンクボトルホルダ及び/又は工具の容器のために利用可能なスタックスペースを減じてしまう。したがって、エネルギー蓄積器をフレーム、例えばダウンチューブ又はトップチューブに直接に組み込む努力がなされている。
【0026】
自転車フレームに組み込まれたエネルギー蓄積器を使用する場合には、例えばドイツ連邦共和国実用新案第202014009732に記載されているような適切な保持システムを準備することが不可欠である。本発明の保持システムによってエネルギー蓄積器の2段階式解除を説明する。この保持システムでは、キーによるロック解除によっては保持システムもしくは自転車フレームからのエネルギー蓄積器の最終的な取外しはまだ可能ではない。第2遮断機構の操作によってようやく取外しが可能になる。この2段階式の取外しによって、ロック機構によって既にロックが解除された場合にエネルギー蓄積器が意図に反して自転車フレームの収容部から脱落しないようにすることが可能である。したがって、例えば、錠を解除した場合にアキュムレータがすぐに落下する危険性なしに、アキュムレータを下側からトップチューブに格納することができる。
【0027】
図1aは、本発明による保持要素105もしくは保持要素105に結合されたアキュムレータ100並びに保持要素105に付属の保持装置110のための第1実施例を示す。この場合、保持要素105は、アキュムレータ100への固定を可能にする少なくとも1つの固定手段190もしくは195を第1の側に備える。この場合、例えば、アキュムレータ100の(縦方向)一方側の対応する凹部に差し込むことができる少なくとも1つの凸部190であってもよい。当然ながら、対応する突起を差し込むことができる少なくとも1つの凹部が設けられていてもよい。代替的又は付加的に、例えば凹部内又は突起に沿って少なくとも部分的に周回するねじ山195が設けられていてもよい。
【0028】
保持装置110は、少なくとも2つの異なる位置をとることができるロック130もしく140を備える。ロックされた位置130では、ロックに設けられたフックが第1の(固定)側とは反対側に設けられた第2の側に位置する保持要素105の第1のストッパ170に押し付けられる。ロックのこのロックされた位置130により、保持要素105もしくは保持要素105に結合されたアキュムレータ100の動きの自由度は、鉛直方向20に上方10に向かって制限される。この場合に、ロック130は、ロック130に結合された錠120の操作に依存して回転動作を行うように構成されており、フックは第1のストッパ170に下方への力を加え、保持要素105もしくは保持要素105に結合されたアキュムレータ100を保持部において第1係止位置に保持する。ロックが解除された場合にはロックは位置140に位置しており、フックはもはや第1のストッパ170に当接しておらず、保持要素105もしくは保持要素105に結合されたアキュムレータ100の少なくとも部分的な移動を鉛直方向に上方10に許可する。しかしながら、保持要素105に配置されており、第2の側に向いていない遮断要素150のフック、及び保持装置110の第2ストッパ180と協働して、この鉛直方向に上方10への移動は特に第2の係止位置で制限される。この場合、鉛直方向に上方への動きの大きさは、遮断要素150のフックと第2ストッパ180との間の間隔によって設定される。この配置によって設定された行程は同様に、保持要素105もしくはアキュムレータ100が保持装置もしくは(フレーム)チューブ200の上縁部から持ち上げられる移動の大きさを表す。遮断要素150は、保持要素105が持ち上げられる場合に少なくとも外部からアクセス可能となるように持ち上げられるように配置されている。次にこのようなアクセス性を利用して、遮断要素150に結合されたフックがもはや第2ストッパ180に当接しないように、遮断要素150に設けられたばねを押し戻すことができる。このように特に水平方向に遮断要素150を押し戻すことにより、保持要素150もしくは保持要素150に結合されたアキュムレータ100を取り外すことができる。
【0029】
このように本発明による保持要素105を備えるアキュムレータ100が保持装置110から2段階式に取り外されることにより、錠120によるロック解除後に収容部210からアキュムレータ100が意図せずに収容部210から脱落することが防止される。このことは、本発明による装置が、頭越しに、例えば、車道に対して下方からのアクセスによって自転車のフレームのトップチューブ又はダウンチューブ内で使用される場合には、特に有利である。
【0030】
遮断要素150は、板ばねとしてばね作用を実現するように構成されていてもよい。保持装置110もしくはフレームチューブの表面を超えて保持要素105が外側へ突出した場合に板ばねへのアクセスを得るために、遮断要素150は、外側からのアクセスによって板ばねが押し戻されるように保持要素105の縁部に配置されている必要がある。
【0031】
あるいは、遮断要素150にばね要素160が割り当てられていてもよい。ばね要素160は保持要素105の縁部に配置されており、保持要素105を持ち上げることによってアクセスのために解放される。これにより、遮断要素150全体を水平方向30に圧縮することができ、第2ストッパ180における対応するフックの機械的なストッパが克服される。
【0032】
自転車フレームのチューブ200の内部に保持装置110を固定するために、特殊な固定部115が設けられている。この固定部は、着脱可能又は着脱不能に設けられていてもよい。着脱可能な実施形態は、別のアキュムレータシステムのために設けられた保持要素
を使用でき、この場合にこの別の保持要素に構造的に整列された保持装置を交換することができるという利点を有する。固定は、いずれの場合にもチューブ200の外部及び内部の両方から行うことができる。当然ながら、両方の固定方式を組み合わせることも可能である。
【0033】
図1bに示す第2実施例は遮断要素155の別の実施可能性を示す。第1実施例の場合と同様に、錠120と結合されており、少なくともロックされた位置及びロック解除された位置をとることできるがロックが設けられている。しかしながら、実施例を明確にするために、ロックは
図1bには示されていない。この実施例では、遮断要素155は回動可能に構成されており、この場合に回転中心は保持要素105の下側の一方の半分に設けられており、ばね要素165は上側の他方の半分に設けられている。このばね要素165によって、遮断要素155はアキュムレータ100から押し離され、遮断要素155のフックはアキュムレータ100、及び保持要素105から、特に水平方向に引き離される。遮断要素155のフック、及び特に鉛直方向にフックの上方に位置する保持装置110のストッパ185は行程290を備え、この行程290の分だけ、保持要素105もしくは保持要素105に結合されたアキュムレータ100は、遮断要素155の弛緩状態でさらなる移動を防止される前に、鉛直方向に上方10へ移動することができる。この場合、この行程290は、ばね要素165によって押し外された遮断要素155にアクセスすることが可能となるように、保持要素105、特に保持要素105に結合されたアキュムレータ100を上方10へ持ち上げるために十分である。遮断要素155もしくはばね要素165を押し戻すことによって、フックがストッパ185を通過し、アキュムレータを取外しのために完全に解放するまで、フックをアキュムレータ100の方向へ押圧することができる。
【0034】
随意の付加的な構成では、チューブ200の収容部210にアキュムレータ100が挿入されたことが電気接点230によって点検されるようになっていてもよい。このためには、アキュムレータがどの程度までチューブ200の底部、又は保持装置120に割り当てられた支持部に載置しているかが点検される。この第1の係止位置ではアキュムレータ100は係止されており、運転のために使用可能である。これに対して、例えば遮断要素のフックが第2ストッパに当接することによってアキュムレータ100が第2の係止位置に位置していることが確認された場合には、電気接触に依存してユーザに警告を行うことができる。この場合、第1係止位置は、アキュムレータがセンサ230に機械的に載置されることによって検出することができる。この場合、保持装置120の下部の第1及び第2係止位置の間の最大の行程の範囲に付属のセンサを配置することが有利である。
【0035】
図2a及び
図2bは、本発明の別の実施例を概略的に示す。この実施例では、アキュムレータ100が自転車フレームのチューブ200の内部に収容部210として形成された凹部に格納されていてもよい。この場合、アキュムレータ100の表面又は表面に固定されたカバーがチューブ200の表面で実質的に終了している。ロック130は、既に説明した形状の他に、錠120及び錠120に結合されたキー125によって往復運動させることができる水平方向に変位可能なロック要素として構成されていてもよい。アキュムレータ100に固定された保持要素105は遮断要素150を備え、遮断要素150は、個別操作なしに第2ストッパ180に当接し、これにより、収容部210からのアキュムレータ100の解放を防止する。アキュムレータ100の解放は、遮断要素150又は遮断要素150にこのように結合されている保持要素105の一部を押し戻した場合にはじめて可能となる。
【0036】
アキュムレータ100の接触のために、接触装置220は、チューブ200内に保持装置110に向かい合って収容部210の端部に配置されてもよい。これは、とりわけ、ロック130又は遮断要素150もしくは155によるクランプ力に対する対向要素としての役割を果たす。さらに、第2保持要素220は、例えば
図3に示すように、収容部210におけるアキュムレータ100を保持し、アキュムレータの電気接触を引き受けるというさらなる特徴を有していいてもよい。この場合、第2保持要素220には、例えばプラグ/ブシュの形式の対応する接触面275を備える対応する接触部260が設けられており、接触面275は、電気接触を形成するためにアキュムレータ100の対応する接触面270、例えばブシュ/プラグに結合されていてもよい。アキュムレータ100の接触面270を保護するために、接触面270は一般に凹部280に格納されている。付加的又は随意に、第2保持要素220は、アキュムレータ100の対応する切欠き250内に嵌合する成形部240を備えていてもよい。このような成形部により、例えば収容部210に挿入した場合にアキュムレータ100がガイドされ、回転支承された移動を達成することができる。このようなガイドにより接触面を共にガイドし、ひいては電気的な接続を適切に達成することができる。
【0037】
上述のように、収容部210へのアキュムレータの挿入を検出する1つ以上の電気接点230が設けられていてもよい。このために、少なくとも1つの電気接点230が保持装置110の範囲内に設けられている。しかしながら、接触装置220の領域で収容部210の他端に配置された別の電気接点230が設けられていてもよい。この場合、電気接点230は、保持要素、保持装置及び/又は接触装置とは無関係に、収容部の底部に取り付けられていてもよい。代替的には、アキュムレータ100を載置し、少なくとも1つの電気接点230を格納する共通のキャリアによって保持装置110と接触装置220とを接続することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 収容部に対して上方、鉛直方向
20 鉛直方向
30 水平方向
100 アキュムレータ
105 保持要素
110 保持装置
115 保持装置の固定部
120 錠
125 キー
130 ロックされた状態のロック
140 ロック解除された状態のロック
150 遮断要素
155 遮断要素(代替)
160 ばね要素(随意)
165 ばね要素
170 アキュムレータの第1のストッパ
180 保持要素の第2ストッパ
185 代替的な実施形態の第2ストッパ
190 固定手段
195 別の固定手段(ねじ山)
200 自転車フレームのチューブ
210 チューブの収容部
220 接触装置
230 電気接点
240 ピン
250 アキュムレータの収容部
260 接続部材
270 アキュムレータの接触面/プラグ/ブシュ
275 第2保持要素の接触面/ブシュ/プラグ
280 アキュムレータの凹部
290 行程