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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】消火器箱
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/78 20060101AFI20241106BHJP
   A62C 35/20 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
A62C13/78 A
A62C35/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023098211
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2021093397の分割
【原出願日】2016-12-07
(65)【公開番号】P2023107965
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】安藤 拓史
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-190315(JP,A)
【文献】特開2012-024307(JP,A)
【文献】特開2016-059790(JP,A)
【文献】米国特許第02902327(US,A)
【文献】特開昭61-220666(JP,A)
【文献】米国特許第04213592(US,A)
【文献】中国実用新案第204337553(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置状態における上面から前面上部側に渡る一連の開口と、
前記一連の開口を開閉可能な扉と、
前記一連の開口より下方であって、常時閉鎖された前面下部側と、
設置状態における下面前方に設けられた軸により、前方に回動自在な消火器ホルダと、
前記一連の開口が開放された後に、前記消火器ホルダに収納されている消火器の収納状態が、前記消火器の全部が前記一連の開口から露出しない角度から、当該消火器の頭部側の一部が前記一連の開口のうち前記前面上部側から前方へ露出する所定の角度まで傾斜可能に、当該消火器ホルダの回動を規制する角度設定部材と、
を備えたことを特徴とする消火器箱。
【請求項2】
請求項1記載の消火器箱に於いて、
前記所定の角度は、傾斜した前記消火器が前記前面下部側の上端部に接触しない角度であり、前記消火器の頭部側の一部が前記前面下部側の前方へ突出する量を規制することを特徴とする消火器箱。
【請求項3】
請求項1記載の消火器箱に於いて、
前記一連の開口が開放されたときに、前記消火器が前記一連の開口の上面側又は前面側から外部へ取出し可能となることを特徴とする消火器箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器扉を開いて取出し自在に消火器を収納した消火器箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道などのトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。
【0003】
このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器、手動通報装置及び非常電話が設けられ、また火災の消火や延焼防止のために消火栓装置及び消火器箱が設けられ、更にトンネル躯体を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧設備などが設置され、非常用設備の設備機器を監視センターに設けられた防災受信盤からの伝送回線に接続して監視制御している。
【0004】
例えば消火栓装置は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って50メートル間隔で設置され、開放自在な消火栓扉を備えた筐体に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類を収納している。
【0005】
また、消火器箱は、消火栓装置と一体に設けられるか、あるいは消火器箱単独で設けられ、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置している。
【0006】
監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設けられており、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火器箱を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
【0007】
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火器箱の消火器扉を開いて消火器を取出して消火作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-055024号公報
【文献】特開2009-285126号公報
【文献】特開2014-083344号公報
【文献】特開2017-209145号公報
【文献】特開2017-205251号公報
【文献】特開2017-217356号公報
【文献】特開2003-190315号公報
【文献】実開昭59-172453号公報
【文献】登録実用新案第3176294号公報
【文献】特開平08-117354号公報
【文献】実開平07-039856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のトンネル内に設置された消火器箱にあっては、監視員通路に面したトンネル側壁に沿って設置されていたため、車両事故の発生時に利用者は、路面から監視員通路のトンネル側壁に設置している消火器箱に手を伸ばして消火器扉を開き、消火器を取り出して消火作業を行う必要があり、消火器箱が路面から離れた高い位置に設置されているため、人によっては手が届かずに監視員通路に上がって消火器を取り出さなければならない場合もあった。
【0010】
この問題を解決するためには、消火器箱を監視員通路の内部に埋込設置し、道路に面した監視員通路の側壁に消火器扉を設けるようにすればよいが、車両火災が発生して消火器扉の前に車両が停止している場合には、停止車両が邪魔になって、消火栓扉を開いて消火器を取り出すことができないか、消火器の取出しに手間取ってしまう場合もある。
【0011】
また、消火器扉を道路に面した監視員通路の側壁に設置した場合には、消火栓扉を開いて消火器箱を点検する場合や消火器を交換するのに、道路側から作業を行う必要があるた
め、トンネル内の車両通行を規制しながら点検作業や消火器の交換作業をしなければならないという不都合がある。
【0012】
本発明は、前方及び上方から簡単且つ容易に消火器の取出しを可能にすると共に、点検作業や消火器交換作業も簡単且つ容易に行うことを可能とする消火器箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(消火器箱)
本発明は、消火器箱であって、
設置状態における上面から前面上部側に渡る一連の開口と、
一連の開口を開閉可能な扉と、
一連の開口より下方であって、常時閉鎖された前面下部側と、
設置状態における下面前方に設けられた軸により、前方に回動自在な消火器ホルダと、
一連の開口が開放された後に、消火器ホルダに収納されている消火器の収納状態が、消火器の全部が一連の開口から露出しない角度から、当該消火器の頭部側の一部が一連の開口のうち前面上部側から前方へ露出する所定の角度まで傾斜可能に、当該消火器ホルダの回動を規制する角度設定部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
所定の角度は、傾斜した消火器が前面下部側の上端部に接触しない角度であり、消火器の頭部側の一部が前面下部側の前方へ突出する量を規制する。
【0015】
一連の開口が開放されたときに、消火器が一連の開口の上面側又は前面側から外部へ取出し可能となる。
【発明の効果】
【0016】
(基本的な効果)
本発明は、消火器箱に於いて、消火器が取出し自在に収納された筐体と、
筐体の前面開口に開閉自在に設けられた前面扉と、筐体の上部開口に開閉自在に設けられた上部扉とを備えたため、前面スライド扉と上部扉を開くことで開口が広くなり、消火器を取り出し易くすることができる。
【0017】
(前面スライド扉と前開きの上部による効果)
また、前面扉は、筐体の前面開口にスライド開閉自在に設けられた前面スライド扉であり、上部扉は、筐体の上部開口に前開き自在に設けられたため、洗面扉はスライド開閉する前面スライド扉であるため、前面スライド扉を開いても前方に飛び出すことがなく、消火器箱の前から扉に邪魔されることなく消火器を簡単且つ容易に取り出して、迅速且つ確実に消火作業を行うことを可能とする。
【0018】
また、上部扉は前開きするため、前面スライド扉と同様に、開いた上部扉に邪魔されることなく、消火器を簡単且つ容易に取り出して、迅速且つ確実に消火作業を行うことを可能とする。
【0019】
(操作機構の効果)
また、上部扉に設けられ、上部扉の閉鎖状態で前面スライド扉を上方にスライドさせた閉鎖状態に保持し、所定の開放操作により前面スライド扉の保持を解除することにより下方にスライドさせて開放させる操作機構を備えたため、火災の発生時に利用者は、前方から上部扉の操作機構のレバー操作等により上部扉を上向きに開くと、閉鎖状態にある前面スライド扉の保持が解除され、前面スライド扉は自重により下方にスライドして自動的に開き、2枚の扉を設けていても、扉開放操作が簡単にでき、消火器を取り出すことによる消火作業を迅速且つ確実に行うことを可能とする。
【0020】
(消火器保持構造による効果)
また、消火器箱は、更に、筐体内に設けられ、消火器を着脱自在に収納すると共に、前面スライド扉が開放した状態で当該消火器が前面開口から取り出せるように、斜め前方へ回動可能な消火器ホルダを備と、斜め前方への消火器ホルダの回動角度を、回動した消火器の上部が開放した前面スライド扉の前面よりも前方に露出する所定角度、及び回動した消火器のレバー部が最前面に位置する所定角度に設定する角度設定部材とを備えたため、前面スライド扉が開放した道路面側の前面開口から消火器を取出す場合に、消火器ホルダは取出口を斜め前方とするように回動することで、消火器ホルダ内から消火器を円滑に取り出すことができる。
【0021】
また、角度設定部材は、斜め前方への消火器ホルダの回動角度を、回動した消火器が開放したスライド扉に接触しない所定角度に設定することで、消火器ホルダに収納している消火器上部が筐体開口等に当ることが防止される。
【0022】
(トンネル監視員通路に設置した場合の効果)
また、筐体は、トンネル側壁に沿って設けた監視員通路の下部に埋込設置され、前面スライド扉は、監視員通路の道路に面した側壁面に位置するように配置され、上部扉は、監視員通路の通路面に位置するように配置されたため、例えば、上部扉の閉鎖状態で前面スライド扉を上方にスライドさせた閉鎖状態に保持し、所定の開放操作により前面スライド扉の保持を解除することにより下方にスライドさせて開放させる操作機構を設けていた場合には、火災を伴う車両事故の発生時に、事故車両の運転者等の利用者は、道路面から上部扉の操作機構のレバー操作等により上部扉を上向きに開くと、閉鎖状態にある前面スライド扉の保持が解除され、前面スライド扉は自重により下方にスライドして開き、道路側から消火器を取り出して消火を行うことができ、従来の監視員通路の上となるトンネル側壁に設置した消火器箱に比べ、監視員通路に妨げられることなく消火器を簡単且つ容易に取り出して、迅速且つ確実に消火作業を行うことを可能とする。
【0023】
また、火災を伴う車両事故の発生時に、消火器箱の前に車両が停止して道路面側の消火器扉から消火器が取り出せない場合は、監視員通路に設けられている上部扉を、操作機構のレバー操作等により保持を解除して上向きに開くことで、監視員通路側から確実に消火器を取り出して消火作業を行うことを可能とする。
【0024】
また、消火器箱の点検作業や消火器の交換作業は、監視員通路に設けられている上部扉を、操作機構のレバー操作等により保持を解除して上向きに開くことで、トンネル内の車両通行の規制を必要とすることなく、消火器箱の点検作業や消火器交換作業を可能とする。
【0025】
(消火栓装置との隣接配置又は一体配置による効果)
また、筐体は、監視員通路の内部に埋込設置された消火栓装置の片側又は両側に設けられるか、又は、消火栓装置の片側又は両側に一体に設けられたため、消火器による初期消火に続き、消火栓装置を用いた放水による消火が可能となる。また、消火栓装置の両側に消火器が収納された消火器箱が配置されていることで、2名の利用者が消火栓装置に両側に配置された消火器箱から個別に消火器を取り出して消火作業を行うことができ、消火器を用いた初期消火を効率良く行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】シールドトンネル内に設置した消火器箱を含むトンネル非常用設備を示した説明図
図2】消火器を収納した消火器箱を、ホースを収納した消火栓収納箱と共に正面、平面及び側面から示した説明図
図3図2の消火器箱を取り出して正面、扉を開いた正面及び側面で示した説明図
図4図2の消火器箱を取り出して平面で示した説明図
図5図2の消火器箱を取り出して側面から見た断面および扉スライド構造の正面から見た部分断面で示した説明図
図6図2の消火器箱の扉を開いて消火器を取り出す状態を断面で示した説明図
図7図2の消火栓設備の内部構造を道路側から見た断面で示した説明図
図8図7の消火栓設備の昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図
図9】前面回転扉を備えた消火器箱の実施形態を正面、扉を開いた正面及び側面で示した説明図
図10図9の消火器箱を平面及び上部扉を開いた平面で示した説明図
図11図9の消火器箱における前面回転扉の回転構造の概略を平面で示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
[トンネル非常用設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火器箱を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
【0028】
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。
【0029】
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管24が敷設されている。
【0030】
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホースが収納された消火栓収納箱26と制御機構収納部130に分離して設置されている。
【0031】
消火栓収納箱26は、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。制御機構収納部130は、消火栓収納箱26の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管24から分岐した分岐管が引き込まれ、また、消火栓収納箱26に消火用水を供給する給水配管が立ち上げられている。
【0032】
消火栓設備16の消火栓収納箱26にはノズル付きホースが収納されたホース収納部とその昇降機構が設けられており、所定の上昇操作を行うと、昇降機構により監視員通路14上の露出位置にホース収納部が上昇されて露出状態となり、ノズル付きホースの引き出しによる消火作業を可能とする。
【0033】
消火栓収納箱26の両側には消火器箱30が設置され、内部に消火器を取出し自在に収納している。消火器箱30は、消火栓収納箱26と同様に、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。
【0034】
消火器箱30は道路15側に前面スライド扉が設けられ、また、監視員通路14の路面側に上部扉が設けられ、上部扉を開くと前面スライド扉の保持が解除されて下方にスライドして開放され、道路15側又は監視員通路14側から消火器を取出し可能としている。
【0035】
[消火栓設備]
図2は消火器を収納した消火器箱を消火栓収納箱と共に正面、平面及び側面から示した説明図である。
【0036】
(消火器箱の概要)
図2に示すように、消火器箱30は、監視員通路14の床面下の内部空間に、消火栓設備16の消火器収納箱26と共にその両側に埋込み設置され、消火器箱30の中には消火器が例えば1本ずつ収納されている。
【0037】
消火器箱30は道路に面した前面に前面スライド扉40が設けられると共に、監視員通路14の路面側に上部扉42が設けられており、上部扉42に設けられた操作機構44により、上部扉42の閉鎖状態で前面スライド扉40を上方にスライドさせた閉鎖位置に保持している。
【0038】
消火器箱30から消火器を取り出す場合には、上部扉42の操作機構44のレバーを操作すると、操作機構44による前面スライド扉40のラッチが解除され、前面スライド扉40は自重により下方にスライドして前面開口を開き、道路15側又は監視員通路14側からの消火器の取出しを可能とする。
【0039】
(消火栓収納箱の概要)
図2に示すように、消火栓設備16の消火栓収納箱26は、監視員通路14の床面下の内部空間に埋込み設置されている。消火栓収納箱26の中には、パンタグラフ機構を用いた昇降機構の水圧シリンダ122により昇降されるホース収納部102が配置されている。
【0040】
消火栓収納箱26は、筐体34の前面の開口部に点検扉28が複数のボルトにより固定されており、ボルトを取り外すことで、着脱自在に設けられている。
【0041】
また、図2(B)に示す消火栓収納箱26の監視員通路14の路面となる上部には消火栓昇降口100が形成され、消火栓昇降口100に対してはその下側にホース収納部が昇降自在に配置されることから、ホース収納部の路面板106が位置して消火栓昇降口100を閉鎖している。
【0042】
なお、消火栓収納箱26に対応して通報装置パネルが設けられ、通報装置パネルには、赤色表示灯、発信機及び応答ランプが設けられているが、図示を省略している。また、通報装置パネルには、消火栓収納箱26内に設けられているホース収納部を昇降操作するための上昇スイッチと下降スイッチが設けられているが、図示を省略している。
【0043】
[前面スライド扉を備えた消火器箱]
図3図2の消火器箱を取り出して正面、扉を開いた正面及び側面で示した説明図、図4図2の消火器箱を取り出して平面で示した説明図、図5図2の消火器箱を取り出して側面から見た断面および扉スライド構造の正面から見た部分断面で示した説明図、図6図2の消火器箱の扉を開いて消火器を取り出す状態を断面で示した説明図である。
【0044】
(消火器箱の外観構造)
図3及び図4に示すように、消火器箱30は筐体34の内部に消火器32を取出し自在に収納しており、筐体34は道路側に前面開口36が形成されると共に監視員通路側に上部開口38が形成されている。
【0045】
筐体34の前面開口36には、上下方向にスライド開閉自在に前面スライド扉40が設けられている。また、筐体34の上部開口38には、ヒンジ46により上向き回りに開閉自在、即ち前開き自在な上部扉42が設けられている。上部扉42は、監視員通路の路面に位置することから、通過する人が上部扉42を踏んでも大丈夫なように十分な強度を持たせている。
【0046】
上部扉42の手前側にはレバー44aを備えた操作機構44が設けられ、操作機構44の内側から前方に突出されたラッチ48を、上方に引き上げて閉鎖位置に保持された前面スライド扉の上枠のラッチ溝に嵌合させることで、前面スライド扉40を閉鎖位置に保持している。
【0047】
消火器箱30から消火器32を取り出す場合には、図3(A)に示す状態で、上部扉42の操作機構44に設けられたレバー44aを手前に引くと、ラッチ48が引き込まれて前面スライド扉40のラッチが解除され、前面スライド扉40は自重により下方にスライドし、図3(B)に示すように、前面開口36が開放され、前面開口36の中に見えている消火器32を取り出すことになる。
【0048】
また、監視員通路側から消火器32を取り出す場合には、図3(C)に示すように、上部扉42aのように上向きに開き、上部開口38を開口させ、このとき前面スライド扉40も開いていることから、上部開口38及び前面開口36の開放空間を介して消火器32を取り出す。
【0049】
(消火器箱の内部構造)
図5(A)に示すように、消火器箱30の筐体34の中には、上部に開口した円筒状の消火器ホルダー50が配置されている。消火器ホルダー50は、底板51の前方に設けられた軸52により前方に回動自在に設けられており、また消火器ホルダー50の軸52の上部には角度設定部材54が固定されている。
【0050】
角度設定部材54は、側面から見て直角三角形の形状をもち、斜辺を消火器ホルダー50の外側に固定しており、頂角θが消火器ホルダー50を前方に回動した場合の設定回転角度としている。
【0051】
消火器ホルダー50に設けられた角度設定部材54は、図6に示すように、上部扉42及び前面スライド扉40を開き、道路側となる前方から消火器32を取り出す場合に、消火器32を収納している消火器ホルダー50が軸52を中心に前方に回動され、設定回転角θだけ回動した場合に、角度設定部材54の直角三角形の高さに対応した辺が筐体34の前面下部の内側に当接して回動が停止し、消火器ホルダー50の回動を設定回転角θに規制する。
【0052】
このような消火器ホルダー50の回動により、消火器32の上部が開放状態にある上部開口38及び前面開口36の空き空間から斜め上方に位置し、道路側から消火器32を滑らかに取り出すことができる。
【0053】
また、角度設定部材54により消火器ホルダー50の回転角が規制されるため、消火器32の上部が下方に開口した前面スライド扉40に衝突して損傷させることを防止している。
【0054】
(前面スライド扉の開閉構造)
図5(B)に示すように、筐体34の前面開口36に設けられた前面スライド扉40は、両側の下端及び中央に、半円形のスライド突起40aを一体に形成しており、これに対応して前面開口36の両側にはスライド溝41が形成され、スライド溝41に沿って上下方向にスライド自在に前面スライド扉40が装着されている。
【0055】
また、前面スライド扉40の上部の扉枠40bの内側に形成されたラッチ穴に対しては、上部扉42に設けられた操作機構44から突出されたラッチ48の先端が扉閉鎖状態で嵌合されており、これにより前面スライド扉40が閉鎖位置に保持されている。
【0056】
(消火器保護カバー)
図5(A)に示すように、消火器箱30に収納された消火器32の上部には保護カバー56が着脱自在に装着されている。
【0057】
消火器32の上部には操作レバー58と固定レバー59が設けられており、固定レバー59により消火器32を持ち運び、操作レバー58を握って押下げることで、ホースから消火剤を放出させることができる。
【0058】
操作レバー58に対しては、リング状取手60を設けた安全ピンが装着されており、消火栓32を使用する場合には、リング状取手60に指を入れて安全ピンを引き抜くことで、操作レバー58の押下げによる消火剤の放出が可能となる。
【0059】
このようにリング状取手60を設けた安全ピンが装着された消火器32を消火器箱30に収納した場合、図6に示すように、扉開放状態で消火器32を上部から取り出すときに、照明装置による照明はあるが、トンネル内は暗いため、誤って安全ピンのリング状取手60に指を掛けて取り出そうとすることが想定され、安全ピンが抜けてしまい、消火器32を持ち運んで行く途中で、操作レバー58を押し下げて誤放出させる可能性かある。
【0060】
この問題を解決するため、本実施形態にあっては、消火器32の上部に設けられた安全ピンのリング状取手60を覆うように保護カバー56が着脱自在に装着されおり、これにより安全ピンのリング状取手60に指を掛けることなく、保護カバー56の下側に位置している固定レバー59に指を掛けて消火器32を取り出すことを可能とする。
【0061】
保護カバー56は、例えば、下方及び前方に開口した箱形の樹脂ケースであり、消火器32の上部に上から嵌め入れているだけであり、消火器32を使用する際には、簡単に外すことを可能としている。また、保護カバー56は所望の着色樹脂としても良いし、内部が見えるように透明樹脂としても良い。
【0062】
[消火栓設備]
図7図2の消火栓設備の内部構造を道路側から見た断面で示した説明図、図8は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図である。なお、図7及び図8に示すホース収納部は、図2に対し横方向に縮小したサイズで示しており、また、図8はノズル部分のフレームパイプを破断して、ノズルの保持状態が分かるようにしている。
【0063】
(ホース収納部)
図7及び図8に示すように、監視員通路14に設置された消火栓収納箱26の路面に対応した位置には、矩形の消火栓昇降口100が開口されている。消火栓昇降口100に対してはその下側からホース収納部102が昇降自在に配置される。ホース収納部102は、前面及び背面に開口した箱型の筐体105を備え、筐体105の前面及び背面の開口に2本のフレームパイプ104が配置され、その間にホース取出口108が形成されている。
【0064】
ホース収納部102の内部には、先端にノズル112を装着したホース110が内巻きした状態で収納されている。ホース110の内巻きにより形成された内側空洞部の中には、上部をホース110に嵌め込み保持されたノズルホルダー114が配置され、ノズルホルダー114の下側にノズル112が着脱自在に保持されている。
【0065】
ホース収納部102の右側には消火栓弁開閉レバー116が設けられ、例えば管理用通路20内の制御機構収納部130に分離配置された消火栓弁を遠隔的に開閉可能としている。
【0066】
(昇降機構)
ホース収納部102は昇降機構118により昇降自在に支持されており、本実施形態にあっては、昇降機構118としてパンタグラフ機構を用いている。
【0067】
パンタグラフ機構を用いた昇降機構118は、2本のリンクアーム140a,140bで構成される。リンクアーム140aは左端が支点142aにより基台150に回動自在に支持され、またリンクアーム140bは左端を支点142bにより取付台152に回動自在に支持され、リンクアーム140a,140bを中央で交差させて支点142cで回動自在に連結させている。
【0068】
また、リンクアーム140aの右端はローラ144aにより取付台152に沿って移動自在に支持され、リンクアーム140bの右端はローラ144bにより基台150に移動自在に支持されている。
【0069】
昇降機構118の駆動機構としては、ピストンシリンダ機構が設けられ、シリンダ120の下端がリンクアーム140bに支点146aにより回動自在に連結され、シリンダ120内に摺動自在に設けられたピストン122に連結されたピストンロッド124の先端がリンクアーム140aに支点146bにより回動自在に連結されている。
【0070】
消火栓収納箱26が配置された監視員通路の内部空間の下側となる管理用通路20には制御機構収納部130が配置され、制御機構収納部130には、ホース収納部102のホース110に消火用水を供給して放水させるバルブ類を備えた放水制御機構と、昇降機構118を昇降駆動させるバルブ類を備えた昇降制御機構が設けられている。
【0071】
制御機構収納部130に対しては水圧源として機能する給水本管24から分岐した分岐配管24aが連結され、消火ポンプ設備から給水本管24に供給されている消火用水を導入している。
【0072】
制御機構収納部130に内蔵した放水制御機構からの給水配管132は、連結ホース126を介してホース収納部102のホース接続口となるフレキシブルジョイント128に連結されている。連結ホース126は、昇降機構118によりホース収納部102を消火栓収納箱26の消火栓昇降口100から押し上げて露出位置に保持した場合に、連結に必要な余裕を持ったホース長としており、これにより固定側となる配管に対しホース収納部102が昇降作動しても、連結ホース126が抜けることなくホース収納部102が動けるようにしている。また、昇降作動で生ずる連結ホース126の動きはフレキシブルジョイント128の動きで吸収される。
【0073】
また、制御機構収納部130に内蔵した昇降制御機構からは、消火用水の供給と排水を行うための配管134が昇降機構118の水圧シリンダ120に接続されている。
【0074】
なお、昇降機構118は水圧駆動としているが、これに限定されず、油圧駆動としても良い。また、昇降機構118の駆動機構は水圧シリンダ120を用いたピストンシリンダ機構に限定されず、スクリューシャフトを用いた駆動機構としても良い。
【0075】
[消火栓設備の動作]
(通常監視時)
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図7に示すように、消火栓設備16のホース収納部102は、制御機構収納部130に設けられた放水制御機構からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構118の水圧シリンダ120はピストン122を最下点に位置させ、これにより昇降機構118はホース収納部102を監視員通路14内に埋め込まれた消火栓収納箱26の中に収納され、筐体1
05の上面の路面板106により消火栓昇降口100を閉鎖しており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。
【0076】
(火災発生時)
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、通報装置パネルの発信機を押して監視センターの防災受信盤に火災通報信号を送信し、防災受信盤から確認応答信号を受信して応答ランプが点灯されると共に赤色表示灯が点滅され、監視センター側への通報完了を確認する。
【0077】
続いて、消火作業を行うため、通報装置パネルに設けている上昇スイッチを押してオンすると、制御機構収納部130から昇降機構118の水圧シリンダ120に消火用水が送られ、シリンダ内に供給された消火用水によりピストン122が上昇し、ピストンロッド124を介してリンクアーム140aとリンクアーム140bの間隔が押し広げられる。
【0078】
リンクアーム140a,140bの間隔が押し広げられると、支点142cを中心にリンクアーム140a,140bの角度が広がり、リンクアーム140a,140bの右端のローラ144a,144bが左側に移動し、その結果、取付台152が上方に押し上げられ、取付台152に取付けられたホース収納部102が押し上げられる。
【0079】
このため消火栓収納箱26の消火栓昇降口100を閉鎖している路面板106が持ち上がり、内部に収納していたホース収納部102が路面からゆっくり表れ、図8に示す露出位置まで上昇して停止し、この露出位置を保持する。
【0080】
このように監視員通路上に露出してホース収納部102が保持されると、利用者は道路側からホース取出口108を介し、内巻きされたホース110の内側空洞部に吊り下げられたノズルホルダー114に保持されているノズル112を取出すことで、簡単且つ容易にホース110を引き出すことができる。
【0081】
続いて、利用者は、露出したホース収納部102に設けている消火栓弁開閉レバー116を手前の開位置に操作すると、制御機構収納部130の放水制御機構に設けられた消火栓弁が遠隔的に開操作され、消火用水が給水配管132及び連結ホース126を介してホース110に供給され、ノズル112からの放水により消火作業を行うことができる。
【0082】
一方、監視員通路14側から利用者が消火作業を行う場合には、監視員通路14上に露出保持されたホース収納部102の背面側のホース取出口からノズル112を取出すことで、簡単且つ容易にホース110を引き出して消火作業を行うことができる。
【0083】
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、ホース収納部102に設けている消火栓弁開閉レバー116を閉鎖位置に操作すると、制御機構収納部130の放水制御機構に設けられた消火栓弁が閉じ、ノズル112からの放水が停止される。
【0084】
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、ホース110の水抜きを行った後に、監視員通路14上に露出保持されているホース収納部102の中に内巻き状態にホース110を収納し、内巻きした内側空洞部の中に回収したノズルホルダー114を嵌め入れてノズル112を保持する。
【0085】
続いて、通報装置パネルに設けている下降スイッチをオン操作することで、昇降機構118によりホース収納部102が下降され、路面板106が消火栓昇降口100を閉鎖する位置まで下降して停止し、ホース収納部102が消火栓収納箱26の中に収納された状
態となる。
【0086】
[前面回転扉を備えた消火器箱]
図9は前面回転扉を備えた消火器箱の実施形態を正面、扉を開いた正面及び側面で示した説明図、図10図9の消火器箱を平面及び上部扉を開いた平面で示した説明図である。
【0087】
(消火器箱の構造)
図9及び図10に示すように、本実施形態の消火器箱30は、筐体34の前面開口36には、横回りの回転により開閉自在に半円筒状の前面回転扉62が設けられている。前面回転扉62は、図9(A)に示す閉鎖位置で、前面開口36を閉鎖しており、右側上部の扉面に取手64が設けられており、取手64に手をかけて左回りに操作することで、図9(B)に示すように、前面回転扉が開放され、内部に収納している消火器32を道路側となる前方から取り出すことを可能としている。
【0088】
また、筐体34の上部開口38には、ヒンジ46により上向き回りに開閉自在な上部扉42が設けられている。上部扉42の手前側にはトランク取手66が設けられ、トランク取手66はスプリングにより扉面に閉じた状態にある。
【0089】
上部扉42を開く場合には、トランク取手66を図9(C)に示すように、引き起こし、これに手を入れて上部扉42aに示すように、上向き回りに開き、この状態で監視員通路側となる上部から手を入れた消火器32の取り出しを可能としている。
【0090】
図10(A)に示す上部扉42の閉鎖状態から図10(B)に示すように上部扉42を開くと、上部開口38から見た筐体34の先方に半円筒状の前面回転扉62が位置し、前面回転扉62は下側が底板に固定部材73,74により固定され回転ガイド部材70のガイド溝72に回動自在に嵌め込まれている。
【0091】
前面回転扉62の内側には消火器32が収納されており、前面回転扉62を開くことなく、上部扉42を開くだけで、上方からの消火器32の取出しが可能となる。
【0092】
また、本実施形態にあっても、消火器32の上部には保護カバー56が着脱自在に収納されており、安全ピンのリング状取手に指を掛けることなく、保護カバー56の下側に位置している固定レバーに指を掛けて消火器32を取り出すことを可能としている。
【0093】
(前面回転扉の回転構造)
図11図9の消火器箱における前面回転扉の回転構造の概略を平面で示した説明図であり、図11(A)は前面回転扉の閉鎖状態を示し、図11(B)は前面回転扉の開放状態を示す。
【0094】
図11に示すように、消火器箱30における筐体34の底板の前部には、半円上の回転ガイド部材70が配置され、回転ガイド部材70には上方に開口した半円状のガイド溝72が形成されている。
【0095】
回転ガイド部材70の上には前面回転扉62が配置され、前面回転扉62の右端下端から下方に延在されたガイドスライダ76がガイド溝72に摺動自在に嵌め込まれている。
【0096】
これにより図11(A)の閉鎖位置による前面回転扉62をその取手に手を入れて左回りに回転するように操作すると、前面回転扉62のガイドスライダ76がガイド溝72に沿って摺動し、前面回転扉62は回転移動し、図11(B)に示す開放位置に移動する。
【0097】
このような前面回転扉62による消火器箱30の扉開閉により、道路側となる前方に扉が飛び出すことなく、扉開閉を可能とする。
【0098】
なお、図11の前面回転扉62の回転構造は一例であり、例えば、筐体底部に回転円板を配置してその上に前面回転扉を起立固定し、この場合、回転軸は固定とし、固定回転軸の上部に消火器を載せる消火器ホルダーを固定配置される、といった適宜の回転構造が含まれる。
【0099】
[本発明の変形例]
(消火器箱の設置)
上記の実施形態は、トンネル内の監視員通路に埋込設置される消火器箱を例にとっているが、これに限定されない。例えば、ビル等の建物や施設に設置される消火器として床面に据置き設置してもよい。この場合にも、火災時に利用者は上部扉の開放操作を行うと前面スライド扉が自動時に開放され、消火器箱の開口が広くなることで、容易に消火器を取り出して迅速な消火活動ができる。
この場合、上部扉の上に人が乗ることはないため、上部扉の素材や構造は、監視員通路に設置する場合に比べて強度の低いもので良い。
【0100】
(消火栓装置との連携関係)
上記の実施形態は、消火栓収納箱の両側に消火器箱を独立して配置した場合を例にとっているが、これに限定されない。例えば、消火栓収納箱と一体に消火器箱を設けるようにしても良い。
【0101】
また、上記の実施形態は、消火栓収納箱の両側に消火器箱を配置しているが、これに限定されない。例えば消火栓収納箱の片側に消火器箱を1又は複数配置しても良い。
【0102】
また、上記の実施形態は、ホース収納部を昇降させる構造の消火栓設備を例にとっているが、これに限定されない。例えば、監視員通路に、ホース収納部を備えた消火栓収納箱が固定配置され、これに対する給水制御機構が分離配置され、監視員通路の消火栓収納箱に、消火器箱と同様に、前面スライド扉と上面扉を設けるようにした消火栓設備としても良い。
【0103】
(前面スライド扉)
上記の実施形態にあっては、1枚の前面スライド扉をスライド開閉自在に設けているが、これに限定されない。例えば、前面スライド扉を複数枚に分割して前後に重ね合わせた状態でスライド開閉自在とし、これにより開放時に扉の高さが低くなり、前面開口を更に広くすることができる。
【0104】
また、上記の実施形態にあっては、筐体の前面開口に1枚の前面スライド扉を配置しているが、これに限定されない。例えば、筐体の前面開口の横方向に複数枚の前面スライド扉を配置し、扉を開いた場合の開口面積を大きくしても良い。この場合、上部扉は前面スライド扉と同じ数としても良いし、1枚の上部扉としても良い。
【0105】
(消火器箱の昇降機構)
上記の実施形態は、消火栓設備に昇降機構を設けてホース収納部を監視員通路上に露出させるようにしているが、消火器箱についても同様な昇降機構を設け、消火器を昇降機構の作動により監視員通路上に露出させるようにしても良い。この場合、上部扉及び前面スライド扉は、昇降機構による消火器の上昇駆動に連動して開放させる構造とすれば良い。
【0106】
(消火器の収納本数)
上記の実施形態は消火器箱に消火器1本を収納した場合を例にとっているが、これに限定されない。例えば、消火器箱の中に、複数本の消火器を収納するようにしても良い。
【0107】
(消火栓設備)
上記の実施形態は、消火器箱を併設する消火栓設備として昇降機構によりホース収納部を監視員通路上に露出可能とした構造を例にとっているが、これに限定されず、筐体内にノズル付きホースを内巻きし、消火栓扉を開いてノズル付きホースを取り出す構造の消火栓設備であっても良い。
【0108】
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0109】
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
26:消火栓収納箱
30:消火器箱
32:消火器
34:筐体
36:前面開口
38:上部開口
40:前面スライド扉
40a:スライド突起
40b:扉枠
42:上部扉
44:操作機構
44a:レバー
46:ヒンジ
48:ラッチ
50:消火器ホルダー
52:軸
54:角度設定部材
56:保護カバー
58:操作レバー
59:固定レバー
60:リング状取手
62:前面回転扉
64:取手
66:トランク取手
70:回転ガイド部材
72:ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11