IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PayPay株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図1
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図2
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図3
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図4
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図5
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図6
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図7
  • 特許-設定装置、設定方法及び設定プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】設定装置、設定方法及び設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20241106BHJP
【FI】
G06Q20/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023140682
(22)【出願日】2023-08-31
(62)【分割の表示】P 2021077114の分割
【原出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2023159432
(43)【公開日】2023-10-31
【審査請求日】2023-09-22
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 博樹
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特許第7343542(JP,B2)
【文献】特開2017-228040(JP,A)
【文献】特開2020-144793(JP,A)
【文献】特開2017-091302(JP,A)
【文献】特開2015-138274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用する端末装置を用いた決済手段により所定の店舗で決済を行った前記利用者の属性であって、前記所定の店舗の利用に関する属性を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報が示す前記所定の店舗において決済を行った利用者の属性に基づいて、前記所定の店舗において利用者が前記決済手段を用いて新たに決済を行う際に前記所定の店舗に対して請求される対価の当該決済に係る決済額に対する料率を設定する設定部と
を有することを特徴とする設定装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記利用者が前記所定の店舗を利用した回数が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記料率を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の設定装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記利用者が前記所定の店舗を利用したことがない場合は、前記利用者が前記所定の店舗を利用したことがある場合に設定される料率よりも高い料率を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の設定装置。
【請求項4】
前記設定部は、さらに、前記利用者が新規顧客であるか既存顧客であるかに応じて、前記料率を設定する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の設定装置。
【請求項5】
前記設定部は、さらに、前記利用者の前記所定の店舗における決済額の合計に応じて、前記料率を設定する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の設定装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する設定方法であって、
利用者が利用する端末装置を用いた決済手段により所定の店舗で決済を行った前記利用者の属性であって、前記所定の店舗の利用に関する属性を示す情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された情報が示す前記所定の店舗において決済を行った利用者の属性に基づいて、前記所定の店舗において利用者が前記決済手段を用いて新たに決済を行う際に前記所定の店舗に対して請求される対価の当該決済に係る決済額に対する料率を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする設定方法。
【請求項7】
利用者が利用する端末装置を用いた決済手段により所定の店舗で決済を行った前記利用者の属性であって、前記所定の店舗の利用に関する属性を示す情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された情報が示す前記所定の店舗において決済を行った利用者の属性に基づいて、前記所定の店舗において利用者が前記決済手段を用いて新たに決済を行う際に前記所定の店舗に対して請求される対価の当該決済に係る決済額に対する料率を設定する設定手順と
をコンピュータに実行させるための設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定装置、設定方法及び設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取引対象を提供する提供者に対して課される各種の料金を管理する技術が知られている。このような技術の一例として、事業者の事業の運営に関する運営データ基づいて、事業者に提示する融資可能額又は利率を含む評価情報を算出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-180815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される料金を適切に設定しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した技術では、事業者の融資可能額や利率が算出できるだけであり、プラットフォームの利用に応じた料金を算出しているとはいえない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される料金を適切に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る設定装置は、所定のプラットフォームを利用して取引対象を提供する提供者に関する提供者情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された提供者情報に基づいて、前記プラットフォームの利用に対する対価を前記提供者に対して設定する設定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される料金を適切に設定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る設定処理の一例を示す図である。
図2図2は、第2の実施形態に係る設定処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る提供者データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るプラットフォーム情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る対価データベースの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る設定装置、設定方法及び設定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る設定装置、設定方法及び設定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
〔1-1.第1の実施形態における設定処理の一例〕
次に、図1を用いて、本実施形態の設定装置等により実現される第1の実施形態に係る設定処理について説明する。図1は、第1の実施形態に係る設定処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る設定装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る設定処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る設定システム1は、情報提供装置10と、利用者端末100と、提供者端末200と、サーバ装置301とを含む。情報提供装置10、利用者端末100、提供者端末200及びサーバ装置301は、ネットワークN(例えば、図3参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した設定システム1には、複数台の情報提供装置10、複数台の利用者端末100、複数台の提供者端末200及び複数台のサーバ装置301が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報提供装置10は、設定処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、利用者に取引対象(例えば、商品)を提供する提供者に関する情報と、取引対象の提供に関する情報を取得し、取得した情報に応じた情報を提供する。
【0014】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、サーバ装置301によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0015】
図1に示す提供者端末200は、実店舗において利用者に取引対象を提供する提供者によって利用される情報処理装置である。提供者端末200は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、利用者端末100は、サーバ装置301によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、利用者端末100がノート型PCである場合を示す。
【0016】
図1に示すサーバ装置301は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供し、各種の決済を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステムにより実現される。例えば、サーバ装置301は、取引対象の提供者や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間における電子マネーの送金等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0017】
ここで、利用者端末100が実行する決済処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、実店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、実店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者Uが利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者Uが任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0018】
例えば、利用者Uが実店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者Uは、利用者端末100に予めインストールされた決済用のアプリケーションを起動する。そして、利用者Uは、アプリケーションを介して、実店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U或いは実店舗Aの店員から決済額の入力を受付ける。そして、利用者端末100は、利用者Uを識別する利用者情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗を示す情報)と、決済額とを示す決済情報をサーバ装置301へと送信する。
【0019】
このような場合、サーバ装置301は、利用者情報が示す利用者Uの口座から、店舗識別情報が示す実店舗Aの口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、サーバ装置301は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0020】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、実店舗Aに設置された店舗端末を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者Uを識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、実店舗Aに設置された店舗端末は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報と、決済額と、実店舗Aを識別する情報とを示す決済情報をサーバ装置301へと送信する。このような場合、サーバ装置301は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、実店舗Aの口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移行させ、実店舗Aの店舗端末あるいは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0021】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者Uが予め電子マネーをチャージした口座から実店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者Uが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、サーバ装置301は、実店舗Aの口座に対して決済額の電子マネーを送金するとともに、利用者Uのクレジットカードの運用会社に対し、決済額を請求してもよい。
【0022】
ここで、従来、取引対象を提供する提供者(事業者)に対して課される各種の料金を管理する技術として、事業者の事業の運営に関する運営データ基づいて、事業者に提示する融資可能額又は利率を含む評価情報を算出する技術が知られている。しかしながら、このような技術では、事業者の融資可能額や利率が算出できるだけであり、プラットフォームの利用に応じた料金を算出しているとはいえない。
【0023】
そこで、情報提供装置10は、実施形態に係る設定処理を実行する。以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する設定処理について説明する。なお、以下の説明では、利用者端末100が、利用者Uによって利用されるものとする。また、以下の説明では、利用者からの決済を受け付けるための決済手段として、サーバ装置301が提供する電子決済サービス(以下、単に「電子決済サービス」と記載する場合がある)を利用する提供者により管理される提供者端末201及び202(以下、「提供者端末200」と総称する場合がある)を設定システム1が有するものとする。なお、設定システム1には、任意の数の利用者端末100及び提供者端末200が含まれてよい。
【0024】
また、以下の説明において、利用者端末100を利用者Uと同一視し、提供者端末200を提供者及び提供者が管理する店舗(実店舗)と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者端末100を利用者Uと読み替え、提供者端末200を実店舗及び提供者と読み替えることができる。
【0025】
まず、情報提供装置10は、提供者に関する提供者情報を取得する(ステップSa1)。例えば、情報提供装置10は、電子決済サービスを利用して利用者から受け付けた決済の金額(売上)を含む提供者情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、曜日や時間帯ごと(例えば、平日昼(平日の10~17時の時間帯)、平日夜(平日の17時~2時の時間帯)など)の売上を示す売上状況を含む提供者情報を、提供者端末200やサーバ装置301から取得する。
【0026】
続いて、情報提供装置10は、取得した提供者情報に基づいて、電子決済サービスにおける決済手数料の料率を、各実店舗に対して設定する(ステップSa2)。例えば、情報提供装置10は、各曜日や各時間帯において電子決済サービスを利用して利用者からの決済を受け付ける際に実店舗に対して課される決済手数料の料率を、対応する曜日や時間帯の売上状況に応じて設定する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、平日昼よりも平日夜の売上が高い実店舗A(提供者端末201を利用する提供者M1が管理する店舗)に対しては、平日昼に利用者から受け付ける決済に対して課される決済手数料の料率よりも、平日夜に利用者から受け付ける決済に対して課される決済手数料の料率を高く設定する。また、情報提供装置10は、平日夜よりも平日昼の売上が高い実店舗B(提供者端末201を利用する提供者M2が管理する実店舗)に対しては、平日夜に利用者から受け付ける決済に対して課される決済手数料の料率よりも、平日昼に利用者から受け付ける決済に対して課される決済手数料の料率を高く設定する。
【0027】
続いて、サーバ装置301は、利用者Uの電子決済に関する処理を実行する(ステップSa3)。例えば、利用者Uは、上述したQRコード(登録商標)等を用いた決済手法により、各実店舗にて各種の商品やサービスといった取引対象の利用や購入に伴う決済に関する決済情報を、サーバ装置301に送信する。そして、サーバ装置301は、上述したQRコード(登録商標)等を用いた決済手法により、利用者の電子決済に関する処理を実行する。
【0028】
続いて、情報提供装置10は、電子決済を用いた決済に関する決済情報をサーバ装置301から取得する(ステップSa4)。例えば、情報提供装置10は、利用者Uから受け付けた決済情報をサーバ装置301から取得する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者Uが実店舗において提供された取引対象、当該取引対象を提供する実店舗を示す情報(実店舗ID)、電子決済を行った日時(決済日時)、決済額などといった情報を含む決済情報を取得する。
【0029】
続いて、情報提供装置10は、実店舗に対して設定した料率及び決済情報に基づいて、決済手数料を設定する(ステップSa5)。例えば、情報提供装置10は、ステップSa4において取得した決済情報が示す決済日時と、実店舗IDとに基づいて、利用者Uから受け付けた決済に対して適用される決済手数料の料率を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した料率と、決済情報が示す決済額とに基づいて、実店舗に課される決済手数料を設定する。
【0030】
続いて、情報提供装置10は、設定した決済手数料をサーバ装置301に通知する(ステップSa6)。例えば、情報提供装置10は、決済情報を示す情報と共に、当該決済情報が示す決済に関して実店舗に課される決済手数料を通知する。
【0031】
続いて、サーバ装置301は、決済手数料を実店舗に通知する(ステップSa7)。例えば、情報提供装置10は、決済手数料の通知を決済情報が示す実店舗に対して行うと共に、決済額から決済手数料を差し引いた額の電子マネーを当該実店舗の口座に送金する。
【0032】
以上のように、第1の実施形態に係る情報提供装置10は、提供者の売上状況に応じて、提供者に課す決済手数料を設定する。これにより、第1の実施形態に係る情報提供装置10は、提供者が提供する取引対象の需給のバランスに応じて決済手数料を変動させるため、例えば、取引対象の需要が高く、提供者が繁忙期である場合、言い換えると、上述したQRコード(登録商標)等を用いた決済手法を利用し、利用者からの支払いに関する店舗側のオペレーションを簡略化することで店舗内の顧客の回転率を向上させたいと提供者が希望する場合には、決済手数料を高く設定することができる。すなわち、第1の実施形態に係る情報提供装置10は、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される料金を適切に設定できる。
【0033】
〔1-2.第2の実施形態における設定処理の一例〕
なお、提供者が利用するプラットフォームは、第1の実施形態に示した決済手段に関するものに限られない。ここで、図2を用いて、本実施形態の設定装置等により実現される第2の実施形態に係る設定処理について説明する。図2は、第2の実施形態に係る設定処理の一例を示す図である。
【0034】
図2に示すように、実施形態に係る設定システム2は、情報提供装置10と、利用者端末100と、提供者端末200と、サーバ装置302とを含む。情報提供装置10、利用者端末100、提供者端末200及びサーバ装置302は、ネットワークN(例えば、図3参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWANである。なお、図2に示した設定システム2には、複数台の情報提供装置10、複数台の利用者端末100、複数台の提供者端末200及び複数台のサーバ装置302が含まれていてもよい。
【0035】
図2に示す情報提供装置10は、図1に示す設定システム1と同様の構成であるため、説明を省略する。また、図2に示す利用者端末100及び提供者端末200は、サーバ装置302により配信される情報を表示する点を除き、図1に示す設定システム1と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0036】
図2に示すサーバ装置302は、電子商取引サービスを提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。ここで、サーバ装置302が提供する電子商取引サービスは、インターネットを介して商品を販売する複数のストアの商品販売ページを一つのサービスにまとめて、様々な商品を販売する、いわゆる電子商店街(あるいは電子モール)と称されるサービスである。なお、サーバ装置302は、電子商取引サービスを運営する事業者によって管理される。また、以下では、サーバ装置302が提供する電子商取引サービスの名称を「電子商取引サービスEC1」と記載する。
【0037】
以下、図2を用いて、情報提供装置10が実行する設定処理について説明する。なお、以下の説明では、利用者端末100が、利用者Uによって利用されるものとする。また、以下の説明では、電子商取引サービスEC1にストアを出店して電子商取引サービスEC1上で取引対象(商品)を提供する提供者により管理される提供者端末203及び204(以下、「提供者端末200」と総称する場合がある)を設定システム2が有するものとする。なお、設定システム2には、任意の数の利用者端末100及び提供者端末200が含まれてよい。
【0038】
また、以下の説明において、利用者端末100を利用者Uと同一視し、提供者端末200を提供者が電子商取引サービスEC1に出店するストア及び提供者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者端末100を利用者Uと読み替え、提供者端末200をストア及び提供者と読み替えることができる。
【0039】
まず、情報提供装置10は、提供者に関する提供者情報を取得する(ステップSb1)。例えば、情報提供装置10は、電子商取引サービスEC1上のストアにおいて各提供者が提供する商品の売上状況を含む提供者情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、曜日や時間帯ごと(例えば、平日昼(平日の10~17時の時間帯)、平日夜(平日の17時~2時の時間帯)など)ごとの商品の売上を示す売上状況を含む提供者情報を、提供者端末200やサーバ装置302から取得する。
【0040】
続いて、情報提供装置10は、取得した提供者情報に基づいて、電子商取引サービスEC1上での商品の販売に対する販売手数料の料率を、各ストアに対して設定する(ステップSb2)。例えば、情報提供装置10は、各曜日や各時間帯における商品の販売に対してストアに課される販売手数料の料率を、対応する曜日や時間帯の売上状況に応じて設定する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、平日昼よりも平日夜の売上が高いストアC(提供者端末203を利用する提供者M3が出店(管理)するストア)に対しては、平日昼における商品の販売に対して課される販売手数料の料率よりも、平日夜における商品の販売に対して課される販売手数料の料率を高く設定する。また、情報提供装置10は、ストアCよりも売上が低いストアD(提供者端末204を利用する提供者M4が出店するストア)に対しては、ストアDに対して設定される料率よりも低い料率を設定する。
【0041】
続いて、サーバ装置302は、利用者Uからの商品の購入要求を受け付ける(ステップSb3)。例えば、利用者端末100は、サーバ装置302にアクセスして電子商取引サービスEC1に出店するストアが提供する商品に関する商品情報を表示し、利用者Uが購入操作を行った商品の購入要求をサーバ装置302に送信する。
【0042】
続いて、情報提供装置10は、商品の販売に関する販売情報をサーバ装置302から取得する(ステップSb4)。例えば、情報提供装置10は、利用者Uから受け付けた購入要求に対応する商品の販売情報をサーバ装置302から取得する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者Uが購入操作を行った商品、当該商品を提供するストアを示す情報(ストアID)、購入操作を行った日時(購入日時)、当該商品の販売額などといった情報を含む販売情報を取得する。
【0043】
続いて、情報提供装置10は、ストアに対して設定した料率及び販売情報に基づいて、販売手数料を設定する(ステップSb5)。例えば、情報提供装置10は、ステップSb4において取得した販売情報が示す購入日時と、ストアIDとに基づいて、利用者Uへの商品の販売に対して適用される販売手数料の料率を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した料率と、販売情報が示す商品の販売額とに基づいて、電子商取引サービスEC1上での利用者Uに対する商品の販売に関してストアに課される販売手数料を設定する。
【0044】
続いて、情報提供装置10は、設定した販売手数料をサーバ装置302に通知する(ステップSb6)。例えば、情報提供装置10は、販売情報を示す情報と共に、当該販売情報が示す商品の販売に関してストアに課される販売手数料を通知する。
【0045】
続いて、サーバ装置302は、販売手数料をストアに通知する(ステップSb7)。例えば、情報提供装置10は、商品の購入代金(販売額)の決済処理(例えば、第1の実施形態における電子決済サービスを用いた利用者Uからの入金の確認処理、入金があった場合のストアへの通知処理など)を行うと共に、当該商品に対応する販売手数料を、当該商品の提供元であるストアに通知する。
【0046】
以上のように、第2の実施形態に係る情報提供装置10は、電子商取引サービス上での各提供者の売上状況に応じて、各提供者に課す販売手数料を設定する。これにより、第2の実施形態に係る情報提供装置10は、提供者が提供する取引対象の需給のバランスや、提供者の売上の規模に応じて販売手数料を変動するため、例えば、電子商取引サービスに新規に出店した提供者、言い換えると、売上の規模がまだ小さい提供者に対しては、販売手数料を低く設定することにより、電子商取引サービスでの取引を支援することができる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される料金を適切に設定できる。
【0047】
また、実施形態に係る情報提供装置10は、第1の実施形態における利用者端末100を用いた上述の決済手法による決済の決済手数料や、第2の実施形態における販売手数料(コマース手数料)のみならず、各種電子マネーやクレジットカードなどを用いた電子決済の決済手数料、広告売上、情報掲載料、金融収益(金利)などといった各種プラットフォームと対応する手数料のダイナミック化(需給のバランスに合わせた手数料の変動)、リアルタイム化(マネタイズの条件に当てはめ手数料をタイムリーに変動)、及びパーソナライズ化(提供者(受益者)のステータスに合わせた手数料の変動)を図ることができる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、各種手数料のダイナミック化、リアルタイム化、及びパーソナライズ化を図り、最適な手数料/料率を設定し、適用することで、各プラットフォームの利用を促進することができる。
【0048】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0049】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、提供者端末200、サーバ装置300(例えば、図1に示すサーバ装置301や、図2に示すサーバ装置302)等との間で情報の送受信を行う。
【0050】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部30は、提供者データベース31と、プラットフォーム情報データベース32と、対価データベース33とを有する。
【0051】
(提供者データベース31について)
提供者データベース31は、提供者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図4を用いて、提供者データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る提供者データベースの一例を示す図である。図4の例において、提供者データベース31は、「提供者ID」、「取引対象情報」、「提供履歴」といった項目を有する。
【0052】
「提供者ID」は、提供者を識別するための識別情報を示す。「取引対象情報」は、提供者が利用者に提供する取引対象に関する情報を示す。「提供履歴」は、提供者が利用者取引対象を提供した履歴を示し、「日時」、「提供先」、「取引対象」、「決済手段」といった項目を有する。「日時」は、提供者が取引対象を利用者に提供した日時を示す。「提供先」は、提供者が取引対象を提供した利用者を示す。「取引対象」は、提供者が利用者に提供した取引対象を示す。「決済手段」は、提供者が利用者から決済を受け付ける際に利用した決済手段(例えば、現金や、各種プラットフォームが提供する決済手段)を示す。
【0053】
すなわち、図4では、提供者ID「MID#1」によって識別される提供者により提供される取引対象が「取引対象情報#1」であり、当該提供者が、日時「日時#1」において提供先「利用者#1」に対し取引対象「取引対象#1」を提供し、決済手段「電子決済(PID#1)」を利用して利用者から決済を受け付けた例を示す。
【0054】
(プラットフォーム情報データベース32について)
プラットフォーム情報データベース32は、提供者が利用するプラットフォームに関する各種の情報を記憶する。ここで、図5を用いて、プラットフォーム情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係るプラットフォーム情報データベースの一例を示す図である。図5の例において、プラットフォーム情報データベース32は、「プラットフォームID」、「提供者」、「提供先」、「利用内容」といった項目を有する。
【0055】
「プラットフォームID」は、プラットフォームを識別するための識別情報を示す。「提供者」は、プラットフォームを利用して取引対象を提供した提供者を示す。「提供先」は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を提供した利用者を示す。「利用内容」は、プラットフォームの利用に関する情報を示し、例えば、プラットフォームを利用した日時、提供者と利用者との間の取引額(例えば、決済額、販売額)、取引対象などといった情報が含まれる。
【0056】
すなわち、図5では、プラットフォームID「PID#1」によって識別されるプラットフォームを提供者「MID#1」が利用して提供先「利用者#1」に取引対象を提供し、利用内容が「利用内容#1」である例を示す。
【0057】
(対価データベース33について)
対価データベース33は、プラットフォームの利用に対する対価に関する各種の情報を記憶する。ここで、図6を用いて、対価データベース33が記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る対価データベースの一例を示す図である。図6の例において、対価データベース33は、「提供者ID」、「プラットフォーム」、「料率」、「適用条件」といった項目を有する。
【0058】
「提供者ID」は、提供者を識別するための識別情報を示す。「プラットフォーム」は、提供者が利用するプラットフォームを示す。「料率」は、プラットフォームの利用に対する対価の料率を示す。「適用条件」は、料率が適用される条件を示す。
【0059】
すなわち、図6では、提供者ID「MID#1」によって識別される提供者が、プラットフォーム「PID#1」を「平日昼」に利用した場合、対価の料率「10%」が適用される例を示す。
【0060】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図3に示すように、取得部41と、設定部42と、通知部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0061】
(取得部41について)
取得部41は、所定のプラットフォームを利用して取引対象を提供する提供者に関する提供者情報を取得する。例えば、取得部41は、提供者端末200やサーバ装置300から提供者情報を取得し、提供者データベース31及びプラットフォーム情報データベース32に格納する。
【0062】
また、取得部41は、提供者による取引対象の提供状況を含む提供者情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、日付や曜日、時間帯、天候ごとの取引対象の提供状況(売上状況)を取得する。
【0063】
また、取得部41は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を提供する場合の提供状況を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、電子決済サービスを利用して利用者から受け付けた決済の金額(売上)を示す売上状況を取得する。また、図2の例において、取得部41は、電子商取引サービスEC1上のストアにおいて各提供者が提供する商品の売上状況を取得する。
【0064】
また、取得部41は、提供者が取引対象を提供する利用者の属性を含む提供者情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、提供者がプラットフォームを介して取引対象を提供する利用者が新規顧客であるか、既存顧客(例えば、常連客)であるかを示す情報を取得する。具体的な例を挙げると、提供者が電子商取引サービス上のストアの管理者である場合、取得部41は、利用者の当該ストアの利用履歴(例えば、商品を購入した回数や、購入額の合計などといった、プラットフォーム情報データベース32に格納される情報)に基づいて決定される利用者の属性を取得する。また、提供者が実店舗の管理者である場合(言い換えると、提供者が電子決済サービスを用いて利用者からの決済を受け付ける場合)、取得部41は、利用者の当該実店舗の利用履歴(例えば、来店回数や、決済額の合計)に基づいて決定される利用者の属性を取得する。より具体的な例を挙げると、取得部41は、利用者の位置情報(例えば、利用者端末100が有する各種センサ(例えば、GPS(Global Positioning System)機能により検知した位置情報)に基づいて推定される来店回数や、提供者データベース31に格納される提供履歴などに基づいて決定される利用者の属性を取得する。
【0065】
また、取得部41は、プラットフォームを利用して利用者に取引対象を販売する提供者に関する提供者情報を取得してもよい。例えば、図2の例において、取得部41は、電子商取引サービスEC1に出店されるストアの管理者である提供者が、当該ストアにおいて提供する商品の売上状況を含む提供者情報を取得する。
【0066】
また、取得部41は、プラットフォームを利用して利用者に金融商品を販売する提供者に関する提供者情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、銀行代理業を提供するプラットフォームを利用して利用者に金融商品(例えば、預貯金、ローン、証券、保険、クラウドファンディング)を販売する金融機関(例えば、銀行、証券会社、保険会社)に関する提供者情報を取得する。
【0067】
また、取得部41は、所定の決済手段であって、取引対象が提供される利用者からの決済を受け付けるための決済手段を利用する提供者に関する提供者情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、サーバ装置301が提供する電子決済サービスを利用して利用者からの決済を受け付ける提供者に関する提供者情報を取得する。
【0068】
(設定部42について)
設定部42は、取得部41により取得された提供者情報に基づいて、プラットフォームの利用に対する対価を提供者に対して設定する。例えば、図1の例において、設定部42は、提供者データベース31及びプラットフォーム情報データベース32に格納された提供者情報に基づいて、電子決済サービスにおける決済手数料の料率を実店舗ごとに設定し、設定した料率を対価データベース33に格納する。そして、決済情報をサーバ装置301から取得した場合、設定部42は、対価データベース33を参照して決済情報に対応する料率を特定し、特定した料率と、決済情報が示す決済額とに基づいて、実店舗に課される決済手数料を設定する。
【0069】
また、設定部42は、提供状況に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、各提供者がそれぞれ提供する取引対象の提供状況に応じて、提供者ごとに異なる対価を設定する。
【0070】
ここで、提供者が提供する取引対象の需給のバランスに応じて、提供者に課す対価を低く設定したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者による取引対象の売上状況に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者データベース31を参照し、提供者による取引対象の売上が高い程料率を高く設定する。また、設定部42は、提供者による取引対象の売上が低い程料率を低く設定する。すなわち、設定部42は、提供者の繁忙期には料率を高く設定し、提供者の閑散期には料率を低く設定する。
【0071】
なお、設定部42は、提供者による取引対象の売上が低い程料率を高く設定し、提供者による取引対象の売上が高い程料率を低く設定してもよい。
【0072】
また、設定部42は、プラットフォームを利用する利用者の数に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、プラットフォームを利用する利用者の数が多い程料率を高く設定し、プラットフォームを利用する利用者の数が少ない程料率を低く設定する。すなわち、設定部42は、プラットフォームの繁忙期には料率を高く設定し、プラットフォームの閑散期には料率を低く設定する。なお、設定部42は、プラットフォームを利用する利用者の数が多い程料率を低く設定し、プラットフォームを利用する利用者の数が少ない程料率を高く設定してもよい。
【0073】
さらに、市況が低迷している場合、提供者に課す対価を低く設定することで、提供者の事業を支援したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者の種別と対応する市場における経済状況に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者の種別と対応する市場における取引規模が小さい程対価を低く設定する。具体的な例を挙げると、設定部42は、提供者が属する地域(例えば、提供者が所在する地域や、提供者が管理する実店舗が所在する地域)や、提供者が提供する取引対象に対応する市場などにおける取引規模が小さい程対価を低く設定する。また、設定部42は、提供者が属する地域や、提供者が提供する取引対象に対応する市場などにおける取引規模が高い程対価を高く設定する。
【0074】
なお、設定部42は、提供者の種別と対応する市場における取引規模が小さい程対価を高く設定し、提供者の種別と対応する市場における取引規模が高い程対価を低く設定してもよい。
【0075】
また、設定部42は、提供者による取引対象の売上状況、提供者の種別と対応する市場における経済状況の少なくともいずれか1つに応じて対価を設定してもよい。
【0076】
さらに、プラットフォームのニーズや、プラットフォームの利用度合に応じて、提供者に課す対価を設定したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数が高い程(言い換えると、プラットフォームのニーズが高い程)対価を高く設定する。
【0077】
なお、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数が高い程(言い換えると、プラットフォームの利用度合が高い程)対価を低く設定してもよい。
【0078】
また、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する期間に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する期間が長い程(言い換えると、プラットフォームの利用度合が高い程)対価を低く設定する。なお、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する期間が長い程対価を高く設定してもよい。
【0079】
さらに、プラットフォームへの提供者の誘因や、他のプラットフォームへの提供者の流出を防ぐことを目的として、提供者に課す対価を設定したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数が低い程(言い換えると、プラットフォームの利用度合が低い程)対価を低く設定してもよい。また、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する期間が短い程(言い換えると、プラットフォームの利用度合が低い程)対価を低く設定してもよい。
【0080】
なお、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数が低い程対価を高く設定し、提供者がプラットフォームを利用する期間が短い程対価を高く設定してもよい。
【0081】
また、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数、提供者がプラットフォームを利用する期間の少なくともいずれか1つに応じて対価を設定してもよい。
【0082】
さらに、プラットフォームを介して取引対象の提供を受ける利用者が、提供者にとって新規顧客であるか既存顧客であるか(すなわち、利用者の属性)に応じて、プラットフォームが寄与した送客に関する送客手数料を含めた対価を設定したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を利用者に提供する場合、当該利用者に対応する属性に応じて対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を提供する利用者が新規顧客である場合、送客手数料を含めた対価を設定する。
【0083】
なお、利用者が既存顧客である場合、対価を低く設定することで、提供者側から既存顧客に対してプラットフォームの継続的な利用を促しやすくしたいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を提供する利用者が既存顧客である場合、利用者が新規顧客である場合よりも低い対価(例えば、送客手数料を含まない対価)を設定してもよい。
【0084】
さらに、プラットフォームを介して取引対象が提供される際の各種状況に対応する対価を設定したいといった要望が考えられる。したがって、設定部42は、提供者情報に基づいて、取引対象が提供される際の日時に対応する対価を設定してもよい。例えば、図1の例において、設定部42は、曜日や時間帯ごとの売上を示す売上状況を含む提供者情報に基づいて、各曜日や各時間帯において電子決済サービスを利用して利用者からの決済を受け付ける際に、実店舗に対して課される決済手数料の料率を設定する。なお、設定部42は、分単位で示される日時に対応する対価を設定してもよい。
【0085】
また、設定部42は、提供者情報に基づいて、取引対象が提供される際の天候に対応する対価を設定してもよい。例えば、設定部42は、天候(例えば、晴れ、雨など)ごとの売上を示す売上状況を含む提供者情報に基づいて、各天候においてプラットフォームを利用して取引対象を提供する際に提供者に対して課される対価を設定する。
【0086】
なお、設定部42は、プラットフォームを利用して利用者が提供者に支払う金額(例えば、電子決済サービスにおける決済額や、電子商取引サービスにおける商品の販売額)が高い程対価を高く設定し、プラットフォームを利用して利用者が提供者に支払う金額が低い程対価を低く設定してもよい。
【0087】
また、設定部42は、提供者情報に基づいて、取引対象が提供される際の日時、取引対象が提供される際の天候の少なくともいずれか1つに対応する対価を設定してもよい。
【0088】
さらに、プラットフォームが電子商取引サービスである場合、当該プラットフォームを介して取引対象を販売した対価(販売手数料)を設定する場合が想定される。したがって、設定部42は、取引対象の販売の手数料である販売手数料を提供者に対して設定してもよい。例えば、図2の例において、設定部42は、電子商取引サービスEC1上での商品の販売に対する販売手数料の料率を、各ストアに対して設定する。
【0089】
さらに、プラットフォームを介して金融商品を販売する場合が想定される。したがって、設定部42は、金融商品の販売の手数料である販売手数料を提供者に対して設定してもよい。例えば、設定部42は、銀行代理業を提供するプラットフォームにおいて販売される金融商品の販売手数料の料率を、当該プラットフォームを利用する金融機関に対して設定する。具体的な例を挙げると、設定部42は、利用者の口座間の送金がプラットフォーム(例えば、ネットワークバンキング)を介して行われる場合、銀行が利用者から取得する手数料の一部を、当該プラットフォームの利用に対する対価として設定する。
【0090】
さらに、プラットフォームが電子決済サービスである場合、当該プラットフォームを利用して利用者からの決済を受け付けた提供者に対する対価(決済手数料)を設定する場合が想定される。したがって、設定部42は、提供者と利用者との間の決済の手数料である決済手数料を提供者に対して設定してもよい。例えば、図1の例において、設定部42は、電子決済サービスを利用して利用者からの決済を受け付ける際に実店舗に対して課される決済手数料の料率を設定する。
【0091】
なお、設定部42は、上記の処理を複数組み合わせ、プラットフォームの利用に対する対価を提供者に対して設定してもよい。例えば、設定部42は、提供者による取引対象の売上状況、提供者の種別と対応する市場における経済状況、並びに、提供者がプラットフォームを利用する回数に基づいて、取引対象が提供される際の日時に対応する対価を設定してもよい。
【0092】
(通知部43について)
通知部43は、設定部42が提供者に対して設定した対価に関する情報を通知する。例えば、図1の例において、通知部43は、決済情報が示す決済に関して実店舗に課される決済手数料を、サーバ装置301に通知する。
【0093】
〔3.設定処理のフロー〕
ここで、図7を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の設定処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
図7に示すように、情報提供装置10は、取引対象を利用者に提供する提供者に関する提供者情報を取得する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、提供情報に基づいて、プラットフォームの利用に対する手数料の料率を設定する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、利用者に対して取引対象の提供する際、提供者がプラットフォームを利用したか否かを判定する(ステップS103)。プラットフォームを利用していない場合(ステップS103;No)、情報提供装置10は、提供者がプラットフォームを利用するまで待機する。
【0095】
一方、プラットフォームを利用した場合(ステップS103;Yes)、情報提供装置10は、プラットフォームの利用内容と、設定した料率とに応じて、提供者に課金する手数料を設定する(ステップS104)。続いて、情報提供装置10は、設定した手数料を、プラットフォームを提供するサーバ装置に通知し(ステップS105)、処理を終了する。
【0096】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0097】
〔4-1.プラットフォームについて〕
上述の実施形態では、プラットフォームが電子決済サービスや電子商取引サービスである例を示したが、プラットフォームはこのような例に限定されず、各種の商品やサービス、コンテンツなどを提供するのであれば、どのようなものであってもよい。一例を挙げると、プラットフォームは、クラウドファンディングサービスを提供するものであってもよい。この場合、設定部42は、クラウドファンディングの実行者に関する情報に基づいて、クラウドファンディングサービスの利用に対して実行者に課される対価(例えば、クラウドファンディングにより集まった金額に応じて発生する手数料)を設定する。
【0098】
〔4-2.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0099】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0100】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0101】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、設定部42と、通知部43とを有する。取得部41は、所定のプラットフォームを利用して取引対象を提供する提供者に関する提供者情報を取得する。また、取得部41は、提供者による取引対象の提供状況を含む提供者情報を取得する。設定部42は、取得部41により取得された提供者情報に基づいて、プラットフォームの利用に対する対価を提供者に対して設定する。また、設定部42は、提供状況に応じて対価を設定する。通知部43は、設定部42が提供者に対して設定した対価に関する情報を通知する。
【0102】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、提供者が提供する取引対象の需給のバランスなどによって変化するプラットフォームのニーズに応じて対価を変動させるため、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される対価を適切に設定できる。
【0103】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、設定部42は、提供者による取引対象の売上状況、提供者の種別と対応する市場における経済状況の少なくともいずれか1つに応じて対価を設定する。また、取得部41は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を提供する場合の提供状況を取得する。また、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用する回数、提供者がプラットフォームを利用する期間の少なくともいずれか1つに応じて対価を設定する。また、取得部41は、提供者が取引対象を提供する利用者の属性を含む提供者情報を取得する。そして、設定部42は、提供者がプラットフォームを利用して取引対象を利用者に提供する場合、当該利用者に対応する属性に応じて対価を設定する。また、設定部42は、提供者情報に基づいて、取引対象が提供される際の日時、取引対象が提供される際の天候の少なくともいずれか1つに対応する対価を設定する。
【0104】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、市況や、プラットフォームのニーズ、取引対象を提供する際の提供者や利用者の状況に応じて、提供者に課す対価を設定するため、プラットフォームの利用に応じて提供者に対して課される対価を適切に設定できる。
【0105】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、取得部41は、プラットフォームを利用して利用者に取引対象を販売する提供者に関する提供者情報を取得する。そして、設定部42は、取引対象の販売の手数料である販売手数料を提供者に対して設定する。また、取得部41は、プラットフォームを利用して利用者に金融商品を販売する提供者に関する提供者情報を取得する。そして、設定部42は、金融商品の販売の手数料である販売手数料を提供者に対して設定する。また、取得部41は、所定の決済手段であって、取引対象が提供される利用者からの決済を受け付けるための決済手段を利用する提供者に関する提供者情報を取得する。そして、設定部42は、提供者と利用者との間の決済の手数料である決済手数料を提供者に対して設定する。
【0106】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各種のプラットフォームを利用する提供者に課される対価を設定することを可能とするため、プラットフォームの利用に対する対価を適切に設定できる。
【0107】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図8は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0108】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0109】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0110】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0111】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0112】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0113】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0114】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0115】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0116】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 提供者データベース
32 プラットフォーム情報データベース
33 対価データベース
40 制御部
41 取得部
42 設定部
43 通知部
100 利用者端末
200 提供者端末
300 サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8