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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20241106BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/383 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241106BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/342 101
H01M50/367
H01M50/383
H01M50/204 401F
H01M50/296
H01M50/298
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023150574
(22)【出願日】2023-09-15
(62)【分割の表示】P 2020572216の分割
【原出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2023161055
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2019025557
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】322003798
【氏名又は名称】パナソニックエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 知則
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】河村 和宏
(72)【発明者】
【氏名】澤田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】村山 智文
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-113896(JP,A)
【文献】特開2014-179235(JP,A)
【文献】国際公開第2007/039999(WO,A1)
【文献】特表2018-527704(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0090261(KR,A)
【文献】国際公開第2013/018283(WO,A1)
【文献】特開2017-152162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内圧が設定圧力よりも高くなると開弁する排出弁を備える複数の電池と、
前記電池を収納してなる外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、前記排出弁からの放出ガスを外部に排出するガスの衝突構造の排出路を備え、
前記排出路が、
前記排出弁からの放出ガスを表面に衝突させて流動方向を逆方向に逆転させる第1の衝突プレートと、
前記第1の衝突プレートと対向して配置してなる第2の衝突プレートとを備え、
前記排出弁から噴出される放出ガスが、前記第1の衝突プレートと前記第2の衝突プレートに衝突して前記外装ケースの外部に排出されるようにしており、
前記外装ケースが、
複数の電池を定位置に配置してなる電池ブロックを収納してなる電池収納スペースと、
前記電池収納スペースと外装ケース端部との間に設けてなるダクトスペースと、
前記電池ブロックにリード線を介して連結してなるコネクタと、
を有し、
前記ダクトスペースは、
前記排出路と、
前記排出路の排出側に設けられて、前記外装ケースに開口された排気開口を介して前記外装ケースの外部と連通された空間と、
を備え、
前記リード線は、前記排出路に配線されて、前記空間を介して前記コネクタに接続されることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載する電源装置であって、
前記外装ケースは端面を有する長手方向に細長い直方体形状に形成され、
長手方向の中央部を前記電池収納スペースとし、前記電池収納スペースと前記外装ケースの両端面との間にそれぞれ前記ダクトスペースを設けており、
各々の前記ダクトスペースは、それぞれ前記排出路を有し、
前記リード線は、各々の前記ダクトスペースの前記排出路にそれぞれ配線されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載する電源装置であって、
前記外装ケースは端面を有する長手方向に細長い直方体形状に形成され、
前記外装ケースの短手方向の両端部にそれぞれ前記排出路を有し、各排出路はそれぞれ前記第1の衝突プレートを含み、
前記第1の衝突プレート同士は、前記外装ケースの短手方向の中央に間隔を空けて配置されており、
前記リード線が前記外装ケースの短手方向の両端部にそれぞれ有する前記排出路の少なくとも一方に配置されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載する電源装置であって、
前記排出路の流入側に設けてなる流入ダクトと、
前記排出路の排出側に設けてなる排出ダクトとを備え、
前記流入ダクトを通過した放出ガスが前記第1の衝突プレートの表面に衝突され、
前記第2の衝突プレートに衝突した放出ガスが前記排出ダクトから前記外装ケースの外部に排出されるようにしており、
前記コネクタが前記ダクトスペースを閉塞してなる前記外装ケースに固定されて、
前記リード線が前記ダクトスペースに設けてなる前記排出路の前記流入ダクトと前記排出ダクトに配置されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載する電源装置であって、
前記排出路が、
前記第1の衝突プレートに衝突して方向転換した放出ガスを前記第2の衝突プレートに案内する反射ダクトと、
前記第1の衝突プレートに固定され、かつ前記排出ダクト内に配置されて、放出ガスの流動方向に伸びる第1のガイドプレートと、
前記流入ダクトと前記反射ダクトとを区画してなる第2のガイドプレートとを備え、
前記第1のガイドプレートの端縁と前記第2の衝突プレートとの間と、
前記第2のガイドプレートの端縁と前記第1の衝突プレートとの間に、配線隙間を設けており、
前記第1のガイドプレートの前記第2の衝突プレートとの対向縁と、
前記第2のガイドプレートの前記第1の衝突プレートとの対向縁が、金属板をU曲してなり、
前記配線隙間に前記リード線が配置されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載する電源装置であって、
前記第2のガイドプレートと前記第1のガイドプレートとの間にサブプレートを配置しており、
前記サブプレートは、前記第1のガイドプレート及び前記第2のガイドプレートよりも低く、前記第1の衝突プレートと前記第2の衝突プレートと前記第2のガイドプレートと前記第1のガイドプレートの上側の開口部を閉塞する閉塞プレートとの間に上縁隙間を設けて、前記上縁隙間を配線隙間としており、
前記サブプレートの前記閉塞プレートとの対向縁が、金属板をU曲してなり、
前記配線隙間に前記リード線が配置されてなることを特徴とする電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外装ケースに電池を内蔵している電源装置に関し、とくに、内圧が設定圧力よりも高くなると開弁する排出弁を有する電池を外装ケースに内蔵する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内圧が設定圧力よりも高くなると開弁する排出弁を設けた二次電池は、内圧が異常に上昇する状態で排出弁を開いて安全性を向上できる。この電池を外装ケースに内蔵する電源装置は、排出弁から排出される放出ガスを外装ケースの外部に安全に排出することが大切である。とくに、非水系の電解液を使用する二次電池は、電解液が気化した高温のガスが外装ケース外部に放出される。また、同時に外装ケースの外部に火花を放出する等の弊害が発生する。これにより、外装ケース外部に放出された高温のガスが外装ケースの外側で滞留し、かつ外装ケース外部に放出された火花により、外装ケース外部で発火する等の弊害が発生する。電池の排出弁から噴出される放出ガスを外装ケースの外部に排出するために、放出ガスの通路に多孔板を配置する電源装置は開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-152162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電源装置は、排出弁から排出される高温の放出ガスを多孔板に通過させてケースの外部に排出するが、この構造では、放出ガスの温度を安全な温度まで低下できず、安全に外装ケースの外部に放出できない欠点がある。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の大切な目的は、簡単で安価に多量生産できる構造で、放出ガスの温度を低くし、かつ、外装ケース外に火花が放出されるのを抑制して、放出ガスが火花により発火することを防止でき、安全性を改善できる電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の電源装置は、内圧が設定圧力よりも高くなると開弁する排出弁を備える複数の電池1と、電池1を収納してなる外装ケース2とを備えている。外装ケース2は、排出弁からの放出ガスを外部に排出するガスの衝突構造の排出路4を備え、衝突構造の排出路4が、排出弁から噴出される放出ガスを表面に衝突させて流動方向を逆方向に逆転させる第1の衝突プレート11と、第1の衝突プレート11と対向して配置してなる第2の衝突プレート12とを備え、排出弁から噴出される放出ガスが、第1の衝突プレートと第2の衝突プレートに衝突して外装ケースの外部に排出されるようにしている。外装ケース2は、複数の電池1を定位置に配置してなる電池ブロック10を収納してなる電池収納スペース5と、電池収納スペース5と外装ケース端部との間に設けてなるダクトスペース6と、電池ブロック10にリード線7を介して連結してなるコネクタ8とを有し、ダクトスペース6は、排出路4と、排出路4の排出側に設けられて外装ケース2に開口された排気開口29を介して外装ケース2の外部と連通された空間とを備え、リード線7は排出路4に配線されて、空間を介してコネクタ8に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電源装置は、簡単で安価に多量生産できる構造としながら、排出弁から排出される高温の放出ガスの温度を低下し、外装ケース外に火花が放出されるのを抑制して、安全性を向上できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置の斜視図である。
図2図1に示す電源装置の分解斜視図である。
図3図2に示す電源装置の内部構造を示す平面図である。
図4図3に示す電源装置の拡大平面図である。
図5図4に示す電源装置の排出路の構造を示す拡大斜視図である。
図6図1に示す電源装置の排出路の構造を示す拡大断面斜視図であって、図1におけるVI-VI線断面に相当する断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0010】
本発明の第1の発明の電源装置は、内圧が設定圧力よりも高くなると開弁する排出弁を備える複数の電池と、電池を収納してなる外装ケースとを備えている。外装ケースは、排出弁からの放出ガスを外部に排出するガスの衝突構造の排出路を備え、衝突構造の排出路が、排出弁から噴出される放出ガスを表面に衝突させて流動方向を逆方向に逆転させる第1の衝突プレートと、第1の衝突プレートと対向して配置してなる第2の衝突プレートとを備え、排出弁から噴出される放出ガスが、第1の衝突プレートと第2の衝突プレートに衝突して外装ケースの外部に排出されるようにしている。
【0011】
以上の電源装置は、放出ガスを外部に排出する排出路に、排出弁から噴出されて高速流動する高温の放出ガスを表面に衝突させて流動方向を逆方向に逆転させる第1の衝突プレートを配置し、さらに第1の衝突プレートと対向する位置に第2の衝突プレートを配置して、第1の衝突プレートで方向転換させた放出ガスを第2の衝突プレートの表面に衝突させて外部に排気する。この独特の構造の電源装置は、高温で高速流動する放出ガスを第1の衝突プレートに衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーの両方を吸収させ、さらに、第2の衝突プレートに衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを吸収させてケースの外部に排気する。第1の衝突プレートと第2の衝突プレートで熱エネルギーと運動エネルギーの両方が吸収されてケース外に排気される放出ガスは、温度が低下するのでケース外の空気に接触して発火する等の弊害を抑制でき、さらに運動エネルギーも小さくなって勢いよく噴出されることがないので、排出弁が開弁する状態においても、高い安全性を確保できる特徴がある。とくに、第1の衝突プレート及び第2の衝突プレートは、表面に放出ガスを衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを低減するので、放出ガスの熱エネルギーを効率よく衝突プレートに伝導して吸収でき、さらに、衝突して流動方向を逆転させるので、運動エネルギーも効率よく減衰できる。
【0012】
さらに、以上の電源装置は、電池の排出弁から火花を排出する状態にあっても、第1の衝突プレート及び第2の衝突プレートに衝突することで、直進する火花の経路を断つことができ、衝突プレートへの衝突により、火花の温度を低下させ、火花自身を消滅させることができる。したがって、電解液が気化した高温ガスが外装ケース外部に滞留したとしても、火種となる火花が外装ケースから排出されないため、発火することなく、安全性が向上する。
【0013】
本発明の第2の発明の電源装置は、排出路の流入側に設けてなる流入ダクトと、排出路の排出側に設けてなる排出ダクトとを備え、流入ダクトを通過した放出ガスが第1の衝突プレートの表面に衝突し、第2の衝突プレートに衝突した放出ガスが排出ダクトから外装ケースの外部に排出されるようにしている。
【0014】
以上の電源装置は、放出ガスを流入ダクトに案内して第1の衝突プレートに衝突させるので、高速流動する放出ガスを効率よく第1の衝突プレートに衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを効率よく低減してケース外に排気できる。
【0015】
本発明の第3の発明の電源装置は、排出路が、第1の衝突プレートに衝突して方向転換した放出ガスを第2の衝突プレートに案内する反射ダクトと、流入ダクトと反射ダクトとを区画してなる第2のガイドプレートとを備えている。
【0016】
以上の電源装置は、第1の衝突プレートで流動方向の逆転された放出ガスを反射ダクトに案内し、さらに流入ダクトと反射ダクトとを第2のガイドプレートで区画しているので、第1の衝突プレートに衝突して高速流動する放出ガスを効率よく第2の衝突プレートに衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを効率よく低減してケース外に排気できる。
【0017】
本発明の第4の発明の電源装置は、第1の衝突プレートに固定され、かつ排出ダクト内に配置されて、放出ガスの流動方向に伸びる第1のガイドプレートを備え、第1のガイドプレートが、第1の衝突プレートに衝突して方向転換した放出ガスを第2の衝突プレートに案内している。
【0018】
以上の電源装置は、第1の衝突プレートで流動方向の逆転された放出ガスを、第2のガイドプレートと第1のガイドプレートで反射ダクトに案内して第2の衝突プレートに衝突させるので、高速流動する放出ガスを効率よく第2の衝突プレートに衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを効率よく低減してケース外に排気できる。
【0019】
本発明の第5の発明の電源装置は、第2のガイドプレートと第1のガイドプレートとの間にサブプレートを配置しており、サブプレートが、第1の衝突プレートとの間に放出ガスを通過させる上下隙間を設けている。
【0020】
本発明の第6の発明の電源装置は、第1の衝突プレートと、第2の衝突プレートと、第2のガイドプレートと、第1のガイドプレートの上側の開口部が閉塞され、サブプレートの上縁と外装ケースとの間に上縁隙間を設けている。
以上の電源装置は、第1の衝突プレートに衝突した流動方向の逆転された放出ガスを、サブプレートで分割して第2の衝突プレートに衝突できる。
【0021】
本発明の第7の発明の電源装置は、第1の衝突プレートと、第2の衝突プレートと、第2のガイドプレートと、第1のガイドプレートと、サブプレートを金属板としている。
以上の電源装置は、第1の衝突プレートと第2の衝突プレートと第2のガイドプレートと第1のガイドプレートを金属板とするので、放出ガスを第1の衝突プレートと第2の衝突プレートの表面に衝突させて熱エネルギーを効率よく吸収でき、さらに放出ガスを第1のガイドプレートと第2のガイドプレートに沿って高速流動させて、第1のガイドプレートと第2のガイドプレートにも熱エネルギーを効率よく吸収できる特徴がある。
【0022】
本発明の第8の発明の電源装置は、外装ケースに複数の排出路を設けている。
以上の電源装置は、外装ケースに設けた複数の排出路から放出ガスをケース外に排気することで、外装ケースの各部位に配置する排出弁から噴出させる放出ガスを速やかにケース外に排気できる特徴がある。
【0023】
本発明の第9の発明の電源装置は、外装ケースが横幅(W)よりも長さ(L)の長い直方体で、長手方向の両端部に排出路を設けている。
以上の電源装置は、外装ケースのいずれの端部に設けた電池の排出弁から放出ガスが排出される状態においても、細長い直方体の端部から速やかに放出ガスをケース外に排気できる特徴がある。
【0024】
本発明の第10の発明の電源装置は、外装ケースの各々の端部の両側に排出路を設けている。
以上の電源装置は、外装ケースの各々の端部の両側に排出路を設けているので、端部からより速やかに放出ガスをケース外に排気できる。
【0025】
本発明の第1の発明の電源装置は、外装ケースが、複数の電池を定位置に配置してなる電池ブロックを収納してなる電池収納スペースと、電池収納スペースと外装ケース端部との間に設けてなるダクトスペースとを有し、ダクトスペースに排出路を設けている。
【0026】
本発明の第11の発明の電源装置は、電池ブロックにリード線を介して連結してなるコネクタを備え、コネクタがダクトスペースを閉塞してなる外装ケースに固定されて、リード線をダクトスペースに設けてなる排出路の流入ダクトと排出ダクトに配置している。
【0027】
本発明の第12の発明の電源装置は、ダクトスペースに、リード線を配置してなる配線排出路と、リード線の配置されない非配線排出路とを設けている。
以上の電源装置は、配線排出路と非配線排出路とを外装ケースのダクトスペースに配置するので、配線排出路をリード線を配線スペースに併用して、リード線を電池を配置している電池の収納スペースからダクトスペースに配線できる特徴がある。
【0028】
本発明の第13の発明の電源装置は、配線排出路において、第1のガイドプレートの端縁と第2の衝突プレートとの間と、第2のガイドプレートの端縁と第1の衝突プレートとの間に配線隙間を設けており、第1のガイドプレートの第2の衝突プレートとの対向縁と、第2のガイドプレートの第1の衝突プレートとの対向縁が、金属板をU曲してなり、配線隙間にリード線が配置されている。
【0029】
以上の電源装置は、リード線が接触して表面が損傷されやすい領域に配置している第1のガイドプレート及び第2のガイドプレートの縁部をU曲形状とるすので、リード線が第1のガイドプレート及び第2のガイドプレートに接触して、表面の絶縁被覆が損傷されるのを防止できる特徴がある。
【0030】
本発明の第14の発明の電源装置は、非配線排出路において、第2のガイドプレートが第1の衝突プレートに固定され、第2のガイドプレートの下縁と外装ケースとの間に放出ガスの通過隙間を設けている。
【0031】
本発明の第15の発明の電源装置は、外装ケース内に、複数の電池を定位置に配置してなる電池ホルダーを配置しており、流入ダクトが、上下方向に伸びる縦長開口部を有している。
【0032】
以上の電源装置は、排出弁から噴出される高温の放出ガスで熱可塑性樹脂の電池ホルダーが溶融される状態で、放出ガスを確実にケース外に排気して高い安全性を確保できる特徴がある。それは、放出ガスを外部に案内する流入ダクトを上下方向に伸びる縦長開口部としているので、縦長開口部の下部が溶融した熱可塑性樹脂で詰まっても、上部の開口部から放出ガスを排気できるからである。
【0033】
本発明の第16の発明の電源装置は、配線排出路の流入ダクトに、上下方向に伸びる縦長開口部を設けている。
さらに、本発明の第17の発明の電源装置は、外装ケースが端面を有する長手方向に細長い直方体形状に形成され、ダクトスペースは外装ケースの短手方向の両端部にそれぞれ排出路を有し、各排出路はそれぞれ第1の衝突プレートを含み、第1の衝突プレート同士は、外装ケースの短手方向の中央に間隔を空けて配置されており、排出弁から排出されて各排出路を通過した放出ガスを、第1の衝突プレート同士の間に通過させて、排出路の排出側に設けられた空間に排出するようにしている。
さらに、本発明の第18の発明の電源装置は、外装ケースが端面を有する長手方向に細長い直方体形状に形成され、長手方向の中央部を電池収納スペースとし、電池収納スペースと外装ケースの両端面との間にそれぞれダクトスペースを設けており、各々のダクトスペースは、外装ケースの短手方向の両端部にそれぞれ排出路を有し、各排出路はそれぞれ第1の衝突プレートを含み、第1の衝突プレート同士は、外装ケースの短手方向の中央に間隔を空けて配置され、外装ケースの短手方向の端部に配置されている。
さらに、本発明の第19の発明の電源装置は、外装ケース端部を、外装ケースの端面に配置されて、複数の排気開口が開口された端面プレートで構成している。
【0034】
(実施の形態1)
図1ないし図3に示す電源装置100は、複数の充電できる電池1を外装ケース2に収納している。電池1は、排出弁を備える二次電池、好ましくはリチウムイオン電池等の非水系電解液二次電池である。非水系電解液二次電池は、重量と容積に対する充放電容量が大きいので、小形軽量化しながら充放電容量を大きくできる。ただ、本発明は、電池を非水系電解液二次電池に特定するものでなく、現在使用され、あるいはこれから開発される他の全ての二次電池が使用できる。電池1の排出弁は、内圧が設定圧力を越えると開弁する。排出弁は、内圧が設定圧力よりも高くなる状態で開弁して、電池ケースの破裂を防止する。排出弁は異常な状態で開弁し、ガスや火花を放出する。放出弁から放出される放出ガスは、温度が高く、しかも短時間に勢いよく噴出される。リチウムイオン電池は、開弁する排出弁から排出される放出ガスの温度が極めて高く、数百度よりも高くなる。放出ガスは、高温状態で外装ケース2の外部に排出されると、自己発火して安全性を阻害するおそれがある。また、放出ガスの温度が低下して、自己発火する危険性がなくても、排出弁から排出される火花等の引火源が存在すると、この引火源を起点として、外装ケース外部に放出されたガスが発火して安全性を阻害するおそれがある。
【0035】
電池1はプラスチック製の電池ホルダー3で定位置に配置されて、外装ケース2に収納している。電池ホルダー3は、電池1を定位置に配置する嵌合部を有する形状に、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の熱可塑性樹脂を成形している。電池ホルダー3は、排出弁の開口部を閉塞しない形状に成形される。電池ホルダー3で定位置に配置された電池1は、電極端子にリード板(図示せず)を接続して直列や並列に接続して電池ブロック10としている。電池ブロック10は、電池1の保護回路などを実装する回路基板(図示せず)に接続され、さらに、外装ケース2に固定しているコネクタ8にリード線7を介して接続している。図1図3の電源装置100は、外装ケース2を細長い直方体とするので、電池ブロック10は、外装ケース2の内部に収納できる外形の直方体としている。図3の電源装置100は、外装ケース2の中央部に電池ブロック10を収納している。
【0036】
外装ケース2は、電池1の排出弁からの放出ガスや火花を外部に排出するガスの排出路4を設けている。図の電源装置100は、横幅(W)よりも長さ(L)の長い直方体として、長手方向の両端部に排出路4を設けている。図2の外装ケース2は、横断面形状を上方開口のコ字状とする形状に形成された本体ケース2Xの両端を端面プレート2Zで閉塞すると共に、この本体ケース2Xの開口部を、横断面形状を下方開口のコ字状とする形状に形成された蓋ケース2Yで閉塞して、全体を直方体形状としている。この電源装置100は、細長い直方体の外装ケース2の長手方向の中央部を電池収納スペース5として電池ブロック10を配置して、電池収納スペース5と外装ケース端部との間をダクトスペース6として排出路4を設けている。さらに、図3に示す外装ケース2は、各々の端部に設けたダクトスペース6の両側に排出路4を設けて、外装ケース2の端部から速やかに放出ガスをケース外に排気できる構造としている。ダクトスペース6の両側に設けた排出路4は、図3図4に示すように、一方をリード線7を配置する配線排出路4Aとして、他方をリード線7を配置しない非配線排出路4Bとしている。
【0037】
排出路4は、図4図6に示すように、放出ガスを表面に衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを減衰させる衝突構造としている。衝突構造の排出路4は、排出弁から噴出される放出ガスを表面に衝突させて流動方向を逆方向に逆転させる第1の衝突プレート11と、第1の衝突プレート11と対向して配置されて、第1の衝突プレート11に衝突して方向転換した放出ガスを表面に衝突させる第2の衝突プレート12とを備える。この排出路4は、排出弁から噴出される放出ガスを、第1の衝突プレート11と第2の衝突プレート12に衝突させてケース外に排出する。
【0038】
また、衝突構造の排出路4の構造により、排出弁から放出される火花は、第1の衝突プレート11と、第1の衝突プレート11と対向して配置される第2の衝突プレート12に衝突する。直進する性質を持つ火花の直進経路が断たれ、衝突プレートに衝突することで、火花の温度が低下し、火花を消滅させることができる。したがって、火花が外装ケース2の外部に排出されることを防止することができる。これにより、外装ケース外部に排出されたガスに対して、火花が着火源となり、発火することを防止できる。
【0039】
排出路4は、放出ガスの流入側に流入ダクト16を設けて、排出側には排出ダクト18を設けている。流入ダクト16は、排出弁から噴出された放出ガスを排出路4に案内して、放出ガスを排出路4に高速流動させて第1の衝突プレート11の表面に衝突させる。流入ダクト16は、高速流動する放出ガスを効率よく第1の衝突プレート11に衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを効率よく低減して通過させる。排出ダクト18は、第2の衝突プレート12に衝突した放出ガスを広い容積に拡散し、放出ガスのエネルギーをさらに減衰させた後、外装ケース2の外部に排出する。
【0040】
さらに、図4図6の排出路4は、第1の衝突プレート11に衝突して方向転換した放出ガスを第2の衝突プレート12に案内する反射ダクト17と、流入ダクト16と反射ダクト17とを区画している第2のガイドプレート14とを設けている。第1の衝突プレート11で流動方向の逆転された放出ガスを反射ダクト17に案内し、さらに流入ダクト16と反射ダクト17とを第2のガイドプレート14で区画しているので、第1の衝突プレート11に衝突して高速流動する放出ガスを効率よく第2の衝突プレート12に衝突させて熱エネルギーと運動エネルギーを効率よく低減して、ケース外に火花を放出することなく排気できる。
【0041】
第1の衝突プレート11と第1のガイドプレート13は、1枚の金属板を曲げ加工して製作している。第1の衝突プレート11と第1のガイドプレート13とを連結しているコーナー部は、第1の衝突プレート11及び第1のガイドプレート13に対して約45度に傾斜する傾斜隅部19として、第1の衝突プレート11に衝突した放出ガスをスムーズに第2の衝突プレート12に案内する形状としている。第1のガイドプレート13は、放出ガスの流動方向に伸びる姿勢で、第2のガイドプレート14との間に反射ダクト17を形成して、第1の衝突プレート11に衝突して方向転換した放出ガスを第2の衝突プレート12に案内する。この構造の反射ダクト17は、第1の衝突プレート11で流動方向の逆転された放出ガスを、第2のガイドプレート14と第1のガイドプレート13の間に案内して第2の衝突プレート12に衝突させて、放出ガスのエネルギーを効率よく減衰させ、さらに、ケース外への火花の放出を抑制する。
【0042】
さらに、図5図6に示す排出路4は、第2のガイドプレート14と第1のガイドプレート13との間に、サブプレート15を配置している。第2のガイドプレート14と第1のガイドプレート13とサブプレート15は互いに平行な姿勢に配置されて、表面と平行な方向に放出ガスを案内する。サブプレート15は、片側の端縁(図4において左側の端縁)を第1の衝突プレート11から離しており、第1の衝突プレート11との間には放出ガスを通過させる上下隙間21を設けている。さらに、サブプレート15は、図6に示すように、第1のガイドプレート13と第2のガイドプレート14よりも低く、天板である閉塞プレート20との間に上縁隙間22を設けている。上縁隙間22は、配線排出路4Aにおいてはリード線7の配線隙間23とし、非配線排出路4Bにあっては放出ガスを通過させる。
【0043】
図6の断面斜視図に示す排出路4は、第1の衝突プレート11と、第2の衝突プレート12と、第2のガイドプレート14と、第1のガイドプレート13の上側を閉塞プレート20で閉塞して、下側を外装ケース2の本体ケース2Xの底板2Aで閉塞している。サブプレート15は下端を外装ケース2の底板2Aに固定して、上縁に上縁隙間22を設けている。上縁隙間22は、サブプレート15と閉塞プレート20との間に設けられて、ここにリード線7を配線し、あるいは放出ガスを通過させる隙間としている。配線排出路4Aのサブプレート15は、第1の衝突プレート11に衝突した放出ガスを両面に分割して第2の衝突プレート12に衝突させる。非配線排出路4Bに設けたサブプレート15は、第2のガイドプレート14と外装ケース2の底板2Aとの通過隙間24から流入した放出ガスを表面に衝突させて、上向きに流動する放出ガスを閉塞プレート20の下面に、水平方向に流動する放出ガスを第2の衝突プレート12に衝突させる。
【0044】
第1の衝突プレート11と、第2の衝突プレート12と、第2のガイドプレート14と、第1のガイドプレート13と、サブプレート15は金属板で製作される。金属板は、放出ガスに対して充分な強度を実現するために、厚さを約1mmとする鉄や鉄合金で製作される。金属板は、厚くして熱エネルギーを効率よく減衰できるが、厚すぎると重くなるので、好ましくは2.5mmよりも薄く、さらに好ましくは2mmよりも薄くする。反対に薄くして軽量化できるが、薄すぎると充分な強度を実現できず、また吸収する熱エネルギーも減少するので、好ましくは0.5mmよりも厚くする。衝突プレートとガイドプレートは、放出ガスの熱エネルギーを吸収して外装ケース2に熱伝導する。外装ケース2は、強度と熱伝導特性を考慮して、衝突プレートやガイドプレートよりも厚く、たとえば約1.5mmとする。厚い外装ケース2は、衝突プレートやガイドプレートから熱伝導される熱エネルギーを効果的に吸収し、放熱して放出ガスのエネルギーを速やかに減衰してケース外への火花の放出を抑制する。
【0045】
第1の衝突プレート11は、1枚の金属板を曲げ加工して、外装ケース2の本体ケース2Xの側板2Bの内面に固定される固定プレート25と、固定プレート25に直角に連結された第1の衝突プレート11と、第1の衝突プレート11に傾斜隅部19を介して連結された第1のガイドプレート13とに区画している。固定プレート25は第1の衝突プレート11よりも大面積で、かつ第1のガイドプレート13よりも大面積で、広い面積で外装ケース2の側面に密着状態に固定されて、第1の衝突プレート11が吸収する熱エネルギーを効率よく外装ケース2に熱伝導する。固定プレート25と第1のガイドプレート13は互いに平行姿勢に、第1の衝突プレート11は固定プレート及び第1のガイドプレート13に直交し、傾斜隅部19は第1の衝突プレート11と第1のガイドプレート13に対して45度に傾斜する姿勢に連結される。ダクトスペース6の両側に配置される配線排出路4Aと非配線排出路4Bに設けられる第1の衝突プレート11は、1枚の金属板をほぼ同じ形状に曲げ加工して製作されるが、配線排出路4A側に設けられる第1のガイドプレート13は、先端縁をU曲する形状に曲げ加工して、リード線7の外皮の損傷を防止する形状としている。
【0046】
第2の衝突プレート12は、1枚の金属板を曲げ加工して、ダクトスペース6の両側に配置される2つの第2のガイドプレート14を連結する形状とし製作される。この金属板はコ字状に曲げ加工されて、配線排出路4Aと非配線排出路4Bに設けられる一対の第2のガイドプレート14を連結プレート26で連結している。非配線排出路4B側に配置される第2のガイドプレート14は、先端縁を直角に曲げ加工して固定片14aを設けて、固定片14aを第1の衝突プレート11に固定して、下縁には外装ケース2の底板2Aとの間に放出ガスの通過隙間24を設けている。配線排出路4A側に配置される第2のガイドプレート14は、先端縁をU曲して、先端縁と第1の衝突プレート11との間に配線隙間23を設けると共に、下端と外装ケース2の底板2Aとの間に通過隙間24を設けている。U曲した先端縁は、リード線7に接触してリード線7の外皮の損傷を防止する。
【0047】
サブプレート15は、下端を外装ケース2の底板2Aに隙間なく固定しており、片側の端縁(図4において左側の端縁)と第1の衝突プレート11との間には、上下に伸びる上下隙間21を設けている。上下隙間21は反射ダクト17を流動する放出ガスを通過させる。
【0048】
図2の電源装置は、細長い外装ケース2の両端の端面プレート2Zに、放出ガスを外部に排気する排気開口29を設けている。排気開口29は排出ダクト18に流入する放出ガスをケース外に排気する。さらに、外装ケース2の端面プレート2Zは、コネクタ8を固定している。コネクタ8は、端面プレート2Zとの間に隙間ができないように固定される。コネクタ8は、電池ブロック10にリード線7を介して接続しており、電池ブロック10や外部機器に接続される。コネクタ8は、ワイヤーハーネス(図示せず)を介して外部の電気機器に接続される。
【0049】
リード線7は、リード線7をハンダ付けやカシメ構造で接続する接続端子をダクトスペース6に配置して、ダクトスペース6にリード線7を配線している。ダクトスペース6に配線されるリード線7は、放出ガスの熱に耐える耐熱チューブで被覆している。リード線7は、配線排出路4A側の流入ダクト16と排出ダクト18に配置される。リード線7は、第1のガイドプレート13の端縁と第2の衝突プレート12との間と、第1のガイドプレート13と第2のガイドプレート14の間と、第2のガイドプレート14の端縁と第1の衝突プレート11との間に設けた配線隙間23と流入ダクト16に配置される。リード線7は、放出ガスを外部に排気するために設けたガスの通路に配線されるので、従来の電源装置のように、ブッシュで外装ケース2を貫通させることなく配線できる。ただ、リード線7を配線する通路に放出ガスが流動するので、リード線7は放出ガスの通路に沿ってU曲して配置される。図4のリード線7は、第1のガイドプレート13と第2のガイドプレート14のU曲した端縁に沿ってU曲して配置されて、電池ブロック10をコネクタ8に接続している。
【0050】
以上の電源装置100は、電池1の排出弁から噴出される放出ガスを排出路4からケース外に排気する。放出ガスは、配線排出路4Aと非配線排出路4Bの両方からケース外に排気される。配線排出路4Aから排出される放出ガスは、電池収納スペース5からダクトスペース6に流入してケース外に排気される。ダクトスペース6に流入する放出ガスは、流入ダクト16を高速流動して第1の衝突プレート11に衝突して熱エネルギーと運動エネルギーを第1の衝突プレート11で減衰させた後、流動方向を逆転して反射ダクト17を流動して第2の衝突プレート12に衝突して、さらに熱エネルギーと運動エネルギーを減衰させた後、排出ダクト18から排気開口29に流入して、火花を放出することなくケース外に排気される。非配線排出路4Bから放出される放出ガスは、流入ダクト16を高速流動して第1の衝突プレート11に衝突して熱エネルギーと運動エネルギーを第1の衝突プレート11で減衰させた後、第2のガイドプレート14と外装ケース2の底板2Aとの間に設けた通過隙間24を通過して反射ダクト17に流入してサブプレート15に衝突した後、閉塞プレート20と第2の衝突プレート12に衝突して、さらに熱エネルギーと運動エネルギーを減衰させた後、上縁隙間22又は上下隙間21を通過して排出ダクト18に流入し、排出ダクト18から排気開口29を通過してケース外に火花を放出することなく排気される。
【0051】
図2図3の電源装置100は、外装ケース2の両端部の両側に排出路4を設けているので、両方のダクトスペース6に設けた排出路4から放出ガスをケース外に排気し、あるいは電池ブロック10の片側であってダクトスペース6に近い側の排出弁が開弁した状態にあっては、排出弁に近い側に設けたダクトスペース6の排出路4からより多くの放出ガスを排気する。プラスチック製の電池ホルダー3を外装ケース2に内蔵する電源装置100は、放出ガスの熱で電池ホルダー3が溶融し、溶融したプラスチックが放出ガスに混ざって排気される。溶融したプラスチックは、放出ガスよりも比重が大きく、外装ケース2の底部を流れて放出されるので、第2のガイドプレート14の下縁に設けた通過隙間24が溶融プラスチックで閉塞される可能性がある。図の電源装置は、配線排出路4A側の流入ダクト16が上下方向に伸びる縦長開口部を有するので、溶融プラスチックで下部が閉塞されても、閉塞されない上部から放出ガスは排出される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、外装ケースに多数の電池を内蔵している電源装置として好適に使用できる。
【符号の説明】
【0053】
100…電源装置
1…電池
2…外装ケース
2X…本体ケース
2A…底板
2B…側板
2Y…蓋ケース
2Z…端面プレート
3…電池ホルダー
4…排出路
4A…配線排出路
4B…非配線排出路
5…電池収納スペース
6…ダクトスペース
7…リード線
8…コネクタ
10…電池ブロック
11…第1の衝突プレート
12…第2の衝突プレート
13…第1のガイドプレート
14…第2のガイドプレート
14a…固定片
15…サブプレート
16…流入ダクト
17…反射ダクト
18…排出ダクト
19…傾斜隅部
20…閉塞プレート
21…上下隙間
22…上縁隙間
23…配線隙間
24…通過隙間
25…固定プレート
26…連結プレート
29…排気開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6