(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】機械用具に先端具を取り付けるためのアダプタを備えた地面係合工具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
E02F9/28 A
(21)【出願番号】P 2023189432
(22)【出願日】2023-11-06
(62)【分割の表示】P 2021563153の分割
【原出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-11-24
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マカフリー、ブランドン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】バラン、ミハイ エム.
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-530437(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02589712(EP,A1)
【文献】特表2014-528531(JP,A)
【文献】米国特許第04317300(US,A)
【文献】国際公開第2017/196520(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面係合工具アセンブリ(70)であって、
地面係合部分(304)および結合部分(302)を有する地面係合先端具(90)であって、前記結合部分(302)がアダプタ開口部(344)、第1のラグ開口部(321)、および第2のラグ開口部(322)を有するカプラーポケット(342)を画定する、内側表面(340)を含む地面係合先端具(90)と、
ベース(102)、用具取り付け部分(104)、および先端具取り付け部分(107)を含むアダプタ(75)であって、前記用具取り付け部分(104)が前記ベース(102)から延び且つ機械用具(60)に取り付けられるように構成され、前記先端具取り付け部分(107)が前記ベース(102)から前記用具取り付け部分(104)に対して対向関係で延び、前記先端具取り付け部分(107)が取り付けノーズ(125)、第1の保持ラグ(131)、および第2の保持ラグ(132)を含み、前記取り付けノーズ(125)が前記地面係合先端具(90)の前記カプラーポケット(342)内に配置され、前記第1の保持ラグ(131)および前記第2の保持ラグ(132)が前記取り付けノーズ(125)から突出し且つ前記第1のラグ開口部(321)および前記第2のラグ開口部(322)内にそれぞれ延び、前記ベース(102)が肩面(110)および保持面(115)を含み、前記肩面(110)および前記保持面(115)が互いにオフセット関係で配置され、それにより取り付け溝(121)がそれらの間に画定される、アダプタ(75)と、
取り付けレール(201)を含む摩耗キャップ(80)であって、前記取り付けレール(201)が前記アダプタ(75)の前記取り付け溝(121)内に配置され、これにより前記取り付けレール(201)が前記アダプタ(75)の前記保持面(115)と前記肩面(110)との間に介在されて、前記摩耗キャップ(80)を前記アダプタ(75)に取り付ける、摩耗キャップ(80)と、を備え、前記摩耗キャップ(80)が、パッド(251)を有する遠位キャップ端部(250)を含み、前記パッド(251)は前記遠位キャップ端部(250)から突出し、前記地面係合先端具(90)に係合するように構成されて
おり、
前記取り付けノーズ(125)が、ベース縁部(135)および遠位端部(137)を含み、前記ベース縁部(135)が前記ベース(102)に接続され、前記取り付けノーズ(125)が長手方向ノーズ軸(LN)に沿って前記ベース縁部(135)から前記遠位端部(137)まで延び、前記取り付けノーズ(125)が第1のフェース面(184)および第2のフェース面(185)を含み、前記第1のフェース面(184)および前記第2のフェース面(185)が垂直方向のノーズ軸(NN)に沿って前記ベース縁部(135)から遠位端部(137)に向かう方向に互いに向かって集束し、前記垂直方向のノーズ軸(NN)が前記長手方向のノーズ軸(LN)に対して垂直であり、前記取り付けノーズ(125)が第1のノーズ側面(181)および第2のノーズ側面(182)を含み、前記第1のノーズ側面(181)および前記第2のノーズ側面(182)が横方向のノーズ軸(TN)に沿ってそれぞれに対して離間関係にあり、前記横方向のノーズ軸(TN)が前記長手方向のノーズ軸(LN)および前記垂直方向のノーズ軸(NN)に対して垂直であり、前記第1のノーズ側面(181)および前記第2のノーズ側面(182)がそれぞれ前記第1のフェース面(184)と前記第2のフェース面(185)との間に延び、そして、
前記第1の保持ラグ(131)が第1のラグ軸(L
1
)に沿って前記第1のノーズ側面(181)から延び、前記第2の保持ラグ(132)が第2のラグ軸(L
2
)に沿って前記第2のノーズ側面(182)から延び、前記第1のラグ軸(L
1
)および前記長手方向ノーズ軸(LN)が第1のラグテーパー角度(θ
1
)を規定し、前記第2のラグ軸(L
2
)および前記長手方向ノーズ軸(LN)が第2のラグテーパー角度(θ
2
)を規定し、前記第1のラグテーパー角度(θ
1
)および前記第2のラグテーパー角度(θ
2
)は両方とも斜角である、地面係合工具アセンブリ(70)。
【請求項2】
前記摩耗キャップ(80)が、前記アダプタ(75)と前記地面係合先端具(90)との間に捕捉関係にあるように前記アダプタ(75)に取り付けられ、これにより前記摩耗キャップ(80)の前記取り付けレール(201)が前記アダプタ(75)の前記取り付け溝(121)から取り外されるのを保持力のある状態で防止するようになっている、請求項1に記載の地面係合工具アセンブリ(70)。
【請求項3】
前記第1のラグテーパー角度(θ
1)および前記第2のラグテーパー角度(θ
2)が、それぞれ、95°から115°の間のテーパー角度範囲にある、請求項
1に記載の地面係合工具アセンブリ(70)。
【請求項4】
前記肩面(110)、前記保持面(115)、および前記取り付け溝(121)が、それぞれ、第1の肩面(110)、第1の保持面(115)および第1の取り付け溝(121)を備え、前記ベース(102)が第2の肩面(111)および第2の保持面(116)を含み、前記第2の肩面(111)および前記第2の保持面(116)が互いにオフセット関係で配置され、それにより第2の取り付け溝(122)がそれらの間に画定されるようなっている、請求項1に記載の地面係合工具アセンブリ(70)。
【請求項5】
前記ベース(102)が第1のベース側面(151)、第2のベース側面(152)およびクラウン部分(155)を含み、前記クラウン部分(155)が前記第1のベース側面(151)と前記第2のベース側面(152)との間に配置され、前記第1の取り付け溝(121)が前記第1のベース側面(151)と前記クラウン部分(155)との間に介在され、前記第2の取り付け溝(122)が前記第2のベース側面(152)と前記クラウン部分(155)との間に介在され、そして前記第1の取り付け溝(121)と前記第2の取り付け溝(122)が前記クラウン部分(155)と隣接する関係にある、請求項
4に記載の地面係合工具アセンブリ(70)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許開示は、一般に、地面係合工具、より具体的には、バケット、ブレード上の地面係合工具、および採掘および建設機械で使用される他の作業工具に関連している。
【背景技術】
【0002】
掘削機、ホイールローダー、油圧採掘ショベル、ケーブルショベル、バケットホイール、ドラグラインなどのさまざまなタイプの採掘および建設機械は、通常、バケットを使用して、作業中の土または掘削またはロードされている材料を掘り起こし、除去する。バケットは、操作中に遭遇するローディング力と非常に研磨性の高い材料による極端な摩耗を頻繁に経験する。採掘および建設機械で使用される大きなバケットやその他の用具の交換は、非常に費用がかかり、労働集約的である可能性がある。
【0003】
バケットには、バケットやその他の土工工具を摩耗から保護するために、地面係合工具(GET:Ground Engaging Tool)またはGETのセットを装備できる。典型的には、GETは、歯、エッジプロテクター、先端具、またはほとんどの損傷を与える及び繰り返しの摩耗や衝撃が発生するバケットまたはその他の工具の領域に取り付けることができる、その他の取り外し可能な構成要素の形態をとることができる。例えば、エッジプロテクターの形態をとるGETは、バケットの切削端を包み込み、過度の摩耗から保護するのに役立つ。
【0004】
このような用途では、取り外し可能なGETは、摩耗や繰り返しの衝撃による摩耗にさらされる可能性がある一方、バケットやバケットを取り付け可能なその他の用具の保護にも役立つ。GETが使用中に摩耗した場合、同じバケットを継続して使用できるように、妥当なコストでGETを取り外して新しいGETと交換可能である。用具をGETで保護し、摩耗したGETを適切な間隔で交換することにより、大幅なコストと時間の節約が可能になる。
【0005】
GETにはさまざまな形態がある。例えば、「接続アセンブリ」に関する米国特許出願公開第US2018/0080200号は、地面係合工具を、偏心回転ロックを使用する掘削機バケットまたは同様の用具のリップに接続するためのカップリングを目的としている。ロックを回転させると、ベアリング面間の距離が変化するため、ロックを締め付けることが可能になる。
【0006】
GETを使用して大型の機械用具を保護することで得られるコストと時間の節約は、GETの寿命を延ばすことでさらに向上できる。したがって、より耐久性のあるGETアセンブリを使用すると、部品交換のための作業停止が少なくなり、より高い作業効率がもたらされる。当技術分野では、GET工具の耐用年数を延ばし、その結果、交換が少なくなり、生産性が向上する、改善されたGETアセンブリが引き続き必要とされている。
【0007】
この背景説明は、読者を支援するために発明者によって作成されたものであり、指摘された問題のいずれもがそれ自体で当技術分野で認められたことの指摘として見なされるべきではないことが理解されよう。説明された原則は、いくつかの観点および実施形態において、他のシステムに固有の問題を軽減することができるが、保護されたイノベーションの範囲が、添付の特許請求の範囲によって定義され、且つ本明細書において記述されていないいかなる特定の問題を解決するためにいかなる開示された特徴部の能力によって定義されないことが理解されよう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様では、先端具を機械用具に取り付けるための先端具アダプタの実施形態が記載されている。一実施形態では、先端具アダプタは、ベース、用具取り付け部分、および先端具取り付け部分を含む。
【0009】
用具取り付け部分は、ベースから延び、機械用具に取り付けられるように構成されている。先端具取り付け部分は、用具取り付け部分と対向関係にあるベースから延びる。先端具取り付け部分は、取り付けノーズ、第1の保持ラグ、および第2の保持ラグを含む。
【0010】
取り付けノーズは、ベース縁部と遠位端部を含む。ベース縁部はベースに接続されている。取り付けノーズは、長手方向軸ノーズ軸に沿ってベース縁部から遠位端部まで延びる。取り付けノーズは、第1の面と第2の面とを含む。第1のフェース面と第2のフェース面は、垂直ノーズ軸に沿って、ベース縁部から遠位端部に向かう方向に互いに向かって集束する。垂直ノーズ軸は、長手方向のノーズ軸に垂直である。取り付けノーズは、第1のノーズ側面および第2のノーズ側面を含む。第1のノーズ側面および第2のノーズ側面は、横方向のノーズ軸に沿って互いに間隔を置いて配置された関係にある。横方向のノーズ軸は、長手方向のノーズ軸および垂直方向のノーズ軸に垂直です。第1のノーズ側面および第2のノーズ側面は、それぞれ、第1のフェース面と第2のフェース面との間に延びる。
【0011】
第1の保持ラグは、第1のラグ軸に沿って第1のノーズ側面から延び、第2の保持ラグは、第2のラグ軸に沿って第2のノーズ側面から延びる。第1のラグ軸および第1のラグテーパー角度を規定する長手方向ノーズ軸、ならびに第2のラグ軸および第2のラグテーパー角度を規定する長手方向ノーズ軸。第1のラグテーパー角度と第2のラグテーパー角度は両方とも斜角である。
【0012】
別の実施形態では、先端具アダプタは、ベース、用具取り付け部分、および先端具取り付け部分を含む。用具取り付け部分は、ベースから延び、機械用具に取り付けられるように構成されている。先端具取り付け部分は、用具取り付け部分と対向関係にあるベースから延びる。先端具取り付け部分は、取り付けノーズおよび一対の保持ラグを含む。
【0013】
ベースは、肩面と保持面を含む。肩面と保持面は、互いにオフセット関係で配置されているためそれらの間に取り付け溝が画定されるようになっている。
【0014】
別の態様では、本開示は、GETアセンブリの実施形態について説明する。一実施形態では、GETアセンブリは、地面係合先端具、アダプタ、および摩耗キャップを含む。
【0015】
地面係合先端具は、地面係合部分と結合部分とを有する。結合部分は、アダプタ開口部、第1のラグ開口部、および第2のラグ開口部を有するカプラーポケットを画定する内側表面を含む。
【0016】
アダプタは、ベース、用具取り付け部分、および先端具取り付け部分を含む。用具取り付け部分は、ベースから延び、機械用具に取り付けられるように構成されている。先端具取り付け部分は、用具取り付け部分と対向関係にあるベースから延びる。先端具取り付け部分は、取り付けノーズ、第1の保持ラグ、および第2の保持ラグを含む。取り付けノーズは、地面係合先端具のカプラーポケット内に配置される。第1の保持ラグおよび第2の保持ラグは、取り付けノーズから突出し、それぞれ第1のラグ開口部および第2のラグ開口部に延びる。ベースは、肩面と保持面を含む。肩面と保持面は、互いにオフセット関係で配置されているためそれらの間に取り付け溝が画定されるようになっている。
【0017】
摩耗キャップは取り付けレールを含む。取り付けレールは、取り付けレールがアダプタの保持面と肩面の間に介在されて摩耗キャップをアダプタに取り付けるように、アダプタの取り付け溝内に配置される。
【0018】
開示された原理のさらなる代替の態様および特徴部は、以下の詳細な説明および添付の図面から理解されるであろう。理解されるように、本明細書に開示されるGETは、他の異なる実施形態で実行することができ、様々な観点において修正することができる。したがって、前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリの実施形態を有する用具の実施形態を含む、機械の実施形態の模式的斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリの実施形態の側面斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示されるように反対側から見た、
図2のGETアセンブリの拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2のGETアセンブリの拡大された、先端具端部の立面図である。
【
図8】
図8は、
図2のGETアセンブリの、
図6の線VIII~VIIIに沿って切った断面図である。
【
図9】
図9は、
図2のGETアセンブリの、
図7の線IX~IXに沿った断面図である。
【
図15】
図15は、
図11の先端具アダプタの拡大、部分上面図であり、その取り付けノーズを例示している。
【
図16】
図16は、
図11の先端具アダプタの拡大部分側面図であり、その取り付けノーズを例示している。
【
図17】
図17は、
図2のGETアセンブリの摩耗キャップの遠位キャップ端からの斜視図である。
【
図23】
図23は、
図2のGETアセンブリの地面係合先端具の、近位先端具端からの斜視図である。
【
図29】
図29は、
図2のGETアセンブリのラグリテーナの、工具端からの、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この開示は、様々なタイプの建設および採掘機械で利用されるGET構成要素およびアセンブリに関する。
図1は、用具60またはバケットの形態の作業工具を含み、本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリ70の一実施形態を備えた大型ホイールローダーの形態の機械50の一実施形態を示す。
【0021】
図1に示すように。機械50は、機械オペレータを収容するためのキャブ54を備えた本体52、機械50を地面上に推進するための複数のタイヤ56、およびタイヤ56を駆動する動力源58(例えば、内燃機関)を含むことができる。機械はまた、一端で本体52に枢動可能に接続され、反対側の遠位端部で用具60を枢動可能に支持するリンケージシステム59を含むことができる。実施形態では、用具60は、バケット、クラムシェル、ブレード、またはGETと共に使用可能な任意の他のタイプの適切なデバイスなどの任意の適切な用具であり得る。
【0022】
制御システム64は、機械オペレータが掘起、掘削、または他の任意の適切な用途のために用具60を操縦および関節運動することを可能にするように適合させることができるキャブ54内に収容することができる。制御システム64は、機械50の動きを制御するように構成されたステアリングシステムを含むことができる。実施形態では、ステアリングシステムは、機械50またはその部品の動きを誘導するためのステアリングホイールまたはジョイスティック、または他の制御機構を有することができる。また、キャブ54は、他の制御レバー、ノブ、ダイヤル、ディスプレイ、アラームなどを収容して、機械50の操作を容易にすることができる。
【0023】
キャブ54は、オペレータを収容するのに適切なサイズにすることができる。他の実施形態では、機械50は、ベースステーションから遠隔制御されるように構成することができ、その場合、キャブ54は、より小さくするか、または排除するようにサイズ設定することができる。
【0024】
図1に示される用具60は、バケットである。リンケージシステム59は、機械50の電源58および制御システム64と動作可能に配置され、バケット60を操縦して、土、ごみ、岩、土壌を掘り起こし、材料を別の場所へ運搬するなどの操作を実行することができる。リンケージシステム59は、バケット60を空中に持ち上げるように操作されることができ、機械50がダンプサイトに移動する間、そのペイロードをバケット内に保持するように位置決めされることができる。
【0025】
用具60は、地面または他の掘削面と係合するように適合させることができる切削端65を含むことができる。切削端65は、GETアセンブリ70がGETアセンブリ70の先端具に対してオフセット関係にある切削端62と共に土木材料に接触するように、切削端65上に配置されたいくつかのGETアセンブリ70を有することができる。
図1では明確に識別できないが、GETアセンブリ70は、本開示の様々な実施形態による特定の特徴部を有し、これについては、本明細書の後半でさらに詳細に論じられる。複数のシュラウド67をGETアセンブリ70と交互に配置して、GETアセンブリ70によって覆われていない切削端65の部分をさらに保護することができる。繰り返し使用することにより、GETアセンブリ70は摩耗を受ける可能性があり、最終的には交換して、用具60をさらに使用できるようにすることができる。
【0026】
図1は、ホイールローダーのバケットを備えた本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリ70の使用を示しているが、他の多くのタイプの用具および建設および採掘機械は、本明細書に記載のGETアセンブリ70を使用することから利益を得ることができる。他の実施形態では、本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリ70は、他の様々な用具および/または機械で使用できることを理解されたい。
【0027】
図2~
図10を参照すると、本開示の原理に従って構築されたGETアセンブリ70の一実施形態が示されている。図示されたGETアセンブリ70は、アダプタ75、摩耗キャップ80、地面係合先端具90、および一対の保持機構95、96を含む。アダプタ75は、バケットまたはGETアセンブリ70を取り付けることができる他の機械用具60に溶接するか、または当業者に理解されるように他の方法で接続することができる。摩耗キャップ80は、摩耗キャップ80とアダプタ75との間の捕捉されたレールアンドグルーブ配置を介して、アダプタ75に取り外し可能に取り付けることができる。地面係合先端具90は、一対の保持機構95、96を使用して、アダプタ75に枢動可能に接続されるか、さもなければ別の方法で取り付けられ得る。一対の保持機構95、96は、それぞれ、GETアセンブリ70の両側に配置することができ、地面係合先端具90をアダプタ75に取り外し可能に接続するように構成される。
【0028】
図2および
図3を参照すると、アダプタ75は、ベース102、用具取り付け部分104、および先端具取り付け部分107を含む。用具取り付け部分104は、アダプタ75を用具60に固定するように構成され、ベース102から延び、機械50の用具60に取り付けられるように構成される。実施形態では、ベース102は、互いにオフセット関係で配置された少なくとも1つの肩面110および保持面115を含み、これにより取り付け溝121がそれらの間に画定されるようになっている。取り付け溝121は、摩耗キャップ80をアダプタ75に取り外し可能に取り付けるために、その中に摩耗キャップ80を保持力のある状態で受け入れるように構成される。
図9を参照すると、図示された実施形態では、ベース102は、第1および第2の取り付け溝121、122を画定する。
【0029】
図3を参照すると、先端具取り付け部分107は、地面係合先端具90をアダプタ75に結合するように構成され、用具取り付け部分104に対して対向関係でベース102から延びる。先端具取り付け部分107は、取り付けノーズ125、第1の保持ラグ131、および第2の保持ラグ132を含む(例えば、
図10を参照のこと)。取り付けノーズ125は、ベース縁部135および遠位端部137を含む。ベース縁部135はベース102に接続され、遠位端部137は自由である。
【0030】
図2および
図3を参照すると、摩耗キャップ80は、摩耗キャップ80がアダプタ75と地面係合先端具90との間に捕捉された関係にあるようにアダプタ75に取り付けられ、これにより地面係合先端具90は摩耗キャップ80がアダプタ75の取り付け溝121から取り外されるのを保持力を持った状態で防止するようになっている。実施形態では、摩耗キャップ80は、少なくとも1つの取り付けレール201を含む。取り付けレール201は、アダプタ75の取り付け溝121内に配置され、これにより取り付けレールがアダプタ75の保持面と肩面110との間に介在されて摩耗キャップ80をアダプタ75に取り付けるようになっている。摩耗キャップ80は、アダプタ75と地面係合先端具90との間に捕捉された関係にあるようにアダプタ75に取り付けられ、これにより地面係合先端具90が摩耗キャップ80の取り付けレール201がアダプタ75の取り付け溝から取り外されるのを保持力を持った状態で防止するようになっている。
図9を参照すると、図示された実施形態では、摩耗キャップ80は、アダプタ75の第1および第2の取り付け溝120、121にそれぞれ位置決めするための第1および第2の取り付けレール201、202を含む。
【0031】
図3を参照すると、地面係合先端具90は、結合部分302および地面係合部分304を有する。
図10を参照すると、結合部分302は、アダプタ開口部314、第1のラグ開口部321、および第2のラグ開口部321を有するカプラーポケット311を画定する内側表面310を含む。アダプタ75の取り付けノーズ125は、地面係合先端具90のカプラーポケット311内に配置されている。第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132は、アダプタ75の取り付けノーズ125から突出し、それぞれ、地面係合先端具90の第1のラグ開口部321および第2のラグ開口部322内に延びる。
【0032】
図10を参照すると、図示された実施形態では、一対の保持機構95、96は、地面係合先端具90の第1および第2のラグ開口部321、322に篏合し、地面係合先端具90をアダプタ75に枢動可能に固定するために、それぞれアダプタ75の第1および第2の保持ラグ131、132と係合することができる。図示された実施形態では、各保持機構95、96は、実質的に同じ構造を有し、ラグリテーナ401、402およびロッキングスリーブ411、412を含む。各ラグリテーナ401は、関連するC字型ロッキングスリーブ411に関して、および地面係合先端具90をアダプタ75に選択的に結合するために関連付けられている保持ラグ131、132に関して回転可能である。
【0033】
図11~
図16は、本開示の原理によるアダプタ75の一実施形態を示している。先端具アダプタ75は、地面係合先端具90を機械50の用具60に取り付けるために使用されるように構成されている。図示された実施形態では、先端具アダプタ75は、ベース102、用具取り付け部分104、および先端具取り付け部分107を含む。用具取り付け部分104は、ベースから先端具取り付け部分107と対向関係で延びる。先端具取り付け部分107は、地面係合先端具90と係合するように適合させることができ、用具取り付け部分104は、機械50の用具60と係合するように適合させることができる。
図11を参照すると、図示された先端具取り付け部分107の取り付けノーズ125は、概して楔形であり、遠位端部137からベース縁部135に向かって外向きにフレア状になっている。
【0034】
図12~
図15を参照すると、ベース102は、第1のベース側面151、第2のベース側面152、およびクラウン部分155を含む。クラウン部分155は、第1のベース側面151と第2のベース側面152との間に配置されている。ベース102は、第1の肩面110および第1の保持面115を含む。第1の肩面110および第1の保持面115は、第1の取り付け溝121がそれらの間に規定されるように、互いにオフセット関係で配置されている。第1の取り付け溝121は、第1のベース側151とクラウン部分155との間に介在されている。
【0035】
ベース102は、第2の肩面111および第2の保持面116を含む。第2の肩面111および第2の保持面116は、互いにオフセット関係で配置され、第2の取り付け溝122がそれらの間に画定されるようになっている。第2の取り付け溝122は、第2のベース側面152とクラウン部分155との間に介在される。第1の取り付け溝121および第2の取り付け溝122は、クラウン部分と隣接関係にある。
【0036】
図14を参照すると、用具取り付け部分104は、ベース102から延び、機械50の用具60に取り付けられるように構成されている。図示された実施形態では、用具取り付け部分104は、ベース102から延びる第1の脚部171および第2の脚部172を含む。第1および第2の脚部171、172は、それらの間に取り付けスロット174を画定し、これは、ベース102の閉端部175と、脚部171、172の近位端部の開口部とを含む。
【0037】
取り付けスロット174は、機械50の用具60への組み立ての方向を規定する。用具取り付け部分104の脚部171、172は、用具60の切削端65がアダプタ75の取り付けスロット174内に配置されるように、アセンブリの方向に沿って移動することができる。第1および第2の脚部171、172は、用具60に溶接されることなどによって、任意の適切な技術を使用して用具60に取り付けることができる。アダプタ75の用具取り付け部分104を構成することができる部品は、その様々な可能な実施形態において、様々な異なる形状および寸法を有することができる。他の実施形態では、用具取り付け部分104は、当業者によって理解されるように、異なる構成を有することができる。
【0038】
図15および
図16を参照すると、先端具取り付け部分107は、取り付けノーズ125、第1の保持ラグ131、および第2の保持ラグ132を含む。取り付けノーズ125のベース縁部135は、ベース102に接続されている。
【0039】
取り付けノーズ125は、長手方向のノーズ軸LNに沿って、ベース縁部135から遠位端部137まで延びる。取り付けノーズ125は、第1のノーズ側面181および第2のノーズ側面182、ならびに第1のフェース面184および第2のフェース面185を含む。第1のノーズ側面181および第2のノーズ側面182は、横方向のノーズ軸TNに沿って互いに離間された関係にある。横方向のノーズ軸TNは、長手方向のノーズ軸LNに垂直である。
【0040】
図10および
図15を参照すると、図示された実施形態では、第1および第2の保持ラグ131、132は、それらがそれぞれ第1および第2のラグ開口部321、322内に延びることができるように構成される。第1および第2の保持ラグ131、132が、それらの間の選択的係合のために第1および第2の保持機構95、96内部にぴったり収まるように構成され、これにより地面係合先端具90およびアダプタ75が枢動可能に固定される。
【0041】
第1の保持ラグ131は、第1のラグ軸L1に沿って第1のノーズ側面181から延び、第2の保持ラグ132は、第2のラグ軸L2に沿って第2のノーズ側面182から延びる。第1のラグ軸L1および長手方向のノーズ軸LNは、第1のラグテーパー角度θ1を規定し、第2のラグ軸L2および長手方向のノーズ軸LNは、第2のラグテーパー角度θ2を規定する。第1のラグテーパー角度θ1および第2のラグテーパー角度θ2は両方と
も斜めである
【0042】
図示された実施形態では、第1のラグ軸L1および第2のラグ軸L2は両方とも、取り付けノーズ125の遠位端部137から離れるように先細りになっている。実施形態では、第1のラグテーパー角度θ1および第2のラグテーパー角度θ2は両方とも90°より大きい。一実施形態では、第1のラグテーパー角度θ1および第2のラグテーパー角度θ2はほぼ同じ(±2.5°)である。実施形態では、第1のラグテーパー角度θ1および第2のラグテーパー角度θ2は、それぞれ、95°と115°の間のテーパー角度範囲にある。他の実施形態では、第1のラグテーパー角度θ1および第2のラグテーパー角度θ2は、それぞれ、110°と110°の間のテーパー角度範囲にある。実施形態では、第1および第2のラグテーパー角度θ1、θ2は、それぞれ約15°(±2.5°)である。
【0043】
図15および
図16を参照すると、第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132はそれぞれ、円筒状セグメント187および円錐台状セグメント189を含む。円筒状セグメント187は、円錐台セグメント189よりもベース縁部135寄りにあり、円錐台セグメント189は、円筒状セグメント187よりも遠位端部137寄りにある。
図15を参照すると、実施形態では、第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132の円錐台セグメント189は、それぞれ、10°と30°の間の垂直角度範囲の半垂直角度γ
1、γ
2を有する。他の実施形態では、第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132の円錐台セグメントはそれぞれ、15°から25°の間の垂直角度範囲で半垂直角度γ
1、γ
2を有する。
【0044】
図10および
図16を参照すると、第1および第2のノーズ側面181、182の各々はリテーナ凹部191、192をそれぞれ画定する。リテーナ凹部191、192は、第1および第2の保持ラグ131、132の円筒状セグメント187にそれぞれ隣接している。リテーナ凹部191、192の各々は、ロック位置にあるときに(
図10の第2のラグリテーナ402を参照)、それぞれ第1および第2のラグリテーナ401、402の少なくとも一部をその中に受け入れるように構成され、これにより長手方向のノーズ軸LNに沿ったアダプタ75と地面係合先端具90との相対的な動きを制限するそれらの間での干渉関係を提供する。このようにして、ラグリテーナ401、402を使用して、地面係合先端具90をアダプタ75に選択的に結合することができる。
【0045】
図16を参照すると、第1のフェース面184および第2のフェース面185は、垂直方向のノーズ軸NNに沿ってベース縁部135から遠位端部137に向かう方向に互いに向かって集束する。垂直方向のノーズ軸NNは、長手方向のノーズ軸LNに垂直である。横方向のノーズ軸TNは、長手方向のノーズ軸LNおよび垂直方向のノーズ軸NNに垂直である。第1のノーズ側面181(例えば、
図1を参照)および第2のノーズ側面182の各々は第1のフェース面184と第2のフェース面185との間に延びる。
【0046】
図16に示されるように、第2のフェース面185は、第1のフェース面184に対して対向関係にあることができる。第1および第2のフェース面184、185は、長手方向のノーズ軸LNおよび横方向のノーズ軸TNによって規定される平面に関して互いに実質的に対称であり得る。第1および第2のフェース面184、185の各々は、
図16のように、横軸TNに沿って見たとき輪郭プロファイルを画定することができる。第1のフェース面184は、第1の表面輪郭プロファイルを画定することができ、第2のフェース面185は、第2の表面輪郭プロファイルを画定することができる。第1および第2のフェース面184、185の第1および第2の表面輪郭プロファイルは、特定の寸法を有することができるが、他の任意の適切な寸法を使用できることが企図される。
【0047】
図16参照すると、第1および第2のフェース面184、185の輪郭プロファイルの各々は、第1の平面ノーズ部分193、凹状ノーズ部分194、テーパー状ノーズ部分195、および第2の平面ノーズ部分196を含むことができる。第1の平面ノーズ部分193は、遠位端部137に隣接している。各凹状ノーズ部分194は、それぞれの第1の平面ノーズ部分193に隣接し、第1の平面ノーズ部分193とテーパー状ノーズ部分195との間に介在されている。各テーパー状ノーズ部分195は、それぞれの凹状ノーズ部分194と第2の平面ノーズ部分196との間に介在されている。第2の平面ノーズ部分196は、ベース縁部135に隣接している。
【0048】
遠位端部137は、第1のフェース面184と第2のフェース面185との間に延びることができる。遠位端部137は、第1および第2のフェース面184、185の第1の平面ノーズ部分193の両方に実質的に垂直な壁を提供することができる。いくつかの実施形態では、湾曲した縁部197は、遠位端部137を取り囲むことができ、遠位端部137、第1および第2のフェース面184、185、ならびに第1および第2のノーズ側面181、182との間で滑らかな遷移を形成することができる(
図1も参照)。
【0049】
図17~
図22は、本開示の原理に従って構築された摩耗キャップ80の一実施形態を示している。摩耗キャップ80は、摩耗キャップ80がアダプタ75のクラウン部分155とオーバラップ関係にあるように、アダプタ75に取り付けられるように構成される(例えば、
図3、4、および8を参照のこと)。摩耗キャップ80は、用具60の使用中にアダプタが摩耗するのを防ぐのに役立つことができる。実施形態では、摩耗キャップ80は、アダプタ75および地面係合先端具90の少なくとも1つが作られる材料とは異なる材料から作製することができる。実施形態では、摩耗キャップ80は、アダプタ75が作製される材料よりも硬質材料から作製することができる。実施形態では、摩耗キャップ80は、地面係合先端具90と同じ材料から作製することができる。
【0050】
図17および
図18を参照すると、摩耗キャップ80は、第1のキャップ側面211、第2のキャップ側面212、および上部214を含む。上部214は、第1キャップ側面と第2キャップ側面211、212の間で横方向に延びる。第1および第2のキャップ側面211、212は、上部214の縁部に依存している。
【0051】
図18、
図19、
図21、および
図22を参照すると、第1および第2の取り付けレール201、202は、それぞれ、第1および第2のキャップ側面211、212の内部に配置されている。第1の取り付けレール201は、第1の取り付けレール201がアダプタ75の第1の保持面115と第1の肩面110との間に介在されるように、アダプタ75の第1の取り付け溝120内に配置されるように構成される。第2の取り付けレール202は、第2の取り付けレール202がアダプタ75の第2の保持面116と第2の肩面111との間に介在されるように、アダプタ75の第2の取り付け溝121内に配置されるように構成される。
【0052】
図18、
図19、および
図20を参照すると、第1および第2のキャップ側面211、212の内部は、それぞれ、第1および第2のアダプタ溝231、232を画定する。第1および第2のアダプタ溝231、232は、摩耗キャップ80がアダプタ75に取り付けられたときに、アダプタ75の第1および第2の保持面115、116をそれぞれその中に受け入れるように構成された停止溝を備える。
【0053】
摩耗キャップ80は、摩耗キャップ80がアダプタ75に取り付けられているときに、アダプタのクラウン部分155をそれを通して受け入れるように構成されたアダプタ開口部241を画定する近位キャップ端部240を含む。摩耗キャップ80の上部214の内側表面は、摩耗キャップ80がアダプタ75に完全に着座されたときに、すぐ下にアダプタ75のクラウン部分155を収容するように構成される。
【0054】
図17および
図20を参照すると、摩耗キャップ80は、第1のパッド251およびそこから突出する第2のパッド252を有する遠位キャップ端部250を含む。実施形態では、第1のパッド251および第2のパッド252は、保持機構95、96(
図8も参照)を介して地面係合先端具90がアダプタ75に固定されるときに、地面係合先端具90に接触的に係合するように構成される。第1および第2のパッド251、252は、追加の構造的支持体のために、地面係合先端具90をアダプタ75に係合するのを助けるように構成されたフィットパッドを備えることができる。第1および第2のパッド251、252は、地面係合先端具90とアダプタ75との間の確実な嵌め合いを提供するのを助けるためのフィットパッドとして機能する。
【0055】
図23~
図28は、本開示の原理に従って構築された地面係合先端具90の一実施形態を示している。地面係合先端具90の図示された実施形態は、結合部分302および地面係合部分304を含む。
【0056】
図25および
図26を参照すると、結合部分302は、それの長手方向先端具軸LTに沿って、地面係合部分304に対して対向関係にあることができる。結合部分302および地面係合部分304は、長手方向先端具軸LTに沿って延びる。第1および第2の先端具側壁325、326は、長手方向先端具軸LTに沿って、結合部分302から地面係合部分304まで延びることができる。第1および第2の先端具側壁325、326は、長手方向先端具軸LTに垂直である、横方向先端具軸TTに沿って互いに離間関係で配置されている。
【0057】
図示された地面係合先端具90は、一般に楔形にすることができる。地面係合部分304の遠位先端具端部328は、第1および第2の先端具面331、332が、地面係合部分304の遠位先端具端部328から結合部分302に向かって長手方向先端具軸LTに沿って外方に向って動いてフレアするように一点まで先細りになり得る。第1および第2の先端具面331、332は、長手方向先端具軸LTおよび横方向先端具軸TTの両方に垂直である、横方向先端具軸TTおよび、垂直方向の先端具軸NTの両方に沿って外方に向ってフレア状になっている(
図23も参照)。
【0058】
一般に、地面係合部分304は、用具60が使用されるときに最初に地面または他の土工材料と接触し、最大の摩耗を受ける可能性があるGETアセンブリ70の一部であり得る。時間の経過および繰り返しの使用の間に、地面係合部分304は摩耗する可能性がある。地面係合部分304がある程度摩耗したとき、地面係合先端具90を交換することができる。
【0059】
図27および
図28を参照すると、結合部分302は、結合部分302の内部の中に埋め込まれたカプラーポケット342を画定する内側表面340を含む。内側表面340は、結合部分302に配置されたアダプタ開口部344、第1のラグ開口部321、および第2のラグ開口部322を含むように、カプラーポケット342を画定する。内側表面340は、カプラーポケット342へのアダプタ開口部344が、地面係合部分304から実質的に離れる方向を向くように、カプラーポケット342を画定する。
【0060】
内側表面340は、内側ベース壁350を含む。カプラーポケット342は、長手方向先端具LTに沿って、内側ベース壁350からアダプタ開口部344まで延びる。
【0061】
内側表面340は、第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352を含む。第1の内側フェース面351は、垂直方向の先端具軸NTに沿って第2の内側フェース面352と離間した関係にしておくことができる。第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352は、垂直方向の先端具軸NTに沿ってアダプタ開口部344から内側ベース壁350に向かう方向に互いに向かって集束する。第1および第2の内側フェース面351、352は、長手方向先端具軸LTおよび横方向先端具軸TTによって画定される平面に関して互いの実質的な鏡像であり得る。
【0062】
第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352は、内側ベース壁350からカプラーポケット342のアダプタ開口部344まで延びる。第1および第2の内側フェース面351、352は、カプラーポケット342の内側ベース壁350からアダプタ開口部344まで、長手方向先端具軸LTに沿って移動する垂直方向先端具軸NTに沿って反対方向に互いにフレアすることができる。
【0063】
内側表面340は、第1の内側面354および第2の内側面355を含む。第1の内側面354および第2の内側面355は、横方向先端具TTに沿って互いに離間した関係になっている。第1の内側表面354および第2の内側表面355はそれぞれ、第1の内側フェース面351と第2の内側フェース面352との間に延びる。
【0064】
内側ベース壁350は、概して平面であり得、そして概して、カプラーポケット342のアダプタ開口部344に平行であり得る。第1および第2の内側フェース面351、352および第1および第2の内側面354、355はすべて、内側ベース壁350に隣接するか、当接することができる。第1および第2の内側フェース面351、352は、第1および第2の内側面354、355の間で、内側ベース壁350から、長手方向先端具軸LTに沿ってアダプタ開口部344に向かって地面係合部分304から離れて延びることができる。内側表面340は、内側ベース壁350から第1および第2の内側フェース面351、352に、そして第1および第2の内側面354、355にフィレット358で移行することができる。フィレット358は、応力集中を低減することによって、地面係合先端具90の壁内の応力を分散および平滑化するのを助けるように適合された形状および構成を有することができる。実施形態では、フィレット358の半径は、カプラーポケット342全体にわたって変化し得る。
【0065】
図27を参照すると、第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352はそれぞれ、第1の凸面プロファイルを有する第1の凸部361および第2の凸面プロファイルを有する第2の凸部362を有する。第1の凸部361は、内側ベース壁350に隣接し、第2の凸部362は、カプラーポケット342のアダプタ開口部344に隣接している。図示された実施形態では、第1の凸面プロファイルは、第2の凸面プロファイルとは異なる。実施形態では、第1および第2の凸部361、362は、異なる構成を有することができる。
【0066】
図27および
図28を参照すると、第1の内側表面および第2の内側表面はそれぞれ、第1のアダプタパッド367および第2のアダプタパッド368を有する。各第1のアダプタパッド367および各第2のアダプタパッド368は、概して平面である。各第1のアダプタパッド367は、それぞれ、内側ベース壁350と第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352の第1の凸部361との間に配置されている。各第1のアダプタパッド367は、長手方向先端具軸LTに沿って、内側ベース壁350と第1のラグ開口部321および第2のラグ開口部322との間に配置されている。各第2のアダプタパッド368は、それぞれ、内側フェース面351および第2の内側フェース面352の第1の凸部361と第2の凸部362との間に配置されている。
【0067】
第1および第2のアダプタパッド367、368は、地面係合先端具90に追加の構造的支持を提供することができ、地面係合先端具90とアダプタ75との間の確実な篏合を提供するのを助けることができるフィットパッドを備える。
図24および
図28に示されるように、内側ベース壁350はまた、フィットパッドを含むアダプタエンドパッド369を含むことができる。
【0068】
図28を参照すると、第1の内側面354および第2の内側面355は、それぞれ、第1のラグ開口部321および第2のラグ開口部322を画定する。第1のラグ開口部321は、第1のラグ開口軸LO
1に沿って延び、第2のラグ開口部は、第2のラグ開口軸LO
2に沿って延びる。第1のラグ開口軸LO
1および長手方向先端具軸LTは、第1のラグ開口テーパー角度ψ
1を規定し、第2のラグ開口軸LO
2および長手方向先端具軸LTは、第2のラグ開口テーパー角度ψ
2を規定する。第1のラグ開口テーパー角度ψ
1および第2のラグ開口テーパー角度ψ
2は両方とも斜めである。実施形態では、第1のラグ開口テーパー角度ψ
1および第2のラグ開口テーパー角度ψ
2は、それぞれ、第1のラグテーパー角度θ
1およびラグテーパー角度θ
2に実質的に相補的である。
【0069】
実施形態では、第1のラグ開口テーパー角度ψ1および第2のラグ開口テーパー角度ψ2は、それぞれ、65°から85°の間の開口テーパー角度範囲にある。他の実施形態では、第1のラグ開口テーパー角度ψ1および第2のラグ開口テーパー角度ψ2は、それぞれ、70°から80°の間の開口テーパー角度範囲にある。
【0070】
図28を参照すると、第1の内側面354および第2の内側面355はそれぞれ、第1のラグ開口部321および第2のラグ開口部322をそれぞれ画定するラグ通路表面371、372を含む。第1の内側面354および第2の内側面355のラグ通路371、372は、アダプタ75の第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132をそれぞれその中に配置できるように構成することができる。
【0071】
第1の内側面354および第2の内側面355のラグ通路371、372はまた、保持機構95、96がそれぞれその中に配置され得るように構成され得る。
図28では、第1の保持機構95は、第1の内側面354のラグ通路表面371に配置されて示されている。
【0072】
したがって、第1の内側面354および第2の内側面355のそれぞれのラグ通路371、372は、円筒状セグメント表面374および円錐台セグメント表面375を有する。円筒状セグメント表面374は、円錐台セグメント表面375よりもアダプタ開口部344に近い。円錐台形のセグメント表面375は、円筒状のセグメント表面374よりも内側ベース壁350寄りである。円筒状セグメント表面374および円錐台セグメント表面375は、その中に保持機構95、96のうちの1つを収容するように構成される。
【0073】
実施形態では、第1の内側面および第2の内側面の円筒状セグメント表面374は、それぞれ、第1のラグ開口軸LO1および第2のラグ開口軸LO2と位置合わせされる。実施形態では、第1の内側面354および第2の内側面355の円錐台セグメント表面375は、それぞれ、10°から30°の間の垂直角度範囲で半垂直角度γ3、γ4を有する。
【0074】
図24および
図28を参照すると、図示された実施形態では、第1の内側面354および第2の内側面355はそれぞれ、第1のラグ溝381および第2のラグ溝382をそれぞれ画定するラグ溝表面379、380を含む。第1のラグ溝381は、アダプタ開口部344と第1のラグ開口部321との間の長手方向先端具軸LTに沿って延び、第2のラグ溝382は、アダプタ開口部344と第2のラグ開口部322との間の長手方向先端具軸LTに沿って延びる。第1のラグ溝381および第2のラグ溝382は、第1および第2の保持ラグ131、132をそれぞれ第1および第2のラグ開口部321、322に着座させるためにアダプタ75の取り付けノーズ125が地面係合先端具90のカプラーポケット342に挿入されるときに、それぞれ第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132をその中に受け入れるように構成される。
【0075】
図8を参照すると、アダプタ75の取り付けノーズ125は、アダプタ75の第1のフェース面184および第2のフェース面185がそれぞれ地面係合先端具90の第1の内側フェース面351第2の内側フェース面352に隣接するように、地面係合先端具90のカプラーポケット342内に配置される。地面係合先端具90は、保持機構95、96を介してアダプタ75に枢動可能に接続され、その結果、地面係合先端具90は、アダプタ75の横方向ノーズ軸TNに実質的に平行な保持軸の周りの移動範囲にわたってアダプタ75に関して移動可能である。地面係合先端具90の第1の内側フェース面351および第2の内側フェース面352の中間部分は、アダプタ75の第1のフェース面184および第2のフェース面185とそれぞれ非接触の間隔を置いた関係にある。
【0076】
図29~
図36は、本開示の原理に従って構築された保持機構95のラグリテーナ401の一実施形態を示している。実施形態では、保持機構95、96は、ラグリテーナ401、402およびロックスリーブ411、412を含むことができる。図示された実施形態では、保持機構95、96は実質的に同じである。したがって、
図29~36に示されるラグリテーナ401の説明は、第1のラグリテーナ401と第2のラグリテーナ402の両方に等しく適用可能であることが理解されよう。
【0077】
図29および
図30を参照すると、ラグリテーナ401は、ヘッド部分420を含む。ヘッド部分420は、概して円筒状であるが、そこから半径方向外方に向けて延びるストップ422を含む。ストップ422は、ロック位置(第2のラグリテーナ402は、
図10のロック位置にある)とロック解除位置(第1のラグリテーナ401は、
図10のロック解除位置にある)との間でそれが関連付けられるC字型ロックスリーブ411に対するラグリテーナの回転相対運動を制限するのを助けるように構成される。ヘッド部分420は、ラグリテーナ401およびロックスリーブ411の相対的な回転運動を容易にするためにその中に工具を受け入れるように構成された工具キャビティを画定する工具接合面425を含む。図示された実施形態では、工具キャビティ427は、一般に長方形状である(
図36も参照)。他の実施形態では、工具接合面425は、異なる形状の工具キャビティ427(例えば、十字形のキャビティ)を画定するように異なるように構成することができる。
【0078】
図31および32を参照すると、ラグリテーナ401は、その中にスロット435を画定するロック部分430を含む。スロット435は、ロック部分430のラグロック壁437内に画定することができる。ラグロック壁437は、一般にC字形である。
【0079】
ラグリテーナ401のロック部分430は、テーパー付きスロットベース表面440を含む。テーパー付きスロットベース表面440は、ラテーパーナ401がロック解除位置にあるときに、地面係合先端具90のラグ溝表面381と実質的に位置合わせされように構成される(例えば、
図28を参照のこと)。
【0080】
図10を参照すると、第1のラグリテーナ401および第2のラグリテーナ402は、それぞれ、地面係合先端具90の第1および第2のラグ開口部321、322に回転可能に配置され、その結果、第1の保持ラグ131は、第1のラグリテーナ401および第2の保持ラグ132のロック部分430は、第2のラグリテーナ402のロック部分430のスロット435内に配置される。第1および第2のラグリテーナは両方ともが、ロック解除位置(第1の保持ラグ131および第2の保持ラグ132が、 取り外し方向442の長手方向ノーズ軸LNに沿った相対運動を介して地面係合先端具90のカプラーポケット342から取り外されることからラグリテーナ401、402のラグロック壁437によって妨げられていない)とロック位置(ラグリテーナ401、402のラグロック壁437が。取り外し方向442の地面係合先端具90に関して関連する保持ラグ131、132の相対運動を妨げる)と間のトラベル範囲にわたって回転可能である。
【0081】
保持機構95、96は、地面係合先端具90をアダプタ75に固定し、GETアセンブリ70が使用されていないときにGETアセンブリ70が定められた位置にあることができるように、これらの構成要素の互いに対する相対運動を実質的に制限することができる。GETアセンブリ70の構成要素が、横方向のノーズ軸TNまたは垂直方向のノーズ軸NNのいずれかに沿って力を受けるとき、保持機構95、96は、構成要素を互いに固定し続けることができるが、それらが受けることができる力に反応して横方向のノーズ軸TNおよび/または垂直方向のノーズ軸NNを中心に互いに関して部品を回転させることができる。GETアセンブリ70のそれぞれの構成部品は、部品が様々な点において互いに接触することができる最大回転位置へ互いに対して回転することができ、それにより、さらなる相対回転運動を抑制する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本明細書に記載のGETアセンブリの実施形態の産業用途は、前述の議論から容易に理解されるはずである。開示された原理は、掘り起こし、削り取り、整地、または地面または他の土工材料との係合を伴う他の適切な用途のための用具を使用する任意の機械に適用可能にすることができる。このような用途に使用される機械では、地面係合工具や先端具がすぐに摩耗し、交換が必要になる場合がある。このような用途では、地面係合工具と先端具の交換が予想されるが、機械のダウンタイムと交換コストを制限するために、このような工具の寿命をできるだけ長くすることが望ましい場合がある。本開示は、議論されたように、部品の故障の可能性を低減し、地面係合工具の耐用寿命を延ばすことができる特徴部を有する。部品の故障を減らすことで、機械の稼働時間を増やし、交換部品のコストを節約できる。
【0083】
上述の説明は、開示されたシステムおよび技術の例示を提供するということが理解されよう。しかしながら、本発明の他の実装例は、上述の例とは詳細が異なる場合があるということが考慮される。本発明またはこれらの例示へのすべての言及は、その時点で説明される特定の例示を言及するように意図されたものであり、より一般に本発明の範疇に関する任意の限定を内包することを意図するものではない。特定の特徴に関する区別および見くびりのすべての言語は関心の特徴に対する選好の欠如を示すためのものであるが、特に具体的に明示しない限り、そのようなものを本発明の範疇から完全に排除しないものと意図される。
【0084】
本明細書における値の範囲の言及は、本明細書に別段に明示されない限り、当該範囲内に属するそれぞれの個別値を個別に言及する速記法として機能することが意図され、それぞれの個別値は、本明細書に個別に引用されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書に説明されるすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。