(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ドライバー傾向予測装置、ドライバー傾向予測方法、学習装置、学習方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241106BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2024007152
(22)【出願日】2024-01-22
(62)【分割の表示】P 2022201880の分割
【原出願日】2022-12-19
【審査請求日】2024-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】田 科
(72)【発明者】
【氏名】サマビル ジェイソン
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-032482(JP,A)
【文献】特許第7186413(JP,B1)
【文献】特開2020-190778(JP,A)
【文献】特表2013-502651(JP,A)
【文献】特開2022-129450(JP,A)
【文献】特開2018-027776(JP,A)
【文献】特開2021-051630(JP,A)
【文献】特開2019-093896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ユーザ
についての事実特徴を、1つ以上の
サービスから取得する
事実特徴取得手段と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記対象ユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得手段と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴とを入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測手段と、
を有することを特徴とするドライバー傾向予測装置。
【請求項2】
前記事実特徴は、前記1つ以上の第1のサービスにおいて登録された前記対象ユーザのデモグラフィック情報と、前記第1のサービスにおけるサービス利用に関する行動を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のドライバー傾向予測装置。
【請求項3】
前記推定特徴は、前記対象ユーザのライフステージに関する特徴と、前記対象ユーザのライフスタイルに関する特徴の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項
1または
2に記載のドライバー傾向予測装置。
【請求項4】
前記1つ以上の
サービス
を含む複数のサービスは、当該複数のサービス間において共通のユーザ識別子で情報が管理可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のドライバー傾向予測装置。
【請求項5】
前記ユーザ特徴予測モデルは、前記事実特徴を入力として、複数のユーザ特徴それぞれが前記対象ユーザに該当する該当確率を出力するように構成されており、
前記推定特徴取得手段は、前記該当確率に基づいて、前記推定特徴を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドライバー傾向予測装置。
【請求項6】
複数のユーザ
についての事実特徴を、1つ以上の
サービスから取得する
事実特徴取得手段と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記複数のユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得手段と、
前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得手段と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴、
および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成手段と、
前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習手段と、
を有することを特徴とする学習装置。
【請求項7】
前記事実特徴は、前記1つ以上の第1のサービスにおいて登録された前記
複数のユーザのデモグラフィック情報と、前記第1のサービスにおけるサービス利用に関する行動を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項
6に記載の学習装置。
【請求項8】
前記推定特徴は、前記複数のユーザのライフステージに関する特徴と、前記複数のユーザのライフスタイルに関する特徴の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項
6または
7に記載の学習装置。
【請求項9】
前記1つ以上の
サービス
を含む複数のサービスは、当該複数のサービス間において共通のユーザ識別子で情報が管理可能に構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の学習装置。
【請求項10】
前記ユーザ特徴予測モデルは、前記事実特徴を入力として、複数のユーザ特徴それぞれが前記複数のユーザに該当する該当確率を出力するように構成されており、
前記推定特徴取得手段は、前記該当確率に基づいて、前記推定特徴を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載の学習装置。
【請求項11】
情報処理装置によって実行されるドライバー傾向予測方法であって、
対象ユーザ
についての事実特徴を、1つ以上の
サービスから取得する
事実特徴取得工程と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記対象ユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得工程と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴とを入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測工程と、
を有することを特徴とするドライバー傾向予測方法。
【請求項12】
情報処理装置によって実行される学習方法であって、
複数のユーザ
についての事実特徴を、1つ以上の
サービスから取得する
事実特徴取得工程と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記複数のユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得工程と、
前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得工程と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴、
および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成工程と、
前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習工程と、
を有することを特徴とする学習方法。
【請求項13】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
対象ユーザ
についての事実特徴を、1つ以上の
サービスから取得する
事実特徴取得処理と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記対象ユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得処理と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴とを入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。
【請求項14】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
複数のユーザ
についての事実特徴を、1つ以上
サービスから取得する
事実特徴取得処理と、
前記事実特徴を学習済みのユーザ特徴予測モデルに適用することにより、前記複数のユーザについて推定された推定特徴を取得する推定特徴取得処理と、
前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得処理と、
前記
事実特徴と
前記推定特徴、
および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成処理と、
前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー傾向予測装置、ドライバー傾向予測方法、学習装置、学習方法、および情報処理プログラムに関し、特に、所定の傾向のドライバーを予測するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両(自動車、自転車を含む)のドライバーは、安全に運転することが求められる。安全に運転できると判定されたドライバーは、優良傾向のドライバーとして認定される。また、優良傾向のドライバーとして認定されると、様々な優遇措置を受けることができる場合がある。例えば、優良傾向のドライバーが、所有する自動車に対する自動車保険に加入している場合、自動車保険の保険料を、非優良傾向のドライバーよりも低い額に抑えることが可能となる。従来、優良傾向のドライバーか否かは、使用する車両で取得された物理的なデータや、ドライバーによる事故の有無により判定されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライバーが使用する自動車におけるエンジン回転変化率、急ブレーキの割合、急ハンドルの割合といった指標を評価することにより、当該ドライバーの運転習熟度を判定することが開示されている。当該文献によれば、当該運転習熟度が高いドライバーは、優良傾向のドライバーであると判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献のように、従来では、優良傾向といった所定の傾向のドライバーか否かは、運転により得られた物理的なデータや事故の有無といった客観的なデータに基づいて判定されている。しかしながら、このような客観的なデータでなく、ドライバーの生活背景といった、ドライバー自身に関する特徴に基づいて当該ドライバーが所定の傾向ドライバーか否かを予測するための仕組みはこれまで提案されていなかった。所定の傾向のドライバーか否かをドライバー自身に関する特徴に基づいて予測することができれば、ドライバーに関して客観的なデータが存在しなくても、当該予測を行うことが可能となる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライバー自身に関する特徴に基づいて所定の傾向のドライバーを予測するための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によるドライバー傾向予測装置の一態様は、対象ユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得手段と、前記対象ユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得手段と、前記ユーザ特徴と前記車両特徴を入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測手段と、を有する。
上記課題を解決するために、本発明による学習装置の一態様は、複数のユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得手段と、前記複数のユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得手段と、前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得手段と、前記ユーザ特徴、前記車両特徴、および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成手段と、前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習手段と、を有する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明によるドライバー傾向予測方法の一態様は、対象ユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得工程と、前記対象ユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得工程と、前記ユーザ特徴と前記車両特徴を入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測工程と、を有する。
上記課題を解決するために、本発明による学習方法の一態様は、複数のユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得工程と、前記複数のユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得工程と、前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得工程と、前記ユーザ特徴、前記車両特徴、および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成工程と、前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習工程と、を有する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理プログラムの一態様は、情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、対象ユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得処理と、前記対象ユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得処理と、前記ユーザ特徴と前記車両特徴を入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
本発明による情報処理プログラムの別の態様は、情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、複数のユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得処理と、前記複数のユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得処理と、前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得処理と、前記ユーザ特徴、前記車両特徴、および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成処理と、前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ドライバー自身に関する特徴に基づいて所定の傾向のドライバーを予測する仕組みが提供される。
上記した本発明の目的、態様及び効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様及び効果は、当業者であれば添付図面及び請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態から理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態による情報処理システムの構成例を示す。
【
図2】
図2は、実施形態による情報処理装置の機能構成例を示す。
【
図3A】
図3Aは、ドライバー傾向予測モデルの学習手順のフローチャートを示す。
【
図3B】
図3Bは、ドライバー傾向予測モデルの学習時の概念図を示す。
【
図4A】
図4Aは、所定の傾向のドライバーの予測手順のフローチャートを示す。
【
図4B】
図4Bは、所定の傾向のドライバー予測時のドライバー傾向予測モデルの概念図を示す。
【
図5】
図5は、実施形態による情報処理装置とユーザ装置のハードウェア構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。以下に開示される構成要素のうち、同一機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下に開示される実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
[情報処理システムの構成]
図1に、本実施形態による情報処理システムの構成例を示す。本情報処理システムは、その一例として、
図1に示すように、情報処理装置10と、任意の複数のユーザ1~Nにより使用される複数のユーザ装置11-1~11-N(N>1)と、ユーザT1により使用されるユーザ装置11-T1を含んで構成される。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、ユーザ装置11-1~11-N、11-T1をユーザ装置11と総称しうる。また、以下の説明において、ユーザ装置とユーザという語は同義に使用されうる。
【0014】
ユーザ装置11は、例えば、スマートフォンやタブレットといったデバイスであり、LTE(Long Term Evolution)等の公衆網や、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を介して、情報処理装置10と通信可能に構成されている。ユーザ装置11は、液晶ディスプレイ等の表示部(表示面)を有し、各ユーザは、当該液晶ディスプレイに装備されたGUI(Graphic User Interface)により各種操作を行うことができる。当該操作は、指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、画面に表示された画像等のコンテンツに対する各種の操作を含む。
なお、ユーザ装置11は、
図1に示すような形態のデバイスに限らず、デスクトップ型のPC(Personal Computer)や、ノート型のPCといったデバイスであってもよい。その場合、各ユーザによる操作は、マウスやキーボードといった入力装置を用いて行われうる。また、ユーザ装置11は、表示面を別に備えてもよい。
【0015】
ユーザ装置11のユーザは、情報処理装置10から、または、不図示の他の装置から情報処理装置10を介して提供される複数のウェブサービス(インターネット関連サービス)を利用することができる。これらのウェブサービスは、例えば、ユーザが、情報処理装置10や他の装置から提供されるAPI(Application Programming Interface)に利用登録することにより、当該ユーザにより利用されうる。
【0016】
本実施形態では、当該ウェブサービスは、カーサービスを含む。本実施形態において、カーサービスは、自動車に関連したサービスを提供するサービスである。例えば、カーサービスは、ユーザに対してガソリンスタンドに関する情報や、車用品のお買い得情報を提供する。また、カーサービスは、ユーザが、所有している自動車に関する情報を登録することにより、ユーザに対してポイントを付与したり、クーポンを配布したりするサービスを含みうる。当該自動車に関する情報は、自動車のメーカー名、車名、型式、買い替え頻度といった情報を含むことができる。
【0017】
さらに、本実施形態では、当該ウェブサービスは、自動車保険サービス(車両保険サービス)を含む。自動車保険サービスは、当該サービスに登録したユーザが、割り当てられた等級に応じた金額(保険料)を支払うことにより、当該ユーザが所有する自動車による事故等の発生時に保険金を受けられるサービスである。当該等級は、当該自動車保険サービスを運営する保険会社により割り当てられ、安全に運転していると判定されたユーザには、高い等級が割り当てられる。よって、当該等級が高いほど、割引率が高くなり(もしくは、還元率が高くなり)、ユーザが支払う金額は低くなる。当該等級は、サービス利用開始時に所定の等級が割り当てられ、一定期間無事故であるといった所定の条件を満たすことにより、当該一定期間経過後に、高い等級が割り当てられうる。
【0018】
さらに、当該ウェブサービスは、オンラインモールやネットスーパー、あるいは、通信、金融、不動産、スポーツ、旅行に関するサービスを含むことができる。
ユーザ装置11は、このようなウェブサービスを利用することにより、ユーザ装置11のユーザに関する情報を情報処理装置10に伝達することができる。
例えば、ユーザ装置11は、ユーザ装置11のIP(Internet Protocol)アドレスや、ユーザの住所やユーザの氏名(名字と名前)といった、ユーザ装置やユーザに関する特徴の情報を、情報処理装置10へ伝達することができる。
また、ユーザ装置11は、GPS(Global Positioning System)衛星(不図示)から受信される信号等に基づいて測位計算を行い、当該計算により得られた情報を、ユーザ装置11の位置情報として生成し、情報処理装置10へ伝達することができる。
【0019】
なお、本実施形態において、ユーザ装置11のユーザが利用することができる複数のウェブサービスは、特定の管理会社およびそのグループ会社(当該管理会社の関連会社)により直接的もしくは間接的に管理および運営されうる。また、当該複数のウェブサービスは、当該複数のウェブサービス間において共通のユーザIDで情報(例えば、ユーザ特徴等のユーザにかかる情報)が管理可能に構成される。例えば、ユーザによる、当該複数のウェブサービスにおける任意のサービスの利用に応じて、当該複数のウェブサービス間で共通のポイント等の電子的バリューを、当該ユーザに対して付与することができる。
【0020】
情報処理装置10は、ユーザ装置11から各種情報を取得し、当該情報に基づいて、所定の傾向ドライバーを予測するために、学習モデルを学習させ、当該学習モデルに基づいて、任意のユーザが当該所定の傾向のドライバーか否かを予測する。本実施形態では、情報処理装置10は、ユーザ装置11-1~11-N(すなわち、ユーザ1~N)から得た情報を用いて、学習モデルを学習させるように構成される。さらに、情報処理装置10は、当該学習モデルを用いて、ユーザ装置11-T1のユーザT1(対象ユーザ)が当該所定の傾向のドライバーか否かを予測するように構成される。なお、本実施形態において、学習モデル(後述するドライバー傾向予測モデル112)を学習させるための情報の取得元であるユーザ1~N(ユーザ装置11-1~11-N)を、複数のサンプルユーザとも称する。
【0021】
[情報処理装置10の機能構成]
図2は、本実施形態による情報処理装置10の機能構成の一例を示す。情報処理装置10は、ドライバー傾向予測装置および/または学習装置として機能しうる。
図2に示す情報処理装置10は、ユーザ特徴取得部101、車関連特徴取得部102、等級データ取得部103、学習部104、予測部105、出力部106、学習モデル記憶部110、および特徴記憶部120を備える。学習モデル記憶部110は、ユーザ特徴予測モデル111およびドライバー傾向予測モデル112を記憶している。当該各種学習モデルについては後述する。また、特徴記憶部120は、ユーザ特徴121、車関連特徴122、および等級データ(等級特徴)123を記憶している。当該各特徴ついては後述する。
【0022】
ユーザ特徴取得部101は、ユーザ装置11のユーザのユーザ特徴を取得する。本実施形態において、ユーザ特徴とは、ユーザ装置やユーザについての事実特徴(事実情報)であり、ユーザ装置やユーザから実際に、または、客観的に得られる、事実に基づく特徴(情報)である。ユーザ特徴取得部101は例えば、ユーザ装置11から直接的にユーザ特徴を取得することができる。また、ユーザ特徴取得部101は、ユーザ装置11のユーザにより所定のウェブサービスに登録された情報として、ユーザ特徴を取得することができる。ユーザ特徴には、各ユーザの識別子(以下、ユーザID)が紐づけられている。
【0023】
本実施形態では、ユーザ特徴取得部101は、1つ以上のウェブサービス(1つ以上の第1のサービス)において登録されたデモグラフィック情報と、当該1つ以上のウェブサービスにおけるサービス利用に関する行動を示す情報(例えば、過去のウェブサービスにおける購入行動情報)を、ユーザ特徴として取得する。ユーザ情報を取得する当該1つ以上のウェブサービスには、カーサービスは含まれなくてもよい。デモグラフィック情報は、性別、年齢、居住地域、職業、家族構成等の人口統計学的なユーザ属性を示す情報である。購入行動情報は、例えば、購入したアイテムに関する情報(アイテム名、ジャンル、販売元等)や購入日時の情報である。また、ユーザ特徴取得部101は、ユーザにより購入の際にウェブサービスに登録された趣向を示すデータを、ユーザ特徴として取得してもよい。
【0024】
また、ユーザ特徴取得部101は、取得したユーザ特徴を、学習済みのユーザ特徴予測モデル111に適用して、当該ユーザ特徴に対して推定されたユーザ特徴(推定ユーザ特徴(属性))も取得するように構成される。ユーザ特徴予測モデル111は、任意のユーザ(説明のため、「第1ユーザ」と称する)のユーザ特徴(すなわち、事実特徴)を入力として、複数のユーザ特徴それぞれが第1ユーザに該当する(適合する)確率(該当確率)を出力するように構成される。ユーザ特徴取得部101は、該当確率から、最終的に、第1ユーザの推定ユーザ特徴を決定する。
【0025】
例えば、ユーザ特徴取得部101は、第1ユーザのユーザ特徴として、第1ユーザのデモグラフィック情報と過去のウェブサービスにおける購入履歴や趣向を示すデータを、ユーザ特徴予測モデル111に入力する。ユーザ特徴予測モデル111からは、該当確率として、第1ユーザが購入すると推定される複数のアイテムや第1ユーザが有しうる複数の趣向それぞれに対する確率が出力される。そして、ユーザ特徴取得部101は、所定値以上の確率を有するアイテムや趣向を、第1ユーザの推定ユーザ特徴として、取得することができる。また、確率そのものを推定ユーザ特徴としてもよい。
【0026】
本実施形態による推定ユーザ特徴は、働いている確率や子を有する確率、といった、ユーザのライフステージに関する特徴を含みうる。ここで、子を有する確率は、0歳から1歳の子を有する確率、2歳から6歳の子を有する確率、小学生以上の子を有する確率、のように、子の年齢に分かれた確率であってよい。
さらに、本実施形態による推定ユーザ特徴は、旅行に行く確率、スポーツをする確率、たばこを吸う確率、お酒を飲む確率、新聞を購読している確率、ヘルスケア商品を購入する確率といった、ユーザのライフスタイルに関する特徴を含みうる。ここで、旅行に行く確率は、個人で旅行する確率、国内を旅行する確率、国外を旅行する確率、のように、旅行の目的や種別に分かれた確率であってよい。また、たばこを吸う確率やお酒を飲む確率は、場所(例えば、家か外出先(レストラン等))で分かれた確率であってよい。
【0027】
ユーザ特徴取得部101は、取得したユーザ特徴および推定したユーザ特徴を、ユーザ特徴121として特徴記憶部120に記憶させる。ユーザ特徴は、ユーザIDと紐づけて記憶される。ユーザ特徴取得部101は、ユーザ特徴121を外部の装置に記憶させるように構成されてもよい。
【0028】
車関連特徴取得部102は、ユーザ装置11のユーザにより、ウェブサービスの1つであるカーサービス(第2のサービス)に登録されている情報を車関連特徴(車両特徴)として取得する。本実施形態では、カーサービスは、自動車に関連したサービスを提供するサービスであり、ユーザは、車関連特徴を登録することにより、当該サービスを享受することができる。当該車関連特徴は、所有する自動車のメーカー名、車名、型式、契約自動車保険会社(現在および/または過去)、および買い替え頻度、カーサービスに登録してからの期間(時間情報)といった特徴を含む。
また、本実施形態では、カーサービスに含まれるサブサービスである、所有車サービス(マイカーサービス)を含み、当該車関連特徴は、当該所有車サービスに登録しているか否かの情報(1(登録)または0(非登録))を含みうる。本実施形態において、所有車サービスとは、所有している自動車に関する情報(例えば、メーカー名、車名、型式)を登録するユーザに対して、ポイントやクーポンを無料で配布するサービスである。ユーザは、所有車サービスに登録し、かつ、所有する自動車に関する特徴を登録することにより、ポイントやクーポンを無料で入手することができる。なお、カーサービスに登録しているユーザは、必ずしも所有車サービスに登録しなくてもよい。
【0029】
当該車関連特徴は、ユーザIDと紐づけられており、車関連特徴取得部102は、取得した車関連特徴を、ユーザIDと紐づけて車関連特徴122として特徴記憶部120に記憶させる。車関連特徴取得部102は、車関連特徴122を外部の装置に記憶させるように構成されてもよい。
【0030】
等級データ取得部103は、ユーザ装置11のユーザにより、ウェブサービスの1つである自動車保険サービスにおいて割り当てられている等級を、適法適正な範囲内で等級データとして取得する。等級は、保険料の支払い金額を定めるための区分を指す。等級は、個人が加入しうるノンフリート等級の場合、一実施形態において、1等級から20等級まで分かれている。安全に運転していると判定されたユーザには、高い等級が割り当てられる。安全に運転しているか否かは、一般的に、ユーザが所有する自動車で事故を起こしたか否かにより判定される。ユーザは、サービス利用開始時に所定の等級が割り当てられ、一定期間無事故であるといった所定の条件を満たすことにより、当該一定期間経過後に、高い等級が割り当てられうる。等級データ取得部103は、等級が変更(更新)された場合には、その都度、等級データを取得するように構成される。
【0031】
当該等級データは、ユーザIDと紐づけられており、等級データ取得部103は、取得した等級データを、ユーザIDと紐づけて等級データ123して特徴記憶部120に記憶させる。等級データ取得部103は、等級データ123を外部の装置に記憶させるように構成されてもよい。
【0032】
学習部104は、ユーザ特徴121、車関連特徴122、および等級データ123に基づいて、学習用データ(教師データ)を生成する。さらに、学習部104は、生成した学習用データを用いて、ドライバー傾向予測モデル112を学習させる。学習用データの生成を含む、ドライバー傾向予測モデル112の学習手順については後述する。
【0033】
予測部105は、学習部104により学習されたドライバー傾向予測モデル112を用いて、任意のユーザが所定の傾向のドライバーか否かを予測する。本実施形態では、予測部105は、対象ユーザT1が所定の傾向のドライバーか否かを予測する。所定の傾向のドライバーか否かの予測手順については後述する。
【0034】
出力部106は、予測部105による予測結果を出力するように構成される。当該出力は、あらゆる出力処理であり得、通信I/F(
図5の通信I/F57)を介した外部の装置への出力であってもよいし、表示部(
図5の表示部56)への表示であってもよい。
出力部106は、当該予測結果に関する情報を生成して出力してもよい。例えば、対象ユーザT1が所定の傾向のドライバーであると予測され、かつ、対象ユーザT1が自動車保険サービスに加入していない場合に、出力部106は、対象ユーザT1に対して、自動車保険サービスを示す広告を作成して提供してもよい。
【0035】
[ドライバー傾向予測モデルの学習手順]
本実施形態の学習部104によるドライバー傾向予測モデル112の学習手順について、
図3Aと
図3Bを参照して説明する。
図3Aは、ドライバー傾向予測モデル112の学習手順のフローチャートを示し、
図3Bは、ドライバー傾向予測モデル112の学習時の概念図を示す。
図3Aの処理は、ユーザ特徴取得部101、車関連特徴取得部102、および等級データ取得部103それぞれが、ユーザ特徴121、車関連特徴122、および等級データ123を特徴記憶部120に記憶させた後に開始されうる。ユーザ特徴121、車関連特徴122、および等級データ123はそれぞれ、複数のサンプルユーザ(ユーザ1~N)のユーザ特徴、車関連特徴、および等級データを含んでいる。
【0036】
図3Aにおいて、まず、学習部104は、ドライバー傾向予測モデル112を学習させるための、複数のサンプルユーザ(ユーザ1~N)についての特徴を取得する(S31~S33)。
S31において、学習部104は、特徴記憶部120に記憶されている、複数のサンプルユーザのユーザ特徴121を取得する。
S32において、車関連特徴取得部102は、特徴記憶部120に記憶されている、複数のサンプルユーザの車関連特徴122を取得する。
S33において、等級データ取得部103は、特徴記憶部120に記憶されている、複数のサンプルユーザの等級データ123を取得する。
なお、S31~S33の処理は、複数のサンプルユーザそれぞれのユーザIDに基づいて行われる。また、S31~S33の処理は、
図3Aに示す順序に限定されず、異なる順序で行われてもよいし、同時に行われてもよい。また、本実施形態では、S31~S33で取得される各特徴が予め特徴記憶部120に格納されていることを前提としたが、これに限定されない。例えば、学習部104は、複数のサンプルユーザのうち少なくともいずれかから直接的に当該各特徴を取得するように、あるいは、外部の装置から当該各特徴を取得するように構成されてもよい。
【0037】
S34において、学習部104は、S33で取得された等級データが示す等級から、ドライバー傾向予測モデル112に対する正解ラベル(正解データ)を生成(設定)する。本実施形態では、予測する所定の傾向は優良傾向と設定し、また、所定の等級以上の等級を有するユーザIDのユーザは優良傾向のドライバーである、と定義する。これに従って、学習部104は、所定の等級以上の等級を有するユーザIDのユーザが優良傾向のドライバーである確率は「1」(すなわち、当該確率の最大値)であるとして、正解ラベル(正解データ)を生成する。すなわち、学習部104は、当該所定の等級以上の等級から、「1」の正解ラベルを生成する。一方、学習部104は、当該所定の等級未満の等級を有するユーザIDのユーザが優良傾向のドライバーである確率は「0」(すなわち、当該確率の最小値)であるとして、正解ラベルを生成する。すなわち、学習部104は、当該所定の等級未満の等級から、「0」の正解ラベルを生成する。
【0038】
当該所定の等級は、例えば、20等級に設定される。よって、20等級のユーザは、優良傾向のドライバー(=1)、1~19等級のユーザは、非優良傾向のドライバー(=0)として、正解ラベルが生成される。なお、当該所定の等級は、操作者により入力部(
図5の入力部55)を介して入力されてもよいし、通信部(
図5の通信I/F57)を介して入力されてもよい。あるいは、当該所定の等級は、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(
図5のROM52やRAM53)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0039】
S34までの処理において、複数のサンプルユーザそれぞれについて(すなわち、各ユーザIDに対して)、ユーザ特徴121、車関連特徴122、および正解ラベルが生成される。続くS35において、学習部104は、ユーザ特徴121と車関連特徴122に対して、生成した正解ラベルを付したデータを、学習用データとして生成する。ここで、
図3Bを参照すると、入力データ301は、ユーザ特徴121と車関連特徴122を含み、正解ラベル302が、生成した正解ラベルに対応する。学習部104は、生成した学習用データを、記憶部(
図5のROM52やRAM53)に記憶しうる。
【0040】
S36において、学習部104は、S35で生成した学習用データを用いて、ドライバー傾向予測モデル112を学習させる。具体的には、
図3Bを参照すると、学習部104は、複数のサンプルユーザそれぞれについて、ユーザ特徴121と車関連特徴122を含む入力データ301をドライバー傾向予測モデル112に入力し、ドライバー傾向予測モデル112から正解ラベル302が出力されるように、ドライバー傾向予測モデル112を学習させる。
【0041】
ドライバー傾向予測モデル112は、機械学習のための学習モデルであり、例えば、CatBoostをベースにした学習モデルである。あるいは、ドライバー傾向予測モデル112は、XGBoostやLightGBMといった他のブースティングベースの学習モデルであってもよい。ブースティングベースの学習モデルを利用することにより、優良傾向のドライバーに起因するユーザ特徴を認識することも可能となる。
【0042】
学習部104は、複数のサンプルユーザについての学習用データ(入力データ301と正解ラベル302)を用いて、ドライバー傾向予測モデル112を学習させる。学習により、ドライバー傾向予測モデル112は、任意のユーザのユーザ特徴121と車関連特徴122を入力として、当該任意のユーザが優良傾向のドライバーである確率を出力するように構成される。学習が完了すると、S37において、学習部104は、学習済みのドライバー傾向予測モデル112を、学習モデル記憶部110に記憶させる。
【0043】
[所定の傾向のドライバーの予測手順]
学習部104によりドライバー傾向予測モデル112が学習された後、予測部105は、当該学習済みのドライバー傾向予測モデル112を用いて、対象ユーザT1(任意のユーザ)が所定の傾向のドライバーか否かを予測する。本実施形態では、対象ユーザT1が優良傾向のドライバーか否かを予測する。本実施形態の予測部105による優良傾向のドライバーの予測手順について、
図4Aと
図4Bを参照して説明する。
図4Aは、所定の傾向のドライバーの予測手順のフローチャートを示し、
図4Bは、所定のドライバー予測時のドライバー傾向予測モデル112の概念図を示す。
【0044】
図4Aの処理は、ユーザ特徴取得部101および車関連特徴取得部102それぞれが、対象ユーザT1のユーザ特徴121および車関連特徴122を特徴記憶部120に記憶させた後に開始される。
【0045】
図4Aにおいて、まず、予測部105は、ドライバー傾向予測モデル112への入力データ401を、取得する(S41~S42)。
S41において、予測部105は、特徴記憶部120に記憶されている、対象ユーザT1のユーザ特徴121を取得する。
S42において、車関連特徴取得部102は、特徴記憶部120に記憶されている、対象ユーザT1の車関連特徴122を取得する。
なお、S41~S42の処理は、対象ユーザT1のユーザIDに基づいて行われる。また、S41~S42の処理は、
図4Aに示す順序に限定されず、異なる順序で行われてもよいし、同時に行われてもよい。また、本実施形態では、S41~S42で取得される各特徴が予め特徴記憶部120に格納されていることを前提としたが、これに限定されない。例えば、予測部105は、対象ユーザT1から直接的に当該各特徴を取得するように、あるいは、外部の装置から当該各特徴を取得するように構成されてもよい。
【0046】
S43において、予測部105は、予測部105は、S41~S42で取得した対象ユーザT1のユーザ特徴121と車関連特徴122を、ドライバー傾向予測モデル112に入力し、対象ユーザT1が所定の傾向の(本実施形態では、優良傾向の)ドライバーか否かを予測する。対象ユーザT1のユーザ特徴121と車関連特徴122が入力されたドライバー傾向予測モデル112は、対象ユーザT1が所定の傾向のドライバーである確率(所定の傾向のドライバーである確率402)を出力するように構成されている。
【0047】
S44において、予測部105は、対象ユーザT1が所定の傾向の(すなわち、優良傾向の)ドライバーか否かの予測結果を、出力部106へ伝達する。例えば、予測部105は、対象ユーザT1が優良傾向のドライバーである確率を、予測結果として出力部106へ伝達しうる。あるいは、所定の閾値を設定し、当該確率が当該所定の閾値以上の場合に、対象ユーザT1が優良傾向のドライバーであり、当該確率が当該所定の閾値未満の場合に、対象ユーザT1が非優良傾向のドライバーであることを示す予測結果を出力部106へ伝達してよい。なお、当該所定の閾値は、操作者により入力部(
図5の入力部55)を介して入力されてもよいし、通信部(
図5の通信I/F57)を介して入力されてもよい。あるいは、当該所定の閾値は、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(
図5のROM52やRAM53)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0048】
S44で予測結果が伝達された出力部106は、当該予測結果に関する情報を生成して、ユーザ装置11-T1といった外部の装置へ出力することができる。例えば、予測結果が対象ユーザT1が優良傾向のドライバーであることを示し、かつ、対象ユーザT1が自動車保険サービスに加入していない場合に、出力部106は、対象ユーザT1に対して、自動車保険サービスを示す広告を作成して提供してもよい。また、出力部106は、対象ユーザT1を含む任意の複数のユーザに対する予測結果から、当該複数のユーザに対する優良傾向のドライバーの確率を算出し、当該確率を用いて、自動車保険サービスにおける新たな保険ポリシーを作成することができる。
【0049】
[情報処理装置10のハードウェア構成]
図5は、本実施形態による情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態による情報処理装置10は、単一または複数の、あらゆるコンピュータ、モバイルデバイス、または他のいかなる処理プラットフォーム上にも実装することができる。
図5を参照して、情報処理装置10は、単一のコンピュータに実装される例が示されているが、本実施形態による情報処理装置10は、複数のコンピュータを含むコンピュータシステムに実装されてよい。複数のコンピュータは、有線または無線のネットワークにより相互通信可能に接続されてよい。
【0050】
図5に示すように、情報処理装置10は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、HDD54と、入力部55と、表示部56と、通信I/F57と、システムバス58とを備えてよい。情報処理装置10はまた、外部メモリを備えてよい。
CPU(Central Processing Unit)51は、情報処理装置10における動作を統括的に制御するものであり、データ伝送路であるシステムバス58を介して、各構成部(52~57)を制御する。
【0051】
ROM(Read Only Memory)52は、CPU51が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する不揮発性メモリである。なお、当該プログラムは、HDD(Hard Disk Drive)54、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリや着脱可能な記憶媒体(不図示)等の外部メモリに記憶されていてもよい。
RAM(Random Access Memory)53は、揮発性メモリであり、CPU51の主メモリ、ワークエリア等として機能する。すなわち、CPU51は、処理の実行に際してROM52から必要なプログラム等をRAM53にロードし、当該プログラム等を実行することで各種の機能動作を実現する。
図2に示す学習モデル記憶部110および特徴記憶部120は、RAM53で構成されうる。
【0052】
HDD54は、例えば、CPU51がプログラムを用いた処理を行う際に必要な各種データや各種情報等を記憶している。また、HDD54には、例えば、CPU51がプログラム等を用いた処理を行うことにより得られた各種データや各種情報等が記憶される。
入力部55は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスにより構成される。
表示部56は、液晶ディスプレイ(LCD)等のモニターにより構成される。表示部56は、入力部55と組み合わせて構成されることにより、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。
【0053】
通信I/F57は、情報処理装置10と外部の装置との通信を制御するインタフェースである。
通信I/F57は、ネットワークとのインタフェースを提供し、ネットワークを介して、外部の装置との通信を実行する。通信I/F57を介して、外部の装置との間で各種データや各種パラメータ等が送受信される。本実施形態では、通信I/F57は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に準拠する有線LAN(Local Area Network)や専用線を介した通信を実行してよい。ただし、本実施形態で利用可能なネットワークはこれに限定されず、無線ネットワークで構成されてもよい。この無線ネットワークは、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等の無線PAN(Personal Area Network)を含む。また、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)や、WiMAX(登録商標)等の無線MAN(Metropolitan Area Network)を含む。さらに、LTE/3G、4G、5G等の無線WAN(Wide Area Network)を含む。なお、ネットワークは、各機器を相互に通信可能に接続し、通信が可能であればよく、通信の規格、規模、構成は上記に限定されない。
【0054】
図2に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能は、CPU51がプログラムを実行することで実現することができる。ただし、
図2に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU51の制御に基づいて動作する。
【0055】
[ユーザ装置11のハードウェア構成]
図1に示すユーザ装置11のハードウェア構成は、
図5と同様でありうる。すなわち、ユーザ装置11は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、HDD54と、入力部55と、表示部56と、通信I/F57と、システムバス58とを備えうる。ユーザ装置11は、情報処理装置10により提供された各種情報を、表示部56に表示し、GUI(入力部55と表示部56による構成)を介してユーザから受け付ける入力操作に対応する処理を行うことができる。
【0056】
このように、情報処理装置10は、ウェブサービスを通じて得られた当該対象ユーザのユーザ特徴と、当該対象ユーザが所有する自動車に関連する情報(車関連特徴)に基づいて、当該対象ユーザが所定の傾向のドライバーか否を予測することができる。これにより、当該対象ユーザに関して、運転により得られる物理的なデータや事故の有無といった客観的なデータが存在しない場合であっても、当該対象ユーザが所定の傾向のドライバーか否を予測することができる。
【0057】
また、情報処理装置10は、所定の傾向のドライバーの予測結果から、様々な新たなサービスをユーザに提供できる。例えば、情報処理装置10は、対象ユーザが優良傾向のドライバーであると予測し、当該対象ユーザが特定の自動車保険サービスに加入していない場合に、当該対象ユーザに対して、当該特定の自動車保険サービスを推奨することができる。また、情報処理装置10は、対象ユーザを含む任意の複数のユーザに対する予測結果から、当該複数のユーザに対する優良傾向のドライバーの確率を算出し、当該確率を用いて、自動車保険サービスにおける新たな保険ポリシーを作成することができる。これにより、自動車保険サービスにおける収益性が向上しうる。
【0058】
また、本実施形態では、当該予測のために、機械学習のための学習モデルである、ドライバー傾向予測モデル112を構築した。ここで、ドライバー傾向予測モデル112は、複数ユーザから得た、ユーザ特徴、車関連特徴、および自動車保険サービスにおける等級から生成した学習データを用いて学習される。当該学習データは、自動車保険サービスにおいて実際に割り当てられている等級に基づいて作成された正解ラベルを含ことから、当該等級が割り当てられた背景を考慮して、より正確な予測結果を出力するように、ドライバー傾向予測モデル112が学習される。
【0059】
なお、上記実施形態では、自動車に関連した実施形態を説明したが、あらゆる車両について、上記実施形態を適用可能である。例えば、自転車やバイクといった他の車両についても、上記実施形態を適用可能である。
【0060】
また、上記実施形態では、ドライバー傾向予測モデル112は、
図3Bや
図4Bに示したように、対象ユーザのユーザ特徴121と車関連特徴122を入力として、当該対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように構成されているが、入力されるデータはこれに限定されない。例えば、対象ユーザのユーザ特徴121のみが入力されて、該対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように構成および学習されてもよい。
【0061】
なお、上記において特定の実施形態が説明されているが、当該実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に記載された装置及び方法は上記した以外の形態において具現化することができる。また、本発明の範囲から離れることなく、上記した実施形態に対して適宜、省略、置換及び変更をなすこともできる。かかる省略、置換及び変更をなした形態は、請求の範囲に記載されたもの及びこれらの均等物の範疇に含まれ、本発明の技術的範囲に属する。
【0062】
本実施形態の開示は以下の構成を含む。
[1]対象ユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得手段と、前記対象ユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得手段と、前記ユーザ特徴と前記車両特徴を入力として、前記対象ユーザが所定の傾向のドライバーである確率を出力するように学習された学習モデルを利用して、前記対象ユーザが前記所定の傾向のドライバーか否かを予測する予測手段と、を有する、ドライバー傾向予測装置。
【0063】
[2]前記ユーザ特徴は、前記対象ユーザについての事実特徴と、前記事実特徴から推定される推定特徴と含む、[1]に記載のドライバー傾向予測装置。
【0064】
[3]前記事実特徴は、前記1つ以上の第1のサービスにおいて登録された前記対象ユーザのデモグラフィック情報と、前記第1のサービスにおけるサービス利用に関する行動を示す情報を含む、[2]に記載のドライバー傾向予測装置。
【0065】
[4]前記推定特徴は、前記対象ユーザのライフステージに関する特徴と、前記対象ユーザのライフスタイルに関する特徴の少なくとも一方を含む、[2]または[3]に記載のドライバー傾向予測装置。
【0066】
[5]前記1つ以上の第1のサービスと前記第2のサービスを含む複数のサービスは、当該複数のサービス間において共通のユーザ識別子で情報が管理可能に構成される、[1]から[4]のいずれかに記載のドライバー傾向予測装置。
【0067】
[6]複数のユーザの特徴を表すユーザ特徴を、1つ以上の第1のサービスから取得するユーザ特徴取得手段と、前記複数のユーザが所有する車両に関する特徴を表す車両特徴を、前記1つ以上の第1のサービスと異なる第2のサービスから取得する車両特徴取得手段と、
前記複数のユーザが所有する車両の車両保険の等級を取得する等級取得手段と、前記ユーザ特徴、前記車両特徴、および前記等級に基づいて、学習用データを生成する生成手段と、 前記学習用データを用いて、所定の傾向のドライバーの確率を予測するための学習モデルを学習させる学習手段と、を有する、学習装置。
【0068】
[7]前記ユーザ特徴は、前記複数のユーザについての事実特徴と、前記事実特徴から推定される推定特徴と含む、[6]に記載の学習装置。
【0069】
[8]前記事実特徴は、前記1つ以上の第1のサービスにおいて登録された前記対象ユーザのデモグラフィック情報と、前記第1のサービスにおけるサービス利用に関する行動を示す情報を含む、[7]に記載の学習装置。
【0070】
[9]前記推定特徴は、前記複数のユーザのライフステージに関する特徴と、前記複数のユーザのライフスタイルに関する特徴の少なくとも一方を含む、[7]または[8]に記載の学習装置。
【0071】
[10]前記1つ以上の第1のサービスと前記第2のサービスを含む複数のサービスは、当該複数のサービス間において共通のユーザ識別子で情報が管理可能に構成される、[6]から[9]のいずれかに記載の学習装置。
【符号の説明】
【0072】
1~N:ユーザ、T1:対象ユーザ、10:情報処理装置、11-1~11-N、11-T1:ユーザ装置、101:ユーザ特徴取得部、102:車関連特徴取得部、103:等級データ取得部、104:学習部、105:予測部、106:出力部、110:学習モデル記憶部、111:ユーザ特徴予測モデル、112:ドライバー傾向予測モデル、120:特徴記憶部、121:ユーザ特徴、122:車関連特徴、123:等級データ