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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 5/04 20060101AFI20241107BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241107BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20241107BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
F25B5/04 A
F25B1/00 396D
F25B5/02 510G
F25B13/00 104
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020062743
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021162205
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-01-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】吉見 敦史
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 英二
(72)【発明者】
【氏名】岩田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 猛
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-070596(JP,A)
【文献】特開2005-337659(JP,A)
【文献】特開2010-236706(JP,A)
【文献】特開2015-064194(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03263374(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00 ~ 49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(21)と、熱源側熱交換器(23a)と、を有する熱源側ユニット(2)と、
利用側熱交換器(3a、3b)を有する複数の利用側ユニット(3a、3b)と、
複数の前記利用側熱交換器を個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える中間ユニット(4a)と、
前記熱源側ユニットと前記中間ユニットとを接続する3本以上の連絡配管(5、6、7)と、
を備え、
前記中間ユニットは、
冷媒を昇圧するエジェクタ(41a、41b)と、
前記エジェクタから流出した冷媒が流入する気液分離器(42a)と、
を有し、
暖房運転を行う前記利用側ユニットで放熱した冷媒は、前記エジェクタで昇圧されないように構成され、
冷房運転を行う前記利用側ユニットで蒸発した冷媒は、前記エジェクタを流れるように構成され、
前記中間ユニットは、複数の前記利用側ユニットに対応した複数の前記エジェクタを有し、
前記中間ユニットは、
前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器との間に冷媒を流すための第1配管(P41a)と、
前記第1配管に設けられた第1弁(V41a)と、
前記熱源側熱交換器と前記第1弁との間において前記第1配管から分岐して前記エジェクタの駆動流入口(411a)に冷媒を流すための第2配管(P42a)と、
前記第2配管に設けられた第2弁(V42a)と、
前記気液分離器の液側出口(422a)から前記利用側熱交換器に冷媒を流すための第3配管(P45a)と、
をさらに有し、
前記第1弁及び前記第2弁を制御する制御部(50)をさらに備える、空気調和装置(1a)。
【請求項2】
各前記エジェクタは、各前記利用側ユニットと接続される、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記圧縮機は、超臨界状態の冷媒を吐出する、請求項1または2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記圧縮機で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む、請求項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の利用ユニットを有する空気調和装置において、冷房運転状態の利用ユニットと暖房運転状態の利用ユニットとを混在させる運転が可能な空気調和装置が知られている。このような空気調和装置として、例えば特開2005-337659号公報(特許文献1)には、冷媒連絡配管が3本である3管式の空気調和装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示の空気調和装置では、動力の回収に改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点に係る空気調和装置は、熱源側ユニットと、複数の利用側ユニットと、中間ユニットと、3本以上の連絡配管と、を備える。熱源側ユニットは、圧縮機と、熱源側熱交換器と、を有する。複数の利用側ユニットは、利用側熱交換器を有する。中間ユニットは、複数の利用側熱交換器を個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。3本以上の連絡配管は、熱源側ユニットと中間ユニットとを接続する。中間ユニットは、エジェクタと、気液分離器と、を有する。エジェクタは、冷媒を昇圧する。気液分離器は、エジェクタから流出した冷媒が流入する。暖房運転を行う利用側ユニットで放熱した冷媒は、エジェクタで昇圧されないように構成されている。
【0005】
第1観点に係る空気調和装置では、中間ユニットが動力を回収するためのエジェクタを有している。そして、暖房運転を行う利用側ユニットで放熱した冷媒は、エジェクタで昇圧されないように構成されている。このため、利点が相対的に小さい暖房運転を行う利用側熱交換器については、エジェクタを機能させずに、利点が相対的に大きい運転を行う利用側熱交換器で熱交換を行った冷媒をエジェクタで昇圧することができる。したがって、中間ユニットのエジェクタにより、動力を回収することができる。
【0006】
第2観点に係る空気調和装置は、第1観点の空気調和装置であって、冷房運転を行う利用側ユニットで蒸発した冷媒は、エジェクタを流れるように構成されている。
【0007】
第2観点に係る空気調和装置では、利点が相対的に大きい冷房運転を行う利用側熱交換器で蒸発した冷媒をエジェクタで昇圧することができる。このため、動力を回収する空気調和装置を実現できる。
【0008】
第3観点に係る空気調和装置は、第1または第2観点の空気調和装置であって、中間ユニットは、第1配管と、第1弁と、第2配管と、第2弁と、をさらに有する。第1配管は、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間に冷媒を流すための配管である。第1弁は、第1配管に設けられる。第2配管は、熱源側熱交換器と第1弁との間において第1配管から分岐してエジェクタの駆動流入口に冷媒を流すための配管である。第2弁は、第2配管に設けられる。空気調和装置は、第1弁及び第2弁を制御する制御部をさらに備える。
【0009】
第3観点に係る空気調和装置では、制御部により、第1弁を開にするとともに第2弁を閉にすることによって、第1配管を介して利用側熱交換器を流れる冷媒を、エジェクタを通さずに、熱源側熱交換器に供給することができる。また、制御部により、第1弁を閉にするとともに第2弁を開にすることによって、第2配管、エジェクタ及び気液分離器を介して利用側熱交換器を流れる冷媒を、エジェクタで昇圧した状態で、熱源側熱交換器に供給することができる。このように、第1弁及び第2弁によってエジェクタに駆動流を流すことと流さないこととを選択できる。このため、エジェクタを機能させることと、エジェクタを機能させないこととを、選択することができる。
【0010】
第4観点に係る空気調和装置は、第1から第3観点の空気調和装置であって、中間ユニットは、複数のエジェクタを有する。各エジェクタは、各利用側ユニットと接続される。
【0011】
第4観点に係る空気調和装置では、各エジェクタが各利用側ユニットの冷媒を昇圧することが可能な冷媒回路にも適用できる。
【0012】
第5観点に係る空気調和装置は、第1から第4観点の空気調和装置であって、エジェクタは、複数の利用側ユニットと接続される。
【0013】
第5観点に係る空気調和装置では、1つのエジェクタが複数の利用側ユニットの冷媒を昇圧することが可能な冷媒回路にも適用できる。
【0014】
第6観点に係る空気調和装置は、第1から第5観点の空気調和装置であって、圧縮機は、超臨界状態の冷媒を吐出する。
【0015】
第6観点に係る空気調和装置では、中間ユニットの一部に超臨界状態の冷媒が流れるので、駆動流に超臨界状態の冷媒を用いることができる。このため、エジェクタを使用する効果を高めることができる。
【0016】
第7観点に係る空気調和装置は、第6観点の空気調和装置であって、圧縮機で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。
【0017】
第7観点に係る空気調和装置では、二酸化炭素を含む冷媒は、超臨界状態にすることができる。このため、エジェクタを使用する効果を高めた空気調和装置を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。
図2】第1実施形態に係る空気調和装置を概略的に示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全冷房運転時の冷媒の流れを図示)である。
図4】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷房主体運転時の冷媒の流れを図示)である。
図5】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷暖均等運転時の冷媒の流れを図示)である。
図6】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(暖房主体運転時の冷媒の流れを図示)である。
図7】第1実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全暖房運転時の冷媒の流れを図示)である。
図8】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。
図9】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全冷房運転時の冷媒の流れを図示)である。
図10】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷房主体運転時の冷媒の流れを図示)である。
図11】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷暖均等運転時の冷媒の流れを図示)である。
図12】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(暖房主体運転時の冷媒の流れを図示)である。
図13】第2実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全暖房運転時の冷媒の流れを図示)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の一実施形態に係る空気調和装置について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(1)全体構成
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る空気調和装置1aは、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。空気調和装置1aは、熱源側ユニット2と、複数(ここでは4つ)の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、複数(ここでは4つ)の中間ユニット4a、4b、4c、4dと、第1連絡配管5と、第2連絡配管6と、第3連絡配管7と、第4連絡配管8a、8b、8c、8dと、第5連絡配管9a、9b、9c、9dと、図2に示す制御部50と、を備えている。空気調和装置1aの冷媒回路は、熱源側ユニット2と、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、中間ユニット4a、4b、4c、4dと、連絡配管5、6、7、8a、8b、8c、8d、9a、9b、9c、9dとが接続されることによって構成されている。空気調和装置1aは、中間ユニット4a、4b、4c、4dによって、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になるように構成されている。
【0021】
制御部50は、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御する。
【0022】
(1-2)詳細構成
(1-2-1)連絡配管
熱源側ユニット2と中間ユニット4a、4b、4c、4dとを接続する連絡配管は、3本である。ここでは、第1連絡配管5、第2連絡配管6及び第3連絡配管7は、熱源側ユニット2と中間ユニット4a、4b、4c、4dとを接続する。第1連絡配管5は、第3連絡配管7内の冷媒よりも圧力が高い冷媒が通る高圧連絡管である。第2連絡配管6は、第3連絡配管7内の冷媒よりも圧力が高い冷媒が通る高圧(高低圧の少なくとも高圧)連絡管である。第3連絡配管は、低圧側のガス連絡配管である。
【0023】
第1連絡配管5は、熱源側ユニット2から延びる合流管部と、中間ユニット4a、4b、4c、4dの手前で複数(ここでは4つ)に分岐した分岐管部5a、5b、5c、5dと、を有している。第2連絡配管6は、熱源側ユニット2から延びる合流管部と、中間ユニット4a、4b、4c、4dの手前で複数(ここでは4つ)に分岐した分岐管部6a、6b、6c、6dと、を有している。第3連絡配管7は、熱源側ユニット2から延びる合流管部と、中間ユニット4a、4b、4c、4dの手前で複数(ここでは4つ)に分岐した分岐管部7a、7b、7c、7dと、を有している。
【0024】
第4連絡配管8a、8b、8c、8d及び第5連絡配管9a、9b、9c、9dは、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと中間ユニット4a、4b、4c、4dとを接続する。第4連絡配管8a、8b、8c、8dは、中間ユニット4a、4b、4c、4dを介して、第1連絡配管5の分岐管部5a、5b、5c、5dと接続されている。第5連絡配管9a、9b、9c、9dは、中間ユニット4a、4b、4c、4dを介して、第2連絡配管6の分岐管部6a、6b、6c、6d及び第3連絡配管7の分岐管部7a、7b、7c、7dと接続されている。
【0025】
このように、本実施形態の空気調和装置1aは、熱源側ユニット2と中間ユニット4a、4b、4c、4dとを接続する連絡配管が3本の3管式である。
【0026】
(1-2-2)熱源側ユニット
熱源側ユニット2は、ビル等の屋上あるいはビル等の周囲に設置されている。熱源側ユニット2は、第1連絡配管5、第2連絡配管6、第3連絡配管7、第4連絡配管8a、8b、8c、8d、第5連絡配管9a、9b、9c、9d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dを介して利用側ユニット3a、3b、3c、3dに接続され、冷媒回路の一部を構成している。
【0027】
熱源側ユニット2は、主として、圧縮機21と、1つ以上(ここでは3つ)切換機構22a、22b、22cと、1つ以上(ここでは2つ)の熱源側熱交換器23a、23bと、1つ以上(ここでは2つ)の熱源側膨張弁24a、24bと、エジェクタ25と、気液分離器26と、を有している。
【0028】
圧縮機21は、低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。ここでは、圧縮機21として、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機用モータによって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。また、ここでは、圧縮機用モータは、インバータ等により回転数制御が可能になっており、これにより、圧縮機21の容量制御が可能になっている。
【0029】
本実施形態では、圧縮機21は、超臨界状態の冷媒を吐出する。このため、冷媒回路の一部を超臨界状態の冷媒が流れる。圧縮機21で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。ここでは、冷媒として、二酸化炭素を用いる。
【0030】
切換機構22a、22b、22cは、冷媒回路における冷媒の流れ方向を切り換えることが可能な四路切換弁である。
【0031】
第1及び第2切換機構22a、22bは、熱源側熱交換器23a、23bを冷媒の放熱器として機能させる熱源側放熱状態と、熱源側熱交換器23a、23bを冷媒の蒸発器として機能させる熱源側蒸発状態とを切り換え可能な電動弁である。
【0032】
第1切換機構22aは、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の放熱器として機能させる場合には、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続し(図1の第1切換機構22aの破線を参照)、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の蒸発器として機能させる場合には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続するように(図1の第1切換機構22aの実線を参照)、冷媒回路内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器である。
【0033】
第2切換機構22bは、第2熱源側熱交換器23bを冷媒の放熱器として機能させる場合には、圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続し(図1の第2切換機構22bの破線を参照)、第2熱源側熱交換器23bを冷媒の蒸発器として機能させる場合には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するように(図1の第2切換機構22bの実線を参照)、冷媒回路内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器である。
【0034】
第3切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送る場合には、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続し(図1の第3切換機構22cの実線を参照)、第2連絡配管6を流れる冷媒を圧縮機21の吸入側に送る場合には、圧縮機21の吸入側と第2連絡配管6とを接続するように(図1の第3切換機構22cの破線を参照)、冷媒回路内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器である。
【0035】
なお、切換機構22a、22b、22cは、四路切換弁によって構成される機構に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁及び冷媒管を組み合わせることによって、上記のような冷媒の流れ方向の切り換えを行えるように構成したものであってもよい。
【0036】
第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bは、冷媒と室外空気との熱交換を行う。第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bは、冷媒の放熱器として機能する、又は、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
【0037】
第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bは、開度を変更可能である。第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bの開度を調整することによって、減圧度合いを調整する。具体的には、第1熱源側膨張弁24aは、第1熱源側熱交換器23aを流れる冷媒の流量の調節等を行う開度調節が可能な電動膨張弁である。第2熱源側膨張弁24bは、第2熱源側熱交換器23bを流れる冷媒の流量の調節等を行う開度調節が可能な電動膨張弁である。
【0038】
エジェクタ25は、駆動流を用いて、熱源側熱交換器23a、23bで熱交換した冷媒を昇圧する。詳細には、エジェクタ41は、高圧の冷媒を駆動流として、低圧の冷媒を吸引して昇圧し、昇圧した冷媒を圧縮機21へ供給するように冷媒回路に設けられた昇圧機構である。
【0039】
エジェクタ25は、駆動流入口25aと、吸引流入口25bと、吐出口25cと、を含む。駆動流入口25aは、駆動流を流入する。吸引流入口25bは、熱源側熱交換器23a、23bで熱交換した冷媒を流入する。吐出口25cは、熱源側熱交換器23a、23bで熱交換した冷媒を昇圧させて吐出する。吐出口25cから吐出される冷媒は、気液二相状態である。
【0040】
気液分離器26は、エジェクタ25から流出した冷媒が流入する。気液分離器26は、冷媒入口26aと、液側出口26bと、ガス側出口26cと、を含む。冷媒入口26aは、エジェクタ25の吐出口25cと連通する。冷媒入口26aからは気液二相状態の冷媒が流入する。液側出口26bは、分離した液冷媒を流出する。ガス側出口26cは、分離したガス冷媒を流出する。
【0041】
熱源側ユニット2は、熱源側第1弁V21と、熱源側第2弁V22と、熱源側第3弁V23と、熱源側第4弁V24と、をさらに有している。
【0042】
熱源側第1弁V21は、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bと、第1連絡配管5とを接続する熱源側第1配管P21に設けられる。ここでは、熱源側第1弁V21は、開度調節が可能な電動弁である。
【0043】
熱源側第2弁V22は、第1連絡配管5とエジェクタ25の駆動流入口25aとを接続する熱源側第2配管P22に設けられる。熱源側第2配管P22は、熱源側第1配管P21における第1連絡配管5と熱源側第1弁V21との間から分岐する。ここでは、熱源側第2弁V22は、開閉可能な電動弁である。
【0044】
熱源側第3弁V23は、第2連絡配管6と、気液分離器26の冷媒入口26aとを接続する熱源側第3配管P23に設けられる。熱源側第3弁V23は、第2連絡配管6から気液分離器26への冷媒の流れのみを許容する逆止弁である。ここでは、熱源側第3弁V23は、第3切換機構22cと冷媒入口26aとの間に設けられる。
【0045】
熱源側第4弁V24は、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bと、気液分離器26の液側出口26bとを接続する熱源側第4配管P24に設けられる。熱源側第4弁V24は、液側出口26bから第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bへの冷媒の流れのみを許容する逆止弁である。ここでは、熱源側第4弁V24は、液側出口26bと、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bとの間に設けられる。
【0046】
熱源側ユニット2と第1連絡配管5との接続部には、第1閉鎖弁V25が設けられている。熱源側ユニット2と第2連絡配管6との接続部には、第2閉鎖弁V26が設けられている。熱源側ユニット2と第3連絡配管7との接続部には、第3閉鎖弁V27が設けられている。第1閉鎖弁V25、第2閉鎖弁V26及び第3閉鎖弁V27は、手動で開閉される弁である。
【0047】
(1-2-3)利用側ユニット
利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の屋内の天井に、埋め込みや吊り下げ等により設置されるか、あるいは、屋内の壁面に、壁掛け等により設置される。利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、第1連絡配管5、第2連絡配管6、第3連絡配管7、第4連絡配管8a、8b、8c、8d及び第5連絡配管9a、9b、9c、9d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源側ユニット2に接続されており、冷媒回路の一部を構成している。
【0048】
次に、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、互いが並列に接続される第1利用側ユニット3aと、第2利用側ユニット3bと、第3利用側ユニット3cと、第4利用側ユニット3dと、を含む。
【0049】
第1利用側ユニット3aは、第1利用側熱交換器31aと、第1利用側膨張弁32aとを有している。第2利用側ユニット3bは、第2利用側熱交換器31bと、第2利用側膨張弁32bとを有している。第3利用側ユニット3cは、第3利用側熱交換器31cと、第3利用側膨張弁32cとを有している。第4利用側ユニット3dは、第4利用側熱交換器31dと、第4利用側膨張弁32dとを有している。各利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと各利用側膨張弁32a、32b、32c、32dとは、直列で接続される。
【0050】
利用側熱交換器31a、31b、31c、31dは、冷媒と室内空気との熱交換を行うことで室内の空調負荷(熱負荷)を処理する熱交換器である。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dは、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する。
【0051】
利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、開度を変更可能である。利用側膨張弁32a、32b、32c、32dの開度を調整することによって、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dの減圧度合いを調整する。具体的には、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを流れる冷媒の流量の調節等を行う開度調節が可能な電動膨張弁である。
【0052】
利用側第1配管P31a、P31b、P31c、P31dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと第4連絡配管8a、8b、8c、8dとを接続する。利用側第1配管P31a、P31b、P31c、P31dにおいて、第4連絡配管8a、8b、8c、8dと利用側熱交換器31a、31b、31c、31dとの間に利用側膨張弁32a、32b、32c、32dが配置される。利用側第2配管P32a、P32b、P32c、P32dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと第5連絡配管9a、9b、9c、9dとを接続する。
【0053】
なお、ここでは利用側ユニットが4台の空気調和装置について説明するが、それよりも多い又は少ない利用側ユニットが1台の熱源側ユニット2に接続されて1つの冷媒回路を構成している場合にも、本開示は適用できる。
【0054】
(1-2-4)中間ユニット
中間ユニット4a、4b、4c、4dは、複数の利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。中間ユニット4は、ビルの室内に利用側ユニット3a、3b、3c、3dとともに配置されている。中間ユニット4a、4b、4c、4dは、第1連絡配管5、第2連絡配管6、第3連絡配管7、第4連絡配管8a、8b、8c、8d及び第5連絡配管9a、9b、9c、9dとともに、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと熱源側ユニット2との間に介在しており、冷媒回路の一部を構成している。
【0055】
本実施形態では、中間ユニット4a、4b、4c、4dは、複数のエジェクタ41a、41b、41c、41dを有している。換言すると、中間ユニット4a、4b、4c、4d全体が、複数のエジェクタ41a、41b、41c、41dを有している。各エジェクタ41a、41b、41c、41dは、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続される。このため、各エジェクタ41a、41b、41c、41dが各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒を昇圧することができる。ここでは、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧されないように構成されている。換言すると、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続されているエジェクタ41a、41b、41c、41dは、機能しないように構成されている。
【0056】
また、中間ユニット4a、4b、4c、4dは、複数の気液分離器42a、42b、42c、42dをさらに有している。換言すると、中間ユニット4a、4b、4c、4d全体が、複数の気液分離器42a、42b、42c、42dをさらに有している。各エジェクタ41a、41b、41c、41dから流出した冷媒は、各気液分離器42a、42b、42c、42dに流入する。
【0057】
次に、中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。以下の説明において、中間ユニット4aと中間ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、中間ユニット4aの構成のみ説明し、中間ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、中間ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
【0058】
1つの中間ユニット4aは、1つのエジェクタ41aと、1つの気液分離器42aと、を有している。
【0059】
エジェクタ41aは、冷媒を昇圧する。詳細には、エジェクタ41は、高圧の冷媒を駆動流として、利用側熱交換器31aで熱交換して低圧の冷媒を吸引して昇圧し、昇圧した冷媒を低圧側の連絡配管へ供給するように冷媒回路に設けられた昇圧機構である。
【0060】
エジェクタ41aは、暖房運転を行う利用側ユニット3aを流れる冷媒を昇圧しない。ここでは、エジェクタ41aは、駆動流を用いて、冷房運転を行う利用側ユニット3aで蒸発した冷媒を昇圧する。また、冷房運転を行う利用側ユニット3aで蒸発した冷媒を昇圧しないことも可能である。
【0061】
エジェクタ41aは、駆動流入口411aと、吸引流入口412aと、吐出口413aと、を含む。駆動流入口411aは、駆動流を流入する。駆動流入口411aは、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31aと連通する。吸引流入口412aは、蒸発器で蒸発した冷媒を流入する。吐出口413aは、蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧させて吐出する。吐出口413aから吐出される冷媒は、気液二相状態である。
【0062】
気液分離器42aは、エジェクタ41aから流出した冷媒が流入する。気液分離器42aは、冷媒入口421aと、液側出口422aと、ガス側出口423aと、を含む。冷媒入口421aは、エジェクタ41aの吐出口413aと連通する。冷媒入口421aからは気液二相状態の冷媒が流入する。液側出口422aは、分離した液冷媒を流出する。ガス側出口423aは、分離したガス冷媒を流出する。
【0063】
中間ユニット4aは、中間第1配管P41aと、中間第2配管P42aと、中間第3配管P43aと、中間第4配管P44aと、中間第5配管P45aと、中間第6配管P46aと、中間第7配管P47aと、中間第1弁V41aと、中間第2弁V42aと、中間第3弁V43aと、中間第4弁V44aと、中間第5弁V45aと、中間第6弁V46aと、をさらに有している。
【0064】
中間第1配管P41は、熱源側熱交換器23a、23bと第1利用側熱交換器31aとの間に冷媒を流す。ここでは、中間第1配管P41は、第1連絡配管5の分岐管部5aと、第4連絡配管8aとを接続する。中間第1配管P41aには、中間第1弁V41aが設けられる。ここでは、中間第1弁V41aは、開閉弁である。
【0065】
中間第2配管P42aは、熱源側熱交換器23a、23bと中間第1弁V41aとの間において中間第1配管P41aから分岐してエジェクタ41aの駆動流入口411aに冷媒を流す。中間第2配管P42aには、中間第2弁V42aが設けられる。ここでは、中間第2弁V42aは、開閉弁である。
【0066】
中間第3配管P43aは、第5連絡配管9aと第2連絡配管6の分岐管部6aとを接続する。中間第3配管P43には、中間第3弁V43aが設けられる。ここでは、中間第3弁V43aは、開閉弁である。
【0067】
中間第4配管P44aは、第5連絡配管9aと中間第3弁V43aとの間において中間第3配管P43aから分岐してエジェクタ41aの吸引流入口412aに冷媒を流す。中間第4配管P44aには、中間第4弁V44aが設けられる。ここでは、中間第4弁V44aは、開閉弁である。
【0068】
中間第5配管P45aは、気液分離器42aの液側出口422aと第4連絡配管8aとを接続する。中間第5配管P45aには、中間第5弁V45aが設けられる。中間第5弁V45aは、液側出口422aから第4連絡配管8aへの冷媒の流れのみを許容する逆止弁である。
【0069】
中間第6配管P46aは、気液分離器42aのガス側出口423aと第2連絡配管6の分岐管部6aとを接続する。中間第6配管P46には、中間第6弁V46aが設けられる。中間第6弁V46aは、電動弁である。
【0070】
中間第7配管P47aは、気液分離器42aのガス側出口423aと第3連絡配管7の分岐管部7aとを接続する。
【0071】
中間ユニット4aと連絡配管との接続部には、閉鎖弁が設けられている。閉鎖弁は、手動で開閉される弁である。ここでは、中間ユニット4aと第1~第3連絡配管5~7との接続部には、3つの閉鎖弁が設けられている。具体的には、3つの閉鎖弁は、中間ユニット4aと第1連絡配管5の分岐管部5aとの接続部、中間ユニット4aと第2連絡配管6の分岐管部6aとの接続部、及び中間ユニット4aと第3連絡配管7の分岐管部7aとの接続部に設けられている。また、ここでは、中間ユニット4aと第4及び第5連絡配管8a、9aとの接続部には、2つの閉鎖弁が設けられている。具体的には、2つの閉鎖弁は、中間ユニット4aと第4連絡配管8aとの接続部、及び中間ユニット4aと第5連絡配管9aとの接続部に設けられる。
【0072】
(1-2-5)制御部
図2に示す制御部50は、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御する。
【0073】
制御部50は、例えば、コンピュータにより実現されるものである。コンピュータは、例えば、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、プロセッサを使用できる。図2の制御部50は、プロセッサとしてのCPU51を備えている。制御演算装置は、例えば、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理、演算処理またはシーケンス処理を行う。さらに、制御演算装置は、例えば、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。制御部50は、記憶装置としてのメモリ52を備えている。
【0074】
制御部50は、熱源側ユニット2の圧縮機21及び切換機構22a、22b、22c、熱源側膨張弁24a、24b、熱源側第1弁V21、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの利用側膨張弁32a、32b、32c、32d、中間ユニット4の中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41d、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42d、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43d、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44d、及び中間第6弁V46a、V46b、V46c、V46dを制御する。
【0075】
詳細には、制御部50は、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを全開または全閉に制御することによって、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させるか否かを制御している。また、ここでは、制御部50は、エジェクタ41a、41b、41c、41dにおける利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒の昇圧度合いを、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dの開度で制御する。
【0076】
また、制御部50は、動力の回収量が所定量より小さい場合に、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させず、動力の回収量が所定量より大きい場合に、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させるように制御する。例えば、制御部50は、エジェクタ41a、41b、41c、41dの駆動流入口411a、411b、411c、411dに設けられた温度センサの温度が所定温度未満であるとエジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させない運転を行い、所定温度以上であるとエジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させる運転を行うように制御する。
【0077】
(1-3)運転動作
本実施形態に係る空気調和装置1aの運転には、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転、暖房主体運転、及び全暖房運転がある。全冷房運転は、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てを冷房する運転である。冷房主体運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転である。冷暖均等運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが同等の冷暖混在運転である。暖房主体運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転負荷の合計が冷房運転負荷の合計よりも大きい暖房主体の冷暖混在運転である。全暖房運転は、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てを暖房する運転である。以下、図3図7を参照して、空気調和装置1aの5つの運転における動作について説明する。なお、図3図7において、太線の配管は、冷媒が流れる配管を示し、細線の配管は、冷媒が流れない配管を示す。太線の配管に設けられている弁は開けられ、細線の配管に設けられている弁は閉じられている。
【0078】
ここでは、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転及び暖房主体運転において、中間ユニット4a、4b、4c、4dのエジェクタ41a、41b、41c、41dが機能することと、エジェクタ41a、41b、41c、41dが機能しないことと、の両方が可能に構成されている。このため、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転及び暖房主体運転において、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させることと、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させないこととを、選択することができる。一方、全暖房運転では、エジェクタ41a、41b、41c、41dが機能しないように構成されている。
【0079】
また、ここでは、暖房主体運転及び全暖房運転において、熱源側ユニット2のエジェクタ25を機能させる。
【0080】
(1-3-1)全冷房運転
(1-3-1-1)エジェクタを機能させる場合
図3に示すように、全冷房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの全てが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、熱源側熱交換器23a、23bが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0081】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、切換機構22a、22bは、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するよう(図3の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、第2連絡配管6を流れる冷媒を圧縮機21の吸入側に送るため、圧縮機21の吸入側と第2連絡配管6とを接続するよう(図3の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを開(ここでは全開)にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0082】
中間ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させるために、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを開にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46a、V46b、V46c、V46dを開にする。
【0083】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0084】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、切換機構22a、22bを経由して第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを経由した後に合流し、熱源側第1弁V21をさらに経由して熱源側ユニット2から流出する。
【0085】
熱源側ユニット2から流出した冷媒は、第1連絡配管5を通って中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られる。中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dが閉じられており、かつ中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dが開けられているので、中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dの駆動流入口411a、411b、411c、411dに流入する。この冷媒は、吸引流入口412a、412b、412c、412dに流入する冷媒(冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒)と混合されて、吐出口413a、413b、413c、413dから吐出する。エジェクタ41a、41b、41c、41dから流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42a、42b、42c、42dの冷媒入口421a、421b、421c、421dに流入する。そして、気液分離器42a、42b、42c、42dで分離されて液側出口422a、422b、422c、422dから流出する冷媒は、中間第5弁V45a、V45b、V45c、V45dを経由して、中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出する。
【0086】
中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られる。この冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発した後、利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0087】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られる。中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dが閉じられており、かつ中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dが開けられているので、中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dの吸引流入口412a、412b、412c、412dに流入する。エジェクタ41a、41b、41c、41dに流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dにおいて、上述した駆動流入口411a、411b、411c、411dから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出口413a、413b、413c、413dから吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42a、42b、42c、42dの冷媒入口421a、421b、421c、421dに流入する。そして、気液分離器42a、42b、42c、42dで分離されてガス側出口423a、423b、423c、423dから流出する冷媒は、中間第6配管P46a、P46b、P46c、P46d及び中間第7配管P47a、P47b、P47c、P47dに分岐されて、中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出する。
【0088】
中間ユニット4a、4b、4c、4dの中間第6配管P46a、P46b、P46c、P46dから流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。中間ユニット4a、4b、4c、4dの中間第7配管P47a、P47b、P47c、P47dから流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って熱源側ユニット2に送られる。
【0089】
第2連絡配管6から熱源側ユニット2に送られた冷媒は、第3切換機構22c及び熱源側第3弁V23を経由して気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。第3連絡配管7から熱源側ユニット2に送られた冷媒も、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0090】
このように、上記の全冷房運転の際には、中間ユニット4a、4b、4c、4dのエジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第2連絡配管6及び第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。
【0091】
(1-3-1-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4a、4b、4c、4dにおいて、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを閉にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを開にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46a、V46b、V46c、V46dを開にする。
【0092】
この場合、熱源側ユニット2から中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dが開けられており、かつ中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dが閉じられているので、エジェクタ41a、41b、41c、41dを通らずに、中間第1配管P41から第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに流出する。
【0093】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43d、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dが開いておりかつエジェクタ41a、41b、41c、41dに駆動流が流れていないため、エジェクタ41a、41b、41c、41dを通らずに、中間第3配管P43から第2連絡配管6を通って、熱源側ユニット2に流出する。
【0094】
(1-3-2)冷房主体運転
(1-3-2-1)エジェクタを機能させる場合
図4に示すように、冷房主体運転において、例えば、利用側ユニット3b、3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3aが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31b、31c、31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31aが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0095】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、切換機構22aは、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続するよう(図4の切換機構22aの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図4の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。なお、ここでは、冷媒は切換機構22bを流れないので、制御部50により、切換機構22bは制御されない。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを微開から全閉にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0096】
中間ユニット4aにおいては、制御部50により、中間第1弁V41aを開にし、中間第2弁V42aを全閉にし、中間第3弁V43aを開にし、中間第4弁V44aを閉にし、中間第6弁V46aを閉にする。中間ユニット4b、4c、4dにおいては、エジェクタ41b、41c、41dを機能させるために、制御部50により、中間第1弁V41b、V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42b、V42c、V42dを開にし、中間第3弁V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46b、V46c、V46dを閉にする。
【0097】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3aの暖房負荷及び利用側ユニット3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0098】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、その一部が第1切換機構22aを介して第1熱源側熱交換器23aに送られ、その残部が第3切換機構22cを介して熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。第1熱源側熱交換器23aに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び熱源側第1弁V21を経由して、熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。
【0099】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、分岐管部6aを通って、中間ユニット4aに送られる。中間ユニット4aに送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43aに流入し、中間第3弁V43aを経由して、中間ユニット4aから流出する。
【0100】
中間ユニット4aから流出した冷媒は、第5連絡配管9aを通って利用側ユニット3aに送られる。利用側ユニット3aに送られた冷媒は、利用側熱交換器31aに送られる。利用側熱交換器31aに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31aにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、全開にされた利用側膨張弁32aを通って利用側ユニット3aから流出する。一方、利用側熱交換器31aにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0101】
利用側ユニット3aから流出した冷媒は、第4連絡配管8aを通って中間ユニット4aに送られる。中間ユニット4aに送られた冷媒は、中間第1配管P41aに流入し、中間第1弁V41aを経由して中間ユニット4aから流出する。
【0102】
中間ユニット4aから流出した冷媒は、分岐管部5aを通って、第1連絡配管5の合流部において、第1熱源側熱交換器23aから第1連絡配管5へ流出した冷媒と合流する。合流した冷媒は、分岐管部5b、5c、5dを通って、中間ユニット4b、4c、4dに送られる。
【0103】
中間ユニット4b、4c、4dに送られた冷媒は、中間第1配管P41b、P41c、P41d及び中間第2配管P42b、P42c、P42dを通って、エジェクタ41b、41c、41dの駆動流入口411b、411c、411dに流入する。この冷媒は、吸引流入口412b、412c、412dから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口413b、413c、413dから吐出する。エジェクタ41b、41c、41dから流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42b、42c、42dの冷媒入口421b、421c、421dに流入する。そして、気液分離器42b、42c、42dで分離されて液側出口422b、422c、422dから流出する冷媒は、中間第5弁V45b、V45c、V45dを経由して、中間ユニット4b、4c、4dから流出する。
【0104】
中間ユニット4b、4c、4dから流出した冷媒は、第4連絡配管8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31b、31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0105】
利用側ユニット3b、3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9b、9c、9dを通って中間ユニット4b、4c、4dに送られる。中間ユニット4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41b、41c、41dの吸引流入口412b、412c、412dに流入する。エジェクタ41b、41c、41dに流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41b、41c、41dにおいて、上述した駆動流入口411b、411c、411dから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42b、42c、42dの冷媒入口421b、421c、421dに流入する。そして、気液分離器42b、42c、42dで分離されてガス側出口423b、423c、423dから流出する冷媒は、中間第7配管P47b、P47c、P47dを通って、中間ユニット4b、4c、4dから流出する。
【0106】
中間ユニット4b、4c、4dから流出した冷媒は、第3連絡配管7の分岐管部7b、7c、7dを通って熱源側ユニット2に送られる。
【0107】
熱源側ユニット2に送られた冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0108】
このように、上記の冷房主体運転の際には、中間ユニット4b、4c、4dのエジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3b、3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また、暖房運転を行う利用側ユニット3aで放熱した冷媒は、エジェクタ41aで昇圧されない。
【0109】
(1-3-2-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4b、4c、4dにおいて、エジェクタ41b、41c、41dを機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42b、V42c、V42dを閉にし、中間第3弁V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46b、V46c、V46dを閉にする。
【0110】
この場合、熱源側ユニット2から中間ユニット4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41b、41c、41dを通らずに、中間第1配管P41から第4連絡配管8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3b、3c、3dに流出する。利用側ユニット3b、3c、3dから中間ユニット4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41b、41c、41dを通らずに、中間第3配管P43から中間第4弁V44b、V44c、V44d及び逆止弁を経由して、中間第7配管P47b、47c、47dから流出する。中間ユニット4b、4c、4dを流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って、熱源側ユニット2に流入する。
【0111】
(1-3-3)冷暖均等運転
(1-3-3-1)エジェクタを機能させる場合
図5に示すように、冷暖均等運転において、例えば、利用側ユニット3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3bが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31c、31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31a、31bが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0112】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22aは、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続するよう(図5の切換機構22aの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、第2切換機構22bは、圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するよう(図5の切換機構22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、第3切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図5の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを微開から全閉にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0113】
中間ユニット4a、4bにおいては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41bを開にし、中間第2弁V42a、V42bを全閉にし、中間第3弁V43a、V43bを開にし、中間第4弁V44a、V44bを閉にし、中間第6弁V46a、V46bを閉にする。中間ユニット4c、4dにおいては、エジェクタ41c、41dを機能させるために、制御部50により、中間第1弁V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42c、V42dを開にし、中間第3弁V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46c、V46dを閉にする。
【0114】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3bの暖房負荷及び利用側ユニット3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0115】
このように、制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御する。まず、利用側ユニット3c、3dの冷房運転負荷の合計と利用側ユニット3a、3bの暖房運転負荷の合計とが同じである場合について説明する。
【0116】
圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、その一部が第1切換機構22aを介して第1熱源側熱交換器23aに送られ、その残部が第3切換機構22cを介して熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0117】
第1熱源側熱交換器23aに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器23aから、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを経由して、第2熱源側熱交換器23bに送られる。第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、第2切換機構22b及び熱源側第3弁V23を経由して気液分離器26を通って、圧縮機21に戻る。
【0118】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、分岐管部6a、6bを通って、中間ユニット4a、4bに送られる。中間ユニット4a、4bに送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43a、P43bに流入し、中間第3弁V43a、V43bを経由して、中間ユニット4a、4bから流出する。
【0119】
中間ユニット4a、4bから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9bを通って利用側ユニット3a、3bに送られる。利用側ユニット3a、3bに送られた冷媒は、利用側熱交換器31a、31bに送られる。利用側熱交換器31a、31bに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31bにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、全開にされた利用側膨張弁32a、32bを通って利用側ユニット3a、3bから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31bにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0120】
利用側ユニット3a、3bから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8bを通って中間ユニット4a、4bに送られる。中間ユニット4a、4bに送られた冷媒は、中間第1配管P41a、P41bに流入し、中間第1弁V41a、V41bを経由して中間ユニット4a、4bから流出する。
【0121】
中間ユニット4a、4bから流出した冷媒は、分岐管部5a、5bを流れて、第1連絡配管5の合流部で分岐管部5c、5dに流れて、中間ユニット4c、4dに送られる。中間ユニット4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41c、41dの駆動流入口411c、411dに流入する。この冷媒は、吸引流入口412c、412dから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口413c、413dから吐出する。エジェクタ41c、41dから流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42c、42dの冷媒入口421c、421dに流入する。そして、気液分離器42c、42dで分離されて液側出口422c、422dから流出する冷媒は、中間第5弁V45c、V45dを経由して、中間ユニット4b、4c、4dから流出する。
【0122】
中間ユニット4c、4dから流出した冷媒は、第4連絡配管8c、8dを通って、利用側ユニット3c、3dに送られる。利用側ユニット3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32c、32dを経由して利用側熱交換器31c、31dに送られる。利用側熱交換器31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0123】
利用側ユニット3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9c、9dを通って中間ユニット4c、4dに送られる。中間ユニット4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41c、41dの吸引流入口412c、412dに流入する。エジェクタ41c、41dに流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41c、41dにおいて、上述した駆動流入口411c、411dから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42c、42dの冷媒入口421c、421dに流入する。そして、気液分離器42c、42dで分離されてガス側出口423c、423dから流出する冷媒は、中間第7配管P47c、P47dを通って、中間ユニット4c、4dから流出する。
【0124】
中間ユニット4c、4dから流出した冷媒は、第3連絡配管7の分岐管部7c、7dを通って熱源側ユニット2に送られる。
【0125】
熱源側ユニット2に送られた冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0126】
次に、利用側ユニット3c、3dの冷房運転負荷の合計が利用側ユニット3a、3bの暖房運転負荷の合計よりも増えた場合について説明する。
【0127】
熱源側ユニット2では、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aに送られて放熱した冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び熱源側第1弁V21を経由して、熱源側ユニット2から流出し、第1連絡配管5に流れる。そして、第1連絡配管5の合流部において、中間ユニット4a、4bから分岐管部5a、5bへ流出した冷媒(利用側熱交換器31a、31bで熱交換を行った冷媒)と合流する。合流した冷媒は、分岐管部5c、5dを通って、中間ユニット4c、4dに送られる。
【0128】
次に、利用側ユニット3a、3bの暖房運転負荷の合計が利用側ユニット3c、3dの冷房運転負荷の合計よりも増えた場合について説明する。
【0129】
利用側熱交換器31a、31bで熱交換し、さらに中間ユニット4a、4bから流出した冷媒は、分岐管部5a、5bを流れて、第1連絡配管5の合流部において、その一部が熱源側ユニット2に流れて、その残部が分岐管部5c、5dに流れて、中間ユニット4c、4dに送られる。熱源側ユニット2に流れた冷媒は、熱源側第1配管P21を流れ、熱源側第1弁V21、第2熱源側膨張弁24bを経由して、第2熱源側熱交換器23bに送られる。第2熱源側熱交換器23bで蒸発した冷媒は、第2切換機構22b及び熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0130】
このように、上記の冷房均等運転の際には、中間ユニット4c、4dのエジェクタ41c、41dを機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また暖房運転を行う利用側ユニット3a、3bで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41bで昇圧されない。
【0131】
(1-3-3-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4c、4dにおいて、エジェクタ41c、41dを機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42c、V42dを閉にし、中間第3弁V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46c、V46dを閉にする。この場合の動作は、冷房主体運転の中間ユニット4c、4dと同様である。
【0132】
(1-3-4)暖房主体運転
(1-3-4-1)エジェクタを機能させる場合
図6に示すように、暖房主体運転において、例えば、利用側ユニット3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3b、3cが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31a、31b、31cが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0133】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22a及び第2切換機構22bは、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の蒸発器として機能させるため、圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するように(図6の第1切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図6の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを開にし、熱源側第1弁V21を閉にし、熱源側第2弁V22を開にする。
【0134】
中間ユニット4a、4b、4cにおいては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41cを開にし、中間第2弁V42a、V42b、V42cを全閉にし、中間第3弁V43a、V43b、V43cを開にし、中間第4弁V44a、V44b、V44cを閉にし、中間第6弁V46a、V46b、V46cを閉にする。中間ユニット4dにおいては、エジェクタ41dを機能させるために、制御部50により、中間第1弁V41dを閉にし、中間第2弁V42dを開にし、中間第3弁V43dを閉にし、中間第4弁V44dを開にし、中間第6弁V46dを閉にする。
【0135】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3b、3cの暖房負荷及び利用側ユニット3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0136】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、第3切換機構22cを通って熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0137】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、分岐管部6a、6b、6cを通って、中間ユニット4a、4b、4cに送られる。中間ユニット4a、4b、4cに送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43a、P43b、P43cに流入し、中間第3弁V43a、V43b、V43cを経由して、中間ユニット4a、4b、4cから流出する。
【0138】
中間ユニット4a、4b、4cから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9cを通って利用側ユニット3a、3b、3cに送られる。そして、利用側熱交換器31a、31b、31cに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31cにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32cを通って利用側ユニット3a、3b、3cから流出する。一方、利用側熱交換器31aにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0139】
利用側ユニット3a、3b、3cから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8cを通って中間ユニット4a、4b、4cに送られる。中間ユニット4a、4b、4cに送られた冷媒は、中間第1配管P41a、P41b、P41cに流入し、中間第1弁V41a、V41b、V41cを経由して中間ユニット4a、4b、4cから流出する。
【0140】
中間ユニット4a、4b、4cから流出した冷媒は、分岐管部5a、5b、5cを通って、第1連絡配管5の合流部において、その一部が熱源側ユニット2へ流入し、その残部が分岐管部5dへ流入する。
【0141】
分岐管部5dに流入した冷媒は、中間ユニット4dに送られる。中間ユニット4dに送られた冷媒は、エジェクタ41dの駆動流入口411dに流入する。この冷媒は、吸引流入口412dから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口413dから吐出する。エジェクタ41dから流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42dの冷媒入口421dに流入する。そして、気液分離器42dで分離されて液側出口422dから流出する冷媒は、中間第5弁V45dを経由して、中間ユニット4dから流出する。
【0142】
中間ユニット4dから流出した冷媒は、第4連絡配管8dを通って、利用側ユニット3dに送られる。利用側ユニット3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32dを経由して、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31dに送られて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3dから流出する。一方、利用側熱交換器31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0143】
利用側ユニット3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9dを通って中間ユニット4dに送られる。中間ユニット4dに送られた冷媒は、エジェクタ41dの吸引流入口412dに流入し、エジェクタ41dにおいて、上述した駆動流入口411dから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42dの冷媒入口421dに流入する。そして、気液分離器42dで分離されてガス側出口423dから流出する冷媒は、中間第7配管P47dを通って、中間ユニット4dから流出する。
【0144】
中間ユニット4dから流出した冷媒は、第3連絡配管7の分岐管部7dを通って熱源側ユニット2に送られる。この冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0145】
また、第1連絡配管5の合流部において、熱源側ユニット2へ流入した冷媒(利用側熱交換器31a、31b、31cで熱交換を行った冷媒の一部)は、エジェクタ25の駆動流入口25aに流入する。この冷媒は、吸引流入口25bから流入される冷媒(冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23a、23bで蒸発した冷媒)と混合されて、吐出口25cから吐出する。エジェクタ25から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0146】
このように、中間ユニット4a、4b、4cからの冷媒と、中間ユニット4dからの冷媒とは、気液分離器26で合流する。そして、気液分離器26で分離されて液側出口26bから流出する冷媒は、熱源側第4弁V24を経由して、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bに流れるように分岐して、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した各冷媒は、第1切換機構22a及び第2切換機構22bを経由して、エジェクタ25の吸引流入口25bに流入する。この低圧の冷媒は、エジェクタ41dにおいて、上述した駆動流入口25aから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0147】
そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0148】
このように、上記の暖房主体運転の際には、中間ユニット4dのエジェクタ41dを機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3cで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41cで昇圧されない。
【0149】
(1-3-4-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4dにおいて、エジェクタ41dを機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41dを開にし、中間第2弁V42dを閉にし、中間第3弁V43dを閉にし、中間第4弁V44dを開にし、中間第6弁V46dを閉にする。この場合の動作は、冷房主体運転の中間ユニット4dと同様である。
【0150】
(1-3-5)全暖房運転
図7に示すように、全暖房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの全てが冷媒の放熱器として機能し、かつ、熱源側熱交換器23a、23bが冷媒の蒸発として機能する運転)を行う。
【0151】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22a及び第2切換機構22bは、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の蒸発器として機能させるため、圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するように(図7の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、第3切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図7の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを開にし、熱源側第1弁V21を閉にし、熱源側第2弁V22を開にする。
【0152】
中間ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを全閉にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを開にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを閉にし、中間第6弁V46a、V46b、V46c、V46dを閉にする。
【0153】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房負荷に応じて開度調節される。
【0154】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、第3切換機構22cを通って熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0155】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、分岐管部6a、6b、6c、6dを通って、中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られる。中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43a、P43b、P43c、P43dに流入し、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを経由して、中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出する。
【0156】
中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。そして、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを通って利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0157】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られる。中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dに流入し、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを経由して中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出する。
【0158】
中間ユニット4a、4b、4c、4dから流出した冷媒は、分岐管部5a、5b、5c、5dを通って、第1連絡配管5の合流部で合流し、熱源側ユニット2に流入する。熱源側ユニット2へ流入した冷媒は、エジェクタ25の駆動流入口25aに流入する。この冷媒は、吸引流入口25bから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口25cから吐出する。エジェクタ25から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されて液側出口26bから流出する冷媒は、熱源側第4弁V24を経由して、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bに流れるために分岐して、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した冷媒は、第1切換機構22a及び第2切換機構22bを経由して合流し、エジェクタ25の吸引流入口25bに流入する。この低圧の冷媒は、エジェクタ25において、上述した駆動流入口25aから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0159】
このように、上記の全暖房運転の際には、中間ユニット4a、4b、4c、4dのエジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させない。換言すると、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧されない。
【0160】
(1-5)特徴
本実施形態の空気調和装置1aは、熱源側ユニット2と、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、中間ユニット4a、4b、4c、4dと、3本以上の連絡配管5、6、7と、を備える。熱源側ユニット2は、圧縮機21と、熱源側熱交換器23a、23bと、を有する。複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを有する。中間ユニット4a、4b、4c、4dは、複数の利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。3本以上の連絡配管5、6、7は、熱源側ユニット2と中間ユニット4a、4b、4c、4dとを接続する。中間ユニット4a、4b、4c、4dは、エジェクタ41a、41b、41c、41dと、気液分離器42a、42b、42c、42dと、を有する。エジェクタ41a、41b、41c、41dは、冷媒を昇圧する。気液分離器42a、42b、42c、42dは、エジェクタ41a、41b、41c、41dから流出した冷媒が流入する。暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧されないように構成されている。
【0161】
本実施形態の空気調和装置1aでは、中間ユニット4a、4b、4c、4dが動力を回収するためのエジェクタ41a、41b、41c、41dを有している。そして、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧されないように構成されている。このため、利点が相対的に小さい暖房運転を行う利用側熱交換器31a、31b、31c、31dについては、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させずに、利点が相対的に大きい運転を行う利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで熱交換を行った冷媒をエジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧することができる。したがって、中間ユニット4a、4b、4c、4dのエジェクタ41a、41b、41c、41dにより、動力を回収することができる。
【0162】
ここでは、空気調和装置1aは、冷房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで蒸発した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dを流れるように構成されている。これにより、利点が相対的に大きい冷房運転を行う利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒をエジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧することができる。このため、動力を回収する空気調和装置1aを実現できる。
【0163】
ここでは、中間ユニット4a、4b、4c、4dは、中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dと、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dと、中間第2配管P42a、P42b、P42c、P42dと、中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dと、をさらに有する。中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dは、熱源側熱交換器23a、23bと利用側熱交換器31a、31b、31c、31dとの間に冷媒を流すための配管である。中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dは、中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dに設けられる。中間第2配管P42a、P42b、P42c、P42dは、熱源側熱交換器23a、23bと中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dとの間において中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dから分岐してエジェクタ41a、41b、41c、41dの駆動流入口411a、411b、411c、411dに冷媒を流すための配管である。中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dは、中間第2配管P42a、P42b、P42c、P42dに設けられる。空気調和装置1aは、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41d及び中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを制御する制御部50をさらに備える。
【0164】
制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを開にするとともに中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを閉にすることによって、中間第1配管P41a、P41b、P41c、P41dを介して利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを流れる冷媒を、エジェクタ41a、41b、41c、41dを通さずに、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに供給することができる。また、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを閉にするとともに中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dを開にすることによって、中間第2配管P42a、P42b、P42c、P42d、エジェクタ41a、41b、41c、41d及び気液分離器42a、42b、42c、42dを介して利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを流れる冷媒を、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧した状態で、熱源側熱交換器23a、23bに供給することができる。このように、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41d及び中間第2弁V42a、V42b、V42c、V42dによってエジェクタ41a、41b、41c、41dに駆動流を流すことと流さないこととを選択できる。このため、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させることと、エジェクタ41a、41b、41c、41dを機能させないこととを、選択することができる。
【0165】
ここでは、中間ユニット4a、4b、4c、4dは、複数のエジェクタ41a、41b、41c、41dを有する。各エジェクタ41a、41b、41c、41dは、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続される。このように、本実施形態の空気調和装置1aは、各エジェクタ41a、41b、41c、41dが各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒を昇圧することが可能な冷媒回路にも適用できる。
【0166】
ここでは、圧縮機21は、超臨界状態の冷媒を吐出する。これにより、中間ユニット4a、4b、4c、4dの一部に超臨界状態の冷媒が流れるので、駆動流に超臨界状態の冷媒を用いることができる。このため、エジェクタ41a、41b、41c、41dを使用する効果を高めることができる。
【0167】
ここでは、圧縮機21で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。二酸化炭素を含む冷媒は、超臨界状態にすることができる。このため、エジェクタ41a、41b、41c、41dを使用する効果を高めた空気調和装置1aを容易に実現できる。
【0168】
(2)第2実施形態
(2-1)全体構成
図8に示すように、第2実施形態の空気調和装置1bは、基本的には第1実施形態の空気調和装置1aと同様の構成を備えるが、エジェクタ41が複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続される点において主に異なる。本実施形態の空気調和装置1bは、熱源側ユニット2と、1つの中間ユニット4と、4つの利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、制御部50と、を備える。
【0169】
(2-2)詳細構成
(2-2-1)連絡配管
本実施形態の第1連絡配管5、第2連絡配管6及び第3連絡配管7は、分岐管部を有していない点においてのみ、第1実施形態と異なる。
【0170】
(2-2-2)熱源側ユニット
本実施形態の熱源側ユニット2は、第3連絡配管7と接続される熱源側第5配管P25において第1実施形態と異なる。具体的には、図1に示す第1実施形態の第3連絡配管7と接続される熱源側第5配管P25は、熱源側第3弁V23と気液分離器26の冷媒入口26aとの間に接続されている。図8に示す本実施形態の熱源側第5配管P25は、第3連絡配管7と熱源側第3弁V23との間に接続されている。
【0171】
(2-2-3)利用側ユニット
本実施形態の利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、第1実施形態と同様である。
【0172】
(2-2-4)中間ユニット
中間ユニット4は、1つのエジェクタ41と、1つの気液分離器42と、を有している。
【0173】
1つのエジェクタ41は、複数の利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。エジェクタ41は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続される。このため、1つのエジェクタ41が各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒を昇圧することができる。エジェクタ41から流出した冷媒は、気液分離器42に流入する。
【0174】
本実施形態のエジェクタ41は、第1実施形態のエジェクタ41a、41b、41c、41dと同様の構成を備える。具体的には、エジェクタ41は、駆動流入口411と、吸引流入口412と、吐出口413と、を含む。
【0175】
本実施形態の気液分離器42は、第1実施形態の気液分離器42a、42b、42c、42dと同様の構成を備える。具体的には、気液分離器42は、冷媒入口421と、液側出口422と、ガス側出口423と、を含む。
【0176】
中間ユニット4は、中間第1配管P41と、中間第2配管P42と、中間第3配管P43と、中間第4配管P44と、中間第5配管P45と、中間第6配管P46と、中間第7配管P47と、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dと、中間第2弁V42と、中間第3弁V43aと、中間第4弁V44aと、中間第5弁V45aと、中間第6弁V46aと、をさらに有している。
【0177】
中間第1配管P41は、熱源側熱交換器23a、23bと第1利用側熱交換器31a、31b、31c、31dとの間に冷媒を流す。ここでは、中間第1配管P41は、第1連絡配管5と、第4連絡配管8a、8b、8c、8dとを接続する。このため、中間第1配管P41は、第1連絡配管5から4つに分岐して第4連絡配管8a、8b、8c、8dと接続される第1分岐管P411、P412、P413、P414を有する。
【0178】
第1分岐管P411、P412、P413、P414には、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dが設けられる。ここでは、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dは、開閉弁である。
【0179】
中間第2配管P42は、熱源側熱交換器23a、23bと中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dとの間において中間第1配管P41から分岐してエジェクタ41の駆動流入口411に冷媒を流す。ここでは、中間第2配管P42は、中間第1配管P41において、第1連絡配管5と中間第1分岐管P411、P412、P413、P414との間から分岐する。
【0180】
中間第2配管P42には、中間第2弁V42が設けられる。ここでは、中間第2弁V42は、開閉弁である。
【0181】
中間第3配管P43は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dと第2連絡配管6とを接続する。このため、中間第3配管P43は、第2連絡配管6から4つに分岐して第5連絡配管9a、9b、9c、9dと接続される第3分岐管P431、P432、P433、P434を有する。
【0182】
第3分岐管P431、P432、P433、P434には、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dが設けられる。ここでは、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dは、開閉弁である。
【0183】
中間第4配管P44は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dとエジェクタ41の吸引流入口412とを接続する。このため、中間第4配管P44は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dと接続される4つの第4分岐管P441、P442、P443、P444を有する。4つの第4分岐管P441、P442、P443、P444は、吸引流入口412の手前で合流する。
【0184】
第4分岐管P441、P442、P443、P444には、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dが設けられる。ここでは、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dは、開閉弁である。
【0185】
中間第5配管P45は、気液分離器42の液側出口422と第4連絡配管8a、8b、8c、8dとを接続する。このため、中間第5配管P45は、第4連絡配管8a、8b、8c、8dと接続される4つの第5分岐管P451、P452、P453、P454を有する。
【0186】
第5分岐管P451、P452、P453、P454には、中間第5弁V45a、V45b、V45c、V45dが設けられる。中間第5弁V45a、V45b、V45c、V45dは、液側出口422aから第4連絡配管8a、8b、8c、8dへの冷媒の流れのみを許容する逆止弁である。
【0187】
中間第6配管P46は、気液分離器42のガス側出口423と第2連絡配管6とを接続する。中間第6配管P46には、中間第6弁V46が設けられる。中間第6弁V46は、電動弁である。
【0188】
中間第7配管P47は、気液分離器42のガス側出口423と第3連絡配管7とを接続する。
【0189】
中間ユニット4と連絡配管との接続部には、閉鎖弁が設けられている。閉鎖弁は、手動で開閉される弁である。ここでは、中間ユニット4と第1、第2及び第3連絡配管5、67との接続部には、3つの閉鎖弁が設けられている。具体的には、3つの閉鎖弁は、中間ユニット4と第1連絡配管5との接続部、中間ユニット4と第2連絡配管6との接続部、及び中間ユニット4と第3連絡配管7との接続部に設けられている。また、ここでは、中間ユニット4と第4及び第5連絡配管8a、8b、8c、8d、9a、9b、9c、9dとの接続部には、8つの閉鎖弁が設けられている。具体的には、8つの閉鎖弁は、中間ユニット4と第4連絡配管8a、8b、8c、8dの接続部、及び中間ユニット4と第5連絡配管9a、9b、9c、9dとの接続部に設けられる。
【0190】
(2-2-5)制御部
制御部50は、第1実施形態と同様に、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御する。具体的には、制御部50は、熱源側ユニット2の圧縮機21及び切換機構22a、22b、22c、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの利用側膨張弁32a、32b、32c、32d、中間ユニット4の中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41d、中間第2弁V42、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43d、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44d、及び中間第6弁V46を制御する。
【0191】
詳細には、制御部50は、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを全開または全閉に制御することによって、エジェクタ41を機能させるか否かを制御している。また、ここでは、制御部50は、エジェクタ41における利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒の昇圧度合いを、中間第2弁V42の開度で制御する。
【0192】
また、制御部50は、動力の回収量が所定量より小さい場合に、エジェクタ41を機能させず、動力の回収量が所定量より大きい場合に、エジェクタ41を機能させるように制御する。
【0193】
(2-3)運転動作
本実施形態に係る空気調和装置1bの運転には、第1実施形態と同様に、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転、暖房主体運転、及び全暖房運転がある。以下、図9図13を参照して、空気調和装置1bの5つの運転における動作について説明する。なお、図9図13において、太線の配管は、冷媒が流れる配管を示し、細線の配管は、冷媒が流れない配管を示す。太線の配管に設けられている弁は開けられ、細線の配管に設けられている弁は閉じられている。
【0194】
ここでは、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転及び暖房主体運転において、中間ユニット4のエジェクタ41が機能することと、エジェクタ41が機能しないことと、の両方が可能に構成されている。一方、全暖房運転では、エジェクタが機能しないように構成されている。
【0195】
(2-3-1)全冷房運転
(2-3-1-1)エジェクタを機能させる場合
図9に示すように、全冷房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転を行う。
【0196】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、切換機構22a、22bは、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するよう(図9の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、第2連絡配管6を流れる冷媒を圧縮機21の吸入側に送るため、圧縮機21の吸入側と第2連絡配管6とを接続するよう(図3の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを開(ここでは全開)にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0197】
中間ユニット4においては、エジェクタ41を機能させるために、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42を開にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46を開にする。
【0198】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0199】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、切換機構22a、22bを経由して第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを経由した後に合流し、熱源側第1弁V21をさらに経由して熱源側ユニット2から流出する。
【0200】
熱源側ユニット2から流出した冷媒は、第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口411に流入する。この冷媒は、吸引流入口412から蒸発器で蒸発した冷媒(冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒)と混合されて、吐出口413から吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口422から流出する冷媒は、中間第5弁V45a、V45b、V45c、V45dを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0201】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0202】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを経由して、エジェクタ41の吸引流入口412に流入する。エジェクタ41に流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41において、上述した駆動流入口411から流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出口413から吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口423から流出する冷媒は、中間第6配管P46及び中間第7配管P47に分岐されて、中間ユニット4から流出する。
【0203】
中間ユニット4の中間第6配管P46から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。中間ユニット4の中間第7配管P47から流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って熱源側ユニット2に送られる。
【0204】
第2連絡配管6から熱源側ユニット2に送られた冷媒は、切換機構22c及び熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。第3連絡配管7から熱源側ユニット2に送られた冷媒も、熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0205】
このように、上記の全冷房運転の際には、中間ユニット4のエジェクタ41を機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第2連絡配管6及び第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。
【0206】
(2-3-1-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4において、エジェクタ41を機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42を閉にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを開にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46を開にする。
【0207】
この場合、熱源側ユニット2から中間ユニット4に送られた冷媒は、エジェクタ41を通らずに、中間第1配管P41から第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに流出する。
【0208】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って中間ユニット4a、4b、4c、4dに送られた冷媒は、エジェクタ41を通らずに、中間第3配管P43から第2連絡配管6を通って、熱源側ユニット2に流出する。
【0209】
(2-3-2)冷房主体運転
(2-3-2-1)エジェクタを機能させる場合
図10に示すように、冷房主体運転において、例えば、利用側ユニット3b、3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3aが暖房運転を行う。
【0210】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、切換機構22aは、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続するよう(図10の切換機構22aの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図10の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。なお、ここでは、冷媒は切換機構22bを流れないので、制御部50により、切換機構22bは制御されない。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを全開にし、第2熱源側膨張弁24bを全閉にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0211】
中間ユニット4においては、制御部50により、中間第1弁V41aを開にし、中間第1弁V41b、V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42を開にし、中間第3弁V43aを開にし、中間第3弁V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44aを閉にし、中間第4弁V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46aを閉にする。
【0212】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3aの暖房負荷及び利用側ユニット3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0213】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、その一部が第1切換機構22aを介して第1熱源側熱交換器23aに送られ、その残部が第3切換機構22cを介して熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。第1熱源側熱交換器23aに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び熱源側第1弁V21を経由して、熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。第1連絡配管5へ流出した冷媒は、中間ユニット4の中間第1配管P41に送られる。
【0214】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、中間ユニット4の中間第3配管P43に送られる。この高圧の冷媒は、中間第3弁V43aを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0215】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第5連絡配管9aを通って利用側ユニット3aに送られる。利用側ユニット3aに送られた冷媒は、利用側熱交換器31aに送られる。利用側熱交換器31aに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31aにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、全開にされた利用側膨張弁32aを通って利用側ユニット3aから流出する。一方、利用側熱交換器31aにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0216】
利用側ユニット3aから流出した冷媒は、第4連絡配管8aを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、第1分岐管P411に流入し、第1熱源側熱交換器23aから第1連絡配管5へ流出して第1分岐管P411に流入した冷媒と、点Aにおいて合流する。合流した冷媒は、中間第2配管P42を通って、エジェクタ41の駆動流入口411に流入する。そして、この冷媒は、吸引流入口412から蒸発器で蒸発した冷媒(冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dで蒸発した冷媒)と混合されて、吐出口413から吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口422から流出する冷媒は、第5分岐管P452、P453、P454に分岐して、中間第5弁V45b、V45c、V45dを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0217】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第4連絡配管8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31b、31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0218】
利用側ユニット3b、3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9b、9c、9dを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第4弁V44b、V44c、V44dを経由して、中間第4配管P44で合流して、エジェクタ41の吸引流入口412に流入する。エジェクタ41に流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41において、上述した駆動流入口411から流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口423から流出する冷媒は、中間第7配管P47を通って、中間ユニット4から流出する。
【0219】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って熱源側ユニット2に送られる。
【0220】
熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0221】
このように、上記の冷房主体運転の際には、中間ユニット4のエジェクタ41を機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3b、3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また、暖房運転を行う利用側ユニット3aで放熱した冷媒は、エジェクタ41aで昇圧されない。
【0222】
(2-3-2-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4において、エジェクタ41を機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42を閉にし、中間第3弁V43b、V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44b、V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46を閉にする。
【0223】
この場合、熱源側ユニット2から第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られた冷媒は、エジェクタ41を通らずに、中間第1配管P41から第1分岐管P411、P412、P413、P414を通って、中間ユニット4から流出する。この冷媒は、第4連絡配管8b、8c、8dを通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに流出する。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで熱交換をして利用側ユニット3b、3c、3dから中間ユニット4b、4c、4dに送られた冷媒は、中間第4弁V44b、V44c、V44dを経由して、逆止弁を通って、中間ユニット4から流出する。中間ユニット4b、4c、4dを流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って、熱源側ユニット2に流入する。
【0224】
(2-3-3)冷暖均等運転
(2-3-3-1)エジェクタを機能させる場合
図11に示すように、冷暖均等運転において、例えば、利用側ユニット3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3bが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31c、31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31a、31bが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0225】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22aは、第1熱源側熱交換器23aを冷媒の放熱器として機能させるため、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器23aのガス側とを接続するよう(図11の切換機構22aの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、第2切換機構22bは、圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するよう(図11の切換機構22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、第3切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図11の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを微開にし、熱源側第1弁V21を開にし、熱源側第2弁V22を全閉にする。
【0226】
中間ユニット4においては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41bを開にし、中間第1弁V41c、V41dを閉にし、中間第2弁V42を開にし、中間第3弁V43a、V43bを開にし、中間第3弁V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44a、V44bを閉にし、中間第4弁V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46を閉にする。
【0227】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3bの暖房負荷及び利用側ユニット3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0228】
このように、制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御する。まず、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが同じである場合について説明する。
【0229】
圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、その一部が第1切換機構22aを介して第1熱源側熱交換器23aに送られ、その残部が第3切換機構22cを介して熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0230】
第1熱源側熱交換器23aに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器23aから、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bを経由して、第2熱源側熱交換器23bに送られる。第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、第2切換機構22b及び熱源側第3弁V23を経由して気液分離器26を通って、圧縮機21に戻る。
【0231】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って、中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43に流入し、中間第3弁V43a、V43bを経由して、中間ユニット4a、4bから流出する。
【0232】
中間ユニット4a、4bから流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9bを通って利用側ユニット3a、3bに送られる。利用側ユニット3a、3bに送られた冷媒は、利用側熱交換器31a、31bに送られる。利用側熱交換器31a、31bに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31bにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32bを通って利用側ユニット3a、3bから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31bにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0233】
利用側ユニット3a、3bから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8bを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、第1分岐管P411、P412に流入し、中間第1弁V41a、V41bを及び第2弁V42を経由して、エジェクタ41の駆動流入口411に流入する。この冷媒は、吸引流入口412から蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口413から吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口422から流出する冷媒は、中間第5弁V45c、V45dを経由して、中間ユニット4b、4c、4dから流出する。
【0234】
中間ユニット4c、4dから流出した冷媒は、第4連絡配管8c、8dを通って、利用側ユニット3c、3dに送られる。利用側ユニット3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32c、32dを経由して利用側熱交換器31c、31dに送られる。利用側熱交換器31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0235】
利用側ユニット3c、3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9c、9dを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第4弁V44c、V44dを経由して、エジェクタ41の吸引流入口412に流入する。エジェクタ41に流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41において、上述した駆動流入口411から流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口423から流出する冷媒は、中間第7配管P47を通って、中間ユニット4から流出する。
【0236】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第5配管P25を通って、熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0237】
次に、利用側ユニット3c、3dの冷房運転負荷の合計が利用側ユニット3a、3bの暖房運転負荷の合計よりも増えた場合について説明する。
【0238】
熱源側ユニット2では、冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器23aで放熱した冷媒は、第1熱源側膨張弁24a及び熱源側第1弁V21を経由して、熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。この冷媒は、第1連絡配管5を通って、中間ユニット4の中間第1配管P41に流入する。この冷媒は、点Aにおいて、利用側熱交換器31a、31bで熱交換して中間第1弁V41a、V41bを経由した冷媒と合流する。合流した冷媒は、中間第2弁V42を経由して、エジェクタ41の駆動流入口411へ流入する。
【0239】
次に、利用側ユニット3a、3bの暖房運転負荷の合計が利用側ユニット3c、3dの冷房運転負荷の合計よりも増えた場合について説明する。
【0240】
利用側熱交換器31a、31bで熱交換し、さらに中間ユニット4a、4bの中間第1配管P41を通り、中間ユニット4から流出した冷媒は、第1連絡配管5を通って熱源側ユニット2に流入する。この冷媒は、熱源側第1配管P21を流れ、熱源側第1弁V21、第2熱源側膨張弁24bを経由して、第2熱源側熱交換器23bに送られる。第2熱源側熱交換器23bで蒸発した冷媒は、第2切換機構22b及び熱源側第3弁V23を経由して、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0241】
このように、上記の冷房均等運転の際には、中間ユニット4のエジェクタ41を機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3c、3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3bで放熱した冷媒は、エジェクタ41aで昇圧されない。
【0242】
(2-3-3-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4において、エジェクタ41を機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42c、V42dを閉にし、中間第3弁V43c、V43dを閉にし、中間第4弁V44c、V44dを開にし、中間第6弁V46を閉にする。この場合の動作は、冷房主体運転の中間ユニット4と同様である。
【0243】
(2-3-4)暖房主体運転
(2-3-4-1)エジェクタを機能させる場合
図12に示すように、暖房主体運転において、例えば、利用側ユニット3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3b、3cが暖房運転を行う。
【0244】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22a及び第2切換機構22b、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の蒸発器として機能させるため、圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するように(図12の第1切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図12の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを開にし、熱源側第1弁V21を閉にし、熱源側第2弁V22を開にする。
【0245】
中間ユニット4においては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41cを開にし、中間第1弁V41dを閉にし、中間第2弁V42を開にし、中間第3弁V43a、V43b、V43cを開にし、中間第3弁V43dを閉にし、中間第4弁V44a、V44b、V44cを閉にし、中間第4弁V44dを開にし、中間第6弁V46を閉にする。
【0246】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3b、3cの暖房負荷及び利用側ユニット3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0247】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4a、4b、4c、4dの構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、第3切換機構22cを通って熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0248】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43に流入し、中間第3弁V43a、V43b、V43cを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0249】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9cを通って利用側ユニット3a、3b、3cに送られる。そして、利用側熱交換器31a、31b、31cに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31cにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32cを通って利用側ユニット3a、3b、3cから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31cにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0250】
利用側ユニット3a、3b、3cから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8cを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、第1分岐管P411、P412、P413に流入する。この冷媒は、中間第1弁V41a、V41b、V41cを経由して、点Aにおいて、その一部が中間第2配管P42に流入し、その残部が中間ユニット4から第1連絡配管5を通って、熱源側ユニット2に流入し、熱源側第2弁V22を経由してエジェクタ25の駆動流入口25aに流入する。
【0251】
中間第2配管P42に流入した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口411に流入する。この冷媒は、吸引流入口412dから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口413から吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口422から流出する冷媒は、中間第5弁V45dを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0252】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第4連絡配管8dを通って、利用側ユニット3dに送られる。利用側ユニット3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32dを経由して、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31dに送られて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3dから流出する。一方、利用側熱交換器31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0253】
利用側ユニット3dから流出した冷媒は、第5連絡配管9dを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第4配管P44を通ってエジェクタ41の吸引流入口412に流入する。エジェクタ41に流入した冷媒は、上述した駆動流入口411から流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出口413から吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口421に流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口423から流出する冷媒は、中間第7配管P47を通って、中間ユニット4から流出する。
【0254】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管7を通って熱源側ユニット2に送られる。この冷媒は、熱源側第5配管P25及び第3配管P23を通って、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0255】
また、利用側熱交換器31a、31b、31cで熱交換して中間ユニット4の点Aから第1連絡配管5を通る冷媒は、熱源側第2弁V22を経由して、熱源側ユニット2のエジェクタ25の駆動流入口25aに流入する。この冷媒は、吸引流入口25bから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口25cから吐出する。エジェクタ25から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0256】
気液分離器26で分離されて液側出口26bから流出する冷媒は、熱源側第4弁V24を経由して、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bに流れるように分岐して、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。
【0257】
第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した各冷媒は、第1切換機構22a及び第2切換機構22bを経由して、エジェクタ25の吸引流入口25bに流入する。この低圧の冷媒は、エジェクタ41dにおいて、上述した駆動流入口25aから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。
【0258】
そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0259】
このように、上記の暖房主体運転の際には、中間ユニット4のエジェクタ41を機能させて、冷房運転を行う利用側ユニット3dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第3連絡配管7を通って圧縮機21に戻している。また、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3cで放熱した冷媒は、エジェクタ41aで昇圧されない。
【0260】
(2-3-4-2)エジェクタを機能させない場合
中間ユニット4において、エジェクタ41dを機能させない場合には、制御部50により、中間第1弁V41dを開にし、中間第2弁V42dを閉にし、中間第3弁V43dを閉にし、中間第4弁V44dを開にし、中間第6弁V46を閉にする。この場合の動作は、冷房主体運転の中間ユニット4dと同様である。
【0261】
(2-3-5)全暖房運転
図13に示すように、全暖房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの全てが冷媒の放熱器として機能し、かつ、熱源側熱交換器23a、23bが冷媒の蒸発として機能する運転)を行う。
【0262】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部50により、第1切換機構22a及び第2切換機構22bは、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bを冷媒の蒸発器として機能させるため、圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bのガス側とを接続するように(図13の第1切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられる。また制御部50により、切換機構22cは、圧縮機21から吐出された冷媒を第2連絡配管6に送るため、圧縮機21の吐出側と第2連絡配管6とを接続するよう(図13の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられる。また、制御部50により、第1熱源側膨張弁24aを開にし、第2熱源側膨張弁24bを開にし、熱源側第1弁V21を閉にし、熱源側第2弁V22を開にする。
【0263】
中間ユニット4においては、制御部50により、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを開にし、中間第2弁V42を閉にし、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを開にし、中間第4弁V44a、V44b、V44c、V44dを閉にし、中間第6弁V46を閉にする。
【0264】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部50により、利用側膨張弁32a、32b、32c、33dは、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房負荷に応じて開度調節される。
【0265】
このように制御部50により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、第3切換機構22cを介して熱源側ユニット2から第2連絡配管6へ流出する。
【0266】
第2連絡配管6へ流出した冷媒は、中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた高圧の冷媒は、中間第3配管P43に流入し、第3分岐管P431、P432、P433、P434をさらに流れて、中間第3弁V43a、V43b、V43c、V43dを経由して、中間ユニット4から流出する。
【0267】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第5連絡配管9a、9b、9c、9dを通って利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。そして、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを通って利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0268】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管8a、8b、8c、8dを通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、第1分岐管P411、P412、P413、P414に流入し、中間第1弁V41a、V41b、V41c、V41dを経由して合流する。合流した冷媒は、エジェクタ41を通らずに、中間ユニット4から流出する。
【0269】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第1連絡配管5を通って、熱源側ユニット2に流入する。熱源側ユニット2へ流入した冷媒は、エジェクタ25の駆動流入口25aに流入する。この冷媒は、吸引流入口25bから蒸発器で蒸発した冷媒と混合されて、吐出口25cから吐出する。エジェクタ25から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されて液側出口26bから流出する冷媒は、熱源側第4弁V24を経由して、第1熱源側膨張弁24a及び第2熱源側膨張弁24bに流れるために分岐して、第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bに送られる。この冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器23a及び第2熱源側熱交換器23bにおいて、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した冷媒は、第1切換機構22a及び第2切換機構22bを経由して合流し、エジェクタ25の吸引流入口25bに流入する。この低圧の冷媒は、エジェクタ25において、上述した駆動流入口25aから流入した冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器26の冷媒入口26aに流入する。そして、気液分離器26で分離されてガス側出口26cから流出する冷媒は、圧縮機21に吸入される。
【0270】
このように、上記の全暖房運転の際には、中間ユニット4のエジェクタ41dを機能させない。換言すると、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41a、41b、41c、41dで昇圧されない。
【0271】
(2-5)特徴
本実施形態のエジェクタ41は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと接続される。このように、本実施形態の空気調和装置1bは、1つのエジェクタ41が複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒を昇圧することが可能な冷媒回路にも適用できる。
【0272】
(3)変形例
(3-1)変形例A
上述した第1及び第2実施形態では、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41、41a、41b、41c、41dを通らないが、これに限定されない。本変形例では、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41、41a、41b、41c、41dを通るが、エジェクタ41、41a、41b、41c、41dで昇圧されない。この場合、例えば、駆動流がエジェクタ41、41a、41b、41c、41dに流れない。
【0273】
なお、駆動流はエジェクタ41、41a、41b、41c、41dに流れるが、吸引流入口412、412a、412b、412c、412dに吸引流(暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒)が流れなくてもよい。
【0274】
(3-2)変形例B
上述した第1及び第2実施形態では、熱源側ユニット2はエジェクタ25を含むが、これに限定されない。本変形例では、熱源側ユニット2は、エジェクタ25を含まない。
【0275】
(3-3)変形例C
第1実施形態では、各エジェクタ41a、41b、41c、41dは、空気調和装置1aが備える全ての各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒をそれぞれ昇圧する。第2実施形態では、1つのエジェクタ41は、空気調和装置1bが備える複数の全ての利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷媒を昇圧する。本変形例では、空気調和装置は、複数のエジェクタを備える。第1のエジェクタは、空気調和装置が備える1つの利用側ユニットの冷媒を昇圧する。第2のエジェクタは、空気調和装置が備える複数の利用側ユニットの冷媒を昇圧する。
【0276】
(3-4)変形例D
第1及び第2実施形態の空気調和装置1a、1bでは、冷媒に二酸化炭素を用いる場合について説明した。空気調和装置に用いられる冷媒としては、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力が高い二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合冷媒が好ましいが、限定されず、二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合冷媒以外の冷媒を用いることもできる。例えば、飽和温度が65℃に達するときに飽和圧力が4.5MPa以上となる冷媒を用いてもよい。このような冷媒として、例えば、R410Aを用いることができる。また、圧縮機21から吐出されるときに臨界状態になるフロン系の冷媒を用いてもよい。このようなフロン系の冷媒としては、例えば、R23を用いることができる。
【0277】
(3-5)変形例E
第1及び第2実施形態の空気調和装置1a、1bでは、熱源側ユニット2と中間ユニット4、4a、4b、4c、4dとを接続する連絡配管5、6、7は3本であったが、4本以上であってもよい。
【0278】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0279】
1a,1b :空気調和装置
2 :熱源側ユニット
3a,3b,3c,3d :利用側ユニット
4,4a,4b,4c,4d :中間ユニット
5,6,7 :連絡配管
21 :圧縮機
23a,23b :熱源側熱交換器
31a,31b,31c,31d :利用側熱交換器
41,41a,41b,41c,41d :エジェクタ
42,42a,42b,42c,42d :気液分離器
50 :制御部
411,411a,411b,411c,411d :駆動流入口
P41,P41a,P41b,P41b,P41c,P41d :第1配管
P42,P42a,P42b,P42b,P42c,P42d :第2配管
V41a,V41b,V41c,V41d :第1弁
V42,V42a,V42b,V42c,V42d :第2弁
【先行技術文献】
【特許文献】
【0280】
【文献】特開2005-337659号公報
図1
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