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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/00 20060101AFI20241107BHJP
   B60C 9/18 20060101ALI20241107BHJP
   B60C 11/13 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B60C11/00 D
B60C11/00 B
B60C9/18 K
B60C11/13 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020134304
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030342
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宇
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-254909(JP,A)
【文献】特開2012-041008(JP,A)
【文献】特開2004-161026(JP,A)
【文献】特開2001-191732(JP,A)
【文献】国際公開第2009/150941(WO,A1)
【文献】特開2010-179775(JP,A)
【文献】特開2011-068324(JP,A)
【文献】特開2015-214285(JP,A)
【文献】特開2015-009788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/00
B60C 9/18
B60C 11/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された2層以上のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置され、2種以上のゴムからなるトレッドゴム層とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる少なくとも2本の主溝が形成され、これら主溝により区分された複数の陸部を有する空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト層を構成するベルトコードが層間で交差しているベルト交差領域の前記ベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを2等分した長さCWと、タイヤ中心線からタイヤ幅方向最外側の主溝の溝中心までの前記ベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さGWとが0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たし、
タイヤ子午線断面において、前記主溝の溝底位置を規定する溝底基準線と、前記ベルト交差領域の外端を通って前記ベルト層と直交する外側基準線とを規定すると共に、タイヤ幅方向最外側の主溝のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部において前記溝底基準線と前記外側基準線により区画されるショルダー領域と、タイヤ幅方向最外側の主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部において前記溝底基準線により区画されるセンター領域とを規定したとき、前記センター領域における前記トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_CEnと断面積CS_CEnの関係式である下記式(1)から算出される総和CEと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_SHnと断面積CS_SHnの関係式である下記式(2)から算出される総和SHとがCE<SHの関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
CE=EX_CE1×CS_CE1+EX_CE2×CS_CE2+・・・+EX_CEn×CS_CEn (1)
SH=EX_SH1×CS_SH1+EX_SH2×CS_SH2+・・・+EX_SHn×CS_SHn (2)
【請求項2】
前記総和CEと前記総和SHとが0.50≦CE/SH≦0.85の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記トレッドゴム層を構成する2種以上のゴムのうちタイヤ径方向最外側に位置するキャップゴムの熱膨張係数が該キャップゴム以外のゴムの熱膨張係数より小さく、前記センター領域における前記トレッドゴム層のキャップゴム以外のゴムのゴム厚さが前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層のキャップゴム以外のゴムのゴム厚さより薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底が2つ以上の円弧から構成され、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底における前記ショルダー領域側の円弧の曲率半径Rshが前記センター領域側の円弧の曲率半径Rceより大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記トレッド部に3本以上の前記主溝を有し、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝幅が該主溝よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝の溝幅より大きく、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底を構成する円弧の曲率半径Rの平均値が該主溝よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝の溝底を構成する円弧の曲率半径Rの平均値より大きいことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底が2つ以上の円弧から構成され、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底における前記センター領域側の円弧の曲率半径Rceと前記ショルダー領域側の円弧の曲率半径Rshとが0.25≦Rce/Rsh≦0.50の関係を満たすことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数が0.8×10-4/℃~3.0×10-4/℃の範囲にあることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、センター領域及びショルダー領域におけるトレッドゴム層を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定することにより、コーナリングパワー及び転がり抵抗を維持しながら、加硫後のゴムの熱収縮による初期の引張ひずみとリム組みしてインフレートした後の溝の開きによる引張ひずみとを緩和して、グルーブクラックを抑制することを可能にした空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤにおいて、トレッド部に形成された主溝にクラックが発生すると、タイヤの摩耗寿命に至る前にタイヤ交換が必要になることがある。このようなグルーブクラックは、加硫後のゴムの熱収縮による初期の引張ひずみと、リム組みしてインフレートした後の溝の開きによる引張ひずみにより発生するクラックがそれぞれ起点となって拡大する。
【0003】
トレッド部のグループクラックを抑制するために、トレッド部を構成するゴムの配合を工夫することが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、トレッド部の特定の領域においてトレッド部を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定することは行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6025494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、センター領域及びショルダー領域におけるトレッドゴム層を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定することにより、コーナリングパワー及び転がり抵抗を維持しながら、加硫後のゴムの熱収縮による初期の引張ひずみとリム組みしてインフレートした後の溝の開きによる引張ひずみとを緩和して、グルーブクラックを抑制することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された2層以上のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置され、2種以上のゴムからなるトレッドゴム層とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる少なくとも2本の主溝が形成され、これら主溝により区分された複数の陸部を有する空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層を構成するベルトコードが層間で交差しているベルト交差領域の前記ベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを2等分した長さCWと、タイヤ中心線からタイヤ幅方向最外側の主溝の溝中心までの前記ベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さGWとが0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たし、タイヤ子午線断面において、前記主溝の溝底位置を規定する溝底基準線と、前記ベルト交差領域の外端を通って前記ベルト層と直交する外側基準線とを規定すると共に、タイヤ幅方向最外側の主溝のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部において前記溝底基準線と前記外側基準線により区画されるショルダー領域と、タイヤ幅方向最外側の主溝のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部において前記溝底基準線により区画されるセンター領域とを規定したとき、前記センター領域における前記トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_CEnと断面積CS_CEnの関係式である下記式(1)から算出される総和CEと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_SHnと断面積CS_SHnの関係式である下記式(2)から算出される総和SHとがCE<SHの関係を満たすことを特徴とするものである。なお、「n」はトレッドゴム層を構成するゴムの種類数である。
CE=EX_CE1×CS_CE1+EX_CE2×CS_CE2+・・・+EX_CEn×CS_CEn (1)
SH=EX_SH1×CS_SH1+EX_SH2×CS_SH2+・・・+EX_SHn×CS_SHn (2)
【発明の効果】
【0007】
本発明者は、一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部におけるカーカス層の外周側に配置された2層以上のベルト層と、ベルト層の外周側に配置され、2種以上のゴムからなるトレッドゴム層とを備え、トレッド部にタイヤ周方向に延びる少なくとも2本の主溝が形成され、これら主溝により区分された複数の陸部を有する空気入りタイヤについて鋭意研究した結果、上述するようなグルーブクラックを抑制するにあたって、リム組みしてインフレートした後の引張ひずみが最大となる位置が主溝の位置により異なるということ、及び、グルーブクラックが生じ易い主溝の両側に位置する陸部(領域)で加硫後のゴムの熱収縮をコントロールすることで引張ひずみの最大値を低減できるということを知見し、本発明に至ったのである。
【0008】
本発明では、ベルト層を構成するベルトコードが層間で交差しているベルト交差領域のベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを2等分した長さCWと、タイヤ中心線からタイヤ幅方向最外側の主溝の溝中心までのベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さGWとは0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たし、センター領域におけるトレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_CEnと断面積CS_CEnとの関係式である上記式(1)から算出される総和CEと、ショルダー領域におけるトレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数EX_SHnと断面積CS_SHnとの関係式である上記式(2)から算出される総和SHとはCE<SHの関係を満たす。即ち、グルーブクラックが生じ易いタイヤ幅方向最外側の主溝(最外主溝)に着目し、最外主溝の位置を特定すると共に、最外主溝の両側に位置するセンター領域とショルダー領域におけるトレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定している。上述したように長さCWと長さGWとが0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たすことにより、最外主溝がトレッド部のタイヤ幅方向内側寄りに配置されるが、これはリム組みしてインフレートした後での最外主溝の溝底領域の引張ひずみを緩和する方向に作用する。また、上記式(1)から算出されるセンター領域の総和CEと上記式(2)から算出されるショルダー領域の総和SHとがCE<SHの関係を満たすことで、リム組みしてインフレートした後での最外主溝の溝底領域の引張ひずみを緩和することができると共に、加硫後のゴムの熱収縮がコントロールされるので、引張ひずみの最大値を低減することができる。これにより、グルーブクラックが生じ易い最外主溝でのグルーブクラックを抑制することができる。更に、最外主溝がトレッド部のタイヤ幅方向内側寄りに配置されることに伴って、センター領域の断面積がショルダー領域の断面積よりも相対的に小さくなるので、コーナリングパワー及び転がり抵抗を悪化させることなく、維持することができる。
【0009】
本発明の空気入りタイヤにおいて、総和CEと総和SHとは0.50≦CE/SH≦0.85の関係を満たすことが好ましい。これにより、グルーブクラックが生じ易い最外主溝の溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0010】
トレッドゴム層を構成する2種以上のゴムのうちタイヤ径方向最外側に位置するキャップゴムの熱膨張係数はキャップゴム以外のゴムの熱膨張係数より小さく、センター領域におけるトレッドゴム層のキャップゴム以外のゴムのゴム厚さはショルダー領域におけるトレッドゴム層のキャップゴム以外のゴムのゴム厚さより薄いことが好ましい。これにより、キャップゴムの熱収縮を抑制しながら、最外主溝の溝底の引張ひずみが最大となる位置を調整することができるので、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0011】
タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底は2つ以上の円弧から構成され、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底におけるショルダー領域側の円弧の曲率半径Rshはセンター領域側の円弧の曲率半径Rceより大きいことが好ましい。これにより、リム組みしてインフレートした後において、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0012】
トレッド部に3本以上の前記主溝を有し、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝幅は該主溝よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝の溝幅より大きく、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底を構成する円弧の曲率半径Rの平均値は該主溝よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝の溝底を構成する円弧の曲率半径Rの平均値より大きいことが好ましい。これにより、リム組みしてインフレートした後において、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0013】
タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底は2つ以上の円弧から構成され、タイヤ幅方向最外側の主溝の溝底におけるセンター領域側の円弧の曲率半径Rceとショルダー領域側の円弧の曲率半径Rshとは0.25≦Rce/Rsh≦0.50の関係を満たすことが好ましい。これにより、最外主溝の溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0014】
トレッドゴム層を構成する各ゴムの熱膨張係数は0.8×10-4/℃~3.0×10-4/℃の範囲にあることが好ましい。これにより、最外主溝の溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示す子午線断面図である。
図2】(a),(b)は図1の空気入りタイヤの要部を拡大して示す断面図であり、(a)は各種の寸法を示し、(b)はセンター領域とショルダー領域の区分を示す。
図3図1の空気入りタイヤに形成された主溝の溝底の寸法を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤに形成された最外主溝の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1~3は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態からなる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。なお、図1に示す空気入りタイヤは、タイヤ中心線CLの両側で対称の構造を有している。
【0018】
一対のビード部3間には、少なくとも1層(図1では1層)のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。カーカス層4の補強コードとしては、ポリエステル等の有機繊維コードが好ましく使用されるが、スチールコードを使用しても良い。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
【0019】
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。図1において、ベルト層7は、カーカス層4のタイヤ径方向外側に隣接する内側ベルト7Aと、そのタイヤ径方向外側に位置する外側ベルト7Bとを含んでいる。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。図1において、ベルトカバー層8は、ベルト層7の両端部を局所的に覆う一対のエッジカバー層を構成している。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
【0020】
トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる少なくとも2本の主溝9が形成されている。図1において、主溝9は、タイヤ中心線CL上に位置する主溝9(内側主溝9A)と、そのタイヤ幅方向外側に位置する一対の主溝9(最外主溝9B)とを含んでいる。これら主溝9により、トレッド部1にはタイヤ周方向に延在する複数列の陸部10が区分される。陸部10は、最外主溝9Bのタイヤ幅方向内側に隣接する陸部10(センター陸部10A)と、最外主溝9Bのタイヤ幅方向外側に隣接する陸部10(ショルダー陸部10B)とを含んでいる。
【0021】
上記空気入りタイヤにおいて、ベルト層7を構成するベルトコードが層間で交差する領域をベルト交差領域とする。このベルト交差領域のベルト層7に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを長さBWとする(図1参照)。長さBWは、内側ベルト7Aと外側ベルト7Bのうち、ベルト幅が狭い外側ベルト7Bの総幅に相当する。そして、長さBWを2等分した長さを長さCWとし、タイヤ中心線CLから最外主溝9Bの溝中心までのベルト層7に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを長さGWとする(図2(a)参照)。このとき、長さCWと長さGWとは、0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たす。
【0022】
また、上記空気入りタイヤにおいて、ベルト層7及びベルトカバー層8の外周側には、2種以上のゴムからなるトレッドゴム層20が配置されている。図2(a),(b)において、トレッドゴム層20は、トレッド部1の踏面を形成するキャップゴム21と、そのタイヤ径方向内側に隣接するベースゴム22の2種のゴムから構成されている。
【0023】
図2(a)に示すように、タイヤ子午線断面において、主溝9の溝底位置を規定する溝底基準線GL(図示の破線)と、ベルト交差領域の外端(外側ベルト7Bの外端)を通ってベルト層7と直交する外側基準線OLとを規定する。ここで、溝底基準線GLは、タイヤ中心線CLからタイヤ幅方向外側に向かって3mm毎に、ベルト層7又はベルトカバー層8からタイヤ径方向外側に基準距離をとった複数の点と、主溝9の最下点とを結んだ線である。この基準距離は、例えば、内側主溝9Aの最下点を通ってベルト層7と直交する線L1に沿って測定されるトレッドゴム層20のゴム厚さaと、最外主溝9Bの最下点を通ってベルト層7と直交する線L2に沿って測定されるトレッドゴム層20のゴム厚さbとの平均値とする。なお、図2(a),(b)において、タイヤ中心線CLと線L1は一致する。
【0024】
更に、最外主溝9Bのタイヤ幅方向内側に隣接する陸部10(センター陸部10A)において溝底基準線GLにより区画されるセンター領域Aceと、最外主溝9Bのタイヤ幅方向外側に隣接する陸部10(ショルダー陸部10B)において溝底基準線GLと外側基準線OLにより区画されるショルダー領域Ashとを規定する。即ち、図2(b)に示すように、センター領域Aceはセンター陸部10Aにおける斜線部の全体であり、ショルダー領域Ashはショルダー陸部10Bにおける斜線部の全体である。
【0025】
これらセンター領域Aceとショルダー領域Ashについて、トレッドゴム層20を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式(熱膨張係数の二乗と断面積の積)を規定する。具体的に、センター領域Aceにおけるキャップゴム21とベースゴム22の熱膨張係数EX_CE1,EX_CE2と断面積CS_CE1,CS_CE2の関係式である下記式(1)から総和CEを算出すると共に、ショルダー領域Ashにおけるキャップゴム21とベースゴム22の熱膨張係数EX_SH1,EX_SH2と断面積CS_SH1,CS_SH2の関係式である下記式(2)から総和SHを算出する。算出された総和CEと総和SHとは、CE<SHの関係を満たす。
CE=EX_CE1×CS_CE1+EX_CE2×CS_CE2 (1)
SH=EX_SH1×CS_SH1+EX_SH2×CS_SH2 (2)
【0026】
なお、図2(b)において、センター領域Aceのキャップゴム21の断面積CS_CE1は領域Ace1(右上がり斜線部)の面積に相当し、センター領域Aceのベースゴム22の断面積CS_CE2は領域Ace2(右下がり斜線部)の面積に相当する。ショルダー領域Ashのキャップゴム21の断面積CS_SH1は領域Ash1(右上がり斜線部)の面積に相当し、ショルダー領域Ashのベースゴム22の断面積CS_SH2は領域Ash2(右下がり斜線部)の面積に相当する。
【0027】
熱膨張係数[10-4/℃]とは、物体の長さや体積が温度の上昇により膨張する割合を示すものである。本発明では、加硫後のゴムの熱収縮の程度を示す指標となり、熱膨張係数が大きいほど収縮し易いことを意味する。この熱膨張係数は、ゴムのポリマーを変更することやゴム組成物においてシリカを多量に配合することにより変化させることができる。例えば、シリカを多量に配合した場合、ゴムの熱膨張係数の値が大きくなる。
【0028】
ここで、一般に、トレッド部において主溝よりもタイヤ径方向内側の領域は構造的に拘束されているため、加硫後にゴムが熱収縮しにくい。同様に、ベルト層よりもタイヤ幅方向外側の領域も構造的に拘束されているため、最外主溝でのグルーブクラックに対して影響は少ない。そのため、グルーブクラックを抑制するには、最外主溝に隣接する領域においてトレッドゴム層を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定し、リム組みしてインフレートした後での主溝の溝底領域の引張ひずみと、加硫後のゴムの熱収縮による引張りひずみとを低減させることが効果的であると言える。
【0029】
これに対して、本発明の空気入りタイヤでは、ベルト交差領域のベルト層7に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを2等分した長さCWと、タイヤ中心線CLから最外主溝9Bの溝中心までのベルト層7に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さGWとは0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たし、センター領域Aceにおけるキャップゴム21とベースゴム22の熱膨張係数EX_CE1,EX_CE2と断面積CS_CE1,CS_CE2との関係式から算出される総和CEと、ショルダー領域Ashにおけるキャップゴム21とベースゴム22の熱膨張係数EX_SH1,EX_SH2と断面積CS_SH1,CS_SH2との関係式から算出される総和SHとはCE<SHの関係を満たす。即ち、グルーブクラックが生じ易い最外主溝9Bに着目し、最外主溝9Bの位置を特定すると共に、最外主溝9Bの両側に位置するセンター領域Aceとショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層20を構成するゴムの熱膨張係数と断面積の関係式を規定している。上述したように長さCWと長さGWとが0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たすことにより、最外主溝9Bがトレッド部1のタイヤ幅方向内側寄りに配置されるが、これはリム組みしてインフレートした後での最外主溝9Bの溝底領域の引張ひずみを緩和する方向に作用する。また、上記式(1)から算出されるセンター領域Aceの総和CEと上記式(2)から算出されるショルダー領域Ashの総和SHとがCE<SHの関係を満たすことで、リム組みしてインフレートした後での最外主溝9Bの溝底領域の引張ひずみを緩和することができると共に、加硫後のゴムの熱収縮がコントロールされるので、引張ひずみの最大値を低減することができる。これにより、グルーブクラックが生じ易い最外主溝9Bでのグルーブクラックを抑制することができる。更に、最外主溝9Bがトレッド部1のタイヤ幅方向内側寄りに配置されることに伴って、センター領域Aceの断面積がショルダー領域Ashの断面積よりも相対的に小さくなるので、コーナリングパワー及び転がり抵抗を悪化させることなく、維持することができる。
【0030】
ここで、比GW/CWが0.35よりも小さくなると、最外主溝9Bが過度にタイヤ幅方向内側寄りに配置されるため、コーナリングパワー及び転がり抵抗が悪化する傾向がある。逆に、比GW/CWが0.55よりも大きくなると、転がり抵抗の低減効果及びコーナリングパワーの増大効果を得やすくなるものの、グルーブクラックの抑制効果を得にくくなる。
【0031】
上記空気入りタイヤにおいて、総和CEと総和SHとは、0.50≦CE/SH≦0.85の関係を満たすことが好ましい。このように総和CEと総和SHの比CE/SHを適度に設定することで、グルーブクラックが生じ易い最外主溝9Bの溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0032】
ここで、総和CEと総和SHとの比CE/SHが0.50より小さいと、センター領域Aceとショルダー領域Ashでの熱収縮の差がつき過ぎて、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみが大きくなってしまう。逆に、比CE/SHが0.85より大きいと、センター領域Aceとショルダー領域Ashでの熱収縮の差がつかず、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができない。
【0033】
トレッドゴム層20を構成する2種以上のゴムのうちキャップゴム21の熱膨張係数は、キャップゴム21以外のゴムの熱膨張係数より小さいことが好ましい。この関係性は、センター領域Ace及びショルダー領域Ashの少なくとも一方の領域で満たしていれば良い。更に、センター領域Aceにおけるキャップゴム21以外のゴムのゴム厚さg(図2(b)参照)は、ショルダー領域Ashにおけるキャップゴム21以外のゴムのゴム厚さgより薄いことが好ましい。ここで、キャップゴム21以外のゴムのゴム厚さgは、センター領域Ace及びショルダー領域Ashの各々におけるキャップゴム21以外のゴムについて、ベルト層7と直交する方向に沿ってタイヤ幅方向に1mm毎に測定したゴム厚さの平均値である。なお、本実施形態では、トレッドゴム層20を構成するゴムはキャップゴム21とベースゴム22の2種であるため、キャップゴム21以外のゴムはベースゴム22のみである。
【0034】
このようにトレッドゴム層20を構成するゴムの熱膨張係数及びゴム厚さを設定することで、キャップゴム21の熱収縮を抑制しながら、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみが最大となる位置を調整することができるので、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0035】
また、トレッドゴム層20を構成するゴムの熱膨張係数は、0.8×10-4/℃~3.0×10-4/℃の範囲にあると良い。このようにトレッドゴム層20を構成するゴムの熱膨張係数を適度に設定することで、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0036】
図4は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤに形成された最外主溝の変形例を示すものである。図4に示すように、最外主溝9Bの溝底は2つ以上の円弧rから構成され、最外主溝9Bにおけるショルダー領域Ash側の円弧r2の曲率半径Rshは、センター領域Ace側の円弧r1の曲率半径Rceより大きいことが好ましい。なお、本発明では、図3に示すように、主溝9(例えば最外主溝9B)の溝底を構成する円弧rの曲率半径Rは、主溝9の最下点を通ってベルト層7と直交する線L(例えばL2)で溝底を区分し、主溝9の最下点からタイヤ径方向外側に1.6mmの範囲内において円弧r上で任意の点Pを3つとり、それら3点に基づいて算出される曲率半径とする。
【0037】
本発明では、CWと長さGWとが0.35≦GW/CW≦0.55の関係を満たすので最外主溝9Bがトレッド部1のタイヤ幅方向内側寄りに配置されるが、リム組みしてインフレートした後に、最外主溝9Bのタイヤ幅方向外側の溝底領域の引張ひずみが大きくなり易い。そのため、最外主溝9Bの溝底領域において、ショルダー領域Ash側(タイヤ幅方向外側)の円弧r2の曲率半径Rshを相対的に大きくすることで、リム組みしてインフレートした後の引張ひずみを低減することができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0038】
特に、最外主溝9Bの溝底におけるセンター領域Ace側の円弧r1の曲率半径Rceと、ショルダー領域Ash側の円弧r2の曲率半径Rshとは、0.25≦Rce/Rsh≦0.50の関係を満たすことが好ましい。その際、センター領域Ace側の円弧r1の曲率半径Rceは、1.4mm以上であると良い。このように曲率半径Rceと曲率半径Rshの比Rce/Rshを適度に設定することで、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができ、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0039】
ここで、比Rce/Rshが0.25より小さいと、最外主溝9Bのセンター領域Ace側の溝底の引張ひずみが過度に大きくなり、比Rce/Rshが0.50より大きいと、最外主溝9Bの溝底の引張ひずみの低減効果を十分に得ることができない。
【0040】
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1に3本以上の主溝9が形成され、タイヤ幅方向最外側の主溝9の溝幅Wb(図2(a)参照)は、該主溝9よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝9の溝幅Wa(図2(a)参照)より大きいことが好ましい。これにより、タイヤ幅方向最外側の主溝9の溝底を構成する円弧rを大きくすることができる。更に、タイヤ幅方向最外側の主溝9の溝底を構成する円弧rの曲率半径Rの平均値は、該主溝9よりタイヤ幅方向内側に位置する主溝9の溝底を構成する円弧rの曲率半径Rの平均値より大きいことが好ましい。このように構成することで、リム組みしてインフレートした後において、グルーブクラックを効果的に抑制することができる。
【0041】
上述した説明では、トレッドゴム層20がキャップゴム21とベースゴム22の2種のゴムからなる例を示したが、これに限定されるものではなく、トレッドゴム層20は3種以上のゴムを積層して構成することができる。その際、総和CE及び総和SHは、トレッドゴム層20を構成するゴムの種類数(n数)に応じて算出されるものとする。
【0042】
また、トレッド部1に3本の主溝が形成された例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、トレッド部1に2本の主溝9が形成された場合、トレッド部1は3つの陸部10に区分されるが、センター領域Aceは、主溝9のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部10において溝底基準線GLとタイヤ中心線CLにより区画される領域とする。その際、溝底基準線GLを規定する基準距離は、タイヤ中心線CLの両側のいずれか一方の主溝9の最下点を通ってベルト層7と直交する線に沿って測定されるトレッドゴム層20のゴム厚さとする。また、トレッド部1に4本以上の主溝9が形成された場合、トレッド部1は5つ以上の陸部10に区分されるが、センター領域Aceは、タイヤ幅方向最外側の主溝9のタイヤ幅方向内側に隣接する陸部10において溝底基準線GLにより区画される領域とし、ショルダー領域Ashは、タイヤ幅方向最外側の主溝9のタイヤ幅方向外側に隣接する陸部10において溝底基準線GLと外側基準線OLにより区画される領域とする。
【実施例
【0043】
タイヤサイズ155/65R14で、一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部におけるカーカス層の外周側に配置された2層以上のベルト層と、ベルト層の外周側に配置され、2種のゴムからなるトレッドゴム層とを備え、トレッド部にタイヤ周方向に延びる3本の主溝が形成され、これら主溝により区分された複数の陸部を有する空気入りタイヤにおいて、長さCW、長さGW、比GW/CW、センター領域のキャップゴムの断面積、センター領域のベースゴムの断面積、ショルダー領域のキャップゴムの断面積、ショルダー領域のベースゴムの断面積、センター領域のキャップゴムの熱膨張係数、センター領域のベースゴムの熱膨張係数、ショルダー領域のキャップゴムの熱膨張係数、ショルダー領域のベースゴムの熱膨張係数、総和CEと総和SHの大小関係、比CE/SH、センター領域のベースゴムの厚さ、ショルダー領域のベースゴムの厚さ、内側主溝の溝幅、最外主溝の溝幅、内側主溝の溝底の曲率半径R、最外主溝の溝底の曲率半径R、最外主溝の溝底の曲率半径Rce、最外主溝の溝底の曲率半径Rsh、比Rce/Rshについて表1のように設定した従来例、比較例1,2及び実施例1~7のタイヤを製作した。
【0044】
なお、表1において、「最外主溝の溝底の曲率半径R」は曲率半径Rceと曲率半径Rshの平均値((Rce+Rsh)/2)である。
【0045】
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、耐グルーブクラック性、転がり抵抗及びコーナリングパワーについて評価し、その結果を表1に併せて示した。
【0046】
耐グルーブクラック性:
各試験タイヤをリムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付け、空気圧50kPa、温度50℃、オゾン濃度100pphmの環境下で3日間、8時間ずつ放置した後、トレッド部に形成された主溝に発生したクラックの数をカウントした。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数で示した。指数値が大きいほど、耐グルーブクラック性が優れていることを意味する。
【0047】
転がり抵抗:
各試験タイヤをリムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付けて転がり抵抗試験機に装着し、空気圧を210kPaとし、荷重を3.04kNとし、ISO条件に則って転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、転がり抵抗が優れていることを意味する。
【0048】
コーナリングパワー:
各試験タイヤをリムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付けてフラットベルト試験機に装着し、空気圧240kPa、荷重2.7kNの条件にて走行させ、スリップ角を±1°としたときのコーナリングパワーを測定し、その絶対値の平均を求めた。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、コーナリングパワーが優れていることを意味する。
【0049】
【表1】
【0050】
この表1から判るように、実施例1~7は、従来例に比して、転がり抵抗及びコーナリングパワーを維持しながら、耐グルーブクラック性が大幅に改善されていた。
【0051】
一方、比較例1においては、総和CEと総和SHの大小関係が本発明で規定する大小関係とは逆であったため、転がり抵抗は維持することができたが、コーナリングパワーが悪化し、耐グルーブクラック性も改善効果が得られなかった。比較例2においては、長さGWを小さく設定して本発明で規定する比GW/CWの範囲から外れるものであったため、転がり抵抗及びコーナリングパワーが悪化した。
【符号の説明】
【0052】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
7 ベルト層
9 主溝
9A 内側主溝
9B 最外主溝
10 陸部
Ace センター領域
Ash ショルダー領域
CL タイヤ中心線
CW ベルト交差領域のベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さを2等分した長さ
GW タイヤ中心線から最外主溝の溝中心までのベルト層に沿って測定されるタイヤ幅方向の長さ
図1
図2
図3
図4