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特許7583263通信システム、音声入力装置、通信端末およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】通信システム、音声入力装置、通信端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
H04M1/00 H
H04M1/00 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021017680
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120645
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】稲田 龍弘
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-066149(JP,A)
【文献】特開2002-033791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話回線を介して通信を行うIP(Internet Protocol)トランシーバーとの通信が可能な通信端末と、
前記通信端末に音声を入力するための音声入力装置とが、フォーンコネクタを介して互いに接続される通信システムであって、
前記音声入力装置は、
前記音声を電気信号に変換するマイク素子と、
前記電気信号を前記音声入力装置から前記通信端末へ送信するか否かを切り替える送信スイッチと、
前記送信スイッチの状態に関わらず、前記音声入力装置と前記通信端末との接続が維持されていることを前記通信端末に認識させるための接続状態維持回路と、を備え、
前記通信端末は、
前記音声入力装置と前記通信端末とが互いに接続された状態であることを検知する接続検知部と、
前記音声入力装置が前記通信端末に接続された状態において、前記電気信号のレベルを判定するレベル判定部と、
前記レベル判定部による判定結果に応じて、前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を制御する送信制御部と、を備え
前記レベル判定部として、前記電気信号が所定の第1レベル閾値以上であるか否かを判定するVOX(Voice Operated Xmit)判定部を備え、
前記送信制御部は、前記第1レベル閾値以上である前記電気信号を前記IPトランシーバーへ送信し、
前記レベル判定部として、前記電気信号が、(i)所定の第2レベル閾値未満であるか、(ii)前記第2レベル閾値よりも高い所定の第3レベル閾値以上であるか、(iii)前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満であるか、を判定する操作音判定部をさらに備え、
前記送信制御部は、
前記電気信号に、前記第2レベル閾値未満である第1期間、前記第3レベル閾値以上である第2期間、および前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満である第3期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の終了までの前記電気信号の送信を停止し、
前記電気信号に、前記第3期間、前記第2期間および前記第1期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の開始以降の前記電気信号の送信を停止する、通信システム。
【請求項2】
携帯電話回線を介して通信を行うIP(Internet Protocol)トランシーバーとの通信が可能な通信端末と、
前記通信端末に音声を入力するための音声入力装置とが、フォーンコネクタを介して互いに接続される通信システムであって、
前記音声入力装置は、
前記音声を電気信号に変換するマイク素子と、
前記電気信号を前記音声入力装置から前記通信端末へ送信するか否かを切り替える送信スイッチと、
前記送信スイッチの状態に関わらず、前記音声入力装置と前記通信端末との接続が維持されていることを前記通信端末に認識させるための接続状態維持回路と、を備え、
前記通信端末は、
前記音声入力装置と前記通信端末とが互いに接続された状態であることを検知する接続検知部と、
前記音声入力装置が前記通信端末に接続された状態において、前記電気信号のレベルを判定するレベル判定部と、
前記レベル判定部による判定結果に応じて、前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を制御する送信制御部と、を備え
前記レベル判定部として、前記電気信号が、(i)所定の第2レベル閾値未満であるか、(ii)前記第2レベル閾値よりも高い所定の第3レベル閾値以上であるか、(iii)前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満であるか、を判定する操作音判定部を備え、
前記送信制御部は、
前記電気信号に、前記第2レベル閾値未満である第1期間、前記第3レベル閾値以上である第2期間、および前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満である第3期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の終了を契機として前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を開始し、
前記電気信号に、前記第3期間、前記第2期間および前記第1期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の開始を契機として前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を終了する、通信システム。
【請求項3】
前記通信端末は、前記電気信号のうち、周波数が所定の範囲内であるもののみを通過させるバンドパスフィルタをさらに備え、
前記レベル判定部は、前記バンドパスフィルタを通過した前記電気信号のレベルを判定し、
前記送信制御部は、前記バンドパスフィルタを通過する前の前記電気信号を前記IPトランシーバーへ送信する、請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の通信システムが備える音声入力装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の通信システムが備える通信端末。
【請求項6】
請求項に記載の通信端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記レベル判定部、および前記送信制御部として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクと通信端末とが接続されている通信システム、当該通信システムが備えるマイクおよび通信端末、ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどにインストールして利用されるIP(Internet Protocol)トランシーバーアプリが存在している。当該アプリを利用する場合、ユーザが発話する場合にのみ音声を送信するため、送信の操作が必要である。フォーンコネクタを介してスマートフォンに小型の外部マイクを接続した場合であっても、フォーンコネクタを介して送信操作を入力することはできないため、外部マイクでは送信操作ができないという問題がある。
【0003】
この問題の解決策として、音声が入力されている場合にのみ送信を行う、いわゆるVOX(Voice Operated Xmit)機能を利用することが考えられる。しかしながら、VOX機能を利用する場合、ユーザが音声を入力していない場合でも周囲の雑音により送信が行われる、またはユーザが音声を入力している場合であってもユーザの声が小さいと送信されないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-239422号公報
【文献】特許第4526571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、PTT(Push To Talk)ボタンと、当該PTTボタンが押下されている間だけマイク音声信号を伝送するマイクスイッチ回路と、を備える通話装置が開示されている。しかし、当該通話装置は、通信端末とマイクとを直接接続するのではなく、接続装置を介して接続する必要があった。
【0006】
本発明の一態様は、通信端末と音声入力装置とを接続した状態において、音声入力装置側での操作に応じた円滑な無線通信を可能とする通信システムなどを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信システムは、携帯電話回線を介して通信を行うIP(Internet Protocol)トランシーバーとの通信が可能な通信端末と、前記通信端末に音声を入力するための音声入力装置とが、フォーンコネクタを介して互いに接続される通信システムであって、前記音声入力装置は、前記音声を電気信号に変換するマイク素子と、前記電気信号を前記音声入力装置から前記通信端末へ送信するか否かを切り替える送信スイッチと、前記送信スイッチの状態に関わらず、前記音声入力装置と前記通信端末との接続が維持されていることを前記通信端末に認識させるための接続状態維持回路と、を備え、前記通信端末は、前記音声入力装置と前記通信端末とが互いに接続された状態であることを検知する接続検知部と、前記音声入力装置が前記通信端末に接続された状態において、前記電気信号のレベルを判定するレベル判定部と、前記レベル判定部による判定結果に応じて、前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を制御する送信制御部と、を備える。
【0008】
本発明の各態様に係る通信端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記通信端末が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記通信端末をコンピュータにて実現させる通信端末のプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、通信端末と音声入力装置とを接続した場合において、音声入力装置側での操作に応じた円滑な無線通信を可能とする通信システムなどを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る通信システムの、要部の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る通信システムが備える通信端末の制御部における処理を示すフローチャートである。
図3】実施形態2に係る通信システムの、要部の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態2に係る通信システムが備える通信端末の制御部における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
図1は、実施形態1に係る通信システム1の、要部の構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、マイク10(音声入力装置)および通信端末20を備える。マイク10および通信端末20は、フォーンコネクタ30により互いに接続される。
【0013】
(マイク10の構成)
マイク10は、通信システム1のユーザが通信端末20に音声を入力するための装置である。マイク10は、マイク素子11、PTTスイッチ12(送信スイッチ)、および接続状態維持回路13を備える。
【0014】
マイク素子11は、ユーザが入力した音声をアナログ信号に変換する素子である。マイク素子11については特に制限されず、公知のものを用いることができる。
【0015】
PTTスイッチ12は、マイク素子11が変換したアナログ信号をマイク10から通信端末20へ送信するか否かを切り替えるスイッチである。例えばPTTスイッチ12は、押下されている場合にのみ、マイク素子11と通信端末20とが電気的に接続され、マイク素子11が変換したアナログ信号が通信端末20へ送信されるように構成される。
【0016】
接続状態維持回路13は、PTTスイッチ12の状態に関わらず、マイク10と通信端末20との接続が維持されていることを通信端末20に認識させるための回路である。マイク10が接続状態維持回路13を備えることで、PTTスイッチ12が押下されていない状態、すなわちマイク素子11と通信端末20とが電気的に接続されていない状態であっても、通信端末20は、マイク10が接続されていることを認識できる。
【0017】
接続状態維持回路13の具体例としては、マイク素子11と並列に配された抵抗素子が挙げられる。この抵抗素子の抵抗値は、マイク素子11の抵抗値よりも十分に高ければよく、例えば10kΩである。このような抵抗素子を接続状態維持回路13として用いることで、PTTスイッチ12が押下されていない場合であっても、通信端末20はマイク10が接続されていることを認識できる。また、PTTスイッチ12が押下されている場合には、接続状態維持回路13にほとんど電流が流れなくなるため、マイク素子11の動作が阻害されない。
【0018】
(通信端末20の構成)
通信端末20は、携帯電話回線を介して通信を行うIPトランシーバーとの通信が可能な端末である。ここでいうIPトランシーバーは、IPトランシーバーとして使用される専用の装置であってもよく、IPトランシーバー機能を実現するアプリがインストールされた通信端末でもよい。通信端末20は、例えばスマートフォンである。通信端末20は、A/D(Analog/Digital)コンバータ21、接続検知部22、制御部23、および記憶部24を備える。また、通信端末20は、通信端末20に音声を入力するための内蔵マイク、通信端末20から音声を出力するための内蔵スピーカー、および、外部と通信を行うためのアンテナなどの、通信端末が通常備える構成要素を備えている。
【0019】
A/Dコンバータ21は、マイク素子11から入力されたアナログ信号をデジタル信号(電気信号)に変換して制御部23へ入力する。A/Dコンバータ21については、特に制限されず公知のものを用いることができる。
【0020】
接続検知部22は、マイク10と通信端末20とが互いに接続された状態であることを検知する。具体的には、接続検知部22は、フォーンコネクタ30を構成するプラグ(不図示)における端子間の電圧を測定し、当該電圧に応じてマイク10が接続されているか否かを示す信号を制御部23へ出力する。すなわち、接続検知部22は、電圧を測定するハードウェア的な機能と、測定した電圧に応じてマイク10が接続されているか否かを判定するソフトウェア的な機能との両方を有する。
【0021】
上述したとおり、マイク10は接続状態維持回路13を備えている。このため、通信端末20にマイク10が接続されている場合、接続端子の電圧は、PTTスイッチ12の状態に関わらず、常にマイク10が接続されている場合のものとなる。このため、接続検知部22は、マイク10が接続されていることを示す信号を制御部23へ出力する。
【0022】
マイク10が接続状態維持回路13を備えない場合、接続検知部22は、ユーザによるPTTスイッチ12の操作に応じて、マイク10が接続されていることを示す信号と、接続されていないことを示す信号とを交互に出力する。この場合、ユーザがPTTスイッチ12を押下した後、マイク10が接続されていることを示す信号を接続検知部22が出力し、マイク10から通信端末20に信号を伝達可能になるまでに時間差があるため、通信に支障が生じる。
【0023】
制御部23は、通信端末20の動作を制御する。制御部23は、バンドパスフィルタ231、VOX判定部232(レベル判定部)、操作音判定部233(レベル判定部)、および送信制御部234を備える。
【0024】
バンドパスフィルタ231は、入力されるデジタル信号のうち、周波数が所定の範囲内であるもののみを通過させる。換言すれば、バンドパスフィルタ231は、周波数が所定の範囲外であるデジタル信号を遮断する処理を行う。所定の範囲は、例えば無線通信に使用される音声の周波数の範囲である。所定の範囲は、例えば一般的な電話における音声周波数帯域である0.3~3.4kHzであるがこれに限らない。
【0025】
バンドパスフィルタ231は、通信端末20にマイク10が接続されていることを示す信号が接続検知部22から入力されている場合には、A/Dコンバータ21から入力されるデジタル信号について上記の処理を行う。バンドパスフィルタ231は、通信端末20にマイク10が接続されていないことを示す信号が接続検知部22から入力されている場合には、他の音声入力装置、例えば通信端末20の内蔵マイクから入力されるデジタル信号について上記の処理を行う。
【0026】
VOX判定部232は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルが所定の第1レベル閾値以上であるか否かを判定する。実施形態1における第1レベル閾値は、例えばマイク素子11にユーザが小声で音声を入力することを想定した場合における、当該音声から変換されたデジタル信号のレベルの下限である。第1レベル閾値は、通信端末20に対するユーザの操作により変更可能であってもよい。
【0027】
操作音判定部233は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルが、(i)所定の第2レベル閾値未満であるか、(ii)前記第2レベル閾値よりも高い所定の第3レベル閾値以上であるか、(iii)前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満であるか、を判定する。第2レベル閾値および第3レベル閾値の定義については後述する。
【0028】
マイク10においては、PTTスイッチ12が操作される場合、マイク素子11の接続と非接続とが切り換えられることで、大きな雑音(以下、操作音と称する)の信号が通信端末20に出力される。一般に、入力される音声の音量の変動に起因するデジタル信号のレベルの変動は、数mV程度である。これに対し、操作音によるデジタル信号のレベルの変動は数V程度であり、入力される音声の音量の変動に起因するデジタル信号の変動の約1000倍となる。このような操作音を示すデジタル信号が通信端末20から通信相手のIPトランシーバー等へ送信されることで、操作音が通信相手のIPトランシーバー等から出力され、通信相手のユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0029】
第2レベル閾値は、デジタル信号が無音を示すものであるか否かを判定する閾値である。レベルが第2レベル閾値未満であるデジタル信号は、無音を示すものであると考えられる。第3レベル閾値は、デジタル信号が操作音を示すものであるか否かを判定する閾値である。レベルが第3レベル閾値以上であるデジタル信号は、操作音を示すものであると考えられる。レベルが第2レベル閾値以上第3レベル閾値未満であるデジタル信号は、ユーザが入力した音声を示すものであると考えられる。第2レベル閾値および第3レベル閾値は、通信端末20に対するユーザの操作により変更可能であってもよい。また、第2レベル閾値は、第1レベル閾値と同じであってもよい。
【0030】
以下の説明では、デジタル信号のレベルが第2レベル閾値未満であると操作音判定部233が判定した期間を第1期間と称する。また、デジタル信号のレベルが第3レベル閾値以上であると操作音判定部233が判定した期間を第2期間と称する。また、デジタル信号のレベルが第2レベル閾値以上第3レベル閾値未満であると操作音判定部233が判定した期間を第3期間と称する。
【0031】
送信制御部234は、VOX判定部232および操作音判定部233による判定結果に応じて、通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信を制御する。具体的には、送信制御部234は、レベルが第1レベル閾値以上であるとVOX判定部232が判定したデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信する。すなわち、送信制御部234は、入力されている音声が一定の大きさ以上である場合にのみ、当該音声を示すデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信する、いわゆるVOX機能を実現する。
【0032】
第1レベル閾値は、VOX機能の感度に対応する。第1レベル閾値が低いとVOX機能の感度が高くなる。第1レベル閾値が高いとVOX機能の感度が低くなる。VOX機能の感度が高いと入力音声が小さくても送信される代わりに、周囲の騒音が送信される可能性が大きくなる。VOX機能の感度が低いと、周囲の騒音が送信される可能性は小さくなる代わりに、入力音声が小さいと送信されなくなる。
【0033】
通信システム1においては、PTTスイッチ12が押下されている場合にのみ通信端末20へ送信される。このため、VOX判定部232における第1レベル閾値については、ユーザが音声を入力していないときの周囲の雑音を考慮する必要がなく、十分に低い値に設定できる。第1レベル閾値をこのように設定することで、入力音声が比較的小さい場合であっても当該入力音声を示す信号が通信相手のIPトランシーバー等へ送信される。したがって、通常のトランシーバーにおけるPTT機能と略同一の操作感を提供できる。
【0034】
また、送信制御部234は、デジタル信号に、第1期間、第2期間および第3期間がこの順で存在する場合、第2期間の終了までのデジタル信号の送信を停止する。また、送信制御部234は、デジタル信号に、第3期間、第2期間および第1期間がこの順で存在する場合、第2期間の開始以降のデジタル信号の送信を停止する。デジタル信号に、第1期間、第2期間および第3期間が、この順、またはこの逆順で存在する場合、第2期間のデジタル信号は操作音を示すものであると考えられる。送信制御部234は、これらの場合に第2期間のデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信しないように制御することで、操作音を示すデジタル信号を送信することを防止できる。
【0035】
上述したとおり、VOX判定部232および操作音判定部233は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルを判定する。これにより、デジタル信号のレベルの判定についての、ノイズの影響を抑制できる。ノイズの影響については後述する。一方、送信制御部234は、バンドパスフィルタ231を通過する前のデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信する。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号は、周波数が所定の範囲内である成分についても劣化する。送信制御部234は、バンドパスフィルタ231を通過する前のデジタル信号、すなわちA/Dコンバータ21から入力されるデジタル信号の送信を制御する。これにより通信システム1は、劣化していない状態のデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信することで、通信の品質を向上させることができる。
【0036】
記憶部24は、制御部23による制御に必要な情報を記憶する。記憶部24は、例えばA/Dコンバータ21による処理後のデジタル信号を一時的に記憶する。VOX判定部232および操作音判定部233は、記憶部24に記憶されているデジタル信号に対して上述した判定を行う。
【0037】
(通信端末20における処理)
図2は、制御部23における処理を示すフローチャートである。図2に示す処理は、通信端末20にマイク10が接続された状態における処理である。図2に示すように、通信端末20にマイク10が接続された状態では、最初にバンドパスフィルタ231が、A/Dコンバータ21から入力されるデジタル信号のうち、所定の範囲外の周波数のものを遮断する(S1)。
【0038】
VOX判定部232は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルが第1レベル以上であるか判定する(S2)。デジタル信号のレベルが第1レベル以上である場合(S2でYES)、送信制御部234はデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信する(S3)。デジタル信号のレベルが第1レベル以上でない場合(S2でNO)、送信制御部234はステップS3をスキップする。すなわち送信制御部234はデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等へ送信しない。
【0039】
操作音判定部233は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルと第2レベル閾値および第3レベル閾値との大小関係を判定する(S4)。送信制御部234は、操作音判定部233による判定結果に基づいて、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、操作音を示すデジタル信号が含まれているか判定する(S5)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、操作音を示すデジタル信号が含まれている場合(S5でYES)、送信制御部234は、第2期間のデジタル信号の送信を停止する(S6)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、操作音を示すデジタル信号が含まれていない場合(S5でNO)、送信制御部234はステップS6をスキップする。
【0040】
制御部23は、ステップS2およびS3の処理と、ステップS4~S6の処理とを、並行して実行する。制御部23は、一連の処理が終了すると、ステップS1から処理を繰り返す。
【0041】
以上のとおり、通信システム1において、送信制御部234は、デジタル信号についてのレベルの判定結果に応じて、通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信を制御する。上述したとおり、通信システム1においては、VOX機能の感度を高くすることができる。このため、マイク10に入力された音声が小さい場合であっても、通信端末は当該音声を示すデジタル信号を通信相手のIPトランシーバー等に送信できる。また、通信端末20は、PTTスイッチ12の状態に関わらず、マイク10と通信端末20との接続が維持されていることを認識する。このため、通信端末20は、PTTスイッチ12が押下された場合にすぐに音声の入力を受け付けることができる。したがって、通信システム1は、マイク10側での操作により、円滑な無線通信を実現できる。
【0042】
また、通信システム1において、マイク10および通信端末20は、フォーンコネクタ30により互いに接続されている。このため、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子を介してマイクおよび通信端末を互いに接続する場合と比較して、マイクの構成を簡易にすることができる。また、例えばBluetooth(登録商標)によりマイクおよび通信端末を互いに接続する場合と比較して、マイクの構成を簡易にすることができ、さらにマイクのための電源が不要となる。
【0043】
また、通信システム1において、ユーザはマイク10が備えるPTTスイッチ12を操作すればよい。このため、例えば通信端末20のタッチパネルに設けられたPTTスイッチを操作する場合と比較して、タッチパネルを見ることなく操作を行うことができ、利便性が向上する。
【0044】
なお、制御部23は、必ずしもバンドパスフィルタ231を備えなくてもよい。この場合、VOX判定部232および操作音判定部233は、A/Dコンバータ21から入力されるデジタル信号のレベルを判定する。このような構成によっても、マイク10および通信端末20により、無線通信を実現できる。
【0045】
ただし、制御部23がバンドパスフィルタ231を備えない場合、ノイズの影響により、デジタル信号が通信相手のIPトランシーバー等に送信される可能性がある。ノイズに起因するデジタル信号自体は、通常は無音となる。しかし、一般にIPトランシーバーは、外部から信号を受信している場合にそのことをユーザに対して通知する機能を有する。例えばIPトランシーバーがディスプレイを有する場合、信号を受信している旨が当該ディスプレイに表示される。このため、ノイズに起因するデジタル信号を受信した通信相手のIPトランシーバー等のユーザは、通信端末20のユーザが音声を送信しようとしているものと誤認して待機することとなる。その結果、円滑な通話が阻害される可能性がある。したがって、制御部23は、バンドパスフィルタ231を備えることが好ましい。
【0046】
また、制御部23は、必ずしも操作音判定部233を備えなくてもよい。ただし、操作音判定部233を備えない場合には、操作音を示すデジタル信号が通信相手のIPトランシーバー等へ送信されるため、通信相手に不快感を与える可能性がある。したがって、制御部23は操作音判定部233を備えることが好ましい。
【0047】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0048】
図3は、実施形態2に係る通信システム2の、要部の構成を示すブロック図である。図3に示すように、通信システム2は、通信端末20の代わりに通信端末20Aを備える点で通信システム1と相違する。通信端末20Aは、制御部23の代わりに制御部23Aを備える点で通信端末20と相違する。制御部23Aは、VOX判定部232を備えない点で制御部23と相違する。
【0049】
制御部23Aにおいて、送信制御部234は、デジタル信号に、第1期間、第2期間および第3期間がこの順で存在する場合、第2期間の終了を契機として通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信を開始する。また、送信制御部234は、デジタル信号に、第3期間、第2期間および第1期間がこの順で存在する場合、第2期間の開始を契機として通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信を終了する。
【0050】
操作音には、PTTスイッチ12が押下された時の操作音と、PTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音とが存在する。第1期間~第3期間がデジタル信号に存在する場合、それらの順番によって、当該デジタル信号がこれらの操作音のいずれを示すものであるかを区別できる。具体的には、第1期間、第2期間および第3期間がデジタル信号にこの順で存在する場合、当該デジタル信号はPTTスイッチ12が押下された時の操作音を示す。一方、第3期間、第2期間および第1期間がこの順で存在する場合、当該デジタル信号はPTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音を示す。
【0051】
デジタル信号が、PTTスイッチ12が押下された時の操作音を示す場合、その前のデジタル信号は無音であり、その後のデジタル信号はユーザにより入力された音声を示すものであると考えられる。デジタル信号が、PTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音を示す場合、その前のデジタル信号はユーザにより入力された音声を示すものであり、その後のデジタル信号は無音であると考えられる。制御部23Aにおいて、送信制御部234は、操作音を示すデジタル信号を契機として、通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信の、開始および終了を制御する。
【0052】
図4は、制御部23Aにおける処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、図2に示した処理と同様、通信端末20にマイク10が接続された状態における処理である。制御部23Aにおける処理では、制御部23における処理と同様、最初にバンドパスフィルタ231が、A/Dコンバータ21から入力されるデジタル信号のうち、所定の範囲外の周波数のものを遮断する(S11)。操作音判定部233は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号のレベルと第2レベル閾値および第3レベル閾値との大小関係を判定する(S12)。
【0053】
送信制御部234は、操作音判定部233による判定結果に基づいて、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12が押下された時の操作音を示すデジタル信号が含まれているか判定する(S13)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12が押下された時の操作音を示すデジタル信号が含まれている場合(S13でYES)、送信制御部234は第2期間の終了後にデジタル信号の送信を開始する(S14)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12が押下された時の操作音を示すデジタル信号が含まれていない場合(S13でNO)、送信制御部234はステップS14をスキップする。
【0054】
また、送信制御部234は、バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音を示すデジタル信号が含まれているか判定する(S15)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音を示すデジタル信号が含まれている場合(S15でYES)、送信制御部234は第2期間の開始前にデジタル信号の送信を終了する(S16)。バンドパスフィルタ231を通過したデジタル信号に、PTTスイッチ12の押下が解除された時の操作音を示すデジタル信号が含まれてない場合(S15でNO)、送信制御部234はステップS16をスキップする。
【0055】
図4に示したフローチャートでは、送信制御部234は、ステップS13およびS14の処理とステップS15およびS16の処理とを並行して実行している。しかし、送信制御部234は、デジタル信号を送信中でない場合にはステップS13およびS14の処理のみを実行し、デジタル信号を送信中である場合にはステップS15およびS16の処理のみを実行してもよい。一連の処理が終了すると、制御部23Aは、ステップS11から処理を繰り返す。
【0056】
以上のとおり、通信システム2においては、送信制御部234は、操作音判定部233による判定結果に基づいて、通信相手のIPトランシーバー等へのデジタル信号の送信の、開始および終了を制御する。このような通信システム2によっても、操作音を示すデジタル信号の送信を防止し、かつ円滑な無線通信が可能である。
【0057】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信端末20、20A(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部23、23Aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0058】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0059】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0060】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る通信システムは、携帯電話回線を介して通信を行うIP(Internet Protocol)トランシーバーとの通信が可能な通信端末と、前記通信端末に音声を入力するための音声入力装置とが、フォーンコネクタを介して互いに接続される通信システムであって、前記音声入力装置は、前記音声を電気信号に変換するマイク素子と、前記電気信号を前記音声入力装置から前記通信端末へ送信するか否かを切り替える送信スイッチと、前記送信スイッチの状態に関わらず、前記音声入力装置と前記通信端末との接続が維持されていることを前記通信端末に認識させるための接続状態維持回路と、を備え、前記通信端末は、前記音声入力装置と前記通信端末とが互いに接続された状態であることを検知する接続検知部と、前記音声入力装置が前記通信端末に接続された状態において、前記電気信号のレベルを判定するレベル判定部と、前記レベル判定部による判定結果に応じて、前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を制御する送信制御部と、を備える。
【0062】
上記の構成によれば、送信制御部は、電気信号についてのレベルの判定結果に応じて、通信相手のIPトランシーバー等への電気信号の送信を制御する。このとき、音声入力装置からの電気信号は、送信スイッチが押下されている場合にのみ通信端末へ送信される。また、通信端末は、送信スイッチの状態に関わらず、前記音声入力装置と前記通信端末との接続が維持されていることを認識する。したがって、通信システムは、音声入力装置からの電気信号について、レベルの判定および判定結果に基づく送信を円滑に行うことができる。
【0063】
また、本発明の態様2に係る通信システムは、態様1において、前記レベル判定部として、前記電気信号が所定の第1レベル閾値以上であるか否かを判定するVOX(Voice Operated Xmit)判定部を備え、前記送信制御部は、前記第1レベル閾値以上である前記電気信号を前記IPトランシーバーへ送信する。
【0064】
通信システムにおいては、送信スイッチが押下されていなければ音声入力装置から通信端末に電気信号が送信されない。このため、第1レベル閾値を低く設定することで、送信制御部は、入力音声が比較的小さい場合であっても当該入力音声を示す電気信号を送信する。したがって、上記の構成によれば、通常のトランシーバーにおけるPTT機能と略同一の操作感を提供できる。
【0065】
また、本発明の態様3に係る通信システムは、態様2において、前記レベル判定部として、前記電気信号が、(i)所定の第2レベル閾値未満であるか、(ii)前記第2レベル閾値よりも高い所定の第3レベル閾値以上であるか、(iii)前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満であるか、を判定する操作音判定部をさらに備え、前記送信制御部は、前記電気信号に、前記第2レベル閾値未満である第1期間、前記第3レベル閾値以上である第2期間、および前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満である第3期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の終了までの前記電気信号の送信を停止し、前記電気信号に、前記第3期間、前記第2期間および前記第1期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の開始以降の前記電気信号の送信を停止する。
【0066】
上記の構成によれば、送信制御部は、第1期間、第2期間および第3期間が、この順、またはこの逆順で存在する場合、第2期間の電気信号の送信を停止する。この場合における第2期間の電気信号は、送信スイッチが操作されることに起因する操作音を示すものである。したがって、通信システムは、比較的大きな音量となる操作音を示す電気信号が通信相手のIPトランシーバー等へ送信されることを防止できる。
【0067】
また、本発明の態様4に係る通信システムは、態様1において、前記レベル判定部として、前記電気信号が、(i)所定の第2レベル閾値未満であるか、(ii)前記第2レベル閾値よりも高い所定の第3レベル閾値以上であるか、(iii)前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満であるか、を判定する操作音判定部を備え、前記送信制御部は、前記電気信号に、前記第2レベル閾値未満である第1期間、前記第3レベル閾値以上である第2期間、および前記第2レベル閾値以上かつ前記第3レベル閾値未満である第3期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の終了を契機として前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を開始し、前記電気信号に、前記第3期間、前記第2期間および前記第1期間がこの順で存在する場合、前記第2期間の開始を契機として前記IPトランシーバーへの前記電気信号の送信を終了する。
【0068】
上記の構成によれば、送信制御部は、送信スイッチが押下された操作音の終了後に電気信号の送信を開始する。また、送信制御部は、送信スイッチの押下が解除された操作音の開始前に電気信号の送信を終了する。したがって、通信システムは、別途VOX機能を設けることなく、送信の開始および終了を検知して送信制御できるとともに、操作音を示す電気信号が通信相手のIPトランシーバー等へ送信されることを防止できる。
【0069】
また、本発明の態様5に係る通信システムは、態様1から4のいずれかにおいて、前記通信端末は、前記電気信号のうち、周波数が所定の範囲内であるもののみを通過させるバンドパスフィルタをさらに備え、前記レベル判定部は、前記バンドパスフィルタを通過した前記電気信号のレベルを判定し、前記送信制御部は、前記バンドパスフィルタを通過する前の前記電気信号を前記IPトランシーバーへ送信する。
【0070】
上記の構成によれば、通信システムは、レベル判定部が電気信号のレベルを判定する場合におけるノイズの影響を抑制し、かつ送信制御部が通信相手のIPトランシーバー等へ送信する電気信号の劣化を抑制できる。
【0071】
また、本発明の態様6に係る音声入力装置は、態様1から5のいずれかに係る通信システムが備える音声入力装置である。
【0072】
上記の構成によれば、音声入力装置は、態様7に係る通信端末と組み合わせることで、態様1と同様の効果を奏する。
【0073】
また、本発明の態様7に係る通信端末は、態様1から5のいずれかに係る通信システムが備える通信端末である。
【0074】
上記の構成によれば、通信端末は、態様6に係る音声入力装置と組み合わせることで、態様1と同様の効果を奏する。
【0075】
また、本発明の態様8に係るプログラムは、態様7に係る通信端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記レベル判定部、および前記送信制御部として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0076】
上記の構成によれば、態様7と同様の効果を奏する。
【0077】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1、2 通信システム
10 マイク(音声入力装置)
12 PTTスイッチ(送信スイッチ)
13 接続状態維持回路
20、20A 通信端末
22 接続検知部
231 バンドパスフィルタ
232 VOX判定部(レベル判定部)
233 操作音判定部(レベル判定部)
234 送信制御部
30 フォーンコネクタ
図1
図2
図3
図4