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特許7583288電圧ホールド回路、電圧監視回路及び半導体集積回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】電圧ホールド回路、電圧監視回路及び半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/04 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
G01R19/04 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021561094
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 JP2019046716
(87)【国際公開番号】W WO2021106177
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】小宮 健吾
(72)【発明者】
【氏名】田島 章光
(72)【発明者】
【氏名】木村 武士
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-046192(JP,A)
【文献】特開平11-311644(JP,A)
【文献】特開2011-009938(JP,A)
【文献】特開2010-096696(JP,A)
【文献】特開2010-226266(JP,A)
【文献】特開2010-085328(JP,A)
【文献】特開2012-073112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0119789(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118970(US,A1)
【文献】米国特許第07385797(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して、前記ホールド期間中の前記入力電圧信号の最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して、前記リセット期間中の前記入力電圧信号の最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧ホールド回路。
【請求項2】
前記第1の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合に、前記容量を電源電圧ノードより低い電位を有する基準電位ノードに接続する第1のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合に、前記容量を前記電源電圧ノードに接続する第2のスイッチを有する請求項1に記載の電圧ホールド回路。
【請求項3】
前記ホールド期間または前記リセット期間を示すリセット信号が入力され、
前記第1のスイッチは、前記リセット信号が前記ホールド期間を示すときにオン可能な状態となり、前記リセット信号が前記リセット期間を示すときにオフし、
前記第2のスイッチは、前記リセット信号が前記リセット期間を示すときにオン可能な状態となり、前記リセット信号が前記ホールド期間を示すときにオフする請求項2に記載の電圧ホールド回路。
【請求項4】
前記第1の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合に、前記容量を、電流の向きが第1の方向である第1の電流源に接続する第3のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合に、前記容量を、電流の向きが前記第1の方向と逆の第2の方向である第2の電流源に接続する第4のスイッチを有する請求項1に記載の電圧ホールド回路。
【請求項5】
前記第1及び第2の電流源は、前記ホールド期間と前記リセット期間とで電流の向きが逆となる双方向電流源によって構成される請求項4に記載の電圧ホールド回路。
【請求項6】
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記入力電圧信号に応じて変動する電圧値を有するリセット電圧を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧に出力電圧をリセットするリセット回路とを有し、
前記保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続するスイッチを有する電圧ホールド回路。
【請求項7】
入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧ホールド回路。
【請求項8】
前記第1の保持回路は、前記第1の期間において、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続する第1のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記第2の期間において、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合には、前記容量を電源電圧ノードに接続する第2のスイッチを有する請求項に記載の電圧ホールド回路。
【請求項9】
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において入力電圧信号に対して、前記ホールド期間中の前記入力電圧信号の最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して、前記リセット期間中の前記入力電圧信号の最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧監視回路。
【請求項10】
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動する電圧値を有するリセット電圧を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧に出力電圧をリセットするリセット回路とを有し、
前記保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続するスイッチを有する電圧監視回路。
【請求項11】
入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧監視回路。
【請求項12】
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して、前記ホールド期間中の前記入力電圧信号の最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して、前記リセット期間中の前記入力電圧信号の最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する半導体集積回路。
【請求項13】
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動する電圧値を有するリセット電圧を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧に出力電圧をリセットするリセット回路とを有し、
前記保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続するスイッチを有する半導体集積回路。
【請求項14】
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する半導体集積回路。
【請求項15】
前記入力電圧信号は前記内部回路の電源電圧ノードの電源電圧であり、
前記アナログ/デジタル変換器が出力するデジタルの電圧値を受け取り、前記電源電圧を制御するための制御信号を出力する論理回路を有する請求項1ないし1のいずれか一項に記載の半導体集積回路。
【請求項16】
前記制御信号に基づいて、前記内部回路の電源電圧ノードに供給される電源電圧を制御する電源回路を有する請求項1に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧ホールド回路、電圧監視回路及び半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印加された電圧を保持する電圧保持素子と、電圧保持素子の充電状態を制御する充電スイッチ素子と、入力信号にバイアス電圧を加えるバイアス回路と、比較回路とを有するピークホールド回路が開示されている。比較回路は、電圧保持素子の電圧とバイアス電圧が加えられた入力信号とを比較し、電圧保持素子の電圧が低い場合に電圧保持素子が充電状態となるように充電スイッチ素子を制御する。ピークホールド回路は、電圧保持素子の保持電圧を出力とする。
【0003】
特許文献2には、入力信号のピーク電圧を保持するホールドコンデンサを備えたピークホールド回路と、ピークホールド回路のホールドコンデンサの保持電圧と逆極性の電圧を発生するドループ補正回路を有するドループ補正ピークホールド回路が開示されている。ドループ補正回路は、ピークホールド回路のホールドコンデンサの一端に接続されている。
【0004】
特許文献3には、入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-242059号公報
【文献】特開2010-244610号公報
【文献】特開2003-215173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ピークホールド回路が電圧保持素子をリセットしている期間では、電圧保持素子が適切な保持電圧を出力できないデッドタイムが生じる。デッドタイムは、短いことが好ましい。
【0007】
本発明の目的は、リセット期間の適切な保持電圧を出力できないデッドタイムを短縮することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
電圧ホールド回路は、ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して、前記ホールド期間中の前記入力電圧信号の最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して、前記リセット期間中の前記入力電圧信号の最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路とを有する。
【発明の効果】
【0009】
リセット期間の適切な保持電圧を出力できないデッドタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ダイナミックボルテージスケーリング(DVS)を行わない場合の電源電圧ノードの電圧の変化を示す図である。
図2図2は、ダイナミックボルテージスケーリングを行う場合の電源電圧ノードの電圧の変化を示す図である。
図3図3は、電圧監視回路の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、電圧監視回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。
図5図5は、比較例による電圧ホールド回路の構成例を示す回路図である。
図6図6は、図5の電圧ホールド回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態による電圧ホールド回路の構成例を示す回路図である。
図8図8は、図7の電圧ホールド回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態による電圧ホールド回路の構成例を示す回路図である。
図10図10は、図9の電圧ホールド回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態による電圧ホールド回路の構成例を示す回路図である。
図12図12は、図11の電圧ホールド回路の動作を説明するための電圧波形と電流波形を示す図である。
図13図13は、第4の実施形態による電圧ホールド回路の構成例を示す回路図である。
図14図14は、図13の電圧ホールド回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。
図15図15は、第5の実施形態による電圧監視回路の構成例を示す図である。
図16図16は、第5の実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図17図17は、第6の実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図18図18は、第7の実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図19図19は、第8の実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図20図20は、第9の実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図21図21は、演算増幅器の構成例を示す回路図である。
図22図22は、比較器のリセットモードを示す図である。
図23図23は、比較器の比較モードを示す図である。
図24図24は、定電流源の構成例を示す回路図である。
図25図25は、インバータの構成例を示す回路図である。
図26図26は、論理積回路の構成例を示す回路図である。
図27図27は、論理和回路の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、ダイナミックボルテージスケーリング(DVS)を行わない場合の電源電圧ノードの電圧104の変化を示す図である。横軸は時間Tを示し、縦軸は電圧Vを示す。電源電圧ノードには、一定の電源電圧Vddが供給される。電源電圧ノードの電圧104は、内部回路の状態101~103に応じて、電圧降下による変動が生じる。状態101~103において、電源電圧ノードの電圧104の最低電圧値が最低動作電圧Vminを下回らないように、電源電圧Vddが決定される。そのため、電圧104の最低電圧値と最低動作電圧Vminとの差が、無駄な電力105となる。無駄な電力105を低減するために、ダイナミックボルテージスケーリングが行われる。
【0012】
図2は、ダイナミックボルテージスケーリングを行う場合の電源電圧ノードの電圧201の変化を示す図である。横軸は時間Tを示し、縦軸は電圧Vを示す。電源電圧ノードの電圧201は、内部回路の状態101~103に応じて、電圧降下による変動が生じる。半導体集積回路は、ダイナミックボルテージスケーリングにより、電圧201の最低電圧値を検出し、電圧201の最低電圧値が最低動作電圧Vminになるように、電源電圧Vddを動的に制御する。半導体集積回路は、電源電圧Vddを動的に制御することにより、電力202を低減することができる。
【0013】
図3は、電圧監視回路の構成例を示すブロック図である。図4は、電圧監視回路の動作を説明するための電圧波形を示す図である。電圧監視回路は、電圧ホールド回路302と、アナログ/デジタル変換器303を有する。電圧ホールド回路302は、電源電圧ノード301の電圧信号401を入力し、所定期間(例えば1μs)毎に、電圧信号401に対して最低電圧値402を保持する。アナログ/デジタル変換器303は、電圧ホールド回路302が保持した最低電圧値をアナログからデジタルに変換する。
【0014】
電圧信号401の低下は、1μs以下であり、時間軸解像度は、ns台である。そのため、アナログ/デジタル変換器303が直接、電源電圧ノード301の電圧信号401を高精度でアナログからデジタルに変換することは困難である。電圧監視回路は、電圧ホールド回路302を用いることにより、例えば1μs毎の最低電圧値を検出し、ダイナミックボルテージスケーリングを実現することができる。
【0015】
なお、電圧ホールド回路302は、電源電圧ノード301の電圧信号401を入力し、所定期間(例えば1μs)毎に、電圧信号401に対して最高電圧値を保持してもよい。その場合、アナログ/デジタル変換器303は、電圧ホールド回路302が保持した最高電圧値をアナログからデジタルに変換する。
【0016】
図5は、比較例による電圧ホールド回路302の構成例を示す回路図である。図6は、図5の電圧ホールド回路302の動作を説明するための電圧波形を示す図である。電圧ホールド回路302は、比較器501と、スイッチ502と、容量503と、スイッチ504と、定電流源505と、演算増幅器506と、電源電圧ノード507を有する。スイッチ504は例えば、nチャネル電界効果トランジスタである。
【0017】
入力電圧信号VINは、入力端子INの電圧である。出力電圧VOUTは、出力端子OUTの電圧である。リセット電圧Vrは、電源電圧ノード507の電圧である。電圧ホールド回路302は、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する。入力端子INは、電圧ホールド対象のノードに接続され、例えば電源電圧ノードに接続される。
【0018】
ホールド期間では、リセット信号RSTがローレベルになる。すると、スイッチ502がオフになる。入力端子INの入力電圧信号VINが、容量503に保持されている最低電圧値より低い場合には、比較器501は、ハイレベルを出力し、スイッチ504がオンし、容量503に保持されている最低電圧値が低下する。これに対して、入力端子INの入力電圧信号VINが、容量503に保持されている最低電圧値より高い場合には、比較器501は、ローレベルを出力し、スイッチ504がオフし、容量503は最低電圧値を維持する。
【0019】
リセット期間では、リセット信号RSTがハイレベルになる。すると、スイッチ502がオンし、容量503は、リセット電圧Vrを保持し、出力電圧VOUTは、リセット電圧Vrになる。スイッチ504は、オフである。
【0020】
電圧ホールド回路302は、ホールド期間では、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持し、その最低電圧値を出力電圧VOUTとして出力する。
【0021】
デッドタイム601は、容量503がハイレベルのリセット信号RSTによりリセットされている期間であり、電圧ホールド回路302が適切な最低電圧値を出力できない期間である。容量503の容量値と定電流源505の電流により、デットタイム601は、入力電圧信号VINとリセット電圧Vrとの差が大きいほど、長くなる。デッドタイム601は、適切な最低電圧値が出力されないので、短いことが好ましい。
【0022】
また、容量503は、電源電圧ノード507に直接、接続されている。そのため、電圧ホールド回路302は、電源電圧ノード507の電源電圧の高周波数の変動に弱い。
【0023】
以下、デッドタイム601を短縮することができ、電源電圧の高周波数の変動に強い電圧ホールド回路を説明する。
【0024】
図7は、第1の実施形態による電圧ホールド回路302の構成例を示す回路図である。電圧ホールド回路302は、比較器701と、スイッチ702と、容量703と、スイッチ704と、定電流源705と、演算増幅器706,707と、抵抗708と、容量709と、定電流源710を有する。スイッチ702、704は例えば、nチャネル電界効果トランジスタである。
【0025】
比較器701は、-入力端子が入力端子INに接続され、+入力端子が演算増幅器706の+入力端子に接続され、出力端子がスイッチ704の制御端子に接続される。容量703は、演算増幅器707の出力端子と演算増幅器706の+入力端子の間に接続される。スイッチ702は、容量703に並列に接続される。リセット信号RSTは、スイッチ702の制御端子に入力される。スイッチ704は、演算増幅器706の+入力端子と定電流源705の間に接続される。定電流源705は、スイッチ704と電源電位ノードより低い電位を有する基準電位ノード(例えば、グランド電位ノード)の間に接続される。演算増幅器706は、-入力端子と出力端子が出力端子OUTに接続される。
【0026】
演算増幅器707は、+入力端子が入力端子INに接続され、-入力端子が抵抗708を介して演算増幅器707の出力端子に接続される。容量709は、抵抗708に並列に接続される。定電流源710は、演算増幅器707の-入力端子と基準電位ノードの間に接続される。
【0027】
図8は、図7の電圧ホールド回路302の動作を説明するための電圧波形を示す図である。横軸は時間Tを示し、縦軸は電圧Vを示す。入力電圧信号VINは、入力端子INの電圧である。出力電圧VOUTは、出力端子OUTの電圧である。リセット電圧信号VRは、演算増幅器707の出力端子の電圧である。電圧ホールド回路302は、ホールド期間とホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、処理サイクルごとに、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する。
【0028】
演算増幅器707と抵抗708と容量709と定電流源710は、生成回路であり、入力電圧信号VINに応じて変動するリセット電圧信号VRを生成する。抵抗708の抵抗値をRとし、定電流源710の電流をIとすると、リセット電圧信号VRは、次式で表される。リセット電圧信号VRは、入力電圧信号VINの電圧値に対して、I×R(第1の値)だけ大きい電圧値を有する信号である。
VR=VIN+I×R
【0029】
ホールド期間では、リセット信号RSTがローレベルになる。すると、スイッチ702がオフになる。入力端子INの入力電圧信号VINが、容量703に保持されている最低電圧値より低い場合には、比較器701は、ハイレベルを出力し、スイッチ704がオンし、容量703に保持されている最低電圧値が低下する。これに対して、入力端子INの入力電圧信号VINが、容量703に保持されている最低電圧値より高い場合には、比較器701は、ローレベルを出力し、スイッチ704がオフし、容量703は最低電圧値を維持する。
【0030】
比較器701と容量703とスイッチ704と定電流源705は、保持回路であり、処理サイクルごとに、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。スイッチ704は、入力電圧信号VINの電圧値が容量703に保持されている最低電圧値より小さい場合には、容量703を基準電位ノードに接続する。
【0031】
リセット期間では、リセット信号RSTがハイレベルになる。すると、スイッチ702がオンし、容量703は、リセット電圧信号VRの電圧値を保持し、出力電圧VOUTは、リセット電圧信号VRになる。スイッチ704は、オフである。
【0032】
電圧ホールド回路302は、ホールド期間では、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持し、その最低電圧値を出力電圧VOUTとして出力する。
【0033】
スイッチ702は、リセット回路であり、処理サイクルごとに、リセット期間においてリセット電圧信号VRに基づいて出力電圧VOUTのリセットを行う。
【0034】
デッドタイム801は、容量703がハイレベルのリセット信号RSTによりリセットされている期間であり、電圧ホールド回路302が適切な最低電圧値を出力できない期間である。入力電圧信号VINとリセット電圧信号VRとの差が小さいので、デットタイム801を短縮することができる。デッドタイム801は、図6のデッドタイム601より短い。
【0035】
また、容量703は、電源電圧ノードに直接、接続されないので、電圧ホールド回路302は、電源電圧の高周波数の変動に強くなる。
【0036】
なお、電圧ホールド回路302は、図7に示した回路から回路構成を変更して、電流の向きを逆にすることにより、入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する回路を形成することができる。その場合、演算増幅器707と抵抗708と容量709と定電流源710は、生成回路であり、入力電圧信号VINに応じて変動するリセット電圧信号VRを生成する。比較器701と容量703とスイッチ704と定電流源705は、保持回路であり、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。スイッチ702は、リセット回路であり、リセット期間においてリセット電圧信号VRに基づいて出力電圧VOUTのリセットを行う。
【0037】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態による電圧ホールド回路302の構成例を示す回路図である。電圧ホールド回路302は、比較器901と、論理積(AND)回路902,903と、定電流源904と、スイッチ905,906と、定電流源907と、容量908と、演算増幅器909を有する。スイッチ905、906は例えば、nチャネル電界効果トランジスタである。
【0038】
比較器901は、-入力端子が入力端子INに接続され、+入力端子が演算増幅器909の+入力端子に接続される。論理積回路902は、リセット信号RSTと比較器901の出力信号の論反転信号との論理積信号をスイッチ905の制御端子に出力する。論理積回路903は、比較器901の出力信号とリセット信号RSTの論理反転信号との論理積信号をスイッチ906の制御端子に出力する。
【0039】
定電流源904は、電源電圧ノードとスイッチ905との間に接続される。スイッチ905は、定電流源904と演算増幅器909の+入力端子との間に接続される。スイッチ906は、演算増幅器909の+入力端子と定電流源907との間に接続される。定電流源907は、スイッチ906と基準電位ノードとの間に接続される。容量908は、演算増幅器909の+入力端子と基準電位ノードとの間に接続される。演算増幅器909は、-入力端子と出力端子が出力端子OUTに接続される。
【0040】
図10は、図9の電圧ホールド回路302の動作を説明するための電圧波形を示す図である。横軸は時間Tを示し、縦軸は電圧Vを示す。入力電圧信号VINは、入力端子INの電圧である。出力電圧VOUTは、出力端子OUTの電圧である。電圧ホールド回路302は、ホールド期間とホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、処理サイクルごとに、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する。
【0041】
リセット信号RSTのハイレベル期間は、リセット期間である。リセット信号RSTのローレベル期間は、ホールド期間である。
【0042】
比較器901と論理積回路903とスイッチ906と定電流源907と容量908は、保持回路であり、処理サイクルごとに、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。ホールド期間においては、リセット信号RSTがローレベルの期間であるため、論理積回路903の出力信号は比較器901の出力信号に応じて変化する。このため、スイッチ906は、ホールド期間においてはオン可能な状態となり、入力電圧信号VINの電圧値が容量908に保持されている最低電圧値より小さい場合には、容量908を、定電流源907及び基準電位ノード(例えば、グランド電位ノード)に接続する。なお、定電流源907の電流の向きは容量908から電荷を引き抜く方向(第1の方向)である。一方、スイッチ906は、リセット期間においては、リセット信号RSTがハイレベルの期間であるため、論理積回路903の出力信号はローレベルに固定される。このため、スイッチ906は、リセット期間においてはオフする。
【0043】
比較器901と論理積回路902と定電流源904とスイッチ905と容量908は、保持回路であり、処理サイクルごとに、ホールド期間に続くリセット期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。リセット期間においては、リセット信号RSTがハイレベルの期間であるため、論理積回路902の出力信号は比較器901の出力信号に応じて変化する。このため、スイッチ905は、リセット期間においてはオン可能な状態となり、入力電圧信号VINの電圧値が容量908に保持されている最高電圧値より大きい場合には、容量908を定電流源904及び電源電圧ノードに接続する。なお、定電流源904の電流の向きは容量908に電荷を注入する方向(第2の方向)である。一方、スイッチ905は、ホールド期間においては、リセット信号RSTがローレベルの期間であるため、論理積回路902の出力信号はローレベルに固定される。このため、スイッチ905は、ホールド期間においてはオフする。
【0044】
電圧ホールド回路302は、リセット期間では、最高電圧値を保持するので、デッドタイムを短くすることができる。
【0045】
なお、電圧ホールド回路302は、図9に示した回路から回路構成を変更して、電流の向きを逆にすることにより、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する回路を形成することができる。その場合、比較器901と論理積回路903とスイッチ906と定電流源907と容量908は、保持回路であり、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。比較器901と論理積回路902と定電流源904とスイッチ905と容量908は、保持回路であり、ホールド期間に続くリセット期間において入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。
【0046】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態による電圧ホールド回路302の構成例を示す回路図である。図11は、図9に対して、定電流源904,907とスイッチ905,906を削除し、論理和(OR)回路1101とスイッチ1102と双方向電流源1103を追加したものである。図11の電圧ホールド回路302は、図9の電圧ホールド回路302と同様の動作を行う。スイッチ1102は例えば、nチャネル電界効果トランジスタである。
【0047】
論理和回路1101は、論理積回路902の出力信号と論理積回路03の出力信号との論理和信号をスイッチ1102の制御端子に出力する。スイッチ1102は、演算増幅器909の+入力端子と双方向電流源1103との間に接続される。双方向電流源1103は、スイッチ1104,1105と、抵抗1106~1110と、演算増幅器1111,1112とを有し、ホールド期間とホールド期間に続くリセット期間とで電流の向きが逆となる電流源である。スイッチ1104、1105は例えば、nチャネル電界効果トランジスタである。
【0048】
図12は、図11の電圧ホールド回路302の動作を説明するための電圧波形と電流波形を示す図である。入力電圧信号VINは、入力端子INの電圧である。出力電圧VOUTは、出力端子OUTの電圧である。電圧ホールド回路302は、ホールド期間とホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、処理サイクルごとに、入力端子INの入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する。
【0049】
リセット信号RSTのハイレベル期間は、リセット期間である。リセット信号RSTのローレベル期間は、ホールド期間である。
【0050】
ホールド期間では、リセット信号RSTがローレベルである。すると、スイッチ1105がオフになり、スイッチ1104がオンになり、電圧REFは、電圧REF1になる。電圧REF1は、正の電圧である。スイッチ1102に流れる電流Iは、正の電流I1になる。正の電流I1は、容量908から電荷を引き抜く方向(第1の方向)に流れる電流である。すなわち、双方向電流源1103の電流の向きは、リセット信号RSTのレベルに応じて、ホールド期間においては、容量908から電荷を引き抜く方向(第1の方向)となる。比較器901と論理積回路903とスイッチ1102と双方向電流源1103と容量908は、保持回路であり、処理サイクルごとに、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。
【0051】
抵抗1110の抵抗値をRとすると、スイッチ1102に流れる電流Iは、次式で表される。
I=REF/R
【0052】
リセット期間では、リセット信号RSTがハイレベルである。すると、スイッチ1104がオフになり、スイッチ1105がオンになり、電圧REFは、電圧REF2になる。電圧REF2は、負の電圧である。スイッチ1102に流れる電流Iは、負の電流I2になる。負の電流I2は、容量908に電荷を注入する方向(第2の方向)に流れる電流である。すなわち、双方向電流源1103の電流の向きは、リセット信号RSTのレベルに応じて、リセット期間においては、容量908に電荷を注入する方向(第2の方向)となり、ホールド期間における電流の向きとは逆になる。比較器901と論理積回路902とスイッチ1102と双方向電流源1103と容量908は、保持回路であり、処理サイクルごとに、ホールド期間に続くリセット期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。
【0053】
なお、電圧ホールド回路302は、図11に示した回路から回路構成を変更して、電流の向きを逆にすることにより、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する回路を形成することができる。その場合、比較器901と論理積回路903とスイッチ1102と双方向電流源1103と容量908は、保持回路であり、ホールド期間において入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。比較器901と論理積回路902とスイッチ1102と双方向電流源1103と容量908は、保持回路であり、ホールド期間に続くリセット期間において入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。
【0054】
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態による電圧ホールド回路302の構成例を示す回路図である。電圧ホールド回路302は、比較器1301と、論理積回路1302,1303と、定電流源1304と、スイッチ1305,1306と、定電流源1307と、容量1308と、演算増幅器1309と、判定回路1310を有する。判定回路1310は、抵抗1311と、容量1312と、比較器1313を有する。
【0055】
比較器1301は、-入力端子が入力端子INに接続され、+入力端子が演算増幅器1309の+入力端子に接続される。論理積回路1302は、信号CONTと比較器1301の出力信号の論反転信号との論理積信号をスイッチ1305の制御端子に出力する。論理積回路1303は、比較器1301の出力信号と信号CONTの論理反転信号との論理積信号をスイッチ1306の制御端子に出力する。
【0056】
定電流源1304は、電源電圧ノードとスイッチ1305との間に接続される。スイッチ1305は、定電流源1304と演算増幅器1309の+入力端子との間に接続される。スイッチ1306は、演算増幅器1309の+入力端子と定電流源1307との間に接続される。定電流源1307は、スイッチ1306と基準電位ノードとの間に接続される。容量1308は、演算増幅器1309の+入力端子と基準電位ノードとの間に接続される。演算増幅器1309は、-入力端子と出力端子が出力端子OUTに接続される。
【0057】
抵抗1311は、入力端子INと比較器1313の+入力端子の間に接続される。容量1312は、比較器1313の+入力端子と基準電位ノードの間に接続される。比較器1313の出力端子は、信号CONTを出力する。
【0058】
図14は、図13の電圧ホールド回路302の動作を説明するための電圧波形を示す図である。横軸は時間Tを示し、縦軸は電圧Vを示す。入力電圧信号VINは、入力端子INの電圧である。出力電圧VOUTは、出力端子OUTの電圧である。電圧1401は、比較器1313の+入力端子の電圧であり、入力電圧信号VINを遅延させた信号である。
【0059】
判定回路1310は、微分回路であり、入力電圧信号VINの増加又は減少を判定する。判定回路1310は、入力電圧信号VINの増加時には、ローレベルの信号CONTを出力する。比較器1301と論理積回路1303とスイッチ1306と定電流源307と容量1308は、保持回路であり、判定回路1310が入力電圧信号VINの増加を判定する期間(第1の期間)ごとに、入力電圧信号VINに対して最低電圧値を保持する動作を行う。スイッチ1306は、判定回路1310が入力電圧信号の増加を判定する期間において、入力電圧信号VINの増加時、入力電圧信号VINの電圧値が容量1308に保持されている最低電圧値より小さい場合には、容量1308を基準電位ノードに接続する。
【0060】
判定回路1310は、入力電圧信号VINの減少時には、ハイレベルの信号CONTを出力する。比較器1301と論理積回路1302と定電流源1304とスイッチ1305と容量1308は、保持回路であり、判定回路1310が入力電圧信号VINの減少を判定する期間(第2の期間)ごとに、入力電圧信号VINの減少時には、入力電圧信号VINに対して最高電圧値を保持する動作を行う。スイッチ1305は、判定回路1310が入力電圧信号の減少を判定する期間において、入力電圧信号VINの減少時、入力電圧信号VINの電圧値が容量1308に保持されている最高電圧値より大きい場合には、容量1308を電源電圧ノードに接続する。
【0061】
以上のように、電圧ホールド回路302は、入力電圧信号VINの増加時には、入力電圧信号VINの最低電圧値を保持し、入力電圧信号VINの減少時には、入力電圧信号VINの最高電圧値を保持する。これにより、デッドタイムを短くすることができる。
【0062】
(第5の実施形態)
図15は、第5の実施形態による電圧監視回路の構成例を示す図である。電圧監視回路は、複数の電圧ホールド回路302と、アナログ/デジタル変換器303と、複数の電圧ホールド回路302とアナログ/デジタル変換器303の間に設けられた切り替え回路1501を有する。複数の電圧ホールド回路302は、第1~第4の実施形態の電圧ホールド回路302であり、それぞれ、監視対象の電源電圧ノード1502の最低電圧値又は最高電圧値を保持する。すなわち、各電圧ホールド回路302の入力電圧信号VINは、対応する監視対象の電源電圧ノード1502の電源電圧である。切り替え回路1501は、複数の電圧ホールド回路302が保持する最低電圧値又は最高電圧値を、時分割でアナログ/デジタル変換器303に出力する。アナログ/デジタル変換器303は、切り替え回路1501が時分割で出力する最低電圧値又は最高電圧値を順次アナログからデジタルに変換する。電圧監視回路は、複数の電源電圧ノード1502の最低電圧値又は最高電圧値を、複数の電源電圧ノード1502より少ない数のアナログ/デジタル変換器303で監視することができる。
【0063】
図16は、第5の実施形態による半導体集積回路1600の構成例を示す図である。半導体集積回路は、図15の電圧監視回路と、電源電圧網1601を有する。電源電圧網1601には、電源電圧が印加される。複数の電圧ホールド回路302は、電源電圧網1601内の複数の電源電圧ノードの電源電圧を監視対象とし、その最低電圧値又は最高電圧値を保持することができる。
【0064】
(第6の実施形態)
図17は、第6の実施形態による半導体集積回路1700の構成例を示す図である。半導体集積回路1700は、電源入力端子1703と、電源電圧網1601と、内部回路1701と、複数の電圧ホールド回路302と、切り替え回路1501と、アナログ/デジタル変換器303と、制御用論理回路1702と、制御出力端子1704を有する。
【0065】
電源回路1710は、制御部1711と、出力部1712と、電源入力端子1713と、制御入力端子1714と、電源出力端子1715を有する。電源入力端子1713は、システム電源電圧ノード1716に接続される。
【0066】
出力部1712は、電源出力端子1715と電源入力端子1703を介して、電源電圧網1601に電源電圧を供給する。複数の電源電圧ノード1502は、電源電圧網1601内に設けられ、電圧ホールド対象のノードである。内部回路1701は、複数の電源電圧ノード1502から電源電圧の供給を受けて、処理を行う。これにより、電源電圧ノード1502の電源電圧は、変動する。
【0067】
複数の電圧ホールド回路302は、第1~第4の実施形態の電圧ホールド回路302であり、それぞれ、複数の電源電圧ノード1502の最低電圧値又は最高電圧値を保持する。すなわち、各電圧ホールド回路302の入力電圧信号VINは、対応する監視対象の電源電圧ノード1502の電源電圧である。切り替え回路1501は、複数の電圧ホールド回路302が保持する最低電圧値又は最高電圧値を時分割でアナログ/デジタル変換器303に出力する。アナログ/デジタル変換器303は、切り替え回路1501から時分割で入力する最低電圧値又は最高電圧値をアナログからデジタルに変換する。
【0068】
制御用論理回路1702は、アナログ/デジタル変換器303からデジタルの最低電圧値又は最高電圧値を受け取り、制御出力端子1704と制御入力端子1714を介して、電源電圧を制御するための制御信号を制御部1711に出力する。制御部1711は、制御信号を基に、出力部1712を制御する。出力部1712は、制御信号に応じた電源電圧を、電源出力端子1715と電源入力端子1703を介して、電源電圧網1601に出力する。これにより、ダイナミックボルテージスケーリングが行われる。
【0069】
(第7の実施形態)
図18は、第7の実施形態による半導体集積回路1700の構成例を示す図である。図18の半導体集積回路1700は、図17の半導体集積回路1700に対して、電源回路1710を削除し、電源回路1801を追加したものである。電源回路1801は、半導体集積回路1700の内部に設けられる。システム電源電圧ノード1716は、電源入力端子1703を介して、電源回路1801に接続される。制御用論理回路1702は、アナログ/デジタル変換器303からデジタルの最低電圧値又は最高電圧値を受け取り、電源電圧を制御するための制御信号を電源回路1801に出力する。電源回路1801は、制御用論理回路1702が出力する制御信号を基に、電源電圧網1601に供給する電源電圧を制御する。
【0070】
(第8の実施形態)
図19は、第8の実施形態による半導体集積回路1700の構成例を示す図である。図19の半導体集積回路1700は、図18の半導体集積回路1700に対して、電源回路1801を削除し、安全機構ブロック1901を追加したものである。安全機構ブロック1901は、制御用論理回路1702が出力する制御信号を基に、複数の電源電圧ノード1502から供給される電源電圧の最低電圧値又は最高電圧値の異常を検出し、異常時に安全を確保するために、リセット信号又はアラーム信号を出力する回路である。内部回路1701は例えば、安全機ブロック1901からリセット信号を受け取り、内部動作のリセットを行う。また、内部回路1701は例えば、安全機ブロック1901からアラーム信号を受け取り、内部の動作条件や動作モードを変更する。
【0071】
(第9の実施形態)
図20は、第9の実施形態による半導体集積回路1700の構成例を示す図である。図20の半導体集積回路1700は、図17の半導体集積回路1700に対して、内部回路1701と電源入力端子1703と制御出力端子1704を削除し、信号入力端子2002と信号処理ブロック2003を追加したものである。複数の信号源2001は、例えば、高速に電圧が変位するセンサであり、それぞれ、複数の信号入力端子2002を介して、複数の電圧ホールド回路302に接続される。複数の電圧ホールド回路302は、第1~第4の実施形態の電圧ホールド回路302であり、それぞれ、複数の信号源2001の最低電圧値又は最高電圧値を保持する。すなわち、各電圧ホールド回路302の入力電圧信号VINは、対応する監視対象の信号源200の出力信号である。制御用論理回路1702は、アナログ/デジタル変換器303からデジタルの最低電圧値又は最高電圧値を受け取り、信号処理を制御するための制御信号を信号処理ブロック2003に出力する。信号処理ブロック2003は、制御用論理回路1702が出力する制御信号を基に、信号処理を行う回路である。
【0072】
(その他の実施形態)
図21は、上記の演算増幅器の構成例を示す回路図である。pチャネル電界効果トランジスタ2101は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがドレインに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2105は、ドレインがpチャネル電界効果トランジスタ2101のドレインに接続され、ゲートが-入力端子(逆相入力端子)に接続され、ソースがnチャネル電界効果トランジスタ2107のドレインに接続される。
【0073】
pチャネル電界効果トランジスタ2102は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがpチャネル電界効果トランジスタ2101のゲートに接続され、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2106のドレインに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2106は、ゲートが+入力端子(正相入力端子)に接続され、ソースがnチャネル電界効果トランジスタ2107のドレインに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2107は、ゲートがバイアス端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0074】
nチャネル電界効果トランジスタ2108のゲートは、パワーダウン信号を入力する。インバータ2110は、パワーダウン信号の論理反転信号をpチャネル電界効果トランジスタ2103のゲートに出力する。
【0075】
pチャネル電界効果トランジスタ2103は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2106のドレインに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2108は、ドレインがバイアス端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0076】
pチャネル電界効果トランジスタ2104は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがpチャネル電界効果トランジスタ2103のドレインに接続され、ドレインが出力端子に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2109は、ドレインが出力端子に接続され、ゲートがバイアス端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0077】
パワーダウン信号がローレベルの場合には、pチャネル電界効果トランジスタ2103とnチャネル電界効果トランジスタ2108がオフになり、演算増幅器は通常動作を行う。
【0078】
パワーダウン信号がハイレベルの場合には、pチャネル電界効果トランジスタ2103とnチャネル電界効果トランジスタ2108がオンになり、pチャネル電界効果トランジスタ2104とnチャネル電界効果トランジスタ2109がオフになる。演算増幅器は、オフ状態となり、節電することができる。
【0079】
図22は上記の比較器のリセットモードを示す図であり、図23は上記の比較器の比較モードを示す図である。比較器は、図22のリセットモードと比較モードを交互に繰り返す。
【0080】
pチャネル電界効果トランジスタ2201は、ソースが電源電位ノードに接続され、ゲートが第1の入力端子に接続され、ドレインがpチャネル電界効果トランジスタ2203のソースに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ2202は、ソースが電源電位ノードに接続され、ゲートが第2の入力端子に接続され、ドレインがpチャネル電界効果トランジスタ2204のソースに接続される。
【0081】
pチャネル電界効果トランジスタ2203は、ゲートが第2の出力端子に接続され、ドレインが第1の出力端子に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ2204は、ゲートが第1の出力端子に接続され、ドレインが第2の出力端子に接続される。
【0082】
nチャネル電界効果トランジスタ2205は、ドレインが第1の出力端子に接続され、ゲートが第2の出力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2206は、ドレインが第2の出力端子に接続され、ゲートが第1の出力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0083】
スイッチ2207は、第1の出力端子と基準電位ノードの間に接続される。図22のリセットモードでは、スイッチ2207とスイッチ2208は、オンになる。図23の比較モードでは、スイッチ2207とスイッチ2208は、オフになる。
【0084】
pチャネルトランジスタ2203とnチャネル電界効果トランジスタ2205は、インバータを構成する。pチャネルトランジスタ2204とnチャネル電界効果トランジスタ2206は、インバータを構成する。
【0085】
図22のリセットモードから図23の比較モードに遷移すると、第1の入力端子と第2の入力端子の大小関係により、pチャネル電界効果トランジスタ2201とpチャネル電界効果トランジスタ2202のいずれかがオンになる。第1の出力端子と第2の出力端子は、比較結果を出力する。
【0086】
図24は、上記の定電流源の構成例を示す回路図である。演算増幅器2401は、+入力端子が基準電圧入力ノードに接続され、-入力端子がnチャネル電界効果トランジスタ2404のソースに接続され、出力端子がnチャネル電界効果トランジスタ2404のゲートに接続される。基準電圧入力ノードは、バンドギャップ回路、又は外部の安定化電源に接続される。
【0087】
pチャネル電界効果トランジスタ240は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートとドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2404のドレインに接続される。抵抗2405は、nチャネル電界効果トランジスタ2404のソースと基準電位ノードの間に接続される。演算増幅器2401により、nチャネル電界効果トランジスタ2404のソースは、常に、基準電圧入力ノードと同じ電圧に維持される。これにより、抵抗2405には、一定の電流が流れる。
【0088】
pチャネル電界効果トランジスタ2403は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがpチャネル電界効果トランジスタ2402のゲートに接続され、ドレインが定電流出力ノードに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ2402及び2403は、カレントミラー回路を構成する。pチャネル電界効果トランジスタ2402及び2403の大きさを調整することにより、ミラー比を変え、定電流の値を変えることができる。
【0089】
図25は、上記のインバータの構成例を示す回路図である。pチャネル電界効果トランジスタ2501は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートが入力端子に接続され、ドレインが出力端子に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2502は、ドレインが出力端子に接続され、ゲートが入力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0090】
図26は、上記の論理積回路の構成例を示す回路図である。pチャネル電界効果トランジスタ2601は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートが第2の入力端子に接続され、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2604のドレインに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ2602は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートが第1の入力端子に接続され、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2604のドレインに接続される。
【0091】
nチャネル電界効果トランジスタ2604は、ゲートが第1の入力端子に接続され、ソースがnチャネル電界効果トランジスタ2605のドレインに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2605は、ゲートが第2の入力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0092】
pチャネル電界効果トランジスタ2603は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがnチャネル電界効果トランジスタ2604のドレインに接続され、ソースが出力端子に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2606は、ドレインが出力端子に接続され、ゲートがnチャネル電界効果トランジスタ2604のドレインに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0093】
図27は、上記の論理和回路の構成例を示す回路図である。pチャネル電界効果トランジスタ2701は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートが第1の入力端子に接続され、ドレインがpチャネル電界効果トランジスタ2702のソースに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ2702は、ゲートが第2の入力端子に接続され、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2705のドレインに接続される。
【0094】
nチャネル電界効果トランジスタ2704は、ドレインがnチャネル電界効果トランジスタ2705のドレインに接続され、ゲートが第1の入力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2705は、ゲートが第2の入力端子に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0095】
pチャネル電界効果トランジスタ2703は、ソースが電源電圧ノードに接続され、ゲートがnチャネル電界効果トランジスタ2705のドレインに接続され、ドレインが出力端子に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ2706は、ドレインが出力端子に接続され、ゲートがnチャネル電界効果トランジスタ2705のドレインに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。
【0096】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0097】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧ホールド回路。
(付記2)
前記第1の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合に、前記容量を電源電圧ノードより低い電位を有する基準電位ノードに接続する第1のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合に、前記容量を前記電源電圧ノードに接続する第2のスイッチを有する付記1に記載の電圧ホールド回路。
(付記3)
前記ホールド期間または前記リセット期間を示すリセット信号が入力され、
前記第1のスイッチは、前記リセット信号が前記ホールド期間を示すときにオン可能な状態となり、前記リセット信号が前記リセット期間を示すときにオフし、
前記第2のスイッチは、前記リセット信号が前記リセット期間を示すときにオン可能な状態となり、前記リセット信号が前記ホールド期間を示すときにオフする付記2に記載の電圧ホールド回路。
(付記4)
前記第1の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合に、前記容量を、電流の向きが第1の方向である第1の電流源に接続する第3のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合に、前記容量を、電流の向きが前記第1の方向と逆の第2の方向である第2の電流源に接続する第4のスイッチを有する付記1に記載の電圧ホールド回路。
(付記5)
前記第1及び第2の電流源は、前記ホールド期間と前記リセット期間とで電流の向きが逆となる双方向電流源によって構成される付記4に記載の電圧ホールド回路。
(付記6)
前記ホールド期間または前記リセット期間を示すリセット信号が入力され、
前記双方向電流源は、前記リセット信号に応じて電流の向きを変化させる付記5に記載の電圧ホールド回路。
(付記7)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する電圧ホールド回路。
(付記8)
前記保持回路は、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続するスイッチを有する付記7に記載の電圧ホールド回路。
(付記9)
前記生成回路は、前記リセット電圧信号を、前記入力電圧信号の電圧値と第1の値だけ異なる電圧値を有するように生成する付記7又は8に記載の電圧ホールド回路。
(付記10)
入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧ホールド回路。
(付記11)
前記第1の保持回路は、前記第1の期間において、前記入力電圧信号の電圧値が容量に保持されている電圧値より小さい場合には、前記容量を基準電位ノードに接続する第1のスイッチを有し、
前記第2の保持回路は、前記第2の期間において、前記入力電圧信号の電圧値が前記容量に保持されている電圧値より大きい場合には、前記容量を電源電圧ノードに接続する第2のスイッチを有する付記10に記載の電圧ホールド回路。
(付記12)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧ホールド回路。
(付記13)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路であって、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する電圧ホールド回路。
(付記14)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧監視回路。
(付記15)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する電圧監視回路。
(付記16)
入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧監視回路。
(付記17)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する電圧監視回路。
(付記18)
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに動作し、入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する電圧監視回路。
(付記19)
前記電圧ホールド回路を複数有し、
前記複数の電圧ホールド回路と前記アナログ/デジタル変換器の間に設けられた切り替え回路をさらに有し、
前記切り替え回路は、前記複数の電圧ホールド回路が保持した電圧値を、時分割で前記アナログ/デジタル変換器に出力する付記14ないし18のいずれか一項に記載の電圧監視回路。
(付記20)
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する半導体集積回路。
(付記21)
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する半導体集積回路。
(付記22)
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
前記入力電圧信号に対して電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号の増加又は減少を判定する判定回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の増加を判定する第1の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記判定回路が前記入力電圧信号の減少を判定する第2の期間ごとに、前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する半導体集積回路。
(付記23)
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に基づいて電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う第1の保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記入力電圧信号に対して最低電圧値を保持する動作を行う第2の保持回路と
を有する半導体集積回路。
(付記24)
入力電圧信号に基づいて処理を行う内部回路と、
ホールド期間と前記ホールド期間に続くリセット期間を含む処理サイクルごとに、前記入力電圧信号に基づいて電圧値を保持する電圧ホールド回路と、
前記電圧ホールド回路が保持した電圧値をアナログからデジタルに変換するアナログ/デジタル変換器とを有し、
前記電圧ホールド回路は、
前記入力電圧信号に応じて変動するリセット電圧信号を生成する生成回路と、
前記処理サイクルごとに、前記ホールド期間において前記入力電圧信号に対して最高電圧値を保持する動作を行う保持回路と、
前記処理サイクルごとに、前記リセット期間において前記リセット電圧信号に基づいて出力電圧のリセットを行うリセット回路と
を有する半導体集積回路。
(付記25)
前記入力電圧信号は前記内部回路の電源電圧ノードの電源電圧であり、
前記アナログ/デジタル変換器が出力するデジタルの電圧値を受け取り、前記電源電圧を制御するための制御信号を出力する論理回路を有する付記20ないし24のいずれか一項に記載の半導体集積回路。
(付記26)
前記制御信号に基づいて、前記内部回路の電源電圧ノードに供給される電源電圧を制御する電源回路を有する付記25に記載の半導体集積回路。
(付記27)
前記制御信号に基づいて、前記内部回路の電源電圧ノードに供給される電源電圧の異常を検出し、リセット信号又はアラーム信号を出力する安全機ブロックを有する付記25に記載の半導体集積回路。
(付記28)
前記入力電圧信号は信号源の出力信号であり、
前記アナログ/デジタル変換器が出力するデジタルの電圧値を受け取り、信号処理を制御するための制御信号を出力する論理回路と、
前記制御信号に基づいて、信号処理を行う信号処理ブロックと
を有する付記20ないし24のいずれか一項に記載の半導体集積回路。
【産業上の利用可能性】
【0098】
リセット期間の適切な保持電圧を出力できないデッドタイムを短縮することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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