(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 333A
(21)【出願番号】P 2023048960
(22)【出願日】2023-03-24
【審査請求日】2024-09-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信介
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-007961(JP,A)
【文献】特開2023-021816(JP,A)
【文献】特開2018-114178(JP,A)
【文献】特開2022-148825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特定情報が前記所定の規定値とは異なる特定の規定値に到達した場合、遊技が終了する予定であることを事前報知する事前報知演出を実行し、
前記特殊演出の実行中に前記特定情報が前記所定の規定値に到達することで前記抑制報知演出が実行される場合、前記特殊演出は中断され、
前記抑制報知演出は前記特殊演出における変形の対象とはされず、前記抑制報知演出の実行中に前記特殊演出が新たに実行されることはなく、
前記事前報知演出は前記特殊演出における変形の対象とはならない一方、前記事前報知演出の実行中に前記特殊演出を新たに実行可能であり、
前記事前報知演出と前記特殊演出とは同時に実行可能である一方、前記事前報知演出の方が前記特殊演出より前面に表示されることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-230714号公報
【文献】特開2017-70532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機種ごとに設計される様々な演出要素や様々な操作性との関係によっては、演出の相乗効果を図ることができることもあれば、演出の効果を減退させてしまうことも考えられるため、各要素の組合せには慎重な設計が要求される。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みたもので、演出効果の向上と操作性向上の両立を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、特定情報が所定の規定値とは異なる特定の規定値に到達した場合、遊技が終了する予定であることを事前報知する事前報知演出を実行し、特殊演出の実行中に特定情報が所定の規定値に到達することで抑制報知演出が実行される場合、特殊演出は中断され、抑制報知演出は特殊演出における変形の対象とはされず、抑制報知演出の実行中に特殊演出が新たに実行されることはなく、事前報知演出は特殊演出における変形の対象とはならない一方、事前報知演出の実行中に特殊演出を新たに実行可能であり、事前報知演出と特殊演出とは同時に実行可能である一方、事前報知演出の方が特殊演出より前面に表示される。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の弾球遊技機によれば、演出効果の向上と操作性向上の両立を図ることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【
図2】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【
図3】ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【
図4】メイン基板の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。
【
図8】変動パターンテーブルを模式的に示す図である。
【
図9】事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。
【
図10】遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。
【
図12】携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。
【
図13】メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【
図14】演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【
図15】ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図17】
図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図18】
図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図19】割込処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図20】ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。
【
図21】
図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図22】メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。
【
図23】演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。
【
図24】サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。
【
図25】各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。
【
図26】特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。
【
図27】装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。
【
図28】特別遊技の過程を示すフローチャートである。
【
図29】小当り遊技の過程を示すフローチャートである。
【
図31】画面変形演出におけるフレーム画像の収縮の例を模式的に示す図である。
【
図32】画面変形演出におけるフレーム画像の揺動の例を模式的に示す図である。
【
図33】画面変形演出における演出画面のレイヤー構造を模式的に示す図である。
【
図34】画面変形演出と同時並行的に実行される可動役物演出の過程を模式的に示す図である。
【
図35】フレームバッファを分割した複数のバッファ領域を模式的に示す図である。
【
図36】フレーム画像の表示サイズとフレームバッファ領域の容量の関係を模式的に示す図である。
【
図37】バッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させる過程を模式的に示す図である。
【
図38】第3の特殊演出パターンの画面例を示す図である。
【
図39】第3の特殊演出パターンにおいてバッファ領域を使用する過程を模式的に示す図である。
【
図40】カスタム機能の案内画面例を示す図である。
【
図41】先読みチャンスモードの変更画面例を示す図である。
【
図42】入球先読みモードの変更画面例を示す図である。
【
図43】ステージ背景画像の表示有無と演出設定変更の可否の関係を示す図である。
【
図44】ECOぱちんこ遊技機の仕様を採用した第1の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す図である。
【
図45】ECOユニット-賞球払出制御基板間の処理イメージを示す図である。
【
図46】ECOぱちんこ遊技機の仕様を採用した第2の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す図である。
【
図48】ぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を示す図である。
【
図49】封入式のぱちんこ遊技機の仕様を採用した第3の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
【0011】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0012】
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
【0013】
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
【0014】
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
【0015】
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
【0016】
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
【0017】
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
【0018】
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
【0019】
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
【0020】
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
【0021】
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
【0022】
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
【0023】
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
【0024】
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
【0025】
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
【0026】
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
【0027】
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
【0028】
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
【0029】
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
【0030】
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態において演出レバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持して演出レバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
【0031】
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
【0032】
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
【0033】
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
【0034】
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
【0035】
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
【0036】
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
【0037】
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
【0038】
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
【0039】
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または10回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、10回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。10回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「10R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は10回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
【0040】
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロまたは少数(例えば数球~数10球程度など、1ラウンドに1~2球程度までの入球に応じた払出数)に等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
【0041】
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
【0042】
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
【0043】
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
【0044】
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
【0045】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
【0046】
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1~設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1~M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
【0047】
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
【0048】
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
【0049】
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
【0050】
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
【0051】
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
【0052】
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
【0053】
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
【0054】
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
【0055】
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
【0056】
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
【0057】
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
【0058】
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
【0059】
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
【0060】
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
【0061】
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
【0062】
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
【0063】
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
【0064】
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
【0065】
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0~294、設定値「2」であれば0~295、設定値「3」であれば0~296、設定値「4」であれば0~297、設定値「5」であれば0~298、設定値「6」であれば、0~299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295~2949、設定値「2」であれば296~2959、設定値「3」であれば297~2969、設定値「4」であれば298~2979、設定値「5」であれば299~2989、設定値「6」であれば、300~2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」~「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」~「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500~65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000~65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
【0066】
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
【0067】
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。
図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、
図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、
図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
【0068】
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う10R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない10R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
【0069】
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
【0070】
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
【0071】
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
【0072】
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても
図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
【0073】
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
【0074】
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
【0075】
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
【0076】
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
【0077】
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
【0078】
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
【0079】
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
【0080】
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、
図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
【0081】
時短状態において参照する
図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて
図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、
図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
【0082】
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
【0083】
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
【0084】
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
【0085】
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
【0086】
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
【0087】
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
【0088】
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
【0089】
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
【0090】
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
【0091】
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
【0092】
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
【0093】
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に
図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
【0094】
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に
図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
【0095】
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
【0096】
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
【0097】
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0~294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1~6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300~2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950~2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960~2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970~2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980~2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990~2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000~56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000~63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500~65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000~65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
【0098】
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
【0099】
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を10回繰り返す10R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、10R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。10R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。10R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、10R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
【0100】
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
【0101】
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.8秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
【0102】
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および普通図柄の時短、並びに第2始動口12の開放延長の3つの機能のうち少なくともいずれかが実施されることにより、第2始動口12への入球頻度(入球容易性)が向上する。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
【0103】
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
【0104】
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
【0105】
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
【0106】
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
【0107】
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
【0108】
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
【0109】
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
【0110】
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
【0111】
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
【0112】
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
【0113】
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
【0114】
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
【0115】
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや10R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
【0116】
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
【0117】
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
【0118】
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
【0119】
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
【0120】
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
【0121】
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
【0122】
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
【0123】
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
【0124】
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
【0125】
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
【0126】
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「簡易装飾図柄」「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
【0127】
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
【0128】
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
【0129】
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
【0130】
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
【0131】
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
【0132】
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタム可能な項目が増加する仕様である。
【0133】
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
【0134】
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
【0135】
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
【0136】
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタムできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタム可能な項目が増え、あるいはカスタム可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
【0137】
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
【0138】
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
【0139】
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
【0140】
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
【0141】
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
【0142】
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
【0143】
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
【0144】
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
【0145】
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
【0146】
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
【0147】
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
【0148】
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
【0149】
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
【0150】
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
【0151】
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
【0152】
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122~S126の処理をスキップする。
【0153】
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
【0154】
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
【0155】
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
【0156】
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
【0157】
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
【0158】
図16は、
図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138~S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
【0159】
図17は、
図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
【0160】
図18は、
図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
【0161】
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
【0162】
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
【0163】
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
【0164】
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
【0165】
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
【0166】
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
【0167】
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
【0168】
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
【0169】
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
【0170】
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
【0171】
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
【0172】
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を実行して、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
【0173】
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
【0174】
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
【0175】
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
【0176】
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
【0177】
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
【0178】
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
【0179】
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
【0180】
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
【0181】
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
【0182】
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
【0183】
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
【0184】
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
【0185】
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
【0186】
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
【0187】
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
【0188】
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データを取得した後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
【0189】
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
【0190】
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
【0191】
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
【0192】
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
【0193】
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
【0194】
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
【0195】
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
【0196】
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
【0197】
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
【0198】
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(
図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
【0199】
変動パターン乱数は、例えば0~49999(
図8の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
【0200】
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
【0201】
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
【0202】
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
【0203】
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
【0204】
図21は、
図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。
図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
【0205】
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
【0206】
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
【0207】
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、
図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
【0208】
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
【0209】
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
【0210】
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
【0211】
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
【0212】
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
【0213】
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
【0214】
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
【0215】
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
【0216】
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
【0217】
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
【0218】
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
【0219】
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
【0220】
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
【0221】
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
【0222】
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が7回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
【0223】
(実施例)
本実施例では、特殊演出として画面変形演出を備えるぱちんこ遊技機における好適な制御および演出を提案する。以下、前提技術のぱちんこ遊技機100を構成する要素と同一または対応する要素には同じ符号を付して説明する。また、前提技術で説明済みの内容は適宜省略し、主に、前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる内容を説明する。
【0224】
<特殊演出、通常/簡易装飾図柄、通常/簡易保留画像、先読み演出>
本実施例における特殊演出として、画面変形演出を説明する。ここでいう画面変形演出は、表示中の映像に含まれるフレーム画像に対してその周囲に配した枠画像とともに拡大、縮小、移動、歪曲、揺動、色反転、色変換、などの変形を加える演出である。フレーム画像の変形には、元の映像に含まれる一つのフレーム画像に対して順次変形を加えていく場合(「枠内静止演出」とも呼ぶ)と、元の映像に含まれる複数のフレーム画像のそれぞれに対して順次変形を加えていく場合(「枠内動画演出」とも呼ぶ)とがある。枠内静止演出は、表示中であった元の映像を静止し、その静止した時点のフレーム画像に変形を加えることで、いわゆるスクリーンキャプチャ画像を静止画として枠画像に嵌め込んで変形させるような演出である。枠内動画演出は、表示中であった映像の各フレーム画像に変形を加えることで、元の映像を動画像のまま枠画像に嵌め込んで変形させるような演出である。元の映像のフレーム画像をフレームバッファに一時記憶させるとともに、そのフレーム画像に拡大、縮小、移動、歪曲、揺動、傾斜、ひび割れ、色反転、色変換などの変形を加えた新たなフレーム画像を順次生成してフレームバッファに記憶させることで画面変形演出としての新たな動画像を表示する。このように、動画像の一場面の画像に対してその変形後の画像を動的に生成することで、複数の動画像における多数の場面に対応する変形後のフレーム画像をあらかじめ用意しておく必要がなく、データ量と処理負荷の増大を抑制しながら演出の多様化を図ることができる。
【0225】
まず、画面変形演出の実行前の画面について説明する。
図30は、演出表示装置60の画面例を示す。
図30(a)は変動停止中の状態を示す。演出表示装置60の演出画面500において、略中央の大部分の領域を使って装飾図柄61として通常装飾図柄502が垂直方向に変動表示され、右上隅に装飾図柄61として簡易装飾図柄504が垂直方向に変動表示される。このように、本実施例の装飾図柄61は、通常装飾図柄502と簡易装飾図柄504を含んで構成される。通常装飾図柄502は、左図柄である第1通常装飾図柄502aと、中図柄である第2通常装飾図柄502bと、右図柄である第3通常装飾図柄502cで構成される。
【0226】
保留画像として、通常保留画像506と簡易保留画像507とが表示される。演出画面500の下部には、最大4個を上限とする抽選値の保留個数を示す通常保留画像506が表示される。図においては、左から右へ入球順序(すなわち変動開始される順序)の通りに第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dが水平方向に並んで表示されている。第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dは、通常は所定色(例えば青色)で点灯する玉を模した画像として表示される。各保留画像は、入球時におけるいわゆる先読み、すなわち各保留に対応する抽選値の事前判定情報により大当り期待度が高いと判定された場合、その大当り期待度の高さに応じた色で点灯する玉を模した画像を表示する。
図30(a)の例では第3通常保留画像506cだけ青色とは異なる色(例えば赤色)で点灯する玉を模した画像として表示される。このように先読みによって青色とは異なる色で点灯する演出が、本実施例における先読み予告演出である。例えば、通常色である「青色」が示唆する大当り期待度が最も低く、「緑色」「赤色」「虹色」の順に大当り期待度が高くなっていくことを示唆するように、演出決定手段303は通常保留画像506の色を決定する。これら保留画像の個数および色(または模様)により、保留個数と大当り期待度を遊技者に示唆する。3番目に図柄変動開始予定である第3通常保留画像506cに対応する図柄変動は、先読みの対象(先読み予告演出の実行契機)となった図柄変動であり、以下、「ターゲット変動」とも呼ぶ。
【0227】
演出画面500の右隅には、通常保留画像506より小さく簡略化された形の保留画像である簡易保留画像507が表示される。簡易保留画像507は、表示されている通常保留画像506の個数を数字で示す画像であり、
図30(a)では「4」の数字が表示される。
【0228】
図30(b)は図柄変動表示中の状態を示す。
図30(b)は
図30(a)の状態に続く図柄変動開始後の変動表示中の状態であり、
図30(a)の第1通常保留画像506aから第4通常保留画像506dの4個の通常保留画像506が、それぞれの位置から保留画像一つ分ずつ左へ移動される。
図30(a)の第1通常保留画像506aは左へ移動して変動中画像508として表示される。変動中画像508は、現在図柄変動中である抽選値を示す画像であり、通常保留画像506より直径が大きく、周囲に背景の模様が表示され、通常保留画像506とは区別されて図柄変動中であることが強調される。なお、変動中画像508と通常保留画像506とは別の画像データではなく、共通する画像データである。具体的には、画像データとしては変動中画像508の画像データのみを有しており、通常保留画像506は、変動中画像508の画像データを縮小して表示される。
図30(a)の第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506c、第4通常保留画像506dは左へ1つずつ移動して第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第3通常保留画像506cとなる。第1通常装飾図柄502aは、すでに変動表示を終えて仮停止の状態、すなわち実質的に停止しているが細かく揺動していて停止が確定していない状態にて表示される。第2通常装飾図柄502bは高速回転にて変動中である。第3通常装飾図柄502cは、高速回転の後で、これから停止を迎えようとして低速で変動している状態である。簡易装飾図柄504は高速回転中であり、第1通常装飾図柄502a、第2通常装飾図柄502b、第3通常装飾図柄502cのすべてが停止(確定停止)するときに簡易装飾図柄504も停止(確定停止)される。なお、確定停止とは、仮停止とは異なり細かな揺動が行われず微動だにしない停止態様を指す。但し、通常装飾図柄502が数字(または、文字や記号)と人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄とで構成され、簡易装飾図柄504が数字(または、文字や記号)のみで構成される場合、簡易装飾図柄504である数字(または、文字や記号)は仮停止となることはなく確定停止のみであり、確定停止時には細かな揺動が行われず微動だにしない。一方、通常装飾図柄502は仮停止可能であるとともに、仮停止する際は数字(または、文字や記号)も絵柄も細かな揺動が行われ、確定停止時には数字(または、文字や記号)も絵柄も細かな揺動が行われず微動だにしないが、確定停止から所定時間経過(例えば、5秒)した後は、数字(または、文字や記号)もしくは絵柄の少なくとも一方は確定停止時であっても細かな揺動が行われる。
【0229】
演出画面500の右隅に表示される簡易保留画像507は、表示されている通常保留画像506の個数を数字で示す画像であり、
図30(b)では「3」の数字が表示される。なお、可動役物520は、この遊技機の機種タイトルのロゴが象られた可動式装飾ランプであり、所定タイミングで動作されることで大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。なお、詳細は後述するが、本実施例における可動役物は、可動役物520以外にも複数備わっている。
【0230】
図31は、画面変形演出におけるフレーム画像の収縮の例を模式的に示す。
図31(a)は敵キャラクタ512と戦闘するストーリーをモチーフとするスーパーリーチ演出などの所定の図柄変動演出において、所定タイミングで敵キャラクタ512が登場した状態を示す。なお、このような所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出)の実行中においては、
図31に示すように、通常保留画像506や変動中画像508は非表示とすることが好適であるが、変動中画像508においては、通常保留画像506の非表示中であっても表示を継続するようにしてもよい。例えば、スーパーリーチ演出に発展した場合、通常保留画像506は非表示となるが、変動中画像508はスーパーリーチ演出の実行期間の少なくとも一部の期間(例えば前半期間)においては表示されるよう構成してもよい。また、このような所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)の実行中においては、
図31に示すように、通常装飾図柄502を非表示としているが、表示態様を小さくして(または、数字と絵柄とで構成される通常装飾図柄502である場合、数字のみとして)表示を継続してもよい。例えば、スーパーリーチ演出に発展した場合、通常装飾図柄502がリーチ態様にて、小さくおよび/または数字のみでスーパーリーチ演出の実行期間の少なくとも一部の期間(例えば前半期間)において表示されるよう構成してもよい。ここで、画面変形演出として枠内静止演出を実行する場合、
図31(b)に示すように、それまで
図31(a)のように画面に表示中の敵キャラクタ512の映像を静止し、その静止したフレーム画像を一回り小さいサイズに縮小するとともに、その縮小したフレーム画像の周囲にはそれまで表示されていなかった額縁のような枠画像510が表示される。画面変形演出として枠内動画演出を実行する場合は特に図示しないが、枠内静止演出と同様に元の映像に含まれる複数のフレーム画像のそれぞれに順次縮小等の変形処理が施され、そのような複数のフレーム画像もまた、以下、特に言及しない限り変形の対象に含まれるものとする。なお、この枠画像510は、少なくともその一部があらかじめ表示されていてもよい(例えば、枠画像510の内側寄りの一部の領域が表示されていてもよい)。枠画像510の内側を、以降は枠内画像514と呼ぶ。ここで、
図31(a)の状態では演出画面500に表示されていなかった枠画像510が
図31(b)の状態では枠内画像514の周囲に表示される。この枠画像510の部分は、実際には
図31(a)の時点でも演出表示制御手段305によって表示制御の処理自体は実行されているものの、演出画面500の枠の外側に相当する位置に配された部分であるために、演出画面500内に表示されておらず、可視化されていなかった画像部分である。なお、図示するように、本実施例においては枠画像510の全てが可視化されているが、枠画像510の上部分のみを可視化するように(すなわち、それ以外の部分は不可視であるように)してもよいし、枠画像510の左右部分のみを可視化するように(すなわち上下部分は不可視であるように)してもよい。
【0231】
ここで、
図31(a)のフレーム画像を縮小した枠内画像514には、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は含まれていない。すなわち、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は画面変形演出の対象とはなっておらず、画面変形演出が表示されるレイヤーより前面側のレイヤーに表示されている。
図30の段階では表示されていた通常装飾図柄502、通常保留画像506、変動中画像508は非表示の状態に切り替わり、変形の対象には含まれず、枠内画像514にも含まれていない。すなわち、通常装飾図柄502を非表示とする一方で簡易装飾図柄504の表示を継続させることで装飾図柄の表示を担保し(変動中であるか否かを認識可能とし)、通常保留画像506および変動中画像508を非表示とする一方で簡易保留画像507の表示を継続させることで保留画像の表示を担保している(保留が存在するか否か、幾つ保留が存在するかを認識可能としている)。変形例においては、通常装飾図柄502、変動中画像508も枠内画像514に含めて変形の対象としてもよい。つまり、前述したとおり、所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)においても通常装飾図柄502や変動中画像508は表示を継続するよう構成した場合、通常装飾図柄502や変動中画像508を枠内画像514に含ませ、画面変形演出の対象としてもよい。また、通常保留画像506も所定の図柄変動演出(スーパーリーチ演出など)にて継続表示するよう構成し、通常装飾図柄502や変動中画像508と同様に、枠内画像514に含ませ、画面変形演出の対象としてもよい。枠内画像514は、
図31(a)におけるフレーム画像を、前述したとおり縮小させ、それに加えて、色反転(いわゆる「ネガポジ反転」ともいう)させた状態の画像である。枠内画像514および枠画像510は、以降の変形処理の対象とするオブジェクトであるため、対象オブジェクト516と呼ぶ。
【0232】
図32は、画面変形演出におけるフレーム画像の揺動の例を模式的に示す。対象オブジェクト516を
図31(b)の状態よりさらに縮小した上で、それまで2次元的に変化させていたものをさらに奥行き方向にも変化させて3次元的に変形する。その結果、対象オブジェクト516は、3次元オブジェクトの1面に、直前まで表示していた動画像のフレーム画像(枠内静止演出であれば演出の動画像を静止させたキャプチャ画像のような画像であり、枠内動画演出であれば次々に切り替わるフレーム画像)を貼り付けた、あるいは投影させたような画像となる。対象オブジェクト516は、図示する通り湾曲した枠画像510の内側に枠内画像514を配置した形状であって、厳密な矩形ではないものの、以降は説明の便宜上、矩形であるものと仮定し、その左端側を左辺、右端側を右辺、上端側を上辺、下端側を下辺と呼んで説明する。
図32(a)では対象オブジェクト516の左辺を手前側に動かし、右辺を奥側に動かすように見せるための4頂点変形を実行する。すなわち、左辺を長くし、右辺を短くし、左辺上下の内角を直角より小さくし、右辺上下の内角を直角より大きくした台形となるように変形する。
図32(b)では対象オブジェクト516の右辺を手前側に動かし、左辺を奥側に動かすように見せるための4頂点変形を実行する。すなわち、右辺を長くし、左辺を短くし、右辺上下の内角を直角より小さくし、左辺上下の内角を直角より大きくした台形となるように変形する。
図32(a)と
図32(b)の状態を高速で交互に繰り返すことにより、左辺と右辺を交互に前後方向に往復旋回させて対象オブジェクト516を揺らすように見せることができる。
【0233】
演出決定手段303は、演出表示装置60の演出画面500に表示させる演出内容として、画面変形演出の実行有無を変動パターンに応じて決定する。画面変形演出は、所定のタイミングにおけるフレームバッファ338に格納されたフレーム画像を変形させた対象オブジェクト516の画像と、背景画像518と、遊技状況を示す画像と、を少なくとも合成させた新たなフレーム画像を順次生成してフレームバッファ338に格納させることにより動画像として表示される。ここで、背景画像518については、黒一色(黒塗り)であるが、このような表示態様に限らず、例えば、「CHANCE」という文字がテロップのように流れる動画像をループ再生するような表示態様としてもよい。
【0234】
図33は、画面変形演出における演出画面500のレイヤー構造を模式的に示す。演出画面500のレイヤー構造は、最前面から最後面までエラー表示レイヤー521、音量光量表示レイヤー522、遊技状況レイヤー523、演出レイヤー524、背景レイヤー525の順に含まれて構成される。最前面のエラー表示レイヤー521には、エラー発生時にエラーが発生した旨およびエラーの種類等を示すエラー警告画像536が表示される。次のレイヤーである音量光量表示レイヤー522には、遊技者による音量調整のためのインタフェースを示す音量設定画像532と、遊技者による光量調整のためのインタフェースを示す光量設定画像534と、が表示される。
【0235】
次のレイヤーである遊技状況レイヤー523は、例えば簡易装飾図柄504、簡易保留画像507、変動中画像508、右打ちを案内する案内表示530などの画像が表示され、その表示内容は常時更新される。変形例として、変動中画像508は、遊技状況レイヤー523ではなく、演出レイヤー524に表示してもよい。次のレイヤーである演出レイヤー524は、主に通常装飾図柄502の変動や通常保留画像506、対象オブジェクト516が表示されるレイヤーである。対象オブジェクト516の形状や色彩、表示位置は常時更新されるが、対象オブジェクト516に含まれる枠内画像514の内容は、スクリーンキャプチャのように静止させる演出の場合は変形や移動等の変化が加えられない限り内容は固定であり、動画を枠内画像514に嵌め込んだような演出の場合は元の映像に含まれるフレーム画像が順次嵌め込まれる。通常装飾図柄502および通常保留画像506は、画面変形演出において対象オブジェクト516の一部として変形の対象としてもよい。また、前述したように、変動中画像508を遊技状況レイヤー523ではなく演出レイヤー524に表示するようにした場合は、変動中画像508についても、画面変形演出における対象オブジェクト516の一部として変形の対象としてもよい。最後面の背景レイヤー525は、黒一色の背景画像518である。背景レイヤー525に背景画像518を表示することによって奥行き感のある立体空間のように見せることができ、演出レイヤー524に表示される対象オブジェクト516も立体的に見せることができる。演出表示装置60に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、画面変形演出では、第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像と、所定態様に変形させない第2画像とを表示させる。第1画像グループとは、後述する変形対象演出を構成する画像、つまり、変形処理の対象となる画像にカテゴライズされる画像の集合体を指し、第2画像グループとは、後述する変形対象演出を構成する画像以外の画像、つまり、変形処理の対象とならない画像にカテゴライズされる画像の集合体を指す。第1画像は、画面変形演出における変形の対象となり得る画像であり、演出レイヤー524に表示され得る画像である。第1画像グループには、第1画像として、例えば対象オブジェクト516が含まれ、通常装飾図柄502や通常保留画像506がさらに含まれてもよい。第2画像は、画面変形演出における変形の対象とならない画像であり、演出レイヤー524以外のレイヤーに表示される画像である。第2画像グループには、第2画像として、例えば簡易装飾図柄504、簡易保留画像507、変動中画像508、案内表示530が含まれる。特殊第1画像は、例えば変形後の対象オブジェクト516であり、通常装飾図柄502や通常保留画像506を画面変形演出における変形の対象とした場合、変形後の通常装飾図柄502や変形後の通常保留画像506がさらに含まれてもよい。
【0236】
演出決定手段303は、変動演出パターンとして、複数種類の変動演出パターンからいずれかを選択する。複数種類の変動演出パターンには、その演出過程において画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンと、画面変形演出の実行対象でない変動演出パターンとが含まれる。画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンは、別途の抽選結果に応じて画面変形演出が実行される場合とされない場合があるように定義されてもよいし、あるいは、必ず画面変形演出が実行されるように定義されてもよい。これにより、同じ変動演出パターンでも、あるいは途中までは同じ演出の進行内容であっても、途中から画面変形演出が実行される場合とされない場合とで演出の見せ方が異なるようにすることができる。例えば、スーパーリーチ演出に発展する演出の流れの場合、「変動開始→リーチ状態形成→スーパーリーチ演出発展→スーパーリーチ演出中に画面変形演出の発生なし→スーパーリーチ演出終了→変動終了」といった演出の流れと、「変動開始→リーチ状態形成→スーパーリーチ演出発展→スーパーリーチ演出中に画面変形演出の発生あり→スーパーリーチ演出終了→変動終了」といった演出の流れのいずれかとすることができる。
【0237】
演出決定手段303は、予告演出パターンとして、複数種類の予告演出パターンからいずれかを選択する。複数種類の予告演出パターンには、その演出過程において画面変形演出の実行対象となる予告演出(例として、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出以外にも、リーチ状態となる前の予告演出の一部であるステップアップ予告演出など)と、画面変形演出の実行対象でない予告演出(例として、リーチ状態となる前の予告演出の一部であり通常装飾図柄502が仮停止したうえで再度変動を行う擬似連演出の際に表示される特殊な通常装飾図柄502(例えば、「NEXT」との文字が付された通常装飾図柄502)が表示される予告演出パターン、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出が終了した以降に可動役物520が駆動し且つそれに伴い画面が虹色に染まるような表示がなされる予告演出パターンなど)とが含まれる。画面変形演出の実行対象となる予告演出は、別途の抽選結果に応じて画面変形演出が実行される場合とされない場合があるように定義されてもよいし、あるいは、必ず画面変形演出が実行されるように定義されてもよい。これにより、同じ予告演出パターンでも、画面変形演出が実行される場合とされない場合とで演出の見せ方が異なるようにすることができる。なお、画面変形演出の実行対象である演出、すなわち演出過程で画面変形演出が実行され得る図柄変動演出および予告演出を、以下「変形対象演出」と称する。
【0238】
演出決定手段303は、始動口への新たな入球に対応する保留の生起を契機にその当否抽選の判定結果が当りとなる期待度の高さを事前に示唆する、いわゆる先読みによる予告演出の実行有無を、事前判定の情報(新たな入球を契機に主制御装置としてのメイン基板200から送信される事前情報)に応じて決定する。また、先読みによる予告演出(先読み予告)の態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。つまり、ターゲット変動に係る保留が、画面変形演出の実行が予定されている変動に係る保留である、または、画面変形演出が実行される確率が高い変動に係る保留である場合(更に言えば、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動に係る保留である場合)、そのような保留でない場合よりも、高期待度の先読み予告(後述する保留変化演出であれば、青色の通常保留画像506より赤色の通常保留画像506のほうが高期待度の先読み予告である)が実行されるように構成される。このように構成する場合、同じ演出パターンであっても、画面変形演出が実行される方が、画面変形演出が実行されないよりも、大当り期待度が高くなるよう構成することが好適であり、例えば、前述したスーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる演出が実行される(画面変形演出が実行される)方が、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる演出が実行されない(画面変形演出が実行されず、敵キャラクタが静止しない)よりも、大当り期待度が高いよう構成することが好適である。先読みによる予告演出は、例えば
図30に示した、先読み対象となったターゲット変動に対応する通常保留画像506の点灯色によって大当り期待度ないし画面変形演出の実行期待度を示唆する演出(保留変化演出)である。これにより、予告演出の種類、すなわち通常保留画像506の点灯色によって画面変形演出の実行されやすさが異なるようにすることができる。例えば、青色の通常保留画像506(例えば、大当り期待度10%)より赤色の通常保留画像506(例えば、大当り期待度50%)が表示される方が、その先読みの対象となったターゲット変動において画面変形演出が実行されやすい。このような保留変化演出は、通常保留画像506のみならず、変動中画像508としても実行してよく、例えば、第1通常保留画像506aが移動して変動中画像508となる場合、(1)第1通常保留画像506aでは青色の通常保留画像506が表示され、変動中画像508でも青色の通常保留画像506(正確には、青色の変動中画像508)が表示されることで、現在の変動の大当り期待度が10%であることが把握でき、(2)第1通常保留画像506aでは青色の通常保留画像506が表示され、変動中画像508では赤色の通常保留画像506(正確には、赤色の変動中画像508)が表示されることで、現在の変動の大当り期待度が10%から50%に上がったことが把握できる。なお、画面変形演出の実行対象となる変動演出パターンが選択された場合における画面変形演出の実行有無は、その変動演出パターンによる図柄変動の開始時に決定され、その変動開始時までに実行された先読み予告の種類に応じて、画面変形演出の実行確率が相違する。変形例として、先読み予告が実行される時点で(先読み予告の実行が決定された時点で)、その先読み予告の実行契機となった変動(ターゲット変動)にて画面変形演出の実行有無を決定してもよい。
【0239】
当該変動の予告演出の態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。なお、ここで言う当該変動とは、現在の変動のことを意味しており、先読み予告が実行されている場合は、その先読み予告の実行契機となった変動(ターゲット変動)であり、先読み予告を実行している変動(ターゲット前の変動)ではない。また、ここで言う当該変動の予告演出の態様とは、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動において実行される予告演出(画面変形演出は除く)の態様であり、先読み予告の態様ではない、つまり、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行される変動よりも先の変動における予告演出の態様ではないことを補足しておく。なお、当該変動の予告演出の実行有無およびその態様と画面変形演出の実行対象となる予告演出の実行有無および画面変形演出の実行有無は、いずれも当該変動の開始時に別々の抽選で決定される。このように、画面変形演出の実行対象である変動演出パターンが選択される場合でも必ず画面変形演出が実行されるわけではない。例えば、当該変動の予告演出の態様として、登場するキャラクタのセリフを吹き出しの形で表示する演出であるセリフ予告演出(このセリフ予告演出は、当該変動において、画面変形演出の実行対象となる予告演出が実行されるよりも先のタイミングにて実行される)においてその吹き出しの色が青色の場合よりキリン柄模様(青色よりも大当り期待度が高い表示態様)である方が画面変形演出の実行期待度が高くなるように構成してもよい。変形例として、当該変動の予告演出の実行有無およびその態様と画面変形演出の実行対象となる予告演出の実行有無および画面変形演出の実行有無を、当該変動の開始時に同抽選にて一括で決定してもよい。
【0240】
画面変形演出の実行有無によって演出の進行内容としては同じであってもその見せ方が異なるようにすることができる。また、事前に実行される先読み予告の演出内容とターゲット変動の演出内容の組合せによって演出の見せ方の相違に関する期待感を段階的なものとすることができる。なお、前述した保留変化演出やセリフ予告演出は、ターゲット変動およびターゲット前の変動のいずれにおいても実行可能であり、例えば、先読み予告で赤色の通常保留画像506を表示させることで画面変形演出の実行期待度が高いように見せた後、ターゲット変動の演出で青色のセリフ吹き出しを表示させることで画面変形演出の実行期待度が低くなったように見せることができる。また例えば、先読み予告で青色の通常保留画像506を表示させることで画面変形演出の実行期待度が低いように見せた後、ターゲット変動の演出でキリン柄模様のセリフ吹き出しを表示させることで画面変形演出の実行期待度が高くなったように見せることができる。変形例において、先読み予告の実行開始(ターゲット前の変動)からターゲット変動までの一連の過程、または、先読み予告からターゲット変動における画面変形演出の実行タイミングまでの一連の過程を、一括して決定する仕様にした場合、画面変形演出の実行期待度が途中で阻害されることを防ぐことができる。
【0241】
図34は、画面変形演出と同時並行的に実行される可動役物演出の過程を模式的に示す。
図34(a)は可動役物520の動作の初期段階を示し、
図34(b)は可動役物520が動作した状態を示す。本実施例における可動役物520には、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dが含まれる。第1可動役物520aは、この遊技機の機種タイトルのロゴが象られた可動式装飾ランプであり、所定の演出時における所定タイミングで
図34(b)のように下方向に落下するように大きく移動することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。第2可動役物520bおよび第3可動役物520cは、シザーアーム型の装飾部材であり、
図34(b)のように第2可動役物520bが演出画面500の左方から演出画面500の中央に伸び、第3可動役物520cが演出画面500の右方から演出画面500の中央に伸びるように動作することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。第4可動役物520dは、ノコギリの刃のような山型の装飾ランプであり、所定の演出時における所定タイミングで
図34(b)のように上方向に迫り出すように大きく移動することで、大当り期待度が高いことを演出的に示唆する。
図34(b)のように、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのすべてが動作した状態でも視認性が妨げられないような位置に表示される。なお、変動停止時および変動停止までの所定時間(例えば、変動停止2秒前から変動停止までの期間)においては、いずれの可動役物も動作しない、すなわち初期位置にあるよう構成することで、少なくとも遊技の境目(すなわち遊技進行が一旦停止する状況)において、より確実な視認性の担保が可能となる。なお、変形例として、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのうち、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。例えば、簡易装飾図柄504および簡易保留画像507は、第3可動役物520cの動作時には視認性が妨げられてしまうが、他の可動役物の動作時には視認性が妨げられないような位置に表示してもよく、そのように構成する場合、第3可動役物520cが動作する頻度は、第1可動役物520a、第2可動役物520b、第4可動役物520dのいずれかが動作する頻度よりも低いことが好適であり、また、1回の変動内で第3可動役物520cが動作する時間は、第3可動役物520cが動作しない時間よりも短い時間とすることも好適である。そのように構成する場合は、全ての変動パターン(変動時間)において、1回の変動内で第3可動役物520cが動作する時間を第3可動役物520cが動作しない時間よりも短い時間とすることがより好適である。
【0242】
可動役物520は、演出表示装置60の近傍に設けられ、演出表示装置60に表示される演出と連動する形で演出的に動作する。画面変形演出の表示と可動役物520の動作が同時並行的に実行されることが相対的に多くなるように、可動役物520の動作有無および画面変形演出の実行有無が対応付けられている。例えば画面変形演出は、画面変形演出を伴わない他の種類の演出(例えば、キャプチャ演出、反転演出、ステップアップ予告やセリフ予告、保留変化演出や群予告などの予告演出)よりも、可動役物520が同時並行的に実行されることが多い。また例えば、画面変形演出は、可動役物520の動作を伴わない場合よりも可動役物520の動作を伴う場合の方が多い。演出制御手段304は、演出決定手段303により決定された可動役物520の動作有無にしたがって可動役物520を動作させる。このように画面変形演出と可動役物520の動作を連係させることにより、画面変形演出を実行する際に演出表示装置60に表示させる演出内容の立体感や躍動感をより高めることができる。すなわち、表示する演出内容で立体感や躍動感のある動きを表現するだけでなく、演出表示装置60の周囲でも立体感や躍動感を演出する。逆に、可動役物520の動作を伴わない画面変形演出においては、可動役物520の動作を控えることで画面変形演出の内容そのものをより際立たせることができる。なお、可動役物520が動作している状態を正面視した場合に、
図34のように第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dは簡易装飾図柄504の視認性を阻害しない位置および形状となるように動作する。
【0243】
装飾図柄には、少なくとも特別図柄の停止時において演出表示装置60へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄502と、少なくとも通常装飾図柄502が視認困難なときに通常装飾図柄502より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄504とが含まれる。通常装飾図柄502は、簡易装飾図柄504より大きなサイズで表示される図柄である。通常装飾図柄502は、3個の図柄で構成され、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止される。簡易装飾図柄504もまた3個の図柄で構成されるが、変動表示後に3個が同時に停止される。簡易装飾図柄504の停止図柄の組合せとしては、通常装飾図柄502の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。
【0244】
なお、スーパーリーチ演出の実行中は、少なくとも一部の期間において通常装飾図柄502を小さく表示する(代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、通常装飾図柄502を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないよう構成してもよい)が、そのような状況において、簡易装飾図柄504は常に変動表示している。この簡易装飾図柄504は、演出表示装置60の右上に小さく表示され、特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、通常装飾図柄502と同じく、3つの図柄が変動表示および停止表示するものである。この簡易装飾図柄504を設けることで、通常装飾図柄502を小さくしたい又は非表示としたいような状況(例えば、スーパーリーチ演出を実行する場合、可動役物による演出を行って演出表示装置60の中央が隠れる場合など)であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。つまり、この簡易装飾図柄504は、表示担保用の(通常装飾図柄502の表示状態を補償するための)図柄であると言える。なお、この簡易装飾図柄504が変動表示する場合、特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である、つまり、通常装飾図柄502が途中で仮停止を行う場合(例えば擬似連演出を実行するに際し、「NEXT」などの文字を表示する特殊な通常装飾図柄502を仮停止する場合)であっても簡易装飾図柄504は途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり(そのため、簡易装飾図柄504については、「NEXT」などの文字を表示する特殊な図柄を設けておらず、簡易装飾図柄504は確定停止しか行わない)、更に、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防ぐよう、大当り変動である場合は事前に大当りであることを察知されないよう、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組み合わせを維持した状態で変動表示する(例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示する)ことが好適である。更に、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せ(変動開始直後の最初の図柄組合せ)は、確定停止時の図柄組合せから1つ進行した図柄組合せであるが、簡易装飾図柄504が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の組合せにかかわらず、あらかじめ決まった図柄組合せとなる。例えば、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504に係る数字組合せのいずれも「243」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が変動開始する場合、通常装飾図柄502の起点となる図柄組合せは「354」となるが、簡易装飾図柄504の起点となる図柄組合せは「123」固定であり、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504に係る数字組合せのいずれも「333」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が変動開始する場合、通常装飾図柄502の起点となる図柄組合せは「444」となるが、簡易装飾図柄504の起点となる図柄組合せは「123」固定である。これ以外にも、簡易装飾図柄504については、以下のような特徴を有することで、通常装飾図柄502と明確に役割を差別化することができる。
【0245】
(1)遊技者が認識しやすい通常装飾図柄502の表示領域のほうが、表示担保用の(通常装飾図柄502の表示状態を補償するための)簡易装飾図柄504の表示領域よりも大きい。これは、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が確定停止している状況、通常装飾図柄502はリーチ状態を形成した直後(スーパーリーチ演出へ発展していない状態でのリーチ状態)であり簡易装飾図柄504は変動表示中である状況に限らず、スーパーリーチ演出中などで通常装飾図柄502が小図柄となっている状況であり簡易装飾図柄504は変動表示中である状況であっても、このように構成することが好適である。
【0246】
(2)通常装飾図柄502の表示位置は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モードで(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)あるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄502での演出の多様性を実現できる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。なお、演出モードの詳細については後述する。
【0247】
(3)通常装飾図柄502の表示態様は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄502での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の通常装飾図柄502のみで通常装飾図柄502が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった通常装飾図柄502)、第2演出モードでは数字の通常装飾図柄502と味方キャラクタの通常装飾図柄502とを組み合わせて通常装飾図柄502が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄502)。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の通常装飾図柄502のみで簡易装飾図柄504を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
【0248】
(4)通常装飾図柄502の表示領域は変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、スーパーリーチ演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄とする)ことで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄504の表示領域は可変しない(移動しない、小図柄としない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
【0249】
(5)通常装飾図柄502は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄504の変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、通常装飾図柄502は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、簡易装飾図柄504は、上から下への変動のみとすることが好適である。
【0250】
(6)通常装飾図柄502は確定停止(特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(特別図柄の変動途中における仮停止であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の通常装飾図柄502である特定図柄(例えば、スーパーリーチ演出への発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた通常装飾図柄502)を仮停止させることで、通常装飾図柄502の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄504は仮停止もしなければ、特定図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
【0251】
(7)通常装飾図柄502はその他の予告演出(例えば、コメント予告演出、ステップアップ予告演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。演出表示装置60上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、簡易装飾図柄504については、通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割を果たすため、簡易装飾図柄504の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、演出表示装置60全体に表示される群予告演出、背景予告演出など)との関係性については、簡易装飾図柄504の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(簡易装飾図柄504のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(特別遊技中に表示される画像とは異なり、高ベース状態中に表示される高ベース状態専用の右打ち報知画像、但し、特別遊技中の画像と共通する画像でもよい)についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、簡易装飾図柄504の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、通常装飾図柄502の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、通常装飾図柄502の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、通常装飾図柄502の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(通常装飾図柄502のほうが右打ち報知画像よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
【0252】
(8)特別遊技中においては、通常装飾図柄502は組み合わせ表示ではなく、1つのみの表示としてよい。例えば、「777」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「7」が表示され、「222」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「2」が表示される。これにより、どの通常装飾図柄502で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。変形例として、有利度が高い大当りに対応した通常装飾図柄502(例えば、7R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「333」、「555」、「777」など)のみ、特別遊技中に表示してもよい。このように特別遊技中に表示される1つの通常装飾図柄502を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましい(但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合、強調表示の方が表示優先度は高い)。また、簡易装飾図柄504については、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが(特別遊技中は変動表示が行われないため)、特別遊技中に表示してもよく、そのように構成する場合、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましく、強調表示とも重畳表示しないことが望ましい。
【0253】
(9)通常装飾図柄502においては、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示を行ってもよい(それぞれの状況における動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作と称してもよい)。例えば、非リーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「624」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。また、ノーマルリーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「212」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は回転動作を行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。
【0254】
また、スーパーリーチ演出に発展する場合(確定停止時において、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504が「232」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄502における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄と右図柄とが揺れ動作を行っている最中に中図柄が変動し(この際、中図柄が拡大した状態で上から下へ変動しており、それまでは重複していなかったまたは重複割合が少なかった左右の図柄に対して、重複しているまたは重複割合が高くなっている)、その後、スーパーリーチ演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、はずれの結果であることがスーパーリーチ演出にて報知されるとリーチ背景から通常背景へと移行し、移行後、左図柄、中図柄、右図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄504は、各動作を一切行わない。このように構成することで、通常装飾図柄502の演出に多様性を持たせることができる一方で、簡易装飾図柄504は通常装飾図柄502の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄504については、特に動作を行わないよう構成し、余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動停止してから待機デモ演出が表示されるまでの間であっても、変動停止してから所定時間経過後(例えば、10秒後)には通常装飾図柄502が揺れ動作を行ってもよいが、この状況においても、簡易装飾図柄504は一切動作を行わないことが好適である。このように構成することで、遊技待機中(図柄停止中)であっても、遊技意欲をかきたてることができるとともに、簡易装飾図柄504は揺れ動作を行わないことで、遊技待機中であることの報知を担保できる。その他、待機デモ演出が表示された場合、通常装飾図柄502は非表示となるが、簡易装飾図柄504は表示が継続されることが好適である。こうすることで、待機デモ演出画面の表示を強調しつつも、どのような図柄が停止しているかの表示を担保することができる。但し、待機デモ演出中であれば、遊技が行われていないため、簡易装飾図柄504についても非表示としてもよい。
【0255】
また、通常装飾図柄502の中でも特定の図柄(例えば、中図柄の「7」)については、その他図柄と比べて、所定の動作を行わないまたは行う確率が低くなるよう構成してもよい。この所定の動作は、例えば前述した仮停止時動作(跳ねるような動作)であってよい(特に、リーチ成立後の中図柄の「7」について)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。なお、数字の通常装飾図柄502と味方キャラクタの通常装飾図柄502とを組み合わせて通常装飾図柄502が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄502)場合、通常装飾図柄502の揺れ動作については、数字の通常装飾図柄502も、味方キャラクタの通常装飾図柄502も、いずれも揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であり、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中の通常装飾図柄502が最も上に表示されている状態と最も下に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現しても良く、そのように構成した場合、数字の通常装飾図柄502の揺れ幅を、味方キャラクタの通常装飾図柄502の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の通常装飾図柄502は揺れ動作を行わず、味方キャラクタの通常装飾図柄502のみ揺れ動作を行うよう構成しても良い。
【0256】
通常装飾図柄502は、画面変形演出における対象オブジェクト516の画像の中に含まれて変形の対象となり得る、すなわち第1画像グループに属する第1画像に含まれ得るものであり、演出レイヤー524に表示される。一方、簡易装飾図柄504は、画面変形演出における対象オブジェクト516の画像の中に含まれず、変形の対象にもならない、すなわち第2画像グループに属する第2画像に含まれる一方、画面変形演出では遊技状況を示す画像に含まれ得る対象であり、遊技状況レイヤー523に表示される。なお、通常装飾図柄502を対象に含めて画面変形演出処理を実行している所定の状況(例えば、通常装飾図柄502が変動している最中、仮停止している最中、リーチ状態を形成している状態に対して画面変形演出処理を実行している状況、なお、この状況においては静止画面ではなく通常装飾図柄502のスクロールの動きや仮停止時およびリーチ状態形成時の揺れ動作を継続的に再生表示させながら画像変形させることになる)においても可動役物520が動作され得る。その動作中の可動役物520を正面視した場合に、動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dの少なくともいずれかにて、画面変形演出中の通常装飾図柄502の視認性が阻害されるが、
図34のように動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのいずれにおいても、画面変形演出中の簡易装飾図柄504の視認性は阻害されない。なお、前述したとおり、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。画面変形演出に一体感を出すため、逆に画面変形演出を伴わない図柄変動演出と通常装飾図柄502とが同じように躍動するよう構成する。一方、現在図柄変動中であるか否か、および、図柄が仮停止しているのであればどの図柄で仮停止しているかを把握しやすくするために、簡易装飾図柄504を画面変形演出による変形の対象外として簡易装飾図柄504の視認性を担保する。その場合、連係する可動役物520の動作について、簡易装飾図柄504の視認性を阻害しないような動作態様とすることで、より確実に簡易装飾図柄504の視認性を担保する。なお、通常装飾図柄502および簡易装飾図柄504との関係を、通常保留画像506(変動中画像508)および簡易保留画像507との関係に適用してもよい。つまり、通常保留画像506(変動中画像508)を対象に含めて画面変形演出処理を実行している所定の状況(例えば、通常保留画像506(変動中画像508)を表示している最中に画面変形演出処理を実行している状況、なお、この状況においては静止画面ではなく通常保留画像506(変動中画像508)が回転アニメーションや発光アニメーションを伴って表示されているのであれば、そのアニメーションを継続的に再生表示させながら画像変形させることになる)においても可動役物520が動作され得る。その動作中の可動役物520を正面視した場合に、動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dの少なくともいずれかにて、画面変形演出中の通常保留画像506(変動中画像508)の視認性が阻害されるが、
図34のように動作中の第1可動役物520a、第2可動役物520b、第3可動役物520c、第4可動役物520dのいずれにおいても、画面変形演出中の簡易保留画像507の視認性は阻害されない。なお、前述したとおり、少なくともいずれかの可動役物の動作時に視認性が妨げられないような位置に表示するよう構成してもよい。画面変形演出に一体感を出すため、逆に画面変形演出を伴わない図柄変動演出と通常保留画像506(変動中画像508)とが同じように躍動するよう構成する。一方、現在図柄変動中であるか否か、および、図柄が仮停止しているのであればどの図柄で仮停止しているかを把握しやすくするために、簡易保留画像507を画面変形演出による変形の対象外として簡易保留画像507の視認性を担保する。その場合、連係する可動役物520の動作について、簡易保留画像507の視認性を阻害しないような動作態様とすることで、より確実に簡易保留画像507の視認性を担保する。
【0257】
画面変形演出において、変形の対象となる第1画像としてのフレーム画像の内容にかかわらず第2画像としての背景画像518は他の画像を変形の対象とする他の画面変形演出における背景画像518と内容が共通する。例えば、本実施例における共通の背景画像518は全面が黒一色の画像であり、各画面変形演出における背景レイヤー525に表示される。各画面変形演出の背景画像を黒一色の画像で共通化することにより、表示処理負担の増加と画像容量の増加を抑制することができる。なお、前述したとおり、背景画像518を、例えば、「CHANCE」という文字がテロップのように流れる動画像をループ再生するような表示態様としてもよい。
【0258】
演出表示装置60には、所定のエラー(例えば、扉・枠の開放信号を検知した場合に発生する扉開放エラーや枠開放エラー、遊技球の不足や上球皿105・下球皿106の遊技球が満タンになることで賞球払出が停止する賞球払出エラーなど)が発生した場合はそのエラーを示す(エラーの発生およびエラーの種類を示す)エラー警告画像536が表示される。また、画面変形演出の実行前にエラーが発生したことでエラー警告画像536が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、エラー警告画像536の表示がそのまま継続される。この場合、
図33にも示される通り、エラー警告画像536は最前面のエラー表示レイヤー521に表示されており、演出レイヤー524に表示されていないため、変形の対象となるフレーム画像である対象オブジェクト516には含まれず、変形処理は施されない。これにより、エラー発生時でも画面変形演出の実行を阻害しないように構成することができるだけでなく、エラー警告画像536を画面変形演出の対象外とすることでエラー警告画像536の視認性も阻害しないように構成することができる。なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量レベルの調整(音量調整)は可能であり、遊技者操作によって
図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。なお、遊技進行中に発生したエラーの種類(エラー警告音の種類)によっては、遊技進行に伴う演出音(例えば、スーパーリーチ演出のBGMや画面変形演出に伴って発生する効果音)が、エラー警告音の優先出力により出力されないよう構成される。例えば、画面変形演出中にエラーが発生した場合、そのエラーが賞球払出エラーであれば、エラー警告音と演出音との両方が出力される(但し、エラー警告音は規定音量である最大音量で、演出音は現在設定されている音量レベルに対応した音量にて出力される)が、扉開放エラーであれば、エラー警告音のみが出力され、演出音は出力されない(または賞球払出エラー発生時よりも演出音を低音量で出力する)よう構成される。なお、エラーの種類は一例である。このような遊技進行中のエラー発生の場合、画面変形演出が実行されたとしても音量設定画像532もまた演出レイヤー524に表示されていないため、変形の対象となるフレーム画像である対象オブジェクト516には含まれず、変形処理は施されない。これにより、エラー発生時でも音量調整の実行を阻害しないように構成することができるだけでなく、音量設定画像532を画面変形演出の対象外とすることで音量設定画像532の視認性も阻害しないように構成することができる。音量設定画像532においては、現在設定されている音量レベルが何であるかを表示可能であり(例えば、「音量レベルは1です」、「音量レベルは5です」などの表示が可能であり)、遊技者操作により音量レベルが調整されると、その表示内容が変更される(例えば、音量レベルを1から2へ変更した場合、「音量レベルは1です」の表示から「音量レベルは5です」の表示へ切り替わる)。ここで、画面変形演出の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、画面変形演出の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。また、画面変形演出の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に画面変形演出が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ画面変形演出の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。なお、視認性担保のため、エラー警告画像536と音量設定画像とは、重複表示しない(異なる表示領域にて表示する)よう構成することが好適である。
【0259】
演出表示装置60には、
図30に示す通り、保留が記憶される場合にその保留数を示す通常保留画像506が表示される。また、新たな入球に対応する保留が生起する際は、保留が生起したことを示すために、通常保留画像506をいきなり表示させるのではなく、徐々に表示されるようなアニメーション(詳細は後述する)を伴って表示され、通常保留画像506のアニメーション表示中、つまり通常保留画像506のアニメーションが開始してから完了するまでの間(通常保留画像506の表示が完了するまでの間)に画面変形演出が実行される場合であってもそのアニメーション表示は中止されない。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示以外にも、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させる際に実行されるアニメーション表示も含まれる(例えば、保留生起時に通常保留画像506が白く光った後に色が変化するアニメーション、小さなキャラクタが登場して表示中の通常保留画像506に魔法をかけて色を変化させるアニメーションなど)。但し、画面変形演出の実行中、または、画面変形演出を実行する変動中(当該変動にて画面変形演出を実行予定であるが実行タイミングには到達していない状況)においては、画面変形演出に注目させるべく、新たな入球があっても先読み予告を実行しない(抽選や決定をしない)よう構成する場合、通常の保留生起時のアニメーション表示演出が実行されないよう構成した場合、画面変形演出が実行される場合にそのアニメーション表示を中止しない仕様を採用するのは、通常の保留生起時(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示のみとなる。通常の保留生起時の通常保留画像506(先読み予告を伴わない保留生起時)のアニメーション表示は、例えば通常保留画像506のフェードイン表示、画面下方などの画面外からの移動により出現させるアニメーション、回転や揺動をさせるアニメーション、一瞬光らせるなどの色変化を加えるアニメーション、サイズを一瞬だけ拡縮させるアニメーションなどである。通常保留画像506は演出レイヤー524に表示させるため、保留生起時のアニメーション表示の途中で画面変形演出が実行される場合は、そのアニメーション表示の途中の画像を含むフレーム画像を順次変形の対象としてもよいし、画面変形演出の表示中、すなわち対象オブジェクト516の変形中にその対象オブジェクト516に含まれる通常保留画像506のアニメーション表示を継続させるように表示内容を更新してもよい。このように、保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に画面変形演出が実行される場合でもアニメーション表示を中止せずに継続させることで、演出の流れに不自然さや違和感が生じるのを防ぐことができる。なお、保留生起が連続して保留生起時のアニメーション表示が連続した場合も、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する。そのため、保留生起タイミングによっては、(1)画面変形演出が実行されている最中に先の入球があった場合、画面変形演出が実行されている最中に先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を実行し、且つ、画面変形演出および先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、画面変形演出、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する、(2)先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出の実行開始タイミングに到達した場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出を実行し、且つ、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および画面変形演出の実行中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、画面変形演出、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を同時並行的に実行する、(3)先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に後の入球があった場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を実行し、且つ、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示の実行中に画面変形演出の実行開始タイミングに到達した場合、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示および後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示を中止することなく、先の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、後の入球に対応する通常保留画像506のアニメーション表示、画面変形演出を同時並行的に実行する、のいずれかとなる。なお、(1)~(3)のいずれの状況においても、その状況にて(同時並行的に実行している状況にて)更なる後の入球があり且つその入球が大当り期待度の高い保留(例えば、スーパーリーチ演出が実行される予定の保留、大当りとなる予定の保留)の生起であったとしても、その状況においてはその保留に対しては、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させる際に実行されるアニメーション表示を実行しないことが好適である。
【0260】
本実施例では、複数種類の演出モードがあり、演出モードごとに図柄変動演出や予告演出などの演出のうちいずれの種類の演出が実行され得るかが定められている。
演出モードおよび演出モードにて実行される演出内容について具体的に説明すると、例えば、複数種類の演出モードとして、「通常モード」、「チャンスモード」、「ラッシュモード」が設定されており、遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種類の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。基本的には、遊技状態が通常状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短状態であるときは「チャンスモード」が設定され、遊技状態が確変状態であるときは「ラッシュモード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄61の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカー108から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。具体的には、「通常モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又はスーパーリーチ演出がはずれることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でスーパーリーチ演出の実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「チャンスモード」のステージBGMとも、「ラッシュモード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチはずれ(リーチ状態を形成せずのはずれであり、例えば「351」などのばらけ目)の変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「チャンスモード」および「ラッシュモード」についても、同様に継続出力する構成である)。
【0261】
ここで、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、擬似連演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示(仮停止後の再度の変動)を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においてスーパーリーチ演出へ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像からスーパーリーチ演出の背景画像へと切り替わり(それとともにスーパーリーチ演出専用のBGMへと切り替わり)、スーパーリーチ演出実行中はステージBGMが出力されず、スーパーリーチ演出にてはずれを示す演出が表示されることで、スーパーリーチ演出が実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(スーパーリーチ演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、スーパーリーチ演出専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMともスーパーリーチ演出専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、スーパーリーチ演出を経由してはずれとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
【0262】
なお、「チャンスモード」および「ラッシュモード」においては擬似連演出が実行されない。ここで、擬似連演出が実行されることを示唆する特殊演出(例えば、継続セリフ予告であり、以降の擬似連演出の実行が確定する「継続するよ!」、以降の擬似連演出の実行が確定しない「継続するかも?」などの演出)が実行されることで、以降に擬似連演出(再変動表示)が行われることが示唆されるが、この特殊演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に擬似連演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした特殊演出を実行するが、「ステージC」では、キャラクタBをモチーフとした特殊演出を実行する。また、特殊演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられ、更に、特殊演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されずスーパーリーチ演出に発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられる。この擬似連確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。このように、擬似連演出が行われる場合および擬似連演出が行われない場合、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、擬似連演出の実行期待度、スーパーリーチ演出への発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)においては、特殊演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)において特殊演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動表示中において特殊演出が実行された後に当該ある再変動表示中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
【0263】
本実施例においては、いずれの演出モードが実行されているかに応じて、異なる種類の演出が実行され得ることに加え、演出モードによって、実行される変形対象演出の種類が異なり、変形対象演出が実行され得ることを示唆する示唆演出の種類や示唆演出の実行有無が異なる。また、本実施例においては、擬似連演出の「NEXT」が表示されるタイミングでは、擬似連演出の実行を遊技者に認識させるため、画面変形演出を実行しないが(変形対象演出としないが)、それには限定されず、画面変形演出を実行してもよい(変形対象演出としてもよい)。その場合、他の所定の予告演出(例えば、前述したスーパーリーチ演出中の敵キャラクタを静止させる演出や、リーチ状態となる前の予告演出の一部であるステップアップ予告演出など)よりも、画面変形演出となる可能性が低くなるよう構成することが好適である。
【0264】
まず、画面変形演出が実行される図柄変動であっても、画面変形演出が実行されない図柄変動であっても、その図柄変動中にリーチ状態を形成可能である。そのうえで、図柄変動演出の態様および図柄がリーチとなる場合のリーチ図柄態様によって画面変形演出が実行される期待度が異なる。具体的には、例えば「7」の図柄でリーチとなった場合の方が、「2」の図柄でリーチとなった場合よりも、画面変形演出が実行されやすくなるように、リーチ図柄態様と画面変形演出の実行有無(実行確率)が対応付けられている。より具体的には、「7」の図柄でリーチとなる場合、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される場合と実行されない場合の比率は5:5であり、「2」の図柄でリーチとなる場合、スーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される場合と実行されない場合の比率は2:8である。画面変形演出が実行されるほうが、「7」の図柄でリーチとなりやすいように構成してもよく、例えば、ステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行されてその後にリーチ状態となる場合、「7」の図柄でリーチとなる確率は10%であり、「2」の図柄でリーチとなる場合は15%であるが、ステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行されずその後にリーチ状態となる場合、「7」の図柄でリーチとなる確率は1%であり、「2」の図柄でリーチとなる場合は20%であるよう構成してもよい。
【0265】
画面変形演出においては、通常装飾図柄502は対象オブジェクト516として演出レイヤー524に含まれ得るが、簡易装飾図柄504は対象オブジェクト516に含まれず、遊技状況を示す画像として遊技状況レイヤー523に含まれ得る。また、画面変形演出の実行中であっても音量調整のための音量設定画像532の表示および遊技者の操作に応じた音量調整が可能である。
【0266】
画面変形演出の実行前に音量設定画像532が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、音量設定画像532は変形の対象となるフレーム画像に含まれない形、すなわち演出レイヤー524とは異なるレイヤーである音量光量表示レイヤー522にて音量設定画像532の表示が継続され、遊技者の操作により音量調整も可能である。
【0267】
通常保留画像506は画面変形演出による変形の対象となり得るが、簡易保留画像507は画面変形演出による変形の対象とならない。なお、通常保留画像506を変形の対象に含めた画面変形演出を実行中の状況においても可動役物520を動作させ得るため、動作中の可動役物520を正面視した場合に可動役物520によって簡易保留画像507の視認性が阻害されないようにする。この場合、通常保留画像506の視認性もまた可動役物520によって阻害されないように表示させる仕様としてもよいし、阻害され得る形の仕様としてもよい。または、通常保留画像506を画面変形演出による変形の対象としない仕様としてもよい。
【0268】
画面変形演出が実行される場合には特定の演出音(効果音)が出力されるように構成される。具体的には、画面変形演出の実行開始時(開始からの1秒間)は、「ピキーン!」という効果音が出力され、画面変形演出の実行中(開始から1秒後~終了までの1秒前)は「グググ」という効果音が出力され、画面変形演出の終了時(終了までの1秒間)は「ピシャーン!」という効果音が出力される。この際、画面変形演出の開始時または終了時の効果音の方が、画面変形演出の中盤の効果音よりも、音量調整における音量レベルが同一である状況下で演出音の音量が大きくなる(これは、いずれの音量レベルが設定されている場合であってもそのような関係となる)よう構成することで、画面変形演出を視覚的のみならず聴覚的にもメリハリのある内容とすることができる。なお、変形対象演出の変形度合い/変形比率について、画面変形演出の開始時または終了時においては、画面変形演出開始前と比較して、音量とは異なり、変形対象演出の変形度合い/変形比率が小さい(縮小するのであれば縮小率が小さく、4頂点変形するのでれば当初の各頂点の位置移動距離が短い)一方で、画面変形演出の中盤においては、画面変形演出開始前と比較して変形対象演出の変形度合い/変形比率が大きい(縮小するのであれば縮小率が大きく、4頂点変形するのでれば当初の各頂点の位置移動距離が長い)よう構成することが好適であり、そのように構成することで、視覚的なメリハリと聴覚的なメリハリとが逆転する意外性のある演出とすることができる。なお、音量調整における音量レベルは、例えば5段階備えており、音量調整としてレベル1~5のいずれかに設定可能であり、各種演出に対応した演出音が設定された音量レベルに応じた音量にて出力される。ここで、同じ音量レベルであっても、演出種別に応じて音量が異なる。例えば、前述したとおり、画面変形演出の実行開始時(開始からの1秒間)の「ピキーン!」という効果音や画面変形演出の終了時(終了までの1秒間)の「ピシャーン!」という効果音は、画面変形演出の実行中(開始から1秒後~終了までの1秒前)の「グググ」という効果音よりも、いずれの音量レベルが設定されている場合であっても音量が大きい(例えば、音量レベル1の場合、「ピキーン!」および「ピシャーン!」との効果音は30dBであり、「グググ」との効果音は20dBであり、音量レベル5の場合、「ピキーン!」および「ピシャーン!」との効果音は80dBであり、「グググ」との効果音は70dB)。
前述したように、通常保留画像506および変動中画像508も、画面変形演出における変形の対象として対象オブジェクト516に含まれて表示される仕様としてもよい。
あるいは、
図33の遊技状況レイヤー523に示すように、通常保留画像506および変動中画像508は、画面変形演出における変形の対象として対象オブジェクト516に含まれず、別のレイヤーである遊技状況レイヤー523に表示される仕様としてもよい。
【0269】
演出表示装置60には、所定のエラーが発生した場合はそのエラーを示すエラー警告画像536が表示される。画面変形演出の実行中にエラーが発生した場合、エラー警告画像536は変形の対象となるフレーム画像に含まれず、画面変形演出が表示される演出レイヤー524とは異なるレイヤーであるエラー表示レイヤー521に表示される。
【0270】
スーパーリーチ演出の演出過程は、前半部と後半部とがあり、画面変形演出の実行を伴う場合の方が、前半部においていわゆる裏ボタン演出である後半部への発展が確定的または高期待度であることを示唆する赤色の発光演出が発生しやすい。ここでの画面変形演出は、スーパーリーチ演出前であることが望ましく、例えば、リーチ状態となる前のステップアップ予告演出にて画面変形演出が実行される場合などが挙げられるが、それ以外にも、例えば、前半部においてスーパーリーチ演出中に敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される仕様とし、前半部に画面変形演出が実行されるほうが、前半部において裏ボタン演出の出現を示唆する赤色の発光演出が発生しやすくしてもよい。裏ボタン演出とは、画面にはボタン画像やボタン操作の指示は表示されないものの、所定タイミングで遊技者が演出ボタン109を操作すると特定の演出(ここでは発光演出)が出現するというものであり、ここでは前半部にて実行される。また、発光演出とは、演出表示装置60の周囲にある装飾ランプ111の発光色および演出表示装置60に光を模したエフェクト表示の色(画像としての色)を変化させる演出であり、発光色が青色→緑色→赤色の順で期待度が高くなる(後半部への発展期待度または大当り期待度が高くなる)。なお、裏ボタン演出は、演出ボタン109の長押しによる自動的な連打も可能である。変形例として、スーパーリーチ演出の前半部ではなく後半部で敵キャラクタを静止させる画面変形演出が実行される仕様とした場合、後半部で画面変形演出が実行される場合には、画面変形演出が実行されない場合と比べて、スーパーリーチ演出の前半部における演出ボタン109の連打演出(演出ボタン109の長押しによる自動連打が可能)にて、演出表示装置60の周囲にある装飾ランプ111の発光色および演出表示装置60に光を模したエフェクト表示の色が青色や緑色ではなく、スーパーリーチ演出の後半部への発展が確定的または高期待度であることを示唆する赤色となりやすいよう構成してもよい。
【0271】
画面変形演出が実行される場合の方が、通常色(例えば、白色)ではないボタン画像、例えば大当り期待度が相対的に高いことを示唆する赤色のボタン画像や虹色のボタン画像が表示されやすい。ここでのボタン画像については、リーチ状態となる前のボタン画像や、スーパーリーチ演出中のボタン画像でよく、このボタン画像が表示されている最中に遊技者が実際に演出ボタン109を操作することを契機として、ボタン画像以外の演出が表示される。例えば、リーチ状態となる前にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとセリフ予告演出(セリフ内容や吹き出しの色で大当り期待度が異なる演出)が表示され、スーパーリーチ演出中(後半部の終盤)にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとカットイン演出(味方キャラクタのカットイン画面が表示される演出であり、カットインに表示されるキャラクタの種類やカットインの色で大当り期待度が異なる演出)を実行する。ここで、通常色のボタン画像よりも、通常色ではないボタン画像が表示される方が、大当り期待度が高い種類の演出(セリフ予告演出であれば青色よりも赤色のセリフ予告演出、カットイン演出であれば青色よりも赤色のカットイン演出)が演出ボタン109の操作を契機に表示されやすい。それに加えて、本実施例においては、そのボタン画像が表示される前に画面変形演出が実行される場合は、画面変形演出が実行されない場合と比べて、通常色のボタン画像よりも、通常色ではないボタン画像が表示されやすくなる。なお、ボタン画像が表示されることで遊技者の操作を指示する(促す)演出を操作指示演出(ボタン演出)と称する。
【0272】
更に、本実施例においては、操作指示演出(ボタン演出)が開始されるか否かを煽る演出であるボタン出現煽り演出を有する。このボタン出現煽り演出では、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像を事前に表示することで、その後に演出ボタン109を模したボタン画像が出現すること(すなわち、操作指示演出が開始されること)を期待させる演出となる。このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化すると煽り成功演出となる。一方、このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像が画面からフェードアウトすると煽り失敗となる。なお、ボタン画像を表示する場合、このようなボタン出現煽り演出を必ず実行する必要はなく、ボタン出現煽り演出を経由せずにいきなりボタン画像を表示させてもよい。ここで、このボタン出現煽り演出については、表示態様を複数種類備えてもよく、そのように構成した場合、例えば、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、ボタン画像へと変化する可能性が高くなるよう構成してもよい。また、その他変形例として、ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにしてもよく、そのように構成した場合、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、ボタン画像を複数種類備え(青色ボタン画像と赤色ボタン画像などを備え、青色ボタン画像よりも赤色ボタン画像のほうが高期待度の予告演出が実行されやすく、例えば、青色のセリフ予告演出よりも赤色のセリフ予告演出が実行されやすい)、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにした場合、上記以外にも、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の表示態様を複数種類備えるよう構成する場合、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)よりも、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のほうが、期待度の高いボタン出現煽り演出が実行されやすくなるよう構成してもよい、もしくは、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)ではボタン出現煽り演出を実行させず、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のみボタン出現煽り演出を実行可能なよう構成してもよい。
【0273】
操作指示演出の実行中は、演出ボタン109の操作が有効となる操作有効期間(入力有効時間)が設定される。操作有効期間とは、演出ボタン109が操作された場合に、該操作を有効に受け付ける期間である。「演出ボタン109の操作を有効に受け付ける」とは、演出ボタン109が操作された場合に、サブ基板300により演出ボタン109の操作が有効に受け付けられて、その有効な操作に基づき所定の処理が行われることを意味する。なお、所定の処理とは、演出ボタン109が操作されたことを契機としてセリフ予告演出を進行する処理が該当する。この操作有効期間中は、演出ボタン109(該演出ボタン109に内蔵されたLED素子)を発光表示するとともに、画面上に演出ボタン109を模したボタン画像や操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像を表示して、該演出ボタン109の操作が有効であること又は操作入力を促すための報知が行われる。また、画面上には、ボタン画像の周囲に、火花を発する円環形のエフェクト画像(「特定画像」と呼称する)が表示される。この特定画像は、操作有効期間が経過するとともに徐々に拡大していく。そして、操作有効期間中に演出ボタン109が操作されると、セリフ予告演出へと進展する。なお、演出ボタン109が操作されると、特定画像の表示態様が最終表示態様へと強制的に変化する。特定画像の最終表示態様とは、特定画像が最大限に拡大表示されたときの表示態様である。なお、この操作指示演出(ボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示される演出(ボタン演出パターンA)であるが、本実施例のその他のボタン演出(該操作指示演出以外のボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示されない演出(ボタン演出パターンB)である。
【0274】
セリフ予告演出は、複数のキャラクタ(前述の味方キャラクタおよび敵キャラクタ)のうちのいずれかのキャラクタが登場して、所定のセリフを発する演出とした場合、このキャラクタの周囲には、特定画像が最終表示態様にて継続表示される。このセリフ予告演出では、キャラクタが発するセリフの表示態様(表示色)に応じて、大当り期待度が示唆される。本実施形態では、セリフの表示色として、「青」、「赤」、「キリン柄」の3種類が設定されており、「青」<「赤」<「キリン柄」の順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなる。なお、セリフ予告演出が開始されると(演出ボタン109が操作されると)、ボタン画像およびインジケータ画像は非表示となるが、特定画像は継続的に表示される。なお、本実施形態の変形例として、セリフ予告演出をステップアップ形式の演出として構成してもよい。このステップアップ演出は、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるものであり、本実施例においては、予め定められた順番に従って演出態様(キャラクタとセリフ)を段階的に変化させる発展型の演出であり、その発展する段階数に応じて大当り期待度の高さを示唆又は報知する。例えば、ステップアップ演出を、2段階の演出ステップ(ステップアップ1,ステップアップ2)にて構成して、1段階目の演出ステップであるステップアップ1にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)と、2段階目の演出ステップであるステップアップ2にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)とを異ならせてもよい。
【0275】
演出の流れとしては、以下のとおりである。
(A)ボタン出現煽り演出が開始されると、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像が表示される。このシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化して煽り成功となると、操作指示演出が開始される。
(B)操作指示演出が開始されると、演出ボタン109の操作有効期間が設定され、演出ボタン109が発光表示されるとともに、演出ボタン109を模したボタン画像と、該操作有効期間の残期間を視覚的に示すインジケータ画像とが画面に表示される。また、ボタン画像の周囲には、火花を発する円環状の特定画像(エフェクト画像)が表示される。そして、そのような表示によって、ボタン操作有効期間内に演出ボタン109を操作することが促される。
(C)ボタン操作有効期間の経過とともに、インジケータ画像の表示態様(残期間)が変化するとともに、ボタン画像の周囲において特定画像が拡大表示されていく。このとき、操作有効期間内に演出ボタン109が操作されると、操作指示演出からセリフ予告演出に切り替わる。このとき、ボタン画像とインジケータ画像とは非表示となる。一方、エフェクト画像は、強制的に最終表示態様に変化して、そのまま継続して表示される。
(D)セリフ予告演出が開始されると、画面上にキャラクタと「大チャンスだよ」というセリフが表示され、該セリフの表示色により大当り期待度が示唆される。キャラクタおよびセリフの周囲には、特定画像が最終表示態様で継続表示される。このように特定画像を操作指示演出とセリフ予告演出とに跨って表示することで、演出ボタン109を操作することを契機にセリフ予告演出が発生することを遊技者に示唆することができる(今回のボタン演出がセリフ予告演出であることが示唆される)。
【0276】
また、上述の実施形態の変形例として、ボタン出現煽り演出の実行可否を抽選で決定して、ボタン出現煽り演出が実行されない場合よりも、ボタン出現煽り演出が実行される場合の方が、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなるように構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の実行時間(上記シルエット画像の表示時間)が長いほど、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなる、或いは、ボタン操作を契機として大当りか否かを示す確度の高い演出が発生するように構成してもよい。そのとき、セリフ予告演出(ボタン出現煽り演出)を当落分岐のタイミング(前述した変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミング)にて実行する場合には、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)は、演出ボタン109の操作有効期間よりも長時間に設定されていることが好適である。なお、その構成とは逆に、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)を、演出ボタン109の操作有効期間よりも短時間に設定してもよい。また、その他の変形例として、ボタン画像の表示態様として、複数種の表示態様(例えば、青色ボタン画像、赤色ボタン画像、虹色ボタン画像、大型ボタン画像、小型ボタン画像など)を用意してもよい。その場合には、ボタン出現煽り演出の実行可否および実行された場合の演出時間を、その後に実行予定のボタン画像の表示態様に応じて異ならせてもよい。また、更なる変形例として、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示(ターゲット前の変動である先読み変動表示)の実行中においてもセリフ予告演出を実行可能且つ(ボタン画像を表示可能)とし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、ボタン出現煽り演出が実行される可能性を低くしてもよいし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、高期待度のボタン出現煽り演出(前述したような赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出や長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出など)が実行される可能性を低くしてもよい。その他変形例として、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させず(もしくは、高期待度のボタン出現煽り演出を実行させず低期待度のボタン出現煽り演出を実行させ)、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させる(もしくは、低期待度のボタン出現煽り演出ではなく高期待度のボタン出現煽り演出を実行させる)場合、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングと、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングとの期間が長いほど(例えば、60秒よりも90秒であるほうが)、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像が高期待度の画像となりやすく(例えば、青色ボタン画像ではなく赤色ボタン画像となりやすく)なるよう構成してもよい。また、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)においては、ボタン演出パターンAとし、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)においては、ボタン演出パターンBとするよう構成してもよい。また、詳細は後述するが、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、変動表示の開始時を起点として開始され、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、特定演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)の開始時を起点として開始され、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間よりも、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間のほうが長時間となるよう構成してもよい。
【0277】
先読みによる予告演出として画面変形演出を実行してもよい。そのように構成する場合、先読みタイミングである新たな入球タイミングにて実行中の図柄変動から画面変形演出は実行されず、その次の変動(新たな入球があった変動の次変動)から画面変形演出が実行される。具体的には、新たな入球があった変動では通常の図柄変動(画面が変形せずに通常装飾図柄502が変動)であり、その次変動の開始直後(例えば、変動開始から0.5秒後)までは同じく通常の図柄変動(画面が変形せずに通常装飾図柄502が変動)であるが、以降は先読みの対象となったターゲット変動の途中(例えば、ターゲット変動の変動開始から10秒後)までの間、画面変形演出が実行されたうえでの図柄変動が継続される。画面変形演出が実行されたうえでの図柄変動とは、例えば、画面が傾いた状態や画面が縮小された状態での通常装飾図柄502の変動表示である。前述したとおり、先読みの対象となったターゲット変動においては、途中までは画面変形演出が継続され、その後は通常の図柄変動演出に切り替わる。なお、少なくともスーパーリーチ演出に発展するまでの間に切り替わる。これら複数回の図柄変動演出にわたって継続される画面変形演出の途中であるターゲット前の変動で電源断などの電源異常が発生し、その電源断から復帰した場合であっても、原則として、ターゲット前の変動では元の画面変形演出には復帰させない。ただし、先読みの対象となったターゲット変動においては画面変形演出を再び実行させてもよい。
【0278】
画面変形演出の実行前にエラーが発生したことで変形の対象となるフレーム画像において表示すべき変形前の演出が開始されなくなった場合、その変形前の演出の開始タイミングとなっても画面変形演出は実行されない。例えば、サブ基板300の計時手段307によって演出のタイミングを計るタイマに不具合が生じたために、変形の対象となるフレーム画像において表示すべき変形前の演出が開始されなくなった場合である。変形例として、タイマの不具合等により変形前の演出が開始されなくなった場合でも、表示中の背景演出だけを変形の対象として画面変形演出を実行するようにしてもよい。
【0279】
待機デモ画面は、演出レイヤー524に表示されるが、画面変形演出による変形の対象とはならない。変形例においては、待機デモ画面を遊技状況レイヤー523に表示させてもよい。
【0280】
画面変形演出を遊技者による演出ボタン109の操作に応じて実行する仕様とする場合、画面変形演出の実行開始タイミングは演出ボタン109の操作開始タイミングに依存する。なお、ボタン画像もまた演出レイヤー524に表示されるが、画面変形演出による変形の対象とはならず、演出ボタン109の操作後、ボタン画像の消去後に画面変形演出が実行される。変形例においては、ボタン画像を遊技状況レイヤー523に表示させてもよい。また、更なる変形例においては、画面変形演出の実行中にボタン画像の表示タイミングに到達した場合、ボタン画像についても画面変形演出の対象(変形対象)としてもよく、そのボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出についても、画面変形演出の対象(変形対象)としてもよい。なお、画面変形演出の実行中にボタン画像が表示開始する場合、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像の表示終了タイミングのほうが早い場合は、ボタン画像については表示開始から終了まで画面変形演出として表示されるが、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像の表示終了タイミングのほうが遅い場合は、ボタン画像については表示開始から途中までが画面変形演出として表示され、その後の終了までは通常態様で(変形せずに)表示される。これは、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出についても同様であり、画面変形演出の実行中にボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出が表示開始する場合、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出の表示終了タイミングのほうが早い場合は、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出については表示開始から終了まで画面変形演出として表示されるが、画面変形演出の実行終了タイミングよりもボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出の表示終了タイミングのほうが遅い場合は、ボタン画像表示中の演出ボタン109の操作を契機に表示される演出については表示開始から途中までが画面変形演出として表示され、その後の終了までは通常態様で(変形せずに)表示される。
【0281】
画面変形演出の実行中は、新たな入球に対応する保留が生起した場合であって、その保留に対応する事前情報が先読み予告演出を実行可能な情報であった場合(例えば、スーパーリーチ演出を実行可能な高期待度の保留である場合、大当りとなる保留である場合など)であっても、先読み予告演出の実行が制限される。例えば、画面変形演出を実行している間は、新たな入球を契機とする先読み予告演出を実行しないように制御してもよいし、先読み自体を実行しないように制御してもよい。
【0282】
画面変形演出が実行される場合、簡易装飾図柄504は画面変形演出において変形の対象でない遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示される。したがって、画面変形演出の開始前までは演出画面500内の位置、すなわち枠内画像514に重なる位置に表示されていた簡易装飾図柄504が、画面変形演出において枠内画像514が縮小された場合には簡易装飾図柄504は枠内画像514の外側、例えば特殊第1画像である枠画像510や第2画像である背景画像518に重なる位置に表示され得る(画面変形演出実行中の所定タイミング(例えば、中盤)にてそのような表示関係となる)。一方、通常装飾図柄502は画面変形演出において遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像には含められず、演出レイヤー524において変形の対象とされるフレーム画像に含められ得る。したがって、通常装飾図柄502は、画面変形演出において、例えば特殊第1画像である枠内画像514に重なる位置には表示され得るが、第2画像である背景画像518に重なる位置には表示されない。このような表示関係は、画面変形演出実行中であれば必ず充足することが好適であるが、変形例としては、少なくとも画面変形演出実行中の所定タイミング(例えば、中盤)にてそのような表示関係となる仕様であってもよい(所定タイミング以外であれば、背景画像518と重なる位置に表示されてもよい)。また、その他変形例として、通常装飾図柄502もまた遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示する仕様としてもよい。
【0283】
画面変形演出が実行される場合、簡易保留画像507は画面変形演出において変形の対象でない遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示される。一方、通常保留画像506は画面変形演出において遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像には含められず、演出レイヤー524において変形の対象とされるフレーム画像に含められ得る。変形例として、通常保留画像506もまた遊技状況レイヤー523の遊技状況を示す画像に含められる形で表示する仕様としてもよい。
【0284】
前述したように、通常装飾図柄502において、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示(変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作)を行うよう構成した場合、更なる所定の動作として、例えば「777」のように図柄を3つ揃えて大当り図柄の組合せを成立させる際に、図柄を拡大表示させるような大当り動作を実行可能に構成しても良い。そのように構成した場合、大当り動作実行時においては、画面変形演出は実行されないが、それ以外の所定の動作の実行時においては、画面変形演出を実行可能とすることが好適であり、また、画面変形演出実行中においては、大当り動作は実行されることはないが、それ以外の所定の動作は実行可能とすることが好適である。
【0285】
画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、通常保留画像506も画面変形演出による変形の対象に含める仕様としてもよいし、通常保留画像506を画面変形演出による変形の対象に含めない仕様としてもよい。これは、スーパーリーチ演出に発展する変動においては、スーパーリーチ演出に発展するまでの変動期間中における仕様とすることが好適である。スーパーリーチ演出の表示中は通常保留画像506を非表示とするため、スーパーリーチ演出に画面変形演出を実行する場合はいずれにしても画面変形演出による変形の対象には含まれない。なお、画面変形演出におけるフレーム画像を変形させる処理の継続時間(つまりは画面変形演出の実行期間)は、変形対象がどのような演出であっても、保留生起時のアニメーション表示の時間より長くなるように設定される。
【0286】
演出表示装置60には、通常の演出中において保留が記憶される場合には、その保留数を示す通常保留画像506が表示される。通常保留画像506のうち図柄変動表示が開始された抽選値に対応する通常保留画像506は図柄変動中であることを示す変動中画像508に切り替えられる。ここで、画面変形演出の実行中においては、通常保留画像506を非表示とする一方で変動中画像508は表示が継続される。画面変形演出の一つである枠内静止演出は、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させてその静止画であるフレーム画像を変形させる演出であり、そのフレーム画像の中では動きのある画像を含めないようにするのが演出上好ましいため、通常保留画像506を非表示とする。一方、変動中画像508は図柄変動中に増減することはないため、画面変形演出の実行中もそのまま表示を継続させる。変形例においては、画面変形演出の実行中は変動中画像508も非表示とする仕様としてもよい。
【0287】
画面変形演出が実行される間、簡易保留画像507は表示を継続する。その結果、画面変形演出の実行中に新たな保留の生起があっても通常保留画像506の追加表示はされないが、簡易保留画像507で示される保留個数の数字は画面変形演出を阻害することなく増やされる。
【0288】
画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常保留画像506を含めてもよい。保留生起時のアニメーション表示を実行中であった場合はそのアニメーション表示も静止状態でフレーム画像に含められる。変動中画像508の表示もフレーム画像に含めてよく、そのアニメーション表示も静止状態でフレーム画像に含まれる。なお、画面変形演出が実行される間、簡易保留画像507は表示を継続する。その結果、画面変形演出の実行中に新たな保留の生起があっても通常保留画像506の追加表示はされないが、簡易保留画像507で示される保留個数の数字は画面変形演出を阻害することなく増やされる。
【0289】
画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常装飾図柄502は含めずに非表示としてよい。一方、簡易装飾図柄504は変動表示を継続する。なお、簡易装飾図柄504の変動1周分(前述したように、例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示するのであれば、最初の「123」から次の「123」が表示されるまでが1周となる)の時間よりも画面変形演出における演出の静止時間の方が長時間である。このように、画面変形演出中に簡易装飾図柄504が少なくとも1周することが認識できれば、現在の遊技状況が一時停止であるのか本当に停止している(遊技進行していない)のかを見分けることができる。
【0290】
また、構成32とは異なり、画面変形演出の一つである枠内静止演出を実行する場合、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像に通常装飾図柄502は含めてもよいが、その場合、通常装飾図柄502は固定表示である。すなわち、通常装飾図柄502は変動表示やアニメーション表示はしない。一方、簡易装飾図柄504は変動表示を継続する。なお、簡易装飾図柄504の変動1周分(前述したように、例えば、簡易装飾図柄504の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示するのであれば、最初の「123」から次の「123」が表示されるまでが1周となる)の時間よりも画面変形演出における演出の静止時間の方が長時間である。このように、画面変形演出中に簡易装飾図柄504が少なくとも1周することが認識できれば、現在の遊技状況が一時停止であるのか本当に停止している(遊技進行していない)のかを見分けることができる。
【0291】
画面変形演出の一つである枠内静止演出において、それまで表示されていた演出を一時停止表示のように静止させた静止画を色反転させた画像を枠内画像514として対象オブジェクト516に含めてよく、その静止と色反転を同時に処理してもよいし、同時に変形処理してもよい。ただし、画面変形演出の一つである枠内静止演出の実行中にさらにその演出を一時停止表示のように静止させた静止画であるフレーム画像を変形の対象にする枠内静止演出を実行することもできるが、演出の静止中は変形処理は実行開始されない。
画面変形演出の実行中であっても、音量設定画像532を表示でき、音量調整も可能である。
画面変形演出の発生前に音量設定画像532を表示している状況下で画面変形演出が実行される場合、音量設定画像532の表示がそのまま継続され、並行して遊技者による操作を介した音量調整も可能である。
【0292】
画面変形演出の実行前にエラーが発生したことでエラー警告画像536が表示されている状況下で画面変形演出が実行される場合、エラー警告画像536の表示がそのまま継続される。なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能であり、
図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。ただし、音量設定画像532は画面変形演出において変形の対象に含まれない。より具体的には、画面変形演出の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、画面変形演出の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。また、画面変形演出の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に画面変形演出が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ画面変形演出の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、画面変形演出実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と画面変形演出実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、画面変形されていない表示態様にて表示される。
【0293】
保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に画面変形演出の一つである枠内静止演出(それまで表示されていた演出を一時停止表示のような演出)が実行された場合に、通常保留画像506の表示を維持する場合、通常保留画像506のアニメーション表示を中止してもよい(つまり、通常保留画像506の表示は継続するが、アニメーションなしの状態で表示される)。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時のアニメーション表示であり、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させるような表示は除かれる。
【0294】
画面変形演出において、それまで表示されていた映像のフレーム画像(枠内静止演出であれば一時停止表示のように静止させた一つのフレーム画像であり、枠内動画演出であれば順次切り替えられる複数のフレーム画像である)を色反転の対象(変形対象)とする場合、色反転中であっても音量設定画像532を表示可能であり、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能である。なお、以降の「色反転」もまた、枠内静止演出において一時停止表示のように静止させたフレーム画像と、枠内動画演出において順次切り替えられる複数のフレーム画像の双方を色反転処理の対象とする。
色反転の実行前に音量設定画像532が表示されている状況下で、その後に色反転が実行されても音量設定画像532の表示はそのまま継続され、並行して遊技者による操作を介した音量調整も可能である。
色反転の実行前にエラーが発生してエラー警告画像536が表示されている状況下で、その後に色反転が実行されてもエラー警告画像536の表示はそのまま継続される。なお、エラー警告音は規定音量である最大音量で出力されていたとしても、並行して遊技者による操作を介した音量調整は可能であり、
図33の音量光量表示レイヤー522に音量設定画像532を表示可能である。ただし、音量設定画像532は色反転の対象とはされない。より具体的には、色反転の実行中に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、色反転の実行中且つ音量設定画像532の表示中に更に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、色反転実行中且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と色反転実行中且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、色反転されていない表示態様にて表示される。また、色反転の実行直前に遊技者操作により音量設定画像532が表示され、その直後(音量設定画像532の表示中)に色反転が実行され、その音量設定画像532の表示中且つ色反転の実行中に遊技者操作が行われることで、音量調整且つ音量設定画像532の表示変化がなされる場合、色反転実行前且つ表示変化前の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは1です」の表示)と色反転実行後且つ表示変化後の音量設定画像532(例えば、「音量レベルは2です」の表示)のいずれにおいても、色反転されていない表示態様にて表示される。
保留生起時の通常保留画像506のアニメーション表示中に色反転が実行された場合に、通常保留画像506の表示を維持する場合、通常保留画像506のアニメーション表示を中止してもよい(つまり、通常保留画像506の表示は継続するが、アニメーションなしの状態で表示される)。ここでいう通常保留画像506のアニメーション表示は、通常の保留生起時のアニメーション表示であり、先読み予告演出として通常保留画像506の色や模様を変化させるような表示は除かれる。
【0295】
図35は、フレームバッファを分割した複数のバッファ領域を模式的に示す。
演出表示制御手段305は、演出表示装置60に表示させる動画像を構成するフレーム画像を一時的に格納するフレームバッファ338を含む。フレームバッファ338は、それぞれフレーム画像を格納し得る容量の複数のバッファ領域として、第1バッファ領域540、第2バッファ領域542、第3バッファ領域544、第4バッファ領域546、第5バッファ領域548の5つのバッファ領域を含むように分割される。
画面変形演出を実行する演出パターンでは、例えば第1バッファ領域540、第2バッファ領域542、第3バッファ領域544の3つのバッファ領域を使用する。
【0296】
図36は、フレーム画像の表示サイズとフレームバッファ領域の容量の関係を模式的に示す。
本実施例のフレームバッファ338は、演出表示装置60の画面領域サイズを超える第1の表示サイズのフレーム画像を格納し得る容量の第1バッファ領域540と、第1バッファ領域540とは異なる領域であって、演出表示装置60の画面領域サイズと同じまたは演出表示装置60の画面領域サイズ以下である第2の表示サイズのフレーム画像を格納し得る容量の第2バッファ領域542と、を少なくとも含む。
図36で模式的に表した通り、第1バッファ領域540は対象オブジェクト516の画像(すなわち、上記の「第1の表示サイズのフレーム画像」)を格納し得る容量を有する。第2バッファ領域542は枠内画像514(すなわち、上記の「第2の表示サイズのフレーム画像」)を格納し得る容量を有するが、対象オブジェクト516の全体までは格納できない容量である。対象オブジェクト516の画像は、そのまま100%の大きさで表示制御するときは、表示サイズが演出表示装置60の画面領域サイズを超え、主に枠画像510の部分が画面領域から外れるため、実際にはほとんど枠内画像514の部分だけが遊技者から視認できるように演出表示装置60に表示される。すなわち、対象オブジェクト516を100%の大きさで表示制御するときは、枠画像510の大部分は演出表示装置60にほぼ表示されないか、一部表示されてもセンター飾り64に隠れて遊技者からはほとんど視認困難となる。少なくとも画面変形演出の対象となり得る演出を表示する場合は、フレームバッファとして第1バッファ領域540を使用し、画面変形演出の対象とならない演出を表示する場合にフレームバッファとして第2バッファ領域542を使用する。複数種類の演出パターンには、画面変形演出の対象となり得る演出が定められた第1の特殊演出パターンと、画面変形演出の対象とならない演出が定められた第2の特殊演出パターンと、が含まれる。
【0297】
図35に示したように、第3バッファ領域544、第4バッファ領域546、第5バッファ領域548もまた第2バッファ領域542と同等の容量を持ち、枠内画像514を格納し得る容量を有するが、対象オブジェクト516の全体までは格納できない容量である。このように、枠画像510も含めた対象オブジェクト516を格納し得るバッファ領域は第1バッファ領域540のみとし、他のバッファ領域は対象オブジェクト516までは格納できないが枠内画像514は格納できる程度に抑えている。これにより、必ずしも潤沢なデータ容量を持たないフレームバッファ338であっても、バッファ領域ごとの容量を必要最少限度に抑えることで5個分のバッファ領域を確保できる。また、これにより、描画処理におけるバッファ領域の使用の競合を避けて処理負担を抑制しながら効率よく演出の多様化を図ることができる。
【0298】
第1の特殊演出パターンは、第1バッファ領域540をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける第1バッファ領域540に格納された第1の表示サイズのフレーム画像を演出表示装置60の画面領域内に表示できるように変形させた画像と遊技状況を示す画像と背景画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第1バッファ領域540に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる第1の特殊演出が定められた演出パターンである。第2の特殊演出パターンは、第2バッファ領域542をフレームバッファとして使用し、所定のタイミングにおける第2バッファ領域542に格納された第2の表示サイズのフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像と背景画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第2バッファ領域542に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる演出であって第1の特殊演出とは異なる第2の特殊演出が定められた演出パターンである。
複数種類の特殊演出パターンには、それぞれ複数のバッファ領域のうちいずれのバッファ領域をフレームバッファとして使用するかが定められる。
【0299】
例えば、第1の特殊演出パターンでは第1バッファ領域540を使用し、第2の特殊演出パターンでは第2バッファ領域542を使用し、第3の特殊演出パターンでは第3バッファ領域544、第4バッファ領域546を使用する、というように定められる。このように、画面変形演出による変形の対象とするフレーム画像の大きさに合わせて異なるバッファ領域を使用する複数種類の特殊演出パターンを定義でき、描画処理の効率性とフレームバッファ338の利用効率を保ちながら演出に多様性を持たせることができる。
第4の特殊演出パターンでは第1の特殊演出パターンと同様に第1バッファ領域540を使用することが定められ、第5の特殊演出パターンでは第2の特殊演出パターンと同様に第2バッファ領域542を使用することが定められるなど、使用するバッファ領域が重複する複数種類の特殊演出パターンがあってもよい。
第1の特殊演出パターンと第2の特殊演出パターンは同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。また、第4の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンもまた同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。第3の特殊演出パターンは、第1の特殊演出パターン、第2の特殊演出パターン、第4の特殊演出パターン、第5の特殊演出パターンとは同時並行的には実行されない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)。
【0300】
同時に表示されることが予定されている(設計上、同一変動内で実行可能であり、且つ、同一変動内で実行タイミングが重複し得る)複数の特殊演出パターンについては、それぞれ異なるバッファ領域を使用することが定められる。ただし、同時表示が予定されていない(設計上、同一変動内で実行されない、または、同一変動内で実行されても実行タイミングが重複し得ない)複数の特殊演出パターンについて、一方の特殊演出パターンによる演出の表示中に他方の特殊演出パターンによる演出の表示が決定された場合は、先に表示されていた一方の特殊演出パターンによる演出より、後から決定された他方の特殊演出パターンによる演出を優先して表示させる。例えば、同じ第1バッファ領域540を使用する第1の特殊演出パターンと第4の特殊演出パターンとが同時並行的に実行されてしまう場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。同様に、同じ第2バッファ領域542を使用する第2の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンとが同時並行的に実行されてしまう場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。
【0301】
ここで、「先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し」は、それまで実行していた画面変形演出の実行をキャンセルして画面変形演出を実行開始する前の動画像の再生に戻す処理であってもよい。これにより、画面変形演出による変形の対象とする特殊演出パターンの数を増やしたとしても、使用するバッファ領域が競合した場合の処理上の不具合を未然に回避することができる。また、画面変形演出が重複した場合であっても、画面変形演出の中止と優先する演出を切り替えることで、正常な画像処理を維持して画像処理の負担を軽減することができる。なお、変形例として、設計上、同じバッファ領域を使用する複数種類の特殊演出パターンが同時並行的に実行されるよう構成してもよく(つまり、あらかじめ同時並行的に実行することがあるように設計されていてもよく)、そのように構成する場合、例えば、同じ第1バッファ領域540を使用する第1の特殊演出パターンと第4の特殊演出パターンとが同時並行的に実行される場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。同様に、同じ第2バッファ領域542を使用する第2の特殊演出パターンと第5の特殊演出パターンとが同時並行的に実行される場合には、先に実行されていた特殊演出パターンの演出を実行中止し、後から命令された特殊演出パターンの演出を優先して実行開始する。
【0302】
図37は、バッファ領域に格納されたフレーム画像を変形させる過程を模式的に示す。まず、画面変形演出が実行開始される所定タイミングで、フレームバッファ338の第1バッファ領域540に格納されたフレーム画像を描画メモリ334に読み出す(S900)。このフレーム画像は、枠内画像514と枠画像510を含む対象オブジェクト516であり、それまで表示されていた動画像の一コマである。このフレーム画像を描画メモリ334に読み出して変形させるが、それまで表示していた動画像の続きのフレーム画像は本来表示される予定であったフレーム画像であるが、以降はそのフレーム画像に代えて、これから変形処理と合成処理によって生成される新たなフレーム画像が表示されることになる。したがって、このフレーム画像の内容に含まれる敵キャラクタは、枠内静止演出においては、それまで動いている様子が表示されていたのが、このフレーム画像で静止するため、動画像のキャプチャ画像のようになる。枠内動画演出の場合は、描画メモリ334に読み出すフレーム画像を順次切り替えることにより、それらのフレーム画像の内容に含まれる敵キャラクタについて引き続き動いている様子が表示される。
【0303】
対象オブジェクト516が第1バッファ領域540に格納されて演出表示装置60に表示された時点では、枠画像510は演出表示装置60の画面領域の外側に位置し、遊技者からは実質的に視認されない状態、または、視認できる箇所がわずかな状態である。この対象オブジェクト516を縮小して(S902)、枠画像510が演出表示装置60の画面領域に収まるようにすることで対象オブジェクト516の全体を視認可能な状態とする。なお、本図では便宜上、S10での対象オブジェクト516の大きさを100%としてS12では対象オブジェクト516が約80%に縮小された状態を描いている。しかし、実際の動画像の描画処理では、100%から80%に瞬時に切り替える処理ではなく、微視的には新たなフレーム画像を生成するごとに例えば1%ずつ縮小させた描画を繰り返すような漸減縮小処理となる。このように縮小させた対象オブジェクト516に前景画像517と背景画像518が重ねられる(S904)。本図では前景画像517の例として稲妻の形をしたオブジェクトを対象オブジェクト516の前景として重ねる例を描いたが、その他、簡易装飾図柄504や簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像もフレーム画像ごとに内容を更新しながら前景として重ねる。S14で重ねられた画像が合成されて次のフレーム画像519を構成し(S906)、第1バッファ領域540に書き込まれることにより、動画像を構成する次のフレーム画像となる。
【0304】
S14の対象オブジェクト516は、以降も順次後続のフレーム画像を描画するときに少しずつ変形が加えられる。例えば、S14の対象オブジェクト516を色反転し、その画像に前景画像517をもう1つ重ね(S908)、内容が更新された簡易装飾図柄504および簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像と背景画像518が重ねられ、これらの重ねられた画像が合成されて新たなフレーム画像519を構成し(S910)、第1バッファ領域540に書き込まれることにより、動画像を構成する次のフレーム画像となる。以降、後続のフレーム画像ごとに対象オブジェクト516を順次変形させて前景画像517や背景画像518を重ね、更新した簡易装飾図柄504および簡易保留画像507などの遊技状況を示す画像を重ね(S912)、これにより新たなフレーム画像を合成して動画像を構成する。
【0305】
第1の特殊演出パターンおよび第4の特殊演出パターンによる演出は、演出表示装置60の画面領域サイズと同等の表示サイズの主要画像部分とその主要画像部分の外周を囲むように形成される枠画像510とで一つの演出用画像を構成し、初期的には演出表示装置60の画面領域の外側に位置する枠画像510の少なくとも一部を演出表示装置60の画面領域内に表示できるように演出用画像の表示比率および形状を変化させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成することにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。このように、画面変形演出の実行時に、通常は視認困難な部分である枠画像510をあえて見せながら拡縮させたり揺動させたりといった変形を加えることにより、一層躍動感のある演出とすることができる。枠画像510に通常保留画像506を表示させる仕様とする場合は、画面変形演出により通常保留画像506も含んだ画像を変形してもよい。
【0306】
第2の特殊演出パターン、第3の特殊演出パターン、および、第5の特殊演出パターンによる演出は、演出表示装置60の画面領域サイズと同等の表示サイズの主要画像部分で一つの演出用画像を構成し、演出用画像の表示比率および形状を変化させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成することにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。
第2の特殊演出パターン、第3の特殊演出パターン、および、第5の特殊演出パターンによる演出では、枠画像510が表示されない。なお、枠画像510は、待機デモ画面や大当り中などの特定状況においても表示制御されていない。
【0307】
図38は、第3の特殊演出パターンの画面例を示す。第3の特殊演出パターンは、演出ボタン109の操作入力によって変形タイミングが決められる画面変形演出を伴う演出である。第3の特殊演出パターンでは、所定のタイミングでボタン画像550を表示し、遊技者に演出ボタン109の操作入力を促す。遊技者が演出ボタン109を操作したことを契機に、画面変形演出によるフレーム画像の変形を実行する。ボタン画像550は複数回にわたって表示され、ボタン画像550にしたがった演出ボタン109の操作があるたびに画面変形演出によるフレーム画像の変形が実行される。
【0308】
第3の特殊演出パターンでは、演出ボタン109の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおけるフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第1バッファ領域540に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。さらに演出ボタン109の操作入力がなされた場合に、その操作入力タイミングにおける第1バッファ領域540に格納されたフレーム画像を変形させた画像と遊技状況を示す画像とを合成させた新たなフレーム画像を順次生成して第2バッファ領域542に格納させることにより演出表示装置60へ動画像を表示させる。
【0309】
図39は、第3の特殊演出パターンにおいてバッファ領域を使用する過程を模式的に示す。第3の特殊演出パターンでは、遊技者による演出ボタン109の操作のたびに第3バッファ領域544と第4バッファ領域546へ交互にフレーム画像が格納される。すなわち、第3バッファ領域544には現在表示中の動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を表示する(S920)。遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第3バッファ領域544からフレーム画像を読み出し(S922)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S924)、次のフレーム画像として第4バッファ領域546に格納する(S926)。第4バッファ領域546には動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を再び表示する。
【0310】
遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第4バッファ領域546からフレーム画像を読み出し(S928)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S930)、次のフレーム画像として第3バッファ領域544に格納する(S932)。第3バッファ領域544には動画像のフレーム画像を順次格納し、所定タイミングでボタン画像550を再び表示する。遊技者によりボタン画像550が操作されたときに第3バッファ領域544からフレーム画像を読み出し(S934)、画面変形演出による変形を加えた画像を生成し(S936)、次のフレーム画像として第4バッファ領域546に格納する(S938)。第4バッファ領域546には動画像のフレーム画像を順次格納する。
【0311】
このように、第3バッファ領域544と第4バッファ領域546に交互に使用しながら少しずつ動かしたフレーム画像の格納を繰り返す。これにより、画面変形演出の実行時に、その躍動感はそのままに遊技者が視認しなければいけない演出、例えば演出ボタン109および遊技状況を示す画像については、その演出の進行や表示がしっかりと確認できるようにすることで、演出の躍動感と演出進行の視認とを両立することができる。また、画面変形演出を繰り返すような処理負荷の高い演出を実行するにあたり、バッファ領域を複数に分けて交互に処理することで、処理負荷を分散し、不具合を回避することができる。
【0312】
第3の特殊演出パターンによる演出では、ボタン画像550は画面変形演出による変形の対象に含まれない。
第6の特殊演出パターンをさらに含んでもよい。第6の特殊演出パターンによる演出は、画面変形演出による変形の対象ではないが、画面変形演出を実行したかのような演出態様を含む。ただし、画面変形演出ではないため、第1表示要素と第2表示要素の両方を演出的に動作させるが、画面変形演出のような第1表示要素と第2表示要素とを完全同期させた演出的動作ではなく、第1表示要素と第2表示要素とを同期させない演出的動作である(例えば、第1表示要素は背景表示、第2表示要素は通常装飾図柄502やその演出固有の表示物などである)。
【0313】
また、本実施例における特別遊技の実行中には、特別遊技における大入賞口への入球検知に基づき、演出表示装置60の画面に賞球数の合計をカウントアップするカウントアップ演出(例えば、現在獲得済みの賞球数が「2000」で、15賞球があった場合、2000→2001→2002→・・・2015のように1ずつカウントアップする演出)を実行可能であるとともに、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が特定数に到達することを契機として、特定数に到達したことを強調する強調表示を実行可能(例えば、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が2500に到達すると、カウントアップ演出における表示とは別に「2500」との表示を、カウントアップ表示されている表示上の賞球数よりも大きく表示する演出)である。これら演出および表示については、以下に記載する仕様を採用してもよい。なお、1の単位遊技において大入賞口20が開放した場合、遊技球が9球入球することで閉鎖される(なお、1球の入球に対する賞球は「15」とする)。このように、単位遊技の終了条件(大入賞口20の閉鎖条件)である遊技球数を規定カウント数と称する。
【0314】
(1)規定カウント数以内の遊技球の入球に対応したカウントアップ演出(特に、規定カウント数目である9カウント目に対応したカウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞(規定カウント数を超過した入球)が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(各単位遊技の終了が設定されてから次の単位遊技又は終了デモの設定が開始されるまでの休止時間)の終了間際で検知された場合は、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出の実行中に大入賞口20に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口20の入球に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが好適である。
【0315】
(2)賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定する、つまり、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口20に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。但し、特別遊技の実行中であっても、開始デモの実行中および終了デモの実行中には、カウントアップ演出は実行しないよう構成されている。また、カウントアップ演出の実行時間は、各単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各単位遊技の間又は最終回の単位遊技と終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口20の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間である単位遊技待ち時間又は終了デモ待ち時間であり、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。また、カウントアップ演出時間(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或る単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、該単位遊技の終了後のインターバル時間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回の単位遊技又は終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各単位遊技の間の区切り又は最終回の単位遊技と終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
【0316】
(3)カウントアップ演出時間は、終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間は、「0.45秒」に設定されている。そして、終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、終了デモの実行時間には、最終回の単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該単位遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該単位遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。カウントアップ演出時間(0.45秒)が、終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回の単位遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
【0317】
(4)1回の単位遊技において大入賞口20へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回の単位遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(1回の単位遊技にて獲得可能な賞球数分のカウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口20に連続して入球することに基づき複数回のカウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
【0318】
<入球容易状態の種類>
第2始動口12への入球容易性に関する状態として、通常の入球容易性の状態(非入球容易状態)である低ベース状態(「通常遊技状態」ともいう)と、低ベース状態よりも入球容易性を高めた状態である高ベース状態と、を有する。高ベース状態は、「特定遊技状態」および「入球容易状態」の一態様である。
【0319】
特定遊技制御手段270は、遊技状態を低ベース状態、高ベース状態のいずれかに設定可能である。
(1)低ベース状態
非入球容易状態(非時短状態)である低ベース状態では、普通図柄抽選(「開放抽選」ともいう)で当選し、普通図柄が当り態様で停止表示すると、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。変形例として、低ベース状態では普通図柄抽選がすべて外れとなって普通電動役物90が開放されない仕様としてもよい。
(2)高ベース状態
高ベース状態では、普通図柄抽選で当選し、普通図柄が当り態様で停止表示すると、普通電動役物90の開放として5秒間の長開放が実行される。
【0320】
<演出設定変更(先読み演出の実行頻度に関するカスタム機能)>
所定の先読み演出の実行頻度を変更する演出設定変更を、遊技者による演出ボタン109または十字キー110の操作入力に応じて実行可能である。この演出設定変更は、遊技者の好みで様々な演出の設定を自由に変更できる、いわゆるカスタム機能である。
例えば、遊技者が先読み演出の実行頻度を相対的に低くする設定に変更した場合、事前判定結果が大当りまたは小当りでない場合における先読み演出の出現率は低下する。この場合、事前判定結果が大当りまたは小当りであった場合における先読み演出の出現率は必ずしも低下させられないため、限られた先読み演出実行機会のうち大当りまたは小当りに該当する割合は結果的に高くなり、先読み演出の特別遊技期待度が高まる。このような先読み演出の頻度を低くすることで期待度を高める設定の演出モードを、以下「先読みチャンスモード」と呼ぶ。
【0321】
図40は、カスタム機能の案内画面例を示す。
図40(a)が第1カスタム案内の画面例であり、
図40(b)が第2カスタム案内の画面例であり、
図40(c)が待機デモの画面例である。図柄変動の停止から、非遊技中状態にて5秒経過した場合に、第1カスタム案内が表示される。第1カスタム案内において、演出ボタン109を押下すれば演出設定変更が可能となる旨が表示されるが、音量・光量の調節方法については表示されない。なお、第1カスタム案内の表示は半透明となっており、第1カスタム案内の表示と装飾図柄とが重なって表示されていても装飾図柄を視認できる。また、第1カスタム案内の表示中に演出ボタン109を押下することにより、実機カスタム機能(演出設定変更)の実行が可能となる。
【0322】
第1カスタム案内の表示後、さらに非遊技中状態にて70秒、すなわち非遊技期間となってから75秒が経過した場合に第2カスタム案内が表示される。第2カスタム案内では、第1カスタム案内の表示態様に加えて、表示領域の下部に、すなわち第1カスタム案内の下方に、音量調節の案内画像と光量調節の案内画像が表示される。第2カスタム案内は、第1カスタム案内と同様に半透明である。
【0323】
第2カスタム案内の表示後、さらに非遊技中状態にて165秒、すなわち非遊技期間となってから240秒が経過した場合、待機デモ画面が表示される。待機デモ画面では、第1カスタム案内及び第2カスタム案内の表示は消去され、ストーリー表示等が表示されるように構成されている。なお、待機デモ画面は、半透明とはなっておらず、待機デモ画面の表示と装飾図柄とが重なって表示された場合には、装飾図柄が視認不可能又は視認困難(装飾図柄の表示の方が待機デモ画面の表示よりも表示領域が小さい、装飾図柄の表示の方が待機デモ画面の表示よりも後面レイヤーに表示される、等)となるよう構成されている。なお、音量調節禁止フラグがオンである場合には、第2カスタム案内にてオン調節に係る表示はされないよう構成されている。
【0324】
図41は、先読みチャンスモードの変更画面例を示す。
図41(a)は演出設定変更で設定を変更する対象を選択する画面例である。遊技者が十字キー110の上下ボタンを押下することで、設定を変更する対象を切り替えることができる。図の例では、設定変更の対象として「先読みチャンスモード」を表示している状態を示す。この状態で遊技者が演出ボタン109を押下すると、「先読みチャンスモード」の選択が確定する。
【0325】
図41(b)は「先読みチャンスモード」のオンオフを設定する画面例である。遊技者が十字キー110の左右ボタンを押下することで、「先読みチャンスモード」のオンオフを切り替えることができる。この状態で遊技者が演出ボタン109を押下すると、「先読みチャンスモード」のオンオフの設定が確定する。なお、変動停止中(遊技待機中)のみならず、変動中であっても先読みチャンスモードの変更画面を表示可能であり、遊技者が十字キー110の上下ボタンを押下することで、設定を変更する対象を切り替えることができ、十字キー110の左右ボタンを押下することで「先読みチャンスモード」のオンオフを切り替えることができる。なお、変動中であれば、演出ボタン109の押下を必要とせず、十字キー110の左右ボタンを押下して「先読みチャンスモード」のオンオフを切り替えた時点でオンオフの設定が確定するよう構成してもよい。なお、音量及び光量の調節を行うための十字キーとは異なる演出カスタム専用の十字キーを備えてよく、そのように構成した場合は音量及び光量の調節をしながら「先読みチャンスモード」のオンオフを切り替え可能となる。
【0326】
なお、先読み演出の実行頻度を低くする設定にしても演出ステージや背景映像が変更されるわけではない。先読み演出の実行頻度を高くする設定との外観上の違いは、例えば画面端にカスタム名が表示されるかどうか程度の違いである。演出設定変更は、遊技待機中だけでなく、図柄変動中(ただし、スーパーリーチ等のリーチ演出中を除く)にも実行可能である。
【0327】
ここで、保留変化演出のような先読み演出の実行中は、先読み演出を実行中であることを示す先読み演出中フラグをオンにする。保留変化演出は、新たな入球の事前判定結果が高期待度演出に該当したことをその保留ランプ画像の変化で示唆する演出である。オンされた先読み演出中フラグは、保留変化演出の対象となった保留に対応する図柄変動の終了までオンのまま維持される。
【0328】
先読み演出中フラグがオンになっている間は、第1始動口11または第2始動口12への新たな入球があった場合でも、その新たな入球に係る事前情報に基づく通常の先読み演出の実行が制限される。例えば、先読み演出中フラグがオンになっている間は第1始動口11または第2始動口12への新たな入球に係る事前情報を読み出さないように制御してもよいし、事前情報は読み出すがその事前情報に基づく高期待演出の実行可否の判定をしない制御をしてもよいし、新たな入球に係る高期待演出の実行可否の判定は実行するもののその判定結果に基づく新たな先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。先読み演出が同時に複数実行されてしまうと、先に表示される先読み演出の信頼性が損なわれる場合があり、または、後から実行された先読み演出の方が期待度が高くなってしまう場合があるためである。この場合、先に実行された先読み演出を無視して後から実行される先読み演出の方を期待し、遊技者があえて遊技を中断してしまうような事態も想定されるからである。
【0329】
<入球時特殊先読み演出>
入球時特殊先読み演出は、第1始動口11または第2始動口12への新たな入球時にその入球に係る事前情報が所定結果(大当りまたは小当り)に対応する情報である場合に特別遊技実行期待度が高いことを入球の直後に示唆する先読み演出である。入球時特殊先読み演出は、第1始動口11または第2始動口12への新たな入球時に激しい告知音を出力するとともに、装飾ランプ111を激しく発光させる入賞時閃光演出(「入賞時フラッシュ」ともいう)が実行される。入球時特殊先読み演出は、図柄変動演出の開始を基準とした所定タイミングで実行される通常の先読み演出と異なり、第1始動口11または第2始動口12へ新たに入球したタイミングで実行されるため、実行中の図柄変動演出とは無関係なタイミングで不意を突くような形で実現される。
【0330】
実施例では、入球時特殊先読み演出を実行し得る特殊先読み演出モードのオンオフ、すなわち入球時特殊先読み演出の実行有無を、演出設定変更により遊技者の好みで設定できる。遊技者は、演出ボタン109または十字キー110の操作入力により特殊先読み演出モードをオンオフする演出設定変更を実行可能である。このような入球時特殊先読み演出を実行可能とする設定の演出モードを、以下「入球先読みモード」と呼ぶ。
【0331】
図42は、入球先読みモードの変更画面例を示す。
図42(a)は演出設定変更で設定を変更する対象を選択する画面例である。遊技者が十字キー110の上下ボタンを押下することで、設定を変更する対象を切り替えることができる。図の例では、設定変更の対象として「入球先読みモード」を表示している状態を示す。この状態で遊技者が演出ボタン109を押下すると、「入球先読みモード」の選択が確定する。
【0332】
図42(b)は「入球先読みモード」のオンオフを設定する画面例である。遊技者が十字キー110の左右ボタンを押下することで、「入球先読みモード」のオンオフを切り替えることができる。この状態で遊技者が演出ボタン109を押下すると、「入球先読みモード」のオンオフの設定が確定する。なお、変動停止中(遊技待機中)のみならず、変動中であっても入球先読みモードの変更画面を表示可能であり、遊技者が十字キー110の上下ボタンを押下することで、設定を変更する対象を切り替えることができ、十字キー110の左右ボタンを押下することで「入球先読みモード」のオンオフを切り替えることができる。なお、変動中であれば、演出ボタン109の押下を必要とせず、十字キー110の左右ボタンを押下して「入球先読みモード」のオンオフを切り替えた時点でオンオフの設定が確定するよう構成してもよい。なお、音量及び光量の調節を行うための十字キーとは異なる演出カスタム専用の十字キーを備えてよく、そのように構成した場合は音量及び光量の調節をしながら「入球先読みモード」のオンオフを切り替え可能となる。
【0333】
入球時特殊先読み演出が実行された場合における大当りまたは小当りの発生確率は100%に設定されてもよいし、100%未満に設定されてもよい。100%未満に設定される場合、実際には大当りまたは小当りに該当しない入球時にも実行される場合があってよい。また、特殊先読み演出モードがオンに設定されているにもかかわらず、大当りまたは小当りに該当する入球があっても入球時特殊先読み演出が実行されない場合がある仕様でもよい。
【0334】
<ステージ背景と演出設定変更>
図43は、ステージ背景画像の表示有無と演出設定変更の可否の関係を示す。低ベース状態においては、通常のリーチ演出中(通常リーチ期間670)も含め、現在の演出ステージに対応したステージ背景画像を表示可能である。所定の高期待度リーチ演出(例えば、いわゆるスーパーリーチ演出)への発展前における現在の演出ステージに対応したステージ背景画像が表示されている通常リーチ期間670においては、演出設定変更を遊技者の操作入力に応じて実行可能である。
【0335】
一方、所定の高期待度リーチ演出へ発展した場合は、その発展した高期待度リーチ演出中(スーパーリーチ期間672)はステージ背景画像を非表示とする。所定の高期待度リーチ演出へ発展した後のステージ背景画像が非表示とされる間は、演出設定変更を不可とする。スーパーリーチ演出等の実行中は、現在の演出ステージに対応したステージ背景画像に代えてスーパーリーチ演出の映像が優先的に画面全面に表示されており、スーパーリーチ演出を阻害しないように演出設定変更は実行されない。
【0336】
また、所定の高期待度リーチ演出への発展後におけるステージ背景画像が表示されている特定期間(停止表示期間674)においては、演出設定変更の実行が制限される。停止表示期間674は、スーパーリーチ演出が外れで終了する場合に、画面がブラックアウトされた後に通常のステージ背景画像に戻ってから特別図柄が停止表示される期間である。停止表示期間674は、スーパーリーチ終了から特別図柄停止までのステージ背景画像の表示期間であるが、演出設定変更は実行されず、たとえこの期間に遊技者が十字キー110を操作して演出設定変更を指示したとしても、その演出設定変更は次変動まで演出に反映されない。
【0337】
なお、演出設定変更が不可とされる期間であっても、遊技者が十字キー110を押下すれば演出設定変更画面を表示させることはでき、演出設定変更の指示も可能であるが、実際に演出設定変更が反映されるのは次変動からとなる。なお、演出設定変更が不可とされる期間では、遊技者が十字キー110を押下しても演出設定変更画面は表示されず、演出設定変更の指示も不可能であるよう構成してもよい。
【0338】
変形例においては、特別遊技の実行中(単位遊技の実行中)も演出設定変更を実行可能である。ただし、10回や20回といった連続的な大当り(連チャン)を達成したような場合は、その達成を祝福するための映像が表示される仕様が考えられる。その場合、祝福の映像に注視させたいため、祝福映像の表示中は演出設定変更の無効期間として実行不可とする。また、演出設定変更の無効期間を迎えた際にすでに演出設定変更を実行中であった場合は、演出設定変更画面を非表示にしつつ、強制的に演出設定変更を実行することとしてもよい。例えば、「演出設定変更を実行しますか?」と表示する画面において「はい」を入力する位置にカーソルを合わせている瞬間にスーパーリーチ演出に発展してしまったような場合、強制的に「はい」が選択されて演出設定変更が反映されるようにしてもよい。
【0339】
なお、装飾図柄には、少なくとも特別図柄の停止時において演出表示装置60へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、少なくとも通常装飾図柄が視認困難なときに通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄とが含まれる。通常装飾図柄は、簡易装飾図柄より大きなサイズで表示される図柄である。通常装飾図柄は、3個の図柄で構成され、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止される。簡易装飾図柄もまた3個の図柄で構成されるが、変動表示後に3個が同時に停止される。簡易装飾図柄の停止図柄の組合せとしては、通常装飾図柄の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。
【0340】
また、演出ボタン109を模したボタン画像を表示可能であり、このボタン画像はリーチ状態となる前のボタン画像や、スーパーリーチ演出中のボタン画像として表示され、このボタン画像が表示されている最中に遊技者が実際に演出ボタン109を操作することを契機として、ボタン画像以外の演出が表示される。例えば、リーチ状態となる前にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとセリフ予告演出(セリフ内容や吹き出しの色で大当り期待度が異なる演出)が表示され、スーパーリーチ演出中(後半部の終盤)にボタン画像が表示されて且つ演出ボタン109を操作するとカットイン演出(味方キャラクタのカットイン画面が表示される演出であり、カットインに表示されるキャラクタの種類やカットインの色で大当り期待度が異なる演出)を実行する。ここで、通常色のボタン画像よりも、通常色ではないボタン画像が表示される方が、大当り期待度が高い種類の演出(セリフ予告演出であれば青色よりも赤色のセリフ予告演出、カットイン演出であれば青色よりも赤色のカットイン演出)が演出ボタン109の操作を契機に表示されやすい。なお、ボタン画像が表示されることで遊技者の操作を指示する(促す)演出を操作指示演出(ボタン演出)と称する。
【0341】
更に、本実施例においては、操作指示演出(ボタン演出)が開始されるか否かを煽る演出であるボタン出現煽り演出を有する。このボタン出現煽り演出では、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像を事前に表示することで、その後に演出ボタン109を模したボタン画像が出現すること(すなわち、操作指示演出が開始されること)を期待させる演出となる。このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化すると煽り成功演出となる。一方、このボタン出現煽り演出にて、演出ボタン109のシルエット画像が画面からフェードアウトすると煽り失敗となる。なお、ボタン画像を表示する場合、このようなボタン出現煽り演出を必ず実行する必要はなく、ボタン出現煽り演出を経由せずにいきなりボタン画像を表示させてもよい。ここで、このボタン出現煽り演出については、表示態様を複数種類備えてもよく、そのように構成した場合、例えば、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、ボタン画像へと変化する可能性が高くなるよう構成してもよい。また、その他変形例として、ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにしてもよく、そのように構成した場合、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、ボタン画像を複数種類備え(青色ボタン画像と赤色ボタン画像などを備え、青色ボタン画像よりも赤色ボタン画像のほうが高期待度の予告演出が実行されやすく、例えば、青色のセリフ予告演出よりも赤色のセリフ予告演出が実行されやすい)、青いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。ボタン出現煽り演出が実行されると、必ずボタン画像へと変化するようにした場合、上記以外にも、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、短時間(例えば、2秒)のボタン出現煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となるよう構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の表示態様を複数種類備えるよう構成する場合、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)よりも、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のほうが、期待度の高いボタン出現煽り演出が実行されやすくなるよう構成してもよい、もしくは、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)ではボタン出現煽り演出を実行させず、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)のみボタン出現煽り演出を実行可能なよう構成してもよい。
【0342】
操作指示演出の実行中は、演出ボタン109の操作が有効となる操作有効期間(入力有効時間)が設定される。操作有効期間とは、演出ボタン109が操作された場合に、該操作を有効に受け付ける期間である。「演出ボタン109の操作を有効に受け付ける」とは、演出ボタン109が操作された場合に、サブ基板300により演出ボタン109の操作が有効に受け付けられて、その有効な操作に基づき所定の処理が行われることを意味する。なお、所定の処理とは、演出ボタン109が操作されたことを契機としてセリフ予告演出を進行する処理が該当する。この操作有効期間中は、演出ボタン109(該演出ボタン109に内蔵されたLED素子)を発光表示するとともに、画面上に演出ボタン109を模したボタン画像や操作有効期間の残余期間を視覚的に示すインジケータ画像を表示して、該演出ボタン109の操作が有効であること又は操作入力を促すための報知が行われる。また、画面上には、ボタン画像の周囲に、火花を発する円環形のエフェクト画像(「特定画像」と呼称する)が表示される。この特定画像は、操作有効期間が経過するとともに徐々に拡大していく。そして、操作有効期間中に演出ボタン109が操作されると、セリフ予告演出へと進展する。なお、演出ボタン109が操作されると、特定画像の表示態様が最終表示態様へと強制的に変化する。特定画像の最終表示態様とは、特定画像が最大限に拡大表示されたときの表示態様である。なお、この操作指示演出(ボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示される演出(ボタン演出パターンA)であるが、本実施例のその他のボタン演出(該操作指示演出以外のボタン演出)は、ボタン画像およびインジケータ画像の表示中(操作有効期間中)に特定画像が表示されない演出(ボタン演出パターンB)である。
【0343】
セリフ予告演出は、複数のキャラクタ(前述の味方キャラクタおよび敵キャラクタ)のうちのいずれかのキャラクタが登場して、所定のセリフを発する演出とした場合、このキャラクタの周囲には、特定画像が最終表示態様にて継続表示される。このセリフ予告演出では、キャラクタが発するセリフの表示態様(表示色)に応じて、大当り期待度が示唆される。本実施形態では、セリフの表示色として、「青」、「赤」、「キリン柄」の3種類が設定されており、「青」<「赤」<「キリン柄」の順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなる。なお、セリフ予告演出が開始されると(演出ボタン109が操作されると)、ボタン画像およびインジケータ画像は非表示となるが、特定画像は継続的に表示される。なお、本実施形態の変形例として、セリフ予告演出をステップアップ形式の演出として構成してもよい。このステップアップ演出は、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるものであり、本実施例においては、予め定められた順番に従って演出態様(キャラクタとセリフ)を段階的に変化させる発展型の演出であり、その発展する段階数に応じて大当り期待度の高さを示唆又は報知する。例えば、ステップアップ演出を、2段階の演出ステップ(ステップアップ1,ステップアップ2)にて構成して、1段階目の演出ステップであるステップアップ1にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)と、2段階目の演出ステップであるステップアップ2にて表示される演出態様(キャラクタとセリフ)とを異ならせてもよい。
【0344】
演出の流れとしては、以下のとおりである。
(A)ボタン出現煽り演出が開始されると、画面上に演出ボタン109のシルエットを表すシルエット画像が表示される。このシルエット画像がボタン画像へと徐々に変化して煽り成功となると、操作指示演出が開始される。
(B)操作指示演出が開始されると、演出ボタン109の操作有効期間が設定され、演出ボタン109が発光表示されるとともに、演出ボタン109を模したボタン画像と、該操作有効期間の残期間を視覚的に示すインジケータ画像とが画面に表示される。また、ボタン画像の周囲には、火花を発する円環状の特定画像(エフェクト画像)が表示される。そして、そのような表示によって、ボタン操作有効期間内に演出ボタン109を操作することが促される。
(C)ボタン操作有効期間の経過とともに、インジケータ画像の表示態様(残期間)が変化するとともに、ボタン画像の周囲において特定画像が拡大表示されていく。このとき、操作有効期間内に演出ボタン109が操作されると、操作指示演出からセリフ予告演出に切り替わる。このとき、ボタン画像とインジケータ画像とは非表示となる。一方、エフェクト画像は、強制的に最終表示態様に変化して、そのまま継続して表示される。
(D)セリフ予告演出が開始されると、画面上にキャラクタと「大チャンスだよ」というセリフが表示され、該セリフの表示色により大当り期待度が示唆される。キャラクタおよびセリフの周囲には、特定画像が最終表示態様で継続表示される。このように特定画像を操作指示演出とセリフ予告演出とに跨って表示することで、演出ボタン109を操作することを契機にセリフ予告演出が発生することを遊技者に示唆することができる(今回のボタン演出がセリフ予告演出であることが示唆される)。
【0345】
また、上述の実施形態の変形例として、ボタン出現煽り演出の実行可否を抽選で決定して、ボタン出現煽り演出が実行されない場合よりも、ボタン出現煽り演出が実行される場合の方が、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなるように構成してもよい。また、ボタン出現煽り演出の実行時間(上記シルエット画像の表示時間)が長いほど、当該変動表示における大当り期待度が相対的に高くなる、或いは、ボタン操作を契機として大当りか否かを示す確度の高い演出が発生するように構成してもよい。そのとき、セリフ予告演出(ボタン出現煽り演出)を当落分岐のタイミング(前述した変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミング)にて実行する場合には、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)は、演出ボタン109の操作有効期間よりも長時間に設定されていることが好適である。なお、その構成とは逆に、ボタン出現煽り演出の演出時間(上記シルエット画像の表示時間)を、演出ボタン109の操作有効期間よりも短時間に設定してもよい。また、その他の変形例として、ボタン画像の表示態様として、複数種の表示態様(例えば、青色ボタン画像、赤色ボタン画像、虹色ボタン画像、大型ボタン画像、小型ボタン画像など)を用意してもよい。その場合には、ボタン出現煽り演出の実行可否および実行された場合の演出時間を、その後に実行予定のボタン画像の表示態様に応じて異ならせてもよい。
【0346】
また、更なる変形例として、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示(ターゲット前の変動である先読み変動表示)の実行中においてもセリフ予告演出を実行可能且つ(ボタン画像を表示可能)とし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、ボタン出現煽り演出が実行される可能性を低くしてもよいし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、高期待度のボタン出現煽り演出(前述したような赤いエフェクトを伴うボタン出現煽り演出や長時間(例えば、4秒)のボタン出現煽り演出など)が実行される可能性を低くしてもよい。その他変形例として、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させず(もしくは、高期待度のボタン出現煽り演出を実行させず低期待度のボタン出現煽り演出を実行させ)、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)でボタン出現煽り演出を実行させる(もしくは、低期待度のボタン出現煽り演出ではなく高期待度のボタン出現煽り演出を実行させる)場合、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングと、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングとの期間が長いほど(例えば、60秒よりも90秒であるほうが)、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像が高期待度の画像となりやすく(例えば、青色ボタン画像ではなく赤色ボタン画像となりやすく)なるよう構成してもよい。また、変動表示中の前半部(リーチ前の所定タイミング)においては、ボタン演出パターンAとし、変動表示中の後半部(リーチ後の特定タイミング)においては、ボタン演出パターンBとするよう構成してもよい。また、詳細は後述するが、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、変動表示の開始時を起点として開始され、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時は、特定演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)の開始時を起点として開始され、変動表示中の前半部であるリーチ前の所定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間よりも、変動表示中の後半部であるリーチ後の特定タイミングにおけるボタン画像を表示するための計時時間のほうが長時間となるよう構成してもよい。
【0347】
また、本実施例における特別遊技の実行中には、特別遊技における大入賞口への入球検知に基づき、演出表示装置60の画面に賞球数の合計をカウントアップするカウントアップ演出(例えば、現在獲得済みの賞球数が「2000」で、15賞球があった場合、2000→2001→2002→・・・2015のように1ずつカウントアップする演出)を実行可能であるとともに、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が特定数に到達することを契機として、特定数に到達したことを強調する強調表示を実行可能(例えば、カウントアップ表示されている表示上の賞球数が2500に到達すると、カウントアップ演出における表示とは別に「2500」との表示を、カウントアップ表示されている表示上の賞球数よりも大きく表示する演出)である。これら演出および表示については、以下に記載する仕様を採用してもよい。なお、1の単位遊技において大入賞口20が開放した場合、遊技球が9球入球することで閉鎖される(なお、1球の入球に対する賞球は「15」とする)。このように、単位遊技の終了条件(大入賞口20の閉鎖条件)である遊技球数を規定カウント数と称する。
【0348】
(1)規定カウント数以内の遊技球の入球に対応したカウントアップ演出(特に、規定カウント数目である9カウント目に対応したカウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞(規定カウント数を超過した入球)が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(各単位遊技の終了が設定されてから次の単位遊技又は終了デモの設定が開始されるまでの休止時間)の終了間際で検知された場合は、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出の実行中に大入賞口20に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口20の入球に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが好適である。
【0349】
(2)賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定する、つまり、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口20に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。但し、特別遊技の実行中であっても、開始デモの実行中および終了デモの実行中には、カウントアップ演出は実行しないよう構成されている。また、カウントアップ演出の実行時間は、各単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各単位遊技の間又は最終回の単位遊技と終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口20の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間である単位遊技待ち時間又は終了デモ待ち時間であり、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。また、カウントアップ演出時間(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或る単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、該単位遊技の終了後のインターバル時間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回の単位遊技又は終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各単位遊技の間の区切り又は最終回の単位遊技と終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
【0350】
(3)カウントアップ演出時間は、終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間は、「0.45秒」に設定されている。そして、終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、終了デモの実行時間には、最終回の単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該単位遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該単位遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。カウントアップ演出時間(0.45秒)が、終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回の単位遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
【0351】
(4)1回の単位遊技において大入賞口20へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回の単位遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(1回の単位遊技にて獲得可能な賞球数分のカウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口20に連続して入球することに基づき複数回のカウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
【0352】
<抑制報知演出>
本実施例においては、遊技機の抑制機能を搭載している。詳細は後述するが、所定の計数値「MY」が予め定められた規定値に達した場合に、遊技を停止且つ報知する機能をいう。MYカウンタは、MYを計数するためのカウンタである。「MY」は、MY=セーフ数(賞球予定数)-アウト数(遊技済み球数)、であり、セーフ数とアウト数との差球数に基づく計数値であり、遊技者に付与される遊技価値数(遊技者の持ち球または遊技機の出玉)を示す指標である。
【0353】
MYカウンタのカウント値が所定の閾値(後述の規定値=「95000」)に達したこと、すなわち、後述の抑制機能作動条件を充足したこと示すフラグとして、抑制機能作動フラグを備えている。抑制機能作動フラグは、抑制機能作動条件を充足したときにONとなる。また、抑制機能作動フラグは、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源投入が行われたときにOFFとなる。なお、遊技球が各入賞口又はアウト口に入球した場合にMYカウンタの更新(加減算)が行われる。具体的には、MYカウンタのカウント値にセーフ数を加算する。「セーフ数」とは、各入賞口への遊技球の入球に基づき、賞球として払い出されることが予定される遊技球(セーフ球)の個数、つまり賞球予定数を意味する。つまり、セーフ数は、払出装置から実際に払い出された実賞球数ではなく、払い出しを行わせることを決定した賞球予定数である。MYカウンタは、第1始動口に遊技球が1個入球した場合、第1始動口に遊技球が1個入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「3」を加算する。また、MYカウンタは、第2始動口に遊技球が1個入球した場合、第2始動口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「1」を加算する。また、MYカウンタは、一般入賞口に遊技球が1個入球した場合、一般入賞口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「3」を加算する。また、MYカウンタは、大入賞口に遊技球が1個入球した場合、大入賞口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「15」を加算する。また、MYカウンタのカウント値からアウト数を減算する。「アウト数」とは、遊技領域に打ち出されて遊技に使用された遊技球(アウト球)の個数、つまり、遊技領域の各入賞口(第1始動口、第2始動口、一般入賞口、大入賞口など)またはアウト口に入球して遊技盤の裏面側に排出された遊技球(アウト球)の個数である。MYカウンタは、アウト口に遊技球が1球入球(アウト球、遊技済み球と称する)する毎に、アウト数として「1」を減算する。但し、MYカウンタが「0」である場合には、アウト球(遊技済み球)が検出されたとしても、MYカウンタは減算されない。つまり、MYカウンタのカウント値は「0」未満の数値(マイナスの数値)にはならず、MYカウンタのカウント値が「0」である状況においてアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、そのアウト数に応じた数値は減算されず、MYカウンタのカウント値は「0」を維持する。なお、MYカウンタを更新する毎に、MYカウンタのカウント値を特定するための演出コマンド(「差球数信号」と称する)を生成・出力する。この差球数信号に基づき、後述の抑制機能関連演出(事前報知演出、抑制報知演出)を実行する。
【0354】
MYカウンタのカウント値が予め定められた所定の閾値(「規定値」と称する)に到達することを契機に抑制機能が作動する。すなわち、抑制機能の作動条件(「抑制機能作動条件」と称する)は、MYカウンタのカウント値が規定値に到達することである。規定値として「95000」が設定されており、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することを契機に抑制機能作動条件が成立する。なお、前述したように、抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能作動フラグがONとなる。また、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能が解除されるまでの間に(抑制機能作動フラグがOFFとなるまでの間に)、セーフ球およびアウト球が発生したとしても、MYカウンタのカウント値は更新(加減算)されず、MYカウンタのカウント値は規定値「95000」を維持する。つまり、MYカウンタとしての上限値は「95000」であり、MYが「95000」を超過したとしてもMYカウンタの値は「95000」から更新されることはない。補足するならば、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回ったとしても、MYカウンタの値は「95000」から更新されることはない。換言すれば、MYが「95000」に到達する前であれば、MYの更新に連動してMYカウンタが更新することになる。なお、変形例としては、MYが「95000」を超過した場合でも、MYカウンタの値も連動して更新される、つまり「95000」を超過して更新されても良く、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回った場合でも、MYカウンタの値も連動して更新される、つまり「95000」を下回って更新されても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタが「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグがONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。別の変形例としては、MYが「95000」を超過した場合、MYカウンタの値を「95000」とした後で「0」へと切り替える(初期化(クリア)する)、且つ、MYカウンタを更新しない(「0」で固定する)よう構成しても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタが「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグがONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。
【0355】
抑制機能が作動した場合、遊技停止状態に移行して、遊技の進行が停止される。一例として、抑制機能が作動した場合、特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定などが実行されず、高ベース状態や特別遊技なども実行されなくなる。また、抑制機能が作動した場合には、発射装置の作動が規制され、発射装置の操作の如何を問わず、遊技球の発射が停止される。但し、抑制機能が作動した場合であっても、払い出すべき遊技球(抑制機能が作動する前の入賞に基づく賞球)がある場合には、払出動作は許容され、当該遊技球の払い出しは遅滞なく実行される。すなわち、MYカウンタの加算は、実際に払い出された実賞球数ではなく、これから払い出されることが予定される賞球予定数に基づき行われるため、当該賞球予定数に対応する賞球が全て払い出されていない状況下でも、当該賞球予定数の加算によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達している場合には、(当然に抑制機能作動条件を充足しているので)抑制機能が作動するのであるが、その場合でも当該賞球予定数のうちの残りの部分(抑制機能の作動開始時に払い出されていない残りの賞球数)の払い出しは最後までしっかり行われるようになっている。そのため、詳細は後述するが、抑制機能の作動中であっても、当該抑制機能の作動中の遊技球の払い出しを起因として、遊技機に賞球エラー(払出エラー)が発生する場合があり、そのときには賞球エラーに対応するエラー報知が実行されることになる。なお、特別遊技の実行中でなくても、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となった賞球(例えば、MYカウンタのカウント値が「94998」である場合に一般入賞口への遊技球の入球により「3個」の賞球数が払いされるとき)については、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」を超える分の賞球(上記の例では残りの1個の賞球)の払い出しについても最後までしっかり行われるようになっている(但し、当然ながらそれ以降の入賞に基づいて賞球は払い出されない)。抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態および発射停止状態に移行するが、この構成に限定されるものではなく、抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態には移行するが、発射停止状態には移行しないように構成してもよい。
【0356】
また、特別遊技の非実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)と、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)とで、抑制機能の作動タイミングが相違する。
【0357】
特別遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足と同時又は略同時に、抑制機能が作動する。つまり、特別遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とが実質的に同一のタイミングとなる。特別遊技の非実行中の状況として、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該変動表示がはずれの変動表示であるか大当りの変動表示であるかに関らず、抑制機能作動条件を充足した時点(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した時点)で抑制機能が作動する。そのため、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該変動表示が停止表示されることを待たずに(当該変動表示が停止表示される前であっても)、当該抑制機能作動条件を充足した時点で抑制機能が作動して、当該変動表示が中途段階で強制的に終了する。そのため、大当りの変動表示の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、本来であれば当該変動表示の終了後に行われる予定の特別遊技を享受できず、特別遊技において得られる利益(賞球)を獲得することはできない。その理由としては、大当りの変動表示の途中で遊技を強制停止させたとしても、この時点で遊技者は遊技の結果(大当りに当選していること)を知り得ないため、当該変動表示の途中でいきなり遊技が停止したとしても、遊技者が不満感や不信感を抱くおそれが低いからである。なお、高ベース状態において第2始動口が5秒×1回の開放している最中に、該開放状態の第2始動口への遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、他の一般入賞口などへの遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、当該規定値到達時に第2始動口を強制的に閉鎖させる(開放時間が残っていても閉鎖させる)ことが好適である。
【0358】
一方、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、特別遊技(大当り終了デモ)が終了するまでの間は抑制機能が作動せず、特別遊技(大当り終了デモ)の終了後に抑制機能が作動することになる。つまり、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能作動条件の充足時から特別遊技の終了時までの間、遊技を継続することが可能となり、抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とは実質的に異なるタイミングとなる。その理由としては、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該特別遊技を即停止させず遊技を継続させたとしても、遊技者は残りのラウンド遊技(単位遊技)において限られた個数の賞球を獲得するだけであり、遊技者が過剰な利益を獲得することにはならず(他の遊技者との不公平感が生じることはなく)、また、特別遊技の実行中にいきなり抑制機能が作動して遊技停止となると、遊技者に対して不信感や不満感を与えるおそれがあるからである。なお、変形例として、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該特別遊技の最終ラウンドの終了時までは抑制機能が作動せず、その最終ラウンドの終了後に抑制機能が作動するように構成してもよい。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該特別遊技の大当り終了デモの開始時までは抑制機能が作動せず、その大当り終了デモの開始後に抑制機能が作動するように構成してもよい。また、更なる変形例として、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したとしても(抑制機能作動条件を充足したとしても)、特別遊技が終了するまでの間(抑制機能が作動するまでの間)に、セーフ球およびアウト球が発生した場合には、MYカウンタのカウント値を更新可能に構成してもよい。その場合には、抑制機能作動条件を充足した後に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」を下回ることになったとしても(抑制機能作動条件を充足する前の状態に戻ったとしても)、当該特別遊技の終了後に抑制機能が作動する構成を適用することができる。つまり、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を一旦充足すれば、当該特別遊技が終了するまでの間にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」から増加または減少したとしても、当該特別遊技が終了したときに抑制機能の作動が確約される構成としてもよい。なお、本変形例においても、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した後、当該特別遊技が終了するまでは、大入賞口への遊技球の入球等に基づく賞球払出は可能である。
【0359】
続いて、抑制機能の解除方法について説明する。抑制機能が作動した場合は、電源投入時のRAMクリア処理により、当該抑制機能の作動を解除可能である。すなわち、抑制機能が作動した場合には、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰を行うことで、抑制機能作動フラグをONからOFFに切り換えて、抑制機能の作動を解除することができる。ここで、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「RAMクリアモード」に移行する場合の電源復帰である。また、RAMクリアを伴わない電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「遊技モード」に移行する場合の電源復帰である。なお、抑制機能が作動した場合に、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換らず、抑制機能は解除されない。その場合には、電源復帰後においても抑制機能が作動して、遊技停止状態および発射停止状態が継続することになる。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONとなった場合)に、この特別遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰を行った場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換ることで、当該電源復帰後に再開された特別遊技が終了したとしても抑制機能は作動しない。一方、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONとなった場合)に、この特別遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換らないため、当該電源復帰後に再開された特別遊技が終了したときに抑制機能が作動する。
【0360】
次に、MYカウンタの初期化の方法について説明する。抑制機能作動条件を充足する前(抑制機能作動フラグがOFFのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰であっても、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であっても、当該電源復帰時にMYカウンタがクリアされる(MYカウンタが「0」になる)。つまり、抑制機能作動条件の充足前であれば、電源投入時のRAMクリアスイッチの操作の如何を問わず、遊技機の電源投入を契機に、MYカウンタはクリアされる(電断前のカウント値が消去される)。そのため、抑制機能作動条件の充足前であれば、遊技機の電源復帰時(電源投入時)の移行モードが、前述のRAMクリアモード、遊技モードのいずれであっても、当該電源復帰時にMYカウンタはクリアされることになる。一方、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタはクリアされず、電断前のカウント値(95000)を引き継ぐ。また、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合に、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタがクリアされる(電断前のカウント値は消去される)。変形例として、MYカウンタは、当該MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達したとき、すなわち、抑制機能作動条件を充足したときに、初期化(クリア)されるように構成してもよい。また、更なる変形例として、MYカウンタの初期化を禁止するための操作手段(「カウント継続スイッチ」と称する)を搭載してもよい。例えば、後述する事前報知演出の実行中において抑制機能作動条件を充足する前に電源断し且つRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合であっても、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されず、電源断前のカウント値を継続するものとなる。
【0361】
次に、抑制機能に関連する外部情報信号について説明する。外部情報信号のうち、抑制機能に関連する外部情報信号(外部信号、外部情報とも称する)として、抑制機能作動前信号と、抑制機能作動信号とがある。抑制機能作動前信号は、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示す外部情報信号である。抑制機能作動前信号は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する前の所定の契機において、一定時間(例えば3秒間)だけ継続して出力される。所定の契機とは、MYカウンタのカウント値が特定の値(例えば90000以上且つ95000未満の任意の数値を適用可能である)に達したときである。特定の値として、例えば規定値「95000」の500個手前の値である「94500」を採用する。そのため、抑制機能作動前信号の出力開始タイミングは、後述の事前報知演出の実行開始タイミングと同一又は略同一のタイミングとはならない(実質的に同一のタイミングではない)。変形例として、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達したときに、抑制機能作動前信号を出力して、抑制機能作動前信号の出力タイミングと、後述の事前報知演出の実行タイミングとが同一又は略同一のタイミングとなるように構成してもよい(実質的に同一のタイミングとしてもよい)。抑制機能作動信号は、抑制機能が作動していることを示す外部情報信号である。抑制機能作動信号は、抑制機能が作動してから当該抑制機能の作動が解除されるまでの間、継続して出力される。つまり、この抑制機能作動信号は、抑制機能が作動したときに出力を開始し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰が行われたときに出力を停止する。そのため、抑制機能作動信号の出力開始タイミングは、抑制機能の作動開始タイミングと同一又は略同一のタイミングである(実質的に同一のタイミングである)。
【0362】
<事前報知演出>
次に、抑制機能関連演出の内容について説明する。抑制機能関連演出は、事前報知演出(抑制機能作動前報知演出)と、抑制報知演出(抑制機能作動時報知演出)とを含む。事前報知演出は、抑制機能が作動する前に実行されて、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示唆又は報知する演出である。事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が所定値に到達することを契機に実行される。すなわち、事前報知演出の実行条件(「事前報知条件」と称する)は、MYカウンタのカウント値が所定値に到達したときに成立する。所定値として「90000」が設定されている。抑制報知の実行条件となるMYカウンタのカウント値(「95000」)である規定値は、第1規定値と称し、事前報知条件となるMYカウンタのカウント値(ここでは「90000」)である所定値は、第2規定値と称しても良い。なお、所定値は「90000」に限定されるものではなく、管理者が任意に設定可能である(但し、所定値は「90000」以下であることが好ましい)。すなわち、事前報知演出の実行条件(事前報知条件)は、管理者が任意に設定することのできる変動的な条件(流動的な条件)として設定されている。一方、規定値は「95000」に限定されており、管理者が任意に設定することはできない。すなわち、抑制機能の作動条件(抑制機能作動条件)は、遊技者が任意に設定することのできない固定的な条件として設定されている。なお、「管理者」とは、遊技機を管理する者であり、典型的には、遊技店の店員や、遊技機製造メーカの社員などが該当する。事前報知演出は、事前報知表示演出と、事前報知音出力演出とを含む。なお、以降は特に断りがない限り、「事前報知演出」との記載は「事前報知表示演出のみ」又は「事前報知演出及び事前報知音出力演出」を指すことを補足しておく。
【0363】
事前報知表示演出は、画像表示として、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」という第1文言表示と、「作動まで残り約****発」という第2文言表示とを含む。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMYの数値を示している。この「****」の数値は、差球数信号に基づき更新される。第1文言表示および第2文言表示は、事前報知条件を充足してから抑制機能が作動するまでの間、継続して表示される(但し、MYカウンタのカウント値が後述の所定の下限値「89000」まで低下した場合を除く)。第1文言表示は、MYカウンタの増減等に依存することなく、この事前報知演出(事前報知表示演出)の実行中は常に固定的な文言表示となる(第1文言表示は変化しない)。一方、第2文言表示は、事前報知条件を充足したとき(MYカウンタのカウント値が規定値「90000」に達したとき)から起算して、MYカウンタのカウント値が「500」増加するごとに更新表示される。すなわち、第2文言表示は、MYカウンタのカウント値に依存する文言表示であり、所定値「90000」から「500」加算されるごとに「****」の部分が更新表示される。具体的には、まず、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達したとき、第2文言表示として「作動まで残り約5000発」という文言が表示され、MYカウンタのカウント値が「90500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4500発」に切り替わり、MYカウンタのカウント値が「91000」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4000発」に切り替わり、MYカウンタのカウント値が「91500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」に切り替わり、以下同様にMYカウンタのカウント値が「500」加算される毎に第2文言表示が切り替わり、最終的に、MYカウンタのカウント値が「94500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約500発」に切り替わる。なお、第2文言表示を500個単位で更新表示しているが、この構成に限定されるものではなく、これとは異なる個数単位(例えば、1個単位、10個単位、100個単位、1000個単位など)で更新表示してもよい。また、事前報知表示演出は、専用の背景画像を備えておらず、第1文言表示および第2文言表示の背景には、現在の遊技状況に応じた背景画像(ステージ背景画像、リーチ背景画像、大当り中背景画像)が表示される。
【0364】
なお、この事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度であり、その他画像と比して前面後面のいずれに表示するかの優先度)は、背景画像および通常装飾図柄の表示の優先度よりも高く、右打ち報知画像(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する文字演出)、簡易装飾図柄、変動権利表示(保留を示すアイコン表示であり最大4個の保留に対応して最大4個まで表示可能な保留アイコンや、保留が消化されて1個目の保留アイコンが移動することで表示されるアイコン表示であり変動中であることを示す1個のみ表示可能なアイコン表示である変動アイコン)の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技者により音量調整操作又は光量調整操作が行われるとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)は、音量調整画面(現在の音量レベルを示す画面であり音量調整操作により音量レベルを示す画像の表示態様が変化する画面、例えば音符マーク画像に現在の音量レベルを示す1~5の数字画像のいずれかを付帯させた画面であり音量調整操作により数字画像における数字が変化)および光量調整画面(現在の光量レベルを示す画面であり光量調整操作により光量レベルを示す画像の表示態様が変化する画面、例えば電球マーク画像に現在の光量レベルを示す1~5の数字画像のいずれかを付帯させた画面であり光量調整操作により数字画像における数字が変化)の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技機に所定のエラーが発生したとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)は、エラー報知画像(エラーが発生していることを報知する画像であり且つ現在発生しているエラーの種別を判別可能な表示態様にて表示される画像、例えば磁気を検知した場合は「磁気エラー」の文字画像を表示し、扉開放を検知した場合は「扉開放エラー」の文字画像を表示し、賞球払出が停止した場合は「賞球エラー」の文字画像を表示する)の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。なお、通常装飾図柄は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤーの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。そのため、通常装飾図柄の変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作が実行されている最中に事前報知表示演出が実行される場合、各動作の表示と事前報知表示演出の表示とが重畳表示する一方で、事前報知表示演出のほうが表示の優先度(レイヤーの優先度)が高いため、事前報知表示演出が前面に表示されることになる。但し、簡易装飾図柄は事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。また、待機デモ演出(変動が停止しており且つ保留が存在しない状況が255秒などの所定時間継続した場合に表示される画面であり遊技待機中であることを示す待機デモ画面)は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤーの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。なお、音量調整画面および光量調整画面、右打ち報知画像については、事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。
【0365】
事前報知音出力演出は、所定の事前報知音をスピーカーから出力する演出である。事前報知音は、例えば、「残り****発で抑制機能が作動します」などの音声が該当する。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMY(差球数)の値であり、第2文言表示の「****」と一致する値である。この事前報知音は、MYカウンタのカウント値が「90000」、「90500」、「91000」、「91500」、「92000」、「92500」、「93000」、「93500」、「94000」、「94500」に達したとき、すなわち、第2文言表示が更新表示されるときに、スピーカーから1回又は複数回出力される。この事前報知音の出力中、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)が無音となる。そして、事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の演出音声(BGMや効果音など)に復帰する。変形例として、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)も同時に実行可能に構成されても良く、そのように構成した場合、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)の音量を低減させて出力することで事前報知音を聞きとりやすくしても良い(事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の音量に戻る)。
【0366】
この事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したとき(抑制機能作動条件を充足したとき)に終了する。つまり、抑制機能作動条件を充足したときに、事前報知演出から抑制報知演出に切り替わる。但し、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、特別遊技の終了時まで事前報知演出が継続実行され、特別遊技の終了時に事前報知演出が終了して、抑制報知演出が開始される。なお、変形例として、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したことを契機に、事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。この特殊な文言も事前報知演出の一種であり、特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)と称しても良い。また、更なる変形例としては、特別遊技の実行中は、事前報知演出が実行されないように構成してもよい。つまり、事前報知演出の実行中に特別遊技が開始された場合には、当該特別遊技が開始されたときに実行中の事前報知演出を中断し、当該特別遊技が終了したときに中断中の事前報知演出を再開するようにしてもよい。そのように構成した場合、特別遊技の終了後のMYカウンタのカウンタ値に基づく表示態様にて事前報知演出を再開することが好適である。また、特別遊技の実行中に事前報知条件を充足した場合には、当該特別遊技の実行中には事前報知演出を開始せず(当該特別遊技の終了時まで事前演出の実行を待機して)、当該特別遊技の終了後に事前報知演出を開始するように構成してもよい。そのように構成した場合、特別遊技の終了後のMYカウンタのカウンタ値に基づく表示態様にて事前報知演出を開始することが好適である。
【0367】
また、事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が所定の下限値(例えば「89000」)まで低下した場合でも終了する。つまり、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知演出が開始された場合でも、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合には、事前報知演出は抑制報知演出へと進展することなく終了する。ここで、事前報知演出が開始された場合に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することなく所定値「90000」未満まで低下した場合であっても、所定の下限値「89000」以下となるまでは、事前報知演出が継続実行される。なお、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したとしても、再度の事前報知演出を実行しないようになっている。但し、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した後、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達するまでの間に、特殊条件を充足した場合には、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達することを契機に、再度の事前報知演出を実行するように構成してもよい。例えば、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」よりも更に小さい数値の「80000」まで低下したことを契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また別の変形例として、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタのカウント値が初期値「0」まで低下したこと(アウト球があってもMYを減算しない底値になったこと、もしくはクリアされた場合)を契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」を下回ってから、所定の下限値「89000」まで低下する前に、いわゆる連荘抜けをした場合(連荘状態が終了した場合)には、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下していなくても、事前報知演出の実行を解除するように構成してもよい。
【0368】
なお、更なる変形例としては、特殊条件を必要とせず、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合に、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達すると、再度の事前報知演出を実行するよう構成しても良い。また、第2文言表示に関しては、前述したように、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)に到達する毎に更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ加算表示)されるが、その逆の事象として、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときでも更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ減算表示)される。例えば、MYカウンタが「91000」から「90999」に減算された場合には、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」から「作動まで残り約4000発」に更新表示(減算表示)される。但し、MYカウンタのカウント値が規定値「90000」を下回ったときでも、所定の下限値「89000」に低下するまでは、第2文言表示は更新表示されず、「作動まで残り約5000発」の表示を継続する。つまり、MYカウンタのカウント値が「90000」から「89999」に減算されたとしても、第2文言表示は「作動まで残り約5000発」の表示を継続する(所定の下限値「89000」以下となるまで継続する)。
【0369】
なお、変形例として、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときには、敢えて第2文言表示を更新表示せず、現在の表示(元の表示)を継続させてもよい。なお、以下の説明においては、便宜上、第2文言表示の更新周期となるMY500個を一単位として、一連の事前報知演出のうち、MYカウンタのカウント値が「90000」~「90499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約5000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第1単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第2単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「91000」~「91499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第3単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「91500」~「91999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第4単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「92000」~「92499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第5単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「92500」~「92999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第6単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「93000」~「93499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第7単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「93500」~「93999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第8単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「94000」~「94499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第9単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「94500」~「94999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第10単位報知演出」と称する場合がある。
【0370】
抑制報知演出は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したこと、すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行したことを示唆又は報知する演出である。この抑制報知演出は、抑制機能が作動することを契機に実行される。具体的には、特別遊技の非実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したときに抑制報知演出が実行され、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該特別遊技の終了後に抑制報知演出が実行される。抑制報知演出は、抑制報知画像表示演出と、抑制報知音出力演出とを含む。なお、抑制報知演出の実行中は、図示省略するが、枠ランプ(枠に配置されたランプ)が赤色で全点灯表示(又は全点滅表示)されるとともに、盤ランプ(遊技盤に配置されたランプ)が消灯される。抑制報知表示演出は、抑制機能が作動したことを報知する専用画面(抑制画面)を表示する演出である。この抑制画面には、特殊文言表示と、特殊背景画像とが含まれる。特殊文言表示には、「本日の出玉95000発到達、抑制機能が作動しました、本日の遊技は終了となります、カードの取り忘れにご注意ください」という文言表示が含まれる。特殊背景画像は、特殊文言表示の背面に表示される特殊の背景画像であり、例えば暗転画像(ブラックアウト画像)により構成されている。この抑制画面の表示の優先度は、他のいかなる演出画像の表示の優先度よりも高く設定されており(すなわち、最優先のレイヤーとして設定されており)、この抑制画面が表示されると、他のいかなる演出画像(通常の遊技画面)も視認不能又は視認困難となる。なお、所定のエラー(例えば優先度または重要度の高いエラー)が発生した場合には、この所定のエラーに対応するエラー報知画像を抑制画面の前面に表示してもよい。抑制報知音出力演出は、抑制報知音をスピーカーから出力する演出である。抑制報知音は、例えば「抑制機能が作動しました」という音声である。この抑制報知音出力演出は、抑制機能の作動中において、抑制報知音を繰り返し出力する。なお、抑制報知音出力演出は、特定のエラー音を短時間だけ出力した後に、抑制報知音を繰り返し出力する構成としてもよい。抑制報知演出は、抑制機能が解除されたときに終了する。すなわち、電源投入時にRAMクリア操作が行われることで、抑制機能が解除されるとともに、抑制報知演出が終了する。なお、抑制報知表示演出は、抑制機能が解除されるまで継続する一方で、抑制報知音出力演出は、抑制機能が作動してから所定時間(例えば10秒間)を限度として継続するものであってもよい。なお、その場合に、抑制報知演出が実行されてから所定時間(例えば10秒間)を経過する前に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰後においては、抑制報知表示演出は継続して実行される一方で、抑制報知音出力演出は実行されない(上記所定時間の残りの時間があっても実行されない)ことが好適である。
【0371】
なお、特別遊技の非実行中(図柄の変動表示中)において、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する(例えば、一般入賞口への入賞を契機に規定値「95000」に到達する)ことで、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。なお、この抑制機能が作動する直前の遊技状態は高ベース状態であり、当該抑制機能が作動することを契機に当該高ベース状態が終了する。そのため、当該抑制機能の作動時に、高ベース状態を示すフラグがOFFとなり、第2始動口が開放中であればその途中で強制的に閉鎖し、当該高ベース状態での変動表示(現在実行中の変動表示)を強制的に終了する。また、特別遊技中のラウンド遊技中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達しても、当該特別遊技(大当り終了デモ)が終了するまでは抑制機能は作動せず、当該特別遊技(大当り終了デモ)の終了時まで事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される。なお、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合には、当該特別遊技が終了するまでの間にセーフ球(賞球予定数)およびアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、MYカウンタのカウント値は更新されない(MYカウンタのカウント値は規定値「95000」を保持する)。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合)は、当該特別遊技の終了時まで、直近の事前報知演出(第10単位報知演出:作動まで残り約500発)を継続表示するが、この構成に限定されるものではなく、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。このように構成した場合、10ラウンド目(最終ラウンド)においても、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行されるが、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される構成に限定されず、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。その後、特別遊技が終了することを契機に、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。
【0372】
ここで、累積賞球数表示領域には、連荘中の特別遊技において遊技球が大入賞口に入球したことに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(累積賞球数)の表示が行われるのだが、この累積賞球数の値(累積賞球数表示)は、賞球カウントアップ演出(単にカウントアップ演出とも称する)の実行により更新表示される。ここで、賞球カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口に入球した場合に、累積賞球数表示領域に表示された累積賞球数の値に、大入賞口への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数の値を加算表示する演出である。遊技球が大入賞口に1個入球することで「10個」の賞球が払い出される仕様(大入賞口の単位賞球数が10個)であるため、遊技球が大入賞口に入球した場合には、累積賞球数表示領域に表示された累積賞球数の値は「10個」単位でカウントアップ表示される(累積賞球数の値に「10」が加算表示される賞球カウントアップ演出が行われる)。ここで、累積賞球数表示領域は、5桁の数値を表示可能であり、より詳細には、累積賞球数表示として「0」~「99999」までの10万通りの数値を表示可能である。そのため、累積賞球数表示の上限値は、「99999」となる。このとき、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達している場合には、遊技球が大入賞口に入球したとしても、累積賞球数表示は変化せず、上限値の「99999」を維持する。このように、累積賞球数表示の上限値「99999」は、MYの上限値となる規定値「95000」よりも大きな数値として設定されている。つまり、事前報知演出にて事前報知されるMYの規定値「95000」よりも、上限値「99999」に達したときの累積賞球数表示の方が大きな値を取り得ることで、遊技者の獲得賞球数がMYの規定値「95000」を超えたことを的確に報知することができ、遊技者に満足感や達成感を与えることが可能となる。また、累積賞球数表示はアウト球を考慮しない数値であり、MYの規定値「95000」を超過する数値を取り得るため、上限値「99999」まで表示可能に構成することが好適である。変形例として、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達した場合でも、遊技球が大入賞口に入球した場合には、擬似的な賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示の可変表示)を実行してもよい。擬似的な賞球数カウントアップ演出としては、例えば、99999→91111→92222→93333→・・・→98888→99999、といったように、最初の値(99999)と最後の値(99999)とを同一としながらも、その間の数値をランダムに可変表示することで、あたかも累積賞球数がカウントアップ表示されているように見せてもよい。更なる変形例として、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合に、新たな賞球払出が発生したときは(遊技球が大入賞に入球したときは)、累積賞球数表示として「FFFFF」を表示して、当該累積賞球数表示が表示の限界を超えていること(オーバフローした状態であること)を示唆又は報知してもよい。更なる変形例としては、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合、又は、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した以降に新たな賞球払出が発生したときは、「FFFFF」の表示へと切り替え(以降は「99999」の表示を行わず)、その後に新たな賞球払出があっても無くても「FFFFF」の表示を常に維持するよう構成しても良い。更なる変形例として、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」の1個手前の数値である「94999」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。変形例としては、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。また、同様に、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」と同数の数値である「95000」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよく、そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。更なる変形例として、遊技者に過度の射幸心を煽るのを防止すべく、累積賞球数表示の上限値を規定値「95000」よりも十分に小さい数値(例えば「50000」)に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。このように「限界突破」の表示条件については適宜設定可能であるが、「限界突破」が表示されている最中は、累積賞球数の値が特定値であったとしても強調表示(特別遊技の実行中に大入賞口へ遊技球が入球することを契機に、累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出)を実行しないことが好適である。
【0373】
強調演出は、特別遊技の実行中に大入賞口へ遊技球が入球することを契機に、累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出であり、特定値とは、所定賞球数(2500個)の倍数値に対応する数値であり、「2500」、「5000」、「7500」、「10000」、「12500」・・・といった具合に、2500個単位で設定されている。所定賞球数の値「2500」は、MYの規定値「95000」から所定値「90000」を減算した差分値「5000」よりも小さい数値に設定されている。それにより、MYカウンタのカウント値が予定値「90000」に到達してから規定値「95000」に到達するまでの間、すなわち、事前報知演出が開始されてから抑制機能が作動するまでの間に、累積賞球数の値が少なくとも1回は特定値(所定賞球数の倍数値)に到達して、強調演出が必ず1回は実行されることになる。それにより、抑制機能が作動する直前の状況であっても、少なくとも1回の強調演出の実行を確実に担保することができるとともに、遊技者に満足感や達成感を与えることができる。
【0374】
特別遊技の実行中における賞球カウントアップ演出の実行中に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続する。すなわち、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONになった場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。なお、詳細は後述するが、1個目の大入賞口への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の大入賞口への遊技球の入球(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま特別遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口への遊技球の入球」であってもよい。
【0375】
特別遊技の実行中において、賞球カウントアップ演出の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続するように構成されている。すなわち、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。なお、詳細は後述するが、1個目の大入賞口への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の大入賞口への遊技球の入球(MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま特別遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、賞球カウントアップ演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。なお、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口への遊技球の入球」であってもよい。
【0376】
特別遊技の実行中における強調演出の実行中に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続する。すなわち、強調演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONになった場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま特別遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。
【0377】
特別遊技の実行中において、強調演出の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続するように構成されている。すなわち、強調演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま特別遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、強調演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、強調演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、強調演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。
【0378】
賞球1個分のカウントアップ表示の時間(「N」から「N+1」へのカウントアップ表示に要する時間)は、「0.03秒」に設定されている。つまり、累積賞球数表示領域に表示された累計賞球数の値は、「0.03秒」刻みでカウントアップ表示される。そのため、大入賞口へ遊技球が1個入球することで行われる賞球カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口へ遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出される。つまり、この賞球カウントアップ演出の実行時間(1回の賞球カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。強調演出の実行時間は、累積賞球数の強調表示画像(拡大表示画像)の表示が開始されてから終了するまでの時間値であり、累積賞球数の値がいずれの特定値(2500、5000、7500、10000…)に到達した場合でも、強調演出の実行時間は「3秒」に設定されている。この強調演出の実行時間(3秒)は、大入賞口への遊技球1個の入球に対応する賞球カウントアップ演出の実行時間(0.45秒)よりも長時間に設定されている。そのため、大入賞口へ遊技球が1個入球することを契機に累積賞球数の値が特定値に到達する場合、賞球カウントアップ演出と強調演出とが同時又は略同時に実行されることになるが、強調演出の実行時間を大入賞口への遊技球1個の入球に対応して行われる賞球カウントアップ演出の実行時間よりも長時間に設定することで、強調演出と賞球カウントアップ演出とが同時又は略同時に実行された場合でも、希少性の高い強調演出を目立たせることができ、強調演出が発生したときの遊技者の満足感や達成感を一層向上させることができる。なお、強調演出と賞球カウントアップ演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも強調演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも強調演出の方が前面側に表示される。また、ラウンド間時間(N回目のラウンド遊技が終了することで大入賞口が閉鎖し、その閉鎖状態をN+1回目のラウンド遊技が開始するまでに維持する時間)は、大入賞口への遊技球1個の入球に対応する賞球カウントアップ演出の実行時間(0.45秒)よりも長く、強調演出の実行時間(3秒)よりも短い時間(例えば、1.5秒)に設定してもよい。
【0379】
事前報知演出の実行時間は、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでの時間値であり、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達したときから規定値「95000」に達するまでの時間値となる。但し、この事前報知演出の実行時間には、MYカウンタが所定値「90000」に達した後に、規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合の事前報知演出の実行時間は含めない。つまり、ここでの事前報知演出の実行時間とは、事前報知演出が規定値到達により完結する場合の実行時間である。この事前報知演出の実行時間は、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」から「5000(95000-90000=5000)」個増加するまでの時間値であり、この5000個分の増加には、複数回分の特別遊技にて得られる賞球数(例えば10R大当りの場合には約1500個×3回以上)を必要とするため、基本的には、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでには複数回分の特別遊技の実行時間を要することになる。そのため、事前報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(3秒間)よりも著しく長時間となる。従って、事前報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である事前報知演出を優先的に目立たせて、事前演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、現在の遊技状況(抑制機能が間もなく作動する予定であること)を確実に遊技者に把握させることが可能となる。ここで説明した事前報知演出は事前報知表示演出であるが、事前報知音出力演出の実行時間(例えば、5秒間の音声出力)と比較しても同様の関係となる。また、事前報知演出は、前述したように、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」から「500」加算される毎に更新表示され、第1単位報知演出→第2単位報知演出→第3単位報知演出→・・・→第10単位報知演出という順に進展するが、この事前報知演出を構成する第1単位報知演出から第10単位報知演出のうちのいずれの単位報知演出の実行時間についても、強調演出の実行時間(3秒)よりも長時間となる。つまり、各単位報知演出の実行時間は、MYカウンタのカウント値が「500」個増加するまでの時間値であり、この500個分の増加には、複数回分のラウンド遊技にて得られる賞球数(例えば約150個×3ラウンド以上)を必要とするため、基本的には、1回の単位報知演出が開始されてから終了するまでには複数回分のラウンド遊技の実行時間を要することになる。そのため、単位報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(3秒間)よりも長時間となる。従って、単位報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である単位報知演出を優先的に目立たせて、単位報知演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、単位報知演出(第2文言表示)が切り替わるごとにあと何発で抑制機能が作動するのかを確実に遊技者に把握させることが可能となる。なお、強調演出は獲得賞球数「2500個」単位で実行されるため、1回の特別遊技の実行中(例えば10R特別遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において強調演出は多くても1回しか行われないが(1回の特別遊技で多くても1種類の強調演出しか表示されないが)、単位報知演出はMY「500個」単位で実行されるため、1回の特別遊技の実行中(例えば10R特別遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において単位報知演出は複数回行われ得る(1回の特別遊技で複数種類の単位報知演出が表示され得る)。それにより、1回の特別遊技の実行中に遊技者は複数種類の単位報知演出を見ることができ、事前報知演出に対する遊技者の注目度を一層向上させることが可能となる。
【0380】
1個目の遊技球が大入賞口へ入球して、大入賞口スイッチ(大入賞検出装置とも称する)が1個目の遊技球の入球を検出すると、この1個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「先の賞球カウントアップ演出」と称する)が開始される。先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の遊技球(新たな遊技球)が大入賞口に入球して、大入賞口スイッチが2個目の遊技球の入球を検出すると、先の賞球カウントアップ演出が中断されて、2個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「後の賞球カウントアップ演出」と称する)が開始される。具体的には、先の賞球カウントアップ演出において、本来であれば「1000」~「1015」までのカウントアップ表示が予定されている場合に、先の賞球カウントアップ演出の実行中に大入賞口への新たな遊技球の入球が発生して大入賞口スイッチにて検出された場合には、実行中の先の賞球カウントアップ演出が途中で打ち切られて(例えばカウントアップ表示が「1010」で中断されて)、後の賞球カウントアップ演出が開始されることになる。そして、後の賞球カウントアップ演出では、先の賞球カウントアップ演出の残りの部分(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)が省略されたかたちで、その最終値「1015」の続きとなる「1016」~「1030」までのカウントアップ表示が行われることになる。なお、先の賞球カウントアップ演出の一部のカウントアップ表示(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)は省略されるが、先の賞球カウントアップ演出の終了時(中断時)と後の賞球カウントアップ演出の開始時とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ表示として構成される。このように、先後2回の賞球カウントアップ演出のうち、先の賞球カウントアップ演出の優先度よりも、後の賞球カウントアップ演出の優先度の方が高く設定されており、先の賞球カウントアップ演出の終了時と後の賞球カウントアップ演出の開始時とが時間的にオーバーラップする場合には、先の賞球カウントアップ演出の実行を中断させて、後の賞球カウントアップ演出を優先的に実行開始させるように構成されている。従って、大入賞口に遊技球が連続的に入球して先後二回の賞球カウントアップ演出が連続的に実行される場合であっても、先後の賞球カウントアップ演出を滞りなく円滑に進めることができるため、大入賞口への遊技球の入球時と賞球カウントアップ演出の実行時との間でタイミングのずれが生じること(それにより遊技者に違和感を与えること)を防止することできるとともに、特別遊技(ラウンド遊技)の実行中に賞球カウントアップ演出を適切に完結させることが可能となる。なお、変形例として、先の賞球カウントアップ演出の実行が中断した時点で、そのカウントアップ表示を強制的に最終値「1015」に切り替えて(つまり、「1010」で中断した場合には、「1010」から最終値の「1015」に一気に切り替えて)、この最終値から、後の賞球カウントアップ演出のカウントアップ表示(「1016」~「1030」までのカウントアップ表示)を開始させるように構成してもよい。
【0381】
特別遊技の実行中において、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することとなる状況(「特定の状況」と称する)がある。具体的には、特定の状況として、特別遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタのカウント値が「94998」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=94998+2=95000)、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグがONとなる)。この特定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた特別遊技が再開されることになる。特別遊技が再開された場合には、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタが初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタのカウント値があと1個の大入賞口への遊技球の入球で規定値「95000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、MYカウンタが初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタのカウント値は規定値「95000」に到達せず、抑制機能作動条件を充足しない(抑制機能作動フラグはONしない)。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」まで達した場合には、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグがONとなる)。
【0382】
特別遊技の実行中において、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達することとなる状況(「所定の状況」と称する)がある。具体的には、所定の状況として、特別遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタのカウント値が「89998」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタのカウント値が規定値「90000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=89998+2=90000)、事前報知条件を充足することになる。この所定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた特別遊技が再開されることになる。特別遊技が再開された場合には、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタが初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタのカウント値があと1個の大入賞口への遊技球の入球で所定値「90000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、MYカウンタが初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタのカウント値は所定値「90000」に到達せず、事前報知条件を充足しない。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」まで達した場合には、事前報知条件を充足することになる。なお、変形例として、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成してもよい。例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)は再開させず、その後、MYカウンタのカウント値が「91000」に達したときに事前報知演出を第3単位報知演出(作動まで残り約4000発)から再開させてもよい。更なる変形例としては、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成し、例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されず、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)を再開させても良い。
【0383】
特別遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONになった後)に、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況A」と称する)がある。具体的には、状況Aとして、特別遊技の実行中において、MYカウンタのカウント値が既に規定値「95000」に到達しており、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。この状況Aにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた特別遊技が再開されることになるが、この特別遊技が再開された後においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、この状況Aにおいて、RAMクリアを伴わずに電源復帰した場合(抑制機能作動条件を充足した後にRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合)には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化されず(MYカウンタのカウント値「95000」はクリアされず)、抑制機能作動フラグがONを維持することになる。そのため、当該電源復帰後に再開された特別遊技(大当り終了デモ)が終了したときに抑制機能が作動し、それと同時または略同時に抑制報知演出が実行される。
【0384】
特別遊技の実行中において、事前報知条件を充足した後、すなわち、事前報知演出が開始された後に、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況B」と称する)がある。具体的には、状況Bとして、特別遊技の実行中において、MYカウンタのカウント値が既に所定値「90000」に到達しており(但し、MYカウンタのカウント値が「90000」や「90500」など、規定値「95000」到達まで余裕があることが好適である)、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。この状況Bにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた特別遊技が再開されることになるが、この特別遊技が再開された後においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、事前報知条件を充足した後であっても抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後に特別遊技が再開されたときは、MYカウンタは初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、この電源復帰後においては事前報知条件を充足していない状態に戻り、当該電源復帰後(当該電源復帰後に再開された特別遊技)においては直近の電源断時に実行されていた事前報知演出は再開されないことになる(事前報知演出は実行されない)。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した場合(事前報知条件を充足した場合)には、事前報知演出が実行されることになる。
【0385】
抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)は、音量調整および光量調整が不能となるように構成されている。すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、音量調整操作がされたとしても、音量レベルが変化しない(音量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、音量調整操作がされたとしても、抑制報知音(「抑制機能が作動しました」という音声)の音量レベルは変化せず、当該抑制報知音は常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力される。変形例としては、設定された音量レベルに応じた出力態様で抑制報知音を出力するよう構成しても良い。また、同様に、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、光量調整操作がされたとしても、光量レベルが変化しない(光量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、光量調整操作がされたとしても、抑制報知に係る枠ランプの全点灯時の光量は変化しない。但し、抑制機能作動条件を充足していたとしても特別遊技の実行中であれば、抑制機能は作動していないため(抑制報知演出は実行されていないため)、当該特別遊技の実行中において音量調整および光量調整は可能である。なお、事前報知演出の実行中であれば、変動中であっても特別遊技中であっても、音量調整操作がされることで音量レベルが変化し(音量操作が有効となり)、光量調整操作がされることで光量レベルが変化する(光量操作が有効となる)。ここで、事前報知音出力演出については、設定された音量レベルに応じた出力態様ではなく、常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力されるよう構成されても良いし、設定された音量レベルに応じた出力態様となるよう構成しても良い。
【0386】
各種の演出(待機デモ演出、演出ボタン動作、通常装飾図柄の所定の動作)と抑制機能との関係性は以下のとおりである。事前報知演出の実行中であっても待機デモ演出は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では待機デモ演出が実行(開始)されない。なお、待機デモ演出の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、待機デモ演出の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で待機デモ演出は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であっても演出ボタン動作は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では演出ボタン動作が実行(開始)されない。なお、演出ボタン動作の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、演出ボタン動作の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で演出ボタン動作は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であっても通常装飾図柄の所定の動作(変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作)は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では通常装飾図柄の所定の動作が実行(開始)されない。なお、通常装飾図柄の所定の動作の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、通常装飾図柄の所定の動作の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で通常装飾図柄の所定の動作は強制的に終了する。
【0387】
<ECOぱちんこ遊技機>
図44は、ECOぱちんこ遊技機の仕様を採用した第1の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す。ECOぱちんこ遊技機の実現に際し、ぱちんこ遊技機とぱちんこ遊技機の外部に設置されたECOユニットEUとに大別され(遊技場設備に対して、夫々を別体として着脱可能に構成され)、ぱちんこ遊技機においては遊技盤側と遊技機枠側とに大別される(遊技機枠側は遊技場設備に対して着脱可能に構成され、遊技盤側は遊技機枠側に対して着脱可能に構成されている)。
【0388】
ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、操作部装置1050を含む。操作部装置1050は、タッチパネル式インターフェース1052、持ち球数表示部54、サブ入力ボタンSB(演出ボタン)、等から構成されており、タッチパネル式インターフェース1052は、遊技者のタッチ操作(接触型・非接触型のいずれかのタッチ操作)によって、遊技機の遊技状態情報や後述するECOユニットEUに挿入されたICカード(遊技媒体記録メディア)に記録された遊技媒体情報を表示及び利用することができるよう構成されている。また、タッチパネル式インターフェース1052は、演出表示機能も備えており、サブメインからのコマンドによって、遊技に係る演出を実行し得るよう構成されている。また、持ち球数表示部54は、持ち球数{遊技に使用(遊技領域内に発射)することのできる遊技球数}を表示する。また、サブ入力ボタンSBは、遊技者の操作によってサブメイン側による演出を操作するための装置である。
【0389】
<ECOユニット>
次に、ECOユニットEUは、払出制御基板や操作部装置1050と接続され、遊技者の個人遊技状態情報(特に、所持している遊技媒体数情報)が記録されたICカード(会員カード、一般カード)を挿入することで、当該ICカードに記録された遊技状態情報を操作部装置1050上にて表示可能であると共に、操作部装置1050上での操作によって当該遊技状態情報を利用したり、貸出制御及び電子マネー等貸出用の管理制御等を行うことができるよう構成されている。また、ECOユニットEUは、ネットワークを介してホールコンピュータと接続されており、遊技関連情報を出力できるよう構成され、遊技機枠及び遊技盤の認証処理も、当該ECOユニットEUを介して行われる。尚、ECOユニットEUは、遊技機とは異なる電源から電力を供給されていると共に、操作部装置1050とも接続されており、操作部装置1050に対しては、ECOユニットEUから電力が供給されるよう構成されている。
【0390】
図45は、ECOユニット-賞球払出制御基板間の処理イメージ(特に、持ち球数の加算・減算・移送処理について)を示す。尚、同図においては常に、賞球払出制御基板は、持ち球数情報{遊技に使用(遊技領域内に発射)することのできる遊技球数に係る情報}を持ち球数表示部1054に対して送信し、持ち球数表示部1054は、持ち球数表示の更新を繰り返しているものとする。また、各処理において、エラー等は発生しない場合について例示している。
【0391】
<持ち球数加算処理>
はじめに、持ち球数加算処理の一例として、球貸処理について説明する。まず、(1)で、タッチパネル式インターフェース1052上での球貸操作が行われた場合、タッチパネル式インターフェース1052から、(2)の「球貸操作情報」が、ECOユニットEUに対して送信される。次に、当該「球貸操作情報」を受信したECOユニットEUは、(3)の球貸制御処理にて、ICカードの残高消費を実行し、(4)の「持ち球数加算要求」を払出制御基板に送信する。次に、当該「持ち球数加算要求」を受信した払出制御基板は、(5)の持ち球数加算処理にて、現在の持ち球数に、消費した残高分の遊技媒体数を加算する。(5)の処理が終了すると、払出制御基板は、(6)の「加算完了情報」を、ECOユニットEUに対して送信する。次に、当該「加算完了情報」を受信したECOユニットEUは、(7)の「球貸完了表示指示」をタッチパネル式インターフェース1052に対して送信する。次に、当該「球貸完了表示指示」を受信したタッチパネル式インターフェース1052は、(8)の球貸完了表示を実行し、球貸処理が終了する。
【0392】
<持ち球数減算処理>
次に、持ち球数減算処理の一例として、球消費処理(特に、ワゴンサービスに係る処理)について説明する。まず、(1)で、タッチパネル式インターフェース1052上でのワゴンサービス利用操作が行われた場合、タッチパネル式インターフェース1052から、(2)の「球消費操作情報」が、ECOユニットEUに対して送信される。次に、当該「球消費操作情報」を受信したECOユニットEUは、(3)の「持ち球数減算要求」を払出制御基板に送信する。次に、当該「持ち球数減算要求」を受信した払出制御基板は、(4)の持ち球数減算処理にて、現在の持ち球数から、ワゴンサービスにて消費する分の遊技媒体数を減算する。(4)の処理が終了すると、払出制御基板は、(5)の「減算完了情報」を、ECOユニットEUに対して送信する。次に、当該「減算完了情報」を受信したECOユニットEUは、(6)の「球消費完了表示指示」をタッチパネル式インターフェース1052に対して送信する。次に、当該「球消費完了表示指示」を受信したタッチパネル式インターフェース1052は、(7)のワゴンサービス利用完了表示を実行し、球消費処理が終了する。
【0393】
<持ち球数移送処理>
次に、持ち球数移送処理の一例として、ICカード返却処理について説明する。まず、(1)で、タッチパネル式インターフェース1052上での返却操作(ICカード返却操作)が行われた場合、タッチパネル式インターフェース1052から、(2)の「返却操作情報」が、ECOユニットEUに対して送信される。次に、当該「返却操作情報」を受信したECOユニットEUは、(3)の「持ち球数返却要求」を払出制御基板に送信する。次に、当該「持ち球数返却要求」を受信した払出制御基板は、(4)の持ち球移送処理にて、遊技を停止(例えば、遊技球の発射を停止)すると共に、(5)の持ち球数移送処理にて、遊技盤面上を流下している遊技球(浮遊球)が存在しないことを確認し(例えば、封入遊技球数カウンタ3313のカウンタ値が初期値となるまで待機する)、(6)の「持ち球数情報」を、ECOユニットEUに対して送信する。次に、当該「持ち球数情報」を受信したECOユニットEUは、(7)の返却制御処理にて、当該受信した情報に基づき、持ち球数を一時記憶し、(8)の「持ち球数クリア要求」を払出制御基板に送信する。次に、当該「持ち球数クリア要求」を受信した払出制御基板は、(9)の持ち球数移送処理にて、現在の持ち球数をクリア(ゼロクリア)し、(10)の「持ち球数クリア完了情報」をECOユニットEUに対して送信する。次に、当該「持ち球数クリア完了情報」を受信したECOユニットEUは、(11)の返却制御処理にて、前述の(7)の処理にて一時記憶した持ち球数を、当該ECOユニットに挿入されているICカードに記憶されている貯玉数に加算する。次に、(12)の返却制御処理にて、ECOユニットEUは、当該ICカードをICカード返却口より排出(返却)し、(13)の「返却完了表示指示」をタッチパネル式インターフェース1052に対して送信する。次に、当該「返却完了表示指示」を受信したタッチパネル式インターフェース1052は、(14)の返却完了表示を実行し、タッチパネル式インターフェース1052-ECOユニットEU間のICカード返却処理が終了する。また、(12)の処理の完了時、ECOユニットEUは、(15)の「返却完了情報」を、払出制御基板に対して送信する。次に、当該「返却完了情報」を受信した払出制御基板は、(4)の処理にて実行した遊技停止を解除して(16)の遊技可能な状態へと復帰し、ECOユニットEU-払出制御基板間のICカード返却処理が終了する。
【0394】
<遊技球の循環機構について>
次に、遊技球の循環について説明する。このぱちんこ遊技機においては、ぱちんこ遊技機内で一定数(例えば、100球)の遊技球を循環させることで遊技が可能となっており(以下、循環させる遊技球を封入遊技球と呼ぶことがある)、遊技機外からの遊技球の供給及び遊技機外への遊技球の排出(払出し)を行うことなく遊技進行が可能に構成されている。
【0395】
まず、封入遊技球数管理手段内の、封入遊技球タンクには、封入遊技球が貯留されており、封入遊技球タンク内の封入遊技球は、球送りソレノイド機構によって発射装置へと送り出され、発射制御装置によって、遊技球が遊技盤側の遊技領域に向けて発射される。次に、遊技領域に発射された遊技球は、遊技周辺機器であるいずれかの入球口に入球し、遊技盤側から遊技機枠側に流入する。当該流入した封入遊技球は、遊技領域に設けられた入球口に対応した賞球許可センサ類及びアウト球検出センサによって検出され、封入遊技球タンクに再び貯留される。そして、このように封入遊技球がぱちんこ遊技機内を循環している状況下、遊技球が遊技盤側の遊技領域に向けて発射される、或いは、賞球払出しの対象となる入球口に入球した場合には、払出制御基板によって、遊技者に対しての賞球付与(持ち球データの加減算)が行われることとなる。
【0396】
なお、遊技球が循環するよう構成されているため、遊技者が遊技球に触れることができないよう構成されており、具体的には、前提技術における上皿や下皿が備えられていない。このように構成することにより、例えば、通常より小さい径の遊技球や糸付き球、他店の持ち込み球等の不正な遊技球を混入させるような不正を防止でき、遊技機内を循環する遊技球を取り出して適正な性能を発揮させない不正が困難となり、不正対策として有効である。
【0397】
尚、バックアップ領域に電源を供給するためのバックアップ用電源は、払出制御基板に設けられている。このバックアップ用電源は、電源供給ユニットE(電源基板)に接続されて給電されており、電断が生じたときに電源供給ユニットEからの給電が遮断された場合でも、バックアップ用電源からバックアップ領域に電源を供給することができ、持球数カウンタや履歴や各種のフラグを記憶することができ、遊技に重要な情報である各種の払い出し情報を保持することができる。
【0398】
持球数カウンタ等を保持するためのバックアップ領域に電源を供給するためのバックアップ用電源が払出制御基板に設けられている。このように構成することで、持球数カウンタ等を保持するための専用のバックアップ用電源として機能させることができ、払出制御基板に接続されているハーネスなどが断線したり外れたりするような場合であっても、その影響を受けることなく、安定して電源を供給することができ、バックアップの信頼性を高めることができる。さらに、持球数カウンタ等を保持するためのバックアップ領域のみに電源を供給することにより、バックアップ用電源を小型化してもバックアップ可能な時間を長くすることができるとともに、払出制御基板を小型化することができ省スペース化を図ることができる。なお、持球数カウンタ等を保持するための専用のバックアップ用電源を電源供給ユニットEに設けてもよい。電源供給ユニットEに設けることで、払出制御基板をさらに小型化したり軽量化したりすることができる。
【0399】
また、持球数カウンタ等を保持するためのバックアップ用電源を、電源供給ユニットEに設けられているメイン基板のためのバックアップ用電源と共用してもよい。電源供給ユニットEに設けられているバックアップ用電源を共用することで、バックアップ用の電源に関する構成を簡素にすることができる。
【0400】
さらに、持球数カウンタ等を記憶するRAMとして、揮発性メモリを使用している。揮発性メモリを用いることで安価にできるが、電断時が生じた場合のためにバックアップ用電源を設けて揮発性メモリをバックアップする必要がある。これに対して、持球数カウンタ等を記憶するRAMとして不揮発性メモリを用いてもよい。例えば、不揮発性メモリとしてフラッシュメモリなどにすることができる。このように構成することにより、バックアップ用電源を省くことができ、全体として小型化したり軽量化したりすることができる。
【0401】
以上のように構成することで、遊技盤側に設けられた入球検出装置と、遊技機枠側に設けられた賞球許可センサ類と、の双方で入球が検出され、且つ、メイン基板側から送信された入賞情報(例えば、入賞口種別・賞球数に係る情報)が、払出制御基板側に記憶された基本賞球数情報と一致した場合にのみ、遊技者に対して賞球が付与されるよう構成されているため、不正行為による賞球の獲得を防止することができる。また、遊技機枠側に賞球許可センサ類を設けることで、遊技盤のコストを削減できることとなる(ぱちんこ遊技機の機種入れ換えは、主に遊技盤のみの入れ替えにて行われ、遊技機枠は繰り返し使用されることが多いため)。また、遊技者に対して賞球を付与した入賞については、所定の表示部(例えば、入賞情報表示装置)にて、入賞口種別及び賞球数を表示し得るよう構成されているため、遊技者にとって、いずれの入賞口に入賞し、何球の賞球が得られたか、という情報が分かり易い、ユーザーフレンドリーな遊技機を提供することができることとなる。
【0402】
また、払出制御手段は、賞球に係る情報を一時記憶するための払出処理関連情報一時記憶手段を有しており、当該払出処理関連情報一時記憶手段は、メイン基板から受信した各入賞口への入賞数を計数するための各入賞カウンタと、遊技者の現在の持ち球数(遊技に供することのできる遊技媒体数)を計数するための持ち球数カウンタと、現時点で遊技機枠内に存在している遊技球(封入遊技球)数を計数するための封入遊技球数カウンタと、を更に有している。ここで、持ち球数カウンタは、遊技者の現在の持ち球数(遊技に供することのできる遊技媒体数)を記憶するカウンタである。遊技者が遊技を進めた結果、持ち球数カウンタの値がゼロになる場合、言い換えれば、遊技者の現在の持ち球数がゼロになる場合もある。このような場合には、遊技球の発射を停止する必要がある。すなわち、持ち球数カウンタの値がゼロになった場合には、遊技者が発射ハンドルを操作したとしても、遊技球が発射しないように制御する必要がある。発射装置は、発射モータ及び球送り装置等(図示せず)を有し、発射装置の制御回路である発射制御基板によって、発射モータ及び球送り装置の動作を制御しており、発射モータへの駆動信号の供給を中断(禁止)することで、遊技球の発射を停止することができる。また、発射制御基板は、球送り装置への制御信号の供給を中断(禁止)することによっても、遊技球の発射を停止することができる。
【0403】
<総得点表示装置>
本例に係る遊技機では、貸出された遊技球や、所定の入賞口への入球によって得られた遊技球を、演算処理可能な擬似的な遊技媒体とし、発射する遊技球は、実体的な遊技球としてもよい。そのように構成した場合、発射可能な遊技球の総数等を表示可能な総得点表示装置を設けてもよい。総得点表示装置は、7セグメントLEDで形成された9個の表示部を有しており、遊技者から視認容易な位置(例えば、サブ入力ボタンSBの近傍)に設けられている。また、9個(9桁)の表示部は、総得点情報を表示するための5個(5桁)の表示部と、獲得得点情報を表示するための2個(2桁)の表示部と、エラー情報を表示するための2個(2桁)の表示部と、から構成されている。尚、総得点表示装置に表示される発射可能な遊技球の総数は、遊技球が貸出された場合や、所定の入賞口への入球によって賞球が得られた場合に増加し得るよう構成されている。また、総得点表示装置に表示される発射可能な遊技球の総数は、RAMなどの記憶装置に記憶されている。記憶装置は、例えば、メイン基板のCPUに内蔵されているRAMなどにすることができる。なお、これに加え、総得点表示装置にも、別途RAMなどの記憶装置を有するよう構成し、メイン基板と総得点表示装置との双方で発射可能な遊技球の総数に係る情報を記憶できるよう構成してもよい。また、このようにすることで、本例に係る遊技機の総得点表示装置は、遊技球の総数を表示するだけでなく記憶することもできる。
【0404】
また、総得点表示装置には、以下の情報を表示可能とすることができる。
(1)総得点情報
総得点情報とは、発射することが可能な得点の総数を示す情報である。尚、発射可能な遊技球を得点と称することがあり(1球=1点)、発射可能な遊技球数の合計を総得点と称することがある。
(2)獲得得点情報
獲得得点情報とは、所定の入賞口への1回の遊技球の入球によって得られた得点(賞球とも称する)を示す情報である。
(3)エラー情報
メイン基板及び/又は払出制御基板に異常が発生したことを示す情報である。ここで、前述したように、総得点表示装置には、総得点情報を表示するために5つ(5桁)の表示部を有し、獲得得点情報を表示するために2つ(2桁)の表示部を有し、エラー情報を表示するために2つ(2桁)の表示部を有し、合計で9個の表示部を有している。尚、獲得得点情報を表示するための表示部とエラー情報を表示するための表示部は兼用しても良い。このとき、獲得得点情報を表示している場合にエラーが発生した場合には、表示している獲得得点情報からエラー情報に切り替える。一例として、エラー発生時にはエラーの種別毎に「E1」、「E2」、「E3」・・のようにエラーの種別によって異なる表示態様にて表示し、電源断復帰が正常に実行できない場合のエラーとして「E1」を表示するよう構成した場合において、例えば、8球の払い出しが行われる際に「*8」を表示(「*」は消灯を示す)しているときに電源断が起こり、電源断復帰が正常に実行できない場合のエラーは、「E1」表示、電源断復帰が正常に実行できた場合には、「*8」表示のよう構成してもよい。尚、表示部の数は適宜変更可能であり、例えば、総得点情報を表示するための表示部を4つにし、4桁までの情報を表示可能としたり、総得点情報を表示するための表示部を6つにし、6桁までの情報を表示可能としても良い。
【0405】
尚、1分間に100球の遊技球を発射可能な遊技機において、1時間遊技球を発射し続けたときに出玉率が2であった場合には、「イン:100× 60=6000、アウト:12000」となる。遊技場の営業時間が14時間だった場合には、「イン:84000、アウト:168000」となり、このような場合において、遊技場の営業終了時の総得点表示装置に表示される総得点は、おおよそ「168000-84000=84000」となるため、このように構成した場合には、総得点表示装置における総得点情報を表示するための表示部は5つとし、5桁までの情報を表示可能とすることが好適である。
【0406】
複数種類存在するエラーのうち、設定変更時のRAMクリア処理を実行しないと復帰できない復帰不可能エラー(当該エラーが発生する直前の状況には復帰不可能なエラー)が発生した場合、復帰する際には、メイン基板及び/又は払出制御基板のRAMをクリアするが、上述したように総得点に関する情報はクリアしないようにすることによって、遊技者に不利益を与えないようにすることができる(例えば、総得点として「2000」得点有しているときに復帰不可能エラーが発生し、復帰不可能エラーから復帰した際に「0」となることを防止することができる)。また、総得点に関する情報を含むRAMの領域(アドレス)もクリア対象とした場合であっても、総得点に関する情報をCRユニットにも記憶しておき、復帰不可能エラーから復帰した場合には、接続端子板から総得点に関する情報をメイン基板及び/又は払出制御基板に送信するように構成することによって、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である。また、総得点表示装置にRAMを備えている場合には、当該RAMに総得点に関する情報を記憶することによって復帰不可能エラーが発生し、復帰不可能エラーから復帰した場合であっても、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である。換言すると、電源断が発生した場合やメイン基板及び/又は払出制御基板のRAMをクリアした場合にも総得点情報をバックアップするための手段(総得点情報をバックアップするための記憶領域)を有していれば、復帰不可能エラーが発生した場合であっても、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である(総得点情報をメイン基板及び/又は払出制御基板のRAM内の記憶領域とバックアップするための記憶領域とに記憶するよう構成してもよいし、メイン基板及び/又は払出制御基板のRAMをクリアしても消去されない記憶領域(バックアップするための記憶領域)のみに記憶するよう構成してもよい。
【0407】
<差玉数に関する情報>
本例に係る遊技機においては、所定の期間(例えば、遊技者が遊技を開始してからの所定の期間)における遊技球数(得点)の差玉数{払い出されたすべての遊技球数から発射したすべての遊技球数を減算した球数}を確認可能に構成してもよい。例えば、遊技者から常時確認(視認)可能な位置に差玉数を表示する表示部を設けてもよいし、演出表示装置に表示し得るよう構成してもよい。尚、演出表示装置に差玉数に関する表示を表示し得るよう構成した場合には、演出表示装置の一部の表示領域に差玉数に関する表示を常時表示するよう構成してもよいし、操作有効期間にてサブ入力ボタンSBを操作することにより表示されるメニュー画面にて(又は、メニュー画面にて再度サブ入力ボタンSBを操作することによって)、演出表示装置に差玉数に関する表示を表示するよう構成してもよい(遊技者が差玉数の確認を所望した場合にはサブ入力ボタンSBを操作することによっていつでも差玉数を確認可能に構成してもよい)。尚、遊技を開始した時点等の所定のタイミングからの総得点の増減値を差玉数としてもよく、例えば、遊技開始時の総得点が2000点(球)であり、現在の総得点が2500点(球)である場合には、差玉数は+500点(球)となり、遊技開始時の総得点が2000点(球)であり、現在の総得点が1500点(球)である場合には、差玉数は-500点(球)となるよう構成してもよい。また、差玉数を所定の表示部(例えば、演出表示装置)に表示する場合、差玉数が正の値及び0の場合には黒色にて表示し、差玉数が負の値である場合には赤色にて表示する等、差玉数の値によって表示色(表示態様)を異ならせてもよい。
【0408】
尚、前記差玉数に関する情報として、現在の差玉数の情報や、所定数から現在の差玉数を減算した遊技球数に関する情報を、メイン基板が計測及び演算し、メイン基板側にて記憶し得るよう構成してもよい。また、前記差玉数に関する情報として、現在の差玉数の情報や、所定数から現在の差玉数を減算した遊技球数に関する情報を、メイン基板以外の基板(例えば、払出制御基板KH)が計測及び演算し、メイン基板側にて記憶し得るよう構成してもよい。また、当該メイン基板が記憶した情報をサブ基板側に送信し得るよう構成してもよい。また、他の装置から差玉数に関する情報を受信し、メイン基板側が把握できるようにしても良い。
【0409】
また、差玉数に関する構成として、以下のように構成してもよい。
(1)差玉数が所定数に到達した場合に、遊技の進行を停止する。一例としては、遊技者が発射ハンドルを操作しても遊技球が発射されない、入賞口への入球が無効になる、メイン基板側の各種抽選を実行しないように構成してもよい。
(2)差玉数に関する情報を所定の記録媒体に電磁的に記録可能に構成してもよく、さらに、遊技者が遊技を開始する際に当該記録媒体に記憶している情報を読み込んで、差玉数に関する情報を引き継いで遊技を進行可能に構成してもよい。そのように構成した場合には、遊技者が1日に複数台の遊技機にて遊技を実行した場合にも、差玉数を引き継いで計測することができ、当該遊技者の1日における差玉数を把握することができる。また、遊技者の1日における差玉数が所定数に到達した際には、前述したように遊技を停止すると共に、前記記録媒体に遊技を停止する所定数に差玉数が到達した旨の情報を記録し、所定期間(例えば、次の営業日になるまで)遊技ができない(遊技球の貸し出しができない)よう構成してもよい。尚、遊技者が1日に複数台の遊技機にて遊技を実行した場合においては、いずれの遊技者が遊技を実行したのかを把握可能に構成することが好適であり、例えば、前記記録媒体にどの遊技者が遊技を実行しているか識別可能な識別情報を記録しておき、遊技を開始する際に当該識別情報を参照して、前記1日における差玉数の情報を読み出し可能に構成することが好適である。
【0410】
また、遊技の進行を停止した際には、遊技の進行を停止した旨の情報をサブ基板等、他の制御基板に送信し得るよう構成してもよく、例えばサブ基板に情報を送信する場合には、送信された情報に基づいて、以下のように、所定の表示を行う制御や、実行中の演出等の表示の表示態様を変化させる制御を行うことが可能となる。
(1)遊技の進行を停止した際には、演出表示装置にて、遊技の進行を停止した旨の表示として、(1-1)現在表示中の演出よりも前面のレイヤーに遊技を停止した旨の表示を演出表示装置の表示領域の半分以上の面積を要して表示する、(1-2)現在表示中の演出よりも前面のレイヤーに所定の注意喚起画像(例えば、「ぱちんこは適度に楽しむ遊びです」との表示)を表示する、(1-3)現在表示中の演出の表示を消去して演出表示装置の表示領域全体に遊技の進行を停止した旨の表示を表示する、よう構成してもよい。また、遊技の進行を停止した旨の表示を表示する際には、当該表示専用の音声を出力(例えば、「遊技を終了します。のめりこみに注意してください」)してもよいし、当該表示専用の点灯態様にて遊技効果ランプを点灯させてもよい。
(2)差玉数が前記所定数に到達した際に大当り中、開始デモ時間、又は大当り図柄に係る図柄変動中であった場合には、(2-1)遊技の進行を停止する処理を実行せず、その後大当りにて増加した遊技球数以上差玉数が減少した際に遊技の進行を停止する、(2-2)遊技の進行を停止し、且つ、その後遊技者では不可能な操作(例えば、遊技場管理者のみが実行可能な操作)によってのみ遊技の進行を再開可能、又は、設定変更時のRAMクリアを実行しない限り遊技を再開不可能、のように構成してもよい。
【0411】
また、遊技の進行が停止することとなる所定数に到達していない場合に、メイン基板側からサブ基板側に差玉数に関する情報を送信し得るよう構成してもよく、そのように構成した場合には、サブ基板側にて実行する表示として、遊技の進行が停止することとなる差玉数である所定数まで、あと一定数差玉数が減少すると到達する状況となった場合(例えば、あと100球の発射によって所定数に到達する場合)には、遊技の進行の停止が迫っている旨を演出表示装置にて表示または音声にて出力するよう構成してもよい。また、例えば、前記所定数が-2500点(球)である場合において、差玉数が前記所定数に対して相対的に近い値である場合(例えば、-2000球)よりも、差玉数が前記所定数に対して相対的に遠い値である場合(例えば、+1000球)の方が、サブ基板側にて実行する演出として、図柄変動中に予告演出(例えば、会話演出等)を実行する頻度が高くなるよう構成してもよい。
【0412】
<総得点が上限値となった場合の作用>
また、遊技球の払出が発生した場合に総得点が増加し得ることとなるが、総得点に上限値を設けて、総得点が当該所定値に到達した場合には、総得点が増加しないよう構成してもよい。一例としては、総得点に関する記憶領域の大きさを2バイトとした場合、記憶可能な総得点は0~65535までとなり、総得点の上限値は65535となる。そのように構成した場合、総得点が65510である状況下、大入賞口に遊技球が入球し、15球の払出が発生した場合には、15点(球)の得点が総得点に加算され、総得点は65525となる。一方、総得点が65530である状況下、大入賞口に遊技球が入球し、15球の払出が発生した場合には、15点(球)の得点が総得点に加算されると総得点の上限値である65535を超過してしまうため、5点(球)の得点が総得点に加算され、総得点は上限値である65535となる。尚、総得点が上限値である場合に、CRユニットCRU(ECOユニットと称することがある)から総得点を増加する旨の情報を受信した場合にも、総得点が増加しないよう構成してもよい(例えば、CRユニットCRUへの紙幣の投入が無効になる、CRユニットCRUに設けられた得点を貸し出すためのボタンの操作が無効になる)。尚、入賞により総得点が上限値に到達する(超過する)状況となった場合には、エラーが発生して遊技の進行が停止するよう構成してもよい。また、入賞により総得点が上限値に到達する(超過する)状況となった場合に、上位桁を16進表示にする、スクロール表示・切替表示させる等、表示形態を変えることにより全体の得点を表示してもよい。
【0413】
<遊技価値情報に関する構成>
1球の遊技球又は1点の得点の価値が第1の価値(例えば、4円)である旨の情報と、1球の遊技球又は1点の得点の価値が前記第1の価値よりも低い第2の価値(例えば、1円)である旨の情報とを、遊技機内に設けられた端子板である接続端子板からメイン基板(以降のメイン基板を払出制御基板としてもよい)に送信可能に構成してもよい。尚、第1の価値である情報と第2の価値である情報とを遊技価値情報と称することがある。また、そのように構成した場合に、第1の価値である情報と第2の価値である情報とのいずれの情報を受信したのかをメイン基板が記憶可能に構成してもよい。また、メイン基板が記憶している遊技価値情報と、接続端子板から受信した遊技価値情報とが一致しているかを確認可能に構成してもよく、当該確認の実行タイミングとしては、(1)常時一致しているかを確認する、(2)所定の遊技球数を発射する毎(例えば、排出球を計測することによって発射球数を計測する)、(3)所定の期間毎(例えば、1時間)、(4)電源断が発生した後の電源復帰後、(5)設定変更に関するRAMクリア処理の実行後、のようにしてもよい。また、メイン基板が記憶している遊技価値情報と、接続端子板から受信した遊技価値情報とが一致しているかを確認した結果、一致していないと判定した場合、例えば、メイン基板にて記憶している遊技価値情報が第1の価値であり、接続端子板から受信した遊技価値情報が第2の価値である場合には、遊技価値情報が一致するまで遊技の進行を停止し、遊技球の発射を不可能にしたり、入賞口への入球を無効にしたり、得点(総得点)の精算処理を実行不可能とするよう構成してもよい。
【0414】
また、前述したように、遊技の進行を停止した際に、メイン基板側からサブ基板側に遊技の進行を停止した旨の情報を送信し得るよう構成した場合において、(1)メイン基板が第1の価値である遊技価値情報を記憶している状況下、差玉数が所定値に到達した場合には遊技の進行を停止且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行する一方、メイン基板が第2の価値である遊技価値情報を記憶している状況下、差玉数が所定値に到達した場合には遊技の進行を停止しない且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行しない(2)メイン基板が第1の価値である遊技価値情報を記憶している状況下、差玉数が所定値に到達した場合には遊技の進行を停止且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行する一方、メイン基板が第2の価値である遊技価値情報を記憶している場合には差玉数に拘わらず遊技の進行を停止しない且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行しない、(3)メイン基板が第1の価値である遊技価値情報を記憶している状況下、差玉数が所定値(例えば、-2500球)に到達した場合には遊技の進行を停止且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行し、メイン基板が第2の価値である遊技価値情報を記憶している状況下、差玉数が前記所定値よりも少ない値である特定値(例えば、-10000球)に到達した場合には遊技の進行を停止且つ遊技の進行を停止した旨の演出を実行する、よう構成してもよい。尚、差玉数に基づいて遊技の進行を停止する旨の演出を実行し得るよう構成したが、これには限定されず、差玉数と遊技価値情報とに基づいて算出可能である得点(遊技価値、遊技球、持ち点)の貸出金額に関する情報に基づいて、遊技の進行の停止に関する演出を実行するよう構成してもよい。また、メイン基板が第1の価値である遊技価値情報を記憶している状況にて差玉数に関する演出を実行する場合の演出態様と、メイン基板が第2の価値である遊技価値情報を記憶している状況にて差玉数に関する演出を実行する場合の演出態様とを相違させてもよい。このように構成することによって、遊技者の使用している金額に基づいた演出の実行態様とすることができ、適切に遊技に対するのめりこみを防止することができる。
【0415】
<遊技の終了操作の構成>
また、精算ボタンを有するよう構成し、遊技者が精算ボタンを操作することによって、メイン基板から接続端子板に得点に関する情報を送信し得るよう構成してもよい(当該操作によって遊技を終了することができる)。尚、当該得点に関する情報を送信している途中にて電源断が発生した場合においては、電源断復帰後に、(1)メイン基板から接続端子板へ再度得点に関する情報を送信する(2)接続端子板からメイン基板へ再度超過した分の得点に関する情報を送信することを要求する要求信号を送信し、その後、メイン基板から接続端子板に再度得点に関する情報を送信する、よう構成してもよい。
【0416】
また、扉ユニット開放中に精算ボタンを操作した場合には、(1)得点の精算に関する処理を実行する、(2)得点の精算に関する処理を実行しないよう構成してもよい。また、精算ボタンを操作した直後に扉ユニットが開放した場合には、得点の精算に関する処理を中断せずに継続して実行可能に構成してもよい。
【0417】
設定確認状態にて精算ボタンを操作した場合において、(1)設定値が確認可能な状況にて得点の精算に関する処理を実行する、(2)設定値が確認できなくなり、得点の精算に関する処理を実行する、(3)設定値が確認可能な状況にて得点の精算に関する処理を実行しない、(4)設定値が確認できなくなり、得点の精算に関する処理を実行しないよう構成してもよい。
【0418】
設定変更モードにて精算ボタンを操作した場合において、(1)設定変更モードのまま得点の精算に関する処理を実行する、(2)設定変更モードが終了し、得点の精算に関する処理を実行する、(3)設定変更モードのまま得点の精算に関する処理を実行しない、(4)設定変更モードが終了し、得点の精算に関する処理を実行しないよう構成してもよい。
【0419】
主遊技図柄の変動中にて精算ボタンを操作した場合において、(1)主遊技図柄が変動したまま得点の精算に関する処理を実行する、(2)主遊技図柄が変動したまま得点の精算に関する処理を実行しないように構成してもよい。
【0420】
大当りの実行中(又は小当りの実行中)にて精算ボタンを操作した場合において、(1)大当り(又は小当り)が実行されたまま得点の精算に関する処理を実行する、(2)大当り(又は小当り)が実行されたまま得点の精算に関する処理を実行しないよう構成してもよい。
【0421】
以上の通り、メイン基板と接続端子板との間で得点に関する情報を送信又は受信している最中に、意図していない事象(電源断、エラー)が発生した場合であっても、正確に得点に関する情報を送信又は受信が可能となる。なお、上述の構成に際し、又は上述の構成に加え、送信側は、(1)得点に関する情報の中に、送信が終了したことを示すデータを含める(例えば、シリアル通信の場合に終了ビット情報を有する)、(2)得点に関する情報を送信した後に、終了を示す情報を送信する、ように構成されていても良い。また、受信側は、送信された得点に関する情報を受信した後に、送信側に対して情報を受信したことを示す受信完了情報を送信するように構成されていても良い。
【0422】
図46は、ECOぱちんこ遊技機の仕様を採用した第2の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す。
図44との相違点は、操作部装置1050の構成である。具体的には、操作部装置1050には、持ち球数表示装置MU、ECOユニット操作パネルESが設けられている。
【0423】
次に、
図47は、
図46における操作部装置1050の詳細を示す図である。持ち球数表示装置MUには、持ち球数表示部1501、精算数設定表示部1502、情報表示部1503、全精算ボタン1504、一部精算ボタン1505、精算単位数設定ボタン1506が設けられ、ECOユニット操作パネルESには、精算済み表示部601、再遊技ボタン602、カード残高表示部603、貸出ボタン604、カード返却ボタン605、状態表示部606が設けられている。
【0424】
持ち球数表示部1501は、例えば、6桁の7セグメントLEDにより構成されており、遊技機側で記憶(保持)している持ち球数を「999,999」個まで表示可能となっている。精算数設定表示部1502は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成されており、持ち球数の一部を精算する際の単位遊技球数を「9,999」個まで表示可能となっており、各桁に対応して配置された精算単位数設定ボタン1506の上ボタン又は下ボタンを操作することにより、単位精算数を桁ごとに設定することが可能である。情報表示部1503は、英字表示可能なLED等により構成されており(図示省略)、エラー等が発生した際にエラー情報の表示や後述する精算確認の表示が可能となっている。具体的には、払出制御基板と持ち球数表示部1501との間における通信異常であれば「E1」、払出制御基板とECOユニットEUとの間における通信異常であれば「E2」のようにエラーに対応するコード情報が表示される。尚、持ち球数表示部1501では、持ち球数以外の情報(例えばエラー情報等)が表示されることがないよう構成することが好適である。尚、上記桁数はあくまで一例であり、変更しても問題ない。
【0425】
全精算ボタン1504は、メカスイッチ等により構成され、遊技機側で記憶(保持)している遊技球(持ち球)を精算する際に操作するためのボタンであり、操作面が持ち球数表示装置MUの中で最も大きくなるように構成されている。なお、誤操作を防止するために、複数回の操作により全精算処理が行われるよう構成されている。一部精算ボタン1505は、メカスイッチ等により構成され、遊技機側で記憶(保持)している遊技球(持ち球)のうちの一部を精算する際に操作するためのボタンであり、前述した全精算ボタン1504よりも操作面が小さくなるように構成されている。なお、全精算処理と同様に誤操作を防止するために、複数回の操作により一部精算の処理が行われるよう構成されている。
【0426】
次に、ECOユニット操作パネルESについて説明する。精算済み表示部601は、例えば、持ち球数表示部1501と同様に、6桁の7セグメントLEDにより構成されており、ECOユニット側で管理されている遊技者の持ち球数を「999,999」個まで表示可能となっている。カード残高表示部603は、例えば、3桁の7セグメントLEDにより構成されており、ICカードに記録された残高(度数)を表示可能である。貸出ボタン604は、例えば、メカスイッチ等により構成され、ICカードに記録された残高(度数)の範囲内で遊技球を貸し出す際に操作するためのボタンである。カード返却ボタン605は、例えば、メカスイッチ等により構成され、遊技者がICカードを抜去する際に操作するボタンである。再遊技ボタン602は、例えば、メカスイッチ等により構成され、遊技者が操作すると精算済み表示部601に表示される精算済み遊技球を利用可能とするためのボタンである。なお、詳細は後述するが、ECOユニット操作パネルESに設けられた各種のボタン入力に応じた制御や表示制御等はECOユニット側の制御部により行われることとなる。
【0427】
図48は、ぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を示す。ぱちんこ遊技機には、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載され、遊技球の発射制御や賞球付与・発射による遊技球の消費に対応する持ち球データの加減算制御を司る払出制御基板と、前述した持ち球数表示部1501等の各種表示部並びに全精算ボタン1504等の各種入力操作部が設けられた持ち球数表示装置MUと、払出制御基板とECOユニットEUとの間で送受信される情報を中継するためのECOユニット接続端子板と、前述したカード残高表示部603等の各種表示部並びに貸出ボタン604等の各種入力操作部が設けられたECOユニット操作パネルESとが設けられており、ECOユニット接続端子板を介してぱちんこ遊技機の外部に設置され、適宜制御機能が設けられているECOユニットEUと情報の通信が可能に構成されている。なお、本明細書中において、ECOユニットEUをぱちんこ遊技機の一部として説明している場合もあるが、ここでは、ぱちんこ遊技機と別の装置として説明する。
【0428】
<払出制御基板>
払出制御基板は、メイン基板及びECOユニットEUからの情報(主に遊技者の持ち球の加算対象となる情報)、発射検出センサまたは後述する球送りセンサ(主に遊技者の持ち球の減算対象となる情報)等に基づいて遊技に係る持ち球の操作(加算・減算等)を制御すると共に、当該持ち球情報の表示や発射装置(発射ハンドル・発射モータ・球送り装置等)の動作を制御し得るよう構成されている。
【0429】
また、払出制御基板は、賞球に係る情報を送受信するための送受信制御手段と、賞球払出しに係る処理を司る払出制御手段と、遊技球の発射に係る処理を司る発射制御手段と、払出制御基板側での電断時の処理を司る電断時・電断復帰時初期処理制御手段と、を有している。
【0430】
ここで、送受信制御手段は、情報の受信を制御する受信制御手段と、情報の送信を制御する送信制御手段と、を有している。また、受信制御手段は、メイン基板から受信した情報を一時記憶するためのメイン側受信情報一時記憶手段と、ECOユニットEUから受信した情報を一時記憶するためのECOユニット側受信情報一時記憶手段と、を更に有している。
【0431】
次に、払出制御手段は、賞球に係る情報を一時記憶するための払出処理関連情報一時記憶手段を有しており、当該払出処理関連情報一時記憶手段は、メイン基板から受信した各入賞口への入賞数を計数するための各入賞カウンタと、遊技者の現在の持ち球数(遊技に供することのできる遊技媒体数)を計数するための持ち球数カウンタと、現時点で遊技機枠内に存在している遊技球(封入遊技球)数を計数するための封入遊技球数カウンタと、を更に有している。
【0432】
次に、発射制御手段は、遊技球の発射制御に係る情報を一時記憶するための発射制御関連情報一時記憶手段を有している。
【0433】
次に、電断時・電断復帰時初期処理制御手段は、電断時の情報を一時記憶(バックアップ)するための電断時情報一時記憶手段を有している。ここで、図示省略するが、電断時情報一時記憶手段に電源を供給するためのバックアップ用電源が、払出制御基板に設けられている。このバックアップ用電源は、電源供給ユニットに接続されて給電されており、電断が生じたときに電源供給ユニットからの給電が遮断された場合でも、バックアップ用電源から電断時情報一時記憶手段に電源を供給することができ、電源断時に払出制御基板内に記憶されている未払出数や持ち球数(例えば、持ち球数カウンタの値、封入遊技球数カウンタ等)や各種のフラグを電源断中も記憶保持することができ、遊技に重要な情報である各種の払い出し情報を保持することができる。なお、封入遊技球数カウンタの値は、電源復帰時にクリアするよう構成してもよい。言うまでもないが電断時情報一時記憶手段は、払出処理関連情報一時記憶手段と共通のRAMにより構成し、或いは払出処理関連情報一時記憶手段そのものを一時記憶することにより構成することができる。
【0434】
<ECOユニット>
次に、ECOユニットEUは、カードユニットRに類し、ECOユニット接続端子板を介してECOユニット操作パネルESと接続され、遊技者の個人状態情報(例えば、カード残高や所持している遊技媒体数情報)が記録されたICカード(会員カード、一般カード)を挿入することで、当該ICカードに記録された状態情報をECOユニット操作パネルES上にて表示可能であると共に、ECOユニット操作パネルESの入力操作部(貸出ボタン604、カード返却ボタン605)を操作することによりICカードに記録されたカード残高や所持している遊技媒体数情報を用いた遊技球の貸出制御や遊技機から送信された各種情報に基づく制御処理等を行うことができるよう構成されている。
【0435】
<ECOユニット接続端子板>
ECOユニット接続端子板は、詳細は後述するが、払出制御基板とECOユニットEU、ECOユニットEUとECOユニット操作パネルES、とを接続するための基板であり、各種信号が当該ECOユニット接続端子板を介して送受信される。
【0436】
尚、ECOユニット接続端子板には、払出制御基板、ECOユニット操作パネルES、ECOユニットEUからの信号が双方向に入力されるように図示されているが、ECOユニットEUがECOユニット操作パネルESを制御するよう構成されているに過ぎず、ECOユニット操作パネルESに関する状態情報を払出制御基板が受信する構成とはなっていない。
【0437】
<持ち球数表示装置>
次に、持ち球数表示装置MUは、持ち球数を表示するための持ち球数表示部1501と、後述する一部精算するために精算する遊技球数を表示する精算数設定表示部1502と、エラー等が発生した際にエラー情報等を表示可能な情報表示部1503と、遊技者が操作可能な入力操作部と、を有している。尚、持ち球数表示装置MUの入力操作部には、獲得した全ての遊技球数を精算するための全精算ボタン1504と、獲得した一部の遊技球数を精算するための一部精算ボタン503と、一部精算する遊技球数を設定するための精算単位数設定ボタン1506と、を有している。
【0438】
<ECOユニット操作パネル>
次に、ECOユニット操作パネルESは、精算済みの遊技球数を表示する精算済み表示部601と、ECOユニットEUに挿入されたICカード(会員カード、一般カード)に記録された状態情報(例えば、カード残高)を表示するためのカード残高表示部603と、ECOユニットEUとECOユニット操作パネルESとの間で通信異常が発生した場合にエラー表示が行われる状態表示部606と、ECOユニット操作パネルの入力操作部と、を有している。尚、ECOユニット操作パネルESにおける入力操作部は、精算済みの遊技球から再度遊技を行う場合に操作する再遊技ボタン602と、遊技球の貸し出しを行うための貸出ボタン604と、ECOユニットEUに挿入されたICカード(会員カード、一般カード)を抜去するためのカード返却ボタン605と、を有している。
【0439】
次に、送受信される情報等(例えば、情報や信号)について説明する。まず、ぱちんこ遊技機(払出制御基板)とECOユニットEUとの間において送受信される情報等について説明する。尚、上述した通り、遊技機(払出制御基板)とECOユニットEUとの間では、ECOユニット接続端子板を介して情報等が送受信されるよう構成されている。
【0440】
具体的には、ECOユニットEUからぱちんこ遊技機(ECOユニット接続端子板)に送信される信号(情報)としては、ECOユニット操作パネルESを動作させるための操作パネル駆動信号、遊技球を貸し出すための貸出要求信号、ECOユニットが遊技機からの情報等を受信可能であること(準備完了状態であること)を示すユニットRDY信号、例えばECOユニット側のエラー状態等、ECOユニット側で管理している状態情報が送信される。一方、遊技機(ECOユニット接続端子板)からECOユニットEUに送信される信号(情報)としては、遊技機情報{設定値情報、設定毎の役物比率情報、入球状態情報、外部出力情報(大当り信号、確変信号、図柄変動信号、入賞信号、賞球信号、貸出信号等)、持ち球数情報等}、持ち球数表示装置の入力操作部の操作情報(精算情報)、ECOユニットEUから情報等を受信可能であること(準備完了状態であること)を示す遊技機RDY信号、ECOユニット操作パネルESの入力操作部からの操作信号が送信される。なお、貸出要求信号、ユニットRDY信号は払出制御基板に入力され、遊技機情報、精算情報、遊技機RDY信号は払出制御基板から出力される。
【0441】
次に、ECOユニット操作パネルESとECOユニットEUとの間においてECOユニット接続端子板を介して送受信される情報等について説明する。ECOユニット操作パネルESからECOユニットEUへ、ECOユニット操作パネルESの入力操作部の貸出ボタン604が操作されたこと、及び、カード返却ボタン605が操作されたことを示す操作信号が送信される。一方、ECOユニットEUからECOユニット操作パネルESへは、精算済み表示部601、カード残高表示部603、状態表示部606等の表示部を駆動するための操作パネル駆動信号が出力され、ECOユニットEUに挿入されたICカードに記録された各種情報(例えばカード残高情報)が、ECOユニット操作パネルESの対応する表示部(例えば、カード残高表示部603)に表示される。
【0442】
次に、払出制御基板と持ち球数表示装置MUとの間において送受信される情報等について説明する。払出制御基板から持ち球数表示装置MUへ、持ち球数情報(例えば、払出処理関連情報一時記憶手段に記憶されている持ち球数カウンタの情報)、持ち球数表示装置MUの情報表示部1503でエラー情報等を表示するための異常情報、が送信される。持ち球数表示装置MUから払出制御基板へ、持ち球数表示装置MUの入力操作部(全精算ボタン1504、一部精算ボタン1505、精算単位数設定ボタン1506)の入力操作情報、が送信される。
【0443】
尚、全精算ボタン1504と一部精算ボタン1505とが同時に押下された場合(1回のタイマ割り込み処理にて全精算ボタン1504と一部精算ボタン1505との押下を検出した場合)には、一部精算処理を優先するように構成されている。また、一方が押下された後に他方が押下された場合には先行する押下を有効として処理を行うように構成されている。
【0444】
また、1回のタイマ割り込み処理にて全精算ボタン1504と一部精算ボタン1505とが同時に押下された場合には、いずれの処理も行わないようにしてもよい。このように構成することで、例えば、持ち球がある状態で、操作部装置1050の持ち球数表示装置MUを清掃する必要が生じた際、全精算ボタン1504と一部精算ボタン1505を同時に押下した状態を維持したまま拭き掃除等を行うことで、全精算ボタン1504もしくは一部精算ボタン1505のいずれか一方を不用意に押下する事態を避けることができる。このとき、1回のタイマ割り込み処理にて全精算ボタン1504と一部精算ボタン1505の押下を検出したことを条件としていずれの処理も行わないようにするのが望ましいが、同時押下の判断材料としてはこれに限らず、一方のボタンの押下検出から所定時間以内(例えば、500ms)に他方のボタンの押下検出があった場合には同時押下と見做すようにしても良い。言うまでもなく、ECOユニット操作パネルESにおける貸出ボタン604と返却ボタン605においても同様の構成を採用することは容易である。
【0445】
このように、全精算処理では、1回目の全精算ボタン1504の操作により、精算確認表示(例えば、情報表示部1503等を用いて「全精算してよろしいでしょうか?」を表示する処理)が行われ、2回目の全精算ボタン1504の操作により、全精算を実行する。また、1回目の操作により表示された精算確認表示は所定時間(例えば、3秒)経過すると消去され、消去された後に全精算ボタン1504が操作された場合には、再度精算確認表示を行うこととなる。つまり、1回目の操作から所定時間(例えば、3秒)以内に2回目の操作が行われることで初めて全精算が実行されるよう構成されている。これにより、誤って全精算ボタン1504を操作しても即座に全精算が行われ、遊技が停止するようなことがない。なお、全精算ボタン1504の誤操作を防止する処理として全精算ボタン1504が一定時間継続して操作された(例えば、3秒以上オンが継続した)ことを条件に全精算処理を実行することも可能である。
【0446】
尚、通信エラー処理等による遊技機の異常(例えば、遊技の進行が停止することとなる異常)時には精算情報を特定の記憶領域に保持し、通常のクリア処理では削除できないように構成しておくことが望ましい。また、当該異常が発生した場合、特殊なメンテナンス操作が行われない限り、精算数情報をECOユニットに再送信できないように構成することが望ましい。これにより、通信異常を用いた不正行為を抑止することが可能となる。
【0447】
このように、一部精算処理では、精算単位数設定ボタン1506の操作により設定された一部精算数(精算数設定表示部1502に表示される精算数)を精算するために、1回目の操作により、精算確認要求処理(例えば、情報表示部1503等に「一部精算してよろしいでしょうか?」を表示する処理)が行われ、2回目の操作により、一部精算を実行する。尚、1回目の操作により表示された精算確認表示は所定時間(例えば、3秒)経過すると消去され、消去された後に一部精算ボタン1505が操作された場合には、再度精算確認表示を行うこととなる。つまり、1回目の操作から所定時間(例えば、3秒)以内に2回目の操作が行われることで初めて一部精算が実行されるよう構成されている。これにより、持ち球数が少ないときに誤って一部精算ボタン1505を操作して即座に精算が行われ、遊技が停止するようなことがない。また、遊技者が任意に一部精算数を設定でき、更に2回目の精算時の設定値を反映できるため、効率的な一部精算を実現することができる。
【0448】
尚、一部精算ボタン1505の誤操作を防止する処理として一部精算ボタン1505が一定時間連続して操作されたことを条件に一部精算処理を実行することも可能である。また、1回目の一部精算ボタンが操作されてから所定時間(例えば3秒)の間は精算単位数設定ボタン1506の入力を無効化して、一部精算数を変更できなくすることも望ましい。更に、遊技者が最初に精算単位数設定ボタン1506を操作する前から、一部精算数にデフォルト値(例えば100個)を設定しておくことも好適であり、これにより遊技者が一部精算数を設定しなくても一定量の一部精算が実行可能となる。
【0449】
ここで、一部精算数の設定方法に関する変形例を以下に記載する。
【0450】
(精算単位数が予め複数種類定められており、例えば、250、500、750、100
0等のように定められている構成)
(1)精算単位が予め複数種類(例えば、250、500、750、1000等)定められており、それぞれの精算単位に対応する精算単位数設定ボタン1506が操作された場合に、その単位に応じて精算数を設定可能とする構成としてもよい。具体的には、精算単位「250」に対応する精算単位数設定ボタン1506が操作された場合には、精算数設定表示部1502の表示に「250」を加算し、精算単位「500」に対応する精算単位数設定ボタン1506が操作された場合には、精算数設定表示部1502の表示に「500」を加算する等のように構成する。
(2)精算単位数が予め複数種類(例えば、250、500、750、1000等)定められている場合において、最小精算単位未満の持ち球数のときに最小精算単位が精算数として設定された場合には、全精算となるよう構成される。具体的には、持ち球数が「249」のとき、最小精算単位である「250」が設定された場合には、「249」を精算するよう構成され、持ち球数が「2400」のときには、「2250」までは一部精算の設定が可能である。
【0451】
(精算単位数が予め複数種類定められており、例えば、100、200、300等のように定められている構成)
持ち球数が「99」以下では全精算でのみ精算可能である。もしくは、「100」以上を設定すると、持ち球数分を精算するように構成する。例えば、持ち球数が「1850」であれば、「1800」までは一部精算の設定が可能である。
【0452】
(遊技店毎の景品交換数に対応する精算単位数が用意されている構成)
例えば、遊技店によって、飲み物/40球、タバコ/150球で交換可能のように定めていた場合、これらに対応する精算単位数を、複数の精算単位数設定ボタン1506に設定可能(例えば、ボタン1=40球、ボタン2=150球等)とする。このように構成することにより、球数を設定しなくても一回の入力又は少ない操作回数によって所望する景品に対応した球数を一部精算できるため、円滑な景品交換が期待できる。尚、必ずしも景品と交換球数をセットで表示する必要はなく、交換個数だけが表示されていてもよい。
【0453】
尚、全精算ボタン1504又は一部精算ボタン1505が操作されたことにより持ち球数表示部1501に表示されている持ち球数を減算させる際の表示方法として、以下のような構成が適用可能である。
(1)持ち球数の表示を切り替える
例えば、持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、2回目の全精算ボタン1504の操作が行われた場合には、持ち球数表示部1501の表示を「1,000」から「0」へ切り替える。2回目の一部精算ボタンの操作が行われた場合には、精算単位数設定ボタン1506により設定された一部精算数を減算した値を表示する。持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、設定された一部精算数が「750」であった場合には、持ち球数表示部1501の表示を「1,000」から「250」へ切り替える。
(2)デクリメント表示を行う
例えば、持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、2回目の全精算ボタン1504の操作が行われた場合には、持ち球数表示部1501の表示は、「1,000」⇒「999」⇒「998」⇒・・・「0」となる。2回目の一部精算ボタンの操作が行われた場合には、精算単位数設定ボタン1506により設定された一部精算数を減算した値までデクリメント表示を行う。持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、設定された一部精算数が「750」であった場合には、持ち球数表示部1501の表示は、「1,000」⇒「999」⇒「998」⇒・・・「250」となる。
(3) 持ち球数を所定時間点滅させてから表示を切り替える
例えば、持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、2回目の全精算ボタン1504の操作が行われた場合には、持ち球数表示部1501の表示を「1,000」で所定時間(例えば、3秒)点滅表示させた後、「0」へ切り替える。2回目の一部精算ボタンの操作が行われた場合には、持ち球数を点滅表示させた後、精算単位数設定ボタン1506により設定された一部精算数を減算した値を表示する。持ち球数表示部1501に「1,000」と表示されており、設定された一部精算数が「750」であった場合には、持ち球数表示部1501の表示を「1,000」で所定時間(例えば、3秒)点滅表示させた後、「250」へ切り替える。
【0454】
このように、精算時の持ち球数表示の切り替え構成として様々な構成を適用可能であるが、精算ボタンが操作されてすぐに持ち球数表示を切り替えてしまうと(上記(1)や(2)の例)、遊技者は自身が保有していた持ち球数が何発であったのか確認できないまま精算されることになるため、持ち球数が把握可能である(3)のように構成することが好適である。
【0455】
尚、上記の持ち球数を減算させる際の表示方法の変形例として、以下のように構成することも可能である。
1.持ち球数を所定時間点灯させてから表示を切り替える
「(3)持ち球数を所定時間点滅させてから表示を切り替える」構成は、必ずしも点滅させる必要はなく、遊技者が持ち球数を把握可能であれば良く、例えば、3000msの間だけ点灯させておくように構成してもよい。
2.「(3)持ち球数を所定時間点滅させてから表示を切り替える」構成又は上記「1.持ち球数を所定時間点灯させてから表示を切り替える」構成を、「(2)デクリメント表示を行う」構成にも適用可能である。つまり、持ち球数を所定時間(例えば、3000ms)点滅・点灯させた後、デクリメント表示を行うよう構成することも可能である。
【0456】
以上のように説明したが貸出ボタン604の操作、再遊技ボタン602の操作に対するECOユニットからの貸出要求信号(要求の内容)を、貸出ボタン604を操作した際の状況により変化させることも可能である。具体的には、ICカードに精算済み遊技球のみが記録されている場合や、残高と精算済みの遊技球の双方が記録されている場合が想定され、この場合には、記録された残高を使用するのではなく、精算済み表示部601に表示されている精算済み遊技球を使用するよう構成してもよい。また、貸出ボタン604と再遊技ボタン602との夫々を独立した貸出処理の入力機能として処理するのではなく、再遊技ボタン602が一度操作されると、再遊技ボタン602が点灯し、このときに貸出ボタン604を操作すると精算済み遊技球から遊技可能となるよう構成し、再度、再遊技ボタン602を操作する等により再遊技ボタン602が消灯している際に貸出ボタン604を操作するとICカードに記録された残高を減算して、遊技球の貸し出しが行われるよう構成することも可能である。
【0457】
「ボタン」の用語を用いて説明したが、「ボタン」とは、装置としてのボタンに限られず、画像としてのボタン表示であってもよく、具体的には、各表示部がタッチパネルで構成されており、表示部に表示されたボタン画像を操作する(押下する)ことで、全精算、一部精算、精算単位数の設定等が可能となるよう構成してもよい。また、複数回の操作により精算(全部精算、一部精算)を実行するよう構成したが、これに限られず、長押し等により精算を実行するよう構成してもよい。このように、複数回の操作や長押し等の操作により精算を実行するよう構成することで、誤って全精算ボタン1504や一部精算ボタン1505を操作した場合であってもすぐに精算が実行されることなく、遊技者の意図を反映して精算を実行することが可能となる。
【0458】
図49は、封入式のぱちんこ遊技機の仕様を採用した第3の態様におけるぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を示す。ぱちんこ遊技機は、封入式のぱちんこ遊技機であり、ぱちんこ遊技機とぱちんこ遊技機の外部に設置された貸出ユニットKUとに大別され(遊技場設備に対して、夫々を別体として着脱可能に構成され)、ぱちんこ遊技機においては遊技盤側と遊技機枠側とに大別される(遊技機枠側は遊技場設備に対して着脱可能に構成され、遊技盤側は遊技機枠側に対して着脱可能に構成されている)。以下、まず主にぱちんこ遊技機に係る構成について順に説明する。
【0459】
まず、ぱちんこ遊技機は、操作部装置1050を有している。操作部装置1050は、遊技球数表示器W10、サブ入力ボタンSB、十字キーSB2、計数ボタンW40(転送ボタンとも称する)等から構成されており、遊技球数表示器W10は、持ち球数{遊技に使用(遊技領域内に発射)することのできる遊技球数}を表示する。また、サブ入力ボタンSBと十字キーSB2は、遊技者の操作によってサブ基板側による演出を操作するための装置である。なお、持ち球数を持ち球数カウンタのカウンタ値と称することがある。また、遊技球数表示器W10は遊技者から視認可能な位置に設けられている。
【0460】
図50は、操作部装置1050の詳細を示す。まず、遊技球数表示器W10は、6桁の7セグメントが横一列に整列されて構成されており、遊技機側で記憶(保持)している持ち球数を「999,999」個まで表示可能となっている。なお、持ち球数は持ち球数カウンタを用いて記憶するよう構成されている。また、遊技球数表示器W10の表示に関する詳細は後述することとする。
【0461】
なお、遊技球数表示器W10における表示可能な持ち球数の上限を「999,999」個としたが、このように構成した場合、当該上限を超過したことを判定するために、「999,999」個よりも1桁多い「1,000,000」個を記憶可能な領域を有する必要が生じることとなる。そのため、表示可能な持ち球数の上限値を「990,000」個とするなど、持ち球数が当該上限値を超過した場合にも表示桁数が変わらない値に上限値を設定してもよい。このように構成することで、簡易的な処理にて、持ち球数が上限値を超過したか否かを判定することができる。
【0462】
また、枠制御表示器(6桁の7セグメントが横一列に整列されて構成され、ベース値(性能表示部に表示可能な低ベース状態でのベースに関する値など)や持ち球数(持ち球数カウンタのカウンタ値)を表示可能な表示器であり、遊技機の背面側に設置され、遊技機背面から視認可能であり、換言すると、遊技球数表示器W10とは異なり遊技者から視認不可能である表示器)においても、持ち球数を表示可能であるため、表示可能な持ち球数の上限値が「999,999」個となっているが、遊技球数表示器W10と同様に、枠制御表示器においても、表示可能な持ち球数の上限値を「990,000」個とするなど、持ち球数が当該上限値を超過した場合にも表示桁数が変わらない値に上限値を設定してもよい。
【0463】
持ち球数が表示可能な上限値を超過した場合の作用として、以下の1または複数の構成を適用してもよい。
(1)メイン基板のRAMが更新されない
(2)枠制御基板W(遊技球数表示器W10の表示制御や枠制御表示器の表示制御や貸出ユニットKUとの通信に関する制御等持ち球数に関する制御を行う)のRAMが更新されない
(3)貸出装置KUにおける遊技球の貸出が実行されない
(4)遊技球の発射が不可能となる
(5)入賞口に遊技球が入球しても、賞球が発生しない
(6)計数ボタンW40を操作することで持ち球数の計数が実行される
(7)特別遊技が実行されない
【0464】
また、所定値(表示可能な持ち球数の上限値よりも小さい値であり、例えば、40000個)を超過した場合には、エラーの報知を実行する、または遊技者に対して持ち球数の計数を促す報知を実行するよう構成してもよく、具体例としては、持ち球数が40000個を超過した場合には、メイン基板側のランプ等でエラーの報知を実行してもよいし、メイン基板側のランプ等で計数を促す旨の報知を実行してもよいし、サブ基板側の演出表示装置SGで「計数を実行してください」と表示してもよいし、サブ基板側のスピーカーからの音声により「計数を実行してください」と報知してもよい。このように構成することで、持ち球数が当該上限値を超過した場合に、入賞口に遊技球が入球しても賞球が発生しないよう構成した場合においても、当該上限値よりも小さい値である40000個で遊技者は計数を実行すべきであることを認識することができ、遊技者に対して賞球が発生しない不利益が発生しないようにすることができる。
【0465】
このように構成した場合には、持ち球数が所定値(本例では、40000個)以下となったことと条件として、持ち球数が所定値を超過したことに係るエラーを解除する、または計数に係る報知を終了する(メイン基板側のランプ等による報知を終了する、サブ基板側の演出表示装置SGにおける「計数を実行してください」との表示を非表示とする、サブ基板側のスピーカーからの音声による「計数を実行してください」との報知を終了する、等)よう構成してもよい。
【0466】
また、上記エラーの解除または計数に係る報知を終了する条件を、持ち球数が所定値よりも小さい値である特定値(例えば、37000個)とするよう構成してもよい。このように構成することにより、持ち球数が所定値(本例では、40000個)を超過したり下回ったりを繰り返すことで、頻繁にエラーが発生したり解除されたり(報知が実行されたり終了したり)する煩わしさを解消することができる。
【0467】
次に、計数ボタンW40は、持ち球数を貸出ユニットKUに出力するためのボタンである。なお、持ち球数を貸出ユニットKUに出力することを、持ち球数を計数する、持ち球数を精算すると称することがある。計数ボタンを操作した場合の詳細な作用については後述することとする。
【0468】
なお、計数ボタンの操作によって計数される遊技球数を表示する表示部を設けてもよく、例えば、計数ボタンが操作されると、4桁の7セグメントLEDに計数される遊技球数を所定時間表示し得るよう構成してもよい。
【0469】
また、サブ入力ボタンSBと十字キーSB2は、前述したものと同様であり、サブ基板に接続されており、サブ入力ボタンSBや十字キーSB2を操作することで、予告演出であるボタン演出が進行したり、メニュー画面における各項目を選択及び決定したり、音量・光量の調整を実行することができる。
【0470】
なお、本例においては、遊技球数表示器W10及び枠制御表示器にて、持ち球数カウンタのカウンタ値を遊技者の持ち球数として表示し得るよう構成されている。なお、持ち球数カウンタのカウンタ値を持ち球数データと称することがあり、この場合にも持ち球数データは数値データであることを補足しておく。また、持ち球数カウンタのカウンタ値を持ち球数と称することがある。また、遊技球数表示器W10を第1表示部と称することがあり、枠制御表示器を第2表示部と称することがある。
【0471】
遊技球数クリアボタンをオンにした状態(操作した状態)で遊技機の電源を投入すると、遊技球数クリア処理が実行されるよう構成されている。なお、遊技球数クリアボタンは、遊技機背面側に設けられているため、遊技者からは操作できないよう構成されている。遊技球数クリアボタンを有し、遊技球数クリア処理を実行可能に構成することで、例えば、持ち球数が0でない状態で遊技場の営業が終了した場合(遊技者が1球分のみ残していった場合等)においても、翌日の営業開始前に遊技球数クリア処理を実行することにより、持ち球数が残ったまま営業が開始してしまう事態を防止することができる。
【0472】
球抜きボタンをオンにした状態(操作した状態)で遊技機の電源を投入すると、球抜き状態に移行するよう構成されている。なお、球抜きボタンは、遊技機背面側に設けられているため、遊技者からは操作できないよう構成されている。球抜き状態に移行すると、ぱちんこ遊技機内の遊技球を遊技機外に取り出すことができる(例えば、入球口に入球した後に通過する流路の一部が開放される)ように構成されており、球抜き状態では、遊技球の発射は可能であるが、遊技の進行は停止する(入賞口への入賞が無効となる、図柄変動が実行されない、大当りが実行されない、等)よう構成されている。なお、入賞口への入賞が無効とは、入賞口に遊技球が入球した場合に、当該遊技球の入球を検知しないことであってもよいし、当該遊技球の入球は検知するが入賞に基づく賞球が発生しないことであってもよい。
【0473】
以下、本実施例における特徴的な構成を挙げる。
<構成1>
図30の通常保留画像506は、通常の保留を示す第1保留画像と、特別遊技移行期待度が高いことを示唆する第2保留画像と、を含む。第1保留画像は、例えば白色で点灯する保留画像である。第2保留画像は、
図30(a)の第3通常保留画像506cのように第1保留画像(第1通常保留画像506a、第2通常保留画像506b、第4通常保留画像506d)とは外観上の区別ができるよう、異なる彩色で点灯する保留画像である。特に、期待度が高いことを示唆するよう、目立つ色彩、例えば赤色や虹色で点灯する。なお、通常保留画像506は、保留アイコンとも称する。
【0474】
第1保留画像に対応する図柄変動(第1保留画像に対応する保留が消化されることで実行される図柄変動)の表示中は、特殊演出として画面変形演出を実行可能である。また、第2保留画像に対応する図柄変動(第2保留画像に対応する保留が消化されることで実行される図柄変動)の表示中においても、特殊演出として画面変形演出を実行可能である。なお、画面変形演出は、
図32、
図33等で説明した演出であり、表示中の映像に含まれるフレーム画像に対してその周囲に配した枠画像とともに拡大、縮小、移動、歪曲、揺動、傾斜、ひび割れ、色反転、色変換、などの変形を加える演出である。この変形対象となるフレーム画像については、残存する保留に対応する通常保留画像506を含む。なお、単に「保留画像」と称する場合は、通常保留画像506を指すことを補足しておく。
【0475】
<構成2>
始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起する際は、保留が生起したことを示すために、通常保留画像506をいきなり表示させるのではなく、徐々に表示されるような所定のアニメーションを伴って表示される。通常保留画像506が所定のアニメーション表示を伴って表示開始した以降は、その所定のアニメーション表示とは異なるアニメーション表示(例えば、通常保留画像506が左右に揺れて一往復したり、時計回りに360度回転したり、1.8秒経過後に0.2秒光ったりするアニメーション表示)である特定のアニメーション表示をループ表示可能である。その特定のアニメーション表示をループで複数回繰り返し表示することで通常保留画像506のアニメーションの表示状態を保持する。上記の所定のアニメーション表示は、通常保留画像506が徐々に現れて完全に出現するまでのアニメーション過程の部分である。上記の特定のアニメーション表示は、上記所定のアニメーション表示で完全に出現した通常保留画像506が、左右に揺れて一往復するような短いアニメーションパターンの部分である。特定のアニメーション表示がループで繰り返し表示されることで、通常保留画像506が連続して左右に揺れるアニメーションが表現され、その通常保留画像506に対応する図柄変動が開始されるまで継続される。
【0476】
所定のアニメーション表示および特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかは、特殊演出としての画面変形演出の実行中においても表示可能である(つまり、画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合でもアニメーション表示を実行可能である)とともに、通常保留画像506が画面変形演出における変形の対象となったうえで所定のアニメーション表示および特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかが表示され得る(つまり、通常保留画像506が変形した状態で表示され、その変形状態と同期した態様にてアニメーション表示を実行可能である、具体的に通常保留画像506が傾斜して表示される場合はアニメーション表示も通常保留画像506が傾いた状態での実行態様となる)。これにより、画面変形演出を画面全体で一体感のあるものとすることができる。なお、第1保留画像における所定のアニメーション表示と、第2保留画像における所定のアニメーション表示とは異なる表示態様(例えば、前者が下から徐々に表示されるアニメーション、後者が徐々に拡大して表示されるアニメーションなど)であることが望ましく、第1保留画像における所定のアニメーション表示の実行開始を契機に第1保留画像に対応した保留画像生起音(例えば、「ピコ」の音声であり、出力期間が0.5秒で小音量にて出力)が出力され、第2保留画像における所定のアニメーション表示の実行開始を契機に第2保留画像に対応した保留画像生起音(例えば、「ドーン!」の音声であり、出力期間が1秒で大音量にて出力)が出力されても良い。もしくは、第1保留画像における所定のアニメーション表示が実行開始しても保留画像生起音を出力せず(第1保留画像に対応する保留画像生起音を備えておらず)、第2保留画像における所定のアニメーション表示の実行開始を契機に第2保留画像に対応した保留画像生起音(例えば、「ドーン!」の音声であり、出力期間が1秒で大音量にて出力)が出力されても良い。また、第1保留画像における特定のアニメーション表示と、第2保留画像における特定のアニメーション表示とは同じ表示態様である(例えば、左右に揺れて一往復するアニメーションなどである)ことが望ましが、異なる表示態としても良い(例えば、前者は左右に揺れて一往復するアニメーションであり、後者は時計回りに360度回転するアニメーションなど)。なお、特定のアニメーション表示の実行に対応した演出音は出力されない(特定のアニメーション表示のループ表示開始を契機とした演出音を備えていない)。
【0477】
<構成3>
画面変形演出の非実行中に新たな保留が生起した場合、その生起した保留に対応する通常保留画像506として第1保留画像を表示可能であり、その際には、その第1保留画像が所定のアニメーション表示および特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかを伴って表示可能であり、画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、その生起した保留に対応する通常保留画像506として第1保留画像を表示可能であり、その際には、その第1保留画像が所定のアニメーション表示および特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかを伴って表示可能である。一方、画面変形演出の非実行中に新たな保留が生起した場合、その生起した保留に対応する通常保留画像506として第2保留画像を表示可能であり、その際には、その第2保留画像が所定のアニメーション表示および特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかを伴って表示可能であるが、画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、その生起した保留に対応する通常保留画像506として第2保留画像を表示することはないすなわち、画面変形演出の実行中においては、第2保留画像が表示されない。これにより、注目させるべき状況が重複しないように画面変形演出を優先実行することができる。
【0478】
<構成4>
第1保留画像の表示開始時および第2保留画像の表示開始時のいずれにおいても実行可能な演出として、入賞時演出を有する。入賞時演出は、例えば保留の生起時に所定態様の発光演出(例えば、枠ランプや盤ランプが赤色にて発光する演出であり、当該発光は5秒間、又は、該発光の契機となった保留が消化されるまで実行される)および音声出力演出(例えば、「ズババババ!」の音声であり、出力期間が3秒で大音量又は特大音量にて出力)を発生させる入賞時閃光演出(「入賞時フラッシュ演出」ともいう)である。入賞時演出は、例えば
図42で説明した入球時特殊先読み演出であってもよく、第1始動口11または第2始動口12への新たな入球時に激しい告知音を出力するとともに、装飾ランプ111を激しく発光させる演出であることが望ましい。
【0479】
画面変形演出の実行中に第1保留画像を表示開始する場合は、入賞時演出の実行を伴わない。これにより、注目させるべき状況が重複しないように画面変形演出を優先実行することができる。変形例として、入賞時演出と入賞時特殊先読み演出とを異なる演出とした場合、画面変形演出の実行中に第1保留画像を表示開始する場合、入賞時演出の実行を伴わないが、入賞時特殊先読み演出の実行は伴い得るよう構成しても良い。
【0480】
<構成5>
画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、通常保留画像506は画面変形演出における変形の対象となったうえで新たな保留に対応する通常保留画像506を表示し得る。一方、画面変形演出の実行中に新たな保留が生起しても、保留数表示(
図30の簡易保留画像507)は特殊演出における変形の対象とならずに(つまり、画面変形演出のような変形をすることがなく)更新表示される。例えば、保留数表示が0の状態で新たな保留が生起すると、保留数表示は0から1に更新表示される。より具体的には、2つの保留が存在する状況で画面変形演出が実行され、その画面変形演出の実行中に新たな保留が生起した場合、3つ目の保留に対応した通常保留画像506が変形(例えば、拡大したり、傾斜したり)されたうえで表示される一方で、保留数表示はその表示態様が変形(例えば、拡大したり、傾斜したり)せずに2から3に更新表示される。
【0481】
保留数表示の更新時間より通常保留画像506のアニメーション表示の実行時間の方が長く、通常保留画像506のアニメーション表示の実行時間より画面変形演出の実行時間の方が長い。なお、画面変形演出の実行時間は、変形状態を維持する期間によって異なるが、一例として、最短で5秒、最長で60秒であることが望ましい。保留数表示の更新時間は、例えば動画表示の1フレームに相当する時間(動画のフレームレートが例えば30fpsの場合、1フレームは1/30秒)である。通常保留画像506のアニメーション表示の実行時間は、例えば0.3~1秒である。画面変形演出の実行時間は、例えば5秒である。したがって、保留数表示の更新時間<通常保留画像506のアニメーション表示の実行時間<画面変形演出の実行時間(フレーム画像の変形を維持する時間)の関係となる。
【0482】
<構成6>
画面変形演出が実行される第1の演出パターンにおいては、画面変形演出が実行されない第2の演出パターンにおける場合より、図柄変動中に通常保留画像506が非表示とされる所定の高期待度演出(例えば、スーパーリーチ演出や、後述する高期待度可動役物演出など)が実行される可能性が高い。第1の演出パターンが実行される場合の図柄変動演出パターンは、例えばスーパーリーチ演出が実行される図柄変動演出パターンなど、高期待度の図柄変動演出パターン(リーチ発生後にスーパーリーチ演出が実行される当り変動又は外れ変動)である(もしくはその可能性が高い)。また、第2の演出パターンが実行される場合の図柄変動演出パターンは、例えば通常の外れ図柄変動演出パターン(リーチが発生せずに短時間で終了する外れ変動)である(もしくはその可能性が高い)。
【0483】
所定の高期待度演出の実行中は、通常保留画像506は非表示とされるが保留数表示は表示可能である。これにより、画面変形演出を画面全体で一体感のあるものとする一方で、その後の展開で高期待度演出が実行されるとの期間を持つことができるとともに、そのような状況でも遊技者が現在の遊技状態を把握することを阻害しない。
【0484】
<構成7>
当否判定の結果が所定結果(当り)とは異なる特定結果(外れ)である場合に実行される図柄変動であり、所定の高期待度演出の実行を伴う図柄変動である特定の図柄変動において、所定の高期待度演出へ発展する前のステージ背景画像の表示中は画面変形演出を実行可能である。所定の高期待度演出へ発展する前のステージ背景画像の表示は、
図43に説明する通常リーチ期間670である。一方、特定の図柄変動における所定の高期待度演出の終了後に再表示されるステージ背景画像の表示中は画面変形演出が実行されない。所定の高期待度演出の終了後にステージ背景画像が再表示される期間は、
図43に説明する停止表示期間674である。このように、スーパーリーチ演出など、高期待度演出の実行前後で画面変形演出の実行有無を異ならせることで、注目すべき状況を前半にのみ集中させてその後の展開に期待を持たせつつ、後半は外れの余韻を阻害しないようにすることができる。なお、通常リーチ期間670および停止表示期間674においては、通常保留画像506を表示可能であり、保留数表示を可能であり、通常装飾図柄502を表示可能であり、簡易装飾図柄504を表示可能であるが、所定の高期待度演出が実行される期間(スーパーリーチ期間672)の全ての期間又は少なくとも一部期間においては、通常保留画像506を表示せず、保留数表示を可能であり、通常装飾図柄502を表示せず、簡易装飾図柄504を表示可能である。また、通常リーチ期間670および停止表示期間674においては新たな保留が生起した場合であっても、第1保留画像は所定のアニメーション表示や特定のアニメーション表示を伴って表示可能であるが、第2保留画像は所定のアニメーション表示や特定のアニメーション表示を伴って表示されない(そもそも表示されることがない)。
【0485】
<構成8>
通常装飾図柄502は、第1の表示態様(例えば、静止した態様や、数字やキャラクタが正面を向いている態様)での図柄変動表示を停止してから所定期間が経過した場合に第2の表示態様(例えば、左右に揺れている態様、数字やキャラクタが斜めを向いている態様)にて表示可能である。第1の表示態様は、通常装飾図柄502の図柄変動態様であり、通常装飾図柄502の変動開始から変動停止までの過程である。第2の表示態様は、例えば通常装飾図柄502を揺動させる表示態様である。通常装飾図柄502が変動停止表示してから所定期間、例えば3秒が経過した時点で遊技が待機状態にあれば(換言すれば、通常装飾図柄502が変動停止表示した以降に保留が存在しないが故に新たな変動表示が開始しない状態にあれば)、通常装飾図柄502を揺動させる第2の表示態様に切り替える。
【0486】
通常装飾図柄502が第1の表示態様である状況においては画面変形演出が実行可能である一方、通常装飾図柄502が第2の表示態様である状況においては画面変形演出が実行されない。通常装飾図柄502が第2の表示態様のように特殊な状況を示す動きをしている際に、その動きの視認性を阻害しないようにすることができる。
【0487】
<構成9>
前述の抑制機能における抑制報知演出は、付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する特定情報である計数値MYが所定の規定値(例えば「95000」)に到達した場合に遊技終了を報知する演出(抑制機能作動時報知演出)である。画面変形演出の実行中に特定情報が所定の規定値に到達することで抑制報知演出が実行される場合、画面変形演出は中断される。特定情報である計数値MYが所定の規定値(例えば「95000」)に到達した場合、抑制機能作動フラグがONとなる。これにより、規定値に基づく抑制機能を適切に発動させ、発動後も適切な状態を維持することで、遊技者への報知を的確に実施することができる。なお、計数値MYは、0からインクリメントして規定値である95000に到達し得る仕様であってもよいし、95000からデクリメントして規定値である0に到達し得る仕様であってもよいなど、カウントの上限値が実質的に95000となるような仕様であればよい。
【0488】
<構成10>
抑制報知演出は画面変形演出における変形の対象とはならず(つまり、画面変形演出のような変形をすることがなく)、抑制報知演出の実行中に画面変形演出が新たに実行されることはない。抑制報知演出は、例えば
図33の演出レイヤー524には表示されず、画面変形演出における変形の対象とはならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。抑制報知演出は、例えば
図33の遊技状況レイヤー523またはエラー表示レイヤー521に表示され、画面変形演出が表示される演出レイヤー524より前面側のレイヤーにて優先的に表示される。これにより、規定値に基づく抑制機能を適切に発動させ、発動後も適切な状態を維持することで、遊技者への報知を的確に実施することができる。
【0489】
<構成11>
前述の抑制機能における事前報知演出は、特定情報である計数値MYが特定の規定値(例えば「90000」)に到達した場合に、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示唆する演出(抑制機能作動前報知演出)である。事前報知演出は画面変形演出における変形の対象とはならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)一方、事前報知演出の実行中に画面変形演出を新たに実行可能である。事前報知演出は、例えば
図33の演出レイヤー524には表示されず、画面変形演出における変形の対象とはならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。これにより、抑制機能の事前報知を適切且つ柔軟に発動させ、発動後も適切な状態を維持することで、遊技者への報知を的確に実施することができる。
【0490】
<構成12>
事前報知演出と画面変形演出とは同時に実行可能である(事前報知演出の実行中に画面変形演出が実行開始可能であり、また、画面変形演出の実行中に特定情報が特定の規定値に到達することで事前報知演出が実行可能であり)一方、事前報知演出の方が画面変形演出より前面に表示される。事前報知演出は、例えば
図33の遊技状況レイヤー523またはエラー表示レイヤー521に表示され、画面変形演出が表示される演出レイヤー524より前面側のレイヤーにて優先的に表示される。これにより、抑制機能の事前報知を適切且つ柔軟に発動させ、発動後も適切な状態を維持することで、遊技者への報知を的確に実施することができる。
【0491】
<構成13>
抑制機能の事前報知演出と保留数表示とは同時実行可能である(保留数表示の実行中に特定情報が特定の規定値に到達することで事前報知演出が実行可能であり)が、重畳表示はされない。保留数表示は、例えば
図33の遊技状況レイヤー523における簡易保留画像507であり、事前報知演出は簡易保留画像507と重畳しない位置にて同時表示され得る。
【0492】
<構成14>
画面変形演出を実行可能な高期待度演出の変動パターン(例えば、スーパーリーチ演出が実行される変動パターン)に係る保留である特定保留が存在であり、特定情報が所定の規定値に到達するまでの差数があと1球である状況である特殊状況において、その特定保留の消化前に電源断もないまま所定の1球の入賞に対して2球以上の賞球があった場合、その賞球後に画面変形演出を実行しない。その賞球後に抑制機能が発動するためである。なお、計数値MYがいったん規定値に到達して抑制機能作動フラグがONとなった後は、電源断および電源復帰がなされたとしても、その電源断および電源復帰がRAMクリアを伴うものでない限り、抑制機能作動フラグはクリアされずOFFとはならない。したがって、電源復帰後において抑制報知演出も発動されることとなる。
【0493】
一方、上記特殊状況において、特定保留の消化前に電源断および電源復帰が生じた後で所定の1球の入賞に対して2球以上の賞球があった場合、その賞球後に画面変形演出を実行する場合がある。上記特殊状況において、特定保留の消化前に電源断および電源復帰が生じた後で所定の1球の入賞に対して2球以上の賞球があった場合、計数値MYがクリアされてしまうためである。このように、イレギュラーな状況が発生しなければ画面変形演出の実行を優先し、イレギュラーな状況が発生しても画面変形演出の実行可能性を残すことで、演出の幅を狭めないようにすることができる。
【0494】
<構成15>
抑制報知演出の実行前の所定状況であれば、遊技待機中であることを示す所定の待機演出(待機デモ画面、待機デモ演出)が実行可能であり、その所定状況での所定の待機演出の実行中には画面変形演出が実行されないが保留数表示は実行可能である。ここでいう待機演出は、例えば
図40(c)の画面例で示されるような演出であるが、簡易保留画像507のような保留数表示については待機演出が表示されるレイヤーより前面のレイヤーに表示されてよい。
【0495】
抑制報知演出の実行後(実行中)は、所定の待機演出、画面変形演出、および保留数表示のいずれも実行されない。抑制機能により遊技が終了するためである。このように、遊技待機中においてその状況を遊技者に適切に報知可能としつつ、その状況から抑制機能が発動した場合は、遊技者に待機状況であるとの誤認をさせないよう且つ表示内容の視認性を阻害しないような報知を実現可能とする。
【0496】
<構成16>
なお、待機演出中であっても特定情報が所定の規定値に到達することで抑制報知演出へと切り替える(待機演出を終了させる)ことが可能である。また、待機演出中であっても、特定情報が特定の規定値に到達することで事前報知演出を同時に実行可能である。
【0497】
<構成17>
特別遊技の開始時である開始デモ時間中に実行される大当り開始デモ演出において大入賞口に向けた発射を促す発射報知演出が実行されている状況において、画面変形演出は実行されず、特定情報が所定の規定値に到達しても抑制報知演出は実行されない。ここでいう発射報知演出は、
図33の遊技状況レイヤー523で表示される案内表示530のような小さく表示される右打ち案内ではなく、全画面表示で「アタッカーを狙え!」といった文字列を大きく表示することで、遊技者に発射方向を強く推奨する演出である。なお、発射報知演出の実行中は案内表示530も同時に実行され、その後のラウンド遊技(特に2ラウンド目以降)や終了デモ時間中には、発射報知演出は実行されないが案内表示530は実行される。また、高ベース状態においても発射報知演出は実行されないが案内表示530は実行される。
【0498】
一方、大当り開始デモ演出において発射報知演出が実行されている状況において、画面変形演出は実行されないが、特定情報が特定の規定値に到達することで事前報知演出は同時に実行可能である。すなわち、事前報知演出は発射報知演出が表示されるレイヤーより前面のレイヤーに表示されてよい。このように、利益獲得の機会である特別遊技の実行自体と右打ちすべき状況であることの報知の双方を確実且つ視認性を阻害しない形で実行することができる。なお、事前報知演出と発射報知演出とは同時に実行且つ重畳表示しても良いが、事前報知演出と案内表示530とは同時に実行しても良いが重畳表示はしない(表示領域が別である)よう構成されることが好適である。
【0499】
<構成18>
演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物を用いた可動役物演出を実行可能であり、特別遊技への移行期待度が高いことを示唆する可動役物演出として高期待度可動役物演出を実行可能である。可動役物は、例えば
図34の可動役物520であり、所定タイミングで動作されることで特別遊技移行期待度が高いことを演出的に示唆する。ただし、
図34の可動役物520a~dが画面変形演出の実行中に動作するものであるのに対し、構成18でいう高期待度可動役物演出は、画面変形演出の実行中には実行されない演出である。例えば、画面変形演出以外のスーパーリーチ演出の終盤における当落分岐点となるタイミングで演出ボタン109の押下を促す演出を表示し、遊技者が演出ボタン109を押下して大当りが発生する場合に可動役物を出現させるといった演出である。
【0500】
画面変形演出の実行中は高期待度可動役物演出が実行されない(また、高期待度可動役物演出の実行中は画面変形演出が実行されない)一方、画面変形演出の実行中であっても電源断後の電源復帰を契機として実行される可動役物の初期動作は実行可能である。可動役物の初期動作は、例えば電源投入時や電源断後の電源復帰時に実行される可動役物の動作であって、可動役物を動作状態にしてから初期位置に戻す動作である。つまり、具体的には、電源投入時や電源断後の電源復帰時の初期動作中に変動表示を開始し、当該変動表示における所定タイミングにて画面変形演出が実行開始され、当該所定タイミングにて当該初期動作が完了していない状況を有している。
【0501】
高期待度可動役物演出の実行中は、通常装飾図柄502と通常保留画像506は非表示とされるが簡易装飾図柄504と簡易保留画像507(保留数表示)は表示される。一方、可動役物の初期動作の実行中は通常装飾図柄502、簡易装飾図柄504、通常保留画像506、簡易保留画像507(保留数表示)のいずれも表示可能である。これにより、高期待度可動役物演出という最も高揚感のある演出中は、その他の画像演出で邪魔をしないような演出連動を実施することができる。一方で、同様又は類似する動作である可動役物の初期動作については、通常装飾図柄502と通常保留画像506を非表示とするような演出上の制限を取り払い、柔軟に演出を実行することができる。すなわち、電源投入後の初期化処理と並行して可動役物の初期動作を実行して、電源断からの復帰を優先しつつ演出も進行させることができる。
【0502】
<構成19>
図40および
図41に記載の通り、先読み演出の実行頻度に関する演出設定を変更する演出設定変更を遊技者の操作入力に応じて実行可能である。第1モードが設定されている場合は第2保留画像の表示頻度が第1頻度(例えば、大当り保留である場合に30%で表示され、外れ保留である場合に1%で表示される頻度)である一方、第2モードが設定されている場合は第2保留画像の表示頻度が第1頻度よりも低頻度である第2頻度(例えば、大当り保留である場合に30%で表示され、外れ保留である場合に0.3%で表示される頻度、もしくは、大当り保留である場合に20%で表示され、外れ保留である場合に0.2%で表示される頻度)である。
図41や
図42のような画面における演出設定変更により、第1モード(先読みチャンスモードをオフしている先読み演出の頻度が通常のモード)と第2モード(先読みチャンスモードをオンしている先読み演出の頻度が低いモードのいずれのモードとするかを設定可能である。
【0503】
<構成20>
画面変形演出の実行中においては、第1モードおよび第2モードのいずれが設定された場合であっても、保留が生起した場合の第1保留画像の表示頻度は同等である。画面変形演出の実行中においては、画面変形演出を阻害しないよう、第2保留画像を表示する先読み演出の実行を規制してもよい。このように、画面変形演出の実行中においては、先読み演出の実行頻度を一律化することで、先読み演出の実行有無に注目させるのではなく、今まさに実行されている画面変形演出に注目させる状況を創出できる。なお、変形例として、画面変形演出が実行される変動において、当該画面変形演出の実行後にスーパーリーチ演出が実行され、当該スーパーリーチ演出で外れであることが示唆又は報知された(例えば、通常装飾図柄502がゾロ目以外の表示態様にて表示されたり、敵キャラクタに敗北する演出が実行されたりした)うえで、前述した停止表示期間674が発生した場合、当該停止表示期間674にて保留が生起した場合の第1保留画像の表示頻度も同等に構成し、第2保留画像を表示する先読み演出の実行を規制してもよい。
【0504】
<構成21>
画面変形演出の実行中であっても
図40(b)のような音量設定を実行可能であるが、
図41や
図42のような画面における演出設定変更は実行不可能である。ただし、変形例においては、画面変形演出の実行中であっても
図40(b)のような音量設定を実行可能である一方、
図41や
図42のような画面における演出設定変更も実行可能とする仕様としてもよい。
【0505】
<構成22>
図40(b)のような音量調整画面は画面変形演出における変形の対象ではなく(つまり、画面変形演出のような変形をすることがなく)、
図41や
図42のような演出設定変更画面もまた画面変形演出における変形の対象ではない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。音量調整画面に用いられる色彩種の数は、例えば緑色などの一色だけが用いられており、通常装飾図柄502で用いられる色彩種の数よりも少ない。通常装飾図柄502には多数の種類の色彩が用いられている(例えば、数字にて2色、数字に付帯するキャラクタにて10色、合計12色など)。演出設定変更画面で用いられる色彩種(例えば、3色)の数もまた、通常装飾図柄502で用いられる色彩種の数よりも少ない。演出設定変更画面で用いられる色彩は、例えば白色で塗られた枠内に黒色の文字列が表示されるなど、2~3色が用いられる。
【0506】
<構成23>
遊技者による第1の操作(例えば、特定の演出の実行中における演出ボタン109の押下)により演出内容を変化可能である。具体的には、ボタン画像の表示中(操作有効期間中)に演出ボタン109を押下することで、ボタン画像が非表示となる代わりに押下を契機とした演出(前述したセリフ予告演出など)が発生したり、前述した発光演出のように、連打することで演出表示装置60の周囲にある装飾ランプ111の発光色および演出表示装置60に光を模したエフェクト表示の色(画像としての色)を変化させたりする。遊技者による第2の操作(例えば
図40(b)のような音量調整画面の表示中における十字キー110の上下キーの押下、なお変動表示中であっても同様であるが音量調整画面が非表示である場合には十字キー110の上下キーの押下で音量調整画面が表示されそこから再度十字キー110の上下キーを押下)により音量調整を実行可能である(音量調整画面に表示される音量レベルを示す画像の表示態様も変化する、つまりは変更後の音量レベルを示す画像に変化する)。遊技者による第3の操作(例えば
図41や
図42のような演出設定変更画面の表示中における十字キー110や演出ボタン109の押下、なお変動表示中であれば演出ボタン109の押下を必要とせず十字キー110の左右キーの押下で演出設定変更画面が表示されそこから再度十字キー110の左右キーを押下)によりモード設定を実行可能である。
【0507】
第1の操作が継続された場合(例えば、特定の演出の実行中における演出ボタン109が長押しされた場合)、第1の操作の連続入力とみなす、すなわち複数回の連続押下がされた自動連打として処理される。一方、第2の操作が継続された場合(例えば、音量調整画面の表示中に十字キー110の上下キーが長押しされた場合)、第2の操作が連続入力(自動連打)されたとはみなさず、上下キーの1回の押下として処理される。よって、上下キーを長押ししても音量が上がり続けたり下がり続けたりすることはない。同様に、第3の操作が継続された場合(例えば、演出設定変更画面の表示中に十字キー110や演出ボタン109が長押しされた場合)、第3の操作が連続入力(自動連打)されたとはみなさず、十字キー110または演出ボタン109の1回の押下として処理される。よって、十字キー110または演出ボタン109を長押ししてもモード設定の操作が連続入力されて設定が連続的に切り替わり続けることはない(オン→オフ→オン→オフ→・・・と繰り返されることはない)。
【0508】
<構成24>
電源投入前から第2の操作が継続されて電源投入後も第2の操作が継続されていた場合、電源投入後に音量は変化させない。例えば電源投入時において誤操作で十字キー110が押下され続けていたような場合に、電源投入後に誤って音量が上がったり下がったりせず、規定値のままにすることができる。電源投入前における第2の操作は、そのボタン押下を示す押下信号の立ち上がりを検出不能であるため、そのまま電源投入後まで押下が継続されたとしても押下されたとはみなされず、あらたに押下されて押下信号が立ち上がらない限り押下は検出されない。このように、意図しない音量変化といった不測の事態が発生しないようにすることができる。
【0509】
<構成25>
電源投入前から第3の操作が継続されて電源投入後も第3の操作が継続されていた場合、電源投入後にモードは変更しない。例えば電源投入時において誤操作で十字キー110や演出ボタン109が押下され続けていたような場合に、電源投入後に誤ってモードが変更されたりせず、規定値のままにすることができる。電源投入前における第3の操作は、そのボタン押下を示す押下信号の立ち上がりを検出不能であるため、そのまま電源投入後まで押下が継続されたとしても押下されたとはみなされず、あらたに押下されて押下信号が立ち上がらない限り押下は検出されない。このように、意図しないモード変更といった不測の事態が発生しないようにすることができる。
【0510】
<構成26>
電源投入前から音量アップに対応した第2の操作が継続されて電源投入後も音量アップに対応した第2の操作が継続されていた場合(例えば十字キー110の上キーの長押しがされた状態の場合)、電源投入後に音量は変化しないが、電源投入後の音量アップに対応した第2の操作が継続されている状況にて(例えば十字キー110の上キーの長押しがされた状態のまま)さらに音量ダウンに対応した第2の操作があらたに実行された場合(例えば十字キー110の下キーが押下された場合)は押下信号の立ち上がりが検出されるので音量は変化する。
【0511】
電源投入前から音量ダウンに対応した第2の操作が継続されて電源投入後も音量ダウンに対応した第2の操作が継続されていた場合(例えば十字キー110の下キーの長押しがされた状態の場合)、電源投入後に音量は変化しないが、電源投入後の音量ダウンに対応した第2の操作が継続されている状況にて(例えば十字キー110の下キーの長押しがされた状態のまま)さらに音量アップに対応した第2の操作があらたに実行された場合(例えば十字キー110の上キーが押下された場合)は押下信号の立ち上がりが検出されるので音量は変化する。
【0512】
このように、適切な音量変化を実現できる(イレギュラーな状況で音量が意図せず変化してしまうことを防止可能とする)一方で、イレギュラーな状況でも片方の操作(調整)については許容することで、イレギュラーな状況であっても一部操作は正常に実行され、操作を柔軟に反映できる。
【0513】
<構成27>
電源投入前からモード変更に対応した第3の操作が継続されて電源投入後もモード変更に対応した第3の操作が継続されていた場合(例えば十字キー110の左キーの長押しがされた状態の場合)、電源投入後にモードを変更しないが、電源投入後のモード変更に対応した第3の操作が継続されている状況にて(例えば十字キー110の左キーの長押しがされた状態のまま)さらにモード変更に対応した異なる第3の操作があらたに実行された場合(例えば十字キー110の右キーが押下された場合)は押下信号の立ち上がりが検出されるのでモードを変更する。
【0514】
電源投入前からモード変更に対応した第3の操作が継続されて電源投入後もモード変更に対応した第3の操作が継続されていた場合(例えば十字キー110の右キーの長押しがされた状態の場合)、電源投入後にモードを変更しないが、電源投入後のモード変更に対応した第3の操作が継続されている状況にて(例えば十字キー110の右キーの長押しがされた状態のまま)さらにモード変更に対応した異なる第3の操作があらたに実行された場合(例えば十字キー110の左キーが押下された場合)は押下信号の立ち上がりが検出されるのでモードを変更する。
【0515】
このように、イレギュラーな状況でも片方の操作(調整)については許容することで、イレギュラーな状況であっても一部操作は正常に実行され、操作を柔軟に反映できる。
【0516】
<構成28>
第2の操作(例えば音量変更を指示する十字キー110の上下ボタン)と第3の操作(例えばモード変更を指示する十字キー110の左右ボタン)の双方を同時に押下可能、且つ、検出可能であり、それに基づき音量調整とモード変更とを同時並行的に実行可能であり、且つ、音量調整画面とモード変更画面とを同時に表示可能である。
【0517】
<構成29>
図柄変動中における音量調整の実行可能期間は、図柄変動中におけるモード設定の実行可能期間より長い。また、当否判定の結果が所定結果とは異なる特定結果である場合に実行される図柄変動であり、リーチ演出を伴わない図柄変動である所定の図柄変動(リーチが発生せずに短時間で終了する外れ変動)と、当否判定の結果が所定結果とは異なる特定結果である場合に実行される図柄変動であり、高期待度リーチ演出を伴う図柄変動である特定の図柄変動(リーチ発生後にスーパーリーチ演出が実行される外れ変動)とを有し、所定の図柄変動中における音量調整の実行可能期間とモード設定の実行可能期間との差は、特定の図柄変動中における音量調整の実行可能期間とモード設定の実行可能期間との差より小さい。具体的には、リーチ発生後にスーパーリーチ演出が実行される外れ変動(120秒)では、少なくともスーパーリーチ演出の実行開始以降の55秒間はモード設定の実行不可能期間となり、それ以外はモード設定の実行可能期間となる一方で、変動開始から変動終了まで(120秒)音量調整の実行可能期間である一方で、リーチが発生せずに短時間で終了する外れ変動(5秒)では、変動開始から変動終了まで(5秒)音量調整の実行可能期間およびモード設定の実行可能期間である。変形例としては、高期待度リーチ演出を伴う図柄変動中においては音量調整は実行可能であるが演出設定変更は実行不可であるため、高期待度リーチ演出を伴う図柄変動中における音量調整の実行可能期間と演出設定変更の実行可能期間との差は、実質的に音量調整の実行可能期間に等しいよう構成しても良い。このように、演出傾向が変化する可能性を遊技者に提示することなく期待感のある演出を実行可能とすることで演出の期待度が把握しづらくなることを防止しつつも、その期待感ある演出を聴覚的に感じやすくすることについては制限を緩くすることで、その演出の感じ方を自身に合わせたものへと即座に変更できる。
【0518】
<構成30>
モード設定の実行不可能期間(前述した演出設定変更の無効期間、演出設定変更が不可とされる期間)の前から第3の操作が継続されてモード設定の実行不可能期間中も第3の操作が継続されてモード設定の実行不可能期間の後も第3の操作が継続されていた場合(例えば十字キー110の左右キーの長押しがされた状態の場合)、モード設定の実行不可能期間の後の期間であるモード設定の実行可能期間にモードは変更しない。
【0519】
<構成31>
演出設定変更の実行不可能期間の前から演出設定変更の第1の指示をするための第3の操作が継続された状態(例えば左キーの長押し)のまま演出設定変更の実行可能期間への切替後に演出設定変更の第2の指示をするための第3の操作(例えば右キーの押下)があらたに実行された場合、押下信号の立ち上がりが検出されるので第2の指示に基づく演出設定変更を実行する。
【0520】
<構成32>
高期待度役物演出を実行中においては、音量調整を実行可能であり、音量調整のための設定画面も表示可能であるが、モード設定は実行されず、モード設定のための設定画面も表示されない。ただし、電源断後の電源復帰を契機として実行される可動役物の初期動作の実行中においては、音量調整を実行可能であり、音量調整のための設定画面も表示可能であり、モード設定も実行可能であり、モード設定のための設定画面も表示可能である。このように、高期待度可動役物演出という最も高揚感のある演出中は演出傾向が変化する可能性を遊技者に提示せずに期待度を把握しづらくすることを防止しつつも、その期待感ある演出を聴覚的に感じやすくすることについては制限を緩くすることで、その演出の感じ方を自身に合わせたものへと即座に変更できる。
【0521】
<構成33>
高ベース状態においてはモード設定の実行不可能期間が設けられ、その高ベース状態における実行不可能期間の発生中に電源断および電源復帰が生じ、その後に高ベース状態から低ベース状態に移行した場合、その低ベース状態において設定されるモードが高ベース状態における実行不可能期間の発生前において設定されるモードと相違し得る。一方、高ベース状態における実行不可能期間の発生中に電源断が生じずに、その後に高ベース状態から低ベース状態に移行した場合、その低ベース状態において設定されるモードが高ベース状態における実行不可能期間の発生前において設定されるモードと同じである。例えば、高ベース状態におけるスーパーリーチ期間672および停止表示期間674を実行不可能期間と設定し、当該実行不可能期間前が先読みチャンスモードオンに設定されていた場合、当該実行不可能期間中に電源断および電源復帰が生じ、高ベース状態に復帰してその後に所定条件充足(高ベース状態の規定滞在回数が経過、低ベース状態移行契機の大当り遊技又は小当り遊技が実行など)で高ベース状態から低ベース状態に移行した場合、当該低ベース状態では先読みチャンスモードオンではなく先読みチャンスモードオフに設定される一方で、当該実行不可能期間中に電源断が生じずに、所定条件充足(高ベース状態の規定滞在回数が経過、低ベース状態移行契機の大当り遊技又は小当り遊技が実行など)で高ベース状態から低ベース状態に移行した場合、当該低ベース状態では先読みチャンスモードオンに設定される。このように、遊技状態が変化してモード設定が適用されない且つモード設定を変更できない状況であっても、電断復帰という行為で強制的にモード設定をすることができるとともに、そのような状況でも電断復帰しなければ高ベース状態が終了することで直近のモード設定を自動的に採用可能となる。
【0522】
<構成34>
外部ユニットへの貯留球数情報の転送を指示するための遊技者の操作を受け付ける転送指示手段を備える。転送指示手段は、例えば
図49および
図50の計数ボタンW40である。転送指示手段としての計数ボタンは、「転送ボタン」と呼称してもよい。転送指示手段への操作により貯留球数情報が転送される際に、その貯留球数情報の転送を示唆または報知する球数転送音を出力可能である。転送指示手段への操作に伴う球数転送音の出力中において画面変形演出を実行可能である。球数転送音の出力中における画面変形演出の実行中に特定情報が所定の規定値に到達することで抑制報知演出が実行された場合、画面変形演出の実行は中断されるが、球数転送音の出力は中断されない。
【0523】
<構成35>
転送指示手段への操作に伴う球数転送音の出力中における画面変形演出の実行中に特定情報が特定の規定値に到達することで事前報知演出が実行された場合、画面変形演出の実行は中断されず、球数転送音の出力も中断されない。このように、遊技球転送中でも期待度の高い演出を見逃さないよう画面変形演出については制限なく実施するが、そのような状況であっても遊技を終了すべき状況が成立した場合は、強制的に画面変形演出を中断し、遊技の公平性の担保と過度な射幸性の抑制を両立することができる。
【0524】
<構成36>
転送指示手段への操作に伴う球数転送音の出力中においても音量調整を実行可能であり、音量調整のための設定画面も表示可能である。遊技球転送中でも遊技者の趣味嗜好を反映可能である。
【0525】
<構成37>
転送指示手段への操作に伴う球数転送音の出力中においてもモード設定を実行可能であり、モード設定のための設定画面も表示可能である。遊技球転送中でも遊技者の趣味嗜好を反映可能である。
【0526】
<構成38>
モード設定不可期間(実行不可能期間)であっても転送指示手段への操作に伴う球数転送音を出力可能である。
【0527】
<構成39>
所定の高期待度演出終了後のステージ背景(前述の停止表示期間674)においては演出音は消音であるが、球数転送音は出力可能である。この消音期間においても音量調整は可能であるが、モード設定は不可としてもよいし、可能としてもよい。
【0528】
<構成40>
図柄変動中に変動中文字演出(画面の一部領域又は全領域にて表示される前述したセリフ予告演出、スーパーリーチ演出中に実行される味方キャラクタと敵キャラクタとの会話に対応したテロップを画面下に表示するテロップ演出)を実行可能である。所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)における文字色としては、複数種類(期待度順で白・緑・赤・キリン柄・虹)を有する。なお、文字演出における文字色(変動中文字演出、大当り中文字演出、エラー中文字演出における文字色)とは、文字自体の色、又は、文字周辺の色(吹き出しの色や囲い線の色、文字周辺のエフェクトの色)である。
【0529】
<構成41>
特別遊技の実行中においては大当り中文字演出(特別遊技の実行中に展開されるストーリーに対応した台詞、楽曲名、歌詞表示)を実行可能である。所定の大当り中文字演出(例えば、楽曲名や歌詞表示における文字)の文字色については、所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)における低期待度又は超高期待度の文字色(緑又はキリン柄)とは異なる文字色(最低期待度の白/最高期待度の虹)である。つまり、変動表示中において所定の文字を表示する変動中文字演出を実行可能であり、特別遊技に実行中において特定の文字を表示する大当り中文字演出を実行可能であり、所定の変動中文字演出において表示される文字自体の色又は文字周辺の色である変動中文字演出対応色として、第1色(例えば、白)と、第2色(例えば、緑、キリン柄)と、第3色(例えば、虹)とを有し、所定の変動中文字演出における変動中文字演出対応色として、第1色が表示される場合よりも第2色が表示される場合の方が特別遊技への移行期待度が高く、且つ、第2色が表示される場合よりも第3色が表示される場合の方が特別遊技への移行期待度が高くなるよう構成されており、所定の大当り中文字演出において表示される文字自体の色又は文字周辺の色である大当り中文字演出対応色として、所定の変動中文字演出における変動中文字演出対応色として表示され得る所定の色を表示可能である一方で、少なくとも第2色を表示しない。なお、カウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示(賞球カウントアップを表示するときの文字)や、強調表示(賞球数が2500個単位の区切りの数字に達したときの文字)に適用してもよい。
【0530】
<構成42>
所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)は画面変形演出における変形の対象となるが、所定の大当り中文字演出(例えば、楽曲名や歌詞表示における文字)は画面変形演出における変形の対象とならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。
【0531】
<構成43>
所定の大当り中文字演出(例えば、楽曲名や歌詞表示における文字)について、所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)とは異なり、カウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示や強調表示と同時に表示可能であるが、少なくともカウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示とは重畳表示しない(強調表示とは重畳表示してもよいし、重畳表示しなくてもよい)。
【0532】
<構成44>
エラー中にて所定のエラー中文字演出(満タン検知時に表示される満タン検知エラー文字「球を抜いて下さい」、扉開放時に表示される扉開放エラー文字「扉が開いています」、磁気検知時に表示される磁気検知エラー文字「磁気を検知しました」、設定値エラー時に表示される設定値エラー文字「設定値エラーです」など)を実行可能であるが、その文字色については、所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)における低期待度又は超高期待度の文字色(緑又はキリン柄)とは異なる文字色(最低期待度の白/中期待度の赤)である。つまり、変動表示中において所定の文字を表示する変動中文字演出を実行可能であり、複数種類のエラーについて判定可能に構成されており、エラーの発生中において規定の文字を表示するエラー中文字演出を実行可能であり、所定の変動中文字演出において表示される文字自体の色又は文字周辺の色である変動中文字演出対応色として、第1色(例えば、白)と、第2色(例えば、緑、キリン柄)と、第3色(例えば、虹)とを有し、所定の変動中文字演出における変動中文字演出対応色として、第1色が表示される場合よりも第2色が表示される場合の方が特別遊技への移行期待度が高く、且つ、第2色が表示される場合よりも第3色が表示される場合の方が特別遊技への移行期待度が高くなるよう構成されており、所定のエラー中文字演出において表示される文字自体の色又は文字周辺の色であるエラー中文字演出対応色として、所定の変動中文字演出における変動中文字演出対応色として表示され得る所定の色を表示可能である一方で、少なくとも第2色を表示しない
【0533】
<構成45>
所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)は画面変形演出における変形の対象となるが、所定のエラー中文字演出(例えば、満タン検知エラー文字)は画面変形演出における変形の対象とならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。
【0534】
<構成46>
所定のエラー中文字演出(例えば、磁気検知エラー文字)も画面変形演出における変形の対象とならない(つまり、画面変形演出のような変形をすることがない)。
【0535】
<構成47>
エラー中文字演出として、第1エラー中文字演出(満タン検知時に表示される満タン検知エラー文字、扉開放時に表示される扉開放エラー文字)と第2エラー中文字演出(磁気検知時に表示される磁気検知エラー文字、設定値エラー時に表示される設定値エラー文字)とを有する。
【0536】
<構成48>
第1エラー中文字演出について、所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)とは異なり、カウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示や強調表示と同時に表示可能であるが、カウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示、又は、強調表示の少なくともいずれかとは重畳表示する(表示優先度は第1エラー中文字演出の方が高い)。一方で、第2エラー中文字演出の実行時は、カウントアップ演出の対象となる累積賞球数表示や強調表示が同時に実行されることはない。
【0537】
<構成49>
第1エラー中文字演出は、所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出における文字)とも所定の大当り中文字演出(例えば、楽曲名や歌詞表示における文字)とも同時に実行可能であるが、第2エラー中文字演出は、所定の変動中文字演出とも所定の大当り中文字演出とも同時に実行しない(第2エラー中は第2エラー中文字演出のみが実行される)。
【0538】
<構成50>
演出ボタン109の操作は所定の変動中文字演出(例えば、演出ボタン操作の操作により実行可能なセリフ予告演出における文字演出)の実行契機となり得るが、それ以外の所定の文字演出(所定の大当り中文字演出、所定のエラー中文字演出)の実行契機とはならない。十字キー110の操作は所定の大当り中文字演出(例えば、十字キー操作に切り替え可能な大当り遊技中に出力される楽曲に関する楽曲名や歌詞表示における文字演出)の実行契機となり得るが、それ以外の所定の文字演出(所定の変動中文字演出、所定のエラー中文字演出)の実行契機とはならない。所定のエラー中文字演出(例えば、満タン検知エラー文字)は、演出ボタン109の操作も十字キー110の操作も実行契機とはならない(実行契機として、演出ボタンや十字キーの操作が一切関与しない)。つまり、変動表示中において所定の文字を表示する変動中文字演出を実行可能であり、特別遊技に実行中において特定の文字を表示する大当り中文字演出を実行可能であり、複数種類のエラーについて判定可能に構成されており、エラーの発生中において規定の文字を表示するエラー中文字演出を実行可能であり、遊技者による操作が可能な操作手段として、第1操作手段(例えば、演出ボタン)と、第2操作手段(例えば、十字キー)とを有し、第1操作手段の操作を契機として所定の変動中文字演出を実行可能である一方で、第2操作手段の操作を契機としては所定の変動中文字演出を実行しないよう構成されており、第1操作手段の操作を契機としては所定の大当り中文字演出を実行しない一方で、第2操作手段の操作を契機として所定の大当り中文字演出を実行可能に構成されており、第1操作手段の操作を契機としては所定のエラー中文字演出を実行せず、第2操作手段の操作を契機としても所定のエラー中文字演出を実行しない
【0539】
<構成51>
所定の変動中文字演出(例えば、セリフ予告演出)における特定色(例えば、キリン柄)は複数の色彩(黄色と茶色)で構成されており、当該特定色はその他予告演出(例えばステージチェンジ予告などの全画面予告)でも使用されるが、色彩の細かさが所定の変動中文字演出とは異なる(変動中文字演出の方が、黄色と茶色のグラデーション幅が狭かったり、黄色背景に茶色模様で構成される場合は茶色模様が小さかったりする、など)。
【0540】
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の態様によって特定されてもよい。
【0541】
[第1態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動における特別遊技移行期待度が異なり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記保留画像の種類として、第1保留画像と、前記第1保留画像よりも特別遊技移行期待度が高い第2保留画像とを少なくとも備えており、
前記第1保留画像および前記第2保留画像のいずれに対応する図柄変動の表示中であっても前記特殊演出を実行可能であり、
前記保留画像が前記所定のアニメーション表示を伴って表示開始した以降は、前記所定のアニメーション表示とは異なるアニメーション表示である特定のアニメーション表示をループ表示可能であり、
前記所定のアニメーション表示および前記特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかは、前記特殊演出の実行中においても表示可能であるとともに、前記保留画像が前記特殊演出における変形の対象となったうえで前記所定のアニメーション表示および前記特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかが表示され得ることを特徴とする弾球遊技機。
【0542】
[第2態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動における特別遊技移行期待度が異なり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記保留画像の種類として、第1保留画像と、前記第1保留画像よりも特別遊技移行期待度が高い第2保留画像とを少なくとも備えており、
前記保留画像が前記所定のアニメーション表示を伴って表示開始した以降は、前記所定のアニメーション表示とは異なるアニメーション表示である特定のアニメーション表示をループ表示可能であり、
前記特殊演出の実行中に保留が生起した場合、その生起した保留に対応する前記保留画像が前記第1保留画像である場合は、その第1保留画像が前記所定のアニメーション表示および前記特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかを伴って表示可能であるが、その生起した保留に対応する前記保留画像が前記第2保留画像である場合は、その第2保留画像が前記所定のアニメーション表示および前記特定のアニメーション表示のうち少なくともいずれかを伴っては表示されないことを特徴とする弾球遊技機。
【0543】
[第3態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動における特別遊技移行期待度が異なり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記保留画像の種類として、第1保留画像と、前記第1保留画像よりも特別遊技移行期待度が高い第2保留画像とを少なくとも備えており、
保留の生起を契機として実行可能な演出であり、前記第1保留画像の表示開始時および前記第2保留画像の表示開始時のいずれにおいても実行可能な演出として、入賞時演出を有し、
前記特殊演出の実行中に前記第1保留画像を表示開始する場合は前記入賞時演出の実行を伴わないことを特徴とする弾球遊技機。
【0544】
[第4態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留画像を表示するに際しては、所定のアニメーション表示を伴って表示開始可能であり、
前記特定演出を複数種類有し、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される前記特定演出の種類に応じて、前記特定演出の実行契機となった保留に係る図柄変動における特別遊技移行期待度が異なり、
前記保留制御手段が記憶する保留の個数を前記保留画像とは別に保留数表示として所定位置に表示可能であり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特殊演出の実行中に新たな保留が生起した場合、前記保留画像は前記特殊演出における変形の対象となったうえで前記新たな保留に対応する保留画像を表示し得る一方、前記保留数表示は前記特殊演出における変形の対象とならずに更新表示され、
前記保留数表示の更新時間より前記保留画像の前記所定のアニメーション表示の実行時間の方が長く、前記保留画像の前記所定のアニメーション表示の実行時間より前記特殊演出の実行時間の方が長く、
前記特殊演出が実行される第1の演出パターンにおいては、前記特殊演出が実行されない第2の演出パターンにおける場合より、所定の高期待度演出が実行される可能性が高く、
前記所定の高期待度演出の実行中は、前記保留画像は非表示とされるが前記保留数表示は表示可能であることを特徴とする弾球遊技機。
【0545】
[第5態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
演出ステージに応じて設定されたステージ背景画像を表示可能であり、
所定の高期待度演出へ発展した場合、その発展した前記所定の高期待度演出中は前記ステージ背景画像を非表示とし、
当否判定の結果が所定結果とは異なる特定結果である場合に実行される図柄変動であり、前記所定の高期待度演出の実行を伴う図柄変動である特定の図柄変動において、前記所定の高期待度演出へ発展する前の前記ステージ背景画像の表示中は前記特殊演出を実行可能である一方、前記特定の図柄変動における前記所定の高期待度演出の終了後に再表示される前記ステージ背景画像の表示中は前記特殊演出が実行されないことを特徴とする弾球遊技機。
【0546】
[第6態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記当否判定の結果を演出的に示す図柄である装飾図柄を有し、前記装飾図柄は、前記演出表示装置へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、前記通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄と、を含み、
前記通常装飾図柄は、第1の表示態様にて図柄変動表示を停止してから所定期間が経過した場合に第2の表示態様にて表示可能であり、
前記通常装飾図柄が前記第1の表示態様である状況においては前記特殊演出が実行可能である一方、前記通常装飾図柄が前記第2の表示態様である状況においては前記特殊演出が実行されないことを特徴とする弾球遊技機。
【0547】
[第7態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特殊演出の実行中に前記特定情報が前記所定の規定値に到達することで前記抑制報知演出が実行される場合、前記特殊演出は中断され、
前記抑制報知演出は前記特殊演出における変形の対象とはされず、前記抑制報知演出の実行中に前記特殊演出が新たに実行されることはないことを特徴とする弾球遊技機。
【0548】
[第8態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特定情報が前記所定の規定値とは異なる特定の規定値に到達した場合、遊技が終了する予定であることを事前報知する事前報知演出を実行し、
前記特殊演出の実行中に前記特定情報が前記所定の規定値に到達することで前記抑制報知演出が実行される場合、前記特殊演出は中断され、
前記抑制報知演出は前記特殊演出における変形の対象とはされず、前記抑制報知演出の実行中に前記特殊演出が新たに実行されることはなく、
前記事前報知演出は前記特殊演出における変形の対象とはならない一方、前記事前報知演出の実行中に前記特殊演出を新たに実行可能であり、
前記事前報知演出と前記特殊演出とは同時に実行可能である一方、前記事前報知演出の方が前記特殊演出より前面に表示されることを特徴とする弾球遊技機。
【0549】
[第9態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特殊演出を実行可能な変動パターンに係る保留である特定保留が存在する状況であり、前記特定情報が前記所定の規定値に到達するまでの差数があと1球である状況である特殊状況において、前記特定保留の消化前に電源断もないまま所定の1球の入賞に対して2球以上の賞球があった場合、その賞球後に前記特殊演出を実行しない一方で、前記特定保留の消化前に電源断および電源復帰が生じた後で所定の1球の入賞に対して2球以上の賞球があった場合、その賞球後に前記特殊演出を実行する場合があることを特徴とする弾球遊技機。
【0550】
[第10態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留制御手段が記憶する保留の個数を前記保留画像とは別に保留数表示として所定位置に表示可能であり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記抑制報知演出の実行前の所定状況であれば、遊技待機中であることを示す所定の待機演出が実行可能であり、前記所定状況での前記所定の待機演出の実行中には前記特殊演出が実行されないが前記保留数表示は実行可能であり、
前記抑制報知演出の実行後は、前記所定の待機演出、前記特殊演出、および前記保留数表示のいずれも実行されないことを特徴とする弾球遊技機。
【0551】
[第11態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特定情報が前記所定の規定値とは異なる特定の規定値に到達した場合、遊技が終了する予定であることを事前報知する事前報知演出を実行し、
前記特別遊技の開始時に実行される大当り開始デモ演出において前記大入賞口に向けた発射を促す発射報知演出が実行されている状況において、前記特殊演出は実行されず、前記抑制報知演出も実行されない一方、前記事前報知演出は同時に実行可能であることを特徴とする弾球遊技機。
【0552】
[第12態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記保留制御手段が記憶する保留の個数を前記保留画像とは別に保留数表示として所定位置に表示可能であり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記当否判定の結果を演出的に示す図柄である装飾図柄を有し、前記装飾図柄は、前記演出表示装置へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄と、前記通常装飾図柄より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄と、を含み、
演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物を用いた可動役物演出を実行可能であり、
前記可動役物演出として前記特別遊技への移行期待度が高いことを示唆または報知する高期待度可動役物演出を実行可能であり、
前記特殊演出の実行中は前記高期待度可動役物演出が実行されない一方、前記特殊演出の実行中であっても電源断後の電源復帰を契機として実行される前記可動役物の初期動作は実行可能であり、
前記高期待度可動役物演出の実行中は、前記通常装飾図柄と前記保留画像は非表示とされるが前記簡易装飾図柄と前記保留数表示は表示され、前記初期動作の実行中は前記通常装飾図柄、前記簡易装飾図柄、前記保留画像、前記保留数表示のいずれも表示可能であることを特徴とする弾球遊技機。
【0553】
[第13態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記始動入賞口への新たな入球に対応する保留が生起したことを契機として、その保留に対応する保留画像を表示可能であり、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
前記保留画像の種類として、第1保留画像と、前記第1保留画像よりも特別遊技移行期待度が高い第2保留画像とを少なくとも備えており、
前記第1モードが設定されている場合は前記第2保留画像の表示頻度が第1頻度である一方、前記第2モードが設定されている場合は前記第2保留画像の表示頻度が前記第1頻度よりも低頻度である第2頻度であり、
前記特殊演出の実行中においては、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれが設定された場合であっても、保留が生起した場合の前記第1保留画像の表示頻度は同等であることを特徴とする弾球遊技機。
【0554】
[第14態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
前記第1の操作が継続されると前記第1の操作の連続入力とみなす一方、前記第2の操作が継続されても前記第2の操作が連続入力されたとはみなさず、前記第3の操作が継続されても前記第3の操作が連続入力されたとはみなさず、
電源投入前から前記第2の操作が継続されて電源投入後も前記第2の操作が継続されていた場合、電源投入後に音量は変化せず、
電源投入前から前記第3の操作が継続されて電源投入後も前記第3の操作が継続されていた場合、電源投入後に前記モードは変更しないことを特徴とする弾球遊技機。
【0555】
[第15態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
前記第1の操作が継続されると前記第1の操作の連続入力とみなす一方、前記第2の操作が継続されても前記第2の操作が連続入力されたとはみなさず、前記第3の操作が継続されても前記第3の操作が連続入力されたとはみなさず、
電源投入前から前記第2の操作が継続されて電源投入後も前記第2の操作が継続されていた場合、電源投入後に音量は変化せず、
電源投入前から前記第3の操作が継続されて電源投入後も前記第3の操作が継続されていた場合、電源投入後に前記モードは変更せず、
電源投入前から音量アップに対応した前記第2の操作が継続されて電源投入後も音量アップに対応した前記第2の操作が継続されていた場合、電源投入後に音量は変化しないが、電源投入後の音量アップに対応した前記第2の操作が継続されている状況にて音量ダウンに対応した前記第2の操作が実行された場合、音量は変化することを特徴とする弾球遊技機。
【0556】
[第16態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
図柄変動中における前記音量調整の実行可能期間は、図柄変動中における前記モード設定の実行可能期間より相対的に長く、
当否判定の結果が所定結果とは異なる特定結果である場合に実行される図柄変動であり、リーチ演出を伴わない図柄変動である所定の図柄変動と、当否判定の結果が所定結果とは異なる特定結果である場合に実行される図柄変動であり、高期待度リーチ演出を伴う図柄変動である特定の図柄変動とを有し、前記所定の図柄変動中における前記音量調整の実行可能期間と前記モード設定の実行可能期間との差は、前記特定の図柄変動中における前記音量調整の実行可能期間と前記モード設定の実行可能期間との差より小さく、
前記モード設定の実行不可能期間の前から前記第3の操作が継続されて前記モード設定の実行不可能期間中も前記第3の操作が継続されて前記モード設定の実行不可能期間の後も前記第3の操作が継続されていた場合、前記モード設定の実行不可能期間の後の期間である前記モード設定の実行可能期間に前記モードは変更しないことを特徴とする弾球遊技機。
【0557】
[第17態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物を用いた可動役物演出を実行可能であり、
前記可動役物演出として前記特別遊技への移行期待度が高いことを示唆または報知する高期待度可動役物演出を実行可能であり、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
前記高期待度可動役物演出の実行中においては、前記音量調整を実行可能であり、前記音量調整のための設定画面も表示可能であるが、前記モード設定は実行されず、前記モード設定のための設定画面も表示されず、
電源断後の電源復帰を契機として実行される前記可動役物の初期動作の実行中においては、前記音量調整を実行可能であり、前記音量調整のための設定画面も表示可能であり、前記モード設定も実行可能であり、前記モード設定のための設定画面も表示可能であることを特徴とする弾球遊技機。
【0558】
[第18態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
所定の入賞口への入球容易性に関する状態として、通常の入球容易性の状態である低ベース状態と、低ベース状態よりも入球容易性を高めた状態である高ベース状態とを有し、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
前記高ベース状態において前記モード設定の実行不可能期間が設けられ、
前記高ベース状態における前記実行不可能期間の発生中に電源断および電源復帰が生じ、その後に前記高ベース状態から前記低ベース状態に移行した場合、その前記低ベース状態において設定される前記モードが前記高ベース状態における前記実行不可能期間の発生前において設定される前記モードと相違し得る一方、前記高ベース状態における前記実行不可能期間の発生中に電源断が生じずに、その後に前記高ベース状態から前記低ベース状態に移行した場合、その前記低ベース状態において設定される前記モードが前記高ベース状態における前記実行不可能期間の発生前において設定される前記モードと同じであることを特徴とする弾球遊技機。
【0559】
[第19態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記演出表示装置に表示可能な演出画像として、第1画像グループに属する1以上の第1画像および第2画像グループに属する1以上の第2画像とを少なくとも有しており、
前記第1画像を所定態様に変形させた特殊第1画像を表示させる特殊演出を実行可能であり、
付与される賞球数と使用される使用球数との差数に関する情報である特定情報が所定の規定値に到達した場合、遊技終了を報知する抑制報知演出を実行可能であり、
前記特定情報が前記所定の規定値とは異なる特定の規定値に到達した場合、遊技が終了する予定であることを事前報知する事前報知演出を実行し、
外部ユニットへの貯留球数情報の転送を指示するための遊技者の操作を受け付ける転送指示手段をさらに備え、
前記転送指示手段への操作により前記貯留球数情報が転送される際に、前記貯留球数情報の転送を示唆または報知する球数転送音を出力可能であり、
前記球数転送音の出力中において前記特殊演出を実行可能であり、
前記球数転送音の出力中における前記特殊演出の実行中に前記抑制報知演出が実行された場合、前記特殊演出の実行は中断されるが、前記球数転送音の出力は中断されず、
前記球数転送音の出力中における前記特殊演出の実行中に前記事前報知演出が実行された場合、前記特殊演出の実行は中断されず、前記球数転送音の出力も中断されないことを特徴とする弾球遊技機。
【0560】
[第20態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、
前記始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の前記始動入賞口への入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に前記始動入賞口への新たな入球に対応する抽選値を保留として記憶する保留制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が所定結果である場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を前記演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備え、
前記始動入賞口への新たな入球があった場合にその入球に対応する抽選値に関する事前情報を前記演出決定手段へ送信し、
前記事前情報に基づき、その事前情報に対応する保留に係る特別遊技移行期待度を示唆する特定演出を、その事前情報に対応する保留に係る図柄変動よりも前の図柄変動にて実行可能であり、
前記特定演出の実行頻度に関するモードとして、第1モードと第2モードとを有しており、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれに設定するかのモード設定を遊技者の操作に応じて実行可能であり、
外部ユニットへの貯留球数情報の転送を指示するための遊技者の操作を受け付ける転送指示手段をさらに備え、
前記転送指示手段への操作により前記貯留球数情報が転送される際に、前記貯留球数情報の転送を示唆または報知する球数転送音を出力可能であり、
遊技者による第1の操作により所定の演出内容を変化可能であり、
遊技者による第2の操作により音量調整を実行可能であり、
遊技者による第3の操作により前記モード設定を実行可能であり、
前記球数転送音の出力中においても前記音量調整を実行可能であり、前記音量調整のための設定画面も表示可能であり、
前記球数転送音の出力中においても前記モード設定を実行可能であり、前記モード設定のための設定画面も表示可能であることを特徴とする弾球遊技機。
【符号の説明】
【0561】
20 大入賞口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 240 保留制御手段、 260 特別遊技制御手段、 303 演出決定手段、 305 演出表示制御手段。