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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】熱交換ユニット及び、空調機の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/50 20110101AFI20241107BHJP
   F24F 1/16 20110101ALI20241107BHJP
【FI】
F24F1/50
F24F1/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024037697
(22)【出願日】2024-03-12
(62)【分割の表示】P 2019183535の分割
【原出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2024056106
(43)【公開日】2024-04-19
【審査請求日】2024-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 甲樹
(72)【発明者】
【氏名】富岡 洋峻
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-132990(JP,A)
【文献】特開2010-216798(JP,A)
【文献】特開2011-112303(JP,A)
【文献】特開2011-196665(JP,A)
【文献】特開2012-172908(JP,A)
【文献】特許第7495592(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/50
F24F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換ユニットであって、
空気を吸い込む開口(3a,3b)を有する筐体(3)と、
前記開口(3a,3b)に面して前記筐体(3)内に設けられた第1の熱交換器(1)と、
前記開口(3a,3b)に面して前記筐体(3)内に設けられ、かつ、前記第1の熱交換器(1)の隣に設けられた第2の熱交換器(2)と、
前記開口(3a,3b)から前記筐体内に空気が流入するように送風するファン(4,5)と、
前記第1の熱交換器(1)と前記第2の熱交換器(2)との間に設けられ、前記開口(3a,3b)から流入する空気を前記第1の熱交換器(1)及び前記第2の熱交換器(2)の各表面に向かうように空気の流れを変える空気ガイドと、
を備え、
前記第1の熱交換器(1)は、前記開口(3a,3b)と平行な第1面と、前記開口(3a,3b)と交差する第2面と、前記第1面と前記第2面との間にある第1コーナーと、を有し、
前記第2の熱交換器は、前記開口(3a,3b)と平行な第3面と、前記開口(3a,3b)と交差し前記第2面と隣接して配置される第4面と、前記第3面と前記第4面との間にある第2コーナーと、を有し、
前記空気ガイド(8)は、前記第1コーナーと前記第2コーナーによって挟まれた領域に配置され、前記第1コーナー及び前記第2コーナーの各々の表面に対向する面(8f1,8f2、9a)と、前記開口(3a,3b)から流入する空気の流れ方向において各々の前記面(8f1,8f2、9a)に沿って配置され、前記開口(3a,3b)から流入した空気を前記第1コーナーと前記第2コーナーの各表面に案内する複数の整流部と、を有する、熱交換ユニット。
【請求項2】
前記空気ガイド(8)は、上面視においてV字状の形態を有し、
V字を構成する一方側の前記面(8f1)から前記第1の熱交換器(1)側に延びる前記複数の整流部と、
V字を構成する他方側の前記面(8f2)から前記第2の熱交換器(2)側に延びる前記複数の整流部と、
を備える、請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記空気ガイド(8)は、表側及び裏側に一対の前記面を有する支持板(9a)を有し、
表側の前記面及び裏側の前記面に前記複数の整流部が設けられる、請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記整流部は、孔及び突起の少なくとも一方を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記空気ガイド(8)は、前記筐体(3)の支柱に取り付けられ、前記第1の熱交換器(1)及び前記第2の熱交換器(2)とは非接触である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱交換ユニットを含む、空調機の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換ユニット及びこれを含む空調機の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機の室外機には、筐体内に熱交換器を横並びで2個搭載し、各熱交換器の上部に上吹きのファンが搭載されている構成のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-2503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような室外機では、筐体をできるだけコンパクトにするため、横並びの2個の熱交換器が互いに接近させて配置される。
このような構成においては、2個の熱交換器の間を流れる空気によって異音(風切り音)が発生することがある。
本開示は、2個の熱交換器を含む熱交換ユニットにおいて異音の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示の熱交換ユニットは、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換ユニットであって、空気を吸い込む開口を有する筐体と、前記開口に面して前記筐体内に設けられた第1の熱交換器と、前記開口に面して前記筐体内に設けられ、かつ、前記第1の熱交換器の隣に設けられた第2の熱交換器と、前記開口から前記筐体内に空気が流入するように送風するファンと、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間に設けられ、前記開口から流入する空気を前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の各表面に向かうように空気の流れを変える空気ガイドと、を備えている。
【0006】
このような熱交換ユニットでは、空気が熱交換器を通り抜ける際の抵抗を少なくすることができ、音の発生を低減することができる。
【0007】
以下(2)から(7)は、オプション的な構成である。
【0008】
(2)前記(1)の熱交換ユニットにおいて、前記第1の熱交換器は、前記開口と平行な第1面と、前記開口と交差する第2面と、前記第1面と前記第2面との間にある第1コーナーと、を有し、前記第2の熱交換器は、前記開口と平行な第3面と、前記開口と交差し前記第2面と隣接して配置される第4面と、前記第3面と前記第4面との間にある第2コーナーと、を有し、前記空気ガイドは、前記第1コーナーと前記第2コーナーの各表面に対して直交する方向に空気を案内する整流部を有する。
この場合、空気の流れを導く整流部を設けることで、空気が熱交換器を通り抜ける際の抵抗を少なくすることができる。こうして、空気の流れによる音の発生を低減することができる。
【0009】
(3)前記(2)において、前記整流部は、例えば前記空気ガイドに形成された複数の、孔及び突起の少なくとも一方である。
かかる簡単な構造により空気の流れを変えることができる。
【0010】
(4)前記(2)又は(3)の熱交換ユニットにおいて、前記空気ガイドは、前記第1コーナーと前記第2コーナーとの間に配置されていてもよい。
この場合、空気ガイドを筐体内に収めることができる。
【0011】
(5)前記(5)の熱交換ユニットにおいて、前記空気ガイドは例えば、前記コーナー部の各々の表面に沿って設けられている。
この場合、2つの熱交換器に対する空気の流れの抵抗を共に抑制し、音の発生を抑制することができる。
【0012】
(6)前記(1)から(5)のいずれかの熱交換ユニットにおいて、前記ファンは、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の上方に配置され、前記空気ガイドは、前記開口に面した上方に設けられていてもよい。
この場合、空気ガイドがファンに近くなるので、空気の流れによる音の発生を抑制するには位置的に好適である。
【0013】
(7)前記(1)から(6)のいずれかの熱交換ユニットにおいて、前記空気ガイドは、前記筐体の支柱に取り付けられ、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器とは非接触であってもよい。
この場合、空気ガイドと熱交換器との接触による音の発生を抑制することができる。
【0014】
(8)空調機の室外機としては、前記(1)に記載の熱交換ユニットを含む、空調機の室外機である。なお、「室外」とは空調対象の部屋から見て外の意であり、屋外の他、機械室や通路等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】熱交換ユニットの一例としての空調機の室外機について、その外観の概略を示す斜視図である。
図2図1とは反対側から室外機を見た斜視図である。
図3図1に示した支柱及び支持部の図示を省略した斜視図である。
図4】支柱及び支持部の図示を省略した正面図(又は背面図)である。
図5A】室外機を真上から見て、かつ、吹き出しグリル(図1)の図示を省略した平面図の略図である。
図5B】ファンも省略した状態で室外機を真上から見たときの、熱交換器及び空気ガイドを示す平面図の略図である。
図6図5BにおけるVI部の拡大図である。
図7】空気ガイドを単体で示す図であり、(a)は、図6と同様の真上から見たときの平面図であり、(b)は、(a)の空気ガイドの右側面図である。
図8】空気ガイドによる空気の流れの変化を示す平面図である。
図9】第2実施形態による空気ガイドを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、第1実施形態について説明する。
【0017】
図1は、熱交換ユニットの一例としての空調機の室外機100について、その外観の概略を示す斜視図である。図2は、図1とは反対側から室外機100を見た斜視図である。図1図2において、当該室外機100は、外形が直方体状の筐体3と、筐体3内に搭載された2個横並びの熱交換器1,2と、熱交換器1,2のそれぞれの上方にあるファン4,5(図2)とを有している。図中のX,Y,Zはそれぞれ、筐体3の幅、奥行、高さに平行な互いに直交する3方向である(図3以降でも同様。)。
【0018】
熱交換器1,2は、冷媒と空気との間で熱交換を行う。図1において、筐体3には、熱交換器1,2に空気を吸い込むためのX-Z平面に沿った開口3a,3bと、Y-Z平面に沿った開口3c,3dと、が形成されている。X方向の中央には、Z方向に延びる支柱3eが設けられている。支柱3eの上方には、空気ガイド8(詳細後述)及びこれを支柱3eに固定する支持部3hが設けられている。支持部3hは、空気ガイド8と支柱3eとの間への空気の流入を妨げないよう、例えば空気ガイド8の下端(又は上端若しくは両端)を支持するように設けられている。ファン4,5(図2)は、いわゆる上吹きタイプで、Z方向の上向きに送風する。ファン4,5の上の、筐体3の上面には、風を通す吹き出しグリル3f,3gが設けられている。
【0019】
図2において、熱交換器1,2はそれぞれ、Y-Z平面に沿った左側の1面からコーナーで曲げられてX-Z平面に沿った1面となり、さらに、コーナーで曲げられてY-Z平面に沿った右側の一面を成す、合計3面に拡がる立体形状である。熱交換器1,2のうち一方、例えば熱交換器1によって囲まれる空間内には、圧縮機6、アキュムレータ7その他の、冷媒回路を構成する部品が設けられている。
【0020】
図3は、図1に示した支柱3e及び支持部3hの図示を省略した斜視図である。また、図4は、同様に支柱3e及び支持部3hの図示を省略した正面図(又は背面図)である。図3及び図4において、熱交換器1と熱交換器2との隙間の空間の上方には、空気ガイド8が設けられている。空気ガイド8は、例えば図1の支柱3eに取り付けることができる。この空気ガイド8は、ファン4,5の回転により開口3a,3bから入ってくる空気の流れの少なくとも一部を、熱交換器1及び熱交換器2の各表面に対して向かう空気の流れに変える機能を有する。
【0021】
図5Aは、室外機100を真上から見て、かつ、吹き出しグリル3f,3g(図1)の図示を省略した平面図の略図である。図5Bは、ファン4,5も省略した状態で室外機100を真上から見たときの、熱交換器1,2及び空気ガイド8を示す平面図の略図である。
【0022】
図5Bにおいて、熱交換器1は、開口3a,3bと平行な第1面1aと、開口3a,3bと交差する関係にある第2面1bと、第1面1aと第2面1bとの間にある第1コーナー1cと、外側の側面1dとを有する。もう1つの熱交換器2は、開口3a,3bと平行な第3面2aと、開口3a,3bとは交差する関係にあり、第2面1bと隣接して配置される第4面2bと、第3面2aと第4面2bとの間にある第2コーナー2cと、外側の側面2dとを有する。
【0023】
熱交換器1,2の第1コーナー1cと第2コーナー2cとの隙間Sに入り込むように、空気ガイド8が設けられている。空気ガイド8は、図5Bでは図示を省略しているが支柱3e(図1)に取り付けられ、第1コーナー1c及び第2コーナー2cのどちらとも触れていない。空気ガイド8は、第1コーナー1cと第2コーナー2cの各表面に対して概ね直交する方向に空気を案内するために設けられている。
【0024】
図6は、図5BにおけるVI部の拡大図である。空気ガイド8は、上から見ると「V」字状である。V字の両片は、それぞれ、第1コーナー1c及び第2コーナー2cに平行とまでは言えないが、ある程度沿っている。空気ガイド8には、複数箇所に折り曲げ部8aがある。空気ガイド8は、支柱3eから図1に示した支持部3hを介して支持されている。
【0025】
図7は、空気ガイド8を単体で示す図である。(a)は、図6と同様に空気ガイドを真上から見たときの平面図であり、(b)は、(a)の空気ガイド8の右側面図である。空気ガイド8の一面8f1には、例えば9箇所に開口8bが形成されている。開口8bは、加工上、完全に打ち抜くのではなく、折り曲げ部8aが一面8f1に対して垂直に残るように形成されている。空気ガイド8の他の面8f2についても同様の形態である。
【0026】
図8は、空気ガイド8による空気の流れの変化を示す平面図である。図中の矢印がファン4,5の回転による吸気の流れを示している。外から吸い込まれてくる空気は、空気ガイド8のV字状の空間に入り、9箇所の開口8bから熱交換器1,2の表面に向かって出て行く。このとき、開口8b及び折り曲げ部8aは、開口8bを通り抜けていく空気の流れを一定方向へ導く「整流部」としての機能を発揮し、より効率よく、空気を熱交換器1,2の表面に向かわせることができる。
【0027】
「表面に向かわせる」とは、表面に対して法線方向の成分が法線と直交する接線方向の成分より多くなるように、空気の流れを導くことである。理想的には法線方向に空気の流れを導くことである。熱交換器1,2は、その表面に対して法線方向に空気が通り抜け易い構造となっている。従って、表面に対して法線方向の成分が接線方向の成分より多くなるように、空気の流れを導く開口8b及び折り曲げ部8aを設けることで、空気が熱交換器1,2を通り抜ける際の抵抗を少なくすることができる。こうして、空気の流れに対する抵抗による異音(風切り音)の発生を低減することができる。
【0028】
また、表面に対して法線方向の成分が接線方向の成分より多くなるように、空気の流れを導く開口8b及び折り曲げ部8aを設けることで、熱交換器1,2を通り抜ける空気の量を増大させることができる。これにより、熱交換の効率も向上する。
【0029】
上記の空気ガイド8の形態は一例に過ぎず、種々のバリエーションが考えられる。
図9は、第2実施形態による空気ガイド9を示す平面図である。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
図9において、空気ガイド9は、図の形状をZ方向に延ばした形状となっている。中心にある支持板9aに対して、例えば3個のひれ状の整流部9b,9c,9dが左右対称に設けられている。X方向の幅は、9b,9c,9dの幅をそれぞれW9b,W9c,W9dとすると、W9b<W9c<W9dの関係にある。外から吸い込まれてくる空気は、空気ガイド9の整流部9bに当たって向きを変え、熱交換器1,2に向かう。整流部9bの横を通り抜けた空気は整流部9cに当たって向きを変え、熱交換器1,2に向かう。整流部9b,9cの横を通り抜けた空気は整流部9dに当たって向きを変え、熱交換器1,2に向かう。こうして、より効率よく、空気を熱交換器1,2の表面に向かかわせることができる。この場合も、異音の発生を低減することが可能である。
【0031】
《開示のまとめ》
以上の開示のまとめとして、以下のように一般化して表現することができる。
【0032】
開示したのは、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換ユニットとしての室外機100であって、空気を吸い込む開口3a,3bを有する筐体3と、開口3a,3bに面して筐体3内に設けられた第1の熱交換器1と、開口3a,3bに面して筐体3内に設けられ、かつ、第1の熱交換器1の隣に設けられた第2の熱交換器2と、開口3a,3bから筐体内に空気が流入するように送風するファン4,5と、第1の熱交換器1と第2の熱交換器2との間に設けられ、開口3a,3bから流入する空気を第1の熱交換器1及び第2の熱交換器2の各表面に向かうように空気の流れを変える空気ガイド8と、を備えている熱交換ユニットである。
【0033】
このような熱交換ユニットでは、空気ガイド8により、第1の熱交換器1と第2の熱交換器2との間で、空気の流れが熱交換器1,2に入りやすくなるようにすることができる。これにより、空気が熱交換器1,2を通り抜ける際の抵抗を少なくすることができ、音の発生を低減することができる。
【0034】
例えば空調機の室外機は、上記のような熱交換ユニットを含むものである。
【0035】
第1の熱交換器1は、開口3a,3bと平行な第1面と、開口3a,3bと交差する第2面と、第1面と第2面との間にある第1コーナー1cと、を有する。第2の熱交換器2は、開口3a,3bと平行な第3面と、開口3a,3bと交差し第2面と隣接して配置される第4面と、第3面と第4面との間にある第2コーナー2cと、を有する。そして、空気ガイド8は、第1コーナー1cと第2コーナー2cの各表面に対して直交する方向に空気を案内する整流部8a,8b,9b,9c,9dを有する、という構成であってもよい。
【0036】
そもそも熱交換器1,2は、その表面に対して法線方向に空気が通り抜け易い構造となっている。従って、表面に対して法線方向の成分が接線方向の成分より多くなるように、空気の流れを導く整流部8a,8b,9b,9c,9dを設けることで、空気が熱交換器1,2を通り抜ける際の抵抗を少なくすることができる。こうして、空気の流れによる音の発生を低減することができる。
【0037】
整流部8a,8b,9b,9c,9dは、例えば、空気ガイド8,9に形成された複数の、孔、突起、又はその両方である。このような整流部8a,8b,9b,9c,9dは、簡単な構造により空気の流れを変えることができる。
【0038】
空気ガイド8は、第1コーナー1cと第2コーナー2cとの間に配置されていることが好ましい。この場合、第1コーナー1cと第2コーナー2cとの隙間を有効利用することができ、空気ガイド8を筐体3内に収めることができる。
【0039】
空気ガイド8は、コーナー部の各々の表面に沿って設けられていることが好ましい。
この場合、2つの熱交換器1,2に対する空気の流れの抵抗を共に抑制し、音の発生を抑制することができる。
【0040】
ファン4,5は、第1の熱交換器1及び第2の熱交換器2の上方に配置され、空気ガイド8は、開口3a,3bに面した上方に設けられていてもよい。
この場合、空気ガイド8がファン4,5に近くなるので、通過する空気の量も多く、空気の流れによる音の発生を抑制するには位置的に好適である。
【0041】
空気ガイド8は、筐体3の支柱に取り付けられ、第1の熱交換器1及び第2の熱交換器2とは非接触であるようにしてもよい。
この場合、筐体3が微振動しても空気ガイド8と熱交換器1,2との接触による音の発生を抑制することができる。
【0042】
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0043】
1:熱交換器、1a:第1面、1b:第2面、1c:第1コーナー、1d:側面、2:熱交換器、2a:第3面、2b:第4面、2c:第2コーナー、2d:側面、3:筐体、3a,3b,3c,3d:開口、3e:支柱、3f,3g:吹き出しグリル、3h:支持部、4,5:ファン、6:圧縮機、7:アキュムレータ、8:空気ガイド、8a:折り曲げ部、8b:開口、8f1:一面、8f2:他の面、9:風向調整部材、9a:支持板、9b,9c,9d:整流部、100:室外機(熱交換ユニット)、S:隙間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9