(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
A47G 23/08 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
(21)【出願番号】P 2024112233
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2024105585の分割
【原出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2024018851
(32)【優先日】2024-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】杉本 忠教
(72)【発明者】
【氏名】中村 英俊
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-313135(JP,A)
【文献】実開平06-056480(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0101225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G2308
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物が載せられる容器を収容し、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具であって、
前記各収容体に取り付けられる一対の取付部と、
前記一対の取付部を連結する連結部と、
を備え、
前記連結部は、顧客が視認可能な表示が施された表示部材を取り付け可能
な長さに形成されている連結具。
【請求項2】
前記表示部材は、板状またはシート状に形成されており、
前記表示部材の下端部が直線状に形成されており、前記連結部は、前記表示部材の下端部が配置可能な長さに形成されている、
請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記連結部は、前記一対の収容体の間隔を一定に維持可能な剛性を有する、
請求項1の連結具。
【請求項4】
前記収容体は、前記搬送路に載せられる基台を有し、
前記取付部は、前記基台が載置される支持部を備える、
請求項1または2に記載の連結具。
【請求項5】
前記支持部は、前記基台に対する回転を防止するための回転防止部を備える、請求項4に記載の連結具。
【請求項6】
前記収容体は、前記搬送路に載せられる円筒状の基台を有し、
前記取付部は、前記基台の外周面に取り付け可能な環状に形成されている、
請求項1または2に記載の連結具。
【請求項7】
前記連結部は、前記収容体に対する角度が一定となるように固定される、
請求項1または2に記載の連結具。
【請求項8】
前記連結部は、前記連結部に対して前記表示部材を取り付けるため表示部材取付部を備える、
請求項1または2に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物が載せられる容器を収容し、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に回転寿司と称される飲食店には、客席に沿って循環移動する搬送路を備えた飲食物搬送装置が設置されている。このような飲食店では、調理人が、寿司などの飲食物を容器、例えば皿に載せた後、飲食物を載せた皿を飲食物搬送装置の搬送路上に移し替えて客席に順次搬送させるようにしている。一方、顧客は、順次送られてくる寿司などの飲食物が載せられた皿を好みに応じて搬送路上から適宜取り出して飲食物を食するようにしている。
【0003】
ところで、上記搬送路上の寿司は、皿の上方が開放された状態で搬送されるために乾燥し易く、また他の客に誤って触れられることも考えられる。そのため、寿司の乾燥を防止することや寿司を衛生的に提供することが課題となっている。そこで、特許文献1では、寿司が盛られた皿にカバー部材を被せたのち、その皿を搬送装置の搬送路上に送り込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、搬送路で搬送される皿には、飲食物を知らせるためのいわゆるPOP広告が載せられるが、皿に対してPOP広告が載せられるため、飲食物は別の皿に載って搬送される。したがって、POP広告と実物との比較がしづらいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、飲食物が載った皿とともに搬送され、皿に載った飲食物の内容を知らせたり、あるいは宣伝広告等の表示を示すことができる、連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
項1.飲食物が載せられる容器を収容し、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具であって、
前記各収容体に取り付けられる一対の取付部と、
前記一対の取付部を連結する連結部と、
を備え、
前記連結部は、顧客が視認可能な表示が施された表示部材を取り付け可能長さに形成されている連結具。
【0008】
項2.前記表示部材は、板状またはシート状に形成されており、
前記表示部材の下端部が直線状に形成されており、前記連結部は、前記表示部材の下端部が配置可能な長さに形成されている、
項1に記載の連結具。
【0009】
項3.前記連結部は、前記一対の収容体の間隔を一定に維持可能な剛性を有する、
項1また2に記載の連結具。
【0010】
項4.前記収容体は、前記搬送路に載せられる基台を有し、
前記取付部は、前記基台が載置される支持部を備える、
項1から3のいずれかに記載の連結具。
【0011】
項5.前記支持部は、前記基台に対する回転を防止するための回転防止部を備える、項4に記載の連結具。
【0012】
項6.前記収容体は、前記搬送路に載せられる円筒状の基台を有し、
前記取付部は、前記基台の外周面に取り付け可能な環状に形成されている、
項1から3のいずれかに記載の連結具。
【0013】
項7.前記連結部は、前記収容体に対する角度が一定となるように固定される、
項1から6のいずれかに記載の連結具。
【0014】
項8.前記連結部が、前記取付部に対して着脱自在に固定されている、
項1から7のいずれかに記載の連結具。
【0015】
項9.前記連結部は、前記連結部に対して前記表示部材を取り付けるため表示部材取付部を備える、
項1から8のいずれかに記載の連結具。
【0016】
項10.飲食物が載せられる容器を収容し、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具であって、
前記各収容体に取り付けられる一対の取付部と、
前記一対の取付部を連結する連結部と、
を備え、
前記連結部には、顧客が視認可能な表示が施されている、連結具。
【0017】
項11.前記連結部は、2つに分離可能に構成されている、項1から10のいずれかに記載の連結具。
【0018】
項12.2つの分離された前記連結部の各部位は、手を模した形状に形成され、
前記各部位が連結されたときには、握手を模した形状となるように構成されている、項11に記載の連結具。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る連結具によれば、飲食物が載った皿とともに搬送され、皿に載った飲食物の内容を知らせたり、あるいは宣伝広告等の表示を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る飲食物提供システムの平面図である。
【
図11】作動体の平面図(a)、側面図(b)、及び底面図(c)である。
【
図16】
図14の連結具によって連結された一対の収容体の正面図である。
【
図18】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図19】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図20】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図21】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図22】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図23】
図14の連結具で連結された一対の収容体が搬送路を搬送する過程を示す平面図である。
【
図24】連結具が弾性変形した場合の例を示す平面図である。
【
図28】連結具の取付部と収容体との固定を示す平面図である。
【
図29】
図25の連結具によって連結された一対の収容体の正面図である。
【
図31】第3実施形態に係る連結部の正面図である。
【
図32】第1部位の正面図(a)、第1部位の背面図(b)、第1部位の平面図(c)である。
【
図33】第2部位の正面図(a)、第1部位の背面図(b)、第1部位の平面図(c)である。
【
図34】第1部位と第2部位の固定の過程を示す正面図である。
【
図35】第1部位と第2部位の固定後の平面図である。
【
図36】第1部位と第2部位の固定後の背面図である。
【
図37】
図31の連結部を有する連結具によって連結された一対の収容体の正面図である。
【
図38】他の例の連結部を有する連結具によって連結された一対の収容体の正面図である。
【
図39】クイックターン機構の概要を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<A.第1実施形態>
<1.飲食物提供システムの概要>
以下、本発明に係る収容体を搬送する飲食物提供システムの第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は飲食物提供システムの平面図、
図2は搬送路の断面図、
図3は搬送路の正面図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る飲食物提供システムは、一例として、寿司店舗に設けられるものであり、客室S1と厨房S2との間で飲食物を収容する収容体5を搬送する搬送路1を備えている。客室S1には、パーティションで仕切られた複数の客席ブース3が設けられており、各客席ブース3は、搬送路1に沿うように配置されている。また、各客席ブース3には、矩形状のテーブル31が設けられており、このテーブル31の一辺が搬送路1に接するように設置されている。
【0023】
搬送路1によって搬送される収容体5には、飲食物(寿司、汁物、菓子、飲み物等)が載る皿4が収容されており、各客席ブース3の顧客は、搬送路1上にある収容体5から、飲食物が載る皿4を取り出し、テーブル31で飲食するようになっている。
【0024】
また、
図2に示すように、客席ブース3のテーブル31上には、注文、会計等を行うためのタッチパネルディスプレイ32と、皿4を投入するための投入装置33と、が配置されている。タッチパネルディスプレイ32で注文された飲食物は、第2搬送路2によって、厨房S2から注文がなされたテーブル31まで搬送される。また、注文された飲食物に関する情報は、注文情報として処理装置(図示省略)に記憶される。以下、各装置について詳細に説明する。
【0025】
<2.搬送路>
図2に示すように、搬送路1は、フラットチエンコンベア11が配置された2つのレーンを有しており、このフラットチエンコンベア11は、客室S1と厨房S2との間で、モータ(図示省略)によって循環移動するようになっている。また、フラットチエンコンベア11上には、上述した収容体5が、所定間隔をおいて配置されており、搬送路1上を移動するようになっている。
【0026】
<3.投入装置>
次に、投入装置33について説明する。
図2に示すように、投入装置33は、テーブル31上で開口し、皿4が投入される投入口331を有する案内路332と、この案内路332の内部に設けられ、通過した皿4を検知するセンサ333と、を備えている。案内路332は、テーブル31から下方に向かって斜めに延びており、搬送路1の内部に設けられた皿回収水路22に連結されている。皿回収水路22は、厨房S2へ延びており、厨房S2に設けられた収容槽(図示省略)に連結されている。そして、この皿回収水路22には、収容槽に向かって水が流れており、投入口331から投入された皿4が、案内路332を介して皿回収水路22に落下すると、水によって収容槽まで流れるようになっている。そして、皿4は、収容槽で回収され、洗浄後、再利用される。
【0027】
案内路332を通過した皿4が、センサ333によって検知されると、その種類及び数が、上述した処理装置に送信され、投入情報として記憶される。この投入情報は、会計時に利用され、タッチパネルディスプレイ32において会計ボタン(図示省略)をタッチすると、投入情報と上述した注文情報に基づいて、飲食した皿の数や種類とともに料金がタッチパネルディスプレイに表示される。顧客が、これに承諾すると、POSレジでの料金の支払いを促す記載がタッチパネルディスプレイ32に表示される。あるいは、店舗スタッフを呼び出し、飲食した皿の数を数えてもらうことで会計処理を行うこともできる。
【0028】
<4.収容体>
次に、収容体5について、
図3~
図6を参照しつつ説明する。
図3は閉状態にある収容体の正面図、
図4は
図3の側面図、
図5は開状態にある収容体の正面図、
図6は
図5の側面図である。なお、
図3~
図6では、説明の便宜のため、皿4を着色した半透明で示している。まず、収容体5に収容される皿4について説明する。例えば、
図3に示すように、皿4は、平面視円形の皿板41と、この皿板41の下面に下方に突出する円筒状の高台42と、を備えており、これらが一体的に形成されている。そして、皿板41の上には、寿司等の飲食物(図示省略)が載せられる。
【0029】
次に、収容体5について、説明する。
図3~
図6に示すように、この収容体5は、皿4を載置する載置位置を有する載置台6と、この載置台6の上面を覆うための蓋体7と、載置位置への皿4の載置に伴い蓋体7を閉動作させるとともに、載置位置からの皿4の取り出しに伴い蓋体7を開動作させるための開閉機構80と、を備えている。以下、各部材について詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜のため、
図3~
図6に示す方向に即して説明を行うが、本発明はこの方向には限定されない。
【0030】
<4-1.載置台>
図7は載置台及び操作部材の平面図、
図8は
図7の正面図、
図9は
図7の側面図である。
図7及び
図8に示すように、載置台6は、円筒状の基台61と、その上端に設けられた載置部62とを備え、これらが一体的に形成されている。載置部62の上面には、皿4が載置されるようになっており、皿4は後述する載置位置に保持されるようになっている。載置部62は、平面視円形の載置板63と、この載置板63の上面の前部に配置されるストッパ64と、載置板63の後端部に配置され、蓋体7を開閉可能に支持する一対の支持片67と、を備えている。
【0031】
ストッパ64は、載置板63から隆起し、載置板63の前縁に沿うように延びている。そして、ストッパ64の後縁には、円弧状の内周面642が形成されており、この内周面642に皿4の高台42の外周面が接するようになっている。載置板63の両側の外縁付近には、円形状の貫通孔69が形成されている。
【0032】
また、載置板63の上面には、前後方向の中央よりも後方に平面視矩形状の凹部635が形成されており、この凹部635には、後述する作動体8が配置される。また、この凹部635の底面には、前後方向に延びる複数の長穴状の貫通孔636が形成されており、後述するように、この貫通孔636に作動体8の突部811が挿入されるようになっている。そして、皿4の高台42は、後述するように、ストッパ64の第2内周面642と作動体8によって挟まれ、これによって、皿4が載置台6に保持される。このときに皿4が載置される位置を載置位置と称することとする。
図3及び
図4は、皿4が載置位置にある状態を示している。
【0033】
図8及び
図9に示すように、上述した一対の支持片67は、凹部635を挟むように載置板63上に取り付けられ、載置板63から上方に延びている。そして、各支持片67の上端には、貫通孔671が形成されており、この貫通孔671に蓋体7の突部73が回転可能に挿入され、蓋体7が開閉するようになっている。すなわち、この支持片67は蓋体7が載置部62に対して開閉するためのヒンジとしての役割を果たす。
【0034】
<4-2.蓋体>
図10は蓋体の側面図である。
図10に示すように、蓋体7は、ドーム状に形成された蓋本体71と、この蓋本体71の後端部から下方に延びる左右一対のアーム片72と、を備えており、これらが一体的に形成されている。蓋本体71及びアーム片72は、透明な合成樹脂材料で構成されており、外部から内部を視認可能となっている。各アーム片72の上端付近には、上述した突部73が形成されており、各突部73が載置部62の支持片67の貫通孔671に回転可能に嵌め込まれている。各突部73は左右方向に突出しており、これによって、蓋体7は、両突部73を通過し左右方向に延びる旋回軸L(
図4等参照)周りに回動し、載置板63に対して開閉可能となっている。
【0035】
また、各アーム片72の下端には、上方に延びる長穴状の切り欠き75が形成されている。この切り欠き75には、後述する作動体8の連結軸85が挿入される。
【0036】
蓋体7の外径は、載置板63の外径とほぼ同じとなっており、
図3に示すように、蓋体7が閉状態となったときには、蓋体7の下縁は、載置板63の周縁部から隙間を開けて上方に配置される。そして、この隙間に皿4が収容される。さらに、
図3に示すように、蓋体7の前部の下縁には円弧状の切り欠き76が形成されており、この切り欠き76を介して収容された皿4を掴めるようになっている。蓋体7の最上部には貫通孔77が形成されており、この貫通孔77には、各蓋体7に入っている飲食物の種類を示す表示札79が取り付けられている。この表示札79には、例えば、マグロ、鯛などの寿司の種類を表示することができる。
【0037】
<4-3.開閉機構>
次に、開閉機構について説明する。
図4及び
図6に示すように、開閉機構80は、載置板63上に配置される作動体8と、この作動体8を前方に付勢するためのコイルスプリング(付勢手段)83と、を備えている。
【0038】
まず、作動体8について説明する。
図11は、作動体の平面図(a)、側面図(b)、及び底面図(c)である。
図11に示すように、作動体8は、上述した載置板63の凹部635に配置され、凹部635内を前後方向にスライドする板状の本体部81と、この本体部81の後部から上方に突出する支持部82と、を備えている。支持部82は、平面視矩形状に形成されているが、前部には、後方に向かって円弧状に凹む内周面821が形成されており、この内周面821が皿4の高台42の外周面に接するようになっている。すなわち、この作動体8の内周面821と、ストッパ64の第2内周面642とで皿4の高台42を挟むようになっている。
【0039】
図11(c)に示すように、本体部81の下面には、前後方向に延びる複数の突部811が形成されており、これら突部811は、上述したように、載置板63の凹部635の底面に形成された貫通孔634に嵌め込まれている。これにより、本体部81は、突部811と貫通孔634とでガイドされつつ、前後方向にスライド可能となっている。そして、
図4等に示すように、複数の突部811のうち、左右方向の中央の突部811aと、載置板63の下面において、この突部811aよりも前方に形成された取付部638との間には、上述したコイルスプリング83が取り付けられている。このコイルスプリング83により、作動体8は、前方に向かって常時付勢されている。但し、後述する
図14に示すように、作動体8の本体部81は、載置板63の凹部635に配置されており、凹部635の前壁がストッパになるため、前方に付勢されているものの、前壁によってそれ以上前方へは移動しないようになっている。
【0040】
また、
図11に示すように、支持部82の後端の両側には、後方に向かって斜め上方に延びる突片84が形成されている。各突片84の上端付近には、左右方向に延びる連結軸85が形成されており、各連結軸85は、蓋体7のアーム片72に形成された切り欠き75に挿入されており、切り欠き75内を移動可能となっている。なお、連結軸85は、旋回軸Lよりも下方において、切り欠き75に挿入されている。
【0041】
次に、作動体による蓋体の開閉について説明する。
図12は閉状態の蓋体を示す、
図13は開状態の蓋体を示している。
図12及び
図13では、主として蓋体7と作動体8とを示しており、説明の便宜のため、載置台6の支持片67は省略している。
【0042】
作動体8は、常時コイルスプリング83によって前方に付勢されているため、
図12に示すように、外力が作用しないときには、作動体8は凹部635の前壁に接している。これにより、連結軸85は、アーム片72の下端部を前方に押し遣っている。すなわち、連結軸85は、旋回軸Lの下方においてアーム片72の下端部を前方に押圧するため、蓋体7は揺動軸L周りに上方に揺動し、開状態となる。作動体8はコイルスプリング83によって常時前方に付勢されているため、初期状態では、蓋体7は開状態となっている。
【0043】
この状態から、作動体8をコイルスプリング83に抗して後方に移動させると、
図13に示すように、連結軸85がアーム片72を後方に押し遣る。これにより、蓋体7は、旋回軸Lよりも下方において後方に押圧されるため、旋回軸L周りに下方に揺動し、閉状態になる。この過程において、連結軸85は、アーム片72の切り欠き75内を上方に向かって移動する。
【0044】
<5.収容体の使用方法>
次に、上記収容体5の使用方法について説明する。まず、調理人が寿司等の飲食物(図示省略)を皿4の皿板41上に盛ったのち、皿板41の周縁部を手で持って、搬送路1上に置かれた開状態の収容体5に皿4を載せる。すなわち、
図6の状態から皿4を載置板63に対して後方に向けて押し込む。このとき、皿4の高台42を作動体8の内周面821に対して接触させ、皿4を作動体8とともに後方に押圧する。そして、皿4の高台42をストッパ64の第2内周面642に係合させれば、高台42は作動体8とストッパ64との間に保持される。この過程において、作動体8は後方に移動するため、
図3及び
図4に示すように、蓋体7は下方に揺動し、閉状態となる。これにより、皿4の上方が蓋体7によって覆われるため、寿司が蓋体7によって保護され、埃などが付着するのが防止される。但し、蓋体7は透明であるため、内部の寿司を外部から視認可能である。なお、作動体8はコイルスプリング83によって前方に付勢されているため、皿4の高台42は、作動体8に押し込まれる。したがって、高台42は作動体8とストッパ64との間でしっかりと保持される。これに伴い、蓋体7は閉状態に保持されるため、不用意に開かない。
【0045】
このように皿4が配置された収容体5は、搬送路1に沿って搬送されていき、テーブル31において、顧客により収容体5から皿4が取り出される。すなわち、
図3及び
図4の状態から蓋体7の切り欠き76から指を挿入し、皿板41を指で掴んで上方に押し上げる。これにより、高台42がストッパ64から離脱すると、作動体8によって高台42が前方に押し遣られる。この過程で作動体8は前方に移動するため、これに伴って蓋体7が上方に揺動し開状態となる。この状態で、顧客は、皿板41を掴んだまま、皿4を収容体5から取り出すことができる。
【0046】
<6.連結具>
図14は連結具の正面図、
図15は
図14の平面図、
図16は連結具が取り付けられた収容体の正面図、
図17は
図16の平面図である。本実施形態では、隣接する2つの収容体5を連結具9によって連結した状態で、搬送路1にて搬送する。
図14及び
図15に示すように、連結具9は、収容体5に取り付けられる一対の取付部91と、両取付部91を連結する連結部92と、を有している。取付部91は環状に形成され、収容体5の基台61の外周面に着脱自在に取り付けられる。そのため、取付部91は、ゴムなどの弾性部材によって形成され、初期状態では基台61の外径よりも小さい内径を有している。そして、取付部91を基台61に取り付ける際には、取付部91の内径を押し広げ、基台61に取り付ける。これにより、取付部91は基台61の外周面を押圧し、基台61に固定される。
【0047】
連結部92は、隣接する収容体5の間隔を維持するための部材である。より詳細には、連結部92は、板状の本体部921と、本体部921の上面に形成された固定部922と、本体部921の上面において固定部921の両端に取り付けられた一対の突部923と、を有しており、これらは一体的に形成されている。本体部921は、隣接する収容体5の間隔を維持するために棒状に延びており、その両端が取付部に固定されている。固定部922は、直方体状に形成され、上面にスリット924が形成されている。このスリット922には、紙や樹脂などで形成されたシート状または板状の表示部材97が取り付けられる。表示部材97には、例えば、収容体5に収容されている飲食物の内容、宣伝(いわゆるPOP広告など)、顧客に対する報知事項(例えば、顧客への感謝、顧客にアピールしたい事項)の少なくともいずれかなどが表示されている。すなわち、表示部材97には、顧客が視認可能な表示が施される。この場合、表示部材97は、紙等による表示であってもよいし、電子ペーパーによる電子的表示であってもよい。
【0048】
スリット924は、表示部材97を連結部92に対して取り付けるための表示部材取付部として用いられ、このような表示部材取付部が連結部92に形成されていることで、表示部材97が連結部92に対して安定して取り付けられる。
【0049】
連結部92は、表示部材97を取り付け可能な長さに形成されている。この場合、表示内容が客席から視認可能であれば特に限定されないが、例えば、表示部材97の水平方向の長さ(少なくとも下端部の長さ)を踏まえ、両収容体5間の距離を一定量離間させた状態で連結させることが考えられる。これによって、両収容体5間で水平方向(搬送路の搬送方向)のスペースが確保され、表示部材97が連結部92に取り付け可能となる。
【0050】
各突部923は、載置板63に形成された貫通孔69に固定される。これにより、連結部92と載置板63との取付角度が固定される。したがって、収容体5に連結具9が固定されると、両収容体5の間の距離、及び両収容体5の角度が固定され、この固定状態を維持したまま、2つの収容体5が搬送路1にて搬送される。
【0051】
両収容体5間の距離の最大値は特には限定されないが、例えば、12cm以下が好ましく、11cm以下がさらに好ましく、10cm以下がより好ましい。一方、両収容体5間の距離の最小値も特には限定されないが、例えば、7cm以上が好ましく、8cm以上がさらに好ましい。そして、連結具9は、両収容体5間の距離が上記のようになるように設計される。このような連結具9の長さは、収容体5の外径、搬送路1の幅、及び後述する曲線路103の曲率半径等に基づいて、両収容体5がスムーズに搬送される長さに設定される。
【0052】
この場合、連結部62の長さの上限としては、例えば、直線路と曲線路からなるU字状の搬送路によって形成される通過領域に対し、連結部62によって連結された両収容体5からなる一つの集合体の移動範囲(移動軌跡)が、当該通過領域を超えないような長さ以下であることが好ましい。これは、U字状の搬送路によって形成される通過領域に対し、連結部62によって連結された両収容体5からなる一つの集合体の移動範囲を超えるように、連結部の長さが設定されると、搬送路を曲がる際に、集合体のいずれかが通過領域の外縁または内縁に接触し、連結部62によって連結された両収容体5が通過することが難しくなるためである。
【0053】
なお、収容体5の外径としては、例えば、搬送路1に対して当接される部分(通過の影響を受ける部分)の外径に基づいて設定される必要があり、例えば、基台61の外径で規定される場合の他、載置部62で規定される場合もあり得る。
【0054】
また、搬送路1中にクイックターン機構(搬送路をショートカットするためのハネ及びコンベア)を設けるような場合、クイックターン機構の搬送路によって形成される通過領域に対し、連結部62によって連結された両収容体5からなる一つの集合体の移動範囲を超えないような長さ以下であることが好ましい。
【0055】
また、連結具9は、搬送中に両収容体5間の距離や角度が変化しないような剛性を有する部材にて形成されている。例えば、弾性変形しがたい樹脂材料や金属材料で形成することができる。より具体的には、例えば、連結部92の一端部を支持して水平に延ばし、他端部に60g以下の負荷が作用したときに変形しないような剛性が好ましく、80g以下の負荷が作用したときに変形しないような剛性であることがさらに好ましい。なお、連結具9は搬送中には変形しないが、剛体ではなく、強い力が作用した場合には多少の変形は許容される。
【0056】
<7.連結具で連結された収容体の搬送>
次に、連結具9で連結された2つの収容体5の搬送について説明する。まず、
図16及び
図17に示すように、連結具9を収容体5に取り付ける。次に、連結具9で連結された一対の収容体5を搬送路1に配置する。このとき、両収容体5は搬送路1上に配置されるが、連結具9は搬送路1には接しておらず、搬送路1の上方に配置される。以下では、
図18~
図23に示す搬送路1にて搬送を行う。この搬送路1は、第1直線路101、第1直線路101と平行に延びる第2直線路102、及び両直線路101,102の端部同士を連結する曲線路103とを有している。そして、収容体は、第1直線路101を左側に進んだ後、曲線路103を通過して方向を転換し、その後、第2直線路102を右側に進む。第1直線路101と第2直線路102には、テーブル31が面している。また、この搬送路1は、周囲の台に比べてやや低い位置に配置されている。そのため、搬送路1は、外縁201と内縁202との間の領域に配置されている。但し、載置板63は周囲の台よりも高い位置にあり搬送中には接触しないが、基台61は正しく搬送されない場合には、外縁201または内縁202に接触するおそれがある。また、説明の便宜のため、先頭の収容体を第1収容体501、後尾の収容体を第2収容体502と称することとする。また、各収容体501,502において黒の四角で示す箇所は、切り欠き76が形成されている位置であり、各収容体501,502の前部であることを示している。
【0057】
以下では、収容体501,502の搬送の一例として、直線路101、102、及び曲線路103の幅が15cm、曲線路103の曲率半径が21cm、第1及び第2直線路101,102の間隔が12cm、各収容体5の基台61の外径が10cm、載置板63の外径が16cm、収容体間の距離(載置板63間の距離)を12cm(
図18の18cmは基台61間の距離:12cm+3cm+3cm)とした。また、搬送路1の速度は、80~100mm/秒である。但し、これらは一例であり、上述したように、両収容体501,502を連結した状態で搬送路1をスムーズに移動できるように、各寸法を適宜変更が可能である。なお、
図18~
図23において符号501,502が付されている部位は、各収容体501,502の基台61を示している。
【0058】
まず、
図18に示すように、両収容体501,502が第1直線路101を右側に進む。このとき、両収容体501,502の前部はテーブル31を向く。そして、
図19に示すように、第1収容体501が曲線路103に進入すると、連結具9はそれに伴って回転しながら第1収容体501に追随する。これに伴い、第2収容体502はやや回転しながら第1直線路101を進行する。
【0059】
図20に示すように、第1収容体501が曲線路103の下流側に進むと、第2収容体502が曲線路103に進入する。そして、
図21及び
図22に示すように、第1収容体501が第2直線路102に進入すると、連結具9はそれに伴って回転しながら第1収容体501に追随する。これに伴い、第2収容体502もやや回転しながら曲線路103を進行する。その後、
図23に示すように、両収容体501,502は第2直線路102に進入し、右側に進行する。このとき、両収容体501,502の前部はともにテーブル31を向く。
【0060】
<8.特徴>
以上のように、本実施形態に係る収容体5及び連結具は、次の効果を得ることができる。
【0061】
(1)両収容体501,502が連結具9で連結され、この連結具9に表示部材97が取り付けられているため、収容体5に収容された飲食物の内容を知らせたり、宣伝を行ったり、顧客への報知を行うことができる。この場合、例えば、表示内容と収容体5に収容された飲食物との関連性を認識しやすい。
【0062】
(2)両収容体501,502が連結具9で連結され、両者の距離及び角度が固定されるため、両収容体501,502の前面は常にテーブル31側を向くように進行する。したがって、テーブル31で食事をとる顧客が収容体5から皿4を取り出しやすくすることができる。
【0063】
また、連結具9に取り付けられた表示部材97も常にテーブル31側を向いているため、顧客が視認しやすく、宣伝効果を高めることができる。
【0064】
(3)連結具9が剛性を有する部材で形成されているため、両収容体501,502の間で一定の距離があっても、両収容体501,502の間隔と角度を固定したまま搬送することができる。これに対して、例えば、連結具9が弾性変形可能な材料で形成されていると、
図24に示すように、曲線路103での搬送中に連結具9が曲がるおそれがある。そして、連結具9が曲がると、搬送路1上での両収容体501,502との間の位置関係が変化してしまい、その結果、搬送路1を通過できなくなり、搬送路1上で停止するおそれがある。これに対して、本実施形態のように剛性を有する連結具9を用いると、両収容体501,502との間の位置関係が維持されるため、両収容体501,502を安定して搬送することができる。
【0065】
なお、剛性を有する連結具9を用いる場合、搬送路1中にクイックターン機構(搬送路1をショートカットするためのハネ及びコンベア)を設けるにも有効である。この場合、クイックターン機構のコンベアと搬送路1のコンベアとの間で搬送速度が異なることで、両収容体501,502との間の位置関係が変化しやすい。また、クイックターン機構のコンベアと搬送路1のコンベアとの間の段差が両収容体501,502の移動の障害となる等の問題が生じうる。そこで、剛性を有する連結具9を用いることによって、後方の収容体502の移動に伴う推進力を利用して前方の収容体501を前進させることができたり、逆に、連結部92を介して前方の収容体501の移動に伴って後方の収容体502をけん引する等の作用によって、搬送速度の違いや段差の影響があっても、連結された両収容体501,502をスムーズに移動させることができる。
【0066】
また、剛性を有する連結具9を用いる場合、曲線路103での搬送中に連結具9が曲がることによって、連結具9に取り付けられる表示部材97の形状が変化してしまうことを防止できる。これによって、顧客に対する表示を適切に行われる。
【0067】
<B.第2実施形態>
次に、本発明の連結具の第2実施形態について、
図25~
図28を参照しつつ説明する。なお、連結具以外の収容体等は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0068】
図25は連結具の正面図、
図26は
図25の平面図、
図27は連結具が取り付けられた収容体の正面図、
図28は
図27の平面図である。本実施形態に係る連結具は、取付部91と連結部92が分離可能である点が、第1実施形態と相違する。
【0069】
<1.連結具の概要>
図25及び
図26に示すように、連結具9は、一対の取付部91と、連結部92とを有している。一対の取付部91は、同じ構造である。取付部91は、板状の基板911と、基板911の上面に設けられた第1支持部912及び第2支持部913と、基板911の上面において起立する起立部914と、起立部914の上端に設けられた固定部915とを有している。
【0070】
基板911は環状に形成され、その一部が径方向に突出するように形成されている。基板911の内周縁の周囲には、円筒状に形成された支持部912が配置されており、この支持部912の前側の2箇所には、支持部912の中心に対して対称な位置にスリット(回転防止部)913が形成されている。そして、第1支持部912は、収容体5の基台61の内部に収容される。したがって、支持部912の外径は、基台61の内径と概ね一致している。
【0071】
起立部914は、板状に形成されており、基台911の突出部分から上方に突出している。そして、起立部914において最も外側の上端に、固定部915が取り付けられている。固定部915は矩形の板状に形成され、その中心に平面視の貫通孔916が形成されている。
【0072】
連結部92は、細い板状の本体部924と、この本体部924の下面の両端から下方に突出する角柱状の突部925を有している。突部925は、各取付部91の貫通孔916にそれぞれ挿入される。そして、本体部924の上面には上述した表示部材97が設けられている。なお、第1実施形態で示した両収容体5間の距離は、本体部924の長さと概ね一致している。また、本実施形態の連結具9の材料も第1実施形態と同じにすることができる。
【0073】
<2.連結具の使用方法>
次に、連結具9の使用方法について説明する。まず、収容体5の基台61と取付部91との固定について
図27及び
図28を参照しつつ説明する。
図27は収容体の載置部の底面図である。上記のように、載置部62の載置板63の下面には円筒状の基台61が設けられている。基台61の内部空間には、上述したように、前後方向に延びるコイルスプリング83が設けられている。そして、載置板63の下面には、このコイルスプリング83を挟むように一対の錘68が設けられている。錘68は、収容体5を搬送路1上で安定的に配置するために設けられている。
【0074】
各錘68は、円柱状に形成されており、基台61の内部空間の前側の2カ所に、基台61の中心に対して対称に設けられている。また、各錘68は、基台61の内壁面に接するように設けられている。
【0075】
図28に示すように、基台61に対して、取付部91を取り付けると、取付部91の支持部912が基台61の内壁面に接する。このとき、支持部912に形成された一対のスリット913のそれぞれに錘68の一部が入り込む。これによって、収容体5が取付部91に対して回転するのが抑制される。
【0076】
次に、連結部92の各突部925を、各取付部91の固定部915の貫通孔916に挿入する。上記のように、各突部925は角柱状に形成され、貫通孔916は平面視矩形状に形成されているため、突部925は貫通孔915に対して回転不能である。これにより、連結部92は、各取付部91に対して角度が変化しないように固定される。その結果、2つの収容体5が連結具9を介して連結される。その後、これら収容体5と連結具9を第1実施形態と同様に、搬送路1で搬送する。
【0077】
上記構成によれば、収容部5を取付部91に載置することによって、収容部5が取付部91に取り付けられるため、取付部91の取付作業を容易に行うことができる。なお、上記第2実施形態において、取付部91の上面に基台61が載置される構成であってもよい。
【0078】
このように、本実施形態では、取付部91と連結部92とを別個に形成しているが、これによって、種々の形態の連結部92を準備しておけば、連結部92のみを交換して連結具9を構成することができる。例えば、本体部924の長さが相違する連結部92、表示部材97の形状が相違する連結部92等、種々の連結部92を準備しておけば、取付部91はそのまま用いることができる。
【0079】
<C.第3実施形態>
次に、本発明の連結具の第3実施形態について、
図31~
図36を参照しつつ説明する。なお、連結具における連結部以外の収容体等は、第2実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0080】
図31は連結具の正面図である。本実施形態に係る連結具は、連結部100が分離可能である点が、第2実施形態と相違する。
【0081】
<1.取付部の概要>
図31に示すように、本実施形態の連結部100は、2つの手が握手をしているような形態を示すように構成されており、さらに上述した表示部材97を取り付け可能となっている。連結部100は、第1部位110と第2部位120とで構成されている。これら第1部位110と第2部位120とは、異なる色に着色されている。以下、各部位について説明する。
【0082】
<2.第1部位>
図32は第1部位の正面図(a)、第1部位の背面図(b)、第1部位の平面図(c)である。
図32に示すように、第1部位110は、矩形の板状に形成された基部111と、この基部111から右側(第2部位120側へ)へ斜め下方に延びる板状の挿入部112と、基部111の背面に設けられた支持部113と、支持部113から下方に延びる固定部114と、を備えており、これらが一体的に形成されている。
【0083】
挿入部112の先端は、親指以外の4つの指を模した形状に形成されており、挿入部112が、第2部位120に挿入されて、第1部位110と第2部位120とが固定される。また、
図32(b)に示すように、挿入部112の背面には、凹部118が形成されており、この凹部118に、後述する第2部位120の係合部1281が嵌まるようになっている。支持部113は、直方体状に形成されており、上面には左右方向に延び、右側(第2部位120側)に開放するスリット116が形成されている。このスリット116には、後述するように表示部材97が挿入される。
【0084】
固定部114は、上下方向に延びる直方体状に形成されており、一方の取付部91に取り付けられる部位である。そのため、固定部114の下端には、第2実施形態で示した突部925と同様の突部115が設けられている。
【0085】
<3.第2部位>
図33は第2部位の正面図(a)、第2部位の背面図(b)、第2部位の平面図(c)である。
図33に示すように、第2部位120は、矩形状の基部121と、この基部121の左側(第1部位110側)から斜め下方に延びる板状の受け部122と、基部121から下方に延びる固定部127と、を備えており、これらが一体的に形成されている。なお、基部121と受け部122の前面は面一になっている。
【0086】
基部121は、直方体状に形成されており、上面には左右方向に延び、左側(第1部位110側)に開放するスリット129が形成されている。このスリット129には、後述するように表示部材97が挿入される。また、基部121の前面の右側には、板状の前段部123が設けられている。この前段部123の厚みは、第1部位110の挿入部112の厚みとほぼ同じになっている。また、前段部123の左側の縁部1231は、下方に向かって斜め右側に延びている。これは挿入部112の挿入方向となっている。前段部123の左側の上端部には板状の第1押さえ部124が設けられている。この第1押さえ部124は、基部121の上側を覆うように設けられており、親指を模した形状となっている。
【0087】
受け部122の下端側の縁部には、前方に突出する突部125が設けられ、この突部125から右上に向かって延びる第2押さえ部126が設けられている。第2押さえ部126は、親指以外の4つの指を模した形状に形成されている。これにより、受け部122と第2押さえ部126との間には、突部125によって隙間が形成されており、この隙間に挿入部112が挿入される。そのため、突部125の右端縁1251は、下方に向かって斜め右側に延びている。これは挿入部112の挿入方向となっている。したがって、受け部122に挿入された挿入部112は、第1押さえ部124と第2押さえ部126によって覆われるようになっている。
【0088】
受け部122には、U字状の貫通孔が形成されており、この貫通孔に囲まれた部分が弾性変形可能な変形部128を構成している。また、変形部128の前面には突状の係合部1281が形成されており、この係合部1281が挿入部112の凹部118に嵌まるようになっている。
【0089】
固定部127は、上下方向に延びる直方体状に形成されており、一方の取付部91に取り付けられる部位である。そのため、固定部127の下端には、第2実施形態で示した突部925と同様の突部1271が設けられている。
【0090】
<4.第1部位と第2部位の固定方法>
次に、第1部位110と第2部位120の固定方法について説明する。
図34は両者の固定の過程を示す正面図、
図35は固定後の平面図、
図36は固定後の背面図である。
【0091】
第1部位110と第2部位120を固定するには、
図34に示すように、第1部位110の挿入部112を第2部位120の受け部122の前面と、第1及び第2押さえ部124,126との間において、下側に斜め右方向に挿入する。このとき、第2部位120の変形部128が弾性変形し、係合部1281が凹部118に嵌まる。これにより、
図31に示すように、第1部位110と第2部位120とが固定され、両者が握手をしているような形状が形成される。
【0092】
固定後には、
図35に示すように、第1部位110のスリット116と第2部位120のスリット129が左右方向に繋がり、表示部材97を挿入するための凹部が形成される。また、
図36に示すように、固定後には、第1部位110の支持部113の端部と第2部位120の基部121の端部とが接するため、挿入部112は、
図31に示す状態よりもさらに挿入されることが規制される。
【0093】
上記のように、第1部位110と第2部位120が固定されると、各突部116,1271を取付部91の固定部915に固定する。こうして、
図37に示すように、2つの収容体5が連結具9によって連結された構造が形成される。
【0094】
<5.特徴>
上記のように構成された連結部100によれば、次の効果を得ることができる。
【0095】
(1)第1部位110と第2部位120とが異なる色に着色されているため、両者が連結していることを強調することができる。また、連結部100自体が2つに分離するため、連結具9を2つの収容体5にそれぞれ取り付けた後でも、連結具9を2つに分離できるため、2つの収容体5を個別に保管することができる。
【0096】
(2)第1部位110と第2部位120が手を模するように形成されているため、両者が連結されたときには、握手をしている形状になるため、両者の連結をより強調することができる。
【0097】
(3)連結部100が収容体5と異なる色に着色されているため、連結部100の存在を強調することができる。
【0098】
(4)第1部位110の挿入部112を第2部位120に対して斜め下方に向けて挿入して固定するため、搬送路における搬送方向に対して交差する方向に、第1部位110及び第2部位120が固定される。そのため、搬送中に第1部位110と第2部位120とが分離するのを防止することができる。また、第1部位110と第2部位120を固定した際には、係合部1281が凹部118に嵌まるため、これによって両部位110,120を強固に固定することができる。
【0099】
<6.変形例>
以下に示す変形例は、上記各実施形態と組み合わせたり、以下の変形例に記載の態様同士を適宜組み合わせることもできる。本実施形態では、一態様として、第1部位110及び第2部位120が手を模した形状に形成し、両者を連結したときには、握手をするような形状にしているが、これに限定されない。すなわち、各部位110,120の形状は種々の変更が可能であり、少なくとも2つに分離したものが連結可能に形成されていればよい。例えば、会社のロゴなど、種々の形状を2つに分離し、これが連結できるように構成することができる。
【0100】
第1部位110及び第2部位120は必ずしも異なる色に着色されていなくてもよく、同一の色であってもよい。
【0101】
第1部位110及び第2部位120の連結構造は、特には限定されない。本実施形態では、上記のように、第1部位110の挿入部112を第2部位120の受け部122に挿入して固定しているが、これ以外でもよく、例えば、ネジなどの締結部材など、種々の部材を用いて連結することもできる。
【0102】
本実施形態では、連結具9に表示部材97を取り付けることで、表示部材97に記載の内容を顧客に対して訴求するようにしているが、表示部材97がない場合でも、顧客に対する訴求は可能である。すなわち、本実施形態では、連結部100が「握手」を模した形状となっているが、例えば、大辞泉(小学館)によれば、握手は、親愛の情、喜びを表現しているため、連結部100の握手の形状はそのような意味を表示しているといえる。また、連結具9は、2つの収容体5を連結するものであるため、握手を模した形状は、2つの物体の親愛関係を示すことができる。したがって、例えば、収容体5に異なる国の料理を載せれば、2つの国の親愛関係を示すことができる。
【0103】
なお、連結部100の形状は、上記のように握手を示す形状に限定されず、種々の形状が可能である。例えば、
図38に示すように、連結部100を、親指を立てた手を模した形状とすることで、いわゆる「いいね」を表現できるため、例えば、提供される飲食物が、良いものであることを表示したことになる。この連結部100は、一体的に形成することもできるし、あるいは上述したように、2つに分離可能に構成することもできる。また、連結部100をキャラクターデザインにすることもできる。したがって、本発明における「連結部には、顧客が視認可能な表示が施されている」における「表示」とは、連結具を一般的に意味のある形状としたり、あるいはキャラクターデザインとする等、デザインに応じた何らかの表現を示すことを意味している。また、連結部の形状で何らかの表示を行うことのほか、連結部に文字、記号、ロゴなどを付することで、「表示」を行うこともできる。
【0104】
<D.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜、組み合わせることができる。
【0105】
(1)上記実施形態で示した収容体5の構成は一例であり、飲食物を載置する皿4を収容可能であれば、その構造は特には限定されない。例えば、上記実施形態では、基台61は円筒状に形成されているが、外形が多角柱状に形成されていてもよい。
【0106】
(2)搬送路1は一例であり、連結具9の長さは、上述したように、収容体5の外径、搬送路1の曲線路103の曲率半径、搬送路1の幅に基づいて適宜決定することができる。例えば、上述したクイックターン機構は、
図39のように構成される。
図39に示すように、クイックターン機構は、例えば、第2直線路102の途中から第1直線路101の途中に収容体5を搬送させるためのバイパス経路を形成するために用いられる。より詳細には、クイックターン機構は、第2直線路102と第1直線路101との間に配置され、第2直線路102から第1直線路101に向かって搬送を行うコンベア106と、収容体5を第2直線路102からコンベア106に誘導するための第1ガイド板107、収容体5をコンベア106から第1直線路101に誘導するための第2ガイド板108、及びバイパス経路の内縁を構成する円柱状の内縁部材109を備えている。各ガイド板10は、第2直線路102及び第1直線路101とそれぞれ斜めに交差するように配置される。
【0107】
このクイックターン機構によるバイパス経路の寸法は
図31に示すとおりである。コンベアの速度は180~220mm/秒である。このようなバイパス経路においても、上記のように経路に対する連結具9や収容体5の寸法を調整すれば、スムーズに通過することができる。
【0108】
(3)連結具9の構成は特には限定されず、収容体5に対して角度が変わらないように、且つ両収容体5の間の距離が変わらないように連結できるのであれば、その構成は特には限定されない。上記実施形態では、突部93を設け、この突部93を収容体5の貫通孔69に挿入することで収容体5に対する連結具9の回転を防止しているが、これ以外の構成でもよい。
【0109】
また、取付部91の構成は特には限定されず、収容体5の基台61以外の箇所に取り付けるように構成してもよい。また、ゴム材料を用いる以外の方法で取り付けてもよい。したがって、収容体5への取付箇所及び取付方法は特には限定されない。
【0110】
連結部92の構成も特には限定されず、表示部材97が取り付けられるように構成されていればよい。この場合、表示部材取付部としてスリット924が用いられたが、これに限定されず、ネジ、面ファスナー等が用いられてもよい。この場合、連結部92自体に、表示部材取付部が形成される必要は必ずしもなく、接着剤、クリップなどを用いて、表示部材97が連結部92に取り付けられてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、連結部92と取付部91とを一体的に形成していたが、第2実施形態のように、連結部92を取付部91に対して着脱可能に固定してもよい。この場合、取付部91と連結部92との連結構造は特には限定されず、第2実施形態以外の方法でもよい。また、連結部92自体が複数の部材で構成され、互いに連結可能な構成であってもよい。
【0112】
なお、上記実施形態においては、表示部材97が連結部92に対して取り付けられる構成を示したが、これに限定されず、表示部材97を取り付けない構成でも適用可能である。この場合、連結部は、複数の収容体間で一定の距離を維持するための長さに形成され、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具として使用することも可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 搬送路
5 収容体
9 連結具
91 取付部
92 連結部
921 本体
922 固定部
923 突部
97 表示部材
【要約】
【課題】飲食物が載った皿とともに搬送され、皿に載った飲食物の内容を知らせたり、あるいは宣伝広告等の表示を示すことができる、連結具を提供する。
【解決手段】飲食物が載せられる容器を収容し、搬送路で搬送される一対の収容体を連結するための連結具であって、前記各収容体に取り付けられる一対の取付部と、前記一対の取付部を連結する連結部と、を備え、前記連結部は、顧客が視認可能な表示が施された表示部材を取り付け可能長さに形成されている。
【選択図】
図15