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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/656 20180101AFI20241107BHJP
   G06F 8/658 20180101ALI20241107BHJP
【FI】
G06F8/656
G06F8/658
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020114646
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012651
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】同前 和樹
【審査官】児玉 崇晶
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-113562(JP,A)
【文献】特開2017-033379(JP,A)
【文献】特開2012-020546(JP,A)
【文献】特開2020-027616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/656
H04N 1/00
G06F 8/658
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリーを備えるAIプロセッサーと、
前記AIプロセッサー用のプログラムを記憶可能な記憶部と、
前記AIプロセッサーを操作するAIプロセッサー操作部と
表示部と、
前記表示部における表示内容を制御する表示内容制御部と
を備える電子機器であって、
前記AIプロセッサー操作部は、前記記憶部に記憶されている前記プログラムを前記メモリーに展開し、
前記AIプロセッサーは、前記メモリーに展開された前記プログラムをロードすることによって、このプログラムの機能を実行し、
前記プログラムは、前記電子機器のファームウェアに含まれず、
前記プログラムは、前記AIプロセッサーが前記プログラムをロードすることによって実現可能になる機能を示す機能情報を含み、
前記AIプロセッサー操作部は、前記記憶部に記憶されている前記プログラムの機能情報を前記表示内容制御部に通知し、
前記表示内容制御部は、前記AIプロセッサー操作部から通知された機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける指示受付部を前記表示部に表示させ、
前記プログラムは、
前記プログラムへのデータの入力形式と、
前記プログラムからのデータの出力形式と
を含み、
前記AIプロセッサー操作部は、一方の前記プログラムの出力形式が他方の前記プログラムの入力形式と同一である2つの前記プログラムの組み合わせが前記記憶部に記憶されている場合に、この組み合わせを前記表示内容制御部に通知し、
前記表示内容制御部は、前記AIプロセッサー操作部から通知された組み合わせの機能が併用可能であることを前記表示部に表示させることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AIプロセッサーを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器として、不揮発メモリーにプログラムが書き込まれた後、このプログラムを電子機器の起動時に実行するものが知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-017516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された電子機器においては、不揮発メモリーにプログラムが書き込まれた後、電子機器の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされなければ、このプログラムを実行することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、電子機器の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされなくても、機能が更新されることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、メモリーを備えるAIプロセッサーと、前記AIプロセッサー用のプログラムを記憶可能な記憶部と、前記AIプロセッサーを操作するAIプロセッサー操作部とを備える電子機器であって、前記AIプロセッサー操作部は、前記記憶部に記憶されている前記プログラムを前記メモリーに展開し、前記AIプロセッサーは、前記メモリーに展開された前記プログラムをロードすることによって、このプログラムの機能を実行し、前記プログラムは、前記電子機器のファームウェアに含まれないことを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の電子機器は、AIプロセッサー用のプログラムが電子機器のファームウェアに含まれないので、電子機器の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされなくても、AIプロセッサーが実行する機能が更新されることができる。
【0008】
本発明の電子機器は、表示部と、前記表示部における表示内容を制御する表示内容制御部とを備え、前記プログラムは、前記AIプロセッサーが前記プログラムをロードすることによって実現可能になる機能を示す機能情報を含み、前記AIプロセッサー操作部は、前記記憶部に記憶されている前記プログラムの機能情報を前記表示内容制御部に通知し、前記表示内容制御部は、前記AIプロセッサー操作部から通知された機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける指示受付部を前記表示部に表示させても良い。
【0009】
この構成により、本発明の電子機器は、AIプロセッサー用のプログラムの機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける指示受付部を表示部に表示するので、電子機器のファームウェアが更新されなくても、AIプロセッサーに機能を実行させるための指示受付部を表示部に表示することができる。
【0010】
本発明の電子機器において、前記プログラムは、前記プログラムの機能のバージョンを示す機能バージョンを含み、前記表示内容制御部は、機能が同一で機能バージョンが互いに異なる複数の前記プログラムが前記記憶部に記憶されている場合、機能バージョンの指定を受け付け可能な前記指示受付部を前記表示部に表示させても良い。
【0011】
この構成により、本発明の電子機器は、機能バージョンの指定を受け付け可能な指示受付部を表示部に表示するので、特定の機能に関して、利用者が希望する機能バージョンの機能をAIプロセッサーに実行させることができる。
【0012】
本発明の電子機器において、前記プログラムは、前記プログラムへのデータの入力形式と、前記プログラムからのデータの出力形式とを含み、前記AIプロセッサー操作部は、一方の前記プログラムの出力形式が他方の前記プログラムの入力形式と同一である2つの前記プログラムの組み合わせが前記記憶部に記憶されている場合に、この組み合わせを前記表示内容制御部に通知し、前記表示内容制御部は、前記AIプロセッサー操作部から通知された組み合わせの機能が併用可能であることを前記表示部に表示させても良い。
【0013】
この構成により、本発明の電子機器は、一方のプログラムの出力形式が他方のプログラムの入力形式と同一である組み合わせの機能が併用可能であることを表示部に表示するので、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電子機器は、電子機器の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされなくても、機能が更新されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のブロック図である。
図2図1に示すバイナリーに含まれる情報の一例を示す図である。
図3図1に示す画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図4図3に示す各部制御用サービスおよびプラットフォームサービスIF部の詳細な構成を示すブロック図である。
図5図4に示す画像処理サービスの詳細な構成を示すブロック図である。
図6】記憶部のバイナリー用領域にバイナリーが書き込まれた場合の図5に示すAIプロセッサー操作部の動作のフローチャートである。
図7】画像形成装置が起動された場合の図5に示すAIプロセッサー操作部の動作のフローチャートである。
図8】AIプロセッサー制御サービスから機能の実行が要求された場合の図5に示すAIプロセッサー操作部の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
まず、本発明の一実施の形態に係る電子機器としての画像形成装置の構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10のブロック図である。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置10は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部11と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター13と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部16と、機械学習の推論処理を可能にするプロセッサーとしてのAIプロセッサー17と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部18と、画像形成装置10全体を制御する制御部19とを備えているMFP(Multifunction Peripheral)である。
【0020】
AIプロセッサー17は、AIプロセッサー17が実行するための処理を命令するためのプログラムが展開されるためのメモリー17aを備えている。AIプロセッサー17は、メモリー17aにプログラムが展開されると、このプログラムによって命令される処理を実行する。
【0021】
記憶部18は、ファームウェア18aを記憶可能である。ファームウェア18aは、例えば、画像形成装置10の製造段階で画像形成装置10にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SDカードなどの外部の記憶媒体から画像形成装置10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置10に追加でインストールされても良い。
【0022】
記憶部18は、AIプロセッサー17用のプログラムであるバイナリー18bを記憶可能である。記憶部18は、AIプロセッサー17用のプログラムであるバイナリーを、バイナリー18b以外にも少なくとも1つ記憶可能である。記憶部18は、バイナリー用の記憶領域(以下「バイナリー用領域」という。)にバイナリーを記憶可能である。バイナリーは、例えば、画像形成装置10の製造段階で画像形成装置10にインストールされていても良いし、USBメモリー、SDカードなどの外部の記憶媒体から画像形成装置10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置10に追加でインストールされても良い。
【0023】
図2は、図1に示すバイナリー18bに含まれる情報の一例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、バイナリー18bは、AIプロセッサー17がバイナリー18bをロードすることによって実現可能になる機能を示す機能情報と、バイナリー18bの機能のバージョンを示す機能バージョンと、バイナリー18bへのデータの入力形式と、バイナリー18bからのデータの出力形式とを含んでいる。
【0025】
機能情報に示される機能としては、例えば、モノクロ画像のデータをカラー画像のデータに変換する機能と、画像の画質をより鮮明にする機能とが存在する。
【0026】
入力形式および出力形式としては、例えば、125×125dpiのJPEG形式の画像が存在する。
【0027】
図1に示す制御部19は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部19のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部19のCPUは、記憶部18または制御部19のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0028】
図3は、画像形成装置10の制御構成を示すブロック図である。
【0029】
制御部19は、記憶部18または制御部19のROMに記憶されているプログラムを実行することによって、図3に示す制御構成を実現する。
【0030】
図3に示すように、画像形成装置10の制御構成は、例えば、操作部11、表示部12、プリンター13、スキャナー14、ファックス通信部15、通信部16など、画像形成装置10の各部のハードウェアを管理し、機能単位でハードウェアを制御する機器制御プラットフォーム30と、画像形成装置10の標準の各種の処理を実行するためのアプリケーションプログラムである標準アプリ41を実行する標準アプリ実行部40と、標準アプリ41のみでは実行することができない各種の処理を実行するためのアプリケーションプログラムである拡張アプリ60を実行する拡張アプリプラットフォーム50とを備えている。標準アプリ実行部40と、拡張アプリプラットフォーム50とは、それぞれ、機器制御プラットフォーム30上で動作する。
【0031】
機器制御プラットフォーム30は、例えばLinux(登録商標)などの汎用OS(Operating System)31と、画像形成装置10の機能に対応する、画像形成装置10の各部のハードウェアを適切な方式で制御する各部制御用サービス32と、機器制御プラットフォーム30の外部からハードウェアを利用するためのインターフェイスを提供するプラットフォームサービスIF部33とを備えている。制御部19は、ファームウェア18aを実行することによって、機器制御プラットフォーム30を実現する。
【0032】
標準アプリ実行部40は、標準アプリ41と、標準アプリ実行部40の外部から標準アプリ41の機能を利用するためのインターフェイスを提供する標準アプリサービスIF部42とを備えている。
【0033】
例えば、標準アプリ41としては、操作部11を介した指示に応じてスキャナー14によって原稿から読み取った画像をプリンター13によって印刷するコピーアプリ41Aと、通信部16を介して入力されたデータまたは記憶部18に記憶されたデータに基づいてプリンター13によって印刷するプリンターアプリ41Bと、操作部11を介した指示に応じてスキャナー14によって原稿から読み取った画像、または、通信部16を介して入力されたデータに基づいた画像をファックス通信部15によってファクシミリ送信したり、ファックス通信部15によってファクシミリ受信された画像に対して、プリンター13による印刷、または、記憶部18への記憶を実行したりするFAXアプリ41Cと、通信部16を介してデータを送信する送信アプリ41Dとが存在する。
【0034】
標準アプリサービスIF部42は、標準アプリ41毎に異なるインターフェイスを提供しても良い。標準アプリサービスIF部42は、標準アプリ41の実行、インストール、設定の変更、削除などを行うことが可能である。
【0035】
拡張アプリプラットフォーム50は、標準アプリサービスIF部42を介して標準アプリ41に機能を実行させる標準機能サービス51と、プラットフォームサービスIF部33を介して画像形成装置10の各部のハードウェアに機能を実行させる拡張機能サービス52と、汎用OS31に機能を追加するための汎用OSインストールサービス53と、拡張アプリ60のインストール、アクティベーション、実行、実行終了、アンインストールなどを拡張アプリプラットフォーム50のAPIによって管理する拡張アプリ管理部54とを備えている。
【0036】
拡張アプリ60は、標準機能サービス51を呼び出して標準アプリ41の機能を利用したり、拡張機能サービス52を呼び出して画像形成装置10の各部のハードウェアの機能を利用したり、汎用OSインストールサービス53を呼び出して汎用OS31に機能を追加したりすることが可能である。例えば、拡張アプリ60としては、OCR(Optical Character Recognition)、監視カメラアプリ、ウォーターマーク作成、請求書作成、社員名簿管理、伝票管理、契約書管理、名刺管理、PDF作成、帳簿管理、グループ管理などの実用アプリと、汎用OS31上のデバイスドライバーやファームウェアなどの追加変更を行うインストーラーアプリなどの管理アプリとが存在する。
【0037】
図4は、各部制御用サービス32およびプラットフォームサービスIF部33の詳細な構成を示すブロック図である。
【0038】
図4に示すように、各部制御用サービス32は、プリンター13によって印刷されるための画像データを描画するなど、画像処理のデータの作成、変換または出力に関するサービスを提供する画像処理サービス70と、画像形成装置10の各部のハードウェア、すなわち、デバイスを制御するためのサービスを提供するデバイス操作サービス80と、ネットワークの送受信に関するサービスを提供するネットワーク通信サービス90とを備えている。
【0039】
プラットフォームサービスIF部33は、画像処理のデータの作成、変換または出力に関する機器制御プラットフォーム30の機能に対応するインターフェイスとしての画像処理サービスIF33aと、画像形成装置10のデバイスを制御するための機器制御プラットフォーム30の機能に対応するインターフェイスとしてのデバイス操作サービスIF33bと、ネットワークの送受信に関する機器制御プラットフォーム30の機能に対応するインターフェイスとしてのネットワーク通信サービスIF33cとを備えている。デバイス操作サービスIF33bは、表示部12における表示内容を制御する表示内容制御部を構成している。
【0040】
なお、プラットフォームサービスIF部33の画像処理サービスIF33a、デバイス操作サービスIF33bおよびネットワーク通信サービスIF33cは、それぞれ連携することなく独立して各部制御用サービス32の画像処理サービス70、デバイス操作サービス80およびネットワーク通信サービス90を呼び出すように構築されている。例えば、コピーアプリ41Aのジョブに対しては、画像処理サービスIF33aが画像処理サービス70およびデバイス操作サービス80を呼び出す。したがって、標準アプリ41のいずれかの機能に変更が生じた場合には、画像処理サービスIF33a、デバイス操作サービスIF33bおよびネットワーク通信サービスIF33cのうち、この機能に関係するものの変更のみで対応可能である。
【0041】
図5は、画像処理サービス70の詳細な構成を示すブロック図である。
【0042】
図5に示すように、画像処理サービス70は、AIプロセッサー17を操作するドライバーであるAIプロセッサー操作部71と、AIプロセッサー操作部71を介してAIプロセッサー17を制御するAIプロセッサー制御サービス72と、画像処理サービス70の外部からAIプロセッサー制御サービス72を呼び出すためのインターフェイスとしてのAIプロセッサー制御サービス提供部73とを備えている。AIプロセッサー制御サービス72は、AIプロセッサー操作部71から提供されるインターフェイスを介してのみAIプロセッサー17を制御することが可能である。
【0043】
画像処理サービス70は、AIプロセッサー17を利用することによって、例えば、スキャナー14によって読み取られた画像に対してAI処理を実行することができる。例えば、画像処理サービス70は、画像を拡大した場合にぼやけてしまう線をAI処理によってはっきりとさせたり、画像に含まれる手書き文字をAI処理で抽出したりすることができる。
【0044】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
【0045】
まず、記憶部18のバイナリー用領域にバイナリーが書き込まれた場合のAIプロセッサー操作部71の動作について説明する。
【0046】
図6は、記憶部18のバイナリー用領域にバイナリーが書き込まれた場合のAIプロセッサー操作部71の動作のフローチャートである。
【0047】
図6に示すように、AIプロセッサー操作部71は、記憶部18のバイナリー用領域に書き込まれたバイナリー(以下「新規バイナリー」という。)の機能情報が、記憶部18のバイナリー用領域に既に記憶されているバイナリー(以下「既存バイナリー」という。)のいずれかの機能情報と同一であるか否かを判断する(S101)。
【0048】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの機能情報が既存バイナリーのいずれの機能情報とも同一ではないとS101において判断すると、新規バイナリーの機能情報をデバイス操作サービスIF33bに通知する(S102)。したがって、デバイス操作サービスIF33bは、S102において通知された機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける例えばボタンなどの指示受付部を、デバイス操作サービス80、汎用OS31を順に介して、表示部12に表示させる。
【0049】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの機能情報が既存バイナリーのいずれかの機能情報と同一であるとS101において判断するか、S102の処理が終了すると、新規バイナリーの出力形式が既存バイナリーのいずれかの入力形式と同一であるか否かを判断する(S103)。
【0050】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの出力形式が既存バイナリーのいずれかの入力形式と同一であるとS103において判断すると、新規バイナリーと、入力形式が新規バイナリーの出力形式と同一である既存バイナリーとの組み合わせをデバイス操作サービスIF33bに通知する(S104)。すなわち、AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの実行の後、新規バイナリーから出力されたデータに対して、入力形式が新規バイナリーの出力形式と同一である既存バイナリーを実行可能であることをデバイス操作サービスIF33bに通知する。したがって、デバイス操作サービスIF33bは、S104において通知された組み合わせの機能の併用の実行の指示を受け付ける例えばボタンなどの指示受付部を、デバイス操作サービス80、汎用OS31を順に介して、表示部12に表示させる。
【0051】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの出力形式が既存バイナリーのいずれの入力形式とも同一ではないとS103において判断するか、S104の処理が終了すると、新規バイナリーの入力形式が既存バイナリーのいずれかの出力形式と同一であるか否かを判断する(S105)。
【0052】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの入力形式が既存バイナリーのいずれかの出力形式と同一であるとS105において判断すると、出力形式が新規バイナリーの入力形式と同一である既存バイナリーと、新規バイナリーとの組み合わせをデバイス操作サービスIF33bに通知する(S106)。すなわち、AIプロセッサー操作部71は、出力形式が新規バイナリーの入力形式と同一である既存バイナリーの実行の後、この既存バイナリーから出力されたデータに対して新規バイナリーを実行可能であることをデバイス操作サービスIF33bに通知する。したがって、デバイス操作サービスIF33bは、S106において通知された組み合わせの機能の併用の実行の指示を受け付ける例えばボタンなどの指示受付部を、デバイス操作サービス80、汎用OS31を順に介して、表示部12に表示させる。
【0053】
AIプロセッサー操作部71は、新規バイナリーの入力形式が既存バイナリーのいずれの出力形式とも同一ではないとS105において判断するか、S106の処理が終了すると、図6に示す動作を終了する。
【0054】
以上においては、記憶部18のバイナリー用領域にバイナリーが書き込まれた場合のAIプロセッサー操作部71の動作について説明しているが、画像形成装置10が起動された場合には、AIプロセッサー操作部71は、図7に示すように動作する。
【0055】
図7は、画像形成装置10が起動された場合のAIプロセッサー操作部71の動作のフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、AIプロセッサー操作部71は、記憶部18のバイナリー用領域に記憶されている全てのバイナリーの機能情報の種類をデバイス操作サービスIF33bに通知する(S121)。すなわち、AIプロセッサー操作部71は、機能情報が同一である複数のバイナリーが存在する場合に、これらのバイナリーの機能情報として1つ分の機能情報のみをデバイス操作サービスIF33bに通知する。したがって、デバイス操作サービスIF33bは、S121において通知された機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける例えばボタンなどの指示受付部を、デバイス操作サービス80、汎用OS31を順に介して、表示部12に表示させる。
【0057】
AIプロセッサー操作部71は、S121の処理が終了すると、記憶部18のバイナリー用領域に記憶されているバイナリーのうち、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせが存在するか否かを判断する(S122)。
【0058】
AIプロセッサー操作部71は、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせが存在するとS122において判断すると、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせをデバイス操作サービスIF33bに通知する(S123)。すなわち、AIプロセッサー操作部71は、一方のバイナリーの実行の後、このバイナリーから出力されたデータに対して他方のバイナリーを実行可能であることをデバイス操作サービスIF33bに通知する。したがって、デバイス操作サービスIF33bは、S123において通知された組み合わせの機能の併用の実行の指示を受け付ける例えばボタンなどの指示受付部を、デバイス操作サービス80、汎用OS31を順に介して、表示部12に表示させる。
【0059】
AIプロセッサー操作部71は、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせが存在しないとS122において判断するか、S123の処理が終了すると、図7に示す動作を終了する。
【0060】
なお、デバイス操作サービスIF33bは、記憶部18のバイナリー用領域に記憶されているバイナリーに同一の機能の機能バージョンが複数存在する場合、この機能の実行の指示を受け付ける指示受付部として、機能バージョンの指定を受け付け可能な指示受付部を表示部12に表示させる。
【0061】
次に、AIプロセッサー制御サービス72から機能の実行が要求された場合のAIプロセッサー操作部71の動作について説明する。
【0062】
図8は、AIプロセッサー制御サービス72から機能の実行が要求された場合のAIプロセッサー操作部71の動作のフローチャートである。
【0063】
表示部12に表示された指示受付部を利用者が操作部11を介して操作すると、AIプロセッサー制御サービス72は、操作された指示受付部に対応する機能の実行をAIプロセッサー操作部71に要求する。
【0064】
図8に示すように、AIプロセッサー操作部71は、AIプロセッサー制御サービス72から機能の実行が要求されると、この機能の機能バージョンが指定されたか否かを判断する(S141)。
【0065】
AIプロセッサー操作部71は、AIプロセッサー制御サービス72から実行が要求された機能の機能バージョンが指定されたとS141において判断すると、記憶部18のバイナリー用領域に記憶されているバイナリーのうち、AIプロセッサー制御サービス72から実行が要求された機能を示す機能情報と、指定されたとS141において判断した機能バージョンとを含むバイナリーを特定する(S142)。
【0066】
AIプロセッサー操作部71は、AIプロセッサー制御サービス72から実行が要求された機能の機能バージョンが指定されていないとS141において判断すると、記憶部18のバイナリー用領域に記憶されているバイナリーのうち、AIプロセッサー制御サービス72から実行が要求された機能を示す機能情報を含むものの中で最新の機能バージョンを含むバイナリーを特定する(S143)。
【0067】
AIプロセッサー操作部71は、S142またはS143の処理の後、S142またはS143において特定したバイナリーをAIプロセッサー17のメモリー17aに展開して(S144)、図8に示す動作を終了する。したがって、AIプロセッサー17は、メモリー17aに展開されたバイナリーをロードすることによって、このバイナリーの機能を実行する。
【0068】
以上に説明したように、画像形成装置10は、AIプロセッサー17用のプログラムであるバイナリーが画像形成装置10のファームウェア18aに含まれないので、ファームウェア18aが更新されなくても、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができる。ここで、画像形成装置10は、ファームウェア18aを更新する場合に、画像形成装置10の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされる必要がある。しかしながら、画像形成装置10は、ファームウェア18aが更新されなくても、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができるので、画像形成装置10の電源が一旦OFFにされてから再度ONにされなくても、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができる。したがって、画像形成装置10は、利用者が画像形成装置10を利用することができない期間を低減することができる。
【0069】
画像形成装置10は、画像形成装置10の電源を一旦OFFにして再度ONにしなくても、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができるので、AIプロセッサー17が実行する機能を止めることなしに、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができる。
【0070】
画像形成装置10は、ファームウェア18aが更新されなくても、AIプロセッサー17が実行する機能が更新されることができるので、AIプロセッサー17が実行する機能の更新のためのファームウェア18aを作成する必要がない。すなわち、画像形成装置10は、AIプロセッサー17が実行する機能の更新を容易化することができる。
【0071】
画像形成装置10は、AIプロセッサー17用のプログラムであるバイナリーの機能情報に示される機能の実行の指示を受け付ける指示受付部を表示部12に表示するので、画像形成装置10のファームウェア18aが更新されなくても、AIプロセッサー17に機能を実行させるための指示受付部を表示部12に表示することができる。
【0072】
画像形成装置10は、機能バージョンの指定を受け付け可能な指示受付部を表示部12に表示するので、特定の機能に関して、利用者が希望する機能バージョンの機能をAIプロセッサー17に実行させることができる。
【0073】
画像形成装置10は、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせの機能が併用可能であることを表示部12に表示するので、利便性を向上することができる。なお、画像形成装置10は、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせの機能の併用の実行の指示を受け付ける指示受付部を表示部12に表示させる以外の方法で、この組み合わせの機能が併用可能であることを表示部12に表示しても良い。例えば、画像形成装置10は、一方のバイナリーの出力形式が他方のバイナリーの入力形式と同一である組み合わせの機能が併用可能であることを単に表示部12に表示しても良い。
【0074】
AIプロセッサー17は、本実施の形態において、画像処理サービス70において利用されている。しかしながら、AIプロセッサー17は、画像処理サービス70以外のサービスにおいて利用されても良い。例えば、AIプロセッサー17は、デバイス操作サービス80やネットワーク通信サービス90において利用されても良い。
【0075】
本発明の電子機器は、本実施の形態においてMFPであるが、例えば、プリンター専用機、スキャナー専用機、ファックス専用機、コピー機など、MFP以外の画像形成装置でも良いし、例えばPC(Personal Computer)など、画像形成装置以外の電子機器でも良い。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置(電子機器)
12 表示部
17 AIプロセッサー
17a メモリー
18 記憶部
18a ファームウェア
18b バイナリー(AIプロセッサー用のプログラム)
33b デバイス操作サービスIF(表示内容制御部)
71 AIプロセッサー操作部
図1
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図8