(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】拠点最適化装置、拠点最適化方法、および、拠点最適化プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241107BHJP
【FI】
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2020174442
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】増村 均
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 大
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-227794(JP,A)
【文献】特開2020-086650(JP,A)
【文献】特開2011-204099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶部と、
前記拠点のサービス対象エリアの属性情報
を説明変数とし、前記拠点別サービス件数
を目的変数と
する予測モデルを、前記属性情報と前記拠点別サービス件数とを
教師データとして機械学習することにより、予測モデルを生成する予測モデル生成部と、
前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す
前記属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測部と、
前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量を推定する業務量算定部と、
前記拠点から前記サービス領域までに
目標到達時間以内に到達可能であるか否かを示す指標であるカバー変数と前記サービス領域の業務量とを
入力とし、
前記カバー変数と前記前記サービス領域の業務量とを乗算して得られた値を合算して前記拠点毎の業務量の合計値を算出するようにモデリングした数理工学モデルに基づいて前記業務量の合計値を算出し、前記業務量の合計値が大きい前記拠点の組み合わせを最適解
として算定する最適解算定部と
、
を備える拠点最適化装置。
【請求項2】
前記業務量算定部は、前記領域別サービス件数と前記拠点から前記サービス領域までの移動時間とに基づいて前記サービス領域の業務量を推定する
、
請求項1に記載の拠点最適化装置。
【請求項3】
コンピュータが所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数
を記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、
コンピュータが前記拠点のサービス対象エリアの属性情報
を説明変数とし、前記拠点別サービス件数
を目的変数と
する予測モデルを、前記属性情報と前記拠点別サービス件数とを
教師データとして機械学習することにより、予測モデル
を生成する予測モデル生成ステップと、
コンピュータが前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す
前記属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数
を算出する領域別サービス件数予測ステップと、
コンピュータが前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量
を推定する業務量推定ステップと、
コンピュータが前記拠点から前記サービス領域までに
目標到達時間以内に到達可能であるか否かを示す指標であるカバー変数と前記サービス領域の業務量とを
入力とし、
前記カバー変数と前記前記サービス領域の業務量とを乗算して得られた値を合算して前記拠点毎の業務量の合計値を算出するようにモデリングした数理工学モデルに基づいて前記業務量の合計値を算出し、前記業務量の合計値が大きい前記拠点の組み合わせを最適解
として算定する最適解算定ステップと
、
を備える拠点最適化方法。
【請求項4】
コンピュータに対し、
所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、
前記拠点のサービス対象エリアの属性情報
を説明変数とし、前記拠点別サービス件数
を目的変数と
する予測モデルを、前記属性情報と前記拠点別サービス件数とを
教師データとして機械学習することにより、予測モデルを生成する予測モデル生成ステップと、
前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す
前記属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測ステップと、
前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量を推定する業務量推定ステップと、
前記拠点から前記サービス領域までに
目標到達時間以内に到達可能であるか否かを示す指標であるカバー変数と前記サービス領域の業務量とを
入力とし、
前記カバー変数と前記前記サービス領域の業務量とを乗算して得られた値を合算して前記拠点毎の業務量の合計値を算出するようにモデリングした数理工学モデルに基づいて前記業務量の合計値を算出し、前記業務量の合計値が大きい前記拠点の組み合わせを最適解
として算定する最適解算定ステップと
、
を実行させる拠点最適化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拠点最適化装置、拠点最適化方法、および、拠点最適化プログラムに関し、例えば、所定のサービスを提供する際のよりどころとなるべく設置される、または、配置された拠点の配置を最適化する拠点最適化装置、拠点最適化方法、および、拠点最適化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の機器についての保守管理のための保守要員および/または交換部品の配置を最適化する配置最適化システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この配置最適化システムにおいては、機器の台数の分布に関する台数分布情報および機器のそれぞれが設置された地域に関する地域情報、季節情報、機器の機種情報、保守実績情報等を記憶した記憶部と、台数分布情報および地域情報等に基づいて、保守要員および/または交換部品の配置を決める配置決定部を備えている。
【0003】
この配置最適化システムでは、配置決定部により機器の台数分布情報だけでなく、機器のそれぞれが配置された地域情報、機器の機種情報、保守実績情報等を用いることによって、機器を保守管理するための保守要員および/または交換部品の配置を決定している。これにより配置最適化システムでは、保守要員の人数配置や交換部品の在庫管理をそれぞれの地域に応じて最適化し、保守要員および交換部品が不足する地域の発生を解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載の配置最適化システムでは、保守要員の人数配置や交換部品の在庫管理をそれぞれの地域に応じて最適化するだけに過ぎず、例えば様々なサービスを提供するためのよりどころとなる拠点の配置を最適化することはできない。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであって、拠点の配置を最適化し得る拠点最適化装置、拠点最適化方法、および、拠点最適化プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の拠点最適化装置においては、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶部と、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを生成する予測モデル生成部と、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測部と、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量を推定する業務量算定部と、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量とをモデリングした数理工学モデルをモデリングする数理工学モデルモデリング部と、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を算定する最適解算定部と、を備える。
【0008】
前記業務量算定部は、前記領域別サービス件数と前記拠点から前記サービス領域までの移動時間とに基づいて前記サービス領域の業務量を推定することが好ましい。
【0009】
前記最適解算定部は、前記サービス領域に対する前記業務量の合計値が最大となる前記拠点を最適拠点の最適解として算定することが好ましい。
【0010】
本発明の拠点最適化方法においては、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を拠点別サービス件数記憶部によって記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを予測モデル生成部によって生成する予測モデル生成ステップと、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を領域別サービス件数予測部によって算出する領域別サービス件数予測ステップと、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量を業務量推定部によって推定する業務量推定ステップと、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量とをモデリングした数理工学モデルを数理工学モデルモデリング部によってモデリングする数理工学モデルモデリングステップと、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を最適解算定部によって算定する最適解算定ステップとを備える。
【0011】
本発明の拠点最適化プログラムは、コンピュータに対し、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点のサービス対象エリアにおいて発生した拠点毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを生成する予測モデル生成ステップと、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測ステップと、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量を推定する業務量推定ステップと、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量とをモデリングした数理工学モデルをモデリングする数理工学モデルモデリングステップと、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を算定する最適解算定ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、拠点の配置を最適化し得る拠点最適化装置、拠点最適化方法、および、拠点最適化プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態に係る拠点最適化システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本実施の形態に係る拠点最適化装置の機能ブロック構成を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係る拠点最適化装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る拠点A~Cのサービス対象エリアとなる市区町村を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る拠点の面積、人口、業務数量および業務量を表す図である。
【
図6】本実施の形態に係る拠点毎の面積、人口に対する業務数量および業務量を表す図である。
【
図7】本実施の形態に係る拠点と市区町村との間の移動時間(都市間時間)を表す図である。
【
図8】本実施の形態に係る拠点から市区町村まで目標移動時間内で到達できるか否かを表すN×Mの地理マトリックスデータに対応した図である。
【
図9】本実施の形態において3拠点から最適な2拠点を算定する原理の説明に供する図である。
【
図10】本実施の形態に係る最適な拠点の組み合わせ結果を表す図である。
【
図11】本実施の形態に係る最適解算定部における処理手順の説明に供するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔1〕本発明における実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0015】
[1] 代表的な実施の形態に係る拠点最適化装置(2)においては、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点(A~C)のサービス対象エリアにおいて発生した拠点(A~C)毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶部(65)と、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを生成する予測モデル生成部(41)と、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測部(42)と、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量(G)を推定する業務量算定部(43)と、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とをモデリングした数理工学モデルをモデリングする数理工学モデルモデリング部(51)と、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を算定する最適解算定部(52)とを備える
【0016】
[2]上記[1]において、前記業務量算定部(43)は、前記領域別サービス件数と前記拠点から前記サービス領域までの移動時間とに基づいて前記サービス領域の業務量(G)を推定する。
【0017】
[3]上記[1]または[2]において、前記最適解算定部(52)は、前記サービス領域に対する前記業務量(G)の合計値(Gsum)が最大となる前記拠点を最適拠点の最適解として算定する。
【0018】
[4] 代表的な実施の形態に係る拠点最適化方法においては、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点(A~C)のサービス対象エリアにおいて発生した拠点(A~C)毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を拠点別サービス件数記憶部(65)によって記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを予測モデル生成部(41)によって生成する予測モデル生成ステップと、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を領域別サービス件数予測部(42)によって算出する領域別サービス件数予測ステップと、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量(G)を業務量推定部(43)によって推定する業務量推定ステップと、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とをモデリングした数理工学モデルを数理工学モデルモデリング部(51)によってモデリングする数理工学モデルモデリングステップと、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を最適解算定部(52)によって算定する最適解算定ステップとを備える。
【0019】
[5] 代表的な実施の形態に係る拠点最適化プログラムは、コンピュータに対し、所定のサービス業務を提供する際のよりどころとなる拠点(A~C)のサービス対象エリアにおいて発生した拠点(A~C)毎のサービス業務の件数である拠点別サービス件数を記憶する拠点別サービス件数記憶ステップと、前記拠点のサービス対象エリアの属性情報と、前記拠点別サービス件数とを用い、前記属性情報と前記拠点別サービス件数との関係をモデリングした予測モデルを生成する予測モデル生成ステップと、前記予測モデルを用いて、前記サービス対象エリアと異なるサービス領域の属性を表す属性情報に基づき当該サービス領域の領域別サービス件数を算出する領域別サービス件数予測ステップと、前記領域別サービス件数に基づいて前記サービス領域の業務量(G)を推定する業務量推定ステップと、前記拠点から前記サービス領域までに要する移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とを用いて、前記移動時間と前記サービス領域の業務量(G)とをモデリングした数理工学モデルをモデリングする数理工学モデルモデリングステップと、前記数理工学モデルに基づいて最適拠点の最適解を算定する最適解算定ステップとを実行させる。
【0020】
〔2〕実施の形態の具体例
以下、本実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、本実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の配置、データの形式、通信方法などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る拠点最適化システム1の全体構成を示す図である。同図に示される拠点最適化システム1は、例えば〇〇県に存在する複数の市区町村をサービス業務の需要があるサービス対象エリアとし、現時点で既に〇〇県に設置されている営業所等のサービス業務を行う人員の詰所であり、サービス業務を行う際のよりどころとなる営業拠点(以下、これを単に「拠点」と言う場合があるものとする。)のうち、どの拠点を減らし、どの拠点を残して維持するか、拠点を最適化するシステムである。
【0022】
この場合、サービス業務としては、電気、ガス、水道、通信といったユーティリティ関連公益事業において、お客様側設備に接続される電力線、ガス管、水道、通信線といったアクセス設備機器や、お客様側の電力需要設備、熱源設備、水道設備、通信設備といったお客様設備機器を対象機器とし、アクセス設備機器の自然災害破損に伴う対応業務や、お客様設備機器の不調調査や機器更新の要望に対する対応業務等がある。但し、サービス業務としては、これらのユーティリティ関連公益事業に限るものではなく、あらゆるお客様側設備を対象とし、そのお客様側設備に対する故障、修理、点検等、その他種々の対応業務を対象とすることができる。
【0023】
なお、拠点最適化システム1では、これから設置予定の拠点を何処に幾つ設置して最適化することも可能である。この拠点最適化システム1によれば、サービス対象エリアにおいて、最も効率良くサービス業務を提供できるように必要最小限の拠点だけを残して最適化することができる。
【0024】
なお、本明細書において、〇〇県の市区町村を一例として以下説明するが、これに限らず、任意の県の市区町村を対象とすることができ、または地方単位、国単位等を拠点のサービス対象エリアとすることも可能である。また、拠点最適化システム1は、ユーティリティ関連公益事業を対象とするだけではなく、物品配送業、商品出張販売業、食品配達業といったお客様先への出向業務を含んだあらゆる業態を対象とし、お客様に対する配送、販売、出前等の対応業務を行う出向元拠点の新設、統廃合の決定に適用可能である。加えて、消防署や学校の運営といった公共事業において、施設新設、統廃合の決定を対象とすることができる。
【0025】
この場合、例えば拠点最適化システム1においてサービス業務の要求を受け付ける事業者のコールセンター(図示しない)では、サービス業務を要求してきた何れかの市区町村内の一般家庭や事業所等の地点(以下、これをサービス業務の需要がある地点すなわち「需要点」と言う場合があるものとする。)から直接連絡を受けた後、任意の拠点から需要点まで何分間で到達するかの移動時間をサービスレベル評価時間として設定している。
【0026】
例えば、本実施の形態において、サービスレベル評価時間を40分と設定する場合を一例とするが、これに限らず、都心近郊や郊外等の場所に応じてサービスレベルとして設定する移動時間は、任意に決定することが可能である。また、サービス業務の要求がされた場合だけではなく、停電といったサービス停止情報を事業者が検知した場合も、検知した時点から需要点までの移動時間をサービスレベル評価時間として設定することも可能である。
【0027】
図1に示すように、拠点最適化システム1においては、拠点最適化装置2および複数のクライアント端末装置5a~5dを有している。この拠点最適化装置2は、ネットワーク4と接続可能に構成され、そのネットワーク4を介して複数のクライアント端末装置5a~5d等の外部の情報処理装置と接続されている。
【0028】
ネットワーク4は、例えばインターネットに代表される広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)である。拠点最適化システム1の拠点最適化装置2およびクライアント端末装置5a~5dは、有線または無線通信によってネットワーク4と接続可能に構成されており、互いにデータの送受信が可能となっている。
【0029】
クライアント端末装置5a~5dは、サーバとしての拠点最適化装置2に対して拠点の最適な配置を要求するクライアント側の情報処理装置である。クライアント端末装置5a~5dは、拠点最適化装置2により推定された最適な配置の拠点の情報(最適拠点の推定結果)である出力画面を受け取って表示することが可能である。但し、クライアント端末装置5a~5dは、拠点最適化装置2に対して拠点の最適な配置を必ずしも要求しなければならない訳ではなく、拠点最適化装置2が自ら拠点の最適な配置を求め、その結果を拠点最適化装置2から単に受け取るだけであってもよい。なお、クライアント端末装置5a~5dとしては、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、またはスマートフォン等の各種情報処理装置(コンピュータ)を例示することができる。クライアント端末装置5a~5dは、ネットワーク4と接続可能に構成されているため、ネットワーク4を介して拠点最適化システム1等の外部の情報処理装置との通信接続についても可能である。
【0030】
次に、拠点最適化システム1における拠点最適化装置2の構成を具体的に説明する。
図2は、本実施の形態に係る拠点最適化装置2の機能ブロック構成を示す図である。また、
図3は、本実施の形態に係る拠点最適化装置2のハードウェア構成を示す図である。
【0031】
拠点最適化装置2は、例えば、PC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置(コンピュータ)であって、予めインストールされた拠点最適化プログラムにしたがって市区町村毎の業務量G(後述する)を推定した後、その業務量Gに基づいて維持すべき最適な拠点を算定する装置である。なお、拠点最適化装置2だけが行うのではなく、これらの拠点最適化プログラムを当該拠点最適化装置2からクライアント端末装置5a~5dへオンラインまたはオフライン(例えば拠点最適化プログラムの格納された所定のパッケージ)によって提供し、これらのクライアント端末装置5a~5dを拠点最適化装置として機能させるようにしてもよい。
【0032】
図2に示すように、拠点最適化装置2は、機能ブロックとして、通信部20、データ入出力部30、業務量推定部40、最適拠点推定部50、記憶部60および表示部70を有している。これらの各機能ブロックは、拠点最適化装置2としての情報処理装置を構成するハードウェア資源が、上記情報処理装置にインストールされたソフトウエア(拠点最適化プログラム)と協働することによって実現される。
【0033】
図3に示すように、拠点最適化装置2は、ハードウェア資源として、演算装置101、記憶装置102、入力装置103、I/F(Interface)装置104、出力装置105、および、バス106を備えている。
【0034】
記憶装置102に記憶されるプログラム111は、コンピュータを本実施の形態に係る拠点最適化装置2の各機能部として機能させる拠点最適化プログラムや基本プログラム等を含み、例えば、記憶装置102に予めインストールされている。
【0035】
また、記憶装置102に記憶されるデータ112は、後述する、記憶部60の市区町村基本情報記憶部61、拠点基本情報記憶部62、経路記憶部63、市区町村別サービス件数記憶部64および拠点別サービス件数記憶部65に格納されている、または、格納されるデータである。
【0036】
なお、プログラム111およびデータ112は、ネットワークを介して流通可能であってもよいし、CD-ROM等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)に書き込まれた状態により流通可能であってもよい。
【0037】
以下、拠点最適化装置2について説明する。例えば現在、〇〇県に存在する複数の市区町村をサービス業務の需要があるサービス対象エリアとした場合、現時点で既に〇〇県に設置されている営業所等の3つの拠点(「拠点A」、「拠点B」、および「拠点C」)が存在し、それぞれの拠点A~Cにはこれらの複数の市区町村がサービス対象エリアとして重複することなく割り当てられている。但し、市区町村が複数の拠点A~Cに一部重複していてもよい。
【0038】
このような現状において、拠点最適化装置2では、このサービス対象エリアにおいて現状の3拠点から2拠点に減らすことを要求された場合、「拠点A」、「拠点B」および「拠点C」のうち何れの拠点を維持して残すことが最適であるかを推定するものであり、すなわち拠点の最適化または再配置を図る装置である。当然に拠点最適化装置2では、3拠点を2拠点に減らすだけではなく、1拠点に減らす場合、10拠点を7拠点に減らす場合等、残すべき維持拠点数を種々設定することが可能である。もちろん、これらの3拠点は現存している拠点だけが対象となるのではなく、例えば全てがこれから設置予定の3拠点を2拠点に減らそうと考えた場合であってもよい。
【0039】
このような拠点最適化装置2の各機能ブロックについて説明する。通信部20は、外部の情報処理装置と通信を行うための機能部である。具体的に、通信部20は、拠点最適化システム1内の複数のクライアント端末装置5a~5dとの間で、上述した所定のネットワーク(例えばLAN)4を介してデータの送受信を行う。
【0040】
拠点最適化装置2のデータ入出力部30は、キーボード、ポインティングデバイス等の入出力インタフェースである。但し、これに限るものではなく、タブレット端末、またはスマートフォン等を介して無線によりデータの入出力を行うことも可能である。データ入出力部30は、記憶部60に各種データを入力して格納したり、記憶部30から各種データを読み出して業務量推定部40および最適拠点推定部50へ出力する。
【0041】
次に記憶部60について説明する。記憶部60は、市区町村基本情報記憶部61、拠点基本情報記憶部62、経路記憶部63、市区町村別サービス件数記憶部64および拠点別サービス件数記憶部65を有しており、データ入出力部30を介して各種データが記憶され、または、読み出される。
【0042】
市区町村基本情報記憶部61は、オペレータによりデータ入力部30を介して入力された市区町村毎の面積、人口、その市区町村の中心地として用いられる役所所在地(以下、これを「市区町村役所所在地」と言う場合があるものとする。)等を含む基本情報(以下、これを「市区町村基本情報」と言う場合があるものとする。)が格納される記憶部60の部分である。ここで、面積、人口、市区町村役所所在地等の市区長村基本情報は、市区長村の属性を表す属性情報でもある。市区町村基本情報の面積および人口は、市区町村のホームページ等に公開されている公式な情報である。また、市区町村基本情報には、市区町村役所所在地を含んでいるが、これに限らず、市区町村を代表する中心地の位置情報として、その市区町村の地図上の重心位置や人口の重心位置等その他種々の位置を用いてもよい。
【0043】
また、市区町村基本情報としては、面積、人口および市区町村の役所所在地だけに限らず、アクセス設備機器やお客様設備機器の契約口数、口数密度、世帯密度、人口密度、企業密度、年齢加重平均、経年建物割合等が属性情報として含まれるようにしてもよい。なお、これらの市区町村基本情報は、例えばクライアント端末装置5a~5dの何れか、または外部の情報処理装置からネットワーク4および通信部20経由で格納されるようにしてもよい。
【0044】
例えば、
図4及び
図5に示すように、〇〇県において3つの拠点A~拠点Cが存在し、拠点Aにはhh市、ab市、cd市、gh市、aa町、jj町、cc町、gg町がサービス対象エリアとして設定され、拠点Bにはkk市、mn市、ef市、op市がサービス対象エリアとして設定され、拠点Cにはuv市、ss町、wx町、qr町、st町、kl町がサービス対象エリアとして設定されている場合を想定する。この場合、例えば拠点Aはcd市に存在し、拠点Bはef市に存在し、拠点Cはst町に存在している。
【0045】
図5に示すように、拠点Aのサービス対象エリアの一つであるhh市に対しては面積186.96Km
2、人口195633人が市区町村基本情報(属性情報)として市区町村基本情報記憶部61に格納される。拠点Aのサービス対象エリアの一つであるab市に対しては62.02Km
2、人口110046人が市区町村基本情報として市区町村基本情報記憶部61に格納される。拠点Aのサービス対象エリアの一つであるcd市に対しては194.9Km
2、人口88078人が市区町村基本情報として市区町村基本情報記憶部61に格納される。以下、同様に、拠点Aのサービス対象エリアである残りのgh市乃至gg町までの5つの市区町村に対しても面積および人口が市区町村基本情報として市区町村基本情報記憶部61に格納される。
【0046】
拠点Bのサービス対象エリアであるkk市、mn市、ef市、op市についても、それぞれの市区町村毎に市区町村基本情報(面積および人口等の属性情報)が市区町村基本情報記憶部61に格納される。同様に、拠点Cのサービス対象エリアであるuv市、ss町、wx町、qr町、st町、kl町についても、それぞれの市区町村毎に市区町村基本情報(面積および人口等の属性情報)が市区町村基本情報記憶部61に格納される。
【0047】
拠点基本情報記憶部62は、サービス対象エリアのうち、ある拠点に割り当てられている全ての市区町村の面積の合計値、及び、その全ての市区町村の人口の合計値が格納される記憶部60の部分である。例えば、
図6に示すように、拠点Aに割り当てられている市区町村としてはhh市、ab市、cd市、gh市、aa町、jj町、cc町、gg町であるため、これら8つの市区町村の面積の合計値818.3Km
2、および、その8つの市区町村の人口の合計値578101人が拠点Aの拠点基本情報としてデータ入力部30により拠点基本情報記憶部62に格納される。
【0048】
また、拠点Bに割り当てられている市区町村としてはkk市、mn市、ef市、op市であるため、これら4つの市区町村の面積の合計値644.5Km2、および、その4つの市区町村の人口の合計値185358人が拠点Bの拠点基本情報として拠点基本情報記憶部62に格納される。
【0049】
さらに、拠点Cに割り当てられている市区町村としてはuv市、ss町、wx町、qr町、st町、kl町であるため、これら6つの市区町村の面積の合計値583.6Km2、および、その6つの市区町村の人口の合計値66438人が拠点Cの拠点基本情報として拠点基本情報記憶部62に格納される。
【0050】
経路記憶部63は、ある拠点からサービス対象エリアの市区町村の役所所在地までの経路に対応した距離を自動車等の車両(自動二輪車、自転車等を含む)で移動したときに要する片道の移動時間(以下、これを「都市間時間」と言う場合があるものとする。)が格納される記憶部60の部分である。このような移動時間(都市間時間)については、データ入出力部30を介してオペレータによって記憶されるが、拠点Aの所在地および役所所在地の緯度経度といった地理情報に基づいて経路算定装置(図示せず)により移動時間が自動的に計算されて記憶されるようにしてもよい。なお、経路記憶部63には、移動時間としてではなく、都市間の片道の距離として格納されてもよい。
【0051】
例えば、
図7に示すように、拠点Aから当該拠点Aに割り当てられているhh市の市区町村所在地である〇△町3番1号までの片道の移動に要する都市間時間は16分間であり、拠点Aからab市の市区町村所在地である△△町2-2までの片道の移動に要する都市間時間は6分間であり、以下同様に続き、最後に拠点Aからgg町の市区町村所在地であるgg町▲□57-2までの片道の移動に要する都市間時間は57分間である。これらの都市間時間(片道の移動時間)が経路記憶部63には格納されている。同様に、拠点Bに割り当てられている複数の市区町村所在地までの片道の移動に要する都市間時間、および、拠点Cに割り当てられている複数の市区町村所在地までの片道の移動に要する都市間時間についても経路記憶部63に格納されている。
【0052】
市区町村別サービス件数記憶部64は、後述する領域別サービス件数予測部42によって算出された、市区町村毎の過去1年間のサービス件数(自然災害破損、不調調査、機器更新等の全てのサービス業務が要求されたであろう合計のサービス件数)を表す市区町村別サービス件数が格納される記憶部60の部分である。この市区長村別サービス件数については後述する。
【0053】
拠点別サービス件数記憶部65は、オペレータによりデータ入力部30を介して入力された拠点毎の自然災害破損、不調調査、機器更新等のサービス業務の過去1年間における拠点別サービス件数が格納される記憶部60の部分である。すなわち拠点別サービス件数は、ある拠点において過去1年間に発生したサービス件数の値であり、拠点のコールセンターにおいて集計された既知のデータである。
【0054】
図6に示すように、拠点Aの全ての市区町村において「自然災害破損」のサービス業務の合計件数が年間2088件あり、「不調調査」のサービス業務の合計件数が年間191件あり、「機器更新」のサービス業務の合計件数が年間879件あるため、全体で3158件のサービス業務が拠点Aにおいて過去1年間に存在しており、この3158件が拠点Aの拠点別サービス件数となっている。
【0055】
拠点Bでは、「自然災害破損」のサービス業務の合計件数が年間1903件あり、「不調調査」のサービス業務の合計件数が年間527件あり、「機器更新」のサービス業務の合計件数が年間728件あるため、全体で3158件のサービス業務が拠点Bにおいて過去1年間に存在しており、この3158件が拠点Bの拠点別サービス件数となっている。
【0056】
拠点Cでは、「自然災害破損」のサービス業務の合計件数が年間417件あり、「不調調査」のサービス業務の合計件数が年間215件あり、「機器更新」のサービス業務の合計件数が年間148件あるため、全体で780件のサービス業務が拠点Cにおいて過去1年間に存在しており、この780件が拠点Cの拠点別サービス件数となっている。
【0057】
次に業務量推定部40について説明する。業務量推定部40は、市区町村毎の業務量G(後述する)を推定する機能部である。業務量推定部40は、予測モデル生成部41、領域別サービス件数予測部42および業務量算定部43を有している。
【0058】
予測モデル生成部41は、データ入出力部30を介して拠点基本情報記憶部62から読み出された拠点基本情報(
図6)である拠点A~C別の面積および人口といった属性情報(説明変数データ)、データ入出力部30を介して拠点別サービス件数記憶部65から読み出されたその拠点A~Cの拠点別サービス件数(目的変数データ)を教師データとして入力して機械学習することにより、属性情報(説明変数データ)と拠点別サービス件数(目的変数データ)との関係を学習してモデリングした予測モデルを生成して内部の記憶領域に記憶する機能部である。因みに、属性情報としては面積または人口の何れか、またはそれ以外の何らかの属性情報だけを用いるようにしてもよい。ここでは予測モデルの生成に関して、例えば多層パーセプトロンと呼ばれるニューラルネットワークを機械学習モデルとして採用してもよい。なお、予測モデルは重回帰モデルであってもよい。
【0059】
領域別サービス件数予測部42は、予測モデル生成部41で生成された予測モデルを用いて、市区町村別のサービス件数を予測する機能部である。ここで、各拠点の過去1年間のサービス件数については拠点別サービス件数記憶部65に記憶されているものの、市区町村毎にどの程度のサービス件数が発生していたかについては実態が分からない状態であるため、領域別サービス件数予測部42において市区町村別のサービス件数を算出するようになされている。
【0060】
領域別サービス件数予測部42は、予測モデル生成部41によって生成された予測モデルに対し、データ入出力部30を介して市区町村毎の面積および人口が属性情報として入力されると、その市区町村に対応した市区町村別のサービス件数を算出することができる。例えば、
図5に示すように、領域別サービス件数予測部42は、データ入出力部30を介して例えば拠点Aのサービス対象エリアの一つであるhh市の面積186.96km
2および人口195633人が入力されると、その面積および人口に基づいて予測モデルによりhh市のサービス件数として561件を算出することができる。このように領域別サービス件数予測部42は、市区町村毎に市区町村別サービス件数を算出し、それらを市区町村別サービス件数記憶部64に記憶させる。
【0061】
この場合、市区町村別サービス件数記憶部64には、
図5に示したように、拠点Aのhh市では市区町村別サービス件数561件、ab市では市区町村別サービス件数389件、cd市では市区町村別サービス件数415件、……、gg町では市区町村別サービス件数377件が記憶される。これらの拠点Aに割り当てられている全ての市区町村別サービス件数の合計値は、拠点Aの拠点別サービス件数と同じ3158件(
図6参照)となる。
【0062】
また、市区町村別サービス件数記憶部64には、拠点Bのkk市では市区町村別サービス件数800件、mn市では市区町村別サービス件数781件、ef市では市区町村別サービス件数801件、op市では市区町村別サービス件数775件が記憶される。これらの拠点Bに割り当てられている全ての市区町村別サービス件数の合計値は、拠点Bの拠点別サービス件数と同じ3158件(
図6参照)となる。因みに、拠点Aの拠点別サービス件数および拠点Bの拠点別サービス件数は同じ値であるが偶然であり、特に意味はない。
【0063】
さらに、市区町村別サービス件数記憶部64には、拠点Cのuv市では市区町村別サービス件数133件、ss町では市区町村別サービス件数137件、wx町では市区町村別サービス件数131件、qr町では市区町村別サービス件数131件、st町では市区町村別サービス件数112件、kl町では市区町村別サービス件数136件が記憶される。これらの拠点Cに割り当てられている全ての市区町村別サービス件数の合計値は、拠点Cの拠点別サービス件数と同じ780件となる。
【0064】
業務量算定部43は、市区町村別サービス件数記憶部64に格納された市区町村別サービス件数と、経路記憶部63に格納されている拠点から役所所在地までの往復の移動時間(都市間時間)と、役所所在地から実際の需要点までの往復の移動時間と、および、その需要点(現地)で要する作業時間とに基づいて、市区町村別サービス件数を実態に近い市町村毎の業務量(業務時間)に変換し、これを内部の記憶領域に記憶する機能部である。但し、本実施の形態において業務量算定部43は、需要点(現地)で要する作業時間については、処理の短時間化および簡素化のために計算対象に含めずに以下説明を続ける。
【0065】
具体的には、業務量算定部43は、市区町村基本情報のある役所所在地から最も近接した拠点(以下、これを「最隣接拠点」と言う場合があるものとする。)までの片道の移動時間t1、次の隣接拠点からその役所所在地までの移動時間t2との合計の平均移動時間ta(=(t1+t2)/2)、その役所所在地から実際の需要点までの市内移動時間tc、および、その市区町村のサービス件数Gcに基づいて、次の(1)式により市区町村毎の業務量Gを推定することが可能である。ここで、(1)式において、2・(ta+tc)で用いられた「2」は、往復の移動時間であることを意味する。
G=Gc×2・(ta+tc)…………………………………………………(1)
ここで、移動時間を業務量Gの算定に用いる場合、客先の需要点までの移動における移動元となる拠点の確定が必要となるが、後述する最適解の算定を実施する場合、その算定の前に移動元となる拠点の確定ができない。すなわち、どの拠点にすべきか分からない。したがって、業務量Gを算定するにあたって、サービス領域である市区町村から複数の拠点までの移動時間に基づいて業務量Gを算定することが計算の精度上望ましい。
【0066】
但し、これに限るものではなく、業務量算定部43は、処理時間の短縮および処理の簡素化のため、市区町村基本情報の役所所在地から最隣接拠点までの片道の移動時間t1(分)に対して、その市区町村の市区町村別サービス件数Gcを乗算した合計時間(時間)を業務量Gとして、次の(2)式にしたがって推定してもよい。これにより、業務量算定部43では、処理が簡潔化されるので処理時間を短縮することができる。ここで、(2)式においても、2tで用いられた「2」は、往復の移動時間であることを意味する。
G=Gc×2・t1………………………………………………………………(2)
【0067】
次に、最適拠点推定部50について説明する。最適拠点推定部50は、現状の3拠点から2拠点に減らすことを拠点最適化装置2またはクライアント端末装置5a~5dのオペレータにより要求された場合、「拠点A」、「拠点B」、および「拠点C」のうち何れの拠点を残して維持すれば最適であるかを推定する機能部である。
【0068】
最適拠点推定部50は、数理工学モデルモデリング部51および最適解算定部52を有している。数理工学モデルモデリング部51には、業務量推定部40の業務量算定部43により推定した市町村毎の業務量G、および、経路記憶部63に格納されている拠点から役所所在地までの都市間時間がデータ入出力部30を介して入力される。
【0069】
数理工学モデルモデリング部51は、拠点から役所所在地までの経路を移動する際に要する移動時間である都市間時間tと、その市区町村の業務量Gとを用いて、都市間時間tと市区町村の業務量Gとの関係をモデリングした数理工学モデルをモデリングする機能部である。この数理工学モデルは、例えば最大カバー法の手法が用いられたものである。但し、最大カバー法に限定されるのではなく、候補とする拠点と、候補とする市区町村との間の移動時間の総和を最小化する所謂p-メディアン法の手法が用いられた数理工学モデルをモデリングしてもよい。なお、数理工学モデルではなく、強化学習モデルをモデリングするようにしてもよい。
【0070】
ここで、最大カバー法とは、サービス対象エリアである複数の市区町村を最大にカバーする(サービス業務を提供する)ことのできるN(N:1以上の整数)個の拠点の最適な配置を求める手法であり、この場合には、拠点が都市間時間tで到達可能な複数の市区町村の業務量Gを最大化するように拠点の配置場所を最適に決定することができる。
【0071】
最適解算定部52は、データ入出力部30を介してオペレータから初期計算条件としての入力される計算目的パラメータおよび市区町村毎の業務量Gを数理工学モデルに用いて、維持すべき最適な拠点候補を算定することができる機能部である。ここで、計算目的パラメータとしては、最終的に残す維持すべき拠点の数を表す拠点数N(この場合、3拠点から2拠点に減少させるため「N=2」)、市区町村の数を表す市区長村数M(この場合、3拠点のサービス対象エリアに対する全ての市区町村の数(M=18))、および、拠点からのサービス目標時間X(拠点から市区町村の役所所在地までの片道の都市間時間t)である。なお、サービス目標時間Xは、説明の便宜上、簡単にするために、拠点から需要点までの片道の移動時間とはせず、市区町村の役所所在地とする。
【0072】
最適解算定部52は、数理工学モデルにしたがって計算目的パラメータに合致するように維持すべき最適な拠点候補を算定する。例えば、現状の3拠点(拠点A~C)を2拠点(拠点A、Bまたは拠点A、Cあるいは拠点B、C)に減少させたい場合には拠点数N=2となり、市区町村数M=18(拠点Aの市区町村数「8」、拠点Bの市区町村数「4」および拠点Cの市区町村数「6」の合計)となる。サービス目標時間Xは、拠点から市区長村の役所所在地に到達するまでの片道の都市間時間tであり、30分、20分、10分とする。このサービス目標時間Xは、オペレータにより任意の都市間時間tを設定することが可能である。
【0073】
最適解算定部52は、実際上、計算目的パラメータとして拠点数N、市区町村数Mおよびサービス目標時間Xが入力されると、各拠点から全ての市区町村に対してサービス目標時間X内に到達できるか否かを一覧で表した、
図8に示すようなN×Mの地理マトリックスデータMXを生成する。
【0074】
この地理マトリックスデータMXは、例えばサービス目標時間X=30分の場合、「1」のフラグの立っているセルが、その拠点から30分以内でその市区町村に到達可能であることを意味し、「0」のフラグの立っているセルがその拠点から30分以内でその市区町村に到達できないことを意味している。すなわち、拠点Aからhh市までは30分以内で到達可能であることを意味し、拠点Aからgg町までは30分以内で到達できないことを意味する。同時に、拠点Bから拠点Aのサービス対象エリアであるhh市およびjj町までは30分以内で到達可能である。この地理マトリックスデータMXは、サービス目標時間X=30分の場合の例であり、サービス目標時間X=20分、10分の場合では、「1」のフラグの立つセルは当然に変化する。
【0075】
最適解算定部52は、地理マトリックスデータMXを参照しながらヒューリスティックな手法である最大カバー法を用いることにより、サービス目標時間X(分)を満たす拠点と市区町村との組み合わせにおいて市区長村の業務量Gの合計Gsumが最も大きい2つを最適な拠点として算出する。次に、簡単な例を用いて業務量Gの合計Gsumにより最適な拠点を算出する手法について説明する。
【0076】
具体的には、例えば
図9(A)に示すように、拠点Bから需要点のあるα市までは30分間の移動時間で到達可能であり、拠点Aから需要点のあるβ市までは30分間の移動時間で到達可能であり、拠点Cから需要点のあるγ市までは30分間の移動時間で到達可能である場合を考える。この場合、円は拠点から30分間で到達可能な需要点の範囲を示している。
【0077】
また、
図9(B)に示すように、上述した地理マトリックスデータMXの代わりに、拠点A~C及びα市、β市、γ市を対象とした簡単な地理マトリックスデータmxを用いる。さらに、
図9(C)に示すように、この場合、α市の業務量Wi(i=1)は「40」、β市の業務量Wi(i=2)は、「30」、γ市の業務量Wi(i=3)は、「20」であるものとする。ここで、業務量Wiは、上述した業務量Gに相当するものとする。、また、この場合、説明の便宜上、α市、β市、γ市の3つの市区町村を対象として、拠点A乃至拠点Cのうち、どの2拠点を残すことが最適であるかを算定する例を示す。
【0078】
地理マトリックスデータmxは、縦軸のi(i=1~3)がサービス業務の需要点のあるα市、β市、γ市を示し、横軸のj(j=1~3)が拠点A~拠点Cを示している。この場合、[i、j]=[1、2]の位置に「1」のフラグが立っているようにα市はB拠点から30分間の移動時間で到達可能(すなわちB拠点がα市をカバーすることが可能であることを意味する)であることを示している。また、[i、j]=[2、1]の位置および[2、3]の位置に「1」のフラグが立っているようにβ市はA拠点およびC拠点の双方から30分間の移動時間で到達可能であることを示している。さらに、[i、j]=[3、3]の位置に「1」のフラグが立っているようにγ市はC拠点から30分間の移動時間で到達可能であることを示している。
【0079】
このようなケースにおいて、A拠点~C拠点の3拠点から2拠点だけを残すという制約のもとで、どの2拠点が最適であるかを算定する場合について考える。まずは、3つの市区町村であるα市、β市、γ市に対して数理工学モデルが試算を行いA拠点およびB拠点の2拠点を残す場合のカバー変数Zi(i=1または0)を決定する。ここで、カバー変数Ziとは、各市区長村がA拠点、B拠点またはC拠点の何れかによってカバーされる場合に「1」、何れによってもカバーされない場合に「0」を表す変数である。
【0080】
ここで、A拠点およびB拠点の2拠点を残す場合、地理マトリックスデータmxに基づいて、α市はB拠点でカバーされるので「1」とし、β市はA拠点でカバーされるので「1」とし、γ市はA拠点およびB拠点でもカバーされないので「0」とする。したがって、A、B拠点を選定する場合、カバー変数Zi=(1、1、0)となる。
【0081】
続いて、3つの市区町村であるα市、β市、γ市に対して数理工学モデルが更に試算を行い、A拠点およびC拠点を残す場合、地理マトリックスデータmxに基づいて、α市はA拠点およびC拠点のいずれによってもカバーされないので「0」とし、β市はA拠点およびB拠点の双方でカバーされるので「1」とし、γ市はC拠点でカバーされるので「1」とする。したがって、A、C拠点を選定する場合、カバー変数Zi=(0、1、1)となる。なお、数理工学モデルが試算を行う試算回数は計算前に任意に設定することができ、この場合の試算回数は「2」とする。したがって、試算回数「2」とした場合、数理工学モデルは、A、B拠点を選定する場合、および、A、C拠点を選定する場合について試算を行う。
【0082】
カバー変数Zi決定したので、次に、数理工学モデルはカバー変数Ziと業務量Wiに基づいて2拠点毎の業務量Gの合計値Gsum(AB)、Gsum(AC)、を算出する。これら合計値Gsum(AB)、Gsum(AC)は、次の(3)式によって求められる。ここで、iは集合Iの元であり、Wiはα市、β市、γ市の業務量Gを示し、Ziはカバー変数を示している。
【0083】
したがって、A、B拠点を選定する場合、カバー変数Zi=(1、1、0)であり、α市の業務量Wi(i=1)が「40」、β市の業務量Wi(i=2)が「30」、γ市の業務量Wi(i=3)が「20」であるので、合計値Gsum(AB)=40×1+30×1+20×0=70となる。
【0084】
また、A、C拠点を選定する場合、カバー変数Zi=(0、1、1)であり、α市の業務量Wi(i=1)が「40」、β市の業務量Wi(i=2)が「30」、γ市の業務量Wi(i=3)が「20」であるので、合計値Gsum(AC)=40×0+30×1+20×1=50となる。
【0085】
このようして試算した2拠点毎の業務量Gの合計値Gsum(AB)、Gsum(AC)を比較し、そのうち最も大きな合計値Gsum(AC)=70となる拠点A、拠点Cを維持して残すことが最適であると決定することができる。このような手法を用いて最適解算定部52は、2拠点を決定することができる。
【0086】
最適解算定部52は、サービス目標時間X(分)が複数設定されている場合、全てのサービス目標時間X(分)について作成した地理マトリックスデータMXを参照し、2拠点毎に業務量Gsumを算出し、その業務量Gの合計値Gsumが大きい2つの拠点の組み合わせを最適解として算定する。すなわち、最適解算定部52は、2拠点でカバーされる市区町村の業務量Gの合計値Gsumを比べて、その合計値Gsumが最も大きい2拠点を算定する。このように最適解算定部52では、複数のサービス目標時間Xに基づいて解集合を算定させる所謂グリッドサーチ法を用いて2拠点を算定する。
【0087】
この場合、最適解算定部52は、複数のサービス目標時間Xに対して試行した後、例えば、
図10に示すような試行評価の算出結果を表した出力画面Ansを作成し、これを表示部70に表示し、または、通信部30およびネットワーク4経由でクライアント端末装置5a~5dへ送信する。この出力画面Ansでは、試行1のサービス目標時間X(30分)の場合、拠点Aおよび拠点Cの組み合わせが選定されたことを表している。
【0088】
試行においては、サービス目標時間Xを定め、拠点からサービス目標時間X内のサービス領域を業務量Gの積算対象としており、例えば試行3においては拠点から10分といったサービス領域を優先した拠点の選定を実施したことになる。
【0089】
次に、最適解算定部52は、試行により選定された拠点のサービスレベル評価時間X´に対応した全サービス領域のサービスレベルを評価することを目的とし、その評価結果を出力画面Ansを介して表示する。ここで、サービスレベル評価時間X´は、サービス目標時間Xとは異なる時間を設定可能であり、例えば40分とすることができる。もちろん、50分、60分などの任意のサービスレベル評価時間X´を設定することも可能である。
【0090】
最適解算定部52は、この出力画面Ansを表示する前の最適解算定において、試行1のサービス目標時間X(30分)の場合、試行1の拠点組合せA、Cにおいて、地理マトリックスMXに代え、サービスレベル評価時間X´(この場合、40分)に対応した全てのサービス領域を対象とした評価をするために、サービスレベル評価時間X´に対応したサービス評価地理マトリックスMX´を生成し、サービスレベル評価時間X´に対応したカバー変数Zi´を決定し、業務量G´の合計値(以下、これを「サービスカバー業務量」ともいう。)G´sumを算定する。
【0091】
図10では、サービスレベル評価時間X´(この場合、40分)に対応した全サービス領域の業務量の合計値に対する拠点Aおよび拠点Cによってカバーされるサービスカバー業務量G’sumの割合(以下、これを「サービスレベル」ともいう。)が96%に相当することを表している。さらに、
図10においては、試行2による拠点組合せB、Cの場合の例についても示しており、試行1と試行2のサービスレベルを比較することができる。
【0092】
このような最適拠点推定部50における最適解算定部52の処理の流れをフローチャートを用いながら次に説明する。
図11は、最適解算定部52による処理の流れを示すフローチャートである。最適解算定部52は、ステップSP1において、データ入出力部30を介して計算目的パラメータ(拠点数N、市区町村数M、サービス目標時間X)が設定または変更されたことを受け付けると、次のステップSP2へ移る。
【0093】
最適解算定部52は、ステップSP2において、拠点から市区町村にサービス目標時間X(分)内に到達できるか否かを一覧で表すN×Mの地理マトリックスデータMX(
図8)を生成し、次のステップSP3へ移る。
【0094】
最適解算定部52は、地理マトリックスデータMXを参照しながら、サービス目標時間X(分)を満たす拠点と市区町村との組み合わせにおいて業務量Gの合算値Gsumが大きい2つの拠点の組み合わせを最適な拠点候補として算定し、次のステップSP4へ移る。
【0095】
最適解算定部52は、ステップSP4において、計算目的パラメータとして設定された全てのサービス目標時間X(30分、20分、10分)に対して拠点候補を算定し終えたか否かを判定し、否定結果が得られるとステップSP1へ戻り、上述のステップSP1乃至ステップSP3の処理を繰り返す。これに対してステップSP4において肯定結果が得られると、最適解算定部52は、ステップSP5に移る。
【0096】
最適解算定部52は、ステップSP5において、サービス目標時間X(30分、20分、10分)に対する拠点候補に対し、サービスレベル評価時間X´が例えば40分のサービスカバー業務量G’sumのサービスレベルを算出し、そのサービスレベルを出力画面Ansを介して表示部70に出力し、処理フローを終了する。
【0097】
以上の本実施の形態によれば、拠点最適化装置2では、拠点A~Cの3拠点を2拠点に減らす際、3拠点分に相当する複数の市区町村を高いサービスレベルで対応可能な最適な2拠点を算定することができる。特に、拠点最適化装置2は、サービス目標時間Xの設定時間30分、20分、10分にそれぞれ対応可能な最適な2拠点を推定し、出力画面Ans(
図10)を介してその2拠点のサービスレベルについてもオペレータに提示することができる。これによりオペレータは、抽出結果画面Ansの中からサービスレベル評価時間X´に対する2拠点のサービスレベルを容易に認識することができる。
【0098】
また、拠点最適化装置2は、市区町村別のサービス件数を実態に即した業務量Gに変換し、その業務量Gを用いて候補の拠点を算定するようにしたことにより、最適な拠点およびその拠点のサービスレベルを提供することができる。
【0099】
〔3〕他の実施の形態
以上の本実施の形態においては、拠点最適化装置2において上述した処理を全て行うようにした場合について述べたが、これに限定されず、拠点最適化装置2とクライアント端末装置5a~5dとで処理を分散して行うようにしてもよい。この場合、拠点最適化システム1全体で上述した処理を実行することになる。
【0100】
また、拠点最適化システム1、拠点最適化装置2、クライアント端末装置5a~5dのそれぞれについても上記の構成は一例にすぎず、具体的構成はこれに限定されない。
【0101】
さらに、最適解算定部52による上述のフローチャートは、最適解算定部52における処理の流れを説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、最適解算定部52によるフローチャートの各ステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部のステップの順番が変更されてもよいし、各ステップの処理間に他の処理が挿入されてもよいし、場合によっては一部のステップの処理が並列に行われてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1……拠点最適化システム、2……拠点最適化装置、4……ネットワーク、5a~5d……クライアント端末装置、20……通信部、30……データ入出力部、40……業務量推定部、41……予測モデル生成部、42……領域別サービス件数予測部、43……業務量算定部、50……最適拠点推定部、51……数理工学モデルモデリング部、52……最適解算定部、60……記憶部、61……市区町村基本情報記憶部、62……拠点基本情報記憶部、63……経路記憶部、64……市区町村別サービス件数記憶部、65……拠点別サービス件数記憶部、70……表示部、101……演算装置、102……記憶装置、111……プログラム、112……データ、103……入力装置、104……I/F装置、105……出力装置、106……バス。