特許 7583379 トイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-11-06

(45)【発行日】2024-11-14

(54)【発明の名称】トイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラム

(51)【国際特許分類】

   E03D 9/00 20060101AFI20241107BHJP

   A47K 13/30 20060101ALI20241107BHJP

【ＦＩ】

E03D9/00 Z

A47K13/30 Z

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2023058678

(22)【出願日】2023-03-31

(65)【公開番号】P2024146016

(43)【公開日】2024-10-15

【審査請求日】2024-07-25

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】000010087

【氏名又は名称】ＴＯＴＯ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100108062

【弁理士】

【氏名又は名称】日向寺 雅彦

(74)【代理人】

【識別番号】100168332

【弁理士】

【氏名又は名称】小崎 純一

(74)【代理人】

【識別番号】100146592

【弁理士】

【氏名又は名称】市川 浩

(74)【代理人】

【氏名又は名称】内田 敬人

(74)【代理人】

【識別番号】100197538

【弁理士】

【氏名又は名称】竹内 功

(74)【代理人】

【識別番号】100176751

【弁理士】

【氏名又は名称】星野 耕平

(72)【発明者】

【氏名】寺田 祐太郎

(72)【発明者】

【氏名】川田 賢志

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 隆政

(72)【発明者】

【氏名】濱田 純旗

(72)【発明者】

【氏名】權藤 高輝

(72)【発明者】

【氏名】松永 隆志

【審査官】河本 明彦

(56)【参考文献】

【文献】特表２０２１－５０１３２９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２３－０４４２３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－２００７８５（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０３Ｄ ９／００ － ９／１６

Ａ４７Ｋ １３／００ － １７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御し、前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにすることを特徴とするトイレ装置。

【請求項2】

前記制御部は、前記生体情報計測部による前記生体情報の取得完了に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする請求項１記載のトイレ装置。

【請求項3】

前記使用者の前記トイレユニットへの接近及び前記使用者の前記トイレユニットからの離隔を検知する接近センサをさらに備え、
前記制御部は、前記接近センサの前記使用者の接近の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする請求項２記載のトイレ装置。

【請求項4】

前記使用者の前記便座への着座及び前記使用者の前記便座からの離座を検知する着座センサをさらに備え、
前記制御部は、前記着座センサの前記使用者の着座の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする請求項２記載のトイレ装置。

【請求項5】

便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置の制御方法であって、
前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を有することを特徴とするトイレ装置の制御方法。

【請求項6】

便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、
前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を前記トイレ装置に実行させることを特徴とするトイレ装置の制御プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明の態様は、一般的に、トイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

使用者の脈動や排泄物の状態などといった生体情報の計測を行い、計測結果を使用者の携帯情報端末に無線通信を介して送信するトイレ装置がある（例えば、特許文献１）。こうしたトイレ装置では、使用者の利便性を高めるため、使用者に特別な操作を行わせることなく、計測結果を自動的に携帯情報端末に送信できるようにすることが求められている。

【0003】

例えば、トイレ装置から携帯情報端末に対して起動信号を送信し、携帯情報端末に予めインストールされた所定のアプリケーションソフトウェアをバックグラウンド起動させることにより、使用者の操作を必要とすることなく、計測結果を自動的に携帯情報端末に送信できるようにすることが検討されている。

【0004】

しかしながら、上記の方法では、バックグラウンド起動させたアプリケーションソフトウェアを使用者が手動で終了する、いわゆるタスクキルが行われた際に、携帯情報端末が以降の起動信号に反応しなくなり、アプリケーションソフトウェアを再度起動させることができなくなってしまう可能性がある。

【0005】

携帯情報端末を操作せずに起動信号に反応しない状態から回復させるためには、起動信号を受信しない状態を所定時間以上継続させる必要がある。このため、トイレ装置が起動信号の発信を定期的に行っている場合には、トイレ装置との通信圏外（例えばトイレ室の外）まで一度移動する必要が生じる。

【0006】

また、使用者が携帯情報端末を操作し、アプリケーションソフトウェアを起動させるなどして、トイレ装置との無線通信を手動で接続させることも考えられるが、この場合にも、使用者に手間をかけさせてしまうこととなる。

【0007】

このように、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまった場合には、一度通信圏外まで移動したり、無線通信を手動で接続させたりといった使用者の対応が必要となり、使用者に手間をかけさせてしまう。また、使用者が上記のような対応を行わなかった場合には、計測結果の送信が次回以降の使用時に繰り越されてしまう。

【0008】

排泄は日常生活の中で自然と行うものである（使用者が意図して排泄できるものではない）ため、測定結果についても使用者が意図して取得していくのではなく、自動的に取得できるようにすることが求められる。また、排泄は一日に決まった時間に決まった回数するわけではないため、決まった時間に測定結果を受信するのではなく、なるべく排泄のタイミングに即したタイミングで測定結果を取得できるようにすることが求められる。

【0009】

このため、生体情報を使用者の携帯情報端末に無線通信を介して送信するトイレ装置においては、生体情報を使用者の携帯情報端末により適切に送信できるようにすることが望まれる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0010】

【文献】特開２０２０－１８７０８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0011】

本発明の態様は、生体情報を使用者の携帯情報端末に無線通信を介してより適切に送信できるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0012】

第１の発明は、便座を有するトイレユニットと、使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、を備え、前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御し、前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにすることを特徴とするトイレ装置である。

【0013】

このトイレ装置によれば、使用者のトイレユニットの使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設けることで、生体情報の送信までにタスクキルが行われたとしても、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消することができる。従って、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。そして、生体情報の送信時には発信期間にあるようにすることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末をより適切に起動状態にすることができ、生体情報を携帯情報端末に無線通信を介してより適切に自動的に送信することができる。これにより、一度通信圏外まで移動したり、無線通信を手動で接続させたりといった使用者の対応が必要となることを抑制し、ユーザビリティをより向上させることができる。

【0014】

第２の発明は、第１の発明において、前記制御部は、前記生体情報計測部による前記生体情報の取得完了に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とするトイレ装置である。

【0015】

このトイレ装置によれば、生体情報の送信までにタスクキルが行われ、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことをより適切に抑制することができる。

【0016】

第３の発明は、第２の発明において、前記使用者の前記トイレユニットへの接近及び前記使用者の前記トイレユニットからの離隔を検知する接近センサをさらに備え、前記制御部は、前記接近センサの前記使用者の接近の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とするトイレ装置である。

【0017】

このトイレ装置によれば、接近センサの使用者の接近の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、携帯情報端末をより早期に起動状態にすることができるとともに、接近の検知と生体情報の取得完了との間においてタスクキルが行われたとしても、生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。

【0018】

第４の発明は、第２の発明において、前記使用者の前記便座への着座及び前記使用者の前記便座からの離座を検知する着座センサをさらに備え、前記制御部は、前記着座センサの前記使用者の着座の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とするトイレ装置である。

【0019】

このトイレ装置によれば、着座センサの使用者の着座の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、携帯情報端末をより早期に起動状態にすることができるとともに、着座の検知と生体情報の取得完了との間においてタスクキルが行われたとしても、生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。

【0020】

第５の発明は、便座を有するトイレユニットと、使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、を備え、前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置の制御方法であって、前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を有することを特徴とするトイレ装置の制御方法である。

【0021】

このトイレ装置の制御方法によれば、使用者のトイレユニットの使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設けることで、生体情報の送信までにタスクキルが行われたとしても、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消することができる。そして、生体情報の送信時には発信期間にあるようにすることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。従って、生体情報の送信時に、携帯情報端末をより適切に起動状態にすることができ、生体情報を携帯情報端末に無線通信を介してより適切に自動的に送信することができる。これにより、一度通信圏外まで移動したり、無線通信を手動で接続させたりといった使用者の対応が必要となることを抑制し、ユーザビリティをより向上させることができる。

【0022】

第６の発明は、便座を有するトイレユニットと、使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、を備え、前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を前記トイレ装置に実行させることを特徴とするトイレ装置の制御プログラムである。

【0023】

このトイレ装置の制御プログラムによれば、使用者のトイレユニットの使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設けることで、生体情報の送信までにタスクキルが行われたとしても、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消することができる。そして、生体情報の送信時には発信期間にあるようにすることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。従って、生体情報の送信時に、携帯情報端末をより適切に起動状態にすることができ、生体情報を携帯情報端末に無線通信を介してより適切に自動的に送信することができる。これにより、一度通信圏外まで移動したり、無線通信を手動で接続させたりといった使用者の対応が必要となることを抑制し、ユーザビリティをより向上させることができる。

【発明の効果】

【0024】

本発明の態様によれば、生体情報を使用者の携帯情報端末に無線通信を介してより適切に送信できるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラムが提供される。

【図面の簡単な説明】

【0025】

【図1】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを模式的に表す斜視図である。

【図2】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを模式的に表すブロック図である。

【図3】実施形態に係るトイレ装置のリモコンを模式的に表す正面図である。

【図4】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図5】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図6】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図7】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図8】実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図9】実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。

【図10】実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。

【図11】実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。

【図12】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の一例を表すタイミングチャートである。

【図13】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の一例を表すフローチャートである。

【図14】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すタイミングチャートである。

【図15】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すタイミングチャートである。

【図16】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すフローチャートである。

【図17】実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0026】

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。

【0027】

（トイレ装置）
図１は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図２は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを模式的に表すブロック図である。
図３は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンを模式的に表す正面図である。
図１～図３に表したように、実施形態に係るトイレシステム５００は、トイレ装置１００と、携帯情報端末２００と、を備える。

【0028】

トイレ装置１００は、トイレユニット１０と、生体情報計測部２０と、制御部３０と、無線通信部４０と、記憶部５０と、人体検知センサ６０と、リモコン７０と、を備える。トイレ装置１００は、トイレ室ＴＲの内部に設けられる。なお、トイレ室ＴＲは、一般家庭用の家屋に設けられたトイレ室でもよいし、公衆施設のトイレに設けられた個室（いわゆるトイレブース）でもよい。

【0029】

トイレユニット１０は、便器１１と、便座１２と、便蓋１３と、ケーシング１４と、を含む。便器１１は、洋式腰掛便器である。便器１１は、下方に窪んだ凹状のボウル部１１ａを含む。ボウル部１１ａは、使用者から排泄された汚物や尿などを受ける。なお、トイレユニット１０は、必ずしも便器１１を有しなくてもよい。トイレ装置１００は、便器１１を備えた便器一体型のトイレ装置でもよいし、便器の上に着脱可能に取り付けられるシートタイプのトイレ装置でもよい。

【0030】

便座１２及び便蓋１３は、それぞれ、ケーシング１４に対して開閉可能に軸支されている。図１では、便座１２が閉じ、便蓋１３が開いた状態を表している。便蓋１３は、閉じた状態において便座１２の上方を覆う。便蓋１３は、必要に応じて設けられ、省略可能である。トイレユニット１０は、少なくともケーシング１４と、ケーシング１４に対して開閉可能に軸支された便座１２と、を有していればよい。

【0031】

ケーシング１４は、各種機能部を収納している。ケーシング１４の内部には、例えば、便座１２や便蓋１３を自動で開閉する自動開閉ユニット、使用者の局部を洗浄するためのノズルを含む局部洗浄ユニット、使用者の局部を乾燥させるための局部乾燥ユニット、及び脱臭を行う脱臭ユニットなどが収納されている。これらの各種機能部は、必要に応じて設けられ、省略可能である。また、ケーシング１４の内部には、制御部３０、無線通信部４０、及び記憶部５０などが収納されている。

【0032】

生体情報計測部２０は、使用者の生体情報を計測する。生体情報は、例えば、使用者の脈動や排泄物の状態などについての情報を含む。生体情報計測部２０は、制御部３０と電気的に接続されている。生体情報計測部２０は、計測した生体情報に関する通信を制御部３０と行う。

【0033】

生体情報計測部２０は、第１センサ２１及び第２センサ２２の複数のセンサを有する。生体情報計測部２０は、複数のセンサ２１、２２により、使用者の複数の生体情報を計測する。第１センサ２１は、例えば、脈動センサである。第１センサ２１は、より具体的には、例えば、レーザセンサである。第１センサ２１は、例えば、便座１２に設けられる。第１センサ２１は、例えば、ヘモグロビン赤外線反射を用いて、便座１２に着座した使用者の脈動を計測する。

【0034】

第２センサ２２は、例えば、画像センサである。第２センサ２２は、より具体的には、例えば、複数の画素をライン状に並べて配置したラインセンサである。第２センサ２２は、例えば、複数の画素を行列状に並べて配置したエリアセンサでもよい。第２センサ２２は、例えば、ケーシング１４の内部に設けられる。第２センサ２２は、例えば、ボウル部１１ａに排泄された大便などの排泄物を撮影した画像データを用いて、排泄物の状態（形状、色、量など）を判定する。

【0035】

なお、第１センサ２１及び第２センサ２２による生体情報の計測には、計測による情報の取得と、計測によって取得された情報の解析と、を含んでもよい。第１センサ２１は、例えば、計測した使用者の脈動についての情報を解析することで、血管年齢、下肢血行状態、フィットネスレベル、基礎代謝、体内水分レベル、体内時計、及び平常時心拍数などについての情報を生体情報として取得（推定）する。第２センサ２２は、例えば、計測した排泄物の状態についての情報を解析することで、腸内環境の状態についての情報を生体情報として取得（推定）する。

【0036】

また、第１センサ２１及び第２センサ２２によって計測した情報の解析は、第１センサ２１及び第２センサ２２に限ることなく、例えば、制御部３０や携帯情報端末２００などで行ってもよい。生体情報の解析は、例えば、使用者の携帯情報端末２００から外部のサーバ（例えばクラウドサーバ）などに生体情報を送信することにより、外部のサーバなど（外部機器）で行ってもよい。

【0037】

このように、第１センサ２１及び第２センサ２２によって計測する生体情報は、計測のみを行った計測情報でもよいし、計測によって取得された計測情報を解析することによって取得された解析情報でもよい。

【0038】

また、第１センサ２１及び第２センサ２２のそれぞれは、複数の計測情報を計測によって取得してもよい。第１センサ２１及び第２センサ２２のそれぞれは、複数の生体情報を解析によって取得してもよい。第１センサ２１及び第２センサ２２のそれぞれは、例えば、１つの計測情報から複数の生体情報を解析によって取得してもよい。換言すれば、生体情報計測部２０に設けられる１つのセンサは、複数の生体情報を計測してもよい。

【0039】

なお、生体情報計測部２０の複数のセンサによって計測する複数の生体情報は、上記に限ることなく、使用者の健康状態に関連し、トイレ装置１００において取得可能な任意の情報でよい。この例では、生体情報計測部２０が、第１センサ２１及び第２センサ２２の２つのセンサを有している。生体情報計測部２０に設けられるセンサの数は、上記に限ることなく、３つ以上でもよい。生体情報計測部２０に設けられるセンサの数は、計測する生体情報に応じて適宜設定すればよい。

【0040】

制御部３０は、生体情報計測部２０、無線通信部４０、記憶部５０、及び人体検知センサ６０と電気的に接続されている。制御部３０は、生体情報計測部２０の計測結果（生体情報）及び人体検知センサ６０の検知結果を取得する。制御部３０は、生体情報計測部２０、無線通信部４０、及び記憶部５０を制御する。制御部３０は、例えば、生体情報計測部２０による生体情報の計測の開始及び停止を制御する。制御部３０は、例えば、トイレ装置１００の各部を統括的に制御する本体制御部と、生体情報計測部２０に設けられ、生体情報計測部２０の動作を制御するセンサ制御部と、を含む。換言すれば、制御部３０の一部は、生体情報計測部２０に設けられていてもよい。生体情報計測部２０による生体情報の計測の開始及び停止は、例えば、本体制御部及びセンサ制御部の少なくとも一方によって制御される。制御部３０は、例えば、ＩＣ素子を含んだ制御回路である。制御部３０は、１つのＩＣ素子（プロセッサ）に限ることなく、複数のＩＣ素子を組み合わせて構成してもよい。

【0041】

制御部３０は、無線通信部４０を介して、使用者の携帯情報端末２００への生体情報の送信を行う。また、制御部３０は、記憶部５０への生体情報の記憶を行う。記憶部５０は、本体制御部に接続された記憶部と、センサ制御部に接続された記憶部と、を有してもよい。換言すれば、記憶部５０の一部は、生体情報計測部２０に設けられていてもよい。生体情報は、本体制御部の記憶部に記憶させてもよいし、センサ制御部の記憶部に記憶させてもよい。また、制御部３０は、記憶部５０に記憶された生体情報の記憶部５０からの消去を行う。記憶部５０における生体情報の記憶及び消去については、後述する。

【0042】

無線通信部４０は、制御部３０と携帯情報端末２００とを無線通信により接続可能である。無線通信部４０は、制御部３０と電気的に接続されている。無線通信部４０は、例えば、ＢＬＥ（Bluetooth Low Energy）などのＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）規格の通信を可能とする通信モジュールである。無線通信部４０は、例えば、制御部３０と、トイレ室ＴＲの内部に位置する携帯情報端末２００と、を無線通信により接続可能である。制御部３０と携帯情報端末２００との接続は、例えば、携帯情報端末２００がトイレ室ＴＲの外部にあるときに、切断される。また、制御部３０と携帯情報端末２００との接続は、例えば、携帯情報端末２００から切断要求信号が送信されたときに、切断される。トイレ装置１００（制御部３０）と携帯情報端末２００との接続については、後述する。

【0043】

なお、トイレ装置１００と携帯情報端末２００との間の通信の形態は、トイレ装置１００と携帯情報端末２００とが直接的に無線通信接続される形態に限ることなく、例えば、外部のサーバ（例えばクラウドサーバ）などを間に介した形態でもよい。無線通信部４０は、外部のサーバと無線通信を行うものでもよい。トイレ装置１００は、例えば、取得した生体情報（解析情報）を外部のサーバに送信してもよい。この際、生体情報の解析は、トイレ装置１００から生体情報を受信したサーバで行ってもよい。携帯情報端末２００は、サーバと無線通信を行うことにより、サーバから自身の生体情報（解析情報）を受信してもよい。トイレ装置１００がサーバと無線通信を行うタイミングは、例えば、生体情報（解析情報）の送信時でもよいし、ユーザ認証時でもよいし、その両方でもよい。携帯情報端末２００がサーバと無線通信を行うタイミングは、任意のタイミングでよい。トイレ装置１００と携帯情報端末２００との間の通信に介在する機器は、サーバに限ることなく、他の機器を含んでもよい。トイレ装置１００と携帯情報端末２００との間の通信の形態は、任意の外部機器を介した形態でもよい。

【0044】

記憶部５０は、制御部３０から出力された情報を記憶可能である。記憶部５０は、制御部３０と電気的に接続されている。記憶部５０は、例えば、生体情報を記憶する。記憶部５０は、例えば、ユーザ認証が行われた状態において、生体情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。ユーザ認証については、後述する。

【0045】

また、記憶部５０は、携帯情報端末２００を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。なお、識別情報と使用者情報とを紐づけた情報は、例えば、無線通信部４０に設けられた記憶部に記憶させてもよい。換言すれば、記憶部５０の一部は、無線通信部４０に設けられていてもよい。識別情報は、例えば、ＭＡＣアドレスなどの携帯情報端末２００に付与された固有の情報である。識別情報は、例えば、ＩＤ番号、ＢＤアドレス（BlueToothのアドレス）、ペアリング情報（ペアリング時にトイレ装置１００と携帯情報端末２００のアプリケーションが共有する暗号情報）などでもよい。使用者情報は、例えば、ユーザ番号などの使用者毎に付与された固有の情報である。使用者情報は、複数の使用者を識別可能な任意の情報でよい。識別情報は、各使用者の携帯情報端末２００を識別可能な任意の情報でよい。識別情報と、使用者情報と、を紐づけて記憶する登録モードについては、後述する。

【0046】

人体検知センサ６０は、使用者の状態を検知する。人体検知センサ６０は、例えば、着座センサ６１及び接近センサ６２の少なくともいずれかを含む。着座センサ６１は、例えば、便座１２に設けられる。着座センサ６１は、例えば、静電容量センサを含む。着座センサ６１は、例えば、使用者の便座１２への着座及び使用者の便座１２からの離座を検知する。なお、着座センサ６１は、例えば、ケーシング１４に設けられる機械式のスイッチなどでもよい。着座センサ６１は、使用者の着座及び離座を適切に検知可能な任意のセンサでよい。

【0047】

接近センサ６２は、例えば、ケーシング１４の内部に設けられる。接近センサ６２は、例えば、使用者のトイレユニット１０への接近及び使用者のトイレユニット１０からの離隔を検知する。接近センサ６２は、例えば、使用者のトイレ室ＴＲへの入室及び使用者のトイレ室ＴＲからの退室を検知する。接近センサ６２は、換言すれば、入室検知センサである。

【0048】

接近センサ６２は、使用者を検知していない非検知状態と、使用者を検知した検知状態と、を有する。非検知状態は、換言すれば、使用者のトイレ室ＴＲからの退室を検知した状態である。検知状態は、換言すれば、使用者のトイレ室ＴＲへの入室を検知した状態である。

【0049】

接近センサ６２は、例えば、電波センサ及び赤外線センサの少なくともいずれかを含む。但し、接近センサ６２は、これらに限ることなく、使用者の接近を適切に検知可能な任意のセンサでよい。接近センサ６２は、使用者のトイレ室ＴＲへの入室に限ることなく、使用者の便座１２やケーシング１４などのトイレユニット１０への接近を検知するセンサでもよい。接近センサ６２は、ケーシング１４の外部に設けられていてもよい。

【0050】

リモコン７０は、例えば、トイレ室ＴＲの壁面ＷＬに設けられる。リモコン７０は、ケーシング１４の内部に収納された各種機能部を遠隔操作するための操作部である。なお、操作部は、ケーシング１４と別に設けられたリモコン７０に限ることなく、例えば、ケーシング１４と一体に設けてもよい。

【0051】

リモコン７０は、例えば、使用者によるリモコン７０への操作入力に基づいて、各種機能部を作動させるための信号を制御部３０に送信する。制御部３０は、リモコン７０からの信号を受信すると、信号に基づいて、各種機能部を制御する。リモコン７０は、例えば、制御部３０と無線通信により接続されている。リモコン７０と制御部３０とを接続する無線通信部は、例えば、無線通信部４０とは別に設けられる。

【0052】

リモコン７０（操作部）は、例えば、認証信号を送信するための認証スイッチ７１を有する。リモコン７０は、認証スイッチ７１において操作入力がされると、制御部３０に認証信号を送信する。制御部３０は、例えば、リモコン７０からの認証信号に基づいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証については、後述する。

【0053】

携帯情報端末２００は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。ただし、携帯情報端末２００は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。

【0054】

携帯情報端末２００には、トイレ装置１００との接続を行ったり、トイレ装置１００から送信された情報（例えば、解析情報）を表示したりするための制御プログラム（アプリケーションソフトウェア）が予めインストールされている。

【0055】

携帯情報端末２００は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有する。携帯情報端末２００は、起動状態において無線通信部４０と無線通信を行うことにより、生体情報の受信を可能とする。

【0056】

図４は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図５は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図４及び図５に表したように、トイレ装置１００（制御部３０）は、登録モードと、使用モードと、を有する。

【0057】

登録モードは、ユーザ登録を行うことができるモードである。ユーザ登録とは、携帯情報端末２００を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報（例えば、ユーザ番号）と、を紐づけて記憶部５０に記憶させることである。ユーザ登録は、識別情報と使用者情報とを無線通信部４０に設けられた記憶部（無線通信部４０に設けられた記憶部５０の一部）に記憶させることでもよい。登録モードは、トイレ装置１００（制御部３０）と携帯情報端末２００とが無線通信接続された状態で行われる。

【0058】

使用モードは、生体情報の計測、生体情報の解析、及び解析情報の送信を行うことができるモードである。制御部３０は、例えば、通常時においては使用モードで動作する。制御部３０は、例えば、使用モードの動作中にリモコン７０又は携帯情報端末２００から登録モードの実行の指示を受けたことに応じて登録モードの動作を実行する。制御部３０は、登録モードの動作を実行した後、使用モードの動作に戻る。

【0059】

すでにユーザ登録が行われている場合、使用モードにおいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証とは、使用者の特定を行う動作である。ユーザ認証とは、換言すれば、トイレ装置１００を使用している使用者の使用者情報（ユーザ番号）及びその使用者の携帯情報端末２００の識別情報を特定する動作である。ユーザ認証を行うことで、例えば、生体情報を、使用者情報（ユーザ番号）やその使用者の携帯情報端末２００の識別情報と紐づけて、記憶部５０に記憶させることができる。また、ユーザ認証を行うことで、例えば、トイレ装置１００とユーザ認証により特定された携帯情報端末２００とを選択的に無線通信接続させることができる。

【0060】

ユーザ認証は、例えば、トイレ装置１００（制御部３０）と携帯情報端末２００とが無線通信接続されることで行われる。この場合、トイレ装置１００（制御部３０）と接続された携帯情報端末２００は、その携帯情報端末２００に登録された使用者情報（ユーザ番号）を含む認証信号をトイレ装置１００に送信する。トイレ装置１００は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報（ユーザ番号）の使用者がトイレ装置１００を使用していると判定する。これにより、トイレ装置１００を使用している使用者の使用者情報（ユーザ番号）及びその使用者の携帯情報端末２００の識別情報を特定することができる。携帯情報端末２００を用いたユーザ認証については、後述する。

【0061】

ユーザ認証は、例えば、リモコン７０の認証スイッチ７１における操作入力により行われてもよい。この場合、認証スイッチ７１における操作入力（例えば、ユーザ番号の選択）がされると、リモコン７０は、使用者情報（ユーザ番号）を含む認証信号をトイレ装置１００に送信する。トイレ装置１００は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報（ユーザ番号）の使用者がトイレ装置１００を使用していると判定する。これにより、トイレ装置１００を使用している使用者の使用者情報（ユーザ番号）及びその使用者の携帯情報端末２００の識別情報を特定することができる。リモコン７０を用いたユーザ認証については、後述する。

【0062】

このように、制御部３０は、記憶部５０に記憶された使用者情報を基に、使用者を特定するユーザ認証を行う。制御部３０は、例えば、携帯情報端末２００及びリモコン７０（操作部）の少なくとも一方から使用者情報を含む認証信号を受信し、受信した認証信号に含まれる使用者情報と、記憶部５０に記憶された使用者情報と、に基づいて、使用者を特定するユーザ認証を行う。制御部３０は、例えば、受信した認証信号に含まれる使用者情報と同じ使用者情報が記憶部５０に記憶されている場合に、その使用者情報の表す使用者を現在の使用者として特定する。

【0063】

制御部３０は、ユーザ認証を行った後、ユーザ認証で特定した使用者の使用者情報と生体情報とを紐づけることにより、記憶部５０に使用者情報と紐づけて記憶された識別情報を基に、特定した使用者の携帯情報端末２００に生体情報を送信できるようにする。これにより、異なる使用者の携帯情報端末２００に生体情報を送信してしまうことを抑制することができる。

【0064】

以下、登録モードについて、さらに詳しく説明する。
図４に表したように、登録モードでは、トイレ装置１００（制御部３０）は、ユーザ番号選択信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ１０１）。トイレ装置１００（制御部３０）は、ユーザ番号選択信号を受信するまで、ステップＳ１０１を繰り返す（ステップＳ１０１：Ｎｏ）。ユーザ番号選択信号は、携帯情報端末２００において選択されたユーザ番号を示す信号である。

【0065】

ユーザ番号選択信号を受信すると（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、選択されたユーザ番号と、ユーザ番号選択信号を送信した携帯情報端末２００の識別番号と、を紐づけて、記憶部５０に記憶（登録）する（ステップＳ１０２）。

【0066】

ユーザ番号と、識別番号と、を紐づけて登録すると（ステップＳ１０２）、トイレ装置１００（制御部３０）は、登録完了信号を携帯情報端末２００に送信する（ステップＳ１０３）。登録完了信号は、登録が完了したことを示す信号である。

【0067】

携帯情報端末２００においてユーザ番号が選択されると、携帯情報端末２００は、ユーザ番号選択信号をトイレ装置１００に送信する（ステップＳ２０１）。

【0068】

ユーザ番号選択信号をトイレ装置１００に送信すると（ステップＳ２０１）、携帯情報端末２００は、トイレ装置１００から登録完了信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ２０２）。携帯情報端末２００は、登録完了信号を受信するまで、ステップＳ２０２を繰り返す（ステップＳ２０２：Ｎｏ）。

【0069】

登録完了信号を受信すると（ステップＳ２０２：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、登録されたユーザ番号を記憶（登録）する（ステップＳ２０３）。

【0070】

以下、使用モードについて、さらに詳しく説明する。
図５に表したように、使用モードでは、トイレ装置１００（制御部３０）は、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知したか否かを判定する（ステップＳ３０１）。トイレ装置１００（制御部３０）は、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知するまで、ステップＳ３０１を繰り返す（ステップＳ３０１：Ｎｏ）。

【0071】

着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知すると（ステップＳ３０１：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、生体情報計測部２０の各センサ２１、２２に生体情報の計測を開始させる（ステップＳ３０２）。

【0072】

生体情報の計測が完了すると（ステップＳ３０３）、各センサ２１、２２は、生体情報の解析を開始する（ステップＳ３０４）。なお、計測が完了する前に、使用者の便座１２からの離座を検知すると、各センサ２１、２２は、例えば、生体情報の計測を途中で終了させて、生体情報の解析を開始する。

【0073】

生体情報の解析が完了すると（ステップＳ３０５）、トイレ装置１００（制御部３０）は、解析により得られた生体情報（解析情報）を携帯情報端末２００に送信する（ステップＳ３０６）。上述のように、生体情報の送信は、無線通信部４０を介して、制御部３０により行われる。なお、生体情報の解析は、上述のように、制御部３０や携帯情報端末２００で行ってもよい。ステップＳ３０４及びステップＳ３０５は、省略してもよい。

【0074】

携帯情報端末２００は、例えば、生体情報の計測の進捗情報を表示する（ステップＳ４０１）。進捗情報の表示については、後述する。

【0075】

携帯情報端末２００は、生体情報を受信したか否かを判定する（ステップＳ４０２）。携帯情報端末２００は、生体情報を受信するまで、ステップＳ４０２を繰り返す（ステップＳ４０２：Ｎｏ）。

【0076】

生体情報を受信すると（ステップＳ４０２：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、生体情報を表示する（ステップＳ４０３）。携帯情報端末２００は、トイレ装置１００（制御部３０）と携帯情報端末２００との接続が切断された後にも生体情報を表示可能とするために、生体情報を記憶してもよい。

【0077】

なお、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ３０１において、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０への接近を検知したか否かを判定してもよいし、接近センサ６２が使用者のトイレ室ＴＲへの入室を検知したか否かを判定してもよい。つまり、トイレ装置１００（制御部３０）は、生体情報の計測開始のトリガは、使用者の便座１２への着座でもよいし、使用者のトイレユニット１０への接近でもよいし、使用者のトイレ室ＴＲへの入室でもよい。また、生体情報の計測開始のトリガは、例えば、ユーザ認証の完了でもよい。さらには、生体情報の計測開始のトリガは、例えば、生体情報計測部２０の状態の変化でもよい。生体情報計測部２０の状態の変化とは、より具体的には、例えば、ラインセンサの出力の変化（例えば落下物の検知）や、レーザセンサの出力の変化などである。

【0078】

以下、トイレ装置１００と携帯情報端末２００との接続について、さらに詳しく説明する。
図６は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図６に表したように、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００に起動信号を送信する（ステップＳ５０１）。起動信号は、携帯情報端末２００を停止状態から起動状態に切り替えるための信号である。起動信号は、より詳しくは、アプリケーションソフトウェアをバックグラウンドで起動状態にするための信号である。携帯情報端末２００は、起動状態において、アドバタイズ信号（無線信号）を受信可能な状態となる。携帯情報端末２００は、停止状態においては、アドバタイズ信号（無線信号）を受信することができない。起動状態は、換言すれば、アドバタイズ信号を受信することができる状態である。停止状態は、換言すれば、アドバタイズ信号を受信することができない状態である。

【0079】

起動信号を送信すると（ステップＳ５０１）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００にアドバタイズ信号を送信する（ステップＳ５０２）。アドバタイズ信号は、携帯情報端末２００にトイレ装置１００（制御部３０）との接続を開始させるための信号である。

【0080】

アドバタイズ信号を送信すると（ステップＳ５０２）、トイレ装置１００（制御部３０）は、接続要求信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ５０３）。接続要求信号は、トイレ装置１００（制御部３０）に携帯情報端末２００との接続を開始させるための信号である。

【0081】

接続要求信号を受信すると（ステップＳ５０３：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００との接続を開始する（ステップＳ５０４）。接続要求信号を受信しない場合（ステップＳ５０３：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ５０４を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合（ステップＳ５０３：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００との接続を開始しない。

【0082】

携帯情報端末２００は、起動信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ６０１）。携帯情報端末２００は、起動信号を受信するまで、ステップＳ６０１を繰り返す（ステップＳ６０１：Ｎｏ）。

【0083】

起動信号を受信すると（ステップＳ６０１：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、停止状態から起動状態に切り替わる（ステップＳ６０２）。携帯情報端末２００は、例えば、アプリケーションソフトウェアをバックグラウンドで起動させたバックグラウンド起動状態になる。例えば、使用者が画面を参照している状態で起動信号を受信した場合などには、携帯情報端末２００は、フォアグラウンドでアプリケーションソフトウェアを起動させてもよい。

【0084】

起動状態になると（ステップＳ６０２）、携帯情報端末２００は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ６０３）。携帯情報端末２００は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップＳ６０３を繰り返す（ステップＳ６０３：Ｎｏ）。

【0085】

アドバタイズ信号を受信すると（ステップＳ６０３：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、トイレ装置１００（制御部３０）に接続要求信号を送信し（ステップＳ６０４）、トイレ装置１００（制御部３０）との接続を開始する（ステップＳ６０５）。

【0086】

このように、制御部３０は、携帯情報端末２００を停止状態から起動状態に切り替えるための起動信号を無線通信部４０から携帯情報端末２００に送信し、携帯情報端末２００を停止状態から起動状態に切り替える。これにより、制御部３０は、使用者の操作などを必要とすることなく、携帯情報端末２００との無線通信接続を自動で開始する。これにより、制御部３０は、生体情報を携帯情報端末２００に自動的に送信できるようにする。また、起動信号を送信し、携帯情報端末２００との無線通信接続を自動で開始することにより、携帯情報端末２００を用いたユーザ認証を容易に行えるようにすることができる。

【0087】

以下、携帯情報端末２００を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図７は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図７に表したように、携帯情報端末２００との接続を開始すると（ステップＳ７０１）、トイレ装置１００（制御部３０）は、認証信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ７０２）。トイレ装置１００（制御部３０）は、認証信号を受信するまで、ステップＳ７０２を繰り返す（ステップＳ７０２：Ｎｏ）。認証信号は、例えば、使用者情報（ユーザ番号）を含む信号である。

【0088】

認証信号を受信すると（ステップＳ７０２：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、認証信号に基づいて、使用者情報及び識別情報を特定する（ステップＳ７０３）。より具体的には、トイレ装置１００（制御部３０）は、認証信号に含まれる使用者情報を特定するとともに、認証信号に含まれる使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末２００を特定する。

【0089】

使用者情報及び識別情報を特定すると（ステップＳ７０３）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００に認証完了信号を送信する（ステップＳ７０４）。認証完了信号は、ユーザ認証が完了したことを示す信号である。

【0090】

認証完了信号を送信すると（ステップＳ７０４）、トイレ装置１００（制御部３０）は、切断要求信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ７０５）。トイレ装置１００（制御部３０）は、切断要求信号を受信するまで、ステップＳ７０５を繰り返す（ステップＳ７０５：Ｎｏ）。切断要求信号は、トイレ装置１００（制御部３０）に携帯情報端末２００との接続を切断させるための信号である。

【0091】

切断要求信号を受信すると（ステップＳ７０５：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００との接続を切断する（ステップＳ７０６）。

【0092】

トイレ装置１００（制御部３０）との接続を開始すると（ステップＳ８０１）、携帯情報端末２００は、認証信号を送信する（ステップＳ８０２）。

【0093】

認証信号を送信すると（ステップＳ８０２）、携帯情報端末２００は、認証完了信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ８０３）。携帯情報端末２００は、認証完了信号を受信するまで、ステップＳ８０３を繰り返す（ステップＳ８０３：Ｎｏ）。

【0094】

認証完了信号を受信すると（ステップＳ８０３：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、切断要求信号を送信し（ステップＳ８０４）、トイレ装置１００（制御部３０）との接続を切断する（ステップＳ８０５）。

【0095】

このように、トイレ装置１００（制御部３０）は、登録モードの実行後（すなわち、識別情報と使用者情報とが紐づけて記憶部５０に記憶されている状態で）、使用モードにおいて、認証信号を受信すると、使用者情報及び識別情報を特定するユーザ認証を行うことができる。

【0096】

以下、リモコン７０を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図８は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図８に表したように、認証スイッチ７１において操作入力がされると（ステップＳ９０１）、リモコン７０は、使用者情報を選択する（ステップＳ９０２）。より具体的には、１回目の操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号１を選択する。

【0097】

使用者情報を選択すると（ステップＳ９０２）、リモコン７０は、認証スイッチ７１においてさらに操作入力がされたか否かを判定する（ステップＳ９０３）。認証スイッチ７１においてさらに操作入力がされると（ステップＳ９０３：Ｙｅｓ）、リモコン７０は、使用者情報を更新する（ステップＳ９０４）。より具体的には、２回目の操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号２を選択する。３回目の操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号３を選択する。Ｎ回目（Ｎは、自然数）の操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号Ｎを選択する。言い換えれば、操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号の数値に１を加算する。ユーザ番号の数値が上限に達した状態で、さらに操作入力がされると、リモコン７０は、例えば、ユーザ番号１を選択する。

【0098】

使用者情報を更新すると（ステップＳ９０４）、リモコン７０は、１回目の操作入力から所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ９０５）。１回目の操作入力から所定時間が経過していない場合（ステップＳ９０５：Ｎｏ）、リモコン７０は、ステップＳ９０３に戻る。

【0099】

さらに操作入力がされない場合（ステップＳ９０３：Ｎｏ）、リモコン７０は、ステップＳ９０４を行わずに、ステップＳ９０５を行う。リモコン７０は、１回目の操作入力から所定時間が経過するまで、ステップＳ９０３、ステップＳ９０４、及びステップＳ９０５を繰り返す。

【0100】

１回目の操作入力から所定時間が経過すると（ステップＳ９０５：Ｙｅｓ）、リモコン７０は、認証信号に含める使用者情報を確定し、制御部３０に認証信号を送信する（ステップＳ９０６）。より具体的には、リモコン７０は、最後に選択されたユーザ番号を含む認証信号を送信する。これにより、リモコン７０によってユーザ認証を行うことができる。この場合には、使用者が携帯情報端末２００を携行していなかった場合にも、ユーザ認証を行うことができ、トイレ装置１００の利便性を向上させることができる。なお、リモコン７０は、例えば、前回の操作入力から所定時間が経過したか否かを判定し、前回の操作入力から所定時間の経過に応じて制御部３０に認証信号を送信してもよい。

【0101】

このように、認証信号を送信するリモコン７０を設けることで、例えば、認証信号を送信するためにリモコン７０以外の場所（例えば、トイレユニット１０など）に設けられた操作部などを操作する場合に比べて、通常使用に近い形で認証信号の送信（ユーザ認証）を行うことができ、使い勝手がよい。

【0102】

また、所定時間が経過するまでに認証スイッチ７１における操作入力がされた回数に基づいて、認証信号によって特定される使用者情報を選択し、所定時間が経過すると、認証信号を送信することで、１つの認証スイッチ７１を操作する回数でユーザ認証される使用者情報を切り替えることができる。これにより、誤認証を抑制できる。

【0103】

以下、生体情報の計測の進捗確認について、さらに詳しく説明する。
図９は、実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図９に表したように、生体情報の計測を開始すると（ステップＳ１００１）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００に計測開始信号を送信する（ステップＳ１００２）。計測開始信号は、生体情報の計測を開始したことを示す信号である。

【0104】

計測開始信号を送信すると（ステップＳ１００２）、トイレ装置１００（制御部３０）は、進捗要求信号を受信したか否かを判定する（ステップＳ１００３）。進捗要求信号は、トイレ装置１００（制御部３０）に進捗情報を送信させるための信号である。進捗情報は、生体情報の計測の進捗状況を示す情報である。進捗要求信号を受信すると（ステップＳ１００３：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、進捗情報を送信する（ステップＳ１００４）。

【0105】

進捗情報を送信すると（ステップＳ１００４）、トイレ装置１００（制御部３０）は、生体情報の計測が完了したか否かを判定する（ステップＳ１００５）。進捗要求信号を受信しない場合（ステップＳ１００３：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ１００４を行わずに、ステップＳ１００５を行う。

【0106】

生体情報の計測が完了していない場合（ステップＳ１００５：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ１００３に戻る。トイレ装置１００（制御部３０）は、生体情報の計測が完了するまで、ステップＳ１００３、ステップＳ１００４、及びステップＳ１００５を繰り返す。

【0107】

生体情報の計測が完了すると（ステップＳ１００５：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００に計測完了信号を送信する（ステップＳ１００６）。計測完了信号は、生体情報の計測を完了したことを示す信号である。

【0108】

携帯情報端末２００は、計測開始信号を受信すると、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態になる。携帯情報端末２００は、例えば、進捗要求信号を送信可能な状態で、携帯情報端末２００において進捗情報を表示するための操作入力がされると、トイレ装置１００（制御部３０）に進捗要求信号を送信する（ステップＳ１１０１）。

【0109】

進捗要求信号を送信すると（ステップＳ１１０１）、携帯情報端末２００は、進捗情報を受信したか否かを判定する（ステップＳ１１０２）。携帯情報端末２００は、進捗情報を受信するまで、ステップＳ１１０２を繰り返す（ステップＳ１１０２：Ｎｏ）。

【0110】

進捗情報を受信すると（ステップＳ１１０２：Ｙｅｓ）、携帯情報端末２００は、進捗情報を表示する（ステップＳ１１０３）。

【0111】

携帯情報端末２００は、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態を維持する。携帯情報端末２００は、計測完了信号を受信すると、進捗要求信号を送信不能な状態になる。

【0112】

なお、この例では、携帯情報端末２００が計測開始信号を受信すると計測完了信号を受信するまで進捗要求信号を送信可能な状態になることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末２００に進捗情報が表示されるようにしているが、計測が行われている間にのみトイレ装置１００（制御部３０）が進捗情報を送信するようにすることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末２００に進捗情報が表示されるようにしてもよい。つまり、トイレ装置１００（制御部３０）は、計測が行われていないときに進捗要求信号を受信しても、進捗情報を送信しなくてもよい。この場合、ステップＳ１１０２及びステップＳ１００６は省略可能である。

【0113】

以下、使用モードの動作について、さらに詳しく説明する。
図１０は、実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図１０に表したように、制御部３０は、使用モードの動作において、ユーザ認証が行われたか否かの判定を行う（ステップＳ１２０１）。制御部３０は、上述のように、携帯情報端末２００及びリモコン７０（操作部）の少なくとも一方から使用者情報を含む認証信号を受信することによってユーザ認証を行う。制御部３０は、ユーザ認証を行い、現在の使用者を特定した場合、例えば、特定した使用者の使用者情報を認証情報として記憶部５０に一時的に記憶させる。認証情報は、より具体的には、例えば、本体制御部に接続された記憶部に一時的に記憶される。

【0114】

制御部３０は、ユーザ認証を行った場合（ステップＳ１２０１：Ｙｅｓ）、続けて、認証信号を受信したか否かの判定を行う（ステップＳ１２０２）。制御部３０は、例えば、リモコン７０から認証信号を受信したか否かを判定する。

【0115】

制御部３０は、リモコン７０から認証信号を受信したと判定した場合（ステップＳ１２０２：Ｙｅｓ）、受信した認証信号を基に、ユーザ認証によって特定された使用者の変更を行う（ステップＳ１２０３）。

【0116】

制御部３０は、例えば、リモコン７０から受信した認証信号に含まれる使用者情報と同じ使用者情報が記憶部５０に記憶されている場合に、受信した認証信号に含まれる使用者情報の表す使用者への変更を行う。制御部３０は、例えば、記憶部５０に一時的に記憶された認証情報の使用者情報を、新たに受信した認証信号に含まれる使用者情報に変更することにより、ユーザ認証によって特定された使用者の変更を行う。

【0117】

制御部３０は、ユーザ認証を行っていない場合（ステップＳ１２０１：Ｎｏ）、認証信号を受信していない場合（ステップＳ１２０２：Ｎｏ）、及び使用者の変更を行った場合には、続けて、着座センサ６１が使用者の便座１２からの離座を検知したか否かを判定する（ステップＳ１２０４）。

【0118】

制御部３０は、使用者の便座１２からの離座を検知していない場合には、ステップＳ１２０１の処理に戻る。これにより、制御部３０は、使用者がトイレユニット１０を使用している所定期間内において、ユーザ認証を任意のタイミングで実行できるようにするとともに、ユーザ認証を行った後、所定期間内においてはユーザ認証によって特定された使用者を任意のタイミングで変更できるようにする。

【0119】

所定期間は、例えば、使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングから使用者の便座１２からの離座を検知したタイミングまでの期間である。図５に関して説明したように、制御部３０は、使用モードの動作において、使用者の便座１２への着座の検知に応じて生体情報の計測を行う。制御部３０は、換言すれば、使用者がトイレユニット１０の使用を開始し、生体情報の取得が行われるまでの期間の任意のタイミングにおいて、ユーザ認証、及びユーザ認証後の使用者の変更を行えるようにする。

【0120】

使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングは、例えば、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０への接近（トイレ室ＴＲへの入室）を検知したタイミングである。使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングは、例えば、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知したタイミングでもよい。使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングは、例えば、リモコン７０からの信号（例えば認証信号）を受信したタイミングでもよい。使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングは、例えば、携帯情報端末２００との無線通信接続が行われたタイミングでもよい。使用者のトイレユニット１０の使用の開始を検知したタイミングは、上記に限ることなく、使用者のトイレユニット１０の使用の開始を制御部３０において適切に検知可能な任意のタイミングでよい。

【0121】

また、所定期間の終了のタイミングは、離座検知のタイミングに限ることなく、例えば、着座センサ６１による使用者の便座１２からの離座の検知から所定時間が経過したタイミングでもよい。所定期間の終了のタイミングは、例えば、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０からの離隔（トイレ室ＴＲからの退室）を検知したタイミングでもよい。所定期間の終了のタイミングは、例えば、携帯情報端末２００との無線通信接続が切断されたタイミング（携帯情報端末２００が通信可能圏内よりも離れたタイミング）でもよい。所定期間の終了のタイミングは、例えば、便器１１の洗浄の実行を検知したタイミングでもよい。便器１１の洗浄の実行は、例えば、リモコン７０からの信号の入力に応じて検知することができる。便器１１の洗浄の実行の検知は、例えば、センサなどを用いて便器１１内の水の流れを検知することによって行ってもよい。所定期間の終了のタイミングは、上記に限ることなく、使用者のトイレユニット１０の使用の終了を制御部３０において適切に検知可能な任意のタイミングでよい。

【0122】

制御部３０は、着座センサ６１による使用者の便座１２からの離座の検知に応じて、ユーザ認証の実行、及びユーザ認証によって特定された使用者の変更の受け付けを終了する（ステップＳ１２０５）。この際、受け付けの終了は、離座の検知に応じて即座に行ってもよいし、離座の検知から所定時間の経過に応じて行ってもよい。このように、離座の検知に応じて受け付けを終了することには、離座を検知したタイミングで受け付けを終了すること、及び離座の検知から所定時間が経過したタイミングで受け付けを終了することを含むものとする。

【0123】

制御部３０は、ユーザ認証の実行、及びユーザ認証によって特定された使用者の変更の受け付けを終了した後に、ユーザ認証が行われているか否かを判定する（ステップＳ１２０６）。換言すれば、制御部３０は、確定された使用者情報が、認証情報として記憶部５０に記憶されているか否かを判定する。

【0124】

ユーザ認証が行われている場合（ステップＳ１２０６：Ｙｅｓ）、制御部３０は、使用者情報と生体情報との紐づけを確定させる（ステップＳ１２０７）。制御部３０は、例えば、離座の検知の後、ユーザ認証及び使用者の変更の受け付けを終了し、使用者の着座の検知に応じて取得された生体情報と、記憶部５０に認証情報として記憶された使用者情報と、を紐づける。

【0125】

制御部３０は、使用者情報と生体情報との紐づけを確定させた後、携帯情報端末２００と無線通信接続中か否かを判定する（ステップＳ１２０８）。

【0126】

携帯情報端末２００と無線通信接続されている場合（ステップＳ１２０８：Ｙｅｓ）、制御部３０は、携帯情報端末２００に生体情報を送信する（ステップＳ１２０９）。

【0127】

携帯情報端末２００と無線通信接続されていない場合（ステップＳ１２０８：Ｎｏ）、制御部３０は、携帯情報端末２００に生体情報を送信せずに、記憶部５０に生体情報を記憶させる（ステップＳ１２１０）。このとき、制御部３０は、生体情報と使用者情報とを紐づけて記憶部５０に記憶させる。このように、制御部３０は、所定期間が終了した後に、生体情報を使用者情報と紐づけて記憶部５０に記憶させる。生体情報の記憶後の動作については、後述する。

【0128】

ユーザ認証が行われていない場合（ステップＳ１２０６：Ｎｏ）、制御部３０は、生体情報を消去する（ステップＳ１２１１）。制御部３０は、ユーザ認証が行われた場合にのみ、携帯情報端末２００への生体情報の送信、もしくは、生体情報の記憶部５０への記憶（保存）を行う。なお、制御部３０は、例えば、使用者情報と生体情報との紐づけを確定させた後、携帯情報端末２００との無線通信接続の接続状況に関わらず、生体情報（解析情報）と使用者情報とを紐づけて記憶部５０に記憶させてもよい。この際、制御部３０は、携帯情報端末２００と無線通信接続されている場合には、携帯情報端末２００への生体情報（解析情報）の送信が適切に完了したことに応じて、記憶部５０に記憶された生体情報（解析情報）を消去してもよい。制御部３０は、例えば、生体情報の送信時に不具合が発生した際などには、記憶部５０での生体情報の記憶を継続させてもよい。

【0129】

制御部３０は、例えば、携帯情報端末２００への生体情報の送信、もしくは、生体情報の記憶部５０への記憶を行った後、記憶部５０に一時的に記憶された認証情報の使用者情報を消去する。換言すれば、制御部３０は、携帯情報端末２００への生体情報の送信、もしくは、生体情報の記憶部５０への記憶を行った後、記憶が完了したユーザ認証の認証状態を解除する。

【0130】

以下、使用モードの生体情報の記憶後の動作について、さらに詳しく説明する。
図１１は、実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図１１に表したように、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００と接続されるたびに（ステップＳ１３０１：Ｙｅｓ）、記憶部５０に記憶された（つまり、未送信の）生体情報があるか否かを判定する（ステップＳ１３０２）。トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００と接続されるまで、ステップＳ１３０１を繰り返す（ステップＳ１３０１：Ｎｏ）。

【0131】

記憶部５０に記憶された生体情報がある場合（ステップＳ１３０２：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、トイレ装置１００が使用中か否かを判定する（ステップＳ１３０３）。

【0132】

トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、人体検知センサ６０が使用者を検知しているとき、トイレ装置１００が使用中であると判定する。トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知しているとき、トイレ装置１００が使用中であると判定する。トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０への接近を検知しているとき、トイレ装置１００が使用中であると判定する。トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、接近センサ６２が使用者のトイレ室ＴＲへの入室を検知しているとき、トイレ装置１００が使用中であると判定する。トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、生体情報計測部２０が生体情報を計測しているとき、トイレ装置１００が使用中であると判定する。

【0133】

トイレ装置１００が使用中ではない場合（ステップＳ１３０３：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、接続中の携帯情報端末２００が、記憶された生体情報と紐づけられた使用者の携帯情報端末２００か否かを判定する（ステップＳ１３０４）。上述のように、生体情報は、使用者情報と紐づけられて記憶されており、使用者情報は、その使用者の所有する携帯情報端末２００の識別情報と紐づけられて記憶（登録）されている。そのため、使用者情報と紐づけられて記憶された生体情報は、この使用者情報と紐づけられて記憶（登録）された識別情報とも、間接的に紐づけられている。言い換えれば、記憶された生体情報は、この生体情報を送信する対象となる携帯情報端末２００の識別情報とも紐づけられて記憶されている。ここでは、接続中の携帯情報端末２００が、記憶された生体情報を送信する対象となる携帯情報端末２００であるか否かを判定する。

【0134】

接続中の携帯情報端末２００が、記憶された生体情報と紐づけられた使用者の携帯情報端末２００である場合（ステップＳ１３０４：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、記憶部５０に記憶された生体情報を携帯情報端末２００に送信する（ステップＳ１３０５）。

【0135】

記憶部５０に記憶された生体情報を携帯情報端末２００に送信すると（ステップＳ１３０５）、トイレ装置１００（制御部３０）は、記憶された生体情報を記憶部５０から消去する（ステップＳ１３０６）。

【0136】

記憶部５０に記憶された生体情報がない場合（ステップＳ１３０２：Ｎｏ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ１３０３、ステップＳ１３０４、ステップＳ１３０５、及びステップＳ１３０６を行わない。トイレ装置１００が使用中の場合（ステップＳ１３０３：Ｙｅｓ）、トイレ装置１００（制御部３０）は、ステップＳ１３０４、ステップＳ１３０５、及びステップＳ１３０６を行わない。接続中の携帯情報端末２００が、記憶された生体情報と紐づけられた使用者の携帯情報端末２００ではない場合（ステップＳ１３０４：Ｎｏ）、ステップＳ１３０５及びステップＳ１３０６を行わない。

【0137】

このように、実施形態において、トイレ装置１００（制御部３０）は、携帯情報端末２００と無線通信接続されている状態で、生体情報の解析が完了したときに、携帯情報端末２００に生体情報を送信する。また、制御部３０は、携帯情報端末２００と無線通信接続されていない状態で、生体情報の解析が完了したときに、携帯情報端末２００に生体情報を送信せずに、記憶部５０に生体情報を記憶させる。また、制御部３０は、記憶部５０に生体情報が記憶された状態で、携帯情報端末２００と接続されたときに、記憶された生体情報を携帯情報端末２００に送信する。

【0138】

携帯情報端末２００と接続されている状態で生体情報の解析が完了したときに携帯情報端末２００に生体情報を送信し、携帯情報端末２００と接続されていない状態で生体情報の解析が完了したときに携帯情報端末２００に生体情報を送信せずに記憶部５０に生体情報を記憶させ、記憶部５０に生体情報が記憶された状態で携帯情報端末２００と接続されたときに記憶された生体情報を携帯情報端末２００に送信することで、トイレ装置１００と携帯情報端末２００との接続が切断されるまでに（例えば、使用者がトイレ室ＴＲから退室するまでに）生体情報の解析が完了しない場合にも、生体情報を記憶し、次回、トイレ装置１００と携帯情報端末２００とが接続されたときに、記憶された生体情報を携帯情報端末２００に送信できる。これにより、使用者の携帯情報端末２００に生体情報をより確実に送信でき、使い勝手を向上できる。

【0139】

また、実施形態において、トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、ユーザ認証が行われた状態で、記憶部５０に生体情報を記憶させる場合に、生体情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部５０に記憶させる。そして、トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、記憶部５０に使用者情報と紐づけられた生体情報が記憶された状態で、使用者情報と紐づけられていない識別情報を有する携帯情報端末２００と接続されたときには、使用者情報と紐づけられていない識別情報を有する携帯情報端末２００に使用者情報と紐づけられた生体情報を送信しない。一方、トイレ装置１００（制御部３０）は、記憶部５０に使用者情報と紐づけられた生体情報が記憶された状態で、使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末２００と接続されたときには、使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末に使用者情報と紐づけられた生体情報を送信する。

【0140】

記憶部５０に使用者情報と紐づけられた生体情報が記憶された状態で、使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末２００と接続されたときに、この携帯情報端末２００に使用者情報と紐づけられた（つまり、記憶された）生体情報を送信することで、使用者本人の携帯情報端末２００以外に生体情報が送信されることを抑制でき、プライバシーに配慮しつつ、使用者の携帯情報端末２００に生体情報をより確実に送信できる。また、使用者本人の携帯情報端末２００のみに生体情報を送信するため、通信回数を抑えることができる。

【0141】

また、実施形態において、トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、記憶部５０に生体情報が記憶された状態で、無線通信部４０が携帯情報端末２００と接続されたときに、トイレ装置１００が使用中であれば、携帯情報端末２００に生体情報を送信しない。一方、トイレ装置１００（制御部３０）は、記憶部５０に生体情報が記憶された状態で、無線通信部４０が携帯情報端末２００と接続されたときに、トイレ装置１００が使用中でなければ、携帯情報端末２００に生体情報を送信する。

【0142】

記憶部５０に生体情報が記憶された状態で無線通信部４０が携帯情報端末２００と接続されたときにトイレ装置１００が使用中であれば携帯情報端末２００に生体情報を送信しないことで、トイレ装置１００の使用中には、生体情報を送信する以外の処理を優先させることができる。これにより、例えば、そのときトイレ装置１００を使用している使用者の生体情報の解析を優先させることができ、使い勝手を向上できる。但し、トイレ装置１００（制御部３０）は、記憶部５０に解析情報が記憶された状態で、無線通信部４０が携帯情報端末２００と接続されたときには、トイレ装置１００の使用中及び不使用中に関わらず、携帯情報端末２００に解析情報を送信してもよい。

【0143】

トイレ装置１００（制御部３０）は、例えば、記憶部５０に解析情報を記憶している場合に、その生体情報と紐づけられている使用者情報の送信を定期的に行ってもよい。この場合、携帯情報端末２００は、自身が保有する使用者情報と同じ使用者情報を受信した際に、トイレ装置１００と無線通信接続して、トイレ装置１００から解析情報を受信してもよい。

【0144】

以下、起動信号の送信の動作について、さらに詳しく説明する。
図１２は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の一例を表すタイミングチャートである。
図１２に表したように、制御部３０は、起動信号を発信する発信期間と、起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御する。制御部３０は、発信期間においては、例えば、数秒間隔などの所定の間隔で定期的に起動信号の発信を行う。制御部３０は、使用モードの動作において、通常は、発信期間に設定する。

【0145】

図１３は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の一例を表すフローチャートである。
図１２及び図１３に表したように、制御部３０は、使用モードの動作において、生体情報計測部２０による生体情報の取得が完了したか否かを判定する（ステップＳ１４０１）。制御部３０は、生体情報の取得が完了するまで、ステップＳ１４０１を繰り返す。生体情報の取得の完了とは、計測情報の取得の完了（解析をトイレ装置１００で行わない場合）、又は、解析情報の取得の完了である。生体情報の取得の完了は、換言すれば、計測情報に基づく解析情報の解析の完了である。

【0146】

制御部３０は、生体情報計測部２０による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ切り替える（ステップＳ１４０２、タイミングｔ１１）。すなわち、制御部３０は、生体情報の取得完了に応じて、起動信号の発信を停止する。このように、制御部３０は、使用者のトイレユニット１０の使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設ける。

【0147】

なお、発信停止期間への切り替えは、生体情報の取得完了に応じて即座に行ってもよいし、生体情報の取得完了から所定時間の経過に応じて行ってもよい。このように、生体情報の取得完了に応じて発信停止期間へ切り替えることには、生体情報の取得を完了したタイミングで切り替えること、及び生体情報の取得完了から所定時間が経過したタイミングで切り替えることを含むものとする。

【0148】

制御部３０は、発信停止期間への切り替えを行った後、発信停止期間への切り替えのタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ１４０３）。所定時間は、例えば、１０分以下である。所定時間は、より好ましくは、１分以下である。所定時間は、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態を解消するために必要な時間に設定される。所定時間は、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態を解消するために必要な時間以上で、なるべく短く設定することが好ましい。

【0149】

制御部３０は、所定時間が経過したと判定したことに応じて、発信停止期間から発信期間へ切り替える（ステップＳ１４０４、タイミングｔ１２）。換言すれば、制御部３０は、起動信号の発信停止から所定時間の経過に応じて、起動信号の発信を再開する。すなわち、制御部３０は、生体情報計測部２０による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える。

【0150】

制御部３０は、発信期間に切り替えた後、前述のように、使用者の便座１２からの離座の検知などに応じて、使用者の携帯情報端末２００への生体情報の送信を行う（ステップＳ１４０５）。このように、制御部３０は、生体情報の送信時には、発信期間にあるようにする。

【0151】

なお、生体情報計測部２０が、複数のセンサを有し、複数のセンサの生体情報の取得完了までの時間（計測、解析に必要な時間）が異なる場合には、制御部３０は、各センサの生体情報の取得完了毎に、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替え、各生体情報の取得完了毎に生体情報の送信を行ってもよい。あるいは、制御部３０は、各生体情報のそれぞれの取得が完了した際に、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、各生体情報をまとめて携帯情報端末２００に送信してもよい。

【0152】

以上、説明したように、本実施形態に係るトイレ装置１００では、制御部３０が、使用者のトイレユニット１０の使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設ける。これにより、生体情報の送信までにタスクキルが行われたとしても、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消することができる。従って、生体情報の送信時に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。そして、生体情報の送信時には発信期間にあるようにすることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末２００をより適切に起動状態にすることができ、生体情報を携帯情報端末２００に無線通信を介してより適切に自動的に送信することができる。これにより、一度通信圏外まで移動したり、無線通信を手動で接続させたりといった使用者の対応が必要となることを抑制し、ユーザビリティをより向上させることができる。

【0153】

本実施形態に係るトイレ装置１００では、制御部３０が、生体情報計測部２０による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える。これにより、生体情報の送信までにタスクキルが行われ、生体情報の送信時に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態となってしまうことをより適切に抑制することができる。

【0154】

なお、発信期間から発信停止期間へ切り替えるタイミングは、生体情報の取得完了のタイミングに限ることなく、使用者のトイレユニット１０の使用開始に関する任意のタイミングでよい。使用者のトイレユニット１０の使用の開始のタイミングは、例えば、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０への接近（トイレ室ＴＲへの入室）を検知したタイミングでもよいし、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知したタイミングでもよいし、リモコン７０からの信号（例えば認証信号）を受信したタイミングでもよいし、携帯情報端末２００との無線通信接続が行われたタイミングでもよい。

【0155】

図１４は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すタイミングチャートである。
生体情報計測部２０が、複数のセンサを有する場合に、複数のセンサの生体情報の取得完了までの時間が変化する可能性がある。このような場合に、各センサの生体情報の取得完了毎に、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えるようにすると、１つのセンサの生体情報の取得完了に応じて発信停止期間へ切り替えた際に、別のセンサの生体情報の取得が、発信停止期間中に完了することも考えられる。

【0156】

このような場合には、制御部３０は、図１４に表したように、発信停止期間中に別のセンサの生体情報の取得が完了した際に、別のセンサの生体情報の取得が完了したタイミングから所定時間の計時を開始する。

【0157】

図１４に表した例では、制御部３０が、第１センサ２１による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ切り替え（タイミングｔ２１）、発信停止期間中に第２センサ２２による生体情報の取得が完了したことを検知したことに応じて所定時間の計時を開始し（タイミングｔ２２）、第２センサ２２による生体情報の取得完了から所定時間の経過に応じて発信停止期間から発信期間へ切り替えている（タイミングｔ２３）。

【0158】

このように、制御部３０は、別のセンサの生体情報の取得が、発信停止期間中に完了した場合には、別のセンサの生体情報の取得が完了したタイミングから所定時間の計時を開始する。これにより、例えば、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態をより適切に解消することができる。なお、制御部３０は、別のセンサの生体情報の取得が、発信停止期間中に完了した場合には、前のセンサの生体情報の取得完了から所定時間の経過に応じて発信停止期間から発信期間へ切り替えてもよい。

【0159】

図１５は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すタイミングチャートである。
図１６は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すフローチャートである。
図１５及び図１６に表したように、この例では、制御部３０は、接近センサ６２が使用者のトイレユニット１０への接近（トイレ室ＴＲへの入室）を検知したか否かを判定する（ステップＳ１５０１）。

【0160】

制御部３０は、接近センサ６２による使用者のトイレユニット１０への接近の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ切り替える（ステップＳ１５０２、タイミングｔ３１）。すなわち、制御部３０は、接近センサ６２による使用者のトイレユニット１０への接近の検知に応じて、起動信号の発信を停止する。なお、発信停止期間への切り替えは、接近検知に応じて即座に行ってもよいし、接近検知から所定時間の経過に応じて行ってもよい。

【0161】

制御部３０は、発信停止期間への切り替えを行った後、発信停止期間への切り替えのタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ１５０３）。

【0162】

制御部３０は、所定時間が経過したと判定したことに応じて、発信停止期間から発信期間へ切り替える（ステップＳ１５０４、タイミングｔ３２）。すなわち、この例では、制御部３０は、接近センサ６２による使用者のトイレユニット１０への接近の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える。

【0163】

制御部３０は、以下、図１２、図１３に関する説明と同様に、生体情報計測部２０による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える（ステップＳ１５０５～Ｓ１５０８、タイミングｔ３３、ｔ３４）。

【0164】

このように、この例では、接近センサ６２の使用者の接近の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、携帯情報端末２００をより早期に起動状態にすることができる。例えば、ユーザ認証を行うために携帯情報端末２００を起動状態に切り替える際に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消し、より適切に自動的に無線通信接続を開始することができる。また、接近の検知と生体情報の取得完了との間においてタスクキルが行われたとしても、生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。

【0165】

図１７は、実施形態に係るトイレ装置の起動信号の送信の動作の変形例を表すフローチャートである。
図１７に表したように、この例では、制御部３０は、着座センサ６１が使用者の便座１２への着座を検知したか否かを判定する（ステップＳ１６０１）。

【0166】

制御部３０は、着座センサ６１による使用者の着座の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ切り替える（ステップＳ１６０２）。すなわち、制御部３０は、着座センサ６１による使用者の便座１２への着座の検知に応じて、起動信号の発信を停止する。なお、発信停止期間への切り替えは、着座検知に応じて即座に行ってもよいし、着座検知から所定時間の経過に応じて行ってもよい。

【0167】

制御部３０は、発信停止期間への切り替えを行った後、発信停止期間への切り替えのタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ１６０３）。

【0168】

制御部３０は、所定時間が経過したと判定したことに応じて、発信停止期間から発信期間へ切り替える（ステップＳ１６０４）。すなわち、この例では、制御部３０は、着座センサ６１による使用者の着座の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える。

【0169】

制御部３０は、以下、図１２、図１３に関する説明と同様に、生体情報計測部２０による生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替える（ステップＳ１６０５～Ｓ１６０８）。

【0170】

このように、この例では、着座センサ６１による使用者の着座の検知に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、携帯情報端末２００をより早期に起動状態にすることができる。例えば、ユーザ認証を行うために携帯情報端末２００を起動状態に切り替える際に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態を発信停止期間によって解消し、より適切に自動的に無線通信接続を開始することができる。また、接近の検知と生体情報の取得完了との間においてタスクキルが行われたとしても、生体情報の取得完了に応じて、発信期間から発信停止期間へ所定時間切り替えることにより、生体情報の送信時に、携帯情報端末２００が起動信号に反応しない状態となってしまうことを抑制することができる。

【0171】

（トイレ装置の制御方法）
また、実施形態では、トイレ装置１００の制御方法を提供する。図４～図１７に表したように、実施形態に係るトイレ装置１００の制御方法は、使用者のトイレユニット１０の使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設け、かつ生体情報の送信時には発信期間にあるようにする工程を有する。これにより、生体情報を使用者の携帯情報端末２００に無線通信を介してより適切に送信することできる。

【0172】

（トイレ装置の制御プログラム）
また、実施形態では、トイレ装置１００にインストールされる制御プログラムを提供する。図４～図１７に表したように、実施形態に係るトイレ装置１００の制御プログラムは、使用者のトイレユニット１０の使用開始から生体情報の送信までの間に発信停止期間を設け、かつ生体情報の送信時には発信期間にあるようにする工程をトイレ装置１００に実行させる。これにより、生体情報を使用者の携帯情報端末２００に無線通信を介してより適切に送信することできる。制御プログラムは、例えば、記憶部５０に記憶される。制御部３０は、記憶部５０に記憶された制御プログラムを読み出して逐次処理を行うことにより、上記の工程を実行する。制御プログラムは、例えば、制御部３０の内部メモリなどに記憶させてもよい。

【0173】

（記録媒体）
また、実施形態では、上述のトイレ装置の制御プログラムが記録された記録媒体を提供する。記録媒体は、少なくともコンピュータでの読み取りが可能なものである。記録媒体は、読み取り専用のものであってもよいし、読み取りと書き込みの両方が可能なものであってもよい。

【0174】

実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
（構成１）
便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御し、前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにすることを特徴とするトイレ装置。

【0175】

（構成２）
前記制御部は、前記生体情報計測部による前記生体情報の取得完了に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする構成１記載のトイレ装置。

【0176】

（構成３）
前記使用者の前記トイレユニットへの接近及び前記使用者の前記トイレユニットからの離隔を検知する接近センサをさらに備え、
前記制御部は、前記接近センサの前記使用者の接近の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする構成２記載のトイレ装置。

【0177】

（構成４）
前記使用者の前記便座への着座及び前記使用者の前記便座からの離座を検知する着座センサをさらに備え、
前記制御部は、前記着座センサの前記使用者の着座の検知に応じて、前記発信期間から前記発信停止期間へ所定時間切り替えることを特徴とする構成２記載のトイレ装置。

【0178】

（構成５）
便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置の制御方法であって、
前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を有することを特徴とするトイレ装置の制御方法。

【0179】

（構成６）
便座を有するトイレユニットと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測部と、
前記使用者の携帯情報端末と無線通信を行うための無線通信部と、
前記使用者の前記携帯情報端末への前記生体情報の送信を行う制御部と、
を備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションソフトウェアを起動させた起動状態と、前記アプリケーションソフトウェアを停止させた停止状態と、を有し、前記起動状態において前記無線通信部と無線通信を行うことにより、前記生体情報の受信を可能とし、
前記制御部は、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えるための起動信号を前記無線通信部から前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末を前記停止状態から前記起動状態に切り替えることにより、前記生体情報を前記携帯情報端末に自動的に送信できるようにするとともに、前記起動信号を発信する発信期間と、前記起動信号の発信を停止した発信停止期間と、の切り替えを制御するトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、
前記使用者の前記トイレユニットの使用開始から前記生体情報の送信までの間に前記発信停止期間を設け、かつ前記生体情報の送信時には前記発信期間にあるようにする工程を前記トイレ装置に実行させることを特徴とするトイレ装置の制御プログラム。

【0180】

以上のように、実施形態によれば、生体情報を使用者の携帯情報端末２００に無線通信を介してより適切に送信することできるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、及びトイレ装置の制御プログラムが提供される。

【0181】

以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。

【符号の説明】

【0182】

１０：トイレユニット、 １１：便器、 １１ａ：ボウル部、 １２：便座、 １３：便蓋、 １４：ケーシング、 ２０：生体情報計測部、 ２１、２２：センサ、 ３０：制御部、 ４０：無線通信部、 ５０：記憶部、 ６０：人体検知センサ、 ６１：着座センサ、 ６２：接近センサ、 ７０：リモコン、 ７１：認証スイッチ、 １００：トイレ装置、 ２００：携帯情報端末、 ５００：トイレシステム、 ＴＤ：テーブルデータ、 ＴＲ：トイレ室、 ＷＬ：壁面

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】