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  • 特許-ステージ装置及び半導体製造装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ステージ装置及び半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20241107BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H01L21/68 K
G03F7/20 521
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020071926
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021168372
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】523113319
【氏名又は名称】岡部 貴雄
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 成香
(72)【発明者】
【氏名】岡部 貴雄
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0042970(US,A1)
【文献】特開2001-319865(JP,A)
【文献】特開2017-183389(JP,A)
【文献】国際公開第2006/009254(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部との間に第1隙間を空けて設けられた台座と、
前記基部に対して前記台座を移動させる移動手段と、を有し、
導電性及び熱伝導性を有するイオン液体が前記第1隙間に配置され、
前記移動手段は、前記基部に設けられ、前記イオン液体を通し前記第1隙間に通じる流路と、前記流路に通す前記イオン液体の液量又は圧力を加減して前記台座の移動量を制御する制御手段と、を有する微細加工用のステージ装置。
【請求項2】
前記移動手段は、前記台座を少なくとも水平方向に移動させる請求項1に記載のステージ装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記台座を少なくとも鉛直方向に移動させる請求項1又は請求項2に記載のステージ装置。
【請求項4】
基部と、
前記基部との間に第1隙間を空けて設けられた台座と、
前記基部に対して前記台座を移動させる移動手段と、を有し、
導電性及び熱伝導性を有するイオン液体が前記第1隙間に配置されている微細加工用のステージ装置を備え、
前記ステージ装置に半導体ウエハが載置され、
前記半導体ウエハを露光する露光手段が、前記半導体ウエハとの間に第2隙間を空けて設けられ、
前記第2隙間にマッチングオイルとしてのイオン液体が配置されてい半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細加工用のステージ装置、及び該ステージ装置を備えた半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置において、基板を保持する保持部を、転がり軸受により支持する構造が開示されている(特許文献1参照)。この構造では、接地部により保持部を接地電位に接続している。接地部の一端部は導通経路部に接続され、接地部の他端部は接地電位に接続されている。この接地部に、接地ブラシや導電性のイオン液体を用いることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-183389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術の他、半導体製造装置等に用いられるステージ装置においては、台座に載せたワークを精密に動かすために、基部に対して台座を浮上させる空気軸受と、台座を駆動するリニアモータが用いられることがある。空気軸受を用いることで台座と基部とが互いに非接触となるが、台座における静電気の帯電を防止するための配線、例えば接地ブラシが必要であり、完全な非接触にはなっていない。接触部分があると台座が動く際に摩擦が生じるため精密な制御が難しくなる上に、摩耗粉の発生も懸念される。また、台座が浮上していると、台座の熱を基部に逃がすことができない。
【0005】
本発明は、高精度なステージ装置及び該ステージ装置を備えた半導体製造装置を提供すると共に、台座と基部との間の非接触での導電性及び熱伝導性を確保して、台座の帯電抑制及び冷却性向上を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る微細加工用のステージ装置は、基部と、前記基部との間に第1隙間を空けて設けられた台座と、前記基部に対して前記台座を移動させる移動手段と、を有し、導電性及び熱伝導性を有するイオン液体が前記第1隙間に配置されている。
【0007】
このステージ装置では、台座と基部との間に第1隙間が設けられ、該第1隙間に導電性を有するイオン液体が配置されているので、台座と基部との間の潤滑性が担保される。したがって、微細加工のために台座を高精度かつ滑らかに移動させることができる。また、基部を接地しておき、台座の移動に伴い台座に帯電する静電気をイオン液体の導電性により基部に伝達して除電することができる。更に、台座の移動に伴う発熱をイオン液体の熱伝導性により基部に伝達して排熱することができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係るステージ装置において、前記移動手段が、前記基部に設けられ、前記イオン液体を通し前記第1隙間に通じる流路と、前記流路に通す前記イオン液体の液量又は圧力を加減して前記台座の移動量を制御する制御手段と、を有する。
【0009】
このステージ装置では、制御手段によりイオン液体の液量又は圧力を加減することで、基部の移動を高精度に制御できる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係るステージ装置において、前記移動手段が、前記台座を少なくとも水平方向に移動させる。
【0011】
このステージ装置では、制御手段によりイオン液体の液量又は圧力を制御することで、台座を高精度で水平方向に移動させることができる。このステージ装置を半導体製造装置に用いた場合、例えば半導体ウエハに対する露光位置の高精度な位置決めが可能となる。
【0012】
第4の態様は、第1~第3の態様の何れか1態様に係るステージ装置において、前記移動手段は、前記台座を少なくとも鉛直方向に移動させる。
【0013】
このステージ装置では、制御手段によりイオン液体の液量又は圧力を制御することで、台座の高さを高精度に制御することができる。このステージ装置を半導体製造装置に用いた場合、例えば半導体ウエハに対する露光手段の高精度なフォーカスが可能となる。
【0014】
第5の態様に係る半導体製造装置は、第1~第4の態様の何れか1態様に係るステージ装置を備え、前記ステージ装置に半導体ウエハが載置される。
【0015】
この半導体製造装置では、上記ステージ装置を用いることで、半導体ウエハに対する加工を高精度に行うことができる。
【0016】
第6の態様は、第5の態様に係る半導体製造装置において、前記半導体ウエハを露光する露光手段が、前記半導体ウエハとの間に第2隙間を空けて設けられ、前記第2隙間にマッチングオイルとしてのイオン液体が配置されている。
【0017】
この半導体製造装置では、第2隙間にもイオン液体が満たされていることにより、インデックスマッチングができるようになる。この際、第1隙間のイオン液体と第2隙間のイオン液体を同質とすることにより、仮に双方のイオン液体が混ざってもコンタミネーションの問題が生じないようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高精度なステージ装置及び該ステージ装置を備えた半導体製造装置を提供すると共に、台座と基部との間の非接触での導電性及び熱伝導性を確保して、台座の帯電抑制及び冷却性向上を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るステージ装置の概要を示すブロック図である。
図2】半導体ウエハが載置されたステージ装置を示す斜視図である。
図3図2における3-3矢視断面図である。
図4】ステージ装置から台座を取り外した状態を示す平面図である。
図5】第2隙間にマッチングオイルとしてイオン液体を配置した状態を模式的に示す断面図である。
図6】現像液とイオン液体が混ざらないことを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。なお、各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。また、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。
【0021】
[第1実施形態]
図1において、本実施形態に係る半導体製造装置10は、微細加工用のステージ装置12を有している。ステージ装置12は、例えば、半導体ウエハ20に様々な処理を行うための真空容器(図示せず)内に設置される。このステージ装置12は、基部14と、台座16と、移動手段18とを有しており、台座16には、半導体ウエハ20が載置される。また、導電性及び熱伝導性を有するイオン液体26が、基部14と台座16の間の第1隙間S1に供給されて配置される。
【0022】
(基部)
図1から図4において、基部14は、例えば平面視で四角形に形成され、かつ電気的に接地されている。一例として、基部14の中央部には、台座16が配置される凹部22が形成されている。凹部22は平面視で略四角形とされている。凹部22を囲む四辺は、堤部24とされている。図2から図4に示されるように、各々の堤部24には、イオン液体26の供給穴31X,31Yと排出穴32X,32Yが形成されている。一例として、供給穴31X,31Yには、絞り30がそれぞれ設けられている。
【0023】
また、供給穴31Xは、台座16をX方向に移動させる際にイオン液体26を供給する穴である。供給穴31Yは、台座16をY方向に移動させる際にイオン液体26を供給する穴である。排出穴32X,32Yは、供給穴31X,31Yの下側にそれぞれ形成されている。供給穴31X及び排出穴32X、並びに供給穴31Y及び排出穴32Yは、各々の堤部24の長手方向の中央部にそれぞれ一対ずつ形成されている。
【0024】
なお、供給穴31X,31Y及び排出穴32X,32Yの位置や数はこれに限られず、堤部24の長手方向に複数対の供給穴31X,31Y及び排出穴32X,32Yが形成されていてもよい。また、供給穴31X,31Y及び排出穴32X,32Yが対に配置されていなくてもよい。具体的には、供給穴31Xと排出穴32Xの位置が、互いにY方向にずれていてもよい。また、供給穴31Yと排出穴32Yの位置が、互いにX方向にずれていてもよい。
【0025】
基部14における凹部22の底部28には、支持部36が形成されている。この支持部36は、基部14と台座16の間の第1隙間S1にイオン液体26が供給されておらず、台座16が浮上していないときに台座16を支える部位である。この支持部36は、例えば台座16よりも小さい四角形の稜線状に形成されている(図4)。支持部36の内側には、ポケット38が形成されている。ポケット38は1箇所に限られず、複数箇所に設けられていてもよい。ポケット38の底部29は、凹部22の底部28よりも高く、支持部36よりも低い位置にある。この底部29の例えば中央部には、台座16をZ方向(上下方向)に移動させるための供給穴31Zが、例えば1つ形成されている。一例として、供給穴31Zには、絞り34が設けられている。なお、供給穴31Zの数は1つに限られず、複数であってもよい。ポケット38にイオン液体26を供給することにより、台座16を基部14から浮上させることが可能となっている。
【0026】
凹部22における支持部36と堤部24の間には、回収溝25が環状に形成されている。上記した排出穴32X,32Yは、この回収溝25に開口している。
【0027】
(台座)
台座16は、半導体ウエハ20が載置される部位であり、少なくとも一部が基部14の凹部22に入り込む大きさとされ、平面視で例えば略四角形とされている。図2に示される例では、台座16が全体的に凹部22に入り込んでいる。図3に示される例では、台座16の大部分が凹部22に入り込んでいるが、上部はわずかに堤部24より上方に突出している。このように、台座16は、凹部22内で浮上可能な構造であればよい。
【0028】
台座16の底面16Bは、例えば平面とされている。また、台座16の4箇所の側面16Aには、ポケット40がそれぞれ形成されている。ポケット40は1箇所に限られず、複数箇所に設けられていてもよい。上記した供給穴31X,31Yは、このポケット40にそれぞれ対向して設けられており、ポケット40に向けてイオン液体26を供給できるようになっている。図3では、供給穴31Yがポケット40に対向していることが示されている。
【0029】
台座16は、基部14との間に第1隙間S1を空けて設けられている。第1隙間S1は、X方向の隙間、Y方向の隙間及びZ方向の隙間を含む。第1隙間S1にイオン液体26が供給されることにより、台座16が基部14から浮上し、該基部14と非接触になるように構成されている。第1隙間S1は、台座16の浮上時に台座16と基部14とに形成される隙間の全体を意味する。上記したポケット38,40も、第1隙間S1を構成する。
【0030】
イオン液体26は、例えばN,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボラート(DEMEBF)を含む、アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩のイオン液体である。他に、モリホリニウム塩、ホスホニウム塩、ピペリジニウム塩、ピロジニウム塩、スルホニウム塩のイオン液体を用いてもよい。またこれら複数の塩を混合して用いてもよい。
【0031】
(移動手段)
移動手段18は、基部14に対して台座16を例えば水平方向(X方向、Y方向)及び鉛直方向(Z方向)に移動させるための駆動部であり、流路42と、制御手段44と、を有している。流路42は、基部14に設けられ、イオン液体26を通し第1隙間S1に通じる部位であり、その一例が上記した供給穴31X,31Y,31Z及び排出穴32X,32Yである(図2図3)。
【0032】
制御手段44は、流路42に通すイオン液体26の液量又は圧力を加減して台座16の移動量を制御する制御装置である。制御手段44は、例えば、X-Y方向圧力調整要素50と、Z方向圧力調整要素52と、圧力供給要素54と、イオン液体リザーバ56と、制御要素58とを有している。
【0033】
X-Y方向圧力調整要素50は、例えば圧力調整弁であり、基部14の供給穴31X,31Yと圧力供給要素54との間にそれぞれ配管で接続されている。なお、X方向圧力調整要素とY方向圧力調整要素を別々に設けてもよい。Z方向圧力調整要素52も例えば圧力調整弁であり、基部14の供給穴31Yと圧力供給要素54との間に配管で接続されている。
【0034】
圧力供給要素54は、例えばポンプであり、供給穴31X,31Y,31Zとイオン液体リザーバ56との間に配管で接続されている。この圧力供給要素54は、イオン液体リザーバ56内のイオン液体26を加圧して、X-Y方向圧力調整要素50及びZ方向圧力調整要素52に供給するようになっている。イオン液体リザーバ56は、基部14の排出穴32X,32Y(図2図3)と圧力供給要素54との間に配管で接続されており、排出穴32X,32Yから排出されたイオン液体26を一時的に貯留しておく容器である。
【0035】
なお、移動手段18による台座16の移動方向は、X方向、Y方向及びZ方向の任意の組合せが可能である。したがって、移動方向は水平方向のみでもよく、また鉛直方向(Z方向)のみでもよい。水平方向は、一方向(X方向又はY方向)と二方向(X方向及びY方向)のどちらでもよい。また、移動方向は、X方向及びZ方向、Y方向及びZ方向であってもよい。
【0036】
図5に示される半導体製造装置10では、半導体ウエハ20を露光する露光手段60が、半導体ウエハ20との間に第2隙間S2を空けて設けられている。第2隙間S2には、マッチングオイルとしてのイオン液体46が配置されている。
【0037】
(作用)
図1において、本実施形態に係るステージ装置12では、台座16と基部14との間に第1隙間S1が設けられ、該第1隙間S1に導電性を有するイオン液体26が配置されているので、台座16と基部14との間の潤滑性が担保される。したがって、微細加工のために台座16を高精度かつ滑らかに移動させることができる。また、基部14を接地しておき、台座16の移動に伴い台座16に帯電する静電気をイオン液体26の導電性により基部14に伝達して除電することができる。これにより、台座16と基部14とが完全非接触の案内機構を実現できる。更に、台座16の移動に伴う発熱をイオン液体26の熱伝導性により基部14に伝達して排熱することができる。
【0038】
ステージ装置12では、圧力供給要素54が、イオン液体リザーバ56内のイオン液体26を加圧して、供給穴31X,31Y,31Zに供給する。イオン液体26は、第1隙間S1に入り、台座16を基部14から浮上させる。余分なイオン液体26は、回収溝25及び排出穴32X,32Yを通じてイオン液体リザーバ56に回収される。
【0039】
この際、X-Y方向圧力調整要素50とZ方向圧力調整要素52により、供給穴31X,31Y,31Zに供給するイオン液体26の液量又は圧力を加減することで、基部14のX方向、Y方向及びZ方向の移動をそれぞれ高精度に制御できる。例えば半導体製造に必要なナノメートルオーダーでの制御が可能である。したがって、ステージ装置12を半導体製造装置10に用いることで、例えば半導体ウエハ20に対する露光位置の高精度な位置決めが可能となる。また、台座16の高さを制御することで、半導体ウエハ20に対する露光手段60(図6)の高精度なフォーカスが可能となる。また、台座16の傾きを制御することもできるので、半導体ウエハ20にばらつきがあってもその姿勢を制御できる。このように、ステージ装置12を用いた半導体製造装置10によれば、半導体ウエハ20に対する加工を高精度に行うことができる。
【0040】
半導体製造装置10では、処理室内を真空にすることが多いため、真空に対応したステージ装置12が求められており、真空中でアウトガスが発生する油や水をステージ装置12に用いることはできない。本実施形態では、超高真空の環境下でも気化せず、油や水のようなアウトガスの発生が少ないイオン液体26を台座16の潤滑等に用いている。アウトガス分圧は、例えば10-9Pa未満である。したがって、ステージ装置12を超高真空の環境下で使用することができる。また、超高真空の環境下でアウトガスが発生した場合でも、そのアウトガスがどこから出たのかを予想し易い。更に、真空シールが不要なため、構成が簡素となり、装置の小型化が可能である。超高真空での機構駆動状態で、10-5Pa以下の真空度を維持可能である。
【0041】
図5に示される例では、第2隙間S2にもイオン液体26が満たされていることにより、インデックスマッチングができるようになる。この際、第1隙間S1のイオン液体26と第2隙間S2のイオン液体26を同質とすることにより、仮に双方のイオン液体26が混ざってもコンタミネーションの問題が生じないようにすることができる。
【0042】
図6において、半導体の製造工程において、半導体ウエハ20にかけた現像液62が台座16や基部14へ流れ出したとしても、現像液62はイオン液体26と混ざらないため、台座16と基部14との第1隙間S1に現像液62が浸透しない。したがって、イオン液体26の性質の変化を抑制できる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、高精度なステージ装置12及び該ステージ装置12を備えた半導体製造装置10を提供することができる。また、台座16と基部14との間の非接触での導電性及び熱伝導性を確保して、台座16の帯電抑制及び冷却性向上を可能にすることができる。
【0044】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10 半導体製造装置
12 ステージ装置
14 基部
16 台座
18 移動手段
20 半導体ウエハ
26 イオン液体
31X 供給穴(流路)
31Y 供給穴(流路)
31Z 供給穴(流路)
32X 排出穴(流路)
32Y 排出穴(流路)
42 流路
44 制御手段
46 イオン液体(第2隙間)
60 露光手段
S1 第1隙間
S2 第2隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6