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特許7583444スプレーガンのノズル、及びスプレーガン
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  • 特許-スプレーガンのノズル、及びスプレーガン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】スプレーガンのノズル、及びスプレーガン
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/04 20060101AFI20241107BHJP
   B05B 5/04 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B5/04 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021053407
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150693
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小田 真也
(72)【発明者】
【氏名】白松 憲一郎
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-345152(JP,A)
【文献】特開昭57-136965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 7/04
B05B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給された塗布液を通すための塗布液経路を内部に有する第1部材と、
前記第1部材の先端部を露出させた状態で前記第1部材を覆うとともに、前記第1部材との間に外部から供給された気体を通すためのエア経路が設けられる第2部材と、を備え、
前記第2部材の先端部と前記第1部材の外周部との間に、前記塗布液経路と前記エア経路とを合流させて外部に吐出するための出口部が形成され、
前記第1部材は、前記第1部材の外周部にあって少なくとも一部が前記出口部の下流側部分に設けられ、かつ前記第2部材側が開放されているとともに下流側へ向かうほど前記第1部材の径方向の中心から離れるように形成された複数の溝部を有している、
スプレーガンのノズル。
【請求項2】
前記溝部は、前記出口部を跨いで前記第2部材の内部から外部に亘って設けられている、
請求項1に記載のスプレーガンのノズル。
【請求項3】
前記溝部は、第1溝部と、前記第1溝部より前記第1部材の先端側に前記第1溝部から連続して形成され、前記第1溝部よりも前記第1部材の延伸方向に対する長さ方向の傾斜角度が小さい第2溝部と、を有し、
前記出口部は、前記第2溝部と重なる位置に配置されている、
請求項1又は2に記載のスプレーガンのノズル。
【請求項4】
前記第1溝部の幅寸法は、前記第2溝部の幅寸法と同じであってかつその幅寸法は0.5mm以下である、
請求項3に記載のスプレーガンのノズル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のスプレーガンのノズルと、
前記ノズルが取付けられる本体部と、
前記ノズルに高電圧を供給する高電圧発生装置と、
を備えるスプレーガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スプレーガンのノズル、及びスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば塗装等に用いられるスプレーガンにおいて、被塗装面の意匠性を高めるためには、塗料を塗着に適した粒径まで十分に微粒化させることが重要である。例えば静電塗装に用いられるエアスプレーガンでは、ノズルから吐出される塗料等の塗布液に圧縮エアを衝突させることで塗布液を微粒子化させている。しかし、近年においては、意匠性等の向上のため塗布液の更なる微粒化が要求されている。そこで、塗布液を更に微粒化させる方法として、例えばノズルの先端に形成された溝に塗料を通過させて液糸に細分化させることで塗料の微粒化を実現するものがある。しかしながら、このような従来構成でも、例えば隣接する溝間の塗料が接触して結合すると液糸が太くなってしまう等の事情があり、安定した塗料の微粒化が難しい。そのため、塗布液の微粒化に関して未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-152700号公報
【文献】特開平5-345152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した塗布液の微粒化を図ることで塗布の品質を向上させることができるスプレーガンのノズル、及びスプレーガンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のスプレーガンのノズルは、外部から供給された塗布液を通すための塗布液経路を内部に有する第1部材と、前記第1部材の先端部を露出させた状態で前記第1部材を覆うとともに、前記第1部材との間に外部から供給された気体を通すためのエア経路が設けられる第2部材と、を備え、前記第2部材の先端部と前記第1部材の外周部との間に、前記塗布液経路と前記エア経路とを合流させて外部に吐出するための出口部が形成され、前記第1部材は、前記第1部材の外周部にあって少なくとも一部が前記出口部の下流側部分に設けられ、かつ前記第2部材側が開放されているとともに下流側へ向かうほど前記第1部材の径方向の中心から離れるように形成された複数の溝部を有している。
【0006】
実施形態のスプレーガンは、上記ノズルと、前記ノズルが取付けられる本体部と、前記ノズルに高電圧を供給する高電圧発生装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態によるスプレーガンの内部構成を示す図
図2】一実施形態によるスプレーガンの一例について、ノズル周辺を拡大して示す図
図3】一実施形態によるスプレーガンの一例について、図2の矢印X3方向から示す図
図4】一実施形態によるスプレーガンの一例について、図3の矢印X4部分を拡大して示す図
図5】一実施形態によるスプレーガンの一例について、図2の矢印X5部分を拡大して示す図
図6】一実施形態によるスプレーガンの一例について、溝部周辺の塗料及び気体の流れを拡大して示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。一実施形態では、スプレーガン1の適用対象である塗料の塗布について説明する。なお、スプレーガン1の適用対象としては、塗料の塗布の他に、薬液、溶液、工業用化学液体等の塗布があるが、これに限られない。また、一実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
図1に示すスプレーガン1は、例えば図示しないレシプロケータやロボットアームの先端部に装着することができる。スプレーガン1は、例えば液体塗料を静電引力によって被塗物に塗着させることで、被塗物に自動で塗料を塗布することができるいわゆる自動ガンである。なお、スプレーガン1は、自動ガンに限らず、ユーザ自身が手に持って作業するいわゆるハンドガンであっても良い。また、塗装方式は、静電塗装方式に限らず、噴射した空気によって塗料を微粒化し、その塗料粒子を空気で被塗物に塗着させるいわゆるエアスプレー方式であっても良い。
【0010】
スプレーガン1は、図1に示すように、本体部10及びノズル20を備えている。本体部10は、スプレーガン1のうちノズル20以外の部分を構成するものであって、先端部にノズル20が着脱可能に装着される。なお、本実施形態では、図1における紙面の左側が塗料の噴霧方向側であって本体部10の先端側又は前方側となり、図1における紙面の右側が塗料の噴霧方向と反対側であって本体部10の基端側又は後方側となる。
【0011】
本体部10は、例えば本体ケース11、高電圧発生装置12、導電部材13、接続部材14、及び本体支持部材15を有している。本体ケース11は、本体部10の外殻つまりスプレーガン1の外殻を構成するものであって、例えば電気絶縁性を有する樹脂部材で構成されている。本体ケース11は、中空状に形成されており、内部の空間に、高電圧発生装置12、導電部材13、及び接続部材14を収容している。
【0012】
高電圧発生装置12は、入力された交流電圧に比例した直流の高電圧をノズル20に印加するためのものである。高電圧発生装置12は、昇圧回路や整流回路を有して構成されており、図示しない外部の電源装置から所定例えば12~20Vの交流電圧が入力される。そして、高電圧発生装置12は、その交流電圧に比例した直流の高電圧を出力することができる。
【0013】
導電部材13は、図1に示すように、例えば金属材料で構成されており、高電圧発生装置12の出力側に接続されている。接続部材14は、図2に示すように、ノズル20と導電部材13とを電気的に接続している。このため、高電圧発生装置12から出力された高電圧は、導電部材13及び接続部材14を介してノズル20に供給される。これにより、ノズル20から噴霧された塗料は負の極性に荷電されて、被塗物に対する静電塗装が行われる。
【0014】
本体支持部材15は、例えば電気絶縁性を有する合成樹脂によって、内部が中空状に構成されている。本体支持部材15は、図1に示すように、本体ケース11と接続されており、図示しない塗布液ホースやエアホース、リード線等を内部に収容可能に構成されている。この場合、塗布液ホースは、図示しない外部の塗布液供給源と本体部10とを接続し、外部の塗布液供給源から供給された塗料を本体部10に供給するためのものである。また、エアホースは、図示しない外部の気体供給源と本体部10とを接続し、外部の気体供給源から供給された気体を本体部10に供給するためのものである。そして、リード線は、外部の電力源と本体部10内の高電圧発生装置12とを電気的に接続し、外部の電力源から供給された電力を高電圧発生装置12に供給するためのものである。
【0015】
ノズル20は、図1に示すように、本体部10の先端に設けられ、内部を通過する塗布液この場合液体塗料に電圧を印加して噴霧するためのものである。ノズル20は、本体部10を介して外部の塗布液供給源及び気体供給源に接続される。また、ノズル20は、導電部材13及び接続部材14を介して本体部10内の高電圧発生装置12に電気的に接続される。
【0016】
ノズル20は、塗布液経路21、エア経路22、及び出口部23を有している。塗布液経路21は、外部の供給源から本体部10を通ってノズル20に供給される塗料を通すためのものである。この場合、塗布液経路21は、図2等の黒矢印Aで示す方向に塗料を供給する経路を構成する。また、本実施形態の場合、図2及び図3に示すように、ノズル20の径方向の中心Oは、ノズル20から円錐状に拡がって吐出する塗料の流れの中心と一致している。
【0017】
エア経路22は、外部の気体供給源から本体部10を通ってノズル20に供給される気体を通すためのものである。本実施形態では、ノズル20は複数のエア経路22を有している。各エア経路22は、塗布液経路21の周囲を螺旋状に取り囲むように配置されている。この場合、エア経路22は、図2等の白抜き矢印Bで示す方向に空気を供給する経路を構成する。出口部23は、塗布液経路21及びエア経路22の出口であり、ノズル20の内部と外部とを連通する部分である。塗布液経路21を通った塗料及びエア経路22を通った気体は、出口部23で、又は出口部23の直前若しくは直後で合流し、ノズル20の外部に噴霧される。
【0018】
本実施形態では、ノズル20は、図1及び図2に示すように、第1部材30、第2部材40、及び第3部材50を有している。また、ノズル20の径方向の中心Oは、各部材30、40、50の径方向の中心と一致している。第1部材30は、例えばアルミ合金や銅合金等の金属材料で形成することができる。第1部材30は、図2に示すように、塗布液経路21を内部に有するとともに、塗布液経路21を通過する塗料に高電圧発生装置12から供給される高電圧を印加することができる。すなわち、第1部材30は、塗布液経路21を通過する塗料に高電圧を印加するための電極として機能する。
【0019】
第2部材40は、例えば電気絶縁性を有する合成樹脂等によって形成されている。第2部材40は、図2に示すように、第1部材30及び第3部材50を覆い電気的に絶縁する機能を有する。そして、第2部材40は、第1部材30の先端部を露出させた状態で第1部材30を覆っている。
【0020】
第3部材50は、例えばアルミ合金や銅合金等の金属材料で形成することができる。この場合、第3部材50は、第1部材30とは異なる材質で構成することができる。第3部材50は、図2に示すように、第1部材30の外周側に設けられ、第1部材30の一部を収容可能に構成されている。また、第3部材50は、第1部材30と第2部材40との間に設けられており、エア経路22を形成している。すなわち、エア経路22は、第1部材30と第2部材40との間に設けられている。この場合、エア経路22は、第1部材30の延伸方向に対してねじれるように傾斜して構成されている。これにより、エア経路22を通過した気体は、旋回流の形態に形成される。
【0021】
また、本実施形態の場合、第1部材30は、円筒部31と頭部32とを有している。円筒部31は、図2に示すように、例えば円筒形状に形成され、内部に塗布液経路21を有している。頭部32は、図2及び図3に示すように、例えば円環状に形成され、円筒部31の先端側に設けられており、円筒部31の先端部を閉塞している。頭部32は、円筒部31とは反対側の面が湾曲状に突出している。そして、頭部32の外径寸法は、円筒部31の外形寸法より大きく設定されている。この場合、円筒部31と頭部32とは一体的に形成されている。
【0022】
頭部32は、複数の溝部33を有している。溝部33は、塗布液経路21を流れる塗料を糸状に生成する機能を有する。溝部33は、図3に示すように、頭部32の外周部に形成されている。本実施形態では、溝部33は、頭部32の全周にわたって等間隔で複数形成されている。そして、溝部33は、図2及び図5に示すように、第2部材40側が開放されているとともに下流側へ向かうほど第1部材30の径方向の中心Oから離れるように形成されている。この場合、溝部33は、例えばV字状又はU字状に形成されている。この場合、図4に示すように、各溝部33の一方側の内周面とその一方側の内周面に対向する他方側の内周面の深さ方向に対する傾斜角度αが対称に設定されている。
【0023】
また、ノズル20を正面つまり前側から見た場合に、溝部33の先端部の底部は、図5に示すように、第2部材40の先端部の内周面よりも長さL0分ノズル20の外周側に位置するように設定されている。すなわち、溝部33の少なくとも一部は、第2部材40の先端部の内周面よりもノズル20の外周側に位置するように設定されている。
【0024】
本実施形態の溝部33は、図5に示すように、第1溝部331と第2溝部332とを有している。第1溝部331は、溝部33の基端側つまり塗料及び気体の流れ方向に対して上流側に配置されている。一方、第2溝部332は、溝部33の先端側つまり塗料及び気体の流れ方向に対して下流側に配置されている。第2溝部332は、第1溝部331から連続して形成されている。つまり、第2溝部332は、第1溝部331より第1部材30の先端側に設けられている。
【0025】
本実施形態の場合、第1溝部331と第2溝部332とは、幅寸法W及び深さ寸法Hがそれぞれ等しく設定されている。そして、幅寸法W及び深さ寸法Hは、それぞれ例えば0.5mm以下に設定されている。また、図5に示すように、第1溝部331の長さ寸法L1は、第2溝部332の長さ寸法L2よりも小さく設定されている。更に、図5に示すように、第1部材30の長手方向つまりノズル20の前後方向を基準H0とした場合、その基準H0に対する第1溝部331の傾斜角度θ1は、第2溝部332の傾斜角度θ2よりも大きく設定されている。なお、第1溝部331と第2溝部332との幅寸法W及び深さ寸法Hは、同一である構成に限らず、異なる寸法で設定されていても良い。
【0026】
図5に示すように、第2部材40の先端部と第1部材30の外周部この場合溝部33との間には、出口部23が形成されている。具体的には、出口部23は、第2溝部332と重なる位置に配置されている。この場合、第2溝部332すなわち溝部33は、出口部23を跨いで第2部材40の内部から外部に亘って設けられる。換言すれば、溝部33の少なくとも一部は、出口部23の下流側部分に設けられる。出口部23は、塗布液経路21とエア経路22とを合流させて外部に吐出する機能を有する。
【0027】
このような構成において、エア経路22を通過した気体は、出口部23にて塗布液経路21を流れて溝部33に移動した塗料と合流する際に、当該塗料を溝部33に抑え込むようにして作用する。これにより、溝部33に供給された塗料の一部が溝部33から溢れて、隣接する溝部33間で塗料が結合してしまうことを抑制することができる。更に、溝部33を通過する塗料がエア経路22を通過した気体の流れから離れ難い状態とすることができる。よって、溝部33を通過する塗料を細い液糸に安定して生成することができる。
【0028】
そして、本実施形態の場合、溝部33を通過した細い糸状の塗料は、エア経路22から噴出された気体によって分裂が進行し微粒化しながらノズル20の外周縁から放射状に噴出される。このとき、エア経路22から噴出された気体は、図6に示すように、塗料の吐出方向に対して交差するように噴出されている。そのため、溝部33を流れる塗料に対して気体が円滑に衝突されることで、塗料の微粒化がより促進される。
【0029】
以上説明した実施形態によれば、スプレーガン1のノズル20は、第1部材30と第2部材40とを備えている。第1部材30は、その内部に塗布液経路21を有する。塗布液経路21は、外部から供給された塗布液を通すためのものである。第2部材40は、第1部材30の先端部を露出させた状態で第1部材30を覆うことができる。また、第2部材40は、第1部材30との間にエア経路22を形成する。エア経路22は、外部から供給された気体を通すためのものである。
【0030】
更に、ノズル20は、第2部材40の先端部と第1部材30の外周部との間に出口部23が形成される。出口部23は、塗布液経路21とエア経路22とを合流させて外部に吐出するためのものである。また、第1部材30は、複数の溝部33を有している。溝部33は、第1部材30の外周部にあって少なくとも一部が出口部23の下流側部分に設けられ、かつ第2部材40側が開放されているとともに下流側へ向かうほど第1部材30の径方向の中心Oから離れるように形成されている。
【0031】
これによれば、出口部23において、溝部33に供給される塗布液に対してエア経路22を通過した気体を抑え込むようにして作用させることができる。これにより、溝部33から塗布液が溢れて隣接する溝部33間の塗料が結合してしまうことを抑制できる。更に、溝部33を通過する塗布液は、エア経路22を通過した気体から離れ難い状態でノズル20の外周縁まで供給される。よって、溝部33を通る塗布液を細い糸状に安定して生成できるため、安定した塗布液の微粒化を図ることができる。その結果、塗布の品質の向上を図ることができる。
【0032】
また、溝部33は、出口部23を跨いで第2部材40の内部から外部に亘って設けられている。これによれば、溝部33を通過する塗布液をノズル20の外方へ効率的に移動させることができるとともに、エア経路22を通過した気体を溝部33に沿って円滑に流すことができる。これにより、糸状の塗布液が効率的に生成されることで、塗布液の高微粒子化を図ることができる。その結果、塗布の品質の向上を図ることができる。
【0033】
また、溝部33は、第1溝部331と第2溝部332とを有している。第2溝部332は、第1溝部331より第1部材30の先端側に第1溝部331から連続して形成され、第1溝部331よりも第1部材30の延伸方向に対する長さ方向の傾斜角度が小さい。そして、出口部23は、第2溝部332と重なる位置に配置されている。これによれば、エア経路22を通過する気体を効率良く溝部33に対して押し当てるように作用させることができる。その結果、塗布液の微粒化を促進させることができる。
【0034】
また、第1溝部331の幅寸法は、第2溝部332の幅寸法と同じであってかつその幅寸法は0.5mm以下である。これによれば、第1溝部331と第2溝部332との幅寸法を同じにすることによって、糸状に生成された塗布液の直径を均一にすることができる。更に、その幅寸法を0.5mm以下と設定することでより細かい糸状の塗布液を生成できる。これにより、塗布液の高微粒化を安定して行うことができる。
【0035】
以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0036】
図面中、1はスプレーガン、10は本体部、12は高電圧発生装置、20はノズル、21は塗布液経路、22はエア経路、23は出口部、30は第1部材、33は溝部、331は第1溝部、332は第2溝部、40は第2部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6