(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】搬送要素が他の処理ステーションにおいて係合解除されている間の、処理ステーションにおける搬送要素の停止を伴う製本機
(51)【国際特許分類】
B42C 19/08 20060101AFI20241107BHJP
B65H 5/08 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B42C19/08
B65H5/08 H
(21)【出願番号】P 2022523279
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2020087863
(87)【国際公開番号】W WO2021130363
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】102019000025639
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】522156450
【氏名又は名称】メカノテクニカ エッセ.ピー.ア.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリーゼ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゾンマーラー、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ブラック、ヤン
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-035292(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025464(WO,A1)
【文献】実開昭57-032164(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 19/08
B65H 5/08
B42B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本機(100)であって、ブックブロック(215a~210c)を処理するための複数の処理ステーション(205a~205e)であって、前記処理ステーション(205a~205e)が、複数の静止処理ステーション(205a、205d、205e)であって、前記ブックブロック(215a~215c)を前記複数の静止処理ステーション(205a、205d、205e)の中で静止している間に処理するための、複数の静止処理ステーション(205a、205d、205e)を備え、前記静止処理ステーション(205a、205d、205e)が、少なくとも1つの係合処理ステーション(205d)および1つ以上の係合解除処理ステーション(205a、205e)を備える、複数の処理ステーション(205a~205e)と、前記ブックブロック(215a~215c)を個別に搬送するための複数の搬送要素(210a~210c)と、前記搬送要素(210a~210c)を前記処理ステーション(205a~205e)にまたがって連続して選択的に駆動するための、駆動システム(225)であって、前記搬送要素(210a~210c)の各々が、前記駆動システム(225)と係合しているとき、前記駆動システム(225)によって駆動され、前記駆動システム(225)から係合解除されているとき、静止したままである、駆動システム(225)と、を備える、
製本機(100)において、
前記製本機(100)が、対応する停止期間(Ps)にわたって前記駆動システム(225)を繰り返し停止するように構成された、制御手段(120)を備え、前記停止期間(Ps)の各々において:
前記搬送要素(210b)のうちの対応する少なくとも1つが、前記駆動システム(225)と係合して前記係合処理ステーション(205d)にあり、
前記搬送要素(210a、210c)のうちの対応する1つ以上が、前記駆動システム(225)から係合解除されて前記係合解除処理ステーション(205a、205e)にあることを特徴とする、製本機(100)。
【請求項2】
前記制御手段(120)が、前記停止期間(Ps)と交互である対応する動き期間(Pm)にわたって、前記駆動システム(225)を繰り返し動かすように構成されており、前記動き期間(Pm)の各々において:
前記停止期間(Ps)のうちの先行する1つにある前記係合処理ステーション(205d)にある前記搬送要素(210b)のうちの対応する少なくとも1つが、先行する前記停止期間(Ps)から前記静止処理ステーション(205e)のうちの後続の1つへの到達まで、前記駆動システム(225)と係合しており、
先行する前記停止期間(Ps)にある前記係合解除処理ステーション(205a、205e)にある前記搬送要素(210a、210c)のうちの対応する1つ以上が、先行する前記停止期間(Ps)から係合時間(te
1、te2)まで、先行する前記停止期間(Ps)に0でない遅延で続いて前記駆動システム(225)から係合解除されたままであり、かつ前記係合時間(te
1、te2)から前記静止処理ステーション(205d、205e)のうちの対応する後続のものへの到達まで、前記駆動システム(225)と係合しており、
前記係合処理ステーション(205d)に対応する前記搬送要素(210b)のうちの少なくとも1つが、前記静止処理ステーション(205a)のうちの先行する1つを離れてから、前記停止期間(Ps)のうちの後続の1つにおける前記係合処理ステーション(205d)への到達まで、前記駆動システム(225)と係合しており、
前記係合解除処理ステーション(205a、205e)に対応する前記搬送要素(210a~210c)のうちの1つ以上が、前記静止処理ステーション(205e、205d)のうちの対応する先行するものを離れてから係合解除時間(td1、td2)まで、後続の前記停止期間(Ps)に0でない前進で先行して前記駆動システム(225)と係合しており、かつ前記係合解除時間(t
d1、td2)から後続の前記停止期間(Ps)まで、前記駆動システム(200)から係合解除されている、請求項1に記載の製本機(100)。
【請求項3】
前記制御手段(120)が、経時的に変動する駆動速度(Vd)で前記動き期間(Pm)中に前記駆動システム(225)を動かすように構成されている、請求項2に記載の製本機(100)。
【請求項4】
前記制御手段(120)が、前記停止期間(Ps)を調節するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項5】
前記製本機(100)が、処理ジョブの前記ブックブロック(215a~215c)のうちの1つ以上について前記係合処理ステーション(205d)に処理期間の指示を入力するための入力ユニット(125)を備え、前記制御手段(120)が、前記処理ジョブの前記ブックブロック(215a~215c)についての前記停止期間(Ps)を、前記処理期間に設定するように構成されている、請求項4に記載の製本機(100)。
【請求項6】
前記制御手段(120)が、前記動き期間(Pm)を調節するように構成されている、請求項2から5のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項7】
前記製本機(100)が、前記停止期間(Ps)における前記係合処理ステーション(205d)にある前記ブックブロック(215b)の対応する変位を測定するための、センサ(230)を備え、前記制御手段(120)が、対応する前記変位に従って、前記搬送要素(210a~210c)についての対応する時間調節を計算するように構成されており、かつ前記制御手段(120)が、対応する前記時間調節に従って、前記係合処理ステーション(205d)に到達する前記搬送要素(210b)についての前記動き期間を調節するように構成されている、請求項6に記載の製本機(100)。
【請求項8】
前記製本機(100)が、処理ジョブの前記ブックブロック(215a~215c)のうちの1つ以上についての前記係合処理ステーション(205e)に停止位置の指示を入力するための入力ユニット(125)を備え、前記制御手段(120)が、前記停止位置に応じて、前記処理ジョブの前記ブックブロック(215a~215c)についての前記動き期間(Pm)を調節するように構成されている、請求項6または7に記載の製本機(100)。
【請求項9】
前記製本機(100)が、前記係合処理ステーション(205d)における停止位置における対応する前記ブックブロック(215b)の変位を、対応する前記ブックブロック(215b)の処理の前に前記停止期間の各々において測定するための、前記係合処理ステーション(205d)における対応する少なくとも1つのセンサ(230)を備え、前記制御手段(115)が、対応する前記ブックブロック(215b)の前記停止位置を前記変位に応じて対応する前記ブックブロック(215b)の処理のために調節するために、前記駆動システム(225)を前記停止期間の各々において制御するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項10】
前記製本機(100)が、前記処理ステーション(205a~205e)を横切る閉じた搬送経路(220)に沿って前記搬送要素(210a~210c)を案内するための、ガイド(220)を備え、前記駆動システム(225)が、閉じた駆動経路(225)に沿って延在し、前記駆動経路(225)が、前記搬送経路(220)から離れて延在する対応する受動セクションを前記係合解除処理ステーション(205a、205e)に備え、対応する前記受動セクションにおいて、前記搬送要素(210a~210c)が、前記駆動システム(225)から係合解除し、かつ前記駆動経路(225)が、前記搬送経路(220)に対応する、複数の能動セクションを他の場所に備え、対応する前記複数の能動セクションにおいて、前記搬送要素(210a~210c)が、前記駆動システム(225)と係合し、前記駆動システム(225)が、前記駆動システム(225)と一体である、前記駆動システム(225)に沿って均一に分配される、前記搬送要素(210a~210c)のための対応するペグ(320a~320c)を備え、前記搬送要素(210a~210c)が、対応するスリット(325a~325c)であって、各々が、対応する前記ペグ(320a~320c)を受け入れるためのものである、対応するスリット(325a~325c)を有し、前記駆動システム(225)が、前記ペグ(320a~320c)の各々を前記能動セクションにおいて、対応する前記スリット(325a~325c)に対して横断的に移動させることによって、対応する前記搬送要素(210a~210c)に作用するように構成されており、かつ前記駆動システム(225)が、前記ペグ(320a~320c)の各々を前記受動セクションにおいて、対応する前記スリット(325a~325c)に沿っておよび/または対応する前記スリット(325a~325c)の外側で長手方向に移動させることによって、対応する前記搬送要素(210a~210c)に作用しないように構成されており、前記搬送経路(220)が、前記搬送経路(220)と前記駆動経路(225)が合致する共通点の、少なくとも1つの対の間で、前記処理ステーション(205e~205d)から湾曲して離れており、共通点の前記対の間において、前記駆動経路(220)が、前記搬送経路(220)の対応する外部部分の内側で延在する、前記能動セクションのうちの1つにおける内部部分を備え、前記内部部分では、前記ペグ(320a~320c)の各々が、対応する前記スリット(325a~325c)に沿って摺動することによって、対応する前記搬送要素(210a~210c)を前記駆動システム(225)よりも速く移動させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項11】
前記処理ステーション(205a~205e)が、1つ以上の移動処理ステーション(205b、205c)を、前記1つ以上の移動処理ステーション(205b、205c)を横切って移動している間に前記ブックブロック(215a~210c)を処理するために備え、前記移動処理ステーション(205b、205c)が、前記搬送経路(220)の対応するストレート部分における、前記能動セクションに沿って配置されている、請求項10に記載の製本機(100)。
【請求項12】
前記移動処理ステーション(205b、205c)における前記能動セクションのうちの少なくとも1つが、前記搬送経路(220)の対応する前記ストレート部分に対して斜めに延在する、前記駆動経路(220)の斜め部分を備え、前記斜め部分において、前記ペグ(320a~320c)の各々が、対応する前記スリット(325a~325c)に対して斜めに移動することよって、対応する前記搬送要素(210a~210c)を前記駆動システム(225)よりも遅く移動させる、請求項11に記載の製本機(100)。
【請求項13】
前記処理ステーション(205a~205e)が、個別に駆動されるように適合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項14】
前記製本機が、無線綴じ機(100)である、請求項1から13のいずれか一項に記載の製本機(100)。
【請求項15】
前記係合処理ステーションが、対応するカバーを前記ブックブロック(215a~210c)に付けるためのカバー付けステーション(205d)である、請求項14に記載の製本機(100)。
【請求項16】
前記センサ(230)が、前記カバー付けステーション(205d)における前記搬送要素(210a~210c)の各々についての前記ブックブロック(215a~210c)と、対応する前記カバーとの間の前記変位を測定するためのものである、請求項7に従属する場合の請求項15に記載の製本機(100)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の1つ以上の製本機(100)を備える、製本工場。
【請求項18】
製本機(100)を動作させるための方法であって、前記方法が、
複数の処理ステーション(205a~205e)においてブックブロック(215a~210c)を処理することであって、前記処理ステーション(205a~205e)が、複数の静止処理ステーション(205a、205d、205e)を備え、前記ブックブロック(215a~215c)が、前記複数の静止処理ステーション(205a、205d、205e)の中で静止している間に処理され、前記静止処理ステーション(205a、205d、205e)が、少なくとも1つの係合処理ステーション(205d)および1つ以上の係合解除処理ステーション(205a、205e)を備える、ことと、
複数の搬送要素(210a~210c)によって個別に前記ブックブロック(215a~215c)を搬送することと、
前記搬送要素(210a~210c)を前記処理ステーション(205a~205e)にまたがって連続して駆動システム(225)によって選択的に駆動することであって、前記搬送要素(210a~210c)の各々が、前記駆動システム(225)と係合しているとき、前記駆動システム(225)によって駆動され、前記駆動システム(225)から係合解除されているとき、静止したままである、ことと、を含む、
方法において、
制御手段(120)によって、対応する停止期間(Ps)にわたって前記駆動システム(225)を繰り返し停止し、前記停止期間(Ps)の各々において:
前記搬送要素(210b)のうちの対応する少なくとも1つが、前記駆動システム(225)と係合して前記係合処理ステーション(205d)にあり、
前記搬送要素(210a、210c)のうちの対応する1つ以上が、前記駆動システム(225)から係合解除されて前記係合解除処理ステーション(205a、205e)にあることを特徴とする、方法。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、製本機(100)の制御ユニット(120)に、前記コンピュータプログラムが前記制御ユニット(120)上で実行されるときに、請求項18に記載の方法を実行させるように構成された、コンピュータプログラム。
【請求項20】
コンピュータプログラムを具現化するコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムが、製本機の制御ユニットの作業メモリにロード可能であることによって、前記コンピュータプログラムが、請求項18に記載の方法を実行するように前記制御ユニットを構成している、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本分野に関する。より具体的には、本発明は、製本機におけるブックブロックの搬送に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、本発明の背景を、その文脈に関連する技術の考察とともに導入する。しかしながら、この考察が、文書、行為、人工物などに言及するときであっても、この考察は、考察される技術が従来技術の一部であるか、または本発明に関連する分野における共通の一般的知識であることを示唆も表現もしない。
【0003】
様々なタイプの製本機が、産業レベルで本を製造するために製本工場で一般的に使用されている。例えば、(製本)無線綴じ機は、供給、プレス、ミリング、接着剤を塗布すること、見返しを貼り付けること、固定用背張りを貼り付けること、(ソフト)カバーを付けること、および送達することなどの、ブックブロックに対する異なる動作を実行するためのいくつかの処理ステーションを有する。この目的のために、搬送システムは、処理ステーションにまたがって連続してブックブロックを搬送する。典型的には、搬送システムは、ブックブロックを個別に搬送するためのいくつかの搬送要素(例えばクランプ)を備え、そのようなクランプは、それらのすべてを一緒に駆動する無端コンベヤに取り付けられる。(例えば、ブックブロックを供給してカバーを付けるための)いくつかの処理ステーションでは、ブックブロックの処理は、対応する処理時間にわたってその処理ステーションの中でクランプを停止することを必要とする。しかしながら、これら製本機(以下、固定機と呼ばれる)では、コンベヤはすべてのクランプを一緒に駆動するから、処理ステーションにおいていずれのクランプが停止されるときも必ず、他のすべてのクランプが同様に停止される。
【0004】
処理ステーションによる最適な働きを有するためには、それらの処理時間は、一般に処理ステーション間で異なる対応する最適値に、少なくとも等しくなければならない。結果として、コンベヤが停止しているときは(無線綴じ機のダウンタイムを減少させるために)すべてのクランプが対応する処理ステーションにあるから、コンベヤは、それらすべてのうちの最も長い処理時間(例えば、ブックブロックを供給するために必要とされるもの)にわたってそのままである。これにより、無線綴じ機の生産量が減少する。
【0005】
あるいは、米国特許第7918635号明細書は、共通のガイドに沿ってクランプを個別に駆動することを提案している。この結果は、(進行波/場に基づいて)対応するリニアモータを有する複数のセグメントにガイドを分割することによって達成され、これらは、製本機の制御ユニットによって個別に制御される。さらに、欧州特許第2738011号明細書は、独立した駆動部およびモータを有する共通のガイドに沿って、クランプを駆動することを提案している。この結果は、無線綴じ機の制御ユニットによって個別に制御される対応するモータを有する、重ね合わされた無端チェーン(各クランプに対して1つ)を提供することによって達成される。これら製本機(以下、独立機と呼ばれる)の両方において、クランプは、個別に自在に移動され得る。しかしながら、リニアモータまたは複数のチェーン(それらのモータを有する)は、高価である。さらに、異なるリニアモータまたはチェーンを個別に制御することは、無線綴じ機に複雑さを加える。これは、無線綴じ機の総コスト、さらに本の製造コストに悪影響を及ぼす。さらに、同期することが難しい複数の駆動部の場合、チェーンは、それぞれ異なる点でクランプと結合されており(対応するそれぞれ異なるてこの効果を補償するための構成上の努力を必要とする)、(圧縮空気などの)媒体のあらゆる供給は、それぞれ異なるレベルに配置されることとなり、ブックブロックの手動供給は、不可欠である(それらブックブロックが、静止している駆動部のクランプに装填される間、他の駆動部は、一般に動いているため)。
【0006】
欧州特許第0152208号明細書は、代わりに、一定速度で常に動く単一のチェーンを使用することを提案している。各クランプは、チェーンと一体の対応するスタッドを受け入れるためのチャネルを有する。いくつかの処理ステーションでは、チェーンは、対応するクランプから各スタッドが係合解除するように、逸脱を実行し、当該クランプはその後、対応する動作を実行するため(例えば、ブックブロックを供給するため、およびカバーを付けるため)に必要な時間にわたって、静止したままである。同時に、他のクランプは、移動を継続するように、対応するスタッドと係合したままである。特に、他のクランプは、(例えば、ミリング、および接着剤を塗布することのために)残りの処理ステーションにまたがって移動し、停止しているものに続くクランプは、対応する処理ステーションに向かって前進する。この製本機(以下、係合解除機と呼ばれる)は、無線綴じ機の生産量が増加するのとともに、対応するダウンタイムを減少させる。しかしながら、ここでは、クランプは、(対応する逸脱によって定まる位置で)いくつかの処理ステーションで停止するか、またはそうでなければチェーンの同じ速度で移動することだけができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7918635号明細書
【文献】欧州特許第2738011号明細書
【文献】欧州特許第0152208号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の基本的な理解を提供するために、本発明の簡略化された概要をここで提示する。しかしながら、この概要の唯一の目的は、本発明のいくつかの概念を、以下の本発明のより詳細な説明への前置きとして簡略化した形態で導入することであり、それは、本発明の重要な要素の特定としても、本発明の範囲の描写としても解釈されるべきではない。
【0009】
全体的に言えば、本発明は、対応する搬送要素が他の処理ステーションにおいて係合解除されている間、各搬送要素を処理ステーション(またはそれ以上のもの)において停止するという考えに基づいている。
【0010】
特に、一態様は、製本機を提供する。製本機は、ブックブロックの搬送要素を、少なくとも1つの係合処理ステーションおよび1つ以上の係合解除処理ステーションにまたがって連続して駆動するための駆動システムを備え、当該少なくとも1つの係合処理ステーションおよび当該1つ以上の係合解除処理ステーションは、ブックブロックを、当該少なくとも1つの係合処理ステーションおよび当該1つ以上の係合解除処理ステーションの中で静止している間に処理する。搬送要素の各々が、駆動システムと係合して係合処理ステーションにあり、かつ他の搬送要素が、駆動システムから係合解除されて係合解除処理ステーションにあるとき、制御手段は、駆動システムを停止する。
【0011】
さらなる態様は、これら製本機のうちの1つ以上を備える製本工場を提供する。
【0012】
さらなる態様は、この製本機を動作させるための対応する方法を提供する。
【0013】
さらなる態様は、方法を実現するためのコンピュータプログラムを提供する。
【0014】
さらなる態様は、対応するコンピュータプログラム製品を提供する。
【0015】
より具体的には、本発明の1つ以上の態様は、独立請求項に記載され、その有利な特徴は、従属請求項に記載され、参照により本明細書に逐語的に組み込まれるすべての請求項の文言を伴う(必要な変更を加えて他のすべての態様に準用する、任意の具体的な態様を参照して提供される任意の有利な特徴を伴う)。
【0016】
本発明の解決策はそのさらなる特徴および利点と同様に、添付の図面と併せて読まれる、純粋に非制限的な指示として与えられる、以下のその詳細な説明を参照して最もよく理解されるであろう(簡単さのために、対応する要素は、同一または類似の参照符号で示され、それらの説明は、繰り返されず、各存在の名前は一般に、そのタイプと、値、内容、および表現などのその属性との両方を示すために使用される)。特に、次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による解決策が適用され得る製本機の絵画表現を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による製本機の斜視図における部分切欠図である。
【
図3】本発明の一実施形態による製本機の工場図における部分切欠図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による製本機の、異なる詳細の概略図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による製本機の、異なる詳細の概略図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による製本機の動作の定性的な時間図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による製本機の動作の定性的な時間図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による製本機の動作の定性的な時間図である。
【
図5D】本発明の一実施形態による製本機の動作の定性的な時間図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
特に
図1を参照すると、本発明の一実施形態による解決策が適用され得る製本機100の絵画表現が示されている。
【0019】
特に、これは、(製本)無線綴じ機100である。無線綴じ機100は、製本工場で本を製造するために、ならびに特に、(各々、一緒に縫い合わされているかまたは接着されている折丁または枚葉紙のブロックによって形成されている)図示されていない対応するブックブロックに固定用背張りを貼り付けるおよび/または(ソフト)カバーを付けるために使用される。
【0020】
無線綴じ機100は、以下の構成要素を備える。ケーシング105は、無線綴じ機100の内部パーツを保護する。ケーシング105は、処理されるブックブロックを、(図示されていないミシンなどのブックブロックを提供する先行する製本機から)自動で、または(無線綴じ機100のオペレータによって)手動で、いずれかで完全バイディングマシン100に供給するための入口110を有する。さらに、ケーシング105は、無線綴じ機100で処理されたブックブロックを、(図示されていないケースインマシンまたは3ナイフトリミングマシンなどの対応する本の製造を完了する後続の製本機のために)送達するための出口115を有する。複数の処理ステーション(図では見えない)が、ブックブロックを処理するためにケーシング105の内側に配置されている。特に、処理ステーションは、例えばプレス、ミリング、接着剤を塗布すること、見返しを貼り付けること、固定用背張りを貼り付けること、カバーを付けることなどによって、ブックブロックを供給し、ブックブロックを送達し、およびブックブロックを仕上げるために使用される。制御ユニット120(例えば、産業用PC)は、無線綴じ機100の動作を制御する。特に、制御ユニット120は、(制御ユニット120の処理および統合機能を提供する)マイクロプロセッサまたはそれ以上のもの、(制御ユニット120のブートストラップのための基本コードを記憶するROMなどの)不揮発性メモリ、(マイクロプロセッサによって作業メモリとして使用されるRAMなどの)揮発性メモリ、(プログラムおよびデータを記憶するためのSSDなどの)大容量メモリ、ならびに(入力ユニット、出力ユニット、USBキーなどのようなリムーバブル記憶ユニットの読取り/書込みを行うためのドライブなどの)周辺ユニットのためのコントローラを有する(図では見えない)。この具体的な実現では、周辺ユニットは、情報の表示とコマンド/データの入力との両方のためのタッチスクリーン125を備える。
【0021】
ここで
図2を参照すると、本発明の一実施形態による製本機の斜視図における部分切欠図が示されている。
【0022】
特に、この図は、無線綴じ機100を示しており、その処理ステーションは、ここでは見えていて、かつ参照符号205a、205b、205c、205dおよび205eで識別される。処理ステーション205a、205dおよび205eなどの、複数の処理ステーション(静止処理ステーションと呼ばれる)は、ブックブロックを、それらブックブロックがその中で静止している間に処理する。例えば、処理ステーション205aは、手動で処理されるブックブロックを供給するために使用される、手動供給ステーションであり、処理ステーション205dは、ブックブロックにカバーを付けるために使用される、カバー付けステーションであり、処理ステーション205eは、処理されたブックブロックを送達するために使用される、送達ステーションである。他の処理ステーション、問題の例では処理ステーション205bおよび205cは、存在する場合(移動処理ステーションと呼ばれる)、ブックブロックを、それらブックブロックがそこを横切って移動している間に代わりに処理する。例えば、処理ステーション205b、205cは、(ブックブロックをミリングする)ミリングステーション、(ブックブロックに接着剤を塗布する)接着ステーション、(ブックブロックに固定用背張りを貼り付ける)背張りステーションなどである。
【0023】
搬送システムは、処理ステーション205a~205eにまたがって連続してブックブロックを搬送する。特に、複数の搬送要素は、ブックブロックを個別に搬送する。問題の例では、対応するブックブロック215a、215b、および215cをそれぞれ搬送する3つの搬送要素210a、210b、および210cが示されている。例えば、これらは、垂直に配置されたブックブロック215a~215cをクランプする、クランプ210a~210cである。特に、各クランプ210a~210cは、内部(より大きい)プレートと、それに対して移動可能な外部(より小さい)プレート(ブックブロック215a~215cを受け入れる/解放するために内部プレートから離れる方向に開いており、かつブックブロック215a~215cを把持するために内部プレートに向かって閉じている)とを備える。ガイド220は、対応する搬送経路(同じ参照符号で示す)に沿ってクランプ210a~210cを案内する。搬送経路220は、処理ステーション205e~205dを横切る閉じた配置(例えば、図中の楕円形のもの)を有する。(共通の)駆動システム225は、すべてのクランプ210a~210cを駆動する。駆動システム225は、閉じた配置を同様に有する駆動経路(同じ参照符号で示す)に沿って延在する。以下で詳細に説明するように、クランプ210a~210cおよび駆動システム225は、(動作的に)選択的に係合および係合解除する。駆動システム225によって係合されているクランプ210a~210cはすべて、その駆動システム225によって一緒に駆動される。逆に、駆動システム225から係合解除されているクランプ210a~210cは、静止したままである。
【0024】
移動処理ステーション205b~205cは、駆動システム225のストレート部分に沿って配置されており、クランプ210a~210cは、その駆動システム225と係合する。本発明の一実施形態による解決策では、駆動システム225の一部であって、クランプ210a~210cがその駆動システム225と係合する、一部に、静止処理ステーション(係合処理ステーションと呼ばれる)またはそれ以上のものが配置されている。問題の具体的な例では、これは、カバー付けステーション205dである。カバー付けステーション205dは、最も重要なもの、すなわち、製造される本の品質に最も大きな影響を与えるものである。実際、対応するカバーをブックブロック215a~215cに(それらの位置合わせまたは堅固さのいずれかに関して)正しく付けることは、結果として得られる本にとって、この上なく重要である。この目的のために、カバー付けステーション205dはまた、その中の各ブックブロック215bの、カバーに対する変位を(例えば長手方向に)測定するための、(例えば、対応するフォトセルを有するLEDのアレイに基づく)センサ230を有することができる。1つ以上の他の静止処理ステーション(係合解除処理ステーションと呼ばれる)は、駆動システム225の対応する部分に代わりに配置されており、クランプ210a~210cは、その駆動システム225から係合解除する。問題の具体的な例では、これらは、(手動)供給ステーション205a、および送達ステーション205eである。
【0025】
ここで
図3を参照すると、本発明の一実施形態による製本機の工場図における部分切欠図が示されている。
【0026】
この図は、上記と同じ無線綴じ機100を示している。この具体的な実現では、駆動経路225は、搬送経路220とは部分的に異なる。特に、駆動経路225は、搬送経路220に対応する1つ以上の能動セクション(クランプ210a~210cが駆動システム225と係合する)と、搬送経路220から離れた1つ以上の受動セクション(クランプ210a~210cが駆動システム225から係合解除する)とに(交互になるように)分割される。特に、受動セクションは、(係合解除)処理ステーション205aおよび205eに設けられており、能動セクションは、他の場所に(すなわち、他の処理ステーション205b、205cおよび205dに、ならびにすべての処理ステーション205a~205eの中に)設けられている。
【0027】
例えば、駆動システム225は、(一連のはめば歯車によって駆動経路225に沿って駆動される)チェーン305などの、無端コンベヤを備える。モータ310(例えば三相電動サーボモータ)は、参照符号315で示す(駆動)はめば歯車を回転させ、当該駆動はめば歯車315は、今度は、(モジュールでの一定または経時的に可変のいずれかの)対応する駆動速度で、チェーン305を動かし、さらに他の(遊びの)はめば歯車を同様に動かす。クランプ210a、210bおよび210cにそれぞれ対応する駆動要素320a、320bおよび320cは、それらの同じ駆動速度で常に一緒に動くように、チェーン305と一体である。例えば、これらは、チェーン305から(例えば下方に)突出しているペグ320a~320cである。各クランプ210a、210bおよび210cは、対応するペグ320a、320bおよび320cを受け入れるためのスリット325a、325bおよび325cをそれぞれ有する。以下で詳細に説明するように、受動セクションでは、ペグ320a~320cは、対応するクランプ210a~210cに作用しない(そのためそれらを動かさない)が、一方、能動セクションでは、ペグ320a~320cは、対応するクランプ210a~210cに作用する(そのためそれらを動かす)。
【0028】
ここで
図4A~
図4Bを参照すると、本発明の一実施形態による製本機の、異なる詳細の概略図が示されている。
【0029】
図4Aから始めて、図は、簡単さのために対応する添え字なしで示す、ペグと、クランプであって、上記の同じ無線綴じ機におけるそのクランプのスリットを有する、クランプとの包括的なセットを示す。ペグ320は、搬送経路220の対応する部分と合致している(すなわち、工場図において互いに重ね合わされている)駆動経路225の能動セクションにある。この状態では、ペグ320は、スリット325に対して横断的に移動する。したがって、ペグ320は、スリット325に対して垂直な成分を有する駆動速度Vdで移動する。特に、この図は、搬送経路220および駆動経路225のストレート部分に関し、ペグ320は、スリット325に対して垂直に移動し、したがって駆動速度Vd全体は、当該スリット325に対して垂直である。したがって、ペグ320は、その移動中において、(いかなる相対的な移動の自由もなく)スリット325の下流壁に当接している。したがって、クランプ210は、ガイド220に沿って同じ駆動速度Vdでペグ320と一体で移動する。
【0030】
図4Bに移って、ペグ320は、ここでは駆動経路225の受動セクションにある。この状態では、ペグ320は、スリット325に対して非横断的に、すなわちスリット325に沿っておよび/またはスリット325の外側で長手方向に、移動する。したがって、ペグ320は、(駆動速度Vdでの)その移動中において、クランプ210にいかなる力も及ぼさず、したがって当該クランプ210は、移動しない。特に、この図では、ペグ320は、連続して、(開始)部分において特定の方向に(例えば上方に)長手方向に移動してスリット325に沿って摺動して次いでそのスリット325から出て、スリット325の外側の(中央)部分において移動して、(終了)部分において反対方向に(この場合は下方に)長手方向に移動してスリット325に再び入って次いでそのスリット325に沿って摺動する。結果として、クランプ210は、駆動経路225の受動セクションの長さに対応する停止時間にわたって、(搬送経路220に沿って)静止したままである。
【0031】
ここで
図5A~
図5Dを参照すると、本発明の一実施形態による製本機の動作の定性的な時間図が示されている。
【0032】
これらの図は、上記の無線綴じ機の異なる構成要素の速度(すなわち、そのモジュールであり、縦軸上に任意の単位で)を時間(横軸上に任意の単位で)に対してプロットしている。
【0033】
図5Aから始めて、簡単さのために、(動いているときの)駆動システムの駆動速度Vdが一定である場合を考える。駆動システムのための基準としてその包括的なペグ(peg1)を考えると、開始状態は、ペグが上流の移動処理ステーション(
図3における205bおよび205c)である、時間t0であると考えられる。駆動システムは、ペグが係合処理ステーション、すなわち問題の例ではカバー付けステーション(
図3の205d)に到達するときまで、駆動速度Vdで動く。この時点で、駆動システムは、減速して(停止)時間tsにおいて停止する。駆動システムは、カバー付けステーション内のブックブロックを処理するのに必要な時間にわたってそのようなままである。その後、駆動システムは、同じ駆動速度Vdに再び到達するまで、(動き)時間tmにおいて加速する。駆動システムは、次いで、時間t1までこの駆動速度Vdで動くのであり、駆動システムに沿った後続のペグは、時間t0においてこのペグの同じ位置に到達する。
【0034】
同時に、クランプは、対応するペグの移動に従って移動する。簡単さのために、駆動経路がその能動セクション内で搬送経路と合致してその結果クランプが対応するペグと一体で同じ駆動速度Vdでその中を移動する場合を考える。
【0035】
上述のペグは、駆動経路の能動セクションに沿って時間t0から時間t1まで移動する。したがって、対応するクランプ(clamp1)は、同じ運動規則で移動し、そのため、時間tsから時間tmまでカバー付けステーション内で静止したままである。
【0036】
代わりに後続のペグに対応するクランプ(clamp2)を考慮すると、時間t0において、ペグは、カバー付けステーション、すなわち問題の例では送達ステーション(
図3の205e)に続く、係合解除処理ステーションの受動セクションにあり、その結果、クランプは、ペグから係合解除され、次いで送達ステーション内で静止する。ペグは、(時間tsに先行する)(係合)時間te1において、送達ステーションを離れて駆動システムの対応する能動セクションに入り、その後、クランプは、ペグと係合し、次いで同じ駆動速度Vdで移動する。ペグは、送達ステーション、すなわち問題の例では供給ステーション(
図3の205a)に続く、他の係合解除処理ステーションに到達し、次いで(依然として時間tsに先行する)(係合解除)時間td1においてペグから係合解除する。クランプは、(時間tmに続く)(係合)時間te2まで、(ペグが駆動システムの対応する受動セクションに沿って移動する間)供給ステーション内で静止したままである。この時点で、ペグは、供給ステーションを離れて駆動システムの対応する能動セクションに入り、その後、クランプは、ペグと係合し、次いで同じ駆動速度Vdで移動する。これは、時間t1まで継続し、その後、ペグは、先行するペグ(peg1)の上記の運動規則に従う。
【0037】
代わりにさらなる後続のペグに対応するクランプ(clamp3)を考慮すると、時間t0において、ペグは、駆動システムの対応する能動セクション内の下流のカバー付けステーションである。したがって、クランプは、ペグと係合し、次いで同じ駆動速度Vdで移動する。ペグは、送達ステーションに到達し、次いで(時間tsに先行する)(係合解除)時間td2においてペグから係合解除する。クランプは、時間t1まで、(ペグが駆動システムの対応する受動セクションに沿って移動する間)送達ステーション内で静止したままであり、その後、それは、先行するペグ(peg2)の上記の運動規則に従う。
【0038】
本発明の一実施形態による解決策では、駆動システムは、対応する停止期間(時間tsから時間tmまで)にわたって(繰り返し)停止する。各停止期間において、対応するクランプは係合処理ステーション(またはそれ以上のもの)にあり、すなわち問題の例ではclamp1はカバー付けステーションにあり、駆動システムと係合している。同時に、対応する1つ以上のクランプは係合解除処理ステーションにあり、すなわち問題の例ではclamp2は供給ステーションにありかつclamp3は送達ステーションにあり、駆動システムから係合解除されている。
【0039】
以下で詳細に説明するように、このようにして、係合処理ステーション(カバー付けステーション)内において、クランプを、そのクランプが係合している駆動システムを介して、クランプであって、当該クランプが係合解除処理ステーション(供給/送達ステーション)内にあり、かつ当該クランプが当該係合解除処理ステーション(供給/送達ステーション)から代わりに係合解除される、クランプへのいかなる反動もなしに、自在に制御することが可能である。
【0040】
図5Bに移って、駆動システムのための基準としてその包括的なペグを考えると、開始状態は、(基準)ペグが包括的な停止期間の終わり(
図5Aにおける時間tm)に供給ステーションにある(そのクランプから係合解除されている)場合と考えられる。駆動システムは、駆動速度Vdに到達するまで加速し、次いでペグがカバー付けステーションに到達するときまでこの駆動速度Vdで動き、その後、減速して停止する(
図5Aにおける時間ts)。駆動システムは、対応する停止期間(
図5Aにおける時間tsから時間tmまで)にわたってそのようなままである。これは、上記の同じ開始状態に再び到達するとき、すなわち(基準)ペグが対応する停止期間の終わりに供給ステーションにあるときまで、(他の2つのペグについて同じ挙動を再現するために)2回繰り返される。したがって、駆動システムは、互いに交互になる動き期間Pm(駆動システムが動く)と停止期間Ps(駆動システムが停止している)とを継続的に繰り返す。連続する動き期間Pmと停止期間Psとの各対は、対応する動き/停止期間Pmsを画定する。無線綴じ機の各作業サイクルCwの間、動き/停止期間Pmsは、(対応するクランプについて)隣接するペグの対の間に各々画定される、駆動システムのセグメントの数に等しい回数繰り返され、問題の例では3である。ペグは、無線綴じ機の同じ挙動を経時的に再現するように、駆動システム(すなわち、そのチェーン)に沿って均一に分配されて等しいセグメントを獲得する。
【0041】
同時に、開始状態では、(基準)ペグのクランプは、供給ステーションで静止している。クランプがペグと係合するとすぐに(
図5Aにおける時間te2)、クランプは、(時間tmから時間te2までで)(先行する)停止期間Psに0でない遅延で続いて、同じ駆動速度Vdに到達する(
図5Aにおける時間te2)まで加速する。クランプは、ペグがカバー付けステーションに到達するときまでこの駆動速度Vdで移動を継続し、クランプは、(駆動システムの同じ挙動に従って)減速して停止して、対応する停止期間Psにわたって静止したままであって、次いで(時間tsから時間tmまで)駆動速度Vdに再び到達するまで加速する。クランプは、(時間td2から時間tsまでで)(後続の)停止期間Psに0でない前進で先行して、この駆動速度Vdで、ペグが送達ステーションに到達して駆動システムから係合解除されるとき(
図5Aにおける時間td2)まで移動を継続する。クランプが再びペグと係合するとすぐに、そのクランプは、(時間tmから時間te1までで)(先行する)停止期間Psに0でない遅延で続いて、同じ駆動速度Vdに再び到達する(
図5Aにおける時間te1)まで加速する。同様に、クランプは、(時間td1から時間tsまでで)(後続の)停止期間Psに0でない前進で先行して、この駆動速度Vdで、ペグが供給ステーションに到達して駆動システムから係合解除されるとき(
図5Aにおける時間td1)まで移動を継続する。クランプは、対応する停止期間Psにわたって静止したままであり、それによって開始状態に戻る。
【0042】
したがって、各クランプは、互いに交互になる、係合解除期間Pd1およびPd2(クランプがそれぞれ供給ステーションにおいておよび送達ステーションにおいて駆動システムから係合解除されている)ならびに対応する後続の係合期間Pe1およびPe2(クランプが他の場所で駆動システムと係合している)を継続的に繰り返す。特に、無線綴じ機の各作業サイクルCwの間、係合解除期間と係合期間の対Pd1-Pe1、Pd2-Pe2は、係合解除処理ステーションの数に等しい回数だけ繰り返され、問題の例では2である。クランプは、対応する停止期間Psに等しい処理期間にわたって、カバー付けステーション内で静止したままである。クランプは、代わりに、供給ステーション内でおよび送達ステーション内で、それらの係合解除期間Pd1およびPd2にそれぞれ等しい対応する処理期間にわたって静止したままであり、ここで、当該係合解除期間Pd1およびPd2は、停止期間Psに、各ペグが(駆動速度Vdに従って)駆動システムの対応する受動セクションを横切って進むために必要とする時間を加えたものに各々等しい。カバー付けステーションでの処理を含む係合期間Pe1は、駆動システムが(カバー付けステーション内のペグで)停止するときは必ず他のペグが(供給/送達ステーション内で)そこから係合解除されることを確実にするように、動き/停止期間Pmsよりも長い。
【0043】
上記の解決策は、いくつかの利点を提供する。
【0044】
特に、本発明の一実施形態では、カバー付けステーション内のブックブロックの、停止期間Psを(動的に)調節して次いで処理期間を調節することが可能である。例えば、本の製造は、典型的には、同じタイプの特定の数のブックブロックの処理を各々伴う(処理)ジョブにおいて、実行される。あらゆる処理ジョブの前に、オペレータは、対応する構成情報をタッチスクリーンによって入力する(例えば、ブックブロックの数、それらブックブロックのサイズなど)。本発明の一実施形態による解決策では、同時に、オペレータは、カバー付けステーション内のブックブロックの処理期間の指示(その所望の値など)を入力することもできる。その後、制御ユニットは、処理ジョブのすべてのブックブロックについて、停止期間Psをこの処理期間に設定する。あるいは、制御ユニットは、処理ジョブのブックブロックの幾何学的情報(その処理ジョブの構成情報に含まれる)に従って、停止期間Psを自動で決定してもよい。
【0045】
結果として、処理ジョブのブックブロックの異なる特性に対して、カバー付けステーション内のブックブロックの処理期間を個別に最適化することが可能である。これにより、対応する本の品質が大幅に向上する。
【0046】
これは、既知の係合解除機に関して有利である。実際、本発明の一実施形態による解決策では、カバー付けステーションにおける処理期間の変更は、他の処理ステーションにおけるブックブロックの処理に影響を及ぼさない。特に、これは、駆動速度Vdに、さらに移動処理ステーションにおけるブックブロックの処理に、何も影響を与えない。上記のすべては、移動処理ステーションの制御を著しく容易にするだけでなく、特定の最適な処理速度Vdに従ってそれら移動処理ステーションを設計することを可能にする。したがって、最適な設計(高い品質を保証する)と無線綴じ機の生産量との間で、妥協は何も必要ない。既知の係合解除機では、代わりに、任意の処理ステーション(クランプが、常に同じ一定の駆動速度で動いている駆動システムからのそのクランプの係合解除のおかげで、静止したままである)における処理期間を変更する唯一の可能性は、相応に駆動速度を変更することである。これは、移動処理ステーションにおいて実行される動作の品質に悪影響を及ぼし得るし、処理期間を増加させるために駆動速度を減少させると、無線綴じ機の生産量に悪影響が及ぼされる。さらに、本発明の一実施形態による解決策では、停止期間Psが短縮されると、無線綴じ機の生産量の対応する増加を伴って作業サイクルCwが同様に短縮される。これは、既知の固定機に関して有利であり、停止期間は、すべての静止処理ステーションのうちの最も長いものに常に等しい。
【0047】
追加でまたは代替で、本発明の一実施形態では、動き期間Pmを(動的に)調節することが可能であり、したがって、カバー付けステーションにおけるペグの停止位置、さらに対応するクランプの停止位置を調節することが可能である。
【0048】
例えば、駆動システムのセグメントは、例えば許容差、摩耗などによって引き起こされる誤差のために、(わずかに)異なる長さを有し得る。結果として、対応するペグ、さらにそれらペグのクランプは、カバー付けステーションにおいて異なる停止位置で停止し得る。(タッチスクリーンを介してオペレータによって選択された)無線綴じ機のテストモードにおいて、またはその無線綴じ機の製造モード中に自動で、制御ユニットは、各ブックブロックとカバー付けステーションにおける対応するカバーとの間の変位を(対応するクランプがその中で静止しているときに)(対応するセンサを介して)測定する。制御ユニットは、駆動システムの各セグメントの変位を、その端部の対応するペグのクランプの変位に従って決定する(例えばその複数の値の平均に等しい)。制御ユニットは、対応する変位を補償するための、駆動システムの各セグメントの動き期間Pmについての時間調節を計算する。制御ユニットは、次いで駆動システムを制御して、駆動システムの各セグメントを、そのペグがカバー付けステーションに到達しつつあるときに、ペグ、さらにクランプが常にその中の正しい停止位置で停止することを確実にするように、対応する時間調節に従って調節された動き期間Pmにわたって移動させる。結果として、駆動システムのあらゆる不正確さを補償することが可能であり、それによって、ブックブロックが常に、正しい停止位置においてカバー付けステーションにおいて処理されることが保証される。これにより、対応する本の品質が大幅に向上する。
【0049】
さらなる例として、あらゆる処理ジョブの前に、オペレータは、カバー付けステーションにおけるクランプの停止位置の指示を(例えば、カバーの中央に、カバーの長手方向端部と位置合わせされて、またはカバーの長手方向端部からの特定の距離に、などのような、対応するクランプがその中で静止しているときの各ブックブロックとカバーとの間の相対的な位置に関して)入力する。制御ユニットは、カバー付けステーションにおいてこの停止位置でクランプを停止するのに必要な、動き期間Pmの値を計算する。制御ユニットは、次いで、駆動システムを制御して、駆動システムの各セグメントをこの動き期間Pmにわたって移動させる。結果として、カバー付けステーションにおけるブックブロックの処理を、処理ジョブの異なる要求に応じて適合することが可能である。
【0050】
両方の場合において、(駆動システムの不正確さに起因する停止位置の誤差を補正するため、または処理ジョブの要求に従うために停止位置を変更するためのいずれかの)動き期間Pmの変更は、送達/供給ステーションにおけるクランプの停止位置に何も影響を及ぼさない。実際、他のペグが、駆動システムの対応する受動セクション内で、駆動システムの任意の隣接する能動セクションから(後ろおよび前に)、動き期間Pmの調節から生じる停止位置の最大の許容可能な変化(例えば、停止位置を補正および変更するためにそれぞれ0.1~1.0mmおよび1~20mm)を超えて離間した位置にあると仮定すると、送達/供給ステーションのペグは、駆動システムから係合解除されたままである。
【0051】
既知の係合解除機では、これは、クランプがすべての静止処理ステーションにおいて駆動システムから係合解除されるから不可能である。さらに、これは、既知の固定機に対して有利である。当該既知の固定機では、特定の静止処理ステーションにおけるクランプの停止位置を補正するための、動き期間のあらゆる変更は、他の静止処理ステーションにおけるクランプの停止位置に悪影響を及ぼす。
【0052】
追加でまたは代替で、本発明の一実施形態では、カバー付けステーションにおいて、各ペグの停止位置、さらに対応するクランプの停止位置を個別に調節することが可能である。
【0053】
例えば、無線綴じ機の製造モードでは、各ペグ、さらに対応するクランプがカバー付けステーション内で停止したらすぐに、制御ユニットは、(ブックブロックを処理する前に)ブックブロックとカバーとの間の変位を(対応するセンサを介して)測定する。ブックブロックがカバーと位置合わせされていない(すなわち、変位が絶対値において許容可能な閾値を超えている)場合、制御ユニットは、駆動システムを、変位に応じて(その変位を解消するかまたはその変位を少なくとも許容可能な閾値よりも低く減少させるように)ペグの停止位置、さらにクランプの停止位置を調節するように動くように制御する。特に、ブックブロックが前でカバーである場合、駆動システムは、(変位に向かい合う距離だけ)後方に動き、一方、ブックブロックがカバーの後ろにある場合、駆動システムは(変位に等しい距離だけ)前方に動く。その後、ブックブロックは、この(調節された)停止位置でカバー付けステーションにおいて処理される。
【0054】
結果として、(例えば、機械的な不正確さ、カバーの折り目から生じる当該カバーの変化などに起因する)ブックブロックとカバーとの間のあらゆる位置合わせ不良を補償することが可能であり、それにより、ブックブロックが常に、(カバーを移動させる必要なく)カバーと正しく位置合わせされてカバー付けステーションにおいて処理されることが保証される。これにより、対応する本の品質が大幅に向上する。この場合、良好に、カバー付けステーションにおける停止位置の調節は、送達/供給ステーションにおけるクランプの停止位置に何も影響を及ぼさない。実際、上記のように、他のペグが、対応する受動セクション内で、駆動システムの任意の隣接する能動セクションから、停止位置の最大の許容可能な調節(例えば、0.1~1.0mm)を超えて離間した位置にあると仮定すると、送達/供給ステーションのペグは、駆動システムから係合解除されたままである。
【0055】
上記のように、既知の係合解除機では、これは、クランプがすべての静止処理ステーションにおいて駆動システムから係合解除されるから不可能である。さらに、ここでもこれは、既知の固定機に対して有利である。ここで、当該既知の固定機では、特定の静止処理ステーションにおけるクランプの停止位置のあらゆる変更は、他の静止処理ステーションにおけるクランプの停止位置に悪影響を及ぼす。
【0056】
より一般的に、上記の解決策は、すべてのクランプのための単一の駆動システムのおかげで、簡単な方法で制御され得る構造を提供する。これにより、無線綴じ機のコストを限定することが可能になり、同様に本の製造コストに対する有益な効果を伴う。
【0057】
無線綴じ機は、駆動システムの受動セクションのおかげで、コンパクトな設計を有する。
【0058】
無線綴じ機は、(カバー付けステーションにおいて)駆動システムが最も短い処理期間にわたってのみ停止されるため、限られたダウンタイムを有する。
【0059】
この解決策は、製造品質の対応する向上を伴って、カバー付けステーションにおけるブックブロックの処理を自在に調節することを可能にするから、非常に柔軟である。
【0060】
図5Cに移って、ブックブロックは、それらブックブロックが駆動速度Vdに等しい処理速度で移動処理ステーションを横切っている間に、当該移動処理ステーションにおいて処理される。本発明の一実施形態による解決策では、駆動速度Vdは、経時的に変動する。例えば、包括的なペグ(peg1)が(背張りステーションなどの)特定の移動処理ステーションを横断しながら駆動経路の能動セクションに沿って移動している、(変動)期間Pvにおいて、駆動速度Vdは、変動させられる。特に、駆動Vdは、ブックブロックの処理のために背張りステーションを横切る当該ブックブロックの所望の処理速度(駆動速度Vdとは異なる)に等しい、(処理速度が駆動速度Vdよりも高い場合に適用される同様の考慮によって、問題の例では駆動速度Vdよりも低い)変動速度Vvと呼ばれる値に変動させられる。変動速度Vvおよび変動期間Pvは、(無線綴じ機の特性に応じて)静的に事前定義されてもよく、(オペレータによってタッチスクリーンで、グローバルにもしくは各処理ジョブごとに個別に)動的に選択されてもよく、または(処理ジョブのブックブロックの幾何学的情報に応じて)自動で決定されてもよい。対応するクランプは、同じ運動規則で移動するので、そのクランプのブックブロックは、所望の変動速度Vvで背張りステーションを横切る。
【0061】
結果として、(グローバルに)移動処理ステーションの、および/または(個別に)処理ジョブのブックブロックの、異なる特性に応じて(移動処理ステーション内の)ブックブロックの処理速度を最適化することが可能である。これにより、対応する本の品質がさらに向上する。駆動速度Vdの変更は、他の処理ステーションにおけるブックブロックの処理に何も影響を与えない。実際、変動期間Pvにおいて、他のクランプは、駆動システムから係合解除されており(例えば、供給ステーション内で静止しているclamp2)、および/または、それら他のクランプは、すべての処理ステーションから離れて移動している(例えば、同じ変動速度Vvで移動しているclamp3)。
【0062】
図5Dに移って、一定の駆動速度Vdを有する駆動システムの上記と同じ運動規則が示されており、(停止位置が後方へ調節される場合におよび/または他の停止期間Psにおいて適用される同様の考慮によって、問題の例では前方に)第1の停止期間Psの開始時のカバー付けステーションにおける停止位置を調節するための(加速して次いで減速することによる)動きが追加されている。
【0063】
本発明の一実施形態による解決策では、駆動経路の能動セクションにおいて、当該駆動経路は、搬送経路と異なり得る。特に、駆動経路は、処理ステーションから離れた能動セクションの湾曲部分を有し、そこでは、駆動経路は、(工場図において)搬送経路の対応する湾曲部分の内側に延在し、各々が共通点の対の間にあり、当該共通点では、(工場図において)駆動経路と搬送経路とが合致する。駆動経路の湾曲部分は、共通点の間では搬送経路の湾曲部分よりも短いから、クランプは、必然的に、対応する(速い)期間Pfにおいて、ペグが移動するよりも速く(それに対して摺動および回転することによって)移動する。例えば、これは、送達ステーションに到達する前に(
図3の左上方の弧)、供給ステーションに到達する前に(
図3の左下方の弧)、および移動処理ステーションとカバー付けステーションとの間で(
図3の右方の半円)起こる。
【0064】
上記の特徴は、搬送経路の湾曲部分の同じ長さに対して、駆動システムの湾曲部分の長さを、(クランプのより滑らかな移動を可能にする十分に大きな曲率半径を伴って)短くすることを可能にする。さらに、駆動システム(すなわちそのチェーン)の対応する縮小は、(ペグが駆動システムに沿って均一に分配されて維持されるように)そのすべてのセグメントで再現される。これは、無線綴じ機のサイズおよび生産量に対して有益な効果を有する。
【0065】
さらに(図示されていない)、駆動経路は、(例えば、5~70°の角度を形成して)各々が1つ以上の移動処理ステーションで搬送経路の対応するストレート部分に対して斜めに走る、能動セクションの1つ以上の(斜め)部分を有することができる。駆動経路の斜め部分における各ペグは、(それに対して接線方向の)駆動速度で移動し、当該駆動速度は、スリットに垂直な成分(ペグと一体でクランプを移動させる)と、スリットに沿って長手方向の成分(ペグをそのスリットに沿って摺動させる)とを有する。クランプは、次いで、ペグの駆動速度よりも低い速度でガイドに沿って移動する。上記の特徴は、(例えば、対応する処理の品質を改善するために)任意の移動処理ステーションにわたってクランプの速度を減少させることを可能にする。この結果は、駆動システムの駆動速度を変更することなしに、さらに無線綴じ機の生産量に悪影響を及ぼすことなしに達成される。
【0066】
変更
当然ながら、局所的および具体的な要求を満たすために、当業者は、多くの論理的および/または物理的な修正および変更を本発明に適用することができる。より具体的には、本発明を、その1つ以上の実施形態を参照してある一定程度の個別性をもって説明してきたが、形態および詳細の様々な省略、置換および変更、さらには他の実施形態が可能であることを、理解すべきである。特に、本発明の異なる実施形態は、そのより完全な理解を提供するために前述の説明に記載された、具体的な詳細(数値など)なしで実施することさえできる。逆に、周知の特徴は、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないように省略または簡略化されている場合がある。さらに、本発明の任意の実施形態に関連して説明された特定の要素および/または方法ステップは、一般的な設計上の選択の事項として任意の他の実施形態に組み込まれ得ることが明示的に意図されている。さらに、同じ群の中で提示された事項および異なる実施形態、例または代替は、互いに事実上同等であると解釈されるべきではない(のであって、それらは、別個の独立の存在である)。いかなる場合も、各数値は、適用可能な許容差に従って変更されているものとして読まれるべきである。特に、別途示されていない限り、「実質的に」、「約」、「およそ」などの用語は、10%以内、好ましくは5%以内、およびさらにより好ましくは1%以内と理解されるべきである。さらに、数値の各範囲は、範囲内の連続体(その端点を含む)に沿って、あらゆる可能な数を明示的に特定しているものとして意図されるべきである。順序のまたは他の修飾語句は、単に、同じ名前を有する要素を区別するための標識として使用されるにすぎず、単独でいかなる優先、先行または順序も言外に意味するものではない。含む、備える、有する、含有する、伴うなどの用語は、オープンで非網羅的な意味(すなわち、記載される事項に限定されない)で意図されるべきであり、に基づく、に依存する、に応じて(によって、に従って)(according to)、の機能、などの用語は、非排他的な関係(すなわち、可能なさらなる変数を伴う)として意図されるべきであり、a/anという用語は、(別途明示的に示されていない限り)1つ以上の事項として意図されるべきであり、ための手段という用語(または任意のミーンズプラスファンクション表現)は、関連する機能を実行するように適合または構成された任意の構造として意図されるべきである。
【0067】
例えば、一実施形態は、製本機を提供する。しかしながら、製本機は、任意のタイプのもの(例えば、無線綴じ機、ケースインマシンなど)であり得る。
【0068】
一実施形態では、製本機は、ブックブロックを処理するための複数の処理ステーションを備える。しかしながら、処理ステーションは、任意の数、任意の位置、および任意のタイプ(例えば、静止しているもののみ、静止しているものと動きのあるもの、など)であり得、それら処理ステーションは、任意のブックブロック(例えば、折丁、平判によって形成され、挿入物を有しまたは有せず、縫い合わされ、接着され、ステープル留めされまたは任意の他の方法で集められているものなど)を処理するために使用され得る。
【0069】
一実施形態では、処理ステーションは、複数の静止処理ステーションであって、ブックブロックを当該複数の静止処理ステーションの中で静止している間に処理するための、複数の静止処理ステーションを備え、静止処理ステーションは、少なくとも1つの係合処理ステーションおよび1つ以上の係合解除処理ステーションを備える。しかしながら、係合処理ステーションは、任意の数および任意のタイプのもの(例えば、カバー付けステーション、見返し貼りステーションなど)であり得る。同様に、係合解除処理ステーションは、任意の数および任意のタイプのもの(例えば、自動供給ステーション、手動供給ステーション、送達ステーション、プレスステーションなど)であり得る。
【0070】
一実施形態では、製本機は、ブックブロックを個別に搬送するための複数の搬送要素を備える。しかしながら、搬送要素は、任意の数および任意のタイプのもの(例えば、クランプ、ベルト、ホルダ、グリッパなど)であり得る。
【0071】
一実施形態では、製本機は、搬送要素を処理ステーションにまたがって連続して選択的に駆動するための、駆動システムを備える。しかしながら、駆動システムは、任意のタイプ(例えば、機械的なタイプ、磁気的なタイプ、搬送要素のためのガイドを有しまたは有しない、など)のものであり得る。搬送要素を選択的に駆動することは、任意の方法で(例えば、搬送要素に対応する駆動システム内の駆動要素で、搬送要素内の係合要素で、受動または能動構造で、など)実現することができる。
【0072】
一実施形態では、搬送要素の各々は、駆動システムと係合しているとき、当該駆動システムによって駆動され、当該駆動システムから係合解除されているとき、静止したままである。しかしながら、搬送要素は、係合されているとき任意の方法で(例えば、駆動システムと一体であるとき同じ速度で、駆動システムに対して移動可能であるとき異なる速度で、など)駆動され得る。さらに、搬送要素は、任意の方法で(例えば、駆動システムと依然として接触しているけれどもいかなる力も加えることなく、駆動システムから分離して、など)係合解除され得る。
【0073】
一実施形態では、製本機は、制御手段を備える。しかしながら、制御手段は、任意の方法で(例えば、例えばコンピュータ、マイクロコントローラなどの任意の制御ユニット、機械的なシステムなどで)実現することができる。
【0074】
一実施形態では、制御手段は、対応する停止期間にわたって駆動システムを繰り返し停止するように構成されている。しかしながら、駆動システムは、(例えば、任意の値の、固定の、グローバルにまたは各処理ジョブについて個別に可変の、単一の係合処理ステーションの処理期間にまたは複数の係合処理ステーションの最も長い処理期間に等しい、などの)任意の停止期間にわたって、任意の方法で(例えば、任意の減速度で)停止され得る。
【0075】
一実施形態では、停止期間の各々において、搬送要素のうちの対応する少なくとも1つは、駆動システムと係合して係合処理ステーションにあり、搬送要素のうちの対応する1つ以上は、駆動システムから係合解除されて係合解除処理ステーションにある。しかしながら、この動作状態には、任意の方法で(例えば、対応する搬送要素が係合処理ステーションに到達する前にまたは同時に係合解除処理ステーションで係合解除する搬送要素で、対応する搬送要素が係合処理ステーションを離れた後にまたは同時に係合解除処理ステーションで係合する搬送要素で、など)到達し得る。
【0076】
さらなる実施形態は、追加の有利な特徴を提供するが、しかしながら、当該追加の有利な特徴は、基本的な実現では完全に省略することができる。
【0077】
特に、一実施形態では、制御手段は、停止期間と交互である対応する動き期間にわたって、駆動システムを繰り返し動かすように構成されている。しかしながら、動き期間は、任意のタイプの(例えば、任意の値の、固定の、グローバルにまたは各処理ジョブについて個別に可変の、など)ものであり得る。
【0078】
一実施形態では、動き期間の各々において、停止期間のうちの先行する1つにある係合処理ステーションにある搬送要素のうちの対応する少なくとも1つは、先行する停止期間から静止処理ステーションのうちの後続の1つへの到達まで、駆動システムと係合している。しかしながら、(すべての処理ステーションから離れた位置で)係合処理ステーションから後続の静止処理ステーションに移動している間に各搬送要素を係合解除する可能性は、排除されない。
【0079】
一実施形態では、動き期間の各々において、先行する停止期間にある係合解除処理ステーションにある搬送要素のうちの対応する1つ以上は、先行する停止期間から係合時間まで(先行する停止期間に0でない遅延で続いて)駆動システムから係合解除されたままであり、かつ係合時間から静止処理ステーションのうちの対応する後続のものへの到達まで、駆動システムと係合する。しかしながら、遅延は、(例えば動き期間を増加させ得ない場合および/または停止位置を前方に移動させ得ない場合、0まで下がって)任意の値のものであり得る。さらに、(すべての処理ステーションから離れた位置で)いずれかの係合解除処理ステーションから後続の静止処理ステーションに移動している間に各搬送要素を係合解除する可能性は、排除されない。
【0080】
一実施形態では、動き期間の各々において、係合処理ステーションに対応する搬送要素のうちの少なくとも1つは、静止処理ステーションのうちの先行する1つを離れてから、停止期間のうちの後続の1つにおける係合処理ステーションへの到達まで、駆動システムと係合している。しかしながら、(すべての処理ステーションから離れた位置で)先行する静止処理ステーションから係合処理ステーションに移動している間に各搬送要素を係合解除する可能性は、排除されない。
【0081】
一実施形態では、動き期間の各々において、係合解除処理ステーションに対応する搬送要素のうちの1つ以上は、静止処理ステーションのうちの対応する先行するものを離れてから係合解除時間まで(後続の停止期間に0でない前進で先行して)、駆動システムと係合しており、かつ係合解除時間から後続の停止期間まで、駆動システムから係合解除している。しかしながら、前進は、(例えば動き期間を減少させ得ない場合および/または停止位置を後方に移動させ得ない場合、0まで下がって)任意の値のものであり得る。さらに、(すべての処理ステーションから離れた位置で)先行する静止処理ステーションからいずれかの係合解除処理ステーションに移動している間に各搬送要素を係合解除する可能性は、排除されない。
【0082】
一実施形態では、制御手段は、経時的に変動する駆動速度で動き期間中に駆動システムを動かすように構成されている。しかしながら、駆動速度は、任意の方法で(例えば、より低いおよび/もしくはより高い一定の速度の期間で、任意の加速度/減速度で、またはより一般的に任意の他の運動規則で、グローバルにまたは各処理ジョブについて個別に、など)変動させられ得る。いかなる場合も、(例えば、固定の、カスタマイズ可能な、自己適合の、などの)一定の駆動速度を常に有する可能性は、排除されない。
【0083】
一実施形態では、制御手段は、停止期間を調節するように構成されている。しかしながら、停止期間は、任意の方法で(例えば、手動で、自動で例えば対応するセンサを介して測定されている処理されたブックブロックの1つ以上の特性に従って、処理ジョブについてグローバルにまたは個別に、などで)調節され得る。
【0084】
一実施形態では、製本機は、入力ユニットを備える。しかしながら、入力ユニットは、任意のタイプのもの(例えば、タッチスクリーン、キーパッド、任意のコード、例えばバーコード、QRコードなどのリーダ、OCRデバイス、ネットワーク・インターフェース・カードなど)であり得る。
【0085】
一実施形態では、入力ユニットは、係合処理ステーションに処理期間の指示を入力するためのものである。しかしながら、処理期間は、任意の方法で(例えば、その値、デフォルト値に対するデルタで、処理ジョブについてまたは一般的に、などで)指示され得る。
【0086】
一実施形態では、処理期間の指示は、処理ジョブのブックブロックのうちの1つ以上についてのものである。しかしながら、処理ジョブは、任意の数のブックブロックを含み得、かつその処理ジョブの処理期間は、任意の方法で(例えば、手動で入力されて、ブックブロックから読み取られて、ネットワーク越しに受信されて、など)提供され得る。
【0087】
一実施形態では、制御手段は、処理ジョブのブックブロックについての停止期間を、処理期間に設定するように構成されている。しかしながら、停止期間は、任意の方法で(例えば、新しい値をその値の次の変更まで維持して、処理ジョブの終わりに自動でデフォルト値に戻して、などで)設定され得る。
【0088】
一実施形態では、制御手段は、動き期間を調節するように構成されている。しかしながら、動き期間は、任意の方法で(例えば、手動で、自動で例えば対応するセンサを介して測定されている処理されたブックブロックの1つ以上の特性に従って、処理ジョブについてグローバルにまたは個別に、などで)調節され得る。
【0089】
一実施形態では、予約機は、停止期間における係合処理ステーションにあるブックブロックの対応する変位を測定するための、センサを備える。しかしながら、センサは、任意の変位(例えば、ブックブロックとカバー、見返し、固定用背張りとの間の、定量的にまたは定性的に、など)を測定するための、任意のタイプの(例えば、光学的な、機械的な、など)ものであり得る。センサは、任意の位置に(例えば、ブックブロックの処理前、処理中、または処理後の変位を測定するために係合処理ステーションに、処理されたブックブロック上の変位を測定するために送達ステーションに、など)配置されているのであり得る。
【0090】
一実施形態では、制御手段は、対応する変位に従って、搬送要素についての対応する時間調節を計算するように構成されている。しかしながら、時間調節は、任意の方法で(例えば、任意の数の複数の変位の平均、メジアン、モードのような、任意の中心的な統計パラメータに等しい、単一の変位に等しいなど)計算され得る。
【0091】
一実施形態では、制御手段は、対応する時間調節に従って、係合処理ステーションに到達する搬送要素についての動き期間を調節するように構成されている。しかしながら、動き期間は、時間調節に従って任意の方法で(例えば、完全に時間調節の反対で、当該時間調節のパーセンテージでインクリメンタルに、など)調節され得る。この動作は、任意の時に(例えば、製本機の設置におけるテストモードにおいておよび/またはいずれかのメンテナンスにおいて、定期的にまたは任意の数の処理ジョブの後に製造モードにおいてなど)実行され得る。
【0092】
一実施形態では、入力ユニットは、係合処理ステーションに停止位置の指示を入力するためのものである。しかしながら、停止位置は、任意の方法で(例えば、その値、デフォルト値に対するデルタで、処理ジョブについてまたは一般的に、などで)指示され得る。
【0093】
一実施形態では、停止位置の指示は、処理ジョブのブックブロックのうちの1つ以上についてのものである。しかしながら、処理ジョブは、任意のタイプのもの(上記を見られたい)であり得、その停止位置は、任意の方法で(例えば、処理期間に対して同じかまたは異なる、いずれかで)提供され得る。
【0094】
一実施形態では、制御手段は、停止位置に応じて、処理ジョブのブックブロックについての動き期間を調節するように構成されている。しかしながら、動き期間は、任意の方法で(例えば、新しい値をその値の次の変更まで維持して、処理ジョブの終わりに自動でデフォルト値に戻して、などで)調節され得る。
【0095】
一実施形態では、製本機は、係合処理ステーションにおける停止位置における対応するブックブロックの変位をその処理の前に(停止期間の各々において)測定するための、係合処理ステーションにおける対応する少なくとも1つのセンサを備える。しかしながら、センサは、任意の変位を測定するための任意のタイプのもの(例えば、上記と同じセンサ、同じかまたは異なるタイプのさらなるセンサなど)であり得る。変位は、ブックブロックの処理の前に任意の時に(例えば、停止時間に、そこから一定の遅延で、ブックブロックが静止していることをさらなるセンサが検出するとすぐに、など)測定され得る。
【0096】
一実施形態では、制御手段は、対応するブックブロックの停止位置を変位に応じてその処理のために調節するために、駆動システムを(停止期間の各々において)制御するように構成されている。しかしながら、停止位置は、任意の方法で(例えば、位置全体を変位に応じて補正することによる開ループ技術で、位置をそれが正しくなるまで継続的に変更することによる閉ループ技術で、など)調節され得る。特に、変位を測定することと、変位を補償するために必要な移動を計算することと、さらに対応して搬送要素を移動させることと、が可能である。あるいは、(ブックブロックがあまりにも前にある、またはあまりにも後ろにある、などの)変位の方向を決定すること、位置が正しくなるまで搬送要素を反対方向に所定の距離だけ(あまりにも前にある場合は後方に、または後ろへの場合は前方に)移動させることが可能である。
【0097】
一実施形態では、製本機は、処理ステーションを横切る閉じた搬送経路に沿って搬送要素を案内するための、ガイドを備える。しかしながら、ガイドは、任意のタイプのもの(例えば、レール、トラックなど)であり得、かつ(例えば、楕円形の、円形の、不規則な、などの)任意の閉じた搬送経路に沿って延在し得る。
【0098】
一実施形態では、駆動システムは、閉じた駆動経路に沿って延在する。しかしながら、駆動システムは、(例えば、搬送経路と合致するセクションおよび搬送経路から分離したセクションを有する、搬送経路と常に合致する、搬送経路から常に分離した、などの)任意の閉じた搬送経路に沿って延在し得る。
【0099】
一実施形態では、駆動経路は、搬送経路から離れて延在する対応する受動セクションを係合解除処理ステーションに備え、そこで、搬送要素は、駆動システムから係合解除する。しかしながら、受動セクションは、(例えば、搬送経路から任意の距離にある、各係合解除処理ステーションを離れて同じ点でまたは異なる点で係合解除処理ステーションに戻る、などの)任意のタイプのものであり得る。
【0100】
一実施形態では、駆動経路は、搬送経路に対応する、複数の能動セクションを他の場所に備え、そこで、搬送要素は、駆動システムと係合する。しかしながら、能動セクションは、(例えば、搬送経路に対して合致する、平行な、斜めの、などの)任意のタイプのものであり得る。
【0101】
一実施形態では、駆動システムは、それと一体である、駆動システムに沿って均一に分配される、搬送要素のための対応する駆動要素を備える。しかしながら、駆動要素は、任意のタイプのもの(例えば、ペグ、スタッド、フック、キャリアなど)であり得る。さらに、均一な駆動システムと係合し、および均一な駆動システムから係合解除することができる要素が設けられた搬送要素を有する可能性は、排除されない。
【0102】
一実施形態では、駆動要素は、能動セクションにおいて、対応する搬送要素に作用し、受動セクションにおいて、対応する搬送要素に作用しない。しかしながら、駆動要素は、任意の方法で(例えばそれぞれ、押すこと、引くことによって、など、および摺動すること、離れることによって、など)搬送要素に作用し得、および作用しないのであり得る。
【0103】
一実施形態では、駆動システムは、駆動経路に沿って走る無端コンベヤを備える。しかしながら、コンベヤは、任意のタイプのもの(例えば、チェーン、ベルトなど)であり得る。
【0104】
一実施形態では、駆動システムは、無端コンベヤを駆動するためのモータを備える。しかしながら、モータは、任意のタイプのもの(例えば、サーボモータ、ステップモータなど)であり得る。
【0105】
一実施形態では、駆動要素は、無端コンベヤと一体である対応するペグを備える。しかしながら、ペグは、任意のタイプの(例えば、任意の断面、長さの、など)ものであり得、かつ任意の方法で(例えば、下方、上方、横方向に延在して、など)コンベヤと一体であり得る。
【0106】
一実施形態では、搬送要素は、対応するスリットであって、各々が、対応するペグを受け入れるためのものである、対応するスリットを有する。しかしながら、スリットは、任意のタイプの(例えば、任意の長さの、同じかまたは異なるサイズの壁によって画定された、半径方向、接線方向、水平、垂直に延在する、など)ものであり得る。
【0107】
一実施形態では、駆動システムは、ペグの各々を能動セクションにおいて、対応するスリットに対して横断的に移動させるように構成されている。しかしながら、能動セクションにおいて、ペグは、任意の方法で(例えば、垂直に、斜めに、など)スリットに対して横断的に移動し得る。
【0108】
一実施形態では、駆動システムは、ペグの各々を受動セクションにおいて、対応するスリットに沿っておよび/または対応するスリットの外側で長手方向に移動させるように構成されている。しかしながら、受動セクションでは、ペグは、スリット内を横断的に、とは異なる任意の方法で(例えば、常にスリットに沿って、スリットを離れてそれから当該スリットに再び入って、など)移動し得る。
【0109】
一実施形態では、搬送経路および駆動経路は、(搬送経路と駆動経路が合致する共通点の、少なくとも1つの対の間で)処理ステーションから湾曲して離れている。しかしながら、搬送/駆動経路の湾曲部分は、任意の数および任意のタイプの(例えば、曲率半径が一定のまたは変動する、共通点の間のストレート部分を有しまたは有しない、など)ものであり得る。
【0110】
一実施形態では、共通点の対の間において、駆動経路は、搬送経路の対応する外部部分の内側で延在する、能動セクションのうちの1つにおける内部部分(そこでは、ペグの各々は、対応するスリットに沿って摺動し、それによって、対応する搬送要素を駆動システムよりも速く移動させる)を備える。しかしながら、内部部分と外部部分とは、(例えば、搬送経路の湾曲部分に沿って一定のまたは変動する、などの)任意の速度差を達成するために(例えば、均一に増加/減少して、不規則なトレンドで、など)任意の距離にあり得る。
【0111】
一実施形態では、処理ステーションは、1つ以上の移動処理ステーションを、そこを横切って移動している間にブックブロックを処理するために備える。しかしながら、移動処理ステーションは、(なしまで下がって)任意の数および任意のタイプのもの(例えば、プレスステーション、ミリングステーション、接着ステーションなど)であり得る。
【0112】
一実施形態では、移動処理ステーションは、搬送経路の対応するストレート部分における、能動セクションに沿って配置されている。しかしながら、移動処理ステーションは、任意の方法で(例えば、ストレート部分ごとに単一のものまたは2つ以上の連続するもの、同じストレート部分にすべて一緒に、またはそれらのうちの2つ以上にまたがって分配されて、など)配置されているのであり得る。いかなる場合も、搬送経路の湾曲した部分にいくつかの移動処理ステーションを有する可能性は、排除されない。
【0113】
一実施形態では、移動処理ステーションにおける能動セクションのうちの少なくとも1つは、搬送経路の対応するストレート部分に対して斜めに延在する、駆動経路の斜め部分(そこでは、ペグの各々は、対応するスリットに対して斜めに移動し、それによって、対応する搬送要素を駆動システムよりも遅く移動させる)を備える。しかしながら、斜め部分は、(例えば、搬送経路の対応するストレート部分に沿って一定のまたは変動する、などの)任意の速度差を達成するために、任意の角度で(例えば、離れて移動してそれから近くで移動して均一に同じかまたは異なる比率で、不規則なトレンドで、例えば離れて移動して、平行でそれから近くで、など)延在し得る。
【0114】
一実施形態では、処理ステーションは、個別に駆動されるように適合されている。しかしながら、(すべてまで)一緒に駆動される(2つ以上の)処理ステーションの、1つ以上の群の可能性は、排除されない。
【0115】
一実施形態では、製本機は、無線綴じ機である。しかしながら、完全バイディングマシンは、(例えば、自動/手動タイプの、見返し/背張りを伴ってまたは伴わずにカバーを付けるための、などの)任意のタイプのものであり得る。
【0116】
一実施形態では、係合処理ステーションは、対応するカバーをブックブロックに付けるためのカバー付けステーションである。しかしながら、カバーは、任意のタイプの(例えば、ソフト、硬質、など)ものであり得る。
【0117】
一実施形態では、センサは、係合処理ステーションにおける各搬送要素のブックブロックと、対応するカバーとの間の変位を測定するためのものである。しかしながら、変位は、任意の方法で(例えば、ブックブロックとカバーの両方の位置を検出することによって、ブックブロックの位置を検出してそれをカバーの既知の位置と比較することによって、など)測定され得る。
【0118】
さらなる実施形態は、上記の製本機のうちの1つ以上を備える製本工場を提供する。しかしながら、製本工場は、任意のタイプの(例えば、任意の数のこれら製本機ならびに任意の数およびタイプのさらなる製本機、例えば丁合機、ミシン、ケースインマシン、化粧裁ち機を有する、など)ものであり得る。
【0119】
一般に、製本機および製本工場が各々、異なる構造を有するか、もしくは同等の構成要素を備えるか、または他の動作特性を有する場合、同様の考慮が、適用される。いかなる場合も、それらのうちのあらゆる構成要素をより多くの要素に分離してもよいし、または2つ以上の構成要素を一緒に組み合わせて1つの要素にしてもよい。さらに、各構成要素を、対応する動作の並行での実行をサポートするために複製してもよい。さらに、別途特定されていない限り、異なる構成要素間のあらゆる相互作用は、一般に連続的である必要はなく、かつそれは、直接的かまたは1つ以上の中間を通して間接的かのいずれであってもよい。
【0120】
さらなる実施形態は、製本機を動作させるための方法を提供する。一実施形態では、方法は、複数の処理ステーションにおいてブックブロックを処理することを含む。一実施形態では、処理ステーションは、(少なくとも1つの係合処理ステーションおよび1つ以上の係合解除処理ステーションを備える)複数の静止処理ステーションを備え、そこでは、ブックブロックは、その中で静止している間に処理される。一実施形態では、方法は、複数の搬送要素によって個別にブックブロックを搬送することを含む。一実施形態では、方法は、搬送要素を処理ステーションにまたがって連続して駆動システムによって選択的に駆動することを含む。一実施形態では、搬送要素の各々は、駆動システムと係合しているとき、当該駆動システムによって駆動され、当該駆動システムから係合解除されているとき、静止したままである。一実施形態では、製本機の制御手段は、対応する停止期間にわたって駆動システムを繰り返し停止する。一実施形態では、停止期間の各々において、搬送要素のうちの対応する少なくとも1つは、駆動システムと係合して係合処理ステーションにあり、搬送要素のうちの対応する1つ以上は、駆動システムから係合解除されて係合解除処理ステーションにある。しかしながら、製本機の特徴に関して上記で指摘した同じ考慮は、方法の対応するステップに同様に適用される。
【0121】
一般に、同じ解決策が同等の方法で(いくつかの本質的でないステップを除去するかまたはさらなる任意的なステップを追加して、より多くのステップまたはその一部の、同じ機能を有する同様のステップを使用することによって)実現される場合、同様の考慮が適用される。さらに、ステップは、異なる順序で、同時に、またはインターリーブされた方法で(少なくとも部分的に)実行されてもよい。
【0122】
さらなる実施形態は、コンピュータプログラムであって、製本機の制御ユニットに、当該コンピュータプログラムが当該制御ユニット上で実行されるときに、上記の方法を実行させるように構成された、コンピュータプログラムを提供する。さらなる態様は、コンピュータプログラムを具現化するコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品を提供し、当該コンピュータプログラムは、製本機の制御ユニットの作業メモリにロード可能であり、それによって、同じ方法を実行するように当該制御ユニットを構成している。しかしながら、プログラムは、例えば外部もしくは常駐ソフトウェア、ファームウェア、またはマイクロコード(例えばコンパイルまたは解釈される、オブジェクトコードのまたはソースコードのいずれか)の形態の、任意の制御ユニット(上記を見られたい)によって使用されるのに適した任意の形態をとり得る。さらに、(固定ディスク、リムーバブルディスク、メモリキーなどのような、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、または半導体タイプのものなどの、制御ユニットによる使用のための命令を保持および記憶し得る)一時的な信号それ自体とは異なる有形タイプの任意のコンピュータ可読記憶媒体上で、プログラムを提供することが可能である。いかなる場合も、本発明の一実施形態による解決策は、ハードウェア構造によって(例えば、半導体材料の1つ以上のチップに集積された電子回路によって)も、または適切にプログラムされたかもしくは他の方法で構成されたソフトウェアとハードウェアとの組合せによっても、実現されるのに適している。