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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】一体型液冷ラジエータ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20241107BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H01L23/46 Z
H05K7/20 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023147101
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】112128302
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505446862
【氏名又は名称】▲黄▼ 崇賢
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 崇賢
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-153211(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116483186(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F28F 9/00- 9/26
H01L 23/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体冷却部と、
液冷ヘッドと、
液体ポンプと、
を含み、
前記液体冷却部は、第1の液体タンクと、第2の液体タンクと、放熱流路管ユニットとを備え、前記放熱流路管ユニットは、複数個の第1の流路管と、第2の流路管と、冷却フィンとを含み、各前記第1の流路管及び各前記第2の流路管は、両端がそれぞれ前記第1の液体タンク及び前記第2の液体タンクと結合された扁平金属管であり、前記冷却フィンはそれぞれ、各前記第1の流路管及び各前記第2の流路管の外面に設置され、
前記液冷ヘッドは、一方の面が前記第2の液体タンクの底壁外面と結合され、
前記液体ポンプは、前記第1の液体タンク内に設置される一体型液冷ラジエータにおいて、
前記第1の液体タンクは、第1のタンク本体と、第1のタンク蓋と、第1の仕切板とを備え、前記第1のタンク本体は、上部タンク及び下部タンクが一体化として成形され、前記上部タンクの厚さ及び幅は、前記下部タンクのそれよりも大きく、前記上部タンクの上端は、下へ凹んで第1の上チャンバーを形成し、前記下部タンクは、前記上部タンクの下端から下方へ突出し、前記第1の上チャンバーの底面は、前記下部タンクの中へ凹んだ第1の下チャンバーを形成し、前記下部タンクの底壁には、前記第1の下チャンバーと連通した複数個の第1の流路管挿入口が設けられ、前記第1の流路管及び前記第2の流路管の上端はそれぞれ、前記第1の流路管挿入口に挿入され、前記第1のタンク蓋は、前記上部タンクの上端を覆い、前記第1の仕切板は、前記第1の上チャンバー及び前記第1の下チャンバーに設置されて、前記第1の上チャンバー及び前記第1の下チャンバーを液体供給室と液体排出室とに仕切り、
前記第2の液体タンクは、第2のタンク本体と、第2のタンク蓋とを備え、前記第2のタンク本体の上端は、下へ凹んで第2のチャンバーを形成し、前記第2のチャンバーは、冷液室と熱液室とに仕切りされ、前記冷液室及び前記熱液室はそれぞれ、前記液冷ヘッドと連通され、前記第2のタンク蓋は、前記第2のタンク本体の上端を覆い、前記第2のタンク蓋の頂壁には、前記冷液室及び前記熱液室と連通した複数個の第2の流路管挿入口が設けられ、前記第1の流路管及び前記第2の流路管の下端はそれぞれ、前記第2の流路管挿入口に挿入され、且つ
前記第1の液体タンクの前記第1のタンク本体の前記上部タンクの前後端及び前記第2の液体タンクの前後端はそれぞれ、前記放熱流路管ユニットの表面と裏面から突出し、前記液体冷却部の表面と裏面のそれぞれに内へ凹んだファン設置空間を形成している一体型液冷ラジエータ。
【請求項2】
前記第1のタンク本体における前記上部タンク及び前記下部タンクは、側面視でT字形をなすタンク本体として形成され、
前記第1の上チャンバー及び前記第1の下チャンバーは、側面視で断面がT字形をなすチャンバーとして形成されている請求項1に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項3】
前記第1のタンク蓋の内面は、前記第1のタンク本体内に突き出る液体ポンプ台座を有し、
前記第1のタンク蓋の外面には、内へ凹んだ、前記液体ポンプ台座まで延びる液体ポンプチャンバーが設けられ、
前記液体ポンプは、前記第1のタンク蓋の外面から前記液体ポンプチャンバーに装入される請求項2に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項4】
前記液体ポンプ台座の端面には、前記液体ポンプチャンバーと前記液体供給室を連通した液体供給口が設けられ、
前記液体ポンプ台座の側面には、バンプが設けられ、前記バンプには、前記液体ポンプチャンバーと前記液体排出室とを連通した液体排出口が設けられ、
且つ、前記第1の仕切板には、前記バンプの輪郭に対応する切欠が設けられ、前記切欠は、前記バンプの周面と密着している請求項3に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項5】
前記上部タンクの底壁には、前記第1の上チャンバーに突出した第1の凸条が設けられ、
且つ、前記第1のタンク蓋の頂壁には、前記第1の上チャンバーに突出した第2の凸条が設けられている請求項4に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項6】
前記第1のタンク蓋の頂壁には、前記第1の上チャンバーと連通した液体注入口が設けられ、前記液体注入口の中には、分離可能なシール部品が結合されている請求項1に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項7】
前記第2のタンク本体における前記第2のチャンバーの中には、空気断熱空間が設けられ、前記空気断熱空間は、前記第2のチャンバーの中で一定の距離を離れて設置された熱液仕切板と冷液仕切板とで構成され、
前記空気断熱空間は、前記第2のチャンバーを前記冷液室と前記熱液室とに仕切りし、前記冷液室の下端のタンク壁には、作動液を前記冷液室から前記液冷ヘッドに流入させる冷液流入口が設けられ、前記熱液室の下端のタンク壁には、前記作動液を前記液冷ヘッドから前記熱液室に戻す熱液流出口が設けられている請求項1に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項8】
前記第2のタンク本体は、表面が上端から下端にかけて幅が狭くなる四角錐台をなし、
前記第2のチャンバーは、前記四角錐台に対応する錐台状チャンバーである請求項7に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項9】
更に、2つのファンシャーシを含み、前記2つのファンシャーシは、前記放熱流路管ユニットの両側に結合されている請求項1に記載の一体型液冷ラジエータ。
【請求項10】
更に、少なくとも一つのファンを含み、前記ファンは、前記ファン設置空間に入れられて、前記2つのファンシャーシに固定される請求項9に記載の一体型液冷ラジエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷ラジエータ技術分野に関し、特に高さを縮小でき、液冷ラジエータ内部の作動液容量を増加できる一体型液冷ラジエータに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ及びサーバに適用される液冷ラジエータは、通常、分離式液冷ラジエータであり、それぞれ分離した液体冷却部、液冷ヘッド、及び液体ポンプなどの手段を有し、複数の液体チューブを用いて各手段の間を結合していることが知られている。
【0003】
分離式液冷ラジエータは、液体冷却部と液冷ヘッドとが別々に設置され、構造が十分にコンパクトではなく、取り付けが比較的不便である上、クーラントの流速が比較的遅い。そのため、本発明者は、一体型液冷ラジエータを提案し(特許文献1)、既知の分離式液冷ラジエータの欠点を解消した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許公告第I765680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、(特許文献1では)一体型液冷ラジエータの取り付け時、液体冷却部の底部の液冷ヘッドをチッププロセッサの表面に貼り合わせて、液体冷却部をチッププロセッサの上に縦置きで設置しなければならないので、コンピュータ筐体の内部空間が不足する問題を生じやすい。そのため、一体型液冷ラジエータの高さ・体積を縮小できると同時に内部の作動液容量をも増加できることは、本発明が解決しようとする一番の課題である。
【0006】
また、既知の一体型液冷ラジエータにおける液体冷却部の一端の液体回収タンクは、内部が冷液室と熱液室とに仕切られており、液冷ヘッドを流れた液体が吸熱して熱液となって熱液室に流入した時、金属仕切板を介して隣接する冷液室の冷液へと熱伝導し、液冷ヘッドに流入しようとする冷液が先に異常に加熱される。このため、液冷ヘッドに流入した後の冷却効果に影響を与えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主な目的は、一体型液冷ラジエータを提供することである。その好適な形態は、液体冷却部と、第2の液体タンクの底部に設置されている液冷ヘッドと、第1の液体タンクの中に設置されている液体ポンプとを含み、前記液体冷却部は、第1の液体タンクと、第2の液体タンクと、両端が第1の液体タンク及び第2の液体タンクと結合された放熱流路管ユニットとを備える。前記第1の液体タンクは、上部タンクと、上部タンクの下端から下方へ突出した下部タンクとが形成され、下部タンクの下端は、放熱流路管ユニットの上端と結合されることで、第1の液体タンク内の液体回収空間は第1の液体タンクの下方に変更された。
【0008】
本発明の次の目的は、一体型液冷ラジエータを提供することである。その好適な形態は、上記上部タンク及び第2の液体タンクの前後端が放熱流路管ユニットの表裏面から突出することを含む。作動液の容量を増加でき、液体冷却部の表裏面に内へ凹んだファン取付空間を形成する。
【0009】
本発明の別の目的は、一体型液冷ラジエータを提供することである。その好適な形態は、前記液体冷却部における第2の液体タンクの内部が空気断熱空間によって仕切られた冷液室と熱液室とを含む。前記空気断熱空間の空気熱伝導率が比較的低い原理により、熱液室中の熱い作動液から冷液室の冷たい作動液への熱伝導を防止する。
【発明の効果】
【0010】
(一)本発明は、液体冷却部の上端の第1の液体タンクを、上部タンクの高さが比較的小さく、下部タンクが上部タンクの底部から下方へ突出した構造として実施することにより、下部タンクを下方に向かって放熱流路管ユニットの空間へ延ばして、液体冷却部の高さを縮小する効果を奏し得る。
【0011】
(二)本発明では、第1の液体タンク及び第2の液体タンクの前後端が前後方に突出することにより、液体冷却部の高さを増やすことなく作動液の容量を増加できる。同時に、放熱流路管ユニットの表裏面に内へ凹んだファンの設置空間を形成し、放熱流路管ユニットと下部タンクへ、ともにファンで空気供給して放熱することができる。
【0012】
(三)本発明は、前記液体冷却部の下端の第2の液体タンクの内部を空気断熱空間によって冷液室と熱液室に仕切りすることにより、熱液室中の熱い作動液から冷液室の冷たい作動液への熱伝導を防止して、液冷ラジエータの冷却効果の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一体型液冷ラジエータの概略斜視図である。
図2】本発明の一体型液冷ラジエータの概略前面図である。
図3】本発明の一体型液冷ラジエータの概略分解図である。
図4】本発明の第1の液体タンク及び放熱流路管ユニットの概略分解図である。
図5】本発明の第1の液体タンクの概略分解図である。
図6】本発明の第2の液体タンク及び放熱流路管ユニットの概略分解図である。
図7】本発明の第2の液体タンクの概略分解図である。
図8】本発明の一体型液冷ラジエータの概略前面断面図である。
図9】本発明の一体型液冷ラジエータの概略側面断面図である。
図10】本発明の一体型液冷ラジエータにファンを取り付けた概略図である。
図11】本発明の一体型液冷ラジエータにファンを取り付けた概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2に示したように、本発明の一体型液冷ラジエータの好適かつ具体的な実施例は、液体冷却部100と、液冷ヘッド200と、液体ポンプ300とを含み、液体冷却部100は、第1の液体タンク10と、第2の液体タンク20と、放熱流路管ユニット30とを備え、第1の液体タンク10及び第2の液体タンク20は、放熱金属(例えば、アルミニウム合金)で製造されたタンクであって、第1の液体タンク10及びと第2の液体タンク20に作動液(水又はその他のクーラント)を注入するためのものであり、放熱流路管ユニット30は、間隔を開けて平行して配列された複数個の第1の流路管31と、第2の流路管32と、冷却フィン33とを含み、第1の流路管31及び第2の流路管32は扁平金属管であり、その両端はそれぞれ第1の液体タンク10及び第2の液体タンク20に結合・連通され、冷却フィン33はそれぞれ、各第1の流路管31及び第2の流路管32の外面に設置され、液冷ヘッド200は、一方の面が第2の液体タンク20の底壁外面と結合され、液冷ヘッド200の他方の面がチッププロセッサ(図示せず)に貼り合わされるために用いられ、液体ポンプ300は、第1の液体タンク10内に設置され、液体冷却部内の作動液が第1の液体タンク10、第1の流路管31、第2の液体タンク20、液冷ヘッド200、第2の流路管32、第1の液体タンク10の間で循環流動するよう駆動させる。
【0015】
図3図4図5に示したように、液体冷却部100の上方の第1の液体タンク10の好適な実施形態は、第1のタンク本体11と、第1のタンク蓋12と、第1の仕切板13とを備える。第1のタンク本体11は、矩形の上部タンク111及び下部タンク112が一体化として成形され、上部タンク111の厚さL1及び幅W1は、下部タンク112のそれよりも大きく、上部タンク111の上端は、下へ凹んで第1の上チャンバー113を形成し、下部タンク112は、上部タンク111の下端から下方へ突出して、第1のタンク本体11の上部タンク111及び下部タンク112は、側面視でT字形をなすタンク本体として形成される(図9に示す)。同時に、第1の上チャンバー113の底面は、下部タンクの中へ凹んだ第1の下チャンバー114を形成して、第1の上チャンバー113と第1の下チャンバー114は、側面視で断面がT字形をなすチャンバーとして形成される(図9に示す)。下部タンク112の底壁には、第1の下チャンバー114と連通した複数個の第1の流路管挿入口115が設けられ、上記放熱流路管ユニット30における第1の流路管31及び第2の流路管32の上端はそれぞれ、第1の流路管挿入口115に挿入される(図8に示す)。第1のタンク蓋12は、上部タンク111の上端を覆い第1の上チャンバー113を密封し、第1の仕切板13は、第1の上チャンバー113及び第1の下チャンバー114の中を横断して設置されて、第1の上チャンバー113及び第1の下チャンバー114を液体供給室116と液体排出室117とに仕切り、第1の流路管31の上端が液体排出室117と連通され、第2の流路管32の上端が液体供給室116と連通され、そして、上記液体ポンプ300が第1のタンク蓋12と結合され、かつ液体供給室116の中に位置する。
【0016】
図6図7図8に示したように、液体冷却部100下方の第2の液体タンク20の好適な実施形態は、第2のタンク本体21と、第2のタンク蓋22とを備え、第2のタンク本体21の上端は、下へ凹んで第2のチャンバー23を形成し、第2のチャンバー23は、冷液室24と熱液室25とに仕切られ、第2のタンク本体21の底壁の外面は、上記液冷ヘッド200と接し、冷液室24及び熱液室25はそれぞれ、液冷ヘッド200と連通される。第2のタンク蓋22は、第2のタンク本体21の上端を覆い第2のチャンバー23を密封し、第2のタンク蓋22の頂壁には、冷液室24及び熱液室25と連通した複数個の第2の流路管挿入口26が設けられ、上記第1の流路管31及び第2の流路管32の下端はそれぞれ、第2の流路管挿入口26に挿入され(図8に示す)、第1の流路管31の下端を冷液室24と連通させ、第2の流路管32の下端を熱液室25と連通させる。
【0017】
本発明は、上記第1の液体タンク10の上部タンク111及び下部タンク112の構造設計によって、第1の液体タンク10を、上部タンク111の高さが比較的小さく、下部タンク112が上部タンク111の底部から下方へ突出した構造として実施できるため、下部タンク112を下へ放熱流路管ユニット30の空間まで延びさせ、高さの比較的小さい上部タンク111のみを放熱流路管ユニット30(及び下記のファンの上)に残すので、液体冷却部100の高さ・体積を縮小でき、比較的小さいコンピュータの筐体内に取り付けられる。そして、図9に示したように、上記第1の液体タンク10の上部タンク111の前後端及び第2の液体タンク20の前後端はそれぞれ、放熱流路管ユニット30の表面と裏面から突出して、液体冷却部100の高さを増やすことなく液体冷却部100内により多くの作動液(水など)を収容でき、また、液体冷却部100の表面と裏面のそれぞれに内へ凹んだファン設置空間40を形成し、それぞれにファン400を収納することができる(図10及び図11に示す)。
【0018】
更に、図4図5及び図8に示したように、上記第1の液体タンク10における第1のタンク蓋12の内面は、第1のタンク本体11内に突き出る液体ポンプ台座121を有し、液体ポンプ台座121は円柱形であり、第1のタンク蓋12の外面には、内へ凹んだ、液体ポンプ台座121まで延びる液体ポンプチャンバー122が設けられ、これによって、液体ポンプ300は、第1のタンク蓋12の外面から液体ポンプチャンバー122に装入される。液体ポンプ台座121の端面には、液体ポンプチャンバー122と液体供給室116とを連通した液体供給口123、液体ポンプ台座121の側面には、バンプ124が設けられ、且つ、バンプ124には、液体ポンプチャンバー122と液体排出室117とを連通した液体排出口125が設けられている。また、上記第1の仕切板13は、T字形板として形成され、その長辺には、バンプ124の輪郭に対応する切欠131が設けられ、切欠131をバンプ124の周面と密着させ、第1の仕切板13の他のエッジを第1の上チャンバー113及び第1の下チャンバー114の内壁と密着させた。液体ポンプ300が作動する時、液体供給室116の作動液を液体供給口123から吸い込んでから、液体排出口125から液体排出室117に搬送し、作動液が液体冷却部100内で持続して循環流動させることができ、その循環流動は必ず液冷ヘッド200を通過し、チッププロセッサを冷却し、更に放熱流路管ユニット30によって放熱することができる。
【0019】
更に、図4図5及び図8に示したように、第1の液体タンク10の構造強度を向上させるために、上記第1のタンク本体11の上部タンク111の底壁には、第1の上チャンバー113に突出した第1の凸条118が設けられ、且つ、第1のタンク蓋12の頂壁には、第1の上チャンバー113に突出した第2の凸条126が設けられている。また、第1のタンク蓋12の頂壁には、第1の上チャンバー113と連通した液体注入口127が設けられ、液体注入口127の中には、分離可能なシール部品128(例えばシールねじなど)が結合されている。
【0020】
図7及び図8に示したように、液冷ヘッド200を通過して第2のタンク本体21の熱液室25に流れ込んだ熱作動液が隣接する冷液室24へ熱伝導することを防止するために、本発明の第2のタンク本体21における第2のチャンバー23の中には、空気断熱空間27が設けられ、空気断熱空間27は、第2のチャンバー23の中で一定の距離を離して設置された熱液仕切板271と冷液仕切板272とで構成され、空気断熱空間27によって第2のチャンバー23を冷液室24と熱液室25とに仕切りし、冷液室24の下端のタンク壁には、冷たい作動液を冷液室24から液冷ヘッド200に流入させる冷液流入口241が設けられ、熱液室25の下端のタンク壁には、熱い作動液を液冷ヘッド200から熱液室25に戻す熱液流出口251が設けられている。なかでも、第2のタンク本体21の好適な実施形態は、表面が上端から下端にかけて幅が狭くなる四角錐台をなし、第2のチャンバー23は、四角錐台に対応する錐台状チャンバーである。
【0021】
更に、図10及び図11に示したように、本発明の液体冷却部100の好適な実施例は、更に2つのファンシャーシ50を含み、2つのファンシャーシ50は、放熱流路管ユニット30の両側に結合され、これによって、1つ又は2つのファン400を上記液体冷却部100の表裏面のファン設置空間40に入れ、ファン400をそれぞれ2つのファンシャーシ50に固定し、ファン400が作動し送風する時、放熱流路管ユニット30だけでなく、放熱流路管ユニット30の上に下へ突き出た下部タンク112にも送風することができ、本発明の放熱効率を向上させる。
【符号の説明】
【0022】
100:液体冷却部
10 :第1の液体タンク
11 :第1のタンク本体
111:上部タンク
112:下部タンク
113:第1の上チャンバー
114:第1の下チャンバー
115:第1の流路管挿入口
116:液体供給室
117:液体排出室
118:第1の凸条
12 :第1のタンク蓋
121:液体ポンプ台座
122:液体ポンプチャンバー
123:液体供給口
124:バンプ
125:液体排出口
126:第2の凸条
127:液体注入口
128:シール部品
13 :第1の仕切板
131:切欠
L1 :厚さ
W1 :幅
20 :第2の液体タンク
21 :第2のタンク本体
22 :第2のタンク蓋
23 :第2のチャンバー
24 :冷液室
241:冷液流入口
25 :熱液室
251:熱液流出口
26 :第2の流路管挿入口
27 :空気断熱空間
271:熱液仕切板
272:冷液仕切板
30 :放熱流路管ユニット
31 :第1の流路管
32 :第2の流路管
33 :冷却フィン
40 :ファン設置空間
50 :ファンシャーシ
200:液冷ヘッド
300:液体ポンプ
400:ファン
【要約】      (修正有)
【課題】高さを縮小でき、液冷ラジエータ内部の作動液容量を増加できる一体型液冷ラジエータを提供する。
【解決手段】一体型液冷ラジエータは、液体冷却部100と、液冷ヘッド200と、液体ポンプ300と、を含む。液体冷却部100は、第1の液体タンク10と、第2の液体タンク20と、放熱流路管ユニット30と、を備える。第1の液体タンク10は、上部タンクと、上部タンクの下端から下方へ突出した下部タンクとが形成され、下部タンクの下端は、放熱流路管ユニット30の上端と結合され、第1の液体タンク10内の液体回収空間を第1の液体タンク10の下方に変更することで上部タンクの高さを縮小した。上部タンクと第2の液体タンク20の前後端を、放熱流路管ユニット30の表裏面から突出させ、液体冷却部100の表裏面にファン設置空間40を形成し、ファン400により同時に放熱流路管ユニット30及び下部タンクに送風して放熱する。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11