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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20241107BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A61M5/20
A61M5/142 522
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023515206
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2021012116
(87)【国際公開番号】W WO2022050817
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114111
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0133191
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523049225
【氏名又は名称】イオフロー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EOFLOW CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンハ
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ヒョンドク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンファン
(72)【発明者】
【氏名】パク,テジョン
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0073229(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体に装着されるニードル組立体と、
前記ニードル組立体に流体接続され、内部にプランジャを有するリザーバと、
前記プランジャを直線移動させる駆動ユニットと、
前記駆動ユニットの端部に配置され、前記駆動ユニットの回転を測定するエンコーダユニットとを含み、
前記エンコーダユニットは、
前記駆動ユニットの端部に装着され、前記駆動ユニットと共に回転するベースカバーと、
前記ベースカバーの一方側に接触するように接続された第1接触端と、
前記ベースカバーの他方側に配置され、前記駆動ユニットの回転に応じて前記ベースカバーに選択的に接触する第2接触端とを備え、
前記ベースカバーは、
回転する前記駆動ユニットの円周方向に延びるカバー段と、
前記カバー段から延びて、前記カバー段の円周方向に沿って互いから離隔して配置される複数の歯段とを備え、
前記駆動ユニットは、前記複数の歯段の隣接する前記歯段との間に配置される突出段を有し、前記突出段と前記歯段とが円周方向に段差を有するように前記突出段の高さが半径方向に変化し、
前記突出段は、一方側と他方側とにそれぞれ第1壁と第2壁とを有し、
前記第1壁の高さは、それぞれの前記歯段の高さよりも小さく、
前記第2壁の高さは、前記歯段の高さよりも大きく、
前記突出段の高さは、前記第1壁から前記第2壁まで増加
前記第1接触端及び第2接触端は弾性を有する、薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬液注入装置に関する。本開示はまた、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、インスリンの分泌量が不足したり、正常な機能が行われず、血糖が正常範囲外の兆候を引き起こす代謝障害である。糖尿病は、失明、腎不全、心不全、神経障害などの合併症により人体各組織に影響を及ぼす可能性がある複合病であり、糖尿病患者数は毎年増加しているという。
【0003】
糖尿病の場合、血糖測定器を用いて血糖を測定し、食事療法、運動プログラム、インスリン注射、経口糖尿薬などの適切な手段によって血糖を管理する必要がある。
【0004】
近年、薬液の過剰注入又は過少注入の有無をより正確に決定するための技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、安全に駆動され、正確に薬物を送達することができる薬液注入装置を提供する。さらに、本開示は、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供することにある。本実施形態が達成しようとする技術的課題は、上記の技術的課題に限定されず、以下の実施形態から他の技術的課題を推論することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、基体と、前記基体に装着されるニードル組立体と、前記ニードル組立体に流体接続され、内部にプランジャを有するリザーバと、前記プランジャを直線移動させる駆動ユニットと、前記駆動ユニットの端部に配置され、前記駆動ユニットの回転を測定するエンコーダユニットとを含む薬液注入装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態による薬液注入装置は、装置が正常に駆動されるか確認することができ、リザーバに貯蔵される薬液の注入量を測定することができる。エンコーダユニットは駆動ホイールの回転に関するデータを正確に測定し、薬液注入装置が正常に駆動されるかを検知することができる。また、エンコーダユニットが駆動ホイールの回転角を測定して、プランジャの移動距離を算出することができるので、薬液注入装置で薬液がユーザに注入された量を測定することができる。
【0008】
本発明の一実施形態による薬液注入装置は、エンコーダユニットが正確に駆動ホイールの回転を検知することができる。駆動ホイールと歯段との間に段差が配置されるので、エンコーダユニットは前記段差によって正確に電気的に接続されるか、電気的に短絡される。エンコーダユニットは電気的接続/短絡を正確に測定し、駆動ホイールの回転角を正確に測定し、薬液の注入量を正確に測定することができる。
【0009】
本発明の一実施形態による薬液注入装置は、エンコーダユニットで測定されたデータを用いて制御負荷を低減することができる。エンコーダユニットで測定されたON/OFF信号を起点として駆動ホイールの回転角を算出し、速やかに駆動ホイールの回転角、プランジャの移動距離、薬液の注入量などを算出することができる。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0010】
上述した本開示の課題を解決するための手段によれば、エンコーダユニットに対する変更前の接触パターンの確認回数に基づいて薬液の過剰注入又は過少注入を決定することにより、過剰注入又は過少注入をより正確に決定することができる。
【0011】
また、接触パターンの変更回数が予め設定された回数以上になるまで、変更前の接触パターンの確認回数をバッファに蓄積して保存し、バッファに保存された累積確認回数に基づいて薬液の過剰注入又は過剰注入を決定することにより、過剰注入又は過少注入をより正確に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による薬液注入システムを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による薬液注入装置を示す斜視図である。
図3図2の薬液注入装置の分解斜視図である。
図4図3の一部構成を示す斜視図である。
図5図4の一方側を示す斜視図である。
図6】リザーバの流量を検知する駆動を示す平面図である。
図7】リザーバの流量を検知する駆動を示す平面図である。
図8図5の駆動ユニットの端部の断面を示す断面図である。
図9図2の薬液注入装置の一部構成を示すブロック図である。
図10】リザーバに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
図11】リザーバに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
図12】リザーバに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
図13】リザーバに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
図14】薬液注入装置の駆動による薬液量の変化と駆動モードの変化を示すグラフである。
図15】エンコーダユニットの信号検知を示すグラフである。
図16】一実施形態による接触パターンが変更される時、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
図17】一実施形態による駆動ホイールが一回転する時、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明を実施するための最善の形態)
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の一態様は、基体と、前記基体に装着されるニードル組立体と、前記ニードル組立体に流体接続され、内部にプランジャを有するリザーバと、前記プランジャを直線移動させる駆動ユニットと、前記駆動ユニットの端部に配置され、前記駆動ユニットの回転を測定するエンコーダユニットとを含む薬液注入装置を提供する。
【0014】
また、前記エンコーダユニットは、前記駆動ユニットの端部に装着され、前記駆動ユニットと共に回転するベースカバーと、前記ベースカバーの一方側に接触するように接続される第1接触端と、前記ベースカバーの他方側に配置され、前記駆動ユニットの回転に応じて前記ベースカバーに選択的に接触する第2の接触端を備えてもよい。
【0015】
また、前記ベースカバーは、回転する前記駆動ユニットの円周方向に延びるカバー段と、前記カバー段から延びるものの、前記カバー段の円周方向に沿って互いに離隔して配置される複数の歯段とを備えてもよい。
【0016】
また、前記駆動ユニットは、隣接する歯段の間に配置された突出段を有し、前記突出段及び前記歯段は円周方向に段差を有してもよい。
【0017】
また、前記第1接触端及び第2接触端は弾性を有してもよい。
【0018】
本発明の他の態様は、基体と、基体に装着されるニードル組立体と、前記ニードル組立体と流体接続され、内部にプランジャを有するリザーバと、前記プランジャを直線移動させる駆動ユニットと、前記駆動ユニットの端部に配置され、駆動ユニットの回転を検知するエンコーダユニットと、前記エンコーダユニットで前記駆動ユニットの回転を検知したことに基づいて薬液の過剰注入又は過少注入を決定する制御モジュールとを含む薬液注入装置を提供することができる。
【0019】
本発明の他の態様は、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法において、エンコーダユニットで駆動ユニットの回転を検知したことに基づいて、エンコーダユニットに対する現在の接触パターンが第1接触パターンであると決定するステップと、前記現在の接触パターンが第1接触パターンに維持されているかどうかを確認して確認回数を算出するステップと、前記現在の接触パターンが前記第1接触パターンから第2接触パターンに変更されたことに応答して、前記第1接触パターンの前記確認回数を取得するステップと、前記確認回数に基づいて薬液の過剰注入又は過少注入を決定するステップとを含む方法を提供することができる。
【0020】
本発明の他の態様は、エンコーダユニットで駆動ユニットの回転を検知したことに基づいて、エンコーダユニットに対する現在の接触パターンが第1接触パターンであると決定するステップと、前記現在の接触パターンが第1接触パターンに維持されているかどうかを確認して確認回数を算出するステップと、前記現在の接触パターンが前記第1接触パターンから第2接触パターンに変更されたことに応答して、前記第1接触パターンの前記確認回数を取得するステップと、前記確認回数に基づいて薬液の過剰注入又は過少注入を決定するステップとを行うようにするプログラムが保存された1つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供することができる。
【0021】
(発明を実施するための形態)
以下では、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な異なる形態で実装することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されない。なお、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には類似の符号を付した。
【0022】
本明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとする場合、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。さらに、ある部分がある構成要素を「含む」と言う場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による薬液注入システム1を示すブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、薬液注入システム1は、薬液注入装置10、ユーザ端末20、コントローラ30、及び生体情報センサ40を備えることができる。薬液注入システム1は、ユーザ端末20を用いてユーザがシステムを駆動及び制御することができ、生体情報センサ40でモニタリングされる血糖情報に基づいて、薬液注入装置10から薬液を定期的に注入することができる。
【0026】
薬液注入装置10は、生体情報センサ40で検知されたデータに基づいて、ユーザに注入されるべき薬物、例えばインスリン、グルカゴン、麻酔剤、鎮痛剤、ドーパミン、成長ホルモン、禁煙補助剤などの薬物を注入する機能を行うこともある。
【0027】
また、薬液注入装置10は、装置のバッテリ残量情報、装置の起動の成否、注入の成否などを含む装置状態メッセージをコントローラ30に送ることができる。コントローラに送られたメッセージは、コントローラ30を介してユーザ端末20に送ることができる。あるいは、コントローラ30は、受信したメッセージを加工した改良データをユーザ端末20に送ることができる。
【0028】
一実施形態において、薬液注入装置10は、生体情報センサ40とは別に備えられ、対象から離隔して設けられてもよい。他の実施形態において、薬液注入装置10と生体情報センサ40とは、1つのデバイスに備えられてもよい。
【0029】
一実施形態において、薬液注入装置10は、ユーザの身体に装着されてもよい。また、他の実施形態において、薬液注入装置10は、動物にも装着され、薬液を注入することができる。
【0030】
ユーザ端末20は、薬液注入システム1を駆動及び制御するために、ユーザから入力信号の入力を受けることができる。ユーザ端末20は、コントローラ30を駆動する信号を生成し、コントローラ30を制御して薬液注入装置10を駆動することができる。また、ユーザ端末20は、生体情報センサ40で測定された生体情報を表示することができ、薬液注入装置10の状態情報を表示することができる。
【0031】
ユーザ端末20は、有無線通信環境で利用可能な通信端末を意味する。例えば、ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレットPC、PC、スマートテレビ、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ、メディアプレーヤ、マイクロサーバ、GPS(global positioning system)装置、電子書籍端末、デジタル放送用端末、ナビゲーション、キオスク、MP3プレーヤ、デジタルカメラ、家電機器、カメラ付きデバイス、及びその他のモバイル又は非モバイルコンピューティング装置であってもよい。また、ユーザ端末20は、通信機能及びデータ処理機能を備えた時計、メガネ、ヘッドバンド、指輪などのウェアラブルデバイスであってもよい。しかし、上述したように、インターネット通信が可能なアプリケーションを搭載した端末であれば制限なく用いることができる。
【0032】
ユーザ端末20は、予め登録されたコントローラ30と1対1に接続されてもよい。ユーザ端末20は、外部の装置によりコントローラ30が駆動及び制御されることを防止するために、コントローラ30に暗号化接続されてもよい。
【0033】
一実施形態において、ユーザ端末20とコントローラ30とは、それぞれ分離され、別の装置として備えられてもよい。例えば、コントローラ30は、薬液注入装置10が装着された対象者に備えられ、ユーザ端末20は、対象者又は第三者に備えられてもよい。保護者によりユーザ端末20が駆動されることによって、薬液注入システム1の安全性を高めることができる。
【0034】
他の実施形態において、ユーザ端末20とコントローラ30とは、1つのデバイスとして備えられてもよい。ユーザ端末20と一体に備えられたコントローラ30は、薬液注入装置10と通信して、薬物の注入を制御することができる。
【0035】
コントローラ30は、薬液注入装置10とデータを送受信する機能を行い、薬液注入装置10にインスリンなどの薬物の注入に関する制御信号を送信し、生体情報センサ40から血糖などの生体値の測定に関する制御信号を受信することができる。
【0036】
一例として、コントローラ30は、薬液注入装置10にユーザの現在の状態を測定するよう指示要求を送信し、指示要求に応答で薬液注入装置10から測定データを受信することができる。
【0037】
生体情報センサ40は、目的に応じて、ユーザの血糖値、血圧、心拍数などの生体値を測定する機能を行うことができる。生体情報センサ40で測定されたデータは、コントローラ30に送られ、測定されたデータに基づいて、薬物の周期及び/又は注入量が設定され得る。生体情報センサ40で測定されたデータは、ユーザ端末20に送られて表示されてもよい。
【0038】
一例として、生体情報センサ40は、対象の血糖量を測定するセンサであってもよい。持続血糖測定( Continuous Glucose Monitoring;CGM)センサであってもよい。持続血糖測定センサは、対象に取り付けられ、連続的に血糖量をモニタリングすることができる。
【0039】
ユーザ端末20、コントローラ30及び薬液注入装置10は、ネットワークを用いて通信を行うことができる。例えば、ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network;LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network;WAN)、付加価値通信ネットワーク(Value Added Network;VAL)、移動無線通信ネットワーク(mobile radio communication network)、衛星通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせを含み、各ネットワーク構成主体が互いに円滑に通信することができるようにする包括的な意味のデータ通信ネットワークであり、有線インターネット、無線インターネット、及びモバイル無線通信ネットワークを含んでもよい。また、無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth low energy)、ジグビー(ZigBee)、WFD(Wi-Fi Direct)、超広帯域無線通信(ultra wideband;UWB)、赤外線通信(infrared Data Association;IrDA)、近距離無線通信(Near Field Communication;NFC)、5Gなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態による薬液注入装置10を示す斜視図であり、図3は、図2の薬液注入装置10の分解斜視図であり、図4は、図3の一部構成を示す斜視図であり、図5は、図4の一方側を示す斜視図である。
【0041】
図2図5を参照すると、薬液注入装置10は、薬液を注入するユーザに取り付けられ、内部に貯蔵された薬液をユーザに設定された定量で注入することができる。
【0042】
薬液注入装置10は、注入される薬液の種類に応じて様々な用途に使用することができる。例えば、薬液には、糖尿病患者のためのインスリン系薬液が含まれ得、その他、膵臓のための薬液、心臓のための薬液、その他の様々な種類の薬液が含まれ得る。
【0043】
薬液注入装置10の一実施形態は、外側を覆うハウジング11と、ユーザの皮膚に隣接して位置する取付部12とを備えてもよい。薬液注入装置10は、ハウジング11と取付部12との間の内部空間に配置された複数の部品を含む。取付部12とユーザの皮膚との間には別の接合手段がさらに介在することができ、接合手段により薬液注入装置10は皮膚に固定されることができる。
【0044】
薬液注入装置10は、ニードル組立体100、リザーバユニット200、駆動モジュール300、バッテリ350、駆動ユニット400、クラッチユニット500、トリガ部材600、ニードルカバー組立体700、アラームユニット800及び複数のセンサユニットを含んでもよい。
【0045】
薬液注入装置10は、基体である少なくとも1つ以上の体が内部部品を支持するフレームを形成することができる。基体は、配置に応じて第1体13、第2体14、及び第3体15を有してもよい。
【0046】
第1体13はハウジング11の下に配置され、各開口又は溝にニードル組立体100、リザーバユニット200、駆動モジュール300、バッテリ350などを支持することができる。第2体14は、第1体13の下に配置され、取付部12と接続することができる。第2体14は、薬液注入装置10の下部を覆うことができる。第3体15は、第1体13の上側に配置され、各開口又は溝にリザーバユニット200、駆動モジュール300、バッテリ350、駆動ユニット400等を支持することができる。図面では、第1体13、第2体14及び第3体15を示しているが、これに限定されず、一体からなってもよく、複数からなってもよい。
【0047】
薬液注入装置10の内部には制御モジュール16を配置してもよい。第2体14の下には回路基板である制御モジュール16が配置され、薬液注入装置10の全体的な駆動を制御することができる。制御モジュール16は、駆動モジュール300、バッテリ350、アラームユニット800、及び複数のセンサユニットに電気的に接触して、それらの駆動を制御することができる。
【0048】
ニードル組立体100は、第1体13に装着されることができる。ニードル組立体100は、スリーブ110の回転によってニードルN及び/又はカニューレを軸方向に移動させることができる。
【0049】
ニードルNの一端は、リザーバユニット200に接続されて薬液が送達されることができ、他端はカニューレに挿入されてカニューレに沿って移動することができる。
【0050】
カニューレはニードルNを受け入れることができる導管形状を有するので、ニードルNから吐出された薬液をユーザに注入されることができる。
【0051】
カニューレはユーザの皮膚に挿入された状態を維持するが、ニードルNは上昇して対象から分離される。ただし、カニューレとニードルNとは流体が移動する経路を形成し、リザーバ210から注入された薬液はニードルNとカニューレを介してユーザに注入されることができる。
【0052】
薬液注入装置10は、ユーザがニードル組立体100を簡単に回転して、カニューレを対象に挿入し、薬液注入を開始することができる。
【0053】
リザーバユニット200は、第1体13及び第3体15に装着され、ニードル組立体100に接続される。リザーバユニット200は、内部空間に薬液Dが貯蔵され、プランジャ230の移動に応じて薬液をニードルNに定量で移動させることができる。リザーバユニット200は、リザーバ210、キャップカバー220、プランジャ230、シールリング240、及びコネクタ部材250を備えることができる(図6参照)。
【0054】
リザーバ210は長手方向に予め設定された長さに延びて、内部空間に薬液を貯蔵することができる。リザーバ210は、プランジャ230の移動により薬液がニードルNに吐出され得る。リザーバ210の端部にはキャップカバー220が装着され、キャップカバー220に配置された開口(図示せず)を介してロッド410及び/又は接続部材520が移動することができる(図10参照)。
【0055】
リザーバ210は入口端と出口端を有し得る。入口端には薬液が注入され、出口端にはニードルNが設けられ、ニードルNに薬液が排出されることができる。
【0056】
プランジャ230はリザーバ210の内部に配置され、駆動モジュール300及び駆動ユニット400の駆動により直線移動することができる。プランジャ230の前進に応じて、薬液は内部空間からニードルNに排出されることができる。
【0057】
プランジャ230は、端部231と傾斜面232とを有し得る。端部231は、リザーバ210の前方210Fに向かって移動し、薬液を移動させることができる。傾斜面232はリザーバ210の傾斜部に密着すれ得る。
【0058】
プランジャ230は、後方に延びるコネクタ部材250と接続することができる。コネクタ部材250はプランジャ230に設けられ、プランジャ230の直線移動に応じてともに直線移動することができる。
【0059】
コネクタ部材250は、導電性を有する材料で備えられて、シャフト形状を有し得る。コネクタ部材250が移動しながら第1センサユニット910Aと接触することにより、薬物の貯蔵量を測定したり、薬液注入装置10の駆動を開始することができる。
【0060】
コネクタ部材250はプランジャ230の後端に接続され、プランジャ230の移動に応じてともに移動することができる。図面では、コネクタ部材250がサフト形状を有することを示しているが、これに限定されず、第1センサユニット910Aと接触して電気的な信号を生成する様々な形態を有してもよい。
【0061】
薬液がリザーバ210に貯留され、プランジャ230が後退すると、コネクタ部材250はプランジャ230とともに後退することができる。また、薬液がリザーバ210からニードルNに吐出されるようにプランジャ230が前進すると、コネクタ部材250はプランジャ230とともに前進することができる。
【0062】
プランジャ230は、リザーバ210の内側壁に接触する部分にシールリング240が備えて、プランジャ230の移動する際に薬液が漏れるのを防止することができる。
【0063】
駆動モジュール300は駆動力を生成して駆動ユニット400に駆動力を伝達することができる。駆動ユニット400によって伝達された駆動力は、プランジャ230をリザーバ210内部に直線移動させて薬液を排出することができる。
【0064】
クラッチユニット500により、駆動ユニット400が互いに接続されると(engaged)、駆動モジュール300は駆動ユニット400の駆動ホイール420を回転させ、駆動ホイール420の回転により、ロッド410が直線移動してプランジャ230が移動することができる。プランジャ230が移動すると、コネクタ部材250もともに直線移動することができる。
【0065】
駆動モジュール300としては、電気により薬液の吸引力及び薬液の吐出力を有するあらゆる種類の装置を使用されることができる。例えば、機械変位型マイクロポンプや電磁運動型マイクロポンプなどのあらゆる種類のポンプが使用されることができる。機械変位型マイクロポンプは、流体の流れを誘導するために圧力差を起こすようにギヤやダイヤフラムなどの固体又は流体の動きを用いるポンプであり、容積式ダイヤフラムポンプ(Diaphragm displacement pump)、容積式流体ポンプ(Fluid displacement pump)、回転ポンプ(Rotary pump)などがある。電磁運動型マイクロポンプには、電気的又は磁気的形態のエネルギーを直ちに流体の移動に利用するポンプであり、電気流体力学ポンプ(Electro hydrodynamic pump,EHD)、電気浸透流ポンプ(Electro osmotic pump)、磁気流体力学ポンプ(Magneto hydrodynamic pump)、エレクトロウェッティングポンプ(Electro wetting pump)などがある。
【0066】
バッテリ350は、薬液注入装置10に電気を供給し、各部品を活性化することができる。図面においては、1対のバッテリ350を示すが、これに限定されるものではなく、薬液注入装置10の容量、使用範囲、使用時間などに応じて様々に設定することができる。
【0067】
バッテリ350は、駆動ユニット400に隣接して配置され、駆動ユニット400に電気を供給することができる。また、バッテリ350は、制御モジュール16に接続され、センサユニットで測定された電気的信号に基づいて、駆動ユニット400の回転数又は回転速度、リザーバ210に貯蔵された薬液量、ユーザに注入された薬液量などに関するデータを測定することができる。
【0068】
図10を参照すると、駆動ユニット400は、駆動モジュール300とリザーバユニット200との間に設けられ、駆動モジュール300によって生成された駆動力でリザーバ210内に配置されたプランジャ230を移動させることができる。ただし、駆動ユニット400は、ロッド410と駆動ホイール420とがクラッチユニット500によって結合又は接続されてこそ、プランジャ230を前進させることができる。
【0069】
ロッド410はプランジャ230に接続され、一方向に延びる。ロッド410はキャップカバー220の開口に挿入され、ロッド410はプランジャ230を移動させるためにリザーバ210の長手方向に移動することができる。ロッド410は表面にねじ山形状を有してもよい。ロッド410は接続部材520に挿入され、薬液を定量吐出する際には、クラッチユニット500によって駆動ホイール420と接続され、ロッド410が前方に移動することができる。
【0070】
駆動ホイール420は駆動モジュール300に駆動的に接続され、駆動モジュール300の駆動により回転することができる。駆動ホイール420は、第1接続端421と第2接続端422とを有し、内部にロッド410が移動可能な空間を備えることができる。第1接続端421及び第2接続端422の少なくとも一方は、コネクタCNによって駆動モジュール300と常に駆動的に接続されるので、駆動モジュール300の駆動により駆動ホイール420が回転することができる。
【0071】
一実施形態では、第1接続端421と第2接続端422はギヤ歯の形状を有してもよい。駆動モジュール300に接続されたコネクタCNはギヤ歯を加力して駆動ホイール420が回転することができる。
【0072】
詳細には、コネクタCNは、駆動モジュール300の直線往復運動に応じて回動軸を基準に繰り返し回動する。コネクタCNの端部は、第1接続端421及び第2接続端422の少なくとも一方を加力して駆動ホイール420を回転させることができる。例えば、コネクタCNの一端は第1接続端421を加力するように配置され、コネクタCNの他端は第2接続端422を加力するように配置され得る。
【0073】
コネクタCNが回動軸を中心に回動すると、第2センサユニット920はコネクタCNの駆動を測定することができる。第2センサユニット920は、コネクタCNとの接触有無を測定し、駆動モジュール300の駆動力が駆動ホイール420に伝達されるかを測定することができる。また、第2センサユニット920は、コネクタCNとの接触有無を測定して、駆動ホイール420の回転角度を測定することができる。
【0074】
クラッチユニット500は、駆動モジュール300と駆動ユニット400とを駆動的に接続することができる。クラッチユニット500は、ロッド410と駆動ホイール420との間に配置され、カプラ510と接続部材520とを備えてもよい。
【0075】
カプラ510は、接続部材520の外側に配置され、非活性化時には接続部材520と所定の間隔で離隔され(図10及び図11)、活性化時にはロッド410と駆動ホイール420とを接続することができる(図12及び図13)。カプラ510は、弾性力で接続部材520の外側を加力することができる部品であり、特定の形態に限定されない。ただし、以下では説明の便宜上、ばねの形態の場合を中心に説明する。
【0076】
接続部材520は、少なくとも一部がロッド410に挿入されるように配置することができる。接続部材520は、ロッド410の外側を覆うように配置される。接続部材520は、カプラ510の動作に応じて駆動モジュール300とロッド410とを接続することができる。
【0077】
一実施形態では、ロッド410及び接続部材520はそれぞれねじ及びねじ山の形態を有することができる。ロッド410の外周面にはねじ山が形成され、接続部材520の内周面にはねじ山が形成されて螺合の形態で接続されることができる。
【0078】
一実施形態では、接続部材520は、一端には内周面にねじ山が形成されているが、他端にはねじ山が配置されていなくてもよい。
【0079】
図10を参照すると、接続部材520の第1区間L1には内周面にねじ山が形成され、第1区間L1のみでロッド410と螺合される。また、第1区間L1の直径はロッド410に対応し、D1の大きさを有することができる。
【0080】
接続部材520の第2区間L2には、内周面にねじ山が形成されていない。また、第2区間L2の直径D2は、第1区間L1の直径D1より大きく設定することができる。第2区間L2では、接続部材520がロッド410と接触しない。
【0081】
第1区間L1の長さは、接続部材520が後方に移動するとカプラ510と重なるように設定することができる。図11及び図12を参照すると、プランジャ230が最後方に延びるとき、第1区間L1の少なくとも一部がカプラ510と重なるように、すなわち少なくとも一部がカプラ510に対向するように配置される。カプラ510が活性化時に、カプラ510が第1区間L1の少なくとも一部を把持するように、接続部材520で第1区間L1の長さを設定することができる。
【0082】
ロッド410は、接続部材520の第1区間L1のみで螺合されるので、接続部材520が回転してロッド410を前方に移動させる際に、接続部材520とロッド410との螺合による負荷を軽減することができる。
【0083】
図12及び図13のように、カプラ510が活性化すると、カプラ510は接続部材520を把持し、駆動ホイール420の回転に応じて接続部材520もともに回転する。接続部材520とロッド410とは、第1区間L1のみで螺合されているので、駆動ホイール420が少ないトルクで回転しても、接続部材520がロッド410を前方に移動させることができる。すなわち、第1区間L1のみでロッド410と接続部材520とが螺合するので、駆動ユニット400の駆動によってプランジャ230は多少弱い力によっても前方に移動することができる。
【0084】
トリガ部材600は、薬液注入装置10の薬液が注入される機械的信号を生成することができる。トリガ部材600は、第3体15の一方側に回動可能に配置され、トリガ部材600が回動して駆動モジュール300の駆動を開始し、同時にクラッチユニット500が駆動ユニット400を駆動接続することができる。
【0085】
トリガ部材600は、回転軸を中心に一方向に回転することができる。このとき、トリガ部材600はクラッチユニット500を加力してロッドと駆動ホイール420とを結合させることができる。
【0086】
詳細には、ユーザがニードル組立体100を回転させると、ニードル組立体100のノブがトリガ部材600の端部を加力して、トリガ部材600の回動が開始されることができる。トリガ部材600が回転すると、トリガ部材600がカプラ510の端部を加力し、カプラ510を接続部材520と係合させてクラッチユニット500が活性化される。
【0087】
ニードルカバー組立体700は、ニードル組立体100の下に装着されることができる。ニードルカバー組立体700は、薬液を注入する前にリザーバユニット200に貯蔵された空気をプライミング(Priming)することができる。薬液注入器NIを介して、薬液がリザーバ210に注入される際に、リザーバ210に残留するガス(空気)を外部に排出することができる。
【0088】
ニードルカバー組立体700は、第1カバー710、第2カバー720、フィルタ部材730、及び接着層740を有することができる。
【0089】
第1カバー710は、薬液注入装置10の下部に配置することができる。第1カバー710の開口には、第2カバー720を挿入して組み付けることができる。第1カバー710の一方側には、第2体14に挿入されてニードルカバー組立体700を固定する挿入突起711が配置されることができる。
【0090】
第2カバー720は、第1カバー710に組み付けられ、中央にニードルN及び/又はカニューレが整列されることができる。第2カバー720は中央に高さ方向に貫通し、薬液Dが貯蔵される貯蔵空間を有することができる。
【0091】
第1カバー710は、第2カバー720より剛性がさらに高い。第1カバー710は、外部に露出する部分であり、剛性が多少高い材料で形成される。第2カバー720は、第1カバー710に組み付けられ、第3体15の開口に挿入されるために第1カバー710より剛性が低い材料で形成される。
【0092】
第2カバー720の中央には、第3体15に挿入される突出部721が備えることができる。また、第2カバー720は固定突起722を備え、固定突起722が第1カバー710に挿入され、第1カバー710と第2カバー720とが組み付けられることができる。
【0093】
フィルタ部材730は、第2カバー720に装着される。フィルタ部材730は、第2カバー720の貯蔵空間の下に配置され、空気などのガスはフィルタ部材730を通過するが、薬液などの液体はフィルタ部材730を通過しない。したがって、ニードルNから吐出された空気はフィルタ部材730を通過して外部に排出されるが、ニードルから吐出された薬液は第2カバー720とフィルタ部材730で規定される貯蔵空間に貯蔵されることができる。
【0094】
フィルタ部材730は、貯蔵空間に貯蔵される薬液の量によって形状が変わることができる。例えば、貯蔵空間に薬液が充填されると、フィルタ部材730が下方向に膨張し、ユーザがニードルカバー組立体700に薬液が流入したのを認識することができる。
【0095】
接着層740は、ニードルカバー組立体700の一面に配置され、取付部12にニードルカバー組立体700を取り付けることができる。
【0096】
アラームユニット800は、薬液注入装置10の内部又は外部に配置され、薬液注入装置10の正常動作又は誤動作をユーザに知らせることができる。
【0097】
一例として、アラームユニット800はハウジング11の下に配置され、回路基板に接続される。アラームユニット800は、警告音を生成したり、光を生成して、外部ユーザにアラームを伝達することができる。
【0098】
図6及び図7は、リザーバ210の流量を検知する駆動を示す平面図であり、図8は、図2の薬液注入装置10の一部構成を示すブロック図であり、図9は、図2の薬液注入装置10の一部構成を示すブロック図である。
【0099】
図4図9を参照すると、複数のセンサユニットは薬液注入装置10の駆動を測定することができる。複数のセンサユニットは、リザーバ210の薬液の貯蔵量を測定したり、駆動モジュール300の駆動有無、駆動ユニット400の駆動有無、駆動ホイール420の回転角、プランジャ230の移動距離などを測定することができる。
【0100】
センサユニットはそれぞれ複数の接触端を有してもよい。接触端は、電気的接触の有無を測定してそれぞれのイベント又はデータを測定することができる。
【0101】
接触端は、他の部品との接触でいずれかの端部の位置を変更することができ、他の部品との接触が解除されると、復元力によって元の位置に戻ることができる。
【0102】
一実施形態として、接触端は弾性ばねの形態を有することができる。接触端は、第1端部900Aが回路基板である制御モジュール16と接続され、第2端部900Bが第1端部900Aから延びるもののコネクタ部材250と接触することができる。
【0103】
第1端部900Aの直径は、第2端部900Bの直径より大きく設定することができる。第1端部900Aの直径が第2端部900Bの直径より大きく形成されるので、第1端部900Aが回路基板にしっかりと支持されることができる。第1端部900Aは制御モジュール160に安定して支持され、第2端部900Bは容易に位置や形状が変形し、安定して他の部品との接触を維持することができる。
【0104】
第1端部900Aの長さは、第2端部900Bの長さより短く設定することができる。第1端部900Aの長さが第2端部900Bの長さより短いので、第1端部900Aが回路基板にしっかりと支持されることができる。第1端部900Aは制御モジュール160に安定して支持され、第2端部900Bは容易に位置や形状が変形し、安定して他の部品との接触を維持することができる。
【0105】
特に、第2端部900Bの直径が第1端部900Aの直径より小さいか、第2端部900Bの長さが第1端部900Aの長さよりも長く設定されるので、第2端部900Bがコネクタ部材250、ベースカバー933などの他の部品と接触しても、第2端部900Bが容易に位置や形状が変形し、安定して他の部品との接触を維持することができる。
【0106】
第1センサユニット910Aは、リザーバユニット200に隣接して配置される。第1センサユニット910Aは、コネクタ部材250の移動経路上に配置することができる。第1センサユニット910Aは複数の接触端を備えることができ、複数の接触端は第2体14の固定溝14Aに装着されることができる。コネクタ部材250が移動しながら複数の接触端のうちの少なくとも1つ以上と接触することができる。
【0107】
一実施形態では、第1センサユニット910Aは、第1接触端911と第2接触端912とを備えることができる。第1接触端911と第2接触端912は互いに離隔して配置され、コネクタ部材250が直線移動して第1接触端911及び/又は第2接触端912と接触することができる。
【0108】
コネクタ部材250は、第1位置P1で第1接触端911と接触し、第2位置P2で第2接触端912と接触することができる。
【0109】
図6図10及び図11を参照すると、薬液Dがリザーバ210に注入される過程において、コネクタ部材250は、第1位置P1で第1接触端911と先に接触して(プランジャ230はP-1位置)、その後コネクタ部材250は第2位置P2で第2接触端912と接触する(プランジャ230はP-2位置)。
【0110】
一実施形態では、コネクタ部材250は、第1接触端911と第2接触端912とを電気的に接続させることができる。第1接触端911と第2接触端912がコネクタ部材250を介して電気的に接続されると、制御モジュール16はリザーバユニット200の特定のイベントを認識することができる。
【0111】
例えば、コネクタ部材250が第1接触端911と第2接触端912とを接触すると、第1センサユニット910Aは、リザーバ210に貯蔵された薬液が第1基準量(一例として、10%、20%、30%など)で貯蔵されたものを検知することができる。
【0112】
リザーバ210に薬液Dが設定された第1基準量で貯蔵されたことを認識すると、制御モジュール16は薬液注入装置10を起こす(AWAKE)ことができる。すなわち、制御モジュール16は、リザーバ210にある程度の薬液が貯蔵されたことを確認し、一部の駆動を開始して薬液注入装置10を予熱することができる(第1モード)。
【0113】
他の実施形態では、コネクタ部材250が第1センサユニット910Aの接触端のうちの少なくとも1つと接触して電気的信号を生成することができる。コネクタ部材250が第1接触端911に接触すると、制御モジュール16は、第1イベントとして認識し、コネクタ部材250が第2接触端912に接触すると制御モジュール16は第2イベントとして認識することができる。
【0114】
例えば、コネクタ部材250が第1接触端911と接触して薬液注入装置10を起こすことができ、第2接触端912と接触して薬液注入装置10に貯蔵された薬液の貯蔵量を検知することができる。
【0115】
例えば、コネクタ部材250が第1接触端911と接触して薬液注入装置10を起こしながらリザーバ210に貯蔵された薬液量を1次的に検知することができ、第2接触端912と接触して薬液注入装置10に貯蔵される薬液の貯蔵量を2次的に検知することができる。
【0116】
図6図12及び図13のように薬液DがニードルNに排出される過程において、コネクタ部材250は第2位置P2で第2接触端912と先に接触が解除され、(プランジャ230はP-2位置)、その後コネクタ部材250は第1位置P1で第1接触端911と接触が解除される(プランジャ230はP-1位置)。
【0117】
一実施形態では、コネクタ部材250が第1接触端911と第2接触端912との接触を維持し、第2接触端912の接触が分離されると、第1接触端911と第2接触端912との電気的接続が解除される。第1接触端911と第2接触端912との電気的に接続が解除されると、制御モジュール16はリザーバユニット200の特定のイベントとして認識することができる。
【0118】
詳細には、第2接触端912が分離されると、制御モジュール16は、リザーバ210に貯蔵された薬液Dが十分でないという信号を生成することができる。制御モジュール16はアラーム信号を生成し、コントローラ30、ユーザ端末20及び/又はアラームユニット800に前記アラーム信号を伝達してユーザが薬液量を認識することができる。
【0119】
また、薬液注入装置10で第3モードが設定されると、第2センサユニット920及び/又はエンコーダユニット930を用いて、リザーバ210内でプランジャ230の前進距離を正確に測定し、リザーバ210の内部に貯蔵された薬液量を精密に測定及びモニタリングすることができる。
【0120】
他の実施形態では、コネクタ部材250は、第1センサユニット910Aの接触端のうちの少なくとも1つと接触を解除して互いに異なるイベントを認識することができる。コネクタ部材250が第2接触端912との接触を解除すると、制御モジュール16は第3イベントを認識し、コネクタ部材250が第2接触端912との接触を解除すると、制御モジュール16は第4イベントを認識することができる。
【0121】
例えば、コネクタ部材250が第2接触端912との接触を解除すると、制御モジュール16はユーザにアラーム信号を伝達することができ、第1接触端911との接触を解除すると制御モジュール16は、薬液注入装置10を強制的に終了したり、ユーザ端末20に続いてアラーム信号を生成したり、ユーザに注入される薬液の量を減らしたり、注入周期を延ばすことができる。
【0122】
図6に示すように、第1センサユニット910Aは、コネクタ部材250の長手方向の中心線CLから離間するものの、接触端の表面がコネクタ部材250の表面と接触するように配置されてもよい。
【0123】
コネクタ部材250は、中心線CLを基準に延びられ、中心線CLに沿って直線移動する。また、コネクタ部材250の外周面は、中心線CLにおいてt1の長さだけ離隔される。複数の接触端は、中心が中心線CLからt2だけ離隔され、複数の接触端の表面が中心線CLからt3だけ離隔される。
【0124】
t1の大きさはt3の大きさより大きく設定されるので、コネクタ部材250が中心線CLに沿って後方に移動すると、P1の点で第1接触端911と接触し、P2の点で第2接触端912と接触することができる。また、コネクタ部材250が中心線CLに沿って前方に移動すると、P2の点で第2接触端912と接触解除され、P1の点で第1接触端911と接触解除されることができる。
【0125】
第2センサユニット920は、駆動モジュール300及び/又は駆動ユニット400の駆動有無を検知することができる。駆動モジュール300と駆動ホイール420とは、コネクタCNによって駆動的に接続されている。駆動モジュール300が直線移動すると、コネクタが回動軸を中心に繰り返し回動し、コネクタCNの両端が駆動ホイール420の第1接続端421と第2接続端422を交互に加力して駆動ホイール420が回転する。第2センサユニット920は、コネクタCNが回動軸を中心に回動するか否か及び回動数を測定することができる。
【0126】
第2センサユニット920は、第1A接触端921と第2A接触端922を有することができる。コネクタCNが第1A接触端921に接触すると、第2センサユニット920は、コネクタCNが第1接続端421及び第2接続端422のいずれかを加力したものと測定する。第2センサユニット920は、コネクタCNが第2A接触端922に接触すると、コネクタCNが第1接続端421及び第2接続端422のうちの他方を加力したものと測定する。
【0127】
エンコーダユニット930は駆動ユニット400の一端に配置され、駆動ユニット400の回転を測定することができる。エンコーダユニット930は駆動ホイール420の回転を測定することができる。
【0128】
エンコーダユニット930は、第1B接触端931、第2B接触端932、及びカバー段933Aと歯段933Bとを有するベースカバー933を有することができる。
【0129】
第1B接触端931は、ベースカバー933の端部に配置され、常にベースカバー933と接触を維持することができる。第1B接触端931はカバー段933Aと接触を維持することができる。
【0130】
図面では、第1B接触端931が第2B接触端932とは反対側に配置されていることを示しているが、これに限定されない。例えば、第1B接触端931と第2B接触端932とが駆動ホイール420の同じ側に配置されてもよい。また、第1B接触端931は、駆動ホイール420の後方に配置されてもよい。
【0131】
第2B接触端932は、ベースカバー933の端部に配置され、第1B接触端931と離隔して配置される。第2B接触端932は、歯段933Bに接触するように配置され、駆動ホイール420の回転に応じて接触又は接触解除されることができる。
【0132】
ベースカバー933は駆動ホイール420の一端に挿入される。カバー段933Aは駆動ホイール420の外周面を一周するように延びているが、歯段933Bはカバー段933Aから延びるものの、複数が駆動ホイール420の外周面に沿って離間して配置されてもよい。歯段933Bは、カバー段933Aで駆動ホイール420の長手方向に沿って延びることができる。
【0133】
一実施形態では、歯段933Bの幅W1は、隣接する歯段間の距離W2より小さく設定されてもよい。W1の幅がW2の幅より短く設定されるので、第2B接触端932は、歯段933Bとの接触時に生成する誤差を低減することができる。
【0134】
図8を見ると、歯段933Bは、駆動ホイール420の突出段420Pの間の空間に挿入されることができる。突出段420Pは非導電性材料で形成され、歯段933Bは導電性材料で形成されるので、第2B接触端932が突出段420Pと接触すると第1B接触端931と第2B接触端932は電気的に接続されていないが、第2B接触端932が歯段933Bと接触すると、第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続されることができる。
【0135】
突出段420Pは第1壁420P-1と第2壁420P-2とを有し、第1壁420P-1と第2壁420P-2は歯段933Bと、境界を形成する。コネクタCNの回動に応じて、駆動ホイール420は図8と同様に反時計回りに移動する。
【0136】
突出段420Pは、半径方向への高さが駆動ホイール420の円周方向に沿って変化することができる。突出段420Pの高さは、半径方向に歯段933Bの底面から外周面までの距離として定義することができる。突出段420Pの高さが駆動ホイール420の円周方向に変化するので、歯段933Bと突出段420Pとは段差を形成し得る。
【0137】
一例として、第1壁420P-1の高さはr1と定義することができ、第2壁420P-2の高さはr2と定義することができる。r1はr2より小さく設定することができる。
【0138】
一例として、第1壁420P-1の高さr1は歯段933Bの高さTより小さく、第2壁420P-2の高さr2は歯段933Bの高さTより大きく設定することができる。
【0139】
一例として、突出段420Pの高さは、第1壁420P-1から第2壁420P-2に徐々へと増加することができる。
【0140】
一例として、第1壁420P-1はカバー段933Aの最外角線の半径方向の下に配置され、第2壁420P-2はカバー段933Aの最外角線の半径方向の上に配置される。したがって、突出段420Pは、一部がカバー段933Aの最外角線の下に配置され、他の一部がカバー段933Aの最外角線の上に配置される。
【0141】
駆動ホイール420が回転すると、第2B接触端932が歯段933Bと接触時に、第2B接触端932は一定の位置で歯段933Bと接触する。しかしながら、第2B接触端932が突出段420Pと接触時に、第2B接触端932は接触位置が変化しながら突出段420Pと接触する。
【0142】
駆動ホイール420が回転すると、第2B接触端932が歯段933Bと突出段420Pとの境界を通過する際に歯段933Bと突出段420Pとの段差によって、第2B接触端932の位置が変化する。
【0143】
詳しくは、第2B接触端932が歯段933Bで第1壁420P-1を通過する際に、j1の段差によって第2B接触端932の段差による位置変化と衝撃が発生する。第2B接触端932が第2壁420P-2で歯段933Bを通過する際に、j2の段差によって第2B接触端932の段差による位置変化と衝撃が発生する。
【0144】
第2B接触端932が歯段933Bに接触すると、第1B接触端931と第2B接触端932は電気的に接続され、エンコーダユニット930は電気的接続信号を検知する。駆動ホイール420がさらに回転して、第2B接触端932が突出段420Pに接触すると、第2B接触端932は電気的に分離される。エンコーダユニット930は、第1B接触端931と第2B接触端932との電気的接続及び分離の有無及び電気的接続の回数を測定し、駆動ホイール420の回転角、回転速度を測定することができる。
【0145】
エンコーダユニット930の検知精度を高めるためには、第2B接触端932が歯段933Bから第1壁420P-1に移動すると正確に電気的に短絡され、 第2B接触端932は、第2壁420P-2から歯段933Bに移動するときに正確に電気的に接続されなければならない。
【0146】
第2B接触端932が突出段420Pと歯段933Bとの間の段差j1及び/又はj2を通過するときに、第2B接触端932が急激に位置が変化するので、2B接触端932が正確に電気的短絡又は接続され、エンコーダユニット930の精度を高めることができる。
【0147】
図10図13は、リザーバ210に薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルNに排出する駆動を示す断面図であり、図14は、薬液注入装置10の駆動による薬液量の変化及び駆動モードの変化を示すグラフである。
【0148】
図10図14を参照すると、ユーザに薬液注入装置10を取り付ける前に、リザーバ210に薬液Dを貯蔵し、その後、リザーバ210からニードルNへ薬液Dを吐出して薬液Dをユーザに注入する過程を説明すると、次の通りである。
【0149】
<薬物貯蔵ステップ>
ユーザは、外部の薬液注入器(図示せず)を用いて薬液注入装置10のリザーバユニット200に薬液を注入する。図10を見ると、薬液を注入する前にリザーバ210の前端にプランジャ230が配置され、プランジャ230の後端にロッド410が接続部材520に組み付けられている。このとき、カプラ510は接続部材520を把持しないので、駆動ホイール420はロッド410と接続されない。
【0150】
ユーザは、薬液注入器(図示せず)に注入される薬液Dを入れ、前記薬液注入器をリザーバユニット200の入口端に挿入する。このとき、リザーバ210の内部に残留した空気はプライミングされ得る。
【0151】
詳しくは、リザーバユニット200の組み付け過程において、リザーバ210とプランジャ230との間に空気が残留する。空気がリザーバ210に残留した状態で薬液を注入すると、空気も一緒にユーザに注入される危険があるので、空気を除去する動作(プライミング動作)が必要である。
【0152】
薬液が薬液注入器からリザーバ210に流入し始めると、リザーバ210の内表面とプランジャ230との間に流入しながら残留したガスをニードルNに押し出す。このとき、案内溝211に沿ってガスが移動することができる。すなわち、リザーバ210の内部に残留したガスは、流入する薬液Dによって案内溝211の案内に従ってニードルNに排出されることができる。ニードルNを通過したガスは、ニードルカバー組立体700に移動し、ニードルカバー組立体700のフィルタ部材730を通過して外部に排出される。案内溝211の案内により、リザーバ210の内部に残留したガスは速やかに外部に排出され、リザーバ210のガスを除去することができる。
【0153】
薬液Dがリザーバ210に注入される量に応じて、第1センサユニット910Aを駆動することができる。
【0154】
薬液Dの注入に応じてプランジャ230がP-1点を通過すると、コネクタ部材250は第1位置P1で第1接触端911と接触する。その後、プランジャ230がP-2点を通過すると、コネクタ部材250は、第2位置P2で第2接触端912と接触する。
【0155】
一実施形態では、コネクタ部材250が第1接触端911と第2接触端912とを電気的に接続すると、第1モードが駆動される。第1モードは、薬液注入装置10を起こす(AWAKE)モードであり、その後、薬液注入装置10がユーザに取り付けられると、直ちに駆動されるように薬液注入装置10を予め予熱することができる。また、ユーザ端末20などを介してユーザにリザーバ210に薬液Dが予め設定された第1基準量が記憶されたことを知らせ、ユーザが薬液注入装置10を使用するように予め知らせることができる。
【0156】
他の実施形態では、コネクタ部材250が第1接触端911に接続されると制御モジュール16が第1イベントとして認識され、第2接触端912に接続されると制御モジュール16が第2イベントとして認識することができる。すなわち、コネクタ部材250がそれぞれの異なる接触端と接触すると、互いに異なるイベントを認識し、前記イベントをユーザに伝達することができる。
【0157】
<取付ステップ>
図11のように、リザーバ210に薬液Dが貯蔵されると、薬液注入装置10がユーザに取り付けられる。上述の薬物貯蔵段階でニードルカバー組立体700を介してリザーバ210にあったガスが除去(プライミング動作の完了)されたので、ニードルカバー組立体700は薬液注入装置10から除去される。
【0158】
ユーザは薬液注入装置10をユーザに取り付け、ニードル組立体100を回転させて、ニードルN及びカニューレを皮膚に挿入する。ニードルNはカニューレと共に皮膚に挿入され、カニューレが皮膚に挿入されることを誘導することができる。
【0159】
その後、ニードルNは皮膚から引き出されるものの、カニューレに接続された状態を維持する。ユーザがニードル組立体100をさらに回転すると、ニードルNはカニューレが皮膚に挿入された状態で上部に移動する。カニューレ及びニードルNは、少なくとも一部が接続され、薬液が移動する経路を形成及び維持する。
【0160】
<薬物注入ステップ-第2モード>
カニューレとニードルNがユーザに挿入される動作と実質的に同時に、駆動モジュール300及び駆動ユニット400が駆動される。薬液注入装置10は、第2モードで薬液Dを設定された周期及び注入量に応じてユーザに注入することができる。
【0161】
ユーザがニードルNとカニューレを皮膚に挿入するためにニードル組立体100を回転すると、トリガ部材600は駆動モジュール300を駆動させる。駆動モジュール300が駆動されると、コネクタCNは回転軸を中心に回転しながら駆動ホイール420を回転させる。コネクタCNは、第1接続端421及び第2接続端422を交互に加力しながら駆動ホイール420を1ティース単位で回転させることができる。
【0162】
ユーザがニードル組立体100を回転させると、トリガ部材600は図12に示すようにカプラ510を活性化させることができる。カプラ510が接続部材520の外側を把持すると、駆動ホイール420、カプラ510、接続部材520は1つの体に一体化される。したがって、駆動ホイール420が回転すると、接続部材520もともに回転し、ロッド410は前方に移動する。
【0163】
ロッド410が前方に移動すると、プランジャ230もともに前方に移動しながら、薬液をニードルNに排出させることができる。したがって、設定された駆動モジュール300の駆動周期、駆動速度に応じて薬物をユーザに注入することができる。
【0164】
このとき、第2センサユニット920はコネクタCNの回動を測定することができる。第2センサユニット920の第1A接触端921と第2A接触端922は、対応するコネクタCNの端部と交互に接触する。第2センサユニット920は、第1A接触端921とコネクタCNの一端との接触することを検知し、第2A接触端922とコネクタCNの他端との接触を検知する。
【0165】
一実施形態では、第2センサユニット920の接触端とコネクタCNとが接触すると、第2センサユニット920は電気的信号を検知することができる。他の実施形態では、第2センサユニット920の接触端とコネクタCNとが接触すると、第2センサユニット920は衝撃によるインパクト信号を検知することができる。
【0166】
第2センサユニット920は、コネクタの回動を測定したデータに基づいて駆動モジュール300とコネクタCNの駆動有無を測定したり、コネクタCNによって駆動ホイール420の駆動有無を測定したり、駆動ホイール420の回転角及び/又は回転速度を測定したり、駆動ホイール420の回転によってプランジャ230の移動距離及び薬液の注入量を測定することができる。
【0167】
駆動ホイール420が回転すると、エンコーダユニット930は、駆動ホイール420の回転角、回転速度などを測定することができる。第1B接触端931はカバー段933Aと電気的接触を維持するが、第2B接触端932は歯段933Bと電気的接触を維持するが、歯段933Bを離れると電気的接触が解除されうる。
【0168】
エンコーダユニット930は、電気的に接続信号及び/又は電気的に解放信号を測定し、駆動ホイール420の回転に関するデータを測定することができる。制御モジュール16は、エンコーダユニット930で測定されたデータに基づいて駆動ホイール420の回転角、回転速度を算出し、これに基づいてプランジャ230の移動距離及び薬液の吐出量を計算することができる。
【0169】
<薬物注入ステップ-第3モード>
プランジャ230がP-2位置に位置し、コネクタ部材250が第2位置P2に位置する場合、第1センサユニット910Aで第1接触端911と第2接触端912が電気的に分離する。制御モジュール16は、第1センサユニット910Aが電気的に解除されると第3モードを活性化することができる。
【0170】
第3モードにおいて、制御モジュール16は、ユーザ端末20、コントローラ30、及び/又はアラームユニット800を介してユーザに貯蔵された薬液の量が第2基準量に該当するというアラーム信号を伝達することができる。第2基準量は、第3モードの駆動時点で駆動モジュール300が認識する薬液の量として定義することができる。制御モジュール16は、リザーバ210に残った薬液の量が予め設定された第2基準量であることをユーザに伝達し、ユーザは薬液注入装置10を交換する準備をすることができる。
【0171】
一実施形態では、第1基準量は、第2基準量と同じ薬液貯蔵量に設定してもよい。プランジャ230が前進又は後退移動し、コネクタ部材250が第2接触端912と接触又は接触解除する際に、リザーバ210におけるプランジャ230の位置は同じであるので、第1基準量と第2基準量は同じに設定することができる。
【0172】
別の実施形態では、第1基準量は、第2基準量より多い薬液貯蔵量に設定されてもよい。第1基準量は、第1モードの駆動のために設定される基準値であり、リザーバ210に貯蔵される薬液の量と実質的に同じに設定することができる。第2基準量は、第3モードの開始時点で駆動モジュール300が認識する薬液の量であり、実際にリザーバ210に残っている薬液の量より少なく設定されマージンを有することができる。
【0173】
実際のリザーバ210に貯蔵された薬液量より第2基準量が少なく設定されるので、実際のリザーバ210には、実際の薬液残量と第2基準量との差に該当するマージンを有することになる。たとえ薬液注入装置10で薬液がないことを知らせても、リザーバ210に残された薬液をさらに利用することができ、突然の薬液の断絶や事故をなくし、薬液注入装置10の安全性を高めることができる。
【0174】
第3モードでは薬液の残量が重要であるため、制御モジュール16は、第3モードで非常に精密に薬液の注入量、リザーバ210に薬液の残量を計算することができる。第3モードになると、第2センサユニット920とエンコーダユニット930で取得したデートに基づいて、制御モジュール16は駆動ホイール420の回転角、プランジャ230が移動距離を正確に測定して、薬液の吐出量及びリザーバ210に残された薬液量を厳密に計算することができる。第3のモードで正確に計算された薬液の残量はリアルタイムでユーザに伝達され、ユーザが危険を認識することができる。
【0175】
一実施形態として、薬液注入装置10は、第3のモードでのみリザーバ210に残された薬液の量を正確に計数することができる。第2モードでは、リザーバ210に貯蔵された薬液の量が予め設定された範囲(すなわち、第2基準量)を超えるので、リザーバ210にある薬液の量は精密に計数しないが、第3モードではリザーバ210に貯蔵された薬液の量を定量的に計数することができる。薬液注入装置10に貯蔵された薬液の量は、アラームが必要なレベルでのみ薬液の貯蔵量を精密に計数するので、薬液注入装置10の制御負荷を低減することができる。
【0176】
図15は、エンコーダユニット930の信号検知を示すグラフである。
【0177】
図8及び図15を参照すると、エンコーダユニット930は電気的接続信号を測定して、駆動ホイール420の回転角、回転速度などのデータを測定することができる。
【0178】
制御モジュール16は、エンコーダユニット930で測定されたデータに基づいて、リザーバ210に貯蔵された薬液の量、ユーザに注入された薬液の量を正確に算出することができる。
【0179】
エンコーダユニット930は電気的接続がON/OFFされるので、ONの時点(i)及び/又はOFFの時点(j)を基準に駆動ホイール420の回転角を測定することができ、制御モジュール16の負荷を低減することができる。
【0180】
具体的には、制御モジュール16は、エンコーダユニット930に対する接触パターンを決定することができる。図5を参照すると、エンコーダユニット930は、第1B接触端931、第2B接触端932、及びカバー段933Aと歯段933Bとを有するベースカバー933を有することができる。第1B接触端931は、ベースカバー933の端部に配置され、常にベースカバー933と接触を維持することができる。第1B接触端931はカバー段933Aと接触を維持することができる。
【0181】
第2B接触端932は、ベースカバー933の端部に配置され、第1B接触端931と離隔して配置される。第2B接触端932は、歯段933Bに接触するように配置され、駆動ホイール420の回転に応じて接触又は接触解除されることができる。
【0182】
一実施形態では、第1B接触端931がベースカバー933のカバー段933Aと接触を維持した状態で、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触する場合、制御モジュール16は現在の接触パターンを第1接触パターンとして決定することができる。第1接触パターンは、第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続された状態であり、このとき制御モジュール16は高(high)信号を受信することができる。
【0183】
また、第1B接触端931がベースカバー933のカバー段933Aと接触を維持した状態で、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触解除された場合、制御モジュール16は現在の接触パターンを第2接触パターンとして決定することができる。第2接触パターンは、第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続されていない状態であり、このとき制御モジュール16は低(low)信号を受信することができる。
【0184】
図8を参照すると、歯段933Bは、駆動ホイール420の突出段420Pの間の空間に挿入されることができる。突出段420Pは非導電性材料で形成され、歯段933Bは導電性材料で形成されるので、第2B接触端932が突出段420Pと接触するときには第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続されないが、第2B接触端932が歯段933Bと接触するときには、第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続されることができる。
【0185】
図15を参照すると、接触パターンは、第2接触パターンから第1接触に変更されたときは電気的接続がONされるON時点(i)に該当し、第1接触パターンから第2接触に変更されるときは電気的接続がOFFされるOFF時点(j)に該当することができる。
【0186】
制御モジュール16は、現在の接触パターンが第1接触パターン又は第2接触パターンに維持されるか否かを確認し、確認回数を算出することができる。具体的には、制御モジュール16は、駆動ホイール420の歯が1回移動するたびにエンコーダユニット930に電流を印加して高(high)信号又は低(low)信号を受信することができる。
【0187】
第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続された場合、制御モジュール16は高(high)信号を受信することができる。また、第1B接触端931と第2B接触端932が電気的に接続されていない場合、制御モジュール16は低(low)信号を受信することができる。高(high)信号を受信した場合、制御モジュール16は現在の接触パターンが第1接触パターンであると決定し、低(low)信号を受信した場合、制御モジュール16は現在の接触パターンが第2接触パターンであると決定することができる。
【0188】
例えば、駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動し、駆動ホイール420の周りに突出段420Pと歯段933Bが交互にそれぞれ4つずつ位置することができる。この場合、駆動ホイール420が一輪回転するとき、接触パターンが8回変更する。すなわち、1つの接触パターンは歯12.5回の移動に該当する。このとき、1つの接触パターンに対する確認回数が13回を超える場合、駆動ホイール420が意図されたものより少なく回転したことを示し、これは薬液が過少注入された状況に該当する。他の例として、1つの接触パターンに対する確認回数が12回未満の状況で他の接触パターンが確認された場合、駆動ホイール420が意図されたものより多く回転したことを示し、これは薬液が過剰注入された状況に該当する。
【0189】
以下では、薬液が過少注入又は過剰注入された状況を判別する方法について具体的に説明する。
【0190】
図16は、一実施形態による接触パターンが変更されるとき、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0191】
図16を参照すると、ステップ1610において、H、L、Cはすべて0(ゼロ)に設定される。Hは第1接触パターンの確認回数を示し、Lは第2接触パターンの確認回数を示し、Cは過剰注入又は過少注入を判断するために用いられる評価値を示す。
【0192】
ステップ1620において、駆動モジュール300を駆動することができる。
【0193】
駆動モジュール300が駆動されることにより、リザーバ210に貯蔵された薬液が薬液注入器NIを通じて外部に排出される。駆動モジュール300が1回駆動されると、駆動モジュール300に接続された駆動ユニット400の駆動ホイール420の歯が1回移動する。
【0194】
ステップ1630において、制御モジュール16は現在の接触パターンを決定することができる。
【0195】
制御モジュール16は、駆動ホイール420の歯が1回移動するたびにエンコーダユニット930に電流を印加して高(high)信号又は低(low)信号を受信することができる。高(high)信号を受信した場合、制御モジュール16は現在の接触パターンが第1接触パターンであると決定し、低(low)信号を受信した場合、制御モジュール16は現在の接触パターンが第2接触パターンであると決定することができる。
【0196】
第1B接触端931がベースカバー933のカバー段933Aと接触を維持した状態で、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触した場合、制御モジュール16は、現在の接触パターンを第1接触パターンとして決定することができる。また、第1B接触端931がベースカバー933のカバー段933Aと接触を維持した状態で、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触解放された場合、制御モジュール16は現在の接触パターンを第2接触パターンとして決定することができる。
【0197】
現在の接触パターンが第1接触パターンである場合、ステップ1640に進む。一方、現在の接触パターンが第2接触パターンである場合、ステップ1650に進む。
【0198】
ステップ1640において、制御モジュール16は、現在の接触パターンが第1接触パターンから第2接触パターンに変更されたか否かを決定することができる。
【0199】
すなわち、Lは第2接触パターンの確認回数を示すので、L値が0より大きい値を有することは、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触解除されたことを意味する。
【0200】
第1接触パターンから第2接触パターンに変更されずに第1接触パターンが維持され続ける場合、すなわちL値が0である場合、ステップ1641に進む。
【0201】
ステップ1620において、駆動モジュール300が駆動され、駆動ユニット400の駆動ホイール420の歯が1回移動した後も依然として第1接触パターンが維持されているので、制御モジュール16がエンコーダユニット930に電流を印加すると、高(high)信号を受信する。
【0202】
ステップ1641において、制御モジュール16は、高(high)信号を受信したことに応答して、第1接触パターンの確認回数、すなわちH値を1だけ増加させることができる。制御モジュール16はL値を0に維持する。
【0203】
ステップ1641の後、再びステップ1620に戻る。
【0204】
一方、現在の接触パターンが第1接触パターンから第2接触パターンに変更された場合、ステップ1640からステップ1642に進む。
【0205】
ステップ1642において、制御モジュール16は、過剰注入又は過少注入を判断するために用いられる評価値であるC値に、第1接触パターンの確認回数であるH値を代入することができる。
【0206】
制御モジュール16は、C値に基づいて過剰注入又は過少注入を判断することができる。例えば、駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動し、駆動ホイール420が一輪回転するときに接触パターンが8回変更される場合、接触パターンは歯12.5回移動に該当する。C値が13回を超える場合、制御モジュール16は薬液が過少注入されたと決定することができる。あるいは、C値が12回未満の場合、制御モジュール16は薬液が過剰注入されたと決定することができる。
【0207】
図16には示されていないが、過剰注入又は過少注入と判断された場合、制御モジュール16は薬液注入装置10の動作を停止するか、又はユーザにアラームを通知して薬液注入装置10の動作を停止するように誘導することができる。
【0208】
過剰注入及び過少注入に該当しない場合、ステップ1643に進む。
【0209】
ステップ1643において、制御モジュール16は、第1接触パターンの確認回数H値を0にリセットし、第2接触パターンの確認回数L値を1に設定することができる。
【0210】
ステップ1643の後、再びステップ1620に戻る。
【0211】
再びステップ1630に戻ると、現在の接触パターンが第2接触パターンである場合、ステップ1650に進む。
【0212】
ステップ1650において、制御モジュール16は、現在の接触パターンが第2接触パターンから第1接触パターンに変更されたかどうか否かを決定することができる。
【0213】
すなわち、Hは第1接触パターンの確認回数を表すので、H値が0より大きい値を有することは、第2B接触端932がベースカバー933の歯段933Bと接触したことを意味する。
【0214】
第1接触パターンから第2接触パターンに変更された場合、すなわち、H値が0である場合、ステップ1651に進む。
【0215】
ステップ1620において、駆動モジュール300が駆動され、駆動ホイール420の歯が1回移動した後も依然として第2接触パターンが維持されているので、制御モジュール16がエンコーダユニット930に電流を印加すると、低(low)信号を受信する。
【0216】
ステップ1651において、制御モジュール16は、低(low)信号を受信したことに応答して、第2接触パターンの確認回数、すなわち、L値を1だけ増加させることができる。制御モジュール16はH値を0に維持する。
【0217】
ステップ1651の後、再びステップ1620に戻る。
【0218】
一方、現在の接触パターンが第2接触パターンから第1接触パターンに変更された場合、ステップ1650からステップ1652に進む。
【0219】
ステップ1652において、制御モジュール16は、過剰注入又は過少注入を判断するために利用される評価値であるC値に、第2接触パターンの確認回数であるL値を代入することができる。
【0220】
制御モジュール16は、C値に基づいて過剰注入又は過少注入を判断することができる。ステップ1642の説明部分の例を再び利用すると、C値が13回を超える場合、制御モジュール16は薬液が過少注入されたと判断することができる。あるいは、C値が12回未満の場合、制御モジュール16は薬液が過剰注入されたと決定することができる。
【0221】
図16には示されていないが、過剰注入又は過少注入と判断された場合、制御モジュール16は薬液注入装置10の動作を停止するか、又はユーザにアラームを通知して薬液注入装置10の動作を停止するように誘導することができる。
【0222】
過剰注入及び過少注入に該当しない場合、ステップ1653に進む。
【0223】
ステップ1653において、制御モジュール16は、第2接触パターンの確認回数L値を0にリセットし、第1接触パターンの確認回数H値を1に設定することができる。
【0224】
ステップ1653の後、再びステップ1620に戻る。
【0225】
図17は、一実施形態による駆動ホイールが一輪回転するとき、薬液の過剰注入又は過少注入を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0226】
図17のステップ1710、1720、1730、1740、1741、1750及び1751は、それぞれ図16のステップ1610、1620、1630、1640、1641、1650及び1651と説明が重複するので、図17の部分では説明を省略する。
【0227】
ステップ1740において、現在の接触パターンが第1接触パターンである場合、制御モジュール16は、現在の接触パターンが第1接触パターンから第2接触パターンに変更されたか否かを決定することができる。
【0228】
現在の接触パターンが第1接触パターンから第2接触パターンに変更された場合、ステップ1740からステップ1742に進む。
【0229】
ステップ1742において、制御モジュール16は、変更前の接触パターンである第1接触パターンの確認回数H値をバッファに保存することができる。
【0230】
あるいは、ステップ1740において、現在の接触パターンが第2接触パターンである場合、制御モジュール16は、現在の接触パターンが第2接触パターンから第1接触パターンに変更されたかどうか否かを決定することができる。
【0231】
現在の接触パターンが第2接触パターンから第1接触パターンに変更された場合、ステップ1750からステップ1742に進む。
【0232】
ステップ1742において、制御モジュール16は、変更前の接触パターンである第2接触パターンの確認回数L値をバッファに保存することができる。
【0233】
制御モジュール16は、接触パターンの変更回数が予め設定された回数以上になるまで、変更前の接触パターンの確認回数をバッファに蓄積して保存することができる。
【0234】
例えば、予め設定された回数は、駆動ホイール420が一輪回転する過程で接触パターンが変更される回数であり得る。具体的には、駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動し、駆動ホイール420の周りに突出段420Pと歯段933Bとが交互にそれぞれ4つずつ位置することができる。この場合、駆動ホイール420が一輪回転すると、接触パターンが8回変更する。この場合、予め設定された回数は8回とすることができる。
【0235】
接触パターンの変更回数が予め設定された回数以上になった場合、ステップ1743に進む。
【0236】
ステップ1743において、制御モジュール16は、過剰注入又は過少注入を判断するために利用される評価値であるC値に、バッファに保存された累積確認回数を代入することができる。
【0237】
制御モジュール16は、C値に基づいて過剰注入又は過少注入を判断することができる。上述した例では、C値が101回以上の場合、制御モジュール16は薬液が過少注入されたと判断することができる。あるいは、C値が99回以下である場合、制御モジュール16は、薬液が過剰注入されたと決定することができる。
【0238】
図17には示されていないが、過剰注入又は過少注入と判断された場合、制御モジュール16は薬液注入装置10の動作を停止するか、又はユーザにアラームを通知して薬液注入装置10の動作を停止するように誘導することができる。
【0239】
過剰注入及び過少注入に該当しない場合は、ステップ1744又はステップ1745に進む。現在の接触パターンが第1接触パターンである場合、ステップ1744に進み、現在の接触パターンが第2接触パターンである場合はステップ1745に進むことができる。
【0240】
ステップ1744において、制御モジュール16は、第1接触パターンの確認回数H値を0にリセットし、第2接触パターンの確認回数L値を1に設定することができる。
【0241】
ステップ1745において、制御モジュール16は、第1接触パターンの確認回数L値を0にリセットし、第2接触パターンの確認回数H値を1に設定することができる。
【0242】
ステップ1744及びステップ1745の後、再びステップ1720に戻る。
【0243】
一方、制御モジュール16は、過少注入と過剰注入のそれぞれを判断するにあたって異なる方法を適用することができる。
【0244】
例えば、制御モジュール16は、駆動モジュール300が駆動され、駆動ユニット400の駆動ホイール420の歯が1回移動するたびに薬液の過少注入を判断することができる。すなわち、制御モジュール16は、接触パターンを確認するたびに薬液の過少注入を判断することができる。また、制御モジュール16は、駆動ホイール420が一輪回転する度に薬液の過剰注入を判断することができる。
【0245】
具体的には、制御モジュール16は、エンコーダユニット930に対する現在の接触パターンが第1接触パターン又は第2接触パターンであると決定することができる。
【0246】
制御モジュール16は、現在の接触パターンが第1の接触パターン又は第2の接触パターンに維持されていることを確認し、確認回数を計算することができる。
【0247】
制御モジュール16は、現在の接触パターンが第1接触パターンから第2接触パターンに変更されるか、又は第2接触パターンから第1接触パターンに変更されたことに応答して、変更前の接触パターンの確認回数をバッファに保存することができる。
【0248】
制御モジュール16は、接触パターンの変更回数が予め設定された回数以上になるまで確認回数をバッファに蓄積して保存することができる。制御モジュール16は、接触パターンの変更回数が予め設定された回数以上になったことに応答して、バッファに蓄積された累積確認回数に基づいて薬液の過剰注入を決定することができる。
【0249】
制御モジュール16は、駆動ホイール420が一輪回転するたびに、バッファに蓄積された累積確認回数に基づいて薬液が過剰注入されたか否かを決定することができる。制御モジュール16は、累積確認回数を第2評価値(C2値)に代入し、C2値に基づいて薬液の過剰注入の有無を決定することができる。
【0250】
例えば、予め設定された回数は、駆動ホイール420が一輪回転する過程で接触パターンが変更した回数であり得る。具体的には、駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動し、駆動ホイール420の周りに突出段420Pと歯段933Bが交互にそれぞれ4つずつ位置することができる。この場合、駆動ホイール420が一輪回転するとき、接触パターンが8回変更する。この場合、予め設定された回数は8回とすることができる。C2値が99回以下である場合、制御モジュール16は薬液が過剰注入されたと決定することができる。このとき、C2値が101回以上の場合、制御モジュール16は薬液が過少注入されたと決定することができる。あるいは、C2値が101回以上の場合の判断は省略することができる。
【0251】
また、制御モジュール16は、接触パターンの変更回数が「予め設定された回数-1」の場合のバッファに累積された累積確認回数と、現在の接触パターンの確認回数との和に基づいて薬液の過少注入の有無を決定することができる。制御モジュール16は、前記合算回数を第1評価値(C1値)に代入し、C1値に基づいて薬液の過少注入の有無を決定することができる。
【0252】
例えば、駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動し、駆動ホイール420が一輪回転するときに接触パターンが8回変更される場合、接触パターンは歯12.5回移動に該当する。この場合、予め設定された回数は8回になり、「予め設定された回数-1」は7回になることができる。制御モジュール16は、接触パターンが7回変更する間にバッファに保存された累積確認回数と現在の接触パターンに対する確認回数との和に基づいて薬液の過少注入を決定することができる。
【0253】
具体的には、1つの接触パターンが歯12.5回移動に該当するので、接触パターンが7回変更する間に歯は平均して87.5回移動することができる。すなわち、小数点の最初の桁に丸め又は切り捨てを適用すると、C1値は「87回+現在の接触パターンに対する確認回数」又は「88回+現在の接触パターンに対する確認回数」であり得る。駆動ホイール420が一輪回転するために駆動ホイール420の歯が100回移動しなければならないので、C1値が101回以上である場合、制御モジュール16は薬液が過少注入されたと決定することができる。このとき、C1値が99回以下の場合の判断は省略することができる。
【0254】
薬液が過少注入される状況では、駆動ホイール420の歯の移動が遅れることになるが、駆動ホイール420が一輪回転する時又は接続パターンが変更されたときを基準に薬液の過少注入の有無を判断する場合、過少注入の有無を遅く認識することができる。また、駆動ホイール420の歯の移動が中断された場合、過少注入の有無を判断できない状況が発生する可能性がある。このような点を考慮して、本発明では、薬液過少注入の有無は接触パターンを確認する度に判断し、薬液過剰注入の有無は駆動ホイール420が一輪回転するたびに、判断することにより上述した問題点を全て解決することができる。
【0255】
本開示の様々な実施形態は、機器(machine)によって読み取り可能な記憶媒体(storage medium)に記憶された1つ又は複数の命令語を含むソフトウェア(例えば、プログラム)として実装することができる。例えば、機器のプロセッサは、記憶媒体から記憶された1つ又は複数の命令語のうちの少なくとも1つの命令を呼び出し、それを実行することができる。これにより、機器は、呼び出された少なくとも1つの命令語に従って少なくとも1つの機能を行うように運営することを可能にする。前記1つ又は複数の命令語は、コンパイラによって生成されたコード又はインタプリタによって実行され得るコードを含み得る。機器で読み取り可能な記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態で提供することができる。ここで、「非一時的」とは、記憶媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例えば,電磁波)を含まないことを意味するだけであり、この用語は、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場合と一時的に記憶される場合を区別しない。
【0256】
一実施形態によれば、本開示の様々な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購入者との間で取引することができる。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取り可能な記憶媒体(例えば、compact disc read only memory:CD-ROM)の形態で配布されるか、又はアプリケーションストア(例えば、プレイストアTM)を介して、又は2つのユーザ装置間で直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロード又はアップロード)することができる。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、メーカーのサーバ、アプリケーションストアのサーバ、又は中継サーバのメモリなどの機器で読み取り可能な記憶媒体に少なくとも一時的に記憶するか、一時的に生成することができる。
【0257】
さらに、本明細書において、「部」は、プロセッサ又は回路などのハードウェア構成(hardware component)、及び/又はプロセッサなどのハードウェア構成によって実行されるソフトウェア構成(software component)であり得る。
【0258】
本実施形態の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上利用可能性】
【0259】
本発明の一実施形態によれば、薬液注入装置は様々な産業上利用可能な装置に適用することができる。様々な薬物を送達する装置に適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17