(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】試料収集本体に取り付けるための無線トランスポンダ付き試料ホルダ
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20241107BHJP
G01N 1/04 20060101ALI20241107BHJP
C12N 5/071 20100101ALI20241107BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
C12M1/00 A
G01N1/04 G
C12N5/071
G06K19/077 220
(21)【出願番号】P 2023534389
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2021062676
(87)【国際公開番号】W WO2022125817
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-07-10
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521084389
【氏名又は名称】ティーエムアールダブリュ ライフサイエンシーズ,インコーポレイテツド
【氏名又は名称原語表記】TMRW Life Sciences, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Hudson Street, Suite 102, New York, New York 10013 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ビクソン,ブライアン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】リ,チェンシ
(72)【発明者】
【氏名】ムーレイ,アラン
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0229430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0017082(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0166865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-3/10
B01L 3/00
A61B 90/98
G01N 1/04
C12N 5/071
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体長手方向軸に沿って伸びる本体であって、前記本体は遠位端及び近位端を有し、前記近位端は前記長手方向軸に対して前記遠位端の反対側にあり、前記本体は前記遠位端を含む遠位部分と、前記近位端を含む近位部分とを含み、前記遠位部分は、前記本体
に試料
を係合
させるに際して前記試料を担持する表面を含み、前記近位部分は、
前記本体長手方向軸に対して角度的にオフセットされた第一本体表面
及び第二本体表面を含む、該本体と、
スリーブ長手方向軸に沿って伸びるスリーブであって、前記スリーブは前記
第一本体表面に相補的な
第一スリーブ表面
と前記第二本体表面に相補的な第二スリーブ表面を含み、前記スリーブは
、前記
第一スリーブ表面
と前記
第一本体表面が互いに向き合うように
、そして、前記第二スリーブ表面と前記第二本体表面が互いに向き合うように、前記本体に取り付け可能である、該スリーブと、
前記スリーブに取り付けられた無線トランスポンダ
を含
み、
前記本体又は前記スリーブのそれぞれの1つは、基部から延び、前記本体長手方向軸及び前記スリーブ長手方向軸に向かって及びそれらから離れる方向に移動可能な自由端である先端で終わる可動部材を保持する、試料ホルダ。
【請求項2】
前記可動部材は、前記第一本体表面、前記第二本体表面、前記第一本体表面と前記第二本体表面の両方、前記第一スリーブ表面、前記第二スリーブ表面又は前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面の両方を含
み、
前記可動部材は前記本体又は前記スリーブのそれぞれの1つに対して可動であり、その結果、可動部材によって担持される前記表面又は複数の表面は前記本体長手方向軸又は前記スリーブ長手方向軸のそれぞれの1つに向かって及びそれから離れるように可動である、請求項
1に記載の試料ホルダ。
【請求項3】
前記第一スリーブ表面及び前記第二スリーブ表面は前記スリーブ長手方向軸に沿って互いに向き合い、前記第一本体表面及び前記第二本体表面は前記本体長手方向軸に沿って互いに反対側に向いている、請求項
2に記載の試料ホルダ。
【請求項4】
前記第一本体表面は、前記本体長手方向軸に沿って測定される第一距離だけ前記第二本体表面から分離され、前記第一スリーブ表面は前記スリーブ長手方向軸に沿って測定される第二距離だけ前記第二スリーブ表面から分離され、前記第一距離は、前記第一本体表面と前記第二本体表面とが前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面との間に捕捉され得るように、前記第二距離よりも小さい、請求項
3に記載の試料ホルダ。
【請求項5】
前記スリーブが前記本体に取り付けられたとき、前記本体長手方向軸に平行な第一方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動が、前記第一本体表面と前記第一スリーブ表面との当接によってブロックされ、前記第一方向と反対の第二方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動が、前記第二本体表面と前記第二スリーブ表面との当接によってブロックされる、請求項
2に記載の試料ホルダ。
【請求項6】
前記本体は前記可動部材を担持し、
前記基部は前記本体の前記近位部分から延在し、前記先端が前記本体長手方向軸に向かって及び前記スリーブ長手方向軸線から離れて移動可能である自由端であるように、前記可動部材は前記基部によって支持される
前記先端で終端し、前記先端は、前記第一本体表面、前記第二本体表面又は前記第一本体表面と前記第二本体表面の両方を含む、請求項
2~5のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項7】
前記可動部材は第一可動部材であり、前記本体は第二可動部材を担持し、前記第二可動部材の先端は、前記第二スリーブ表面に対応する第三本体表面を含む、請求項
6に記載の試料ホルダ。
【請求項8】
前記第二本体表面は、前記第三本体表面と同一平面上にある、請求項
6に記載の試料ホルダ。
【請求項9】
前記スリーブが、前記第一スリーブ表面から延在する突出部を含む、請求項
6~8のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項10】
前記突出部が前記第一スリーブ表面から延在する基部を含み、前記突出部が前記突出部の前記基部によって支持される先端で終端し、前記突出部が前記突出部の前記基部と前記突出部の前記先端との間の中間部分を含み、前記中間部分が前記スリーブ長手方向軸に垂直な方向に沿って測定される、前記スリーブ長手方向軸に垂直な前記方向に沿って測定される前記突出部の前記先端の断面厚さよりも小さい断面厚さを有する、請求項
9に記載の試料ホルダ。
【請求項11】
前記突出部の前記先端は、前記第二スリーブ表面を含む、請求項
10に記載の試料ホルダ。
【請求項12】
前記中間部分は、前記可動部材の前記先端の形状に対応する形状を有する、請求項
10に記載の試料ホルダ。
【請求項13】
前記中間部分は、前記スリーブ長手方向軸に対して斜めの表面を含む、請求項
12に記載の試料ホルダ。
【請求項14】
前記突出部の前記先端の断面厚さが、前記スリーブ長手方向軸に垂直な前記方向に沿って測定された前記突出部の前記基部の断面厚さに等しい、請求項
10に記載の試料ホルダ。
【請求項15】
前記第一本体表面及び前記第二本体表面のうちの少なくとも1つが、前記本体長手方向軸に対して垂直である、請求項
6~14のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項16】
前記第一本体表面は、前記第二本体表面に平行である、請求項
2~15のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項17】
前記スリーブは前記可動部材を担持し、前記
基部は前記スリーブの一部から延在し、前記可動部材は、前記先端が前記スリーブ長手方向軸に向かって及び前記スリーブ長手方向軸から離れて移動可能である自由端であるように、前記基部によって支持される先端で終端し、前記先端は、前記第一スリーブ表面、前記第二スリーブ表面又は前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面の両方を含む、請求項
2~5のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項18】
前記可動部材は第一可動部材であり、前記スリーブは第二可動部材を担持し、前記第二可動部材の先端は、前記第二本体表面に対応する第三スリーブ表面を含む、請求項
17に記載の試料ホルダ。
【請求項19】
前記第二スリーブ表面は、前記第三スリーブ表面と同一平面上にある、請求項
17に記載の試料ホルダ。
【請求項20】
前記第一スリーブ表面及び前記第二スリーブ表面のうちの少なくとも1つが、前記スリーブ長手方向軸に対して垂直である、請求項
17~19のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項21】
前記第一スリーブ表面は、前記第二スリーブ表面に平行である、請求項
17~20のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項22】
前記無線トランスポンダはRFIDタグを含み、前記RFIDタグは、記憶された識別情報を有する集積回路と、前記記憶された識別情報を送信するように前記集積回路に結合されたアンテナとを含む、請求項1~
21のいずれかに記載の試料ホルダ。
【請求項23】
前記無線トランスポンダは、電源をさらに含む、請求項
22に記載の試料ホルダ。
【請求項24】
無線トランスポンダをスリーブに取り付けるステップと、
前記スリーブの遠位部分を本体の近位部分に取り付けるステップであって、前記本体は本体長手方向軸に沿って細長く、前記本体の前記近位部分は前記本体長手方向軸に対して前記本体の遠位部分の反対側にあり、前記本体の前記遠位部分は試料保持表面を含む、該ステップと、
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を、前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して、前記本体長手方向軸に平行な第一方向に移動させるステップと、
前記スリーブ及び前記本体の少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体の他方に対して移動させながら、可動部材によって担持された第一表面を前記本体長手方向軸から離れるように移動させるステップと、
前記スリーブ及び前記本体の少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体の他方に対して移動させながら、前記可動部材によって担持された前記第一表面を前記本体長手方向軸に向かって移動させるステップと、
前記本体に対する、前記本体長手方向軸に平行な前記スリーブの運動が防止されるように、前記スリーブを前記本体に固定するステップ
と、
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して移動させた後、前記第一表面を第二表面と位置合わせし、それによって、前記本体長手方向軸に平行な一方の方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動を阻止するステップと、
第三表面を第四表面と位置合わせし、それによって、前記本体長手方向軸に平行な他方の方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動を阻止するステップ、をさらに含み、
前記本体及び前記スリーブのうちの一方が前記可動部材を担持し、前記本体及び前記スリーブのうちの他方が前記第二表面を含み、前記本体及び前記スリーブのうちの前記一方が前記第三表面を含み、前記本体及び前記スリーブの前記他方が前記第四表面を含む、試料ホルダを組み立てる方法。
【請求項25】
前記本体の前記近位部分は前記本体長手方向軸に垂直な方向に測定される第一断面寸法を有し、前記本体の前記遠位部分は前記本体長手方向軸に垂直な方向に測定される第二断面寸法を有し、前記第一断面寸法は前記第二断面寸法よりも大きく、前記スリーブの前記遠位部分を前記本体の前記近位部分に取り付けるステップは前記スリーブの前記遠位部分を前記第一断面寸法を有する前記本体の部分に取り付けるステップを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記本体が前記可動部材を担持する、請求項
24及び
25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して移動させるステップは、更に、
前記スリーブの突出部を、前記本体の前記近位部分に形成された開口部に通すステップを含む、請求項
26に記載の方法。
【請求項28】
前記スリーブは、少なくとも部分的に内部キャビティを包含し、前記方法は更に、
無線トランスポンダを内部キャビティ内に固定するステップを含む、請求項
24~27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記無線トランスポンダを前記内部キャビティ内に固定するステップは、前記内部キャビティをポッティング材料で少なくとも部分的に充填するステップを含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
更に、
前記無線トランスポンダを前記内部キャビティ内に配置した後、前記無線トランスポンダが通過する前記内部キャビティの開口部を遮断するステップを含む、請求項
24~29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記開口部は前記スリーブの近位部分に形成され、前記スリーブの前記近位部分はスリーブ長手方向軸に沿って前記スリーブの前記遠位部分とは反対側にある、請求項
30に記載の方法。
【請求項32】
更に、
前記スリーブの前記近位部分にキャップを当接させることにより、前記内部キャビティの前記開口部を遮断するステップを含む、請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
更に、
前記試料が前記本体の前記遠位部分の前記試料保持表面上に保持されるように、本体の前記遠位部分を試料と係合させるステップを含む、請求項
24~32のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、試料(又は、標本/検体/specimen)の収集(又は、採取)のシステム及び方法に関し、具体的には、例えばIVF手順中に、生物学的(biological)試料を収集及び保管し、保管された生物学的試料の識別を容易にするために使用される試料ホルダに取り付け可能な無線トランスポンダ(又は、ワイヤレストランスポンダ)に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
凍結保存による細胞及び組織の長期保存は、組織工学、生殖能力(又は、不妊治療/fertility)及び生殖医療、再生医療、幹細胞、血液バンキング、動物株保存、臨床サンプル保管(又は、保存/貯蔵/storage)、移植医学及びインビトロ薬物試験を含む複数の分野において広範な影響を有する。これは、保管装置(例えば、凍結保存ストロー、凍結保存チューブ、スティック又はスパチュラ)の中又は上に含まれる生物学的サンプル(例えば、卵母細胞、胚、生検材料(又は、生検/biopsy))が液体窒素等の物質中に生物学的サンプル及び保管装置を配置することによって急速に冷却されるガラス化のプロセスを含み得る。これは生体学的サンプルのガラス様凝固又はガラス状状態(例えば、分子レベルのガラス構造)をもたらし、これは細胞内及び細胞外氷の非存在を維持し(例えば、細胞損傷及び/又は死滅を低減し)、解凍すると、解凍後の細胞生存率を改善する。生存性を確実にするために、ガラス化された生物学的サンプルは次いで、典型的には、凍結保存に寄与する温度、例えば、マイナス196℃である液体窒素デュワー又は他の容器中に連続的に保存される。
【0003】
しかしながら、これらの生物学的サンプルがどのように保管され、識別され、管理され、インベントリされ、取り出され、等々であるかについて、多くの懸念が存在する。
【0004】
例えば、各採取された胚は、硬い胚ストロー、チューブ、スティック又はスパチュラ上に装填される。管は採取された胚を受け入れる一端が開いており、他端が閉じられている(例えば、栓がされている)。胚を含む又は保持する極低温(又は、凍結保存/cryogenic)保管(又は、貯蔵/storage)装置は例えばガラス化を達成するために、およそマイナス196℃の温度で、生物学的材料と共に極低温保管装置を液体窒素中に押し込むことによって、可能な限り迅速に冷却される。
【0005】
より具体的には、液体窒素保管タンク内に配置するために、複数の極低温保管装置がゴブレット内に配置される。ゴブレットは複数の極低温保管装置が液体窒素中にぶら下げるように、液体窒素保管タンクに取り付けられる。適切なマーカーペンを使用して手動で書かれるか、又はカスタムプリンタを使用して印刷されるラベルは、ストロー及び/又はゴブレットに取り付けられる。そのようなラベルは胚が採取された個体に対応する識別情報、及び他の適切な情報(例えば、極低温保管装置番号、開業医番号等)を含み得る。
【0006】
保管された生体学的サンプルは、保管装置自体に書き込むことによって、又は保管装置に貼り付けられたラベルによって識別し得る。これらのラベルは手書き又は印刷することができ、バーコードを含み得る。しかしながら、そのような識別方法は、関連する欠点を有する。容器に書かれたメモは消されたり、汚されたりする可能性があり、ラベルはデュワーの内部に保管されている間に、保管装置から落ちる可能性があり、識別不能なサンプルにつながる。これらの問題は、生物学的サンプルが保管される低温条件によって悪化する。
【0007】
低温保管(典型的には、マイナス196℃の温度)で保存された生物学的サンプルの監査を行う場合、マイナス130℃よりも高い温度へのサンプルの加温は回避されるべきである。したがって、可能な限り、デュワーの外部で費やされる時間の長さを最小限にすることが望ましい。
【0008】
低温保管におけるサンプルの記録、モニタリング及び監査は、サンプルがバーコードを用いてラベル付けされる場合であっても、かなりの時間と労力を要する。サンプルを記録又は監査するのに要する時間の追加的で望ましくない増加は、液体窒素から取り出されて比較的温かい温度になると、保管装置及びそれらのラベルの表面上に形成されることができる霜の結果として生じる。霜の層は識別情報の光学的観察を阻止し、霜の層はまた、バーコードリーダの光を回折する。容器は、サンプルの破壊につながるので、霜を除去するために暖めることができない。霜は使い捨て容器から拭き取ることができるが、これはサンプルを読み取るのにかかる時間の望ましくない増加の一因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、適切な低温で生物学的サンプル(例えば、ガラス化された生物学的サンプル)を収集し、保存し、識別するための新しい装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
本開示の一態様によれば、試料ホルダは、本体と、スリーブと、無線トランスポンダとを含む。本体は本体長手方向軸に沿って細長く、本体は遠位端及び近位端を有する。近位端は長手方向軸に対して遠位端の反対側にあり、本体は、遠位端を含む遠位部分と、近位端を含む近位部分との両方を含む。遠位部分は本体と試料との係合時に試料を担持する表面をさらに含み、近位部分は、長手方向軸に対してそれぞれ角度的にオフセットされた(又は、ずれた/相違する)第一本体表面及び第二本体表面を含む。
【0011】
スリーブは、スリーブ長手方向軸に沿って細長く、第一及び第二スリーブ表面を含む。第一スリーブ表面は第一本体表面に対して相補的であり、第二スリーブ表面は、第二本体表面に対して相補的である。スリーブは第一スリーブ表面及び第一本体表面が互いに向い合い、第二スリーブ表面及び第二本体表面が互いに向い合うように、本体に取り付け可能である。無線トランスポンダはスリーブに取り付けられる。
【0012】
本体又はスリーブのそれぞれは、第一本体表面、第二本体表面、第一本体表面及び第二本体表面の両方、第一スリーブ表面、第二スリーブ表面、又は第一スリーブ表面及び第二スリーブ表面の両方を含む可動部材を担持する。可動部材は、可動部材によって担持される表面が本体長手方向軸又はスリーブ長手方向軸のそれぞれの1つに向かって、及びそれらから離れるように可動であるように、本体又はスリーブのそれぞれの1つに対して可動である。
【0013】
本開示の別の態様によれば、試料ホルダを組み立てる方法は、無線トランスポンダをスリーブに取り付けることと、スリーブの遠位部分を本体の近位部分に取り付けることとを含む。本体は本体長手方向軸に沿って細長く、本体の近位部分は本体長手方向軸に対して本体の遠位部分の反対側にあり、本体の遠位部分は試料保持表面を含む。本方法は、スリーブ及び本体のうちの少なくとも一方を、スリーブ及び本体のうちの他方に対して、本体の長手方向軸に平行な第一方向に移動させることをさらに含む。スリーブ及び本体のうちの少なくとも一方をスリーブ及び本体のうちの他方に対して移動させる一方で、方法は、可動部材によって担持された第一表面を本体長手方向軸から遠ざけることと、可動部材によって担持された第一表面を本体長手方向軸に向かって移動させることとをさらに含む。
【0014】
スリーブ及び本体のうちの少なくとも一方をスリーブ及び本体のうちの他方に対して移動させた後、方法は、第一表面を第二表面と位置合わせすることによって、本体長手方向軸に平行な一方の方向に沿った本体に対するスリーブの移動を阻止することをさらに含む。この方法は、第三表面を第四表面と位置合わせすることによって、本体長手方向軸に平行な他方の方向に沿った本体に対するスリーブの移動を阻止することをさらに含む。本体及びスリーブの一方は可動部材を担持し、本体及びスリーブの他方は第二表面を含む。本体及びスリーブの一方は第三表面を含み、本体及びスリーブの他方は、第四表面を含む。
【0015】
本開示の別の態様によれば、試料収集本体に取り付けるための構造体は、スリーブと、無線トランスポンダとを含む。スリーブはその一端にスナップフィット部分を有し、このスナップフィット部分は、試料収集本体の端部上の相補的なスナップフィット構造にスナップフィットするように寸法決めされる。無線トランスポンダはスリーブに取り付けられ、無線トランスポンダは少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに通信可能に結合されたマイクロチップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面において、同一の参照番号は、同様の要素又は作用を示す。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれてはいない。例えば、様々な要素の形状及び角度は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、これらの要素のいくつかは図面の見やすさを改善するために任意的に、拡大され、配置されることができる。さらに、描かれた要素の特定の形状は、必ずしも特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えることを意図するものではなく、図面における認識を容易にするためにのみ選択されていてもよい。
【
図1】
図1は、一実施形態による、試料ホルダの上面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による、試料ホルダの無線トランスポンダの側面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による容器の側面図であり、容器は、
図1に示される試料ホルダを囲む。
【
図8】
図8は、
図7に示される容器及び試料ホルダの分解側面図である。
【
図9】
図9は、
図7に示される容器のバイアルの背面図である。
【
図11】
図11は、一実施形態による、
図1に示される試料ホルダの本体の側面図である。
【
図13】
図13は、線B-Bに沿った、コールアウトBによって識別される
図11に示される本体の一部分の断面側面図である。
【
図14】
図14は、
図11に示された本体の一部分の、コールアウトBによって識別される上面図である。
【
図15】
図15は、一実施形態による、
図1に示される試料ホルダのスリーブの側面図である。
【
図18】
図18は、一実施形態による、
図1に示される試料ホルダのキャップの側面図である。
【
図22】
図22は、一実施形態による、組み立ての1つの段階中の、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図23】
図23は、一実施形態による、組み立ての別の段階中の、線A-Aに沿った、
図22に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図24】
図24は、別の実施形態による、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図25】
図25は、別の実施形態による、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図26】
図26は、別の実施形態による、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図27】
図27は、別の実施形態による、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【
図28】
図28は、別の実施形態による、線A-Aに沿った、
図1に示される試料ホルダの一部分の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
種々の実施態様が正しく理解されるように、開示内容の詳細を以下に説明する。但し、当業者ならば、これら特定の細部の1つ又は2つ以上を欠いても、又は他の方法、他の構成部材、他の材料でも実施が可能であることは容易に理解するところであろう。他の例では実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、試料ホルダに関連する周知の構造は詳細には示されていないか、又は説明されていない。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲において理由が必要ない限り、用語”を有する”及びその派生語は確定していない包括的な意味、即ち、”含むが、それに限定されるものではない”であるとみなされる。
【0019】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「実施形態」又は「本発明の態様」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構成又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書における表現”一実施形態における”又は”実施形態における”の全てが、必ずしも同様の実施形態について記載されてはいない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1つ又は複数の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0020】
本明細書及び同時提出の特許請求の範囲で用いられているように、単数表現はコンテンツが明確に定められていない限り、複数の存在を包含するものである。また、用語「又は」は一般に、その最も広い意味で使用され、それは、その内容が明らかに別段の指示をしない限り、「及び/又は」を意味するものであることに留意されたい。
【0021】
本明細書において、互いに「向き合う(又は、面する/facing)」又は「向き合う(又は、向かう/facing toward)」2つの要素への言及は、介在する中実構造に接触することなく、要素の一方から要素の他方へと直線を引くことができることを示す。本明細書において、2つの要素が「直接結合されている」ということは、2つの要素が間に介在する構造を伴わずに物理的に接触することを示す。本明細書における方向への言及は、前記方向を構成する2つの成分を含む。例えば、双方向である長手方向は、「遠位」構成要素(一方向)と、「遠位」構成要素の反対側にある「近位」構成要素(一方向)の両方を含む。要素の手段の方向に沿って延在する要素への言及は、要素が方向を構成する構成要素の一方又は両方に沿って延在する。
【0022】
本明細書で使用される「整列された」という語はある方向に沿った2つの要素に関連して、要素のうちの1つを通過する直線を意味し、その方向に並行である直線もまた、2つの要素のうちの他の要素を通過する。第一要素がある方向に対して第二要素と第三要素との間にあることに関連して本明細書で使用される「間」という語は、その方向に沿って測定されるときの、第三要素の第二要素までの距離よりも、その方向に沿って測定されるときの、第一要素の第二要素までの距離が近いことを意味する。用語「間」は第一、第二及び第三要素がその方向に沿って整列されることを含むが、必要ではない。
【0023】
本明細書における値の範囲の引用は本明細書に別段の指示がない限り、範囲の記載された端を含む範囲内に入る各別個の値を個々に参照する簡潔な方法としての役割を果たすことを単に意図し、各別個の値は、あたかも本明細書に個々に引用されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0024】
ここで、本開示の態様を、図面を参照して詳細に説明するが、ここで、同様の参照番号は別段の指定がない限り、全体を通して同様の要素を指す。特定の用語は、便宜上、以下の説明で使用され、限定するものではない。本明細書で使用される「複数」という語は、2つ以上を意味する。構造の「一部」及び「少なくとも一部」という用語は、構造の全体を含む。
【0025】
発明の名称及び要約は便宜上のものであり、本発明の範囲を表すものではなく、又は実施形態を意味するものでもない。
【0026】
図1~
図5を参照すると、試料ホルダ10は生物学的材料及び/又はサンプル(例えば、卵、精子及び接合子)等の試料14を担持する本体12を含む。本体12は図示の実施形態に示されるように、スティック16の形態であり得る。別の実施形態によれば、本体12は例えば、スパチュラ、ストロー又はチューブの形態であり得る。本体12は一実施形態によれば、モノリシック構造であり得る。
【0027】
本体12は図示の実施形態に示されるように、ある方向、例えば長手方向Lに沿って細長くてもよい。本体12は、遠位端18及び近位端20を含み得る。図示の実施形態に示すように、近位端20は長手方向Lに対して遠位端18の反対側にあってもよい。一実施形態によれば、本体12は近位端20から長手方向Lの遠位構成要素Dに延在し、遠位端18で終端することができ、本体12は遠位端18から遠位構成要素Dの反対側の長手方向Lの近位構成要素Pに延在し、近位端20で終端し得る。
【0028】
遠位端18は図示の実施形態に示すように、遠位構成要素Dに面する表面を含み得る。近位端20は図示の実施形態に示すように、近位構成要素Pに面する表面を含み得る。本体12は、長手方向Lに沿って、遠位端18及び近位端20の一方から遠位端18及び近位端20の他方まで測定される長さL1を有する。
【0029】
本体12は、遠位端18から近位端20まで延びる外面22を含み得る。一実施形態によれば、外面22は、本体12の任意の他の表面に向き合わない(又は、向かわない)本体12の任意の表面を含む。本体12は、遠位部分24及び近位部分25を含み得る。示されるように、遠位部分24は、本体12が試料14と係合すると、試料14を担持することができる。遠位部分24は、近位部分25が遠位端18からであるよりも遠位端18の近くに位置付けられてもよい。同様に、近位部分25は、遠位部分24が近位端20からであるよりも近位端20の近くに位置付けられてもよい。
【0030】
遠位部分24は長手方向Lが重力に平行であるように本体12が配置されるとき、例えば重力に抗して試料14を保持するように成形された試料表面26を含み得る。試料表面26は図示の実施形態に示されるように、実質的に平面であり得る。試料表面26は一実施形態によれば、湾曲していてもよく、例えば凹状であり得る。試料表面26は、テクスチャリング、溝又はその両方を含み得る。試料表面26は、外面22の一部であり得る。代替的に試料表面26が例えば、本体12の少なくとも一部がチューブである実施形態では内部表面であり得る。
【0031】
遠位部分24は長手方向Lに垂直であり、遠位部分24と交差する遠位平面P1内で非円形断面形状を有する可能性がある。一実施形態によれば、遠位平面P1は、遠位端18、試料表面26又はその両方とさらに交差してもよい。
【0032】
本体12は外面22上の1つの点から、長手方向Lに垂直である横方向Aに関してその1つの点とは反対側である外面22上の別の点まで測定される幅を有する可能性がある。幅は、本体12の長さL1に沿って異なる位置で変化してもよい。例えば、本体12は、遠位部分24において、例えば遠位端18において、最小幅W1を有し得る。本体12は、近位部分25において、例えば近位端20において、最大幅W2を有し得る。一実施形態によれば、遠位部分24は、遠位部分24の長さに沿って一定の幅を含み得る。別の実施形態によれば、幅は、遠位部分24に沿って先細にすることができる。
【0033】
本体12は外面22上の1つの点から、長手方向L及び横方向Aの両方に対して垂直である横方向Tに関してその1つの点とは反対側である外面22上の別の点まで測定される厚さを有する可能性がある。厚さは、本体12の長さL1に沿って異なる位置で変化してもよい。例えば、本体12は、遠位部分24において、例えば遠位端18において、最小厚さT1を有し得る。本体12は、近位部分25において、例えば近位端20において、最大厚さT2を有し得る。一実施形態によれば、遠位部分24は、遠位部分24の長さに沿って一定の厚さを含み得る。別の実施形態によれば、厚さは、遠位部分24に沿って先細になり得る。
【0034】
一実施形態によれば、遠位部分24は遠位部分24の幅、例えば、最小幅W1が遠位部分24の厚さ、例えば、最小厚さT1よりも大きいように成形されてもよい。別の実施形態によれば、遠位部分24は遠位部分24の幅、例えば、最小幅W1が遠位部分24の厚さ、例えば、最小厚さT1以下であるように成形されてもよい。一実施形態によれば、近位部分25は近位部分25の幅、例えば、最大幅W2が近位部分25の厚さ、例えば、最大厚さT2よりも大きいように成形されてもよい。別の実施形態によれば、近位部分25は近位部分25の幅、例えば、最大幅W2が近位部分25の厚さ、例えば、最大厚さT2以下であるように成形されてもよい。
【0035】
試料ホルダ10は一実施形態によれば、スリーブ30の形態のトランスポンダ部品(又は、取付具/フィッティング/fitting)を含み得る。スリーブ30は、本体12、例えば本体12の近位部分25に取り付け可能であり得る。一実施形態によれば、スリーブ30は本体12に取り外し可能に取り付け可能であってもよく、取り付けられると、スリーブ30及び本体12はスリーブ30及び本体12のいずれかの塑性変形することなく分離可能である。一実施形態によれば、スリーブ30は取り付けられると、スリーブ30及び本体12の少なくとも一方が塑性変形することなく、スリーブ30及び本体12が分離できないように、本体12に取り外し不能に取り付けることができる。
【0036】
スリーブ30はスリーブ本体32を含み、スリーブ本体32は図示の実施形態に示されるように、本体12に取り付けられるとき、ある方向、例えば長手方向Lに沿って細長くてもよい。スリーブ30は、遠位端34及び近位端36を含み得る。図示の実施形態に示すように、近位端36は長手方向Lに対して遠位端34の反対側にあってもよい。一実施形態によれば、スリーブ本体32は近位端36から長手方向Lの遠位構成要素Dに延在し、遠位端34で終端し得、スリーブ本体32は遠位端34から長手方向Lの近位構成要素Pに延在し、近位端36で終端し得る。スリーブ本体32はスリーブ30内に囲まれた物体がスリーブ本体32を通して見えるように、透明又は半透明であり得る。一実施形態によれば、スリーブ本体32は、スリーブ30内に収容された物体がスリーブ本体32を通して見えないように不透明であり得る。一実施形態によれば、スリーブ本体32は、電気絶縁材料を含み得る。
【0037】
遠位端34は図示の実施形態に示すように、遠位構成要素Dに面する表面を含み得る。近位端36は図示の実施形態に示すように、近位構成要素Pに面する表面を含み得る。スリーブ本体32は、遠位端34から近位端36まで延在する外面38を含み得る。一実施形態によれば、外面38はスリーブ本体32の任意の他の表面に向き合わない、スリーブ本体32の任意の表面を含む。
【0038】
スリーブ本体32は、遠位部分40及び近位部分42を含み得る。図示のように、遠位部分24はスリーブ30を本体12に取り付けるために、本体12の対応するカプラ28と係合するカプラ44を担持してもよい。一実施形態によれば、スリーブ30が本体12に取り付けられるとき、遠位部分40は、近位部分42が本体12からであるよりも本体12の近くに位置付けられてもよい。同様に、スリーブ30が本体12に取り付けられるとき、近位部分42は、遠位部分40よりも本体12から遠くに位置付けられてもよい。
【0039】
一実施形態によれば、近位端36は(後述するように)開いていてもよく、試料ホルダ10は、開いた近位端36を閉じるためにスリーブ30の近位部分40に取り付け可能なキャップ46を含み得る。一実施形態によれば、近位端36は(後述するように)閉じられてもよく、試料ホルダ10はキャップ46を欠いてもよい。
【0040】
試料ホルダ10は、無線トランスポンダ50を含み得る。無線トランスポンダ50は、様々な形態をとり得る。例えば、無線トランスポンダは、集積回路を使用して一意の識別子を記憶し、返す、アクティブ、パッシブ又はバッテリ支援無線周波数識別トランスポンダ(RFIDタグ)の形態であり得る。アクティブRFIDトランスポンダはRFIDトランスポンダに電力を供給するための専用電源(例えば、化学電池セル)を含む。パッシブRFIDトランスポンダは専用電源を含まず、むしろ問い合わせ信号から電力を引き出し、典型的にはコンデンサ(又は、キャパシタ)を充電し、コンデンサは戻り信号(例えば、後方散乱信号)に一意の識別情報が課せられた状態で、戻り信号を提供するのに十分な電力を提供する。バッテリ支援RFIDトランスポンダは一般に、問い合わせ信号を検出するが、主に動作に電力を供給するために専用電源(例えば、化学電池セル)を使用する。
【0041】
また、例えば、微小電気機械システム(MEMS)トランスポンダは一意の識別子を返すために、それぞれの周波数で機械的に振動又は振動する1つ又は典型的には複数の機械的要素を使用する。これらのMEMSトランスポンダは機械ベースであり、典型的には集積回路を使用せず、また、典型的には一意の識別子をメモリに記憶しない。「集積回路RFIDトランスポンダ」及び「非MEMS RFIDトランスポンダ」という用語は、本明細書では非機械的RFIDトランスポンダを機械的又はMEMSベースのトランスポンダと区別するために使用される。
【0042】
無線トランスポンダ50は一実施形態によれば、低温(例えば、マイナス150℃、マイナス196℃)に耐えることができ、動作し続けることができる。特に、無線トランスポンダ50は好ましくは低温(例えば、マイナス150℃、マイナス196℃)と、容器が極低温冷却器又はデュワーから取り外されたときに曝されうる比較的温かい温度との間の温度サイクルの複数の例に耐えることができる。無線トランスポンダ50は、有利には例えば後方散乱を介して応答を提供するために問い合わせ信号からの電力に依存するパッシブ無線トランスポンダの形態をとり得る。MEMSトランスポンダは、低温での動作に特に適している。
【0043】
図6を参照すると、無線トランスポンダ50は、プリント回路基板52及びアンテナ54を含み得る。プリント回路基板52はアンテナ54に通信可能に結合されたトランスポンダ回路56(例えば、無線、送信機、後方散乱回路)を担持する。図示のように、アンテナ54はロッド58の周りに巻かれたコイル60を有するロッド58(例えば、フェライトロッド)を含み得る。無線トランスポンダ50は電源64(例えば、コンデンサ、化学電池)を含み得る。
【0044】
図1及び
図2に示され、以下でさらに詳細に説明されるように、無線トランスポンダ50はスリーブ30内に封入されることができ、その後、スリーブ30は本体12に取り付けられ得、それによって、無線トランスポンダ50を本体12に固定する。一実施形態によれば、無線トランスポンダ50をスリーブ30内に配置し、保持するために、ポッティング剤を使用し得る。
【0045】
図7~
図10を参照すると、試料収集システム100は生物学的サンプルを保持するための容器102を含むことができ、容器102は、バイアル(又は、小瓶/vial)104及びキャップ106を含む。一実施形態によれば、バイアル104は、外側スリーブ又はフレームとも呼ばれる外側ジャケット108によって少なくとも部分的に覆われてもよい。キャップ106は、バイアル104の第一端部112の開口部110を取り外し可能に閉鎖するようなサイズ及び形状である。バイアル104は、第一端部112と、第二端部114と、第一端部112と第二端部114との間に延在する側壁116とを含む。第二端部114は、バイアル104の長さにわたって第一端部112と対向し得る。側壁116は、第一端部112と第二端部114との間に延在して、バイアル104の内部をその外部から画定する。
【0046】
バイアル104、バイアル104の第二端部114は、閉じられてもよく、又は密閉可能であり得る。バイアル104は円形の輪郭又は断面を有し得る管の形態をとってもよく、代替的に他の形状(例えば、長方形、六角形、八角形)を有する可能性がある。バイアル104の開口部110は例えば、図示のように円形であり得るが、開口部110は他の形状を有する可能性がある。バイアル104の第二端部114は例えば、半球形の先端で終端してもよく、又は、バイアル104の長手方向軸120に垂直な平坦面118で終端する切頭円錐形であり得る。
【0047】
試料ホルダ10は少なくとも1つの実施形態によれば、一体型、恒久的に固定された、又は取り外し可能に取り付けられた要素としてキャップ106から延在することができる。一実施形態によれば、試料ホルダ10はキャップ106の底面122、すなわち、内向き表面から延在してもよい。試料ホルダ10は少なくとも1つの実施形態によれば、キャップ106の底面122に固定されてもよい。試料ホルダ10は、様々な方法のいずれかでキャップ106の底面122に固定し得る。例えば、試料ホルダ10は、キャップ106の底面122の開口124に締りばめ又は摩擦ばめされてもよい。また、例えば、試料ホルダ10は、キャップ106の底面122に接着されることができる。
【0048】
キャップ106は頂部126と、頂部126から延在する側壁128とを有することができ、側壁128は側壁128がバイアル104の内部に挿入されることができるように、頂部126に対して、バイアル104の長手方向軸120に垂直な方向においてより小さい範囲であるキャップ106の一部を画定し、頂部126は、側壁128のバイアル104への挿入の深さを制限するストッパとして作用する。キャップ106はバイアル104の側壁116の内面上の対応するねじ山132と嵌合するように、例えば側壁128の外面上にねじ山130を有し得る。
【0049】
実施形態は、有利にはいくつかのポート及び/又は通気孔134を含み得る。ポートは有利にはキャップ106がバイアル104上の所定位置にある間、バイアル104の内部への液体(例えば、液体窒素)の進入を可能にし、一方、通気孔はキャップ106がバイアル104上の所定位置にある間、液体がバイアル104に入るとき、気体(又は、ガス)(例えば、空気)がバイアル104の内部から逃げることを可能にする。ポートは、バイアル104内、キャップ106内、又はバイアル104とキャップ106の両方に配置されてもよい。
【0050】
一実施形態によれば、通気孔134は上部の方に(例えば、キャップ106内に、又はキャップ106に最も近いバイアル104の一部分に少なくとも近接して)配置され、一方、ポート134は底部の方に(例えば、バイアル104の底部に少なくとも近接して)配置され、これにより、液体が容器100の底部から浸出すること及び、容器100が例えば、デュワー内で、極低温浴内に下降されるにつれて、気体が上部から排出されることが可能にする。
【0051】
用語「通気孔」はバイアル104から気体(例えば、空気)を逃がす貫通孔(必ずしも円形ではない)を説明するために本明細書で使用されており、用語「ポート」は液体窒素をバイアル104に流入させる貫通孔を説明するために使用されているが、これらの用語は場合によっては互換性がある。例えば、通気孔及びポート134に使用される貫通孔の構造は単純な開口であってもよく、したがって、容器100の上部及び底部に対するそれらの位置に応じて、及び動作条件に応じて(例えば、容器100が極低温浴内に下げられているか、又は極低温浴から持ち上げられているかに応じて)、主に通気孔又はポート134として機能してもよい。
【0052】
いくつかの実装形態ではポート及び通気孔134がバイアル104の内部に対する特定の方向への気体又は液体の流れを制限するために、弁、フラップ、スクリーン、フィルタ又は他の構造を含み得、これは専用ポート又は通気孔134として働く構造をもたらし得る。場合によっては、外側ジャケット108がバイアル104内のポート又は通気孔134のうちの1つ又は複数と整列して液体及び/又は空気の出入りを容易にする貫通孔136を含み得る。
【0053】
キャップ106は様々な材料、例えば、ポリマー、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン等の熱可塑性樹脂、及び/又は著しい劣化なしに極低温用途で一般的な温度に耐える任意の他の適切な材料のいずれかから形成されてもよい。キャップ106の頂部126の外面はキャップ106を締めたり緩めたりするときの把持を容易にするために、複数のファセット138を含み得る。キャップ106は概して、バイアル104の開口部内にしっかりと受容されるその一部分を有するものとして図示されているが、いくつかの実装形態ではキャップ106が代替的に、キャップ106の開口部内にバイアル104の一部分を受容するようにサイズ決めがされることができる。
【0054】
一実施形態によれば、外側ジャケット108は、ジャケット108の上部開口部内にバイアル104を受容するような形状及びサイズである。バイアル104及び外側ジャケット108の両方は例えば、バイアル104の外面の円周が外側ジャケット108の内面の円周とほぼ等しくなるように、円形断面を有し得る。そのような構成は、バイアル104と外側ジャケット108との間のぴったりとした嵌合(又は、滑りばめ/とまりばめ/snug fit)を可能にする。一実施形態によれば、バイアル104の第二端部114、例えば、平坦な表面118で終端する円錐台形の先端は、図示のようにジャケット108内に封入されてもよい。別の実施形態によれば、バイアル104の第二端部114、例えば、平坦な表面118で終端する円錐台形の先端は、ジャケット108の底部開口部から延在することができる。
【0055】
ジャケット108の内面は例えば、摩擦嵌め、熱嵌め及び/又は接着剤を介してバイアルの外面に取り付けられてもよく、実施形態では、外側ジャケット108が容器100のライフサイクル全体にわたって特定のバイアルに関連付けられたままである。いくつかの実装形態では、ジャケット108の内面が例えば、外側ジャケット108が2つ以上のバイアル104と関連付けられる場合(又はその逆)、外側ジャケット108の取り外し及び交換を可能にするために、バイアル104の外面に取り外し可能に取り付けられ得る。そのような場合、バイアル104と外側ジャケット108との間に弾性圧縮嵌合及び/又は摩擦嵌合があってもよい。
【0056】
実装形態では、ジャケット108の内面及び/又はバイアル104の外面がバイアル104と外側ジャケット108との間に圧縮嵌めを形成するように弾性的に圧縮する変形可能な突出部140を含み得る。実装形態では、ジャケット108の内面及び/又はバイアル104の外面がバイアル104を外側ジャケット108内に固定する(すなわち、外側のジャケット108をバイアル104に固定する)ために、対向するねじ山又はリッジを含み得る。実装形態では、外側ジャケット108がバイアル104とは別個に製造されてもよく、例えば、既存のバイアル104に後付けされてもよい。
【0057】
外側のジャケット108はバイアル104の外面が見える開口部を有することができ、それによって、バイアル104が透明又は半透明である実装形態では、バイアル104の内容物を見ることができる。また、一実施形態によれば貫通孔136は、開口部として機能してもよい。図示のように、貫通孔/開口部136は、外側ジャケット108の長手方向軸120に沿った方向に沿って延びるより長い辺と、外側ジャケット108の長手方向軸120に垂直な方向に沿って延びるか、又はバイアル104の円周の周りを湾曲するより短い辺とを有し得る。一実施形態によれば、貫通孔136はポート又は通気孔134に対応するようなサイズ及び形状であり、したがって、小さすぎて、バイアル104の外面の可視性を提供できない場合がある。そのような実施形態では、外側ジャケット108が別個の要素として、ポート又は通気孔134と開口部との両方を含み得る。
【0058】
実装形態では、アーム142の配列が外側ジャケット108の長手方向に沿ってジャケット108の底部から延在して、外側ジャケット108の長手方向軸に垂直な平面に向きづけられたプラットフォーム144、例えば、中実のディスク形状のプラットフォームを支持し得る。例えば、外側ジャケット108の円周の周りで90度離れた位置に4つのアーム142があってもよい。アーム142及びプラットフォーム140はプラットフォーム140の内面がジャケット108の底部内面を形成するように、位置決めされ、サイズ決定されてもよい。ジャケット108の底部内面はバイアル104が外側ジャケット108内に受容されるときに、バイアル104の底部と接触するか、又はほぼ接触し得る。プラットフォーム140はアーム142の端部に取り付けられてもよく、又は、例えば、熱可塑性プラスチック製造プロセス等において、アーム142と一体的に形成されてもよい。外側ジャケット108は、外側ジャケット108の識別を容易にする1つ又は複数の視覚マーキング146を含み得る。視覚マーキング146は、文字、数字、バーコード、QRコード(登録商標)又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0059】
容器100はバイアル104、キャップ106、外側ジャケット108(例えば、プラットフォーム144、又はアーム142がプラットフォーム144に向かって延在する外側ジャケット108の本体)、又はそれらの任意の組合せによって担持されることができる無線トランスポンダ50の1つ又は複数等、無線トランスポンダのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0060】
図11~
図14を参照すると、本体12の近位部分25は図示の実施形態に示すように、カプラ28を含み得る。カプラ28は図示のように、本体12の近位部分25に形成されたレシーバを含むことができ、又は近位部分25から延在するステムを含み得る。一実施形態によれば、カプラ28は、本体12の近位部分25によって形成された内部キャビティ66内に配置された1つ又は複数の可動部材17を含む。内部キャビティ66は、近位端20に形成された開口部68を有し得る。内部キャビティ66は、ベース表面70で終端する開口部68から遠位に延在してもよい。
【0061】
図示の実施形態に示すように、可動部材17は、本体12の近位部分25の一部から延在する基部72を含む弾性部材であり得る。弾性部材はまた、基部72によって支持される先端74を含み得る。先端74は先端74が本体12の長手方向中心軸80に向かって、かつそれから離れるように移動可能であるように、自由端であり得る。先端74は近位構成要素Pに面する第一表面76と、遠位構成要素Dに面する第二表面78とを含み得る。一実施形態によれば、第一表面76は開口部68を通って内部キャビティ66に入り、ベース表面70に向かう部材の移動を容易にするように成形されてもよく、一方、第二表面は、開口部68を通って内部キャビティ66から出て、ベース表面70から離れて動く部材の移動を阻止するように成形される。別の実施形態によれば、可動部材17は、本体12の残りの部分に対して並進可能又は回転可能であり得る。
【0062】
第一表面76は、長手方向中心軸80に対して斜めであり得る。一実施形態によれば、第一表面76は、長手方向中心軸80から10度~45度だけ角度的にオフセットされてもよい。一実施形態によれば、第一表面76は、長手方向中心軸80から25度だけ角度的にオフセットされてもよい。第二表面78は長手方向中心軸80に対して垂直であってもよく、又は、以下でさらに詳細に説明するように、内部キャビティ66からの部材の移動が阻止されるか、又は少なくとも妨げられるように、他の角度オフセットであり得る。
【0063】
一実施形態によれば、本体12は長手方向Lに沿って測定される長さL2だけ分離された第一及び第二本体表面を含み得る。図示の実施形態に示されるように、長さL2だけ分離された第一及び第二本体表面は、近位端20及び可動部材17の先端74の第二表面78を含み得る。一実施形態によれば、第一及び第二本体表面は両方とも可動部材17の一部(例えば、第一表面76及び第二表面78)であり得る。
【0064】
図示のように、第一及び第二本体表面は、それぞれ、長手方向中心軸80に対して角度的にオフセットされてもよい。一実施形態によれば、第一及び第二本体表面は平行である。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面は非平行である。一実施形態によれば、第一及び第二本体表面のうちの少なくとも1つは、長手方向中心軸80に対して垂直である。
【0065】
第一及び第二本体表面は互いに反対側を向いてもよい(例えば、第一本体表面は長手方向Lの近位構成要素Pに少なくとも部分的に面し、第二本体表面は、長手方向Lの遠位構成要素Dに少なくとも部分的に面する)。一実施形態によれば、第一及び第二本体表面は、互いに向かい合ってもよい。第一及び第二本体表面は図示されるように、長手方向Lのそれぞれの構成要素に対して垂直であり、それに面し得る。別の実施形態によれば、第一及び第二本体表面のうちの少なくとも1つは、長手方向Lのそれぞれの構成要素に対して斜めであり、それに面してもよい。
【0066】
本体12の図示された実施形態は2つの可動部材17を含み、図面の明瞭さを増すために、可動部材17のうちの1つのみが参照番号によって示されている。本体12は他の数、例えば、1つ又は3つ以上の可動部材17を含み得る。可動部材17は中心の長手方向軸80(すなわち、図示のように)の周りに半径方向に均等に離間されてもよく、又は不均一に離間されてもよい。
【0067】
図15~
図17を参照すると、スリーブ30の遠位部分40は図示の実施形態に示すように、カプラ44を含み得る。カプラ44は図示のように、スリーブ30の遠位部分40から延びるステムを含むことができ、又は遠位部分40に形成されたレシーバを含み得る。レシーバのステムは、本体12のレシーバ又はステムと相補的であって、それと嵌合し得る。一実施形態によれば、カプラ44は、本体12の内部キャビティ66(
図13に示される)内に配置されるように寸法決めされる。カプラ44は、遠位構成要素Dの第一表面83から延びる突出部82の形態であり得る。
【0068】
一実施形態によれば、突出部82は、基部84と、中間部分86と、先端88を含み得る。先端88は、突出部82の残りの部分から半径方向又は横方向外向きに延びるラグの形態であり得る。中間部分86は、先端88及び基部84に対して減少した断面厚さを有する領域90を含み得る。一実施形態によれば、先端88及び基部84は、等しい断面厚さを有する。中間部分86は、遠位構成要素Dに面する第一表面94と、近位構成要素Pに面する第二表面96とを含み得る。
【0069】
第一表面94は、長手方向中心軸92に対して斜めであり得る。一実施形態によれば、第一表面94は、長手方向中心軸92から10度~45度だけ角度的にオフセットされてもよい。一実施形態によれば、第一表面94は、長手方向中心軸92から25度だけ角度的にオフセットされてもよい。一実施形態によれば、第一表面94は、第一表面76が長手方向中心軸80からオフセットされるのと同じ角度だけ、長手方向中心軸92から角度的にオフセットされることができる。第二表面96は、長手方向中心軸92に対して垂直であり得る。一実施形態によれば、第二表面96は、第二表面78が長手方向中心軸80からオフセットされるのと同じ角度だけ、長手方向中心軸92から角度的にオフセットされることができる。
【0070】
一実施形態によれば、スリーブ30は長手方向Lに沿って測定される長さL3だけ分離された第一及び第二スリーブ表面を含み得る。図示の実施形態に示されるように、長さL3だけ分離された第一及び第二スリーブ表面は、第一表面83及び突出部82の第二表面96を含み得る。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面は両方とも、突出部82の一部(例えば、遠位端34及び第二表面96)であり得る。
【0071】
第一及び第二スリーブ表面は互いに向かい合うことができる(例えば、第一スリーブ表面は長手方向Lの遠位構成要素Dに少なくとも部分的に面し、第二スリーブ表面は、長手方向Lの近位構成要素Pに少なくとも部分的に面する)。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面は、互いに反対側を向いてもよい。第一及び第二スリーブ表面は図示のように、長手方向Lのそれぞれの構成要素に対して垂直であり、かつそれに面し得る。別の実施形態によれば、第一表面及び第二スリーブ表面のうちの少なくとも1つは、長手方向Lのそれぞれの構成要素に対して斜めであり、それに面してもよい。
【0072】
図示のように、第一及び第二スリーブ表面は、それぞれ、長手方向中心軸92に対して角度的にオフセットされてもよい。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面は平行である。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面は非平行である。一実施形態によれば、第一及び第二スリーブ表面のうちの少なくとも1つは、長手方向中心軸92に対して垂直である。第一及び第二スリーブ表面の各々は、第一及び第二本体表面のうちの1つに対して相補的であり得る。例えば、本体12及びスリーブ30を取り付けると、第一本体表面は第一スリーブ表面と嵌合し、第二本体表面は第二スリーブ表面と嵌合する。
【0073】
一実施形態によれば、スリーブ30の近位部分42は、近位端36に形成された開口部202を有する内部キャビティ200を形成し得る。図示の実施形態に示すように、内部キャビティ200は開口部202から遠位方向に延び、ベース表面204で終端し得る。近位部分42は以下でより詳細に説明するように、キャップ46(
図18に示す)をスリーブ30に取り付けるための第二カプラ206を含み得る。一実施形態によれば、カプラ206は、溝又はねじ山を含み得る。
【0074】
スリーブ30は長手方向Lに沿って、遠位端34及び近位端36の一方から遠位端34及び近位端36の他方まで測定される長さL4を有する。一実施形態によれば、スリーブ30の長さL4は、本体12の長さL1未満である。一実施形態によれば、スリーブ30の長さL4は、本体12の長さL1の25パーセント未満である。一実施形態によれば、スリーブ30の長さL4は、本体12の長さL1の10パーセント未満である。
【0075】
図11~
図17を参照すると、カプラ28及びカプラ44はスリーブ30が可動部材17を含み、本体12が中間部分86及び先端88を含むように、逆にされてもよい。
【0076】
図18~
図21を参照すると、キャップ46は頂部210と、頂部210から延在する側壁212とを有することができ、側壁212は、頂部210に対してより小さい範囲のキャップ46の一部を画定する。キャップ46は、ねじ山又は1つ又は複数の突出部を含む1つ又は複数のカプラ214を有し得る。カプラ214は一実施形態によれば、側壁212と一体であり得る。カプラ214は圧縮可能な部材であり得るし、ばね付勢されていてもよい。
【0077】
図22~
図25を参照すると、本体12等の試料収集本体に取り付けるための構造(又は、構造物)、例えばキットは、スリーブ30及び無線トランスポンダを含み得る。スリーブ30はその一端に、相補的なスナップフィット構造、例えば可動部材17を含む近位部分25にスナップフィットする大きさのスナップフィット部分、例えば突出部82を、試料収集本体の端部に有する可能性がある。無線トランスポンダ50は、スリーブ30に取り付けることができる。無線トランスポンダ50は、少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに通信可能に結合されたマイクロチップとを含み得る。構造体又はキットは例えば、「ダム」試料収集本体(識別情報を欠く)を「スマート」試料収集本体に変えるように、既存の試料収集本体を改造するために使用されてもよい。
【0078】
図11~
図25を参照すると、試料ホルダ10を組み立てる方法は例えば、無線トランスポンダ50をスリーブ30の内部キャビティ200内に配置することによって、無線トランスポンダ50をスリーブ30に取り付けることを含み得る。無線トランスポンダ50をスリーブ30の内部キャビティ200内に配置することは、無線トランスポンダ50を開口部202を通してベース表面204に向かって移動させることを含み得る。この方法は例えば、内部キャビティ200を充填し、それによって無線トランスポンダ50をポッティング材料で取り囲むことによって、無線トランスポンダ50の位置を内部キャビティ200内に固定することを含み得る。
【0079】
この方法は、例えばキャップ46をスリーブ30に取り付けることによって、開口部202をブロック(又は、遮蔽/遮断)することを含み得る。キャップ46をスリーブ30に取り付けることは、スリーブ30のカプラ206がキャップ46のカプラ214と係合するまで、キャップ46をスリーブ30に対して遠位構成要素D内で移動させ、それによって側壁212を内部キャビティ200内に挿入することを含み得る。接着剤を塗布する等、キャップ46をスリーブ30に取り付ける他の方法が使用されてもよい。
【0080】
この方法は例えば、スリーブ30の遠位部分40を本体12の近位部分25に取り付けることによって、スリーブ30を本体12に取り付けることを含み得る。一実施形態によれば、スリーブ30を本体12に取り付けることは、スリーブ30及び本体12のうちの少なくとも一方を、スリーブ30及び本体12のうちの他方に対して、本体長手方向軸80に平行な第一方向に移動させること、例えば、カプラ44を、開口部68を通って、内部キャビティ66内に、ベース表面70に向かって移動させることを含む。スリーブ30を本体12に取り付けることは、先端88を1つ又は複数の可動部材17に当接させることを含む。
図22に示すように、先端88を1つ又は複数の可動部材17に当接させながら、本体12に対するスリーブ30の連続的な遠位移動は1つ又は複数の可動部材17を、長手方向中心軸80から離れるように移動、例えば、屈曲させる。
【0081】
中間部分86と先端74との位置合わせに際して、1つ又は複数の可動部材17は例えば、
図23に示されるように、1つ又は複数の可動部材17に固有の付勢力を介して、長手方向中心軸80に向かって後退する。一旦、1つ又は複数の可動部材17が長手方向中心軸80に向かって後退すると、第二表面78及び第二表面96は長手方向Lに対して整列されることができる。長手方向中心軸80に向かって戻る1つ又は複数の可動部材17の移動は、スリーブ30が今や本体12に取り付けられていることを示す、例えばクリック又はスナップ等の可聴指示(又は、表示)をもたらし得る。
【0082】
図示の実施形態に示すように、第一及び第二本体表面(例えば、近位端20及び第二表面78)間の長さL2と、第一及び第二スリーブ表面(例えば、第一表面83及び突出部82の第二表面96)間の長さL3とが対応してもよい。例えば、長さL3は第一及び第二本体表面が第一及び第二スリーブ表面の間に捕捉されることができるように、長さL2よりもわずかに小さくてもよい。第一及び第二本体表面は、長手方向Lの構成要素における本体12に対するスリーブ30の移動が第一及び第二本体表面のうちの1つと、第一及び第二スリーブ表面のうちの1つとの当接によって阻止されるように捕捉されることができる。示されるように、第二表面78及び第二表面96の整列及び当接は本体12に対する近位構成要素Pにおけるスリーブ30の移動をブロックし、第一表面83及び近位端20の整列及び当接は、本体12に対する遠位構成要素Dにおけるスリーブ30の移動をブロックする。
【0083】
一実施形態によれば、先端88は、第二表面78とベース表面70との間に捕捉されてもよく、それによって、近位構成要素P又は遠位構成要素Dのいずれかにおける本体12に対するスリーブ30の任意の移動を防止する。
【0084】
本明細書に記載されるように、試料ホルダ10、及び試料ホルダ10を組み立てる方法は、生物学的サンプルの収集を含む手順において利点を提供し得る。例えば、スリーブ30及び封入された無線トランスポンダ50を本体12の近位端20(試料14を保持する本体12の部分の反対側)に配置することにより、試料14を乱す(disturbing)ことなく、試料14の収集後に無線トランスポンダ50を取り付けることができる。加えて、試料14に対向する無線トランスポンダ50の位置は、無線トランスポンダ50のリーダが試料14に近接すること及び/又は乱すことなく、無線トランスポンダ50に問い合わせることを可能にする。
【0085】
可動部材17と突出部82との係合によって提供されるスナップフィットは、ツール又は追加の部品(例えば、締結具、接着剤等)を必要とすることなく、スリーブ30(及び封入された無線トランスポンダ50)を本体12(及び既に収集されている場合は収集された試料14)に迅速に取り付けることを可能にする。これは、厳密な温度制御を必要とする試料14、例えば、試料14が生存可能なままであることを確実にするために迅速にガラス化されなければならない試料14を含む手順において有益であり得る。
【0086】
図24を参照すると、スリーブ30を本体12に取り付けることは本体の突出部208を本体12の凹部210に挿入することを含むことができ、凹部210は突出部208の形状に対応する形状を有する。図示のように、本体12及びスリーブ30は、可動部材17を欠いていてもよい。例えば、突出部208を凹部210に挿入する前に、突出部208及び凹部210の一方又は両方に接着剤を塗布して、スリーブ30及び本体12を固定し得る。
【0087】
図25を参照すると、スリーブ30は、内部キャビティ66を通ってベース表面に向かってスリーブ30を移動させることなく、本体12に取り付けられてもよい。例えば、スリーブ30の一部、例えばカプラ44は内部キャビティ66の内側に、例えば射出成形により形成されてもよい。図示のように、本体12及びスリーブ30は、可動部材17を欠いていてもよい。
【0088】
図26~
図28を参照すると、スリーブ30及び内部キャビティ200はスリーブ30の遠位端34に対して開いており、スリーブ30の近位端36に対して閉じていてもよい。図示の実施形態に示すように、試料ホルダ10は、キャップ64を欠いていてもよい。無線トランスポンダ50を内部キャビティ200内に配置した後、スリーブ30の遠位端34を本体12に直接固定することによって(
図26及び27に示すように)、又はスペーサ216を介して間接的に固定することによって(
図28に示すように)、内部キャビティ200を閉じることができる。一実施形態によれば、スリーブ30は本体12と一体であってもよく、例えば、スリーブ30は、本体12内にインサート成形されてもよい。
【0089】
要約に記載しているものを含む、例示された実施形態についての上の説明は、網羅的であるとも、又はそれらの実施形態を開示されている形態そのままに限定するようにも意図されていない。具体的な実施形態及び実施例は説明の目的のために本明細書に記載されているが、当業者によって認識されるように、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な同等の修正が行われ得る。
【0090】
本明細書に記載される方法の多くは、バリエーションを伴って実施し得る。例えば、方法の多くは、追加の動作を含み、いくつかの動作を省略し、及び/又は図示又は説明されたものとは異なる順序で動作を実行し得る。上記の種々の実施形態は、更なる実施形態を提供するように組み合わされることが可能である。本願明細書において参照され、及び/又は本願明細書に列挙されている、同一出願人に譲渡された米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許及び外国特許出願の全ては2020年12月10日に出願された米国特許出願第63/123,959号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含むが、これらに限定されない。この変更及び他の変更は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。
【0091】
上記の詳細説明に照らして、上記の及び他の変形がそれらの実施形態に対して行われることが可能である。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は特許請求の範囲を、本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、すべての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
本体長手方向軸に沿って伸びる本体であって、前記本体は遠位端及び近位端を有し、前記近位端は前記長手方向軸に対して前記遠位端の反対側にあり、前記本体は前記遠位端を含む遠位部分と、前記近位端を含む近位部分とを含み、前記遠位部分は、前記本体と前記試料との係合時に試料を担持する表面を含み、前記近位部分は、本体表面を含む、該本体と、
スリーブ長手方向軸に沿って伸びるスリーブであって、前記スリーブは前記本体表面に相補的なスリーブ表面を含み、前記スリーブは前記スリーブ表面及び前記本体表面が互いに向き合うように前記本体に取り付け可能である、該スリーブと、
前記スリーブに取り付けられた無線トランスポンダ
を含む、試料ホルダ。
<請求項2>
前記本体表面は第一本体表面であり、前記スリーブ表面は第一スリーブ表面であり、前記本体の前記近位部分は第二本体表面を含み、前記第一本体表面及び前記第二本体表面はそれぞれ、前記長手方向軸に対して角度的にオフセットされ、前記スリーブは前記第二本体表面に相補的な第二スリーブ表面を含み、前記スリーブは前記第二スリーブ表面及び前記第二本体表面が互いに向き合うように前記本体に取り付け可能である、請求項1に記載の試料ホルダ。
<請求項3>
前記本体又は前記スリーブのそれぞれの1つは、前記第一本体表面、前記第二本体表面、前記第一本体表面と前記第二本体表面の両方、前記第一スリーブ表面、前記第二スリーブ表面又は前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面の両方を含む可動部材を担持し、
前記可動部材は前記本体又は前記スリーブのそれぞれの1つに対して可動であり、その結果、可動部材によって担持される前記表面又は複数の表面は前記本体長手方向軸又は前記スリーブ長手方向軸のそれぞれの1つに向かって及びそれから離れるように可動である、請求項2に記載の試料ホルダ。
<請求項4>
前記第一スリーブ表面及び前記第二スリーブ表面は前記スリーブ長手方向軸に沿って互いに向き合い、前記第一本体表面及び前記第二本体表面は前記本体長手方向軸に沿って互いに反対側に向いている、請求項3に記載の試料ホルダ。
<請求項5>
前記第一本体表面は、前記本体長手方向軸に沿って測定される第一距離だけ前記第二本体表面から分離され、前記第一スリーブ表面は前記スリーブ長手方向軸に沿って測定される第二距離だけ前記第二スリーブ表面から分離され、前記第一距離は、前記第一本体表面と前記第二本体表面とが前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面との間に捕捉され得るように、前記第二距離よりも小さい、請求項4に記載の試料ホルダ。
<請求項6>
前記スリーブが前記本体に取り付けられたとき、前記本体長手方向軸に平行な第一方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動が、前記第一本体表面と前記第一スリーブ表面との当接によってブロックされ、前記第一方向と反対の第二方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動が、前記第二本体表面と前記第二スリーブ表面との当接によってブロックされる、請求項3に記載の試料ホルダ。
<請求項7>
前記本体は前記可動部材を担持し、前記可動部材は前記本体の前記近位部分から延在する基部を有し、前記先端が前記本体長手方向軸に向かって及び前記スリーブ長手方向軸線から離れて移動可能である自由端であるように、前記可動部材は前記基部によって支持される先端で終端し、前記先端は、前記第一本体表面、前記第二本体表面又は前記第一本体表面と前記第二本体表面の両方を含む、請求項3~6のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項8>
前記可動部材は第一可動部材であり、前記本体は第二可動部材を担持し、前記第二可動部材の先端は、前記第二スリーブ表面に対応する第三本体表面を含む、請求項7に記載の試料ホルダ。
<請求項9>
前記第二本体表面は、前記第三本体表面と同一平面上にある、請求項8に記載の試料ホルダ。
<請求項10>
前記スリーブが、前記第一スリーブ表面から延在する突出部を含む、請求項7~9のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項11>
前記突出部が前記第一スリーブ表面から延在する基部を含み、前記突出部が前記突出部の前記基部によって支持される先端で終端し、前記突出部が前記突出部の前記基部と前記突出部の前記先端との間の中間部分を含み、前記中間部分が前記スリーブ長手方向軸に垂直な方向に沿って測定される、前記スリーブ長手方向軸に垂直な前記方向に沿って測定される前記突出部の前記先端の断面厚さよりも小さい断面厚さを有する、請求項10に記載の試料ホルダ。
<請求項12>
前記突出部の前記先端は、前記第二スリーブ表面を含む、請求項11に記載の試料ホルダ。
<請求項13>
前記中間部分は、前記可動部材の前記先端の形状に対応する形状を有する、請求項11に記載の試料ホルダ。
<請求項14>
前記中間部分は、前記スリーブ長手方向軸に対して斜めの表面を含む、請求項13に記載の試料ホルダ。
<請求項15>
前記突出部の前記先端の断面厚さが、前記スリーブ長手方向軸に垂直な前記方向に沿って測定された前記突出部の前記基部の断面厚さに等しい、請求項11に記載の試料ホルダ。
<請求項16>
前記第一本体表面及び前記第二本体表面のうちの少なくとも1つが、前記本体長手方向軸に対して垂直である、請求項7~15のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項17>
前記第一本体表面は、前記第二本体表面に平行である、請求項3~16のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項18>
前記スリーブは前記可動部材を担持し、前記可動部材は前記スリーブの一部から延在する基部を有し、前記可動部材は、前記先端が前記スリーブ長手方向軸に向かって及び前記スリーブ長手方向軸から離れて移動可能である自由端であるように、前記基部によって支持される先端で終端し、前記先端は、前記第一スリーブ表面、前記第二スリーブ表面又は前記第一スリーブ表面と前記第二スリーブ表面の両方を含む、請求項3~6のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項19>
前記可動部材は第一可動部材であり、前記スリーブは第二可動部材を担持し、前記第二可動部材の先端は、前記第二本体表面に対応する第三スリーブ表面を含む、請求項18に記載の試料ホルダ。
<請求項20>
前記第二スリーブ表面は、前記第三スリーブ表面と同一平面上にある、請求項18に記載の試料ホルダ。
<請求項21>
前記第一スリーブ表面及び前記第二スリーブ表面のうちの少なくとも1つが、前記スリーブ長手方向軸に対して垂直である、請求項18~20のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項22>
前記第一スリーブ表面は、前記第二スリーブ表面に平行である、請求項18~21のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項23>
前記無線トランスポンダはRFIDタグを含み、前記RFIDタグは、記憶された識別情報を有する集積回路と、前記記憶された識別情報を送信するように前記集積回路に結合されたアンテナとを含む、請求項1~22のいずれかに記載の試料ホルダ。
<請求項24>
前記無線トランスポンダは、電源をさらに含む、請求項23に記載の試料ホルダ。
<請求項25>
無線トランスポンダをスリーブに取り付けるステップと、
前記スリーブの遠位部分を本体の近位部分に取り付けるステップであって、前記本体は本体長手方向軸に沿って細長く、前記本体の前記近位部分は前記本体長手方向軸に対して前記本体の遠位部分の反対側にあり、前記本体の前記遠位部分は試料保持表面を含む、該ステップと、
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を、前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して、前記本体長手方向軸に平行な第一方向に移動させるステップと、
前記本体に対する、前記本体長手方向軸に平行な前記スリーブの運動が防止されるように、前記スリーブを前記本体に固定するステップ、
を含む、試料ホルダを組み立てる方法。
<請求項26>
前記スリーブ及び前記本体の少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体の他方に対して移動させながら、可動部材によって担持された第一表面を前記本体長手方向軸から離れるように移動させるステップと、
前記スリーブ及び前記本体の少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体の他方に対して移動させながら、前記可動部材によって担持された前記第一表面を前記本体長手方向軸に向かって移動させるステップと、
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して移動させた後、前記第一表面を第二表面と位置合わせし、それによって、前記本体長手方向軸に平行な一方の方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動を阻止するステップと、
第三表面を第四表面と位置合わせし、それによって、前記本体長手方向軸に平行な他方の方向に沿った前記本体に対する前記スリーブの運動を阻止するステップ、をさらに含み、
前記本体及び前記スリーブのうちの一方が前記可動部材を担持し、前記本体及び前記スリーブのうちの他方が前記第二表面を含み、前記本体及び前記スリーブのうちの前記一方が前記第三表面を含み、前記本体及び前記スリーブの前記他方が前記第四表面を含む、請求項25に記載の方法。
<請求項27>
前記本体の前記近位部分は前記本体長手方向軸に垂直な方向に測定される第一断面寸法を有し、前記本体の前記遠位部分は前記本体長手方向軸に垂直な方向に測定される第二断面寸法を有し、前記第一断面寸法は前記第二断面寸法よりも大きく、前記スリーブの前記遠位部分を前記本体の前記近位部分に取り付けるステップは前記スリーブの前記遠位部分を前記第一断面寸法を有する前記本体の部分に取り付けるステップを含む、請求項26に記載の方法。
<請求項28>
前記本体が前記可動部材を担持する、請求項26及び27のいずれかに記載の方法。
<請求項29>
前記スリーブ及び前記本体のうちの少なくとも一方を前記スリーブ及び前記本体のうちの他方に対して移動させるステップは、更に、
前記スリーブの突出部を、前記本体の前記近位部分に形成された開口部に通すステップを含む、請求項28に記載の方法。
<請求項30>
前記スリーブは、少なくとも部分的に内部キャビティを包含し、前記方法は更に、
無線トランスポンダを内部キャビティ内に固定するステップを含む、請求項26~29のいずれかに記載の方法。
<請求項31>
前記無線トランスポンダを前記内部キャビティ内に固定するステップは、前記内部キャビティをポッティング材料で少なくとも部分的に充填するステップを含む、請求項30に記載の方法。
<請求項32>
更に、
前記無線トランスポンダを前記内部キャビティ内に配置した後、前記無線トランスポンダが通過する前記内部キャビティの開口部を遮断するステップを含む、請求項26~31のいずれかに記載の方法。
<請求項33>
前記開口部は前記スリーブの近位部分に形成され、前記スリーブの前記近位部分はスリーブ長手方向軸に沿って前記スリーブの前記遠位部分とは反対側にある、請求項32に記載の方法。
<請求項34>
更に、
前記スリーブの前記近位部分にキャップを当接させることにより、前記内部キャビティの前記開口部を遮断するステップを含む、請求項33に記載の方法。
<請求項35>
更に、
、前記試料が前記本体の前記遠位部分の前記試料保持表面上に保持されるように、本体の前記遠位部分を試料と係合させるステップを含む、請求項26~34のいずれかに記載の方法。
<請求項36>
試料収集本体に取り付けるための構造体であって、
前記試料収集本体の端部上の相補的なスナップフィット構造にスナップフィットするように寸法決めされたスナップフィット部分を一端に有するスリーブと、
前記スリーブに取り付けられた無線トランスポンダであって、少なくとも1つのアンテナと、前記少なくとも1つのアンテナに通信可能に結合されたマイクロチップとを含む、該無線トランスポンダと、
を備える、構造体。
<請求項37>
前記無線トランスポンダは、前記スリーブに固定される、請求項36に記載の構造体。
<請求項38>
前記スリーブは遠位端と、近位端と、前記遠位端と前記近位端との間に延在する側壁とを有し、前記スリーブは前記側壁によって少なくとも部分的に囲まれた内部キャビティを含み、前記無線トランスポンダの少なくとも一部分は、前記内部キャビティ内に収容される、請求項36に記載の構造体。
<請求項39>
前記無線トランスポンダの全体が前記内部キャビティ内に収容される、請求項38に記載の構造体。
<請求項40>
前記スリーブの前記スナップフィット部分は、一対の平行な表面を含む、請求項36に記載の構造体。
<請求項41>
前記スリーブは長手方向軸に沿って細長く、前記一対の平行な表面は前記長手方向軸に垂直である、請求項40に記載の構造体。
<請求項42>
前記一対の平行な表面は、前記長手方向軸に沿って互いに向き合う、請求項40に記載の構造体。
<請求項43>
生物学的試料を少なくとも一時的に保持する装置であって、
主軸、近位端及び遠位端を有する試料ストローであって、前記遠位端が使用時に生物学的試料を保持し、前記試料ストローの前記近位端がその中に形成されたレシーバ又はそこから延在するステムのうちの1つを有する、該試料ストローと、
主軸、遠位端及び近位端を有するトランスポンダ部品であって、本体と、前記本体に取り付けられた無線トランスポンダ回路と、前記本体に取り付けられ、前記無線トランスポンダ回路に通信可能に結合された少なくとも1つのアンテナとを備え、前記トランスポンダ部品の前記遠位端がそこに形成されたレシーバ又はそこから延在するステムのうちの1つを有し、前記トランスポンダ部品の前記レシーバ又は前記ステムが試料ストローの前記レシーバ又は前記ステムと相補的であり、それと嵌合するようになっている、該トランスポンダ部品
を備える、装置。
<請求項44>
前記試料ストローは前記試料ストローの前記主軸に沿って前記近位端から前記遠位端に部分的に延在する通路として形成された前記レシーバを有し、前記通路は第一外形及び第一サイズの内周を有し、前記トランスポンダ部品は第二外形及び第二サイズを有する前記ステムを有し、前記第二外形は前記第一外形に一致し、前記第二サイズは、前記試料ストローの前記通路と緊密に嵌合して受容されるサイズである、請求項43に記載の装置。
<請求項45>
前記トランスポンダの前記ステムは、前記試料ストローの前記レシーバと一体である、請求項44に記載の装置。
<請求項46>
前記トランスポンダ部品の前記ステムは、前記試料ストローの前記レシーバ内にインサート成形される、請求項45に記載の装置。
<請求項47>
更に、
前記トランスポンダ部品又は前記試料ストローのステムを前記試料ストロー又は前記トランスポンダ部品の前記レシーバに固定する接着剤を備える、請求項43に記載の装置。
<請求項48>
前記トランスポンダ部品又は前記試料ストローの前記ステムは横方向外向きに延在する少なくとも1つのラグを有し、前記レシーバは前記トランスポンダ部品の前記遠位端が前記試料ストローの前記近位端と同一平面上にあるときに、前記ラグの少なくとも一部に保持係合するように、前記レシーバの外端からある距離に配置された弾性戻り止めを有する、請求項43に記載の装置。
<請求項49>
前記トランスポンダ部品又は前記試料ストローの前記ステムは半径方向外向きに延在する少なくとも1つのラグを有し、前記レシーバは前記トランスポンダ部品の前記遠位端が前記試料ストローの前記近位端と同一平面上にあるときに、前記ラグの少なくとも一部に保持係合するように、前記レシーバの外端からある距離に配置された弾性戻り止めを有する、請求項43に記載の装置。
<請求項50>
前記トランスポンダ部品の前記レシーバ又は前記ステムは前記試料ストローの前記レシーバ又は前記ステムとスナップフィットカプラを形成するように相補的である、請求項43に記載の装置。
<請求項51>
前記試料ストローの前記近位部分は第一外径を有する円筒形であり、前記トランスポンダ部品の前記本体は第二直径を有する円筒形であり、前記第二直径は前記第一直径に等しい、請求項43に記載の装置。
<請求項52>
前記試料ストローの前記遠位部分が、少なくとも1つの平面試料保持表面を含む、請求項43に記載の装置。
<請求項53>
前記トランスポンダ部品の前記本体は、電気絶縁材料を含む、請求項43に記載の装置。