(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】情報処理を行うプログラムおよび装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20241107BHJP
【FI】
G06Q50/163
(21)【出願番号】P 2024156612
(22)【出願日】2024-09-10
【審査請求日】2024-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522106097
【氏名又は名称】株式会社Facilo
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 紘
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-326701(JP,A)
【文献】特開2003-203075(JP,A)
【文献】特開2002-024248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得するステップと、
詳細位置情報記憶装置から
、詳細位置情報を特定するための情報で
あって、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報特定情報を用いて
、該物件の詳細位置情報を取得するステップと、
該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得するステップと、
該取得した付随情報を表示するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記付随情報は、前記物件が属する学区についての情報を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記付随情報は、ペットの飼育に関する情報を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記物件の想定居住者にとっての基準地点についての入力を受け付けるステップをさらに前記コンピュータに実行させ、
前記付随情報は、前記基準地点と前記物件の所在地までの移動に関する情報を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記想定居住者は複数人存在し、
前記基準地点は各人ごとに異なり、
前記表示するステップにおいて、各人についての前記移動に関する情報を同時に表示する
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示するステップにおいて、前記不動産情報記憶装置から取得した物件のリストであって、各物件について前記付随情報が付加された情報を示す画像と、各物件の所在地を地図上に示した画像とが一画面内に表示される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得する手段と、
詳細
位置情報記憶装置から
、詳細位置情報を特定するための情報で
あって、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報特定情報を用いて
、該物件の詳細位置情報を取得する手段と、
該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得する手段と
該取得した付随情報を表示する手段と
を有する情報処理装置。
【請求項8】
ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得するステップと、
詳細
位置情報記憶装置から
、詳細位置情報を特定するための情報で
あって、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報特定情報を用いて
、該物件の詳細位置情報を取得するステップと、
該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置か
ら、当該物件に関する付随情報を取得するステップと
該取得した付随情報を表示するステップと
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、不動産取引情報の処理を行うプログラムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不動産仲介会社は、不動産取引(賃貸や売買)対象となる物件の情報を記憶したデータベースにアクセスして、不動産取引(賃貸や売買)対象となる物件の情報を顧客に提供することが一般的となっている。このようなデータベースの一例として、レインズと呼ばれる、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムがある(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】成約価格を基にした不動産取引情報提供サイト REINS Market Information、[online]、[令和6年7月31日検索]、インターネット<URL:1725928452939_0.do>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなデータベースには、顧客にとって必ずしも十分な情報が登録されているとは限らない。例えば、セキュリティ等の観点から、番地名などの詳細な住所の情報については、意図的に省略されている。物件の地理的情報として登録されているのは、一般的に、大まかな住所や最寄り駅までの所要時間くらいである。よって、例えば、ある物件に興味を持った顧客がその物件を購入して住んだ場合に、その顧客の子供がどの小学校に行くことになるかといったことは分からない。そのような詳細な情報は、一般的に、上記データベースの登録必須事項として規定されていないからである。
このような場合、顧客自身あるいは顧客から依頼を受けた不動産仲介会社が、顧客が興味を持った物件の住所を手掛かりとして、例えば地図データベースにアクセスするなどの方法により、その住所が属する学区を別途調べる必要があった。このような作業を、顧客が興味を持った物件ごとに行うのは、面倒である。
【0005】
また、上記データベースが有する情報のみからでは、顧客の家族全員について、その物件から会社や学校までの通勤経路や所要時間を把握することは困難である。その他、ペット飼育可能か否かといった細かな情報は、通常、上記データベースからだけは把握することはできない。
【0006】
この発明は、不動産取引の検討の際における情報の取得を支援すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、一の態様において、コンピュータに、ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得するステップと、詳細位置情報記憶装置から、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報を特定するための情報である詳細位置情報特定情報を用いて該物件の詳細位置情報を取得するステップと、該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得するステップと、該取得した付随情報を表示するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【0008】
好ましい態様において、前記付随情報は、前記物件が属する学区についての情報を含む。
【0009】
他の好ましい態様において、前記付随情報は、ペットの飼育に関する情報を含む。
【0010】
他の好ましい態様では、前記物件の想定居住者にとっての基準地点についての入力を受け付けるステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記付随情報は、前記基準地点と前記物件の所在地までの移動に関する情報を含む。
【0011】
この態様において、前記想定居住者は複数人存在し、前記基準地点は各人ごとに異なり、前記表示するステップにおいて、各人についての前記移動に関する情報を同時に表示してもよい。
【0012】
他の好ましい態様では、前記表示するステップにおいて、前記不動産データベースから取得した物件のリストであって、各物件について前記付随情報が付加された情報を示す画像と、各武物件の所在地を地図上に示した画像とが一画面内に表示される。
【0013】
また、この発明は、ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得する手段と、詳細住所情報記憶装置から、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報を特定するための情報である詳細位置情報特定情報を用いて該物件の詳細位置情報を取得する手段と、該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得する手段と該取得した付随情報を表示する手段とを有する情報処理装置を提供する。
さらに、この発明は、ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件に関する付随情報を取得するために必要となる情報である物件の詳細位置情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得するステップと、詳細住所情報記憶装置から、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報を特定するための情報である詳細位置情報特定情報を用いて該物件の詳細位置情報を取得するステップと、該取得した詳細位置情報を用いて、前記不動産情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得するステップと該取得した付随情報を表示するステップとを有する情報処理方法を提供する。
また、この発明は、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、顧客にとって有益な付随情報を含む不動産取引情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の一実施形態である情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態の動作を示すフローチャートである。
【
図4A】同実施形態における、不動産データベースから表示した情報の内容の例を示す図である。
【
図6】この発明の他の実施形態の表示例を示す図である。
【
図7】この発明の他の実施形態の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、顧客に対して不動産取引情報を提供する情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、インターネット、移動体通信ネットワーク等のネットワーク90を介して相互に接続された情報処理装置10と、不動産データベース20と、検索サーバ30と、データベース40とを有する。なお、
図1には、情報処理装置10と、不動産データベース20と、検索サーバ30と、データベース40とが1個ずつ示されているが、これらは複数個設けられてもよい。
【0018】
情報処理装置10は、不動産仲介会社に配置されたパーソナルコンピュータ、タブレット端末等のコンピュータである。なお、情報処理装置10は、スマートフォンであってもよい。情報処理装置10は、例えば不動産仲介会社の従業員等のユーザによって操作され、不動産取引を望む顧客に対して不動産取引情報を提供する。
【0019】
不動産データベース20は、不動産の情報を記憶する装置であり、例えばレインズ等、不動産の物件情報を蓄積するデータベースである。この不動産データベース20の物件情報は、少なくとも物件の詳細位置情報を有しない。検索サーバ30は、詳細位置情報を記憶する装置であり、例えば、Google(登録商標)等のサーバである。情報処理装置10から検索条件を与えられることにより、検索条件に従って情報検索を行う等して、詳細位置情報を取得する。
【0020】
データベース40は、後述する付随情報を記憶する装置である。例えばマップル(商標)、Google(商標)等の情報の各種の情報提供サーバが管理しているデータベースである。なお、データベース40と検索サーバ30とは事実上同一のものであってもよいし、同一の管理者によって管理されているものであってもよい。
【0021】
図2は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11と、表示部12と、操作部13と、通信部14と、記憶部15とを有する。
【0022】
プロセッサ11は、情報処理装置10の制御中枢である。表示部12は、液晶ディスプレイパネル等により構成されている。操作部13は、キーボード、マウス等の操作子を含む。なお、表示部12としての機能と操作部13としての機能とを兼ね備えたタッチパネルが情報処理装置10に設けられてもよい。通信部14は、ネットワーク90を介して他の装置と通信を行うための手段である。記憶部15は、例えばRAMの揮発性記憶部とHDD等の不揮発性記憶部とからなる。不揮発性記憶部にはプロセッサ11によって実行される各種のプログラムが記憶される。揮発性記憶部はプロセッサ11によってワ-クエリアとして使用される。
【0023】
図2に示すように、記憶部15には、ネットワーク90上のサイトにアクセスするためのブラウザ151がインストールされている。本実施形態において、このブラウザ151には、仲介支援プログラム152がプラグインされている。本実施形態の特徴は、この仲介支援プログラム152にある。
【0024】
図3は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、プロセッサ11は、仲介支援プログラム152に従い、物件情報取得処理(ステップS1)と、詳細位置情報取得処理(ステップS2)と、付随情報取得処理(ステップS3)と、表示処理(ステップS4)とを順次実行する。
【0025】
物件情報取得処理(ステップS1)において、プロセッサ11は、操作部13を介してユーザ(不動産仲介会社の従業員)からの指示を受け付け、この指示に従って不動産データベース20から物件情報を取得する。指示とは、具体的には物件の価格、間取り、所在位置等の検索条件である。
【0026】
次に、詳細位置情報取得処理(ステップS2)において、プロセッサ11は、検索サーバ30にアクセスし、取得した物件情報に含まれる詳細位置情報を特定するための情報である詳細位置情報特定情報を用いて、各物件についてその詳細位置情報を取得する。
詳細位置情報特定情報は、詳細位置情報を特定するための情報であればよく、例えば、各物件の名称(例えばマンションその他の集合住宅の名称や、複数の戸建て住宅を含む分譲地全体を示す名称など)がこれに該当する。あるいは、詳細位置情報特定情報は、物件の名称と、物件所在地の大まかな位置ないしエリアを示す情報(地番の詳細部が省略されていて正確性に欠ける住所表記で表現された情報や、区域(エリア)で特定された情報、所定のランドマーク地点からの距離で表した情報(〇〇駅から100mなど))とを組み合わせたものであってもよい。あるいは、詳細位置情報特定情報は、上述した物件所在地の大まかな位置やエリアを示す情報のみを含んでいてもよい。
詳細位置情報とは、例えば緯度と経度や、行政上用いられている表記の住所、あるいは法律上(登記上)の住所など、少なくとも後述の付随情報を取得するために必要な程度の情報を含むが、マンション内の部屋番号などその物件を一意に特定することができる情報を含んでいる必要は必ずしもない。また、例えば、詳細位置情報特定情報が、物件情報に含まれる住所であり、詳細位置情報が当該住所から特定される緯度と経度であってもよい。例えば、物件情報に含まれる住所ではなく、緯度と経度を用いて、後述の付随情報を取得する場合があるからである。
【0027】
次に、付随情報取得処理(ステップS3)において、プロセッサ11は、取得した詳細位置情報を用いて、データベース40にアクセスし、物件情報が示す物件に関する付随情報を取得する。この付随情報は、例えばその物件が属する学区の情報、通勤通学路の情報、ペット飼育可否の情報、ハザードパマップその他の土地に関する情報、その物件の関係者(近隣住民など)からSNS(ソーシャルメデイア)サイトやネット掲示板等に投稿された情報(いわゆる口コミ情報)など、物件の取引の検討の際に参考になり得る情報であるが不動産データベース20が保有していない情報である。
【0028】
次に、表示処理(ステップS4)において、プロセッサ11は、取得した付随情報を表示部12に表示する。
図4Aないし4Cは、この表示処理の第1の例を説明するための図であり、
図5はこの表示処理の第2の例を示す図である。好ましい態様において、プロセッサ11は、第1表示動作または第2表示動作の一方のみを実行する。他の好ましい態様において、プロセッサ11は、第1表示動作または第2表示動作のうち操作部13の操作により指示された方を実行する。
【0029】
第1表示動作では、不動産データベース20から取得した物件情報のリストに、付随情報をテキストオブジェクトとして付加して表示する。この例では、
図4Aに示す検索結果を示す物件の一覧と各物件についての情報を対応付けたリストとを示す画像を不動産データベース20取得したとする。そして、
図4Bに示すように、当該画像に重ねて、取得した付随情報として、各物件情報に各物件が属する学区に関する情報(この例では、小学校および中学校の名称を示すテキストオブジェクトOB11,OB12,OB21,OB22,OB31,OB32)を示すオブジェクトを表示する。この表示動作例によれば、顧客は、各物件を購入した場合に、家族が通学することになる学校(同図の例では、例えば物件番号1についてはA小学校およびB中学校となる)を知ることできる。
【0030】
なお、付随情報を表示する位置は任意である。同図の例では、不動産データベース20から取得した物件情報のリストを示す画像(
図4A)における予め定められた項目欄に付随情報を示すオブジェクトを配置した例であるが、例えば、
図4Aに示すような不動産データベース20から取得したリストを示す画像から情報内容(情報項目とその内容)をテキスト情報として抽出し、データを再構成して異なる外観のリストを再構築してもよい。例えば、
図4Cに示すように、不動産データベース20から取得した情報に、「付随情報」(同
図DA)という情報項目を新たに付加し、この項目内に、それぞれの物件に対応して取得した付随情報の内容および情報の取得元を表示する。
要するに、不動産データベース20が保有する情報と付随情報とが関連付けられてユーザに認識されるように表示されればよい。
【0031】
第2の表示例では、各物件情報が示す物件の所在位置が示された地図が表示されると共に、各物件の付随情報が地図に重ねて表示される。
図5の例では、上記物件情報のリストに含まれる各々の物件について、その所在位置および各物件が属する学区エリアが地図上に重ね表示されている。この表示例によれば、顧客は、各物件を購入した場合に、各物件の位置と家族が通学することになる学校の位置との関係(例えば通学距離)を知ることができる。加えて、同図の例では、物件1において、付随情報である口コミサイトから取得した情報を示すオブジェクトOB40が、地図上に重ねて表示されている。
具体的には、情報処理装置10は、インターネットを介して地図情報を提供する地図サーバ(図示省略)へアクセスして、不動産データベース20から取得したすべての物件の住所に関する情報を少なくとも内包した地図情報の提供を要求し、地図情報サーバから、地図情報に各物件の位置を示すオブジェクトが、上記すべての物件が収まる範囲の地図の上に重畳表示された画像データを受信する。あるいは、情報処理装置10は地図サーバから地図データのみを取得し、付随情報の地図上への描画表示は情報処理装置10が行ってもよい。
【0032】
このように、本実施形態によれば、検索した複数の物件の各々について、インターネット上等に分散している情報が集約・統合されて顧客に提示されるので、顧客は不動産取引に関する検討を深くかつ短時間で行うことができる。
【0033】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0034】
表示処理(ステップS4)では、不動産データベース20から取得した物件のリストであって、各物件について付随情報が付加された情報を示す画像と、各物件の所在地を地図上に示した画像とが一画面内に表示されてもよい。
すなわち、
図6に示すように、物件情報のリストと付随情報を重ね表示した画面(
図4A~4Cの第1表示動作参照)と、地図上に付随情報(図示の例では学区に関する情報)を重ね表示した画面(
図5の第2表示動作参照)とを左右に並べて表示部12に表示してもよい。これは、例えばブラウザに用意された画面分割機能を利用すればよい。このようにすれば、各画面を別ウィンドウや別タブで表示する場合に比べて、タブ切り替え操作等を行うことなく、右側の画面で各物件の位置(あるいは互いの位置関係)を確認しつつ、左側の画面において必要に応じて検索でヒットした複数の物件の各々についてのテキストベースによる詳細情報を確認することができる。これにより、ユーザは短時間で効率的に物件についての理解を深めることができ、且つ各物件の比較も容易となる。
【0035】
物件の想定居住者にとっての基準地点についての入力を受け付ける処理をプロセッサ11にさらに実行させてもよい。また、付随情報取得処理(ステップS3)では、基準地点と物件の所在地までの移動に関する情報を含む付随情報を取得する。ここで、想定居住者とは、物件の購入検討者、すなわち、不動産仲介会社にとっての顧客である。また、基準地点とは、会社、学校等の所在地である。基準地点についての入力の受け付けに関しては各種の態様が考えられる。例えば不動産仲介会社は、予め顧客の属性情報(勤務地等を含む)を自社が保有する顧客管理データベースなどに登録しておき、物件情報の取得後、その属性情報を読み出してもよいし、属性情報を読み出してから物件情報の検索を行ってもよい。移動に関する情報とは、基準地点と物件の所在地との間の経路、所要時間などである。このような態様によれば、家族全員の移動コストを踏まえた物件の検討が容易になる。
【0036】
なお、想定居住者は複数人存在してもよい。複数人とは、例えばその物件に住む予定の世帯の構成員全員である。また、基準位置は想定居住者の各人ごとに異なってもよい。そして、表示処理(ステップS4)では、各人についての移動に関する情報を同時に表示する。
【0037】
この態様において、
図7に示すように、例えば1枚の同じ地図上に、物件位置からの家族の構成員人の移動に関する情報(勤務地や通学先までの経路や所要時間)を同時に表示してもよい。このように移動コストを可視化することで、同居者全員の移動コストやアクセス性を加味して物件購入を検討することが容易になる。
【0038】
要するに、本発明に係る情報処理システムにおいて、ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件の詳細位置情報についての情報を有しない不動産情報記憶装置から、物件情報を取得するステップと、詳細位置情報記憶装置から、該取得した物件情報に含まれる詳細位置情報特定情報を用いて該物件の詳細位置情報を取得するステップと、該取得した詳細位置情報を用いて、前記詳細位置情報記憶装置とは異なる情報記憶装置から、当該物件に関する付随情報を取得するステップと、該取得した付随情報を表示するステップとが、一以上のコンピュータ装置(プロセッサ)において実行されていればよい。
【符号の説明】
【0039】
10……情報処理装置、20……不動産データベース、30……検索サーバ、40……データベース、90……ネットワーク、11……プロセッサ、12……表示部、13……操作部、14……通信部、15……記憶部、151……ブラウザ、152……仲介支援プログラム、S1……物件情報取得処理、S2……詳細情報取得処理、S3……付随情報取得処理、S4……表示処理。
【要約】
【課題】不動産取引の検討の際における情報の取得を支援すること。
【解決手段】コンピュータに、ユーザから受け付けた指示に基づいて、少なくとも物件の詳細住所についての情報を有しない不動産データベース20から、物件情報を取得するステップS1と、検索サーバ30にアクセスし、該取得した物件情報に含まれる物件の名称を用いて該物件の詳細住所を取得するステップS2と、該取得した詳細住所を用いて、不動産データベース20とは異なるデータベース40にアクセスし、当該物件に関する付随情報を取得するステップS3と、該取得した付随情報を表示するステップS4とを実行させる。
【選択図】
図1