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特許7583509街路ポール、街路照明ポール、照明器具及びこれらの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】街路ポール、街路照明ポール、照明器具及びこれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20241107BHJP
   E04H 12/00 20060101ALI20241107BHJP
   E04H 12/08 20060101ALI20241107BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20241107BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H01Q1/12 C
E04H12/00 B
E04H12/08
F21S8/08 120
F21V33/00 300
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021530044
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019081616
(87)【国際公開番号】W WO2020109048
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】18209045.6
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19158754.2
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】フリーデリヒス ヴィーナンド ヘンドリック アンナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】デ ホーデレン ウイ アイ リン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィレムセ アロイシウス ヨハンネス ヘラルドゥス マリア
(72)【発明者】
【氏名】リー クワン ナイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ライスバイク ニコラース アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ケムペン フランク ヴァルテルス フランシスクス マリー
(72)【発明者】
【氏名】ホールツ ヴァルター ヨハンネス マリー
(72)【発明者】
【氏名】ティーキンク デルク
(72)【発明者】
【氏名】ペット ロベルト ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】カロン ジュルジュ マリー
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-173367(JP,A)
【文献】特開2000-151234(JP,A)
【文献】米国特許第05641141(US,A)
【文献】国際公開第00/076022(WO,A1)
【文献】特表2013-531423(JP,A)
【文献】特開平06-053894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
E04H 12/00
E04H 12/08
F21S 8/08
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナセクションを備える街路ポールであって、前記アンテナセクションは長さLを有し、街路ポールのための曲げ空間を提供するために少なくとも0.2~8mmの範囲のリアランスを持って街路ポールの周りに同軸アンテナを取り付けることを可能にするアンテナ取付トレランス特徴を備え、
前記アンテナセクションは、前記曲げ空間を確保するために以下のアンテナ取付トレランス特徴のうちの少なくとも一方を有
- O-リングが各々、アンテナのそれぞれの端部から0.5*(1-1/2√2)*L±10%の距離Drで取り付けられる、O-リングを用いたサスペンション、
- 前記アンテナセクションの下端部及び上端部における街路ポールの縮外径、
前記アンテナセクションはさらに、
- アセンブルを容易にするため、及び街路ポールの周りにケーブルスリーブをスプリングマウントするために全長にわたって外周に開口部を備える押出成形ケーブルスリーブ
- 好ましい位置に残留パーティクルを集めるための軸方向溝
のうちの少なくとも一方を有する、街路ポール
【請求項2】
軸方向溝は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の街路ポール
- 溝の底部における軸方向副溝、
- 溝の矩形状の断面、
- 溝のV字状の断面、
街路ポールの外面から内方に広がる又は先細る台形状の断面
- 溝の幅の1.05倍~2倍きい溝の深さ。
【請求項3】
街路ポールは、軸方向溝を備える溝付きポールであり、街路ポールは、ホットディッピングコーティングプロセスを介して、亜鉛-鉄合金又はクロムの保護コーティングが設けられる、請求項1又は2に記載の街路ポール。
【請求項4】
街路ポールの縮外径は、アンテナの上端部及び/又は下端部の位置に設けられる街路ポールの外面におけるくぼみである、請求項1、2又は3に記載の街路ポール。
【請求項5】
少なくとも1つの上端部は、少なくとも前記アンテナセクションの上端部を含む、請求項1、2、3又は4に記載の街路ポール。
【請求項6】
前記アンテナセクションの周りに取り付けられるアンテナ、照明器具セクション、中間ポールセクション及びベースセクションを備え、下部から上部への相互に接続される隣接セクションの順序がベースセクション、中間ポールセクション、アンテナセクション及び照明器具セクションである街路照明ポールとして構成される、請求項1、2、3、4又は5に記載の街路ポール。
【請求項7】
前記リアランスは2mm~5.5mmの範囲である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の街路ポール。
【請求項8】
前記リアランスは3mm~4.5mmの範囲である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の街路ポール。
【請求項9】
請求項6に記載の街路ポールを備える照明器具であって、少なくとも前記アンテナセクションのコア開口部を通って延びる電気ケーブルと、前記中間ポールセクション及び/又は前記ベースセクションにおける電子機器であって、前記照明器具セクションに収容される又は収容されるべき光源を駆動するように構成される電子機器とを備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナセクションを備えるマスト又は街路ポール(street pole)、アンテナを組み込んだマスト又は街路照明ポール(street lighting pole)、照明器具及びこれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、本発明は、街路照明ポールも無線通信機能を得るように通信機器(無線機(radio)、アンテナ、ケーブル)を含むように修正されている街路照明ポールに関する。より具体的には、本発明の分野は、機器が、公衆の視界からそれを目立たなくすることを目的として、ライトポール(light pole)の外面内に組み込まれる、街路照明ポールに関する。これは、テレコムスマートポール(telecom smart pole)と呼ばれる。
【0003】
現況のテレコムスマートポールには、高さの異なるさまざまなポールがある。公共空間のさまざまな場所に置かれることができ、したがって最も広く市場に受け入れられるスマートポールファミリを提供することを目的として、これらのポールは、さまざまな色で利用可能であり、さまざまな照明器具が取り付けられることができる。
【0004】
スマート街路ポールは、屋外に設置されるので、それらが屋外の周囲の大気条件により良好に耐えられるように処理される、すなわち、保護コーティングが設けられる必要がある。これは、コーティング処理を必要とし、典型的には、ケーブルが収容されるべき溝を塞いでしまう。さらに、スマートポール街路照明器具には、ポールの周りにマントル(mantle)としてぴったりフィットする4G/5Gラジオアンテナが設けられる。アンテナとポールの間には、案内ケーブルスリーブが設けられる。荷重、例えば、持ち上げ(lifting)又は風により、街路ポールが曲がり、アンテナシステムが早期に故障する危険性が高まるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述した課題に対処することである。そのために、請求項1に記載の街路ポールが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
とりわけ、長さLを有する管状アンテナと、それが取り付けられる街路ポールとの間に所望のクリアランス又は曲げ空間(bending space)を作るために、以下の取付トレランス手段(mounting tolerance means)のうちの少なくとも1つが、アンテナ取付トレランス特徴(antenna mounting tolerance feature)として提案される
1. O-リングが各々、アンテナのそれぞれの端部から0.5*(1-1/2√2)*L±10%の距離Drで取り付けられる、O-リングを用いた1/2√2サスペンション、
2. 下部における固定サスペンション及び上部におけるフレキシブルな「サスペンション(suspension)」、
3. アンテナの上端部及び/又は下端部におけるポールの縮外径(reduced outer diameter)により曲げ空間を作ること、
4. アセンブルを容易にするため、及びポールの周りにケーブルスリーブをスプリングマウント(spring mount)するために、またよりクリアランスを設ける、全長にわたって外周に開口部を備える押出成形ケーブルスリーブ、
5. ソリューション1~4を組み合わせた統合的な改善コンセプト。
【0007】
クリアランスを得るために選択される構成(configuration)に依存して、特定のクリアランス範囲が好ましい、すなわち、
- 例えば押出成形ケーブルスリーブがポールに組み込まれる場合、0.2mm~8mmのクリアランス範囲がすべてのソリューションに適用されることができる、
- 例えばスリーブがスリーブの全長にわたって外周に軸方向に伸びる開口部を有して押出成形される場合、2mm~5.5mmのクリアランス範囲がソリューションの限られたセットに適用されることができる、
- アンテナの取り付けにO-リングが使用される場合、3mm~4.5mmのクリアランス範囲が適用されることが好ましい。
【0008】
これらのソリューションは、好ましい実施形態の詳細な説明のセクションでより詳細に述べられる。しかしながら、各ソリューションは、一般的に、個別に又は任意の組み合わせで、様々なタイプの街路ポールの実施形態に適用可能であり、すなわち、示された実施形態の他のすべての特徴と組み合わされることが必ずしも必要はないことに留意されたい。さらに、街路照明ポールは、照明機能を持たない、すなわち、単にシンプルな街路ポールである、シンプルなポールであることも可能である。
【0009】
このコンセプトでは、以下にリストアップされ、説明されることができる多くのモジュラーコンポーネントが識別されることができる
・ ベース:このモジュールは、無線周波数無線信号を生成及び受信する通信機器を位置付けるために使用される。また、ブレーカ、配電、ファイバマネージメント等の補助的な機器が、ベース内に位置付けられることができる、
・ 中間ポール:これは、種々のポールの高さを達成するために異なる長さで注文されることができるスチール製トランジションピース(steel transition piece)である、
・ アンテナセクション:アンテナセクションはポールの構造要素であり、重力方向を考慮して、上部に取り付けられる部品(照明器具、スピゴット(spigot)、アーム等)の機械的荷重を支えることができる、
・ (見えない)アンテナケーブル:これらは、無線機とアンテナを接続するために中間ポールを通り、これらは、異なる中間ポールサイズのために異なる長さを有するであろう、
・ オプションでマウントアーム(mounting arm)を有する照明器具:ポールは、ポールトップ照明器具及びサイドマウント(side-mount)と結合されることができる。
【0010】
本発明は、アンテナセクションで生じる問題を解決する。
【0011】
しかしながら、ポールの周りにアンテナを取り付ける前に、ポールは先ず長寿命化のために準備される必要がある、すなわち、寿命の間にさらされる腐食性の大気環境に対してより良好な耐性を持たせられるべきである。しかしながら、発明コンセプトの製造は、製造性の問題を伴う。強度及び剛性のために、アンテナポールは、ハイグレードのスチールで作られ、これは、対象とする屋外アプリケーション環境に対して腐食から防ぐために保護コーティングされる(例えば、亜鉛メッキされる又はディップコーティングされる)ことを必要とする。このコーティングプロセスは、問題がないわけではない。したがって、本発明の第1のパートは、外周部に機械加工された溝を有するアンテナポールのコーティングプロセスの不利な点を克服することにある。このサイズのポールに対する比較的非常にコスト効率の良いコーティングプロセスは、例えば、高温のクロム又ははるかに安価なZn-Fe合金の液体浴中の、ホットディッピング(hot-dipping)である。この堆積物は、スチールの表面上のクロム又は亜鉛-鉄合金の厚い層である。これは、母材(板状のスチール)の表面仕上げがより細かく、さらに塗料で処理するために薄い層が望まれる、自動車産業で使用される電気亜鉛メッキ(electro-galvanization)に比べて特によく制御されたプロセスではない。
【0012】
アンテナポール(特にこのサイズの部品)をホットディッピングする場合、残留パーティクルが、改善されたアンテナポールの溝の中に留まり、断面だけでなく長さにわたって溝内のケーブルのフィットに影響を及ぼす。「残留物」を考慮して溝の深さ及び幅を増やすこと並びにアンテナポールの外径を小さくすることは、アンテナポールの剛性を高めるという本発明の第1のパートの意図に反するので望ましくない。コーティング残留の課題を解決するための主な発明は、軸方向の主溝の底部にポケット及び/又は小さな軸方向溝を作ることである。ホットディッピングコーティングプロセスに起因する残留物は、これらのより深くに位置するポケット及び/又は溝に流れ込み、主溝の最終的な寸法への影響を限定的にする。
【0013】
本発明の実施形態は、アンテナチューブにおけるポケット及び/又は溝の機械加工、押出成形、V溝加工を含み、各々実用的な製造オプションを備える。
【0014】
スマートフュージョンポール(Smart Fusion Pole)コンセプトとも呼ばれる、本発明のコンセプトは、アンテナがシステム全体に統合されるやり方が独特である。アンテナは、サポートスピンドル(アンテナポール)の上をスライドされる中空シリンダの周りに配置され、例えば、Oリングによってポールに懸架(suspend)される。Oリングは各々、アンテナのそれぞれの端部から0.5*(1-1/2√2)*Lの距離Drで取り付けられる。前記距離Drは、0.5*(1-1/2√2)*Lという正確な値に限定されるものではなく、前記距離Drに±10%の小さな許容誤差を含む。この特定コンセプトの利点は、機械的な部分が信号の一部を遮断することなく、アンテナが無指向性で機能することができることである。アンテナケーブルは、(シリンダの外周部に位置する)アンテナとアンテナポール(中空チューブの形態のサポートスピンドル)の間に通される。このコンセプトの不利な点は、風荷重(wind loading)に起因してアンテナポールが曲がる場合(スマートフュージョンポールの上部には風を受ける照明器具が存在しなければならない)、繊細なアンテナ機器にストレスがかかることである。
【0015】
したがって、本発明の第2のパートは、スマートフュージョンポールの全体的にスリムなコンセプトの寸法制約の中で過度の曲げ(excessive bending)を克服することを目的とする。曲げに対する剛性及び耐性を向上させるために、街路ポール(又は少なくともアンテナセクション)に硬いチューブ、より大きな外径及びより厚い壁厚が選択されることができる。前述したように、ケーブルは、円筒状アンテナの内側とアンテナポールの外面の間に通される。アンテナポールの外径を大きくすることは、ケーブルのためにスペースが確保される必要があるため、制約がある。アンテナポールの外径を最大にする及び壁厚の材料の量を最大限に残すために、溝が、ケーブルを収容するためにアンテナポールの外面に導入される。
【0016】
各々Zn残留問題に対処するそれぞれのやり方及び利点を有する、様々な形状の溝が設けられる。しかしながら、一般的には、最も断面積(材料)を残す溝デザインが、ポールの最良の剛性を提供する。さらに、各ケーブルがそれぞれの溝を持つ必要はなく、代替的/付加的により多くのケーブルが1つの溝に収容されることも可能であるが、アンテナの正しい動作に関する対称性の問題も考慮されるべき点であり、対称性が高いほど、例えばアンテナケーブルをポールの円周上に均等に分布させると、ポールはデフォルトであらゆる方向の曲げにより良好に耐えることができるはずである。照明器具デザインに起因する風荷重も考慮に入れる場合、ある最適化を行うことが可能である。しかしながら、溝のクラスタ化されたグループ(例えば、3つの溝の4つのクラスタ)も可能である。
【0017】
典型的には、本発明の具体的な特徴は、以下の例によって以下のように短く述べられることができる。
【0018】
例1
アンテナセクションを備える街路ポールであって、アンテナセクションの周りには同軸アンテナが取り付けられるべきであり、アンテナセクションは長さLを有し、以下の特徴(feature)のうちの少なくとも1つを有する、街路ポール
- O-リングが各々、アンテナのそれぞれの端部から0.5*(1-1/2√2)*L±10%の距離Drで取り付けられる、O-リングを用いた1/2√2サスペンション、
- 下部における固定サスペンション(fix suspension)、
- アンテナセクションの少なくとも一方の端部(すなわち、上端部及び/又は下端部)におけるポールの縮外径、並びに
- アセンブルを容易にするため、及びポールの周りにケーブルスリーブをスプリングマウントするために全長にわたって外周に開口部を備える押出成形ケーブルスリーブと、
- 好ましい位置に残留パーティクル(residual particle)を集めるための特別な形状の軸方向溝を備える溝付きポールと、
のうちの一方。
【0019】
例2
アンテナセクションの周りに取り付けられるアンテナ、照明器具セクション、中間ポールセクション及びベースセクションをさらに備え、下部から上部への相互に接続される隣接セクションの順序がベースセクション、中間ポールセクション、アンテナセクション及び照明器具セクションである街路照明ポールとして構成される、例1による街路ポール。
【0020】
例3
例2による街路ポールを備える照明器具であって、少なくともアンテナセクションのコア開口部を通って延びる電気ケーブルと、中間ポールセクション及び/又はベースセクションにおける電子機器であって、照明器具セクションに収容される(又は収容されるべき)光源を駆動するように構成される電子機器とをさらに備える、照明器具。
【0021】
例4
アンテナポールセクションを製造する方法であって、
- アンテナポールセクションの全長にわたってアンテナポールセクションの外面に軸方向アンテナケーブル案内溝を備えるアンテナポールセクションを設けるステップであって、溝は、
- 溝の底部における副溝(sub groove)、
- 溝の矩形状の断面、
- 溝のV字状の断面、
- ポールの外面から内方に広がる又は先細る台形状の断面、及び
- 溝の幅の1.05倍~2倍、好ましくは少なくとも1.2倍~1.5倍大きい溝の深さ、
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、ステップと、
- アンテナポールセクションに耐食コーティングをコーティングするステップと、
を含む、方法。
【0022】
例5
アンテナポールセクションを製造する方法であって、
- アンテナポールセクションに耐食コーティングをコーティングするステップと、
- 溝を備えるケーブルスリーブをアンテナポールセクションの周りにクランプフィット(clamp fit)させるステップと、
を含む、方法。
【0023】
例6
アンテナセクションを製造する方法であって、
- 例4又は5によるアンテナポールセクションを製造するステップと、
- 溝にアンテナケーブルを取り付けるステップと、
- アンテナ取付トレランス手段(antenna mounting tolerance means)を設けるステップと、
- アンテナポールセクションにアンテナを取り付けるステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0024】
ここで、本発明が、概略的な図によってさらに述べられる。
図1図1は、本発明による街路ポールの第1の実施形態を示す。
図2図2A~2Bは、ポールコーティングプロセスの不利な点を解消するための様々な溝の形状を示する。
図3図3A~3Cは、ポールの曲がりに起因してアンテナにクラックが生じる原理的な問題を示す。
図4図4A~4Bは、アンテナが取り付けられたポールの一実施形態の断面図を示す。
図5図5A~5Bは、アンテナがそれぞれ取り付けられていない及び取り付けられたポールの斜視図を示す。
図6図6A~6Eは、アンテナにクラックが生じる問題を解消するための様々な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、屋外、例えば道路に沿って配置されることができる街路ポールの第1の実施形態を示している。街路ポールは、以下を有する
・ ベース:このモジュールは、無線周波数無線信号を生成及び受信する通信機器を位置付けるために使用される。また、ブレーカ、配電、ファイバマネージメント等の補助的な機器が、ベース内に位置付けられることができる、
・ 中間ポール:これは、種々のポールの高さを達成するために異なる長さで注文されることができるスチール製トランジションピースである、
・ アンテナセクション:アンテナセクションはポールの構造要素であり、上部に取り付けられる部品(照明器具、スピゴット、アーム等)の機械的荷重を支えることができる、
・ (見えない)アンテナケーブル:これらは、無線機とアンテナを接続するために中間ポールを通り、これらは、異なる中間ポールサイズのために異なる長さを有するであろう、
・ オプションでマウントアームを有する照明器具:ポールは、ポールトップ照明器具及びサイドマウントと結合されることができる。
【0026】
より詳細には、図1は、長さ軸11に沿って延びる管状体又は中間ポールセクション9として中空コア7の周りに少なくとも壁5を有するマスト3を含む部分的に分解された細長い構造体1を概略的に示している。管状体の壁のベースマストセグメント/セクション13は、アンテナが取り付けられる第1のマストセグメント又はアンテナセクション23に接続される。さらに、このアンテナセクションは、第2のマストセグメント又は照明器具セクション25に着脱可能に接続される。図中の管状体は、丸い円筒形状であるが、代替的に、六角形状のシリンダ若しくは不規則な八角形状のシリンダ、又は、軸方向に延びる、完全な円周ではない、例えば半円状の部分であってもよい。細長い構造体は、モジュラー街路灯ポール(modular street light pole)200として具現化され、さらに、第2のマストセグメントにランプハウジング27が取り付けられている。第1の通気口29が、街路灯ポールの足部(foot)17に存在し、第2の通気口31が、第1のマストセグメントのすぐ下のベースマストセグメント13に設けられている。ベースマストセグメントには、第1のマストセグメントに設けられるアンテナの機能を促すため又は照明器具セクションに設けられるランプを駆動するために、例えば無線機37又はランプドライバ等の電気機器35が設けられる。
【0027】
図2A~2Bは、アンテナポールのZn-Feコーティングプロセスの不利な点を解消するためのソリューション、すなわち、標準的な溝に隣接して外周部に特別な形状の機械加工された軸方向溝を備えるポールを示している。このサイズのポールのために最もコスト効率の良い亜鉛メッキプロセスは、ホットディッピングである。この浸漬により、亜鉛-鉄合金の厚い層が、スチールの表面に堆積される。これは、母材(板状のスチール)の表面仕上げがより細かく、さらに塗料で処理するために薄い層が望まれる、自動車産業で使用される電気亜鉛メッキに比べて特によく制御されたプロセスではない。アンテナポール(特にこのサイズの部品)をホットディッピングする場合、Zn酸化物及び/又はZn-Fe酸化物の残留パーティクルが、改善されたアンテナポールの溝の中に留まり、断面だけでなく長さにわたって溝内のケーブルのフィットに影響を及ぼす。「残留物」を考慮して溝の深さ及び幅を増やすこと並びにアンテナポールの外径を小さくすることは、アンテナポールの剛性を高めるという本発明の第1のパートの意図に反するので望ましくない。亜鉛メッキ残留の課題を解決するための本発明の主特徴は、主溝の底部にポケット及び/又は小さな溝を作ることである。ホットディッピング亜鉛メッキプロセスに起因する残留物は、これらのより深くに位置するポケット及び/又は溝に流れ込み、主溝の最終的な寸法への影響を限定的にする。図2Aを参照されたい。Zn残留物が溝内に蓄積するのを解消するために又は溝内にケーブルをより良く閉じ込めるために及びポールの外面を最大化するために(これは、ポールの曲げ(の程度)を減らすためにポールの曲げ強度(又は剛性)を高めるのに好都合である)、他の形状の溝も可能である。溝201は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する
- 軸方向溝の各々の底部におけるそれぞれの軸方向副溝203、
- 溝の矩形状の断面205、
- 溝のV字状の断面、
- ポール215の外面213から、内方に広がる209又は先細る211壁、例えば、それぞれ図示のように径方向と30°の角度のテーパ壁(tapering wall)209、211を有する台形状の断面、
- 溝の幅の1.05倍~2倍、好ましくは少なくとも1.2倍~1.5倍大きい溝の深さ。
【0028】
図3Aは、アンテナ301が、固定手段311を用いて下端部309においてのみポール303に固定され、ポール303の周りにほんのわずかなトレランス又は間隔でぴったりフィットするように取り付けられる場合に発生する問題の原理を示している。荷重、例えば、持ち上げ又は風により、パイプが曲がり、それによってフィッティングクリアランス(fitting clearance)を超える場合、アンテナ又はアンテナケーブルは、アンテナシステムの故障をもたらすクラックを生じる。これは、ポールが曲がってアンテナの中間部313及び/又は端部307、309のいずれかでアンテナに接触するため、ポールがアンテナに大きすぎる力を及ぼす可能性が高いからである。図3B~3Cでは、この問題が、長さLを有するアンテナを、ポール303の周りにクランプされるゴム製のO-リング305にクランプ取り付けすることにより懸架し、斯くしてO-リングにおける好都合な曲げ箇所(favorite bending point)と組み合わせてより大きな間隔Sを作れることにより解消される。O-リング間の距離は、1/2√2*Lであり、O-リングは各々、距離Drで取り付けられ、好ましくは、Drは各々、アンテナのそれぞれの端部307、309から0.5*(1-1/2√2)*Lである。しかしながら、Oリング間の距離Dが1/2√2*Lのままで、それぞれのDrが相互に異なっていてもよい。
【0029】
図4A~4Bは、アンテナ403がポールの周りに取り付けられたアンテナセクションのポール401としてのスチールパイプの長さ方向の断面図(図4A)及びD-Dに沿った長さ方向と交差する方向の断面図(図4B)を示している。アンテナは、アンテナを街路ポール照明器具に目立たないように取り付けるために美観スクリーン405によって遮蔽されている。
【0030】
図5A~5Bは、アンテナセクションのポール501としてのスチールパイプの斜視図を示している。図5Aでは、ポールの周りにアンテナが取り付けられていなく、図5Bでは、ポールの周りにアンテナ503が取り付けられている。ポールは、3.5インチの外径505、11.8mm又は0.46インチの溝509での最小壁厚507、19.050mm又は3/4インチの壁厚511を有する。さらに、ポールは、街灯ポールの上部に取り付けられる照明器具ハウジングに収容される光源(図示せず)のためのケーブル(ケーブルは図示せず)が延びる中央孔513を有する。ポールは、アンテナケーブル515を収容する軸方向溝を備える。さらに、固定サスペンション(fix suspension)517が、ポールの周りに取り付けられる場合にアンテナを支持/担持するために(ポールが道路に沿って又は道路上に直立して配置される場合)ポールの低又は下端部519に設けられ、ゴム製のOリング521が、ポールのある程度の曲げを可能にするためにポールとアンテナとの間に間隔を設けるためにポールの周りに設けられ、曲げ空間523が、アンテナの上端部525におけるポールの縮外径によって作られる。
【0031】
図6Aは、どのようにしてポールの曲げ問題が解決されるかについての第1のソリューションを示している。図6Aでは、これは、長さLを有するアンテナ601を、ポール605の周りにクランプされるゴム製のO-リング603にクランプ取り付けすることによって懸架することにより実現される。O-リング間の距離Dは、1/2√2*Lであり、O-リングは各々、アンテナのそれぞれの下端部607及び上端部609から0.5*(1-1/2√2)*Lの距離Drで取り付けられる。
【0032】
図6Bは、ポール605への固定サスペンション611の固定の詳細図を示している。固定サスペンション611は、ねじ式のボルト構造615を備える完全には閉じていない第1のクランプリング613を有し、ボルトは、ねじられて第1のリングの大きさを変えることで、ポールの外面625にグリップする爪617でサスペンションをポールにクランプすることができる。ブリッジ619を介して第1のリングに接続され、第1のリングによって支えられる第2のリング621は、その上にアンテナ(図示せず)が取り付けられ、支持される。
【0033】
図6Cは、アンテナ601の下端部607の位置、すなわち、アンテナが固定サスペンション611によって支持される側での結果としてポールの外形を減少させるポール605の外面625におけるくぼみ623によって作られる曲げ空間の詳細図を示している。同様に、追加的又は代替的に、ポールの外面におけるこのようなくぼみは、アンテナ601の上端部の位置に設けられることができる。
【0034】
図6Dは、アセンブルを容易にするため、及びポール605の周り及び外面625にケーブルスリーブをスプリングマウントするために、またアンテナ及びポールの間によりクリアランスを設ける、軸方向に延びる開口部629を外周に備える押出成形ケーブルスリーブ627の断面図を示している。前記スプリングマウントされたケーブルスリーブは、アンテナにある程度の柔軟性を持たせ、斯くして、曲がったポールによって及ぼされる力に対処することを可能にする。この場合、ポール自体に溝はなく、アンテナケーブル633を収容するための溝631を備える別個のスリーブ627がポールの周りに設けられることに留意されたい。
【0035】
図6Eは、アセンブルを容易にするため、及びポール605の周り及び外面625にケーブルスリーブをスプリングマウントするために、軸方向に延びる開口部629を外周に備える押出成形ケーブルスリーブ627の斜視図を示し、該開口部は、典型的にはアンテナ(図示せず)の長さLと同じである、ケーブルスリーブの全長Lsにわたって延びている。アンテナケーブル633は、ケーブルスリーブの溝(図示せず)に収容される。アンテナとポール及びアンテナケーブルスリーブとの間の所望のトレランス/間隔でポールの周りにアンテナを取り付けるために、以下の特徴が設けられる
- ゴム製(又は代替的にシリコン若しくは延性金属(ductile metal)製)のO-リング603が、相互に1/2√2*Lの距離(Lはアンテナの長さ)で、スリーブの周りに設けられる、
- アンテナ(図示せず)の下部における固定サスペンション611及び上部におけるフレキシブルな「サスペンション」、並びに
- アンテナ(図示せず)の上端部及び/又は下端部におけるポールの縮外径により曲げ空間を作ること。
【0036】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は本発明の要旨から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「含む(to comprise)」及び活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」等の用語は、排他的(exclusive)又は網羅的な(exhausitive)意味ではなく、包含的な(inclusive)意味、すなわち、「含むがそれに限定されない(including, but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、同一のハードウェアのアイテムによって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0037】
本発明はさらに、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイスに適用される。本特許で論じられている様々な態様は、さらなる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。さらには、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。さらには、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E