(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】没入型照明インタラクションを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20241107BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20241107BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20241107BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/115
H05B47/18
G06F3/01 570
(21)【出願番号】P 2022508835
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020071894
(87)【国際公開番号】W WO2021028265
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-07-31
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(74)【代理人】
【識別番号】100216390
【氏名又は名称】竹尾 もえ
(72)【発明者】
【氏名】ツァン イージョウ
(72)【発明者】
【氏名】クマル ロヒット
(72)【発明者】
【氏名】イン ルオファ
(72)【発明者】
【氏名】ダリエ アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】マホニー アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユーミン
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518587(JP,A)
【文献】特表2017-507453(JP,A)
【文献】特表2017-528888(JP,A)
【文献】特表2017-539057(JP,A)
【文献】特表2014-535154(JP,A)
【文献】国際公開第2013/073437(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3517839(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯されるように適合され、コンピューティングシステムと通信するように構成される
モバイルクライアントデバイスであって、
前記コンピューティングシステムは、照明インフラストラクチャを制御するために照明コントローラに制御信号を送信し、当該
モバイルクライアントデバイスは、
プロセッサと、
センサと、
コンピューティングシステムと通信するように構成される通信インターフェースと、
コンピュータ命令を記憶するメモリであって、前記コンピュータ命令は、実行された場合、前記プロセッサに、
前記センサからセンササンプルを受け
させる、
前記センササンプルの分類を生成するために前記センササンプルのサブセットを分類
させる、及び
前記分類を前記照明インフラストラクチャを制御するために対応する制御命令にマッピングさせ、前記制御命令をコンピューティングデバイスへと送信させ、コンピューティングデバイスは、前記制御命令に従って、照明コントローラに制御信号を送信する、又は
前記分類をコンピューティングシステムへと送信させ、コンピューティングシステムは、複数のモバイルクライアントデバイスから複数の分類を受け、前記受けた複数の分類の中から分類タイプを、前記受けた複数の分類に発生する当該分類タイプの相対的な頻度又は閾値量に基づいて選択し、前記分類タイプに従って、照明コントローラに制御信号を送信する、
メモリと、
を含
む、
モバイルクライアントデバイス。
【請求項2】
前記分類は、複数の分類タイプの中の分類タイプに対応する、請求項1に記載のモバイルクライアントデバイス。
【請求項3】
前記センサは、動きセンサを含み、前記センササンプルは、
前記動きセンサからの加速度サンプル又はジャイロスコープサンプルを含み、前記分類は、動きのタイプを指定する動き分類を含む、請求項1に記載の
モバイルクライアントデバイス。
【請求項4】
前記センサは、当該
モバイルクライアントデバイスの無線アクセサリである、請求項1に記載の
モバイルクライアントデバイス。
【請求項5】
当該
モバイルクライアントデバイスは腕時計を含む、請求項1に記載の
モバイルクライアントデバイス。
【請求項6】
前記コンピュータ命令は、複数のセルを含むLSTMクラシファイアを含み、各セルは、前記センササンプルのサブセットから対応するセンササンプルを受けるように構成される、請求項1に記載の
モバイルクライアントデバイス。
【請求項7】
前記LSTMクラシファイアの出力は、複数の分類タイプのそれぞれの分類タイプの確率スコアを生成するために分析され、分類タイプの確率スコアは、前記センササンプルのサブセットが当該それぞれの分類タイプに該当する可能性を示す、請求項6に記載のモバイルクライアントデバイス。
【請求項8】
照明インフラストラクチャを制御するための照明インフラストラクチャ制御システムであって、当該照明インフラストラクチャ制御システムは、
各々請求項1乃至7のいずれか一項に記載の、複数のモバイルクライアントデバイスと、
各モバイルクライアントデバイスから制御命令又は分類を受けるために前記複数のモバイルクライアントデバイスの各々と通信する、及び
前記受けた制御命令に従って照明コントローラに制御信号を送信する、又は
前記複数のモバイルクライアントデバイスから複数の分類を受け、前記受けた複数の分類の中から分類タイプを、前記受けた複数の分類に発生する当該分類タイプの相対的な頻度又は閾値量に基づいて選択し、前記分類タイプに従って照明コントローラに制御信号を送信する、
ように構成されるコンピューティングシステムと、
前記照明インフラストラクチャを制御するための制御信号を受けるために前記コンピューティングシステムと通信する及び前記照明インフラストラクチャを制御するように構成される照明コントローラと、
を含む、照明インフラストラクチャ制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の照明インフラストラクチャ制御システムと照明インフラストラクチャとを含む、没入型照明システム。
【請求項10】
照明インフラストラクチャを制御するためのコンピュータ実施方法であって、当該方法は、
ユーザによって携帯されるモバイルクライアントデバイスのセンサから
、センササンプルを受けるステップと、
前記モバイルクライアントデバイスによって、前記センササンプルの分類を生成するために前記センササンプルのサブセットを分類するステップ
と、
前記モバイルクライアントデバイスによって、前記分類を前記照明インフラストラクチャを制御するために対応する制御命令にマッピングする、
前記モバイルクライアントデバイスによって、前記制御命令をコンピューティングデバイスに送信する、
前記コンピューティングデバイスによって、前記制御命令に従って、制御信号を決定する、及び、
前記コンピューティングデバイスによって、前記照明インフラストラクチャを制御するために照明コントローラに前記制御信号を送信する、又は
前記モバイルクライアントデバイスによって、前記分類をコンピューティングシステムに送信する、
前記コンピューティングシステムによって、複数のモバイルクライアントデバイスから複数の分類を受ける、
前記コンピューティングシステムによって、前記受けた複数の分類の中から分類タイプを、前記受けた複数の分類に発生する当該分類タイプの相対的な頻度又は閾値量に基づいて選択する、
コンピューティングデバイスによって、前記分類タイプに対応する制御信号を決定する、及び
前記コンピューティングシステムによって、前記照明インフラストラクチャを制御するために照明コントローラに制御信号を送信する、
ことを行うステップと、
を含
む、方法。
【請求項11】
前記分類するステップは、
複数の分類タイプの中の分類タイプに対応する分類を生成することを含む、請求項10に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記センサは、動きセンサを含み、
前記受けるステップは、前記動きセンサから、加速度サンプル又はジャイロスコープサンプルを
受けることを含み、
前記分類するステップは、動きのタイプを指定する
ことを含む、請求項
10に記載の
コンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記センサは、
前記モバイルクライアントデバイスの無線アクセサリである、請求項
10に記載の
コンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記モバイルクライアントデバイスによって実行されるステップは、腕時計で実行される、請求項
10に記載の
コンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記分類するステップは、複数のセルを含むLSTMクラシファイアによって実行され、各セルは、前記センササンプルのサブセットから対応するセンササンプルを受けるように構成され
、当該コンピュータ実施方法は、前記LSTMクラシファイアの出力を、複数の分類タイプのそれぞれの分類タイプの確率スコアを生成するために分析することを含み、前記分類タイプの確率スコアは、前記センササンプルのサブセットが当該それぞれの分類タイプに該当する可能性を示す、請求項
10に記載の
コンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのモバイルデバイスが受けるセンサデータに基づいて1人以上のユーザによって照明インフラストラクチャを制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
橋、ビル、モニュメント、又は他の大規模構造物等の照明インフラストラクチャは、複数の照明デバイスで構成される。照明コントローラは、各照明デバイスを制御するために照明インフラストラクチャと通信する。照明インフラストラクチャを制御するために、ユーザは、クライアントデバイスのタッチスクリーン又は他のカーソル等の伝統的な入力メカニズムを使用してコントロールを操作する。これは、ユーザが、ユーザインターフェースを見て、1つ以上のユーザインターフェースコントロールを操作することを必要とする。これは、ユーザが自身の入力コントロールを入力することを可能にするボタン、スライダ、スイッチ、チェックボックス、メニュー、又はテキストフィールドを含むグラフィックユーザインターフェース(GUI:graphic user interface)を伴い得る。このアプローチの不利な点は、ユーザが、他のアクティビティから注意をそらせ、GUIに集中することを必要とすることである。ユーザがクライアントデバイスのユーザインターフェースを見ることに集中させられる場合、ユーザは、自身の環境を楽しむことができない。ユーザがGUIを見ることを必要としない照明インフラストラクチャを制御するための状況に対応するシステムが存在する。
【0003】
従来技術は、ユーザがGUIを使用せずに照明インフラストラクチャを制御することを可能にする能力(ability)を欠いている。例えば、従来技術のシステムは、ユーザが、照明インフラストラクチャを操作するためのタイムスロットを予約することを可能にする。予約が行われると、ユーザは、クライアントデバイスにインストールされたモバイルアプリケーションを使用して、例えば、ライトの色又は強度等、照明インフラストラクチャの照明コントロールを変更するためにタッチスクリーンを操作することができる。具体的には、ユーザは、モバイルアプリケーションによって生成されるGUI上に表示された特定の色をタッチすることにより選択して、選択された色を表示するように照明インフラストラクチャを制御することができる。このようなソリューションは、照明インフラストラクチャを制御するためにユーザがGUIを操作することを必要とする。
【0004】
他の従来技術のシステムは、あらかじめプログラムされたアニメーションシーケンスによって制御される照明インフラストラクチャを含む。ここでは、ユーザの入力は必要ない。むしろ、コンピュータメモリに記憶されている特定のシーケンスが読み出され、照明信号に変換されて照明インフラストラクチャを制御する。他の従来技術では、より高度な照明コントロールは、例えば、気象データを含む、リアルタイムデータに基づく。ネットワークを介して得られる気象データは、対応する照明コントロールに変換される。しかしながら、このようなソリューションは、ユーザインタラクション(user interaction)を可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、照明インフラストラクチャを制御するためにGUIが使用されない没入型照明体験(immersive lighting experience)を提供することにより従来技術の問題点を克服する。また、本開示は、グループ挙動(group behavior)が照明インフラストラクチャを制御することを可能にする実施形態を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、照明インフラストラクチャを制御する照明コントローラと通信するように構成されるクライアントデバイスに関する。クライアントデバイスは、例えば、サーバ等のコンピューティングシステムを介して照明インフラストラクチャを制御する。クライアントデバイスは、プロセッサと、センサと、コンピューティングシステムと通信するように構成される通信インターフェースとを含む。また、クライアントデバイスは、プロセッサによって実行可能である、コンピュータ命令を記憶するメモリを含む。クライアントデバイスは、これらの命令を使用して、センサからセンササンプルを受ける。その後、クライアントデバイスは、センササンプルの分類を生成するためにセンササンプルのサブセットを分類する。クライアントデバイスは、分類を対応する制御命令にマッピングし、制御命令をコンピューティングシステムに送信する。コンピューティングシステムは、制御命令に従って照明インフラストラクチャを制御するために照明コントローラに制御信号を送信するように構成される。
【0007】
一実施形態によれば、センサは、センササンプルを生成する動きセンサを含む。センササンプルは、加速度サンプル又はジャイロスコープサンプルであってもよい。さらに、分類は、動きのタイプを指定する動き分類(motion classification)を含む。
【0008】
別の実施形態によれば、センサは、クライアントデバイスの無線アクセサリである。別の実施形態では、クライアントデバイスは、腕時計、スマートフォン、又はウェアラブルデバイスを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、クライアントデバイスは、複数のセルを含むLSTM(long short term memory)クラシファイアを含み、各セルは、センササンプルのサブセットから対応するセンササンプルを受けるように構成される。
【0010】
本発明の別の態様は、照明インフラストラクチャを制御するためにグループ挙動が制御信号に翻訳される没入型グループ照明体験(immersive group lighting experience)に関する。一実施形態によれば、コンピューティングシステムは、複数のクライアントデバイスから複数の分類を受ける、受けた分類のタイプが閾値量(threshold amount)を超えるかどうかを判断する、及び、受けた分類のタイプに対応する制御信号に従って照明インフラストラクチャを制御するために照明コントローラに制御信号を送信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のさらなる詳細、態様、及び実施形態が、単に例として、以下の図面を参照して説明される。これらの図中の要素は、簡潔性及び明瞭性のために示されており、必ずしも正しい縮尺で描かれてはいない。これらの図中、既に説明されている要素に対応する要素は、同じ参照番号を有し得る。
【
図1】没入型照明システムの実施形態の一例を概略的に示す。
【
図2】
図1の没入型照明システムの実施形態におけるクライアントデバイスとコンピューティングシステムとの間の通信の例を概略的に示す。
【
図3】
図1の没入型照明システムの実施形態において送信及び計算される様々なデータを示す。
【
図4】
図1の没入型照明システムの実施形態におけるクラシファイアの例を示す。
【
図5】
図1の没入型照明システムの実施形態においてグループ挙動を分析するのに用いられるデータを示す。
【
図6】
図1の没入型照明システムの実施形態における照明コントローラとコンピューティングシステムとの間の通信の例を概略的に示す。
【
図7a】
図1の没入型照明システムの実施形態におけるクライアントデバイスによって行われる機能の例を示すフローチャートである。
【
図7b】
図1の没入型照明システムの実施形態におけるコンピューティングシステムによって行われる機能の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図1の没入型照明システムにおけるコンピューティングシステムの一実施形態を概略的に示す。
【
図9】
図1の没入型照明システムにおけるクライアントデバイスの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面に示され、本明細書で詳細に述べられる実施形態は、本発明の原理の例示として考慮されるべきであり、図示され、本明細書で述べられる特定の実施形態に本発明を限定することを意図するものではない。
【0013】
以下では、理解のために、実施形態の諸要素は、動作時において述べられる。しかしながら、それぞれの要素は、それらによって実行されるとして述べられている機能を実行するように構成されていることが、明らかとなるであろう。
【0014】
さらに、本発明は、それらの実施形態に限定されるものではなく、本発明は、本明細書に記載の又は互いに異なる従属請求項に列挙されるあらゆる新規な特徴又は特徴の組み合わせにある。
【0015】
図1は、没入型照明システム(immersive lighting system)の実施形態の一例を概略的に示している。
図1は、照明コントローラ103によって制御される照明インフラストラクチャ100を含むネットワーク化された環境を示している。照明インフラストラクチャ100は、橋、ビル、モニュメント、スタジアム、アリーナ、又は他の大規模構造物であってもよい。照明インフラストラクチャ100は、複数の照明デバイスで構成される。照明デバイスは、例えば、発光ダイオード(LED)等の1つ以上の光源を含む。各照明デバイスは、一緒にグループ化され、グループとして制御されることができる。各照明デバイスは、大規模に照明を提供するために照明インフラストラクチャ100内に設置される。照明コントローラ103は、照明インフラストラクチャに設置された各照明デバイスを制御するデバイスであってもよい。この点において、照明コントローラ103は、任意の通信プロトコルを使用して照明インフラストラクチャの照明デバイスと通信する。
【0016】
照明コントローラ103は、ネットワーク105を介して他のシステム構成要素と通信する。ネットワーク105は、インターネット、イントラネット、エクストラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、若しくは他の適切なネットワーク等、又は2つ以上のこのようなネットワークの任意の組み合わせを含む。
【0017】
さらに、
図1の没入型照明システムは、ネットワーク105に接続されたコンピューティングシステム106を含む。コンピューティングシステム106は、例えば、サーバコンピュータ又はコンピューティング能力を提供する任意の他のシステムを含んでもよい。代替的に、コンピューティングシステム106は、例えば、1つ以上のサーババンク又はコンピュータバンク又は他のアレンジメントで構成されてもよい複数のコンピューティングデバイスを採用してもよい。斯かるコンピューティングデバイスは、単一の設備(single installation)に位置してもよく、又は多くの異なる地理的な場所に分散してもよい。例えば、コンピューティングシステムは、ホストされたコンピューティングリソース、グリッドコンピューティングリソース及び/又は任意の他の分散コンピューティングアレンジメントを一緒に含んでもよい複数のコンピューティングデバイスを含んでもよい。場合によっては、コンピューティングシステム106は、処理、ネットワーク、ストレージ、又は他のコンピューティング関連リソースの分担容量(allotted capacity)が経時的に変化し得るエラスティックコンピューティングリソースに対応してもよい。コンピューティングシステム106は、コンピューティングシステム106のリソースを使用する1つ以上の仮想マシンを実装してもよい。
【0018】
コンピューティングシステム106は、データベース109を含む。様々なデータが、データベース109又はコンピューティングシステム106にアクセス可能な他のメモリに記憶される。データベース109は、1つ以上のデータベース109を表してもよい。データベース109に記憶されるデータは、ユーザアカウント112、セッションデータ115、グループ挙動データ118、及び照明マップ120を含む。ユーザアカウント112は、ユーザ名、パスワード、認証情報、及び/又はログインクレデンシャルを含む、ユーザに関する情報を含む。ユーザアカウント112の目的は、照明インフラストラクチャ100を制御するために没入型照明システムにアクセスすることを意図するユーザを登録することである。この点において、ユーザアカウント112は、システムにアクセスすることを望むユーザを認証及び許可するための情報を提供する。セッションデータ115は、没入型照明システムと確立されたアクティブなセッションに関する情報を含む。グループ挙動データ118は、照明インフラストラクチャ100をどのように制御するかに関連する決定を行うための複数のユーザに関するリアルタイム情報を含む。照明マップ120は、各LEDが独立して制御されることができるように照明インフラストラクチャ100の1つ以上のLEDを対応するクラスタ識別子にクラスタリングする情報を含む。例えば、クラスタ識別子にのみ適用されるように照明インフラストラクチャ100を制御する制御信号は、それによって1つ以上のLEDを独立して制御する。
【0019】
様々なアプリケーション及び/又は他の機能が、コンピューティングシステム106で実行されてもよい。これは、例えば、クライアントインターフェースアプリケーション124及びコントローラインターフェースアプリケーション127を含む。クライアントインターフェースアプリケーション124は、後述するように、クライアントデバイスに対するインターフェースを提供する。コントローラインターフェースアプリケーション127は、照明コントローラ103に対するインターフェースを提供する。
【0020】
また、上述したように、ネットワーク105には、異なるユーザによって操作される複数のクライアントデバイス134が接続される。クライアントデバイス134は、ユーザによって携帯され、照明インフラストラクチャ100に容易に運ばれることができるようにポータブルである。クライアントデバイスは、例えば、モバイルフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(例えば、腕時計)、又はクライアントとして機能する任意の他のポータブルなモバイルデバイスであってもよい。クライアントデバイス134は、センサ137、クラシファイア(classifier)141、及び通信インターフェース144を含む。センサは、クライアントデバイス134の無線アクセサリであってもよく、又はクライアントデバイス134のハウジングに組み込まれてもよい。センサは、動きセンサ、熱センサ、マイクロフォン、光センサ、カメラ、又はバイオメトリックセンサであってもよい。クラシファイア141は、センサデータを分析し、パターンを検出することに基づいて分類するソフトウェアコンポーネントを含んでもよい。通信インターフェース144は、クライアントデバイス134が、ネットワーク105を介してコンピューティングシステム106と通信することを可能にする。クライアントデバイス134は、照明コントローラ103と通信する、コンピューティングシステムと通信することによって照明インフラストラクチャ100を制御するように構成される。
【0021】
次に、グループ照明システムを実現するために、
図1の様々な構成要素がどのように構成されるかを説明する。クライアントデバイス134を使用するユーザは、照明インフラストラクチャ100とインタラクト(interact)することを望む。例えば、照明インフラストラクチャがスポーツイベントを開催するスタジアムに設置されている場合、ユーザは、ユーザの気分を反映するようにスタジアム照明を制御することを望んでもよい。ユーザがクライアントデバイスをどのように動かすかに応じて、照明インフラストラクチャ100は、照明レシピ(lighting recipe)を変える。異なる動きは、例えば、色、色相、強度、明るさ等を変更する等の異なる照明制御命令又は異なる照明アニメーションに対応する。タッチスクリーンコントロール等、従来の入力を使用せずに、ユーザが照明インフラストラクチャ100を制御可能にすることは、没入型体験(immersive experience)を実現する。
【0022】
コンピューティングシステム106とユーザとの間のセッションが確立され、当該セッションの発生がセッションデータ115として記憶される。セッションは、クライアントデバイス134が許可を要求することによって確立されてもよい。コンピューティングシステム106は、クライアントデバイス134が要求を出すようにインバイトしてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、セッションが確立されると、クライアントデバイス134は、照明インフラストラクチャ100を制御するための制御命令を送信するように構成され、制御命令は、センサデータから導出される。この場合、クライアントデバイス134のセンサ137は、センササンプルを生成する。これらのセンササンプルは、分類を生成するためにクラシファイア141によって分析される。分類のタイプは、対応する制御命令にマッピングされる。クライアントデバイス134の通信インターフェース144は、制御命令をコンピューティングシステム106のクライアントインターフェースアプリケーション124に送信する。コンピューティングシステム106は、制御命令を解釈し、対応する制御信号を生成する。コンピューティングシステム106のコントローラインターフェースアプリケーション127は、クライアントデバイス134から発信される制御命令に従って照明インフラストラクチャ100の1つ以上のLEDが制御されるように制御信号を照明コントローラ103に送信する。
【0024】
別の実施形態によれば、没入型体験は、照明インフラストラクチャ100がどのように制御されるかをグループ挙動が決定づける(dictate)没入型グループ体験(immersive group experience)であってもよい。同期的なグループ挙動(synchronous group behavior)が、照明インフラストラクチャ100が光をディスプレイする仕方(way)における照明変化をトリガしてもよい。
【0025】
この実施形態では、コンピューティングシステム106は、複数のクライアントデバイス134と通信する。各クライアントデバイス134は、センサデータを生成するセンサを含む。各クライアントデバイス134からのセンサデータは、それぞれのクラシファイア141を用いて分類される。クラシファイア141によって生じる分類は、クライアントインターフェースアプリケーション124に送信される。これらの分類は、グループ挙動データ118として記憶される。コンピューティングシステム106は、複数のクライアントデバイスからのセンサデータの分類の閾値量が満たされているかどうかを判断するためにグループ挙動データを分析する。例えば、クラシファイア141は、動きセンサデータを複数の分類に分類するように構成されてもよく、そのうちの1つは立ち上がる動き(motion of standing up)を含んでもよい。コンピューティングシステム106が受ける「立ち上がる」動きに対する分類のタイプの定量(quantification)が閾値量を超える場合、コンピューティングシステムは、照明インフラストラクチャ100のライトが相応に制御されるように、対応する制御信号を照明コントローラに送信してもよい。この点において、分類は、ある期間に受ける特定のタイプの分類の数、受けたすべての分類に基づく特定のタイプの分類の割合、又はある期間に特定のタイプの分類を受ける頻度(frequency)、周期性(periodicity)、又はレート(rate)によって定量化されてもよい。
【0026】
ローカルに(例えば、クライアントデバイス134で)実行されるように述べられる機能は、リモートに(例えば、コンピューティングシステム106によって)実行されるように分布してもよい。例えば、クラシファイア141は、クライアントデバイス134の代わりに、コンピューティングシステム106に実装されてもよい。この場合、クライアントデバイス134は、その後の分類のためにセンサデータをコンピューティングシステム106に送信する。代替的に、センサデータの分類は、最初にクライアント側のクラシファイア141によって実行され、その後、コンピューティングシステム106に常駐するクラシファイアによって完了されてもよい。
【0027】
図2は、
図1の没入型照明システムにおけるクライアントデバイス134とコンピューティングシステム106との間の通信の一例を概略的に示している。クライアントデバイス134は、コンピューティングシステム106に制御要求(control request)201を送信する。一実施形態によれば、制御要求201は、ユーザデータ203及び位置データ206を含む。ユーザデータ203は、例えば、ユーザ識別子等、クライアントデバイス134のユーザを識別する情報を含んでもよい。位置データ206は、制御要求201を出したクライアントデバイス134の位置座標を含んでもよい。例えば、クライアントデバイス134は、クライアントデバイス134の位置座標又は相対的位置を得る位置モジュールを含んでもよい。位置モジュールは、地理的座標を得るグローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS:Global Navigation Satellite System)モジュールであってもよい。位置モジュールは、照明インフラストラクチャ100に対する距離又は相対的位置を検出するように構成されてもよい。制御要求201を出す場合、クライアントデバイス134は、位置座標又は位置データを制御要求201に埋め込むために位置モジュールにアクセスする。
図2は、クライアントデバイス134が要求201を送信するのを示しているが、制御要求201は、コンピューティングシステム106によって求められてもよい。
【0028】
コンピューティングシステム106が制御要求201を受信する場合、コンピューティングシステム106は、要求を認証してもよい。例えば、コンピューティングシステム106は、制御要求201を出したクライアントデバイス134が許可ユーザ(authorized user)と関連しているかどうかを判断するためにユーザアカウント112とユーザデータ203とを相互に参照する。斯くして、コンピューティングシステム106は、制御要求201を出したユーザに関する情報を得る。
【0029】
ユーザを認証すると、コンピューティングシステム106は、許可(permission)209をクライアントデバイス134に送信する。許可209は、クライアントデバイス134がその後の制御命令212をコンピューティングシステム106に出すことを許可する(authorize)。クライアントデバイスに許可209を与えることにより、セッションが確立され、それに応じてセッションデータ115が更新される。セッションの間、1つ以上の制御命令212が、クライアントデバイス134によって出される。代替的に、グループ挙動を用いて照明インフラストラクチャ100を制御する場合、コンピューティングシステム106は、複数のクライアントデバイス134から受けるセンサデータの分類に基づいて1つ以上の制御命令212を導出してもよい。以下でより詳細に述べられるように、制御命令212は、ユーザがGUIを操作するのとは対照的に、センサデータから導出される。
【0030】
例えば、ユーザがクライアントデバイス134を動かすのをセンサ137がどのように感知するかに応じて、対応する制御命令212が生成される。例えば、センサ137を上向きに動かすと強度が増加し、下向きに動かすと強度が減少する。センサ137は、対応する制御命令212を生成するために、クラシファイア141によって分類される動きセンサ出力を生成してもよい。
【0031】
別の実施形態では、センサはカメラであり、制御命令212はカメラの出力から導出される。例えば、顔認識又はパターン認識プログラムが、対応する制御命令212を生成するために、カメラから得られるデジタル画像に適用されてもよい。例えば、笑顔はターンオンライト(urn-on-light)制御命令に対応してもよく、しかめっ面はターンオフライト(turn-off-light)制御命令に対応してもよい。
【0032】
クライアントデバイス134は、セッションが持続する限り、1つ以上の制御命令212を出してもよい。一実施形態では、ユーザは、セッションを終了し、コンピューティングデバイスにセッション終了メッセージ(terminate session message)215を送信してもよい。セッションが終了された後、コンピューティングシステム106は、新しいセッションが確立されない限り、クライアントデバイス134からのその後の制御命令212を処理しない。
【0033】
図3は、
図1の没入型照明システムの実施形態において送信及び計算される様々なデータを示している。
図3は、分類312及び対応する制御命令212を生成するためにセンサ137からセンサデータを受けるクライアントデバイス134の一実施形態を示している。
【0034】
センサ137は、例えば、光、動き、熱、又は電気等の物理的な入力を、コンピュータ可読センサデータに変換する。センサデータは、各サンプル時間が1つ以上のセンサ読取を含むセンササンプル308の系列としてフォーマットされてもよい。
図3の実施形態は、周期的に動きセンササンプル308を生成する動きセンサ137を示している。動きセンササンプル308は、特定の軸(例えば、x軸、y軸、z軸)に沿った加速度計読取(accelerometer reading)、及び/又は、特定の軸(例えば、x軸、y軸、z軸)に沿ったジャイロスコープ読取(gyroscope reading)を含んでもよい。
【0035】
クライアントデバイス134は、センササンプル308のストリーム等のセンサデータを受けるクラシファイア141を含む。クラシファイア141は、センササンプル308を分析し、分類312を生成するように構成される。この点において、クラシファイア141は、サンプルデータが有限の分類セットの中の1つにマッチするかどうかを判断する。動きセンサ137の場合、クラシファイア141は、センササンプル308が、上向きの動き、下向きの動き、振る動き、時計回りの回転、反時計回りの回転、横向きの動き等の動き分類312に対応するかどうかを判断するように構成されてもよい。
図3の例は、サンプルデータの6つの異なる分類、A~Fを示している。サンプルデータが予め定められた分類312とマッチしない場合、クラシファイア141は、分析されたサンプルデータに分類が存在しないと判断する。
【0036】
次に、クライアントデバイス134は、決定された分類312を、対応する制御命令212にマッピングする。一実施形態によれば、クライアントデバイス134は、分類312を制御命令212に変換するマップを記憶している。この点において、分類Aは制御命令Aにマッピングされ、分類Bは制御命令Bにマッピングされる、等である。例示すると、分類Aは上向きの動きであってもよく、分類Bは下向きの動きであってもよい。制御命令Aは光強度を増加させる命令であってもよく、制御命令Bは光強度を減少させる命令であってもよい。センサが上方に動く場合、光強度を増加させる命令が生成され、センサが下方に動く場合、光強度を減少させる命令が生成される。ユーザは、動きと相関する制御命令を生成するためにクライアントデバイス134を操作してもよい。
【0037】
図4は、
図1の没入型照明システムの実施形態におけるクラシファイア141の一例を示している。
図4は、クラシファイア141をLSTM(Long Short-Term Memory)クラシファイア141として実装する実施形態を示している。LSTMクラシファイア141は、トレーニングサンプルのセットで構成されるトレーニングデータでトレーニングされる。
【0038】
LSTMクラシファイア141は、複数のLSTMセル403a~nで構成される。第1のLSTMセルは、その出力を系列内の次のLSTMセルに供給する。各LSTMセル403は、センササンプル308の系列から対応するセンササンプル308を生の入力として受ける。LSTMクラシファイア141が、10個のサンプル(例えば、n=10)を分析して、分類決定を行うように構成される場合、10個のLSTMセル403が使用され、各LSTMセルは、対応するセンササンプル308を受ける。LSTMセルの数(n)は、トレーニングデータの中で最も長い時系列に基づいて選択されてもよい。
【0039】
LSTMクラシファイア141の出力は、入力されたセンササンプルが各分類に該当する確率を生成するために分析される。
図4に示されるように、A~Fとラベル付けされた各分類312は、対応する確率スコアを有する。確率スコアは、クラシファイア141に入力されたセンササンプル308が、分類312に該当する可能性(how likely)を示す。
図4は、分類Fが89%という最も高い確率スコアを有する一方、他の分類312が著しく小さいスコアを有する例を示している。確率スコアが閾値スコアを超える場合、対応する分類312が、入力されたセンササンプル308に適用される。
【0040】
図5は、
図1の没入型照明システムの実施形態においてグループ挙動を分析するのに用いられるデータを示している。
図5は、コンピューティングシステム106が、没入型グループ照明体験を作り出すためにグループ挙動を分析するように構成される実施形態を示している。この実施形態では、コンピューティングシステム106は、それぞれのユーザ504によって操作される複数のクライアントデバイス134と通信する。各クライアントデバイス134は、クライアントデバイス134に常駐するクラシファイア141にセンサデータを送信するセンサ137を含む。クラシファイア141は、分類312を生成する。
【0041】
クライアントデバイス134が分類312を決定した後、分類は、コンピューティングシステム106に送信される。
図5の例は、5人のユーザ(User)を示している。ユーザ1、2、3は、各々独立して、それぞれのセンサデータの分類312を生成し、それらはすべて、分類(Classification)Aとラベル付けされる同じ分類312に対応している。これは、ユーザ1、2、3が、それぞれのセンサ137によって捕捉された同様の挙動を示していたことを意味する。ユーザ4は、分類Dとラベル付けされる異なる分類312を生成する。これは、ユーザ4の挙動がユーザ1~3とは異なることを意味する。ユーザ5は、分類を生成しない。これは、分析するセンサデータがない、又は分析されたセンサデータが分類312に該当しないためであり得る。
【0042】
図5に示されるように、分類312は、変動期間にわたって異なるユーザから非同期的に受けられる。分類312は、グループ挙動データ118として受け、記憶される。グループ挙動は、変動時間窓について収集され、分析されてもよい。特定の時間の窓について、コンピューティングシステム106は、複数のユーザ504から受けた分類を記録し、分類をグループ挙動データ118として記憶する。このグループ挙動データ118は、特定のタイプの分類の頻度等のメトリクスを提供するために分析される。
図5の例では、特定の時間窓について、分類Aは3回発生し、分類B及びCは発生せず、分類Dは1回発生した。また、グループ挙動データ118は、受けた分類を、その相対的な頻度(relative frequency)を示すためにパーセンテージで表してもよい。ここでは、分類Aは、特定の時間窓について受けたすべての分類312のうち75%の時間に発生した。コンピューティングシステム106は、グループ挙動データ118に基づいて制御信号を生成する。例えば、制御信号は、相対的な頻度が最も高い、分類Aにマッピングされてもよい。他の実施形態では、閾値が、制御信号を生成するために適用される。例えば、分類タイプが閾値頻度を超える場合、当該分類タイプにマッピングされる制御信号が生成される。閾値頻度が70%である場合、分類Aの頻度が75%であるため、分類Aにマッピングされる制御信号が生成されてもよい。別の例として、特定の分類タイプの発生が閾値カウントを超える場合、対応する制御信号が生成される。閾値カウントが10である場合、最も頻度の高い分類タイプのカウントが10を下回る場合に制御信号は生成されない。閾値量(例えば、閾値頻度又は閾値カウント)の使用は、より多くのユーザが没入型照明システムとインタラクトする又はクライアントデバイス134とインタラクトする仕方を修正することを促すことができる。
【0043】
この例をさらに詳述すると、コンピューティングシステム106は、受けた分類のタイプが閾値量を超えるかどうかを判断する。例えば、閾値量は、時間窓内で受ける特定の分類タイプの所定数であってもよい。また、閾値は、パーセンテージで定義されてもよい。例えば、閾値量は、受けた分類312のうちの少なくとも50%が特定のタイプのものであるかどうかとして特徴付けられる。
【0044】
受けた分類のタイプが閾値量を超える場合、コンピューティングシステム106は、当該分類のタイプにマッピングされる、対応する制御信号を決定する。その後、コンピューティングシステム106は、制御信号に従って照明インフラストラクチャ100を制御するために制御信号を照明コントローラ103に送信する。
【0045】
図5は、スポーツアリーナで行われる可能性のある実施形態を示している。各クライアントデバイス134は、分類312の有限のセットに従って動きを分類してもよい。ある分類312は、ユーザが立ち上がる「スタンドアップ」動作に対応してもよく、別の分類は、ユーザが座る「シットダウン」動作に対応してもよい。これらの分類された動きを検出すると、クライアントデバイス134は、分類312をコンピューティングシステム106に送信する。コンピューティングシステム106は、分類312を受け、グループ挙動データ118として記憶する。特定のタイプの分類の数が閾値量を超える場合、対応する制御信号が生成される。例えば、グループ挙動が、多くの人が立ち上がっていることを示唆している場合、対応する制御信号は、予め定められたアニメーションシーケンスを再生すること、光の強度を増加させること、又は色出力を変更することであってもよい。これは、ユーザが、照明インフラストラクチャ100が光を出力する仕方に影響を与えるためにグループとしてより参加することを促すことができる。
【0046】
図6は、
図1の没入型照明システムの実施形態における照明コントローラ103とコンピューティングシステム106との間の通信の一例を概略的に示している。コンピューティングシステム106は、静的又は動的に生成された照明マップ120を記憶してもよい。照明マップは、照明コントローラ103が、受けた制御信号605を特定のライト又はライトのクラスタにマッピングできるように、照明コントローラ103に送信される。例えば、照明インフラストラクチャ100が、20のセクションに分割されている、スタジアムに設置されている場合、照明マップ120は、照明インフラストラクチャ100内の各ライトを指定されたセクションに編成してもよい。これにより、照明インフラストラクチャ100は、独立して制御されるライトを有することができる。照明マップ120に更新がある場合、更新された照明マップ120が、照明コントローラ103に送信される。
【0047】
前述したように、コンピューティングデバイス106は、特定のクライアントデバイス134から制御命令212を受け、制御命令212に従って照明インフラストラクチャ100を指示するために対応する制御信号605を生成する。この点において、制御信号605は、クライアントデバイス134から発信される制御命令212を具現化する送信である。また、制御信号605は、グループ挙動データ118に基づいてコンピューティングシステム106によって生成されてもよい。
【0048】
ライトをどのように制御するかを指定することに加えて、制御信号605は、制御されるべきライトの識別情報を含む。制御信号605を受信すると、照明コントローラ103は、照明マップ120を用いて、制御信号で識別されるライトに制御信号605を適用する。
【0049】
図7aは、
図1の没入型照明システムの実施形態におけるクライアントデバイス134によって行われる機能の一例を示すフローチャートである。716において、クライアントデバイス134は、センササンプル308を受ける。センサ137は、クライアントデバイス134に組み込まれてもよく、又はクライアントデバイス134に対するアクセサリであってもよい。719において、クライアントデバイス134は、センササンプル308をクラシファイア141に入力する。センササンプルは、クラシファイア141がセンサデータを連続的にリッスンするように連続ストリームとして入力されてもよい。代替的に、センササンプル308は、トリガに応答してクラシファイア141に送信される。トリガは、例えば、ボタン、ボイスコマンド、又は他のユーザが開始した命令であってもよい。
【0050】
722において、クライアントデバイス134は、分類312を決定する。クライアントデバイス134に実装されたクラシファイア141は、センササンプル308が予め定められた分類312にマッチする程度を決定するためにセンササンプル308を分析する。分類312が行われることができる場合、725において、クライアントデバイス134は、分類312に基づいて制御命令を決定する。例えば、クライアントデバイス134は、分類312を制御命令212にマッピングする。この点において、各分類のタイプは、ある制御命令212に対応する。
【0051】
728において、クライアントデバイス134は、制御命令212をコンピューティングシステム106に送信する。コンピューティングシステム106は、制御命令212を受け、制御命令212に従って照明インフラストラクチャ100を制御するために対応する制御信号605を生成する。
【0052】
図7bは、
図1の没入型照明システムの実施形態におけるコンピューティングシステム106によって行われる機能の一例を示すフローチャートである。
図7bは、没入型グループ照明体験を実施する実施形態を示している。745において、コンピューティングシステム106は、複数のクライアントデバイス134から分類312を受ける。分類312は、グループ挙動データ118として記憶されてもよい。各分類は、個々のレベルで、特定のセンサパターンを表す。
【0053】
センサパターンの集約(aggregation)を分析する場合、コンピューティングシステムは、対応する制御信号605を生成してもよい。748において、コンピューティングシステムは、分類の閾値量を超えるかどうかを判断する。例えば、特定のタイプの分類312の数が、(受けた他のタイプの分類と比較して)閾値数又は割合を超える場合、751において、コンピューティングシステム106は、対応する制御信号605を決定する。制御信号は、照明インフラストラクチャ100内のライトが制御されるべき仕方を示す命令を含む。755において、コンピューティングシステム106は、制御信号を照明インフラストラクチャに送信する。
【0054】
図8は、
図1の没入型照明システムにおけるコンピューティングシステム106の一実施形態を概略的に示している。コンピューティングシステム106は、1つ以上のコンピューティングデバイス800を含む。各コンピューティングデバイス800は、例えば、プロセッサ803、メモリ806、及び通信インターフェース809を有する、少なくとも1つのプロセッサ回路を含み、これらの各々が、ローカルインターフェース812又はバスに結合される。各コンピューティングデバイス800は、例えば、少なくとも1つのサーバコンピュータ又は同様のデバイスを含んでもよい。通信インターフェース809は、例えば、ネットワークインターフェースカード、モデム、トランシーバ、又はラジオ等のハードウェアを含んでもよく、及び/又は、例えば、送信及び受信のための通信パケットを符号化/復号するソフトウェアモジュール等のソフトウェアを含んでもよい。ローカルインタフェース812は、例えば、付随するアドレス/制御バス又は理解され得るような他のバス構造を有するデータバス812を含んでもよい。
【0055】
メモリ806に記憶されるのは、データと、プロセッサ803によって実行可能であるいくつかの構成要素との両方である。とりわけ、メモリ806に記憶される及びプロセッサ603によって実行可能であるのは、クライアントインターフェースアプリケーション124及びコントローラインターフェースアプリケーション127である。また、メモリ806に記憶されるのは、データベース109及び他のデータであってもよい。さらに、オペレーティングシステムが、メモリ806に記憶され、プロセッサ803によって実行可能であってもよい。
【0056】
通信インターフェース809は、照明コントローラ103及び複数のクライアントデバイス134と通信するように構成される。プロセッサ803は、コンピューティングシステム106の外部の構成要素との通信を確立するために通信インターフェースを使用する。例えば、プロセッサ803は、照明コントローラ103又はクライアントデバイス134へのデータの送信を引き起こすために通信インターフェース809に命令を送ってもよい。同様に、通信インターフェース809から受けるデータは、プロセッサ803に転送される。
【0057】
図9は、
図1の没入型照明システムにおけるクライアントデバイス134の一実施形態を概略的に示している。クライアントデバイス134は、プロセッサ903、メモリ906、及び通信インターフェース144を含み、これらの各々が、ローカルインターフェース912又はバスに結合される。さらに、クライアントデバイス134は、センサ137を含む。センサ137は、クライアントデバイス134に関して有線、無線、又は統合された構成要素であってもよい。
【0058】
通信インターフェース144は、例えば、ネットワークインターフェースカード、モデム、トランシーバ、又はラジオ等のハードウェアを含んでもよく、及び/又は、例えば、送信及び受信のための通信パケットを符号化/復号するソフトウェアモジュール等のソフトウェアを含んでもよい。ローカルインタフェース912は、例えば、付随するアドレス/制御バス又は理解され得るような他のバス構造を有するデータバスを含んでもよい。
【0059】
メモリ906に記憶されるのは、データと、プロセッサ903によって実行可能であるいくつかの構成要素との両方である。とりわけ、メモリ906に記憶される及びプロセッサ903によって実行可能であるのは、クラシファイア141である。さらに、オペレーティングシステム又はファームウェアが、メモリ906に記憶され、プロセッサ903によって実行可能であってもよい。
【0060】
通信インターフェース144は、コンピューティングシステム106と通信するように構成される。プロセッサ903は、コンピューティングシステム106の外部の構成要素との通信を確立するために通信インターフェースを使用する。例えば、プロセッサ903は、制御命令212又は分類312の送信を引き起こすために通信インターフェース144に命令を送ってもよい。同様に、通信インターフェース144から受けるデータは、プロセッサ903に転送される。
【0061】
図8及び
図9の両方に関して、理解され得るようなメモリ806、906に記憶される及びプロセッサ803、903によって実行可能である他のアプリケーションがあり得ることを理解されたい。本明細書で述べられる任意の構成要素がソフトウェアの形態で実装される場合、例えば、C、C++、C#、オブジェクティブC、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、Perl、PHP、Visual Basic(登録商標)、Python(登録商標)、Ruby、Flash(登録商標)、又は他のプログラミング言語等の多くのプログラミング言語のうちのいずれかが採用されてもよい。
【0062】
いくつかのソフトウェア構成要素が、メモリ806、906に記憶され、プロセッサ803、903によって実行可能である。この点において、用語「実行可能」は、プロセッサ803、903によって最終的に実行され得る形態のプログラムファイルを意味する。実行可能プログラムの例は、例えば、メモリ806、906のランダムアクセス部にロードされ、プロセッサ803、903によって実行され得るフォーマットの機械コードに変換されることができるコンパイルされたプログラム、メモリ806、906のランダムアクセス部にロードされ、プロセッサ803、903によって実行されることが可能であるオブジェクトコード等の適切なフォーマットで表され得るソースコード、又はプロセッサ803、903によって実行されるべきメモリ806、906のランダムアクセス部に命令を生成するために別の実行可能プログラムによって解釈され得るソースコード等であってもよい。実行可能プログラムは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、USBフラッシュドライブ、メモリカード、コンパクトディスク(CD)若しくはデジタル多用途ディスク(DVD)等の光学ディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、又は他のメモリ構成要素を含む、メモリ606の任意の部分又は構成要素に記憶されてもよい。
【0063】
メモリ806、906は、揮発性及び不揮発性のメモリ及びデータストレージ構成要素の両方を含むように本明細書で定義される。揮発性構成要素は、電源喪失時にデータ値を保持しないものである。不揮発性構成要素は、電源喪失時にデータを保持するものである。斯くして、メモリ806、906は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、USBフラッシュドライブ、メモリカードリーダを介してアクセスされるメモリカード、関連するフロッピーディスクドライブを介してアクセスされるフロッピーディスク、光学ディスクドライブを介してアクセスされる光学ディスク、適切なテープドライブを介してアクセスされる磁気テープ、及び/若しくは他のメモリ構成要素、又はこれらのメモリ構成要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを含んでもよい。さらに、RAMは、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、又は磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、及び他の斯様なデバイスを含んでもよい。ROMは、例えば、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、又は他の同様のメモリデバイスを含んでもよい。
【0064】
また、プロセッサ803、903は、複数のプロセッサ803、903及び/又は複数のプロセッサコアを表してもよく、メモリ806、906は、それぞれ、並列処理回路で動作する複数のメモリ806、906を表してもよい。このような場合、ローカルインタフェース812、912は、複数のプロセッサ803、903のうちの任意の2つの間、任意のプロセッサ803、903とメモリ806、906のいずれかとの間、又はメモリ806、906のうちの任意の2つの間等の通信を容易にする適切なネットワークであってもよい。ローカルインタフェース812、912は、例えば、ロードバランシングを行うことを含む、この通信を調整するように設計された追加システムを含んでもよい。プロセッサ803、903は、電気的又は他の利用可能な構造であってもよい。
【0065】
本明細書で述べられるソフトウェアアプリケーション又はプログラムは、上述したような汎用ハードウェアによって実行されるソフトウェア又はコードで具現化されてもよいが、代替例として、専用ハードウェア、又はソフトウェア/汎用ハードウェアと専用ハードウェアとの組み合わせで具現化されてもよい。専用ハードウェアで具現化される場合、各々は、いくつかの技術のいずれか又はそれらの組み合わせを採用する回路又は状態機械として実装されることができる。これらの技術は、限定されるものではないが、1つ以上のデータ信号の適用時に様々な論理関数を実施するための論理ゲートを有する離散論理回路、適切な論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の構成要素等を含んでもよい。このような技術は、概して、当業者に良く知られており、したがって本明細書では詳細に説明しない。
【0066】
前述の詳細な説明は、本発明が取ることができる多くの形態の一部を述べた。上記の例は、本発明の様々な態様のいくつかの可能な実施形態の単なる例示であり、当業者であれば、本発明及び添付図面を精読及び理解すれば、等価な代替例及び/又は変形例を思い付くであろう。とりわけ、上述された構成要素(デバイス、システム等)によって実行される様々な機能に関して、このような構成要素を述べるために使用される(「手段」への言及も含む)用語は、そうでないと示されない限り、当該開示の例示された実装形態において当該機能を実行する開示された構造と構造的に等価でなくても、該述べられた構成要素の指定された機能を実行する(すなわち、機能的に等価である)、ハードウェア又はハードウェアの組み合わせ等、任意の構成要素に対応することが意図される。
【0067】
本発明の特定のフィーチャは、いくつかの実装形態の1つのみに関して図示され、及び/又は述べられているかもしれないが、このようなフィーチャは、所与の又は特定のアプリケーションに有利である及び望ましいように、他の実装形態の1つ以上の他のフィーチャと組み合わされてもよい。さらに、単数の構成要素又は項目への言及は、別段特定されない限り、2以上のこのような構成要素又は項目を包含することが意図される。また、「含んでいる」、「含む」、「有している」、「有する」、「持つ」又はこれらの変形は、詳細な説明及び/又は請求項で使用される限りにおいて、このような用語は、用語「含む」に類似する態様に包含されるべきであることが意図される。
【0068】
本発明は、好ましい実施形態を参照して述べられている。しかしながら、前述の詳細な説明を読んで理解する当業者は、修正及び変更を思い付くであろう。本発明は、このような修正及び変更をすべて含むと解釈されることを意図している。本発明の範囲を規定することが意図されているのは、あらゆる等価物を含む請求項のみである。
【0069】
請求項では、括弧内の参照符号は、例示的な実施形態の図面中の参照符号、又は実施形態の式を指すことにより、請求項の明瞭性を高めるものである。これらの参照符号は、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。