(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】車両の車外保護装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/36 20110101AFI20241107BHJP
【FI】
B60R21/36 353
B60R21/36 320
(21)【出願番号】P 2020160285
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-08-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100180747
【氏名又は名称】小森 剛彦
(72)【発明者】
【氏名】長澤 勇
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-090795(JP,A)
【文献】特開2019-034617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0144413(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015214354(DE,A1)
【文献】特開2003-291756(JP,A)
【文献】特開2004-175153(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10221467(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0059844(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、
前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、
前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、
を有し、
前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有
し、
可撓性の前記横断部材は、幅広に展開する前記袋体に対して前記車体の前方から荷重が作用すると、荷重作用個所の左部分と右部分とが前記荷重作用個所より前において合わさるように曲がる、
車両の車外保護装置。
【請求項2】
車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、
前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、
前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、
を有し、
前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、
前記袋体は、前記車体の前部から後へ向けて展開することにより前記フードの上で幅広に展開し、
前記車体の前部に幅広の前記袋体を固定する固定部材、を有し、
幅広の前記袋体の内部における可撓性の前記横断部材の両端部は、前記固定部材に接続され、または前記固定部材の近傍に位置するように前記袋体の上面に対して設けられ、
幅広の前記袋体の内部における可撓性の前記横断部材の中央部は、幅広に展開する前記袋体の上面に対して、前記両端部の後上方に位置するように設けられる、
車両の車外保護装置。
【請求項3】
車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、
前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、
前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、
を有し、
前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、
可撓性の前記横断部材は、幅広に展開した前記袋体に対して前記車体の前から倒れ込む車外の人の頭部の位置より後方において、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる、
車両の車外保護装置。
【請求項4】
車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、
前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、
前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、
を有し、
前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、
可撓性の前記横断部材は、テザーであり、
可撓性の前記横断部材としての前記テザーは、幅広の前記袋体の展開にしたがって巻取デバイスから送り出されることにより、幅広の前記袋体の内部に設けられる、
車両の車外保護装置。
【請求項5】
前記巻取デバイスは、前記袋体の展開が開始された後にまたは前記袋体が最大に展開した後に、前記テザーの更なる引出しを禁止し、または前記テザーを引き込む、
請求項4記載の車両の車外保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車外保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車外の道路などには、他の移動体、歩行者、サイクリスト、ライダー、などがいる。車両は、自ら走行中に、または駐停車中に、これら車外の人などと衝突する可能性がある。このため、車両では、車外保護装置を設けることが考えられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両では、特許文献1のようにボンネットフードを可動させるのではなく、たとえばボンネットフードの上やフロントガラスやその左右両側部のピラーの前に、車外の人のためのエアバッグを展開することが考えられる。このような車外エアバッグ装置を用いることにより、車外の人についての車体への直接的な衝突を回避することができる。
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
【0005】
車両の車外保護装置では、車外の人についての保護について、さらなる改善を図ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る車両の車外保護装置は、車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、を有し、前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、可撓性の前記横断部材は、幅広に展開する前記袋体に対して前記車体の前方から荷重が作用すると、荷重作用個所の左部分と右部分とが前記荷重作用個所より前において合わさるように曲がる。
【0009】
本発明の一形態に係る車両の車外保護装置は、車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、を有し、前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、前記袋体は、前記車体の前部から後へ向けて展開することにより前記フードの上で幅広に展開し、前記車体の前部に幅広の前記袋体を固定する固定部材、を有し、幅広の前記袋体の内部における可撓性の前記横断部材の両端部は、前記固定部材に接続され、または前記固定部材の近傍に位置するように前記袋体の上面に対して設けられ、幅広の前記袋体の内部における可撓性の前記横断部材の中央部は、幅広に展開する前記袋体の上面に対して、前記両端部の後上方に位置するように設けられる。
【0012】
本発明の一形態に係る車両の車外保護装置は、車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、を有し、前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、可撓性の前記横断部材は、幅広に展開した前記袋体に対して前記車体の前から倒れ込む車外の人の頭部の位置より後方において、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる。
【0013】
本発明の一形態に係る車両の車外保護装置は、車両の車体のフードの上において前記車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置と、前記車体と車外の人との衝突を予測または検出する衝突検出部と、前記衝突検出部により衝突が予測または検出された場合に前記車外エアバッグ装置の前記袋体を展開する制御部と、を有し、前記車外エアバッグ装置は、展開した幅広の前記袋体の上面に対して、前記車幅の方向に沿って延在するように設けられる可撓性の横断部材、を有し、可撓性の前記横断部材は、テザーであり、可撓性の前記横断部材としての前記テザーは、幅広の前記袋体の展開にしたがって巻取デバイスから送り出されることにより、幅広の前記袋体の内部に設けられる。
【0014】
好適には、前記巻取デバイスは、前記袋体の展開が開始された後にまたは前記袋体が最大に展開した後に、前記テザーの更なる引出しを禁止し、または前記テザーを引き込む、とよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、衝突検出部により接触が予測または検出された場合に車外エアバッグ装置を展開する。車外エアバッグ装置は、車両の車体の外面であるフードの上に、車体の車幅に習った幅広で展開可能な袋体を展開する。これにより、車外の人についての車体のフードへの直接的な衝突を回避して、フードへ向けて倒れ込もうとする際に車外の人に作用する衝撃を吸収することができる。
しかも、車体のフードの上に重なるように展開される幅広の袋体の上面には、車幅の方向に沿って延在するように可撓性の横断部材が設けられる。展開されている幅広の袋体へ車外の人が倒れ込むことにより、袋体の前側の部分が身体の荷重により凹み、その反動として、可撓性の横断部材より後側の部分がさらに盛り上がるように変形し易くなる。これにより、幅広に展開する袋体についての可撓性の横断部材より後側の部分は、倒れ込んだ車外の人の後側において大きく膨らんで、倒れ込んだ車外の人を後側から包んで覆うようになり得る。また、たとえばさらに車外の人の荷重が作用して、荷重が作用している部分がさらに凹むようになると、可撓性の横断部材は、荷重作用個所の左部分と右部分とが車外の人の上側において合わさるように左右両側から折り畳まれるように変形し易い。この場合、幅広に展開する袋体は、荷重作用個所の左右の部分が、倒れ込んだ車外の人を左右から包んで覆うようになり得る。その結果、袋体に対して倒れ込んだ車外の人は、袋体に包み込まれたような状態となり、その包み込まれた状態において袋体に対して動かなくなる。車外の人は、フードの上に幅広で展開されている袋体へ倒れ込んだ後に袋体により包み込まれて、車体の左右へ向かって移動して落ち難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車の説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の自動車の車外保護装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2の制御部による車外保護制御のフローチャートである。
【
図4】
図4は、第一の自動車に衝突した車外の歩行者、サイクリストなどについて想定し得る二次衝突の説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る展開前の車外エアバッグ装置の説明図である。
【
図6】
図6は、
図5の車外エアバッグ装置において閉じている幅広の袋体を展開した状態の説明図である。
【
図7】
図7は、
図6の幅広に展開した袋体による、車外の人の保護状態の一例の説明図である。
【
図8】
図8は、
図7の変形の結果としての、幅広に展開していた袋体による車外の人についての最終的な保護状態の説明図である。
【
図9】
図9は、実施形態の第一変形例に係る車外エアバッグ装置の袋体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の説明図である。
図1(A)は、自動車1の上面図である。
図1(B)は、自動車1の左側面図である。
図1には、自動車1とともに、自動車1の外にいる車外の人として歩行者が図示されている。自動車1の外には、この他にもたとえばサイクリスト、ライダー、などが存在することがある。これらの車外の人は、走行する自動車1の前を横切るように横断したりすることがある。そして、自動車1は、その前を横切ろうとする人と衝突する可能性がある。
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1は、車体2、を有する。車体2の乗員室3の前には、フロントガラス4が設けられる。フロントガラス4より前の車体2の前部には、ボンネットフード5が開閉可能に設けられる。
【0019】
図2は、
図1の自動車1の車外保護装置10のブロック図である。
図2の車外保護装置10は、ステレオカメラ11、赤外線カメラ12、LiDAR13、加速度センサ14、通信装置15、GPS受信機16、車外エアバッグ装置17、および、これらが接続される制御部18、を有する。これら車外保護装置10の各センサおよび各装置は、不図示の車ネットワークにより、制御部18としてのCPUに接続されてよい。
【0020】
ステレオカメラ11は、たとえば
図1に示すように車室の前部において前向きに配置される。ステレオカメラ11は、車幅方向に並ぶ複数の撮像デバイスを有する。ステレオカメラ11は、複数の撮像デバイスにより撮像される車外の人などを撮像する。ステレオカメラ11は、撮像した車外の人についての車体2を基準とした方向および距離を演算してよい。ステレオカメラ11は、複数の撮像デバイスの撮像画像における被写体である車外の人の位置に基づいて、たとえば三角法などにより、被写体の方向および距離を演算してよい。ステレオカメラ11は、また、時間をずらして撮像した画像中での位置の変化により、被写体の移動の有無、移動方向、移動速度などを演算してよい。
赤外線カメラ12は、たとえばステレオカメラ11と同様に車室の前部において前向きに配置される。赤外線カメラ12は、車外の人などを撮像した赤外線画像を撮像する。
LiDAR13は、たとえば車体2の前部において前向きに配置される。LiDAR13は、前方へ向かって光を照射し、車体2の前方の車外の人による反射光に基づいて、被写体の方向、距離、速度などを取得する。
加速度センサ14は、車体2に設けられる。加速度センサ14に作用する加速度を検出する。車体2が人などの移動体に当たると、加速度センサ14は、通常の走行では生じないような大きな加速度を検出する。この場合、加速度センサ14は、衝突検出を出力してよい。この場合、加速度センサ14は、車体2と他の動体との接触を予測または検出する衝突検出部として機能する。
通信装置15は、無線通信により他の移のまえに動体、たとえば他の自動車1や歩行者の他の通信装置15、道路沿いに配置される基地局、などと通信する。通信装置15は、他の通信装置15から、他の移動体の現在位置、移動方向、移動速度などを取得してよい。
GPS受信機16は、GPS衛星などから電波を受信し、自車の現在位置、移動速度、などを取得する。
【0021】
車外エアバッグ装置17は、自動車1の車体2の外面に重ねて展開される袋体21、袋体21を展開するインフレータ20、を有する。袋体21は、たとえばナイロンその他の樹脂繊維により滑らかな表面に形成されてよい。袋体21は、たとえば
図1に示すように、車体2の前部のボンネットフード5の上に展開されてよい。この場合、ボンネットフード5の上に展開される袋体21は、車体2の前に当たる車外の人の上体が車体2の前部へ向かって倒れ込む場合、その上体とボンネットフード5との間で展開する。車体2の前に当たってボンネットフード5へ向かって倒れ込む車外の人の身体は、ボンネットフード5に直接に当たり難くなる。展開した袋体21が、車外の人の身体の荷重により撓みまたは縮小することにより、身体に対して強い衝撃が作用し難くなる。展開した袋体21は、車外の人に作用する衝撃を吸収することができる。
【0022】
制御部18は、たとえばCPUである。制御部18は、たとえば、車外エアバッグ装置17に専用のCPUとして自動車1に設けられても、自動車1の車内および車外の保護装置のCPUとして自動車1に設けられてもよい。CPUは、ROMなどのストレージからプログラムを読み込んで実行する。これにより、CPUは、少なくとも車外の人を保護するための車外エアバッグ装置17の制御部18として機能する。車外エアバッグ装置17の制御部18は、ステレオカメラ11、赤外線カメラ12、LiDAR13、加速度センサ14、通信装置15といった衝突検出部から、自動車1の進路上または進路へ侵入しようとする歩行者、サイクリスト、ライダーなどの情報を取得する。CPUは、取得した情報に基づいて車外の人との衝突が予測または検出される場合、車外エアバッグ装置17の袋体21の展開を制御する。
【0023】
図3は、
図2の制御部18による車外保護制御のフローチャートである。
制御部18は、たとえば自動車1が走行している場合、
図3の車外保護制御を繰り返し実行する。制御部18は、新たに情報を取得する度に、
図3の車外保護制御を実行する。
【0024】
ステップST1において、制御部18は、新たに取得した車外の人の情報に基づいて、自車の進路に歩行者などがいるか否かを判断する。制御部18は、たとえば、検出されている車外の人の位置が進路上であるか否か、検出されている車外の人の移動方向が進路と交差するか否か、などに基づいて、自車の進路に歩行者などがいるか否かを判断してよい。自車の進路に歩行者などがいない場合、制御部18は、
図3の処理を終了する。自車の進路に歩行者などがいる場合、制御部18は、処理をステップST2へ進める。
【0025】
ステップST2において、制御部18は、自車の進路にいる歩行者などとの衝突を予測する。制御部18は、たとえば、歩行者の位置または交差位置へ自車が到達するタイミングと、歩行者が到達するタイミングとの時間差が所定値以下であるか否かに基づいて、自車の進路にいる歩行者などとの衝突を予測してよい。自車の進路にいる歩行者などとの衝突が予測されない場合、制御部18は、
図3の処理を終了する。自車の進路にいる歩行者などとの衝突が予測される場合、制御部18は、処理をステップST3へ進める。
【0026】
ステップST3において、制御部18は、自車の進路にいる歩行者などとの衝突に対する準備を開始する。制御部18は、たとえば、車外エアバッグ装置17を起動する。車外エアバッグ装置17は、たとえば、点火信号の入力によりインフレータ20が高温高圧のガスを噴出することができる状態にする。車外エアバッグ装置17は、たとえば袋体21の展開開始位置や展開開始方向が調整可能である場合、予測されている歩行者の衝突部位から袋体21が展開するように、袋体21の展展開開始位置や展開開始方向を調整する。
【0027】
ステップST4において、制御部18は、加速度センサ14の衝突検出の有無に基づいて、予測した歩行者などとの衝突を検出する。加速度センサ14により衝突が検出されている場合、制御部18は、処理をステップST5へ進める。加速度センサ14により衝突が検出されていない場合、制御部18は、処理をステップST6へ進める。
【0028】
ステップST5において、制御部18は、車外エアバッグを展開する。制御部18は、車外エアバッグ装置17へ点火信号を出力する。車外エアバッグ装置17のインフレータ20は、袋体21へ高圧ガスを噴出する。袋体21は、ボンネットフード5の上に展開される。
【0029】
ステップST6において、制御部18は、ステップST1の判断の後に新たに取得した情報に基づいて、衝突が回避されたか否かを判断する。制御部18は、たとえば、衝突を予測した車外の人の位置が進路から外れたか否か、検出されている車外の人の移動方向が変化して進路と交差しないようになったか否か、などに基づいて、衝突を予測した歩行者などについての衝突が回避されたか否かを判断してよい。衝突が回避されている場合、制御部18は、
図3の処理を終了する。衝突が回避されていない場合、制御部18は、処理をステップST4へ戻す。この場合、制御部18は、衝突が検出または回避されるまで、ステップST4とステップST6の処理を繰り返す。
【0030】
ところで、このような本実施形態の自動車1では、ボンネットフード5の上に、車外の人のためのエアバッグを展開することができる。このような車外エアバッグ装置17を用いることにより、車外の人についての車体2への直接的な衝突を回避することができる。
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
たとえば、展開した袋体21により車体2への直接的な衝突を回避させた後、その車外の人が、展開した袋体21の上を滑って後方へ移動し、その移動した位置から落ちてしまう可能性が考えられる。車外の人が自動車1の横へ落ちた場合、車外の人は、隣接する車線を走行する他の自動車1などに二次衝突してしまう可能性がある。
【0031】
図4は、第一の自動車30に衝突した車外の歩行者、サイクリストなどについて想定し得る二次衝突の説明図である。
図4には、車外の歩行者と、歩行者と衝突した第一の自動車30と、第一の自動車30の横を通過しようとしている第二の自動車31とが図示されている。
【0032】
第一の自動車30と衝突した歩行者は、最初に車体2の前に当たって、ボンネットフード5の上に展開する袋体21の上に倒れ込む。その後、衝突した歩行者は、たとえば、袋体21の上を斜後へ向かって滑る可能性がある。この場合、衝突した歩行者は、フロントガラス4の前に他の袋体21が展開されている場合にはそれに当たり、その位置において停止できる可能性がある。その一方で、衝突した歩行者は、直前の横切る方向への移動などにより、ボンネットフード5の上に展開する袋体21の上に倒れ込んだ後に、斜後へ移動する可能性がある。この場合において、衝突した歩行者は、斜後へ移動した後に、ボンネットフード5の上に展開している袋体21の上から第一の自動車30の横へ落下する可能性がある。第二の自動車31が、第一の自動車30の横を通過しようとしている場合、落下した歩行者はさらに第二の自動車31に当たる可能性がある。
このように、自動車1の車外保護装置10では、車外の人についての保護についてさらなる改善を図ることが望ましい。
【0033】
図5は、本発明の実施形態に係る展開前の車外エアバッグ装置17の説明図である。
図5(A)は、展開前の車外エアバッグ装置17を、車体2の左方から見た説明図である。
図5(B)は、展開前の車外エアバッグ装置17を、車体2の前方から見た説明図である。
【0034】
図6は、
図5の車外エアバッグ装置17において閉じている幅広の袋体21を展開した状態の説明図である。
図6(A)は、展開後の車外エアバッグ装置17を、車体2の上方から見た説明図である。
図6(B)は、展開後の車外エアバッグ装置17を、車体2の斜め上前方から見た説明図である。
【0035】
本実施形態の車外エアバッグ装置17は、袋体21、インフレータ20、可撓性の横断部材としてのテザー22、左右一対の固定部材23、を有する。
【0036】
袋体21は、
図6に示すように、略四角形の袋形状を有する。略四角形の袋体21は、車体2の車幅と略同等の幅広に形成される。略四角形の幅広の袋体21は、
図5(A)に示すように、折り畳んで、車体2の前部のケースに収容される。ケースの近くには、インフレータ20が設けられる。インフレータ20は、略四角形の幅広の袋体21と接続され、高温高圧のガスを袋体21へ噴出する。これにより、折り畳まれている袋体21は、車体2の前部から後へ向けて展開し、車体2のボンネットフード5の上に車体2の車幅に習った幅広で重なるように展開する。袋体21は、ボンネットフード5を全体的に覆うように幅広で展開する。
【0037】
左右一対の固定部材23は、
図6に示すように、車幅より若干狭い間隔で、車体2の前部に設けられる。固定部材23は、たとえば略四角形の幅広の袋体21の下面を、車体2の前部に固定する。袋体21は、左右一対の固定部材23により車体2の前部に固定されたまま、車体2の前部から後へ向けて展開する。これにより、袋体21は、ボンネットフード5の上で幅広に展開する。
【0038】
テザー22は、可撓性の横断部材として、
図6に示すように、幅広の袋体21の内部に設けられる。テザー22は、幅広の袋体21の上面に対して、設けられる。テザー22は、両端が中央より前側となるように湾曲させた状態で、基本的に車幅の方向に沿って延在するように設けられる。そして、テザー22の両端部は、左右一対の固定部材23に接続される。これにより、テザー22の中央部は、幅広に展開する袋体21の上面に対して、両端部が接続される左右一対の固定部材23の後上方に位置する。可撓性の横断部材としてのテザー22は、
図6(A)の車体2の上面視において、袋体21についての固定部材23による固定位置より後方となる範囲において、展開した幅広の袋体21の上面に対して、車幅の方向に沿って延在するように設けられる。テザー22は、幅広に展開した袋体21に対して車体2の前から倒れ込む車外の人の頭部の位置より後方となるように、車幅の方向に沿って延在するように設けられる。なお、テザー22の両端部は、固定部材23の近傍に位置するように袋体21の上面に対して設けられてもよい。
【0039】
図7は、
図6の幅広に展開した袋体21による、車外の人の保護状態の一例の説明図である。
【0040】
図7(A)は、車外の人との衝突前の状態である。ここでは、車外の人は、車体2の前に離れた位置にいる。そして、車外エアバッグ装置17の幅広の袋体21は、すでに、車体2のボンネットフード5の上に車体2の車幅に習った幅広で重なるように展開している。この場合、制御部18は、車外の人と車体2との衝突予想に基づいて、車外エアバッグ装置17の袋体21を展開している。また、
図7(A)のように展開している袋体21の上面には、両端が左右一対の固定部材23に接続された可撓性の横断部材としてのテザー22が車幅方向に沿って延在している。
【0041】
図7(B)は、車外の人が車体2の前部へ衝突し始めた状態である。車外の人の身体は、車体2の前に当たった後、ボンネットフード5の上で展開している袋体1の上に倒れ込む。倒れ込んだ車外の人の荷重により、展開している袋体21は、その前部が押しつぶされる。インフレータ20が袋体21へ放出した高圧ガスにより膨らんでいるため、一部のガスが不図示の排気弁から排気されるとしても、車外の人の荷重が作用している袋体21は、その全体が後下方向へ向けて変形する。展開されている幅広の袋体21へ車外の人が倒れ込むことにより、テザー22の前内側である袋体21の前側の部分が身体の荷重により凹み、その反動として、テザー22の外側である後側の部分がさらに盛り上がるように変形するようになる。これにより、幅広に展開する袋体21についてのテザー22より後側の部分は、倒れ込んだ車外の人の後側において大きく膨らみ、倒れ込んだ車外の人を後側から包んで覆うように変形し得る。
【0042】
また、たとえばさらに車外の人の荷重が作用して、荷重が作用している中央前側の部分がさらに凹むように沈み込むと、テザー22は、その荷重作用個所の左部分と右部分とが車外の人の上側において合わさるように左右両側から中央へ向かって折り畳まれるように変形するようになる。この場合、幅広に展開する袋体21は、荷重作用個所の左右の部分が、倒れ込んだ車外の人を左右から包んで覆うようになり得る。
【0043】
その結果、袋体に対して倒れ込んだ車外の人は、袋体に包み込まれたような状態となり、その包み込まれた状態において袋体に対して動かなくなる。車外の人は、フードの上に幅広で展開されている袋体へ倒れ込んだ後に袋体により包み込まれて、車体の左右へ向かって移動して落ち難くなる。
車外の人が倒れ込んだ後にそのままに車両後方側へ移動すると、車外の人の倒れ込む車外の人の頭部の位置より後方となるように配置されたテザー22が、車外の人の倒れこみにより車外の人の頭部よりも上方となり、そのまま車外の人が車両後方側へ移動することで、アーチ状となったテザーの中に入り込む。
これにより、車外の人は、撓んだ袋体による袋であって、かつテザー22を袋の入り口とした袋に収まる形になり、ボンネットフード5の上方から左右に落下することが防止できる。
【0044】
図7(C)は、車外の人により、袋体21の前部および中央部分が潰されている状態である。
図7(C)に破線で示すように、袋体21についての車外の人の身体の荷重が直接的に作用している中央前側の部分が強く潰されて凹んでいる。これに対し、
図7(C)に破線で示すように、袋体21の後方部分および左右両側の部分が相対的に盛り上がる。袋体21に倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の後方部分および左右両側の部分により包み込まれるように覆われるようになる。
【0045】
図8は、
図7の変形の結果としての、幅広に展開していた袋体21による車外の人についての最終的な保護状態の説明図である。
【0046】
上述したようにテザー22が車外の人の荷重により、車外の人とともに袋体21の中央前側の部分を中心にしてつぶすため、袋体21のその他の部分である左右の部分および後方の部分が膨らむ。その結果、
図8に示すように、袋体21の左右の部分および後方の部分は、袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体を、左右および後方から包み込むように変形する。包み込んだ車外の人の運動エネルギーは、袋体21および固定部材23を通じて車体2へ伝わる。包み込まれた車外の人の身体は、包み込んだ位置から左右へ移動し難くなる。
【0047】
以上のように、本実施形態では、接触が予測または検出された場合に車外エアバッグ装置17を展開する。車外エアバッグ装置17は、自動車1の車体2の外面であるボンネットフード5の上に、車体2の車幅に習った幅広で展開可能な袋体21を展開する。これにより、車外の人についての車体2のボンネットフード5への直接的な衝突を回避して、ボンネットフード5へ向けて倒れ込もうとする際に車外の人に作用する衝撃を吸収することができる。
【0048】
しかも、車体2のボンネットフード5の上に重なるように展開される幅広の袋体21の上面には、車幅の方向に沿って延在するように可撓性の横断部材としてのテザー22が設けられる。展開されている幅広の袋体21へ車外の人が倒れ込むことにより、袋体21についてのテザー22より前側の部分が身体の荷重により凹んで、テザー22より後側の部分が盛り上がるように変形し易くなる。これにより、幅広に展開する袋体21は、テザー22より後方の部分が、倒れ込んだ車外の人を後側から包んで覆うようになり得る。また、たとえばさらに荷重が作用して、荷重が作用している部分がさらに凹むようになると、可撓性の横断部材としてのテザー22は、荷重作用個所の左部分と右部分とが倒れ込んでいる車外の人の上側において合わさるように左右から折り畳まれるように変形し易い。この場合、幅広に展開する袋体21は、荷重作用個所の左右の部分が、倒れ込んだ車外の人を左右から包んで覆うようになり得る。その結果、袋体21に対して倒れ込んだ車外の人は、倒れ込んだ後に、袋体21により後方および左右から包み込まれたような状態となり、その包み込まれた状態において袋体21に対して動かなくなる。車外の人は、ボンネットフード5の上に幅広で展開されている袋体21へ倒れ込んだ後に袋体21により包み込まれて、車体2の左右へ向かって移動して落ち難くなる。
車外の人が倒れ込んだ後にそのままに車両後方側へ移動すると、車外の人の倒れ込む車外の人の頭部の位置より後方となるように配置されたテザー22が、車外の人の倒れこみにより車外の人の頭部よりも上方となり、そのまま車外の人が車両後方側へ移動することで、アーチ状となったテザーの中に入り込む。これにより、車外の人は、撓んだ袋体による袋であって、かつテザー22を袋の入り口とした袋に収まる形になり、ボンネットフード5の上方から左右に落下することが防止できる。
【0049】
本実施形態では、袋体21の上面に対して設けられるテザー22は、幅広の袋体21の内部に設けられる。これにより、車外の人が直接的にテザー22に当たり難くなる。袋体21の表面には、テザー22による凹凸は生じ難い。
特に、本実施形態では、幅広の袋体21は、車体2の前部から後へ向けて展開することによりボンネットフード5の上で幅広に展開し、車体2の前部に幅広の袋体21を車幅方向の少なくとも二か所において固定する固定部材23、を有する。これにより、袋体21は、車外の人を包み込んだ状態において、その後に後方などへ向かって移動しようとする車外の人を、ボンネットフード5の上で展開する袋体21の内側に保持するように機能できる。
しかも、テザー22は、
図6(A)の車体2の上面視において、袋体21についての固定部材23による固定位置より後方となる範囲において、展開した幅広の袋体21の上面に対して、車幅の方向に沿って延在するように設けられる。これにより、袋体21は、袋体21が車体2に対して固定されているにもかかわらず、幅広の袋体21は、固定部材23による固定位置より後方においてテザー22の折れ曲がりにしたがって、倒れ込んでいる車外の人を包み込むように機能することができる。
【0050】
本実施形態では、幅広の袋体21の内部におけるテザー22の両端部は、固定部材23に接続され、または固定部材23の近傍に位置するように袋体21の上面に対して設けられる。しかも、幅広の袋体21の内部におけるテザー22の中央部は、幅広に展開する袋体21の上面に対して、両端部の後上方に位置するように設けられる。車幅の方向に沿って延在するように設けられるテザー22は、その中央部が両端部より後上方に位置するように湾曲して設けられる。これにより、テザー22は、車外の人が袋体21に対して倒れ込むことにより、左右が合わさせるように折れ曲がり易くなる。車外の人の荷重は、テザー22の中央部に作用し易くなる。袋体21に対して倒れ込む車外の人の荷重が中央部に作用することにより、テザー22は、袋体21により車外の人を左右から包み込むように折れ曲がりやすくなる。
【0051】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0052】
たとえば上述した実施形態では、可撓性の横断部材としてのテザー22は、その両端が左右一対の固定部材23に接続されている。テザー22は、固定長である。
この他にもたとえば、テザー22は、たとえは袋体21の展開状態などに応じて左右一対の固定部材23の間の長さが変化可能に設けられてよい。
【0053】
図9は、実施形態の第一変形例に係る車外エアバッグ装置17の袋体21の説明図である。
図9において、テザー22は、右側の固定部材23の貫通孔を通じて、車体2の下部に設けられる巻取デバイス24に接続されている。また、袋体21の上面の中央には、ガイド部材が設けられる。ガイド部材は、袋体21の内面に矩形布を貼着することにより形成されてよい。テザー22は、ガイド部材を通している。
そして、巻取デバイス24は、衝突前には、幅広の袋体21の展開にしたがってテザー22を自由に送り出す。また、巻取デバイス24は、袋体21の展開が開始された後にまたは袋体21が最大に展開した後に、テザー22の更なる引出しを禁止する。なお、巻取デバイス24は、テザー22の引出しをロックするのではなく、少し引き込むようにしてもよい。
【0054】
このような変形例では、可撓性の横断部材としてのテザー22は、幅広の袋体21の展開にしたがって巻取デバイス24から送り出されることにより、幅広の袋体21の内部に設けられる。これにより、テザー22は、幅広に展開する袋体21が最大に展開していない状態であっても、袋体21の上面に対して沿うようになる。袋体21が最大に展開していない状態において車外の人が袋体21へ倒れ込んだとしても、テザー22は、その中央部が両端部の後上方に位置する状態に維持されて、折れ曲がることができる。車外の人が袋体21へ倒れ込んで荷重を作用させるタイミングが、袋体21が最大に展開する前であっても、所定の配置に維持されているテザー22により、袋体21を左右で折り曲げるように機能させることができる。
特に、巻取デバイス24は、袋体21の展開が開始された後にまたは袋体21が最大に展開した後に、テザー22の更なる引出しを禁止する。これにより、車外の人の荷重がテザー22に作用している最中において、テザー22としてのテザー22の長さがそれ以上に長くならないようになる。テザー22は、この制限された長さにおいて、上述した実施形態での各種の効果を発揮するように機能することができる。
これに対して、仮にたとえば、車外の人の荷重がテザー22に作用する最中においても、巻取デバイス24からテザー22が更に引出すことができる場合、幅広の袋体21の内部におけるテザー22の長さは作用している荷重に応じて変化する。この場合、テザー22は、上述した実施形態での各種の効果を発揮するように機能し難い。
【0055】
上述した実施形態では、可撓性の横断部材としてのテザー22は、袋体21の上面について、1本で設けられている。
この他にもたとえば、可撓性の横断部材としてのテザー22は、袋体21の上面について、複数本で設けられてよい。
【0056】
上述した実施形態では、袋体21は、車体2より若干狭い幅で展開している。
この他にもたとえば、袋体21は、車体2と同じ幅で展開しても、車体2より広い幅で展開しても、よい。いずれにしても、車外の人の身体の幅などと比べて幅広となるように、車体2の車幅に習った幅広に展開すればよい。これにより、袋体21に対して倒れ込む車外の人を包み込むことが期待できる。
【符号の説明】
【0057】
1…自動車(車両)、2…車体、3…乗員室、4…フロントガラス、5…ボンネットフード、10…車外保護装置、11…ステレオカメラ、12…赤外線カメラ、13…LiDAR、14…加速度センサ、15…通信装置、16…GPS受信機、17…車外エアバッグ装置、18…制御部、20…インフレータ、21…袋体、22…テザー、23…固定部材、24…巻取デバイス