(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】什器用板状部材、什器及び天板付什器
(51)【国際特許分類】
A47B 96/20 20060101AFI20241107BHJP
A47B 9/00 20060101ALI20241107BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A47B96/20 Z
A47B9/00 Z
A47B13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020185071
(22)【出願日】2020-11-05
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
(72)【発明者】
【氏名】江田 紗也香
(72)【発明者】
【氏名】須賀 政晴
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-052783(JP,U)
【文献】特開2005-062441(JP,A)
【文献】特開2009-036953(JP,A)
【文献】実開昭54-110401(JP,U)
【文献】登録実用新案第3179644(JP,U)
【文献】登録実用新案第3047168(JP,U)
【文献】特開平08-154746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/20
A47B 9/00
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 21/007
G09F 13/00-13/46
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器の表部材に用いる什器用板状部材であって、
支持構造体と、
前記支持構造体に固定された発光表示装置と、
前記発光表示装置に対向配置された板形状の表面材と
を備え、
前記表面材は、前記発光表示装置の発光範囲に複数設けられると共に周囲よりも光の透過率が高い光透過部を有
し、
前記支持構造体が前記発光表示装置を収納する収納部を有し、
前記収納部の内部に配置されて前記支持構造体に固定された補強部材を備える
ことを特徴とする什器用板状部材。
【請求項2】
前記光透過部は、前記表面材を貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項1記載の什器用板状部材。
【請求項3】
前記光透過部は、前記貫通孔を埋設すると共に前記表面材よりも光の透過率が高い透光埋設部を備えることを特徴とする請求項2記載の什器用板状部材。
【請求項4】
前記発光表示装置が複数の発光素子と、前記発光素子が実装される基板とを有し、
前記貫通孔の開口面積は、前記貫通孔側から見た前記発光素子の面積よりも小さい
ことを特徴とする請求項2または3記載の什器用板状部材。
【請求項5】
前記基板の前記発光素子の実装面と前記表面材とが同系色とされていることを特徴とする請求項4記載の什器用板状部材。
【請求項6】
前記表面材と前記発光表示装置との間に配置されると共に前記発光表示装置から射出された光を拡散させる拡散板を備えることを特徴とする請求項1~5いずれか一項に記載の什器用板状部材。
【請求項7】
前記拡散板は、前記表面材に当接されていることを特徴とする請求項6記載の什器用板状部材。
【請求項8】
前記支持構造体に支持されると共に前記収納部の内部に空気流を形成するファンを備えることを特徴とする請求項
1~7いずれか一項に記載の什器用板状部材。
【請求項9】
前記表面材は、メラミン化粧板であることを特徴とする請求項1~
8いずれか一項に記載の什器用板状部材。
【請求項10】
表部材として什器用板状部材を備える什器であって、
請求項1~
9いずれか一項に記載の什器用板状部材を前記什器用板状部材として備えることを特徴とする什器。
【請求項11】
天板と、幕板と、前記天板及び前記幕板を支持する脚とを備える天板付什器であって、
請求項1~
9いずれか一項に記載の什器用板状部材を前記幕板として備えることを特徴とする天板付什器。
【請求項12】
天板と、前記天板を支持する脚とを備える天板付什器であって、
請求項1~
9いずれか一項に記載の什器用板状部材を前記天板として備えることを特徴とする天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器用板状部材、什器及び天板付什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、天板に対して表示装置が設置された表示装置付机が開示されている。このような表示装置付机では、表示装置にて表示を行うことによって、例えば天板上で作業を行っているユーザに対して情報を提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された表示装置付机では、天板に表示装置の表示画面を視認するための大きな開口が設けられている。表示装置は、天板の中央に設けられた上記開口に嵌め込まれるようにして設置されている。このため、ユーザ等に対して情報を提供する必要がなく、表示装置にて表示を行っていない場合であっても、ユーザや周囲の者は、容易に表示装置を視認することができる。
【0005】
このような表示装置は、必ずしも机等の什器と一体感のあるデザインとはされるものではない。このため、特に表示装置で表示を行っていない場合において、表示装置が什器の外観デザインを損ねる恐れがある。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、什器に用いられる什器用板状部材において、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能とし、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、什器の表部材に用いる什器用板状部材であって、支持構造体と、上記支持構造体に固定された発光表示装置と、上記発光表示装置に対向配置された板形状の表面材とを備え、上記表面材は、上記発光表示装置の発光範囲に複数設けられると共に周囲よりも光の透過率が高い光透過部を有するという構成を採用する。
【0009】
このような本発明においては、複数の光透過部を有する表面材が発光表示装置に対向して配置されている。このため、発光表示装置で表示を行った場合には、発光表示装置から射出された光が光透過部を透過して外部に射出されるため、外部の者が発光表示装置で表示された情報を容易に視認することが可能となる。
【0010】
また、本発明においては、光透過部が発光表示装置の発光範囲に対して複数設けられている。このため、1つ1つの光透過部が発光表示装置の発光範囲よりも狭い透過面積とされる。したがって、このような透過面積の小さい光透過部が設けられた表面材の背面に発光表示装置が隠されることによって、発光表示装置で表示を行ってない場合には、発光表示装置の表示面が外部から視認し難くなり、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0011】
このように、本発明によれば、什器に用いられる什器用板状部材において、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能とし、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記光透過部が、上記表面材を貫通する貫通孔を有するという構成を採用する。
【0013】
このような本発明においては、光透過部が表面材を貫通する貫通孔を有している。このため、光透過部における光の透過率を高くすることができる。
【0014】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記光透過部が、上記貫通孔を埋設すると共に上記表面材よりも光の透過率が高い透光埋設部を備えるという構成を採用する。
【0015】
このような本発明においては、透光埋設部によって貫通孔における光の透過を可能しつつ貫通孔を埋設することが可能となる。このため、表面材の外面を平面とすることが可能となる。このため、表面材の外面を例えば天板の作業面として好適用いることが可能となる。
【0016】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記発光表示装置が複数の発光素子と、上記発光素子が実装される基板とを有し、上記貫通孔の開口面積は、上記貫通孔側から見た上記発光素子の面積よりも小さいという構成を採用する。
【0017】
このような本発明によれば、貫通孔の開口面積が発光素子の面積よりも小さいため、少なくとも発光素子の一部を表面材によって直接的に覆うことができる。このため、表示が必要でない場合に表示面を外部からより視認され難くすることが可能となる。
【0018】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記基板の上記発光素子の実装面と上記表面材とが同系色とされているという構成を採用する。
【0019】
このような本発明によれば、貫通孔を介して表面材の背面側が仮に視認可能とされた場合であっても、基板の実装面が表面材と同化して視認される。このため、貫通孔の存在を外部の者により気づかせ難くなる。
【0020】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記表面材と上記発光表示装置との間に配置されると共に上記発光表示装置から射出された光を拡散させる拡散板を備えるという構成を採用する。
【0021】
このような本発明によれば、発光表示装置から射出された光が拡散板によって拡散される。このため、発光表示装置から射出された光が直接外部の者の視界に入ることを防ぎ、外部の者に眩しさを感じさせることを抑止することが可能となる。また、例えば発光素子と発光素子との間に光透過部が配置されている場合であっても、拡散された光を光透過部から射出することができる。
【0022】
第7の発明は、上記第6の発明において、上記拡散板が、上記表面材に当接されているという構成を採用する。
【0023】
このような発明によれば、表面材が背後から拡散板によって支えられるため、表面材の耐荷重を向上させることが可能となる。このため、例えば、表面材の外面を天板の作業面として好適に用いることが可能となる。
【0024】
第8の発明は、上記第1~第7いずれかの発明において、上記支持構造体が上記発光表示装置を収納する収納部を有し、上記収納部の内部に配置されて上記支持構造体に固定された補強部材を備えるという構成を採用する。
【0025】
このような本発明によれば、補強部材によって支持構造体の剛性を向上させることが可能となる。このため、発光表示装置に外力が作用することを抑制し、本発明の什器用板状部材を幕板や天板として好適に用いることが可能となる。
【0026】
第9の発明は、上記第8の発明において、上記支持構造体に支持されると共に上記収納部の内部に空気流を形成するファンを備えるという構成を採用する。
【0027】
このような本発明によれば、収納部の内部に発光表示装置が駆動することによって生じる熱が籠ることを抑制することが可能となる。このため、発光表示装置を安定的に駆動することが可能となる。また、空気流によって熱が外部に排出する位置を容易に定めることができ、例えばユーザに発光表示装置の熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0028】
第10の発明は、上記第1~第9いずれかの発明において、上記表面材が、メラミン化粧板であるという構成を採用する。
【0029】
メラミンは、熱伝導性が低い材料である。このため、このような本発明によれば、表面材の外側に位置する者に対して、発光表示装置の熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0030】
第11の発明は、表部材として什器用板状部材を備える什器であって、上記第1~第10いずれかの発明である什器用板状部材を上記什器用板状部材として備えるという構成を採用する。
【0031】
このような本発明によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する什器用板状部材を備えた什器となる。このため、什器用板状部材を介してユーザ等に向けて表示を行うことができると共に、表示が行われていない場合の什器全体の外観が発光表示装置の影響を受けることを防止することができる。
【0032】
第12の発明は、天板と、幕板と、上記天板及び上記幕板を支持する脚とを備える天板付什器であって、上記第1~第10いずれかの発明である什器用板状部材を上記幕板として備えるという構成を採用する。
【0033】
このような本発明によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する幕板を備えた什器となる。このため、幕板を介してユーザ等に向けて表示を行うことができると共に、表示が行われていない場合の什器全体の外観が発光表示装置の影響を受けることを防止することができる。
【0034】
第13の発明は、天板と、上記天板を支持する脚とを備える天板付什器であって、上記第1~第10いずれかの発明である什器用板状部材を上記天板として備えるという構成を採用する。
【0035】
このような本発明によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する天板を備えた什器となる。このため、天板を介してユーザ等に向けて表示を行うことができると共に、表示が行われていない場合の什器全体の外観が発光表示装置の影響を受けることを防止することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明においては、発光表示装置に対向配置された板形状の表面材が、発光表示装置の発光範囲に複数設けられると共に周囲よりも光の透過率が高い光透過部を有している。このため、什器に用いられる什器用板状部材において、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能とし、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施形態における天板付什器を後方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における天板付什器を前方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態における天板付什器が備える幕板を天板付什器の後方側から見た正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における天板付什器が備える幕板を天板付什器の前方側から見た背面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態における天板付什器を前方から見た斜視図である。
【
図8】
図7のC-C断面に相当する天板の断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態における什器システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の什器用板状部材を採用する椅子の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明に係る什器用板状部材及び什器の一実施形態について説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における天板付什器1を後方から見た斜視図である。また、
図2は、本発明の第1実施形態における天板付什器1を前方から見た斜視図である。本実施形態の天板付什器1は、例えばeスポーツ等で用いられるゲーミングデスクとして用いられる什器である。これらの図に示すように、本実施形態の天板付什器1は、昇降脚ユニット2(脚)と、天板3と、幕板4(什器用板状部材)と、ディスプレイスタンド5と、ディスプレイ6と、コントローラスタンド7とを備えている。
【0040】
なお、ここでの説明においては、説明の便宜上、ディスプレイ6の表示面が向けられている側を前側、ディスプレイ6の背面側を後側とする。また、前後方向と直交する水平方向にて、天板付什器1の前方にディスプレイ6の表示面と対峙するユーザの右手側を右側とし、ユーザの左手側を左側と称する。また、鉛直方向を上下方向とする。
【0041】
昇降脚ユニット2は、天板3を下方から支持する部材であり、左右方向に離間されて2つ設けられた脚体部2aと、左右方向に離間されて2つ設けられた天板支持杆2bとを備えている。また、昇降脚ユニット2は、左右方向に延伸して設けられて天板支持杆2b同士を接続すると共に脚体部2aによって下方から支持された不図示の連結杆を備えている。本実施形態において、天板支持杆2bと不図示の連結杆とによって天板3が下方から支持されている。
【0042】
一方の脚体部2aは天板3の右側端部の下方に配置されており、他方の脚体部2aは天板3の左側端部の下方に配置されている。各々の脚体部2aは、前後方向に延伸する前後杆2cと、前後杆2cの下面に固定されたアジャスタ2dと、前後杆2cの前後方向の中央部に立設された支柱2eとを備えている。各々の支柱2eは、不図示の連結杆に上端部が接続されており、不図示の駆動部によって上下方向に伸縮可能とされている。これらの支柱2eが伸縮することによって、天板3を昇降し、天板3の高さ位置を調整することが可能とされている。
【0043】
一方の天板支持杆2bは天板の右側端部の下面に固定されており、他方の天板支持杆2bは天板の左側端部の下面に固定されている。これらの天板支持杆2bは、不図示の連結杆の端部に固定されており、連結杆を介して、天板3から受ける荷重を脚体部2aに伝達する。
【0044】
天板3は、上面が作業面とされた板状部材である。天板3は、上述のように昇降脚ユニット2によって下方から支持されており、昇降脚ユニット2の支柱2eの伸縮によって、水平姿勢(上面が水平とされた姿勢)を維持した状態で上下方向に移動可能とされている。なお、天板3の下面には、例えばゲーム機本体や配線等を収納可能な不図示の吊下げ支持棚が接続されている。
【0045】
幕板4は、天板3の後端縁から垂下されるようにして配置された板状部材であり、天板付什器1の後方側から天板3の下方空間が視認されることを抑止する。つまり、幕板4は、天板付什器1の外部から視認可能な表面材である。このような幕板4は、天板3の下面に固定された不図示の幕板保持ブラケットに接続されることで支持されている。なお、幕板4は、上端部が天板3の上面より上方に突出するようにして配置することも可能である。
【0046】
なお、ここでの説明では、天板付什器1の後方に向けられた幕板4の面を表面と称し、天板付什器1の前方に向けられた幕板4の面を背面と称する。つまり、本実施形態においては、幕板4は、表面を天板付什器1の後方に向け、背面を天板付什器1の前方に向けるようにして、天板3の後縁から垂下されている。このような幕板4は、表面が天板付什器1の外側から視認可能に主として露出されており、背面は天板3の下方空間に向けられて天板3や昇降脚ユニット2によって外部から視認され難い部位とされている。
【0047】
本実施形態において幕板4は、後方に向けられた表面に表示を行うことができる。この表示には、文字や図形の表示の他、表示領域の全域あるいは一部領域を発光発色させるような表示も含む。なお、
図1においては、幕板4の表面に対して、「ABCD」の文字列が表示された例を図示している。ただし、幕板4の表面の表示は任意に変更可能とされている。
【0048】
図3は、幕板4を天板付什器1の後方側から見た正面図であり、(a)が表示を行っている状態を示し、(b)が表示を行っていない状態を示している。また、
図4は、幕板4を天板付什器1の前方側から見た背面図であり、(a)が後述する裏板4kを取り付けた状態を示し、(b)が裏板4kを取り外した状態を示す図である。また、
図5は、
図3におけるA-A断面図である。また、
図6は、
図3におけるB-B断面図である。
【0049】
例えば
図5あるいは
図6に示すように、幕板4は、支持フレーム4aと、化粧板4b(表面材)と、縁材4cと、拡散板4dと、支持ブラケット4eと、LED基板4f(発光表示装置)と、カバー4gと、ファン4hと、補強ビーム4i(補強部材)と、埋設取付部材4jと、裏板4kとを備えている。
【0050】
支持フレーム4aは、中央部に矩形状の開口部4a1が前後方向に貫通して設けられた枠状の強度部材であり、LED基板4f等を支持する支持構造体である。支持フレーム4aは、天板付什器1の前方側から見た形状が、左右方向の幅寸法が上下方向の高さ寸法よりも大きな長方形状とされている。支持フレーム4aは、端部が背面側に折り曲げられることによって、背面側に突出する縁部4a2を有している。この縁部4a2は、長方形状の支持フレーム4aの4辺に沿って設けられており、支持フレーム4aの背面側に収納凹部4a3(収納部)を形成している。この収納凹部4a3には、拡散板4d、支持ブラケット4e、LED基板4f、カバー4g、ファン4h、補強ビーム4i及び埋設取付部材4jが収納状態で配置される。
【0051】
化粧板4bは、支持フレーム4aの表側の面(天板付什器1における後側の面)に対して貼付された板形状の部材であり、開口部4a1を塞いで支持フレーム4aの表面側の全面を覆っている。この化粧板4bは、例えばメラミンによって形成されており、例えば黒色とされている。このような化粧板4bは、幕板4の最も表側に配置される部材であり、天板付什器1の後方側に向けて全体が露出されている。
【0052】
本実施形態において化粧板4bには、
図5や
図6に示すように、化粧板4bを天板付什器1の前後方向に貫通する複数の貫通孔4b1(光透過部)が設けられている。本実施形態においては、天板付什器1の後方側から見て支持フレーム4aの開口部4a1と重なる領域にLED基板4fが配置されており、
図3に示すように幕板4の開口部4a1が形成された部位が表示領域Rとされている。上述の貫通孔4b1は、LED基板4fから天板付什器1の後方に向けて射出された光を透過させる光透過部であり、表示領域Rに複数設けられている。
【0053】
各々の貫通孔4b1の開口面積は、LED基板4fの後述するLED素子4f2(発光素子)の貫通孔4b1側から見た面積よりも小さい。これらの貫通孔4b1は、例えば格子状あるいは千鳥状に配列されている。これらの貫通孔4b1は、化粧板4bにおいて貫通孔4b1が設けられていない部位よりも光の透過率が高い。つまり、本実施形態において化粧板4bは、LED基板4fの発光範囲に複数設けられると共に周囲により光透過率が高い貫通孔4b1を有している。
【0054】
縁材4cは、支持フレーム4aの縁部4a2の外側面(支持フレーム4aの縁面)に取り付けられている。支持フレーム4aは、天板付什器1の後方から見て矩形状とされているため、上方に向けられた縁面と、下方に向けられた縁面と、左側に向けられた縁面と、右側に向けられた縁面との4つの縁面を有している。縁材4cは、これらの縁面の各々に対して取り付けられることで4つ設けられている。これらの縁材4cは、例えば樹脂によって形成されており、例えば支持フレーム4aにユーザや外部の者等が触れることを抑止する。
【0055】
拡散板4dは、
図5や
図6に示すように、支持フレーム4aの収納凹部4a3に配置されており、化粧板4bと支持フレーム4aを挟んで対向配置されている。この拡散板4dは、表側及び背後側の面の面積が支持フレーム4aの開口部4a1よりも大きく、開口部4a1の全体を覆うように支持フレーム4aに固定されている。
【0056】
本実施形態においては、化粧板4bが支持フレーム4aの開口部4a1の周囲の部位に対して天板付什器1の後方から当接され、拡散板4dが支持フレーム4aの開口部4a1の周囲の部位に対して天板付什器1の前方から当接されている。このため、化粧板4bと拡散板4dとの間には、支持フレーム4aの開口部4a1の周囲の部位の厚さ寸法分の隙間が設けられている。
【0057】
拡散板4dは、化粧板4bとLED基板4fとの間に配置されている。このような拡散板4dは、LED基板4fから化粧板4bに向けて射出された光を拡散する。なお、拡散板4dは、支持フレーム4aに支持されている。一方で、LED基板4fは、後述するようにカバー4gに支持されている。これらの拡散板4dとLED基板4fとの間には隙間が設けられており、拡散板4dを介して外部から荷重がLED基板4fに伝達されることを抑止している。
【0058】
なお、拡散板4dとLED基板4fとの接触をより確実に抑制するために、LED基板4fが固定される支持ブラケット4eと拡散板4dとの間には、パッキン4mが設けられている。このパッキン4mは、LED基板4fを囲うように配置されており、拡散板4dとLED基板4fとの接触を抑止すると共に、LED基板4fへの水や異物等の侵入を防止する。また、パッキン4mは、LED基板4fから射出された光が開口部4a1の側方に漏れることを防止する。
【0059】
支持ブラケット4eは、カバー4gの内面(幕板4の表側に向けられた面)に固定されており、LED基板4fが取り付けられている。この支持ブラケット4eは、ネジ4nによってカバー4gに対して締結される締結部4e1と、カバー4gとの間に一定の隙間を有すると共にLED基板4fが固定される基板保持部4e2と、締結部4e1と基板保持部4e2との接続する接続部4e3とを有している。なお、LED基板4fで生じた熱は、支持ブラケット4eに伝達し、後述する空気流によって放熱することができる。また、上述のパッキン4mは、支持ブラケット4eの基板保持部4e2に対して接続されている。
【0060】
LED基板4fは、発光により表示を行う装置であり、回路基板4f1と、複数のLED素子4f2(発光素子)とを備えている。回路基板4f1は、複数のLED素子4f2が幕板4の表側に向けられた面に実装されており、不図示の制御部の制御信号等をLED素子4f2に供給する。
【0061】
各々のLED素子4f2は、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光チップを内蔵しており、制御部の制御の下にフルカラーの発光が可能とされている。これらのLED素子4f2は、個別に点灯及び消灯を制御可能とされている。また、これらのLED素子4f2は、点灯時における強度や色度を独立して変更可能とされている。
【0062】
回路基板4f1の片側面(幕板4の表側に向けられた面)に、複数のLED素子4f2が例えば格子状に配列されている。LED基板4fは、これらのLED素子4f2の個々の強度や色度を独立して調整することによって、LED素子4f2を発光させて表示を行うことが可能となっている。このようなLED基板4fにおいては、LED素子4f2の配列面が表示面となっている。
【0063】
LED基板4fから射出された光が拡散板4dを介して化粧板4bの貫通孔4b1から幕板4の外部に射出される。天板付什器1の外部の者は、貫通孔4b1から射出される光を見ることによって、幕板4の表面側に表示が行われているように視認することとなる。
【0064】
なお、LED基板4fのLED素子4f2の実装面(すなわち回路基板4f1のLED素子4f2が実装される面)は、例えば化粧板4bと同一色とされる。回路基板4f1の実装面を化粧板4bと同一色とすることで、貫通孔4b1を介して外部からLED基板4fが視認されることを抑止することが可能となる。
【0065】
カバー4gは、拡散板4d、支持ブラケット4e及びLED基板4fを幕板4の背面側から覆う部材である。カバー4gは、幕板4の表側に向けて開放された箱状とされており、背面が支持フレーム4aの背面と面一となる厚さ寸法とされている。なお、カバー4gは、支持フレーム4aの収納凹部4a3の全体を覆うものではなく、拡散板4d、支持ブラケット4e及びLED基板4fが設置された収納凹部4a3の中央部を覆うものである。このため、カバー4gは、支持フレーム4aの縁部4a2から離間されている。このようなカバー4gは、ネジ4pによって支持フレーム4aに対して着脱可能に固定されている。なお、拡散板4dによる光の拡散の程度は、幕板4で表示する内容に要求される解像度によって任意に変更が可能である。解像度の高い表示を行う場合には、拡散板4dを設けない構成を採用することも可能である。このような場合には、例えば拡散板4dに換えて、光の拡散を抑えたガラス板等の透明部材を設置しても良い。
【0066】
また、カバー4gには、幕板4の外部とカバー4gによって囲われた収納凹部4a3の内部空間を接続する吸気スリット4g1と排気孔4g2とが設けられている。例えば
図4(a)に示すように、吸気スリット4g1はカバー4gの中央部に対して複数設けられており、排気孔4g2は吸気スリット4g1を間に挟んでカバー4gの右端部と左端部とに各々設けられている。吸気スリット4g1は、ファン4hによって空気流が形成された場合に、外気をカバー4gの内部空間に取り込むための開口である。また、排気孔4g2は、ファン4hによって空気流が形成された場合に、カバー4gの内部空間の空気を外部に排出するための開口である。
【0067】
ファン4hは、カバー4gの内面に対して固定されており、カバー4gの内部にLED基板4fを冷却するための空気流を形成する。本実施形態においてファン4hは、天板付什器1の後方から見て、各々の排気孔4g2と重なるように設けられている。これらのファン4hは、排気孔4g2からカバー4gの内部の空気が排出されるように空気を圧送することによって、吸気スリット4g1、支持ブラケット4e、排気孔4g2の順に流れる空気をカバー4gの内部に形成する。このような空気流に支持ブラケット4eが晒されることによって、LED基板4fの熱がカバー4gの外部に排出される。
【0068】
補強ビーム4iは、左右方向にてカバー4gと支持フレーム4aの縁部4a2との間に各々配置された補強部材である。つまり、
図4(b)に示すように、本実施形態において補強ビーム4iは、カバー4gを左右方向にて間に挟むようにして2つ設けられている。各々の補強ビーム4iは、上下方向延伸する部材であり、支持フレーム4aに固定されている。これらの補強ビーム4iは、幕板4の強度を向上させている。また、各々の補強ビーム4iには、幕板4を天板3に対して接続する不図示の幕板保持ブラケットに取り付けられる取付部4i1が複数設けられている。これらの取付部4i1は、幕板保持ブラケットを貫通するボルトが螺合される部位とされている。
【0069】
埋設取付部材4jは、
図4(b)に示すように、収納凹部4a3の内部にて、補強ビーム4iとカバー4gとの間に配置されており、補強ビーム4iとカバー4gとの間の空間を埋設する部材である。埋設取付部材4jは、裏板4kが取り付けられた状態で、裏板4kと支持フレーム4aとの間に介挿されている。裏板4kは、カバー4gが設置された部位を避けて、収納凹部4a3を覆う板金部材である。
【0070】
このような幕板4においては、不図示の制御部の制御の下に、LED基板4fのLED素子4f2が選択的に発光されることによって、LED基板4fから射出された光が化粧板4bの貫通孔4b1から外部に射出され、外部の者に視認可能な情報が表示される。
【0071】
図1に戻り、ディスプレイスタンド5は、天板3の後縁に対して固定された状態で立設されており、ディスプレイ6を支持する。なお、本実施形態においては、ディスプレイスタンド5は、2つのディスプレイ6を並べて支持可能とされている。ディスプレイ6は、ディスプレイスタンド5に支持された状態で、本実施形態の天板付什器1の前方側に表示面を向けて配置されている。コントローラスタンド7は、天板3の後縁に対して固定されており、例えばゲーム機本体に有線あるいは無線で接続されたコントローラを支持可能としている。
【0072】
なお、本実施形態の天板付什器1においては、上述のように、これらのディスプレイスタンド5、ディスプレイ6及びコントローラスタンド7を備えた構成を採用している。しかしながら、天板付什器1は、ディスプレイスタンド5、ディスプレイ6及びコントローラスタンド7の全てを必ずしも備える必要はない。ディスプレイスタンド5、ディスプレイ6及びコントローラスタンド7の全てあるいはいくつかを省略する構成を採用することも可能である。
【0073】
このような本実施形態の天板付什器1では、例えばユーザが使用している場合や、ユーザが使用していない場合に、幕板4に対して表示を行うことができる。このため、天板付什器1の外部の者に対して、天板付什器1の使用状態等を伝えることが可能となる。
【0074】
以上のような本実施形態における幕板4は、什器の表部材に用いる什器用板状部材である。本実施形態の幕板4は、支持フレーム4aと、支持フレーム4aに固定されたLED基板4fと、LED基板4fに対向配置された板形状の化粧板4bとを備えている。また、化粧板4bは、LED基板4fの発光範囲に複数設けられると共に周囲よりも光の透過率が高い光透過部(本実施形態においては貫通孔4b1)を有している。
【0075】
このような本実施形態における幕板4においては、複数の光透過部を有する化粧板4bがLED基板4fに対向して配置されているため、LED基板4fで表示を行った場合には、LED基板4fから射出された光が光透過部を透過して外部に射出される。したがって、例えば
図3(a)に示すように、外部の者がLED基板4fで表示された情報を容易に視認することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態における幕板4においては、光透過部がLED基板4fの発光範囲に対して複数設けられている。このため、1つ1つの光透過部がLED基板4fの発光範囲よりも狭い透過面積とされる。したがって、このような透過面積の小さい光透過部が設けられた化粧板4bの背面にLED基板4fが隠されることによって、LED基板4fで表示を行ってない場合には、LED基板4fの表示面が外部から視認し難くなる。よって、例えば
図3(b)に示すように、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0077】
このように、本実施形態における幕板4によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能とし、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態における幕板4においては、光透過部が、化粧板4bを貫通する貫通孔4b1とされている。このような本実施形態における幕板4においては、光透過部が化粧板4bを貫通する貫通孔4b1とされているため、有色フィルム等が設置されている場合よりも光透過部の光の透過率を高くすることが可能となる。
【0079】
また、本実施形態における幕板4においては、LED基板4fが複数のLED素子4f2と、LED素子4f2が実装される回路基板4f1とを有し、貫通孔4b1の開口面積は、貫通孔4b1側から見たLED素子4f2の面積よりも小さい。このような本実施形態における幕板4によれば、貫通孔4b1の開口面積がLED素子4f2の面積よりも小さいため、少なくともLED素子4f2の一部を化粧板4bによって直接的に覆うことができる。このため、表示が必要でない場合にLED基板4fの表示面を外部からより視認され難くすることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態における幕板4においては、回路基板4f1のLED素子4f2の実装面と化粧板4bとを同系色(同色を含む)とすることができる。回路基板4f1のLED素子4f2の実装面と化粧板4bとを同系色とすることで、貫通孔4b1を介して化粧板4bの背面側が仮に視認可能とされた場合であっても、基板の実装面が化粧板4bと同化して視認される。このため、貫通孔4b1の存在を外部の者により気づかせ難くなる。
【0081】
また、本実施形態における幕板4においては、化粧板4bとLED基板4fとの間に配置されると共にLED基板4fから射出された光を拡散させる拡散板4dを備えている。 このような本実施形態における幕板4によれば、LED基板4fから射出された光が拡散板によって拡散される。このため、LED基板4fから射出された光が直接外部の者の視界に入ることを防ぎ、外部の者に眩しさを感じさせることを抑止することが可能となる。また、拡散板4dを備えることによって、例えばLED素子4f2とLED素子4f2との間に貫通孔4b1が配置されている場合であっても、拡散された光を貫通孔4b1から射出することができる。
【0082】
また、本実施形態における幕板4においては、支持フレーム4aがLED基板4fを収納する収納凹部4a3を有し、収納凹部4a3の内部に配置されて支持フレーム4aに固定された補強ビーム4iを備えている。このような本実施形態における幕板4によれば、補強ビーム4iによって支持フレーム4aの剛性を向上させることが可能となる。このため、LED基板4fに外力が作用することを抑制し、幕板4として好適に用いることが可能となる。
【0083】
また、本実施形態における幕板4においては、支持フレーム4aに支持されると共に収納凹部4a3の内部に空気流を形成するファン4hを備えている。このような本実施形態における幕板4によれば、収納凹部4a3の内部にLED基板4fが駆動することによって生じる熱が籠ることを抑制することが可能となる。このため、LED基板4fを安定的に駆動することが可能となる。また、空気流によって熱が外部に排出する位置を容易に定めることができ、例えばユーザにLED基板4fの熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態における幕板4においては、化粧板4bを例えばメラミン化粧板とすることが可能である。メラミンは、熱伝導性が低い材料である。このため、このような本実施形態における幕板4によれば、化粧板4bの外側に位置する者に対して、LED基板4fの熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の天板付什器1は、天板3と、幕板4と、天板3及び幕板4を支持する昇降脚ユニット2とを備えている。このため、本実施形態の天板付什器1によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する幕板4を備えた什器となる。このため、幕板4を介してユーザ等に向けて表示を行うことができると共に、表示が行われていない場合の什器全体の外観がLED基板4fの影響を受けることを防止することができる。
【0086】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の説明については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0087】
図7は、本実施形態における天板付什器1Aを前方から見た斜視図である。本実施形態の天板付什器1Aは、上記第1実施形態の天板付什器1が備える天板3に換えて、作業面に表示が可能な天板8(什器用板状部材)を備えている。
図7(a)は、天板8に「RESERVED」との文字が表示されている例を図示している。また、
図7(b)は、天板8に「AVAILABLE」との文字が表示されている例を図示している。なお、天板8に表示される内容は、これらに限定されるものではない。
【0088】
なお、ここでの説明では、天板付什器1Aの上方に向けられた天板8の面を表面と称し、天板付什器1Aの下方に向けられた天板8の面を背面と称する。つまり、本実施形態においては、天板8は、表面を天板付什器1の上方に向け、背面を天板付什器1の下方に向けるようにして、支持されている。
【0089】
図8は、
図7のC-C断面に相当する天板8の断面図である。
図8に示すように、本実施形態において天板8は、天板8は、支持フレーム8aと、化粧板8b(表面材)と、縁材8cと、拡散板8dと、支持ブラケット8eと、LED基板8f(発光表示装置)と、カバー8gと、ファン8hと、基材8iと、裏板8jと、透光埋設部8kとを備えている。
【0090】
支持フレーム8aは、中央部に矩形状の開口部8a1が上下方向に貫通して設けられた枠状の強度部材であり、LED基板8f等を支持する支持構造体である。支持フレーム8aは、天板付什器1の上方から見た形状が、左右方向の幅寸法が前後方向の奥行寸法よりも大きな略長方形状とされている。支持フレーム8aは、端部が背面側に折り曲げられることによって、背面側に突出する縁部8a2を有している。この縁部8a2は、長方形状の支持フレーム8aの4辺に沿って設けられており、支持フレーム8aの背面側に収納凹部8a3(収納部)を形成している。この収納凹部8a3には、拡散板8d、支持ブラケット8e、LED基板8f、カバー8g、ファン8h、基材8iが収納状態で配置される。
【0091】
化粧板8bは、支持フレーム8aの表側の面(天板付什器1Aにおける上側の面)に対して貼付された板形状の部材であり、開口部8a1を塞いで支持フレーム8aの表面側の全面を覆っている。この化粧板8bは、例えばメラミンによって形成されており、例えば黒色とされている。このような化粧板8bは、天板8の最も表側に配置される部材であり、天板付什器1の上方に向けて全体が露出されている。
【0092】
本実施形態において化粧板8bには、
図8に示すように、化粧板8bを天板付什器1の上下方向に貫通する複数の貫通孔8b1(光透過部)が設けられている。本実施形態においては、天板付什器1の上方から見て支持フレーム8aの開口部8a1と重なる領域にLED基板8fが配置されており、天板8の開口部8a1が形成された部位の一部が表示領域Rとされている。上述の貫通孔8b1は、LED基板8fから天板付什器1の上方に向けて射出された光を透過させる光透過部であり、表示領域Rに複数設けられている。
【0093】
各々の貫通孔8b1の開口面積は、LED基板8fの後述するLED素子8f2(発光素子)の貫通孔8b1側から見た面積よりも小さい。これらの貫通孔8b1は、例えば格子状あるいは千鳥状に配列されている。これらの貫通孔8b1は、化粧板8bにおいて貫通孔8b1が設けられていない部位よりも光の透過率が高い。つまり、本実施形態において化粧板8bは、LED基板8fの発光範囲に複数設けられると共に周囲により光透過率が高い貫通孔8b1を有している。
【0094】
縁材8cは、支持フレーム8aの縁部8a2の外側面(支持フレーム8aの縁面)に取り付けられている。支持フレーム8aは、天板付什器1の上方から見て矩形状とされているため、前方に向けられた縁面と、後方に向けられた縁面と、左側に向けられた縁面と、右側に向けられた縁面との4つの縁面を有している。縁材8cは、これらの縁面の各々に対して取り付けられることで4つ設けられている。これらの縁材8cは、例えば樹脂によって形成されており、例えば支持フレーム8aにユーザや外部の者等が触れることを抑止する。
【0095】
拡散板8dは、
図7に示すように、支持フレーム8aの収納凹部8a3に配置されており、化粧板8bに上面が当接した状態で配置されている。この拡散板8dは、表側及び背後側の面の面積が支持フレーム8aの開口部8a1よりも小さく、開口部8a1に収まるように拡散板支持フレーム8mに固定されている。拡散板8dは、化粧板8bとLED基板8fとの間に配置されている。このような拡散板8dは、LED基板8fから化粧板8bに向けて射出された光を拡散する。
【0096】
なお、拡散板8dは、拡散板支持フレーム8mの上面に支持されている。一方で、LED基板8fは、支持ブラケット8eに支持されている。これらの拡散板8dとLED基板8fとの間には隙間が設けられており、拡散板8dを介して外部から荷重がLED基板8fに伝達されることを抑止している。拡散板8dが上方から受けた荷重は、拡散板支持フレーム8mを介して、基材8iに伝達される。
【0097】
拡散板支持フレーム8mは、基材8iに対して固定されており、拡散板8dが取り付けられている。この拡散板支持フレーム8mは、ネジ8nによってカバー8gと共に基材8iに対して共締めされている。拡散板支持フレーム8mは、基材8iに対して締結される締結部8m1と、カバー8gとの間に一定の隙間を有すると共に拡散板8dが固定される拡散板保持部8m2と、締結部8m1と拡散板保持部8m2との接続する接続部8m3とを有している。なお、拡散板保持部8m2には、上方から見てLED基板8fを露出するための開口部8m4が設けられている。
【0098】
なお、拡散板8dとLED基板8fとの接触を抑制するために、LED基板8fが固定される支持ブラケット8eと拡散板8dとの間には、パッキン8pが設けられている。このパッキン8pは、LED基板8fを囲うように配置されており、拡散板8dとLED基板8fとの接触を抑止すると共に、LED基板8fへの水や異物等の侵入を防止する。また、パッキン8pは、LED基板8fから射出された光が開口部8a1の側方に漏れることを防止する。
【0099】
支持ブラケット8eは、カバー8gの内面(天板8の表側に向けられた面)に固定されており、LED基板8fが取り付けられている。この支持ブラケット8eは、ネジ8nによってカバー8gに対して締結される締結部8e1と、カバー8gとの間に一定の隙間を有すると共にLED基板8fが固定される基板保持部8e2と、締結部8e1と基板保持部8e2との接続する接続部8e3とを有している。なお、LED基板8fで生じた熱は、支持ブラケット8eに伝達し、後述する空気流によって放熱することができる。また、上述のパッキン8pは、支持ブラケット8eの基板保持部8e2に対して接続されている。
【0100】
LED基板8fは、回路基板8f1と、複数のLED素子8f2(発光素子)とを備えている。回路基板8f1は、複数のLED素子8f2が天板8の表側に向けられた面に実装されており、不図示の制御部の制御信号等をLED素子8f2に供給する。
【0101】
各々のLED素子8f2は、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の発光チップを内蔵しており、制御部の制御の下にフルカラーの発光が可能とされている。これらのLED素子8f2は、個別に点灯及び消灯を制御可能とされている。また、これらのLED素子8f2は、点灯時における強度や色度を独立して変更可能とされている。
【0102】
回路基板8f1の片側面(天板8の表側に向けられた面)に、複数のLED素子8f2が例えば格子状に配列されている。LED基板8fは、これらのLED素子8f2の個々の強度や色度を独立して調整することによって、LED素子8f2を発光させて表示を行うことが可能となっている。このようなLED基板8fにおいては、LED素子8f2の配列面が表示面となっている。
【0103】
LED基板8fから射出された光が拡散板8dを介して化粧板8bの貫通孔8b1から天板8の外部に射出される。天板付什器1の外部の者は、貫通孔8b1から射出される光を見ることによって、天板8の表面側に表示が行われているように視認することとなる。
【0104】
なお、LED基板8fのLED素子8f2の実装面(すなわち回路基板8f1のLED素子8f2が実装される面)は、例えば化粧板8bと同一色とされる。回路基板8f1の実装面を化粧板8bと同一色とすることで、貫通孔8b1を介して外部からLED基板8fが視認されることを抑止することが可能となる。
【0105】
カバー8gは、拡散板8d、支持ブラケット8e及びLED基板8fを天板8の背面側から覆う部材である。カバー8gは、天板8の表側に向けて開放された箱状とされており、背面が支持フレーム8aの背面と面一となる厚さ寸法とされている。なお、カバー8gは、支持フレーム8aの収納凹部8a3の全体を覆うものではなく、拡散板8d、支持ブラケット8e及びLED基板8fが設置された収納凹部8a3の一部を覆うものである。このため、カバー8gは、支持フレーム8aの縁部8a2から離間されている。このようなカバー8gは、ネジ8nによって基材8iに対して着脱可能に固定されている。
【0106】
また、カバー8gには、天板8の外部とカバー8gによって囲われた収納凹部8a3の内部空間を接続する吸気スリットと排気孔とが設けられている。吸気スリットは、ファン8hによって空気流が形成された場合に、外気をカバーの内部空間に取り込むための開口である。また、排気孔は、ファン8hによって空気流が形成された場合に、カバー8gの内部空間の空気を外部に排出するための開口である。
【0107】
ファン8hは、カバー8gの内面に対して固定されており、カバー8gの内部にLED基板8fを冷却するための空気流を形成する。ファン8hは、排気孔からカバー8gの内部の空気が排出されるように空気を圧送することによって、吸気スリット、支持ブラケット8e、排気孔の順に流れる空気をカバー8gの内部に形成する。このような空気流に支持ブラケット8eが晒されることによって、LED基板8fの熱がカバー8gの外部に排出される。
【0108】
基材8iは、拡散板8d、支持ブラケット8e、LED基板8f及びファン8hが設置される空間を除いて、支持フレーム8aの収納凹部8a3を埋設する強度部材であり、天板8の上面に作用する荷重を受ける。裏板8jは、カバー8gが設置された部位を避けて、収納凹部8a3を覆う板金部材である。
【0109】
透光埋設部8kは、化粧板8bの貫通孔8b1を埋設すると共に化粧板8bよりも光の透過率が高い部材である。このような透光埋設部8kは、例えば貫通孔8b1をレジンで埋設して硬化させることによって形成することができる。また、樹脂によって形成されたライトパイプを貫通孔8b1に嵌合することで形成することができる。このような透光埋設部8kの上面は、化粧板8bの上面と面一とされている。これによって、天板8の上面が円滑な平面となる。
【0110】
このような天板8においては、不図示の制御部の制御の下に、LED基板8fのLED素子8f2が選択的に発光されることによって、LED基板8fから射出された光が化粧板8bの貫通孔8b1から外部に射出され、外部の者に視認可能な情報が表示される。例えば、天板付什器1Aが予約されている状態である場合には、
図7(a)に示すように天板8上に「RESERVED」と表示する。また、天板付什器1Aが使用可能な状態である場合には、
図7(b)に示すように天板8上に「AVAILABLE」と表示する。この他、例えば、ソーシャルディスタンスの確保を促すように「SOCIAL DISTANCE」等の表示を天板8上に表示することも可能である。
【0111】
以上のような本実施形態における天板8は、什器の表部材に用いる什器用板状部材である。本実施形態の天板8は、支持フレーム8aと、支持フレーム8aに固定されたLED基板8fと、LED基板8fに対向配置された板形状の化粧板8bとを備えている。また、化粧板8bは、LED基板8fの発光範囲に複数設けられると共に周囲よりも光の透過率が高い光透過部(本実施形態においては貫通孔8b1及び透光埋設部8k)を有している。
【0112】
このような本実施形態における天板8においては、複数の光透過部を有する化粧板8bがLED基板8fに対向して配置されているため、LED基板8fで表示を行った場合には、LED基板8fから射出された光が光透過部を透過して外部に射出される。したがって、例えば
図7に示すように、外部の者がLED基板8fで表示された情報を容易に視認することが可能となる。
【0113】
また、本実施形態における天板8においては、光透過部がLED基板8fの発光範囲に対して複数設けられている。このため、1つ1つの光透過部がLED基板8fの発光範囲よりも狭い透過面積とされる。したがって、このような透過面積の小さい光透過部が設けられた化粧板8bの背面にLED基板8fが隠されることによって、LED基板8fで表示を行ってない場合には、LED基板8fの表示面が外部から視認し難くなる。よって、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0114】
このように、本実施形態における天板8によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能とし、表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止することが可能となる。
【0115】
また、本実施形態における天板8においては、光透過部が、化粧板8bを貫通する貫通孔8b1を備えている。このような本実施形態における天板8においては、光透過部が化粧板8bを貫通する貫通孔8b1を備えているため、有色フィルム等が設置されている場合よりも光透過部の光の透過率を高くすることが可能となる。
【0116】
また、本実施形態における天板8においては、LED基板8fが複数のLED素子8f2と、LED素子8f2が実装される回路基板8f1とを有し、貫通孔8b1の開口面積は、貫通孔8b1側から見たLED素子8f2の面積よりも小さい。このような本実施形態における天板8によれば、貫通孔8b1の開口面積がLED素子8f2の面積よりも小さいため、少なくともLED素子8f2の一部を化粧板8bによって直接的に覆うことができる。このため、表示が必要でない場合にLED基板8fの表示面を外部からより視認され難くすることが可能となる。
【0117】
また、本実施形態における天板8においては、回路基板8f1のLED素子8f2の実装面と化粧板8bとを同系色(同色を含む)とすることができる。回路基板8f1のLED素子8f2の実装面と化粧板8bとを同系色とすることで、貫通孔8b1を介して化粧板8bの背面側が仮に視認可能とされた場合であっても、基板の実装面が化粧板8bと同化して視認される。このため、貫通孔8b1の存在を外部の者により気づかせ難くなる。
【0118】
また、本実施形態における天板8においては、化粧板8bとLED基板8fとの間に配置されると共にLED基板8fから射出された光を拡散させる拡散板8dを備えている。 このような本実施形態における天板8によれば、LED基板8fから射出された光が拡散板によって拡散される。このため、LED基板8fから射出された光が直接外部の者の視界に入ることを防ぎ、外部の者に眩しさを感じさせることを抑止することが可能となる。また、拡散板8dを備えることによって、例えばLED素子8f2とLED素子8f2との間に貫通孔8b1が配置されている場合であっても、拡散された光を貫通孔8b1から射出することができる。
【0119】
また、本実施形態における天板8においては、支持フレーム8aに支持されると共に収納凹部8a3の内部に空気流を形成するファン8hを備えている。このような本実施形態における天板8によれば、収納凹部8a3の内部にLED基板8fが駆動することによって生じる熱が籠ることを抑制することが可能となる。このため、LED基板8fを安定的に駆動することが可能となる。また、空気流によって熱が外部に排出する位置を容易に定めることができ、例えばユーザにLED基板8fの熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0120】
また、本実施形態における天板8においては、化粧板8bを例えばメラミン化粧板とすることが可能である。メラミンは、熱伝導性が低い材料である。このため、このような本実施形態における天板8によれば、化粧板8bの外側に位置する者に対して、LED基板8fの熱が伝わることを抑止することが可能となる。
【0121】
また、本実施形態における天板8においては、化粧板8bの貫通孔8b1を埋設すると共に化粧板8bよりも光の透過率が高い部材である透光埋設部8kを備えている。このような本実施形態における天板8においては、透光埋設部8kによって貫通孔8b1における光の透過を可能しつつ貫通孔8b1を埋設することが可能となる。このため、化粧板8bの外面を平面とすることが可能となる。このため、天板8の外面を作業面として好適用いることが可能となる。
【0122】
また、本実施形態において天板8においては、拡散板8dが、化粧板8bに当接されている。このような本実施形態の天板8によれば、化粧板8bが背後から拡散板によって支えられるため、化粧板8bの耐荷重を向上させることが可能となる。このため、例えば、化粧板8bの外面を天板の作業面として好適に用いることが可能となる。
【0123】
また、本実施形態の天板付什器1Aは、天板8と、天板8を支持する昇降脚ユニット2とを備えている。このため、本実施形態の天板付什器1Aによれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する天板8を備えた什器となる。このため、天板8を介してユーザ等に向けて表示を行うことができると共に、表示が行われていない場合の什器全体の外観がLED基板8fの影響を受けることを防止することができる。
【0124】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0125】
図9は、本実施形態の什器システム10の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態の什器システム10は、上記第1実施形態の天板付什器1と、LED基板4fを制御する制御装置11とを備えている。
【0126】
なお、制御装置11は、天板付什器1の天板3の下方空間に設置されるようにしても良い。また、制御装置11は、天板付什器1と離間された位置に配置しても良い。このような制御装置11は、複数の天板付什器1のLED基板4fに並列接続され、複数のLED基板4fの各々を制御することも可能である。
【0127】
LED基板4fは、複数のLED素子4f2の各々が制御用のアドレスを有しており、制御装置11は、これらのアドレスを指定してLED素子4f2の発光タイミング、発光強度、発光色を個別に制御する。
図9に示すように、制御装置11は、送信部12と、記憶部13と、演算部14と、外部信号入力部15とを有している。なお、制御装置11は、演算処理装置やメモリを備えるコンピュータ装置からなる。例えば、送信部12、記憶部13、演算部14及び外部信号入力部15は、制御装置11が備えるハードウェアあるいは、このハードウェアとソフトウェアとの協働によって具現化されている。
【0128】
送信部12は、LED基板4fに対して制御信号を出力する。記憶部13は、LED基板4fを制御するための各種プログラムや演算部14による演算結果を記憶する。演算部14は、記憶部に記憶されたプログラムや外部から入力される信号等に基づいて、LED基板4fを制御するための判定演算等を行う。
【0129】
例えば、演算部14は、天板付什器1に併設された椅子にユーザが着座したことを示す着席信号が入力された場合には、天板付什器1が使用状態であると判定する。また、演算部14は、天板付什器1が使用状態であると判定した場合には、天板付什器1が使用状態であることを示す表示をさせる制御信号を生成し、送信部12にLED基板4fに対して制御信号を出力せる。
【0130】
また、演算部14は、天板付什器1のユーザ(使用者)が操作するゲーム機からイベント情報が入力された場合には、ゲームが実施中であると判定する。また、演算部14は、ゲームが実施中であると判定した場合には、イベント情報に基づいてイベント情報に連動した表示をさせる制御信号を生成し、送信部12にLED基板4fに対して制御信号を出力せる。
【0131】
なお、イベント情報としては、ゲームにおける場面の切替情報、ゲームにおけるアクション情報、ゲームにおける音量情報等が挙げられる。このような本実施形態の什器システム10によれば、例えば、ゲーム音楽の低音の出力に連動してLED基板4fの発光強度や発光色を変更することが可能となる。
【0132】
また、演算部14は、外部の予約システムから什器予約情報が入力された場合には、天板付什器1に予約が入ったと判定する。また、演算部14は、天板付什器1に予約が入った場合には、天板付什器1に予約が入ったことを示す表示をさせる制御信号を生成し、送信部12にLED基板4fに対して制御信号を出力させる。
【0133】
外部信号入力部15は、外部から入力される信号を受け付け、必要に応じて演算部14に受信信号を入力する。本実施形態においては、例えば、椅子にユーザが着座したことを検知する着座センサ20から着座検知信号(ユーザが着座したことを示す信号)が外部信号入力部15に入力される。また、例えば、ゲーム機21の本体部やコントローラからゲームのイベント情報が外部信号入力部15に入力される。また、什器の予約情報を管理する予約システム22から天板付什器1の予約情報が外部信号入力部15に入力される。
【0134】
このような本実施形態の什器システム10によれば、外部からの入力信号に連動して幕板4の表示を変更することが可能となる。例えば、着座検知信号に基づいて幕板4の表示を制御する場合には、天板付什器1の周囲の者に対して、遠方であっても天板付什器1が使用状態であるか否かの情報を提供することが可能となる。
【0135】
また、例えば、ゲームのイベント情報に連動して幕板4の表示を変更する場合には、天板付什器1の周囲の者に対して、ゲームの臨場感を伝える演出を行うことが可能となる。また、例えば、什器予約情報に基づいて幕板4の表示を変更する場合には、天板付什器1の周囲の者に対して、天板付什器1が予約された状態であるか否かの情報を提供することが可能となる。
【0136】
なお、本実施形態においては、上記第1実施形態の天板付什器1を備える什器システム10について説明をした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記第2実施形態の天板付什器1Aを備える什器システムとすることも可能である。この場合には、天板8に対して表示を行うことができる。また、発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器を備える什器システムであれば、本発明を適用することが可能である。
【0137】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0138】
例えば、上記実施形態においては、本発明の什器用板状部材を天板付什器の幕板あるいは天板として備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図10に示すように、椅子30のヘッドレストに設けられたサイドシェル31を本発明の什器用板状部材とすることも可能である。その他、椅子の背凭れ、ワゴン装置の壁部、デスクのパネル脚、デスクトップパネルを本発明の什器用板状部材とすることも可能である。
【0139】
このように本発明の什器用板状部材を表部材として備える什器によれば、表示を行う場合に容易に表示内容を目視可能としかつ表示が必要でない場合に表示面が外観デザインに影響を与えることを抑止する什器となる。
【0140】
また、上記実施形態においては、化粧板に設けられた貫通孔が全体として矩形状に配列された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。貫通孔を、図形や文字等の形状に基づいて配列するようにしても良い。このような構成を採用することによって、LED基板にて発光させることで、外部の者に、図形や文字等を視認させることが可能となる。このため、複雑な制御を行うことなく、図形や文字等を視認させることが可能となる。
【0141】
上述した実施形態に係る什器システムの一部または全部は、以下のように付記することができる。
[付記1]
発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器と、
上記什器の使用者が操作するゲーム機から入力されるイベント情報に連動して上記発光表示装置を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする什器システム。
【0142】
このような付記1に係る什器システムによれば、発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器に対して、ゲーム機から入力されるイベント情報に連動した表示を行うことができる。したがって、什器の周囲の者に対して、ゲームの臨場感を伝える演出を行うことが可能となる。
【0143】
[付記2]
発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器と、
上記什器の予約状況を管理する予約システムから入力される什器予約情報に基づいて上記発光表示装置を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする什器システム。
【0144】
このような付記2に係る什器システムによれば、発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器に対して、什器の予約情報を示す什器予約情報に基づく表示を行うことができる。したがって、什器の周囲の者に対して、什器が予約された状態であるか否かの情報を提供することが可能となる。
【0145】
[付記3]
発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器と、
上記什器の使用者の着座を検知する着座センサから入力される着座検知信号に基づいて上記発光表示装置を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする什器システム。
【0146】
このような付記3に係る什器システムによれば、発光表示装置を内蔵する什器用板状部材を表部材として備える什器に対して、着座検知信号に基づく表示を行うことができる。したがって、什器の周囲の者に対して、遠方であっても什器が使用状態であるか否かの情報を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0147】
1……天板付什器、1A……天板付什器、2……昇降脚ユニット(脚)、3……天板、4……幕板(什器用板状部材)、4a……支持フレーム(支持構造体)、4a1……開口部、4a2……縁部、4a3……収納凹部、4b……化粧板、4b1……貫通孔(透光部)、4c……縁材、4d……拡散板、4e……支持ブラケット、4f……LED基板(発光表示装置)、4f1……回路基板、4f2……LED素子、4g……カバー、4h……ファン、4i……補強ビーム(補強部材)、4j……埋設取付部材、4k……裏板、8……天板(什器用板状部材)、8a……支持フレーム(支持構造体)、8a1……開口部、8a2……縁部、8a3……収納凹部、8b……化粧板、8b1……貫通孔、8c……縁材、8d……拡散板、8e……支持ブラケット、8f……LED基板(発光表示装置)、8f1……回路基板、8f2……LED素子、8g……カバー、8h……ファン、8i……基材、8j……裏板、8k……透光埋設部、8m……拡散板支持フレーム、10……什器システム、11……制御装置、12……送信部、13……記憶部、14……演算部、15……外部信号入力部、20……着座センサ、21……ゲーム機、22……予約システム、30……椅子(什器)、R……表示領域