IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブリヂストンの特許一覧

特許7583580積層体及びその製造方法、並びに防音部材
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】積層体及びその製造方法、並びに防音部材
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20241107BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20241107BHJP
   G10K 11/162 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B32B5/18 101
E04B1/82 H
G10K11/162
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020186631
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076286
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛治
(72)【発明者】
【氏名】山中 佑介
(72)【発明者】
【氏名】出島 怜奈
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-264339(JP,A)
【文献】特開2019-035821(JP,A)
【文献】特表2002-505209(JP,A)
【文献】特表2020-522423(JP,A)
【文献】特開2009-034869(JP,A)
【文献】特開2006-106211(JP,A)
【文献】特開昭56-027331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 70/00-70/88
E04B 1/62- 1/99
G10K 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下であるウレタンフォームと、
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物と
を接合してなる、ウレタンフォーム層と樹脂層とを有する積層体であって、
前記積層体の密度が70kg/m以上250kg/m以下であり、且つ10mm幅で測定したモジュラスが0.01N・m以上であり、
前記積層体の前記ウレタンフォーム層の厚さが30mm以上であり、
前記積層体の前記ウレタンフォーム層の密度は10kg/m以上であり、
前記10mm幅で測定したモジュラスは、前記積層体から縦100mm、横10mmに切り出した試験片を、支点間距離を105mmに設定した三点曲げ治具の上に前記樹脂層を上にして設置し、前記試験片の前記樹脂層表面に圧子で力を加えて3点曲げ試験を行うことにより算出したものである、積層体。
【請求項2】
前記積層体の前記ウレタンフォーム層の厚さが、50mm以下である請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
厚さが、55mm以下である請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記樹脂層の面密度が0.15~0.50g/cmである請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる群より選択される1つ以上を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項6】
前記積層体の前記ウレタンフォーム層が、前記積層体の前記樹脂層に隣接している請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体を用いた防音部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及びその製造方法、並びに防音部材に関する。
【背景技術】
【0002】
吸音や遮音などの目的で、樹脂とウレタンの複合体を用いることが検討されている。
例えば、特許文献1においては、主に建築用内装材等の吸音・緩衝材として壁材等に用いられる吸音・緩衝材として、吸音・緩衝性能を有する合成樹脂発泡体シ-トの一面に粘着材層を形成し、該シートに直線の凹圧歪みラインを形成した吸音・緩衝材が開示されている。
また、特許文献2では、低周波数域で、吸音性に優れた吸音部材を得るために、被膜付き多孔質吸音材の裏面を、貼付面積率が5~70%で、基体に部分的に貼付し、一体化することが開示されている。
特許文献3では、防音・防振効果の優れたエンジンカバーを得るために、樹脂をインサートしてウレタンを型内発泡する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-210108号公報
【文献】特開平10-8591号公報
【文献】特開2003-27958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献3のように、ウレタンを型内発泡すると、ウレタンフォーム層は、スキン層を有したり、ウレタンフォームの気泡が独立気泡となり、気泡が非開放であったため、遮音性が十分出せなかった。また、部材の表面が繊維シート、薄いフィルム等であったため、剛性が不十分であった。部材の剛性が不十分であると、部材の形状を維持しにくく、また部材の形状を利用して、騒音源の筐体に部材を固定することができなかった。
【0005】
本発明は、剛性を維持し、軽量かつ、特に高周波音に対する防音性に優れた積層体及び防音部材、並びに前記積層体の製造方法を提供することを目的とし、該目的を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1> 連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有するウレタンフォーム層と、
熱可塑性樹脂を含む樹脂層と
を備え、密度が70kg/m以上であり、且つ10mm幅で測定したモジュラスが0.01N・m以上である積層体。
【0007】
<2> 前記ウレタンフォーム層の厚さが、50mm以下である<1>に記載の積層体。
<3> 厚さが20~55mmである<1>又は<2>に記載の積層体。
<4> 前記樹脂層の面密度が0.15~0.50g/cmである<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> 前記積層体の密度が250kg/m以下である<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる群より選択される1つ以上を含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 前記ウレタンフォーム層が、前記樹脂層に隣接している<1>~<6>のいずれか1つに記載の積層体。
【0008】
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載の積層体を用いた防音部材。
【0009】
<9> ゲートを有する型の型内にウレタンスラブを設置し、型締めした後、前記型内に熱可塑樹脂を射出し、前記熱可塑性樹脂を含む樹脂層の賦形と同時に、前記樹脂層とウレタンフォーム層とを接合する積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、剛性を維持し、軽量かつ、特に高周波音に対する防音性に優れた積層体及び防音部材、並びに前記積層体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<積層体>
本発明の積層体は、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有するウレタンフォーム層と、熱可塑性樹脂を含む樹脂層とを備え、密度が70kg/m以上であり、且つ10mm幅で測定したモジュラスが0.01N・m以上である。
本発明の積層体は、上記構成のウレタンフォーム層と樹脂層以外の層を備えていてもよいが、高温環境下および高湿環境下における層同士の剥離を抑制する観点から、ウレタンフォーム層は、樹脂層に隣接していることが好ましい。
本発明の積層体は、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有するウレタンフォーム層を備えることで、高周波音に対する防音性に優れる。また、熱可塑性樹脂を含む樹脂層を備えることで、軽量でありながら剛性を維持することができ、密度が70kg/m以上であり、且つ10mm幅で測定した積層体のモジュラスが0.01N・m以上となる。
【0012】
(モジュラス)
積層体のモジュラスは、10mm幅で測定したモジュラスが0.01N・m以上である。
積層体の剛性をより向上する観点から、10mm幅の積層体のモジュラスは、0.02N・m以上であることが好ましく、0.03N・m以上であることがより好ましい。
積層体のモジュラスの上限は特に制限されないが、通常、0.07N・m以下であることが好ましく、0.06N・m以下であることがより好ましい。
積層体のモジュラスは、下記手法により測定することができる。
【0013】
積層体を縦100mm、横10mmの試験片に切り出す。樹脂層を研削で切り出した後ウレタンを刃物で裁断してもよいし、ウォータージェットなどで一度に切り出してもよい。試験片の樹脂層の端部をクリップなどの金具などで挟み固定して、L=105mmの間隔の支点間距離に設定した三点曲げ治具(JIS K7171(2010)準拠)の上に樹脂層を上にして設置し、試験片の樹脂層表面に圧子で力を加えて3点曲げ試験を行う。剛性は試験力と変位の傾きから算出することが出来る。圧子で加えた荷重(W)[N]、試験片の撓み(δ)[mm]、及び支点間距離(L)[mm]から、下記式により積層体のモジュラス(EI)[N・mm]を算出できる。
EI=〔(ΔW/Δδ)×L〕/(48)
なお、ΔW/Δδは3点曲げ試験の初期の傾きから算出される。
【0014】
(密度)
積層体は、密度が70kg/m以上である。
積層体の密度(ρL)が70kg/m未満であると、積層体の剛性を得ることができない。
積層体の密度は、75kg/m以上であることが好ましく、85kg/m以上であることがより好ましい。また、積層体の密度は、通常、250kg/m以下である。
積層体の密度は、JIS K 7112(1999年)に準拠した方法により測定することができる。
【0015】
(厚さ)
また、積層体の厚さ(TL)は、20~55mmであることが好ましい。
積層体の厚さが、20mm以上であることで、積層体の剛性をより向上することができ、55mm以下であることで積層体をより軽量にすることができる。
積層体の厚さは22mm以上であることがより好ましく、25mm以上であることが更に好ましい。また、積層体の厚さは50mm以下であることがより好ましく、45mm以下であることが更に好ましい。
【0016】
(面密度)
積層体の面密度は、0.17~0.70g/cmであることが好ましい。
積層体の面密度(ρAL)が、0.17g/cm以上であることで高周波音に対する防音性を改善することができ、0.70g/cm以下であることで質量増を抑えることができる。
積層体の面密度は0.20g/cm以上であることがより好ましく、0.22g/cm以上であることが更に好ましい。また、積層体の面密度は0.60g/cm以下であることがより好ましく、0.55g/cm以下であることが更に好ましい。
積層体の面密度は、打抜き刃などの加工により所定の形状に加工した後、秤で計測するこができる。
【0017】
〔ウレタンフォーム層〕
ウレタンフォーム層は、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有する。
ウレタンフォーム層が備える気泡が、連続かつ開放な気泡であることで、ウレタンフォーム層が高周波音を吸音し易い。気泡は、例えば筒状の孔である場合、孔の一方が開放していてもよいし、全部が開放していてもよく、防音効果を高める観点から、全部が開放していることが好ましい。ただし、ウレタンフォーム層が、例えば、樹脂層と隣接する場合、ウレタンフォーム層の樹脂層側の気泡は、通常、非開放である。
【0018】
(流れ抵抗)
流れ抵抗は、ウレタンフォーム層中の空気の流れにくさを表す指標であり、350,000N・s/mを超えると、高周波音に対する防音効果を発現することができない。
積層体の高周波音に対する防音効果をより高める観点から、ウレタンフォーム層の流れ抵抗は、300,000N・s/m以下であることが好ましく、200,000N・s/m以下であることがより好ましく、100,000N・s/m以下であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層の流れ抵抗の下限は特に限定されないが、500N・s/m以上であることが好ましく、800N・s/m以上であることがより好ましく、1,000N・s/m以上であることが更に好ましい。
流れ抵抗は、例えば、日本音響エンジニアリング社製の流れ抵抗測定装置により測定することができる。
なお、積層体の製造にあたり、ウレタンフォーム層の原料として用いるウレタンスラブの流れ抵抗と、製造された積層体のウレタンフォーム層の流れ抵抗とは、通常、変わらず、同等である。
【0019】
(厚さ)
ウレタンフォーム層の厚さ(Tu)は、15mm超である。
ウレタンフォーム層の厚さが、15mm以下であると、高周波音に対する防音効果を向上することができない。
ウレタンフォーム層の厚さは、積層体をより軽量にする観点から50mm以下であることが好ましい。
ウレタンフォーム層の厚さは17mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることが更に好ましい。また、ウレタンフォーム層の厚さは45mm以下であることがより好ましく、40mm以下であることが更に好ましい。
【0020】
(密度)
ウレタンフォーム層の密度(ρu)は、10kg/m以上である。
ウレタンフォーム層の密度が、10kg/m未満であると、高周波音に対する防音効果を向上することができない。密度の上限は特に制限されないが、積層体の質量増を抑える観点から、90kg/m以下であることが好ましい。
ウレタンフォーム層の密度は17kg/m以上であることがより好ましく、20kg/m以上であることが更に好ましい。また、ウレタンフォーム層の密度は85kg/m以下であることがより好ましく、80kg/m以下であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層の密度は、JIS K7222(2005年)の見掛け密度の測定方法に準拠した方法により測定することができる。
【0021】
(せん断弾性率)
ウレタンフォーム層のせん断弾性率(E)は、300,000N/m以下であることが好ましい。
ウレタンフォーム層のせん断弾性率が、300,000N/m以下であることで、高周波音に対する防音効果をより向上することができる。せん断弾性率の下限は特に制限されないが、通常、50N/m以上である。
ウレタンフォーム層のせん断弾性率は60,000N/m以上であることがより好ましく、70,000N/m以上であることが更に好ましい。また、ウレタンフォーム層のせん断弾性率は250,000N/m以下であることがより好ましく、200,000N/m以下であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層のせん断弾性率は、日本音響エンジニアリング社製の弾性率測定システムなどを利用して測定することができ、サンプルにせん断力を加えた状態で加振し振動伝達特性から、弾性率を測定する。
なお、積層体の製造にあたり、ウレタンフォーム層の原料として用いるウレタンスラブのせん断弾性率と、製造された積層体のウレタンフォーム層のせん断弾性率とは、通常、変わらず、同等である。
【0022】
(セル数)
ウレタンフォーム層は、セル数が20~80個/25mmであることが好ましい。
セル数が20個/25mm以上であることで、高周波音に対する防音効果をより向上することができ、80個/25mm以下であることで剛性の低下を抑制することができる。
ウレタンフォーム層のセル数は25個/25mm以上であることがより好ましく、30個/25mm以上であることが更に好ましい。また、ウレタンフォーム層のセル数は65個/25mm以下であることがより好ましく、60個/25mm以下であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層のセル数は、JIS K6400-1(2004)の附属書1に記載される方法で測定することができる。
【0023】
(多孔度)
ウレタンフォーム層の多孔度は、0.90以上であることが好ましい。
ウレタンフォーム層の多孔度が、0.90以上であることで、高周波音に対する防音効果をより向上することができる。多孔度は通常1.00未満である。
ウレタンフォーム層の多孔度は0.92以上であることがより好ましく、0.95以上であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層の多孔度は、空隙の体積をV、かさ体積をVTとして、多孔度Φ=V/Vであるが、ここでは投入材料の真密度とかさ密度から容易に算出することができる。
なお、積層体の製造にあたり、ウレタンフォーム層の原料として用いるウレタンスラブの多孔度と、製造された積層体のウレタンフォーム層の多孔度とは、通常、変わらず、同等である。
【0024】
(面密度)
ウレタンフォーム層の面密度(ρAu)は、0.01~0.30g/cmであることが好ましい。
ウレタンフォーム層の面密度が、上記範囲であることで、吸音性能を高めることができる。
ウレタンフォーム層の面密度は0.02g/cm以上であることがより好ましく、0.03g/cm以上であることが更に好ましい。また、ウレタンフォーム層の面密度は0.27g/cm以下であることがより好ましく、0.25g/cm以下であることが更に好ましい。
ウレタンフォーム層の面密度は、定尺でカットした後に秤などで計測する事で算出することができる。
【0025】
ウレタンフォームは、エーテル系ウレタンフォームであってもよいし、エステル系ウレタンフォームであってもよい。
エーテル系ウレタンとは、ウレタンを構成するポリオールの主成分(全ポリオール中80モル%以上)がポリエーテルポリオールであるウレタンをいう。エステル系ウレタンとは、ウレタンを構成するポリオールの主成分(全ポリオール中80モル%以上)がポリエステルポリオールであるウレタンをいう。
耐水性及び耐湿性の観点から、ウレタンフォームは、エーテル系ウレタンフォームであることが好ましい。エーテル系ウレタンにおいて、ポリオールはエステル基を含んでいてもよいが、全ポリオール中のエステル基含有濃度が、20モル%以下であることが好ましい。ポリオールは、ポリエーテルポリオール1種を単独で用いてもよいし、ポリエーテルポリオール以外のポリオール1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】
本発明におけるウレタンフォームを得る方法は、例えば、ウレタンの合成反応において、水を発泡剤としポリイソシアナートとの反応で二酸化炭素を発生させる方法が用いられる。
ここで、連続且つ開放な気泡を得るには、ウレタンフォームにおいて十分な発泡をさせた発泡体に対し、厚み方向に裁断すればよい。
流れ抵抗を350,000N・s/m以下とするには、ウレタンの厚みを厚くしたり、セル数を細かくすればよい。
ウレタンフォームの密度を10kg/m以上とするには、ウレタンの合成反応に用いる水の添加量を適宜調整すればよい。
また、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有するウレタンフォームは、市販品を用いてもよい。
【0027】
〔樹脂層〕
樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む。
本発明の積層体が樹脂層を備えることで、剛性に優れる。樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融混練し、型内で成形することにより得られる。
高周波音に対する防音効果をより向上する観点から、樹脂層は発泡樹脂層であってもよい。
【0028】
(密度)
樹脂層の密度(ρr)は、300~2000kg/mであることが好ましい。密度が300kg/m以上であれば、積層体の剛性をより向上することができる。密度が2000kg/m以下であれば、吸音性効果に影響を及ぼしにくい。上記観点から、熱可塑性樹脂の密度は、1000~1900kg/mであることがより好ましく、1200~1800kg/mであることが更に好ましい。
【0029】
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(プロピレン単独重合体)、プロピレンとα-オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げられる。なお、α-オレフィンは、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-へプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等が挙げられる。
ポリスチレン系熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂もしくはPMMA樹脂等が挙げられる。
ポリアミド系熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド666、ポリアミド11、ポリアミド12等が挙げられる。
ポリエステル系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
以上の中でも、熱可塑性樹脂は、剛性及び汎用性の観点から、ポリアミド系熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる群より選択される1つ以上を含むことが好ましく、ポリアミド系熱可塑性樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1つ以上を含むことがより好ましく、ポリアミド系熱可塑性樹脂であることが更に好ましい。
【0031】
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、積層体の剛性をより向上する観点から、5,000~10,000,000であることが好ましく、7,000~1,000,000であることがより好ましく、10,000~1,000,000であることが更に好ましい。
数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で求められる。
熱可塑性樹脂の融点は、熱可塑性樹脂の熱分解を抑制する観点から、250℃以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の融点は、通常、120℃以上である。
熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)は、積層体の剛性及び製造容易性の観点から、190℃、荷重2.16kgにおいて、1~40g/10分であることが好ましく、5~30g/10分であることがより好ましい。
MFRは、JIS K7210-1(2014)に準拠した方法で測定すればよい。
【0032】
熱可塑性樹脂を含む組成物には、発泡剤、増量剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難然剤、防カビ剤、可塑剤、カップリング剤、電気伝導性フィラー、磁性体フィラー、熱伝導性フィラー、帯電防止材剤、弾性微粒子等の改質剤を必要に応じて含有させることができる。
【0033】
(面密度)
樹脂層の面密度(ρAr)は、0.15~0.80g/cmであることが好ましい。
樹脂層の面密度が、0.15g/cm以上であることで、剛性を確保することができ、0.50g/cm以下であることで軽量な積層体を得ることができる。
樹脂層の面密度は0.20g/cm以上であることがより好ましい。また、樹脂層の面密度は0.50g/cm以下であることがより好ましく、0.30g/cm以下であることが更に好ましい。
樹脂層の面密度は、積層体の面密度から、投入するウレタンの面密度を差し引くことにより算出するこができる。積層体の面密度は、積層体を定尺にカットした後、秤量し、算出すればよい。
【0034】
(厚さ)
樹脂層の厚さ(Tr)は、0.50~5.00mmであることが好ましい。
樹脂層の厚さが、0.50mm以上であることで、積層体の剛性をより向上することができ、5.00mm以下であることで積層体をより軽量にすることができる。
樹脂層の厚さは0.85mm以上であることがより好ましく、1.10mm以上であることが更に好ましい。また、樹脂層の厚さは3.20mm以下であることがより好ましく、2.80mm以下であることが更に好ましい。
【0035】
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、既述のウレタンフォーム層と樹脂層とを積層し得る方法であれば、特に制限されない。ただし、ウレタンフォーム層と樹脂層とは、接着剤又は粘着剤を介して積層せず、ウレタンフォーム層が、樹脂層に隣接するように積層することが好ましい。ウレタンフォーム層が、樹脂層に隣接するように積層されることで、積層体が、高温環境下、高湿環境下等に置かれても、ウレタンフォーム層と樹脂層とが剥離しにくい。
ウレタンフォーム層が、樹脂層に隣接するように積層する積層体の製造方法は、例えば、次の方法が挙げられる。
【0036】
当該製造方法は、ゲートを有する型の型内にウレタンスラブを設置し、型締めした後、前記型内に熱可塑樹脂を射出し、前記熱可塑性樹脂を含む樹脂層の賦形と同時に、前記樹脂層とウレタンフォーム層とを接合する方法である。
【0037】
型は、互いに嵌合する容器状の金型が用いられ、通常、凸状の上型(コア)及び凹状の下型(キャビティ)を有する。上型及び下型のいずれか一方に、キャビティに溶融樹脂を射出することができるゲートを有する。ゲートには、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融混練することができるシリンダーが連結されていることが好ましい。ゲートはランナー、スプルーを介しロケートリングに繋がり、ロケータリングにて射出成形機のシリンダーのノズルに接続される。
樹脂層の厚さを制御するために、凹状の型内にスペーサを設けてもよいし、容易に交換できる入れ子式としても良い。また、圧受け部にスペーサを設けてもよい。また、製造された積層体を金型から取り出しやすいように、下型にイジェクタを備えていてもよい。
【0038】
ウレタンスラブを金型に入れる前に、予め、上型と下型を加熱しておくことが好ましい。ウレタン側の金型の温度をTu、樹脂層が形成される側の金型の温度をTrとしたとき、Tr及びTuは、射出注入される溶融樹脂の種類によって異なるが、例えば、Trは、40~100℃とすればよく、Tuは、20~80℃とすればよい。
【0039】
通常、ゲートを有する下型(キャビティ)の型内にウレタンスラブを設置する。
ウレタンスラブは、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下であるウレタンフォームを所望の形状のスラブ(ブロック)に加工したものを用いればよい。ウレタンスラブの形状は、通常、下型(キャビティ)の底面形状と同一の形状にするが、キャビティの底面形状の一部が覆われる形状としてもよい。ウレタンスラブの厚さは、積層体のウレタンフォーム層の厚さの範囲と同じ範囲とすればよい。
【0040】
次いで、上型を下げて、又は、下型を上げて、型締めを行う。このとき、金型は、所定のキャビティ間隔(L0)に保つことが好ましい。
キャビティ間隔(L0)の調整は、スペーサの大きさを制御して行えばよい。キャビティ間隔(L0)は、ウレタンスラブの質量及び溶融樹脂の質量によって異なるが、例えば、L0は、0.5~3.5mmとすればよい。
【0041】
型締めした後、型内に熱可塑樹脂を射出する。
具体的には、金型が完全に閉まった状態で、所定のシリンダー温度(Ts)で溶融させた熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を、所定の射出速度(v)でゲートから型内に射出することが好ましい。その後、溶融樹脂に保圧(P)を加えて、樹脂を型内に充填させ、この状態で、所定の冷却時間(Tc)冷却し、保持することが好ましい。
ここで、シリンダー温度(Ts)は、熱可塑性樹脂の融点により異なるが、例えば、150~250℃とすればよい。射出速度(v)は、例えば、10~80mm/sとすることができ、保圧(P)は、3~50MPaとすればよい。また、冷却時間(Tc)は成形品の大きさにもよるが、例えば、10~150秒とすればよい。
【0042】
次いで、上型をゆっくりと上げて、又は下型をゆっくりと下げて、成型品(積層体)を金型から取り出す。成型品の取出しは、イジェクタを使用してもよいし、成型品の端部、凸部等を利用して取出してもよい。
【0043】
<防音部材>
本発明の防音部材は、本発明の積層体を用いてなる。
そのため、本発明の防音部材は剛性を維持し、高周波音に対する防音性に優れる。
本発明の防音部材は、剛性と高周波音に対する防音性が求められる部品、製品等に好適である。そのような部品としては、例えば、車両部品、建築部品等が挙げられる。車両部品としては、エンジンカバーに用いることができる。
【実施例
【0044】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0045】
<材料>
1.ウレタンスラブ
ウレタンフォーム層形成用材料として、表1に示す特性を有するウレタンスラブを用意した。表1中のウレタン1~ウレタン3は、下記製品である。表1に示すウレタン1~ウレタン3の特性は、メーカー仕様書に記載された値である。
【0046】
ウレタン1:
エーテル系ウレタンフォーム、ブリヂストン製ポリウレタンフォーム「TP」
ウレタン2:
エーテル系ウレタンフォーム、ブリヂストン製ポリウレタンフォーム「VO」
ウレタン3:
エーテル系ウレタンフォーム、ブリヂストン製ポリウレタンフォーム「DO」
【0047】
表1中のウレタン4~ウレタン5は、シミュレーションによる仮想のウレタンスラブである。表1に示すウレタン4~ウレタン5の特性は、シミュレーションに用いた設定値である。
シミュレーションは、日本音響エンジニアリング社製、積層構造音響特性予測ソフトウェア、商品名「STRATI-ARTZ」を用いて行った。
【0048】
【表1】
【0049】
2.熱可塑性樹脂
樹脂層形成用材料として、下記内容の熱可塑性樹脂を用意した。
PA:ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリアミド6、ユニチカ社製、商品名「UBE ユニチカナイロン A3130」
【0050】
<積層体の製造>
〔実施例1〕
互いに嵌合する容器状の金型であって、凸状の上型(コア)及び凹状の下型(キャビティ)を有する金型を用いる。また、下型の底面には、キャビティに溶融樹脂を射出することができるゲートを有する。ゲートには、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融混練することができるシリンダーが連結されている。ゲートはランナー、スプルーを介しロケートリングに繋がり、ロケータリングにて射出成形機のシリンダーのノズルに接続される。
【0051】
ウレタンスラブ(ウレタン1)を、長さ200mm×幅200mm×厚さ30mmに裁断し、下型(キャビティ)の型内中央に、ウレタンスラブを設置する。
金型が完全に閉まった状態で、シリンダー温度(Ts)を180℃として溶融させたポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)を、ゲートから下型に射出する。
その後、成形後の積層体におけるウレタン層の厚みが表2に示した数値になるよう、溶融樹脂に低い保圧(P)を加え、型内に樹脂を充填させる。この状態で、60秒冷却し、保持する
熱可塑樹脂の硬化後、上型をゆっくりと上げて、成形品を取り出す。
このようにして、実施例1の成形品(積層体1)を製造する。
積層体1は、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)の樹脂層と、ウレタン1のウレタンフォーム層とからなる二層体である。
【0052】
〔実施例2~4〕
熱可塑性樹脂の種類、ウレタンスラブの種類、を表2に示す内容に変更したほかは、成形後の積層体におけるウレタン層の厚みが表2に示した数値になるよう、実施例1と同様にして、実施例2、3及び4の積層体を製造する。
積層体2は、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)の樹脂層と、ウレタン2のウレタンフォーム層とからなる二層体である。
積層体3は、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)の樹脂層と、ウレタン3のウレタンフォーム層とからなる二層体である。
積層体4は、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)の樹脂層と、ウレタン2のウレタンフォーム層とからなる二層体であるが、樹脂層厚が大きい点で積層体2と異なる。
【0053】
〔比較例1〕
比較例1は、ウレタンフォーム層を有しない樹脂層のみの成形品101を製造した。
成形品101は、ウレタンスラブを用いずに、実施例3の設定条件と同じ条件で製造した。
成形品101は、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA)の樹脂層からなる単層体である。
【0054】
〔比較例2〕
比較例2の成形品102として、ウレタン2のウレタンフォーム層からなる単層体を用いた。
【0055】
〔比較例3~6〕
熱可塑性樹脂の種類とウレタンスラブの種類を表2に示す内容に変更したほかは、成形後の積層体におけるウレタン層の厚みが表2に示した数値になるよう、実施例1と同様にして、比較例3~6の積層体103~106を製造する。
【0056】
実施例及び比較例の積層体又は成形品の厚み構成、面密度及び密度を表2に示す。
比較例1及び2成形品の面密度は、成形品の定尺にカットした後、秤量することで測定した。それ以外の実施例及び比較例の積層体の面密度は、樹脂種類、ウレタン種類、プレス後の樹脂及びウレタンの厚さから類推したものである。
【0057】
【表2】
【0058】
<評価>
実施例及び比較例の積層体又は成形品の防音性、モジュラス、及び剛性を、次の方法で確認し、結果を表3に示した。
【0059】
1.防音性評価(吸音箱を用いた測定)
比較例1及び2の成形品101及び102を試験体として用いた。
500mm×800mm×高さ700mmの大きさで、一辺が開放している吸音箱を開口部が上側になるように置き、吸音箱の中にスピーカーを入れた。次いで、吸音箱の開口部を、中央に200mm×200mmの開口を有する板で塞いだ。この際、板の開口部がスピーカーの真上になるよう位置を調整した。更に、板の開口部を試験体で塞いで、隙間をテープで塞いだ。ウレタンフォーム層を備える積層体及び成形品はウレタンフォーム層側をスピーカーと対峙させ、ウレタンフォーム層を有しない成形品101は樹脂層をスピーカーと対峙させた。
吸音箱の外側であって、試験体から20cm離れた場所にマイクロフォンを設置し、スピーカーから音(4kHz)を出し、マイクロフォンで感知した音の強さを測定した。
試験体が無いときの音の強さをI、試験体が有るときの音の強さをIとして、透過損失(吸音箱、200mm)を下記式から算出した。
透過損失(吸音箱、200mm)=10Log(I/I
実施例1~4、及び比較例3~6の積層体の透過損失については、上記測定データから推測した。
【0060】
透過損失の値が大きい程、防音性に優れることを意味する。
透過損失(吸音箱、200mm)の数値が47.0dB以上の結果を○(良好)とし、47.0dB未満の結果を×(不良)として、表3に示した。
【0061】
2.質量
比較例1及び2の成形品を直径40mmサイズの円形に加工し、質量を測定した。結果を表3に示す。
実施例1~4、及び比較例3~6の積層体の質量については、シミュレーションの設定値により計算した。
質量が5.5g以下である場合を○(良好)、5.5g超10.0g以下である場合を△(許容範囲)、10.0g超である場合を×(不良)として表3に示した。
【0062】
3.積層体又は成形品のモジュラス
比較例1及び2の成形品を10mm幅に裁断し、下記手法によりモジュラスを測定した。
成形品を縦100mm、横10mmの試験片に切り出す。切り出しはウォータージェットで切り出した。試験片の樹脂層の端部をクリップなどの金具などで挟み固定して、L=105mmの間隔の支点間距離に設定した三点曲げ治具(JIS K7171(2010)準拠)の上に樹脂層を上にして設置し、試験片の樹脂層表面に圧子で力を加えて3点曲げ試験を行った。剛性は試験力と変位の傾きから算出した。圧子で加えた荷重(W)[N]、試験片の撓み(δ)[mm]、及び支点間距離(L)[mm]から、下記式により成形品のモジュラス(EI)[N・mm]を算出した。
EI=〔(ΔW/Δδ)×L〕/(48)
なお、ΔW/Δδは3点曲げ試験の初期の傾きから算出した。
実施例1~4、及び比較例3~6の積層体のモジュラスについては、上記測定データから推測した。
【0063】
4.剛性評価
剛性評価は、樹脂層を有する積層体及び成形品について行った。
比較例1及び2の成型品101及び102に凹凸をつけ形状を固定し、十分に形状保持が出来ているかについての評価を表3に示した。また、その他の積層体及び成形品については、シミュレーションの設定値により計算したうえ、成形品101及び102の試験結果から類推し、評価を表3に示した。
○:十分に形状保持ができて、剛性が良好
×:十分に形状保持ができず、剛性が不良
【0064】
圧子で加えた荷重(W)[N]、試験片の撓み(δ)[mm]、及び支点間距離(L)[mm]から、下記式によりモジュラス(EI)[N・mm]を算出した。
EI=〔(ΔW/Δδ)×L〕/(48)
なお、ΔW/Δδは3点曲げ試験の傾きから算出される。
【0065】
5.総合判定
透過損失、質量、10mm幅のモジュラス、及び剛性評価の結果において、×評価を有する場合を、総合判定として×(不良)とし、また、×評価を含まないものを総合判定として○(良好)とした。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3からわかるように、連続且つ開放な気泡を有し、流れ抵抗が350,000N・s/m以下、且つ密度が10kg/m以上であり、15mm超の厚さを有するウレタンフォーム層と熱可塑性樹脂を含む樹脂層とを備える実施例の積層体は、密度が70kg/m以上であり、且つ10mm幅で測定したモジュラスが0.01N・m以上であり、透過損失が比較例の成形品よりも大きく、防音性に優れ、軽量を維持している上、剛性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の積層体は、剛性を維持し、軽量かつ、特に高周波音に対する防音性に優れるため、車両部品、建築部品として好適であり、特に、防音カバー、エンジンカバーとして好適である。