(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】屋根構造
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20241107BHJP
E04D 13/158 20060101ALI20241107BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20241107BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20241107BHJP
E04B 1/64 20060101ALI20241107BHJP
E04B 7/18 20060101ALI20241107BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
E04D13/158 501P
E04D13/00 K
E04B1/70 E
E04B1/64 C
E04B7/18 B
H02G3/22
(21)【出願番号】P 2021007509
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 将之
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-179730(JP,A)
【文献】特開2003-176597(JP,A)
【文献】特開2003-035014(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0279150(US,A1)
【文献】特開2000-175335(JP,A)
【文献】特開2013-031270(JP,A)
【文献】特開2011-127366(JP,A)
【文献】特開2000-087521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04D 13/158
E04D 13/00
E04B 1/70
E04B 1/64
E04B 7/18
H02G 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電用の配線を屋外から屋内に引き込むための開口を備える屋根構造であって、
屋根の周縁に設けられている、前記屋根の内部と外部とを仕切る仕切部材を備え、
前記仕切部材の
下方において、前記屋根の外部の外部換気経路は、前記屋根の内部の内部換気経路に接続され、
前記仕切部材の上部において、前記開口が形成され、
前記仕切部材は、
外側斜め下方に向けて傾斜する第1斜部を屋外側に有する第1仕切部材と、
前記第1仕切部材の下側に設置された第2仕切部材と、
前記第2仕切部材に形成された上方へ開く切欠きに設置された第3仕切部材と、を備え、
前記第2仕切部材は、上部が、前記第1斜部の屋外側から前記第1斜部の下端へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びると共に、傾斜した上端が、前記第1斜部の下端に下側から接するか、近接され、
前記第3仕切部材は、上部に、前記第1斜部の屋外側から前記第1斜部の下端の下側へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びる第2斜部を有し、
前記開口は、前記第2斜部の上端と、前記第1斜部の下端との間の隙間に形成されている
ことを特徴とする、屋根構造。
【請求項2】
前記第1斜部
の下端と、前記第2斜部
の上端とは、少なくとも一部がオーバーラップするように形成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の屋根構造。
【請求項3】
前記屋根の周縁に設けられた支持部材に、前記配線を屋外側で支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記開口より下方に設けられている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の屋根構造。
【請求項4】
前記配線は、前記第2斜部の下端から下方に延在する基部に固定されている
ことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電用の配線を屋外から屋内に引き込むための開口を備える屋根構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根の周縁には、屋外から屋内に配線を引き込む開口が形成された仕切部材を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、屋根構造体の端面を塞いでいる板状の閉塞板に、横長状の開口を設け、この開口を介して配線を屋内に引き込む構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、配線用の開口は、換気用の開口と共通とすることが一般的であった。このように、配線用の開口を換気用の開口として併用する場合、開口のサイズが大きくなってしまい、雨水が浸入するといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、配線用の開口のサイズを小さく形成して、雨水の浸入を防止することができる屋根構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の屋根構造は、太陽光発電用の配線を屋外から屋内に引き込むための開口を備える屋根構造であって、屋根の周縁に設けられている、前記屋根の内部と外部とを仕切る仕切部材を備え、前記仕切部材の下方において、前記屋根の外部の外部換気経路は、前記屋根の内部の内部換気経路に接続され、前記仕切部材の上部において、前記開口が形成され、前記仕切部材は、外側斜め下方に向けて傾斜する第1斜部を屋外側に有する第1仕切部材と、前記第1仕切部材の下側に設置された第2仕切部材と、前記第2仕切部材に形成された上方へ開く切欠きに設置された第3仕切部材と、を備え、前記第2仕切部材は、上部が、前記第1斜部の屋外側から前記第1斜部の下端へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びると共に、傾斜した上端が、前記第1斜部の下端に下側から接するか、近接され、
前記第3仕切部材は、上部に、前記第1斜部の屋外側から前記第1斜部の下端の下側へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びる第2斜部を有し、前記開口は、前記第2斜部の上端と、前記第1斜部の下端との間の隙間に形成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明の屋根構造では、前記第1斜部の下端と、前記第2斜部の上端とは、少なくとも一部がオーバーラップするように形成されてもよい。
【0009】
また、本発明の屋根構造では、前記屋根の周縁に設けられた支持部材に、前記配線を屋外側で支持する支持部を備え、前記支持部は、前記開口より下方に設けられてもよい。
【0010】
さらに、本発明の屋根構造では、前記配線は、前記第2斜部の下端から下方に延在する基部に固定されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
このように構成された本発明の屋根構造では、屋根の周縁に設けられている、屋根の内部と外部とを仕切る仕切部材を備え、仕切部材の下方において、屋根の外部の外部換気経路は、屋根の内部の内部換気経路に接続され、仕切部材の上部において、開口が形成され、仕切部材は、外側斜め下方に向けて傾斜する第1斜部を屋外側に有する第1仕切部材と、第1仕切部材の下側に設置された第2仕切部材と、第2仕切部材に形成された上方へ開く切欠きに設置された第3仕切部材と、を備え、第2仕切部材は、上部が、第1斜部の屋外側から第1斜部の下端へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びると共に、傾斜した上端が、第1斜部の下端に下側から接するか、近接され、第3仕切部材は、上部に、第1斜部の屋外側から第1斜部の下端の下側へ向け、内側斜め上方に傾斜して延びる第2斜部を有し、開口は、第2斜部の上端と、第1斜部の下端との間の隙間に形成されている。そのため、配線用の開口を仕切部材の上部に形成し、専用の換気経路を仕切部材の下方に形成することができる。その結果、配線用の開口のサイズを小さく形成して、雨水の浸入を防止することができる。
【0012】
また、第1斜部の下端と、第2斜部の上端とは、少なくとも一部がオーバーラップするように形成されている場合、開口を通して、屋外側から、屋内側に雨水が浸入することをより防止することができる。
【0013】
また、屋根の周縁に設けられた支持部材に、配線を屋外側で支持する支持部を備え、支持部は、開口より下方に設けられている場合、支持部から開口にわたって設けられている配線の姿勢を、屋内側に向かって上向き姿勢とすることができる。そのため、配線に付着した雨水を、配線を伝って屋外側に流すことができる。その結果、雨水が配線を伝って屋内側に浸入することを防止することができる。
【0014】
さらに、配線は、第2斜部の下端から下方に延在する基部に固定されている場合、開口付近の配線の姿勢を、屋内側に向かって上向き姿勢とすることができる。そのため、配線に付着した雨水を、配線を伝って屋外側に流すことができる。その結果、雨水が配線を伝って屋内側に浸入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例1のユニット建物の構成を示す斜視図である。
【
図3】実施例1の仕切部材とその周辺を示す分解斜視図である。
【
図4】実施例1の仕切部材と開口を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による屋根構造を実現する実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1における屋根構造は、予め工場で製造された建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で複数の建物ユニットを並べて組み立てることによって構築するユニット建物に適用される。
【0018】
[ユニット建物の構成]
図1は、実施例1のユニット建物の構成を示す斜視図である。以下、実施例1のユニット建物の構成を説明する。
【0019】
図1に示すように、ユニット建物1は、基礎2の上に、1階部分の建物ユニット3と、2階部分の建物ユニット3と、屋根としての屋根パネル5,6とを組み付けて構築されている。
【0020】
屋根パネル5は、ユニット建物1の中央を覆うように、傾斜のない平な姿勢で設置されている。屋根パネル5は、傾斜の無い平面状の陸屋根を構成する。屋根パネル5の上面には、太陽光発電用のソーラパネル7が複数設置されている。
【0021】
屋根パネル6は、屋根パネル5の周囲に、傾斜した姿勢で設置されている。屋根パネル6は、傾斜のある傾斜屋根を構成する。
【0022】
屋根パネル5の周縁には、ユニット建物1への雨の吹き込みを防ぐ破風化粧材10が設置されている。破風化粧材10は、屋根パネル5の外縁に沿うように、配置されている。
【0023】
[破風化粧材の構成]
図2は、実施例1の破風化粧材10を示す断面図である。以下、実施例1の破風化粧材10の構成を説明する。
【0024】
図2に示すように、破風化粧材10は、屋根パネル5の周囲に取り付けられ、ユニット建物1への雨の吹き込みを防ぐとともに、外気を内部に取り込んでユニット建物1の屋根裏等を換気する。
【0025】
破風化粧材10は、支持部材11と、換気経路を形成する経路形成部材20と、パラペット30としての側部パラペット31と上部パラペット32と、を備えている。
【0026】
図3に示すように、支持部材11は、屋根パネル5の周縁に、所定の間隔で複数配置されている。支持部材11は、屋根パネル5の先端面に対して、垂直な姿勢で設置されている。
図2に示すように、支持部材11は、ボルト51とナット52によって、屋根パネル5に取り付けられた取付金具9に取り付けられている。
【0027】
支持部材11には、ソーラパネル7に接続された配線8を屋外側で支持する支持部12が形成される。支持部12は、側面視U字状に切り欠かれて形成されている。U字状の支持部12は、外側斜め上方に向けて切り欠かれて形成されている。なお、U字状の支持部12は、上方に向けて切り欠かれて形成されてもよい。また、支持部は、この態様に限定されず、例えば、側面視矩形に切り欠かれてもよい。
【0028】
支持部12の底面は、後述する第1開口D1より下方に形成される。支持部12に支持されている配線8の部分は、第1開口D1より下方で支持されるように、支持部12が形成される。
【0029】
支持部材11の上部には、上部パラペット32が取り付けられている。支持部材11の側部には、側部パラペット31が取り付けられている。
【0030】
経路形成部材20は、ボルト51とナット52によって取付金具9に取り付けられる取付位置より下方に形成されている。経路形成部材20は、換気経路としての外部換気経路W1を形成している。外部換気経路W1は、上下に曲がりくねるように形成されている。
【0031】
[仕切部材の構成]
図3は、実施例1の仕切部材とその周辺を示す分解斜視図である。
図4は、実施例1の仕切部材と開口を拡大して示す斜視図である。
図5は、実施例1の仕切部材を示す断面図である。以下、実施例1の仕切部材の構成を説明する。
【0032】
図2に示すように、屋根パネル5の周縁の先端面には、仕切部材40が設けられている。仕切部材40の上部には、開口としての第1開口D1が形成されている。第1開口D1は、太陽光発電用の配線8を屋外から屋内に引き込むためのものである。第1開口D1は、配線8を引き込むことができるサイズに形成することができる。
【0033】
仕切部材40の下部には、開口としての第2開口D2が形成されている。第2開口D2を介して、屋根パネル5の外部の外部換気経路W1は、屋根パネル5の内部の内部換気経路W2に接続されている。
【0034】
図2~
図4に示すように、仕切部材40は、例えば、板金で形成され、第1仕切部材41と、第2仕切部材42と、第3仕切部材43とで構成され、屋根パネル5の内部と外部とを仕切るようになっている。
【0035】
(第1仕切部材)
図2~
図4に示すように、第1仕切部材41は、本体部41aと袖部41bとで、断面略L字状に形成され、屋根パネル5の周縁に沿って延在するように配置されている。
【0036】
本体部41aは、水平方向に延在し、屋根パネル5に取り付けられている。袖部41bは、本体部41aの外側の端部から、外側斜め下方に向けて傾斜して設けられている。言い換えると、袖部41bは、外側に向けて、斜め下方に傾斜した姿勢で形成されている。
【0037】
袖部41bは、第1開口D1の上縁を形成する。言い換えると、袖部41bは、第1開口D1を挟んで上方に配置されている。
【0038】
すなわち、袖部41bは、第1開口D1を挟んで上方に配置されている、外側斜め下方に向けて傾斜して設けられている第1斜部を構成する。
【0039】
(第2仕切部材)
図2~
図4に示すように、第2仕切部材42は、本体部42aと袖部42bとで、断面略L字状に形成され、屋根パネル5の周縁に沿って延在するように配置されている。
【0040】
本体部42aは、垂直方向に延在し、屋根パネル5に取り付けられた取付金具9に取り付けられている。袖部42bは、本体部42aの上端部から、内側斜め上方に向けて傾斜して設けられている。袖部42bは、袖部41bと平行になるように、形成される。袖部41bと袖部42bとの間の隙間は、袖部41bと後述する袖部43bとの間の隙間より、小さい隙間とすることができる。なお、袖部41bと袖部42bとの間には、隙間を設けないようにすることもできる。
【0041】
図3に示すように、第2仕切部材42は、上方に開口するように、正面視矩形状の切欠き42cが形成されている。なお、切欠き42cの形状は、この態様に限定されず、例えば、正面視楕円状に形成することもできる。
【0042】
(第3仕切部材)
図2~
図4に示すように、第3仕切部材43は、基部としての本体部43aと袖部43bとで、断面略L字状に形成され、第2仕切部材42の切欠き42cの一部を覆うように配置される。
【0043】
本体部43aは、垂直方向に延在して形成されている。本体部43aは、ビス等の締結部材Sによって、第2仕切部材42に取り付けられる。
【0044】
袖部43bは、本体部43aの上端部から、内側斜め上方に向けて傾斜して設けられている。言い換えると、袖部43bは、外側に向けて、斜め下方に傾斜した姿勢で形成されている。袖部43bは、袖部41bと平行になるように形成される。
【0045】
袖部43bは、第1開口D1の下縁を形成する。言い換えると、袖部43bは、第1開口D1を挟んで下方に配置されている。袖部41bと袖部43bとの間に形成された隙間は、第1開口D1を構成する。
【0046】
すなわち、袖部43bは、第1開口D1を挟んで下方に配置されている、外側斜め下方に向けて傾斜して設けられている第2斜部を構成する。
【0047】
図5に示すように、袖部41bと、袖部43bとは、水平方向において、幅W(例えば、5mm)程オーバーラップして設けられている。なお、袖部41bと、袖部43bとは、袖部41bの傾斜方向において、幅W(例えば、5mm)程オーバーラップして設けることもできる。また、袖部41bの先端と、袖部43bの先端との間の高さHは、例えば、6mmとすることができる。
【0048】
[配線の構成]
図2及び
図3に示すように、ソーラパネル7に接続された配線8は、支持部12に支持され、第1開口D1を通って、屋内側の小屋裏点検口5aに及ぶように配置される。配線8は、第3仕切部材43の本体部43aに、例えば、テープ55によって固定される。なお、配線8は、接着剤等で固定することもできる。
【0049】
[屋根構造の作用]
以下、実施例1の屋根構造の作用を説明する。実施例1の屋根構造は、太陽光発電用の配線8を屋外から屋内に引き込むための開口(第1開口D1)を備える。この屋根構造は、屋根(屋根パネル5)の周縁に設けられている、屋根(屋根パネル5)の内部と外部とを仕切る仕切部材40を備え、仕切部材40の下部において、屋根(屋根パネル5)の外部の外部換気経路W1は、屋根(屋根パネル5)の内部の内部換気経路W2に接続され、仕切部材40の上部において、開口(第1開口D1)が形成され、仕切部材40は、開口(第1開口D1)を挟んで上方に配置されている、外側斜め下方に向けて傾斜して設けられている第1斜部(袖部41b)と、開口(第1開口D1)を挟んで下方に配置されている、外側斜め下方に向けて傾斜して設けられている第2斜部(袖部43b)と、を備えている。
【0050】
ところで、配線用の開口は、屋外の換気経路と屋内の換気経路とを接続する開口と共通とすることが一般的であった。このような、配線用の開口を換気経路として使用する場合、開口のサイズが大きくなってしまい、雨水が浸入するといった問題があった。
【0051】
実施例1では、配線用の開口(第1開口D1)を仕切部材40の上部に形成し、専用の換気経路を仕切部材40の下部に形成することができる。そのため、配線用の開口(第1開口D1)のサイズを小さく形成して、雨水の浸入を防止することができる。
【0052】
また、第1斜部(袖部41b)及び第2斜部(袖部43b)に雨水が付いた場合、雨水を、傾斜した第1斜部(袖部41b)及び第2斜部(袖部43b)を伝わらせて、屋外に流すことができる。そのため、雨水が開口(第1開口D1)から屋内側に浸入することを防止することができる。
【0053】
また、配線8を屋内側に向かって上向き姿勢に配置することができる。そのため、配線8に付着した雨水を、配線8を伝って屋外に流すことができる。その結果、雨水が配線8を伝って屋内側に浸入することを防止することができる。
【0054】
実施例1の屋根構造において、第1斜部(袖部41b)と、第2斜部(袖部43b)とは、少なくとも一部がオーバーラップするように形成されている(
図5)。
【0055】
これにより、開口(第1開口D1)を通して、屋外側から、屋内側に雨水が浸入することをより防止することができる。
【0056】
実施例1の屋根構造において、配線8を屋外側で支持する支持部12を備え、支持部12は、開口(第1開口D1)より下方に設けられている(
図2)。
【0057】
これにより、支持部12から開口(第1開口D1)にわたって設けられている配線8の姿勢を、屋内側に向かって上向き姿勢とすることができる。そのため、配線8に付着した雨水を、配線8を伝って屋外側に流すことができる。その結果、雨水が配線8を伝って屋内側に浸入することを防止することができる。
【0058】
実施例1の屋根構造において、配線8は、第2斜部(袖部43b)の下端から下方に延在する基部(本体部43a)に固定されている(
図4)。
【0059】
これにより、開口(第1開口D1)付近の配線8の姿勢を、屋内側に向かって上向き姿勢とすることができる。そのため、配線8に付着した雨水を、配線8を伝って屋外側に流すことができる。その結果、雨水が配線8を伝って屋内側に浸入することを防止することができる。
【0060】
以上、本開示の屋根構造を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更等は許容される。
【0061】
実施例1では、仕切部材40の上部に第1開口D1を形成し、仕切部材40の下部に第2開口D2を形成する例を示した。しかし、第2開口を形成しないようにすることもできる。
【0062】
実施例1では、傾斜の無い平面状の屋根パネル5の周縁に、仕切部材40が設けられる例を示した。しかし、仕切部材は、傾斜のある傾斜屋根の周縁に設置することもできる。
【0063】
実施例1では、仕切部材40を、第1仕切部材41と、第2仕切部材42と、第3仕切部材43と、で構成する例を示した。しかし、仕切部材は、この態様に限定されず、一体で形成されてもよいし、2部品以上で形成されてもよい。
【0064】
実施例1では、本発明をユニット建物に適用する例を示した。しかし、本発明は、在来工法や、ツーバイフォー工法等の他の工法で構築された建物に適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 ユニット建物
5 屋根パネル(屋根の一例)
8 配線
12 支持部
40 仕切部材
41b 袖部(第1斜部)
43b 袖部(第2斜部)
D1 第1開口(開口の一例)
W1 外部換気経路
W2 内部換気経路