(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置と情報処理装置及びそれらの制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20241107BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B41J29/393 105
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2021026644
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2024-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏木 正樹
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-089279(JP,A)
【文献】特開2019-103091(JP,A)
【文献】特開2020-118501(JP,A)
【文献】特開2005-212162(JP,A)
【文献】特開2006-082398(JP,A)
【文献】特開2020-003514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0126106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/393
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、当該印刷装置にジョブを投入して印刷させる情報処理装置、及び前記印刷装置で印刷されて排紙されるシートを受け取って検品する検品装置とを有する印刷システムであって、
前記検品装置は、
シートを検査する検品モードの場合に、前記受け取ったシートと、予め定められた順番で登録されている、対応する正解画像とを比較して当該シートの画像を検査し、
前記印刷装置は、
前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、
前記検品モードの場合に前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御手段を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記制御手段は、更に、前記検品モードの場合に前記白紙節約モードの設定ができないように制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記検品装置は、前記正解画像を前記検品装置に登録する正解画像の登録モード及び前記検品モードを設定できる設定手段を、更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記正解画像の登録モードにおいて、前記情報処理装置は前記正解画像を印刷させるジョブを前記印刷装置に投入し、
前記検品装置は、前記ジョブに従って前記印刷装置で印刷されて排紙されたシートの画像を読み取って得られた画像データを前記正解画像として登録することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記正解画像の登録モードにおいて、前記情報処理装置は、予め前記正解画像が印刷されたシートを前記検品装置に給紙し、
前記検品装置は、前記給紙されたシートの画像を読み取って得られた画像データを前記正解画像として登録することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記正解画像を印刷させるジョブで印刷される先頭のシートは、正解画像の切り替えを示す識別情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記正解画像の登録モードにおいて前記検品装置は、前記識別情報に紐づけて前記正解画像を登録することを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記正解画像の登録モードにおいて、前記検品装置は、部単位で印刷されたシート群の画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記検品モードにおいて前記検品装置は、部単位で印刷されたシート群の画像を読み取り、部単位で登録された正解画像群と比較することで前記印刷されたシートの検品を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記検品モードにおいて、前記検品装置は、前記識別情報を含む前記先頭のシートを検出すると当該シートをエスケープトレイに排紙するとともに、前記識別情報に対応する正解画像と比較することで前記印刷されたシートの検品を行うことを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
【請求項11】
ジョブに従って印刷装置したシートを検品装置に搬送して検品させることができる印刷装置であって、
前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、
前記検品装置を使用して前記シートを検査する検品モードの場合に、前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御手段を、
有することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
前記制御手段は、更に、前記検品モードの場合に前記白紙節約モードの設定ができないように制御することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
印刷装置及び前記印刷装置で印刷されて排紙されるシートを受け取って検品する検品装置とを制御する情報処理装置であって、
前記印刷装置にジョブを投入して印刷させる手段と、
前記印刷装置が、前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、かつ前記検品装置による前記シートを検査する検品モードの場合に、前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御手段を、
有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
前記制御手段は、更に、前記検品モードの場合に前記白紙節約モードの設定ができないように制御することを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
ジョブに従って印刷装置したシートを検品装置に搬送して検品させることができる印刷装置を制御する制御方法であって、
前記印刷装置は、前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、
前記検品装置を使用して前記シートを検査する検品モードの場合に、前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御工程を、
有することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
印刷装置及び前記印刷装置で印刷されて排紙されるシートを受け取って検品する検品装置とを制御する情報処理装置を制御する制御方法であって、
前記印刷装置にジョブを投入して印刷させる工程と、
前記印刷装置が、前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、かつ前記検品装置による前記シートを検査する検品モードの場合に、前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御工程を、
有することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の制御方法の各工程のすべてをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷装置と情報処理装置及びそれらの制御方法、並びにプログラム関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置により印刷されたシートを搬送中に検品装置によって検査可能とした印刷システムが知られている。印刷シートの検査では、搬送された印刷シートの画像を検品装置が読み取り、読み取って得られた画像データの解析により印刷シートが正常であるか否かを判定している。この検査では、シートを読み取って得られた画像データと、検品装置に登録されている正解画像とを比較して検品の結果を判定している。このような検品を実施するためには、ユーザは、予め検品装置に対して検品時に用いる正解画像を登録する。そしてシートへの印刷と、その印刷シートの検査を指示する検品ジョブを印刷装置に投入する際には、ユーザは検品装置に登録されている正解画像の中から、投入する検品ジョブに対応する正解画像を選択する。検品装置は、上記の検査によって、例えばバーコードや罫線の欠け、画像抜け、印刷不良、ページ抜け、色ずれなどを検出することが可能である(特許文献1)。
【0003】
一方、印刷装置には、白紙節約と呼ばれる機能が実装されているものがある。この機能は、印刷データでページ記述言語(以下、PDL)に文字や絵等のオブジェクトが含まれていないページが存在すれば、そのページを白紙ページとし、そのページを印刷しない機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、正解画像の登録時には白紙節約機能を行わず、画像の検品時に印刷装置で白紙節約機能が実施されると、登録している正解画像の順番と、検品ジョブに従って印刷装置で印刷されたシートの順番とが整合しなくなって照合ページの不整合が発生する。このような不整合が発生すると、本来は検品でOKと判定されるべき印刷済シートが検品NGと判定されるケースが発生するという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題の少なくとも一つを解決することにある。
【0007】
本発明の目的は、検品モードでの印刷シートと、対応する正解画像との不整合を抑止し、無駄な不良品を生まないようにできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る印刷システムは以下のような構成を備える。即ち、
印刷装置と、当該印刷装置にジョブを投入して印刷させる情報処理装置、及び前記印刷装置で印刷されて排紙されるシートを受け取って検品する検品装置とを有する印刷システムであって、
前記検品装置は、
シートを検査する検品モードの場合に、前記受け取ったシートと、予め定められた順番で登録されている、対応する正解画像とを比較して当該シートの画像を検査し、
前記印刷装置は、
前記ジョブに含まれる白紙のページの印刷をスキップする白紙節約モードを有し、
前記検品モードの場合に前記白紙節約モードが指定されると警告を行う制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検品モードにおいて、印刷装置の白紙節約モードが指定されることで、登録済の正解画像と検品対象の印刷シートとの不整合が発生するのを抑制できるという効果がある。
【0010】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの構成を説明する図。
【
図2】実施形態1に係る画像形成装置、外部コントローラ、及びPCの構成を説明するブロック図。
【
図3】実施形態に係る画像形成装置の機構を説明する概略断面図。
【
図4】実施形態1に係る検品装置の起動時に検品装置の表示部に表示される画面例を示す図(A)と、実施形態1に係る検品装置に正解画像を登録する際に検品装置の表示部に表示される画面の一例を示す図(B)。
【
図5】実施形態1に係る検品装置において、正解画像の読み取りが完了した後に検品装置の表示部に表示される画面の一例を示す図(A)と、実施形態1に係る検品装置において、複数の正解画像が登録されている場合に検品装置の表示部に表示されるホーム画面の一例を示す図(B)。
【
図6】実施形態1に係る検品装置において、検品結果を表示する画面例を示す図。
【
図7】実施形態1に係る検品装置において、検品開始後に表示部に表示される画面の一例を示す図。
【
図8】実施形態1に係る外部コントローラの表示部に表示される、実行する検品ジョブをユーザに選択させる画面例を示す図(A)と、実施形態1に係る外部コントローラの表示部に表示される検品ジョブの設定画面の一例を示す図(B)。
【
図9】実施形態1に係る印刷装置がジョブの先頭で印刷する正解画像切り替え用紙の一例を示す図。
【
図10】実施形態1に係る外部コントローラが、
図8(B)の検品ジョブの設定画面を介したユーザの指示に従って実行する処理を説明するフローチャート。
【
図11】
図10のS1008の全てのジョブの印刷指示を行うときの処理を説明するフローチャート。
【
図12】実施形態1に係る検品装置が行う処理の概略を説明するフローチャート。
【
図13】
図12のS1202の正解画像の登録処理を説明するフローチャート。
【
図14】
図12のS1204の検品処理の詳細を説明するフローチャート。
【
図15】、実施形態1に係る印刷装置の表示部に表示される、プリンタの印刷設定を行うプリンタ設定画面の一例を示す図(A)と、
図15(A)のボタン1504が押下されることで表示される白紙節約設定画面の一例を示す図(B)。
【
図16】実施形態1に係る印刷装置が印刷処理を行うときの処理を説明するフローチャート。
【
図17】実施形態1に係る印刷装置が、検品モードのときに
図15(A)のプリンタ設定画面でボタン1504が押下されたときに表示部に表示される画面例を示す図。
【
図18】実施形態1に係る印刷装置による、
図15(A)のプリンタ設定画面でボタンが押下されたときに実行する処理を説明するフローチャート。
【
図19】実施形態2に係る印刷装置の表示部に表示される、プリンタの印刷設定を行うプリンタ設定画面の一例を示す図。
【
図20】実施形態2に係る印刷装置の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これら複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。尚、以下の説明において、外部コントローラは、情報処理装置、画像処理コントローラ、デジタルフロントエンド、プリントサーバ、DFEなどと呼ばれることもある。画像形成装置は、複合機、マルチファンクションペリフェラル、MFPと呼ばれることもある。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの構成を説明する図である。
【0014】
この画像処理システムは、画像形成装置101と外部コントローラ102を備える。画像形成装置101と外部コントローラ102は、内部LAN105とビデオケーブル106を介して通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、外部LAN104を介してクライアントPC103(以下、単にPC103と呼ぶ)と通信可能に接続されており、PC103から外部コントローラ102に対して印刷指示が行われる。
【0015】
PC103には、印刷データを外部コントローラ102で処理可能なページ記述言語に変換する機能を有するプリンタドライバがインストールされている。印刷を行ないたいユーザは、各種アプリケーションから、そのプリンタドライバを介して印刷指示を行うことができる。プリンタドライバは、ユーザからの印刷指示に基づいて外部コントローラ102に印刷データを送信する。外部コントローラ102はPC103から印刷指示を受け取ると、データ解析やラスタライズ処理を行い、画像形成装置101に対して印刷データを投入して印刷指示を行う。
【0016】
次に画像形成装置101について説明する。画像形成装置101では複数の異なる機能を有する装置が接続され、製本などの複雑な処理が可能なように構成されている。
【0017】
印刷装置107は、印刷装置107の下部にある給紙部から搬送される用紙(シート)に対してトナーを用いて画像を形成(印刷)する。この印刷装置107の構成及び動作原理は次の通りである。画像データに応じて変調された、レーザ光などの光線をポリゴンミラー等の回転多面鏡により反射して走査光として感光ドラムを照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられたシートに、そのトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することにより、シート上にフルカラーの画像が形成される。こうしてフルカラー画像が形成された転写ドラム上のシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラーやベルト等を含み、ローラー内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解してシートに定着させる。
【0018】
インサータ108は、搬送されてくるシートの間に挿入シートを挿入する。即ち、印刷装置107で印刷されて搬送されてくるシート群に対して、任意の位置でシートを挿入することができる。検品装置109は、搬送されたシートの画像を読み取り、予め登録された正解画像データと比較することで、そのシートに印刷された画像が正常かどうか判定する。大容量スタッカ110は、大容量のシートを積載することができる。フィニッシャ111は、搬送されたシートに対してフィニッシング処理を行う。このフィニッシング処理は、ステイプルやパンチ、中綴じ製本などを含み、フィニッシング処理がなされた成果物は排紙トレイに排紙される。
【0019】
尚、
図1に示す印刷システムは、画像形成装置101に外部コントローラ102が接続された構成であるが、本発明は外部コントローラ102が接続された構成に限定されない。即ち、画像形成装置101が直接、外部LAN104に接続され、PC103が外部LAN104を介して画像形成装置101に印刷データを送信する構成でもよい。この場合、画像形成装置101において、データ解析やラスタライズ処理が行われて印刷処理が実行される。
【0020】
図2は、実施形態1に係る画像形成装置101、外部コントローラ102、及びPC103の構成を説明するブロック図である。
【0021】
まず画像形成装置101の印刷装置107の構成について説明する。
【0022】
画像形成装置101の印刷装置107は、通信I/F217、LANI/F218、ビデオI/F220、HDD221、CPU222、メモリ223、操作部224、表示部225を有する。更に印刷装置107は、原稿露光部226、レーザ露光部227、作像部228、定着部229、給紙部230を備える。これら構成要素はシステムバス231を介して接続される。
【0023】
通信I/F217は、通信ケーブル254を介してインサータ108、検品装置109、大容量スタッカ110、及びフィニッシャ111と接続され、それぞれの装置の制御のための通信が行われる。LANI/F218は、内部LAN105を介して外部コントローラ102と接続され、外部コントローラ102との間で印刷データなどの通信が行われる。ビデオI/F220は、ビデオケーブル106を介して外部コントローラ102と接続され、外部コントローラ102との間で画像データなどの通信が行われる。
【0024】
HDD221は、プログラムやデータを保存する記憶装置である。CPU222は、メモリ223に記憶されたブートプログラムを実行してHDD221に保存されたプログラムをメモリ223に展開し、その展開したプログラムを実行して画像処理制御や印刷などの制御を包括的に行う。メモリ223はブートプログラム等を記憶するROM及びプログラム等の展開に使用されるRAMを含み、CPU222が各種処理を行う際に必要となるプログラムや画像データ等を記憶するのに使用される。またメモリ223はCPU222が制御を実行する際に、各種データを記憶するワークエリアを提供している。操作部224は、ユーザからの各種設定の入力や操作の指示を受け付ける。表示部225には、画像形成装置101の設定情報や印刷ジョブの処理状況などが表示される。尚、表示部225にタッチパネル機能を設け、表示部225が操作部224の機能の一部を代行してもよい。
【0025】
原稿露光部226は、コピー機能やスキャン機能を使用する際に原稿を読み込む処理を行う。原稿露光部226は、ユーザにより設置されたシート、或いは搬送されたシートに対して露光ランプからの光を照射しCMOSイメージセンサで画像を撮影することで、その画像の画像データを取得する。レーザ露光部227は、トナー像を転写するために感光ドラムにレーザ光を照射するための一次帯電やレーザ露光を行う。レーザ露光部227は、まず感光ドラムの表面を均一なマイナス電位に帯電させる一次帯電を実行する。次にレーザードライバによって半導体レーザを駆動して発光されたレーザ光を、ポリゴンミラーで反射角度を調節しながら感光ドラム上に照射する。これにより照射された部分のマイナス電荷が中和されて、そこに画像データに応じた静電潜像が形成される。作像部228は、シートに対してトナー像を転写する装置であり、現像ユニット、転写ユニット、トナー補給部等を含み、感光ドラム上のトナー像をシートに転写する。現像ユニットは、現像シリンダーからマイナスに帯電したトナーを感光ドラム表面の静電潜像に付着させてトナー像として可視化する。転写ユニットは、一次転写ローラにプラス電位を印加して感光ドラム表面のトナー像を転写ベルトに転写する一次転写、二次転写ローラにプラス電位を印加して転写ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写を行う。定着部229は、シート上のトナー像を熱と圧力でシートに溶解固着する。定着部229は、加熱ヒータ、定着ベルト、加圧ベルト等を有する。給紙部230はシートを給紙するための装置であり、ローラや各種センサによりシートの給紙動作、搬送動作が制御される。
【0026】
次に画像形成装置101のインサータ108の構成について説明する。
【0027】
画像形成装置101のインサータ108は、通信I/F232、CPU233、メモリ234、給紙制御部235を有し、これら構成要素はシステムバス236を介して接続される。通信I/F232は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、印刷装置107との間で制御に必要な通信が行われる。CPU233は、メモリ234に格納された制御プログラムに従って、給紙に必要な各種制御を行う。メモリ234は、制御プログラムが保存された記憶装置である。給紙制御部235は、CPU233の指示に基づき、ローラとセンサを制御しながら、インサータ108の給紙部や印刷装置107から搬送されたシートの給紙、搬送を制御する。
【0028】
次に画像形成装置101の検品装置109の構成について説明する。
【0029】
画像形成装置101の検品装置109は、通信I/F237、CPU238、メモリ239、撮影部240、表示部241、操作部242を有し、これら構成要素はシステムバス243を介して接続される。通信I/F237は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、印刷装置107との間で制御に必要な通信が行われる。CPU238は、メモリ239に格納された制御プログラムに従って検品に必要な各種制御を行う。メモリ239は、制御プログラム等を記憶する記憶装置である。撮影部240は、CPU238の指示に基づき、搬送されたシートを撮影する。撮影部240は、検査対象の印刷物だけでなく、正解画像データの登録時には、正解画像の候補となる印刷物の読み取りも行う。正解画像候補となる画像を印刷したシートを複数枚読みより、それら読み取って取得した画像データを重畳化、平均化したものを正解画像として使用する。これにより、印刷されたシートに含まれる検査精度未満の微小な変動成分を極力排することが可能となる。
【0030】
検品時、CPU238は、撮影部240によって、検品対象のシートを撮影して得られた画像データと、メモリ239に保存された正解画像とを比較し、検品対象のシートに印刷された画像が正常かどうかを判定する。表示部241は、検品結果や設定画面等の表示に使用される。操作部242は、ユーザによって操作され、検品装置109の設定変更や正解画像の登録などの指示を受け付ける。尚、表示部241にタッチパネル機能を設け、表示部241が操作部242の機能の一部を代行してもよい。
【0031】
次に画像形成装置101の大容量スタッカ110の構成について説明する。
【0032】
画像形成装置101の大容量スタッカ110は、通信I/F244、CPU245、メモリ246、排紙制御部247を有し、これら構成要素はシステムバス248を介して接続される。通信I/F244は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、印刷装置107との間で制御に必要な通信が行われる。CPU245は、メモリ246に格納された制御プログラムに従って排紙に必要な各種制御を行う。またメモリ246は、制御プログラム等を記憶する記憶装置である。排紙制御部247は、CPU245からの指示に基づき、搬送されたシートをスタックトレイ、エスケープトレイ、又は後続のフィニッシャ111に搬送する制御を行う。
【0033】
次に画像形成装置101のフィニッシャ111の構成について説明する。
【0034】
画像形成装置101のフィニッシャ111は、通信I/F249、CPU250、メモリ251、排紙制御部252、フィニッシング処理部253を有し、これら構成要素はシステムバス256を介して接続される。通信I/F249は、通信ケーブル254を介して印刷装置107と接続され、印刷装置107との間で制御に必要な通信が行われる。CPU250は、メモリ251に格納された制御プログラムに従って、フィニッシングや排紙に必要な各種制御を行う。メモリ251は、制御プログラム等を記憶する記憶装置である。排紙制御部252は、CPU250からの指示に基づき、シートの搬送及び排紙を制御する。フィニッシング処理部253は、CPU250からの指示に基づき、ステイプルやパンチ、中綴じ製本等のフィニッシング処理を制御する。
【0035】
次に外部コントローラ102の構成について説明する。
【0036】
外部コントローラ102は、CPU208、メモリ209、HDD210、キーボード211、表示部212、LANI/F213,LANI/F214、ビデオI/F215を有し、これらはシステムバス216を介して接続されている。CPU208は、HDD210に保存されたプログラムをメモリ209に展開し、その展開したプログラムを実行することにより、PC103からの印刷データの受信、RIP処理、画像形成装置101への印刷データの送信などの処理を包括的に実行する。メモリ209は、CPU208が各種処理を行う際に必要なプログラムやデータを記憶し、CPU208による制御処理の際に、各種データを記憶するワークエリアを提供する。HDD210は、印刷処理などの動作に必要なプログラムやデータ等を記憶している。キーボード211は、外部コントローラ102の操作指示を入力するための装置である。表示部212には、外部コントローラ102の実行アプリケーション等の情報が、静止画や動画の映像信号に従って表示される。LANI/F213は、外部LAN104を介してPC103と接続され、PC103から印刷指示などを受信する。LANI/F214は、内部LAN105を介して画像形成装置101と接続され、画像形成装置101に対して印刷指示などを行うための通信が行われる。ビデオI/F215は、ビデオケーブル106を介して画像形成装置101と接続され、画像形成装置101に対して印刷データなどを送信する。
【0037】
次にPC103の構成について説明する。
【0038】
PC103は、CPU201、メモリ202、HDD203、キーボード204、表示部205、LANI/F206を有し、これらはシステムバス207を介して接続されている。CPU201は、メモリ202のブートプログラムを実行してHDD203に保存された文書処理プログラム等をメモリ202に展開し、その展開したプログラムを実行することにより、印刷データの作成や印刷指示を実行する。またCPU201は、システムバス207に接続される各デバイスを包括的に制御する。メモリ202は、ブートプログラムや各種データを記憶するROMと、プログラムの展開領域を提供するRAMとを有し、CPU201が各種処理を行う際に必要となるプログラムや各種データを記憶する。またRAMは、CPU201が各種処理を行う際、各種データを記憶するワークエリアを提供する。HDD203は、印刷処理などの動作に必要なプログラムやデータ等を記憶している。キーボード204は、ユーザがPC103に対して操作指示を入力するためのユーザインタフェースを提供している。表示部205は、PC103の実行アプリケーション等の情報を、静止画や動画の映像信号とともに表示する。表示部205は、タッチパネル機能を有して、ユーザインタフェース機能を提供してもよい。LANI/F206は、外部LAN104と接続されており、外部LAN104を介して外部コントローラ102との間で印刷指示などの通信が行われる。
【0039】
以上の説明において、外部コントローラ102と画像形成装置101は、内部LAN105とビデオケーブル106とで接続されているが、印刷に必要なデータの送受信が行える構成であればよく、例えば、ビデオケーブルのみの接続でもよい。またメモリ202、メモリ209、メモリ223、メモリ234、メモリ239、メモリ246、メモリ251はそれぞれ、データやプログラムを保持するための記憶装置であればよい。例えば、揮発性のRAM、不揮発性のROM、内蔵HDD、外付けHDD、USBメモリなどで代替した構成でもよい。
【0040】
図3は、実施形態に係る画像形成装置101の機構を説明する概略断面図である。
【0041】
給紙デッキ301,302のそれぞれは、各種シートを複数積載して収容できる。各給紙デッキでは、収容されたシートの最上位のシート一枚のみを分離し、シート搬送パス303へ搬送する。現像ステーション304~307は、カラー画像を形成するために、それぞれY、M、C、Kの有色トナーを用いてトナー像を形成する。ここで形成されたトナー像は、中間転写ベルト308に一次転写される。中間転写ベルト308は、図中、時計回り方向に回転し、二次転写位置309でシート搬送パス303から搬送されてきたシートにトナー像が転写される。表示部225は、画像形成装置101の印刷状況や設定のための情報を表示するのに使用される。定着ユニット311は、トナー像をシートへ定着させる。定着ユニット311は、加圧ローラと加熱ローラとを備え、各ローラの間をシートが通過することにより、トナーを溶融・圧着することでシートにトナー像を定着させる。定着ユニット311を通過したシートは、シート搬送パス312を通って搬送パス315へ搬送される。シートの種類によっては、トナー像の定着のために更に溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット311を通過したシートは、上のシート搬送パスを使って第二定着ユニット313へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、シート搬送パス314を通って搬送パス315へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、定着済のシートをシート反転パス316へ搬送し、反転パス316でシートを反転させた後、そのシートを両面搬送パス317へ搬送し、二次転写位置309で、そのシートの2面目に対してトナー画像の転写が行われる。
【0042】
インサータ108は、インサータトレイ321を備え、シート搬送パス322を通じて給紙されたシートを搬送パスへ合流させる。これにより、印刷装置107から搬送される一連のシート群に、任意の位置でシートを挿入させて後続の装置へ搬送させることが可能となる。
【0043】
インサータ108を通過したシートは検品装置109へ搬送される。検品装置109内にはCIS(Contact Image Sensor)331,332が対向する形で配置される。CIS331は、搬送されてきたシートの上面を、CIS332はシートの下面を読み取るためのセンサである。尚、読み取るイメージセンサはCISではなく、ラインスキャンカメラでもよい。検品装置109は、シート搬送パス333で搬送されたシートが所定に位置に到達したタイミングで、CIS331,332を用いてシートの画像を読み取り、印刷された画像が正常であるかを判定する。表示部241には、検品装置109によって行われた検品結果などが表示される。
【0044】
大容量スタッカ110は大容量のシートを積載できる。大容量スタッカ110は、シートを積載するトレイとしてスタックトレイ341を有する。検品装置109を通過したシートは、シート搬送パス344を通して大容量スタッカ110に入力されてくる。シートは、シート搬送パス344からシート搬送パス345を経由して、スタックトレイ341に積載される。更にスタッカ110は、排紙トレイとしてエスケープトレイ346を有する。エスケープトレイ346は、検品装置109によって欠陥シートと判定されたシートを排出するための排紙トレイである。エスケープトレイ346にシートを排紙する場合は、シート搬送パス344からシート搬送パス347を経由してエスケープトレイ346へシートが搬送される。尚、大容量スタッカ110の後段のフィニッシャ111へシートを搬送する場合には、シート搬送パス348を経由してシートが搬送される。反転部349は、シートを反転するための反転部である。この反転部349は、シートをスタックトレイ341に積載する場合に使用される。入力されたシートの向きと出力時点でのシートの向きが同一となるように、スタックトレイ341に積載する場合には反転部349で一度シートを反転させる。エスケープトレイ346や、後続のフィニッシャ111へシートを搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのままシートを排出するため、反転部349での反転動作は行わない。
【0045】
フィニッシャ111は、ユーザにより指定された機能に応じて、搬送されたシートに対してフィニッシング処理を行う。フィニッシャ111は、具体的にはステイプル(1個所・2箇所綴じ)やパンチ(2穴・3穴)や中とじ製本等のフィニッシング機能を有する。フィニッシャ111は、2つの排紙トレイ351,352を有し、シートはシート搬送パス353を経由して排紙トレイ351に排紙される。但し、シート搬送パス353ではステイプル等のフィニッシング処理を行うことはできない。ステイプル等のフィニッシング処理を行う場合は、シートはシート搬送パス354を経由して処理部355に送られ、そこでユーザにより指定されたフィニッシング処理が実行されて排紙トレイ352へ排出される。排紙トレイ351,352はそれぞれ昇降することが可能であり、排紙トレイ351を下降させ、処理部355でフィニッシング処理したシートを排紙トレイ351へ積載することも可能である。中とじ製本が指定された場合には、中とじ処理部356で、シート中央にステイプル処理を実施した後、シートを二つ折りにしてシート搬送パス357を経由して中とじ製本トレイ358へ排出される。中とじ製本トレイ358は、ベルトコンベア構成になっており、中とじ製本トレイ358上に積載された中とじ製本束は左側へ搬送される構成となっている。
【0046】
検品装置109は、予め設定された検査項目に従い、搬送されてきたシートの画像を検査する。シート画像の検査は、予め設定された正解画像データと、搬送されてきたシートの画像を読み取って得られた画像データとを比較して行われる。画像データの比較方法には、画像位置ごとの画素値を比較する方法や、エッジ検出による物体の位置の比較、OCR(Optical Character Recognition)による文字データの抽出などによる方法がある。検査項目には、印刷位置のずれ、画像の色合い、画像の濃度、スジやカスレ、印刷抜けなどがある。
【0047】
[実施形態1]
以上説明したシステム構成及び機器構成に基づいて、本発明の実施形態1を説明する。
図4~
図7は、実施形態1に係る検品装置109の表示部241に表示される画面例を示す図である。これら画面は、検品装置109のCPU238の指示に基づいて表示される。
【0048】
検品装置109は、予め設定された検査項目に従い、送られてきたシートの画像を検査する。その画像の検査は、予め設定された正解画像と、搬送されてきたシートを読み取って得られた画像データとを比較することにより行われる。画像の比較方法には、画像位置ごとの画素値を比較する方法や、エッジ検出による物体の位置の比較、OCR(Optical Character Recognition)による文字データの抽出などによる方法がある。そして検査項目には、印刷位置のずれ、画像の色合い、画像の濃度、スジやカスレ、印刷抜けなどがある。
【0049】
図4(A)は、実施形態1に係る検品装置109の起動時に検品装置109の表示部241に表示される画面例を示す図である。
【0050】
メッセージ401として、正解画像が登録されていないので、検品を開始するには正解画像の登録が必要である旨が表示されている。エリア402には、登録済みの正解画像がある場合、その正解画像が表示される。
図4(A)では正解画像が未登録であるため、正解画像が未登録であることを示す「画像未登録」が表示されている。正解画像が登録されている場合の表示に関しては後述する。
【0051】
正解画像の登録ボタン403は、正解画像を登録するための登録画面を呼び出すためのボタンある。正解画像は検品装置109で読み取る画像の比較対象となる画像であり、予め目視や、検品装置109により正常であると判定されたシートの画像が正解画像として登録される。検品設定ボタン404は、検品の設定画面を呼び出すためのボタンである。このボタン404によりユーザは、検品目的に応じて検品の項目や検品の精度(正解画像との差異がどの程度で欠陥画像と判断するか)等を設定する。検品結果確認ボタン405は、検品結果の確認画面を呼び出すためのボタンである。この確認画面によりユーザは、過去の検品内容や検品結果を確認することができる。検品開始ボタン406は、検品の開始を指示するためのボタンである。この開始ボタン406が押下されると検品装置109は検品モードへ移行し、印刷装置107に検品モードであることを通知する。検品を開始すると、検品装置109は、送られてきたシート画像の検査を開始する。
【0052】
図4(B)は、実施形態1に係る検品装置109に正解画像を登録する際に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例を示す図である。
図4(B)の画面は、
図4(A)の正解画像の登録ボタン403が押されることにより表示される。
【0053】
ここで検品装置109は、部単位で正解画像が印刷された用紙群(シート群)を読み取って正解画像を登録することができる。1部当たりの用紙枚数411は、検品を行う印刷ジョブの1部あたりの用紙枚数を設定するための設定部である。検品装置109は、1部あたり2枚以上の印刷ジョブを入力し、その1部に含まれる複数枚のシートの画像を正解画像として登録することができる。検品を行う面412は、検品を行うシート面を設定するための設定部である。検品装置109が行う検品をシートの両面を対象にするか、表面のみにするか、裏面のみにするかを設定することができる。
図4(B)では「両面」が選択されている。尚、シートの片面にのみ画像が印刷されたシートであっても、印刷されない面にゴミがついていないことを検査するために、シートの両面を検査するよう設定する場合もある。登録開始ボタン413は、正解画像の登録を指示するためのボタンである。このボタン413が押下されると検品装置109は、正解画像の登録モードに移行し、印刷装置107に正解画像の登録モードであることを通知する。そして検品装置109は正解画像登録モードに移行すると、搬送されてきた部単位の印刷シートの画像を読み取る。検品装置109は、そのシートを読み取って得られた画像データを、後述する正解画像切り替え用紙のバーコード画像と紐づけて正解画像として保存する。
【0054】
図5(A)は、実施形態1に係る検品装置109において、正解画像の読み取りが完了した後に検品装置109の表示部241に表示される画面の一例を示す図である。
【0055】
表示エリア501には、検品装置109で読み取った印刷シートの画像が表示される。複数枚のシートを読み取った場合は、切り替えボタン502で表示する画像を他のシートの画像に切り替えることができる。表と裏の画像を登録する場合は、切り替えボタン503で表裏の画像を切り替えることができる。「検品スキップエリアの設定」ボタン504は、検品スキップエリアの設定を指示するためのボタンである。このボタン504により、バリアブル印刷(VDP、Variable Data Printing)等の、1部ごとに特定エリアの印刷内容を変える印刷の場合などのために、検品を行わないエリアを設定することができる。これには、例えば、部ごとに異なるIDを印刷する場合、住所や名前のみを部ごとに変えるような場合がある。登録ボタン505は、表示エリア501の読み取り画像をユーザが確認した後に、その画像を正解画像として登録するように指示するボタンである。登録ボタン505が押されると、検品装置109は表示エリア501に表示されている画像を正解画像として登録した後、元の画面に戻る。この場合は
図4(A)の画面で、メッセージ401は、「正解画像が登録されています」に変更され、表示エリア402には正解画像が表示される。キャンセルボタン506は、正解画像の登録をキャンセルするボタンである。キャンセルボタン506が押された場合には、検品装置109は正解画像の登録を行わずに、
図4(A)の表示画面に戻る。登録ボタン505或いはキャンセルボタン506が押下されて元の画面に戻ると、検品装置109は正解画像の登録モードから通常モードに移行し、印刷装置107に通常モードであることを通知する。
【0056】
図5(B)は、実施形態1に係る検品装置109において、複数の正解画像が登録されている場合に検品装置109の表示部241に表示されるホーム画面の一例を示す図である。尚、
図5(B)において、
図4(A)と共通する部分は同じ参照番号を付している。
【0057】
メッセージ511は、複数登録された正解画像から検品に使用する正解画像の選択を促す。表示エリア512には、登録されている複数の正解画像が表示される。スクロールボタン513,514は、画面外の正解画像を選択するために、画面を左右にスクロールするボタンである。チェックボックス515~517は、各正解画像に対応して、それぞれ対応する画像を検品に使用するように選択するのに使用される。選択ボックス515~517でチェックされた画像が、検品に使用する正解画像として選択される。正解画像の選択後、検品開始ボタン406が押下されると、その選択された正解画像を使用した検品処理が開始される。
【0058】
図6は、実施形態1に係る検品装置109において、検品結果を表示する画面例を示す図である。
図6の画面は、
図4(A)の画面で検品結果確認ボタン405が押されることにより表示される。
【0059】
表示エリア601には、検品を行ったジョブ全体の属性や、検品結果が表示される。ジョブ選択602は、検品結果を表示するジョブを選択する。
図6の例では、履歴が保存されている3つのジョブのうち、1番目のジョブ(1/3)の検品結果が表示されていることを示している。ジョブ選択602の左右のボタンを操作することによって、表示するジョブを切り替えることができる。OKボタン603は、検品結果の確認が完了したことを指示するボタンである。OKボタン603が押下されると
図4(A)の画面に戻る。
【0060】
図7は、実施形態1に係る検品装置109において、検品開始後に表示部241に表示される画面の一例を示す図である。
図7の表示画面は、
図4(A)の検品開始ボタン406が押されることにより表示される。
【0061】
図7(A)は、最後に読み取った画像が正常画像と判定された場合の画面の一例を示す。表示エリア701には、検品装置109が最後に読み取った印刷シートの画像が表示される。判定結果702は、検品装置109に登録されている正解画像と、検品装置109が読み取った読み取り画像データとを比較した結果が表示される。
図7(A)の例では、正常画像と判定されたため、判定結果は「OK」と表示されている。検品終了ボタン703は、検品の終了を指示するボタンである。検品終了ボタン703が押された場合には、検品装置109は検品処理を終了し、
図4(A)の表示画面に戻る。このとき検品装置109は通常モードに移行し、印刷装置107に検品が終了したことを通知する。「ジョブ全体の検品結果の確認」ボタン704は、ジョブ全体の検品結果の確認画面の表示を指示するボタンである。この確認ボタン704が押下されると、例えば
図6に示すようなジョブごとの検品結果が表示される。
【0062】
図7(B)は、最後に読み取った画像が欠陥画像と判定された場合の画面の一例を示す。表示エリア711には読み取り画像が表示され、この画像と正解画像とを比較した結果欠陥画像と判定されている。このため判定結果713には、判定結果として「NG」が表示されている。更には、NGと判定した要因や位置が表示されている。
図7(B)の例では、読み取り画像にスジ712が検出されたため、欠陥画像と判断されたことが示されている。
【0063】
図8(A)は、実施形態1に係る外部コントローラ102の表示部212に表示される、実行する検品ジョブをユーザに選択させる画面例を示す図である。
【0064】
ジョブ一覧801は、クライアントPC103から受信した検品ジョブの一覧を示している。このジョブ一覧801では、クライアントPC103から4つのジョブを受信している状態を表している。ここでは実行するジョブとして「請求書」、「見積書」、「パンフレット」の3つが選択されている状態を示している。このようにして実行するジョブを選択した上で、次へボタン802を押すことで、
図8(B)の検品ジョブの設定画面に遷移する。キャンセルボタン803は、この画面での設定をキャンセルして元の画面に戻るように指示するボタンである。
【0065】
図8(B)は、実施形態1に係る外部コントローラ102の表示部212に表示される検品ジョブの設定画面の一例を示す図である。前述の
図4~
図5は、検品装置109に対して検品の設定を行う際の画面例であるが、検品装置109に正解画像の印刷シートやバーコード(識別情報)を印刷した用紙等の検品対象の印刷シートを流す指示は、外部コントローラ102から行う。
【0066】
ジョブ設定部811は、
図8(A)のジョブ一覧801で選択された各ジョブに対する設定部である。ジョブの部数812は、各ジョブの部数を設定する。
図8(B)の例では、請求書を300部、見積書を100部、パンフレットを500部が設定されている。印刷ボタン813は、そのボタンに対応する検品ジョブを1部だけ印刷するように指示するボタンである。
図4(B)の登録開始ボタン413を押し、検品装置109に正解画像の登録開始を指示する。その後、印刷ボタン813で外部コントローラ102に対応する検品ジョブの1部印刷を指示する。1部印刷を指示すると、印刷装置107による印刷が行われ、検品装置109により、後述する正解画像切り替え用紙および正解画像の読み込みが行われる。
【0067】
排紙先指定欄814は、検品ジョブの排紙先を設定する設定部である。ここでは、検品OKの時の排紙先として大容量スタッカ110が設定され、検品で欠陥画像と判定された場合に排紙する排紙先としてエスケープトレイが設定されている。
【0068】
「正解画像をインサータから給紙」ボタン815は、正解画像を印刷したシートをインサータから給紙することを指示するボタンである。このボタン815は、既に印刷済みの印刷シートを正解画像としてインサータから読み込む場合に使用する。これはシートへの印刷と正解画像の登録を同時に行うのではなく、ユーザの目視により正常画像と判断したシートを、正解画像を読み取る際に使用するものである。このボタン815を使用する際には、ユーザは予め正解画像として登録する印刷シートとバーコードが印刷された用紙をインサータ108のトレイ321に置くことで、検品装置109へ搬送する。ここでは、印刷装置107の給紙部230から正解画像を印刷したシートを給紙しても良いが、給紙部230から給紙すると、定着器ユニット311や第二定着器ユニット313を通り加圧や加熱をされるために印刷シートの画像が変形してしまう場合がある。そのために、印刷済みの印刷シートを正解画像として登録する場合には、定着器を通らないようインサータ108から給紙を行うことが望ましい。
【0069】
印刷開始ボタン816は、検品ジョブの印刷開始を指示するボタンである。印刷開始ボタン816で印刷開始が指示されると、外部コントローラ102は
図8(B)の設定に基づき、検品ジョブを印刷装置107に投入する。
図4(A)の検品開始ボタン406で検品装置109に検品開始を指示した後に、印刷開始ボタン816で外部コントローラ102に検品ジョブのための印刷開始を指示する。検品ジョブに印刷開始を指示すると、外部コントローラ102は印刷装置107に印刷データを投入し、印刷された印刷シートを検品装置109へ搬送するように指示する。検品装置109は、印刷シートが搬送されてくると、その印刷シートの画像を読み込んで、その印刷シートの検品処理を行う。キャンセルボタン817は、この画面での設定をキャンセルして元の画面に戻るように指示するボタンである。
【0070】
図9は、実施形態1に係る印刷装置107がジョブの先頭で印刷する正解画像切り替え用紙の一例を示す図である。
【0071】
ここで正解画像切り替え用紙は、正解画像を登録するために印刷されるジョブの先頭で印刷される。従って検査装置109は、この正解画像切り替え用紙を検知すると、それ以降のシートの画像を順次読み取って正解画像として登録する。
【0072】
バーコード901は、正解画像の登録時に外部コントローラ102が生成するバーコードで、ジョブ毎に一意のバーコードが生成される。バーコード検査領域902は、検品装置109による検品時に、バーコードの有無の検査対象となる検査領域を示す。正解画像の登録時に、検品装置109は読み取った正解画像切り替え用紙の画像のバーコード検査領域902をトリミングし、その走査領域を読み取って得られた画像データをメモリ239に保持する。そして検品実行時に、検品装置109は、検品対象の画像のバーコード検査領域902の画像データと、メモリ239に保持しているバーコードの画像とを比較し、その比較結果に基づいて読み取った用紙が正解画像切り替え用紙であるか否かを判定する。バーコードの比較は、メモリ239に保持しているバーコードの数の分だけ行われる。
【0073】
図10は、実施形態1に係る外部コントローラ102が、
図8(B)の検品ジョブの設定画面を介したユーザの指示に従って実行する処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、CPU208がメモリ209に展開されているプログラムを実行することにより達成される。
【0074】
S1001でCPU208は、印刷ジョブの1部の印刷指示を受信したかを判定する。これは
図8(B)の検品ジョブの設定画面で1部印刷指示ボタン813が押された場合に対応する。S1001でCPU208は、1部印刷指示を受信したと判定した場合はS1002に進むが、そうでないときはS1005に進む。S1002でCPU208は、一意に識別可能なバーコードを生成し、メモリ209に印刷画像データと、そのバーコードを関連付けて保存する。そしてS1003に進みCPU208は、S1002で生成してメモリ209に記憶した画像データを基に、印刷装置107に対して正解画像切り替え用紙の印刷を指示する。そしてS1004に進みCPU208は、印刷装置107に対して、選択された印刷データの1部印刷を指示してS1001に進む。
【0075】
S1001で1部の印刷指示でないと判定したときはS1005に進みCPU208は、正解画像のシートをインサータ108から給紙する指示を受信したかを判定する。これは
図8(B)の画面で「正解画像をインサータから給紙」ボタン815が押された場合に対応する。ボタン815の指示を受け付けたと判定したときはS1006へ進む。一方、S1005でCPU208は、ボタン815による指示を受信していないと判定した場合はS1007へ進む。S1006でCPU208は、印刷装置107に対して、インサータ108にセットされた用紙を給紙する指示を行ってS1001に進む。このときインサータには、正解画像切り替え用紙を含めた1部分の用紙枚数をセットしておく。
【0076】
S1007でCPU208は、印刷開始指示を受信したかを判定する。これは
図8(B)の画面で、印刷開始ボタン816が押された場合に対応する。S1007でCPU208は、印刷開始指示を受信したと判定した場合はS1008へ進むが、印刷開始指示を受信していないと判定した場合はS1009へ進む。S1008でCPU208は、
図8(B)のリスト811に表示されているジョブを、設定に基づいて順次印刷装置107に投入する。この処理については
図11のフローチャートを参照して後述する。
【0077】
S1009でCPU208は、
図8(B)の画面でキャンセルボタン817が押されたかどうか判定する。ここで、キャンセルボタン817が押下されたと判定したときは、この処理を終了する。一方、キャンセル指示を受信していないと判定した場合はS1001に進んで、処理を繰り返す。
【0078】
図11は、
図10のS1008の全てのジョブの印刷指示を行うときの処理を説明するフローチャートである。
【0079】
まずS1101でCPU208は、
図8(B)の検品ジョブ設定画面のリスト811に表示されているジョブの印刷部数、排紙先指定欄814の情報を取得する。ここでリスト811に複数のジョブが列挙されている場合、各ジョブに設定された印刷部数の設定を順次取得する。次にS1102に進みCPU208は、印刷装置107に正解画像切り替え用紙の印刷を指示する。次にS1103に進みCPU208は、印刷装置107に検品対象の画像データの印刷を指示する。そしてS1104に進みCPU208は、リスト811で指定された部数分の印刷指示を完了したかを判定し、指定された部数分の印刷指示を完了したと判定した場合はS1105へ進むが、そうでないときはS1103に戻る。S1105でCPU208は、リスト811の全てのジョブに対する印刷指示が完了したかを判定する。S1105でCPU208は、全てのジョブに対する印刷指示が完了していないと判定した場合はS1102に進みCPU208は、次に実行する検品ジョブに紐づく正解画像切り替え用紙の印刷指示を行う。またS1105でCPU208は、全てのジョブに対する印刷指示が完了したと判定したときは、この処理終了する。
【0080】
以上説明したようにこの処理によれば、検品ジョブの設定画面で設定された内容に従って、正解画像を登録するためのジョブに基づく印刷処理を印刷装置107に実行させることができる。またこの時、各ジョブで印刷されて排出される印刷シート群の先頭に正解画像切り替え用紙が挿入されるので、検品装置109は、各ジョブに対応する正解画像を把握することができる。
【0081】
図12は、実施形態1に係る検品装置109が行う処理の概略を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、検品装置109のCPU238がメモリ239に展開したプログラムを実行することにより達成される。
【0082】
まずS1201でCPU238は、
図4(B)の正解画像の登録開始ボタン413により正解画像の登録が指示されて正解画像登録モードに移行しているかどうか判定する。ここで正解画像登録モードに移行していると判定するとS1202に進んで正解画像の登録処理を実行する。そして、この登録処理を終了すると、この処理を終了する。
【0083】
一方、S1201で正解画像登録モードに移行していないと判定した場合はS1203へ進む。S1203でCPU238は、
図4(A)の検品開始ボタン406により検品開始が指示されて検品モードに移行しているかどうか判定する。S1203で検品モードであると判定するとS1204へ進むが、検品モードではないと判定した場合はS1201へ戻り処理を繰り返す。S1204でCPU238は、検品処理を実行した後に、この処理を終了する。
【0084】
図13は、
図12のS1202の正解画像の登録処理を説明するフローチャートである。ここでは1部の印刷シートを読み取って正解画像を登録する例で示している。
【0085】
まずS1301でCPU238は、正解画像の登録設定を取得する。この登録設定の設定値には、
図4(B)で設定された1部あたりの用紙枚数、検品を行う面、等が含まれる。次にS1302に進みCPU238は、検品装置109に用紙が搬送されるのを待つ。S1302でCPU238は、用紙が搬送されたと判定した場合はS1303に進むが、用紙が搬送されていないと判定した場合はS1302に処理を戻して用紙が搬送されるのを待つ。S1303でCPU238は、用紙の画像をカメラ
331及びカメラ
332を使用して読み取り、検品装置109のメモリ239に保存する。ここで保存した画像データは、
図5(A)の表示エリア501に表示される。そしてS1304に進みCPU238は、S1301で取得した設定値で設定された用紙枚数分の画像を読み取ったかを判定する。S1304でCPU238は、設定された用紙枚数分の画像を読み取ったと判定した場合はS1305へ進むが、そうでないときはS1302へ戻って、前述の処理を繰り返す。S1305でCPU238は、用紙を読み取って得られた画像データを正解画像として保存する指示がされたかを判定する。これは
図5(A)の登録ボタン505による指示に対応する。S1305でCPU238は、登録ボタン505が押下されて正解画像の登録が指示されたと判定するとS1306に進む。S1306でCPU238は、メモリ239に保持している正解画像切り替え用紙のバーコード検査領域902のバーコードをトリミングし、そのバーコードと紐づけて正解画像群としてメモリ239に保存して、この処理を終了する。一方、正解画像の登録が指示されていないときは、そのままこの処理を終了する。これは
図5(A)のキャンセルボタン607が押下された場合に対応する。
【0086】
こうして正解画像の登録モードでは、先頭の正解画像切り替え用紙のバーコードで管理される一連の正解画像を登録することができる。
【0087】
図14は、
図12のS1204の検品処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0088】
まずS1401でCPU238は、
図7(A)に示す検品終了ボタン703により検品終了が指示されたかを判定する。S1401で検品終了が指示されたと判定したときは、この処理を終了する。S1401で検品終了が指示されていないと判定した場合はS1402へ進む。S1402でCPU238は、検品装置109に用紙が搬送されたか否か判定する。ここで用紙が搬送されていないと判定した場合はS1401へ戻って、前述の処理を繰り返す。S1402で用紙が搬送されたと判定した場合はS1403に進む、S1403でCPU238は、カメラ
331及びカメラ
332を使用して、その搬送されてきた用紙の画像を読み取る。こうして読み取って得られた画像データを検品装置109のメモリ239に保存する。ここで保存した画像データは、
図7(A)の読み取り表示エリア701に表示される。
【0089】
次にS1404に進みCPU238は、S1403で得られた画像データが正解画像切り替え用紙の画像であるかを判定する。具体的には、CPU238は、読み取って得られた画像データのバーコード検査領域902に相当する部分の画像データと、メモリ239に保持しているバーコード画像を比較することで判定を行う。この時、CPU238はメモリ239に保持しているバーコードの数だけ比較を行う。S1404でCPU238は、正解画像切り替え用紙のバーコードを読み取ったと判定した場合はS1411に進む。一方、S1404でCPU238は、正解画像切り替え用紙でないと判定した場合はS1405へ進む。S1411でCPU238は、メモリ239内のバーコードに紐づく画像データを正解画像として選択する。これにより、これ以降の検品処理では、ここで選択された正解画像群が、印刷済の用紙群と比較されて検品処理が実行されることになる。そしてS1412に進みCPU238は、印刷装置107に対して、その、正解画像切り替え用紙を大容量スタッカ110のエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。その後、S1401に戻り処理を繰り返す。
【0090】
こうして正解画像切り替え用紙がエスケープトレイ346に排紙されため、正解画像切り替え用紙が検品対象の用紙の順番と、対応する正解画像の順番に影響を与えることがなく、後続の検品処理を正常に実行することができる。
【0091】
S1405でCPU238は、S1403で得られた、検品対象の用紙の画像データと、対応する正解画像とを比較する。正解画像は
図4(A)の正解画像の登録ボタン403から検品装置109に対して登録された設定に基づく。そしてS1406に進みCPU238は、S1405の正解画像との比較の結果、欠陥画像かどうか判定する。S1406で正常画像(検品OK)と判定した場合はS1407に進み、欠陥画像(検品NG)と判定した場合はS1409へ進む。S1407でCPU238は、検品装置109の表示部241に検品結果がOKであることを表示する。
図7(A)は、S1407で表示される画面の一例を示す。そしてS1408に進みCPU238は、印刷装置107に対して、画像を読み取った用紙をスタッカ110に排紙するよう指示する。ここで排紙される排紙先は、
図8(B)の設定画面の排紙先814で指定された排紙先に基づく。これにより印刷装置107は、検品装置109からの指示に基づいて、正常であると判定された印刷用紙を大容量スタッカ110に排紙するよう指示する。その後、S1401に進んで、上述の処理を繰り返す。
【0092】
S1409でCPU238は、検品装置109の表示部241に検品結果がNGであることを表示する。
図7(B)は、S1409で表示される画面の一例を示す。次にS1410に進みCPU238は、印刷装置107に対して、その印刷用紙を大容量スタッカ110のエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。ここで排紙される排紙先は、
図8(B)の設定画面の排紙先814で指定された検品NG時の排紙先に基づく。これにより印刷装置107は、検品装置109に指示に基づき、大容量スタッカ110に対してエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。その後、S1401に戻って、前述の処理を繰り返す。
【0093】
図15(A)は、実施形態1に係る印刷装置107の表示部225に表示される、プリンタの印刷設定を行うプリンタ設定画面1501の一例を示す図である。
【0094】
このプリンタ設定画面1501は、印刷装置107のCPU222の指示に基づき表示される。プリンタ設定項目は、リスト1502として表示され、スクロールボタン1503により表示項目のスクロールが可能である。プリンタ設定項目の項目は、各項目の右側にあるボタンを押下することで表示される。ボタン1504は、白紙節約の設定画面を表示するためのボタンである。プリンタ設定画面は、OKボタン1505を押下することで閉じられる。
【0095】
図15(B)は、
図15(A)のボタン1504が押下されることで表示される白紙節約設定画面の一例を示す図である。
【0096】
この白紙節約設定画面は、印刷装置107のCPU222の指示に基づいて表示部225に表示される。白紙節約機能とは、出力しようとする画像データが白紙のデータ(印刷するオブジェクトがないデータ)である場合、そのページの出力(印刷)を行わないようにする機能である。この白紙節約設定画面には、白紙節約を行う「する」ボタン1511、白紙節約を行わない「しない」ボタン1512、キャンセルボタン1513、OKボタン1514が含まれる。この白紙節約設定画面では、その時点で設定されている項目に色がつけられており、選択を変更するたびに色が切り替わる。
図15(B)では、白紙節約を行わない「しない」ボタン1512に色が付けられて、白紙節約を行わないモードであることがわかる。キャンセルボタン1513が押下されると、この画面での設定がキャンセルされて画面が閉じられる。OKボタン1514が押下されると、この画面で設定されている内容が保存されて、この画面が閉じられる。
【0097】
図16は、実施形態1に係る印刷装置107が印刷処理を行うときの処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、印刷装置107のCPU222がメモリ223に展開されたプログラムを実行することにより達成される。
【0098】
まずS1601でCPU222は、外部コントローラ102からジョブを受信する。次にS1602に進みCPU222は、受信したジョブがインサータ給紙のジョブかどうか判定する。ここでインサータ給紙のジョブであると判定した場合はS1608へ進み、受信したジョブがインサータ給紙のジョブでないと判定したときはS1603へ進む。S1608でCPU222は、インサータから用紙を給排紙する。そしてS1609に進みCPU222は、S1601で受信したジョブで指示された全ての用紙の給排紙が完了するまでS1608の処理を実行する。こうして全ての用紙の給排紙が完了したと判定するまでS1608の処理繰り返し、全ての用紙の給排紙が完了したと判定すると、この処理を終了する。
【0099】
S1603でCPU222は、S1601で受信したジョブの印刷データから印刷画像データを生成する。そしてS1604に進みCPU222は、S1603で生成した画像データが白紙画像データであるか判定する。S1604で印刷画像データが白紙であると判定した場合はS1605へ進むが、そうでないときはS1605をスキップしてS1606へ進む。S1605でCPU222は、印刷設定が白紙節約モードであるか否か判定する。ここで白紙節約モードであると判定した場合はS1606の印刷処理をスキップしてS1607へ進む。一方、S1605で白紙節約モードでないと判定した場合はS1606へ進む。S1606でCPU222は、その印刷画像データを印刷する印刷処理を実行してS1607に進む。S1607でCPU222は、全印刷画像データの処理が終了したかを判定する。全印刷画像データの処理が終了していないと判定した場合はS1603へ戻って、前述の処理を繰り返す。こうして全ての印刷画像データの処理が終了したと判定した場合は、この処理を終了する。
【0100】
この処理によれば、白紙節約モードが設定されているときは、白紙の画像を印刷しないようにできる。
【0101】
図17は、実施形態1に係る印刷装置107が、検品モードのときに
図15(A)のプリンタ設定画面1501でボタン1504が押下されたときに表示部225に表示される画面例を示す図である。
【0102】
この画面は、印刷装置107のCPU222の指示に基づき表示される。この画面では、白紙節約モードの設定を変更すると、登録済の正解画像の順番と、検品対象の画像の順番が異なる可能性があることを警告するメッセージが表示される。
【0103】
図18は、実施形態1に係る印刷装置107による、
図15(A)のプリンタ設定画面1501でボタン1504が押下されたときに実行する処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU222がメモリ223に展開したプログラムを実行することにより達成される。
【0104】
まずS1801でCPU222は、白紙節約設定画面の表示を指示するボタン1504が押下されたかどうか判定する。ここでボタン1504が押下されたと判定した場合はS1802へ進むが、そうでないときはS1801へ進む。S1802でCPU222は、検品装置109が検品モードであるかどうか判定する。ここで検品装置109が検品モードであると判定した場合はS1803へ進み、そうでないときは、この処理を終了する。S1803でCPU222は、登録済の正解画像と印刷結果が変わってしまう可能性があることを警告するメッセージを表示して、この処理を終了する。即ち、正解画像登録時は、白紙節約設定をしておらず、検品モードにおいて白紙節約設定がされると、検品対象画像が白紙のデータと比較され、正しい正解画像と比較が行われない可能性があるためにメッセージを表示する。
【0105】
以上説明したように実施形態1によれば、検品モードにおいて白紙節約モードが指示されると、登録している正解画像の順番と、検品対象の画像の順番とが異なってしまうおそれがあるため、それをユーザに警告することができる。
【0106】
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2を説明する。尚、実施形態2に係るシステム構成及び各装置のハードウェア構成などは前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。実施形態2では、検品装置209が検品モードの時は、印刷装置107で白紙節約モードが設定できないようにする。
【0107】
図19は、実施形態2に係る印刷装置107の表示部225に表示される、プリンタの印刷設定を行うプリンタ設定画面の一例を示す図である。
【0108】
ここでは検品装置109が検品モードの時に、プリンタ設定画面の白紙節約項目と白紙節約設定画面表示ボタン1901はグレーアウトされ選択できない状態になっている。
【0109】
図20は、実施形態2に係る印刷装置107の処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、印刷装置107のCPU222がメモリ223に展開されたプログラムを実行することにより達成される。
【0110】
まずS2001でCPU222は、プリンタ設定画面の表示が指示されたかを判定する。プリンタ設定画面の表示が指示されたと判定した場合はS2002へ進み、そうでないときはS2001へ戻る。S2002でCPU222は、検品装置109が検品モードであるか判定する。ここで検品装置109が検品モードであると判定した場合はS2003へ進み、検品モードでないと判定した場合は、この処理を終了する。S2003でCPU222は、例えば
図19に示すように、白紙節約項目とボタン1901をグレーアウトし、白紙節約設定を変更できないようにして、この処理を終了する。
【0111】
以上説明したように実施形態2によれば、検品モードにおいて白紙節約モードが設定できないようにすることにより、登録している正解画像の順番と、検品対象の画像の順番とが異なってしまうという事態が生じるのを防止できるという効果がある。
【0112】
[その他の実施形態]
上述の実施形態1,2では、検品装置の設定は検品装置109の表示部241を用いて、検品ジョブの印刷指示は外部コントローラ102の表示部212を用いて行った。しかしながら本発明は、この構成に限らない。検品設定及び印刷指示は、外部コントローラ102、印刷装置107、検品装置109、クライアントPC103のいずれかで行えればよい。例えば、検品設定及び印刷指示の両方が、印刷装置107の表示部225を用いて行えるようにしてもよい。
【0113】
また実施形態1,2において、正解画像は外部コントローラ102のメモリ209と検品装置109のメモリ239に保持されていたが、例えば外部コントローラ102と検品装置109がアクセス可能なサーバ上に保持される構成でもよい。
【0114】
また上述の実施形態では、白紙節約機能の設定変更による不整合について説明したが、ジョブ毎や束毎の管理を行うための仕切り紙挿入機能の設定変更の場合にも適用できる。
【0115】
また上述の実施形態ではて、束毎の管理を行うために特定の部数ごとに仕切り紙を挿入するジョブを実行する場合、印刷装置107は、各ジョブの先頭に挿入する仕切り紙に対して正解画像に紐づくバーコードを印刷するように制御する。このような制御を行うことで、束間の仕切り紙の一部を、正解画像切り替え用紙として用いることができる。
【0116】
また上述の実施形態では、正解画像を登録する正解画像切り替え用紙と、検品対象の画像の用紙とを別々に検品装置に搬送して読み取りを行った。しかし本発明は、この構成に限らない。正解画像の登録時に検品装置に搬送する正解画像と紐づくバーコードと、検品対象の画像を同じ紙に印刷する構成でもよい。具体的には、検品対象の画像の用紙サイズよりも大きいサイズの紙に検品対象の画像を印刷し、その余白部分に正解画像に紐づくバーコードを印刷してもよい。そして検品装置109は、正解画像の領域とバーコードの領域をそれぞれトリミングして、正解画像を登録する構成でもよい。
【0117】
また上述の実施形態では、検品モードのときに、印刷装置が白紙節約モードの設定が指示されると警告したり、白紙節約モードの設定をできないようにしたが、この制御は例えば、外部コントローラ102が行ってもよい。要は、実施形態に係るシステムのいずれかの装置が実行するようにしてもよい。
【0118】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0119】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0120】
102…外部コントローラ、103…クライアントPC、107…印刷装置、108…インサータ、109…検品装置、110…大容量スタッカ、111…フィニッシャ