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  • 特許-基板洗浄装置および基板洗浄方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】基板洗浄装置および基板洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241107BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H01L21/304 642F
B08B3/02 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021039054
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022138907
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】圓山 洋介
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-311631(JP,A)
【文献】特開2012-216778(JP,A)
【文献】特開2013-131550(JP,A)
【文献】特開2005-142309(JP,A)
【文献】実開平03-038628(JP,U)
【文献】特開2010-103263(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0267040(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0240958(US,A1)
【文献】特開2008-211038(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096483(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/183260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板洗浄装置であって、
複数の基板を前記基板の厚み方向に並べて収容可能な処理槽と、
前記厚み方向に沿って延び、前記処理槽内に収容された前記基板に洗浄液を吐出する少なくとも1つのスプレー管と、
前記基板の外周縁部に沿って前記スプレー管を走査する走査機構と、を備え
前記スプレー管は、前記基板の第1の表面に前記洗浄液を吐出する第1ノズルと、前記第1の表面と反対側の前記基板の第2の表面に前記洗浄液を吐出する第2ノズルとを備え、
前記基板洗浄装置は、
前記処理槽内に配置され、前記基板を立てた状態で保持可能な複数の溝が前記厚み方向に間隔を空けて設けられた保持部と、
前記溝内に保持される前記基板の有無を検知し、検知結果に応じて前記第1ノズルおよび前記第2ノズルによる前記洗浄液の吐出の有無を制御する制御部と、を更に備える基板洗浄装置。
【請求項2】
前記スプレー管は、複数備えられており、
前記走査機構は、前記複数のスプレー管を前記基板の外周縁部に沿った複数の走査範囲のそれぞれで走査する、請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
記保持部に第2の洗浄液を吐出する吐出管を更に備える請求項1または2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記保持部に前記基板が保持されていることを検知した場合、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから前記洗浄液を吐出し、
前記保持部に前記基板が保持されていることを検知しなかった場合、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから前記洗浄液を吐出しない、
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記走査機構は、前記スプレー管を保持しながら前記基板の外周縁部に沿って走査するアーム部を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
基板処理方法であって、
処理槽内に複数の基板を前記基板の厚み方向に並べて収容し、
前記厚み方向に沿って延びる少なくとも1つのスプレー管を走査機構で前記基板の外周縁部に沿って走査しながら、前記スプレー管から前記基板に洗浄液を吐出すること、を含み、
前記スプレー管は、前記基板の第1の表面に前記洗浄液を吐出する第1ノズルと、前記第1の表面と反対側の前記基板の第2の表面に前記洗浄液を吐出する第2ノズルとを備え、
前記処理槽内に、前記基板を立てた状態で保持可能な複数の溝が前記厚み方向に間隔を空けて設けられた保持部が配置され、
前記基板処理方法は、前記溝内に保持される前記基板の有無を検知し、検知結果に応じて前記第1ノズルおよび前記第2ノズルによる前記洗浄液の吐出の有無を制御すること、を更に含む基板洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッチ式のウエハ洗浄装置では、洗浄液が貯留された処理槽からウエハを引き上げるときに、洗浄液を介してウエハの外周縁部からウエハの表面に異物が転写してしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-77377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板の表面への異物の付着を抑制することができる基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、基板洗浄装置は、処理槽と、少なくとも1つのスプレー管と、走査機構とを備える。処理槽は、複数の基板を基板の厚み方向に並べて収容可能である。スプレー管は、厚み方向に沿って延び、処理槽内に収容された基板に洗浄液を吐出する。走査機構は、基板の外周縁部に沿ってスプレー管を走査する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態による基板洗浄装置をウエハの面内方向に沿って切断したときの断面図である。
図2】第1の実施形態による基板洗浄装置をウエハの厚み方向に沿って切断したときの断面図である。
図3】第1の実施形態による基板洗浄方法を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態による基板洗浄方法を示す図である。
図5】第2の実施形態による基板洗浄装置をウエハの厚み方向に沿って切断したときの断面図である。
図6】第3の実施形態による基板洗浄装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1から図6において、同一または類似する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1実施形態による基板洗浄装置1をウエハWの面内方向に沿って切断したときの断面図である。図2は、第1の実施形態による基板洗浄装置1をウエハWの厚み方向に沿って切断したときの断面図である。図1に示すように、第1実施形態による基板洗浄装置1は、処理槽2と、上部可動スプレー管31と、左側部可動スプレー管32と、右側部可動スプレー管33と、固定スプレー管4と、吐出制御部6とを備える。また、基板洗浄装置1は、第1アーム部71と、第2アーム部72と、第3アーム部73と、走査制御部8と、治具9とを備える。
【0008】
処理槽2は、複数枚のウエハWをウエハWの厚み方向d(図2参照)に並べて収容可能である。図1に示される例において、処理槽2は、上端に開口部2aが設けられており、開口部2aを通して処理槽2に対してウエハWを上方から搬入または上方に搬出することができる。より詳しくは、処理槽2内において、ウエハWは治具9によって立てた状態で保持される。図2に示すように、治具9は、ウエハWを立てた状態で保持可能な複数のスロット溝91が厚み方向dに間隔を空けて設けられている。スロット溝91の溝方向は、厚み方向dに直交する。
【0009】
上部可動スプレー管31は、厚み方向dに沿って延び、ウエハWの上側外周縁部に沿った円弧状の第1走査範囲R1内を移動可能である。上部可動スプレー管31は、ウエハWの一方の表面に洗浄液L1を吐出する第1ノズル51と、ウエハWの他方の表面に洗浄液L1を吐出する第2ノズル52とを有する。ノズル51,52による洗浄液L1の吐出方向は、ウエハWの面内方向に対して傾斜していてもよい。上部可動スプレー管31は、洗浄液L1の供給源(図示せず)に連通されている。上部可動スプレー管31は、供給源から供給された洗浄液L1を、処理槽2内に収容されたウエハWに第1ノズル51および第2ノズル52を通して上方から吐出する。洗浄液L1としては、例えば、アンモニアおよび過酸化水素水を含有する薬液または純水が吐出されてもよく、または、薬液および純水が順に吐出されてもよい。ウエハWに吐出された洗浄液L1は、処理槽2の底部に設けられた排出口(図示せず)を通って処理槽2の外部に排出される。
【0010】
左側部可動スプレー管32は、厚み方向dに沿って延び、ウエハWの左側外周縁部に沿った円弧状の第2走査範囲R2内を移動可能である。上部可動スプレー管31と同様に、左側部可動スプレー管32も、第1ノズル51および第2ノズル52を有し、洗浄液L1の供給源に連通されている。左側部可動スプレー管32は、供給源から供給された洗浄液L1を、処理槽2内に収容されたウエハWに第1ノズル51および第2ノズル52を通して左方から吐出する。
【0011】
右側部可動スプレー管33は、厚み方向dに沿って延び、ウエハWの右側外周縁部に沿った円弧状の第3走査範囲R3内を移動可能である。上部可動スプレー管31と同様に、右側部可動スプレー管33も、第1ノズル51および第2ノズル52を有し、洗浄液L1の供給源に連通されている。右側部可動スプレー管33は、供給源から供給された洗浄液L1を、処理槽2内に収容されたウエハWに第1ノズル51および第2ノズル52を通して右方から吐出する。
【0012】
第1アーム部71は、上部可動スプレー管31を保持しながら第1走査範囲R1内で上部可動スプレー管31を走査する。第1アーム部71は、例えば、下端が上部可動スプレー管31に接続されたロボットアームで構成することができる。第1アーム部71は、厚み方向dに間隔を空けて複数設けられていてもよい。上部可動スプレー管31は、第1アーム部71によって第1走査範囲R1内を走査されながらウエハWに洗浄液L1を吐出する。
【0013】
第2アーム部72は、左側部可動スプレー管32を保持しながら第2走査範囲R2内で左側部可動スプレー管32を走査する。第2アーム部72は、例えば、下端が左側部可動スプレー管32に接続されたロボットアームで構成することができる。第2アーム部72は、厚み方向dに間隔を空けて複数設けられていてもよい。左側部可動スプレー管32は、第2アーム部72によって第2走査範囲R2内を走査されながらウエハWに洗浄液L1を吐出する。
【0014】
第3アーム部73は、右側部可動スプレー管33を保持しながら第3走査範囲R3内で右側部可動スプレー管33を走査する。第3アーム部73は、例えば、下端が右側部可動スプレー管33に接続されたロボットアームで構成することができる。第3アーム部73は、厚み方向dに間隔を空けて複数設けられていてもよい。右側部可動スプレー管33は、第3アーム部73によって第3走査範囲R3内を走査されながらウエハWに洗浄液L1を吐出する。
【0015】
固定スプレー管4は、処理槽2内に固定され、ノズル53を通して治具9に洗浄液L2を吐出する。治具9を石英で構成する場合、固定スプレー管4から吐出される洗浄液L2は希フッ酸であってもよい。
【0016】
吐出制御部6は、ノズル51,52,53による洗浄液L1,L2の吐出を制御する。吐出制御部6は、例えば、ノズル51,52,53毎に個別に設けられた複数の電磁弁と、各電磁弁の開閉を個別に通電制御する制御部とによって構成されていてもよい。
【0017】
走査制御部8は、アーム部71~73による可動スプレー管31~33の走査を制御する。走査制御部8は、例えば、モータ等の駆動源と、駆動源の駆動力をアーム部71~73に伝達するギア等の伝達機構と、駆動源を通電制御する制御部とで構成されていてもよい。
【0018】
次に、上記の基板洗浄装置1を適用した第1の実施形態による基板洗浄方法について説明する。図3は、第1の実施形態による基板洗浄方法を示すフローチャートである。図4は、第1の実施形態による基板洗浄方法を示す図である。
【0019】
先ず、図3に示すように、処理槽2内に治具9およびウエハWを設置する(ステップS1)。治具9およびウエハWの設置は、例えば、治具9を処理槽2内に設けられたリフタ(図示せず)で上昇させ、上昇された治具9上にロボットアームでウエハWを載置し、ウエハWが載置された治具9をリフタで降下させることで行ってもよい。
【0020】
次いで、アーム部71~73により、処理槽2内に可動スプレー管31~33を導入し、それぞれの走査範囲R1~R3の初期位置に可動スプレー管31~33を位置させる(ステップS2)。
【0021】
次いで、アーム部71~73によって可動スプレー管31~33を走査しながら、ノズル51,52を通して可動スプレー管31~33からウエハWに洗浄液L1を吐出させる(ステップS3)。このとき、上部可動スプレー管31を第1走査範囲R1の上端から左下端まで走査させた後に、左側部可動スプレー管32を第2走査範囲R2の上端から下端まで走査させてもよい。また、これらの一連の走査に前後して、上部可動スプレー管31を第1走査範囲R1の上端から右下端まで走査させた後に、右側部可動スプレー管33を第3走査範囲R3の上端から下端まで走査させてもよい。このように走査することで、ウエハWの表面から下方に向かって異物を効率的に除去することができる。なお、図4に示すように、ウエハWの洗浄の際には、治具9の洗浄は行われない。
【0022】
次いで、左側部可動スプレー管32および右側部可動スプレー管33による洗浄液L1の吐出を継続したまま、第1アーム部71によって処理槽2内から上部可動スプレー管31を退避させる(ステップS4)。
【0023】
次いで、左側部可動スプレー管32および右側部可動スプレー管33による洗浄液L1の吐出を継続したまま、処理槽2内からウエハWを搬出する(ステップS5)。図4に示すように、ウエハWの搬出は、ロボットアーム10で行われる。ウエハWを上方に搬出しながら左側部可動スプレー管32および右側部可動スプレー管33による洗浄液L1の吐出を継続することで、ウエハWの下端部から異物を効率的に除去することができる。なお、ロボットアーム10は、処理槽2内から搬出されたウエハWを、乾燥のために乾燥槽(図示せず)に搬送する。
【0024】
次いで、第2アーム部72によって処理槽2内から左側部可動スプレー管32を退避させるとともに、第3アーム部73によって処理槽2内から右側部可動スプレー管33を退避させる(ステップS6)。
【0025】
次いで、図4に示すように固定スプレー管4から洗浄液L2を吐出させることで、治具9を洗浄する(ステップS7)。
【0026】
以上述べたように、第1の実施形態によれば、ウエハWの外周縁部に沿って可動スプレー管31~33を走査しながら可動スプレー管31~33からウエハWに洗浄液L1を吐出することで、ウエハWの表面への異物の付着を抑制することができる。
【0027】
また、複数の可動スプレー管31~33を用いることで、ウエハWの洗浄時間を短縮することができる。可動スプレー管の個数は、3つに限定されない。なお、可動スプレー管を1つのみ設ける場合は、部品点数及びコストを削減することができる。
【0028】
また、可動スプレー管31~33がウエハWの一方の表面に洗浄液を吐出する第1ノズル51と他方の表面に洗浄液を吐出する第2ノズル52とを備えることで、ウエハWを適切に洗浄することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、スロット溝91内に保持されるウエハWの有無に応じて第1ノズル51および第2ノズル52による吐出を制御する第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態による基板洗浄装置1を示す側面側の断面図である。
【0030】
第2の実施形態において、吐出制御部6は、未処理のウエハWを処理槽2側に搬送する搬送装置(図示せず)から、各スロット溝91内に保持されるウエハWの有無を示す信号を受信する。吐出制御部6は、受信された信号に基づいて、各スロット溝91内に保持されるウエハWの有無を検知する。吐出制御部6は、検知結果に応じて、第1ノズル51および第2ノズル52による洗浄液L1の吐出の有無を制御する。具体的には、図5に示すように、吐出制御部6は、ウエハWが保持されるスロット溝91に対応する第1ノズル51および第2ノズル52には、洗浄液L1の吐出を指示するON信号を出力して洗浄液L1を吐出させる。ON信号は、例えば、電磁弁を開放するための信号であってもよい。一方、吐出制御部6は、ウエハWが保持されないスロット溝91に対応する第1ノズル51および第2ノズル52には、ON信号を出力せずに洗浄液を吐出させない。
【0031】
第2の実施形態によれば、不要なノズル51,52の駆動を防止することができるので、電力消費量および薬液使用量を削減することができる。
【0032】
(第3の実施形態)
次に、可動スプレー管31~33の走査を案内するガイド部11を備えた第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態による基板体洗浄装置1を示す斜視図である。図6に示すように、第3の実施形態において、第1アーム部71の下端には、上部可動スプレー管31の走査を案内する円弧状のガイド部11が設けられている。ガイド部11は、例えば、処理槽2側に設けられたガイド部11に倣った形状の構造体12に接触しながら構造体12に沿って摺動することで、第1アーム部71による上部可動スプレー管31の走査をガイドしてもよい。第1アーム部71と同様に、第2アーム部72および第3アーム部73にもガイド部11が設けられている。各アーム部71~73のガイド部11は、ウエハWの周方向において互いに干渉し合わないように、ウエハWの厚み方向に位置がずれている。なお、ガイド部11は、アーム部71~73による可動スプレー31~33の走査を案内するガイド溝であってもよい。
【0033】
第3の実施形態によれば、ガイド部11によって可動スプレー管31~33の走査を案内することで、ウエハWの洗浄をより適切に行うことができる。
【0034】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【0035】
(付記)
(1)複数の基板を前記基板の厚み方向に並べて収容可能な処理槽と、
前記厚み方向に沿って延び、前記処理槽内に収容された前記基板に洗浄液を吐出する少なくとも1つのスプレー管と、
前記基板の外周縁部に沿って前記スプレー管を走査する走査機構と、を備える基板洗浄装置。
(2)前記スプレー管は、複数備えられており、
前記走査機構は、前記複数のスプレー管を前記基板の外周縁部に沿った複数の走査範囲のそれぞれで走査する、(1)に記載の基板洗浄装置。
(3)前記スプレー管は、前記基板の第1の表面に前記洗浄液を吐出する第1ノズルと、前記第1の表面と反対側の前記基板の第2の表面に前記洗浄液を吐出する第2ノズルとを備える、(1)または(2)に記載の基板洗浄装置。
(4)前記処理槽内に配置され、前記基板を立てた状態で保持可能な複数の溝が前記厚み方向に間隔を空けて設けられた保持部と、
前記溝内に保持される前記基板の有無を検知し、検知結果に応じて前記第1ノズルおよび前記第2ノズルによる前記洗浄液の吐出の有無を制御する制御部と、を更に備える(3)に記載の基板洗浄装置。
(5)前記処理槽内に配置され、前記基板を立てた状態で保持可能な複数の溝が前記厚み方向に間隔を空けて設けられた保持部と、
前記保持部に第2の洗浄液を吐出する吐出管と、を更に備える(1)~(4)のいずれかに記載の基板洗浄装置。
(6)前記走査機構は、前記スプレー管を保持しながら前記基板の外周縁部に沿って走査するアーム部を備える(1)~(5)のいずれかに記載の基板洗浄装置。
(7)前記走査機構は、前記スプレー管の走査を案内するガイド部を更に備える(6)に記載の基板洗浄装置。
(8)処理槽内に複数の基板を前記基板の厚み方向に並べて収容し、
前記厚み方向に沿って延びる少なくとも1つのスプレー管を走査機構で前記基板の外周縁部に沿って走査しながら、前記スプレー管から前記基板に洗浄液を吐出すること、を含む基板洗浄方法。
(9)前記基板の収容は、前記基板を立てた状態で保持可能な複数の溝が前記厚み方向に間隔を空けて設けられた保持部によって前記基板を立てた状態で行われ、
前記外周縁部に沿った走査は、前記基板の上方側の第1走査範囲を走査する第1のスプレー管と、前記基板の側方側の第2走査範囲を走査する第2のスプレー管とで行われ、
前記基板洗浄方法は、
前記処理槽内から上方に前記第1のスプレー管を退避させ、
前記第1のスプレー管が退避された後に、前記第2のスプレー管に前記洗浄液の吐出を継続させながら前記処理槽内から上方に前記基板を搬出することを更に含む、(8)に記載の基板洗浄方法。
(10)前記基板が搬出された後に前記処理槽内から上方に前記第2のスプレー管を退避させ、
前記第2のスプレー管が退避された後に吐出管から前記保持部に第2の洗浄液を吐出すること、を更に含む(9)に記載の基板洗浄方法。
(11)前記外周縁部に沿った走査は、前記第1のスプレー管を前記第1走査範囲の上端から下端まで走査させた後に、前記第2のスプレー管を前記第2走査範囲の上端から下端まで走査させることを含む、(9)または(10)に記載の基板洗浄方法。
【符号の説明】
【0036】
2:処理槽、31:上部可動スプレー管、32:左側部可動スプレー管、33:右側部可動スプレー管、71:第1アーム部、72:第2アーム部、73:第3アーム部
図1
図2
図3
図4
図5
図6