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特許7583660離型フィルム、及び、離型フィルムの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】離型フィルム、及び、離型フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/68 20060101AFI20241107BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B29C33/68
B32B27/00 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021057586
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154514
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】森下原 卓
(72)【発明者】
【氏名】小屋原 宏明
(72)【発明者】
【氏名】川原 良介
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-058691(JP,A)
【文献】特開2020-066174(JP,A)
【文献】特開2008-246882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/68
B32B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの離型層を有する離型フィルムであって、
前記離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の標準偏差が1万以下である
ことを特徴とする離型フィルム。
【請求項2】
前記離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の最大値が4万以下であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
【請求項3】
前記離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の最大値と最小値との差が3万以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記離型層は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の離型フィルム。
【請求項5】
前記芳香族ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有することを特徴とする請求項4記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記離型層を構成する樹脂に占める前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合が75重量%以上であることを特徴とする請求項5記載の離型フィルム。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6記載の離型フィルムを製造する方法であって、
少なくとも1つの離型層を有する原反フィルムを作製する工程(1)と、
得られた原反フィルムにおける離型層の表面にエンボス処理を施す工程(2)とを有する
ことを特徴とする離型フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルムに関する。また、本発明は、該離型フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板、フレキシブル回路基板、多層プリント配線板等の製造工程において離型フィルムが使用されている。
フレキシブル回路基板の製造工程においては、銅回路を形成したフレキシブル回路基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを介してカバーレイフィルムが熱プレス接着される。このとき、カバーレイフィルムと熱プレス板との間に離型フィルムを配置することで、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着するのを防止することができ、また、接着剤が染み出して電極部のめっき処理の障害となる等の不具合を防止することができる(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-283862号公報
【文献】特開2009-132806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような離型フィルムには、熱プレスでの使用時にシワが発生するという課題がある。熱プレス接着の際に離型フィルムにシワが発生すると、発生したシワがフレキシブル回路基板に転写し、不良の発生等につながるおそれがある。
【0005】
本発明は、加熱時にシワが発生しにくい離型フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該離型フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つの離型層を有する離型フィルムであって、該離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の標準偏差が1万以下である離型フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明者らは、加熱時にシワが発生する原因について検討した結果、離型フィルムに製造工程でかかった応力(歪み)が残留することで、加熱時にこのような残留歪みに起因した不均等な収縮が生じ、シワを発生させることを見出した。本発明者らは、このような残留歪みの集中又は配向を抑える(残留歪みを分散させる)ことを検討し、残留歪みの集中又は配向の度合いを示す指標として、離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の標準偏差を用いることを検討した。本発明者らは、離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の標準偏差を一定値以下に調整することで、加熱時のシワの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の離型フィルムは、少なくとも1つの離型層を有する離型フィルムであって、該離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の標準偏差の上限が1万である。
上記残留歪み配向指数の標準偏差は、離型フィルムの残留歪み(製造工程でかかった応力)の集中又は配向の度合いを示す指標である。上記残留歪み配向指数の標準偏差が1万以下であれば、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向の度合いが小さくなり、加熱時に残留歪みに起因した不均等な収縮が生じることを抑えることができるため、離型フィルムは加熱時にシワが発生しにくいものとなる。上記残留歪み配向指数の標準偏差の好ましい上限は5000、より好ましい上限は4000である。上記残留歪み配向指数の標準偏差の下限は特に限定されず、0に近いほど、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向の度合いが小さくなるため好ましい。
【0009】
なお、離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像は、例えば、偏光顕微鏡(例えば、オリンパス社製、「BX53M」及び「OLYMPUS Stream Basic ver2.4」等)を用いて下記条件にて撮影できる。なお、傷等が存在する部分は避けて撮影し、画像ファイルはTIFF形式で圧縮せずに保存する。
微分干渉スライダー:あり
倍率:4倍
露光条件:オートモード
感度:ISO200
露出補正:0
解像度:1920×1440(視野:3.55716mm×2.64942mm)
アスペクト比:標準
ホワイトバランスモード:オート(高)
【0010】
得られた偏光顕微鏡観察画像の解析は、例えば、ソフト(例えば、NIH製、ソフト「ImageJ ver1.52p」、プラグイン「OrientationJ ver2.0.4」等)を用いて下記のように行うことができる。
まず、「ImageJ ver1.52p」にて、得られた偏光顕微鏡観察画像を8-bit画像に変換する。次いで、「OrientationJ ver2.0.4」の「Orientation Distribution」にて、Local Window σ:4pixel、Gradient:Cubic Splineの条件にて5枚の画像の解析(輝度解析)を行う。解析により得られた、横軸を「Orientation in Degrees」、縦軸を「Distribution of orientation」とするヒストグラムにおいて、縦軸の値を「残留歪み配向指数」とする。得られた「残留歪み配向指数」のデータをソフト「Microsoft Office Standard 2016 Excel」に取り込み、その標準偏差を算出する。なお、標準偏差の算出には、離型フィルムの任意の5箇所を撮影した5枚の画像を用いる。すなわち、5枚の画像それぞれについて「残留歪み配向指数」の標準偏差を算出し、それらを平均した値を採用する。
【0011】
本発明の離型フィルムは、該離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の最大値は特に限定されないが、好ましい上限が4万である。
上記残留歪み配向指数の最大値が4万以下であれば、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向の度合いがより小さくなり、離型フィルムは加熱時にシワがより発生しにくいものとなる。上記残留歪み配向指数の最大値のより好ましい上限は3万である。
【0012】
本発明の離型フィルムは、該離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を解析して得た残留歪み配向指数の最大値と最小値との差は特に限定されないが、好ましい上限が3万である。
上記残留歪み配向指数の最大値と最小値との差が3万以下であれば、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向の度合いがより小さくなり、離型フィルムは加熱時にシワがより発生しにくいものとなる。上記残留歪み配向指数の最大値と最小値との差のより好ましい上限は1万5000である。上記残留歪み配向指数の最大値と最小値との差の下限は特に限定されないが、差が小さいほど、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向の度合いが小さくなるため好ましい。
【0013】
上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する方法は特に限定されず、例えば、離型フィルムを構成する樹脂を選択したうえで離型フィルムを製造する際の条件を調整する方法が挙げられる。
具体的には例えば、少なくとも1つの離型層を有する原反フィルムを作製する工程(1)と、得られた原反フィルム(冷却後)における離型層の表面にエンボス処理を施す工程(2)とを有する離型フィルムの製造方法において、上記工程(1)において原反フィルムを成膜する際に高温で離型層の表面にエンボス処理を施す方法が挙げられる。また、上記工程(2)のエンボス処理において、線速を下げることで金属ロールからの熱伝播を増大させる方法、金属ロール温度(加熱温度)を上げる方法、金属ロールのRzを大きくする方法等も挙げられる。これらの方法によれば、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向を抑える(残留歪みを分散させる)ことができる。なかでも、残留歪みの集中又は配向をより抑えることができることから、上記工程(2)のエンボス処理において、線速を下げる、金属ロール温度(加熱温度)を上げる、又は、金属ロールのRzを大きくする方法が好ましい。
【0014】
上記離型層を構成する樹脂は特に限定されないが、離型フィルムの離型性が向上することから、ポリエステル、ポリオレフィン又はポリスチレンが好ましい。
上記ポリエステルは、芳香族ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。上記ポリオレフィンは、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)又は脂環式オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。上記ポリスチレンは、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有することが好ましい。なかでも、凹凸への追従性に優れ、カバーレイフィルムに形成された接着剤の染み出し防止性に優れることから、上記離型層は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。
【0015】
上記芳香族ポリエステル樹脂は特に限定されないが、結晶性芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体等が挙げられる。これらの芳香族ポリエステル樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、耐熱性、離型性、凹凸への追従性、加熱時のシワ抑制等のバランスの観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体との混合樹脂も好ましい。上記脂肪族ポリエーテルは特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0016】
上記芳香族ポリエステル樹脂は、フィルム成膜性の観点から、メルトボリュームフローレートが30cm/10min以下であることが好ましく、20cm/10min以下であることがより好ましい。なお、メルトボリュームフローレートは、ISO1133に従って、測定温度250℃、荷重2.16kgで測定することができる。
【0017】
上記芳香族ポリエステル樹脂のうち、市販されているものとして、例えば、「ペルプレン(登録商標)」(東洋紡社製)、「ハイトレル(登録商標)」(東レ・デュポン社製)、「ジュラネックス(登録商標)」(ポリプラスチックス社製)、「ノバデュラン(登録商標)」(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)等が挙げられる。
【0018】
上記ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含有するポリオレフィンには、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)樹脂が90重量%以上含有されていることが好ましい。
上記ポリ(4-メチル-1-ペンテン)樹脂は、例えば、三井化学社製の商品名TPX(登録商標)等の市販品を用いることができる。
【0019】
上記脂環式オレフィン系樹脂とは、主鎖又は側鎖に環状脂肪族炭化水素を有するオレフィン系樹脂であり、耐熱性、強度等の点から、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が好ましい。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂として、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体又は開環共重合体を、(必要に応じてマレイン酸付加やシクロペンタジエン付加のような変性を行った後に)水素添加した樹脂が挙げられる。また、ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα-オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6-ジヒドロジシクロペンタジエン等の環状オレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂が挙げられる。更に、これらの樹脂の変性物等も挙げられる。
【0020】
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有するポリスチレンには、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が70重量%以上、90重量%以下含有されていることが好ましい。
なお、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とは、シンジオタクチック構造、即ち、炭素-炭素シグマ結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体規則構造を有する樹脂である。
【0021】
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、特に限定されない。例えば、ラセミダイアッドで75%以上、又は、ラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)等が挙げられる。また、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、これらを主成分とする共重合体等が挙げられる。上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、例えば、出光興産社製の商品名ザレック(登録商標)(XAREC(登録商標))等の市販を用いることができる。
【0022】
上記離型層は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とエラストマーを含む混合樹脂を含有するものであってもよい。上記エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体等が挙げられる。上記脂肪族ポリエーテルは特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0023】
上記離型層を構成する樹脂に占める上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合は特に限定されないが、75重量%以上であることが好ましい。上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合が75重量%以上であれば、離型フィルムの離型性が向上する。上記離型層を構成する樹脂に占める上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合のより好ましい下限は80重量%である。
【0024】
上記離型層は、ゴム成分を含有してもよい。上記離型層がゴム成分を含有することにより、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。
上記ゴム成分は特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。また、上記ゴム成分として、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0025】
上記離型層は、安定剤を含有してもよい。
上記安定剤は特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、熱安定剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は特に限定されず、例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニロキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。
上記熱安定剤は特に限定されず、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2-t-ブチル-α-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-p-クメニルビス(p-ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’-チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0026】
上記離型層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
【0027】
上記離型層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は40μmである。上記離型層の厚みが10μm以上であれば、離型フィルムの耐熱性が向上する。上記離型層の厚みが40μm以下であれば、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層の厚みのより好ましい下限は15μm、より好ましい上限は30μmである。
【0028】
本発明の離型フィルムは、上記離型層のみから構成される単層構造であってもよく、上記離型層以外の層を有する多層構造であってもよい。
【0029】
本発明の離型フィルムは、更にクッション層を有することが好ましい。上記クッション層を有することにより、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。
上記クッション層を有する場合、本発明の離型フィルムは、少なくとも1つの離型層とクッション層とを有してればよく、2層構造であってもよいし、3層以上の構造であってもよい。なかでも、クッション層の両側に離型層を有する構造を有することが好ましい。この場合、両側の離型層は同じ樹脂組成であってもよいし、異なる樹脂組成であってもよく、また、両側の離型層は同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。
また、本発明の離型フィルムは、離型層とクッション層とが直接接して一体化している構造であってもよいし、離型層とクッション層とが接着層を介して一体化している構造であってもよい。
【0030】
上記クッション層を構成する樹脂は特に限定されないが、上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂を含有することが好ましい。
上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂を含有することにより、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記クッション層は、上記離型層の主成分樹脂を含有することがより好ましく、上記離型層の主成分樹脂及びポリオレフィン樹脂を含有することが更に好ましい。ここで、上記離型層の主成分樹脂とは、上記離型層に含まれる樹脂の中で含有量が最も多い樹脂のことを意味する。
【0031】
上記クッション層における上記離型層を構成する樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が50重量%である。上記離型層を構成する樹脂の含有量が10重量%以上であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記離型層を構成する樹脂の含有量が50重量%以下であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層を構成する樹脂の含有量のより好ましい下限は20重量%、更に好ましい下限は25重量%である。上記離型層を構成する樹脂の含有量のより好ましい上限は40重量%、更に好ましい上限は35重量%である。
【0032】
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体等のエチレン-アクリル系モノマー共重合体等も挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、凹凸への追従性と耐熱性を両立させやすいことから、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0033】
上記クッション層における上記ポリオレフィン樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が50重量%、好ましい上限が90重量%である。上記ポリオレフィン樹脂の含有量が50重量%以上であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂の含有量が90重量%以下であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂の含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は65重量%である。上記ポリオレフィン樹脂の含有量のより好ましい上限は80重量%、更に好ましい上限は75重量%である。
【0034】
上記クッション層は、更に、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等の樹脂を含有してもよい。
上記クッション層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
【0035】
上記クッション層は、単独の層からなる単層構造であってもよいし、複数の層の積層体からなる多層構造であってもよい。クッション層が多層構造である場合は、複数の層が接着層を介して積層一体化していてもよい。
【0036】
上記クッション層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は15μm、好ましい上限は200μmである。上記クッション層の厚みが15μm以上であれば、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記クッション層の厚みが200μm以下であれば、熱プレス接着時におけるフィルム端部で生じる上記クッション層からの樹脂の染み出しを抑制できる。上記クッション層の厚みのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は150μmである。
【0037】
本発明の離型フィルムを製造する方法は、特に限定されない。本発明の離型フィルムを製造する方法としては、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、少なくとも1つの離型層を有する原反フィルムを作製する工程(1)と、得られた原反フィルム(冷却後)における離型層の表面にエンボス処理を施す工程(2)とを有する方法が好ましい。このような離型フィルムの製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、上記工程(1)において原反フィルムを成膜する際に高温で離型層の表面にエンボス処理を施すときの条件によっては、上記工程(2)は行わなくても上記残留歪み配向指数の標準偏差を上記範囲に調整することができ、離型フィルムは加熱時にシワが発生しにくいものとなる。
【0038】
上記工程(1)において、上記原反フィルムを作製する方法は特に限定されず、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜する方法、溶剤キャスティング法、熱プレス成形法等が挙げられる。
上記クッション層の両側に上記離型層を有する構造を有する場合には、一方の離型層となるフィルムを作製した後、このフィルムにクッション層となるフィルムを押出ラミネート法にて積層し、次いで他方の離型層となるフィルムをドライラミネーションする方法が挙げられる。また、一方の離型層となるフィルム、クッション層となるフィルム及び他方の離型層となるフィルムをドライラミネーションする方法が挙げられる。
なかでも、各層の厚み制御に優れる点から、共押出Tダイ法で成膜する方法が好適である。
【0039】
上記工程(1)においては、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、上述したように原反フィルムを成膜する際に高温で離型層の表面にエンボス処理を施すことが好ましい。
このとき、使用する金属ロールのRzは特に限定されないが、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は10μm、好ましい上限は50μmである。上記金属ロールのRzのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は40μmである。このような条件であれば、上記工程(2)は行わなくても上記残留歪み配向指数の標準偏差を上記範囲に調整することができ、離型フィルムは加熱時にシワが発生しにくいものとなる。また、上記工程(1)においては、原料樹脂が充分に溶融していることが好ましい。このときの樹脂温度は、特に限定されないが、樹脂の融点以上、樹脂の分解温度以下であることが好ましく、より具体的には例えば、樹脂の融点よりも10~20℃高い温度であることが好ましい。
なお、上記工程(2)を行う場合は、上記工程(1)における金属ロールのRz及び樹脂温度は特に限定されず、上述した範囲を満たしていなくてもよい。
【0040】
上記工程(2)のエンボス処理の方法は特に限定されず、例えば、エンボスロール法等の従来公知の方法が挙げられる。このようなエンボス処理により、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向を抑える(残留歪みを分散させる)ことができ、離型フィルムの視認性やハンドリング性(裏表の判別や滑り性)を向上させたり、離型フィルム同士のブロッキングを抑制したりすることもできる。また、エンボス処理は、離型フィルムの両面に施してもよい。離型フィルムの両面がエンボス処理されていることにより、離型フィルムの残留歪みの集中又は配向をより抑えることができ、離型フィルムの視認性やハンドリング性、耐ブロッキング性を更に向上させることができる。
【0041】
上記工程(2)のエンボス処理においては、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、上述したように線速を下げる、金属ロール温度(加熱温度)を上げる、又は、金属ロールのRzを大きくすることが好ましい。
上記工程(2)のエンボス処理において、線速は特に限定されないが、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は3m/min、好ましい上限は30m/minであり、より好ましい下限は5m/min、より好ましい上限は20m/minである。また、金属ロール温度(加熱温度)は特に限定されないが、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は50℃、好ましい上限は160℃であり、より好ましい下限は100℃、より好ましい上限は140℃である。また、使用する金属ロールのRzは特に限定されないが、上記残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差を上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は30μm、好ましい上限は50μmであり、より好ましい下限は35μm、より好ましい上限は40μmである。
【0042】
なお、工程(1)又は(2)における金属ロールのRzとは、JIS B0601:2001に規定される表面粗さRzを意味し、例えば、Mitutoyo社製のサーフテストSJ-301等を用いて測定することができる。
【0043】
本発明の離型フィルムの製造方法においては、得られた原反フィルムにおける離型層の表面を摩擦処理する工程(3)を行ってもよい。このような摩擦処理により、離型フィルムの凹凸への追従性、加熱時のシワ抑制等を損なうことなく離型性を向上させることができる。
上記工程(3)は、上記工程(2)の後に行われてもよいが、離型フィルムの凹凸への追従性、加熱時のシワ抑制等を損なうことなく離型性を向上させる観点から、上記工程(1)と上記工程(2)との間に行われることが好ましい。
【0044】
本発明の離型フィルムの用途は特に限定されないが、プリント配線基板、フレキシブル回路基板、多層プリント配線板等の製造工程において好適に用いることができる。
具体的には例えば、フレキシブル回路基板の製造工程において、銅回路を形成したフレキシブル回路基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを介してカバーレイフィルムを熱プレス接着する際に本発明の離型フィルムを用いることができる。
本発明の離型フィルムは、高い離型性が求められるRtoR方式によるフレキシブル回路基板の製造にも好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、加熱時にシワが発生しにくい離型フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該離型フィルムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】実施例1で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像である。
図2】実施例1で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像から得られたヒストグラムである。
図3】実施例1で得られた離型フィルムの加熱試験後の観察画像である。
図4】比較例4で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像である。
図5】比較例4で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像から得られたヒストグラムである。
図6】比較例4で得られた離型フィルムの加熱試験後の観察画像である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0048】
(実施例1)
(1)樹脂組成物の調製
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)70重量部と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体(PBT/PTMG共重合体)30重量部とを混合し、離型層用樹脂組成物を得た。
一方、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(離型層の主成分樹脂)20重量部と、ポリプロピレン樹脂(PP)40重量部と、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)40重量部とを混合し、クッション層用樹脂組成物を得た。
【0049】
(2)工程(1)(原反フィルム作製工程)
離型層用樹脂組成物、及び、クッション層用樹脂組成物を押出機(ジーエムエンジニアリング社製、GM30-28(スクリュー径30mm、L/D28))を用いてTダイ幅400mmにて三層共押出した。これにより、クッション層(厚み70μm)の両側に離型層(片面の厚み25μm)を有する3層構造の原反フィルムを得た。共押出の際、押出された樹脂を樹脂温度250℃において金属ロール(Rz=0.03μm)とピンチロール(Rz=5μm)とで0.2MPaの圧力でピンチしながら成膜することで、離型層の表面にエンボス処理を施した。
【0050】
(3)工程(2)(エンボス工程)
得られた原反フィルムをエンボス処理機(由利ロール社製)で2MPaの圧力で押圧し、離型層の表面にエンボス処理を施し、離型フィルムを得た。エンボス処理の際には、金属ロール(Rz=40μm)を用い、線速5m/min、金属ロール温度(加熱温度)110℃とした。
【0051】
(4)残留歪み配向指数の標準偏差、最大値、及び、最大値と最小値との差の算出
離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を、偏光顕微鏡(オリンパス社製、「BX53M」及び「OLYMPUS Stream Basic ver2.4」)を用いて下記条件にて撮影した。なお、傷等が存在する部分は避けて撮影し、画像ファイルはTIFF形式で圧縮せずに保存した。
微分干渉スライダー:あり
倍率:4倍
露光条件:オートモード
感度:ISO200
露出補正:0
解像度:1920×1440(視野:3.55716mm×2.64942mm)
アスペクト比:標準
ホワイトバランスモード:オート(高)
【0052】
得られた偏光顕微鏡観察画像の解析を、ソフト(NIH製、ソフト「ImageJ ver1.52p」、プラグイン「OrientationJ ver2.0.4」)を用いて下記のように行った。
まず、「ImageJ ver1.52p」にて、得られた偏光顕微鏡観察画像を8-bit画像に変換した。次いで、「OrientationJ ver2.0.4」の「Orientation Distribution」にて、Local Window σ:4pixel、Gradient:Cubic Splineの条件にて5枚の画像の解析(輝度解析)を行った。解析により得られた、横軸を「Orientation in Degrees」、縦軸を「Distribution of orientation」とするヒストグラムにおいて、縦軸の値を「残留歪み配向指数」とした。得られた「残留歪み配向指数」のデータをソフト「Microsoft Office Standard 2016 Excel」に取り込み、その標準偏差を算出した。なお、標準偏差の算出には、離型フィルムの任意の5箇所を撮影した5枚の画像を用いた。すなわち、5枚の画像それぞれについて「残留歪み配向指数」の標準偏差を算出し、それらを平均した値を採用した。
標準偏差と同様にして、ソフト「Microsoft Office Standard 2016 Excel」により「残留歪み配向指数」の最大値、及び、最大値と最小値との差を算出した。
【0053】
(実施例2~7、比較例1~5)
工程(1)(原反フィルム作製工程)及び工程(2)(エンボス工程)の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。
なお、図1に実施例1で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を示し、図2に実施例1で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像から得られたヒストグラムを示す。同様に、図4に比較例4で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像を示し、図5に比較例4で得られた離型フィルムの偏光顕微鏡観察画像から得られたヒストグラムを示す。
【0054】
<評価>
実施例及び比較例で得られた離型フィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0055】
(1)加熱時のシワの発生の評価
(1-1)下敷きの作製
300mm四方のクッション紙の上に、200mm四方にカットしたカバーレイフィルム(ニッカン工業社製、CISV-2535)を置き、スライド式真空ヒータープレス(ミカドテクノス社製、MKP-3000v-MH-ST)を用いて圧力30kgf、180℃の条件で6分間プレスを行った。
【0056】
(1-2)サンプル作製
得られた離型フィルムを60mm×120mmの大きさにカットした。重さ約200g、63mm×63mm×6mmのSUS板に、常温の状態で離型フィルムを巻き付け、両端をテープで固定した。なお、このとき用いるテープは、180℃の熱に耐えられるものが好ましい。
【0057】
(1-3)加熱試験
ホットプレート(AS ONE社製、ND-2)上に上記で作製した下敷きを敷き、設定温度180℃で加熱した。モニター上の実測温度が180℃になり充分に安定してから、上記で作製したサンプルを下敷きの上に静置し、5分間加熱した。その後、ホットプレート及び下敷きからサンプルを離し、その直後に離型フィルムが破れないようにテープを静かに外し、SUS板から離型フィルムを離した。離型フィルムが常温になるまで充分に放置した。
なお、図3及び図6に、このような加熱試験後の離型フィルムの観察画像の一例を示す。図3は実施例1で得られた離型フィルムの加熱試験後の観察画像であり、シワの発生は認められない。図6は比較例4で得られた離型フィルムの加熱試験後の観察画像であり、加熱によりシワが発生している。
【0058】
(1-4)シワの測定
加熱試験後の離型フィルムを硝子板上に置き、離型フィルムの両端におもりを置いて硝子板にぴったりと付けた状態とした。Mitutoyo社製のサーフテストSJ-301を用い、λcを8mm、レンジを350μmに設定して、JIS B0601:2001に準拠して離型フィルムの表面粗さRzを測定した。測定は任意の5箇所について行い、5つの測定値のうち、値が大きい3つの測定値を採用し、それらの平均値を(A)とした。
同様の測定を加熱試験前の離型フィルムについても行い、得られた平均値を(B)とした。値(A)/(B)を計算し、その解(C)が2.00以下であった場合を〇、2.00を超えた場合を×と判定した。なお、(C)は、小数第3位を四捨五入するものとした。
【0059】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、加熱時にシワが発生しにくい離型フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該離型フィルムの製造方法を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6