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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】梱包材
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/62 20060101AFI20241107BHJP
   E04B 1/66 20060101ALI20241107BHJP
   E04G 21/24 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
E06B1/62 Z
E04B1/66 A
E04G21/24 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021147672
(22)【出願日】2021-09-10
(65)【公開番号】P2023040583
(43)【公開日】2023-03-23
【審査請求日】2024-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 寿志
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-168056(JP,A)
【文献】特開2009-286476(JP,A)
【文献】特開2018-39517(JP,A)
【文献】特開2005-193930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
E04B 1/62- 1/99
E04G 21/24
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシの枠材を梱包する梱包材であって、基材と防水シートを備え、
防水シートは、基材の内面に設けてあり、サッシを取り付ける建物の躯体開口部で下枠との間及び室外側面を覆うのに用いることができることを特徴とする梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包材に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシの枠材を段ボール(梱包材)で梱包していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
係る梱包材に、付加価値を付けることが求められていた。
そこで、本発明は、付加価値を付けることができる梱包材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、サッシの枠材を梱包する梱包材であって、基材と防水シートを備え、防水シートは、基材の内面に設けてあり、サッシを取り付ける建物の躯体開口部で下枠との間及び室外側面を覆うのに用いることができることを特徴とする梱包材である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、梱包材を開梱してサッシの枠材を取り出してサッシ枠を組み立てた後、サッシ枠を躯体開口部に設置する際に、梱包材の内面に設けた防水シートを、躯体開口部の下枠との間及び室外側面を覆うのに用いることができるから、梱包材を防水シートの保持具として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態にかかる梱包材の図であり、(a)はサッシの枠材を梱包した梱包材の斜視図、(b)は開梱して取り出した内包枠材と内包付属品の斜視図、(c)は梱包材を展開した斜視図、(d)は梱包材から分離した防水シートの斜視図、(e)は梱包材から防水シートを分離した基材の斜視図である。
図2】(a)は図1(c)に示すI-I断面図、(b)は(a)において防水シートを分離した断面図である。
図3】防水シートの平面図である。
図4】防水シートをサッシ枠に取り付ける各部位に分離した平面図である。
図5】躯体開口部に取り付けたサッシの縦断面図である。
図6】躯体開口部に取り付けたサッシの横断面図である。
図7】サッシ枠に防水シートを取り付ける工程を示す図であり、サッシ枠の左側部分を室内側斜め上側から見た斜視図である。
図8】サッシ枠に防水シートを取り付けた状態を示す図であり、サッシ枠の左側部分を室内側斜め上側から見た斜視図である。
図9】サッシ枠に防水シートを取り付ける工程を示す図であり、サッシ枠の左側部分を室内側斜め下側から見た斜視図である。
図10】サッシ枠に防水シートを取り付けた状態を示す図であり、サッシ枠の左側部分を室内側斜め下側から見た斜視図である。
図11】サッシ枠の設置手順を示す斜視図であって、防水シートを取り付けたサッシ枠を躯体開口部に納める前の状態を室外側から見た図である。
図12】サッシ枠の設置手順を示す斜視図であって、防水シートを取り付けたサッシ枠を躯体開口部に納めた状態を室外側から見た図である。
図13】サッシ枠の設置手順を示す斜視図であって、サッシ枠の周りに透湿防水シートを取り付ける工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び2に示すように、梱包材1は、サッシ3(図5及び図6参照)の枠材5を梱包する梱包材であって、基材7と防水シート7aを備えている。
図1(a)に示すように、梱包材1を組み立てた外包体1aは略直方体を成し、図1(b)に示すように、外包体1aを開梱した中には、サッシ3の枠材5を包んだサッシ枠包装体1bと、サッシ3を組み立てるネジ等の付属品を包んだ付属品包装体1cとが収納されている。
この実施形態では、基材7は、図2(a)(b)に示すように、内壁7aと外壁7bと、内壁7aと外壁7bとの間に設けた中間材7cとを重ねて形成されている段ボールであり、内壁7aは、合成樹脂等によりなる柔軟なシート状の防水シート7aからなる。
基材7は、梱包材として用いた後に、内壁である防水シート7aを外壁7b及び中間材7cから剥がして、内壁7aを単体の防水シート7aに分離できるようになっている。
【0008】
図3及び図4に示すように、防水シート7aは、サッシ枠13に取り付ける各部位に応じた形状に分離できるように、ミシン目11が形成されている。
符号A、B、C、Dはサッシ枠13のコーナー29(図7参照)に取り付けられるコーナー部位であり、符号E、Fは上枠5a及び下枠5bのフィン21(図7参照)に取り付けられる横枠部位であり、符号G、Hは左右の縦枠5cのフィン21(図7参照)に取り付けられる縦枠部位である。防水シート7aの各部位A~Hの取り付けについては、後述する。
【0009】
図5及び図6に示すように、サッシ3は、木造住宅の引き違い窓に適用したものであって、躯体12の開口部12aに取り付けられるサッシ枠13と、サッシ枠13内に引違いで開閉自在に設けた外障子15及び内障子16と、外障子15の室外側に設けた網戸19とを備えている。
サッシ枠13は、上枠5a(5)、下枠5b(5)、左右の縦枠5c(5)を枠組して組みして構成してある。サッシ枠13はいわゆる半外付け枠であり、その外周側には、室内外方向の中間位置に躯体12に固定するフィン21が設けてある。
尚、図5及び6では、防水シート7aの各部位A~Hは、破線で示している。
【0010】
次に、防水シート7aの各部位A~Hの取り付けについて説明する。
図4に示すように、コーナー部位A~Dにはそれぞれ切込み23を入れ、折り曲げ線25で、折り曲げて図7及び図9に示すように、上枠5aと縦枠5cの各フィン21のコーナー29及び室内側突設部31を覆う形状に形成する。尚、図7図10は、それぞれ室内側から見てサッシ枠13の左側のみを示しているが、サッシ枠13の右側でも同様であるから右側の図は省略する。
図7及び図9に示すように、防水シート7aの各コーナー部位A~Dをそれぞれサッシ枠13の室内側面のコーナー29に接着材等により貼り付ける。
尚、各コーナー部位A~Dは同一形状であるから、いずれを左右又は上下のコーナーに用いても良い。
【0011】
次に、図8及び図10に示すように、上枠5a(5)及び下枠5b(5)のフィン21の室内側面に横枠部位E、Fを縦枠5c、5cのフィン21に掛け亘るように取り付け、次に縦枠部位G、Hを横枠部位E、Fの左右端部に重ねるようにして取り付ける。尚、横枠部位E、Fは同一形状であるからいずれを上枠5a(5)及び下枠5b(5)に貼り付けても良いし、同様に縦枠部位G、Hも同一形状であるから、左右のいずれの縦枠5cに貼り付けても良い。
【0012】
上述したように、枠材5を枠組してサッシ枠13を組み立てた後、防水シート7aの各部位A~Hを貼り付けたサッシ枠13を躯体12に設置するが、以下に、サッシ枠13を躯体12に設置する手順を説明する。
図11に示すように、サッシ枠13は、躯体12の開口部12aに室外側から納め、図12に示すように、サッシ枠13の四周のフィン21に室外側からスクリュー釘を打ち込んでサッシ枠13を躯体12に固定する。
その後、図13に示すように、躯体12の室外側面に透湿防水シート27を貼る。図13ではサッシ枠13の右側と下側に貼っているが、同様に上側と左側にも透湿防水シート27を貼る。各透湿防水シート27は、サッシ枠13のフィン21の室外側を覆うようにする。
その後、室外側に図示しない外壁材を施工し、外壁材とサッシ枠13との間をシール材でシールする。
尚、図5及び図6では、透湿防水シート27及び外壁材は省略している。
【0013】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る梱包材1によれば、梱包材1を開梱してサッシの枠材5を取り出して枠組した後、梱包材1の内面に設けた防水シート7aを、躯体開口部12aの下枠5b(図5参照)との間をコーナー部位C、Dで、及び室外側面を下枠部位Fで覆うのに用いることができるから、梱包材1を防水シート7aの保持具としての利用を図ることができる。
梱包材1に設ける防水シート7aは、少なくとも躯体開口部12aの下枠5bとの間と室外側面12bを覆うことで、雨水等が浸入し易い部分の防水を図ることができる。
【0014】
防水シート7aは、梱包材1の内面に設けているので、枠材5を梱包材1で梱包した状態のまま搬送したり、室外に載置した状態での防水を図ることもできる。
防水シート7aは、基材7の内壁を構成しているので、基材7の材料を削減でき、環境負荷を軽減できる。
【0015】
図3及び図4に示すように、防水シート7aには、複数の取り付け部分に応じた形状A~Hに分離できるように、ミシン目11が形成されているから、施工性が良い。
防水シート7aを分割した形状A~Hでは、サッシ枠13の上下左右のコーナー部位A~D、上枠5aと下枠5bの部位E、F、左右の縦枠5cの部位G、Hは、それぞれ同じ形状としているので、コーナー部位A~Dではいずれを左右上下に用いることができ、上枠5aと下枠5bの部位E、Fではいずれを上枠5aや下枠5bに用いることができ、左右の縦枠5cの部位G、Hもいずれを左縦枠や右縦枠に用いることができるかから、使い勝手が良い。
図5及び図6に示すように、サッシ枠13には、周囲全体に亘って防水シート7aを取り付けているので、窓まわり全体の防水性能を向上できる。
【0016】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
梱包した枠材5は、工務店等で開梱してサッシ枠13を組み立て、梱包材1から取り出した防水シート7aと共に施工現場に運んで防水シート7aを各部位A~Dに分離して、サッシ枠13に取り付けても良いし、工務店等で開梱してサッシ枠13を組み立てると共に防水シート7aを各部位A~Dに分離して貼った後に、施工現場に運んで躯体開口部12aに取り付けても良い。
防水シート7aは、基材7の内面を構成していることに限らず、基材7の内面に重ねて設けても良い。
防水シート7aは、基材7の内面全体に設けることに限らず、内面の一部に設けても良いし、複数の防水シートを基材の内面に設けても良い。
基材7は、段ボールに限らず、樹脂製のシートや木製であっても良く、材質は限定されない。
サッシ3の枠材5は、FIXサッシの枠材であっても良く、サッシ3の窓種は限定されない。
【符号の説明】
【0017】
1 梱包材
5 枠材
5a 下枠
7 基材
7a 防水シート(内壁)
12 躯体
12a 躯体開口部
12b 室外側面
13 サッシ枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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